JP6010965B2 - インクジェット記録方法、紫外線硬化型インク、インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法、紫外線硬化型インク、インクジェット記録装置 Download PDF

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本発明は、インクジェット記録方法、紫外線硬化型インク、及びインクジェット記録装置に関する。
従来、紙などの被記録媒体に、画像データ信号に基づき画像を形成する記録方法として、種々の方式が利用されてきた。このうち、インクジェット方式は、安価な装置で、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、インクジェット方式は騒音が小さいため、記録方法として優れている。
近年、優れた耐水性、耐溶剤性、及び耐擦過性などを有する画像を被記録媒体の表面に形成するため、紫外線を照射すると硬化する紫外線硬化型インクを用いたインクジェット記録方法が使用されている。
例えば、特許文献1は、光酸発生剤液PI−1(サンアプロ社(San-Apro Ltd.)製のCPI−100P、プロピレンカーボネートに溶解したスルホニウム塩の光酸発生剤液)を記録材料上に先に吐出し、次に記録材料に着弾した当該光酸発生剤液に、メタルハライドランプ(Integration Technology社製のVZero270、最高照度400mW/cm2)から紫外線を照射し、その後、各々所定の種類及び量である光酸発生剤(光ラジカル発生剤は用いない。)、カチオン重合性化合物、顔料分散体、界面活性剤、及び増感剤からなるカチオン重合系の活性光線硬化型インク(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、及びホワイトの順)を順に吐出し画像を形成した後、LED(日亜化学社(Nichia Corporation))製365nmチップ複数配列、水冷式、最高照度1500mW/cm2)から活性光線を照射し、画像を定着させる、ライン記録方式の画像形成方法を開示している(特許文献1の段落0028,並びに段落0088,0094〜0097,0099〜0101(表1),0106,0107の表5中試料No.1、図1、段落0112)。
特開2010−131975号公報
しかしながら、特許文献1に開示された画像形成方法を利用して紫外線硬化型インクジェットインクから硬化膜、即ち硬化したインクの塗膜を作製しようとすると、以下の問題が生じる。
インクの塗膜に紫外線を照射する際、顔料が紫外線の一部を吸収してしまう傾向が強く、そうすると、紫外線を照射しても被記録媒体上に吐出した塗膜を完全に硬化させるのに必要なエネルギーが不足するため、塗膜の表面近傍が先に硬化して、その塗膜の内部の硬化が不完全となったり、硬化に時間を要したりする場合がある。そして、当該塗膜の内部に存在する未硬化のインクが硬化する際に先に硬化した塗膜表面近傍がシワになったり、塗膜内部インクが硬化する前にインクが不規則に流動したりすることによって、硬化後の塗膜表面にシワ(以下、「硬化シワ」とも言う。)が発生する。この硬化シワに起因して、塗膜における様々な膜特性に劣るという問題が生じる。このような傾向は硬化膜の膜厚が厚い場合ほど強い。
そこで、本発明は、硬化シワの発生を防止可能なインクジェット記録方法を提供することを目的の一つとする。
また、本発明は、上記記録方法に用いられる紫外線硬化型インク及び上記記録方法を利用したインクジェット記録装置を提供することも目的の一つとする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、波長395nmにおける透過率が1%以下であるラジカル重合反応型の紫外線硬化型インク(以下、「第1の紫外線硬化型インク」ともいう。)を被記録媒体上に吐出し、その後当該インクを硬化するときに、最初に紫外線を照射(初回の紫外線照射)する光源を、照射される紫外線のピーク強度(以下、「照射ピーク強度」とも言う。)が800mW/cm2以上の紫外線発光ダイオードとすることにより、硬化シワを効果的に防止できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
ラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含有し、かつ、波長395nmにおける透過率が1%以下であるラジカル重合反応型の第1の紫外線硬化型インクを、被記録媒体上に吐出することを含む吐出工程と、
前記被記録媒体に着弾した前記第1の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し、該インクを硬化することを含む硬化工程と、
を含み、
前記硬化工程において最初に紫外線を照射する光源は、照射される紫外線のピーク強度が800mW/cm2以上の紫外線発光ダイオードである、インクジェット記録方法。
[2]
前記最初に紫外線を照射する前記紫外線発光ダイオードから照射される紫外線の照射エネルギーが、100〜600mJ/cm2である、[1]に記載のインクジェット記録方法。
[3]
前記最初に紫外線を照射する光源である前記紫外線発光ダイオードから紫外線を照射した後、さらに紫外線を照射する、[1]又は[2]に記載のインクジェット記録方法。
[4]
前記最初に紫外線を照射する前記紫外線発光ダイオードからの照射は、パルス照射及び集光レンズによるスポット照射のうち少なくともいずれかである、[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
[5]
前記被記録媒体の幅に相当する長さ以上の長さであるノズル列を有するヘッドと前記被記録媒体と、の方が、前記幅方向と交差する走査方向に相対的に位置を移動しながら、前記第1の紫外線硬化型インクを前記被記録媒体上に吐出することを含むライン方式のインクジェット記録装置を用いて記録を行う、[1]〜[4]のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
[6]
前記最初に紫外線を照射する前記紫外線発光ダイオードにおいて照射される紫外線のピーク強度が800〜4,000mW/cm2の範囲である、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
[7]
前記最初に紫外線を照射する前記紫外線発光ダイオードは、360〜420nmの範囲に発光ピーク波長を有する、[1]〜[6]のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
[8]
ラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含有し、かつ、波長395nmにおける透過率が1%を超えるラジカル重合反応型の第2の紫外線硬化型インクを、被記録媒体上に吐出することを含む吐出工程と、
前記被記録媒体に着弾した前記第2の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し、該インクを硬化することを含む硬化工程と、
をさらに含み、
前記硬化工程において最初に紫外線を照射する光源は、照射される紫外線のピーク強度が800mW/cm2未満の紫外線発光ダイオードである、[1]〜[7]のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
[9]
前記第1の紫外線硬化型インクを被記録媒体上に吐出することを含む前記吐出工程と、
前記被記録媒体に着弾した前記第1の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し、該インクを硬化することを含む前記硬化工程と、
前記第2の紫外線硬化型インクを、被記録媒体上に吐出することを含む前記吐出工程と、
前記被記録媒体に着弾した前記第2の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し、該インクを硬化することを含む前記硬化工程と、
前記第1の紫外線硬化型インク及び前記第2の紫外線硬化型インクに対して、紫外線をさらに照射し硬化させることを含む硬化工程と、
を含む、[8]に記載のインクジェット記録方法。
[10]
前記第1の紫外線硬化型インクを被記録媒体上に吐出することを含む前記吐出工程と、
前記被記録媒体に着弾した前記第1の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し該インクを硬化することを含む前記硬化工程と、の方が、
前記第2の紫外線硬化型インクを被記録媒体上に吐出することを含む前記吐出工程と、
前記被記録媒体に着弾した前記第2の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し該インクを硬化することを含む前記硬化工程と、
よりも後で行われる、[8]又は[9]に記載のインクジェット記録方法。
[11]
[1]〜[10]のいずれかに記載のインクジェット記録方法に用いられる、紫外線硬化型インク。
[12]
[1]〜[11]のいずれかに記載のインクジェット記録方法を利用する、インクジェット記録装置。
ラインプリンターの構成を示すブロック図である。 図1のラインプリンターの一態様における記録領域周辺の概略図である。 第1照射部のうち、レンズ付きUV−LEDの一例の部分を模式的に示した断面図である。 図1のラインプリンターの他の態様における記録領域周辺の概略図である。 紫外線のパルス照射を行わない場合の、本発明の一実施形態のプリンターにおけるUV−LEDに流すパルス電流の波形図である。 紫外線のパルス照射を行う場合の、本発明の一実施形態のプリンターにおけるUV−LEDに流すパルス電流の波形図である。 シリアルプリンターのヘッド周辺の概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、以下の説明に用いる各図面では、各構成要素(部材)を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素ごとに縮尺を適宜変更している。本実施形態は、これらの図面に記載された、構成要素の数量、形状、及び大きさの比率、並びに各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
本明細書において、「硬化性」とは、光に感応して硬化する性質をいう。「硬化シワ」は、上記のとおり、硬化を行う対象となる塗膜の内部に存在する未硬化のインクが、硬化する前に不規則に流動するなどにより、重合体積収縮率が高くなる結果、硬化後の塗膜表面に発生するシワを意味する。「耐擦性」とは、硬化物を擦った時に、硬化物が剥離しにくく傷がつきにくい性質をいう。
本明細書において、「吐出安定性」とは、ノズルの目詰まりがなく常に安定したインクの液滴をノズルから吐出させる性質をいう。「ブリード」とは滲みを意味し、「耐ブリード性」とは、画像の縁に滲みが生じにくい性質をいう。「光沢ムラ」とは、最初に吐出するインクパターンと次に吐出するインクパターンを隣接して形成したときのこれらパターン間の光沢感に差が見られることを意味する。「保存安定性」とは、インクを保存したときに、保存前後における粘度が変化しにくい性質をいう。
本明細書において、「画素」とは、記録解像度に対応した最小記録単位領域を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味する。
[インクジェット記録装置]
本発明の一実施形態は、インクジェット記録装置、即ちプリンターに係る。当該記録装置は、後述するインクジェット記録方法を利用するものである。図1は、ラインプリンターの一態様における記録領域周辺の概略図である。
本実施形態のプリンターの種類として、ラインプリンター及びシリアルプリンターが挙げられ、何れを用いることもできる。これらはプリンターの方式が異なる。ライン方式(ラインタイプ)のインクジェット記録装置であるラインプリンターは、被記録媒体の幅に相当する長さ以上の長さであるノズル列を有するヘッドと当該被記録媒体とが、当該幅方向と交差する走査方向に相対的に位置を移動しながら、インクを被記録媒体上に吐出するものであり、ヘッドが(ほぼ)移動せずに固定されて、1パス(シングルパス)で記録が行われるものである。一方、シリアル方式のインクジェット記録装置であるシリアルプリンターは、ヘッドが被記録媒体の搬送方向と直交した方向に往復移動(シャトル移動)しながら、通常2パス以上(マルチパス)で記録が行われるものである。なお、上記のノズル列の長さは、被記録媒体の幅に(ほぼ)相当する長さであればよいが、好ましくは被記録媒体の幅に相当する長さ以上の長さであり、より好ましくは被記録媒体の幅に相当する長さである。
