JP2012066441A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】インク定着手段を、そのアクセス面が下向きになるように配設することができると共に、記録媒体の上方に配設することができる。
【解決手段】水平軸周りに回転し、長尺の記録媒体Ａを円形の外周面４１ａに密着させて送る回転ドラム４１により、外周面４１ａに倣う円弧状の印刷送り経路Ｌ１に沿って記録媒体Ａを送る媒体送り機構３１と、印刷送り経路Ｌ１に沿って配設された複数のヘッドユニット５２を有し、送られてゆく記録媒体Ａにインクを吐出着弾して記録を行う印刷手段４９と、回転ドラム４１の上半部から回転ドラム４１の接線方向に記録媒体Ａを送り出す送出しローラー２３と、回転ドラム４１から送り出した記録媒体Ａに上方から臨み、吐出着弾したインクを定着する本硬化ユニット３４と、を備えた。
【選択図】図１

Description

本発明は、紙やフィルム等の長尺の記録媒体を回転体に添わせて送りながら記録処理を行うインクジェット記録装置に関するものである。

従来、インクジェット記録装置として、水平軸周りに回転し、外周面に巻かれた長尺の記録媒体を搬送する搬送ドラムと、搬送ドラムの外周面に沿って配置されたインクジェット方式の複数の印刷部と、搬送ドラムの下部において、搬送ドラムに記録媒体を送り込む送込みローラーと、搬送ドラムの下部において、搬送ドラムから接線方向に記録媒体を送り出す送出しローラーと、を備えたものが知られている（特許文献１参照）。

特開平１０−８６４７２号公報

ところで、この種のインクジェット記録装置では、吐出着弾したインクを定着するインク定着手段を設けることが考えられる。例えば、インクとして紫外線硬化インクを用いた場合、記録画像に紫外線を照射してインクを定着させる紫外線照射装置が必要となる。また、記録画像を本硬化させる紫外線照射装置は、グロスコントロールを考慮して、印刷部から送り方向の下流側に所定の距離、離した位置に配置することが好ましい。然るに、上記のインクジェット記録装置では、搬送ドラムから送り出され、且つ送出しローラーに至るまでの記録媒体に臨んで、インク定着手段を配設することが考えられる。
しかしながら、このような構成では、記録媒体が搬送ドラムの下部から接線方向に送り出されるため、下向きの記録媒体の記録面に対面させるべく、アクセス面（例えば、紫外線照射装置の照射面）が上向きになるようにインク定着手段を設置せざるを得ない。アクセス面が上向きになると、上方からのパーティクルやインクミストがアクセス面に付着しやすく、インク定着手段に不具合が生じてしまうという問題がある。また、インク定着手段を記録媒体の下方に配設する構成となるため、インク定着手段から発生する熱によって、その上方に位置する記録媒体が熱せられる。すなわち、インク定着手段の熱によって記録媒体にダメージを与えてしまうという問題があった。

本発明は、インク定着手段を、そのアクセス面が下向きになるように配設することができると共に、記録媒体の上方に配設することができるインクジェット記録装置を提供することを課題としている。

本発明のインクジェット記録装置は、水平軸周りに回転し、長尺の記録媒体を円形の外周面に密着させて送る回転体により、外周面に倣う円弧状の送り経路に沿って記録媒体を送る媒体送り手段と、送り経路に沿って配設された複数の記録ユニットを有し、送られてゆく記録媒体にインクを吐出着弾して記録を行う媒体記録手段と、回転体の上半部から回転体の接線方向に記録媒体を送り出す送出し手段と、回転体から送り出した記録媒体に上方から臨み、吐出着弾したインクを定着するインク定着手段と、を備えたことを特徴とする。

この構成によれば、回転体の上半部から接線方向に記録媒体を送り出し、且つ送り出した記録媒体に上方から臨んでインク定着手段を配設することにより、記録媒体の表面（記録面）を、上側として送り出すことができるため、インク定着手段のアクセス面を下向きに配設することができる。ゆえに、上方からのパーティクルやインクミストが、アクセス面に付着することを抑制することができる。また、インク定着手段を、記録媒体の上方に配設することができるため、インク定着手段から発生する熱が上方に逃げ、記録媒体を熱することがない。すなわち、インク定着手段の熱によって記録媒体にダメージを与えることがない。なお、ここにいう「インク」は、定着処理が必要であるものであれば、溶媒の乾燥によって定着するインクであっても良いし、熱硬化する熱硬化インクであっても良い。また、紫外線等の活性エネルギー線によって硬化する活性エネルギー硬化型インクであっても良い。

