JP2001279070A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物Info
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- JP2001279070A JP2001279070A JP2000093095A JP2000093095A JP2001279070A JP 2001279070 A JP2001279070 A JP 2001279070A JP 2000093095 A JP2000093095 A JP 2000093095A JP 2000093095 A JP2000093095 A JP 2000093095A JP 2001279070 A JP2001279070 A JP 2001279070A
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- polyester resin
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- resin
- barium sulfate
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 陶器の持つ重量感、質感、光沢を有すると共
に、耐衝撃性、耐薬品性を兼ね備えた成形品が得られる
ポリエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】組成物全体を100重量%として、下記
(a)12〜64重量%、下記(b)6〜48重量%お
よび下記(c)70〜20重量%からなるポリエステル
樹脂組成物。 (a)ポリブチレンテレフタレート樹脂 (b)ポリブチレンテレフタレート樹脂よりも結晶化速
度の遅いポリエステル樹脂又は非晶性樹脂 (c)硫酸バリウム全体を100重量%として、平均粒
径が0.4〜2μmの硫酸バリウムを97〜60重量%
と平均粒径が0.03〜0.3μmの硫酸バリウム3〜
40重量%とからなる硫酸バリウム
に、耐衝撃性、耐薬品性を兼ね備えた成形品が得られる
ポリエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】組成物全体を100重量%として、下記
(a)12〜64重量%、下記(b)6〜48重量%お
よび下記(c)70〜20重量%からなるポリエステル
樹脂組成物。 (a)ポリブチレンテレフタレート樹脂 (b)ポリブチレンテレフタレート樹脂よりも結晶化速
度の遅いポリエステル樹脂又は非晶性樹脂 (c)硫酸バリウム全体を100重量%として、平均粒
径が0.4〜2μmの硫酸バリウムを97〜60重量%
と平均粒径が0.03〜0.3μmの硫酸バリウム3〜
40重量%とからなる硫酸バリウム
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル樹脂組
成物に関し、さらに詳しくは合成樹脂製でありながら陶
器調の重量感、質感、光沢を有し、さらに耐薬品性、耐
衝撃性に優れた成形品を得ることができるポリエステル
樹脂組成物に関する。
成物に関し、さらに詳しくは合成樹脂製でありながら陶
器調の重量感、質感、光沢を有し、さらに耐薬品性、耐
衝撃性に優れた成形品を得ることができるポリエステル
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】陶器調光沢を有する樹脂成形品は、食
器、洗面器具、植木鉢等の各種容器類、床材、壁材、洗
面ボウル等の住宅機器類、及びテーブルトップ、額縁、
人形等の装飾品類等の分野において広く利用されてい
る。
器、洗面器具、植木鉢等の各種容器類、床材、壁材、洗
面ボウル等の住宅機器類、及びテーブルトップ、額縁、
人形等の装飾品類等の分野において広く利用されてい
る。
【0003】このような陶器調の光沢や重量感、質感を
有する樹脂組成物の検討がなされているが陶器に代わる
樹脂組成物は残念ながら少ない。例えば、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂
及び酸化亜鉛からなる組成物(特開平3−185052
号公報)の提案は光沢や衝撃性が劣り、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及
び硫酸バリウムからなる組成物(特公平7−13182
号公報)の提案は光沢及び衝撃性がかなり良いが、耐衝
撃性等の点において、実用上はまだ不満足な水準であ
る。また、耐衝撃性を改良する方法としてポリエステル
樹脂、熱可塑性エラストマー、硫酸バリウムからなる組
成物(特開平4−506382号公報)の提案がなされ
ているが、衝撃性は改善されるものの光沢等の表面外観
が十分ではなく、表面外観(光沢)と耐衝撃性の双方を
兼ね備えた陶器代替え材料の開発が望まれていた。
有する樹脂組成物の検討がなされているが陶器に代わる
