JP2007118409A - インクジェット記録装置及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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正行 井内
Yoshinori Tsubaki
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【課題】普通紙記録に際してフェザリング耐性が良好で、インク吸収性の低いあるいはインク吸収性のない記録媒体に対しては、ビーデング耐性やカラーブリード耐性、粒状性に優れた画像が得られ、かつ記録速度が向上し、消費電力が低減されたンクジェット記録装置及びそれを用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】色材、水及び親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクジェット用インクと、活性エネルギー線照射手段と、画像形成するためのインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査する走査手段とを有するインクジェット記録装置であって、該活性エネルギー線照射手段は、300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線で硬化する水溶性高分子化合物を含むインクジェット用インクを用いるインクジェット記録装置及びそれを用いた画像形成方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。
しかしながら、インクジェットプリンタにおいてその性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。インクの吸収性があまり無いコート紙やアート紙、もしくは吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際には、ビーディングや異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こすいわゆるカラーブリード等の課題があり、インクジェットに対して記録媒体の多様性をもたせる上で課題となっていた。また、記録媒体として、例えば、普通紙、コート紙、アート紙、普通紙両面印刷等を用いた場合、紙の繊維に沿って不規則な滲みが発生する、いわゆるフェザリングと呼ばれる現象が起こり、これが文字品質を落としている要因になっている。
上記の課題に対し、室温において固体のワックス等を素材とするホットメルト型インク組成物を用い、加熱等により液化し、何らかのエネルギーを加えて噴射させ、記録媒体上に付着しつつ冷却固化して記録ドットを形成するホットメルト型インクジェット記録方法が提案されている。
このインクは室温で固体であるために取り扱い時に汚れることが無く、また、溶融時のインク蒸発量が実質無いためノズルの目詰まりがない。さらに、付着後直ちに固化するため色にじみも少なく、紙質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物が米国特許第4,391,369号明細書、米国特許第4,484,948号明細書等で提案されている。しかしながらこのような方法で記録された画像は、インクドットが柔らかいワックス状であるため、ドットの盛り上がりに起因する品質の劣化や、擦過性能の不足等の課題があった。
また、米国特許第4,228,438号明細書には、紫外線を露光することにより硬化するインクジェット記録用インクが開示されている。また、特公平5−64667号公報には、顔料が必須に含有され、かつ重合性材料として三官能以上のポリアクリレートが必須とされており、かつ、ケトン、アルコールを主溶剤とするいわゆる非水系インクが提案されている。
上記非水系インクに代わり、水溶性の光重合性モノマーまたはオリゴマーを用い、水で希釈した水溶性光重合インクジェットインクが開示されている(特許文献1、2参照)。確かに、これら提案されている水溶性光重合インクジェットインクを用いることにより、画像の盛り上がりがない平坦な画像が得られるが、開示されている水性の光重合性モノマーあるいはオリゴマーを用いる限りにおいては、ブリード防止が可能なゲル化を起こさせるために、多くのエネルギーを必要とするとともに、例え十分なゲル化が可能な光量を付与しても、本質的に低分子量の光重合性モノマーまたはオリゴマーを用いているため、微量残存する未硬化成分による画像のベタツキにより、形成された画像同士を重ねると、くっついて画像が剥がれてしまう欠点があった。
その点を改良するため、本発明者らは、水溶性高分子の少なくともひとつが、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合な高分子化合物を用いるインクジェット用インクを提案し、ブリード防止を達成するに要するエネルギー量を低くできると共に、前記特許文献に記載の水含有光重合性インクに用いられている光重合性モノマーまたはオリゴマーを比べて大きい分子量を持っているため、ベタツキの発生を防止でき、かつ重ねた画像でのくっつきを防止することができるという特性を備えている。
しかしながら、色調の異なる複数種の活性光線硬化型インクジェットインクから構成されるインクジェットインクセットを用いたカラー画像形成においては、インクで使用している色材の種類によっては、照射する活性エネルギー線、例えば、紫外線の透過率が極端に低くなる色材があり、そのような低紫外線透過率の色材を含むインクを複数のインクの最後に印字した後、形成した画像に紫外線照射を行うと、その下部に位置する他色の画像への紫外線照射量が不足し、その結果、形成した画像の膜強度の低下や硬化までに時間を要することによるビーディング、フェザリング、あるいはカラーブリードを引き起こす結果となる。
また、インクジェットインクセットを構成するインクに用いられている色材は、その種類により紫外領域での透過スペクトル特性が異なり、各色材のその透過スペクトル特性に併せた活性光線照射光源の選択が重要となってくる。例えば、使用している色材の分光特性が、近紫外領域(300〜400nm)に高い透過率を有している場合、それよりも短波の分光エネルギー分布を備えた照射光源を用いると、その色材により形成した画像内部あるいはそれより下部にある画像内部への活性エネルギー線の照射量が不足し、同様に画像の膜強度の低下や硬化までに時間を要することによるビーディング、フェザリング、あるいはカラーブリードを引き起こす。
上記課題に対し、活性エネルギー線の照射波長あるいは照射条件を規定した様々な方法が提案されている。例えば、光重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するインクを記録媒体上に吐出した後、340〜400nmの波長の紫外線を0.1〜10秒間照射し、その後、280〜400nmの波長の紫外線を10〜1000秒間照射することにより、にじみ耐性、耐擦過性、平滑性を改良したインクジェット記録方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。また、光重合性化合物、光重合開始剤及び色剤と共に、330nmよりも長波長に紫外線スペクトル吸収を有する増感剤(C)とを含有し、文字品質に優れ、色混じりの発生がない活性光線硬化型インクが開示されている(例えば、特許文献4、5参照。)。更に、記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクを加熱する加熱手段と、紫外線照射手段とを有し、紫外線照射手段の記録媒体面における波長域200nm〜400nmでの積算照度を特定の条件としたインクジェットプリンタが開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
しかしながら、上記特許文献3〜6で提案されている方法は、全て光重合性化合物をインク全質量の大部分を占める非水系活性光線硬化型インクであり、水系活性光線硬化型インクに関する記載は一切なく、また使用する色材の紫外部領域での分光特性に応じて、適正な分光エネルギーを備えた照射光源の選択や、異なる色材からなる複数のインクの印字順序に関する記載や示唆は一切見られない。
特開平7−224241号公報 特開2004−285161号公報 特開2003−127517号公報 特開2004−43634号公報 特開2004−91556号公報 特開2004−136579号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、普通紙記録に際してフェザリング耐性が良好で、インク吸収性の低いあるいはインク吸収性のない記録媒体に対しては、ビーデング耐性やカラーブリード耐性、粒状性に優れた画像が得られ、かつ記録速度が向上し、消費電力が低減されたンクジェット記録装置及びそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも色材と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクジェット用インクと、活性エネルギー線照射手段と、該インクジェット用インクにより画像形成するためのインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査する走査手段とを有するインクジェット記録装置であって、該活性エネルギー線照射手段は、300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
2.前記照射光源は、300nm以上の波長域における積分照度が、全波長域における積分照度の50%以上であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録装置。
3.前記照射光源が、高圧水銀灯であることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット記録装置。
4.前記インクジェット用インクは、色材の異なる2種以上のインクジェット用インクであって、第一の該インクジェット用インクを記録媒体上に印字し、次いで前記活性エネルギー線照射手段により活性エネルギー線を照射した後、その他の種類のインクジェット用インクを吐出することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
5.前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクの中で、前記第一のインクジェット用インクが、300〜400nmにおける吸光度が最も高いことを特徴とする前記4に記載のインクジェット記録装置。
6.前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクを、300〜400nmにおける吸光度が高い順に記録媒体上へ吐出及び活性エネルギー線の照射を行うことを特徴とする前記4または5に記載のインクジェット記録装置。
