JPWO2006025221A1 - 画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

第一の水性の紫外線硬化型着色インクを非吸収性基材上に着弾させて該非吸収性基材上に第一の着色インク画像を形成し、該第一の着色インク画像に紫外線を照射して第一の紫外線硬化着色インク画像を形成し、次いで、該第一の紫外線硬化着色インク画像上に第二の水性の紫外線硬化型着色インクを着弾させて該第一の紫外線硬化着色インク画像上に第二の着色インク画像を形成した後、該第二の着色インク画像に紫外線を照射して第二の紫外線硬化着色インク画像を形成する画像記録方法において、該第一の紫外線硬化着色インク画像表面に対する第二の水性の紫外線硬化型着色インクの静的接触角を10〜50度とする画像記録方法。

Description

本発明は、紫外線硬化型インクを用い、紫外線の照射により画像を記録する画像記録方法及びそれに用いる画像記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインクや、そのインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を組み合わせて、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録材料が制限されること、記録材料のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、画像記録した後、紫外線(UV)光により架橋させる紫外線硬化型インクジェット方式などである。その中でも、紫外線硬化型インクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録材料への記録ができる点で、近年注目されつつある。
一方、無溶媒の紫外線硬化型インクは、着弾直後に硬化することで滲みを抑えつつ、仕上がった画像の耐久性、揮発性有機溶媒(VOC)フリー化を達成することができ好ましい。そのようなインクとして、加熱により微小な穴から吐出飛翔させる紫外線硬化型インクが特開昭61−164836号に、同様の構成で無溶剤のインクが特開平5−214279号、特開平5−214280号、特表2000−504778号、WO99/29787号、WO99/29788号に開示されている。また、水を溶媒とする紫外線硬化型インクジェットインクとして、重合性物質として、2個以上の重合性官能基と1または2個のアニオン性官能基とを有する化合物を用いた水性光硬化型樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。これらの構成により、VOCの揮発の問題や、射出時のインク物性に関する制限が少なく、更に硬化後のインクの盛り上がりが小さく、また、無溶剤のタイプは着弾直後に硬化することで滲みを抑えつつ、高性能で高品位な画像を得ることができるとされているが、これらの水性光硬化型樹脂組成物を用いた水性インクでは、インクの安定性や記録材料への濡れ性が十分でなく、形成したインク画像の平滑性に劣り、更に、連続して長時間印字した際の印字画像の品質に劣ることが判明した。
一方、水性媒体中に顔料、水溶性の紫外線重合性物質及び水溶性の光重合開始剤を含有するインクを用い、被印刷材の被印刷面に1色のインクのインク滴の多数を付着させてべた印刷としたときに、被印刷面の純水に対する静的接触角を60度以下とし、かつ1色べた印刷する際に付与する単位面積あたりのインク体積と被印刷面が吸収し得るインクの容積を特定の条件に規定したインクジェット印刷方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。特許文献3に開示されている方法によれば、硬化後のインクの被印刷材への付着力が高く、被印刷材が光透過性であるならば透明性に優れた印刷を、また被印刷材が光反射性であるならば光沢、彩度の高い印刷を可能とするインクジェット印刷法を実現できるとされている。また、この方法では、紫外線照射による硬化後、残留している溶媒を除く操作が行われ、不揮発性の溶媒は水洗した後、乾燥する方法が開示されている。また、基材上に着弾したインク液滴の濡れ性を調整して、好ましいドット径とすることを主旨としているため、それに付随して基材の表面処理が併せて行われている。
しかしながら、特許文献3で提案されている方法では、以下の課題を抱えている。
上記で規定する条件を達成するためには、1つとして基材の表面処理が必要となる。また、複数回の走査で画像印字を行う際、印刷終了後に一括して紫外線を照射してインクを
硬化しているため、インク付与量の多いベタ画像部では多数のインク液滴がつながって平滑化し高光沢となるが、反面ドット間での滲みが生じる。この滲みを防止するには、インクドットを間引きして着弾させ、逐次紫外線を露光することで定着させることで改善できるが、単純にこのような手法を取るだけでは、ベタ部の光沢や濃度、彩度が低下するという問題点があった。
特開2000−186243号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−187918号公報 (特許請求の範囲) 特開2000−117960号公報 (特許請求の範囲)
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、滲み耐性、基材との密着性に優れ、高光沢、高濃度、高彩度の画像が得られる画像記録方法及びそれに用いる画像記録装置を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1. 第一の水性の紫外線硬化型着色インクを非吸収性基材上に着弾させて該非吸収性基材上に第一の着色インク画像を形成し、該第一の着色インク画像に紫外線を照射して第一の紫外線硬化着色インク画像を形成し、次いで、該第一の紫外線硬化着色インク画像上に第二の水性の紫外線硬化型着色インクを着弾させて該第一の紫外線硬化着色インク画像上に第二の着色インク画像を形成した後、該第二の着色インク画像に紫外線を照射して第二の紫外線硬化着色インク画像を形成する画像記録方法において、該第一の紫外線硬化着色インク画像表面に対する第二の水性の紫外線硬化型着色インクの静的接触角を10〜50度とする画像記録方法。
2. 前記各着色インク画像の形成は、1回の印字走査によって行われる画像形成である前記1に記載の画像記録方法。