樹脂組成物は残念ながら少ない。例えば、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂
及び酸化亜鉛からなる組成物(特開平3−185052
号公報)の提案は光沢や衝撃性が劣り、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及
び硫酸バリウムからなる組成物(特公平7−13182
号公報)の提案は光沢及び衝撃性がかなり良いが、耐衝
撃性等の点において、実用上はまだ不満足な水準であ
る。また、耐衝撃性を改良する方法としてポリエステル
樹脂、熱可塑性エラストマー、硫酸バリウムからなる組
成物(特開平4−506382号公報)の提案がなされ
ているが、衝撃性は改善されるものの光沢等の表面外観
が十分ではなく、表面外観(光沢)と耐衝撃性の双方を
兼ね備えた陶器代替え材料の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の陶器製に代わる容器組成物の欠点を解消し、
合成樹脂製でありながら優れた光沢、衝撃性、耐薬品性
を有し、陶器調外観を有する樹脂組成物を提供すること
にある。
した従来の陶器製に代わる容器組成物の欠点を解消し、
合成樹脂製でありながら優れた光沢、衝撃性、耐薬品性
を有し、陶器調外観を有する樹脂組成物を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、組成物全体を100重量%として、下記
(a)12〜64重量%、下記(b)6〜48重量%お
よび下記(c)70〜20重量%からなるポリエステル
樹脂組成物。
め、本発明は、組成物全体を100重量%として、下記
(a)12〜64重量%、下記(b)6〜48重量%お
よび下記(c)70〜20重量%からなるポリエステル
樹脂組成物。
【0006】(a)ポリブチレンテレフタレート樹脂 (b)ポリブチレンテレフタレート樹脂よりも結晶化速
度の遅いポリエステル樹脂又は非晶性樹脂 (c)硫酸バリウム全体を100重量%として、平均粒
径が0.4〜2μmの硫酸バリウムを97〜60重量%
と平均粒径が0.03〜0.3μmの硫酸バリウム3〜
40重量%とからなる硫酸バリウムからなることを特徴
とするものである。
度の遅いポリエステル樹脂又は非晶性樹脂 (c)硫酸バリウム全体を100重量%として、平均粒
径が0.4〜2μmの硫酸バリウムを97〜60重量%
と平均粒径が0.03〜0.3μmの硫酸バリウム3〜
40重量%とからなる硫酸バリウムからなることを特徴
とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において(a)成分として
用いるポリブチレンテレフタレート樹脂の配合量は樹脂
組成物全体の12〜64重量%、好ましくは15〜56
重量%である。
用いるポリブチレンテレフタレート樹脂の配合量は樹脂
組成物全体の12〜64重量%、好ましくは15〜56
重量%である。
【0008】また、本発明において使用されるポリブチ
レンテレフタレート樹脂としてはO−クロルフェノール
で測定した固有粘度が0.36〜1.60dl/g、特
に0.52〜1.35dl/gの範囲にあることが好ま
しい。
レンテレフタレート樹脂としてはO−クロルフェノール
で測定した固有粘度が0.36〜1.60dl/g、特
に0.52〜1.35dl/gの範囲にあることが好ま
しい。
【0009】本発明で用いる(b)成分のうち、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂よりも結晶化速度の遅いポリ
エステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ジオール成分がエ
チレングリコール残基、シクロヘキサンジメタノール残
基及び、ジカルボン酸成分がテレフタル酸残基を構成成
分とするポリエステル共重合体が好ましい。また、非晶
性樹脂としてはポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイ
ミド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂が好まし
い。これら樹脂は1種以上で用いることが可能である。
なかでもポリエチレンテレフタレート樹脂を用いること
が最も好ましい。
チレンテレフタレート樹脂よりも結晶化速度の遅いポリ
エステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ジオール成分がエ
チレングリコール残基、シクロヘキサンジメタノール残
基及び、ジカルボン酸成分がテレフタル酸残基を構成成
分とするポリエステル共重合体が好ましい。また、非晶
性樹脂としてはポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイ
ミド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂が好まし
い。これら樹脂は1種以上で用いることが可能である。
なかでもポリエチレンテレフタレート樹脂を用いること
が最も好ましい。
【0010】本発明における(b)成分の配合量は樹脂
組成物全体の6〜48重量%、好ましくは9〜40重量
%である。ポリブチレンテレフタレート樹脂の配合量が
多すぎると光沢が低下し、少なすぎると耐衝撃性が低下
するため好ましくない。
組成物全体の6〜48重量%、好ましくは9〜40重量
%である。ポリブチレンテレフタレート樹脂の配合量が
多すぎると光沢が低下し、少なすぎると耐衝撃性が低下
するため好ましくない。
【0011】なお、上述のポリエステル樹脂としてはジ
カルボン酸成分或いはグリコール成分の一部を他の共重
合成分で置き換えたものでもよい。共重合可能なジカル
ボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、例えばテレ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタ
ル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等、脂肪
族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸等、ドデカンジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、
例えばシクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。共
重合可能なジグリコール成分としては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルS等が挙げられる。
カルボン酸成分或いはグリコール成分の一部を他の共重
合成分で置き換えたものでもよい。共重合可能なジカル
ボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、例えばテレ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタ
ル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等、脂肪
族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸等、ドデカンジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、
例えばシクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。共
重合可能なジグリコール成分としては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルS等が挙げられる。
【0012】本発明において(c)成分として使用され
る硫酸バリウムとしては天然に産したものの粉砕物およ
び公知の合成法により得られるものを使用できる。硫酸
バリウムは平均粒径が異なるものを併用する事が必須で
あり、平均粒径が0.4〜2μmの硫酸バリウム97〜
60重量%と平均粒径が0.03〜0.3μm以下の硫
酸バリウム3〜40重量%からなり、硫酸バリウムの割
合が組成物全体の7〜20重量%である。
る硫酸バリウムとしては天然に産したものの粉砕物およ
び公知の合成法により得られるものを使用できる。硫酸
バリウムは平均粒径が異なるものを併用する事が必須で
あり、平均粒径が0.4〜2μmの硫酸バリウム97〜
60重量%と平均粒径が0.03〜0.3μm以下の硫
酸バリウム3〜40重量%からなり、硫酸バリウムの割
合が組成物全体の7〜20重量%である。
【0013】上記硫酸バリウムとしては平均粒径が0.
4〜2μm、好ましくは0.5〜1μmの範囲のもの
と、0.03〜0.3μm、好ましくは0.04〜0.
1μmの硫酸バリウムを併用することが、それぞれの単
独使用に比べ、空隙充填効果、流動性、耐衝撃性の面で
好ましい。
4〜2μm、好ましくは0.5〜1μmの範囲のもの
と、0.03〜0.3μm、好ましくは0.04〜0.
1μmの硫酸バリウムを併用することが、それぞれの単
独使用に比べ、空隙充填効果、流動性、耐衝撃性の面で
好ましい。
【0014】硫酸バリウムの平均粒子径は、(株)堀場
製作所製LA−700レーザー回折散乱式粒度分布測定
法により測定した値である。
製作所製LA−700レーザー回折散乱式粒度分布測定
法により測定した値である。
【0015】ほとんどの用途では、硫酸バリウムは存在
する充填材全体の100%の量であるが、用途によって
は、硫酸バリウム総含有量の50重量%まで、好ましく
は20重量%までを、ガラス繊維、ガラスビーズ、PA
N系やピッチ系の炭素繊維、ステンレススチール繊維、