この場合、インク定着手段は、送出し手段による送出し位置よりも下流側の領域において、送り出した記録媒体に沿って配置位置を可変に構成されていることが好ましい。

この構成によれば、インク定着手段の配置位置を変更することで、吐出着弾したインクのグラスコントロールを行うことできる。

この場合、送り経路に沿って配設され、吐出着弾したインクを仮定着するインク仮定着手段を、更に備え、インク仮定着手段は、送り経路において、回転体の下側に位置する仮定着エリアに配設されており、媒体記録手段は、仮定着エリアの上流側および下流側に位置する記録エリアに分散して配設されていることが好ましい。

インクジェット方式の記録ユニットには、吐出方向を上向きにしてしまうと、重力の影響により精度良く吐出着弾することができないという性質がある。
これに対し、上記の構成によれば、回転体の下側を、インク仮定着手段を配設する仮定着エリアとし、その上流側および下流側を、記録ユニットを配設する記録エリアとすることで、上記性質を考慮し、記録ユニットが上向きとなることなく、且つ記録ユニットおよびインク仮定着手段を、スペース効率良く配設することができる。

この場合、媒体記録手段は、下地用インクを吐出着弾する１以上の下地用の記録ユニットを有し、１以上の下地用の記録ユニットは、上流側の記録エリアに配設されていることが好ましい。

この構成によれば、上流側の記録エリアにおいて、下地用インクの記録処理（吐出着弾）を行い、仮定着エリアで当該下地用インクを仮定着させた後、実記録処理を行う構成となる。これによって、下地用インクと実記録処理でのインクとの混色を防止し、良質な記録結果を得ることができる。

この場合、送出し手段は、外周面の上端から、水平方向に記録媒体を送り出すことが好ましい。

この構成によれば、記録媒体を水平方向に送り出すため、インクジェット記録装置が上に広くなることがない。よって、インクジェット記録装置における高さ方向の省スペース化を図ることができる。

この場合、回転体に記録媒体を送り込む送込み手段を、更に備え、送込み手段は、記録媒体を、送出し手段による外周面からの送出し経路に沿って送った後、経路変更して回転体に送り込むことが好ましい。

この構成によれば、送込み手段が、送出し経路に沿った経路で、記録媒体を送った後、回転体に送り込むため、インクジェット記録装置の更なる省スペース化を図ることができる。

この場合、インクは、活性エネルギー線硬化型インクであり、インク定着手段は、活性エネルギー線を照射して、活性エネルギー線硬化型インクを硬化するエネルギー線照射装置を、有していることが好ましい。

この場合、活性エネルギー線硬化型インクは、紫外線硬化インクであり、エネルギー線照射装置は、活性エネルギー線として紫外線を照射することが好ましい。

これらの構成によれば、熱を発しやすいエネルギー線照射装置を用いた場合においても、記録媒体へのダメージ抑制効果を発揮することができる。なお、「活性エネルギー線硬化型インク」として、電子線硬化インク、放射線硬化インク、もしくは赤外線硬化インクを用いても良い。

本実施形態に係るインクジェット記録装置を示した正面図である。 第１変形例のインクジェット記録装置を示した正面図である。 第２変形例のインクジェット記録装置における装置本体を示した正面図である。

以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。このインクジェット記録装置は、周方向に複数のヘッドユニットを配置したセンタードラム式の記録装置であり、リールツーリールで供給した長尺の記録媒体に、紫外線硬化インク（ＵＶインク）を用いて印刷処理を実施する。記録媒体としては、例えばラベル用のフィルムや用紙等のシート状のもの（いわゆるロール紙）であって、各種幅および厚みの異なるものを印刷対象としている。

