JP6879444B1 - フィルムおよびフィルムの製造方法 - Google Patents
フィルムおよびフィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6879444B1 JP6879444B1 JP2021506006A JP2021506006A JP6879444B1 JP 6879444 B1 JP6879444 B1 JP 6879444B1 JP 2021506006 A JP2021506006 A JP 2021506006A JP 2021506006 A JP2021506006 A JP 2021506006A JP 6879444 B1 JP6879444 B1 JP 6879444B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- resin
- less
- resin composition
- aromatic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C43/00—Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor
- B29C43/22—Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor of articles of indefinite length
- B29C43/24—Calendering
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/03—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor characterised by the shape of the extruded material at extrusion
- B29C48/07—Flat, e.g. panels
- B29C48/08—Flat, e.g. panels flexible, e.g. films
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/25—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C48/88—Thermal treatment of the stream of extruded material, e.g. cooling
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/18—Manufacture of films or sheets
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L67/00—Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L67/02—Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
- C08L67/03—Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds the dicarboxylic acids and dihydroxy compounds having the carboxyl- and the hydroxy groups directly linked to aromatic rings
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L69/00—Compositions of polycarbonates; Compositions of derivatives of polycarbonates
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B5/00—Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form
- H01B5/14—Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form comprising conductive layers or films on insulating-supports
Abstract
Description
例えば、特許文献1には、保護フィルム上に、粘着剤層、フィルム基材および透明導電膜をこの順で有する透明導電性フィルム積層体であって、前記フィルム基材および前記保護フィルムの少なくとも一方は、幅手方向の一方の最端部および他方の最端部からそれぞれ前記幅手方向の内側100mmまでの各端部領域における前記粘着剤層側の面に、凹凸部を有しており、前記各端部領域における前記凹凸部の表面の実効粗さR1は、0.1〜20μmであり、前記粘着剤層は、前記幅手方向において、一方の端部領域の凹凸部と、他方の端部領域の凹凸部との間で、前記一方の端部領域の凹凸部との離間距離が0〜10mmとなる位置から、前記他方の端部領域の凹凸部との離間距離が0〜10mmとなる位置にわたって設けられていることを特徴とする透明導電性フィルム積層体が開示されている。また、上記保護フィルムとして、ポリカーボネート系樹脂を用いることが記載されている。
本発明はかかる課題を解決することを目的とするものであって、良好な摺動性を有し、かつ、濁りが抑制された透明なフィルムを提供可能な樹脂組成物、フィルムおよびフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>極限粘度が0.37dL/g以下の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と、極限粘度が0.50dL/g以下の芳香族ポリアリレート樹脂(B)と、極限粘度が0.60dL/g以上の芳香族ポリアリレート樹脂(C)を含み、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計30〜90質量部に対し、前記芳香族ポリアリレート樹脂(B)を10〜70質量部含む、樹脂組成物。
