JP4453652B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方法に関し、さらに詳しくは、低吸収性記録媒体、非吸収性記録媒体に適用できるインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクジェットインクが使用されている。
特に、近年では記録速度の大幅な向上が図られ、軽印刷用途にも耐え得る印字性能を備えたインクジェットプリンタの開発も行われている。
しかしながら、インクジェットプリンタにおいて、その性能を十分に引き出すためにはインクジェットインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要となる。
アート紙やコート紙等のインク吸収性の低い記録媒体、あるいはインク吸収性のないプラスチックフィルム等の記録媒体に記録する際には、色相の異なるインク同士が記録媒体上で混ざり色混ざりを起こすブリード等の課題があり、インクジェット記録方式において、記録媒体の多様性をもたせる上で課題となっていた。
上記課題に対し、活性エネルギー線を照射することにより硬化するインクジェット記録用インクが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、色材として顔料を含有し、かつ重合性材料として三官能以上のポリアクリレートを含有し、ケトン、アルコールを主溶剤とする、いわゆる非水系インクが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。また、活性エネルギー線硬化性不飽和二重結合を有する基を含有するポリウレタン化合物、塩基性化合物、着色剤、水溶性有機溶剤及び水を含有する水系の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
更には、顔料粒子の表面に1種以上の親水性基が結合している自己分散型顔料と、ビニル化合物からなる紫外線硬化型モノマーと光重合開始剤と水とを含む水系のインクジェット用インクが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら含有水分量が多いインクにおいては、記録媒体によってインクの濡れ性が悪く、インクジェット記録画像が満足に得られない場合がある。特に表面処理のされていないプラスチックフィルムでは、インクが記録媒体上で撥きやすく、記録画像の濃度にむらができ、高濃度の画像を得ることが難しいといった課題があった。
米国特許第4,228,438号明細書 (特許請求の範囲) 特公平5−64667号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−80767号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−275404号公報 (特許請求の範囲)
本発明の目的は、低吸収性記録媒体、非吸収性記録媒体に対して、カラーブリード耐性、ビーディング耐性を備え、記録画像の平滑性に優れ、更にインクが記録媒体上で撥くことなく画質むらがない画像が得られ、吐出安定性に優れ、十分な定着性と耐水性を備えたインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.少なくとも顔料、高分子化合物及び樹脂微粒子を含有し、該高分子化合物は親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であり、該樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)が40℃以上105℃未満であるインクジェットインクを、予め加熱した記録媒体に吐出した後、活性エネルギー線を照射して記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
2.前記記録媒体が、プラスチックフィルム、レジンコート紙または合成紙であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録方法。
3.前記プラスチックフィルムが、ポリ塩化ビニルフィルムであることを特徴とする前記2に記載のインクジェット記録方法。
4.予め加熱した記録媒体の温度が、45℃以上、105℃以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
5.前記樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)が、予め加熱した記録媒体の温度以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
6.前記樹脂微粒子が、ポリウレタン系樹脂微粒子であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
7.前記高分子化合物は、親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、かつJIS K 6726で測定したケン化度が77〜99%、重合度が200以上、4000以下であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
8.前記高分子化合物の親水性主鎖に対する側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
9.インクジェットインクを記録媒体に吐出した後、活性エネルギー線を照射後、後加熱し更に乾燥させることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
本発明により、低吸収性記録媒体、非吸収性記録媒体に対して、カラーブリード耐性、ビーディング耐性を備え、記録画像の平滑性に優れ、更にインクが記録媒体上で撥くことなく画質むらがない画像が得られ、吐出安定性に優れ、十分な定着性と耐水性を備えたインクジェット記録方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。