図１は、インクジェット記録装置１を示した模式図である。以降の説明では、図１中右側を右、図１中左側を左として説明する。図１に示すように、インクジェット記録装置１は、記録媒体Ａに印刷を行うセンタードラム式の装置本体２と、装置本体２に記録媒体Ａを供給する媒体供給装置３と、印刷済みの記録媒体Ａを回収する媒体回収装置４と、これら構成装置を統括制御する制御装置（図示省略）と、を備えている。装置本体２は、記録媒体Ａを密着させて送る大口径の回転ドラム４１により、その外周面４１ａに沿って記録媒体Ａを印刷送りする。すなわち、装置本体２、媒体供給装置３および媒体回収装置４に構成した記録媒体Ａの媒体送り経路Ｌは、回転ドラム４１の外周面４１ａに沿った円弧状の印刷送り経路（送り経路）Ｌ１と、記録媒体Ａを供給して回転ドラム４１に送り込む供給送り経路Ｌ２と、記録媒体Ａを回転ドラム４１から送り出して回収する回収送り経路（送出し経路）Ｌ３と、を有している。

媒体供給装置３は、ロール状に巻回した記録媒体Ａを繰り出す繰出しリール１１と、繰出しリール１１を繰出し回転させる繰出しモーター（図示省略）と、繰出しリール１１の下流側に配設され、記録媒体Ａにフォワードテンションを付与するフォワードテンションユニット１２と、フォワードテンションユニット１２の下流側に配設され、記録媒体Ａを幅方向に位置決めしつつ装置本体２に供給するステアリングユニット１３と、を備えている。フォワードテンションユニット１２は、ダンサーロールおよび一対の固定ロールを有したダンサーロール方式のテンションユニットである。

制御装置により、装置本体２に同期して繰出しモーターを駆動すると、繰出しリール１１から記録媒体Ａが繰り出される。繰り出された記録媒体Ａは、フォワードテンションユニット１２により所定のテンションを付与されつつ、供給送り経路Ｌ２に沿って送られ、最終的に、ステアリングユニット１３により幅方向の位置を矯正されつつ装置本体２に供給される。なお、詳細は後述するが、供給された記録媒体Ａは、装置本体２の送込みローラー４２を介して、回転ドラム４１の左斜め上部（送込み位置Ｐ２）に送り込まれる。

媒体回収装置４は、印刷済みの記録媒体Ａをロール状に巻き取る巻取りリール２１と、巻取りリール２１を巻取り回転させる巻取りモーター（図示省略）と、巻取りリール２１の上流側に配設され、記録媒体Ａにバックテンションを付与するバックテンションユニット２２と、バックテンションユニット２２の上流側に配設され、回転ドラム４１から記録媒体Ａを送り出す送出しローラー（送出し手段）２３と、を備えている。バックテンションユニット２２は、ダンサーロールおよび一対の固定ロールを有したダンサーロール方式のテンションユニットである。

制御装置により、装置本体２に同期して巻取りモーターを駆動すると、記録媒体Ａは、バックテンションユニット２２により所定のバックテンションを付与されつつ、回転ドラム４１から送り出され、回収送り経路Ｌ３に沿って送られてゆく。装置本体２から送り出された記録媒体Ａは、送出しローラー２３およびバックテンションユニット２２を経て、巻取りリール２１に巻き取られる。なお、巻取りリール２１に巻き取られた記録媒体Ａは、別工程の装置に導入され、ラベルとして裁断され或いはラベル部分にハーフカットが施される。

送出しローラー２３は、回収送り経路Ｌ３に沿って、回転ドラム４１の最上端（送出し位置Ｐ１）から水平方向左側に記録媒体Ａを送り出し、その後、経路変更して、記録媒体Ａをバックテンションユニット２２に導く。すなわち、送出しローラー２３は、記録媒体Ａを、回転ドラム４１の最上端から接線方向に送り出す構成となっている。詳細は後述するが、送出しローラー２３によって水平方向に送り出された記録媒体Ａに臨んで、後述の本硬化ユニット３４が配設される。