<2>前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の極限粘度が0.34dL/g以下である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と前記芳香族ポリアリレート(C)の極限粘度の差が0.28dL/g以上である、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記樹脂組成物の示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度または複数のガラス転移温度の少なくとも1つが150℃以上を示す、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>さらに、酸化防止剤(E)を含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6>さらに、エステル交換防止剤(F)を含む、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7>さらに、離型剤(G)を含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<8><1>〜<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成されたフィルム。
<9>二乗平均平方根粗さが0.093μmのフィルムとの間で測定される、スレッド100mm/分、ロードセル10Nの条件で測定した動摩擦係数が、2.00以下である、<8>に記載のフィルム。
<10>膜厚が10μm以上300μm以下である、<8>または<9>に記載のフィルム。
<11>ヘイズが10%以下である、<8>〜<10>のいずれか1つに記載のフィルム。
<12><1>〜<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された、アンチブロッキングフィルム。
<13>二乗平均平方根粗さが0.093μmのフィルムとの間で測定される、スレッド100mm/分、ロードセル10Nの条件で測定した動摩擦係数が、2.00以下である、<12>に記載のアンチブロッキングフィルム。
<14>膜厚が10μm以上300μm以下である、<12>または<13>に記載のアンチブロッキングフィルム。
<15>ヘイズが10%以下である、<12>〜<14>のいずれか1つに記載のアンチブロッキングフィルム。
<16><8>〜<11>のいずれか1つに記載のフィルム、または、<12>〜<15>のいずれか1つに記載のアンチブロッキングフィルムと、粘着剤層と、基材と、電極層とをこの順で有する、透明導電性フィルム。
<17><1>〜<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を、溶融状態でシート状に押し出し、一対のロールで圧着して作製するフィルムの製造方法であって、前記一対のロールの少なくとも1つのロール表面のタイプA型のデュロメーター硬度が10〜99である、フィルムの製造方法。
<18>前記フィルムが、<8>〜<11>のいずれか1つに記載のフィルム、または、<12>〜<15>のいずれか1つに記載のアンチブロッキングフィルムである、<17>に記載のフィルムの製造方法。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
以下、フィルムの摺動性について、図2を参照しつつ説明する。図2(a)は、平滑なポリカーボネートフィルムの上で、平滑なポリカーボネートフィルムを滑らせる状態を示す模式図である。このように平滑なポリカーボネートフィルムの上に、平滑なポリカーボネートフィルムを載せた場合、摺動性がない。このようなポリカーボネートフィルムに摺動性を付与するには、図2(b)に模式図を示すように、フィルムの表面に微細な凹凸を設けることが考えられる。すなわち、フィルムの表面に微細な凹凸を設けると、フィルム同士の接触面積が減り、十分な摺動性が達成される。なお、図2において、21は表面が平滑なポリカーボネートフィルムであり、22は表面に微細な凹凸を設けたポリカーボネートフィルムである。
このようにフィルムの表面に微細な凹凸を設ける手段としては、既に公知の方法がある。例えば、表面に微細な凹凸を有するロールを用いて、フィルムの表面に微細な凹凸を形成する方法が挙げられる。この方法では、表面に微細な凹凸を有するロールの間に、溶融したフィルムを通過させ、微細な凹凸を形成する。しかしながら、表面に微細な凹凸を有するロールを用いる方法では、長期間の使用によるロールの摩耗によって、フィルム表面に転写された微細な凹凸形状が変化してしまう場合がある。また、別の方法として、フィルムに微粒子を添加して、微粒子によって、フィルムの表面に微細な凹凸を形成する方法もある。しかしながら、微粒子を添加する方法では、微粒子と樹脂の屈折率の違いにより、フィルムの透明性が損なわれる場合がある。
そこで、本発明では、新たな方法として、ポリマーブレンドによって、フィルムの表面に微細な凹凸を形成することとした。具体的には、以下のメカニズムによると推定される。
すなわち、図3は、本発明のフィルム30の断面方向からみた模式図であって、Xは、主に、極限粘度が0.60dL/g以上の芳香族ポリアリレート樹脂(C)からなる領域を、Yは、主に、極限粘度が0.37dL/g以下の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)および極限粘度が0.50dL/g以下の芳香族ポリアリレート樹脂(B)の混合物からなる領域を示している。すなわち、本発明のフィルムでは、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(B)は共に極限粘度が小さく、分子量が小さいため、互いに混ざりやすい。一方、芳香族ポリアリレート樹脂(B)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)は共にポリアリレート樹脂であるため、これらも混ざりやすい。そして、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計30〜90質量部に対し、芳香族ポリアリレート樹脂(B)を10〜70質量部含むように調整することにより、芳香族ポリアリレート樹脂(B)がほどよく相溶化剤として働き、ヘイズが問題となる程度にまで高くなることなく樹脂成分が混合し、かつ、海島構造を形成でき、摺動性が達成されると推測される。
さらに、本発明では、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計30〜90質量部に対し、芳香族ポリアリレート樹脂(B)を10〜70質量部含む組成とすることにより、フィルムの耐熱性も向上させることが可能になる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の組成物は、極限粘度が0.37dL/g以下の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)を含む。このように極限粘度が小さい芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることにより、芳香族ポリアリレート樹脂(B)と混ざりやすくすることができる。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の極限粘度は、0.35dL/g以下であることが好ましく、0.34dL/g以下であることがより好ましい。上記上限値以下とすることにより、フィルムを作製した際に摺動性がより効果的に発揮される。芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の極限粘度の下限値としては、特に定めるものではないが、例えば、0.10dL/g以上であり、さらには0.20dL/g以上、特には0.25dL/g以上であってもよい。