3. 前記紫外線硬化型着色インクによりベタ画像を形成するのに要するインク付与量を100%としたとき、前記第一及び第二の紫外線硬化型着色インクの総インク付与量が100%未満であることを特徴とする前記1に記載の画像記録方法。
4. 前記第一の紫外線硬化着色インク画像の画像面積率が、100%未満である前記1に記載の画像記録方法。
5. 前記第二の紫外線硬化着色インク画像を形成した後、該画像を乾燥して、該画像に含有されている水分を除去する前記1に記載の画像記録方法。
6. 前記第二の紫外線硬化着色インク画像を形成した後、第二の紫外線硬化着色インク画像上に水性の紫外線硬化型無色のインクを着弾させて、該無色のインクに紫外線を照射する前記1に記載の画像記録方法。
7. 前記第一の水性の紫外線硬化型着色インクを非吸収性基材上に着弾させて該非吸収性基材上に第一の着色インク画像を形成し、該第一の着色インク画像に紫外線を照射して、第一の紫外線硬化着色インク画像を形成した後、第一の紫外線硬化着色インク画像上に水性の紫外線硬化型無色のインクを着弾させて、該無色のインクに紫外線を照射する前記6に記載の画像記録方法。
8. 第一の水性の紫外線硬化型着色インクと第二の水性の紫外線硬化型着色インクが同じである前記1に記載の画像記録方法。
本発明の画像記録方法で用いることのできるインクジェット記録装置で、シリアルプリント方式で用いる要部の構成の一例を示す正面図である。 本発明で用いることのできるインクジェット印字方式の一例を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題鑑み鋭意検討を行った結果、非吸収性基材上に、水性の紫外線硬化型着色インクを着弾させた後、該紫外線硬化型着色インクに紫外線を照射して硬化する操作を複数回繰り返して画像記録する画像記録方法において、硬化した紫外線硬化型着色インク上に、他の紫外線硬化型着色インクを着弾させた時、硬化した紫外線硬化型着色インクにより形成された画像表面に対する他の紫外線硬化型着色インクの静的接触角を10〜50度とする画像記録方法により、滲み耐性、基材とも密着性に優れ、高光沢、高濃度、高彩度の画像が得られる画像記録方法を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の画像記録方法では、非吸収性基材上に、水性の紫外線硬化型着色インクを着弾させた後、該紫外線硬化型着色インクに紫外線を照射して硬化する工程を複数回繰り返して画像記録する。すなわち、複数回の走査により画像を形成する際、全ての画像印字が終了した後に、1回の紫外線照射により硬化を行うのではなく、各走査毎に逐次紫外線照射を行う。この方法をとることにより、画像形成時の滲みを効果的に抑制することができ、更に各走査毎に紫外線照射を施すことにより、形成した画像の硬化を確実に行うことができ、加えて基材との密着性を高めることができる。
この様な複数回の走査で、各走査回毎に紫外線照射を行う時、先に吐出及び硬化した紫外線硬化型着色インクにより形成された画像表面上に、更に次の走査で紫外線硬化型着色インクを吐出する際の静的接触角が10〜50度とすることを特徴とし、上記で規定する条件を達成する手段として、特に制限はないが、上記で規定する静的接触角となる条件を満たす様に紫外線硬化型着色インクと紫外線の照射条件とを最適に選択して画像記録する。
本発明において、硬化した画像面に対するインクの接触角を本発明で規定する範囲に制御することにより、滲みが抑制され、ベタ画像部における光沢が高く、加えて濃度及び彩度の高い画像形成を行うことができる。
本発明において、上記で規定する接触角を10〜50度となる範囲を達成する手段として、特に制限はないが、紫外線の照射条件面からは、1つとしては各走査毎に硬化を行う時の紫外線照射量を調整する方法であり、好ましくは10mJ/cm2以上、更に好ましくは50mJ/cm2以上であり、また、好ましくは10,000mJ/cm2以下、更に好ましくは5,000mJ/cm2以下の範囲である。
また、他の方法としては、紫外線照射時の環境、例えば、温度、湿度あるいは酸素濃度を最適に制御する方法も好ましい。紫外線照射時の温度としては、15〜50℃が好ましく、又湿度は20〜70%RHの範囲であることが好ましい。また、酸素濃度は4.5×10-3mol/L以下にすることが好ましい。酸素濃度はできる限り低い方が好ましく、特に下限はないが、コスト及び酸素を遮断するための構造上の点から5×10-6〜4.5×10-3mol/Lの範囲が好ましい。
好ましい酸素濃度を得る方法としては、インク射出後に紫外線を照射する基材上面を含む空間及び射出部周辺を概略密閉し、公知の方法でその空間の酸素を低減させる。例えば、密閉した空間を窒素や不活性ガスで置換する方法が用いられる。これらガスは圧縮されたガスボンベより供給することもできるし、活性炭や気体用フィルターで空気から不純物を除いて作った窒素ガスを用いることもできる。またフィルターや活性炭等で酸素を除去した空気を上記密閉空間に送り込むことでも所望の効果を得ることができる。本発明の場合は、記録媒体の搬送などのため空間を完全には密封することはできない。そのため、連続して印字する場合は、酸素濃度の上昇を避けるため、連続又は断続的に不活性ガスを供給することが好ましい。
更に、硬化したインクの表面エネルギーあるいは吐出するインクの表面張力を制御するため、界面活性剤または適当な溶剤を添加することが好ましい。
本発明で用いることのできる界面活性剤としては、公知のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤あるいはベタイン型界面活性剤を用いることができるが、その中でもノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
本発明で適用できるノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、第2級アルコールエトキシレート、第1級アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコールオレート、ソルビタンステアリルエステル、ソルビタンオレイルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノメタクリレートなどの水酸基含有不飽和単量体が共重合されたアクリル樹脂等を挙げることができる。更に、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール、またはグリコールエーテル類等が例示される。本発明に係るノニオン性界面活性剤は、単独であっても2種類以上の混合物であってもよい。
