JP2013119214A - インクジェット装置 - Google Patents

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司 山浦
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Abstract

【課題】容易に被記録媒体を搭載する。
【解決手段】インクジェット装置1は、ヘッド2、紫外線照射部5、駆動部7を備え、インク吐出領域R1と、溶剤蒸散領域R2と、紫外線照射領域R3とがあり、駆動部7は、インク吐出領域R1、溶剤蒸散領域R2、紫外線照射領域R3の順にメディア100を移動させ、紫外線照射部5を移動させて開閉する開閉機構を有する。
【選択図】図1

Description

本発明はインクジェット装置に関する。
紫外線硬化型インクを用いるインクジェットプリンタとして、特許文献1には、印刷媒体上を漂うインクミストによる光源ユニットの汚れを抑制することを目的とするインクジェットプリンタが記載されている。
特開2010−735号公報(2010年1月7日公開)
特許文献1に記載のインクジェットプリンタは紫外線硬化型の樹脂が溶剤に溶解したインクを用いることができない。
ところで、紫外線硬化型の樹脂が溶剤に溶解したインクを用いるインクジェット印刷装置において、被記録媒体を容易に搭載可能なものが望まれている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、紫外線硬化型樹脂等の外部から刺激を受けて硬化する硬化型樹脂及び溶剤を含むインクを用いてインクジェットプリントする際に、容易に被記録媒体を搭載することができるインクジェット装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係るインクジェット装置は、刺激を与えることによって硬化する硬化型樹脂及び溶剤を含むインクを被記録媒体に吐出するヘッドと、上記被記録媒体上に吐出されたインク中の上記硬化型樹脂を硬化するための刺激を与える硬化部と、上記ヘッド及び上記硬化部と上記被記録媒体との位置を相対的に移動させる駆動部と、を備え、上記被記録媒体が上記ヘッドから吐出されるインクを受ける被吐出領域と、上記被記録媒体上に吐出されたインク中の溶剤を蒸散させるための溶剤蒸散領域と、上記被記録媒体上に上記刺激が付与される硬化領域と、が設けられており、上記被吐出領域及び上記溶剤蒸散領域と、上記硬化領域とは少なくとも異なる場所にあり、上記駆動部により、上記被吐出領域、上記溶剤蒸散領域、上記硬化領域の順に上記被記録媒体がそれぞれの領域に入るものであり、上記硬化部を移動させて、開閉する開閉機構を有していることを特徴としている。
溶剤を溶剤蒸散領域で蒸散させて、次に、硬化領域で硬化型樹脂を硬化させることができるので、硬化型樹脂及び溶剤を含むインクを用いてインクジェットプリントすることができる。
さらに、硬化部を開閉することにより被記録媒体を搭載するべき位置から硬化部を離すことができるため、容易に被記録媒体を搭載することができる。
本発明に係るインクジェット装置では、上記開閉機構は、上記硬化部を回動自在に支持するものであって、当該回動の軸となる支持部であり、上記軸は、上記被記録媒体を巻き取る回転部の長さ方向と平行であることが好ましい。
ローラ型の回転部に対して被記録媒体をより容易に搭載できる。また、硬化部を支持しながら開閉するので、硬化部を閉じる際の動作が安定し、硬化部をインクジェット装置本体に取り付けるときに互いに衝突することによる硬化部及びインクジェット装置本体の破損を防止することができる。
上記硬化部と上記被記録媒体の自装置に搭載したときの位置との距離である開口量は、上記支持部から離れるほど大きくなり、開口する領域は上記支持部より上記溶剤蒸散領域側にあることが好ましい。
開口量が大きいほど、硬化部と被記録媒体との距離を離すことができるため、容易に被記録媒体を硬化領域内に移動させて搭載することができる。また、被記録媒体を、当該被記録媒体の搬送経路の上流側から下流側に送る場合において、上流側の方が下流側に比べて広く開口することにより、上流側から下流側に向けて送りやすくなる。よって、例えば下流側の回転部に被記録媒体をセットすることが容易となる。