本発明の樹脂組成物が、極限粘度が異なる2種以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)を含む場合、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の極限粘度とは、前記2種以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)を混合した芳香族ポリカーボネート樹脂についての極限粘度の値を意味する(以下、重量平均分子量、ガラス転移温度についても同様に考える。また、他の樹脂成分の極限粘度等についても同様に考える。)。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の重量平均分子量は、後述する実施例の記載に従って測定される。
上限値としては、特に定めるものではないが、例えば、170℃以下であり、さらには、160℃以下であってもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、後述する実施例の記載に従って測定される。
式(A−1)は下記式(A−2)で表されることが好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、ビスフェノールAおよびその誘導体由来のカーボネート構成単位以外の他の構成単位を有していてもよい。このような他の構成単位を構成するジヒドロキシ化合物としては、例えば、特開2018−154819号公報の段落0014に記載の芳香族ジヒドロキシ化合物を挙げることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物に含まれる樹脂成分中に芳香族ポリカーボネート樹脂(A)を20質量%以上の割合で含むことが好ましく、40質量%以上であってもよく、50質量%超であってもよい。また、本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物に含まれる樹脂成分中に芳香族ポリカーボネート樹脂(A)を80質量%以下の割合で含むことが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、65質量%以下であってもよい。
前記範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本発明の樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、極限粘度が0.50dL/g以下の芳香族ポリアリレート樹脂(B)を含む。このような芳香族ポリアリレート樹脂(B)は、上記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と相溶する傾向にあるため、得られるフィルムの透明性を高くしつつ、耐熱性を向上させることができる。
芳香族ポリアリレート樹脂(B)の極限粘度は、0.49dL/g以下であることが好ましい。芳香族ポリアリレート樹脂(B)の極限粘度の下限値としては、特に定めるものではないが、例えば、0.10dL/g以上であり、0.20dL/g以上であってもよい。
芳香族ポリアリレート樹脂(B)の極限粘度は、後述する実施例の記載に従って測定される。
芳香族ポリアリレート樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、後述する実施例の記載に従って測定される。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等が挙げられる。
ビスフェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4’ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられ、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、あるいは、2種以上混合して使用してもよい。
また、本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物に含まれる樹脂成分中に芳香族ポリアリレート樹脂(B)を8質量%以上の割合で含むことが好ましく、10質量%以上であってもよく、18質量%以上であってもよい。また、本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物に含まれる樹脂成分中に芳香族ポリアリレート樹脂(B)を60質量%以下の割合で含むことが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、47質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、芳香族ポリアリレート樹脂(B)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、極限粘度が0.60dL/g以上の芳香族ポリアリレート樹脂(C)を含む。このような芳香族ポリアリレート樹脂は、上記芳香族ポリアリレート樹脂(B)と相溶しやすい傾向にあるため、得られるフィルムの透明性を高くしつつ、耐熱性を向上させることができる。また、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と混ざりにくいため、適切に海島構造を形成しやすくなると推測される。
芳香族ポリアリレート樹脂(C)の極限粘度は、0.62dL/g以上であることが好ましい。芳香族ポリアリレート樹脂(C)の極限粘度の上限値としては、特に定めるものではないが、例えば、0.90dL/g以下であり、0.80dL/g以下であってもよい。
芳香族ポリアリレート樹脂(C)の極限粘度は、後述する実施例の記載に従って測定される。
芳香族ポリアリレート樹脂(C)の重量平均分子量は、後述する実施例の記載に従って測定される。
芳香族ポリアリレート樹脂(C)のガラス転移温度(Tg)は、後述する実施例の記載に従って測定される。
芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等が挙げられる。
ビスフェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられ、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、あるいは、2種以上混合して使用してもよい。
