JP2000281886A - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及び制振静音性成形品 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及び制振静音性成形品

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JP2000281886A
JP2000281886A JP11094131A JP9413199A JP2000281886A JP 2000281886 A JP2000281886 A JP 2000281886A JP 11094131 A JP11094131 A JP 11094131A JP 9413199 A JP9413199 A JP 9413199A JP 2000281886 A JP2000281886 A JP 2000281886A
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thermoplastic polyester
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Shigeru Muramatsu
繁 村松
Yoshitaka Kanazawa
吉隆 金沢
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リレーの構造部品として十分な機械的強度と耐
熱性を有し、さらにリレーから発生する騒音を低減する
効果のある熱可塑性組成物、及び、該樹脂組成物を材料
とした部品を用いることにより、静音性に優れたリレー
の提供。 【解決手段】振動数110Hzで測定した損失弾性率の
ピーク温度が−10〜60℃の範囲内にある熱可塑性ポ
リエステル樹脂100重量部に対し、ガラス繊維10〜
100重量部と、比重3.5〜6のフィラー20〜20
0重量部とが配合された、比重1.6〜2.5であるこ
とを特徴とする熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術用分野】本発明は、優れた制振静音
性を有するポリエステル樹脂樹脂組成物、及び、それか
らなる制振静音性成形品に関する。特に、リレー等のよ
うに内部に音源となる部品を有する成形品に関する。
【0002】ポリブチレンテレフタレート(PBT)や
ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性ポ
リエステル樹脂は、電気特性、その他物理的、化学的特
性に優れているため、有用なエンジニアリングプラスチ
ックスとして、電気、電子部品や自動車部品、機構部品
等に多く利用されている。
【0003】それらの中には、例えばリレー等のよう
に、内部の部品が振動して音源となる成形品も有り、熱
可塑性ポリエステル樹脂が、それらのケースやハウジン
グの材料として多く用いられており、近年、それらの成
形品の制振静音性を求める要求が高まっている。
【0004】
【従来の技術】リレーを構成する樹脂製部品(ケース、
ベース、コイルボビン等)には、優れた剛性が求められ
るが、一般的に、剛性の優れたポリマーは、損失弾性率
の値が小さく、剛性の小さなポリマーに比較して制振性
は十分ではない。特に、リレーを構成する樹脂部品の材
料として良く使用されているPBTは、損失弾性率の温
度分散を測定した場合、一般的なリレーの使用温度であ
る常温付近に損失弾性率の極小値が存在し、リレーの静
音化ということに関しては、決して好ましくはない。ま
た、ごく希に、液晶ポリマーのように、損失弾性率が大
きく、制振性に優れたポリマーも存在するが、コストが
高かったり、ウェルド強度が弱い等の問題点があり、製
品化にこぎつけることは容易ではない。
【0005】そのため、一般的には、剛性の高い樹脂
に、損失弾性率の高く、制振性に優れるエラストマーを
配合する手法が採られている。しかし、十分な制振性を
得ようとすると、エラストマーの種類にもよるが、過剰
な量のエラストマーを配合する必要があり、そうした場
合、剛性の低下や、DTULで代表される耐熱性の低下
を招き、リレー用部品として使うには支障がある。ま
た、別な手法として、高比重のフィラーを配合して、熱
可塑性樹脂組成物の比重を高くし、遮音効果を上げる方
法が採られてきた。しかし、高比重化では樹脂の制振性
は得られず、リレーベースやリレーケースそのものが振