上記刺激は紫外線であり、上記硬化型樹脂は紫外線硬化型樹脂であり、上記硬化部は、長さ方向を有する複数の紫外線照射ランプを備えており、上記紫外線照射ランプは、上記被記録媒体の移動方向に対して直交であって、上記被記録媒体の面方向に平行な方向に配置されていることが好ましい。
紫外線照射ランプが被記録媒体の面方向に平行な方向に複数配置されているため、硬化部は被記録媒体の移動方向に沿って大型化する。例えば、安全規格上、自装置外への当該刺激の漏れが制限されており、硬化部と対面するようにカバーなどの被覆部材を設けた場合には、大型の硬化部とカバーとの間に被記録媒体が搭載する必要がある。このような場合であっても、わずかな角度開口しただけで開口量が大きくなり、容易に被記録媒体を硬化領域に通すことができる。
本発明によれば、紫外線硬化性樹脂等の外部から刺激を受けて硬化する硬化性樹脂及び溶剤を含むインクを用いてインクジェットプリントすることができ、また、容易に被記録媒体を搭載することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態であるインクジェット装置1の構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態であるインクジェット装置1の概観を示す図である。 本発明の一実施形態であるインクジェット装置1が備える紫外線照射部5を開口させたときの構成を示す図である。
〔インクジェット装置1の構成〕
以下、本発明の一実施形態であるインクジェット装置1の構成について図1及び図2を用いて説明する。図1はインクジェット装置1の構成を模式的に示す図である。図2はインクジェット装置1の概観を示す図である。
図1及び図2に示すようにインクジェット装置1はヘッド2、プラテン3、カバー4、8、紫外線照射部(硬化部)5、ファン6、駆動ローラ(駆動部)7a、駆動巻き取りローラ(駆動部、回転部)7b、支持部(開閉機構)9及び従動ローラ10a、10bを備えている。また、インクジェット装置1はメディア(被記録媒体)100に紫外線硬化型インクを吐出してインクジェットプリントするための装置である。
また、ヘッド2と後述するメインプラテン3bとの間にインク吐出領域(被吐出領域)R1が設けられている。カバー4と後述するアフタプラテン3cとの間に溶剤蒸散領域R2が設けられている。紫外線照射部5から照射される紫外線を受けることができる領域に紫外線照射領域(硬化領域)R3が設けられている。
ヘッド2はメディア100に紫外線硬化型インクを吐出するためのものである。これにより、メディア100上には紫外線硬化型樹脂及び溶剤が存在することとなる。なお、本実施形態では説明の簡単のためヘッド2が一つのみの場合について記載するが、ヘッド2の数は複数であってもよい。多くの場合、ヘッド2を複数備えており、例えばスタガ配列等を形成することによって、インク吐出領域R1においてメディア100にインクを吐出する。
本実施形態では紫外線硬化型インクを用いる装置について説明するが、本発明に係るインクジェット装置で使用できるインクが含む硬化型樹脂は、紫外線硬化型樹脂に限定されない。
ここで、本明細書において「硬化型樹脂」は、刺激を与えることによって硬化する樹脂をいう。例えば、モノマー及びオリゴマーのいずれか一方又は双方を含む、中粘度、例えば100〜2000で、紫外線(UV)等のエネルギー線で硬化する樹脂である。具体的には、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型樹脂、電子線の照射により硬化する電子線硬化型樹脂、エポキシ樹脂等のように熱で硬化する熱硬化型樹脂、ラテックス等のように乾燥させることで硬化する熱乾燥型硬化樹脂等が挙げられる。
また、紫外線硬化型樹脂としては、カチオン重合型樹脂、ラジカル重合型樹脂又はこれらの混合物であってもよい。
また、本発明に係るインクジェット装置で使用できるインクが含む溶剤の種類としては、硬化型樹脂の種類等に応じて適宜設定すればよい。
プラテン3は、プレプラテン3a、メインプラテン3b、アフタプラテン3cから構成されている。
プレプラテン3a、メインプラテン3b及びアフタプラテン3cのいずれもメディア100を載せるための載置台である。また、プレプラテン3a、メインプラテン3b及びアフタプラテン3cのいずれもその上に載せられるメディア100を加熱することができる。