従来公知の光硬化型樹脂に代えて、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を用いることで、前述の紫外線硬化型インクの課題を解決するに至った。従来公知の光硬化型インクが色材以外のほぼ全量が硬化成分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、画像の質感が劣ることに対し、本発明に用いられる活性エネルギー線架橋型高分子化合物を含有するインクにおいては、インク中の固形分量が少量で効果を発揮でき、乾燥成分が多いため乾燥後平滑性に優れた画質が得られる。
しかしながら、これまでの水系インクではいったん濡れ拡がったインクドットが乾燥時に収縮してしまうことがあり、特許文献4が抱える前述の課題の通り、記録画像の濃度にむらができることがあった。特に、本発明に用いられる活性エネルギー線架橋型高分子を含有するインクにおいては、含有水分量が多く、さらに活性エネルギー線照射後、インク粘度が急激に上昇し、その結果、乾燥時のドット収縮が大きな課題になっていた。本発明らによって検討した結果、記録媒体を予め加熱することで記録媒体の濡れ性を向上することが可能になり、形成したインクドットが記録媒体に濡れ拡がるようになった。その結果、乾燥時のドット収縮を抑制し、画質むらのない良好な記録画像を得ることができた。
更に、定着性、耐水性を向上するため、インクにEmを加えることができる。しかしながら、非吸収性記録媒体、低吸収性記録媒体が定着性、耐水性を付与するのに十分な量をインクに含有すると、インク中の固形分量が多くなり、安定吐出性が困難になる。本発明者らによって更に鋭意検討した結果、インクに含有するEmのガラス転移温度(Tg)と記録媒体を予め加熱する温度を調整することにより、十分な定着性、耐水性と安定吐出性の両立が可能になったのである。
(活性エネルギー線架橋性高分子)
本発明のインクジェットインク(以下、単にインクともいう)においては、高分子化合物として、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有することを特徴とする。
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、例えば、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。
側鎖としてはノニオン性、アニオン性、両性(ベタイン化合物)が好ましく、特に、色材としてアニオン性顔料と組み合わせる場合には、インク保存性の観点からノニオン性またはアニオン性であることが好ましく、特に好ましくはノニオン性である。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、ケン化度は77%以上、99%以下であることが耐水性の観点から好ましい。また、重合度は200以上、4000以下であることが好ましく、200以上、2000以下がハンドリングの観点からより好ましく、200以上、500以下が吐出性の観点から更に好ましい。重合度が200以上であれば、架橋による増粘効果が適度に認められ、ブリード耐性が十分である。また重合度が4000以下であれば、ノズルが目詰まりすることなく連続出射が良好になる。
親水性主鎖に対する側鎖の変性率は0.8モル%以上、4.0モル%以下であることが好ましく、1.0モル%以上、3.5モル%以下であることが反応性の観点からより好ましい。0.8モル%以上であれば十分な耐水性が得られ、4.0モル%以下であれば架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
特開昭60−129742号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾニウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、又は、下記一般式(3)で表され4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、を有する樹脂組成物である。
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
式中、Rはアルキレン基又は芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
式中、R2はMe又はH、nは1又は2を表し、Xは−(CH2m−COO−、−CH2−COO−又は−O−、Yは芳香族環又は単結合、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
式中、R3はMe又はHを表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
本発明のインクにおいては、水溶性光重合開始剤を添加することが好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される水溶性光重合開始剤について、特に制限はないが、混合性、反応効率の観点から、特に、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶製の観点から下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの水溶性光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
これらの水溶性光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物は、元々ある程度の重合度をもった主鎖の側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する紫外線線硬化型樹脂と比べて光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。これにより非常に高い硬化感度が実現できたのである。
本発明に用いられる活性エネルギー線架橋性高分子においては架橋点の数は親水性主鎖の長さと、側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
(活性エネルギー線、照射方法)
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が上げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源として、例えば、数100Paから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