本発明に係るノニオン性界面活性剤は、インク中に10〜10,000ppmの範囲で用いることが好ましく、更に好ましくは20〜1,000ppmである。本発明に係るノニオン性界面活性剤の含有量が10ppm未満である場合には、十分な本発明の目的効果を得ることができず、また含有量が10,000ppmを超える場合には、印字部の耐候性がやや悪化する傾向にある。
本発明においては、ノニオン性界面活性剤が、分子中にパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤であることが更に好ましい。これは、フッ素原子、パーフルオロアルキル基が有する電気特性と分子特性に関連しているものと考えられる。本発明で使用される分子中にパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキル含有オリゴマー等を挙げることができ、具体的には、例えば、「サーフロン(SURFLON)S−141」、「サーフロンS−145」、「サーフロンS−381」、「サーフロンS−383」、「サーフロンS−393」、「サーフロンSC−101」、「サーフロンSC−105」、「サーフロンKH−40」、「サーフロンSA−100」(以上、セイミケミカル(株)製)、「メガファックF−171」、「メガファックF−172」、「メガファックF−173」、「メガファックF−177」、「メガファックF−178A」、「メガファックF−178K」、「メガファックF−179」、「メガファックF−183」、「メガファックF−184」、「メガファックF−815」、「メガファックF−470」、「メガファックF−471」(以上、大日本インキ化学工業(株)製)等を挙げることができる。また、「13700の化学商品」、p1239〜p1242、化学工業日報社(2000)に記載の各化合物を挙げることができる。本発明に係るパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤は、単独でももしくは2種類以上の混合物であってもよい。
本発明におけるインクにおいては、水または水と有機溶媒の混合溶媒が用いられる。本発明のインクにおいて好ましく用いられる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用することが、特に好ましい。
本発明で規定する紫外線硬化型着色インクにより形成された画像表面に対する他の紫外線硬化型着色インクの静的接触角を測定する方法としては、基材上に第1のインクによりベタ画像の形成及び硬化を行った後、接触角測定装置、例えば、協和界面化学社製の自動接触角測定装置CA−V型を用いて、その硬化したベタ画像上に新たなインク液滴を滴下して測定することができる。
本発明の画像記録方法においては、紫外線硬化型着色インクによりベタ画像を形成するのに要するインク付与量(基材全面を被覆するのに要する最小のインク量)を100%としたとき、画像形成に用いられる紫外線硬化型着色インクの総インク付与量を100%未満とすることが好ましい。
すなわち、基材の全面を被覆してベタ画像を形成するのに要する最少のインク付与量を100%と定義したとき、1回の走査でインクを吐出し、次いで紫外線を照射する際の総インク付着量を100%未満、すなわち、印字面全体を完全に被覆しない量でインクを付与させることを意味し、例えば、4色のインクを用いて画像形成した場合には、各色のインク付着量の合計が100%未満とすることを意味する。この様な条件で印字を行うことにより、更に滲みが抑制され、ベタ画像部における光沢が高く、加えて濃度及び彩度の高い画像形成を行うことができる。
上記条件で印字を行う方法として、特に制限はないが、1つの方法としては、インターリーブ方式で、インクを間引きしながら走査、着弾させた後、逐次紫外線を照射させる方法である。
紫外線を照射する方法としては、画像記録方法がライン記録方式であれば1色の印字毎に紫外線を照射する方法、吐出するインク量を制御する方法、あるいは1色あたり複数の記録ヘッドを設け、1記録ヘッド毎に紫外線を照射する方法等を適宜選択、あるいは組み合わせて適用することができる。
本発明の逐次インクの吐出及び硬化を行う画像記録方法においては、硬化着色インク画像において、基材の面積に対する画像面積(以下、画像面積率、単に、画線率ともいう)が100%未満であること、すなわち基材全面積を全てインクで被覆しない状態で紫外線を照射することが好ましく、画像面積率としては90%未満がより好ましく、更に好ましくは0%以上、90%未満である。
基材全面積を全てインクで被覆しない状態で紫外線を照射することにより、露出している基材部と着弾したインク液滴の領域で、より効率的に十分な紫外線を照射することができ、基材と形成した画像との密着性を大幅に向上することができる。
本発明で規定する画像面積率を100%未満となるようにインクを付与する方法としては、例えば、前述の様にインターリーブ方式やインク制限などにより間引きしながら走査、吐出する方法が好ましくい。実際の画線率は、使用する基材の表面エネルギーにも大きく依存し、基材上に着弾したインク液滴径も変化するため、所望の画線率に制御するためには、基材の選択の他、インクの表面張力を最適化するため、前述の溶剤や界面活性剤の使用や、かつ紫外線照射時間を短くする等の手段を適宜選択、あるいは組み合わせることが好ましい。
本発明で規定する画像面積率の測定方法としては、基材上に第1の走査でインクを吐出し、引き続き紫外線を照射した後、その画像をCCDモニター等を用いて画像読み取り行い、得られた画像データより画像面積率を求めることができる。
本発明の画像記録方法においては、紫外線により紫外線硬化型着色インクを硬化させた後、紫外線硬化型着色インクに含有される水分を除去する乾燥工程で処理することが、画像形成後の基材との密着性向上及び長期間にわたり保存した際の形成画像の安定性を高める観点で好ましい。複数回にわたり画像形成及び硬化を行う本発明の画像記録方法においては、各走査毎に乾燥工程による処理を行っても、あるいは全ての画像の形成が完了した後、乾燥工程による処理を行ってもよい。