カバー4はアフタプラテン3c上のメディア100を覆うためのものである。カバー4は以下の二つの機能を果たす。ただし、本発明に係るインクジェット装置がカバー4のような溶剤蒸散領域を覆う被覆部を備える場合、その機能は、以下の二つのいずれをも果たすものに限定されず、いずれか一方の機能を果たせばよい。
一つ目の機能は溶剤を蒸散させるための熱を、より長時間、溶剤蒸散領域R2に保つ機能である。アフタプラテン3cから発せられる熱がカバー4で覆っている領域である溶剤蒸散領域R2内により長時間保たれる。また、後述するファン6から運ばれる暖かい空気(気体)を溶剤蒸散領域R2により長時間留めることができる。これにより、メディア100は表面からも裏面からも温められ、より短時間で溶剤を蒸散させることができる。なお、ファン6から送られる空気を溶剤蒸散領域R2に導く形状をしていてもよい。つまり、本発明に係るインクジェット装置が備える送風部は、ファン等の送風機のみで構成されるものでもよく、送風機から送られる気体を導く誘導手段と送風機とで構成されていてもよい。
二つ目の機能は紫外線をインクジェット装置1外に漏れることを防ぐ機能である。メディア100が搬送される際に紫外線照射領域R3を通過させるために、紫外線照射部5とメディア100における当該紫外線照射部5に対向する領域との間に隙間が存在する。この隙間から紫外線が漏れる場合があるが、カバー4は、紫外線照射領域R3から漏れる紫外線の少なくとも一部がインクジェット装置1外に漏れることを防止する位置にある。よって、インクジェット装置1外に紫外線が漏れることを防ぐことができ、安全性が向上する。
次に、紫外線照射部5の構成について説明する。紫外線照射部5は後述の図3に示す紫外線ランプ5a、反射板5b及び支持部9を備えている。
紫外線ランプ5aから照射された紫外線は直接的に、又は、反射板5bで反射されて間接的にメディア100上に照射される。これによりメディア100上の紫外線硬化型樹脂は、紫外線の照射を受けて硬化する。
また、紫外線照射部5は、図1に示すように、アフタプラテン3cの末端であって、紫外線照射領域R3側の末端よりも、紫外線照射領域R3側にある。これにより、アフタプラテン3cの全ての熱を溶剤の蒸散のために利用できるので省エネルギーである。つまり、仮に、紫外線照射領域R3の一部がアフタプラテン3cに重畳していれば、アフタプラテン3cの全面を用いて加熱する前に紫外線硬化の処理が始まってしまう。しかし、本実施形態によれば、アフタプラテン3cと紫外線照射領域R3とが重畳していないので、アフタプラテン3cの全てを用いて溶剤を蒸散させた後に、紫外線照射を行なうことができる。また、アフタプラテン3cが発する熱がファン6による冷却に与える影響をより小さくすることができる。つまり、仮にアフタプラテン3cと紫外線照射領域R3とが重畳していれば紫外線照射領域R3がアフタプラテン3cによって温められてしまい、冷却効率が低下するが、アフタプラテン3cと紫外線照射領域R3とが重畳していないので、冷却効率の低下を防ぐことができる。また、アフタプラテン3cの全ての熱を効率よく溶剤の蒸散のために用いることができるため、アフタプラテン3cの設定温度をより低くしても十分な溶剤蒸散効果が得られるようになり、省エネルギーである。
ファン6は、紫外線ランプ5aの発熱により温められた空気を紫外線照射領域R3から溶剤蒸散領域R2に送るためのものである。これにより、紫外線照射部5を冷却することができ、また、溶剤の蒸散をより省エネルギー且つより迅速に行なうことができる。
カバー8は、紫外線照射部5に対向し、アフタプラテン3cと隣接するように設けられている。カバー8は紫外線照射部5と対向するように設けられているため、インクジェット装置1外に紫外線が漏れることを防ぐことができ、安全性が向上する。
支持部9は、紫外線照射部5を移動させて、メディア100をインクジェット装置1に搭載したときの位置から距離を離したり近づけたりさせるように開閉するためのものである。また、支持部9は、紫外線照射部5を回動自在に支持しており、当該回動の軸となっている。なお、紫外線照射部5が開閉する構成については後述する。
また、回動の軸となる支持部9は、メディア100を巻き取る後述の駆動巻き取りローラ7bの長さ方向と平行である。支持部9と駆動巻き取りローラ7bの長さ方向とは平行であるため、紫外線照射部5を移動(回動)させることによって、駆動巻き取りローラ7bの長さ方向について紫外線照射部5とメディア100との距離を離すことができる。
