JP2011168022A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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【課題】水性紫外線硬化型インクを用いた場合でも、硬化ムラや定着皺を抑制し、安定した画像品質の画像を得る。
【解決手段】記録媒体の記録面に水性紫外線硬化型インクを吐出する液体吐出ヘッドを備えた描画ユニットと、画像が形成された前記記録媒体を、保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、吸引孔を介して前記記録面の裏面側を外周面に吸着して搬送する乾燥胴、前記記録媒体に熱風を付与して乾燥させる熱風乾燥手段とを有する乾燥ユニットと、前記記録媒体の先端を保持して搬送する渡し搬送ユニットと、保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記外周面に吸着して搬送する定着胴、前記記録媒体の記録面に形成された画像に紫外線を照射する紫外線照射手段とを有する定着ユニットとを備えたことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に係り、特に、多数のドラムを介して搬送される記録媒体に対して、インクジェットヘッドから水性紫外線硬化型インクで印字を行い、印字後の記録媒体を乾燥し、定着するインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
従来、水性紫外線硬化型インクを用いるインクジェット記録方法では、紙などの記録媒体にインク水分が染み込み、記録媒体がこのインク水分を吸収することにより記録媒体が膨張変形し、カックルと呼ばれる皺が生じ、乾燥後も皺やカールが残り、画像品質の低下を招いている。また、紫外線照射時に、インク中に水分が存在すると、インク硬化が効率良く進行せず、高速定着を実現することができないという問題があった。
これに対して、例えば、保持機構による静電吸着あるいは吸引によってドラム外周面上に保持された記録媒体に熱エネルギーを加えた後に、記録媒体の保持を少なくとも一部開放して押圧ローラで記録媒体の表面を平面化した後、再度保持機構で記録媒体を保持し、記録ヘッドより紫外線硬化型インクを吐出し、これに紫外線を照射して硬化定着して画像を記録するインクジェット記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、水性紫外線硬化型インクを用いた画像形成方法において、記録媒体上での高速定着を実現するために、画像への熱風吹き付け手段によって画像に熱風を吹き付けて水や揮発成分を蒸発させた後に、紫外線照射手段によって最大強度の紫外線を照射することで画像を硬化し定着させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
特開2007−144773号公報 特開2007−245653号公報
しかしながら、記録媒体を搬送手段に吸引保持したままインクを乾燥させた後に紫外線で硬化させると、吸引孔に起因する乾燥ムラによる硬化ムラや拘束部と非拘束部との定着時のインク硬化収縮による定着皺が発生するという問題がある。また、紫外線を照射して硬化定着する際、定着胴に記録媒体を吸着してきちんと拘束せずに定着を行うと、記録媒体を安定して搬送することができず定着ムラを生じ、画像品質が不安定になるという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、水性紫外線硬化型インクを用いた場合でも、硬化ムラや定着皺を抑制し、安定した画像品質の画像を得ることのできるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、記録媒体の記録面に水性紫外線硬化型インクを吐出する液体吐出ヘッドを備えた描画ユニットと、前記液体吐出ヘッドから吐出された前記水性紫外線硬化型インクにより画像が形成された前記記録媒体を、外周面に設けられた保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、外周面に形成された吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記外周面に吸着して搬送する乾燥胴、及び前記乾燥胴の外周面に対向して配置され、前記記録媒体に熱風を付与して乾燥させる熱風乾燥手段とを有する乾燥ユニットと、前記乾燥ユニットの下流側に、前記記録媒体の先端を保持して搬送する渡し搬送ユニットと、前記渡し搬送ユニットの下流側で、外周面に設けられた保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、外周面に形成された吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記外周面に吸着して搬送する定着胴、及び前記定着胴の外周面に対向して配置され、前記記録媒体の記録面に形成された画像に紫外線を照射する紫外線照射手段とを有する定着ユニットとを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
これにより、水性紫外線硬化型インクを用いた場合でも、硬化ムラや定着皺を抑制し、安定した画像品質の画像を得ることができる。
また、請求項2に示すように、前記乾燥胴の外周面に形成された吸引孔の、前記乾燥胴の外周面に設けられた保持手段からの位置と、前記定着胴の外周面に形成された吸引孔の、前記定着胴の外周面に設けられた保持手段からの位置とが、異なることを特徴とする。
これにより、吸引に起因する硬化ムラを抑制することができる。
また、請求項3に示すように、前記描画ユニットは、外周面に設けられた保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、外周面に形成された吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記外周面に吸着して、前記記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対向させて搬送する描画胴を有し、前記描画胴の外周面に形成された吸引孔の、前記描画胴の外周面に設けられた保持手段からの位置と、前記乾燥胴の外周面に形成された吸引孔の、前記乾燥胴の外周面に設けられた保持手段からの位置と、前記定着胴の外周面に形成された吸引孔の、前記定着胴の外周面に設けられた保持手段からの位置とが、すべて異なることを特徴とする。
これにより、吸引に起因する硬化ムラを抑制することができる。
また、請求項4に示すように、前記定着胴は、前記記録媒体を前記定着胴に押圧する押圧ローラを備えたことを特徴とする。
これにより、カールを矯正し、皺を抑制し、安定した画像品質の画像を得ることができる。
また、請求項5に示すように、前記定着胴は、前記紫外線照射手段を複数備えたことを特徴とする。
これにより、このように紫外線照射手段を複数設けると、一つ一つの照射手段の照射強度を低減して照射時間で硬化条件を稼ぐことができ、コストダウンを図るとともに、紫外線照射手段の発熱量を低減することが可能となる。
また、請求項6に示すように、前記紫外線照射手段は、前記記録媒体に対して斜め方向から紫外線を照射することを特徴とする。
これにより、定着胴の吸引孔による照射ムラを低減することが可能となる。
また、請求項7に示すように、前記照射手段は、複数の発光素子で構成され、前記乾燥胴の吸引孔の前記乾燥胴の保持手段からの位置が、前記発光素子の前記定着胴の保持手段からの位置と一致することを特徴とする。
これにより、乾燥胴の吸引孔の位置に対する光量を多くして、乾燥胴の吸引孔によるムラを低減することが可能となる。
また、請求項8に示すように、前記定着胴の吸引孔の該定着胴の外周面側端部の断面形状が外側に向かって広がるテーパ形状であることを特徴とする。
これにより、吸引孔の有る無しでの定着胴表面での反射光の極端な分布をなくし、ムラを視認し難くすることが可能となる。
また、請求項9に示すように、前記紫外線照射手段が複数の発光素子で構成されている場合に、前記定着胴の吸引孔のテーパ形状の最も広い部分の直径が前記発光素子の直径よりも大きく、前記定着胴の吸引孔のテーパ形状の該吸引孔内部ストレート部に連通する最も狭い部分の直径が前記発光素子の直径よりも小さいことを特徴とする。
これにより、ムラの発生を抑制することが可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、記録媒体の記録面に液体吐出ヘッドより水性紫外線硬化型インクを吐出する描画工程と、前記液体吐出ヘッドから吐出された前記水性紫外線硬化型インクにより画像が形成された前記記録媒体を、乾燥胴の外周面に設けられた保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、前記乾燥胴の外周面に形成された吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記乾燥胴の外周面に吸着して搬送しながら、前記乾燥胴の外周面に対向して配置された熱風乾燥手段から前記記録媒体に熱風を付与して乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥胴の下流側に配置された渡し胴によって前記記録媒体の先端を保持して搬送する渡し搬送工程と、前記渡し搬送工程により搬送された前記記録媒体を、定着胴の外周面に設けられた保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、前記定着胴の外周面に形成された吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記定着胴の外周面に吸着して搬送しながら、前記定着胴の外周面に対向して配置された紫外線照射手段から前記記録媒体の記録面に形成された画像に紫外線を照射する定着工程とを備えたことを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