また、本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物に含まれる樹脂成分中に芳香族ポリアリレート樹脂(C)を10質量%以上の割合で含むことが好ましく、12質量%以上であってもよい。また、本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物に含まれる樹脂成分中に芳香族ポリアリレート樹脂(C)を40質量%以下の割合で含むことが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、28質量%以下であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、芳香族ポリアリレート樹脂(C)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計30〜90質量部に対し、芳香族ポリアリレート樹脂(B)を10〜70質量部含み、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計40〜90質量部に対し、芳香族ポリアリレート樹脂(B)を10〜60質量部含むことが好ましく、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計50〜90質量部に対し、芳香族ポリアリレート樹脂(B)を10〜50質量部含むことがさらに好ましく、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計60〜90質量部に対し、芳香族ポリアリレート樹脂(B)を10〜40質量部含むことが一層好ましく、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計65〜90質量部に対し、芳香族ポリアリレート樹脂(B)を10〜35質量部含むことがより一層好ましい。特に、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(B)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計を100質量部としたときに、上記ブレンド割合を満たすことが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物において、芳香族ポリアリレート樹脂(B)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の質量比は、3:1〜1:3であることが好ましく、2.5:1〜1:2.5であることがより好ましい。このような構成とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
さらに、本発明の樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(B)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計が樹脂組成物の95質量%以上を占めることが好ましく、98質量%以上を占めることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、芳香族ポリアリレート樹脂(B)および芳香族ポリアリレート樹脂(C)に加え、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、酸化防止剤(E)、エステル交換防止剤(F)、離型剤(G)等の他の成分を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などが挙げられ、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤(より好ましくはヒンダードフェノール系酸化防止剤)の少なくとも1種が好ましく、特にリン系酸化防止剤が好ましい。
リン系酸化防止剤としては、以下の式(1)または(2)で表されるホスファイト化合物が好ましい。
その他、酸化防止剤の詳細は、特開2017−031313号公報の段落0057〜0061の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
酸化防止剤の含有量を0.005質量部以上とすることにより、フィルムの透明性がより向上する傾向にある。また、酸化防止剤の含有量を4質量部以下とすることにより、フィルムの湿熱安定性が向上する傾向にある。
酸化防止剤は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、エステル交換防止剤を含有することが好ましい。
エステル交換防止剤としては、リン系エステル交換防止剤および硫黄系エステル交換防止剤が挙げられる。
エステル交換防止剤としては、国際公開第2015/190162号の段落0035〜0039、特開2019−002023号公報の段落0037、特開2018−199745号公報の段落0041の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
エステル交換防止剤は、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、離型剤を含有することが好ましい。
離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、およびポリシロキサン系シリコーンオイルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を挙げることができ、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルが好ましい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例として、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等を挙げることができる。
その他、離型剤としては、特開2017−226848号公報の段落0032、特開2018−199745号公報の段落0056に記載の離型剤を用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
