JP2023045395A - 樹脂組成物、フィルム、および、多層フィルム - Google Patents

樹脂組成物、フィルム、および、多層フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物であって、加熱しても、高分子量成分が増えにくい樹脂組成物、ならびに、前記樹脂組成物を用いたフィルム、および、多層フィルムの提供。【解決手段】 エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂と、環状エーテル化合物とを含む樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物、ならびに、前記樹脂組成物を用いたフィルム、および、多層フィルムに関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明性に優れるばかりでなく、ガラスと比較して加工性、耐衝撃性に優れ、他のプラスチック材料に比べて有毒ガスの心配もないため、様々な分野で広く用いられており、フィルムや熱成形体用材料としても使用されている。
熱成形の一実施形態として、加熱して軟化させた熱可塑性樹脂(プラスチック)のフィルムを、型を用いて成形することが挙げられる。このような熱成形においては、加熱したフィルムを型にかぶせて固定し、型とフィルムの間を真空にする真空成形と、圧縮空気でフィルムを加圧する圧縮空気圧成形が知られている。ここで、熱可塑性樹脂のフィルムを熱成形する際には、熱可塑性樹脂のガラス転移温度または軟化温度以上に加熱しなければならない。
一方、特許文献1には、熱成形に適したポリカーボネート樹脂が開示されており、末端封止剤として、パラヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステルを用いたポリカーボネート樹脂が開示されている。
特開2019-002023号公報
しかしながら、本発明者が検討を行ったところ、例えば、特許文献1に記載のようなエステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を用いてフィルムを製造しようとすると、成形機内で熱滞留することにより、高分子量体が生成してしまうことが分かった。
本発明はかかる課題を解決することを目的とするものであって、エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物であって、熱滞留しても、高分子量成分が増えにくい樹脂組成物、ならびに、前記樹脂組成物を用いたフィルム、および、多層フィルムを提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、所定の環状エーテル化合物を配合することにより、上記課題を解決しうることを見出した。具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂と、環状エーテル化合物とを含む樹脂組成物。
<2>前記エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が、式(1)で表される末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を含む、<1>に記載の樹脂組成物。
Figure 2023045395000001
(式(1)中、R1は、炭素数8~36のアルキル基、または、炭素数8~30のアルケニル基を表す。R2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~20のアルキル基、または、炭素数6~12のアリール基を表す。nは0~4の整数を表す。*は、他の部位との結合部位である。)
<3>前記環状エーテル化合物を、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.001~0.300質量部の割合で含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記環状エーテル化合物が、エポキシ化合物である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>前記エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の示差走査熱量測定により測定したガラス転移温度が140℃以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6><1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成されたフィルム。
<7>厚みが25~500μmである、<6>に記載のフィルム。
<8><6>または<7>に記載のフィルムを含む多層フィルム。
<9>前記フィルムの片側または両側に、ハードコート層、アンチブロッキング層、粘着層、接着層およびインデックスマッチング層の少なくともいずれか1つの層を有する、<8>に記載の多層フィルム。
本発明により、エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物であって、加熱しても、高分子量成分が増えにくい樹脂組成物、ならびに、前記樹脂組成物を用いたフィルム、および、多層フィルムを提供可能になった。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。本明細書では、置換および無置換を記していない表記は、無置換の方が好ましい。
本明細書において、重量平均分子量は、特に述べない限り、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により測定したポリスチレン換算値である。
本明細書におけるフィルムは、シートなどの平板状成形体を含む趣旨である。また、「フィルム」とは、長さと幅に対して、厚さが薄く、概ね、平らな成形体をいう。また、本明細書における「フィルム」は、単層であっても多層であってもよい。
本明細書で示す規格が年度によって、測定方法等が異なる場合、特に述べない限り、2021年1月1日時点における規格に基づくものとする。
本実施形態の樹脂組成物は、エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂と、環状エーテル化合物とを含むことを特徴とする。このような構成とすることにより、熱滞留しても高分子量成分を増えにくくすることができる。前記高分子量成分は、加熱の際に、ポリカーボネート樹脂の末端にあるエステル結合が切れてしまうことによって生じると推測された。すなわち、ポリカーボネート樹脂の末端にあるエステル結合が切れると、別のエステルとの組み換えが起こり、高分子量化してしまうと推測された。本実施形態においては、環状エーテル化合物を配合することにより、エステル結合が切れてしまっても、エステル結合由来の酸を、環状エーテル化合物にトラップさせ、高分子量化を効果的に抑制できたと推測される。