これにより、水性紫外線硬化型インクを用いた場合でも、硬化ムラや定着皺を抑制し、安定した画像品質の画像を得ることができる。
また、請求項11に示すように、前記乾燥胴の外周面に形成された吸引孔の、前記乾燥胴の外周面に設けられた保持手段からの位置と、前記定着胴の外周面に形成された吸引孔の、前記定着胴の外周面に設けられた保持手段からの位置とが異なることを特徴とする。
これにより、吸引に起因する硬化ムラを抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、水性紫外線硬化型インクを用いた場合でも、硬化ムラや定着皺を抑制し、安定した画像品質の画像を得ることができる。
本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態を示す概略構成図である。 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の主要部を拡大して示す構成図である。 LEDの位置と、乾燥ドラムの吸引孔の位置と、定着ドラムの吸引孔の位置との関係を示す断面図である。 定着ドラムの吸引孔の形状を表す(a)は平面図、(b)はA−A線に沿った断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態を示す概略構成図である。
このインクジェット記録装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された記録媒体124の記録面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから複数色の水性紫外線硬化型のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体124上に処理液(インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体124上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
すなわち、図1に示すように、インクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部(描画ユニット)116、乾燥部(乾燥ユニット)118、定着部(定着ユニット)120、及び排紙部122を備えて構成されている。
給紙部112は、記録媒体124を処理液付与部114に供給する機構であり、当該給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124が積層されている。給紙部112には、給紙トレイ150が設けられ、この給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙されるようになっている。記録媒体124の浮き上がりを防止するために、給紙トレイ150は外面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置100においては、記録媒体124として、紙種や大きさ(用紙サイズ)の異なる複数種類の記録媒体124を使用することができる。給紙部112において各種の記録媒体をそれぞれ区別して集積する複数の用紙トレイ(図示省略)を備え、これら複数の用紙トレイの中から給紙トレイ150に送る用紙を自動で切り換える態様も可能であるし、必要に応じてオペレータが用紙トレイを選択し、若しくは交換する態様も可能である。なお、本例では、記録媒体124として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含み、処理液とインクとが接触することによりインクと凝集反応を起こし、インクは色材と溶媒との分離が促進され、インク着弾後の滲みや着弾干渉(合一)あるいは混色が発生せず高品位画像の形成が可能となる。なお、処理液としては、凝集剤の他に必要に応じてさらに他の成分を用いて構成することもできる。インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば、細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
図1に示すように、処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、記録媒体124を保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体124を挟み込むことによって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体124を処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。記録媒体124は、処理液塗布装置156によって記録面に処理液が塗布される。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体124は、処理液ドラム154から中間搬送部126(第1渡し胴搬送手段)を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
描画部116は、描画ドラム170、及びインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yを備えている。なお、図1では図示を省略しているが、描画ドラム170に対してインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yの手前側に記録媒体124の皺をとるための用紙抑えローラを配置するようにしても良い。
描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備え、記録媒体の先端部を保持固定するようになっている。また、描画ドラム170は、外周面に複数の吸引孔を有し、負圧によって記録媒体124を描画ドラム170の外周面に吸着させる。これにより、用紙浮きによるヘッドとの接触が回避され、用紙ジャムが防止される。また、ヘッドとのクリアランス変動による画像ムラが防止される。
このように描画ドラム170に固定された記録媒体124は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから水性紫外線硬化型のインクが打滴される。
インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、それぞれ記録媒体124における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、記録媒体124の搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置されている。
描画ドラム170上に密着保持された記録媒体124の記録面に向かって各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体124上での色材流れなどが防止され、記録媒体124の記録面に画像が形成されるようになっている。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定されない。
以上のように構成された描画部116により、記録媒体124に対してシングルパスで描画を行うことができる。これにより、高速記録及び高速出力が可能であり、生産性を高めることができる。
描画部116で画像が形成された記録媒体124は、描画ドラム170から中間搬送部128(第2渡し胴搬送手段)を介して、乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図1に示すように、乾燥ドラム176及び溶媒乾燥装置178を備えている。
乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体124の先端を保持するとともに、ドラム外周表面に吸引孔(図示省略)を有し、負圧により記録媒体124を乾燥ドラム176に吸着できるようになっている。また乾燥ドラム176の外周面に対向するように、送風手段180(吸着補助手段)と溶媒乾燥装置178が設けられている。
送風手段180は、記録媒体124の乾燥ドラム176への吸着を補助するためのものであり、記録媒体124の幅方向の端部側に向かって斜めに風を当てて、保持手段177によってその先端を保持された記録媒体124が、先端側から後端側に向かって、皺が発生することなく確実に吸着されるようにするものである。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、IRヒータ等とファンの組み合わせを複数配置した熱風乾燥手段182で構成されている。熱風乾燥手段182の各熱風噴出しノズルから記録媒体124に向けて吹き付けられる熱風の温度と風量を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。記録媒体124は記録面が外側を向くように、乾燥ドラム176の外周面に吸着拘束されて搬送され、この記録面に対して上記IRヒータ及び温風噴出しノズルによる乾燥処理が行われる。
また、乾燥ドラム176は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を有している。これにより記録媒体124を乾燥ドラム176の周面に密着保持することができる。また、負圧吸引を行うことにより、記録媒体124を乾燥ドラム176に拘束することができるので、記録媒体124のカックルを防止することができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体124は、乾燥ドラム176から中間搬送部130(第3渡し胴搬送手段、渡し搬送ユニット)を介して定着部120の定着ドラム184に受け渡される。