これらのうちシリアルプリンターは、1パスではインクを吐出しない画素があったり、隣接する画素同士にインクを吐出しないことがあったりするなど、1パス当たりのインク吐出量が比較的少ない。そのため、シリアルプリンターは、硬化シワが発生しづらい傾向にある一方で、マルチパスで記録を行う点などに起因して記録速度が小さい。これに対し、ラインプリンターは、後述するように、被記録媒体を所定の方向(以下、「搬送方向」という。)に一度走査するだけで画像を形成するものである。そのため、ラインプリンターは、シリアルプリンターと比較して、記録速度が顕著に大きいことから好ましい一方で、1パス当たりのインク吐出量が多く硬化シワが発生しやすいという問題が生じる。そこで、硬化シワの発生を防止可能な本実施形態はラインプリンターに限られるものではないが、特にラインプリンターに対して顕著な効果を発揮するものである。以下、図1及び図2を参照しつつラインプリンターについて説明する。
プリンター1は、被記録媒体上に画像を形成する記録装置であり、外部装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。
コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、表示装置(図示せず)にユーザーインターフェイスを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを記録データ(画像形成データ)に変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの「コンピューターが読み取り可能な被記録媒体」に記録されている。あるいは、このプリンタードライバーは、インターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
そして、コンピューター110は、プリンター1に画像を形成させるため、当該画像に応じた記録データをプリンター1に出力する。
ここで、本明細書における「記録装置」とは、被記録媒体上に画像を形成する装置を意味し、例えばプリンター1が該当する。また、「記録制御装置」とは、記録装置を制御する装置を意味し、例えば、プリンタードライバーをインストールしたコンピューター110が該当する。
本実施形態のプリンター1は、紫外線の照射により硬化する所定の紫外線硬化型インクを吐出することにより、被記録媒体上に画像を形成する装置である。当該所定の紫外線硬化型インクとして、少なくとも上記第1の紫外線硬化型インクが挙げられる。当該所定の紫外線硬化型インクは、少なくともラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含み、紫外線の照射に起因して重合反応が起こることにより硬化する。
なお、上記紫外線硬化型インクの具体的なインク組成については後述する。
本実施形態のプリンター1は、搬送ユニット20、ヘッドユニット30、照射ユニット40、検出器群50、及びコントローラー60を有する。外部装置であるコンピューター110から記録データを受信したプリンター1は、コントローラー60によって各ユニット、即ち搬送ユニット20、ヘッドユニット30、及び照射ユニット40を制御して、記録データに従い、被記録媒体S上に画像を形成する。コントローラー60は、コンピューター110から受信した記録データに基づいて、各ユニットを制御し、被記録媒体S上に画像を形成する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、被記録媒体Sを搬送方向に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、図2に示すように、例えば、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bと、ベルト24とを有する。搬送モータ(図示せず)が回転すると、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bが回転し、ベルト24が回転する。給紙ローラ(図示せず)によって給紙された被記録媒体Sは、ベルト24によって、記録可能な領域(ヘッドと対向する領域)まで搬送される。ベルト24が被記録媒体Sを搬送することによって、被記録媒体Sがヘッドユニット30に対して搬送方向に移動する。記録可能な領域を通過した被記録媒体Sは、ベルト24によって外部へ排紙される。
なお、搬送中の被記録媒体Sは、ベルト24に静電吸着又はバキューム吸着されている。また、ここでは便宜上「給紙」という文言を用いたが、本実施形態における被記録媒体としては、後述の被記録媒体を用いることができる。
ヘッドユニット30は、被記録媒体Sに向けて紫外線硬化型インクを吐出するためのものである。ヘッドユニット30は、搬送中の被記録媒体Sに対して各インクを吐出することによって、被記録媒体S上にドットを形成し、画像を形成する。本実施形態のプリンター1はラインプリンターであり、ヘッドユニット30の各ヘッドは被記録媒体の幅の長さに(ほぼ)相当し、幅相当のドット群を一度に形成することができる。具体的には、図1のラインプリンターの一態様における記録領域周辺の概略図である図2に示すように、搬送方向の上流側から順に、ホワイトインクヘッドW、ブラックインクヘッドK、シアンインクヘッドC、マゼンタインクヘッドM、及びイエローインクヘッドYの各ヘッドが設けられている場合、各ヘッドが紙面の奥から手前方向(搬送方向と垂直な方向)に、被記録媒体Sの幅相当のドット群を吐出できるように複数個配置されている。このように、上流側から各ヘッドを制御し、被記録媒体Sの幅に相当する一ライン中の必要な箇所でドットを形成することにより、被記録媒体Sを搬送方向に一度走査するだけで、画像を形成することができる。
なお、上記のホワイトインクヘッドWは紫外線硬化型ホワイトインクの吐出部である。上記のブラックインクヘッドKは紫外線硬化型ブラックインクの吐出部である。上記のシアンインクヘッドCは紫外線硬化型シアンインクの吐出部である。上記のマゼンタインクヘッドMは紫外線硬化型マゼンタインクの吐出部である。上記のイエローインクヘッドYは紫外線硬化型イエローインクの吐出部である。
照射ユニット40は、被記録媒体S上に着弾した紫外線硬化型インクのドットに向けて紫外線を照射するものである。被記録媒体S上に形成されたドットは、照射ユニット40からの紫外線の照射を受けることにより、硬化する。本実施形態における照射ユニット40は、図2に示すように、第1照射部42a〜42e及び第2照射部44を備えてもよい。
第1照射部42a〜42eは、被記録媒体上に形成されたドットを硬化させるための紫外線を照射するものであり、同じく硬化が行われる第2照射部44の前、即ち搬送方向上流側に位置する。
第1照射部42a〜42eは、それぞれ、ホワイトインクヘッドW、ブラックインクヘッドK、シアンインクヘッドC、マゼンタインクヘッドM、及びイエローインクヘッドYの搬送方向下流側に設けられている。つまり、インク色ごとに第1照射部が設けられている。
ここで、本実施形態におけるインクとして必須である上記第1の紫外線硬化型インクは、後述する透過率の条件を満たすインクであり、具体的には、イエローインク、ブラックインク、オレンジインク、グリーンインクからなる群より選択される一種以上とすることができる。一方、ホワイトインク、シアンインク、マゼンタインク、クリアインクからなる群から選択される一種以上を、上記第1の紫外線硬化型インク以外のインクとすることができる。なお、上記の各種インクのうち2種以上のインクが吐出される場合、そのうちの少なくとも一種が第1の紫外線硬化型インクであればよく、その他のインクは第1の紫外線硬化型インクでなくてもよい。
また、例えば、ブラックインクヘッドKから吐出されたブラック色の紫外線硬化型インクは、図2に示すように、第1照射部42b〜42e及び第2照射部44のうち少なくともいずれかより紫外線が照射される。このとき、上記ブラック色の紫外線硬化型インクに対し、最初に紫外線を照射する照射部(光源)が、照射ピーク強度800mW/cm2以上の紫外線発光ダイオード(UV−LED)であることを特徴とする。したがって、上記ブラック色の紫外線硬化型インクに対して、第1照射部42b及び42d並びに第2照射部44から紫外線が照射される場合、第1照射部42bが照射ピーク強度800mW/cm2以上のUV−LEDであればよく、その他の照射部、即ち第1照射部42d及び第2照射部44の光源の種類や照射ピーク強度は特に制限されない。なお、上記の場合において第1照射部42bから紫外線が照射されない場合には、照射が行われる最初の光源である第1照射部42dが上記の条件を満たすUV−LEDであればよい。
上記第1照射部42a〜42eは、紫外線照射の光源としてUV−LEDを備えている。UV−LEDは入力電流の大きさを制御することによって、照射エネルギーを容易に変更することが可能である。当該UV−LEDの中でも特に、上記第1の紫外線硬化型インクに対して最初に紫外線を照射する照射部(光源)は、集光レンズを有するタイプ(以下、「レンズ付きLED」とも言う。)であることが好ましく、当該レンズ付きLEDから限られた領域に集光して照射することで、照射エネルギーを維持しつつも一層大きな照射ピーク強度でスポット照射することができる。なお、上記の最初に紫外線を照射する照射部以外の照射部は、レンズ付きLEDであってもよく、そうでなくてもよい。
以下、レンズ付きLEDについて説明する。図3は、第1照射部のうち、レンズ付きUV−LEDの一例のうち一部分を模式的に示した断面図である。
UV−LED72は、紫外線を発光するUV−LEDチップ72a及び集光レンズ72bを主体に構成され、UV−LEDチップ72aにより発行された紫外線が集光レンズ72bによって集光されて一定の照射角度となり第1照射部の下方に向けて照射される。集光レンズ72bはUV−LEDチップ72aを覆うパッケージであるとともに、その表面を半球状に成形されたレンズとその表面を保護するカバーとからなり、UV−LEDチップ72aから発行された紫外線を半球の中心線に向かって集光させるものでさる。上記のレンズやカバーの材料としては、以下に限定されないが、例えば、ガラス、シリコン樹脂、及びシリコンゴム等の透明樹脂を用いることができる。上記レンズの構造は上述のものに限られず集光ができるものであればよく、例えば、パッケージと一体に半球状に成形されたものではなく別体の半球状に成形されたレンズを貼り付けたものでもよい。照射ユニット40に含まれるUV−LEDチップ72aは、コントローラー60によって制御されるUV−LED駆動回路(不図示)によって供給電流値が制御され、オン状態及びオフ状態の切り替えが瞬時に可能であるとともに、被記録媒体Sに付着した未硬化の紫外線硬化型インクを硬化させるために必要な照射強度の紫外線を照射することができる。そして、UV−LEDを含む複数のUV−LEDユニットが、被記録媒体Sの幅方向及び搬送方向に列状に多数並べられて、各第1照射部を構成する。被記録媒体Sの幅方向に列状に並ぶUV−LEDの幅方向の間に、被記録媒体Sの搬送方向に列状に並ぶUV−LEDを位置させることが、UV−LEDの集光された照射領域を被記録媒体Sの幅方向に均等に分散させることができる点で好ましい。なお、上記UV−LEDユニットに関するその他の事項については、例えば特開2010−23285号公報に開示された図4及びその説明部分を参照すればよい。また、第1照射部42a〜42eによる硬化の照射エネルギー、さらに発光ピーク波長及び照射ピーク強度については後述する。
第2照射部44は、被記録媒体S上に形成されたドットを硬化させるための紫外線を照射する。第2照射部44は、イエローインクヘッドYよりも搬送方向下流側に設けられている。また、被記録媒体Sの幅方向における第2照射部44の長さは被記録媒体Sの幅以上である。そして、第2照射部44は、ヘッドユニット30の各ヘッドによって形成されたドットに紫外線を照射する。
本実施形態の第2照射部44は、紫外線照射の光源としてUV−LEDを備えている。当該UV−LEDについては、上記第1照射部42a〜42eで説明したため、ここでの説明を省略する。