(インク着弾後の光照射条件)
活性エネルギー線の照射条件としては、記録媒体上にインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
(ランプの設置)
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性光線の 照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、インクが定着する際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
(樹脂微粒子)
本発明のインクにおいては、上記説明した親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物と共に、樹脂微粒子を含有することを特徴とする。
当該活性エネルギー線高分子と当該樹脂微粒子を併用することで、プリント後活性エネルギー線照射によりインクがゲル化して不溶になり、ブリードが抑制され、更に予め加熱した記録媒体が、印字後室温まで冷やされる過程において、樹脂微粒子が画像サンプルに皮膜形成することで、顔料を定着し、耐擦性、耐水性の向上を図ることができる。
本発明に係る樹脂微粒子は、ガラス転移点(Tg)が40℃以上105℃未満である。ガラス転移点(Tg)が40℃以上であれば、ヘッド部でインクが乾燥しても成膜しないため一定時間吐出休止後の吐出性、いわゆる間欠吐出性が良好である。
更に、ガラス転移点(Tg)は予め加熱した記録媒体の温度以下であることが更に好ましい。予め加熱した記録媒体の温度以下であれば、記録媒体上均一に樹脂微粒子が濡れ拡がり、記録媒体が室温に冷やされる過程で成膜し、良好な耐擦性、耐水性を得ることができる。ガラス転移点(Tg)は、温度を変化させる過程において熱膨張係数及び比熱などが不連続的に変化することを利用して公知の方法で測定することができる。
本発明に係る樹脂微粒子としては、ポリウレタン、スチレン−アクリル、スチレン−ブタジエン、スチレン−マレイン酸、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、アクリル変性シリコーン樹脂、アクリル変性フッ素樹脂などからなる樹脂微粒子、またはこれらの共重合体及びこれらの塩からなる樹脂微粒子が挙げられ、好ましくはポリウレタン、ポリスチレン−アクリル、ポリスチレン−ブタジエン、スチレン−マレイン酸の中の少なくとも一つから選ばれる共重合体である。
本発明に係る樹脂微粒子として特に好ましくはポリウレタン系樹脂微粒子であり、インク中の揮発成分が揮発した後に存在する活性エネルギー線架橋性高分子との相溶性が良好であるという特徴をもつために、プリント画像の光沢性が非常に良好であるという効果を併せもつものである。ポリウレタン系樹脂微粒子は、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系、芳香族イソシアネート系などが挙げられるが、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系が更に好ましい。具体的にはスーパーフレックスシリーズ(第1工業製薬)、パーマリンUAシリーズ(三洋化成)等が使用でき、これらの中から選ばれる1種、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明に係る樹脂微粒子は、乳化剤を用いて強制的に乳化した強制乳化型、樹脂に親水性基または親水性セグメントを付与し分散させた自己乳化型のいずれであってもよい。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、スルホン酸基、カルボン酸基等の親水性基を有するポリマー(例えば、親水性基がグラフト結合しているポリマー、または親水性部分を持つ単量体と疎水性部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
近年、ラテックスのポリマー粒子として、粒子全体が均一であるポリマー粒子を分散したラテックス以外に、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプのポリマー粒子を分散したラテックスも存在するが、このタイプのラテックスも好ましく用いることができる。
本発明のインクジェットインクにおいて、樹脂微粒子の平均粒径は10nm以上、200nm以下が好ましく、更に好ましくは、10nm以上、150nm以下である。樹脂微粒子の平均粒径が10nm以上であれば、定着性に優れ、また200nm以下であれば、良好な光沢性を得ることができる。樹脂微粒子の平均粒径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。
また、本発明のインクジェットインクにおいて、本発明に係る樹脂微粒子の含有量としては、色材に対し10質量%以上、200質量%以下であることが好ましい。含有量が色材に対して10質量%以上であれば十分な耐擦過性、耐水性を得ることができ、また200質量%以下であれば、保存安定性が良好になる。
(顔料)
本発明のインクに使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
本発明のインクにおける色材含有量としては、1〜20質量%で好ましく用いられる。
本発明のインクで適用する顔料は、通常、分散剤を用いて公知の分散手段により分散されるが、適用可能な分散剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、または水溶性高分子分散剤を挙げることができる。本発明のインクにおいて好ましく用いることができる水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることが保存安定性の観点から好ましい。
水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等のような水溶性樹脂である。