また、加熱の際に、ゲル状物質も生じてしまう場合がある。このゲル状物質は、ポリカーボネート樹脂の末端にあるエステル結合が切れて、エステル交換が三次元的に起こることによると推測される。このようなゲルは得られる成形品の外観に影響を与える。本実施形態では、かかるゲルの発生も効果的に抑制できる。
<エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂>
本実施形態の樹脂組成物は、エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を含む。エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂では、エステル交換反応が起こりやすいが、本実施形態では、環状エーテル化合物を配合することにより、エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が熱滞留しても、高分子量体を発生しにくくすることができる。また、エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を加熱すると、ゲル状の不溶物が発生しやすかったが、本実施形態では効果的に抑制できる。
エステル基を含む末端構造としては、エステル構造を含む限り特に定めるものでは無いが、エステル基と炭化水素基の組み合わせ、または、エステル基と炭化水素基と-O-との組み合わせからなる基であることが好ましい。エステル基を含む末端構造の式量は、100以上であることが好ましく、また、1500以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましく、800以下であることが一層好ましく、500以下であってもよい。
本実施形態においては、エステル基を含む末端構造は、式(1)で表される末端構造を有することが好ましい。式(1)で表される末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることにより、芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度を低くすることができる。
Figure 2023045395000002
(式(1)中、R1は、炭素数8~36のアルキル基、または、炭素数8~30のアルケニル基を表す。R2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~20のアルキル基、または、炭素数6~12のアリール基を表す。nは0~4の整数を表す。*は、他の部位との結合部位である。)
1は、炭素数8~36のアルキル基、または、炭素数8~30のアルケニル基を表し、炭素数10以上のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましく、炭素数12以上のアルキル基またはアルケニル基であることがより好ましく、さらに炭素数14以上のアルキル基またはアルケニル基であることがさらに好ましい。これにより樹脂のガラス転移温度が低くなり、フィルムおよび多層フィルムの熱曲げ性が向上する。また、R1は、炭素数22以下のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましく、炭素数18以下のアルキル基またはアルケニル基であることがより好ましい。R1は、アルキル基であることが好ましい。アルキル基およびアルケニル基は、直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましく、直鎖のアルキル基またはアルケニル基であることがより好ましい。
本実施形態では、R1は、特に、ヘキサデシル基であることが好ましい。
また、R1は、メタ位、パラ位、オルト位のいずれに位置していてもよいが、メタ位またはパラ位に位置していることが好ましく、パラ位に位置していることがより好ましい。
2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~20のアルキル基、または、炭素数6~12のアリール基を表し、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、または、フェニル基であることが好ましく、フッ素原子、塩素原子またはメチル基であることがより好ましい。
nは0~4の整数を表し、0~2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。
式(1)で表される末端構造は、パラヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル等の末端封止剤を用いることによって、芳香族ポリカーボネート樹脂に付加することができる。これらの詳細は、特開2019-002023号公報の段落0022~0030の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態における式(1)で表される末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、式(1)で表される末端構造が1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
本実施形態では、エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノール型ポリカーボネート樹脂であることが好ましく、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂であることがより好ましい。また、ビスフェノール型ポリカーボネート樹脂の50モル%以上が式(1)で表される末端構造を少なくとも1つ有することが好ましい。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂が式(1)で表される末端構造を有する場合、末端構造は、式(1)で表される末端構造のみからなることが好ましい。
ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂は、また、ビスフェノールAおよびその誘導体由来のカーボネート構成単位以外の他の構成単位を有していてもよい。このような他の構成単位を構成するジヒドロキシ化合物としては、例えば、特開2018-154819号公報の段落0014に記載の芳香族ジヒドロキシ化合物を挙げることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態におけるビスフェノール型ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAおよびその誘導体由来のカーボネート構成単位が、末端構造を除く全構成単位の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%以上を占めることがより好ましく、97質量%以上を占めることがさらに好ましい。
ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、特に、定めるものではないが、10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることがさらに好ましく、40,000以上であることが一層好ましく、50,000以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、フィルムの耐衝撃性や成形時のフローマークの抑制がより向上する傾向にある。また、エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることがさらに好ましく、80,000以下であることが一層好ましく、60,000以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、多層体の成形性が向上する傾向にある。
本実施形態で用いるエステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、140℃以下であることが好ましく、139℃以下であることがより好ましく、135℃以下であることがさらに好ましく、132℃以下であってもよく、さらには、125℃以下であってもよい。前記上限値以下とすることにより、多層体の熱曲げ成形性がより向上する傾向にある。また、本実施形態で用いるエステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、121℃以上であることが好ましく、122℃以上であることがより好ましく、123℃以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、湿熱試験、高温試験などの耐環境試験の耐久性がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物中の芳香族ポリカーボネート樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、さらには、90質量%以上、95質量%以上であってもよい。芳香族ポリカーボネート樹脂の含有量の上限は、樹脂組成物中、例えば、99.99質量%以下である。
本実施形態の樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<環状エーテル化合物>
本実施形態の樹脂組成物は、環状エーテル化合物を含む。環状エーテル化合物が存在することにより、芳香族ポリカーボネート樹脂のエステル結合が切れても、環状エーテル化合物がエステル結合由来の酸をトラップして、芳香族ポリカーボネート樹脂の高分子化を効果的に抑制できると推測される。
環状エーテル化合物は、環状エーテル基を含む化合物を意味する。環状エーテル化合物は、1分子中に環状エーテル基を1つのみ含んでいても、2つ以上含んでいてもよいが、1~4つ含むことが好ましく、1~3つ含むことがさらに好ましく、2つ含むことが一層好ましい。
環状エーテル化合物は、3~10員環の環状エーテル基を有する化合物が好ましく、エポキシ化合物およびオキセタニル化合物がより好ましく、エポキシ化合物がさらに好ましい。
環状エーテル化合物の分子量は特に定めるものでは無いが100以上であることが好ましく、また、1500以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましく、800以下であることが一層好ましく、500以下であってもよい。
環状エーテル化合物は、脂環式エポキシ化合物であることが好ましい。脂環式エポキシ化合物であることにより、より容易に開環して、エステル結合由来の酸を効果的にトラップすることができる。
本実施形態で用いる環状エーテル化合物は、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、および、式(4)で表される化合物が好ましく、式(2)で表される化合物および/または式(4)で表される化合物がより好ましい。
式(2)
Figure 2023045395000003
(式(2)中、A1は2価の有機基を表す。)
式(2)において、A1は、炭素数1~10の炭化水素基、-O-、-C(=O)-、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基、-O-、-C(=O)-、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基がより好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐または環状のいずれであってもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がさらに好ましい。
式(2)で表される化合物の好ましい例としては、下記化合物が例示される。
Figure 2023045395000004
式(3)
Figure 2023045395000005
(式(3)中、A2およびA3は、それぞれ独立に、2価の有機基を表す。)
式(3)において、A2は、それぞれ独立に、炭素数1~10の炭化水素基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基が好ましく、炭素数1~3のアルキレン基がより好ましい。
式(3)において、A3は、炭素数1~20の炭化水素基、-O-、-C(=O)-、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、-O-、-C(=O)-、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基がより好ましく、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、-O-、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基がさらに好ましい。なお、A3の端部(酸素原子の隣)は、炭素数1~20の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1~10のアルキレン基または炭素数6~12のアリーレン基であることがより好ましく、炭素数1~10のアルキレン基であることがさらに好ましい。
式(3)で表される化合物の好ましい例としては、下記化合物が例示される。
Figure 2023045395000006
nは任意の整数であり、1~11が好ましい。
Figure 2023045395000007
式(4)
Figure 2023045395000008
(式(4)中、A4およびA5は、それぞれ独立に、2価の有機基を表す。Raは、炭素数1~5のアルキル基であり、nbは0または1である。)
式(4)において、A4は、それぞれ独立に、炭素数1~20の炭化水素基、-O-、-C(=O)-、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、-O-、-C(=O)-、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基がより好ましく、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基がさらに好ましく、炭素数1~10のアルキレン基が一層好ましく、炭素数1~3のアルキレン基がより一層好ましく、エチレン基およびメチレン基がさらに一層好ましい。