装置本体２は、大口径の回転ドラム４１を有し、印刷送り経路Ｌ１に沿って記録媒体Ａを送る媒体送り機構（媒体送り手段）３１と、回転ドラム４１に対し放射状に配設されると共に、インクジェット方式のヘッドユニット５２を有した８個のキャリッジユニット３２と、回転ドラム４１の下部に臨み、吐出着弾した紫外線硬化インクを仮硬化する仮硬化ユニット（インク仮定着手段）３３と、回転ドラム４１から送り出された記録媒体Ａに臨み、吐出着弾した紫外線硬化インクを本硬化する本硬化ユニット（インク定着手段）３４と、これらを内部に収容し、温度および清浄度を管理するチャンバー３５と、を備えている。なお、８個のキャリッジユニット３２に装着された８個のヘッドユニットにより、記録媒体Ａに印刷処理を行う印刷手段（媒体記録手段）４９が構成されている。

記録媒体Ａは、送出しローラー２３により、回転ドラム４１の最上端を送出し位置Ｐ１として左側に送り出され、後述の送込みローラー４２により、送出し位置Ｐ１の左側に近接した位置（左斜め上部）を送込み位置Ｐ２として、左側から送り込まれる。よって、回転ドラム４１の外周面４１ａ全域亘る円弧状の印刷送り経路Ｌ１が形成されており、また外周面４１ａ全域に臨んで、キャリッジユニット３２および仮硬化ユニット３３のユニット配設エリアＢが設定されている。

媒体送り機構３１は、横倒しの王冠状に形成された回転ドラム（回転体）４１と、回転ドラム４１を水平軸周りに回転させるドラム回転機構（図示省略）と、回転ドラム４１に記録媒体Ａを送り込む送込みローラー（送込み手段）４２と、を備えている。ドラム回転機構は、ドラム軸を介して回転ドラム４１を片持ちで回転自在に支持する軸受けと、回転ドラム４１を一方向に低速回転させるドラムモーターと、ドラム軸とドラムモーターとの間に介設したベルトドライブの動力伝達機構と、を備えている（いずれも図示省略）。ドラムモーターは、例えばサーボモーターで構成され、回転ドラム４１の外周面４１ａにおける周速（印刷速度）が一定になるように、回転ドラム４１を回転させる。

回転ドラム４１は、最大幅の記録媒体Ａに対応する幅を有した円形の外周面４１ａを有している。また、外周面４１ａには滑り止めとなる焼付け塗装が施されている。これにより、記録媒体Ａは、滑止め加工された回転ドラム４１の外周面４１ａに密着し、回転する回転ドラム４１により円（円弧）を描くように送られる。そして、この送りに同期して各ヘッドユニット５２を適宜駆動することにより、記録媒体Ａに印刷が行われる。

送込みローラー４２は、回転ドラム４１に対し左斜め上側に近接して配設されており、供給送り経路Ｌ２に沿って、ステアリングユニット１３から水平方向に記録媒体Ａを導き、その後、経路変更して、回転ドラム４１の左斜め上部（送込み位置Ｐ２）送り込む。ステアリングユニット１３から送込みローラー４２に至る供給送り経路Ｌ２は、回転ドラム４１から送出しローラー２３に至る回収送り経路Ｌ３に沿って相互に平行に形成されている。すなわち、送込みローラー４２は、記録媒体Ａを、回転ドラム４１（外周面４１ａ）からの回収送り経路Ｌ３に沿って送った後、回転ドラム４１に送り込む構成となっている。なお、上記の供給送り経路Ｌ２と回収送り経路Ｌ３とは、水平から幾分傾いたものでもよいし、完全に平行でなくてもよい。