離型剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記(A)〜(G)の成分の他、他の熱可塑性樹脂、熱安定剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、防曇剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、衝撃改良剤、摺動改良剤、色相改良剤、酸トラップ剤等を含んでいてもよい。これらの成分は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記(A)〜(G)以外の他の成分の合計量は、含有する場合、樹脂組成物の0.001〜5質量%であることが好ましく、0.001〜2質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度または複数のガラス転移温度の少なくとも1つが150℃以上を示すことが好ましく、少なくとも1つが160℃以上を示すことがより好ましい。また、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度または複数のガラス転移温度のいずれもが、140℃以上であることが好ましい。前記ガラス転移温度の上限値は特に定めるものではないが、例えば、ガラス転移温度または複数のガラス転移温度のいずれもが、200℃以下、さらには180℃以下を示すことが実際的である。
ガラス転移温度は、後述する実施例の記載に従って測定される。
本発明のフィルムの製造方法は、本発明の樹脂組成物を、溶融状態でシート状に押し出し、一対のロールで圧着して作製するフィルムの製造方法であって、前記一対のロールの少なくとも1つのロール表面のタイプA型のデュロメーター硬度が10〜99であることを特徴とする。
このような構成とすることにより、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)およびポリアリレート樹脂(C)に対し、芳香族ポリアリレート樹脂(B)がほどよく相溶化剤として働き、ヘイズが問題となる程度にまで高くなることなく樹脂成分が混合し、かつ、海島構造を形成でき、フィルムの摺動性が達成されると推測される。
以下、本発明の製造方法の詳細について説明する。
図4は、本発明のフィルムの製造方法を示す一部概略図の一例である。本発明の製造方法では、例えば、図4に示すように、上記本発明の組成物41を、ダイス42から溶融状態で、シート状に押し出す。溶融状態かつシート状の組成物41は、一対のロール(第一のロール43aと第二のロール43b)の間を通過させる際に、前記一対のロールで圧着される。このとき、第一ロール43aおよび第二ロール43bの少なくとも1つについて、そのロール表面のタイプA型のデュロメーター硬度が10〜99のロールを用いることが好ましい。図4では、第一ロール43aが表面のデュロメーター硬度が10〜99のロールである。すなわち、第一ロール43aとして、表面が柔らかいロールを用いる。表面のデュロメーター硬度が10〜99のロールを用いることにより、芳香族ポリアリレート樹脂(B)と相溶していない芳香族ポリアリレート樹脂(C)および芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の部分がフィルムの表面に出てきて、フィルムの表面に微細な凹凸を形成すると推測される。結果として、摺動性を達成することができる。ロール表面のデュロメーター硬度は、30以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、また、80以下であることが好ましく、75以下であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、適度な柔らかさのロールとなる。表面のデュロメーター硬度が10〜99であるロールとしては、例えば、鏡面ゴムロールが例示される。
表面のデュロメーター硬度が10〜99のロールの温度は、30〜90℃であることが好ましく、40〜70℃であることがより好ましい。
表面のデュロメーター硬度が10〜99であるロール以外のロール、例えば、図4では、第二ロール43bと搬送ロール44としては、金属製のロールが挙げられる。金属製のロールは、デュロメーター硬度が測定限界である100に達する。金属製のロールとしては、鏡面剛体ロールや金属弾性ロールが例示される。また、表面のデュロメーター硬度が10〜99のロール以外のロールの表面温度は、70〜170℃であることが好ましく、100〜160℃であることがより好ましい。
上記フィルムの製造方法で得られるフィルムは、フィルムの厚みが10μm以上300μm以下であることが好ましい。その他、本発明のフィルムの製造方法で得られるフィルムの詳細は、上述の本発明のフィルムと同様である。
また、上記で得られた本発明のフィルムと、粘着剤層と、フィルム基材と、電極層とを積層することにより、透明導電性フィルムを製造することもできる。
本発明のフィルムの厚みは10μm以上300μm以下であることが好ましい。厚みを上記範囲とすることにより、より透明なフィルムとすることができる。
本発明のフィルムの厚みは、20μm以上であることが好ましく、25μm以上であってもよい。また、250μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることがさらに好ましい。
動摩擦係数は、スレッド100mm/分、ロードセル10Nの条件で測定した値であり、より具体的には、後述する実施例に記載の方法で測定される。
全光線透過率は、後述する実施例に記載の方法で測定される。
ヘイズは、後述する実施例に記載の方法で測定される。
本発明のフィルムは、マスキングフィルムとして好ましく用いられる。より好ましくは、アンチブロッキングフィルムとして用いられる。また、透明導電性フィルムの保護フィルムとしても好ましく用いられる。特に、本発明のフィルムと、粘着剤層、基材および電極層をこの順で有する多層体は、透明導電性フィルムとして好ましく用いられる。
また、上記透明導電性フィルムは、タッチパネルのフィルムセンサー、電子ペーパーや色素増感型太陽電池、タッチセンサー等に用いる透明導電性フィルムとして好ましく用いられる。
また、本発明のフィルムは、上記以外でも、摺動性と透明性が求められる用途のフィルムに好ましく用いられる。
・ポリカーボネート樹脂(A)
(A1)ビスフェノールAを出発原料とする界面重合法により得られた芳香族ポリカーボネート、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、H−7000F、重量平均分子量:24,900、極限粘度0.30dL/g、Tg:141℃
(A2)ビスフェノールAを出発原料とする界面重合法により得られた芳香族ポリカーボネート、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、H−4000F、重量平均分子量:29,200、極限粘度0.35dL/g、Tg:143℃
・ポリカーボネート樹脂(A’)(比較用)
(A3)ビスフェノールAを出発原料とする界面重合法により得られた芳香族ポリカーボネート、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、S−3000F、重量平均分子量:41,300、極限粘度0.43dL/g、Tg:148℃