式(4)において、A5は、炭素数1~20の炭化水素基、-O-、-C(=O)-、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、-O-、-C(=O)-、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基がより好ましく、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、または、前記基の2つ以上の組み合わせからなる基がさらに好ましい。なお、A5の端部(酸素原子の隣)は、炭素数1~20の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1~10のアルキレン基または炭素数6~12のアリーレン基であることがより好ましく、炭素数1~10のアルキレン基であることがさらに好ましく、炭素数1~3のアルキレン基であることが一層好ましい。
aは、炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基が好ましい。
nbは1が好ましい。
式(4)で表される化合物の好ましい例としては、下記化合物が例示される。
Figure 2023045395000009
本実施形態で用いられるエポキシ化合物の好ましい例としては、上記の他、特開2021-038306号公報の段落0043~0069、特開2021-031658号公報の段落0023~0037に記載の化合物を用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の樹脂組成物における環状エーテル化合物の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.001質量部以上であることが好ましく、0.003質量部以上であることがより好ましく、0.005質量部以上であることがさらに好ましく、0.007質量部以上であることが一層好ましく、0.009質量部以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、切れたエステル結合のトラップ効果がより向上する傾向にある。また、前記環状エーテル化合物の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.300質量部以下であることが好ましく、0.200質量部以下であることがより好ましく、0.100質量部以下であることがさらに好ましく、0.050質量部以下であることが一層好ましく、0.040質量部以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、環状エーテル化合物が架橋構造を形成したりすることを効果的に抑制できる。
本実施形態の樹脂組成物は、環状エーテル化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<酸化防止剤>
本実施形態の樹脂組成物は、酸化防止剤を含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などが挙げられ、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。酸化防止剤は、特にリン系酸化防止剤が好ましい。また、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤(より好ましくはヒンダードフェノール系酸化防止剤)を併用することも好ましい。
リン系酸化防止剤は、リン原子を含む酸化防止剤である限り特に定めるものではない。
リン系酸化防止剤の具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;ホスフェート化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物などが挙げられるが、ホスファイト化合物が特に好ましい。ホスファイト化合物を選択することで、より高い耐変色性と連続生産性を有する樹脂シートが得られる。
リン系酸化防止剤は、特開2018-090677号公報の段落0058~0064の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明で用いるリン系酸化防止剤の好ましい実施形態の一例は、ジまたはトリアリールホスファイト構造を有するリン系酸化防止剤である。本実施形態では、式(P)で表されるリン系酸化防止剤が好ましい。
式(P)
Figure 2023045395000010
(式(P)中、Rpは、それぞれ独立に、炭素数6以上30以下のアリール基を表す。)
pは、置換基を有するアリール基であってもよく、アルキル基で置換されたアリール基が好ましい。アリール基は、フェニル基が好ましい。前記置換基としてのアルキル基は、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、ブチル基がより好ましく、t-ブチル基がさらに好ましい。
式(P)で表されるリン系酸化防止剤としては、ADEKA社製、アデカスタブ2112、アデカスタブ1178、アデカスタブTPP等が例示される。
また、本実施形態では、ペンタエリスリトールジフォスファイト構造を有するリン系酸化防止剤も好ましく用いることができ、これらの詳細は、国際公開第2013/088796号に記載されている化合物が例示され、この内容は本明細書に組み込まれる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。このようなフェノール系酸化防止剤としては、特開2019-002023号公報の段落0041に記載のフェノール系酸化防止剤および特開2019-056035号公報の段落0033~0034に記載のフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の樹脂組成物における酸化防止剤の含有量は、含有する場合、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、下限値が、0.001質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.005質量部以上、さらに好ましくは0.008質量部以上である。前記酸化防止剤の含有量の上限値は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、1質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.8質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
本実施形態の樹脂組成物は、酸化防止剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<離型剤>