本発明で用いることのできる乾燥方法としては、保温水により加熱する方法、ヒーターあるいは加熱コイルに接触させて加熱する方法、ドライヤーなどの対流により加熱する対流加熱手段、赤外線や高周波の電磁波などの放射により加熱する放射加熱手段などが挙げられる。
本発明の画像記録方法においては、紫外線硬化型着色インクを吐出して画像を形成した後、画像に対し紫外線照射前または紫外線照射後に、水性の紫外線硬化型無色インク(以下、単に無色インクともいう)を付与し、次いで紫外線を照射することが、更に高い濃度、光沢及び彩度が得られる点で好ましい。
複数回にわたり画像形成及び硬化を行う本発明の画像記録方法においては、各走査毎に色画像を形成した後、無色インクの付与を行い、次いで紫外線を照射して硬化処理を行っても、あるいは全ての色画像の形成が完了した後、無色インクの付与を行い、次いで紫外線を照射して硬化処理を行ってもよい。本発明において、無色インクを付与する方法としては、紫外線硬化型着色インクの吐出で用いるインクジェット記録ヘッドに無色インクの吐出部を設けても、あるいは紫外線硬化型着色インク用のインクジェット記録ヘッドとは別のインクジェット記録ヘッドにより吐出しても良いし、あるいは色画像を形成した後、別の塗布方式、印刷方式で付与してもよい。
本発明に係る無色インクは、光重合性化合物、光重合開始剤及び重合禁止剤を含有し、実質的に着色剤(色材ともいう)を含有しない無色の水性紫外線硬化型インクである。本発明でいう着色剤を実質的に含有しないとは、全くを着色剤を含有しないか、あるいは着色剤の含有量が、無色インクの全質量に対し、0.1質量%未満である。
次いで、本発明の画像記録方法で用いるインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明のインクジェット記録装置の一態様であり、本発明の画像記録方法では、ここに示す図面に限定されない。
図1は、本発明の画像記録方法で用いることのできるインクジェット記録装置の一例でで、シリアルプリント方式で用いる要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図2における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、Y方向に往復移動する。
尚、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものであり、その他に、例えば、本発明に係る無色インクを装填してもよい。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された紫外線硬化型着色インクを、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出される紫外線硬化型インクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対して紫外線硬化型インクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査により紫外線硬化型インクの吐出を行なった後、照明手段4により紫外線を照射して硬化を行う。次いで、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対して紫外線硬化型インクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3から紫外線硬化型インクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましく、特に、本発明に係る照明手段4で用いる線源としては、適宜照射強度(mW)が調整できるものが好ましい。
以上の様に、図1においては、シリアルプリント方式を例として、説明したが、そのほかにも、図2に示すような各インクジェット印字方式のインクジェット記録装置を用いることができる。
図2において、図2a)は、記録ヘッド19を記録材料20の幅手方向に配置し、記録材料20を矢印Y1の方向に搬送しながら印字及び照射手段24より活性光線を照射する方法(ラインヘッド方式)であり、図2b)は、記録材料20を矢印Y1の方向に、記録ヘッド19を副走査方向Y2(記録材料上の幅手方向)に、移動しながら印字し、更に照射手段24より活性光線を照射する方法(フラットヘッド方式)であり、図2c)は、図2b)において上記説明したように、記録材料20を矢印Y1の方向に、記録ヘッド19を副走査方向Y2(記録材料上の幅手方向)に、移動しながら印字し、更に両端に設けた照射手段24より活性光線を照射する方法(シリアルプリント方式)であり、本発明においては、いずれの方式も用いることができる。
また、本発明の画像記録方法においては、紫外線の照射量を制御する手段が、紫外線の照射範囲を変更する手段、または紫外線の照度を変更する手段のいずれかであることが好ましい。
本発明でいう紫外線の照射強度は、mWで表すことができ、これは紫外線照射装置が、単位時間(1秒間)に記録材料へ照射しうる実効紫外線エネルギーを表す。
本発明において、紫外線の照射エネルギーは、照射範囲を変更する、点灯する照射光源数を変化させる、あるいは照射光源への供給電力量を変化させる(露光時間を変化させる)などの方法を適宜組み合わせることにより、所望の条件を設定することができる。
また、複数の記録速度を有する場合、本発明のインクジェット記録装置あるいはインクジェット記録方法においては、画像記録速度にかかわらず、記録材料の単位面積当たりに照射される紫外線のエネルギー量をほぼ一定にする制御手段を有することが好ましい。
本発明の画像記録方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001秒〜2.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜1.0秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
本発明の画像形成方法で用いる基材としては、非吸収性記録材料を用いることが好ましい。本発明でいう非吸収性記録材料とは、インク組成物(インク)を吸収しないと言う意味であり、本発明においては、下記に示すようなブリストウ法におけるインク転移量が、0.1ml/mm2未満であり、実質的に0ml/mm2であるようなものを非吸収性記録材料と定義する。