また、開閉により開口する領域は支持部9より溶剤蒸散領域R2側にある。換言すれば、支持部9からみてメディア100の搬送経路の上流側がより広く開口するように構成されている。これにより、上流側の従動ローラ10aに巻きつけられていたメディア100を、下流側に搬送して、インク吐出領域R1、溶剤蒸散領域R2、紫外線照射領域R3を渡して駆動巻き取りローラ7bにセットすることが容易となる。紫外線照射領域R3において、上流側の方が広く開口するので、メディア100の下流側の端を上流側から下流側に移動させやすいからである。
駆動ローラ7a及び駆動巻き取りローラ7bはメディア100を移動させるものであり、この2つのローラが駆動部7を構成している。駆動ローラ7aは、プレプラテン3aとメインプラテン3bとの間に配置されており、駆動巻き取りローラ7bは、カバー8に隣接した、メディア100の搬送経路の下流側に配置されている。駆動ローラ7a及び駆動巻き取りローラ7bはともにローラから構成されている。なお、駆動巻き取りローラ7bは本発明における回転部にも相当する。つまり、駆動巻き取りローラ7bは、本発明における駆動部の一部及び回転部の両方を構成している。
また、後述する従動ローラ10aに巻きつけられたメディア100を駆動巻き取りローラ7bが巻き取ることによって、メディア100が移動する。具体的には、メディア100は駆動ローラ7a及び駆動巻き取りローラ7bによって、インク吐出領域R1、溶剤蒸散領域R2、紫外線照射領域R3の順に移動させられる。
なお、駆動巻き取りローラ7bは駆動ローラ7aと同様に、駆動するものであるが、駆動ローラ7aよりも回転速度が速いことが好ましい。駆動巻き取りローラ7bの回転速度を駆動ローラ7aよりも早くすることによって、メディア100にたるみが生じず、安定してメディア100を搬送できる。
また、従動ローラ10a、10bは、駆動ローラ7a及び駆動巻き取りローラ7bによるメディア100の搬送を補助するためのものである。従動ローラ10aには、メディア100が巻きつけられており、回転させることによってメディア100をインク吐出領域R1等のある方へ供給することができる。また、メディア100を駆動ローラ7a上に載置し、駆動ローラ7aを駆動することにより、従動ローラ10aは従動回転し、メディア100は移動する。従動ローラ10bは、メディアを介して駆動ローラ7aと対面しており、駆動ローラ7aの駆動に応じて従動回転する。
なお、本発明に係るインクジェット装置が備える駆動部はローラに限定されず、被記録媒体と硬化部及びヘッドとの位置を相対的に移動させて、それぞれ異なる場所にある被吐出領域、溶剤蒸散領域及び硬化領域に、この順に被記録媒体が入るように駆動させるものであればよい。例えばベルトコンベア等で構成してもよい。また、被記録媒体を固定して、ヘッド及び紫外線ランプ等のインクジェット装置を構成する部材を移動させるものであってもよい。
次に、インクジェット装置1に設けられている3つの領域について説明する。
インク吐出領域R1は、メディア100がヘッド2から吐出されるインクを受ける領域である。この領域でメディア100には紫外線硬化型樹脂及び溶剤を含むインクを受ける。インク吐出領域R1はヘッド2が吐出するインクが届く領域である。
溶剤蒸散領域R2は、メディア100上に吐出されたインク中の溶剤を蒸散させるための領域である。具体的にはアフタプラテン3cの上であってカバー4で覆われている領域である。この領域にはアフタプラテンから発せられる熱及びファン6によって送られる空気があるため、メディア100上にある溶剤が蒸散し、メディア100上には紫外線硬化型樹脂が残る。
本実施形態における溶剤蒸散領域R2は熱により溶剤を蒸散させる領域であるが、本発明はこの形態には限定されない。つまり、本発明に係るインクジェット装置に設けられている溶剤蒸散領域は、溶剤を蒸散させるためのスペースであればよい。例えば、被記録媒体を放置しておくことによって、乾燥させて溶剤を蒸散させるためのスペースが設けられているだけでもよい。