7.前記インクジェット用インクは、同一の色材で濃度の異なる2種以上のインクジェット用インクであることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
8.前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクの記録媒体上への吐出が、少なくともブラックインク、シアンインク、イエローインク、マゼンタインクの順序であることを特徴とする前記6に記載のインクジェット記録装置。
9.印字方法が、インターリーブ走査方式であることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
10.ラインアレイヘッドを用いて、1パス印字を行うことを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
11.前記記録媒体上への前記インクジェット用インクの印字前または印字後に、該記録媒体に加熱処理を施すことを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
12.前記活性エネルギー線の照射と前記加熱処理とを、同一の光源を用いて行うことを特徴とする前記11に記載のインクジェット記録装置。
13.少なくとも色材と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクジェット用インクと、活性エネルギー線照射手段と、該インクジェット用インクにより画像形成するためのインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査する走査手段とを有するインクジェット記録装置を用いた画像形成方法であって、該活性エネルギー線照射手段は、300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源であることを特徴とする画像形成方法。
14.前記照射光源は、300nm以上の波長域における積分照度が、全波長域における積分照度の50%以上であることを特徴とする前記13に記載の画像形成方法。
15.前記照射光源が、高圧水銀灯であることを特徴とする前記13または14に記載の画像形成方法。
16.前記インクジェット用インクは、色材の異なる2種以上のインクジェット用インクであって、第一の該インクジェット用インクを記録媒体上に印字し、次いで前記活性エネルギー線照射手段により活性エネルギー線を照射した後、その他の種類のインクジェット用インクを吐出することを特徴とする前記13〜15のいずれか1項に記載の画像形成方法。
17.前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクの中で、前記第一のインクジェット用インクが、300〜400nmにおける吸光度が最も高いことを特徴とする前記16に記載の画像形成方法。
18.前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクを、300〜400nmにおける吸光度が高い順に記録媒体上へ吐出及び活性エネルギー線の照射を行うことを特徴とする前記16または17に記載の画像形成方法。
19.前記インクジェット用インクは、同一の色材で濃度の異なる2種以上のインクジェット用インクであることを特徴とする前記13〜18のいずれか1項に記載の画像形成方法。
20.前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクの記録媒体上への吐出が、少なくともブラックインク、シアンインク、イエローインク、マゼンタインクの順序であることを特徴とする前記18に記載の画像形成方法。
21.印字方法が、インターリーブ走査方式であることを特徴とする前記13〜20のいずれか1項に記載の画像形成方法。
22.ラインアレイヘッドを用いて、1パス印字を行うことを特徴とする前記13〜21のいずれか1項に記載の画像形成方法。
23.前記記録媒体上への前記インクジェット用インクの印字前または印字後に、該記録媒体に加熱処理を施すことを特徴とする前記13〜22のいずれか1項に記載の画像形成方法。
24.前記活性エネルギー線の照射と前記加熱処理とを、同一の光源を用いて行うことを特徴とする前記23に記載の画像形成方法。
本発明により、普通紙記録に際してフェザリング耐性が良好で、インク吸収性の低いあるいはインク吸収性のない記録媒体に対しては、ビーデング耐性やカラーブリード耐性、粒状性に優れた画像が得られ、かつ記録速度が向上し、消費電力が低減されたンクジェット記録装置及びそれを用いた画像形成方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも色材と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクジェット用インクと、活性エネルギー線照射手段と、該インクジェット用インクにより画像形成するためのインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査する走査手段とを有するインクジェット記録装置であって、該活性エネルギー線照射手段は、300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源を有することを特徴とするインクジェット記録装置を用いることにより、普通紙記録に際してフェザリング耐性が良好で、インク吸収性の低いあるいはインク吸収性のない記録媒体に対しては、ビーデング耐性やカラーブリード耐性、粒状性に優れた画像が得られ、かつ記録速度が向上し、消費電力が低減されたンクジェット記録装置を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
《インクジェット用インク》
本発明のインクジェット記録装置においては、少なくとも色材と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクジェット用インク(以下、単にインクともいう)を用いることを一つの特徴とする。
〔活性エネルギー線架橋性高分子化合物〕
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、ケン化度としては77%以上、99%以下であることが好ましく、その重合度は200以上、4000以下が好ましく、200以上、2000以下がハンドリングの観点からより好ましい。主鎖に対する側鎖の変性率は、0.3モル%以上、4モル%以下が好ましく、0.8モル%以上、4モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し、本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
特開昭60−129742号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾニウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2007118409
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、または、下記一般式(3)で表され、4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
Figure 2007118409
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 2007118409
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 2007118409
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−を表し、Yは芳香族環または単結合手を表し、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2007118409
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
本発明に係るインクにおいては、本発明に係る活性エネルギー線架橋型の高分子化合物は、インク全質量に対して0.8質量%から5.0質量%含有することが好ましい。0.8質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディングやカラーブリードがより好ましくなる。5.0質量%以下の場合は、インク物性やインクヘッド内状態に悪影響しにくくなり、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
本発明に係る活性エネルギー線架橋型の高分子化合物においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂では、架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に係る高分子化合物においては、架橋点の数は親水性主鎖の長さと側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクが、色剤以外のほぼ全量が硬化性分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に用いられる樹脂においては必要量が少量ですみ、乾燥成分が多いため乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性も良い。
〔光重合開始剤、増感剤〕
本発明に係るインクおいては、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について、特に制限はないが、水溶性光重合開始剤が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶性の観点から、下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2007118409
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、その他の光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
〔色材〕
本発明のインクジェット用インクに用いられる色材としては、染料または顔料を用いることができる。
[染料]
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられる。
以下、本発明のインクジェット用インクに適用可能な染料の具体例を列挙するが、本発明では、これら例示する染料にのみ限定されるものではない。
(水溶性染料)
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができる。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