アルミニウム繊維、黄銅繊維などの金属繊維、石膏繊
維、セラミック繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、
シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、チタン
酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、
ほう酸アルミニウムウイスカー、窒化ケイ素ウイスカー
などの短繊維(チョップドストランド)又は/及び長繊
維(ロービング)、及びマイカ、タルク、カオリン、シ
リカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレー
ク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデ
ン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン
酸カルシウム、グラファイト、合成雲母などの板片状、
粉末状又は粒状のもので置き換えることができる。
する充填材全体の100%の量であるが、用途によって
は、硫酸バリウム総含有量の50重量%まで、好ましく
は20重量%までを、ガラス繊維、ガラスビーズ、PA
N系やピッチ系の炭素繊維、ステンレススチール繊維、
アルミニウム繊維、黄銅繊維などの金属繊維、石膏繊
維、セラミック繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、
シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、チタン
酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、
ほう酸アルミニウムウイスカー、窒化ケイ素ウイスカー
などの短繊維(チョップドストランド)又は/及び長繊
維(ロービング)、及びマイカ、タルク、カオリン、シ
リカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレー
ク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデ
ン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン
酸カルシウム、グラファイト、合成雲母などの板片状、
粉末状又は粒状のもので置き換えることができる。
【0016】本発明のポリエステル樹脂組成物で陶器製
の代わりとなる容器を作製する場合、成形性、耐熱性に
代表される二次要求特性を満足するが、本発明の効果を
損なわない範囲で他の成分を添加してもよい。例えば、
耐候剤(レゾルシノール系、ヒンダードフェノン系
等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、ス
テアラミド等)、顔料(カーボンブラック等)、染料
(ニグロシン等)、等の安定剤を添加してもよい。
の代わりとなる容器を作製する場合、成形性、耐熱性に
代表される二次要求特性を満足するが、本発明の効果を
損なわない範囲で他の成分を添加してもよい。例えば、
耐候剤(レゾルシノール系、ヒンダードフェノン系
等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、ス
テアラミド等)、顔料(カーボンブラック等)、染料
(ニグロシン等)、等の安定剤を添加してもよい。
【0017】本発明に使用されるポリエステル樹脂組成
物の混合方法は、通常用いられている溶融混練方法によ
り容易に調製することができる。混練機としては、例え
ばエクストルーダー、バンバリーミキサー、ロールニー
ダーなどを用いることができるが、なかでもエクストル
ーダーにより250〜280℃の温度範囲で溶融混練す
ることが好ましい。
物の混合方法は、通常用いられている溶融混練方法によ
り容易に調製することができる。混練機としては、例え
ばエクストルーダー、バンバリーミキサー、ロールニー
ダーなどを用いることができるが、なかでもエクストル
ーダーにより250〜280℃の温度範囲で溶融混練す
ることが好ましい。
【0018】本発明のポリエステル樹脂組成物は、組成
物を250℃で30分間熱処理したときの加熱減量が
0.5%以下であることが、ガスくもりの発生が抑制さ
れ、良外観に極めて優れた成形品が得られる点で好まし
く、特に0.3%以下であることが好ましい。
物を250℃で30分間熱処理したときの加熱減量が
0.5%以下であることが、ガスくもりの発生が抑制さ
れ、良外観に極めて優れた成形品が得られる点で好まし
く、特に0.3%以下であることが好ましい。
【0019】加熱減量は、組成物100gをアルミカッ
プに入れ250℃で30分ギアオーブン中で処理し、重
量測定により求めた値である。
プに入れ250℃で30分ギアオーブン中で処理し、重