また、本実施形態では、インク吐出領域R1と溶剤蒸散領域R2を別々に設けているが、本発明においてはこれらの領域は同一のものであってもよい。例えば、ヘッドに熱源を設けてヘッドからインクを被記録媒体に吐出するとともに、熱源によってインクに含まれる溶剤を蒸散させること、又は被吐出領域と対面している載置台に熱源を設けること等によって、被吐出領域と溶剤蒸散領域とを同一の領域にすることが可能である。被吐出領域と溶剤蒸散領域とが同一の領域の場合には、駆動部は被記録媒体を被吐出領域であり、且つ、溶剤蒸散領域である領域に入れた後に、上記硬化領域に入れる。
紫外線照射領域R3は、メディア100上の紫外線硬化型樹脂を硬化させるための紫外線が照射(付与)され得る領域である。つまり、紫外線ランプ5aから照射される紫外線が、紫外線硬化型樹脂を硬化させるために必要な量だけ照射され得る領域である。
〔紫外線照射部5の開閉〕
次に、メディア100を搭載してその端を駆動巻き取りローラ7bに巻きつけるときに、紫外線照射部5が開閉する構成について図3を用いて説明する。
図3は、本発明の一実施形態であるインクジェット装置1が備える紫外線照射部5を開口させたときの構成を示す図である。紫外線照射部5は、長さ方向を有する紫外線照射ランプ5aを三本備えている。そして、紫外線照射ランプ5aは、メディア100の移動方向に対して直交しており、メディア100の面方向に平行な方向に配置されている。
最初にメディア100をインクジェット装置1に搭載する際には、インク吐出領域R1、溶剤蒸散領域R2、紫外線照射領域R3を通しながら、メディア100の端を駆動巻き取りローラ7bまで誘導して、搭載する必要がある。
紫外線照射領域R3にメディア100を通すときには、紫外線照射部5とカバー8との間を通す必要がある。そこで、紫外線照射部5を開いて、矢印X方向の紫外線照射部5とカバー8の表面との距離が大きくなるようにする。これにより、メディア100は紫外線照射部5とカバー8との間を通りやすくなる。
紫外線照射部5とメディア100を搭載すべき位置との間の開口量(矢印X方向の紫外線照射部5とカバー8の紫外線照射部5側の表面との距離)は、支持部9から離れ、溶剤蒸散領域R2に近づくほど大きくなっている。開口量はメディア100を紫外線照射領域R3に搭載するときに最大にするとよい。開口量が大きいほど、紫外線照射部5とカバー8の紫外線照射部5側の表面との距離を離すことができるため、容易にメディア100を紫外線照射領域R3内に通すことができる。
仮に、紫外線照射部5が開閉機構を備えていない場合には、メディア100を硬化領域に入れる際に、紫外線照射部5とカバー8との間の狭いスペースを移動させる必要がある。そのため、メディア100を紫外線照射領域R3に入れて、駆動巻き取りローラ7bに搭載する作業が難しくなる。
しかし、本実施形態においては、紫外線照射部5を移動させることによりメディア100との距離を離すことができるため、容易にメディア100に紫外線照射領域R3を通過させて駆動巻き取りローラ7bに巻き取らせることができる。上述のように開口する領域は支持部9からみてメディア100の搬送経路の上流側がより広く開口するように構成されているので、ローラ7bにセットすることが容易である。
また、本発明において、仮に支持部を備える構成ではなく、単に硬化部を装置本体に脱着することで開閉する場合には、硬化部をインクジェット装置本体に取り付けるときに衝突して、互いに破損する虞がある。しかし、本実施形態のように支持部を設けて、硬化部の一部を支持しながら開閉することによってこの衝突を防ぐことができる。
なお、紫外線硬化型樹脂を十分に硬化すること、又は、インクジェット装置1外に漏れる紫外線の量を抑えることを考慮すると、紫外線照射部5とカバー8との距離をなるべく近づけることが好ましい。この場合に、仮に紫外線照射部5が開閉せずに固定されており、且つ、両者の距離を近づけすぎた場合には、紫外線照射部5の支持部9とカバー8との間は狭いのでメディア100を入れにくくなる。一方、本実施形態においては、紫外線照射部5を開閉することができるため、紫外線照射部5とカバー8との距離を近づけて構成する場合であっても、メディア100を搭載するときには紫外線照射部5とカバー8との間に入れて、容易にメディア100を紫外線照射領域R3に搭載することができる。
次に、メディア100の端を駆動巻き取りローラ7bによって巻き取ることで、メディア100のインクジェット装置1への搭載が終わる。