なお、第2照射部44による照射エネルギー、さらに発光ピーク波長及び照射ピーク強度については後述する。
検出器群50には、ロータリー式エンコーダ(図示せず)や紙検出センサ(図示せず)等が含まれる。ロータリー式エンコーダは、上流側搬送ローラ23Aや下流側搬送ローラ23Bの回転量を検出する。ロータリー式エンコーダの検出結果に基づいて、被記録媒体Sの搬送量を検出することができる。紙検出センサは、給紙中の被記録媒体Sの先端の位置を検出する。
コントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64と、を有する。インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
[インクジェット記録装置の変形例]
上記で説明してきた図1のプリンター1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の一例にすぎず、様々なバリエーションが存在する。
まず、図2中、ブラックインクヘッドKからブラック色の第1の紫外線硬化型インクが吐出される場合、当該第1の紫外線硬化型インクに最初に紫外線を照射する光源(照射部)以外、即ち当該最初の光源より搬送方向の下流側に位置する光源はあってもなくてもよい。当該下流側に位置する光源がある場合、この光源は特に制限されることなく、UV−LEDに限らず、その他のLEDや、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、及び高圧水銀ランプ等のランプであってもよい。
上記ランプによる照射は、短波長まで発光波長を有することから内部まで照射されるため、硬化シワが発生しにくく、最初に照射する照射強度を800mW/cm2以上にする必要が殆どない。一方で、光源の発熱、大きさ(冷却装置を含む。)、消費電力、及び寿命、並びに照射機のコストなど、様々な点で問題が生じる。
これに対し、UV−LEDによる紫外線照射は、従来より硬化シワが発生しやすいという問題が生じているが、本実施形態のインクジェット記録装置や後記実施形態のインクジェット記録方法は、硬化シワが発生しやすいという問題を解決したものである。加えて、UV−LEDは上記ランプに比して、小型であり、寿命が長く、発熱が少なく、効率が高く、かつ、コストが抑えられる点でも極めて優れている。したがって、上記のインクジェット記録装置やインクジェット記録方法は、UV−LEDを用いて紫外線照射を行う場合に、特に顕著な効果を奏するものである。
以上の点は、イエローインクヘッドYから、イエロー色の第1の紫外線硬化型インクが吐出される場合においても同様である。
また、図2に示した各色のインクヘッドの順序は、どのように入れ替えてもよいし、これに加えて当該インクヘッドの一以上を備えないか、あるいは備えているが作動しないものであってもよい。さらに、図2に示した各色のインクヘッドに加えて更に別のインクヘッド(色は既存のものと同じであっても異なってもよい。)を備えてもよく、当該インクヘッドのいずれかを他の色のインクヘッドに替えてもよい。
以下、本実施形態の様々なバリエーションを具体化したものを変形例として説明するが、本実施形態はこれらの変形例に何ら限定されることはない。
第1変形例に係る記録装置は、ホワイトインクヘッドW、ブラックインクヘッドK、シアンインクヘッドC、マゼンタインクヘッドM、及びイエローインクヘッドY、並びにこれらの各ヘッドの搬送方向下流側に設けられた第1照射部42a〜42eのうち、一以上のヘッド及びその搬送方向下流側に設けられた第1照射部を備えたプリンター1である。図4は、当該第1変形例の一態様を表すものであって、図1のラインプリンターの他の態様における記録領域周辺の概略図である。図1に示したラインプリンターは、搬送方向の上流側から順に、ヘッド45、第1照射部42f、及び第2照射部44を備えている。
なお、上記第1変形例のプリンター1は、第2照射部44を備えないか、又は備えるが動作させない構成としてもよい。
第2変形例に係る記録装置は、搬送方向上流側から順に、ホワイトインクヘッドW、ホワイトインク用照射部、シアンインクヘッドC、シアンインク用照射部、マゼンタインクヘッドM、マゼンタインク用照射部、ブラックインクヘッドK、上記第1の紫外線硬化型インクであるブラックインクに最初に紫外線を照射する照射部、イエローインクヘッドY、上記第1の紫外線硬化型インクであるイエローインクに最初に紫外線を照射する照射部、クリアインクヘッドCL、及びクリアインク用照射部を備えた記録装置が挙げられる。当該第2変形例に係る記録装置によれば、ホワイトインクを下地とすることによる優れた遮蔽性と、クリアインク(透明インク)を上塗りすることによる画像の品質向上と、が実現できる。これに加えて、クリアインクヘッドCLからクリアインクを吐出する前後に、それぞれ照射部から紫外線を照射することにより、クリアインクを吐出する前にカラーインクを本硬化させることができる。
なお、上記第2変形例に係る記録装置は、ホワイトインクヘッドW及びホワイトインク用照射部とクリアインクヘッドCLとのうち少なくともいずれかを備えなくてもよい。
第3変形例に係る記録装置は、紫外線の照射源であるUV−LEDとして、上記のレンズ付きLEDの代わりに、集光レンズを有しないタイプ(以下、「レンズ無しLED」とも言う。)を備えている。当該レンズ無しLEDは、上記図3のうち集光レンズ72bを有しない点以外は、レンズ付きLEDの場合と同様である。上記レンズ無しLEDの一例は、図3のUV−LEDチップ72aを覆うパッケージの表面を半球状にせず平面に成形し、その表面を保護するカバーも平面にしたものである。
第4変形例に係る記録装置は、第1照射部42a〜42e及び第2照射部44のうち少なくともいずれかのLEDへの入力電流をUV−LED駆動回路(不図示)によりオン状態及びオフ状態に繰り返し切り替えてパルス電流とし、紫外線のパルス照射を行うものである(以下、当該LEDを「パルス照射LED」とも言う。)。パルス照射LEDの駆動回路としては、PWM制御を行うMOFSET回路などが使用できる。図5aは、紫外線のパルス照射を行わない場合の、本実施形態のプリンターにおけるUV−LEDに流す電流の波形図である。図5bは、紫外線のパルス照射を行う場合の、本実施形態のプリンターにおけるUV−LEDに流すパルス電流の波形図である。パルス電流の場合、入力電流はパルスのピークの電流、即ちピーク入力電流である。UV−LEDに入力された総電力量は、下記数式で算出される。
総電力量=入力電圧×T1×Duty比
上記数式中、T1は、被記録媒体への照射時間を意味し、被記録媒体へ照射を開始してから照射を終了するまでの時間である。Duty比はパルスを1周期駆動した際の、下記数式で表される値である。
Duty比=電流オン時の継続時間/(電流オン時の継続時間+電流オフ時の継続時間)
パルス照射を行わないLEDにおけるDuty比は1である。パルス照射を行う場合のDuty比は例えば0.5とすればよく、パルス周波数は例えば1kHzとすればよい。UV−LEDの発熱は、一般に総電力量が大きくなるほど大きくなる。
UV−LEDの照射ピーク強度は一般に入力電流が多いほど大きくなる。図5bに示すようなパルス照射を行うことにより、照射を開始してから照射を終了するまでの時間T1を固定した場合に、総入力電流を維持しながら照射ピーク強度を一層大きくすることができる。このように、パルス照射LEDは、照射ピーク強度を効率的に増大させるものであるから、より大きな照射ピーク強度が必要となる第1照射部42で用いるのに特に適している。
このようなパルス照射LEDについては、例えば、特開2006−231795号に開示された図1及び図2並びにこれらの説明部分、並びに特表2011−523370号に開示された事項を参照するとよい。パルス照射LEDの照射エネルギーは、下記の数式を用いて算出することができる。
照射エネルギー=照射ピーク強度×T1×Duty比
したがって、T1を固定した場合、パルス照射を行わない場合よりも行う場合において、LEDの照射エネルギーを同じにしつつピーク強度を大きくすることができ、又はピーク強度を同じとしつつLEDの照射エネルギーを小さくすることができる。
なお、UV−LEDからの照射は、上記のパルス照射及び上述のスポット照射のうち少なくともいずれかであることが好ましい。この場合、上述のとおり、照射エネルギーを維持しながら照射ピーク強度を一層大きくすることができる。
第5変形例に係る記録装置は、上記図2等を用いて説明したラインプリンターに代えてシリアルプリンターを用いるというものである。ラインプリンター及びシリアルプリンターの各特徴については上述したとおりである。以下、シリアルプリンターの一例について簡潔に説明する。図6は、シリアルプリンターのヘッド周辺の概略図である。
キャリッジユニット80は、ヘッド85を、記録領域に静止させた被記録媒体に対して、インクを吐出しながら上記搬送方向(副走査方向)と交差する方向(以下、「移動方向」又は「主走査方向」と言う。)に移動、即ち走査させる移動機構である。キャリッジユニット80は、キャリッジ81とキャリッジモーター(不図示)とを備える。また、キャリッジ81は、紫外線硬化型インクを収容するインクカートリッジ(不図示)を着脱可能に保持している。そして、キャリッジ81は、後述する搬送方向と交差したガイド軸82に支持された状態で、キャリッジモーターによりガイド軸82に沿って往復移動する。
ヘッド85は、被記録媒体に対して紫外線硬化型インクを吐出するためのものであり、複数のノズルを有する。ヘッド85はキャリッジ81に設けられているため、キャリッジ81が移動方向に移動すると、ヘッド85も移動方向に移動する。そして、ヘッド85が移動方向に移動中に紫外線硬化型インクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドット列が被記録媒体に形成される。
なお、ヘッド85の移動において、図6の一端側から他端側に向かって移動する間に紫外線硬化型インクの吐出が行われるが、他端側から一端側に移動する間には紫外線硬化型インクの吐出は行われない。
照射ユニット90は、被記録媒体に付着(着弾)した紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射することにより、当該紫外線硬化型インクを硬化させるものである。被記録媒体上に形成されたドットは、照射ユニット90からから紫外線を照射されることにより、硬化して硬化物を形成する。照射ユニット90は、ヘッド85の搬送方向下流側に第1照射部92a,92b及び第2照射部93を備えている。
ここで、第1照射部92a,92bは上述のラインプリンターにおける第1照射部に相当し、第2照射部93は上述のラインプリンターにおける第2照射部に相当する。シリアルプリンターの構成及び動作上、第1照射部92a及び92bのうち第1の紫外線硬化型インクに対して最初に照射される方が、上記第1の紫外線硬化型インクに対して最初に紫外線を照射する光源に相当する。
なお、第1照射部92a,92b及び第2照射部93に関するその他の点についての詳細な説明は省略する。
以上のキャリッジユニット80及びヘッド85と第1照射部92a,92b及び第2照射部93とによる1回の主走査で、1回の単位記録動作を実現するものであり、本実施形態ではこの単位記録動作が複数回行われる。ここで、上記の「単位記録動作」とは、被記録媒体の全体に亘る1回の画像を形成する動作を意味し、パス又は主走査とも言う。
記録を行う際、移動方向に移動中のヘッド85から紫外線硬化型インクを吐出させるドット形成動作と、搬送方向に被記録媒体を搬送する搬送動作と、が交互に繰り返されて、複数のドットから構成される画像を被記録媒体に記録する。
シリアルプリンターを用いたインクジェット記録方法は、ヘッド85から、紫外線硬化型インクを被記録媒体に向けて吐出する吐出工程と、被記録媒体に付着した紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射することにより、上記紫外線硬化型インクを硬化させる硬化工程と、を少なくとも含む単位記録動作(単位記録工程)を複数回行うことを特徴とする。より具体的に言えば、上記記録方法は、当該単位記録動作と、被記録媒体を搬送する搬送動作(搬送工程)と、を交互に行うことにより記録を行うものである。そのため、記録時に、被記録媒体は搬送されず、記録領域に位置するプラテン(不図示)に保持された状態となっている。このようにして、被記録媒体におけるヘッド85と対向する領域に硬化物を形成することができる。