量測定により求めた値である。
【0020】かかる組成物を得るためには、(a)、
(b)成分として、加熱により揮発ガス発生の少ないも
のを用いて配合に供することが好ましい。
(b)成分として、加熱により揮発ガス発生の少ないも
のを用いて配合に供することが好ましい。
【0021】例えば、前記(a)成分として用いるポリ
ブチレンテレフタレート樹脂は、配合に供するペレット
の状態で100℃で30分間熱処理したときに発生する
揮発ガスの量が50ppm以下、特に30ppm以下で
あるものを用いることが好ましい。ポリブチレンテレフ
タレート樹脂は、液相重合のみで得られたペレットを1
40〜170℃の窒素雰囲気下で2〜8時間加熱乾燥す
ることにより揮発ガスを減少させることができるが、ペ
レットを常圧・窒素雰囲気下または真空下で170〜2
10℃の温度で固相重合したものが揮発ガス抑制の面で
好ましい。
ブチレンテレフタレート樹脂は、配合に供するペレット
の状態で100℃で30分間熱処理したときに発生する
揮発ガスの量が50ppm以下、特に30ppm以下で
あるものを用いることが好ましい。ポリブチレンテレフ
タレート樹脂は、液相重合のみで得られたペレットを1
40〜170℃の窒素雰囲気下で2〜8時間加熱乾燥す
ることにより揮発ガスを減少させることができるが、ペ
レットを常圧・窒素雰囲気下または真空下で170〜2
10℃の温度で固相重合したものが揮発ガス抑制の面で
好ましい。
【0022】前記(b)成分として特に好ましく使用さ
れるポリエチレンテレフタレート樹脂の場合には、配合
に供するペレットの状態で100℃で30分間熱処理し
たときに発生する揮発ガスの量が40ppm以下、特に
20ppm以下であることが成形品の外観上好ましい。
また、25℃におけるO−クロルフェノールで測定した
固有粘度は0.3〜1.2、特に0.5〜1.0の範囲
にあることが好ましい。ポリエチレンテレフタレート樹
脂は、液相重合のみで得られたペレットを140〜18
0℃の窒素雰囲気下で2〜8時間加熱乾燥することによ
り揮発ガスを減少させることができるが、ペレットを常
圧・窒素雰囲気下または真空下で190〜240℃の温
度で固相重合したものが揮発ガス抑制の面で好ましい。
れるポリエチレンテレフタレート樹脂の場合には、配合
に供するペレットの状態で100℃で30分間熱処理し
たときに発生する揮発ガスの量が40ppm以下、特に
20ppm以下であることが成形品の外観上好ましい。
また、25℃におけるO−クロルフェノールで測定した
固有粘度は0.3〜1.2、特に0.5〜1.0の範囲
にあることが好ましい。ポリエチレンテレフタレート樹
脂は、液相重合のみで得られたペレットを140〜18
0℃の窒素雰囲気下で2〜8時間加熱乾燥することによ
り揮発ガスを減少させることができるが、ペレットを常
圧・窒素雰囲気下または真空下で190〜240℃の温
度で固相重合したものが揮発ガス抑制の面で好ましい。
【0023】かくして得られるポリエステル樹脂組成物
は、外観、耐衝撃性に優れるため、食器、洗面器具、植
木鉢等の各種容器類、床材、壁材、洗面ボウル、浴槽等
の住宅機器類、及びテーブルトップ、額縁、人形等の装
飾品類等、陶器調外観が要求される用途に極めて実用的
である。
は、外観、耐衝撃性に優れるため、食器、洗面器具、植
木鉢等の各種容器類、床材、壁材、洗面ボウル、浴槽等
の住宅機器類、及びテーブルトップ、額縁、人形等の装
飾品類等、陶器調外観が要求される用途に極めて実用的
である。
【0024】
【実施例】以下に説明する実施例及び比較例において、
光沢性、衝撃性、耐薬品性とは次の方法によって行っ
た。
光沢性、衝撃性、耐薬品性とは次の方法によって行っ
た。
【0025】[結晶化速度]DSC(パーキン・エルマ
社製示差走査熱量計)を用い20℃/分の昇温・降温速
度にてTm(融点)、Tc(結晶化温度)を測定しTm
−Tcにて結晶化速度を測定した。Tm−Tcの差が大
きい程結晶化速度が遅い。
社製示差走査熱量計)を用い20℃/分の昇温・降温速
度にてTm(融点)、Tc(結晶化温度)を測定しTm
−Tcにて結晶化速度を測定した。Tm−Tcの差が大
きい程結晶化速度が遅い。
【0026】Tmが観測されてもTcが観測されない場
合はさらに結晶化速度が遅い。
合はさらに結晶化速度が遅い。
【0027】[光沢性]グロスメーターを使用してテス
トピース表面の光沢度(%)を測定した。
トピース表面の光沢度(%)を測定した。
【0028】[耐衝撃性]ASTM D256に準拠し
てノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
てノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
【0029】[耐薬品性]テストピース表面にマニュキ
ア液(大阪資生堂(株)製ヌーヴネイルカラー)及びヘ
アトニック液(大阪資生堂(株)製ブラバスヘアリキッ