(B)ユニチカ社製、U−パウダー Lタイプ、重量平均分子量40,800、極限粘度0.48dL/g、Tg:195℃
(C)ユニチカ社製、U−パウダー Dタイプ、重量平均分子量63,000、極限粘度0.65dL/g、Tg:201℃
(D)ユニチカ社製、U−100、重量平均分子量46,000、極限粘度0.55dL/g、Tg:195℃、U−パウダー LタイプとU−パウダー Dタイプの質量比率が2:1のペレット
(E)ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、リン系酸化防止剤、ADEKA社製、アデカスタブPEP−36
(F)オクタデシルホスフェート、ADEKA社製、AX−71
(G)グリセリンモノステアレート、理研ビタミン社製、リケマールS−100A
各種樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した。
具体的には、ゲル浸透クロマトグラフィー装置には、LC−20AD system(島津製作所社製)を用い、カラムとして、LF−804(Shodex社製)を接続して用いた。カラム温度は40℃とした。検出器はRID−10A(島津製作所社製)のRI検出器を用いた。溶離液として、クロロホルムを用い、検量線は、東ソー社製の標準ポリスチレンを使用して作成した。
上記ゲル浸透クロマトグラフィー装置、カラム、検出器が入手困難な場合、同等の性能を有する他の装置等を用いて測定する。
樹脂の極限粘度[η](単位dL/g)は、溶媒としてメチレンクロライドを使用して測定した。測定温度は25℃とした。ウベローデ粘度計にて、各溶液濃度[C](g/dL)での比粘度[ηsp]を測定した。得られた比粘度の値と濃度から下記式により極限粘度を算出した。
各種樹脂ならびに樹脂組成物(ペレット)のガラス転移温度(Tg)は、下記の示差走査熱量計(DSC)の測定条件のとおりに、昇温、降温を2サイクル行い、2サイクル目の昇温時のガラス転移温度を測定した。
低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、変曲点の接線の交点を開始ガラス転移温度とし、高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、変曲点の接線の交点を終了ガラス転移温度とし、開始ガラス転移温度と終了ガラス転移温度の中間地点をガラス転移温度(Tg)とした。測定開始温度:30℃、昇温速度:10℃/分、到達温度:250℃、降温速度:20℃/分とした。
測定装置は、示差走査熱量計(DSC、日立ハイテクサイエンス社製、「DSC7020」)を使用した。
<樹脂組成物(ペレット)の製造>
上記各成分A〜Gを、それぞれ表1または表2に記載の含有量(各成分の含有量は質量部である)となるように計量した。その後、タンブラーにて15分間混合した後、スクリュー径32mmのベント付二軸押出機(日本製鋼所社製「TEX30α」)により、シリンダー温度300℃として溶融混練し、ストランドカットによりペレットを得た。
得られたペレットを用いて、以下の方法でフィルムを製造した。
上記で得られたペレットを、バレル直径32mm、スクリューのL/D=31.5のベント付き二軸押出機(日本製鋼所社製、「TEX30α」)からなるTダイ溶融押出機を用いて、吐出量10Kg/h、スクリュー回転数63rpmの条件で、溶融状に押し出し、第一ロールと第二ロールで圧着した後、冷却固化し、フィルムを作製した。シリンダー・ダイヘッド温度は280℃とした。
最終的に得られるフィルム厚みの調整は、表1または表2に記載の値となるように、第一ロールおよび第二ロールのロール速度を変更して行った。
・第一ロール:持田商工社製、シリコーンゴムロール(IT68S−MCG)
寸法径:外径260mm×幅600mm
ロール表面のデュロメーター硬度(タイプA型):70
ロール温度:50℃
・第二ロール:JSW社製、金属剛体ロール(表面:ハードクロム処理)
芯金径:外径250mm×幅600mm
ロール表面のデュロメーター硬度(タイプA型):測定限界である100に達した。
ロール温度:130℃
ヘイズメーターを用いて、D65光源10°視野の条件にて、得られたフィルムの全光線透過率(%)およびヘイズ(%)を測定した。
ヘイズメーターは、村上色彩技術研究所社製「HM−150」を用いた。
得られたフィルムの動摩擦係数の測定は摩擦係数測定機を用いて測定した。具体的には、二乗平均平方根粗さが0.093μmのフィルムと上記で得られたフィルムが重なるように設置し、スレッドを100mm/分、ロードセル10Nの条件で、前記二乗平均平方根粗さが0.093μmのフィルム上を、得られたフィルムを滑らせて、動摩擦係数を測定した。
摩擦係数測定機は、東洋精機製作所社製(「フリクションテスター」)を用いた。
二乗平均平方根粗さが0.093μmのフィルムは、片面マスキングフィルム付きビスフェノールA型ポリカーボネートフィルム(三菱ガス化学社製、FE−2000、厚み100μm品)を用いた。本実施例では、片面マスキングフィルム付きビスフェノールA型ポリカーボネートフィルムのマスキングを剥がした面を上面にし、長軸が試験テーブルの長軸に一致するように、テープで試験テーブルの右端に固定し、63mm×63mm、200gのスレッドの下側に、得られたフィルムを貼り付け、ポリカーボネートフィルムと得られたフィルムが重なるように設置し、上述の通り、得られたフィルムを滑らせて動摩擦係数を測定した。
表1または2において、「×」は測定不可を意味する。
動摩擦係数の測定に用いた二乗平均平方根粗さが0.093μmのフィルムの表面粗さの測定は表面粗さ測定機を用いて具体的に以下の方法で行った。装置の検出器を「一体型」にして、検出器の駆動部には「標準駆動ユニット」を装着した。ガラス板上にテープでフィルムを固定し、その上で表面粗さ測定機が動かないように設置した。その後、測定条件を規格「JIS B 0601−2001」、測定速度0.5mm/s、カットオフ値0.8、区間数3で測定を行い、二乗平均平方根粗さRqを測定した。二乗平均平方根粗さRqはフィルムの場所を変えて、3回測定して、その平均値とした。
測定機は、ミツトヨ社製、「SJ−210」を用いた。
11 電極層(透明導電膜)
12 基材
13 粘着剤層
14 保護フィルム
21 表面が平滑なポリカーボネートフィルム
22 表面に微細な凹凸を設けたポリカーボネートフィルム
30 フィルム
41 組成物
42 ダイス
43a、43b ロール
44 搬送ロール
Claims (18)
- 極限粘度が0.37dL/g以下の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と、
極限粘度が0.50dL/g以下の芳香族ポリアリレート樹脂(B)と、
極限粘度が0.60dL/g以上の芳香族ポリアリレート樹脂(C)を含み、