更に、染料として、下記一般式(8)で表される化合物または一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007118409
上記一般式(8)において、R1は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはフェニルカルボニル基が好ましい。R2は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子が好ましい。R3は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはアルキル基が好ましい。R4は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子、アリールオキシ基が好ましい。R5は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、スルホン酸基が好ましい。nは1〜4の整数を表し、mは1〜5の整数を表す。
上記一般式(9)において、Xはフェニル基またはナフチル基を表し、置換可能な置換基で置換されていてもよく、スルホン酸基またはカルボキシル基で置換されていることが好ましい。Yは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表す。R6は異なってもよく水素原子またはナフタレン環に置換可能な置換基を表す。qは1または2を表す。pは1〜4の整数を表す。ただし、q+p=5である。Zは置換可能な置換基を表し、カルボニル基、スルホニル基または下記一般式(10)で表される基を表し、特に、下記一般式(10)で表される基が好ましい。
Figure 2007118409
上記一般式(10)において、W1、W2はそれぞれ異なっていてもよいハロゲン原子、アミノ基、水酸基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表し、ハロゲン原子、水酸基またはアルキルアミノ基が好ましい。
(分散染料)
また、分散染料としては、アゾ系分散染料、キノン系分散染料、アントラキノン系分散染料、キノフタロン系分散染料等種々の分散染料を用いることができ、以下にその具体的化合物を挙げる。
〈C.I.Disperse Yellow〉
3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232、
〈C.I.Disperse Orange〉
1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142、
〈C.I.Disperse Red〉
1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328、
〈C.I.Disperse Violet〉
1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77、
〈C.I.Disperse Green〉
9、
〈C.I.Disperse Brown〉
1、2、4、9、13、19、
〈C.I.Disperse Blue〉
3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、
〈C.I.Disperse Black〉
1、3、10、24
等が挙げられる。
これら上記列挙した染料は、「染色ノート第21版」(出版;色染社)等に記載されている。
[顔料]
本発明で用いることのできる顔料としては、従来公知の有機あるいは無機顔料を挙げることができる。例えば、アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
以下、本発明のインクジェット用インクに適用可能な顔料の具体例を列挙するが、本発明では、これら例示する顔料にのみ限定されるものではない。
マゼンタまたはレッド用の顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー180等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料として、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。
(自己分散顔料)
また、本発明のインクジェット用インクでは、顔料として自己分散顔料を用いることもできる。自己分散顔料とは、分散剤なしで分散が可能な顔料を指し、特に好ましくは、表面に極性基を有している顔料粒子である。
表面に極性基を有する顔料粒子とは、顔料粒子表面に直接極性基で修飾させた顔料、あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接にまたはジョイントを介して極性基が結合しているもの(以下、顔料誘導体という)をいう。
極性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更に好ましくは、スルホン酸基である。
(顔料分散体の製造方法)
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
(顔料分散に適用可能な界面活性剤)
顔料分散体の調製において、必要に応じて、顔料分散剤として界面活性剤、高分子分散剤を含有させてもよい。界面活性剤、高分子分散剤の種類は特に制限されないが、界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤を挙げることができ、また、高分子分散剤としては、吐出安定性の観点から水溶性樹脂を用いることが好ましく、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができ、更に詳しくは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
上記の各高分子分散剤のインク全量に対する添加量としては、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。これらの高分子分散剤は、2種以上併用することも可能である。
(顔料粒子の粒径)
本発明のインクジェット用インクに使用する顔料粒子の平均粒径は、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、150nm以下がより好ましい。顔料分散体の平均粒径が500nmを越えると、分散が不安定となり。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になっても顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
〔水溶性溶媒〕
本発明に係る溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
〔界面活性剤〕
本発明に係るインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることができ、特にアニオン性及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
〔インクセット〕
本発明においては、それぞれ色材の異なる2種以上のインクジェット用インクから構成されるインクセットを用いてカラー画像を形成する方法が好ましい。
本発明に係るインクセットを構成する色材の異なるインクジェット用インクとしては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のインクジェット用インクを好ましく挙げることができる。
更に前記4色のインクジェット用インクに加えて、色材濃度の異なる淡色シアンインク、淡色マゼンタインク、濃色イエローインク、淡色黒インク(グレーインク)等の淡色インクを用いることが、形成された画像粒状性が向上する観点から好ましい。濃色インク及び淡色インクを用いる場合には、はじめに濃色インクを印字、硬化した後、淡色インクを印字することが、照射する活性エネルギー線をより効果的にインクに付与でき、高い硬化感度を有する画像を形成できる観点から好ましい。
また、ブルー、レッド、グリーン、オレンジ、バイオレット等のいわゆる特色インク、色材を含まない無色インクを使用することも可能である。
この濃度が異なるインクジェット用インクの濃度比は任意な値として良いが、滑らかな階調再現を行うためには、高濃度インクと低濃度インクとの比(低濃度インクの色材濃度/高濃度インクの色材濃度)は、0.1〜1.0の間にあることが好ましい。
〔各種添加剤〕
本発明に係るインクにおいては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば、蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
《記録媒体》
本発明のインクジェット記録装置で適用可能な記録媒体としては、各種紙、各種フィルム、各種布、各種木材、各種インクジェット用記録媒体等が使用できる。
〔印刷用塗工紙〕
印刷用塗工紙とは、印刷でしばしば用いられる塗工紙であり、一般的には上質紙や中質紙を原紙とし、紙の表面に白土等の顔料を塗布した後、平滑性を高めるためにカレンダー処理をかけて作製される。このような処理により、白色度や平滑性、印刷インクの受理性、あるいは網点再現性、印刷光沢、印刷不透明度などが向上する。塗工量により、アート紙、コート紙、軽量コート紙等の分類があり、また、紙の光沢によりグロス系、ダル系、マット系等に分類される。
アート紙は、塗工量が片面20g/m2前後の塗工紙であり、一般的には、紙表面に顔料を塗工した後、カレンダー処理をかけて作製される。特アート、並アート、マット(艶消し)アート、片アート(片面塗工)、両アート(両面塗工)などの種類があり、具体的には、OK金藤N、サテン金藤N、SA金藤、ウルトラサテン金藤N、OKウルトラアクアサテン、OK金藤片面、Nアートポスト、NK特両面アート、雷鳥スーパーアートN、雷鳥スーパーアートMN、雷鳥アートN、雷鳥ダルアートN、ハイマッキンレーアート、ハイマッキンレーマット、ハイマッキンレーピュアダルアート、ハイマッキンレースーパーダル、ハイマッキンレーマットエレガンス、ハイマッキンレーディープマット等がある。
コート紙は、塗工量が片面10g/m2前後の塗工紙であり、一般的には、抄紙機の途中に設けた塗工装置で加工して作製される。コート量がアート紙より少なく、平滑度はやや落ちるものの廉価、軽量という利点がある。また、軽量コートや微塗工紙というコート量のさらに少ない種類の塗工紙も存在する。これらのコート紙の具体例として、PODグロスコート、OKトップコート+、OKトップコートS、オーロラコート、ミューコート、ミューホワイト、雷鳥コートN、ユトリロコート、パールコート、ホワイトパールコート、PODマットコート、ニューエイジ、ニューエイジW、OKトップコートマットN、OKロイヤルコート、OKトップコートダル、Zコート、シルバーダイヤ、ユーライト、ネプチューン、ミューマット、ホワイトミューマット、雷鳥マットコートN、ユトリログロスマット、ニューVマット、ホワイトニューVマット等が挙げられる。