８個のキャリッジユニット３２は、印刷送り経路Ｌ１に沿って回転ドラム４１に対し放射状に配設されており、また、ユニット配設エリアＢの左側部（印刷送り経路Ｌ１の上流側）に設定された上流側記録エリア（上流側の記録エリア）Ｂ１と、ユニット配設エリアＢの右側部から上部にかけて（印刷送り経路Ｌ１の下流側）設定された下流側記録エリア（下流側の記録エリア）Ｂ２と、に分割して配設されている。８個のキャリッジユニット３２は、下地用のインク（下地用インク）３色と、実印刷用のＣ（シアン）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロー）、Ｋ（ブラック）等のインク５色と、にそれぞれ対応したインク色別のユニットである。また、上流側記録エリアＢ１には、下地用のインク３色の３個のキャリッジユニット３２を配設し、下流側記録エリアＢ２には、実印刷用のインク５色の５個のキャリッジユニットを配設している。なお、実印刷用のインク５色に代えて、実印刷用のＣ・Ｍ・Ｙ・Ｋの４色のインクおよび仕上げ用のインク１色のキャリッジユニット３２を配設しても良い。かかる際、仕上げ用のインクのキャリッジユニット３２は、下流側記録エリアＢ２の最下流に配設する。

各キャリッジユニット３２は、キャリッジ５０と、キャリッジ５０に装着され、複数のインクジェットヘッド５１を搭載したヘッドユニット（記録ユニット）５２と、複数のインクジェットヘッド５１に吐出波形を印加するヘッド制御基板モジュール（図示省略）と、を備えている。各インクジェットヘッド５１は、そのノズル面に相互に並行な２列のノズル列（図示省略）を有している。複数のインクジェットヘッド５１および各ノズル列は、ノズル列方向に位置ずれして配設されており、この複数のインクジェットヘッド５１に亘る全ノズル列により、記録媒体Ａの幅方向に延在するラインヘッドが構成されている。すなわち、色別のキャリッジユニット３２に装着された各ヘッドユニット５２により、色別のラインヘッドを構成している。

インクジェットヘッド５１から吐出する各色のインクは、上記したように、紫外線によって硬化する可燃性の紫外線硬化インクである。インクジェットヘッド５１から記録媒体Ａに吐出着弾された紫外線硬化インク（記録画像）は、仮硬化ユニット３３および本硬化ユニット３４によって、記録媒体Ａ上に定着（仮定着もしくは本定着）される。

仮硬化ユニット３３は、紫外線硬化インクを仮硬化する仮硬化ＵＶランプ５５を１個または複数個有し、ユニット配設エリアＢの下側（回転ドラム４１の下側：印刷送り経路Ｌ１の上下流の中間）に設定した仮硬化エリア（仮定着エリア）Ｂ３に配設されている。仮硬化ユニット３３は、外周面４１ａに臨んだ仮硬化ＵＶランプ５５によって、仮硬化に適用した出力で紫外線を照射し、記録媒体Ａに吐出着弾した紫外線硬化インク（記録画像）を混色が生じない程度に仮硬化（半硬化）させる。このように、仮硬化エリアＢ３の上流側（上流側記録エリアＢ１）で吐出着弾された下地用のインクを仮硬化することで、下地用のインクと実記録用のインクとが混色することを防止し、良質な記録結果を得ることができる。

本硬化ユニット３４は、紫外線硬化インクを本硬化する本硬化ＵＶランプ（エネルギー線照射装置）５６と、本硬化ＵＶランプ５６を冷却するダクト接続の冷却用ダクト５７と、を有している。本硬化ＵＶランプ５６は、メタルハライドランプや水銀ランプ等で構成されており、紫外線を照射する照射面５６ａ（アクセス面）を有し、本硬化に適用した出力で紫外線を照射して、記録媒体Ａに吐出着弾された紫外線硬化インクを本硬化させる。本硬化ＵＶランプ５６は、回転ドラム４１から送り出された記録媒体Ａに上方から臨み、且つ照射面５６ａを下向きにして配設されている。すなわち、記録媒体Ａの記録面に対し、照射面５６ａが対向するように、好ましくは平行に配設されている。
また、本硬化ユニット３４は、記録媒体Ａの送出し位置Ｐ１よりも下流の領域において、送り出した記録媒体Ａに沿って、配置位置を変更可能に構成されていても良い。かかる場合、本硬化ユニット３４の配置位置を変更することで、吐出着弾したインクの硬化タイミングを変更し、グロスコントロールを行うことができる。さらにいえば、例えば、本硬化ユニット３４を、送り出した記録媒体Ａに沿ってスライド自在に支持するスライド機構を備え、本硬化ユニット３４の配置位置を変更自在とする構成であっても良し、本硬化ユニット３４を、送り出した記録媒体Ａに沿って移動するユニット移動機構を備え、これによって本硬化ユニット３４の配置位置を変更とする構成であっても良い。

