JP6746284B2 - 共重合ポリエステル樹脂及び紫外線カットフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、紫外線をカットする共重合ポリエステル樹脂及びそれを用いた紫外線カットフィルム、特に10〜100μm程度の厚みで優れた紫外線カット性能を示し、且つ色調の良好なポリエステル樹脂フィルムに関する。
従来、紫外線吸収剤を樹脂中へ配合した紫外線カットフィルムが、被覆される物品の紫外線による劣化を防ぐ目的で広く使用されている。しかし、従来のように、紫外線吸収剤を樹脂の重合時に添加したり、あるいは紫外線吸収剤と樹脂を混練してマスターバッチを作成する方法では、紫外線吸収剤を多量に樹脂中に配合することができなかった。なぜなら、紫外線吸収剤を樹脂中に多量に添加すると、樹脂の機械的強度が低下してしまうことがあり、また、長時間の使用により紫外線吸収剤が揮発してしまったり、ブリードアウトしてしまうおそれがあるためである。
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1には、ポリエステル樹脂の末端にベンゾトリアゾール基を有する紫外線吸収剤を結合した末端変性ポリエステル樹脂の製造方法が提案されているものの、最良のものでも、約100μmの厚みで380nmの光透過率が10%程度であり、これよりも薄膜化すると十分な紫外線カット性能が得られない。
また、特許文献2,3には、エチレンテレフタレートを主体としたポリエステル樹脂中にベンゾトリアゾール誘導体をグリコール成分として共重合したポリエステル樹脂が提案されている。しかしながら、これらの共重合ポリエステル樹脂は、エチレングリコールを使用しているため、製造時に樹脂の着色が生じてしまい、塗料用途などのごく薄い塗膜としては利用できるものの、10μm以上のフィルムとなると色調が悪いという問題があった。
特許第3389703号 特開2002−194071号公報 特許第2961307号
本発明は上記課題に鑑みて行なわれたものであり、その目的は、特に10〜100μm程度の厚みで優れた紫外線カット性能を示し、且つ色調の良好なポリエステル樹脂フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、芳香族ジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを主成分とするポリエステル樹脂に、ベンゾトリアゾール基を有するジオール化合物を共重合したポリエステル樹脂を用いてフィルムを作製することによって、厚さ20μmのフィルムで390nmの光透過率が10%以下、380nmの光透過率が1%以下の優れた紫外線カット性能を有し、且つ色調も良好で、紫外光暴露後の黄変もほとんど生じない紫外線カットフィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる共重合ポリエステル樹脂は、酸成分テレフタル酸からなり、グリコール成分が(a)1,4−ブタンジオール、及び全グリコール成分に対して5〜20mol%の(b)下記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール基を有するジオール化合物からなることを特徴とする。
Figure 0006746284
また、本発明にかかる共重合ポリエステル樹脂は、酸成分テレフタル酸からなり、グリコール成分が(a)1,4−ブタンジオール、全グリコール成分に対して5〜20mol%の(b)下記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール基を有するジオール化合物、及び全グリコール成分に対して10〜20mol%の(c)1,4−シクロヘキサンジメタノールからなることを特徴とする。
Figure 0006746284
また、本発明にかかる共重合ポリエステル樹脂は、酸成分が全酸成分に対して90mol%以上のテレフタル酸、及びイソフタル酸からなり、グリコール成分が(a)1,4−ブタンジオール、及び全グリコール成分に対して5〜20mol%の(b)下記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール基を有するジオール化合物からなることを特徴とする。
Figure 0006746284
また、本発明にかかる紫外線カットフィルムは、前記共重合ポリエステル樹脂からなる厚さ10〜100μmの樹脂層を有することを特徴とする。
本発明の共重合ポリエステル樹脂を用いて作成されたフィルムは、10〜100μm程度の厚みで優れた紫外線カット性能を示し、且つ色調も良好で黄変も生じ難い。このため、特に薄膜化の必要なディスプレイ材料や太陽電池用の保護フィルムなどの各種フィルム材料として好適に用いることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の共重合ポリエステル樹脂は、主たる酸成分として芳香族ジカルボン酸を含み、グリコール成分として(a)1,4−ブタンジオールを50〜95mol%、(b)ベンゾトリアゾール基を有するジオール化合物を5〜20mol%含むことを特徴とする
本発明の共重合ポリエステル樹脂には、主たる酸成分として芳香族ジカルボン酸が含まれる。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これら芳香族ジカルボン酸は、それぞれ単独で、あるいは必要に応じて2種類以上を併用してもよい。また、これらのうち、テレフタル酸を最も好適に用いることができる。芳香族ジカルボン酸の含量は、全酸成分に対して95mol%以上であり、酸成分の全量が芳香族ジカルボン酸であってよい。なお、芳香族ジカルボン酸は、通常、未置換体あるいはメチルエステル等のアルキルエステルとして反応に供される。
芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸はとしては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。これらは、全酸成分に対して5mol%未満の範囲で用いてもよく、それぞれ単独で、あるいは必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂には、グリコール成分として、(a)1,4−ブタンジオールと(b)ベンゾトリアゾール基を有するジオール化合物が含まれる。(a)1,4−ブタンジオールの含有量は、全グリコール成分に対して50〜95mol%であり、さらに好ましくは60〜95mol%である。(a)1,4−ブタンジオールの含量が50mol未満の場合は樹脂が着色してしまう場合があり、また、重合時間が著しく長くなる等の問題が生じるおそれがある。
本発明に用いられる(b)ベンゾトリアゾール基を有するジオール化合物は、下記一般式(1)に示す構造の化合物、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノールである。
Figure 0006746284
(b)ベンゾトリアゾール化合物の含量は、全グリコール成分に対して5〜20mol%である。5mol%未満の場合、フィルムに十分な紫外線カット性を与えることができず、20mol%を超えると、相対粘度が上がらず、フィルムの機械的強度が低下するおそれがある。また、(b)ベンゾトリアゾール化合物は他の汎用モノマー成分に対して高コストであるものの、おおよそ20mol%程度共重合することで厚み20μmフィルムにおける390nm以下の光線透過率が0.1%以下となり、実使用に十分な程度の紫外線カット性能を付与することができるため、コストの面でも20mol%以下とすることが好ましい。
また、(a)1,4−ブタンジオール、(b)ベンゾトリアゾール化合物以外のグリコール成分としては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で、あるいは必要に応じて2種類以上併用してもよい。特に、1,4−シクロヘキサンジメタノールを全グリコール成分中10〜20mol%共重合することが好適である。1,4−シクロヘキサンジメタノールを10〜20mol%共重合することで、ガラス転移温度(Tg)が50℃〜80℃、結晶化温度(Tc)が100℃以上になり、他のポリエステル樹脂との多層フィルムとした場合にも延伸処理が可能になる。
なお、本発明の共重合ポリエステル樹脂を製造する際、ホスファイト系酸化防止剤を0.01〜0.5質量%添加することが望ましく、添加量はより好ましくは0.05〜0.2質量%である。ホスファイト系酸化防止剤を所定量添加することによって、重合時あるいは加工時の樹脂の着色が抑えられる。添加量が0.01質量%未満では、着色防止効果が十分に得られない場合があり、一方で0.5質量%を超えると、目標とする重合度の樹脂が得られなかったり、かえって樹脂の着色の原因となってしまう場合がある。
ホスファイト系酸化防止剤の例としては、3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト等が挙げられるが、特に3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカンが好ましい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、相対粘度(フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)混合溶媒)が1.3以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.5以上である。相対粘度が1.3未満ではフィルムの機械的強度が不十分となる場合がある。
本発明の共重合ポリエステル樹脂の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法に従って行なうことができる。なお、(b)ベンゾトリアゾール化合物の添加時期は、酸成分とグリコール成分を溶融重合する際であれば、特に制限はない。
例えば、芳香族ジカルボン酸アルキルエステルと、(a)1,4−ブタンジオールと(b)ベンゾトリアゾール化合物を含むグリコール成分を、必要に応じてホスファイト系酸化防止剤等を添加してエステル交換反応させた後、重合する方法を採用することができる。また、これらの重合あるいはエステル交換反応の際に、公知の各種触媒,安定剤,改質剤あるいは添加剤などを使用してもよい。なお、本発明の共重合ポリエステル樹脂の重合温度は250℃以下が好ましく、より好ましくは融点以上で240℃以下である。240℃以下で重合することにより、得られる樹脂の色調がさらに良くなる。
本発明の紫外線カットフィルムは、前記共重合ポリエステル樹脂からなる厚さ10〜100μmの樹脂層を少なくとも一層有する単層又は多層のフィルムである。本発明の紫外線カットフィルムの製造は、従来公知の方法で行えばよく、例えば、前記共重合ポリエステル樹脂を用いて押出法やカレンダー法等の任意の方法によって未延伸フィルムを作成し、次いで一方向あるいは二方向に延伸してフィルムを得る。延伸手段については、特に制限はなく、ロール延伸、テンター延伸等の方法が適用され、用途に応じて一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸いずれでもよい。延伸後、フィルムの耐熱性、寸法安定性等を向上させる目的で熱処理を行なってもよい。