〔非吸収性記録媒体〕
また、本発明においては、記録媒体として非吸収性記録媒体を用いることもでき、一般的に使用されている各種フィルム等はすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
〔各種布〕
各種布としては、例えば、天然繊維、化学合成繊維、再生繊維を使用したいずれのものも使用できる。
〔インクジェット用記録媒体〕
本発明においては、各種インクジェット用記録媒体を適用することができる。これらは基材として非吸収性支持体や紙を用い、その表面にインク受容層が形成されたものである。インク受容層としては、コート層、膨潤層、微細空隙層からなるものがある。
非吸収性支持体として紙基材の両面をオレフィン樹脂で被覆したRCペーパーを用いて、上記微細空隙層を設けたインクジェット記録媒体が、写真画像の面で好んで用いられている。また、インク受容層である膨潤層は水溶性ポリマーからなるインク受容層が膨潤することでインクを吸収する。微細空隙層は二次粒径が20〜200nm程度の無機あるいは有機微粒子とバインダーからなり、100nm程度の微細な空隙がインクを吸収する。
《インクジェット記録装置》
本発明のインクジェット記録装置は、上記説明した本発明に係る活性エネルギー線硬化型のインクジェット用インクを装備すると共に、記録媒体上にインクジェット用インクを吐出して画像形成するためのインクジェットヘッドと、記録媒体上に着弾した本発明に係る活性光線硬化型のインクジェット用インクを硬化させるための活性エネルギー線照射手段と、インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査する走査手段とを有する。
以下、本発明のインクジェット記録装置の全体構成及び各部位の詳細について、図を交えて説明する。なお、ここで例示する図は、本発明に係る構成の一例を示すものであり、これら例示する構成にのみ限定されるのもではない。
本発明で用いられるインクジェット記録装置は、本発明に係るインクを吐出するためのエネルギー発生手段、インクを吐出するノズルを備えたインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの駆動信号を与える電気回路、本発明に係る活性エネルギー線硬化型のインクの架橋のための活性エネルギー線照射手段等を備えた画像記録部、また、インク吐出を安定に確保するためのインク吐出不良回復手段(メンテナンス手段ともいう)、また、非使用時にインクジェットヘッドが待機位置においてインクの蒸発等による固化が起こらないようキャップ部材によりノズル面を覆うキャッピング手段等からなっている。
図1は、シリアルヘッド方式のインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
図1において、画像記録部1は、水平に配設され、上面で所定範囲の記録媒体の裏面(画像形成面の側と反対側となる面)を吸引装置の駆動により吸引して支持するプラテン7と、インクジェットヘッドの駆動のための電気信号を与える回路(非図示)と、インク吐出のためのエネルギー発生手段(非図示)および記録媒体に向けてインクを吐出するノズルを備えたインクジェットヘッド2と、これらインクジェットヘッド2と活性エネルギー線源を備えた活性エネルギー線照射手段3を搭載し、画像形成時に走査方向に移動するキャリッジ4と、キャリッジ4に搭載されるとともにキャリッジ4を印字の際に走査方向に沿って駆動するための駆動回路基板(非図示)と、走査方向に沿って延在してキャリッジ4の移動を案内する案内部材(リニアガイド)5と、走査方向に沿って延在し、その長手方向に、光学パターンが配設されたリニアスケールと、キャリッジに搭載されるとともにリニアスケールに配設された光学パターンを読み取ってクロック信号として出力するリニアエンコーダセンサ等(いずれも非図示)から構成されている。
画像記録部1において、キャリッジ4に保持されたインクジェットヘッド2は、画像記録時において、プラテン7上を搬送される記録媒体Pの画像形成面と、インクジェットヘッド2の吐出口が形成されたノズル面とが対向するように配設されており、各ヘッドには、記録インク用のカートリッジから、配管用のチューブを通って本発明に係るインクが供給される。インクジェットヘッド2は必要に応じて複数個装備されており、図1においては、4つのインクジェットヘッド2〔イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、シアンインク(C)、ブラックインク(K)の4色用〕を図示しているが、例えば、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、シアンインク(C)、ブラックインク(K)に、マゼンタ淡色インク(Lm)、シアン淡色インク(Lc)、ブラック淡色インク(Lk グレーインクともいう)、あるいは色材を含まない無色インクを加えて8個のインクジェットヘッドから構成されていてもよい。このインクジェットヘッドの両サイドには、活性エネルギー線の照射光源を備えた活性エネルギー線照射手段3が設けられている。
画像記録部1において、プラテン部7は、紫外線を吸収する機能を有していることが好ましく、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録媒体Pはガイド部材(図示されていないが)に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における奥から手前方向(矢印)に移動する。インクジェットヘッド走査手段(図示せず)は、キャリッジ4を図1におけるY方向に案内部材(リニアガイド)5に沿って往復移動させることにより、キャリッジ4に保持されたインクジェトヘッド2の走査を行なう。
キャリッジ4は記録媒体Pの上側に設置され、記録媒体P上の画像印刷に用いる色の数に応じてインクジェトヘッド2を複数個(ここでは4個)、吐出口を下側に配置して収納する。キャリッジ4は、図1におけるY方向に往復自在な形態で画像記録部1に設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
インクジェトヘッド2は、インク供給手段(図示せず)により供給されたインクジェット用インクを、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録媒体Pに向けて吐出する。インクジェットヘッド2により吐出されるインクジェット用インクは活性光線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含んで組成されており、記録媒体Pの着弾後、活性エネルギー線の照射を受けることで架橋・硬化する。
インクジェトヘッド2は記録媒体Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録媒体Pの他端まで移動するという走査の間に、記録媒体Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してインクジェット用インクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてインクジェット用インクの吐出を行なった後、搬送手段で記録媒体Pを図1における奥から手前方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、インクジェトヘッド2により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してインクジェット用インクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動してインクジェトヘッド2からインクジェット用インクを吐出することにより、記録媒体P上に画像が形成される。
照射手段3は、インクジェットヘッド2がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってインクジェット用インクを吐出する着弾可能領域のうち、画像記録部1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段3はキャリッジ4の両脇に、記録媒体Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、インクジェトヘッド2全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段3と記録媒体Pの距離h1より、インクジェトヘッド2のインク吐出部と記録媒体Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、インクジェトヘッド2と照射手段3との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。また、インクジェトヘッド3と照射手段3の間を蛇腹構造にしても好ましい。
使用するインクジェットヘッドの吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができる。好ましくは電気−機械変換方式であるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
〔活性エネルギー線照射手段〕
本発明のインクジェット記録装置においては、記録媒体上に吐出した活性エネルギー線架橋性高分子化合物を硬化する活性ネルギー線照射手段を備え、該活性エネルギー線照射手段は、300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源を有することを特徴とする。
本発明に係る照射光源の分光エネルギー特性を説明する前に、本発明のインクジェット記録装置で使用するインクジェット用インクの分光特性について説明する。
すなわち、後述する本発明に係るインクの紫外領域での分光透過率が、ブラックインクを除き、イエローインク、マゼンタインクは波長域が300〜400nmの範囲で高い透過率を有しており、またシアンインクに関しても、上記波長域に透過性を備えており、これらの波長域に主発光波長を有する照射光源を適用することにより、効果的な硬化を行うことができ、特に、異なる色調のインクを積層して画像形成する際に極めて効果的である。その詳細に関しては、後述する。
本発明でいう300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源とは、横軸に波長(150〜600nm)、縦軸に相対発光強度(0〜100)をプロットした発光スペクトラムにおいて、300〜400nmの波長域で相対発光輝度が50以上の輝線スペクトルを少なくとも1つ有する照射光源をいう。
更に、本発明の目的効果をより発揮できる観点から、照射光源として、300nm以上の波長域における積分照度が、全波長域における積分照度の50%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上、99%以下である。本発明でいう積分照度とは、各波長毎の照度(分光エネルギー値)を特定の波長範囲で積分した値であり、例えば、岩崎電機社製のUVPF−A1を用いて測定することができる。