以上のような構成によれば、回転ドラム４１の上半部から接線方向に記録媒体Ａを送り出し、且つ送り出した記録媒体Ａに上方から臨んで本硬化ユニット３４を配設することにより、記録媒体Ａの表面（記録面）を、上側として送り出すことができるため、本硬化ユニット３４の照射面５６ａを下向きに配設することができる。ゆえに、上方からのパーティクルやインクミストが、照射面５６ａに付着することを抑制することができる。また、本硬化ユニット３４を、記録媒体Ａの上方に配設することができるため、本硬化ユニット３４から発生する熱が上方に逃げ、記録媒体Ａを熱することがない。すなわち、本硬化ユニット３４の熱によって記録媒体Ａにダメージを与えることがない。さらに、本硬化ユニット３４を装置本体２の上部に配設することができるため、本硬化ユニット３４から発生する熱が上方に逃げ、他の構成部材を熱することがない。

また、送出し位置Ｐ１と送込み位置Ｐ２とが近接しているため、回転ドラム４１の外周面４１ａ全域を印刷送り経路Ｌ１とすることができる。そのため、回転ドラム４１の径に比して、外周面４１ａ上の記録媒体Ａに臨む配設スペース（ユニット配設エリアＢ）を広くすることができる。また、記録媒体Ａへの接触面積を広くすることができるため、記録媒体Ａのスリップ（回転ドラム４１に対する位置ズレ）を有効に防止することができる。

さらに、回転ドラム４１の下側を、仮硬化ユニット３３を配設する仮硬化エリアＢ３とし、その上流側および下流側を、キャリッジユニット３２（ヘッドユニット５２）を配設する記録エリアＢ１、Ｂ２とすることで、ヘッドユニット５２が上向きとなることなく、且つキャリッジユニット３２および仮硬化ユニット３３を、スペース効率良く配設することができる。

またさらに、記録媒体Ａを外周面４１ａの上端から、水平方向に送り出すことにより、インクジェット記録装置１が上に広くなることがない。よって、インクジェット記録装置１における高さ方向の省スペース化を図ることができる。

また、送込みローラー４２が、回収送り経路Ｌ３に沿った供給送り経路Ｌ２で、記録媒体Ａを送った後、回転ドラム４１に送り込むため、インクジェット記録装置１の更なる省スペース化を図ることができる。

なお、上記実施形態においては、本硬化ＵＶランプ５６として、メタルハライドランプや水銀ランプ等を用いたが、ＵＶＬＥＤランプ（ＵｌｔｒａＶｉｏｌｅｔ Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ Ｌａｍｐ）を用いて本硬化を行う構成であっても良い。また、上記実施形態においては、回収送り経路Ｌ３の上流端部に本硬化ユニット３４を臨ませる構成であったが、回転ドラム４１から送出しローラー２３に至る送り経路全域に臨んで、本硬化ユニット３４を配設する本硬化エリアを設定し、当該経路全域で本硬化を行う構成であっても良い。また、同様に、回転ドラム４１からバックテンションユニット２２に至る送り経路全域に臨んで、本硬化エリアを設定する構成であっても良い。特に、これらの送り経路全域に臨んで、低出力のＵＶＬＥＤランプを多数配設することで、冷却機構を簡易化することができる。

（第１変形例）
また、上記実施形態においては、回収送り経路Ｌ３の上流端部に臨んで本硬化ユニット３４を配設する構成であったが、図２に示すように、この位置に、記録媒体Ａにコーティング剤を塗布する塗布装置６１を配設し、その下流位置に本硬化ユニット３４を配設する構成であっても良い。かかる場合、印刷済みの記録媒体Ａを簡単な構成で全面コーティングすることができる。なお、塗布装置６１は、スプレーコーター式のものであっても良いし、ロールコーター式のものであっても良い。無論、インクジェット方式のものであっても良い。