また、シリアルプリンターを用いてインクセットの記録を行う場合であって、吐出後、最初に照射する照射ピーク強度をインクによって異ならせる場合は、例えば特開2011−25684号の図2に示されているように、キャリッジにおけるヘッドごとに光源を備えるシリアルプリンターを用いて行うとよい。
[インクジェット記録方法]
本発明の一実施形態は、インクジェット記録方法に係る。当該インクジェット記録方法は、上記実施形態のインクジェット記録装置を利用することができる。また、当該インクジェット記録方法は、ラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含有し、かつ、波長395nmにおける透過率が1%以下であるラジカル重合反応型の第1の紫外線硬化型インクを、被記録媒体上に吐出することを含む吐出工程と、当該被記録媒体に着弾した上記第1の紫外線硬化型インクに、照射ピーク強度が800mW/cm2以上であるUV−LEDから最初に紫外線を照射し、当該インクを硬化することを含む硬化工程と、を含むものである。
〔吐出工程〕
上記吐出工程において、吐出時のインクの粘度を、好ましくは25mPa・s以下、より好ましくは5〜20mPa・sとする。インクの粘度が、インクの温度を室温として、あるいはインクを加熱しない状態として、上記のものであれば、インクの温度を室温として、あるいはインクを加熱せずに吐出させればよい。一方、インクを所定の温度に加熱することにより、粘度を好ましい値とした上で吐出させてもよい。このようにして、良好な吐出安定性が実現される。
紫外線硬化型インクは、通常のインクジェット用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。かかるインクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こし得る。したがって、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが好ましい。
〔硬化工程〕
次に、上記硬化工程においては、被記録媒体上に吐出されて付着した第1の紫外線硬化型インクが、第1照射部42a〜42e及び第2照射部44のうちいずれかである照射ピーク強度800mW/cm2以上のUV−LEDから、最初に紫外線照射を受けることにより硬化する。換言すれば、被記録媒体上に形成されたインク塗膜が、紫外線の照射によって硬化膜となる。これは、少なくとも第1の紫外線硬化型インクに含まれるラジカル光重合開始剤が紫外線の照射により分解して、開始種であるラジカルを発生し、ラジカル重合性化合物の重合反応が、ラジカルの機能によって促進されるためである。あるいは、紫外線の照射によって、ラジカル重合性化合物のラジカル重合反応が開始するためである。このとき、少なくとも第1の紫外線硬化型インクにおいてラジカル光重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が活性紫外線を吸収して励起状態となり、ラジカル光重合開始剤と接触することによってラジカル光重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
光源としてUV−LEDを用いることの優位性は、上述したとおりである。
上記の照射の際の発光ピーク波長は、360〜420nmの範囲が好ましく、380〜410nmの範囲がより好ましい。発光ピーク波長が上記範囲内であると、UV−LEDの入手が容易であるとともに安価であることから好適である。
なお、発光ピーク波長は、上記の好ましい波長範囲内に1つあってもよいし複数あってもよい。複数ある場合であっても上記範囲の発光ピーク波長を有する紫外線の全体の照射エネルギー量を上記の照射エネルギーとする。
第1の紫外線硬化型インクが最初に照射される紫外線のピーク強度(照射ピーク強度)は、800mW/cm2以上であり、好ましくは1,000mW/cm2以上である。照射ピーク強度が上記範囲内であると、硬化性に優れ、かつ、硬化シワの発生を効果的に防止することができる。より具体的に言えば、インク塗膜の内部の硬化がその表面の硬化に比して遅れる結果、インク塗膜の表面が先に硬化して硬化シワが発生することを効果的に防止することができる。
上記の照射ピーク強度についてさらに説明する。LEDはその特性から発光波長範囲が狭く、中でも、上述のように発光ピーク波長を360〜420nmの範囲に有する長波長LEDは安価であるものの、長波長の限られた発光波長範囲しか有しない。そのため、被記録媒体に着弾したインク滴の内部まで、照射された紫外線が到達し難く、インク塗膜の表面のみを先に硬化させてしまう。したがって、波長395nmにおける透過率が1%以下である紫外線硬化型インク(少なくとも上記第1の紫外線硬化型インク)は、硬化させようとすると硬化シワが発生しやすい(硬化膜表面にシワが発生しやすい)傾向にある。そこで、照射ピーク強度を800mW/cm2以上とすることにより、長波長LEDを使用する場合であっても硬化シワを低減させることができることを本願発明者らが見出したのである。このように、上記第1の紫外線硬化型インクは、照射ピーク強度を相対的に高くすることにより、インク塗膜の内部の硬化が表面の硬化に比して遅れることなく、双方の硬化がほぼ同時に進み硬化シワを防止することができる。これにより、光沢度も高くなり光沢感にも優れる。第1の紫外線硬化型インクを用いた場合であって照射ピーク強度が小さい場合に硬化シワが発生しやすい原因は、このようなインクは塗膜表面の硬化速度に比較して、塗膜内部の硬化速度が非常に小さいためであると推測される。ただし、当該原因はこれに限られるものではない。
また、ラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含有する紫外線硬化型インクは硬化速度が大きく、特に、LEDのような限られた発光ピーク波長を有する光源からの紫外線照射によっても、大きな硬化速度を得ることができる。だが、当該インクを用いた場合、硬化シワが発生しやすいという問題が生じる。このようなインクを用いた場合であっても、照射ピーク強度を800mW/cm2以上とすることにより、硬化性に優れるとともに硬化シワのない高品質の記録物を得ることができることも本願発明者らが見出したのである。
ここで、照射ピーク強度が800mW/cm2以上の紫外線照射は、1回行ってもよく、2回以上行ってもよい。また、上記の紫外線照射を2回以上行う場合、同一の光源から複数回紫外線照射を行ってもよく、異なる光源から各々1回以上の紫外線照射を行ってもよい。
また、上記照射ピーク強度は、照射機のコストを抑えることができ、かつ、光源からの発熱や洩れ光がヘッドに影響することを防止できることから吐出安定性が優れたものとなるため、800〜4,000mW/cm2が好ましく、800〜2,000mW/cm2がより好ましく、1,000〜2,000mW/cm2がさらに好ましい。
なお、本明細書における照射ピーク強度は、紫外線強度計UM−10、受光部UM−400(いずれもコニカミノルタセンシング社(KONICA MINOLTA SENSING,INC.)製)を用いて測定された値を採用する。ただし、これは照射ピーク強度の測定方法を制限するという意味でなく、従来公知の測定方法が利用可能である。
また、上記の照射の際の照射エネルギーは、100〜600mJ/cm2が好ましく、200〜600mJ/cm2がより好ましく、200〜500mJ/cm2がさらに好ましい。当該照射エネルギーが上記範囲内であると、優れた硬化性が得られ、かつ、照射に必要な照射部のコストを抑えることができる。
なお、本明細書における照射エネルギーは、照射開始から照射終了までの時間に照射ピーク強度を乗じて算出され、パルス照射LEDの場合はさらにDuty比を乗じて算出される。
ここで、上記の照射ピーク強度を800mW/cm2以上とする紫外線照射は、複数回行ってもよい。この場合、上記の照射エネルギーは、複数回の照射を合計した照射エネルギー量で表される。また、照射ピーク強度を800mW/cm2以上とする照射を複数回行う場合、吐出後最初に行う照射における照射エネルギーは、吐出安定性が一層良好となるため、800mJ/cm2以下が好ましく、400mJ/cm2以下がより好ましく、200mJ/cm2以下がさらに好ましく、50〜200mJ/cm2がさらにより好ましい。
以上で説明してきた照射ピーク強度、照射エネルギー、及び発光ピーク波長が好ましい範囲内である場合、後述するインクの組成に起因して低エネルギー且つ高速での硬化が可能となる。また、後述するインクの組成によって照射時間を短縮することができ、この場合は記録速度が増大する。他方、後述するインクの組成によって照射ピーク強度を減少させることもでき、この場合、装置の小型化やコストの低下が実現する。
また、硬化工程は上述のように、第1の紫外線硬化型インクに対して、照射ピーク強度が800mW/cm2以上であるUV−LEDから最初に紫外線を照射した後、さらに紫外線を照射することが好ましい。第1の紫外線硬化型インクに対して紫外線をさらに照射する場合の光源は、上述のように特に制限されず、照射ピーク強度、照射エネルギー、及びピーク波長は特に制限されないが、第1の照射で十分な硬化が行われていない場合、即ち仮硬化の場合は、十分な硬化(本硬化)が行われる照射エネルギーとすることが好ましい。なお、さらに照射する際の光源の数や照射回数は特に制限されない。
なお、上記第1の紫外線硬化型インクに最初に紫外線を照射する際の発光ピーク波長は、上述と同様の有利な効果が得られるため、360〜420nmの範囲が好ましく、380〜410nmの範囲がより好ましい。
〔インクセットを用いたインクジェット記録方法〕
以上で説明してきたインクジェット記録方法のうち、上記第1の紫外線硬化型インクを含むインクセットを用いた場合のインクジェット記録方法について、さらに説明する。
インクセットを用いた場合のインクジェット記録方法の中でも、ラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含有し、かつ、波長395nmにおける透過率が1%を超えるラジカル重合反応型の紫外線硬化型インク(以下、「第2の紫外線硬化型インク」ともいう。)を、被記録媒体上に吐出することを含む吐出工程と、当該被記録媒体に着弾した上記第2の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し、当該インクを硬化することを含む硬化工程と、をさらに含むことが好ましい。これに加えて、当該硬化工程において最初に紫外線を照射する光源が、照射ピーク強度800mW/cm2未満のUV−LEDであることがより好ましい。この場合、第1の紫外線硬化型インクの塗膜と第2の紫外線硬化型インクの塗膜との間で生じ得る光沢ムラを低減できる。
ここで、上記の照射ピーク強度についてさらに説明する。波長395nmにおける透過率が1%を超える、上記第2の紫外線硬化型インク等の紫外線硬化型インクを硬化させようとする際、上述の第1の紫外線硬化型インクの場合と同様に照射ピーク強度800mW/cm2以上の光源を用いると、光沢感が高くなる傾向にある。だが、上記の第1の紫外線硬化型インク及び第2の紫外線硬化型インクを用いてマルチカラー印刷を行うと、第2の紫外線硬化型インクの画像部分の光沢感が強すぎることとなり、第1の紫外線硬化型インクの画像部分との間で光沢感のバランスがとりづらくなる。その結果、それぞれの画像部分の間で光沢ムラが目立ってしまう。そこで、マルチカラー印刷を行う際には第2の紫外線硬化型インクは照射ピーク強度を800mW/cm2未満と比較的低くすることにより、硬化シワの発生を防止できるとともに、光沢ムラを低減させることができることを、本願発明者らが見出した。
上記UV−LEDからの照射ピーク強度は、100〜700mW/cm2であることがより好ましく、100〜500mW/cm2であることがさらに好ましい。また、上記第2の紫外線硬化型インクに紫外線を照射する際の照射エネルギーは、500mJ/cm2以下であることが好ましく、100〜400mJ/cm2であることがより好ましい。当該照射ピーク強度及び照射エネルギーが上記範囲内であると、硬化性及び吐出安定性が一層優れたものとなる。