図2は、各種照射光源の発光スペクトラムの一例を示すグラフである。
図2のa)は、冷陰極管の150〜600nmの波長域における各エネルギー強度を示した発光スペクトラムである。図2に示す図は、横軸に波長(150〜600nm)、縦軸に相対発光強度(0〜100)とし、各波長毎の発光強度を、最大発光強度値を100としてプロットしたものである。
冷陰極管は、主発光波長を185nm、254nmに持つが、300〜400nmの波長域にはほとんど発光波長を示さない比較の照射光源であり、本発明のインクジェット記録装置においては、不向きの照射光源である。
図2のb)はメタルハライドランプの発光スペクトラムであり、主発光波長を300〜400nmの領域に複数示す照射光源であり、図2のc)は高圧水銀灯の発光スペクトラムで、254nm、313nm、365nm、405nm、436nmに主発光波長を示す照射光源である。これらの照射光源は、図に示すように300〜400nmの波長域で相対発光輝度が50以上の輝線スペクトルを複数有し、特に高圧水銀灯は、最大発光が365nmに持ち、本発明のインクジェット記録装置において、本発明に係る活性エネルギー線架橋性高分子化合物を硬化するには、極めて有効な照射光源である。
本発明でいう活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。本発明では特に紫外線が好ましい。
一般に、上記のような活性エネルギー線を発する照射光源としては、例えば、0.1kPaから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等の従来公知の光源が用いられているが、その中でも、本発明に係る300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDを挙げることができ、特に、照射光源として高圧水銀灯を用いることが好ましい。
〔活性エネルギー線照射方法及び画像印字方法〕
本発明のインクジェット記録装置における活性エネルギー線照射方法及び照射条件の詳細を以下に説明するが、その前に本発明に係るインクジェット用インクの分光特性について説明する。
本発明に係る活性エネルギー線架橋性高分子化合物を含有するインクは、それぞれ色材の異なる2種以上のインクジェット用インクから構成されるインクセットとすることが好ましく、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のインクジェット用インクであり、更に、色材濃度の異なる淡色シアンインク、淡色マゼンタインク、濃色イエローインク、淡色黒インク(グレーインク)、あるいは、ブルー、レッド、グリーン、オレンジ、バイオレット等のいわゆる特色インク、色材を含まない無色インクも適用することができる。
これらの各色インクには、色相の異なる色材(顔料、染料等)が使用されており、その色材の特性により、特に、紫外領域における分光特性が大きく異なっている。
図3は、各色インクの紫外領域における分光透過率の一例を示すグラフである。
図3は、各種色材を含むインク液の200〜450nmにおける透過率を示すグラフであり、横軸に測定波長(nm)、縦軸に各波長におけるインク液の透過率(%)をプロットしてある。図3において、Kは色材として黒色顔料(カーボンブラック)を含むブラックインク、Yは色材としてイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー 74)を含むイエローインク、Mは色材としてマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 122)を含むマゼンタインク、Cは色材としてシアン顔料(C.I.ピグメントブルー 15:3)を含むシアンインクの分光透過率を示している。
図3より明らかなように、ブラックインクはほぼ測定波長域で極めて低い透過率であるが、シアンインクは300nm及び370nm以降で光透過性を示し、イエローインクは350nmを中心として高い透過性を有しており、マゼンタインクに関しては350nmを最大透過率として、極めて高い透過性を有している。
上記のような分光透過率特性を有する複数種のインクを用いて画像印字及び活性エネルギー線照射による画像硬化を行う際、本発明では下記の方法に準じて画像形成を行うことが好ましい。
1)画像印字及び活性エネルギー線の照射方法の一つとして、第一のインクジェット用インクを記録媒体上に印字し、次いで活性エネルギー線照射手段により活性エネルギー線を照射した後、その他の種類のインクジェット用インクを吐出する印字及び硬化方法が好ましい。
すなわち、各色インクをそれぞれ独立して記録媒体上へ吐出して画像形成した後、それぞれの画像形成毎に活性エネルギー線を照射することで、記録媒体に着弾したインク液滴の速やかなゲル化あるいは硬化を行うことができ、その結果、フェザリング、ビーデングやカラーブリードの発生を防止すること共に、高い硬化度を有する画像が得られ、かつ記録速度の向上や消費電力の低減を達成することができる。
2)画像印字及び活性エネルギー線の照射方法の一つとして、色材の異なる2種以上のインクジェット用インクを用いた印字においては、第一のインクジェット用インクとして、300〜400nmにおける吸光度が最も高い、すなわち透過率が最も低いインクを第一に印字及び硬化させた後、その他の種類のインクジェット用インクを吐出する印字及び硬化方法が好ましい。
すなわち、複数のインクを印字して画像形成する際に、透過率の低いインク、例えば、ブラックインクを、透過率の高いインクを吐出した後で吐出すると、活性エネルギー線を照射した際、ブラックインクの低透過性により、照射した活性エネルギー線がブラックインク画像で遮断され、その下部に形成されたより低透過率の画像に付与することができなくなり、その結果、下部の画像の形成が不十分となる。
3)画像印字及び活性エネルギー線の照射方法の一つとして、色材の異なる2種以上のインクジェット用インクを用いて印字する際には、300〜400nmにおける吸光度が高い順(透過率が低い順)に、それぞれ記録媒体上へ吐出及び活性エネルギー線の照射を行うことが好ましい。
4)画像印字及び活性エネルギー線の照射方法の一つとして、色材の異なる2種以上のインクジェット用インクの記録媒体上への吐出順序として、前述の各色インクの分光透過率特性を踏まえ、少なくともブラックインク、シアンインク、イエローインク、マゼンタインクの順序に画像印字及び硬化処理を行うことが好ましい。
すなわち、2)項に記載の理由により、印字及び硬化させる順序として、透過率が低いインク順に印字することにより、より効果的な活性エネルギー線の照射を行うことができ、記録速度の向上や消費電力の低減を達成することができ、具体的には、図4に示すように最も透過率の低いブラックインクを最下部に形成した後、順次シアンインク、イエローインク、マゼンタインクの順序に画像印字及び300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源を用いた硬化処理を行うことが、フェザリング、ビーデングやカラーブリードの発生を防止すること共に、高い硬化度を有する画像が得られ、かつ記録速度の向上や消費電力の低減を達成することができる。
(画像形成後の光照射条件)
活性エネルギー線の照射条件としては、記録媒体上にインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
(活性エネルギー線の照射方法)
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、インクジェット記録ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる方法も挙げられる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明の画像記録方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性エネルギー線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性エネルギー線を照射し、更に活性エネルギー線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性エネルギー線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
(記録媒体の加熱処理)
本発明のインクジェット記録装置においては、記録媒体を加熱する加熱手段を備え、印字前あるいは印字後の記録媒体を加熱すること好ましい。この様な加熱処理を施すことにより、記録媒体に対するインクの濡れ性を高めると共に、インクに対する活性エネルギー線による硬化効率を高めることができる。
加熱は、記録媒体の温度が40℃以上、100℃以下になるようにするのが好ましい。40℃より低いと水系インクに対する濡れ性向上が不十分であり、100℃を越えると記録媒体によっては熱で変形してしまうことがある。特に好ましい記録媒体の加熱温度は40℃以上、70℃以下である。記録媒体の加熱は、インクジェット用インクを印字する前に記録媒体を加熱するが、印字後も引き続いて加熱を施してもよい。
記録媒体の加熱方法としては、特に制限はないが、例えば、加熱ファン、面ヒーター、加熱ローラ、加熱ベルト、ハロゲンヒーターや遠赤外線ヒーターなどの輻射熱加熱などが挙げられ、適宜選択あるいは組み合わせて適用することができ、特に、前述の活性エネルギー線照射手段で用いる高圧水銀灯を加熱手段をして用いる方法が好ましい。
本発明のインクジェット記録方法によれば、加熱することで記録媒体への濡れ性が向上し、形成したインクドットが記録媒体に濡れ拡がるようになる。しかしながら、これまでの水系インクでは、特にインク吸収機能を持たない記録媒体に対して印字を行うと、一旦濡れ拡がったインクドットが乾燥時に収縮してしまうことがあり、結果的にドットが小さくなってしまって、十分な画像濃度が得られない場合があった。
本発明のインクジェット記録装置では、活性エネルギー線架橋型の高分子化合物の採用により、架橋後のインク粘度が急激に上昇し、その結果、乾燥時のドット収縮を抑制し、その結果、ドット径が縮まることなく高濃度の画像が得られる。また、記録媒体を加熱しておくことで、本発明のインク中の水分が急速に乾燥し、ドットが必要以上に広がることを防ぎ、インク硬化と相まって、にじみを防止する効果も期待することができる。
加熱手段として加熱ファンを用いる場合、加熱ファンとしては、内部に発熱手段、例えば、電熱線、ヒータ等を設け、そこに空気を流入させて、熱風として記録媒体に吹き付け、記録媒体を所定の温度まで加熱を行う。
加熱手段として面ヒーターを用いる場合、面ヒータとしては、その内部にニクロム線の発熱体を平面状に敷設し、アルミ板等でその表面を被覆した加熱部材であり、アルミ板の特性を生かし、曲面形状として記録媒体との接触状態をよくしてもよい。