本発明でいうブリストウ法とは、短時間での紙及び板紙の液体吸収挙動を測定する方法であり、詳しくは、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87紙又は板紙の液体吸収性試験方法(ブリストウ法)に準じて測定し、接触時間40m秒におけるインク転移量(ml/m2)で表される。なお、上記の測定方法では、測定に純水(イオン交換水)が使用されているが、測定面積の判別を容易にするために、本発明においては、2%未満の水溶性染料を含有させてもよい。
本発明に係る非吸収性記録材料としては、サイズ化された耐水性のコート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、OPS(延伸ポリスチレン)フィルム、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、ONy(延伸ナイロン)フィルム、PVC(ポリビニルクロライド)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)、ポリアセタール、PVA(ポリビニルアルコール)、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録材料の中でも、表面エネルギーが35〜60mJ/m2である基材が好ましく、更に好ましくは40〜60mJ/m2の基材である
本発明の画像記録方法で用いる紫外線硬化型着色インクとしては、色材の他に、主に、水、紫外線により重合する重合性化合物及び紫外線によりラジカルを生成する水性光重合開始剤を含有している。
はじめに本発明に係る紫外線により重合する重合性化合物について説明する。
本発明で用いることのできる重合性化合物は水溶性であることが好ましく、例えば、酸性基と(メタ)アクリロイル基或いはビニル基を共に分子内に有し、具体的には無水琥珀酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル、オルソ無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル、ビニルナフタレンスルホン酸等である。
水に可溶で、1分子中に重合性官能基を2個以上有する工業的に生産されている化合物としては、ポリエチレンオキシド鎖によって親水性を付与した重合性化合物が知られている。このようなものとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。また、特開平8−165441号公報に記載の多官能の水溶性重合性化合物、特開2000−117960号公報のグリセリンから誘導される親水性ポリエポキシドの(メタ)アクリル酸エステル、米国特許第5,612,388号明細書の多官能性カチオン性アクリルモノマーも好ましい水溶性の重合性化合物である。
本発明で使用する更に好ましい水溶性の重合性化合物としては、以下に例示するような親水性の多官能の重合性化合物が挙げられる。これらの化合物は、親水性が高く、水溶性であり、重合性を有し、且つ重合速度が速く、しかも、それ自身低粘度であると共に、水溶液とした場合の粘度は従来から知られている化合物と比較して格段に低粘度となる。
光によってラジカル重合する重合性化合物としては、下記一般式A1-A11で表わされる化合物、下記一般式B1-B4で表わされる化合物から選ばれる水溶性の重合性化合物が挙げられる。
Figure 2006025221
Figure 2006025221
Figure 2006025221
一般式A1−A11におけるA、Rp、Rx、Ry、Rzは下記の原子団を表す。
Figure 2006025221
一般式B1−B4におけるA、Rpは下記の原子団を表す。
Figure 2006025221
以下に、上記化合物群から選ばれる水溶性の重合性化合物の具体例を示す。
Figure 2006025221
Figure 2006025221
Figure 2006025221
Figure 2006025221
Figure 2006025221
例示した重合性化合物A10−1やA10−2等は、アクリル酸のビニル基に、カルボキシル基を有するアミン、即ち広義のアミン酸を付加させることによって製造することができる。この方法に用いられるカルボキシル基を有するアミンとしては、例えば、パラアミノ安息香酸、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、を挙げることができる。また、グルタミン酸、アスパラギン酸等の2個のカルボキシル基を有するアミノ酸からも同等性能の物質を誘導することができる。
上記に挙げた多数の群の化合物の中でも、重合速度、硬化物の硬度、耐水摩擦性において特に優れているのは、分子中に3個の重合性官能基を有する化合物である。そのような傾向となる大きな理由は、3個以上の反応基を持つ化合物を重合させた場合は架橋密度が高く、重合することによって親水性を大きく減少させる効果を持つことによると推測している。
次に、本発明に係る水性光重合開始剤について説明する。
本発明で用いることのできる水性光重合開始剤としては、特に制限はないが、例えば、400nm前後の波長域で作用する触媒を挙げることができる。このような触媒としては、例えば、長波長領域に官能性、即ち、紫外線を受けてラジカルを生成する感受性を持つ物質である下記一般式TX1、TX2、TX3で表される光重合開始剤が挙げられ、本発明においては、これらの中から適宜に選択して使用することが特に好ましい。
Figure 2006025221