上述の第1の紫外線硬化型インクを用いた吐出工程及び硬化工程、並びに上記第2の紫外線硬化型インクを用いた上記吐出工程及び上記硬化工程は、どのような順序で行ってもよく、特に制限されない。第1の紫外線硬化型インクの硬化まで行った後、第2の紫外線硬化型インクの吐出工程を行ってもよいし、第2の紫外線硬化型インクの硬化まで行った後、第1の紫外線硬化型インクの吐出工程を行ってもよい。また、各硬化工程は、十分な硬化が行われる硬化工程に限られるものではなく、少なくともインクの一部が硬化する硬化工程としてもよく、最終的に十分な硬化が行われればよい。
中でも、上述の第1の紫外線硬化型インクを用いた吐出工程及び硬化工程を順次行った後、上記第2の紫外線硬化型インクを用いた上記吐出工程及び上記硬化工程を順次行うのが好ましい。この場合、第1の紫外線硬化型インクの硬化工程における照射エネルギーを少なくすることができる。
さらに、第1の紫外線硬化型インク及び第2の紫外線硬化型インクの各硬化工程が行われた後、第1の紫外線硬化型インク及び第2の紫外線硬化型インクに対して紫外線をさらに照射し、これらのインクを硬化させることを含む硬化工程を設けてもよい。このような追加の硬化工程を設けることにより、上述の第2の紫外線硬化型インクの硬化工程における照射エネルギーをも少なくすることができる。
さらに、上記図2に示したような記録装置を用いて、複数のヘッドによる多色インクのマルチカラー印刷を行った場合、ヘッド毎に混色防止のための最小限の照射を行いつつ、最後に多色インクをまとめて800mW/cm2以上の強度で照射することにより、光源のコストを極めて低く抑えることができる。
なお、上記第2の紫外線硬化型インクに最初に紫外線を照射する際の発光ピーク波長は、上述と同様の有利な効果が得られるため、360〜420nmの範囲が好ましく、380〜410nmの範囲がより好ましい。
〔被記録媒体〕
本実施形態のインクジェット記録方法を利用して、インクが被記録媒体上に吐出されること等により、記録物が得られる。この被記録媒体として、例えば、インク吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。本実施形態のインクジェット記録方法は、水溶性インクの浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、インクの浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。
吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、インクの浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)から、水性インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。
非吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類のフィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳等の合金のプレート等が挙げられる。
このように、本実施形態によれば、硬化性に優れるとともに硬化シワを効果的に防止でき、さらには耐擦性、吐出安定性、及び耐ブリード性も良好なものとすることも可能なインクジェット記録方法を提供することができる。
上記の本実施形態が奏する効果のうち、硬化性についてより詳しく説明する。硬化膜の膜厚が比較的薄く、かつ、ラジカル重合反応系の場合、酸素阻害が影響するため硬化性に劣る。十分な照射を行えば良好な硬化性が確保できるが、硬化膜を比較的厚くした場合、硬化シワが発生するために記録画質が劣悪となる問題が生じる。これに対し、本実施形態によれば、硬化シワの発生を抑制することができる。
[紫外線硬化型インク]
本発明の一実施形態は、紫外線硬化型インクに係る。当該紫外線硬化型インクは、少なくともラジカル重合反応型の第1の紫外線硬化型インクであり、上記実施形態のインクジェット記録方法に用いられるものである。そして、上記の第1の紫外線硬化型インクは、ラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含有し、かつ、波長395nmにおける透過率が1%以下である。
ここで、紫外線硬化型インクは、その重合反応機構の違いから、ラジカル重合反応型のインク及びカチオン重合反応型のインクに分類することができる。このうち、カチオン重合反応型の紫外線硬化型インクは、カチオン光重合開始剤及びカチオン重合性化合物を含有するが、重合体積収縮率が低いことに起因して硬化シワが発生しにくい。そのため、カチオン重合反応型の紫外線硬化型インクに対して、最初に照射する照射強度を800mW/cm2以上とする必要が殆どない。
これに対し、上記のうち、ラジカル重合反応型の紫外線硬化型インクは、ラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含有するインクであり、紫外線を照射することによりラジカル光重合開始剤がラジカルを生成し、ラジカル重合性化合物の重合反応が進行するインクである。ラジカル重合反応型の紫外線硬化型インクは、インク材料が低コストであること、及びラジカル重合性化合物の種類が多く、膜品質などの多様な要求に応じやすいことなどから利点は多い反面、重合体積収縮率が高いことに起因して硬化シワが発生しやすいという問題が生じる。
そこで、上記実施形態のインクジェット記録方法に、所定のラジカル重合反応型の紫外線硬化型インクを用いることにより、硬化シワの発生を効果的に防止可能となる。そのため、カチオン重合反応型よりもラジカル重合反応型の紫外線硬化型インクを用いる方が、上記インクジェット記録方法に用いたときの効果が顕著である。
以下、本実施形態の紫外線硬化型インク(以下、単に「インク」ともいう。)のうち、少なくとも上記第1の紫外線硬化型インクに含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
なお、上記第1の紫外線硬化型インク以外の紫外線硬化型インクにおいては、特に言及のない限り、以下の成分が含まれていてもいなくてもよく、その他従来公知の成分が含まれていてもよい。当該第1の紫外線硬化型インク以外の紫外線硬化型インクとしては、後述する第2の紫外線硬化型インク、及び当該第2の紫外線硬化型インク以外のインクが挙げられる。
〔ラジカル重合性化合物〕
上記インクに含まれるラジカル重合性化合物は、後述するラジカル光重合開始剤の作用により、光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
本実施形態のインクに含まれるラジカル重合性化合物は、後述するラジカル光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。ラジカル重合性化合物としては、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、他の単官能モノマーや多官能モノマーとして、N−ビニル化合物を含んでいてもよい。N−ビニル化合物としては、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びアクリロイルモルホリン、並びにそれらの誘導体などが挙げられる。
上記ラジカル重合性化合物のうち、(メタ)アクリル酸のエステル、即ち(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(メタ)アクリレートのうち、単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、並びにフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレート等の芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレート、及び後述する下記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
上記式(I)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。
これらの中でも、硬化性を優れたものとすることができ、さらにインクを低粘度化することもできるため、上記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類、及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれかが好ましい。
上記(メタ)アクリレートのうち、2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれかが好ましい。
上記(メタ)アクリレートのうち、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類について、詳細に説明する。上記の一般式(I)において、R2で表される炭素数2〜20の2価の有機残基としては、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合による酸素原子を有する置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい2価の芳香族基が好適である。これらの中でも、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2〜6のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
上記の一般式(I)において、R3で表される炭素数1〜11の1価の有機残基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、メチル基又はエチル基である炭素数1〜2のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6〜8の芳香族基が好適に用いられる。
上記の各有機残基が置換されていてもよい基である場合、その置換基は、炭素原子を含む基及び炭素原子を含まない基に分けられる。まず、上記置換基が炭素原子を含む基である場合、当該炭素原子は有機残基の炭素数にカウントされる。炭素原子を含む基として、以下に限定されないが、例えばカルボキシル基、アルコキシ基が挙げられる。次に、炭素原子を含まない基として、以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられる。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、インクをより低粘度化でき、引火点が高く、かつ、インクの硬化性に優れるため、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、即ち、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルのうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルがより好ましい。特にアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルは、何れも単純な構造であって分子量が小さいため、インクを顕著に低粘度化することができる。(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及びアクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。なお、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの方が、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルに比べて硬化性の面で優れている。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法としては、以下に限定されないが、(メタ)アクリル酸と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法B)、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法C)、(メタ)アクリル酸無水物と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法D)、(メタ)アクリル酸エステルと水酸基含有ビニルエーテルとをエステル交換する方法(製法E)、(メタ)アクリル酸とハロゲン含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法F)、(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩とハロゲン含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法G)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとカルボン酸ビニルとをビニル交換する方法(製法H)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとアルキルビニルエーテルとをエーテル交換する方法(製法I)が挙げられる。これらの中でも、本実施形態に所望の効果を一層発揮することができるため、製法Eが好ましい。