ド)を塗布し、乾燥しないようシャーレ皿をかぶせて2
4時間放置して表面変化の有無を評価した。
ア液(大阪資生堂(株)製ヌーヴネイルカラー)及びヘ
アトニック液(大阪資生堂(株)製ブラバスヘアリキッ
ド)を塗布し、乾燥しないようシャーレ皿をかぶせて2
4時間放置して表面変化の有無を評価した。
【0030】実施例1〜7及び比較例1,2 下記7種類の材料を用意した。 A PBT樹脂:ポリブチレンテレフタレート(固相重
合品) 固有粘度0.8の液相重合ポリマを190℃、常圧の条
件で窒素雰囲気下7時間固相重合を行った。
合品) 固有粘度0.8の液相重合ポリマを190℃、常圧の条
件で窒素雰囲気下7時間固相重合を行った。
【0031】揮発ガス発生量:6.1ppm 固有粘度 :1.1 Tm223℃、Tc187℃、Tm−Tc:36℃ B PET樹脂:ポリエチレンテレフタレート(固相重
合品) 固有粘度0.6の液相重合ポリマを220℃、常圧の条
件で窒素雰囲気下8時間固相重合を行った。
合品) 固有粘度0.6の液相重合ポリマを220℃、常圧の条
件で窒素雰囲気下8時間固相重合を行った。
【0032】揮発ガス発生量:4.5ppm 固有粘度 :0.8 Tm253℃、Tc195℃、Tm−Tc:58℃ C 2,6PEN樹脂:ポリエチレンナフタレート樹脂
(液相重合品) 揮発ガス発生量:12.8ppm 固有粘度 :0.6 Tm261℃、Tc検出されず D PCT樹脂:ポリシクロヘキサンジメチレンテレフ
タレート/ポリエチレンテレフタレート共重合樹脂(イ
ーストマンコダック社製:DN003) 揮発ガス発生量:16.4ppm 固有粘度 :0.8 Tm、Tcとも検出されず E PC樹脂:ポリカーボネート樹脂 (三菱エンジニ
アリングプラスチックス社製:H3000) 揮発ガス発生量:15.5ppm Tm、Tcとも検出されず F 硫酸バリウム(平均粒径=0.7μm) G 硫酸バリウム(平均粒径=0.03μm) これら7種類の材料A〜Gをそれぞれ表1および表2に
記載した配合割合でヘンシェルミキサーに供給して混合
した後、2軸ベント式押出機を使用してバレル設定温度
は250℃、スクリュー回転数は200rpmの条件で
溶融混練押出しながらペレタイズして樹脂組成物を製造
した。次に、樹脂組成物をあらかじめ乾燥してから、シ
リンダー設定温度260℃、金型温度80℃、射出圧力
30MPaの条件で日精樹脂工業製の60トン射出成形
機を使用し試験片を成形した。これらテストピースの成
形品光沢、耐衝撃性及び耐薬品性をそれぞれ測定した結
果、表1の結果が得られた。
(液相重合品) 揮発ガス発生量:12.8ppm 固有粘度 :0.6 Tm261℃、Tc検出されず D PCT樹脂:ポリシクロヘキサンジメチレンテレフ
タレート/ポリエチレンテレフタレート共重合樹脂(イ
ーストマンコダック社製:DN003) 揮発ガス発生量:16.4ppm 固有粘度 :0.8 Tm、Tcとも検出されず E PC樹脂:ポリカーボネート樹脂 (三菱エンジニ
アリングプラスチックス社製:H3000) 揮発ガス発生量:15.5ppm Tm、Tcとも検出されず F 硫酸バリウム(平均粒径=0.7μm) G 硫酸バリウム(平均粒径=0.03μm) これら7種類の材料A〜Gをそれぞれ表1および表2に
記載した配合割合でヘンシェルミキサーに供給して混合
した後、2軸ベント式押出機を使用してバレル設定温度
は250℃、スクリュー回転数は200rpmの条件で
溶融混練押出しながらペレタイズして樹脂組成物を製造
した。次に、樹脂組成物をあらかじめ乾燥してから、シ
リンダー設定温度260℃、金型温度80℃、射出圧力
30MPaの条件で日精樹脂工業製の60トン射出成形
機を使用し試験片を成形した。これらテストピースの成
形品光沢、耐衝撃性及び耐薬品性をそれぞれ測定した結
果、表1の結果が得られた。
【0033】これらの試験結果から明らかなように、本
発明のポリエステル樹脂組成物からなる成形品は、陶器
調外観を有し、従来の硫酸バリウムを配合したポリエス
テル樹脂組成物からなる成形品と比較して、陶器調光沢
性、耐衝撃性、耐薬品性がバランスよく優れていること
が分かる。
発明のポリエステル樹脂組成物からなる成形品は、陶器
調外観を有し、従来の硫酸バリウムを配合したポリエス
テル樹脂組成物からなる成形品と比較して、陶器調光沢
性、耐衝撃性、耐薬品性がバランスよく優れていること
が分かる。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】上述したように、本発明のポリエステル
樹脂組成物は、陶器の持つ重量感、質感、光沢を有する
と共に、耐衝撃性、耐薬品性を備えた優れた成形品を得
ることができる。
樹脂組成物は、陶器の持つ重量感、質感、光沢を有する
と共に、耐衝撃性、耐薬品性を備えた優れた成形品を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CF05X CF06X CF07W CF08X CG00X CH07X CM04X DG046 FD016 GC00