前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と芳香族ポリアリレート樹脂(C)の合計30〜90質量部に対し、前記芳香族ポリアリレート樹脂(B)を10〜70質量部含む、樹脂組成物。 - 前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の極限粘度が0.34dL/g以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と前記芳香族ポリアリレート(C)の極限粘度の差が0.28dL/g以上である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物の示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度または複数のガラス転移温度の少なくとも1つが150℃以上を示す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- さらに、酸化防止剤(E)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- さらに、エステル交換防止剤(F)を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- さらに、離型剤(G)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成されたフィルム。
- 二乗平均平方根粗さが0.093μmのフィルムとの間で測定される、スレッド100mm/分、ロードセル10Nの条件で測定した動摩擦係数が、2.00以下である、請求項8に記載のフィルム。
- 膜厚が10μm以上300μm以下である、請求項8または9に記載のフィルム。
- ヘイズが10%以下である、請求項8〜10のいずれか1項に記載のフィルム。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された、アンチブロッキングフィルム。
- 二乗平均平方根粗さが0.093μmのフィルムとの間で測定される、スレッド100mm/分、ロードセル10Nの条件で測定した動摩擦係数が、2.00以下である、請求項12に記載のアンチブロッキングフィルム。
- 膜厚が10μm以上300μm以下である、請求項12または13に記載のアンチブロッキングフィルム。
- ヘイズが10%以下である、請求項12〜14のいずれか1項に記載のアンチブロッキングフィルム。
- 請求項8〜11のいずれか1項に記載のフィルム、または、請求項12〜15のいずれか1項に記載のアンチブロッキングフィルムと、
粘着剤層と、
基材と、
電極層とをこの順で有する、透明導電性フィルム。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を、溶融状態でシート状に押し出し、一対のロールで圧着して作製するフィルムの製造方法であって、前記一対のロールの少なくとも1つのロール表面のタイプA型のデュロメーター硬度が10〜99である、フィルムの製造方法。
- 前記フィルムが、請求項8〜11のいずれか1項に記載のフィルム、または、請求項12〜15のいずれか1項に記載のアンチブロッキングフィルムである、請求項17に記載のフィルムの製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019205215 | 2019-11-13 | ||
JP2019205215 | 2019-11-13 | ||
PCT/JP2020/041995 WO2021095748A1 (ja) | 2019-11-13 | 2020-11-11 | フィルムおよびフィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6879444B1 true JP6879444B1 (ja) | 2021-06-02 |
JPWO2021095748A1 JPWO2021095748A1 (ja) | 2021-11-25 |
Family
ID=75911497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021506006A Active JP6879444B1 (ja) | 2019-11-13 | 2020-11-11 | フィルムおよびフィルムの製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6879444B1 (ja) |
WO (1) | WO2021095748A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117779355A (zh) * | 2024-02-28 | 2024-03-29 | 江苏青昀新材料有限公司 | 一种闪纺膜材及其制造方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005220311A (ja) * | 2004-02-09 | 2005-08-18 | Unitika Ltd | ポリアリレート系樹脂組成物の製造方法 |
JP2011068735A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Unitika Ltd | ポリアリレート樹脂、およびポリアリレート樹脂組成物 |
JP2011132320A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Unitika Ltd | ポリアリレート樹脂、ポリアリレート樹脂組成物および該ポリアリレート樹脂組成物からなる成形体 |
JP2014080577A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-05-08 | Unitika Ltd | 樹脂組成物、樹脂組成物を用いた成形体、および成形体を用いたリフレクタ部品 |
JP2018197313A (ja) * | 2017-05-24 | 2018-12-13 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法 |
JP2020180224A (ja) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | ユニチカ株式会社 | 樹脂組成物およびそれより得られる成形体 |
JP6795128B1 (ja) * | 2019-05-29 | 2020-12-02 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 組成物、フィルム、およびフィルムの製造方法 |