上記一般式TX1〜TX3において、R2は−(CH2x−(x=0または1)、−O−(CH2y−(y=1または2)、置換または未置換のフェニレン基を表す。また、R2がフェニレン基の場合には、ベンゼン環中の水素原子の少なくとも1つが、例えば、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸またはその塩、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、炭素数1〜4のアルコキシル基、フェノキシ基等のアリールオキシ基等から選ばれる1つまたは2つ以上の基や原子で置換されていてもよい。Mは、水素原子またはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K等)を表す。更に、R3及びR4は各々独立に、水素原子、または置換または未置換のアルキル基を表す。ここでアルキル基の例としては、例えば、炭素数1〜10程度、特には、炭素数1〜3程度の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。また、これらのアルキル基の置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、シュウ素原子等)、水酸基、アルコキシル基(炭素数1〜3程度)等が挙げられる。また、mは1〜10の整数を表す。
これらの親水性原子団で置換されたチオキサントンは、水溶性、アニオン系水性顔料分散体との共溶性があり、有機顔料自身の吸収の影響が少ないので、顔料系組成物において感度の高い触媒として作用する。
更に、本発明に係る水性光硬化型樹脂組成物を構成する水性光重合開始剤としては、下記一般式(IC)からなる光重合開始剤 Irgacure2959(Ciba Specialty Chemicals製)の水溶性の誘導体を使用することもできる。具体的には、下記式からなるIC−1〜IC−3を使用することができる。
Figure 2006025221
上記したIC−1〜IC−3は、ノニオン性であるが、紫外線に対して感受し得る波長領域が、先に挙げたTX−1〜TX−3として示した光重合開始剤よりも短波長域にある。また、IC−1〜IC−3も、前記したTX−1〜TX−3と同様、水溶性であるので、本発明に係る紫外線硬化型着色インクの構成成分として有用である。
次いで、上記で説明した以外の紫外線硬化型着色インクの構成要素について説明する。
本発明に係る紫外線硬化型着色インクにおいては、インク組成物を着色するのに色材を添加する。色材としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる各種色材を使用することができるが、耐候性の観点から顔料が好ましい。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、42、81、83、87、95、109、120、138、139、150、151、180、
C.I Pigment Orange−16、36、38、
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、122、144、146、185、202、
C.I Pigment Violet−19、23、
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、27、29、60、
C.I Pigment Green−7、36、
C.I Pigment White−6、18、21、
C.I Pigment Black−7、
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる為に、白インクを用いる場合、白色顔料として酸化チタンを用いることが好ましいが、顔料の沈降性等を考慮すると、比重の小さいアナターゼ型酸化チタンがより好ましい。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズ等が挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1質量部〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる活性光線硬化型水性インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08μm〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3μm〜10μm、好ましくは0.3μm〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明に係るインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
本発明に係る紫外線硬化型着色インクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、インク組成物の保存性を高めるため、重合禁止剤を200ppm〜20000ppm添加することができる。紫外線硬化型のインクは、加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。重合禁止剤としては、さまざま化合物が知られており、一般的な重合性組成物に広く配合されているものをそのまま用いることが可能である。
重合禁止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン化合物、リン系酸化防止剤、広く(メタ)アクリマーに用いられるハイドロキノンモノメチルエーテルの他、ハイドロキノン、tブチルカテコール、ピロガロール、水等を用いることが可能である。これらは、「高分子添加剤の開発技術」(シーエムシー発行)に詳しく記載されている。
この他にも、必要に応じて、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することもできる。また、基材との密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その使用量は0.1%〜5%の範囲であり、好ましくは0.1%〜3%である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《紫外線硬化型着色インクの調製》
〔顔料分散液の調製〕
(イエロー顔料分散液の調製)
C.I.ピグメントイエロー74を、分散剤として水溶性のポリウレタン樹脂(数平均分子量3000)を適量用いて水媒体中で分散を行って、平均粒径が110nmの顔料を18質量%含むイエロー顔料分散液を調製した。
(マゼンタ顔料分散液の調製)
C.I.ピグメントレッド122を、分散剤として水溶性のポリウレタン樹脂(数平均分子量3000)を適量用いて水媒体中で分散を行って、平均粒径が90nmの顔料を14質量%含むマゼンタ顔料分散液を調製した。
(シアン顔料分散液の調製)