上記で説明したラジカル重合性化合物の中でも、本実施形態のインクは、低粘度化するとともに、硬化性、及びラジカル光重合開始剤の溶解性に一層優れるため、単官能(メタ)アクリレート及び2官能以上の(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれかをさらに含むことが好ましく、これらを共に含むことがより好ましい。この場合、インクが低粘度となり、ラジカル光重合開始剤その他の添加剤の溶解性に優れ、インクジェット記録時の良好な吐出安定性が得られやすく、さらに塗膜の強靭性、耐熱性、及び耐薬品性が増す。
上記ラジカル重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ラジカル重合性化合物の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対し、95質量%以下が好ましい。特に、単官能(メタ)アクリレートの総含有量は、インクの総質量(100質量%)に対し、30〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。ここで、上述のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルであって単官能(メタ)アクリレートであるものを含む場合、上記の総含有量は当該ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルも含めた含有量を意味する。
また、単官能(メタ)アクリレートの中でも、上述のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル以外の単官能(メタ)アクリレートを含む場合、その含有量は、インクの総質量(100質量%)に対し、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
さらに、単官能(メタ)アクリレートとして上述のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルがインクに含まれる場合、当該ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、インクの総質量(100質量%)に対し、10〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
当該含有量を以上の範囲内とすることで、インクの硬化性、ラジカル光重合開始剤の溶解性に起因する硬化性、粘度低下、及び保存安定性が一層優れたものとなる。特に、単官能(メタ)アクリレートの中でも芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートがインクに含まれることにより、硬化性、粘度低下、及びラジカル光重合開始剤の溶解性のいずれもさらに一層優れたものとなる。また、2官能以上の(メタ)アクリレートを含む場合、その含有量は、硬化性、耐擦性、及び密着性が一層優れたものとなるため、インクの総質量(100質量%)に対し、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。
〔ラジカル光重合開始剤〕
本実施形態におけるインクはラジカル光重合開始剤を含有する。当該ラジカル光重合開始剤は、紫外線の照射によるラジカル重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて印字を形成するために用いられる。紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。光(紫外線)のエネルギーによって、ラジカルの活性種を生成し、上記ラジカル重合性化合物の重合を開始させる。
上記のラジカル光重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、α−アミノアルキルフェノン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、インクの硬化性を一層優れたものとすることができるため、アシルホスフィンオキサイド化合物が好ましい。
ラジカル光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
ラジカル光重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、BASF社製)、Speedcure TPO、Speedcure DETX(2,4−ジエチルチオキサントン)、Speedcure ITX(2−イソプロピルチオキサントン)(以上、Lambson社製)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、及びユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。
上記ラジカル光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ラジカル光重合開始剤の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対し、5〜15質量%が好ましく、7〜13質量%がより好ましい。含有量が当該範囲内であると、紫外線硬化速度を十分に発揮させ、かつ、ラジカル光重合開始剤の溶け残りや当該開始剤に由来する着色を避けることができる。ラジカル光重合開始剤の中でもアシルホスフィンオキサイド化合物を含むことが好ましい。当該アシルホスフィンオキサイド化合物の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対し、5〜15質量%が好ましく、7〜13質量%がより好ましい。
〔色材〕
本実施形態のインクは、色材をさらに含み得る。
上述のとおり、本実施形態のインクのうち、少なくとも上記第1の紫外線硬化型インクは、395nmにおける透過率が1%以下である。当該395nmにおける透過率が1%以下であるインクは、イエロー色材、ブラック色材、オレンジ色材、及びグリーン色材からなる群より選択される一種以上を含むインクが挙げられる。これらの色材は波長395nmの光(紫外線)を吸収しやすいため、395nm辺りにピーク波長を有するLEDから照射した紫外線が殆ど光重合反応に資さないという問題が生じやすい。そこで、本実施形態では、照射ピーク強度を800mW/cm2以上と大きくすることにより、波長395nmの光(紫外線)を吸収しやすい色材を含有するインクであっても、照射した紫外線が光重合反応に十分資するようにした。
一方で、本実施形態のインクのうち、395nmにおける透過率が1%超であるインクは、シアン色材、マゼンタ色材、及びホワイト色材のうち少なくともいずれかを含むインクか、あるいは色材を含まないクリアインクが挙げられる。これらの色材を有するインクにLEDから紫外線を照射する場合、照射ピーク強度を800mW/cm2未満と比較的小さくすることにより、395nmにおける透過率が1%以下であるインクとの間で、光沢感に差が生じることを極力抑えることができ、ひいては光沢ムラを効果的に防止することができる。なお、395nmにおける透過率は、色材が呈する色の種類及び色材の種類によって若干異なるものであるとともに、インク中の色材の含有量によっても異なるため、インクごとに測定することで得られるものである。上記のうち、上記の透過率を満足しやすく、かつ、カラー画像の記録が可能となるため、第1の紫外線硬化型インクとして、イエロー色材、ブラック色材、オレンジ色材、及びグリーン色材からなる群より選択される一種以上を含むインクが好ましい。また、上記の透過率を満足しやすく、カラー画像の記録が可能となり、かつ、記録物の外観が良好なものとなるため、シアン色材、マゼンタ色材、及びホワイト色材からなる群より選択される一種以上を含むインク、又は、上記のクリアインクがより好ましい。
色材としては、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。中でも、耐光性が良好となるため、顔料が好ましい。
(顔料)
色材として顔料を用いることにより、インクの耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
更に詳しく言えば、ブラックインクに使用されるカーボンブラックとしては、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)、Microlith Black 0066 K(旧Microlith Black C−K、BASF社製)が挙げられる。
ホワイトインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン、及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
上記顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の顔料を使用する場合、その平均粒子径は300nm以下が好ましく、50〜200nmがより好ましい。平均粒子径が上記の範囲内にあると、インクにおける吐出安定性や分散安定性などの信頼性に一層優れるとともに、優れた画質の画像を形成することができる。ここで、本明細書における平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。
(染料)
色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
上記染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
色材の含有量は、優れた隠蔽性及び色再現性が得られるため、インクの総質量(100質量%)に対して、0.2〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましい。
〔分散剤〕
インクが顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アベシア(Avecia)社やノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
〔スリップ剤〕
本実施形態のインクは、スリップ剤(界面活性剤)をさらに含んでもよい。スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製)を挙げることができる。
スリップ剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、スリップ剤の含有量は特に制限されず適宜好ましい量を添加すればよい。
〔その他の添加剤〕
インクは、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、重合促進剤、重合禁止剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[使用原料]
下記の実施例及び比較例において使用した原料は、以下の通りである。
〔色材(顔料)〕
・Novoperm Yellow 4G01(C.I.ピグメントイエロー155、クラリアント(Clariant)社製、以下では「PY155」と記載した。)
・IRGALITE BLUE GLVO(C.I.ピグメントブルー15:4、BASF社製、以下では「PB15:4」と記載した。)