動してしまうような状況では、静音化は不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リレーの構
造部品として十分な機械的強度と耐熱性を有し、さらに
リレーから発生する騒音を低減する効果のある熱可塑性
組成物、及び、該樹脂組成物を材料とした部品を用いる
ことにより、静音性に優れたリレーを提供することを課
題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決すべく
鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、
本発明の要旨は、振動数110Hzで測定した損失弾性
率のピーク温度が−10〜60℃の範囲内にある熱可塑
性ポリエステル樹脂100重量部に対し、ガラス繊維1
0〜100重量部と、比重3.5〜6のフィラー20〜
200重量部とが配合された、比重1.6〜2.5であ
ることを特徴とする熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に
存する。
【0008】
【発明の実施の形態】また、本発明において使用される
熱可塑性ポリエステル樹脂は、振動数110Hzで測定
した損失弾性率のピーク温度が−10〜60℃、好まし
くは−5〜50℃、より好ましくは0〜40℃の範囲内
にあることが必要である。すなわち、ピーク温度が−1
0℃未満の樹脂では、ガラス転位温度の低下に伴い融点
が200℃以下にまで低下し、強度や剛性等の機械的物
性が低下し、また、ピーク温度が60℃を超える樹脂で
は、通常リレーの使用温度である常温付近の損失弾性率
の値が小さくなり静音性の効果が不十分である。本明細
書において、損失弾性率のピーク温度とは、粘弾性測定
装置を用い、振動数110Hzでの損失弾性率を、−5
0〜150℃の範囲で温度を変えて測定し、損失弾性率
が極大値を示す温度をいう。
【0009】そのような性能を備える熱可塑性ポリエス
テル樹脂としては、通常、テレフタル酸残基又はこれを
主成分とするジカルボン酸構造単位とテトラメチレング
リコール残基及びポリテトラメチレンオキシドグリコー
ル残基又はこれらを主成分とするジオール構造単位とか
らなるポリエステルエーテルが選ばれる。
【0010】ジカルボン酸構造単位は、テレフタル酸残
基以外のジカルボン酸残基を含むこともできるが、その
場合、テレフタル酸残基の割合は、機械的性質、耐熱性
の点から、全ジカルボン酸残基中、好ましくは70モル
%以上であり、より好ましくは90モル%以上である。
テレフタル酸残基以外のジカルボン酸残基としては、具
体的には、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビ
ス(4,4’−カルボキシフェニール)メタン、アント
ラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジ
カルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸、4,4−ジシクロヘキシルジカル
ボン酸等の脂環族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸
等の残基が挙げられる。
【0011】ジオール構造単位は、テトラメチレングリ
コール残基及びポリテトラメチレンオキシドグリコール
残基以外のジオール残基等のポリオール残基を含むこと
もできるが、その場合、テトラメチレングリコール残基
及びポリテトラメチレンオキシドグリコール残基の割合
は、融点を200℃以上に保ち、十分な耐熱性を確保す
る点から、全ポリオール残基中、好ましくは70モル%
以上であり、より好ましくは90モル%以上である。
【0012】テトラメチレングリコール残基及びポリテ
トラメチレンオキシドグリコール残基以外のジオール残
基としては、通常、炭素数2〜20の脂肪族若しくは脂
環式ジオール残基、ビスフェノール誘導体残基等から選
ばれ、具体的には、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、デカメチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノール、4,4−ジシ
クロヘキシルヒドロキシメタン、ビスフェノールAのエ
チレンオキシド付加ジオール、ポリエチレンオキシドグ
リコール、ポリプロピレンオキシドグリコール等の残基
が挙げられる。さらに、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等のポリオールの残基であってもよい。