C.I.ピグメントブルー15:3を、分散剤として水溶性のポリウレタン樹脂(数平均分子量3000)を適量用いて水媒体中で分散を行って、平均粒径が75nmの顔料を15質量%含むシアン顔料分散液を調製した。
(ブラック顔料分散液の調製)
C.I.ピグメントブラック7を、分散剤として水溶性のポリウレタン樹脂(数平均分子量3000)を適量用いて水媒体中で分散を行って、平均粒径が95nmの顔料を20質量%含むブラック顔料分散液を調製した。
〔各色インクの調製〕
(イエローインク)
イエロー顔料分散液(顔料濃度18質量%) 19.4質量%
水溶性重合性化合物1 4.0質量%
水溶性重合性化合物2 13.0質量%
水溶性光重合開始剤1 0.5質量%
水 63.1質量%
(マゼンタインク)
マゼンタ顔料分散液(顔料濃度14質量%) 17.8質量%
水溶性重合性化合物1 4.0質量%
水溶性重合性化合物2 13.0質量%
水溶性光重合開始剤1 0.5質量%
水 64.7質量%
(シアンインク)
シアン顔料分散液(顔料濃度15質量%) 20.0質量%
水溶性重合性化合物1 4.0質量%
水溶性重合性化合物2 13.0質量%
水溶性光重合開始剤1 0.5質量%
水 62.5質量%
(ブラックインク)
ブラック顔料分散液(顔料濃度20質量%) 25.0質量%
水溶性重合性化合物1 4.0質量%
水溶性重合性化合物2 13.0質量%
水溶性光重合開始剤1 0.5質量%
水 57.5質量%
Figure 2006025221
《紫外線硬化型透明インクの調製》
水溶性重合性化合物1 4.0質量%
水溶性重合性化合物2 13.0質量%
水溶性光重合開始剤1 0.5質量%
界面活性剤:フッ素系ノニオン性界面活性剤、メガファックス F−470、大日本インク化学工業社製 0.1質量%
水 82.4質量%
《画像記録》
〔インクジェット記録装置〕
ピエゾ型インクジェットノズルを有する記録ヘッドを備え、キャリッジの両側に紫外線照射光源(Integration社製 VZero Hbulb)を持つ図1に記載のインクジェット記録装置に、上記調製した各色の紫外線硬化型着色インクと紫外線硬化型透明インクとを装填し、両面をプラズマ処理した非吸収性基材である塩化ビニルシート上へ、各画像の記録を行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、記録ヘッド直前の全室タンク、フィルター付き配管及び液滴サイズ14pl、ノズルピッチ360dpiのピエゾ方式の記録ヘッドから構成され、画像印字は、720×720dpi、1画素あたりに各色最大で1ドットのインク液滴を付与する方法でベタ画像を形成した。なお、図1に記載のインクジェット記録装置では、印字のパス回数を2、4、6回に可変ができ、更にキャリッジの走査速度を可変にし、インク液滴に照射する紫外線のエネルギーを変更できる様にした。
また、全ての印字が終了した後、温風(80℃)により水分を除去する乾燥工程を設けた。なお、上記操作は、温度23℃、40%RHに調整された部屋で行った。
〔画像形成〕
(画像1〜6の形成)
上記調製したイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色インクを用いて、ベタ画像を形成するのに要するインク付与量を100%としたとき、パス回数を6回とし、総インク付与量400%となる条件で、キャリッジ走査速度及び紫外線照射光源の出力を表1に記載の組み合わせで、4色ベタ画像を形成した。また、紫外線照射による硬化は、1回の走査が終了した毎に行い、全ての印字及び紫外線照射が完了した後、温風(80℃)により水分を除去する乾燥工程を経て、画像1〜6を形成した。
(画像7、8の形成)
上記画像2、5の形成において、各走査毎に紫外線照射は行わずに画像記録を行い、全ての画像記録が終了した6回目の走査直後に一括露光して画像7、8を形成した。
(画像9〜12の形成)
上記画像1〜3、7の形成において、6回目の走査が終了した後、上記調製した紫外線硬化型透明インクにより、インク付与量として全面を透明のベタ画像で被覆するのに要するインク付与量100%で、画像面全体に印字した後、紫外線照射及び乾燥工程を経て画像形成した以外は同様にして、画像9〜12を形成した。
(画像13、14の形成)
上記画像2、5の形成において、全ての画像の形成及び紫外線硬化を行った後、乾燥工程による水分除去を行わなかった以外は同様にして、画像13、14を形成した。
《各特性の測定、評価》
〔接触角の測定〕
各紫外線硬化型着色インクを、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にワイヤーバーを用いて、厚さ10μmで塗布を行った後、これを上記インクジェット記録装置に基材として装着し、上基と同様の方法で紫外線を照射して硬化させた。次いで、この硬化した各色ベタ画像上に、協和界面化学社製の自動接触角測定装置CA−V型を用いて、各インク液滴を20μl滴下して、それぞれの接触角を測定し、その接触角の範囲を求めた。
〔画線率の測定〕
上記4色ベタ画像画像の形成において、基材上に第1回目の走査で、印画及び紫外線照射による硬化を行った直後に、画像出力を停止し、基材上の4色インク総計の画線率を求めた、画線率の測定は、得られた画像をCCDモニターで読み取り、得られた画像データの画像面積率を求め、これを画線率とした。
〔滲み耐性の評価〕
上記画像形成において、イエローインク及びマゼンタインクによりレッドのベタ画像を形成した後、その上にブラックインクによる4ポイントの明朝体及びゴシック体の黒文字を印字し、その黒文字を目視観察し、下記の基準に従って滲み耐性の評価を行った。
◎:明朝体黒文字及びゴシック体黒文字の書体が明瞭に判別できる
○:明朝体黒文字及びゴシック体黒文字の書体が判別できる
△:両書体の判別はやや難しいが、黒文字の判別はできる
×:一部で、判別ができない文字がある
〔画像密着性の評価〕
上記作成した各画像について、JIS K5400に準拠して、画像面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目を入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した試料と、全く上記処理を施さない画像とについて、各画像面上にセロテープ(登録商標)を貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った画像あるいは碁盤目の状況について判定し、下記の基準に則り画像密着性の評価を行った。