加熱手段として輻射熱加熱手段を用いる場合、熱源としては、例えば、ハロゲンランプ、遠赤外線ヒータ等を用いることができる。
また、加熱手段として加熱ローラを用いる場合、加熱ローラとしては、中空の芯金内部に加熱手段を内包している。パイプ状の芯金は、主には金属から構成され、芯金を構成する金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。また、内部に保持する加熱手段としては、ハロゲンランプ、電磁誘導コイル、ニクロム線等の発熱体を用いることができる。また、加熱ローラと加圧ローラのローラ対は、1組であっても、複数組を並列して配置した構成であってもよい。
また、加熱手段として加熱ベルトを用いる場合、加熱ベルトは、加熱ローラと、サポートローラでエンドレスベルトを保持、搬送させながら、加熱されたエンドレスベルトを介して、記録媒体を加熱する。エンドレスベルトの材質としては、特に制限はないが、可暁性を備え、熱伝導率の高い素材、例えば、金属板、プラスチック等から構成されていることが好ましい。エンドレスベルトとしては、例えば、基体としてニッケル電鋳ベルトを用いた金属ベルトや、ポリイミドやポリアミド等を用いた耐熱性の樹脂ベルトの外側(外周面)に、絶縁性のシリコンゴムを被覆したものに、離型層として表面にフッ素樹脂(PFA)コーティング加工を施したもの等を挙げることができる。
(インターリーブ方式)
本発明のインクジェット記録装置における印字方法として、インターリーブ走査方式を適用することが、高画質の画像が得られる観点から好ましい。
一般に、印字方法としては、低解像度のインクジェットヘッドを用いて高解像度の画像を形成する印字方法として、ブロック印字方式とマイクロウェーブ印字方式が挙げられる。
ブロック印字方式とは、例えば、90dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)のノズルピッチのインクジェットヘッドで360dpiの画像印字する際に、1ライン記録後、360dpiの1ドット分に相当する約70μm分、記録媒体の搬送を行った後、次のラインの印字を行い、これを4回繰り返して90dpiピッチの間の画素を印字する。その後、記録媒体をインクジェットヘッドの長さ相当分搬送させた後、次のブロックの印字を行う方法である。しかしながら、このブロック印字方式では、ブロック内の記録媒体の搬送量に対し、ブロック間での搬送量が大きく、搬送誤差に伴うバンディングノイズ(スジムラ)がブロックの境界面で発生しやすい。
マイクロウェーブ印字方式は、印字位置が重複せず、かつ各走査ごとの記録媒体の搬送量をほぼ一定の条件で搬送して印字を行う方法であり、上記ブロック方式に対し、記録媒体の搬送量がほぼ一定となるため、搬送誤差に起因するバンディングノイズが目立ちにくい印字方法である。
しかしながら、上記のブロック印字方式やマイクロウェーブ印字方式では、1ライン毎に、一つのノズルを用いて印字を行うため、ノズル間でのインク液滴量のバラツキや出射不良が発生すると、バンディングノイズとなりやすい。
上記のようなバンディングノイズを防止する観点から、本発明のインクジェット記録装置における印字方法としては、1回の走査で1ラインを数ドットおきに印字し、記録媒体を搬送した後、異なるノズルで、未印字の間の領域にドットを記録するインターリーブ方式を採用することが好ましい。この方法では、印字回数が多いほどバンディングノイズが目立ちにくく、高品位の画像を得ることができる。
また、インターリーブ方式を採用すると、インク液滴が記録媒体を埋めていくときに、同時に全面を埋めず、順次埋めていくこととなるため、それぞれのインク液滴が物理的に距離を保った状態で硬化していくため、にじみの少ない高品位の画像を得ることができる。
(ラインアレイヘッド方式)
前記図1においては、シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置を用いて説明を行ったが、本発明のインクジェット記録装置としては、ラインアレイヘッドを用いて、1パス印字する方法が好ましい。
図1に示したシリアルヘッド方式では、キャリッジに複数のインクジェットヘッドと活性エネルギー線照射光源を装備し、このキャリッジを記録媒体の搬送方向に対し直交する方向に移動させながら印字を行う方法であるが、ラインアレイヘッド方式は、記録媒体の搬送方向に対し直交する位置に各インクジェットヘッド及び活性エネルギー線照射光源を固定して配置し、記録媒体を搬送させながら、印字及び活性エネルギー線照射を行い、複数の走査を行うことなく1パスで印字する方法である。
以上で説明した活性エネルギー線の各照射方法、加熱方法、印字方法について、図を交えて説明する。
図4は、本発明のインクジェット記録装置のキャリッジ部の一例を示す概略上面図である。
図4は、前述の図1に記載のシリアルヘッド方式のインクジェット記録装置のキャリッジ1を示しており、インク種としてブラックインク(K)、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、シアンインク(C)、ライトマゼンタインク(Lm)、ライトシアンインク(Lc)の6種のインクから構成されている例を示したものであり、各インクを収納したインクジェットヘッド2の両端には300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源を有する活性エネルギー線照射光源3が設置されており、この活性エネルギー線照射光源3としては、高圧水銀灯であることが好ましい。
印字する際には、活性エネルギー線照射光源3を加熱手段としても用い、予め高圧水銀灯による活性エネルギー線を記録媒体に照射して、加熱した後印字することが好ましい。
また、印字方法としては、インターリーブ方式を採用することで、黒インクによる活性エネルギー線の吸収を低減することにより、他色のインクの硬化性を高めることができる。また、キャリッジの両端にそれぞれ高圧水銀灯を配置させることにより、双方向印字時でもインクの硬化を迅速に行うことができ、その結果、フェザリング、ビーデングやカラーブリードの発生を防止することにより、様々な種類の記録媒体に印字した際に高品位の画像を得ることができる。
また、図4に示すように、基本色であるK、Y、M、Cのインクに加えて、ライトマゼンタインク(Lm)、ライトシアンインク(Lc)の淡色インクを用いることにより、形成した画像の粒状性をより高めることができ好ましい。
図5は、本発明のインクジェット記録装置のキャリッジ部の他の一例を示す概略上面図である。
上記図4に示したインクジェットヘッドに対し、図5に示すインクジェットヘッドでは、インクジェットヘッド2を、異なる位置に配置し、活性エネルギー線照射光源3は配置されたインクジェットヘッド2の全域をカバーするよう設置されている。また、特定のインク、例えば、ブラックインクの硬化をより促進させるため、補助活性エネルギー線照射光源3′を新たに設けてもよい。
この様な構成からなるインクジェットヘッドにおいては、前記図4に示したように、透過率の最も低いインク、例えば、ブラックインク(K)を先行して印字及び硬化した後、シアンインク(C)、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)の順に印字及び硬化する方法が、本発明では特に好ましい。更に、ライトマゼンタインク(Lm)、ライトシアンインク(Lc)の淡色インクは、上記の各濃色インクを付与した後、印字することが好ましい。
図6は、加熱手段を備えたインクジェット記録装置の一例を示す概略断面図である。
図の左から右方向に移動する記録媒体Pに対し、キャリッジ1の前に、例えば、内部にヒーター等の加熱手段を備えた加熱ローラ10、あるいは記録媒体Pの背面に設けたプラテンの内部にヒーターを備えた面ヒータ11等を用いて加熱する方法である。
図7は、ラインアレイヘッド方式によるインクジェット記録装置の一例を示す概略断面図であり、図8はその概略上面図である。
図7、8において、記録媒体Pの搬送方向に対し直交する位置に、記録媒体Pの全巾をカラーするように、複数の各色毎のインクジェットヘッド2と活性エネルギー線照射光源3が固定して配置し、1パスで印字を行う。
本発明のインクジェット記録装置においては、図7、8に示すように、下流側に透過率が最も低いブラックインク用のインクジェットヘッド2(K)を配置し、順次透過率が高くなるシアンインク用のインクジェットヘッド2(C)、イエローインク用のインクジェットヘッド2(Y)、マゼンタインク用のインクジェットヘッド2(M)の順に配置することが好ましい。
また、図に示すように、各インクジェットヘッドの下流側、あるいは上流側に加熱ローラ10を配置することも好ましく、更に、各活性エネルギー線照射光源を、加熱手段としても用い、ブラックインク用のインクジェットヘッド2(K)の上流に設けた活性エネルギー線照射光源3Kにより、クラック画像を硬化するとともに、記録媒体Pを加熱させることができる。
図7、8では、基本となる4色のインクを用いた方法について説明したが、必要に応じて淡色インク、特色インク等を追加することも好ましい。
また、この様なラインアレイヘッド方式でインクジェットヘッド2及び活性エネルギー線照射光源3を配置する場合には、活性エネルギー線照射光源3に隣接する各インクジェットヘッド2のノズル面への不要な活性エネルギー線照射の影響を排除する目的で、活性エネルギー線照射光源3の照射口に、遮蔽板や非印字部に光源部を覆うシャッター等を設けることが好ましい。
また、図7、8に示すような複数の活性エネルギー線照射光源3を配置する場合、それぞれの活性エネルギー線照射光源の種類や照射エネルギーを、硬化するインクの透過特性に応じて、最適の条件となるようにそれぞれ独立して設定してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《インクセットの調製》
〔顔料分散液の調製〕
(イエロー顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、イエロー顔料の含有量が10%のイエロー顔料分散液を調製した。このイエロー顔料分散液に含まれるイエロー顔料粒子の平均粒径は112nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
C.I.ピグメントイエロー74 12部
ジョンクリル61(アクリルスチレン系樹脂分散剤、ジョンソン社製) 3部
グリセリン 15部
イオン交換水 61部
(マゼンタ顔料分散液、シアン顔料分散液の調製)
上記イエロー顔料分散液の調製において、C.I.ピグメントイエロー74に代えて、C.I.ピグメントレッド122(マゼンタ顔料分散液)、C.I.ピグメントブルー15:3(シアン顔料分散液)を用いた以外は同様にして、マゼンタ顔料分散液、シアン顔料分散液をそれぞれ調製した。なお、マゼンタ顔料分散液中のマゼンタ顔料粒子の平均粒径は81nm、シアン顔料分散液中のシアン顔料粒子の平均粒径は95nmであった。
(ブラック顔料分散液の調製)