【0013】本発明において使用される熱可塑性ポリエ
ステル樹脂としては、ポリテトラメチレンオキシドグリ
コール残基の含有量が、熱可塑性ポリエステル樹脂に対
して1〜40重量%、好ましくは5〜25重量%であ
り、融点が200〜230℃、好ましくは210〜22
5℃であるポリエステル樹脂を選択することが好まし
い。すなわち、ポリテトラメチレンオキシドグリコール
残基の含有量が、少なすぎると、振動数110Hzで測
定した損失弾性率のピーク温度が50℃以上となって、
十分な制振性が得られなくなり、多すぎると、融点が2
00℃以下にまで低下し耐熱性が低下し、また機械的性
質も著しく低下するため、好ましくない。本明細書にお
いて、融点とは、DSC法で、昇温速度20℃/min
で測定したときの融解ピーク温度をいう。
【0014】本発明において使用される熱可塑性ポリエ
ステル樹脂としては、ポリテトラメチレンオキシドグリ
コール残基の数平均分子量が、300〜5000、好ま
しくは500〜2500のポリエステル樹脂を選択する
ことが好ましい。すなわち、ポリテトラメチレンオキシ
ドグリコール残基の数平均分子量が、小さすぎると、柔
軟性が不十分であり、フィラーを充填した場合IZOD
衝撃強度が低下しやすく、大きすぎると、耐熱性が低下
しやすい。本明細書において、ポリテトラメチレンオキ
シドグリコール残基の数平均分子量の測定は、化学分析
による。例えば、ポリエステル樹脂の加水分解によって
得られた、ポリテトラメチレンオキシドグリコールのサ
ンプルに、過剰の無水フタル酸を反応させ、残余の無水
フタル酸を定量することにより、サンプル1gあたりの
水酸基等量を算出し、これから数平均分子量を求めた。
【0015】本発明において使用される熱可塑性ポリエ
ステル樹脂としては、固有粘度が、0.7〜1.5dl
/gであることが好ましい。固有粘度が、0.7dl/
g未満では、熱可塑性ポリエステル樹脂としての十分な
物性が得られず、また、固有粘度が1.5dl/gより
大きいと、流動性が著しく低下し、射出成形や押出成形
により、所定の成形品を得ることが困難となり、好まし
くない。本明細書において、固有粘度とは、フェノール
/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50
(重量比)混合溶液中、30℃で測定された結果より、
算出される。
【0016】また、本発明で上記の熱可塑性ポリエステ
ルに配合するガラス繊維は、通常、樹脂の強化用に用い
られる、比重2.5〜2.6のガラス繊維であれば、特
に限定されない。例えば、長繊維タイプ(ガラスロービ
ング)や短繊維状のチョップドストランド等から選択し
て用いることができる。また、ガラス繊維は、収束剤
(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポレステル収束剤等)、カ
ップリング剤(例えば、シラン化合物、ボラン化合物、
チタン化合物等)、その他の表面処理剤で処理されてい
てもよい。
【0017】ガラス繊維の配合量は、熱可塑性ポリエス
テル樹脂100重量部に対し、10〜100重量部、好
ましくは30〜100部である。この配合量が10重量
部未満では、強度や剛性等の機械的物性が不十分であ
り、さらに30重量部未満では、ASTM D648記
載の方法に従い、荷重18.6kg/cm2 で測定した
熱変形温度が180℃未満となり、樹脂組成物としては
耐熱性が不十分であり、また、100重量部を超える場
合には、樹脂組成物の溶融状態における流動性が著しく
劣り、射出成形や押出成形が困難になり、外観の良好な
成形品を得ることが難しく、また強度的にも飽和に達し
ているため好ましくない。
【0018】本発明においては、必要とあれば、樹脂組
成物の機械的性質を向上させるために、ガラス繊維以外
の繊維状補強材を配合することもできる。ガラス繊維以
外の繊維状補強材としては、具体的には、アラミド繊
維、炭素繊維、スチール繊維、アスベスト、セラミック
繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ボロンウィスカー
等が挙げられる。もちろん、これらは単独で、また2種
以上を組み合わせて使用することもできる。
【0019】本発明で、上記のガラス繊維とともに、熱
可塑性ポリエステルに配合するフィラーは、比重3.5
〜6のフィラーであれば特に制限はない。すなわち、比
重が小さすぎると、それより高比重のフィラーを充填し
た場合に比べて、遮音効果が十分ではない。また、比重