◎:碁盤目テストでも、全色ベタ画像の剥がれが認められない
○:碁盤目テストで、一部の色ベタ画像で極めて弱い剥がれが認められるが、画像面に傷つけない試料では、画像剥がれが殆ど認められない
△:碁盤目テストでは、一部の色のベタ画像で剥がれが認められるが、画像面に傷つけない試料では、画像剥がれが殆ど認められない
×:両条件の試料共に、全色とも簡単にセロテープ(登録商標)で画像剥がれが発生する
〔反射濃度測定〕
上記上記作成した4色のベタ画像について、裏面に白紙を置いた状態で、反射濃度計PDA−65(コニカミノルタフォトイメージング社製)を用いて反射濃度を測定した。
◎:全色のベタ画像濃度が1.2以上である
○:2色のベタ画像濃度が1.2以上である
△:全色のベタ画像濃度が1.0以上、1.2未満である
×:全色のベタ画像濃度が1.0未満である
〔光沢の評価〕
上記作成した各画像を20人の被験者により目視評価を行い、下記の評価基準に従って光沢の評価を行い、その平均ランクを求めた。
◎:画像につや感があり、非常に良好な光沢を示している
○:画像につや感があり、良好な光沢を示している
△:つや感に乏しいものの、光沢感を感じられる
×:光沢感に乏しい画像である(彩度の評価)
上記作成した各画像について目視観察を行い、以下の基準により従って彩度の官能評価を行った。
◎:彩度が高く、非常に鮮やかでメリハリのある画像である
○:彩度が高く、鮮やかでメリハリのある画像である
△:やや彩度が低くいが、実用上は許容される範囲にある
×:色にメリハリが無く、彩度が不足した画像である
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2006025221
表1に記載の結果より明らかなように、各走査毎に紫外線を照射せずに画像記録し、画像記録終了後に一括照射して形成した画像7、8は、高い濃度は得られたものの、滲み耐性、画像密着性に劣る結果となった。これらの画像は、吐出したインクを逐次硬化せず、2回目以降の走査で連続してインクを付与したため、硬化インク画像上でのインクの接触角が10度未満となり、滲み耐性が劣化した。また、ベタ画像部ではインクを全量(400%)付与した後に紫外線を照射したため、特に基材と下部のインクとの界面に到達する紫外線量が不足し、その結果、基材表面部における硬化反応が進行せず、画像密着性が低下した。
これに対し、各走査毎に紫外線による硬化を行った画像1〜6においては、硬化画像とインクとの接触角が50度を終える条件で形成した画像1では、画像濃度の低下、光沢及び彩度の低下を引き起こしているが、接触角が10〜50度の範囲になるようキャリッジ速度及び紫外線照射光源の照度を最適化して形成した画像2〜6では、滲み耐性、画像密着性に優れ、かつ高い画像濃度、光沢及び彩度が得られることが分かる。また、本発明の画像に対し、更にその表面に紫外線硬化型無色インクを付与することにより、光沢及び彩度がより一層向上していることが分かる。また、画像2、5と画像13、14とを比較すると、画像形成及び硬化後に乾燥工程を経ることにより、光沢及び彩度がより一層向上していることが分かる。
実施例2
実施例1に記載の画像3の作成(キャリッジ速度:300mm/s、紫外線照射光源出力:120W/cm)において、総インク付与量を400%とし、走査するパス回数を表2に記載のように変化した以外は同様にして、画像15、16、17(画像3と同条件)、18を作成し、実施例1に記載の接触角の測定を除く項目について同様の評価を行い、得られた結果を表2に示す。
Figure 2006025221
表2に記載の結果より明らかなように、第1回目の走査における画像面積率(画線率)を100%未満、あるいは1走査あたりのインク付与量を100%未満とすることにより、濃度、光沢及び彩度として良好なレベルを維持すると共に、滲み耐性、画像密着性がより一層向上していることが分かる。

Claims (8)

  1. 第一の水性の紫外線硬化型着色インクを非吸収性基材上に着弾させて該非吸収性基材上に第一の着色インク画像を形成し、該第一の着色インク画像に紫外線を照射して第一の紫外線硬化着色インク画像を形成し、次いで、該第一の紫外線硬化着色インク画像上に第二の水性の紫外線硬化型着色インクを着弾させて該第一の紫外線硬化着色インク画像上に第二の着色インク画像を形成した後、該第二の着色インク画像に紫外線を照射して第二の紫外線硬化着色インク画像を形成する画像記録方法において、該第一の紫外線硬化着色インク画像表面に対する第二の水性の紫外線硬化型着色インクの静的接触角を10〜50度とする画像記録方法。
  2. 前記各着色インク画像の形成は、1回の印字走査によって行われる画像形成である請求の範囲第1項に記載の画像記録方法。
  3. 前記紫外線硬化型着色インクによりベタ画像を形成するのに要するインク付与量を100%としたとき、前記前記第一及び第二の紫外線硬化型着色インクの総インク付与量が100%未満であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像記録方法。
  4. 前記第一の紫外線硬化着色インク画像の画像面積率が、100%未満である請求の範囲第1項に記載の画像記録方法。
  5. 前記第二の紫外線硬化着色インク画像を形成した後、該画像を乾燥して、該画像に含有されている水分を除去する請求の範囲第1項に記載の画像記録方法。
  6. 前記第二の紫外線硬化着色インク画像を形成した後、第二の紫外線硬化着色インク画像上に水性の紫外線硬化型無色のインクを着弾させて、該無色のインクに紫外線を照射する請求の範囲第1項に記載の画像記録方法。
  7. 前記第一の水性の紫外線硬化型着色インクを非吸収性基材上に着弾させて該非吸収性基材上に第一の着色インク画像を形成し、該第一の着色インク画像に紫外線を照射して、第一の紫外線硬化着色インク画像を形成した後、第一の紫外線硬化着色インク画像上に水性の紫外線硬化型無色のインクを着弾させて、該無色のインクに紫外線を照射する請求の範囲第6項に記載の画像記録方法。
  8. 第一の水性の紫外線硬化型着色インクと第二の水性の紫外線硬化型着色インクが同じである請求の範囲第1項に記載の画像記録方法。
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