Claims (4)
- 【請求項1】組成物全体を100重量%として、下記
(a)12〜64重量%、下記(b)6〜48重量%お
よび下記(c)70〜20重量%をからなるポリエステ
ル樹脂組成物。 (a)ポリブチレンテレフタレート樹脂 (b)ポリブチレンテレフタレート樹脂よりも結晶化速
度の遅いポリエステル樹脂又は非晶性樹脂 (c)硫酸バリウム全体を100重量%として、平均粒
径が0.4〜2μmの硫酸バリウムを97〜60重量%
と平均粒径が0.03〜0.3μmの硫酸バリウム3〜
40重量%とからなる硫酸バリウム - 【請求項2】 ポリブチレンテレフタレート樹脂よりも
結晶化速度の遅いポリエステル樹脂(b)がポリエチレ
ンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹
脂、ジオール成分がエチレングリコール残基、シクロヘ
キサンジメタノール残基及び、ジカルボン酸成分がテレ
フタル酸残基を構成成分とするポリエステル共重合体お
よび非晶性樹脂から選ばれる1種以上である請求項1記
載のポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項3】250℃で30分間熱処理したときの組成
物の加熱減量が0.5%以下である請求項1または2記
載のポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項4】 陶器調外観が要求される用途に使用され
るものである請求項1〜3のいずれかに記載のポリエス
テル樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000093095A JP2001279070A (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | ポリエステル樹脂組成物 |
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JP2000093095A JP2001279070A (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | ポリエステル樹脂組成物 |
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ID=18608327
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JP2000093095A Pending JP2001279070A (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | ポリエステル樹脂組成物 |
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JP (1) | JP2001279070A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003026908A (ja) * | 2001-07-12 | 2003-01-29 | Toray Ind Inc | ポリエステル樹脂組成物 |
WO2008023074A1 (de) * | 2006-08-25 | 2008-02-28 | Sachtleben Chemie Gmbh | Bariumsulfat enthaltendes komposit |
KR100838321B1 (ko) | 2006-12-29 | 2008-06-13 | 제일모직주식회사 | 폴리에스테르계 수지 조성물 및 플라스틱 성형품 |
KR100964988B1 (ko) | 2006-11-30 | 2010-06-21 | 주식회사 삼양사 | 폴리에스테르 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품 |
JP2010150484A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-08 | Wintech Polymer Ltd | ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物及び成形体 |
JP7347694B1 (ja) * | 2021-12-27 | 2023-09-20 | 東レ株式会社 | 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の製造方法、および成形品 |
-
2000
- 2000-03-30 JP JP2000093095A patent/JP2001279070A/ja active Pending
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