定着部120は、定着ドラム184、押圧ローラ188(平滑化手段)、及び紫外線光源190(紫外線照射手段)で構成される。定着ドラム184は、乾燥ドラム176と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体124の先端を保持するとともに、ドラム外周表面に吸引孔(図示省略)を有し、負圧により記録媒体124を定着ドラム184に吸着拘束できるようになっている。また定着ドラム184の外周面に対向するように、記録媒体124の記録面に紫外線を照射する紫外線光源190が設けられている。
このように、記録媒体124は、定着ドラム184の外周面に記録面が外側を向くようにして吸引拘束されて、定着ドラム184の回転に伴って搬送される。そして、記録媒体124は吸引拘束されて搬送されつつ、押圧ローラ188による平滑化、及び紫外線光源190からの紫外線照射による硬化・定着が行われる。
押圧ローラ188は、インクが乾燥された記録媒体124を加圧することによって記録媒体124を平滑化するものである。
また、紫外線光源190は、記録媒体124上に吐出された水性紫外線硬化型インクによって形成された画像に紫外線を照射して、インクの定着を行うものである。
なお、定着ドラム184の外周面に対向して記録媒体124に形成された画像の検査を行うインラインセンサを設けてもよい。インラインセンサは、記録媒体124に定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、例えばCCDラインセンサを好適に用いることができる。
定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122には、排紙ユニット192が設置される。定着部120の定着ドラム184から排紙ユニット192までの間に、渡し胴194、搬送チェーン196が設けられている。搬送チェーン196は、張架ローラ197、198に巻き掛けられている。定着ドラム184を通過した記録媒体124は、渡し胴194を介して、搬送チェーン196に送られ、搬送チェーン196から排紙ユニット192へと受け渡される。
また、図1には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100は、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体124の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
図2は、インクジェット記録装置100のシステム構成を示す要部ブロック図である。
インクジェット記録装置100は、通信インターフェース80、システム制御部(システムコントローラ)82、画像メモリ84、モータドライバ86、ヒータドライバ88、プリント制御部90、メンテナンス制御部92、ヘッドドライバ94等を備えている。
通信インターフェース80は、ホストコンピュータ96から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース80にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリを搭載してもよい。ホストコンピュータ96から送出された画像データは通信インターフェース80を介してインクジェット記録装置100に取り込まれ、一旦画像メモリ84に記憶される。
画像メモリ84は、通信インターフェース80を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システム制御部82を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ84は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システム制御部82は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置100の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システム制御部82は、通信インターフェース80、画像メモリ84、モータドライバ86、ヒータドライバ88等の各部を制御し、ホストコンピュータ96との間やヒータ99を制御する制御信号を生成する。
画像メモリ84には、システム制御部82のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、画像メモリ84は、書き換え不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書き換え可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ84は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域として利用するようにしてもよい。
また、システム制御部82には、各種制御プログラムを格納したEEPROM85や画像データに対して各種画像処理を施す画像処理部87が接続されている。システム制御部82からの指令に応じて、EEPROM85から制御プログラムが読み出され、実行される。なお、EEPROM85は、動作パラメータ等の記憶手段と兼用するようにしてもよい。
モータドライバ86は、システム制御部82からの指示にしたがってモータ98を駆動するドライバである。図2には、インクジェット記録装置100の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号98で表示している。例えば、図2のモータ98には、図1の中間搬送部126、128、130や給紙胴152、処理液ドラム154、描画ドラム170、乾燥ドラム176、定着ドラム184などを駆動するモータなどが含まれる。
ヒータドライバ88は、システム制御部82からの指示にしたがって、ヒータ99を駆動するドライバである。図2には、インクジェット記録装置100に備えられる複数のヒータを代表して符号99で表示している。例えば、図2に示すヒータ99には、図1に示す処理液付与部114のヒータや乾燥部118のIRヒータなどが含まれる。
なお、システム制御部82には、この他にメンテナンス制御部92が接続されている。メンテナンス制御部92は、システム制御部82からの指示にしたがって、キャップ及びクリーニングブレードを含むメンテナンスユニット(図示省略)を駆動するメンテナンス駆動部93を制御するものである。
プリント制御部90は、システム制御部82の制御に従い、画像メモリ84内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、印字に先立ち、処理液付与ドライバ95を制御して、処理液塗布装置156から記録媒体124に対して処理液を付与するとともに、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ94に供給する制御部である。プリント制御部90において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ94を介してインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yの吐出液滴量(打滴量)や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
また、システム制御部82には、紫外線光源190を制御するUV照射手段ドライバ97が接続されている。
図3に、本実施形態のインクジェット記録装置100の主要部である処理液付与部114、描画部116、乾燥部118及び定着部120を拡大して示し、本発明に係るインクジェット記録装置についてさらに詳しく説明する。
図3に示すように、処理液ドラム154、中間搬送部126(第1渡し胴搬送手段)、描画ドラム170、中間搬送部128(第2渡し胴搬送手段)、乾燥ドラム176、中間搬送部130(第3渡し胴搬送手段)及び定着ドラム184が、並んで配置され、それぞれのドラムにより記録媒体124が搬送され、搬送されるうちに処理液付与、描画、乾燥、定着(硬化)が順に行われるようになっている。
各中間搬送部(第1渡し胴搬送手段126、第2渡し胴搬送手段128、第3渡し胴搬送手段130)は、それぞれリブ付きのガイド部材127、129、131を備え、回転軸を挟んで180度対向する方向に延びたアームの先端部の保持爪(図示省略)が記録媒体124の先端部を把持して回転軸の回りを回転し、記録媒体124の後端部はフリーの状態で、それぞれガイド部材(127、129、131)に沿って記録媒体124を記録面側を凹形状として搬送するように構成されている。
なお、中間搬送部126、128、130は、チェーングリッパを用いて、記録媒体124を掴んで、記録面側を凹にして搬送するように構成してもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置100は、記録媒体124の記録面上に画像を記録するものであり、記録媒体124としては、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、所謂上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本実施形態のインクジェット記録装置100では、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像記録が可能である。
なお、記録媒体の中でも、一般のオフセット印刷などに用いられる所謂塗工紙が好ましい。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。塗工紙は、通常の水性インクジェットによる画像形成においては、画像の光沢や擦過耐性など、品質上の問題を生じやすいが、本実施形態のインクジェット記録装置100では、光沢ムラが抑制されて光沢性、耐擦性の良好な画像を得ることができる。特に、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましく、原紙とカオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのがより好ましい。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙がより好ましい。
前述したように、処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与するものである。
処理液塗布装置156によって記録面に処理液が塗布される処理液の膜厚は、描画部116のインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから打滴されるインクの液滴径より充分に小さいことが望ましい。例えば、インクの打滴量が2pl(ピコリットル)のときには、液滴の平均直径は15.6μmである。このとき、処理液の膜厚が大きい場合には、インクドットが記録媒体124の表面に接触することなく、処理液内で浮遊する。そこで、インクの打滴量が2plのときに着弾ドット径を30μm以上得るためには、処理液の膜厚を3μm以下にすることが望ましい。
処理液塗布装置156は、図示は省略するが、主として処理液容器、計量ローラ、塗布ローラによって構成されている。処理液容器には、処理液が貯留されており、この処理液に計量ローラの一部が浸漬される。計量ローラとしては、金属ローラ及び金属ローラ表面にセラミックコーティングを施したローラ周面に一定の線数で規則正しく多数のセルが形成されたアニロックスローラが好適に用いられる。金属ローラの材質としては鉄及びSUS等が用いられる。材質として鉄を用いた場合には、表面の親水性の向上、耐磨耗性の向上及び防錆性を向上させるため、表面にクロム等のメッキを施してもよい。アニロックスローラのセル構造としては、例えば、線数150線以上400線以下、セル深さ20μm以上75μm以下、セル容量30cm/m以上60cm/m以下のものを好適に用いることができる。計量ローラの直径は、例えば20mm以上100mm以下で形成される。
計量ローラは回動自在に支持されるとともに不図示のモータに連結され、一定の速度で回転駆動される。従って、処理液容器内の処理液を計量ローラの表面に付着させ、この処理液を塗布ローラの表面に転移させることができる。計量ローラの回転方向は塗布ローラと同方向であり、ローラ外周の周速度は塗布ローラと同速、もしくは速度差を設けてもよい。速度差を設ける場合には塗布ローラの周速度に対して計量ローラの周速度を80%以上140%以下が好適に用いられる。塗布ローラと計量ローラとの周速度を調整することにより、計量ローラから塗布ローラへの転移率を調整することが可能であり、記録媒体124への塗布膜厚を調整することができる。
計量ローラの表面には、計量用のドクターブレードが当接するように設けられている。ドクターブレードは、計量ローラと塗布ローラとの接触位置に対して、計量ローラの回転方向の上流側に配置され、計量ローラの表面の塗布液を掻き落として計量できるようになっている。これにより、ドクターブレードで計量された塗布液を塗布ローラに供給することができる。
塗布ローラはEPDMやシリコンなどのゴム層を表面に有するゴムローラが好適に用いられる。塗布ローラは回動自在に支持されるとともに不図示のモータに連結され、一定の速度で回転駆動される。塗布ローラの回転方向は処理液ドラム154と同方向であり、ローラ外周の周速度も処理液ドラム154と同速度で回転する。これによって計量ローラから塗布ローラへ転移された処理液が処理液ドラム154上に保持された記録媒体124に塗布される。
このように、処理液塗布装置156はローラで処理液を塗布するようにしたため、処理液を均一に、かつ塗布量を少なく記録媒体124に塗布することが可能である。また、処理液塗布装置156は、処理液塗布の搬送胴(処理液ドラム154)を汚さないようにするために、処理液塗布手段のローラを記録媒体毎に接触及び離間させるようになっていることが好ましい。処理液ドラム154は、記録媒体124の先端を保持する保持爪で記録媒体124を搬送する。これにより、記録媒体124の高速搬送が可能であり、また用紙搬送ジャムの発生を低減することができる。
なお、処理液ドラム154の外周に、その周面に対向してIRヒータ及び温風噴出しノズルを設けて、記録媒体124に塗布された処理液を乾燥するようにしてもよい。IRヒータや温風噴出しノズルを設けた場合には、IRヒータは高温(例えば180℃)に制御され、温風噴出しノズルは高温(例えば70℃)の温風を一定の風量(例えば9m/分)で記録媒体124に向けて吹き付けるように構成される。このIRヒータ及び温風噴出しノズルによる加熱によって、処理液の溶媒中の水分が蒸発され、処理液の薄膜層が記録媒体124の記録面に形成される。このように処理液を薄層化することによって、描画部116で打滴するインクのドットが記録媒体124の記録面と接触し、必要なドット径が得られるとともに、薄層化した処理液成分と反応して色材凝集が起こり、記録媒体124の記録面に固定する作用が得られやすい。なお、処理液ドラム154を所定の温度(例えば50℃)に制御するようにしてもよい。
また、処理液は、描画部116で付与されるインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含んでいる。
凝集剤としては、インク組成物のpHを変化させることができる化合物であっても、多価金属塩であっても、ポリアリルアミン類であってもよい。本実施形態においては、インク組成物の凝集性の観点から、インク組成物のpHを変化させることができる化合物が好ましく、インク組成物のpHを低下させ得る化合物がより好ましい。インク組成物のpHを低下させ得る化合物としては、水溶性の高い酸性物質(リン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、もしくはこれらの化合物の誘導体又はこれらの塩など)が好適に挙げられる。
このように、凝集剤としては、水溶性の高い酸性物質が好ましく、凝集性を高め、インク全体を固定化させる点で、有機酸が好ましく、2価以上の有機酸がより好ましい。さらに、2価以上3価以下の酸性物質が特に好ましい。この2価以上の有機酸としては、その第1pKaが3.5以下の有機酸が好ましく、さらに3.0以下の有機酸がより好ましく、具体的には、リン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸などが好適に挙げられる。
凝集剤で、酸性物質は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これにより、凝集性を高め、インク全体を固定化することができる。インク組成物を凝集させる凝集剤の処理液中における含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは、3〜45質量%であり、さらに好ましくは、5〜40質量%の範囲である。また、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜4の範囲が好ましい。これにより、画像濃度、解像度及びインクジェット記録の高速化を図ることができる。
また、処理液には、その他の添加物を分有することができる。この添加物としては、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤などの公知の添加剤が挙げられる。
上述したように本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、処理液の付与は、塗布法に限定されず、インクジェット法や浸漬法などの公知の方法を適用して行うことができる。なお、塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター等を用いた公知の塗布方法によって行うことができる。
なお、処理液付与工程は、インク組成物を用いたインク付与工程の前又は後のいずれに設けてもよい。本実施形態においては、処理液付与工程で処理液を付与した後にインク付与工程を設けた態様が好ましい。具体的には、記録媒体124上に、インク組成物を付与する前に、予めインク組成物中の顔料及び/又は自己分散性ポリマーの粒子を凝集させるための処理液を付与しておき、記録媒体124上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を付与して画像化する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像を得ることができる。
また処理液の付与量としては、インク組成物を凝集可能であれば特に制限はないが、好ましくは、凝集剤の付与量が0.1g/m以上となる量とすることができる。中でも、凝集剤の付与量が0.2〜0.7g/mとなる量が好ましい。凝集剤は、付与量が0.1g/m以上であるとインク組成物の種々の使用形態に応じ良好な高速凝集性が保てる。また、凝集剤の付与量が0.7g/m以下であることは、付与した記録媒体の表面性に悪影響(光沢の変化等)を与えない点で好ましい。
処理液付与部114は、処理液ドラム154の外周面に設けられた保持手段155により記録媒体124の先端部を保持して搬送しながら、処理液塗布装置156により、処理液を計量しつつ記録媒体124に処理液を塗布する。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体124は、中間搬送手段(第1渡し胴搬送手段)126によって次の描画部116へ搬送される。記録媒体124は、第1渡し胴搬送手段126の保持爪(図示省略)によってその先端部を保持されて、記録面が内側を向き、裏面側がガイド部材127に沿って凸形状となるように搬送される。
また、第1渡し胴搬送手段126は、その内部(回転軸付近)に熱風乾燥手段(図示省略)を有し、搬送中内側を向いている記録媒体124の記録面(表面)側に熱風を当てて、表面に付与された処理液を乾燥させる。これにより、描画部116において記録媒体124にインクが打滴されたとき、インク付着時における記録媒体124上での着弾インクの移動が防止される。