・CROMOPHTAL PinkPT(SA)(C.I.ピグメントレッド122、BASF社製、以下では「PR122」と記載した。)
〔分散剤〕
・Solsperse 36000(ルーブリゾール社(Lubrizol Corporation)製商品名、以下では「SOL36000」と記載した。)
〔ラジカル重合性化合物〕
・VEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、日本触媒社(Nippon Shokubai Co., Ltd.)製商品名、以下では「VEEA」と記載した。)
・ビスコート#192(フェノキシエチルアクリレート、大阪有機化学社(OSAKA ORGANIC CHEMICAL INDUSTRY LTD.)製商品名、以下では「PEA」と記載した。)
・SR230(ジエチレングリコールジアクリレート、サートマー社(Sartomer Company Inc.)製商品名、以下では「DEGDA」と記載した。)
・APG−200(トリプロピレングリコールジアクリレート、新中村化学社(SHIN-NAKAMURA CHEMICAL CO., LTD.)製商品名、以下では「TPGDA」と記載した。)
・IBXA(イソボルニルアクリレート、大阪有機化学工業社製商品名、以下では「IBX」と記載した。)
・V#160(ベンジルアクリレート、大阪有機化学工業社製商品名、以下では「BZA」と記載した。)
〔ラジカル光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、固形分100%、以下では「819」と記載した。)
・DAROCURE TPO(BASF社製商品名、固形分100%、以下では「TPO」と記載した。)
〔スリップ剤〕
・BYK−UV3500(BYK社製商品名、以下では「UV3500」と記載した。)
[実施例1〜13、比較例1〜6、参考例1〜6]
〔顔料分散液の作製〕
インクの作製に先立ち、顔料分散液を作製した。上記の各顔料を2質量部、分散剤を0.6質量部、分散媒として重合性化合物を20質量部の割合で、それぞれ混合し、1時間スターラーで撹拌した。撹拌後の混合液をビーズミルで分散し、顔料分散液を得た。なお、分散条件は、直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間を2〜4時間とした。分散媒は、PEA、BZA、IBX、VEEAの優先順でインクごとに使用可能な重合性化合物の量まで使用した。
〔紫外線硬化型インク1〜8の作製〕
下記表1に記載の成分を、下記表1に記載の組成(単位は質量%)となるように添加し、これを高速水冷式撹拌機により撹拌することにより、イエロー色の紫外線硬化型インク、シアン色の紫外線硬化型インク、及びマゼンタ色の紫外線硬化型インク(1〜8)を調製した。また、表1中、波長395nmにおける透過率(単位は%)は、各紫外線硬化型インクをエチルジグリコールアセテートで1,000倍に希釈し、この希釈液を分光光度計U3300(日立製作所社(Hitachi, Ltd.)製製品名)で測定した。
〔実施例1のインクジェット記録〕
上記で説明した図4のラインプリンターであるプリンター1を用いてインクジェット記録を行った。具体的には、上記プリンター1中、ヘッドに上記で調製したイエロー色の紫外線硬化型インク1を充填した。ヘッドのノズル密度は720dpiとした。被記録媒体であるPETフィルム(PET50A〔商品名〕、リンテック社(Lintec Corporation)製)上に、記録解像度720dpi×720dpi、Duty100%、液滴重量7ng、及び1パス(シングルパス)の条件で、膜厚10μmのベタパターン画像を印刷した。インクは10mPa・sになるようにインクを加温して印刷した。なお、本明細書における「ベタパターン画像」とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録した画像を意味する。
上記の印刷と共に、画像を硬化させる目的で、被記録媒体の搬送方向下流側に設置した紫外線照射装置、即ち第1照射部42f内のレンズ付きLED(上述)から、照射ピーク強度800mW/cm2(下記表2参照)、LEDの入力電流230mA(UV−LED1個当たり)、及び発光ピーク波長395nmとする紫外線を所定時間照射した。このときの照射エネルギーは400mJ/cm2(下記表2参照)であった。このようにしてインクジェット記録を行い、記録物を得た。
なお、後述する各例の照射ピーク強度はUV−LEDの入力電流を変えることにより調整し、発光面から被記録媒体までの距離で測定した。また、照射エネルギーは、上記の照射ピーク強度[mW/cm2]と照射時間[s]との積から算出される値である。各照射部42,44は、印刷中、照射を継続させておき、照射部の下方を搬送される被記録媒体の被照射面のうちのある1点が、照射部によって照射される照射領域を通過する際の照射継続時間を照射時間T1とした。照射時間T1は、必要に応じ、照射部において被記録媒体搬送方向に並ぶ複数のUV−LEDのうちの発光させる個数を変えることで調整した。他の照射部は使用しなかった。
〔実施例2〜4,10〜13、比較例1,4,5、参考例1〜6の各インクジェット記録〕
照射ピーク強度、照射エネルギー、ヘッドに充填したインクを下記の表2〜4に示したものとした点以外は、それぞれ実施例1と同様にしてインクジェット記録を行い、記録物を得た。
〔実施例5〜7、比較例2,3の各インクジェット記録〕
第1照射部42fに加えて第2照射部44も用いて、あるいは、第1照射部42fを用いずに第2照射部44を用いて、下記の表2〜4に示す照射ピーク強度、照射エネルギー、ヘッドに充填したインクとした点以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を行い、記録物を得た。
〔実施例8のインクジェット記録〕
第1照射部42f内のLEDを、レンズ付きLEDに代えてレンズ無しLED(上述)とし、照射ピーク強度、照射エネルギーを下記の表2に示したものとした点以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を行い、記録物を得た。照射時間T1は実施例1と同じとした。LEDの入力電流は270mA必要であった。
〔実施例9のインクジェット記録〕
第1照射部42f内のLEDを、レンズ付きLEDに代えて、レンズ無しLEDであってパルス照射LED(上述)とし、照射ピーク強度、照射エネルギーを下記の表2に示したものとした点以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録を行い、記録物を得た。パルス照射LEDは、Duty比を0.5、パルス周波数を1kHz、入力電流を220mAとした。照射時間T1は実施例1と同じとした。
〔比較例6のインクジェット記録〕
図6に示すシリアルプリンターを用いてインクジェット記録を行った。具体的には、図6に示すシリアルプリンター中、ヘッドに表4で示す紫外線硬化型インク1を充填した。ヘッドのノズル密度は360dpiとした。被記録媒体であるPETフィルム(PET50A〔商品名〕、リンテック社(Lintec Corporation)製)上に、記録解像度720dpi×720dpi、Duty100%、液滴重量7ng、及び4パス(主走査方向に2パス×副走査方向に2パス)の条件で、膜厚10μmのベタパターン画像を印刷した。
上記の印刷と共に、画像を硬化させる目的で、被記録媒体の搬送方向下流側に設置した紫外線照射装置、即ち第1照射部92a,92b内のレンズ付きLED(上述)から、照射ピーク強度500mW/cm2(下記表2参照)及び発光ピーク波長395nmとする紫外線を所定時間照射した。1パス当たりの照射エネルギーを200mJ/cm2とした。このようにしてインクジェット記録を行い、記録物を得た。
[評価項目]
各実施例(後述の実施例14〜23を含む。)及び各比較例(後述の比較例7を含む。)で得られた記録物について、以下の方法により硬化性、硬化シワ、耐擦性、耐ブリード性、及び吐出安定性を評価した。
〔1.硬化性試験1〕
ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)社製のジョンソン綿棒を用いて、往復40回及び10g荷重で、得られたベタパターン画像の表面(被記録面)を擦った後、被記録面に傷があるか否かで判断し、印刷時における硬化性を評価した。評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表2〜5に示す。
○:傷なし
×:傷あり
〔2.硬化性試験2〕
さらに別途、各インクをバーコーターで、PETフィルム(PET50A)に塗布して、照射ピーク強度800mW/cm2、発光ピーク波長395nmのUV−LEDで照射して硬化させ、10μmの硬化塗膜とした際に、上記硬化性試験1と同じ条件で表面を擦り、評価基準が上記硬化性試験1における「○」となるまでに要した照射エネルギーを評価した。評価結果を「インク硬化性」として上記表1に示した。
A:100mJ/cm2以下
B:100mJ/cm2超150mJ/cm2以下
C:150mJ/cm2
〔3.硬化シワ〕
被記録媒体の表面粗さをとして、レーザー顕微鏡 VK−9700(KEYENCE社製)を用いて、二乗平均平方根高さ(Rq値)を測定し、さらに、目視にて被記録面を観察した。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表2〜5に示す。
○:Rqが3以下であった。膜の反射光を見たときに十分な光沢感が観察された。
△:Rqが3を超えて5以下であった。膜の反射光を見たときにやや不十分な光沢感が観察された。
×:Rqが5を超えた。膜の反射光を見たときに光沢感が不十分であり表面がザラザラして見えた。
〔4.耐擦性〕
JIS K5701(ISO 11628)(平版印刷に用いられるインク、展色試料、及び印刷物を試験する方法について規定。)に準じて、学振式摩擦堅牢度試験機(テスター産業社(TESTER SANGYO CO., LTD.)製)を用いて、耐擦性の評価を行った。評価方法は、被記録面に金巾を乗せ、荷重450gをかけて擦り、擦った後の、上記記録物の硬化面の剥離及び傷を目視にて比較した。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表2〜5に示す。
1:金巾の汚れは無かった。印字面の剥離や傷も無かった。
2:金巾の汚れが見られた。印字面の剥離や傷は無かった。
3:金巾の汚れが見られた。印字面の剥離や傷も見られた。
〔5.耐ブリード性〕
得られたベタパターン画像の縁部を目視で観察した。評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表2〜5に示す。
1:ベタパターン画像の縁部に滲みが見られなかった。
2:ベタパターン画像の縁部に滲みが見られた。
〔6.吐出安定性〕
吐出ノズル径20μm及び駆動周波数18kHzとし、かつ、1回当たりのインク吐出量を11ngに調整した、180ノズルを有するインクジェット評価機(試作機)を用意した。そして、当該評価機を用いて、60分間連続でインクの吐出を行った時にノズル抜けが生じたノズル数を求めた。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表2〜5に示した。
1:1本以下
2:2〜4本
3:5本以上
〔7.光沢度〕
光沢度計(MINOLTA MULTI GLOSS 268〔商品名〕、コニカミノルタセンシング社(Konica Minolta Sensing, Inc.)製)を用い、煽り角度60℃での光沢度を測定した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表2〜5に示した。
A:80以上
B:70以上80未満
C:60以上70未満
D:60未満
以上の結果より、ラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含有し、かつ、波長395nmにおける透過率が1%以下であるラジカル重合反応型の第1の紫外線硬化型インクを、被記録媒体上に吐出することを含む吐出工程と、当該被記録媒体に着弾した上記第1の紫外線硬化型インクに最初に紫外線を照射する光源を、照射される紫外線のピーク強度が800mW/cm2以上のUV−LEDとして、当該インクを硬化することを含む硬化工程と、を含む記録方法(各実施例)は、そうでない記録方法(各比較例)と比べて、硬化性に優れるとともに硬化シワを効果的に防止でき、さらには耐擦性、吐出安定性、耐ブリード性、及び光沢度も良好となることが明らかとなった。