（第２変形例）
さらに、上記実施形態においては、送出しローラー２３により、最上端から水平方向に記録媒体Ａを送り出すと共に、送出し位置Ｐ１に近接した送込み位置Ｐ２に記録媒体Ａを送込む構成であったが、回転ドラム４１の上半部から接線方向に送り出す構成であれば、これに限るものではない。例えば、図３に示すように、送出し位置Ｐ１を右斜め上部とし、その送出し位置Ｐ１から接線方向（右斜め下方向）に記録媒体Ａを送り出すと共に、左斜め下部の送込み位置Ｐ２に記録媒体Ａを送り込む構成であっても良い。

またさらに、上記実施形態においては、紫外線硬化インクを用いて印刷処理を行ったが、活性エネルギー線によって硬化する活性エネルギー硬化型インクであれば、例えば、赤外線硬化インク、電子線硬化インクや放射線硬化インク等を用いても良い。ひいては、定着処理が必要であるものであれば、溶媒の乾燥によって定着するインクを用いても良いし、熱硬化する熱硬化インクを用いても良い。かかる際、インクに対応するインク定着手段を用いるものとする。

１：インクジェット記録装置、 ２３：送出しローラー、 ３１：媒体送り経路、 ３３：仮硬化ユニット、 ３４：本硬化ユニット、 ４１：回転ドラム、 ４１ａ：外周面、 ４２：送込みローラー、 ４９：印刷手段、 ５１：ヘッドユニット、 ５６：本硬化ＵＶランプ、 Ａ：記録媒体、 Ｂ１：上流側記録エリア、 Ｂ２：下流側記録エリア、 Ｂ３：仮硬化エリア、 Ｌ１：印刷送り経路、 Ｌ３：回収送り経路、 Ｐ１：送出し位置、 Ｐ２：送込み位置

Claims (8)

1. 水平軸周りに回転し、長尺の記録媒体を円形の外周面に密着させて送る回転体により、前記外周面に倣う円弧状の送り経路に沿って前記記録媒体を送る媒体送り手段と、
   前記送り経路に沿って配設された複数の記録ユニットを有し、送られてゆく前記記録媒体にインクを吐出着弾して記録を行う媒体記録手段と、
   前記回転体の上半部から前記回転体の接線方向に前記記録媒体を送り出す送出し手段と、
   前記回転体から送り出した前記記録媒体に上方から臨み、吐出着弾した前記インクを定着するインク定着手段と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
2. 前記インク定着手段は、前記送出し手段による送出し位置よりも下流側の領域において、送り出した前記記録媒体に沿って配置位置を可変に構成されていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録装置。
3. 前記送り経路に沿って配設され、吐出着弾した前記インクを仮定着するインク仮定着手段を、更に備え、
   前記インク仮定着手段は、前記送り経路において、前記回転体の下側に位置する仮定着エリアに配設されており、
   前記媒体記録手段は、前記仮定着エリアの上流側および下流側に位置する記録エリアに分散して配設されていることを特徴とする請求項１または２に記載のインクジェット記録装置。
4. 前記媒体記録手段は、下地用インクを吐出着弾する１以上の下地用の記録ユニットを有し、
   前記１以上の下地用の記録ユニットは、上流側の前記記録エリアに配設されていることを特徴とする請求項３に記載のインクジェット記録装置。
5. 前記送出し手段は、前記外周面の上端から、水平方向に前記記録媒体を送り出すことを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
6. 前記回転体に前記記録媒体を送り込む送込み手段を、更に備え、
   前記送込み手段は、前記記録媒体を、前記送出し手段による前記外周面からの送出し経路に沿って送った後、経路変更して前記回転体に送り込むことを特徴とする請求項１ないし５のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
7. 前記インクは、活性エネルギー線硬化型インクであり、
   前記インク定着手段は、活性エネルギー線を照射して、前記活性エネルギー線硬化型インクを硬化するエネルギー線照射装置を、有していることを特徴とする請求項１ないし６のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
8. 前記活性エネルギー線硬化型インクは、紫外線硬化インクであり、
   前記エネルギー線照射装置は、前記活性エネルギー線として紫外線を照射することを特徴とする請求項７に記載のインクジェット記録装置。

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