また、本発明の紫外線カットフィルムは、前記共重合ポリエステル樹脂のみからなる単層フィルムであってもよく、あるいは汎用のポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂との共押し出しによる多層フィルムとしてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、以下の実施例における特性値は、次に示す方法で評価したものである。
<評価基準>
(1)相対粘度
実施例及び比較例にて得られた各種共重合ポリエステル樹脂を、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度管を装着した自動粘度測定装置(サン電子工業製:ALC−6C)を用いて、20℃にて溶液粘度を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg),結晶化温度(Tc)及び融点(Tm)
実施例及び比較例にて得られた各種共重合ポリエステル樹脂10mgを走査型示差熱量計DSC(Perkin Elmer社製:DSC7)を用いて、10℃/分の昇温速度で測定した。
(3)フィルムの透過率の測定方法
実施例及び比較例にて得られた各種共重合ポリエステル樹脂を用いて作製した厚さ20μmのフィルムについて、分光光度計(日立製作所製:U−3010)を用いて、380nm、390nmの紫外線の透過率を測定した。
(4)色調(カラーL値,a値、b値、YI値)
実施例及び比較例にて得られた各種共重合ポリエステル樹脂を用いて作製した厚さ20μmのフィルムについて、色差計(日本電色社製:ZE−2000)を用いて、ハンターL値、a値、b値及びYI値を測定した。
(5)暴露試験
実施例及び比較例にて得られた各種共重合ポリエステル樹脂を用いて作製した厚さ20μmのフィルムに、促進耐光性試験機(スガ試験機社製MV3000)を用いて放射照度0.53kW/m、ブラックパネル温度63℃、湿度50%RHで150時間暴露試験を実施し、試験後のYI値を以上と同様に測定した。
<実施例1>
ポリエステル樹脂の理論スケールを10kgとして、ジメチルテレフタレート7.7kg、1,4−ブタンジオール6.88kg、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール](大和化成社製:DAINSORB T−33)1.53kg、モノブチルスズ17.6g、3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン(ADEKA社製:アデカスタブPEP−36)10gを、精留塔を備えた30Lオートクレーブに仕込み、窒素フローしつつ、大気圧下、内温220℃まで昇温しながらエステル交換反応を行った。その後、1時間かけて133Pa以下まで減圧し、この間に内温を220℃から240℃に引き上げ、133Pa以下の高真空で所定の粘度まで重縮合反応を行い、口金から策状に水中に押出し、ペレタイザーでカットして、共重合ポリエステル樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリエステル樹脂について、相対粘度、ガラス転移点(Tg)、結晶化温度(Tc)及び融点(Tm)を測定した。
以上で得られた共重合ポリエステル樹脂を、120℃で12時間以上真空乾燥を行った後、単軸押出成形機(東洋精機社製:ラボプラストミル)を用いて、成形温度240℃にて180μmの未延伸フィルムを成形し、さらに2軸延伸機(東洋精機社製:二軸延伸試験装置)を用いて厚さ20μmの延伸フィルムを得た。このフィルムの色調(YI)を色差計で測定し、390nmと380nmの紫外線の透過率を分光光度計で測定した。さらに、このフィルムに促進耐光試験機により所定の紫外線照射処理を行った後、色調(YI)を測定し、ΔYI(YI−YI)を求めた。
<実施例2〜4>
ポリマー組成を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様にして共重合ポリエステル樹脂のペレットを得た。そして、上記実施例1と同様、延伸フィルムの作製及び評価試験を行なった。
<比較例1,2>
ポリマー組成を表2に示すように変更したほかは、実施例1と同様にして共重合ポリエステル樹脂のペレットを得た。そして、上記実施例1と同様、延伸フィルムの作製及び評価試験を行なった。
<比較例3>
ポリエステル樹脂の理論スケールを10kgとして、ジメチルテレフタレート8.77kg、エチレングリコール5.42kg、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール](大和化成社製:DAINSORB T−33)1.51kg、モノブチルスズ21.0g、3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン(ADEKA社製:アデカスタブPEP−36)10gを、精留塔を備えた30Lオートクレーブに仕込み、窒素フローしつつ、大気圧下、内温250℃で昇温しながらエステル交換反応を行った。その後、1時間かけて133Pa以下まで減圧し、この間に内温を250℃から260℃に引き上げ、133Pa以下の高真空で所定の粘度まで重縮合反応を行い、口金から策状に水中に押出してペレタイザーでカットして、共重合ポリエステル樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリエステル樹脂について、相対粘度、ガラス転移点(Tg)、結晶化温度(Tc)及び融点(Tm)を測定した。