上記の結果について推察することとするが、本発明は以下の推察に制限されるものではない。各比較例より、最初の紫外線照射における照射ピーク強度が800mW/cm2未満の場合、硬化シワの結果が悪くなり、光沢度が低くなることが分かった。比較例1より、硬化シワの結果が悪い場合、耐擦性も悪い傾向にあることが推測される。比較例5より、最初の紫外線照射における照射ピーク強度が極めて小さい場合、第1照射による硬化が遅くなることから耐ブリード性が悪い傾向にあることが推測される。
また、実施例2及び比較例5より、最初の紫外線照射における照射ピーク強度が非常に大きいか、あるいは、照射エネルギーが非常に大きい場合、光源の発熱によりノズルのインクの粘度が非常に低下して吐出特性に変化が生じてしまったり、光源からの洩れ光が大きくなりノズルのインクの重合が起こり増粘してしまったりしたことにより、吐出安定性が悪化したと推測される。一方、実施例6より、最初の紫外線照射(第1照射)における照射エネルギーを比較的小さくし、2回目の紫外線照射(第2照射)における照射エネルギーを比較的大きくすると、吐出安定性に優れることが推測される。
また、実施例5より、最初の紫外線照射(第1照射)における照射ピーク強度が800mW/cm2以上である場合、2回目の紫外線照射(第2照射)における照射条件をどのようにしても硬化シワを効果的に防止できることが推測される。実施例7より、第1照射部で照射を行わない場合、耐ブリード性が悪くなる傾向にあることが推測される。
また、実施例2及び8を比較すると、レンズ無しLEDを用いた場合、光源の入力電流を大きくする必要があり、その結果発熱が大きくなるため、吐出安定性が劣る傾向にあることが推測される。実施例9より、レンズ無しLEDであってもパルス照射によるLEDを用いると、吐出安定性が優れたものとなることが推測される。
また、比較例6より、シリアルプリンターを用いた場合、照射ピーク強度が小さくても、硬化シワはラインプリンターを用いた場合よりも比較的発生が抑制されており良好であったが、高速で記録することができないものであった。
[実施例14〜23、比較例7]
実施例14〜23及び比較例7では、上記で調製したインクを複数組み合わせたインクセットを用いてインクジェット記録を行い、評価を行った。以下、実施例14〜23及び比較例7について詳細に説明する。
〔インクジェット記録〕
図2に示したラインプリンターを用い、下記表5に記載したようにしてインクジェット記録を行った。マゼンタインクヘッドM(以下、「ヘッドM」という。)に先に吐出するインクを充填し、イエローインクヘッドY(以下、「ヘッドY」という。)に後で吐出するインクを充填し、第1照射部42d,42e及び第2照射部44を作動してインクセットを用いた評価を行った。なお、ヘッドM及びヘッドYに、それぞれマゼンタ及びイエロー以外のインクが充填されても、評価結果には何ら影響を及ぼすものではない。
[評価項目]
〔8.光沢ムラ〕
最初に吐出するインクパターンと次に吐出するインクパターンとを隣接して形成したときの、これらパターン間の光沢感の差を目視で評価した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表5に示した。
A:光沢感の差が目立たなかった。
B:光沢感の差が目立った。
インクセットを構成する各インク間で、上記の光沢度評価結果が2ランク以上離れていると(例えば評価Aと評価C)、当該インクセットを用いた場合の光沢ムラが悪い傾向にあることが分かった。実施例14,17〜23から、395nmの透過率が1%以下のインクを最初に照射する照射ピーク強度を800mW/cm2以上とし、395nmの透過率が1%超のインクを最初に照射する照射ピーク強度を800mW/cm2未満とすることで、光沢ムラを低減できることが分かった。これに対し、上記第2の紫外線硬化型インクを最初に照射する照射ピーク強度を800mW/cm2以上とした実施例15,16は、上記第1の紫外線硬化型インクの硬化シワは良好であったが、上記第1の紫外線硬化型インクのパターンと上記第2の紫外線硬化型インクのパターンとの光沢度の差が大きく光沢ムラが目立ったと推測する。また、実施例14と16との比較から、最初に照射する照射ピーク強度を800mW/cm2未満としても、比較的、硬化シワが良好な上記第2の紫外線硬化型インクは、最初に照射する照射ピーク強度を800mW/cm2未満とすることで2インクの吐出安定性を良くできる場合がある点で有利であることが分かった。
実施例19〜23の先に吐出するインクは、滲みの発生しないような最小の照射エネルギーで照射(第1照射)し、後で吐出するインクの照射によって先に吐出するインクがさらに照射(第2照射)されるものである。これにより、先に吐出されるインクの吐出安定性を良好にし、その後の照射により十分な硬化性が得られるよう十分な紫外線が照射されて、第1照射の光源を低コストかつ小型とすることができることが分かった。実施例21や22は、さらに、第2照射部44による照射を行い十分な硬化を行うことで、ヘッドM、ヘッドYとも、ヘッドの比較的近い位置にある第1照射部42d、42eを小型にすることができ、インク供給装置やヘッド駆動装置など種々の装置の配置が必要なヘッド周囲のスペースを空ける上で、実施例14〜18や実施例23と比べて有利であった。なお、照射部44はヘッドから比較的離れた位置とすることができる。
また照射ピーク強度800mW/cm2以上の照射のほうが照射ピーク強度800mW/cm2未満の照射よりも、結果的に照射エネルギーが大きくなる場合が多い(特に照射時間T1を固定した場合)ことから、実施例18〜21のように、395nmの透過率が1%以下のインクを吐出し、照射ピーク強度800mW/cm2以上で照射することを、395nmの透過率が1%超のインクを吐出し、照射ピーク強度800mW/cm2未満で照射することよりも後で行うほうが、照射ピーク強度800mW/cm2以上の照射によって、395nmの透過率が1%超のインクをも照射することができるため有利である。
実施例20及び21の対比より、395nmの透過率が1%以下のインクは、照射エネルギーの小さい第1照射の後、さらに第2照射を行う場合、第1照射の光源の発熱や漏れ光を抑えることができ、ヘッドの吐出安定性がより良好となることが分かった。
1 プリンター、20 搬送ユニット、23A 上流側搬送ローラ、23B 下流側搬送ローラ、24 ベルト、30 ヘッドユニット、40 照射ユニット、42a,42b,42c,42d,42e,42f 第1照射部、44 第2照射部、45 ヘッド、50 検出器群、60 コントローラー、72 UV−LED、72a UV−LEDチップ、72b 集光レンズ、80 キャリッジユニット、81 キャリッジ、85 ヘッド、82 ガイド軸、90 照射ユニット、92a,92b 第1照射部、93 第2照射部、110 コンピューター、S 被記録媒体、T1 照射を開始してから照射を終了するまでの時間、W ホワイトインクヘッド、K ブラックインクヘッド、C シアンインクヘッド、M マゼンタインクヘッド、Y イエローインクヘッド。

Claims (13)

  1. ラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含有し、かつ、波長395nmにおける透過率が1%以下であるラジカル重合反応型の第1の紫外線硬化型インクを、被記録媒体上に吐出することを含む吐出工程と、
    前記被記録媒体に着弾した前記第1の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し、該インクを硬化することを含む硬化工程と、
    ラジカル光重合開始剤及びラジカル重合性化合物を含有し、かつ、波長395nmにおける透過率が1%を超えるラジカル重合反応型の第2の紫外線硬化型インクを、被記録媒体上に吐出することを含む吐出工程と、
    前記被記録媒体に着弾した前記第2の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し、該インクを硬化することを含む硬化工程と、
    を含み、
    前記第1の紫外線硬化型インクの硬化工程において最初に紫外線を照射する光源は、照射される紫外線のピーク強度が800mW/cm2以上の紫外線発光ダイオードであり、
    前記第2の紫外線硬化型インクの硬化工程において最初に紫外線を照射する光源は、照射される紫外線のピーク強度が800mW/cm 2 未満の紫外線発光ダイオードである、インクジェット記録方法。
  2. 前記第1の紫外線硬化型インクの硬化工程において最初に紫外線を照射する前記紫外線発光ダイオードから照射される紫外線の照射エネルギーが、100〜600mJ/cm2である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記第1の紫外線硬化型インクの硬化工程において最初に紫外線を照射する光源である前記紫外線発光ダイオードから紫外線を照射した後、さらに紫外線を照射する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記第1の紫外線硬化型インクの硬化工程において最初に紫外線を照射する前記紫外線発光ダイオードからの照射は、パルス照射及び集光レンズによるスポット照射のうち少なくともいずれかである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 被記録媒体の幅に相当する長さ以上の長さであるノズル列を有するヘッドと前記被記録媒体とが、前記幅方向と交差する走査方向に相対的に位置を移動しながら、前記第1の紫外線硬化型インクを前記被記録媒体上に吐出することを含むライン方式のインクジェット記録装置を用いて記録を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記第1の紫外線硬化型インクの硬化工程において最初に紫外線を照射する前記紫外線発光ダイオードにおいて照射される紫外線のピーク強度が800〜4,000mW/cm2の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記第1の紫外線硬化型インクの硬化工程において最初に紫外線を照射する前記紫外線発光ダイオードは、360〜420nmの範囲に発光ピーク波長を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記第2の紫外線硬化型インクの硬化工程において最初に紫外線を照射する光源から照射される紫外線の照射エネルギーが、400mJ/cm 2 以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 記第1の紫外線硬化型インク及び前記第2の紫外線硬化型インクに対して、紫外線をさらに照射し硬化させることを含む硬化工程含む、請求項1〜8の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記第1の紫外線硬化型インクを被記録媒体上に吐出することを含む前記吐出工程と、前記被記録媒体に着弾した前記第1の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し該インクを硬化することを含む前記硬化工程と、の方が、
    前記第2の紫外線硬化型インクを被記録媒体上に吐出することを含む前記吐出工程と、前記被記録媒体に着弾した前記第2の紫外線硬化型インクに紫外線を照射し該インクを硬化することを含む前記硬化工程と、
    よりも後で行われる、請求項1〜9の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記第2の紫外線硬化型インクの硬化工程において最初に紫外線を照射する前記紫外線発光ダイオードにおいて照射される紫外線のピーク強度が700mW/cm 2 以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法に用いられる、紫外線硬化型インク。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法を利用する、インクジェット記録装置。
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