水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜5質量%である。これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
また、本発明で用いることのできる顔料分散手段としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー、高圧ホモジナイザー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
また、本発明のインクジェット用インクでは、着色剤として自己分散顔料を用いることもできる。自己分散顔料とは、分散剤なしで分散が可能な顔料を指し、特に好ましくは、表面に極性基を有している顔料粒子である。
表面に極性基を有する顔料粒子とは、顔料粒子表面に直接極性基で修飾させた顔料、あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接にまたはジョイントを介して極性基が結合しているもの(以下、顔料誘導体という)をいう。
極性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはカルボン酸基、スルホン酸基、更に好ましくは耐水性の観点からカルボン酸基である。
本発明のインクに使用する顔料分散体の平均粒径は、500nm以下が好ましく、吐出性の観点から200nm以下がより好ましい。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
(水溶性溶媒)
本発明に係る溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン等)、スルホキシド類(例え cば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
(界面活性剤)
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、顔料の分散剤としても用いることができ、特にアニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
(各種添加剤)
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
本発明のインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防腐剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
(記録方法)
本発明のインクジェット記録方法においては、本発明のインクジェットインクを、インクジェットヘッドを用いて、記録媒体に吐出して画像形成する。
本発明のインクジェット記録方法で使用するインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。また、印字方式としては、シリアルヘッド方式、ラインヘッド方式等で制限無く用いることができるが、その中でも、特に、目詰まりに対する要求が厳しいラインヘッド方式を有するインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録方法に好ましくも用いることができる。
(記録媒体)
本発明のインクジェット記録方法に適用可能な記録媒体としては、様々なメディアを使用することができ、例えば、紙、プラスチック、金属、布、ゴムなどを挙げることができる。これらのうち一般的に画像を形成する用途としてのインクジェット記録媒体として好ましいのは、紙、プラスチックフィルムである。本発明の効果をいかんなく発揮できるのは、プラスチックフィルム、レジンコート紙、合成紙などである。
紙としては、普通紙、非塗工紙、塗工紙などが使用できる。また、プラスチックフィルムとしては一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがあるが、特に、ポリ塩化ビニルフィルムであることが好ましい。レジンコート紙とは、紙基材の両面を樹脂で被覆したもので、よく知られたレジンコート紙としては、紙の両面をポリエチレン樹脂で被覆した写真用レジンコート紙がある。合成紙としてはユポコーポレーション製のユポ紙、東洋紡製クリスパーなどがある。
記録媒体によっては、水系インクに対して濡れ性が悪い場合がある。特に、プラスチックフィルム、レジンコート紙、合成紙に対して水系インクの濡れ性が悪い。本発明では、記録媒体をあらかじめ加熱することで、記録媒体の表面状態を変化させ、水系インクに対する濡れ性を向上している。
本発明の加熱による記録媒体への濡れ性向上効果は、プラスチックフィルム、レジンコート紙、合成紙で効果が大きい。特に、塩化ビニルフィルムでの濡れ性向上効果が大きい。
(記録媒体の予備加熱)
本発明のインクジェット記録方法では、インクジェット用インクを印字する前に記録媒体を加熱することを特徴とする。記録媒体を予め加熱することで、水系インクに対する濡れ性が向上し、ドット径が記録媒体に良好に濡れ拡がり、画質むらのない画像が得られる。加熱は、記録媒体の温度が45℃以上、105℃未満になるようにする。45℃より低いと水系インクに対する濡れ性向上が不十分であり、105℃を越えると記録媒体によっては熱で変形してしまい記録媒体の搬送性が悪化することがある。記録媒体の加熱は、インクジェット用インクを印字する前に記録媒体を加熱するが、印字後も引き続いて加熱を施してもよい。
記録媒体の加熱方法としては、特に制限はないが、例えば、加熱ファン、面ヒーター、加熱ローラ、加熱ベルト、ハロゲンヒーターや遠赤外線ヒーターなどの輻射熱加熱などが挙げられ、適宜選択あるいは組み合わせて適用することができる。
(記録媒体の予備加熱方法)
以下に、図を用いて本発明のインクジェット記録方法で適用可能な記録媒体の加熱方法を示すが、本発明ではこれら例示する方法にのみ限定されるものではない。
図1は、予備加熱手段として乾燥ファンを用いた記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。
図1において、画像印字部1は、キャリッジ4上に、インクジェット用インクを吐出する画像記録ヘッド2、インク着弾後に活性エネルギー線を照射する照射光源3を備えている。この画像印字部の下流側に、加熱ファン8を設置し、これにより搬送する記録媒体Pを45〜105℃の範囲に加熱を行う。7は記録媒体Pを図で右から左の搬送するための搬送ローラであり、6は搬送する記録媒体Pを保持するためガイドローラである。
図1に記載の加熱ファン8は、内部に発熱手段、例えば、電熱線、ヒータ等を設け、そこに空気を流入させて、熱風として記録媒体に吹き付け、記録媒体を所定の温度まで加熱を行う。
図2は、予備加熱手段として面ヒーターを用いた記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。
図2では、画像印字部1は図1と同様の構成をとり、その上流部に記録媒体Pの被印字面の背面側に面ヒータ9を設置して、記録媒体Pを加熱する方法である。
面ヒータ9は、その内部にニクロム線の発熱体を平面状に敷設し、アルミ板等でその表面を被覆した加熱部材であり、アルミ板の特性を生かし、曲面形状として記録媒体との接触状態をよくしてもよい。
図3は、予備加熱手段として輻射熱加熱手段を用いた記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。
図3では、画像印字部1は図1と同様の構成をとり、その上流部の記録媒体Pの被印字面側に、熱源10及び反射板11から構成される輻射熱加熱手段を配置し、熱源10から発せられる輻射熱により、記録媒体を所定の温度まで加熱を行う。
熱源としては、例えば、ハロゲンランプ、遠赤外線ヒータ等を用いることができる。
また、図3においては、熱源10、反射板11を記録媒体Pの被印字面側に配置しているが、記録媒体Pの背面に配置して、加熱を行ってもよい。
図4は、予備加熱手段として加熱ローラを用いた記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。
図4では、画像印字部1は図1と同様の構成をとり、その上流部に加熱ローラを配置して、記録媒体Pを所定の温度まで加熱を行う。
図4のa)では、記録媒体Pが直線的に搬送する場合には、記録媒体の裏面側に内部に加熱手段13を備えた加熱ローラ14を配置し、記録媒体の表面側には加圧ローラ12を設けて、効果的な加熱を行う。
図4のb)は、記録媒体の搬送経路に屈曲部を有する場合の加熱方法を示したものであり、この時は加熱ローラ14のみで記録媒体Pを保持、加熱する。
加熱ローラ14としては、中空の芯金内部に加熱手段13を内包している。パイプ状の芯金は、主には金属から構成され、芯金を構成する金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
また、内部に保持する加熱手段13としては、ハロゲンランプ、電磁誘導コイル、ニクロム線等の発熱体を用いることができる。また、加熱ローラと加圧ローラのローラ対は、1組であっても、複数組を0並列して配置した構成であってもよい。
図5は、予備加熱手段として加熱ベルトを用いた記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。
図5では、画像印字部1は図1と同様の構成をとり、その上流部に加熱ベルトBを配置して、記録媒体Pを所定の温度まで加熱を行う。エンドレスベルトによる加熱方法は、記録媒体との接触時間を長くすることができ、効果的な加熱を行うことができる。
加熱ベルトBは、図4と同様の加熱ローラ14と、サポートローラ15でエンドレスベルト16を保持、搬送させながら、加熱されたエンドレスベルト16を介して、記録媒体Pを加熱する。
エンドレスベルト16の材質としては、特に制限はないが、可暁性を備え、熱伝導率の高い素材、例えば、金属板、プラスチック等から構成されていることが好ましい。エンドレスベルトとしては、例えば、基体としてニッケル電鋳ベルトを用いた金属ベルトや、ポリイミドやポリアミド等を用いた耐熱性の樹脂ベルトの外側(外周面)に、絶縁性のシリコンゴムを被覆したものに、離型層として表面にフッ素樹脂(PFA)コーティング加工を施したもの等を挙げることができる。
図6は、予備加熱手段として面ヒーターを印字部近傍に配置した記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。
図6では、図2に対し、面ヒーター9を画像印字部1近傍の記録媒体Pの背面側に設置して、記録媒体Pを加熱する方法である。
図7は、予備加熱手段として加熱ローラと面ヒーターとを併用した記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。
図7においては、図4に記載の予備加熱手段として加熱ローラを用いた方式に、更に面ヒータ9を画像印字部1近傍の記録媒体Pの背面側に設置して、記録媒体Pを加熱する方法である。
図8は、予備加熱手段として輻射熱加熱手段を印字部近傍に配置した記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。
図8では、図3に対し、熱源10及び反射板11から構成される輻射熱加熱手段を画像印字部1近傍の記録媒体Pの背面側に設置して、記録媒体Pを加熱する方法である。
図9は、予備加熱手段として加熱ベルトを印字部近傍に配置した記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。
図9のa)は、図5と同様の加熱ローラ14、サポートローラ15及びエンドレスベルト16から構成した方式であり、図9のb)は、1対のサポートローラ15でエンドレスベルト16を保持し、その内面側に面ヒータ9を配置してエンドレスベルトを加熱する方式である。
(乾燥工程)
本発明のインクジェット記録方法においては、上記説明した各予備加熱手段によりあらかじめ記録媒体を加熱した後、インクジェット用インクを吐出し、活性エネルギー線を照射した後、乾燥工程を用いて乾燥することが好ましい。活性エネルギー線照射後に、後加熱し、更に乾燥工程を用いて乾燥することは、更に好ましい。
本発明に係る後加熱及び乾燥工程に適用できる加熱及び乾燥手段としては、特に制限はないが、上記予備加熱手段で適用するのと同様の加熱手段を適宜選択して用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《活性エネルギー線架橋性高分子化合物の合成》
(活性エネルギー線架橋性高分子化合物1の合成)
ポリアクリル酸(質量平均分子量60万)の100gを、800gのメタノールに加熱溶解させた後、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルの16gと触媒としてピリジンの12gを加え、55℃に保ちながら24時間攪拌した、更に、系の温度を95℃に上げ、水を滴下しながらメタノールを溜去した後、イオン交換樹脂(三菱化学性:PK−216H)処理を行い、ピリジンを除去して不揮発性分濃度15%の水溶液を得た。この水溶液に、光重合開始剤として、前記一般式(7)のn=1のイルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を、14%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して、10%の活性エネルギー線架橋性高分子化合物1の水溶液を得た。
(活性エネルギー線架橋性高分子化合物2の合成)
グリシジルメタクリレート58g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド42g、ピリジン3g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩1gを反応容器に入れ、80度の湯浴中で8時間攪拌した。
次いで、重合度2300、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物の45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸を4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを、ポリビニルアルコールに対して変性率が3.0モル%になる様に加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加え2時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤としてイルガキュア2959(前出)を、15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して10%の活性エネルギー線架橋性高分子化合物2の水溶液を得た。
(活性エネルギー線架橋性高分子化合物3〜7の合成)
上記活性エネルギー線架橋性高分子化合物2の合成において、表1に記載のポリ酢酸ビニルケン化物の重合度、ケン化度となる様に調整し、更にp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの添加量を変更して導入変性率を調整した以外は同様にして、10%の活性エネルギー線架橋性高分子化合物3〜7の水溶液を得た。
(活性エネルギー線架橋性高分子化合物8)
一般式(4)でRがp−フェニレン基で表される化合物(東洋合成工業製RSP、主鎖PVA重合度400、ケン化度88%、変性率3.0mol%)を水で希釈して、10%の活性エネルギー線架橋性高分子化合物8を得た。
(水性紫外線硬化型樹脂微粒子)
水性紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂エマルジョン(固形分40%、大成化工社製、商品名:WBR−839)を水で希釈して、10%の水性紫外線硬化型樹脂微粒子の水溶液を得た。
《インクセットの調製》
下記の様にして、インクセット1〜14を調製した。
〔インクセット1〜14の調製〕
(顔料分散液の調製)
〈マゼンダ顔料分散液の調製〉
以下の各添加剤を混合し、0.8mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、マゼンタ顔料の含有量が15%のマゼンダ顔料分散液を調製した。このマゼンタ顔料分散液に含まれるマゼンタ顔料粒子の平均粒径は78nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
C.Iピグメントレッド122 15部
ジョンクリル61
(スチレンアクリル系樹脂分散剤、ジョンソン社製、固形分量30%) 10部
グリセリン 20部
イオン交換水 残部
〈ブラック顔料分散液の調製〉
Cabot社製のカーボンブラック自己分散物 cabojet300をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が15%のブラック顔料分散液を調製した。得られた。このブラック顔料分散液に含まれるカーボンブラック粒子の平均粒径は128nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
(インクセット1の調製)
〈マゼンタ顔料インク1の調製〉
マゼンタ顔料分散液(固形分量15%) 20部
活性エネルギー線架橋性高分子化合物1水溶液(固形分量10%) 28部
樹脂微粒子:スーパーフレックス110(ウレタン系樹脂微粒子、Tg=48℃、
粒径=0.09μm、固形分量30%、第1工業製薬株式会社製) 4.5部
(樹脂微粒子量は、固形分相当量である)
2−ピロリジノン 15部
エチレングリコール 10部
オルフィンE1010(日信化学社製) 1部
イオン交換水を加えて、100部に仕上げた。
〈ブラック顔料インク1の調製〉
上記マゼンタ顔料インク1の調製において、マゼンタ顔料分散液に代えてブラック顔料分散液を用いた以外は同様にして、ブラック顔料インク1を得た。
得られた、マゼンタ顔料インク1とブラック顔料インク1を組み合わせてインクセット1とした。
(インクセット2〜14の調製)
上記インクセット1の調製において、活性エネルギー線架橋性高分子化合物の種類と樹脂微粒子の種類を、表1に記載の様に変更した以外は同様にして、インクセット2〜14を調製した。
(予備加熱方法)
方法1:図1に記載の構成からなり、画像印字部の上流側に予備加熱手段として電熱線を内蔵した乾燥ファンを配置して、印字0.5秒前に表1に記載の温度となるように記録媒体の予備加熱を行った。
方法2:図2に記載の構成からなり、画像印字部の上流で、記録媒体Pの背面側に予備加熱手段として、ニクロム線の発熱体を平面状に敷設し、アルミ板その表面を被覆した面ヒータを設置して、印字0.5秒前に表1に記載の温度となるように記録媒体の予備加熱を行った。
方法3:図3に記載の構成からなり、画像印字部の上流側に予備加熱手段として遠赤外線ヒータを熱源として用いた輻射熱加熱手段を配置して、印字0.5秒前に表1に記載の温度となるように記録媒体の予備加熱を行った。
方法4:図4(a)に記載の構成からなり、画像印字部の上流側に予備加熱手段としてハロゲンランプを内蔵した加熱ローラを設置して、印字0.5秒前に表1に記載の温度となるように記録媒体の予備加熱を行った。
方法5:図5に記載の構成からなり、画像印字部の上流側に予備加熱手段としてハロゲンランプを内蔵した加熱ローラ、サポートローラ、エンドレスベルトから構成される加熱ベルトを設置して、印字0.5秒前に表1に記載の温度となるように記録媒体の予備加熱を行った。
方法6:図6に記載の構成からなり、印字部下部で、記録媒体Pの背面側に予備加熱手段として、ニクロム線の発熱体を平面状に敷設し、アルミ板その表面を被覆した面ヒータを設置して、印字0.2秒前に表1に記載の温度となるように記録媒体の予備加熱を行った。
方法7:図8に記載の構成からなり、印字部下部で、記録媒体Pの背面側に遠赤外線ヒータを熱源として用いた輻射熱加熱手段を配置して、印字0.2秒前に表1に記載の温度となるように記録媒体の予備加熱を行った。
方法8:図9のa)に記載の構成からなり、印字部下部で、記録媒体Pの背面側に、予備加熱手段としてハロゲンランプを内蔵した加熱ローラ、サポートローラ、エンドレスベルトから構成される加熱ベルトを設置して、印字0.2秒前に表1に記載の温度となるように記録媒体の予備加熱を行った。
〈記録媒体〉
PVC:ポリ塩化ビニル(LINTEC社製 LAGマウント E−430ZW)
PET:白色ポリエチレンテレフタレートフィルム
RC:写真用レジンコート紙(坪量が180g/m2の基紙の両面にポリオレフィン樹脂層を被覆)
《加熱処理、画像形成及び評価》
表2に記載の様に、インクセット、記録媒体、加熱手段及び加熱温度を組み合わせて、下記の各評価を行なった。ノズル孔径25μm、駆動周波数10kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)のピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型インクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、1滴当たり12plを吐出する条件に設定して、印字部を作製した。
《インクジェット画像の形成及び評価》
(連続吐出性)
20℃、30%RHの環境下で、画像形成に用いたインクジェットプリンターを用いて表1記載のインクセットを装着し、クリーニングをせずに1時間連続して吐出を続けた後の状態を目視観察し、下記に示す基準に従って吐出安定性を評価した。
◎:全ノズルから正常に出射
○:2〜4ノズルに目詰まりが見られるが、ノズル面を水に濡らしたキムワイプS−200(クレシア製)で拭き取ることで回復
△:5ノズル以上に目詰まりが発生し、ノズル面を水に濡らしたキムワイプS−200(クレシア製)で拭き取ることにより回復不可能な目詰まりが1ノズル発生するが、実用上許容できる範囲にある
×:8ノズル以上に目詰まりが発生し、ノズル面を水に濡らしたキムワイプS−200(クレシア製)で拭き取ることによりにより回復不可能な目詰まりが2ノズル発生
××:12ノズル以上に目詰まりが発生し、ノズル面を水に濡らしたキムワイプS−200(クレシア製)で拭き取ることにより回復不可能な目詰まりが3ノズル以上発生。
(間欠吐出性)
20℃、30%RHの環境下で、画像形成に用いたインクジェットプリンターを用いて表1記載のインクセットを装着し、20秒間連続吐出→一定時間休止→連続吐出の間欠動作を行った。この際、吐出休止後の最初で吐出方向の乱れが発生するか否かは休止時間の長さで決まるので、吐出休止時間の長さを段階的に変えることにより、間欠吐出の安定性を測定し、以下の基準で評価した。
◎:30秒から40秒間休止しても安定に吐出した
○:20秒から29秒間休止しても安定に吐出した
△:10秒から19秒間休止しても安定に吐出した
×:5秒から9秒間休止しても安定に吐出した
××:4秒以下しか安定吐出しなかった
△以上の性能を実用上許容レベルとした。
(光沢性の評価)
記録媒体PVCに黒のベタをプリントした。なお、インクを連続吐出し、着弾した後0.05秒後に、150W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射し、評価画像サンプルを作製した。
評価画像サンプルの光沢感を目視観察し、下記の基準に従って評価を行った。
◎:記録面と下地の光沢度差がほとんど無く自然である
○:記録面と下地の光沢度がわずかに異なる
△:記録面と下地の光沢度が異なることが目視で観察できるが、実用上許容できる範囲にある
×:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が下地より低い
××:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が下地より著しく低い。
(カラーブリード耐性の評価)
表2に記載の記録媒体にマゼンタのベタ画像上に印字ポイントを変化させた黒文字を配した画像パターンを出力した。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.05秒後に、150W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
以上により得られた画像について、色混ざりの有無を目視観察し、下記の基準に従ってカラーブリード耐性の評価を行った。
◎:色混ざりの発生が全くなし
○:色混ざりが少しあるが、6ポイント文字が確認できる
△:色混ざりがややあるが、8ポイント文字が確認でき、実用上許容できる範囲にある
×:色混ざりがひどく、11ポイント文字のみ確認できた
××:色混ざりがかなりひどく、11ポイント文字でも確認が不可能。
(耐擦過性の評価)
表2に記載の記録媒体に黒のベタをプリントした。着弾後の照射処理もカラーブリード耐性の評価画像サンプル作製と同様に実施した。
以上により形成した画像サンプルを消しゴム(MONOトンボ鉛筆社製)で8回擦った後、プリント部分の汚れの発生の有無を目視観察し、下記の基準に従って耐擦過性の評価を行った。
◎:印字画像に全く変化なし
○:詳細に観察すると、わずかに印字画像に汚れが観察される