が大きすぎるフィラーとしては、鉛含有のガラス(鉛ガ
ラス)や鉄等の金属フィラーが挙げられるが、例えば鉛
ガラスでは鉛を含有していることにより環境に対する悪
影響が懸念され好ましくなく、また鉄等の金属フィラー
を配合した場合、樹脂としての耐電圧等の電気的性質が
低下したり、コンパウンド時のスクリュー摩耗劣化等の
作業安定性が激しく低下するため好ましくない。フィラ
ーの形状は、針状、板状、粒状のいずれでもよい。ま
た、平均粒子径も、0.01μmから20μmまで、任
意のサイズのものが使用できる。具体的なフィラー材料
としては、アルミナ、アナターゼ又はルチル型の酸化チ
タン、リトボン、沈降性又は水簸性硫酸バリウム、バラ
イト、炭酸バリウム、ケイ酸ジルコン、二硫化モリブデ
ン、酸化鉄、湿式又は乾式の酸化亜鉛、酸化ジルコン、
チタン酸バリウム、三酸化アンチモン等が挙げられる。
中でも、安価で、環境に対する悪影響が少なく、樹脂に
対する安定性も良好で分子量低下を起こすことなく、成
形品の電気的性質や成形時の流動性に対する悪影響もほ
とんど無視できるレベルにある点で、硫酸バリウムが好
ましい。
【0020】比重3.5〜6のフィラーの配合量は、熱
可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、20〜2
00重量部である。この配合量が20重量部未満では、
組成物の比重は1.6未満となり、樹脂組成物としては
制振静音性が不十分であり、また、200重量部を超え
る場合には、樹脂組成物の強度やIZOD衝撃強度が低
下し、また樹脂組成物をコンパウンドする場合、フィー
ド口の食い込み安定性やストランドの引き取り安定性が
低下し好ましくない。
【0021】本発明においては、必要とあれば、前記の
比重が3.5〜6のフィラーを複数種配合することもで
きるし、比重が3.5〜6のフィラーに加えて、比重が
3.5〜6の範囲外のフィラーを配合することもでき
る。比重が3.5〜6の範囲外のフィラーとしては、具
体的には、カオリン、クレー、ウォラストナイト、タル
ク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭化ケ
イ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化
鉛、ガラスビーズ、ガラス、フレーク等の粉末状、粒状
あるいは板状のフィラーが例示できる。
【0022】本発明の樹脂組成物には、難燃性を付与す
るために臭素系難燃剤及びアンチモン系難燃剤を配合し
てもよい。臭素系難燃剤としては臭素化エポキシ、臭素
化ポリカーボネート、臭素化スチレン、臭素化アクリル
等が挙げられる。アンチモン系難燃助剤としては、三酸
化アンチモン、四酸化アンチモン及び下記式 pNa2 O・Sb25 ・qH2 O (式中、p=0〜
1、q=0〜4) で表される五酸化アンチモン又はアンチモン酸ナトリウ
ムを使用することができる。
【0023】また、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じてその他の配合剤を添加してもよい。そのような配合
剤としては、耐熱安定性を目的とした、ヒンダードフェ
ノール化合物、芳香族アミン化合物、有機リン化合物、
硫黄化合物等の酸化防止剤又は熱安定剤を挙げることも
でき、これらの2種以上を組み合わせて使用することが
できる。また、各種のエポキシ化合物を添加してもよ
い。エポキシ化合物としてはビスフェノールA型エポキ
シ化合物、脂肪族グリシジルエーテル、ノボラック型エ
ポキシ化合物、芳香族又は脂肪族カルボン酸型エポキシ
化合物、脂環化合物型エポキシ化合物が好ましい。
【0024】その他の安定剤、着色剤、滑剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤の添加もできる。さらに、少量の割合
で、他の熱可塑性組成物、例えば他のポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリエチレン及びその共重合体、
ポリプロピレン及びその共重合体、ポリスチレン及びそ
の共重合体、アクリル樹脂及びアクリル系共重合体、ポ
リアミドエラストマー等;熱硬化性樹脂、例えばフェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シ
リコーン樹脂等を配合してもよい。
【0025】本発明の樹脂組成物は製造するための方法
に特に制限はなく、通常の方法が満足に使用できる。し
かしながら、一般に溶融混練が望ましい。装置としては