なお、紫外線照射ランプの個数は限定されないが、複数の紫外線照射ランプを被記録媒体の面方向に平行な方向に配置することによって、硬化部は被記録媒体の移動方向に沿って大型化することができる。そして、大型の硬化部であれば、わずかな角度開口しただけで開口量が大きくなるため、容易に被記録媒体を硬化領域に移動させることができる。
また、開閉機構は本実施形態に記載されている回動する支持部に限定されず、硬化部を移動させて、開閉するものであれば任意の構成を採用することができる。例えば、硬化部をスライドさせて開閉するような構成を用いてもよい。
〔インクジェット装置1の動作〕
次に、メディア100を搭載した後のインクジェット装置1の動作について説明する。
まず、従動ローラ10aを構成するローラに巻きつけられたメディア100が駆動ローラ7aに載置された後、駆動ローラ7aを駆動させて、駆動巻き取りローラ7bにメディア100が巻きつけられることによって移動を開始する。移動の方向は、メディア100が、インク吐出領域R1、溶剤蒸散領域R2、紫外線照射領域R3の順に各領域に入る方向とする。
メディア100はプレプラテン3a上を通った後、メインプラテン3b上に載置されてインク吐出領域R1に入る。なお、プレプラテン3a上では、後の溶剤の蒸散を効率的に行なうため予め温められてもよい。
インク吐出領域R1ではヘッド2からインクが吐出される。ヘッド2は、図1の書面に対して手前方向及び奥方向に往復運動しながら、予めインプットされた文字や絵の情報に基づいてメディア100上にインクを吐出する。このとき、メディア100上には紫外線硬化型樹脂及び溶剤が存在することになる。
次に、メディア100のインクが吐出された領域(着弾領域)は溶剤蒸散領域R2に入る。溶剤蒸散領域R2ではアフタプラテン3cによる加熱及びファン6から送られる空気が持つ熱によって、着弾されたインク滴から溶剤が蒸散する。これにより、着弾領域には紫外線硬化型樹脂が残ることになる。
次に、メディア100の着弾領域は紫外線照射領域R3に入る。紫外線照射領域R3では、着弾領域上に紫外線が照射される。これにより、メディア100上の紫外線硬化型樹脂は硬化することで印刷が終了する。最後にローラにメディア100が巻きつけられて処理は終了する。
〔付記事項〕
以上のように、インクジェット装置1は、紫外線硬化型樹脂及び溶剤を含むインクをメディア100に吐出するヘッド2と、メディア100上に吐出されたインク中の紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する紫外線照射部5と、メディア100を移動させる駆動部7と、を備え、メディア100がヘッド2から吐出されるインクを受けるインク吐出領域R1と、メディア100上に吐出されたインク中の溶剤を蒸散させるための溶剤蒸散領域R2と、メディア100上に紫外線が付与される紫外線照射領域R3と、が設けられており、インク吐出領域R1及び溶剤蒸散領域R2と、紫外線照射領域R3とは少なくとも異なる場所にあり、駆動部7は、インク吐出領域R1、溶剤蒸散領域R2、紫外線照射領域R3の順にメディア100を移動させるものであり、紫外線照射部5を移動させて、開閉する開閉機構を有している。
溶剤を溶剤蒸散領域R2で蒸散させて、次に、紫外線照射領域R3で紫外線硬化型樹脂を硬化させることができるので、紫外線硬化型樹脂及び溶剤を含むインクを用いてインクジェットプリントすることできる。
さらに、紫外線照射部5を移動させることによりメディア100を搭載するべき位置から紫外線照射部5を離すことができるため、容易にメディア100を紫外線照射領域R3に搭載することができる。
インクジェット装置1では、開閉機構は、紫外線照射部5を回動自在に支持するものであって、当該回動の軸となる支持部9であり、上記軸は、メディア100を巻き取る駆動巻き取りローラ7bの長さ方向と平行である。
ローラ型の駆動巻き取りローラ7bに対してメディア100をより容易に搭載できる。また、紫外線照射部5を支持しながら開閉するので、紫外線照射部5を閉じる際の動作が安定し、紫外線照射部5をインクジェット装置1本体に取り付けるときに互いに衝突することによる紫外線照射部5及びインクジェット装置1本体の破損を防止することができる。
紫外線照射部5とメディア100の自装置に搭載したときの位置との距離である開口量は、支持部9から離れるほど大きくなり、開口する領域は支持部9より溶剤蒸散領域R2側にある。
開口量が大きいほど、紫外線照射部5とメディア100との距離を離すことができるため、容易にメディア100を紫外線照射領域R3に移動させて搭載することができる。また、メディア100を、搬送経路の上流側から下流側に送る場合において、上流側の方が下流側に比べて広く開口することにより、上流側から下流側に向けて送りやすくなる。よって、例えば下流側の駆動巻き取りローラ7bに被記録媒体の端をセットすること等が容易となる。
刺激は紫外線であり、硬化型樹脂は紫外線硬化型樹脂であり、紫外線照射部5は、長さ方向を有する複数の紫外線照射ランプ5aを備えており、紫外線照射ランプ5aは、メディア100の移動方向に対して直交であって、メディア100の面方向に平行な方向に配置されている。
紫外線照射ランプ5aがメディア100の面方向に平行な方向に複数配置されているため、紫外線照射部5はメディア100の移動方向に沿って大型化する。例えば、安全規格上、自装置外への当該刺激の漏れが制限されており、紫外線照射部5と対面するようにカバー8などの被覆部材を設けた場合には、大型の紫外線照射部5とカバー8との間にメディア100を搭載する必要がある。このような場合であっても、わずかな角度開口しただけで開口量が大きくなり、容易にメディア100を紫外線照射領域R3に搭載することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、インクジェットプリントに利用可能である。
1 インクジェット装置
2 ヘッド
3 プラテン
3a プレプラテン
3b メインプラテン
3c アフタプラテン
4、8 カバー
5 紫外線照射部(硬化部)
5a 紫外線照射ランプ
5b 反射板
6 ファン
7 駆動部
7a 駆動ローラ(駆動部)
7b 駆動巻き取りローラ(駆動部、回転部)
9 支持部(開閉機構)
10a、10b 従動ローラ
100 メディア(被記録媒体)
R1 インク吐出領域(被吐出領域)
R2 溶剤蒸散領域
R3 紫外線照射領域(硬化領域)

Claims (4)

  1. 刺激を与えることによって硬化する硬化型樹脂及び溶剤を含むインクを被記録媒体に吐出するヘッドと、
    上記被記録媒体上に吐出されたインク中の上記硬化型樹脂を硬化するための刺激を与える硬化部と、
    上記ヘッド及び上記硬化部と上記被記録媒体との位置を相対的に移動させる駆動部と、
    を備え、
    上記被記録媒体が上記ヘッドから吐出されるインクを受ける被吐出領域と、
    上記被記録媒体上に吐出されたインク中の溶剤を蒸散させるための溶剤蒸散領域と、
    上記被記録媒体上に上記刺激が付与される硬化領域と、が設けられており、
    上記被吐出領域及び上記溶剤蒸散領域と、上記硬化領域とは少なくとも異なる場所にあり、
    上記駆動部により、上記被吐出領域、上記溶剤蒸散領域、上記硬化領域の順に上記被記録媒体がそれぞれの領域に入るものであり、
    上記硬化部を移動させて、開閉する開閉機構を有していることを特徴とするインクジェット装置。
  2. 上記開閉機構は、上記硬化部を回動自在に支持するものであって、当該回動の軸となる支持部であり、
    上記軸は、上記被記録媒体を巻き取る回転部の長さ方向と平行であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット装置。
  3. 上記硬化部と上記被記録媒体の自装置に搭載したときの位置との距離である開口量は、上記支持部から離れるほど大きくなり、開口する領域は上記支持部より上記溶剤蒸散領域側にあることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット装置。
  4. 上記刺激は紫外線であり、上記硬化型樹脂は紫外線硬化型樹脂であり、
    上記硬化部は、長さ方向を有する複数の紫外線照射ランプを備えており、
    上記紫外線照射ランプは、上記被記録媒体の移動方向に対して直交であって、上記被記録媒体の面方向に平行な方向に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット装置。
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