描画部116の描画ドラム170は、第1渡し胴搬送手段126によって搬送されてきた記録媒体124の先端部を、描画ドラム170外周面に設けられた保持手段171により保持するとともに、描画ドラム170外周面に設けられた吸引孔によって記録媒体124を描画ドラム170外周面に吸着、固定して搬送する。そして、描画ドラム170の外周面に固定された記録媒体124の、処理液が付与されている表面(記録面)に向けて、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから水性紫外線硬化型のインクが打滴される。
ここで、本発明において用いられるインク(水性紫外線硬化型インク)について説明する。
水性紫外線硬化型インクは、顔料、ポリマー粒子、及び活性エネルギー線により重合する水溶性の重合性化合物を含んでいる。これにより、紫外線を照射することで硬化させることが可能であり、耐擦性に優れ膜強度が高くなっている。
本発明におけるインク組成物は、顔料を含んでおり、必要に応じて、さらに分散剤や界面活性剤、その他の成分を用いて構成することができる。インク組成物は、色材成分として顔料の少なくとも一種を含有する。顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。顔料は、水に殆ど不溶であるか又は難溶である顔料であることが、インク着色性の点で好ましい。また、顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料であることが好ましい。
本発明のインク組成物は、分散剤の少なくとも一種を含有することができる。前記顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
ポリマー分散剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは、5,000〜50,000であり、さらに好ましくは、5,000〜40,000であり、特に好ましくは、10,000〜40,000である。
ポリマー分散剤の酸価としては、処理液が接触したときの凝集性が良好である観点から、100KOHmg/g以下が好ましい。さらには、酸価は、25〜100KOHmg/gがより好ましく、25〜80KOHmg/gがさらに好ましく、30〜65KOHmg/gが特に好ましい。ポリマー分散剤の酸価が25以上であると、自己分散性の安定性が良好になる。
ポリマー分散剤は、自己分散性と処理液が接触したときの凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が25〜80KOHmg/gのポリマーを含むことがより好ましい。
本実施形態においては、画像の耐光性や品質などの観点から、顔料と分散剤とを含むことが好ましく、有機顔料とポリマー分散剤とを含むことがより好ましく、さらに有機顔料とカルボキシル基を含むポリマー分散剤とを含むことが特に好ましい。また、顔料は、凝集性の観点からカルボキシル基を有するポリマー分散剤に被覆され、水不溶性であることが好ましい。さらに、凝集性の観点からは、後述の自己分散性ポリマーの粒子の酸価の方が、前記ポリマー分散剤の酸価よりも小さいことが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径は、200nm以下であると色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好となり、100nm以下であると耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を2種以上混合して使用してもよい。
なお、顔料の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
顔料は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。顔料のインク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、インク組成物に対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
(ポリマー粒子)
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子の少なくとも一種を含有することができる。このポリマー粒子は、後述の処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に分散不安定価して凝集し、インクを増粘させることによりインク組成物を固定化する機能を有し、インク組成物の記録媒体への定着性及び画像の耐擦過性をより向上させることができる。
凝集剤と反応するために、アニオン性の表面電荷を有するポリマー粒子が用いられ、充分な反応性、吐出安定性が得られる範囲で、広く一般に知られているラテックスが用いられるが、特に自己分散性のポリマー粒子を用いることが好ましい。
(自己分散性ポリマー粒子)
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子として、自己分散性ポリマー粒子の少なくとも一種を含有することが好ましい。この自己分散性ポリマーは、後述の処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に分散不安定化して凝集しインクを増粘させることによりインク組成物を固定化する機能を有し、インク組成物の記録媒体への定着性及び画像の耐擦過性をより向上させることができる。また、自己分散性ポリマーは、吐出安定性及び前記顔料を含む系の液安定性(特に分散安定性)の観点からも好ましい樹脂粒子である。
自己分散性ポリマーの粒子とは、他の界面活性剤の不存在下に、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの粒子を意味する。
本発明における自己分散性ポリマーの酸価としては、処理液が接触したときの凝集性が良好である観点から、50KOHmg/g以下が好ましい。さらには、この酸価は25〜50KOHmg/gがより好ましく、30〜50KOHmg/gがさらに好ましい。自己分散性ポリマーの酸価が25以上であると、自己分散性の安定性が良好になる。
本発明における自己分散性ポリマーの粒子は、自己分散性と処理液が接触したときの凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が25〜50KOHmg/gのポリマーを含むことがより好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が30〜50KOHmg/gのポリマーを含むことがより好ましい。
自己分散性ポリマーの粒子を構成する水不溶性ポリマーの分子量としては、重量平均分子量で3,000〜20万であることが好ましく、5,000〜15万であることがより好ましく、10,000〜10万であることがさらに好ましい。重量平均分子量を3,000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35/min.、流速を0.35ml/min.、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー(株)製、「標準試料TSK standard,polystrene」、「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
自己分散製ポリマーの粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径で10nm〜400nmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、10〜100nmの範囲がさらに好ましい。体積平均粒子径は、10nm以上であると製造適性が向上し、1μm以下であると保存安定性が向上する。
なお、自己分散性ポリマーの粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
自己分散性ポリマーの粒子は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。自己分散性ポリマーの粒子のインク組成物中における含有量としては、凝集速度や画像の光沢性などの観点から、インク組成物に対して、1〜30質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
また、インク組成物中の顔料と自己分散性ポリマーの粒子との含有比率(例えば、水不溶性顔料粒子/自己分散性ポリマーの粒子)としては、画像の耐擦過性などの観点から1/0.5〜1/10であることが好ましく、1/1〜1/4であることがより好ましい。
(重合性化合物)
本発明におけるインク組成物は、活性エネルギー線により重合する水溶性の重合性化合物の少なくとも一種を含有することができる。
重合性化合物としては、凝集剤と顔料、ポリマー粒子との反応を妨げない点で、ノニオン性又はカチオン性の重合性化合物が好ましい。また、水溶性とは、水に一定濃度以上溶解できることをいい、水性のインク中に(望ましくは均一に)溶解し得るものであればよい。また、水溶性有機溶剤を添加することにより溶解度が上がってインク中に(望ましくは均一に)溶解するものであってもよい。具体的には、水に対する溶解度が10質量%以上であることが好ましく、15質量以上であることがより好ましい。
重合性化合物としては、凝集剤と顔料、ポリマー粒子との反応を妨げない点で、ノニオン性又はカチオン性の重合性化合物が好ましく、水に対する溶解度が10質量%以上(さらには15質量%以上)の重合性化合物が好ましい。
本発明における重合性化合物としては、擦過耐性を高め得る観点から、多官能のモノマーが好ましく、2官能〜6官能のモノマーが好ましく、溶解性と擦過耐性の両立の観点から、2官能〜4官能のモノマーが好ましい。
重合性化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
重合性化合物のインク組成物中における含有量としては、顔料及び自己分散性ポリマーの粒子の合計の固形分に対して、30〜300質量%が好ましく、50〜200質量%がより好ましい。重合性化合物の含有量は、30質量%以上であると画像強度がより向上して画像の耐擦過性に優れ、300質量%以下であるとパイルハイトの点で有利である。