WO2020241674A1 (ja) * | 2019-05-29 | 2020-12-03 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 組成物、平板状成形体、および、平板状成形体の製造方法 |
-
2020
- 2020-11-11 WO PCT/JP2020/041995 patent/WO2021095748A1/ja active Application Filing
- 2020-11-11 JP JP2021506006A patent/JP6879444B1/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005220311A (ja) * | 2004-02-09 | 2005-08-18 | Unitika Ltd | ポリアリレート系樹脂組成物の製造方法 |
JP2011068735A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Unitika Ltd | ポリアリレート樹脂、およびポリアリレート樹脂組成物 |
JP2011132320A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Unitika Ltd | ポリアリレート樹脂、ポリアリレート樹脂組成物および該ポリアリレート樹脂組成物からなる成形体 |
JP2014080577A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-05-08 | Unitika Ltd | 樹脂組成物、樹脂組成物を用いた成形体、および成形体を用いたリフレクタ部品 |
JP2018197313A (ja) * | 2017-05-24 | 2018-12-13 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法 |
JP2020180224A (ja) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | ユニチカ株式会社 | 樹脂組成物およびそれより得られる成形体 |
JP6795128B1 (ja) * | 2019-05-29 | 2020-12-02 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 組成物、フィルム、およびフィルムの製造方法 |
WO2020241674A1 (ja) * | 2019-05-29 | 2020-12-03 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 組成物、平板状成形体、および、平板状成形体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2021095748A1 (ja) | 2021-05-20 |
JPWO2021095748A1 (ja) | 2021-11-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5011398B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂積層シート | |
JP6832334B2 (ja) | 透明樹脂積層体 | |
JP2010031174A (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた二軸配向フィルム | |
WO2016129018A1 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6879444B1 (ja) | フィルムおよびフィルムの製造方法 | |
JP6835298B1 (ja) | フィルムおよびフィルムの製造方法 | |
JP6795128B1 (ja) | 組成物、フィルム、およびフィルムの製造方法 | |
JP4811925B2 (ja) | 熱可塑性樹脂シート | |
WO2020241674A1 (ja) | 組成物、平板状成形体、および、平板状成形体の製造方法 | |
JP2016216556A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品 | |
JP6825755B1 (ja) | 組成物、フィルムおよびフィルムの製造方法 | |
WO2020241672A1 (ja) | 組成物、フィルム、およびフィルムの製造方法 | |
KR20130074365A (ko) | 열가소성 수지 조성물 | |
JP5480687B2 (ja) | 表面外観が向上した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP2022080269A (ja) | 樹脂組成物、平板状成形体、多層体および成形品の製造方法 | |
JP2012126767A (ja) | 輝度上昇フィルム | |
JP2021080345A (ja) | 樹脂組成物、平板状成形体、多層体および反射防止フィルム | |
JP6777269B1 (ja) | 樹脂組成物および成形品 | |
JP6806286B1 (ja) | 樹脂組成物および成形品 | |
JP2022080923A (ja) | 樹脂組成物、フィルム、多層フィルム、および、フィルムの製造方法 | |
US11746229B2 (en) | Resin composition and molded body using same | |
JP2023045395A (ja) | 樹脂組成物、フィルム、および、多層フィルム | |
JP2022182907A (ja) | フィルム、多層体、および、透明導電性フィルム | |
JP2022182086A (ja) | フィルム、多層体、および、透明導電性フィルム | |
JP5794425B2 (ja) | 電気電子部品封止用樹脂組成物、電気電子部品封止体およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210203 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20210203 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20210312 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210330 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210412 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6879444 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |