JP5549993B2 - 印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷方法に関し、特に、密着性向上のため、印刷時の記録媒体の温度や記録媒体の表面処理を工夫した印刷方法に関する。
近年、高い耐水性、耐溶剤性や耐擦過性等を有する印字を印刷メディアの表面に形成するために、紫外線硬化インクが使用されている。この紫外線硬化インクは、重合性化合物および光重合開始剤を有し、当該インクを印刷メディア上に吐出し、紫外線照射によりインク組成物を重合させ、固化することにより印字が行われる。この際、印刷メディアとしては、非吸収メディア、即ち、インクを吸収しない印刷メディア上に吐出するため、印刷メディアとインクとの密着性が、印字特性に大きな影響を及ぼす。
例えば、下記特許文献1には、被記録媒体を加熱して記録を行うインクジェット記録装置において、熱効率を向上させる技術が開示されている。また、下記特許文献2には、電磁輻射線硬化型液体組成物を、効率的に硬化させるために、記録媒体を加熱する技術が開示されている。また、下記特許文献3には、記録媒体上に吐出されたインクをマイクロウエーブ加熱装置で加熱する技術が開示されている。
特開2005−125513号公報 特開2006− 62346号公報 特開2007− 8351号公報
本発明者は、紫外線硬化インクの印刷特性の向上に関する研究・開発を行っており、鋭意検討の結果、印刷特性、特に密着性の向上には、印刷メディアの温度および印刷メディア(記録媒体)の表面状態が深く関係していることに到達した。
そこで、本発明に係る具体的態様は、印刷時の記録媒体の温度および記録媒体の表面処理を工夫することにより、印刷特性を向上させることを目的とする。
本発明に係る印刷方法は、記録媒体を30℃以上に昇温する工程と、30℃以上に昇温された前記記録媒体上に、重合性化合物と、光重合開始剤とを有する、インク組成物を吐出する工程と、吐出された前記インク組成物に、光を照射することにより前記重合性化合物を重合させる工程とを有する。
好ましくは、前記記録媒体は、ポリエステル系樹脂を用いて表面処理された記録媒体である。
好ましくは、前記ポリエステル系樹脂は、多価アルコールとジカルボン酸との脱水縮合体であり、前記ジカルボン酸は、イソフタル酸又はグルタル酸である。
このように、記録媒体を30℃以上に昇温することにより、記録媒体とインクとの密着性が向上し、印刷特性が良好となる。加えて、上記記録媒体として、ポリエステル系樹脂を用いることにより、記録媒体とインクとの密着性がさらに向上する。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
[インク組成物]
本実施形態に係るインク組成物は、1)重合性化合物および2)光重合開始剤を少なくとも有する。
1)重合性化合物
本実施形態のインク組成物に用いられる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により紫外線などの光の照射時に重合し、固化する化合物であれば、特に制限はないが、単官能基、2官能基、及び3官能基以上の多官能基を有する種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。
前記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、前記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記で列挙したものの中でも(メタ)アクリル酸のエステル、即ち(メタ)アクリレートが好ましい。
前記(メタ)アクリレートのうち、単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(メタ)アクリレートのうち、2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(メタ)アクリレートのうち、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、他の単官能モノマーや多官能モノマーとして、N−ビニル化合物を含んでいてもよい。N−ビニル化合物としては、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、およびそれらの誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、硬化時の塗膜の伸び性が高く、かつ低粘度であるため、インクジェット記録時の射出安定性が得られやすいという観点から、重合性化合物として、単官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。さらに塗膜の硬さが増すという観点から、単官能(メタ)アクリレートと2官能(メタ)アクリレートとを併用することがより好ましい。上記の重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、上記単官能(メタ)アクリレートは、芳香環骨格、飽和脂環骨格及び不飽和脂環骨格からなる群より選択される1種以上の骨格を有することが好ましい。前記重合性化合物が前記骨格を有する単官能(メタ)アクリレートであることにより、インク組成物の粘度を低下させ、かつ、上記のエポキシ基含有ポリマーをインク組成物中に効果的に溶解させることができる。
芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、飽和脂環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、不飽和脂環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
2)光重合開始剤
本実施形態のインク組成物に含まれる重合開始剤は、紫外線などの光のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば、制限はないが、ラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤を使用することができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
上記のラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーフォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、チバ・ジャパン社(Ciba Japan K.K.)製)、DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、及びユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。
上記光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、前述の重合性化合物として光重合性の化合物を用いることで、光重合開始剤の添加を省略することも可能であるが、光重合開始剤を用いた方が、重合の開始を容易に調整することができ、好適である。
3)色材
本実施形態のインク組成物として、色材をさらに含んでもよい。前記色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方である。
(顔料)
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
また、有機顔料として、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(たとえば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。上記顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても水に不溶であればいずれも使用できる。
(染料)
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
4)調整剤(その他の成分)
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた成分以外の成分を含んでもよい。例えば、界面活性剤を含んでも良い。
界面活性剤としては、例えばシリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(ビックケミー・ジャパン株式会社)を挙げることができる。
また、重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤を添加することにより、インク組成物の保存安定性が向上する。重合禁止剤としては、例えば、ヒンダードアミン系重合禁止剤のIRGASTAB UV10(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社)などを用いることができる。
さらに、分散剤、重合促進剤、スリップ剤、浸透促進剤及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤を含んでも良い。その他の添加剤としては、例えば定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤及び増粘剤が挙げられる。
[印刷メディア]
印刷メディア(記録媒体)としては、基材に所定の表面処理を行った印刷メディアを用いる。基材としては、非吸収メディアであれば特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂材料を用いることができる。
上記基材に、ポリエステル系樹脂を用いた表面処理を行い、基材表面に、処理層(樹脂層、コート層)を設ける。基材表面に、ポリエステル系樹脂がコート(固定)されれば、その処理方法に制限はないが、例えば、ポリエステル系樹脂を溶剤に溶解し、基材上に塗布した後、乾燥させることにより、ポリエステル系樹脂層を基材上に形成してもよい。ポリエステル系樹脂とは、−CO−O−を分子の主鎖中にもつポリマーをいい、種々の構成が考えられるが、一例として、グリコールとジカルボン酸との脱水縮合体が挙げられる([化1]参照)。グリコールとしては、例えば、ジエチレングリコールが挙げられ、ジカルボン酸としては、後述の表3に示すものが挙げられる。また、グリコール(2価アルコール)のみならず、2価以上の多価アルコールを用いてもよい。
Figure 0005549993
[化1]において、R1、R2は、(CH2)nやベンゼン環などである。
[印刷方法]
上記印刷メディアをヒーター上に配置し、印刷メディア上部から前述のインク組成物をインクジェット法により吐出し、吐出液滴に対し紫外線(光)照射を行い、インク(各種重合性化合物)を重合させ、硬化させることにより印刷を行う。ヒーター温度は、30℃以上とし、印刷メディアを30℃以上に昇温する。
このように、本実施の形態においては、印刷メディアを30℃以上に昇温することにより、記録媒体とインクとの密着性を向上させ、印刷特性を良好とすることができる。加えて、上記印刷メディアとして、ポリエステル系樹脂を用いることにより、記録媒体とインクとの密着性をさらに向上させることができる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみに限定されるものではない。
[インク組成物]
表1に示すように、重合性化合物として、N−ビニルカプロラクタムを40質量%、光重合開始剤として、IRGACURE 819およびIRGACURE 369を、それぞれ4質量%、各種調整剤として、BYK UV3500を0.1質量%、IRGASTAB UV10を0.2質量%、色材としてピグメントブルー15:3を3質量%の割合で添加し、さらに重合性化合物としてトリプロピレングリコールジアクリレートを用い、全量を100質量%となるようインク<1>を調整した。この際、トリプロピレングリコールジアクリレートは、48.7質量%となる。
Figure 0005549993
[印刷メディア]
Figure 0005549993
表2に示すように、ポリエステル系樹脂を用いて表面処理された印刷メディアとして、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸を用いたポリエステル系樹脂で表面処理された印刷メディア<1>、ジカルボン酸成分としてグルタル酸を用いたポリエステル系樹脂で表面処理された印刷メディア<2>、ジカルボン酸成分としてアジピン酸を用いたポリエステル系樹脂で表面処理された印刷メディア<3>およびアミド系樹脂で表面処理された印刷メディア<4>を準備する。なお、表3に、イソフタル酸、グルタル酸およびアジピン酸の構造式を示す。
Figure 0005549993
各印刷メディア<1>〜<4>としては、ポリエチレンテレフタレート基材に、各樹脂で表面処理された印刷メディアを用いた。係る印刷メディアは、例えば、樹脂溶液をバーコータで塗布、乾燥して作成することができるが、ここでは、本発明者によるフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)による解析の結果、各樹脂が検出されたメディアを採用した。
上記印刷メディア<1>〜<4>をヒーター上に配置し、印刷メディア上部からインク<1>をインクジェット法により吐出し、吐出液滴に対し紫外線(光)照射を行い、インク(各種重合性化合物)を重合させ、硬化させることにより印刷を行った。各印刷メディアを3枚準備し、ヒーター温度を、20℃、30℃および40℃にて、印刷を行なった。
上記印刷物に対する密着性について評価を行った。密着性については、JIS K5600−5−6試験に準じた試験により測定を行った。具体的には、印刷メディアに複数のマスを区画するクロスカットを行い、各マスに印刷を行った後、セロハンテープによる剥離の有無(量)から、下記のレベルA〜Dに基づき評価した。
A:密着性レベル0〜1
B:密着性レベル2〜3
C:密着性レベル4〜5であり、
Aから順に密着性が低下することを示し、密着性レベルは、JIS K5600−5−6の分類に準ずるものである。
評価結果を表4に示す。
Figure 0005549993
表4に示すように、実施例1:30℃のメディア<1>を用いた印字、実施例2:40℃のメディア<1>を用いた印字、実施例3:30℃のメディア<2>を用いた印字、実施例4:40℃のメディア<2>を用いた印字、実施例5:30℃のメディア<3>を用いた印字、および実施例6:40℃のメディア<3>を用いた印字の場合には、比較例4:20℃のメディア<4>を用いた印字、比較例5:30℃のメディア<4>を用いた印字および比較例6:40℃のメディア<4>を用いた印字の場合と比較し、インクの良好な密着性が確認できた。
中でもジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびグルタル酸を用いたポリエステル系樹脂で表面処理を行ったメディア<1>および<2>を用いた場合(実施例1〜4)において、特に良好な結果が得られた。
しかしながら、上記メディア<1>〜<3>を用いた場合であっても、比較例1:20℃のメディア<1>を用いた印字、比較例2:20℃のメディア<2>を用いた印字および比較例3:20℃のメディア<3>を用いた印字から明らかなように、メディア温度が20℃と低い場合には、密着性が低下した。
また、本発明者の検討によれば、表5に示す組成のインクを用いても、表4に示す傾向は変わらなかった。表5に示す数値の単位は、〔質量%〕である。
Figure 0005549993
表5は、上述のインク組成物(表1)であるシアン(Cyan)インクの他、ブラック(Black)インク、マゼンタ(Magenta)インクおよびイエロー(Yellow)インクの3種を示したものであり、その組成を以下に説明する。
ブラック(Black)インクにおいては、重合性化合物として、N−ビニルカプロラクタムを40質量%、光重合開始剤として、IRGACURE 819およびIRGACURE 369を、それぞれ4質量%、各種調整剤として、BYK UV3500を0.1質量%、IRGASTAB UV10を0.2質量%、色材としてピグメントブラック7を3質量%の割合で添加し、さらに重合性化合物としてトリプロピレングリコールジアクリレートを用い、全量を100質量%となるようインク<1>を調整した。この際、トリプロピレングリコールジアクリレートは、48.7質量%となる。
マゼンタ(Magenta)インクにおいては、色材としてピグメントレッド122を3質量%の割合で添加した他は、ブラック(Black)インクと同様の組成である。
イエロー(Yellow)インクにおいても、色材としてピグメントイエロー180を3質量%の割合で添加した他は、ブラック(Black)インクと同様の組成である。
上記組成のブラック(Black)インク、マゼンタ(Magenta)インク又はイエロー(Yellow)インクを用いても表4に示す傾向は変わらなかった。
以上のとおり上記印刷メディア<1>〜<3>を30℃以上に昇温した状態で印字することによって、インクの密着性が向上することが判明した。特に、ポリエステル系樹脂を用いて表面処理された印刷メディアを用いることが好ましく、中でも、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸又はグルタル酸を用いたポリエステル系樹脂で表面処理された印刷メディアを用いることが好ましい。なお、印刷メディアの変形防止の観点から印刷メディア温度は60℃以下が好ましい。

Claims (9)

  1. 記録媒体を30℃以上に昇温する工程と、
    30℃以上に昇温された前記記録媒体上に、重合性化合物を主成分とする非水系のインク組成物であって、前記重合性化合物として(メタ)アクリレートを少なくとも含み、光重合開始剤としてラジカル重合開始剤を含む、インク組成物を吐出する工程と、
    吐出された前記インク組成物に、光を照射することにより前記重合性化合物を重合させる工程と、を有する印刷方法。
  2. 前記記録媒体は、ポリエステル系樹脂を用いて表面処理された記録媒体である請求項1記載の印刷方法。
  3. 前記ポリエステル系樹脂は、多価アルコールとジカルボン酸との脱水縮合体であり、
    前記ジカルボン酸は、イソフタル酸又はグルタル酸である請求項2記載の印刷方法。
  4. 前記インク組成物を吐出する際の前記記録媒体の温度が40℃以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷方法。
  5. 前記インク組成物は、前記重合性化合物としてさらにN−ビニル化合物を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷方法。
  6. 前記インク組成物は、前記(メタ)アクリレートとして2官能(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の印刷方法。
  7. 前記インク組成物は、前記ラジカル重合開始剤として、アシルホスフィン化合物、アルキルアミンのいずれかを少なくとも含む、請求項1〜6のいずれかに記載の印刷方法。
  8. 前記記録媒体が、非吸収性の記録媒体であり、基材の表面に樹脂層を設けたものである、請求項1〜7のいずれかに記載の印刷方法。
  9. 前記基材が樹脂材料を用いた基材である、請求項8記載の印刷方法。
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