本実施形態の樹脂組成物は、離型剤を含んでいてもよい。離型剤を含むことにより、離型性により優れたフィルムが得られる。
離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルの群から選ばれる少なくとも1種の化合物を挙げることができ、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルが好ましい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例として、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等を挙げることができる。
その他、離型剤としては、特開2017-226848号公報の段落0032、特開2018-199745号公報の段落0056に記載の離型剤を用いることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
樹脂組成物中の離型剤の含有量は、含有する場合、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上であり、また、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
離型剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の樹脂組成物は、上記の他、エステル交換防止剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、防曇剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、衝撃改良剤、摺動改良剤、色相改良剤、酸トラップ剤等を含んでいてもよい。これらの成分は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記他の成分の合計量は、含有する場合、樹脂組成物の0.001~5質量%であることが好ましく、0.001~2質量%であることがより好ましく、0.01~1質量%であることがさらに好ましい。アンチブロッキングとは、フィルム同士の密着を抑制する効果のことをいい、アンチブロッキング剤を添加すること等によって達成できる。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、制限はなく、公知の製造方法を広く採用することができる。
その具体例を挙げると、ポリカーボネート樹脂と環状エーテル化合物と、必要に応じて配合されるその他の成分とを、例えばタンブラーやヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの各種混合機を用いて予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
<フィルム>
本実施形態のフィルムは、本実施形態の樹脂組成物から形成される。
本実施形態のフィルムは、単層フィルムとして用いることができる。本実施形態のフィルムが単層フィルムである場合、その厚さは、25μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、35μm以上であることがさらに好ましく、40μm以上であることが一層好ましく、50μm以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、フィルム成形時の破断を抑制することができる傾向にある。また、前記単層フィルムの厚さは、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましく、250μm以下であることが一層好ましく、200μm以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、耐屈曲性がより向上する傾向にある。
また、本実施形態のフィルムは、本実施形態のフィルム(単層フィルム)を含む多層フィルムとして用いることができる。多層フィルムに含まれる層としては、本実施形態のフィルムに加え、公知の層を採用できる。
本実施形態のフィルムは、前記フィルムの片側または両側に、ハードコート層、アンチブロッキング層、粘着層、接着層およびインデックスマッチング層の少なくともいずれか1つの層を有する多層フィルムとして用いられる。また、本実施形態のフィルムは、保護層と、粘着層と、基材と、電極層とをこの順で有する、透明導電性フィルムであって、基材および保護層の少なくとも一方(好ましくは少なくとも保護層)が、本実施形態のフィルムである、透明導電性フィルムとして好ましく用いられる。
また、上記透明導電性フィルムは、タッチパネルのフィルムセンサー、電子ペーパーや色素増感型太陽電池、タッチセンサー等に用いる透明導電性フィルムとして好ましく用いられる。
上記多層フィルムの詳細については、国際公開第2018/062328号の段落0101~0108に記載のハードコート層、段落0109~0112の透明導電層(電極層)、段落0125~0126に記載の粘着層、特開2020-122124号公報の段落0077~0082に記載の導電層、段落0083~0085に記載のインデックスマッチング(IM)層、ハードコート層、アンチブロッキングハードコート層の記載、特開2018-058233号公報の段落0102~0105に記載の導電層の記載、段落0106、0107に記載の透明導電性フィルムの応用の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態のフィルムが多層フィルムである場合、その厚みは26μm以上であることが好ましく、36μm以上であることがより好ましく、41μm以上であることがさらに好ましく、46μm以上であることが一層好ましく、51μm以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、搬送時のフィルムの破断を効果的に抑制することができる。また、前記多層フィルムの厚さは、510μm以下であることが好ましく、410μm以下であることがより好ましく、310μm以下であることがさらに好ましく、260μm以下であることが一層好ましく、210μm以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、屈曲時のクラックを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のフィルムは、上記以外の用途のフィルムにも好ましく用いられる。
本実施形態のフィルムは、本実施形態の樹脂組成物を用い、公知のフィルムの製造方法に従って製造される。好ましくは、本実施形態のフィルムは、本実施形態の樹脂組成物を押出し、ロールを搬送させて成形することを含む方法によって製造される。
本実施形態のフィルムは、上述の通り、単層フィルムであっても、複数の熱可塑性樹脂層で構成される多層フィルムであってもよい。多層フィルムの製造方法についても、公知の方法を採用することができる。例えば、Tダイを用いた溶融押出時に、ダイ内部で積層しフィルム状に成形する、もしくはフィルム状に成形した後に積層することで多層フィルムを形成することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