インク組成物及び処理液の少なくとも一方が、さらに、活性エネルギー線により重合性化合物の重合を開始する開始剤を含む。
(開始剤)
本発明におけるインク組成物は、処理液に含有すると共にあるいは含有せずに、活性エネルギー線により重合性化合物の重合を開始する開始剤の少なくとも1種を含有することができる。光重合開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と併用して使用することができる。
開始剤は、活性エネルギー線により重合反応を開始し得る化合物を適宜選択して含有することができ、例えば、放射線もしくは光、又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する開始剤(例えば、光重合開始剤等)を用いることができる。
開始剤を含有する場合、インク組成物中における開始剤の含有量としては、重合性化合物に対して、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。開始剤の含有量は、1質量%以上であると画像の耐擦過性がより向上し、高速記録に有利であり、40質量%以上であると吐出安定性の点で有利である。
(水溶性有機溶媒)
本発明におけるインク組成物は、水溶性有機溶媒の少なくとも1種を含有することができる。水溶性有機溶媒は、乾燥防止、湿潤あるいは浸透促進の効果を得ることができる。乾燥防止には、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられ、乾燥防止や湿潤には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒が好ましい。また、浸透促進には、紙へのインク浸透性を高める浸透促進剤として用いることができる。
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒であることが好ましい。
乾燥防止剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。乾燥防止剤の含有量は、インク組成物中に10〜50質量%の範囲とするのが好ましい。
浸透促進剤としては、インク組成物を記録媒体(印刷用紙など)により良く浸透させる目的にとって好適である。浸透促進剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。浸透促進剤の含有量は、インク組成物中に5〜30質量%の範囲であるのが好ましい。また、浸透促進剤は、画像の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない量の範囲内で使用することが好ましい。
(水)
インク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは、30〜80質量%であり、さらに好ましくは、50〜70質量%である。
(その他の添加剤)
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
再び図3に戻り、描画部116において、描画ドラム170上に密着保持された記録媒体124の記録面に向かって各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体124上での色材流れなどが防止され、記録媒体124の記録面に画像が形成されるようになっている。
なお、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから吐出されるインクの液滴量としては、高精細な画像を得る観点で、1〜10pl(ピコリットル)が好ましく、1.5〜6plがより好ましい。また、画像のムラ、連続階調のつながりを改良する観点で、異なる液滴量を組み合わせて吐出することも有効であり、このような場合でも本発明は好適に適用される。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定されない。
以上のように構成された描画部116により、記録媒体124に対してシングルパスで描画を行うことができる。
描画部116で画像が形成された記録媒体124は、描画ドラム170から中間搬送部(第2渡し胴搬送手段)128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。第2渡し胴搬送手段128は、描画ドラム170から受け取った記録媒体124を、保持爪(図示省略)によってその先端部を保持して、記録媒体124の記録面が内側を向き、裏面側がガイド部材129に沿って凸形状となるようにして搬送する。
なお、第2渡し胴搬送手段128は、その内部に不図示の熱風乾燥手段(乾燥手段)を有し、搬送中内側を向いている記録媒体124の記録面側に熱風を吹き付けて、表面に打滴されたインクを乾燥させる。これにより、インク打滴直後に、インクを乾燥することができるので、インク浸透による記録媒体124のカックルを低減しやすくなり、乾燥部118における乾燥ドラム176における吸引拘束時の吸着皴の発生を抑止しやすくなる。
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図3に示すように、乾燥ドラム176、及び乾燥ドラム176の外周面に対向する位置にIRヒータ等とファンの組み合わせを複数配置した熱風乾燥手段182で構成され。また、乾燥ドラム176の外周に対向して、複数の熱風乾燥手段182の(乾燥ドラム176の回転方向の)上流側に送風手段180(吸着補助手段)が設けられている。
乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。また、乾燥ドラム176は、その外周面に複数の吸引孔を有し、負圧により記録媒体124を乾燥ドラム176外周面に吸着し、密着するように拘束して搬送する。このように乾燥ドラム176に拘束された記録媒体124に対して、熱風乾燥手段182の熱風噴出ノズルから熱風を当てて記録媒体124を乾燥する。
これにより、カックルの発生が防止される。また、記録媒体124を乾燥ドラム176外周面に密着させることで、熱風乾燥手段182に記録媒体124が接触することによるジャムの発生や用紙燃えを防止することができる。
熱風乾燥手段182の熱風噴出しノズルは、所定の温度(例えば50℃〜70℃)に制御された温風を一定の風量(12m/分)で記録媒体124に向けて吹き付けるように構成され、IRヒータは、それぞれ所定の温度(例えば180℃)に制御される。これらの熱風噴出しノズル及びIRヒータによって、乾燥ドラム176に保持された記録媒体124の記録面に含まれる水分が蒸発され、乾燥処理が行われる。その際、乾燥部118の乾燥ドラム176は、描画部116の描画ドラム170に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yにおいて、熱乾燥によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの不吐出を低減することができる。また、乾燥部118の温度設定に自由度があり、最適な乾燥温度を設定することができる。
なお、蒸発した水分は図示を省略した排出手段によりエアとともに機外に排出することが好ましい。また、回収されたエアを冷却器(ラジエータ)などで冷却して液体として回収してもよい。
また、乾燥ドラム176は、その外周面を所定の温度に制御することが好ましい。記録媒体124の裏面から加熱を行うことによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができる。乾燥ドラム176の表面温度の範囲は、50℃以上が好ましく、より好ましくは60℃以上である。また、上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム176の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下が好ましい。
また、乾燥ドラム176は、記録媒体124が搬送される前に所定の温度に加熱しておくことが好ましい。乾燥ドラム176を加熱しておくことで、乾燥を促進させることができるので、画像破壊を防止するとともに、カックルを防止することができる。加熱温度は、上記乾燥ドラム176の表面温度と同じ温度範囲とすることが好ましい。
加熱は、吸引した際の温度低下を防止するため、吸引した状態で所定の温度とすることが好ましい。また、吸引しないで加熱を行う場合は、吸引した際の温度低下を考慮して、所定の温度より高い温度になるように加熱することが好ましい。また、記録媒体124の記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体124の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体124の皺や浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
また、熱風乾燥手段182の上流側に設けられた送風手段180(吸着補助手段)は、乾燥ドラム176への記録媒体124の吸着を補助するためのものである。送風手段180は、記録媒体124後端側に向かって斜め方向に送風し、記録媒体124幅方向の端部側に向かって斜めに当てるようにし、さらに後端で風力が大きくなるように制御する。これにより、記録媒体124後端での用紙浮きが防止されるとともに、記録媒体124の吸着皺を取り、均一乾燥と均一吸着を可能とする。このように送風手段180という記録媒体124に対して非接触な吸着補助手段を用いることで、接触手段を用いて吸着補助を行った場合に、記録媒体124のまだ乾燥していないインクが接触手段に転写されて画像不良が発生するのを防止することができる。
乾燥ドラム176の吸引力は(開口面積)×(単位面積あたりの圧力)で表すことができる。吸引力は、記録媒体吸着保持領域における吸引孔の占める面積、すなわち、開口率を高くすることで吸引力をより高くすることができる。