△:やや印刷画像に汚れが観察されるが、実用上許容できる範囲にある
×:印字画像の汚れが明確に観察され、実用上許容範囲外の品質である
××:印字画像がかなり汚れており、実用に耐えない。
(耐水性の評価)
上記耐擦過性の評価と同様にして、評価画像サンプルを作製した。評価画像サンプルを、キムワイプS−200(クレシア製)に水を含ませて8回こすり画像濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準に従って耐水性の評価を行った。
◎:色落ちの発生が全く認められない
○:若干の色落ちが見られるが、画像としては気にならない
△:色落ちがやや確認でき、画質の低下も僅かに認められるが、実用上許容できる範囲にある
×:色落ちが大きく、画質への影響が大で、実用上許容範囲外の品質である
××:色落ちがかなり大きく、画像が激しく汚れ、実用に耐えない。
(画質むらの評価)
表2に記載の記録媒体に黒のベタ画像10cm×10cmをプリントした。着弾後の照射処理もカラーブリード耐性の評価画像サンプル作製と同様に実施した。
評価画像サンプルについて、ドットの濡れ拡がりによる画質について、シート面を肉眼により下記基準で判定した。
◎:画質にむらがなく、良好な画像が得られる
○:画質にわずかな濃度のむらが生じる
△:ドットの濡れ拡がりが不十分な箇所があり、画質にむらが観察できるが、実用上許容できる範囲にある
×:ドット径が目視で確認でき、画質のむらがシート全面に確認できる
××:画質のむらが著しい。
(搬送性)
表1に記載の予備加熱方法を実験番号に応じて選択し、図に記載の予備加熱手段における搬送ローラ又は加圧ローラにおける搬送性を評価した。記録媒体としてPVCを用いて毎分100枚で20枚搬送し、搬送性を下記の基準で評価した。
◎:紙詰まりが起きなかった
○:紙詰まりが起きた回数が1〜3回
△:紙詰まりが起きた回数が4〜6回
×:紙詰まりが起きた回数が7〜9回
××:搬送が不可能だった。
表2から本発明の試料はいずれも優れた性能を示すことが判る。
予備加熱手段として乾燥ファンを用いた記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。 予備加熱手段として面ヒーターを用いた記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。 予備加熱手段として輻射熱加熱手段を用いた記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。 予備加熱手段として加熱ローラを用いた記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。 予備加熱手段として加熱ベルトを用いた記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。 予備加熱手段として面ヒーターを印字部近傍に配置した記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。 予備加熱手段として加熱ローラと面ヒーターとを併用した記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。 予備加熱手段として輻射熱加熱手段を印字部近傍に配置した記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。 予備加熱手段として加熱ベルトを印字部近傍に配置した記録媒体の加熱方法の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 画像印字部
2 画像記録ヘッド
3 照射光源
4 キャリッジ
5 走査ガイド
6 ガイドローラ
7 搬送ローラ
8 加熱ファン
9 面ヒータ
10 熱源
11 反射板
12 加圧ローラ
13 加熱手段
14 加熱ローラ
15 サポートローラ
16 エンドレスベルト
B 加熱ベルト
P 記録媒体

Claims (9)

  1. 少なくとも顔料、高分子化合物及び樹脂微粒子を含有し、該高分子化合物は親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であり、該樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)が40℃以上105℃未満であるインクジェットインクを、予め加熱した記録媒体に吐出した後、活性エネルギー線を照射して記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記記録媒体が、プラスチックフィルム、レジンコート紙または合成紙であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記プラスチックフィルムが、ポリ塩化ビニルフィルムであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 予め加熱した記録媒体の温度が、45℃以上、105℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)が、予め加熱した記録媒体の温度以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記樹脂微粒子が、ポリウレタン系樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記高分子化合物は、親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、かつJIS K 6726で測定したケン化度が77〜99%、重合度が200以上、4000以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記高分子化合物の親水性主鎖に対する側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. インクジェットインクを記録媒体に吐出した後、活性エネルギー線を照射後、後加熱し更に乾燥させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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