1.原料
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂
A1:T-1380、パラヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステルを末端封止剤に用いたビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、三菱ガス化学株式会社製、重量平均分子量:55,000、Tg:130℃
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、下記の示差走査熱量(DSC)の測定条件のとおりに、昇温、降温を2サイクル行い、2サイクル目の昇温時のガラス転移温度を測定した。
低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、変曲点の接線の交点を開始ガラス転移温度とし、高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、変曲点の接線の交点を終了ガラス転移温度とし、開始ガラス転移温度と終了ガラス転移温度の中間地点をガラス転移温度(Tg)とした。測定条件は、測定開始温度:30℃、昇温速度:10℃/分、到達温度:250℃、降温速度:20℃/分とした。
測定装置は、示差走査熱量計(DSC、(株)日立ハイテクサイエンス社製、「DSC7020」)を使用した。
(B)環状エーテル化合物
B1:ダイセル社製、セロキサイド2021P
Figure 2023045395000011
B2:東亞合成社製、アロンオキセタン、OXT-121
Figure 2023045395000012
(C)酸化防止剤
C1:ADEKA社製、アデカスタブ(AS)2112、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト
C2:アデカスタブAO-60、ADEKA社製、テトラキス[3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸]ペンタエリトリトール
(D)離型剤
D1:理研ビタミン株式会社製、リケマールS-100A、グリセリンモノステアレート
2.実施例1、2、比較例1~5
<芳香族ポリカーボネート樹脂フィルムの製造>
以下の方法で芳香族ポリカーボネート樹脂フィルムを製造した。
表1に記載した各成分を、表1に記載の添加量(表1は質量部で示している)となるように計量した。その後、タンブラーにて15分間混合した後、バレル直径25mm、スクリューのL/D=30のベント付き二軸セグメント押出機(東洋精機社製、「2D30W2」)からなるTダイ溶融押出機を用いて、吐出量8Kg/h、スクリュー回転数100rpmの条件で、溶融状に押し出し、フィルム・シート引き取り装置(東洋精機社製、「FT3W20」)の第一ロールのみで冷却固化し、芳香族ポリカーボネート樹脂フィルムを作製した。シリンダー・ダイヘッド温度は280℃、ロール温度は120℃で行った。
最終的に得られるフィルム厚みの調整は、100μmとなるように、第一ロールのロール速度を変更して行った。
得られたフィルムについて、以下の試験を行った。結果を表1に示した。
<加熱試験後不溶物>
得られたフィルムを真空乾燥機(ヤマト科学社製、DP23)中で、窒素下、300℃で16時間加熱した後、ジクロロメタン50mLに5g溶解させ、濾過径が10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引ろ過した。フィルター上に回収された不溶物の質量を測定した。この不溶物は、ポリカーボネート樹脂の末端にあるエステル結合が切れて、エステル交換が三次元的に起こることにより生じるゲル状の物質を含む。
以下の通り評価した。
A:5mg未満
B:5mg以上20mg未満
C:20mg以上
<加熱試験後高分子量体>
得られたフィルムを真空乾燥機(ヤマト科学社製、DP23)中で、窒素下、300℃で16時間加熱した。加熱前後のフィルムをそれぞれゲル浸透クロマトグラフィーにより測定し、得られたスペクトルの最大強度で規格化した後、ポリスチレン換算分子量49万のピーク強度の差で評価した。測定は以下のように行った。
ゲル浸透クロマトグラフィー装置には、LC-20AD system(島津製作所社製)を用い、カラムとして、LF-804(Shodex社製)を接続して用いた。カラム温度は40℃とした。検出器はRID-10A(島津製作所社製)のRI検出器を用いた。溶離液として、クロロホルムを用い、検量線は、東ソー社製の標準ポリスチレンを使用して作成した。
上記ゲル浸透クロマトグラフィー装置、カラム、検出器が入手困難な場合、同等の性能を有する他の装置等を用いて測定する。
以下の通り評価した。
A:0.2%未満
B:0.2%以上
Figure 2023045395000013

Claims (9)

  1. エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂と、環状エーテル化合物とを含む樹脂組成物。
  2. 前記エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が、式(1)で表される末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2023045395000014
    (式(1)中、R1は、炭素数8~36のアルキル基、または、炭素数8~30のアルケニル基を表す。R2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~20のアルキル基、または、炭素数6~12のアリール基を表す。nは0~4の整数を表す。*は、他の部位との結合部位である。)
  3. 前記環状エーテル化合物を、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.001~0.300質量部の割合で含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記環状エーテル化合物が、エポキシ化合物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の示差走査熱量測定により測定したガラス転移温度が140℃以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成されたフィルム。
  7. 厚みが25~500μmである、請求項6に記載のフィルム。
  8. 請求項6または7に記載のフィルムを含む多層フィルム。
  9. 前記フィルムの片側または両側に、ハードコート層、アンチブロッキング層、粘着層、接着層およびインデックスマッチング層の少なくともいずれか1つの層を有する、請求項8に記載の多層フィルム。
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