また、乾燥ドラム176の外周面に設けられた吸引孔の開口率は、乾燥ドラム176外周面と記録媒体124との接触面積に対して、1%以上75%以下であることが好ましい。これは、開口率が1%未満であると、記録後の吸水による記録媒体124の膨張変形を充分に抑止することができず、また、乾燥ドラム176自体も温まっており記録媒体124はこれに接することによっても乾燥が促進されるところ、開口率が75%を超えると、記録媒体124の裏面と乾燥ドラム176外周面との接触面積が低下するため、記録媒体124を吸着保持した状態であっても充分な乾燥性能を得ることができず、カックルも悪化するからである。
従って、乾燥ドラム176の外周面における吸引孔の開口率を1%以上75%以下とすることで、カックルの抑制防止及び乾燥性能の向上を図ることができる。
なお、開口率は、吸引孔の径、孔ピッチ、孔の形状及び配置により設定される。孔径は、0.4mm以上、また負圧吸引による記録媒体124の凹み痕(吸着痕)がつかないように、1.5mm以下に設計することが好ましい。孔ピッチは、乾燥ドラム176外周面の熱変形の防止や剛性確保のため、0.1mm以上5mm以下が好ましい。孔の間隔があまり離れすぎると記録媒体の変形抑止効果が不足し、皺の発生をそれほど抑制できないからである。また、吸引孔の形状は、角(鋭角)形状があると、角部に応力が集中するので、角部を丸めた形状が好ましい。
また、回転搬送体では、吸着圧力による記録媒体124の変形量は周方向よりも軸方向の方が大きくなる。従って、吸引孔は、周方向を長軸方向、軸方向を短軸方向とした楕円形状又は長穴形状とすることで、記録媒体124の周方向の変形と軸方向の変形を均等にすることもできる。
また、乾燥ドラム176の外周面に、記録媒体124の記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体124の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体124の皺や浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体124は、乾燥ドラム176から中間搬送部(第3渡し胴搬送手段)130を介して定着部120の定着ドラム184に受け渡される。
記録媒体124は、第3渡し胴搬送手段130(渡し搬送手段)の保持爪(図示省略)によってその先端部を保持されて、記録面が内側を向き、後端側はフリーの状態で、裏面側がガイド部材131に沿って凸形状となるようにして搬送される。
すなわち、第3渡し胴搬送手段130(渡し搬送手段)においては、記録媒体124を吸着して拘束することはなく、これにより、乾燥部118において乾燥ドラム176に吸引拘束されて搬送されつつ乾燥された記録媒体124の拘束を一旦解除して、逆方向に記録媒体124を曲げて矯正することで、記録媒体124をフラット化し、カール防止を図るようにする。
また、第3渡し胴搬送手段130は、その内部に不図示の熱風乾燥手段(乾燥手段)を有し、搬送中内側を向いている記録媒体124の記録面側に熱風を吹き付けて、表面に打滴されたインクを乾燥させる。これにより、乾燥部118における乾燥ドラム176の吸引孔等に起因るす乾燥ムラを均一化することができる。
この第3渡し胴搬送手段130の内部に設けられる熱風乾燥手段は、送風でもよく、その温度は乾燥部118の熱風乾燥手段182よりも低く、消費電力の低減を図っている。
このように、乾燥された記録媒体124は、第3渡し胴搬送手段130により定着部120の定着ドラム184に受け渡される。定着部120は、紫外線光源190(紫外線照射手段)により記録媒体124記録面に吐出されたインクを硬化させるものである。
定着ドラム184は、第3渡し胴搬送手段130から記録媒体124を受け取ると、定着ドラム184の外周面に設けられた爪形状の保持手段185で記録媒体124の先端部を保持するとともに、定着ドラム184の外周面に形成された吸引孔を介して記録媒体124の裏面側を吸引し、記録面側を外側にして記録媒体124を外周面に吸着拘束して搬送する。
このように記録媒体124の先端を爪形状の保持手段185で保持して搬送するようにしたのは、ジャム率低下等の搬送性の安定化及び用紙位置精度確保のためである。
また、定着ドラム184の外周面に記録媒体124を吸引拘束した状態で定着することにより、紫外線定着により発生するインク収縮を防ぐとともに、記録媒体124が、うねりや収縮等の変形を起こすことを防止することができる。また、用紙全体のカール方向が同一(記録媒体124の記録面側が凹形状)となるため集積性が向上する。
なお、定着ドラム184の外周面に記録媒体124を吸着する方法としては、上述したような吸引方式の他に静電方式を用いることもできるが、記録媒体124の様々な厚さに対応可能な汎用性を有するためには、吸引方式の方が望ましい。
紫外線光源190(紫外線照射手段)は、特に限定されるものではなく、UV−LED、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等を用いることができる。しかし、発熱の問題から、UV−LEDを、搬送される記録媒体124の幅方向に並べた光源を用いることが望ましい。
紫外線光源190にUV−LEDを用いる場合には、光源と記録媒体表面との距離が照射量の関係で、例えば1mm〜5mmと近くなるため、記録媒体124に浮きやカールがあると、記録媒体124が光源に接触して搬送ジャムとなるため、上述したように、記録媒体124を定着ドラム184外周面に吸着拘束して搬送することが好ましい。
また、LEDを複数配列するとき、その位置は、乾燥ドラム176の吸引孔の位置と一致させるように配置する。これは、記録媒体124が乾燥ドラム176の吸引孔にあたった部分は水分が多く、この乾燥吸引孔にあたった部分とそうでない部分とでムラがあるので、このムラを低減するためである。すなわち、乾燥ドラム176の吸引孔の位置と、LEDの配列位置を一致させることにより、記録媒体124の乾燥吸引孔にあたった部分の光量を多くして、乾燥吸引孔のムラを低減する。
また、定着ドラム184の吸引孔の位置は、上記紫外線光源190の複数配列されたLEDの位置とは、ずらすようにして配置される。
このLEDの位置と、乾燥ドラム176の吸引孔の位置と、定着ドラム184の吸引孔の位置との関係を図4に断面図で示す。
図4は、定着ドラム184に対向して配置された紫外線光源190を構成するLED190aと、乾燥ドラム176外周面に形成された乾燥吸引孔176aと、定着ドラム184外周面に形成された定着吸引孔184aとを、それぞれの保持手段177及び185(図示省略)の位置を一致させて、各保持手段177、185を基準とした位置を比較可能なように並べて断面で示したものである。
図4に示すように、、乾燥ドラム176の吸引孔(乾燥吸引孔)176aの位置と、LEDの位置は一致している。また、乾燥ドラム176の吸引孔176aの位置と、定着ドラム184の吸引孔(定着吸引孔)184aの位置は、ずらして配置されている。
また図4は、図示を省略したが、それぞれの保持手段177及び185の位置を揃えて並べているので、乾燥ドラム176及び定着ドラム184において、各吸引孔176a及び184aは、それぞれの保持手段177及び185からの位置(距離)が異なるように配置されていることになる。
従って、記録媒体124を、乾燥ドラム176の保持手段177に保持したときと、定着ドラム184の保持手段185に保持したときとでは、記録媒体124の吸引される位置が異なることになる。いつも記録媒体124の同じ位置を吸引していると、吸引による凹形状が定着してしまうが、このように各ドラムで記録媒体124を吸引する位置を変えるようにしたため、定着部120にける凹形状定着によるムラを防止し、定着部120で定着した後、記録媒体124に定着吸引孔184aの跡が残らないようにすることができる。
このように、乾燥ドラム176と定着ドラム184において、各吸引孔176a、184aの、各保持手段177、185からの位置(距離)をそれぞれ変えることにより、乾燥吸引孔176a及び定着吸引孔184aは、記録媒体124をそれぞれ異なる位置で吸引し、ムラを防止するという効果を有するが、これはこれら2つのドラム間でのみ考慮すべきことではなく、描画ドラム170(あるいは吸引孔を有する場合には処理液ドラム154も)をも考慮して、描画ドラム170、乾燥ドラム176及び定着ドラム184のそれぞれの吸引孔を、それぞれのドラムに設けられた保持手段(155、177、185)からの位置が異なるように配置することが好ましい。
これにより、各ドラムの吸引孔で記録媒体124を吸引するとき、吸引する位置が異なるようにすることで、記録媒体124に吸引の跡が残らないようにすることができ、吸引に起因するムラを防止することができる。
また、図5(a)に定着吸引孔184aの平面図を、図5(b)にそのA−A断面を示す。
図5(a)、(b)に示すように、定着吸引孔184aは、その断面がテーパー形状を有している。これは、定着ドラム184外周面上で、吸引孔184aがある部分とない部分とでの反射光の極端な分布をなくし、ムラを視認し難くするためである。
また、LED光源からの光は記録媒体124に垂直方向に照射するのではなく、斜め方向から当てるようにする。これにより、定着ドラム184の吸引孔184aによる照射ムラを低減することができる。
また、吸引孔184aの大きさは、LEDの直径よりも、吸引孔184aのテーパー直径Dは広く、内部ストレート部直径dはLED直径以下とすることが好ましい。これにより、ムラが発生し難くなる。
また、定着時の硬化収縮量は乾燥時に比べて小さいため、定着ドラム184の吸引孔184aの開口率(単位面積当たりの開口面積)は、乾燥ドラム176の吸引孔176aによる開口率よりも小さくすると、加工が容易であり好ましい。
また、定着ドラム184の外周面とテーパー部は、鏡面ではなく、粗く表面処理が施されていることが好ましい。これにより、反射光の拡散による定着ムラを削減することができる。
なお、紫外線光源190として、メタルハライドランプや高圧水銀ランプ等を用いた場合、これらのランプは電源ON時は常に点灯しているので、ランプ前面にシャッターを設置して、非記録媒体通紙時にはシャッターを閉じて遮光し、通紙時にはシャッターを開くようにし、ランプ立ち上がりによる不安定光量による定着ムラを回避するようにすることが好ましい。
また、紫外線光源190にLEDを用いた場合には、記録媒体通紙時のみ点灯するようにすると、消費電力低減及び発熱量低減を図ることができる。
また紫外線光源190(紫外線照射手段)は、例えば図3に示すように、複数設けてもよい。このように複数設けると、一つ一つの照射手段の照射強度を低減して照射時間で硬化条件を稼ぐことができ、コストダウンを図るとともに、紫外線照射手段の発熱量を低減することが可能となる。紫外線照射手段は、発熱による寿命低減の問題があるため、水冷または空冷による冷却手段を紫外線照射手段に設けることが望ましい。
また、定着ドラム184は、記録媒体124を平滑化するための押圧ローラ188を備えている。定着ドラム184の外周面に拘束されて搬送される記録媒体124は、定着ドラム184に対向して配置された押圧ローラ(平滑化手段)188により加圧され、定着ドラム184に押しつけられてカールが矯正され皺が取り除かれる。
押圧ローラ188は、定着ドラム184に対して圧接するように配置されており、定着ドラム184との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体124は、押圧ローラ188と定着ドラム184との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば、0.15MPa)でニップされ、平滑化処理が行われる。
また、押圧ローラ188は、加熱ローラであってもよい。例えば、押圧ローラ188を、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラとして構成し、所定の温度(例えば、60℃〜80℃)で制御するようにしてもよい。この加熱ローラとして構成した押圧ローラ188で記録媒体124を加熱するとともに押圧することによって、インクに含まれるラテックスのTg温度(ガラス転移点温度)以上の熱エネルギーが付与され、ラテックス粒子が溶融され、記録媒体124の画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
押圧ローラ188で平滑化された記録媒体124は、上述したように、紫外線光源190による紫外線照射を受け硬化・定着が行われる。
なお、定着ドラム184の表面温度を例えば50℃以上に設定し、定着ドラム184の外周面に保持された記録媒体124を裏面から加熱するようにしてもよい。これにより、記録媒体124の乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができるとともに、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
以上説明したように、本実施形態においては、定着ドラムに記録媒体を吸引拘束しながら紫外線照射手段により紫外線を照射して硬化・定着するようにしたため、水性紫外線硬化型インクを用いた場合でも、硬化ムラや定着皺を抑制し、安定した画像品質の画像を得ることができる。また、定着ドラムの吸引孔で記録媒体を吸引する位置を、乾燥ドラムの吸引孔で記録媒体を吸引する位置とは異なるようにした場合には、吸引に起因するムラをより効果的に防止することが可能となった。
以上、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
100…インクジェット記録装置、112…給紙部、114…処理液付与部、116…描画部、118…乾燥部、120…定着部、124…記録媒体、126…中間搬送部(第1渡し胴搬送手段)、128…中間搬送部(第2渡し胴搬送手段)、130…中間搬送部(第3渡し胴搬送手段)、154…処理液ドラム、156…処理液塗布装置、170…描画ドラム、176…乾燥ドラム、176a…乾燥吸引孔、178…溶媒乾燥装置、180…送風手段、182…熱風乾燥手段、184…定着ドラム、184a…定着吸引孔、190…紫外線光源(紫外線照射手段)、192…排紙ユニット

Claims (11)

  1. 記録媒体の記録面に水性紫外線硬化型インクを吐出する液体吐出ヘッドを備えた描画ユニットと、
    前記液体吐出ヘッドから吐出された前記水性紫外線硬化型インクにより画像が形成された前記記録媒体を、外周面に設けられた保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、外周面に形成された吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記外周面に吸着して搬送する乾燥胴、及び前記乾燥胴の外周面に対向して配置され、前記記録媒体に熱風を付与して乾燥させる熱風乾燥手段とを有する乾燥ユニットと、
    前記乾燥ユニットの下流側に、前記記録媒体の先端を保持して搬送する渡し搬送ユニットと、
    前記渡し搬送ユニットの下流側で、外周面に設けられた保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、外周面に形成された吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記外周面に吸着して搬送する定着胴、及び前記定着胴の外周面に対向して配置され、前記記録媒体の記録面に形成された画像に紫外線を照射する紫外線照射手段とを有する定着ユニットと、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記乾燥胴の外周面に形成された吸引孔の、前記乾燥胴の外周面に設けられた保持手段からの位置と、前記定着胴の外周面に形成された吸引孔の、前記定着胴の外周面に設けられた保持手段からの位置とが、異なることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記描画ユニットは、外周面に設けられた保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、外周面に形成された吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記外周面に吸着して、前記記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対向させて搬送する描画胴を有し、
    前記描画胴の外周面に形成された吸引孔の、前記描画胴の外周面に設けられた保持手段からの位置と、前記乾燥胴の外周面に形成された吸引孔の、前記乾燥胴の外周面に設けられた保持手段からの位置と、前記定着胴の外周面に形成された吸引孔の、前記定着胴の外周面に設けられた保持手段からの位置とが、すべて異なることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記定着胴は、前記記録媒体を前記定着胴に押圧する押圧ローラを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記定着胴は、前記紫外線照射手段を複数備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記紫外線照射手段は、前記記録媒体に対して斜め方向から紫外線を照射することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記照射手段は、複数の発光素子で構成され、前記乾燥胴の吸引孔の前記乾燥胴の保持手段からの位置が、前記発光素子の前記定着胴の保持手段からの位置と一致することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記定着胴の吸引孔の該定着胴の外周面側端部の断面形状が外側に向かって広がるテーパ形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記紫外線照射手段が複数の発光素子で構成されている場合に、前記定着胴の吸引孔のテーパ形状の最も広い部分の直径が前記発光素子の直径よりも大きく、前記定着胴の吸引孔のテーパ形状の該吸引孔内部ストレート部に連通する最も狭い部分の直径が前記発光素子の直径よりも小さいことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 記録媒体の記録面に液体吐出ヘッドより水性紫外線硬化型インクを吐出する描画工程と、
    前記液体吐出ヘッドから吐出された前記水性紫外線硬化型インクにより画像が形成された前記記録媒体を、乾燥胴の外周面に設けられた保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、前記乾燥胴の外周面に形成された吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記乾燥胴の外周面に吸着して搬送しながら、前記乾燥胴の外周面に対向して配置された熱風乾燥手段から前記記録媒体に熱風を付与して乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥胴の下流側に配置された渡し胴によって前記記録媒体の先端を保持して搬送する渡し搬送工程と、
    前記渡し搬送工程により搬送された前記記録媒体を、定着胴の外周面に設けられた保持手段で前記記録媒体の先端を保持するとともに、前記定着胴の外周面に形成された吸引孔を介して前記記録面の裏面側を前記定着胴の外周面に吸着して搬送しながら、前記定着胴の外周面に対向して配置された紫外線照射手段から前記記録媒体の記録面に形成された画像に紫外線を照射する定着工程と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 前記乾燥胴の外周面に形成された吸引孔の、前記乾燥胴の外周面に設けられた保持手段からの位置と、前記定着胴の外周面に形成された吸引孔の、前記定着胴の外周面に設けられた保持手段からの位置とが、異なることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録方法。
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