Cabot社製のカーボンブラック自己分散物cabo−jet300をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のブラック顔料分散液を調製した。得られたブラック顔料分散液に含まれるカーボンブラック粒子の平均粒径は154nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
〔高分子化合物の調製〕
(高分子化合物1)
グリシジルメタクリレートを56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒドを48g、ピリジンを2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩を1g、それぞれ反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度1700、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物の45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸を4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをポリビニルアルコールに対して変性率が1モル%になる様に加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂を30g加え、1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、イルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して、高分子化合物1の10%水溶液を得た。
(高分子化合物2)
10%のポリビニルアルコール水溶液(重合度2000、ケン化度88%)を高分子化合物2とした。
〔インクセット1の調製〕
下記の方法に従って調製したイエローインクY1、マゼンタインクM1、シアンインクC1、ブラックインクK1、ライトマゼンタインクLm1及びライトシアンインクLc1からなるインクセット1を調製した。
(イエローインクC1の調製)
イエロー顔料分散液 40部
高分子化合物1の10%の水溶液 20部
ジエチレングリコール 10部
グリセリン 10部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10部
サーフィノール465(Air Products社製) 0.5部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインクY1を得た。
(マゼンタインク1、シアンインク1及びブラックインク1の調製)
上記イエローインクY1の調製において、イエロー顔料分散液を、それぞれマゼンタ顔料分散液、シアン顔料分散液、ブラック顔料分散液に変更した以外は同様にして、マゼンタインクM1、シアンインクC1及びブラックインクK1を調製した。
(ライトマゼンタインクM1、ライトシアンインクL1の調製)
上記マゼンタインクM1及びシアンインクC1の調製において、各顔料濃度を1/4とした以外は同様にして、ライトマゼンタインクM1及びライトシアンインクL1を調製した。
〔インクセット2の調製〕
上記インクセット1の調製において、高分子化合物1に代えて高分子化合物2を用いた以外は同様にして、インクセット2を調製した。
《画像形成》
図1、4に記載のシリアルヘッド型のインクジェット記録装置に各インクセットを装填して、インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査させながら画像形成を行った。
インクジェット記録装置の各部の構成として、インクジェットヘッドはノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(以下、dpiは2.54cmあたりのドット数を表す。)、液滴量が8plであるピエゾ型ヘッドを用い、普通紙(コニカミノルタビジネステクノロジー社製 First Class紙)及びアート紙(王子製紙製 OK金藤+)上に、画像データとして「高精細カラーデジタル標準画像データ『N5・自転車』(財団法人 日本規格協会 1995年12月発行)」を用いた画像を形成した。
次いで、1走査で各色インクを吐出した後、キャリッジの両端に設置した下記の各照射光源より活性エネルギー線を照射して、硬化させた。
照射光源A:高圧水銀灯(図2のc)に記載の発光スペクトルを有し、出力としてランプ単独で〜200mW/cm2、集光により主波長(365nm)で8000mW/m2
照射光源B:メタルハライドランプ(図2のb)に示す発光スペクトルを有し、出力としてランプ単独で〜200mW/cm2、集光により主波長(365nm)で8000mW/m2
照射光源C:冷陰極管(図2のa)に示す発光スペクトルを有し、出力としてランプ単独で〜100mW/cm2
《形成画像の評価》
上記方法に従って形成した各色ベタ画像及び高精細カラーデジタル標準画像について、下記の各評価を行った。
(ビーディング耐性の評価)
上記方法でアート紙上に形成した10cm×10cmの高精細カラーデジタル標準画像の画像均一性を目視観察し、各色画像の平均品質を求め、下記の基準に従ってビーディング耐性の評価を行った。
10:極めて均一な画像である
8:詳細に観察すると認識できるまだら状のノイズが5箇所未満存在する
6:詳細に観察すると認識できるまだら状のノイズが5箇所以上、10箇所未満存在する
4:明確に認識できるまだら状のノイズが10箇所以上、20個未満存在する
2:明確に認識できるまだら状のノイズが20箇所以上存在する
1:激しいまだら状のノイズが多数発生している
なお、評価ランク3、5、7、9は、それぞれの上下のランクの中間品質として判定した。
(カラーブリード耐性の評価)
アート紙上に形成した高精細カラーデジタル標準画像の各色の境界領域を目視観察し、下記の基準に従ってカラーブリード耐性の評価を行った。
10:各色の境界線が明瞭に識別できる
8:わずかに境界部でにじみの発生が認められるが、良好な品質品質である
6:境界部にややにじみが認められるが、実用上許容限界内の品質である
4:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅が1.5倍ほどとなり、実用上問題となる品質である
2:各色の境界が不明瞭な品質であり、カラーブリード耐性が乏しい
1:各色の境界が極めて不明瞭な品質であり、実用に耐えない品質である
なお、評価ランク3、5、7、9は、それぞれの上下のランクの中間品質として判定した。
(フェザリング耐性の評価)
普通紙上に形成した高精細カラーデジタル標準画像の各色の境界領域を目視観察し、下記の基準に従ってフェザリング耐性の評価を行った。
10:各色の境界領域で滲みの発生が全く無く、明瞭に境界部が再現されている
8:各色の境界領域で滲みの発生は認められないが、ごく一部で紙繊維に沿ったインク滲みが観測される
6:各色の境界領域で滲みの発生による画像変化は認められないが、数カ所で紙繊維に沿ったインク滲みが観測されるが、実用上許容される品質である
4:各色の境界領域で滲みの発生による画像変化が認められ、紙繊維に沿ったやや強いインク滲みが観測され、実用上問題とされる品質である
2:各色の境界領域で滲みの発生による強い画像変化が認められ、紙繊維に沿った強いインク滲みが観測される
1:各色の境界領域で滲みの発生による激しい画像変化が認められ、紙繊維に沿った強いインク滲みが観測される
(耐擦過性の評価)
アート紙上に形成した高精細カラーデジタル標準画像表面を、プラスチック消しゴムで5回こすり、濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準に従って耐擦過性の評価を行った。
◎:色落ちが全く認められない
○:僅かに色落ちが認められるが、ほぼ良好な品質である
△:やや色落ちが確認できるが、実用上許容される品質である
×:明らかな色落ちが認められ、画質低下が観察され、実用上問題となる品質である
××:色落ちが激しく、実用に耐えない品質である
(粒状感の評価)
アート紙上に形成した高精細カラーデジタル標準画像のざらつき感及び画像の連続性を目視観察し、下記の基準に従って粒状感の評価を行った。
◎:各画像でざらつき感が全くなく、画像の連続性に優れた高品位の画像である
○:各画像でざらつき感がなく、画像の連続性が良好で画像である
△:一部の色画像でややざらつき感が認められるが、実用上許容される品質である
×:各画像で明らかなざらつき感が認められ、実用上問題となる品質である
××:各画像で不快なざらつき感が認められ、実用に耐えない品質である
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2007118409
表1に記載の結果より明らかなように、本発明に係る活性エネルギー線架橋性高分子化合物を含むインクを用いて、300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源により硬化を行って形成した本発明の画像は、比較例に対し、ビーディング耐性、カラーブリード耐性、フェザリング耐性及び耐擦過性に優れていることが分かる。
実施例2
《画像形成》
図1、5に記載のシリアルヘッド型のインクジェット記録装置を用い、表2に記載の各インクセットを装填して、インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査させながら、表2に記載の吐出順序で各色のインクを印字した後、表2に記載の照射光源によりそれぞれ硬化を行って画像形成した。なお、図1の構成で実施する場合には、片方向印字として、双方向の影響を排除して画像を形成した。
インクジェット記録装置の各部の構成として、インクジェットヘッドはノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(以下、dpiは2.54cmあたりのドット数を表す。)、液滴量が8plであるピエゾ型ヘッドを用い、普通紙(コニカミノルタビジネステクノロジー社製 First Class紙)及びアート紙(王子製紙製 OK金藤+)上に、画像データとして「高精細カラーデジタル標準画像データ『N5・自転車』(財団法人 日本規格協会 1995年12月発行)」を用いた画像を形成した。
各インクジェットヘッドより各色インクを吐出する毎に、キャリッジの両端及び中央部に配置れている実施例1に記載の各照射光源より活性エネルギー線を照射して、硬化させた。
また、画像形成の際には、各インクジェットヘッドからのインクの吐出及び硬化順序を、下記のようにして行った。
印字方法1:K→C→Y→M→Lc→Lm
印字方法2:K→C→Y→M
印字方法3:C→K→Y→M
印字方法4:C→Y→K→M
印字方法5:C→Y→M→K
印字方法6:M→Y→C→K
印字方法7:Lc→Lm→K→C→Y→M
《形成画像の評価》
実施例1に記載の方法と同様にして、ビーディング耐性、カラーブリード耐性、フェザリング耐性、耐擦過性及び粒状感の評価を行い、得られた結果を表2に示す。
Figure 2007118409