以上で得られた共重合ポリエステル樹脂を、120℃で12時間以上真空乾燥を行った後、単軸押出成形機(東洋精機社製:ラボプラストミル)を用いて、成形温度280℃にて180μmの未延伸フィルムを成形し、さらに2軸延伸機(東洋精機:二軸延伸試験装置)を用いて20μmの延伸フィルムを得た。このフィルムの色調(YI)を色差計で測定し、390nmと380nmの紫外線の透過率を分光光度計で測定した。さらに、このフィルムに促進耐光試験機により所定の紫外線照射処理を行った後、色調(YI)を測定し、ΔYI(YI−YI)を求めた。
<比較例4>
ポリマー組成を表2に示すように変更し、エステル交換反応後、1時間かけて133Paまで減圧し、250℃、133Pa以下の高真空で重縮合反応を行なったほかは、比較例1と同様にして、共重合ポリエステル樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリエステル樹脂を80℃で24時間以上真空乾燥を行なった後、上記実施例1と同様、延伸フィルムの作製及び評価試験を行なった。
<比較例5>
2−2−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]を用いずに作成したポリエチレンテレフタレート樹脂に、市販の紫外線吸収剤(チヌビン234:BASF社製)を樹脂全量の2質量%ブレンド溶融した。そして、上記実施例1と同様、樹脂及びフィルムの作製、評価試験を行なった。
上記実施例1〜4,比較例1〜5のポリマー組成及び各種評価結果についてまとめたものを、下記表1,2に示す。
Figure 0006746284
Figure 0006746284
上記表1に示すように、テレフタル酸(及びイソフタル酸)、1,4−ブタンジオールとともに、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノールを7.4〜17mol%共重合して得られた実施例1〜4の共重合ポリエステル樹脂を用いて得られたフィルムは、380nmの紫外光の透過率が0.1%以下、390nmの紫外光の透過率が7.2%以下であり、紫外線カット性能に優れていた。また、得られたフィルムのYI値も3.2以下で色調も良好であり、紫外光暴露試験後にもYI値は増加しておらず、黄変がほとんど生じなかった。
これに対して、上記表2に示すように、ベンゾトリアゾール化合物の共重合割合を2.2mol%とした比較例1では、390nmの紫外光の透過率が35.2%となり、十分な紫外線カット性能が得られなかった。他方、ベンゾトリアゾール化合物の共重合割合を33mol%とした比較例2では、相対粘度を上げることができず、フィルムを作製することができなかった。また、グリコール成分をエチレングリコールとした比較例3,4の共重合ポリエステル樹脂は、フィルム作成後のYI値が6.2〜8であり、色調に劣るものであった。また、樹脂中にベンゾトリアゾール型の紫外線吸収剤を混練した比較例5のポリエステル樹脂組成物は、380nm、390nmの紫外光の透過率がそれぞれ34.7%、64.8%と紫外線カット性能に劣っており、紫外光暴露試験後のYI値の増加率が11となり、著しい黄変が生じてしまった。

Claims (4)

  1. 成分テレフタル酸からなり、
    リコール成分が(a)1,4−ブタンジオール、及び全グリコール成分に対して5〜20mol%の(b)下記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール基を有するジオール化合物からなることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
    Figure 0006746284

  2. 成分テレフタル酸からなり、
    グリコール成分が(a)1,4−ブタンジオール、全グリコール成分に対して5〜20mol%の(b)下記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール基を有するジオール化合物、及び全グリコール成分に対して10〜20mol%の(c)1,4−シクロヘキサンジメタノールからなることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
    Figure 0006746284
  3. 酸成分が全酸成分に対して90mol%以上のテレフタル酸、及びイソフタル酸からなり、
    グリコール成分が(a)1,4−ブタンジオール、及び全グリコール成分に対して5〜20mol%の(b)下記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール基を有するジオール化合物からなることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
    Figure 0006746284
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合ポリエステル樹脂からなる厚さ10〜100μmの樹脂層を有することを特徴とする紫外線カットフィルム。
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