特に押出機を例として挙げることができ回分的又は連続
的に運転する。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】実施例及び比較例においては、次の化合物
を使用した。 (1)熱可塑性ポリエステル樹脂 樹脂1:撹拌機、温度計等を備えた反応器に、ジメチレ
ンテレフタレート801重量部、1、4テトラメチレン
グリコール435重量部、数平均分子量約1000のポ
リテトラメチレンオキシドグリコール100重量部、及
び、触媒としてテトラブチルチタネート0.30重量部
を仕込み、窒素置換した後、200℃まで40分かけて
昇温し、200℃で2時間かけて反応させ、メタノール
を留出させた。次に、反応器に、ペンタエリスリトール
−テトラキス(3−(3、5ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート)1.7重量部、及
び、次亜燐酸ナトリウム−水塩0.07重量部を添加
し、この後240℃まで60分かけて昇温し、同時に反
応系を徐々に減圧して真空度3Torr以下とし、さら
に2時間保持した。得られたポリマーを、水中に押し出
し、引き取り、カッティングし、ペレット状の樹脂1を
得た。樹脂1の、ポリテトラメチレンオキシドグリコー
ル残基の含有量は、樹脂に対して10重量%であり、融
点は222℃、曲げ弾性率は8,400kg/cm2
固有粘度は0.90dl/gであった。
【0028】樹脂2:ジメチルテレフタレート360重
量部、1、4テトラメチレングリコール190重量部と
した以外は樹脂1と同様にして、ペレット状の樹脂2を
得た。樹脂2の、ポリテトラメチレンオキシドグリコー
ル残基の含有量は、樹脂に対して20重量%であり、融
点は216℃、曲げ弾性率は4,400kg/cm2
固有粘度は1.03dl/gであった。 PBT:固有粘度0.85dl/g、融点225℃のポ
リブチレンテレフタレート。
【0029】(2)ガラス繊維: 直径13μm×長さ
3mmのガラスチョップドストランド(比重2.57) (3)硫酸バリウム: 平均粒径8μmの簸性BaSO
4 (比重4.5) (4)安定剤 安定剤1:ヒンダードフェノール系熱安定剤 安定剤2:硫黄系熱安定剤
【0030】実施例及び比較例 上記の各成分を、それぞれ、表−1に示す割合(重量
部)で、二軸押出機(スクリュー径35mm)に供給し
て配合混練し、バレル設定温度260℃、回転数200
rpmで押し出し、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物ペ
レットを得た。
【0031】
【表1】
【0032】これらのペレットから、各種物性測定用に
所定形状の試験片を射出成形し、各種特性を評価した。
測定は、以下の方法によった。結果を表−2に示す。 (1)機械的特性:引張試験はASTM D−638
に、曲げ試験はASTM D−790に、衝撃試験はA
STM D−256(IZOD、1/8”ノッチ付き)
に、それぞれ準拠して測定した。 (2)熱変形温度:ASTM D648(荷重たわみ温
度)に準拠し、荷重18.6kg/cm2で測定した。 (3)比重:衝撃試験用の試験片(IZOD、1/8”
ノッチ付き)について、電子比重計(ミラージュ貿易
(株)製、ED−120T型)を用いて測定した。
【0033】(4)損失弾性率のピーク温度(Tg):
4mm×1mm×60mmの射出成形試験片について、
粘弾性測定装置(株式会社東洋ボールドウイン製、RH
EOVIBRON DDV−3−EA)を用いて、振動
数110Hzでの損失弾性率を、−50℃〜150℃の
範囲で3℃おきに測定し、損失弾性率が極大値を示す温
度を求めた。
【0034】(5)騒音レベル:3mm厚み×100m
m直径の円盤を成形し、図1に示すように、密閉容器
(1)内に、スピーカー(2)及びマイク(3)ととも
に、これらの中間位置に円盤(4)をセットし、マイク
(3)から取り出された音圧を騒音計(図示せず)で測
定し、騒音レベルとした。スピーカーから発生させる音
は、周波数1500Hzで、円盤をセットしないときに
騒音計に感じる騒音レベルが84.5dBになるよう
に、ボリュームを調整した。
【0035】
【表2】
【0036】上記表−2記載の結果から、以下のことが
明らかとなる。 (実施例1〜8)比重が1.6以上有り、損失弾性率の
ピーク温度が室温付近(0℃から50℃)に存在するた
め、静音性(遮音性、制振性)に優れている。なおかつ
リレー用部品として十分な機械的強度と耐熱性を示す。