表2に記載の結果より明らかなように、実施例1の結果に対し、各色インクを印字する毎に活性エネルギー線を照射し、更に、透過率が低いインクから順次印字することにより、ビーディング耐性、カラーブリード耐性、フェザリング耐性及び耐擦過性がより向上していることが分かる。更に、淡色インクを用いることにより粒状感に優れていること確認することができた。
実施例3
《画像形成》
図7、8に記載のラインアレイヘッド型のインクジェット記録装置を用い、表3に記載の各インクセットを装填して、インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査させながら、表3に記載の吐出順序で印字を行った後、表3に記載の照射光源によりそれぞれ硬化を行い、1パス印字で画像形成した。
インクジェット記録装置の各部の構成として、ラインアレイ方式のインクジェットヘッドはノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(以下、dpiは2.54cmあたりのドット数を表す。)、液滴量が8plであるピエゾ型ヘッドを用い、普通紙(コニカミノルタビジネステクノロジー社製 First Class紙)及びアート紙(王子製紙製 OK金藤+)上に、画像データとして「高精細カラーデジタル標準画像データ『N5・自転車』(財団法人 日本規格協会 1995年12月発行)」を用いた画像を形成した。
各インクジェットヘッドより各色インクを吐出する毎に、その後方に配置れている実施例1に記載の各照射光源より活性エネルギー線をそれぞれ照射して硬化させた。なお、全ての照射光源は、印字期間中は全て点灯状態とし、記録媒体の加熱手段としても使用した。
また、画像形成の際には、各インクジェットヘッドからのインクの吐出及び硬化順序を、下記のようにして行った。
印字方法1:K→C→Y→M→Lc→Lm
印字方法2:K→C→Y→M
印字方法3:C→K→Y→M
印字方法4:C→Y→K→M
印字方法5:C→Y→M→K
印字方法6:M→Y→C→K
印字方法7:Lc→Lm→K→C→Y→M
《形成画像の評価》
実施例1に記載の方法と同様にして、ビーディング耐性、カラーブリード耐性、フェザリング耐性、耐擦過性及び粒状感の評価を行い、得られた結果を表3に示す。
Figure 2007118409
表3に記載の結果より明らかなように、実施例2の結果に対し、ラインアレイヘッド方式のインクジェット記録装置を用いることにより、ビーディング耐性、カラーブリード耐性、フェザリング耐性及び耐擦過性がより向上していることが分かる。更に、淡色インクを用いることにより粒状感に優れていること確認することができた。
実施例4
実施例2、3に記載の各画像形成方法において、印字前の領域に、加熱ローラまたは面プレートを設置して、記録媒体を50℃に加熱した後に印字及び硬化を行った結果、表2、表3に記載の各結果に対し、ビーディング耐性、カラーブリード耐性、フェザリング耐性及び耐擦過性が更に向上することを確認することができた。
実施例5
実施例2に記載の各画像形成方法において、走査方法として、前記の詳細を記載したブロック印字方式、マイクロウェーブ印字方式及びインターリーブ方式で「高精細カラーデジタル標準画像データ『N5・自転車』(財団法人 日本規格協会 1995年12月発行)」を形成して評価を行った結果、本発明で規定するインク及び照射光源を用いてインターリーブ方式で画像形成を行うことにより、バンディングノイズの発生が無く、極めて高品位の画像が得られることを確認することができた。
シリアルヘッド方式のインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 各種照射光源の発光スペクトラムの一例を示すグラフである。 各色インクの紫外領域における分光透過率の一例を示すグラフである。 本発明のインクジェット記録装置のキャリッジ部の一例を示す概略上面図である。 本発明のインクジェット記録装置のキャリッジ部の他の一例を示す概略上面図である。 加熱手段を備えたインクジェット記録装置の一例を示す概略断面図である。 ラインアレイヘッド方式によるインクジェット記録装置の一例を示す概略断面図である。 ラインアレイヘッド方式によるインクジェット記録装置の一例を示す概略上面図である。
符号の説明
1 画像記録部
2、2(K)、2(C)、2(Y)、2(M) インクジェットヘッド
3、3′、3K、3C、3Y、3M 活性エネルギー線照射光源
4 キャリッジ
5 案内部材(リニアガイド)
6 ローラ
7 プラテン
10 加熱ローラ
11 面ヒータ
12 記録媒体搬送手段

Claims (24)

  1. 少なくとも色材と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクジェット用インクと、活性エネルギー線照射手段と、該インクジェット用インクにより画像形成するためのインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査する走査手段とを有するインクジェット記録装置であって、該活性エネルギー線照射手段は、300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記照射光源は、300nm以上の波長域における積分照度が、全波長域における積分照度の50%以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記照射光源が、高圧水銀灯であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記インクジェット用インクは、色材の異なる2種以上のインクジェット用インクであって、第一の該インクジェット用インクを記録媒体上に印字し、次いで前記活性エネルギー線照射手段により活性エネルギー線を照射した後、その他の種類のインクジェット用インクを吐出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクの中で、前記第一のインクジェット用インクが、300〜400nmにおける吸光度が最も高いことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクを、300〜400nmにおける吸光度が高い順に記録媒体上へ吐出及び活性エネルギー線の照射を行うことを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクジェット用インクは、同一の色材で濃度の異なる2種以上のインクジェット用インクであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクの記録媒体上への吐出が、少なくともブラックインク、シアンインク、イエローインク、マゼンタインクの順序であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  9. 印字方法が、インターリーブ走査方式であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. ラインアレイヘッドを用いて、1パス印字を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記記録媒体上への前記インクジェット用インクの印字前または印字後に、該記録媒体に加熱処理を施すことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記活性エネルギー線の照射と前記加熱処理とを、同一の光源を用いて行うことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
  13. 少なくとも色材と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクジェット用インクと、活性エネルギー線照射手段と、該インクジェット用インクにより画像形成するためのインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを記録媒体と相対的に走査する走査手段とを有するインクジェット記録装置を用いた画像形成方法であって、該活性エネルギー線照射手段は、300〜400nmの波長域に主発光波長を有する照射光源であることを特徴とする画像形成方法。
  14. 前記照射光源は、300nm以上の波長域における積分照度が、全波長域における積分照度の50%以上であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
  15. 前記照射光源が、高圧水銀灯であることを特徴とする請求項13または14に記載の画像形成方法。
  16. 前記インクジェット用インクは、色材の異なる2種以上のインクジェット用インクであって、第一の該インクジェット用インクを記録媒体上に印字し、次いで前記活性エネルギー線照射手段により活性エネルギー線を照射した後、その他の種類のインクジェット用インクを吐出することを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  17. 前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクの中で、前記第一のインクジェット用インクが、300〜400nmにおける吸光度が最も高いことを特徴とする請求項16に記載の画像形成方法。
  18. 前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクを、300〜400nmにおける吸光度が高い順に記録媒体上へ吐出及び活性エネルギー線の照射を行うことを特徴とする請求項16または17に記載の画像形成方法。
  19. 前記インクジェット用インクは、同一の色材で濃度の異なる2種以上のインクジェット用インクであることを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  20. 前記色材の異なる2種以上のインクジェット用インクの記録媒体上への吐出が、少なくともブラックインク、シアンインク、イエローインク、マゼンタインクの順序であることを特徴とする請求項18に記載の画像形成方法。
  21. 印字方法が、インターリーブ走査方式であることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  22. ラインアレイヘッドを用いて、1パス印字を行うことを特徴とする請求項13〜21のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  23. 前記記録媒体上への前記インクジェット用インクの印字前または印字後に、該記録媒体に加熱処理を施すことを特徴とする請求項13〜22のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  24. 前記活性エネルギー線の照射と前記加熱処理とを、同一の光源を用いて行うことを特徴とする請求項23に記載の画像形成方法。
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