【0037】(比較例1〜3)比重は1.6以上有り、
また十分な機械的強度と耐熱性を有するが、損失弾性率
のピーク温度が73℃と室温から離れた温度に存在する
ため、静音性は十分ではない。 (比較例4)比重が1.6以上有り、損失弾性率のピー
ク温度が室温付近(0℃から50℃)に存在するため、
静音性(遮音性、制振性)に優れている。しかし、機械
的強度と耐熱性が十分ではない (比較例5)損失弾性率のピーク温度が室温付近(0℃
から50℃)に存在するが、比重が1.6以下であり、
静音性(遮音性、制振性)が不十分である。 (比較例6)比重が1.6以下であり、損失弾性率のピ
ーク温度が73℃と室温から離れた温度に存在するた
め、静音性(遮音性、制振性)が不十分である。
【0038】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を用いると、リレー
の構造部品として十分な機械的強度と耐熱性を有し、さ
らにリレー等から発生する騒音を低減する効果があり工
業的に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 騒音レベル測定装置の概念図。
【符号の説明】
1 密閉容器 2 スピーカー 3 マイク 4 円盤
フロントページの続き (72)発明者 金沢 吉隆 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 4J002 CF071 CF101 DE097 DE107 DE127 DE137 DE147 DE237 DG027 DG047 DJ007 DL006 FA046 FD016 FD017 GQ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動数110Hzで測定した損失弾性率の
    ピーク温度が−10〜60℃の範囲内にある熱可塑性ポ
    リエステル樹脂100重量部に対し、ガラス繊維10〜
    100重量部と、比重3.5〜6のフィラー20〜20
    0重量部とが配合された、比重1.6〜2.5であるこ
    とを特徴とする熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】上記フィラーが、硫酸バリウムであること
    を特徴とする請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】熱可塑性ポリエステル樹脂が、テレフタル
    酸残基又はこれを主成分とするジカルボン酸構造単位と
    テトラメチレングリコール残基及びポリテトラメチレン
    オキシドグリコール残基又はこれらを主成分とするジオ
    ール構造単位とからなるポリエステルエーテルであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】上記ポリテトラメチレンオキシドグリコー
    ル残基の含有量が、熱可塑性ポリエステル樹脂に対して
    1〜40重量%であることを特徴とする請求項3に記載
    の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】上記ポリテトラメチレンオキシドグリコー
    ル残基の分子量が、300〜3000であることを特徴
    とする請求項3又は4に記載の熱可塑性ポリエステル樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】上記ポリエステル樹脂の融点が、200〜
    230℃であることを特徴とする請求項3ないし5のい
    ずれかに記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】上記ガラス繊維が、熱可塑性ポリエステル
    樹脂100重量部に対し、30〜100重量部配合さ
    れ、かつ、ASTM D648に従い、荷重18.6k
    g/cm2 で測定した熱変形温度が180℃以上である
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の
    熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれかに記載の熱可
    塑性ポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする
    制振静音性成形品。
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