JP2011201124A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光硬化型インクを用いて描画された枚葉紙を搬送しながら光を照射して硬化させるとき、効率的に光を照射して硬化する。
【解決手段】記録媒体の搬送手段の搬送路に沿った長さa、搬送手段によって先に搬送される記録媒体の後端と次に搬送される記録媒体の先端との間の搬送路に沿った距離bに対し、a<b、かつ、光源から搬送路に下した垂線の足の位置を記録媒体が通過している場合には、光源から搬送路に下した垂線の足の位置を通過している記録媒体に向けて光を照射し、a<b、かつ、光源から搬送路に下した垂線の足の位置を記録媒体が通過していない場合には、光学素子は光源から射出される光を記録媒体に向けて照射するように、光源から搬送路に下した垂線の足の位置と、前記光学素子によって記録媒体上に照射される光の照度が最大となる位置との搬送路に沿った距離cに対し、a<c<bとなるように、前記光学素子の反射角を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に係り、特に、インクジェットヘッドに対して相対搬送される記録媒体に対して、インクジェットヘッドから光硬化型インク、特に紫外線硬化型インクで印字を行い、印字後の記録媒体を硬化、定着するインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
従来より、画像形成装置として、多数のノズルを配列させたインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから記録媒体に向けてインクを液滴として吐出することにより、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が知られている。
特に、このようなインクジェット方式の画像形成装置において、紫外線硬化型インク(UVインク)を用いて印字を行い、その後、紫外線を照射して硬化定着する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、光が複数本の光路に分割され、分割された各光路の光が異なる範囲内にある記録媒体上の各領域に照射されることによって、記録媒体上に着弾した光硬化型インクに対して照射する紫外線の波長領域及び照射エネルギーを複数通りに設定することができ、少数の光源を用いて光硬化型インクを記録媒体に効果的に定着することができる光硬化型インクで画像印刷を行うインクジェットプリンタが記載されている。
また例えば、特許文献2には、コンパクトで安価であるとともに、簡単な構成でありながら、飛翔インク滴内部の液状態の溢れ出しを抑え、液滴の記録媒体上での濡れ広がりを防止することによって、解像度の低下及び混色を抑え、高画質で色再現性に優れた描画を行うことを目的として、記録媒体搬送路の活性光線照射手段と反対側に設置され、記録媒体を透過した透過光線を、インクジェットヘッドから吐出する飛翔インク液滴、飛翔インク液滴が記録媒体上に着弾する位置の少なくともいずれかに照射される透過光反射部材を備えた光硬化型インクジェット記録装置が記載されている。
特開2003−200560号公報 特開2006−315289号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものは、分割された各光路の光が、それぞれ搬送手段上の異なる範囲内にある各領域に対して常時同時に照射される構成であるので、記録媒体がロール状である場合や、記録媒体がシート状であっても搬送手段上をほとんど間隔を空けずに次々と搬送されてくる場合には各光路の光が無駄なくすべて記録媒体上に照射されることとなるため効果的であるものの、例えば、記録媒体の大きさが比較的小さい場合などに、記録媒体が搬送手段上を大きな間隔を空けて搬送されてくる場合には分割された各光路の光のうち記録媒体上でない領域に対して照射される光が生じてしまうため、光エネルギーの損失が大きく、効率的な硬化ができないという問題があった。
また、上記特許文献2に記載されたものでは、記録媒体を透過した紫外線を反射して飛翔インク液滴を硬化する構成であるので、記録媒体が紫外線を透過できる素材や紫外線が繊維の隙間を浸透して行くコピー用紙のような普通紙等である場合には、透過光の強度が大きいため効果的であるが、記録媒体が例えば厚手のコート紙のように紫外線を大きく吸収する場合には、飛翔インク液滴に到達する紫外線光量が不足するため、十分な効果が期待できないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、光硬化型インクを用いて描画された枚葉紙を搬送しながら光を照射して硬化させるとき、効率的に光を照射して硬化することができるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シート状の記録媒体に向けて光硬化型インクを吐出するフルライン型の液体吐出ヘッドと、前記記録媒体に着弾した前記光硬化型インクに光を照射して硬化させることで定着させる光照射手段と、前記記録媒体を前記液体吐出ヘッド及び前記光照射手段に対して前記記録媒体幅方向と略直交する方向に搬送する搬送手段とを備えたインクジェット記録装置であって、前記光照射手段は、前記記録媒体搬送方向に略直交する方向に延在して配置された光源と、該光源から射出される光を透過させ、又は該光源から射出される光をそのまま通過させ、あるいは所定の方向に反射させる第1の光学素子と、前記第1の光学素子が反射した光を前記記録媒体に向けて反射する第2の光学素子とを有して構成され、前記記録媒体の前記搬送手段の搬送路に沿った長さをa、前記搬送手段によって先に搬送される記録媒体の後端と、次に搬送される記録媒体の先端との間の、前記搬送路に沿った距離をbとしたとき、a<bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記第1の光学素子は前記光源から射出される光を透過させて、又は直接前記光源から、前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射するとともに、a<bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を前記記録媒体が通過していない場合には、前記第1の光学素子は前記光源から射出される光を前記第2の光学素子に向けて反射するとともに、前記第2の光学素子によってその光を前記記録媒体に向けて照射するように、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置と、前記第2の光学素子によって前記記録媒体上に照射される光の照度が最大となる位置との前記搬送路に沿った距離をcとするとき、a<c<bとなるように、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子の反射角をそれぞれ制御することを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
これにより、反射光を利用することで、例えば記録媒体の大きさが小さく、記録媒体が搬送手段上を大きな間隔を空けて搬送され、記録媒体が光源の直下を通過していない時間が長い場合であっても、光路を曲げることによって記録媒体に光を無駄なく照射することができ、効率的に光を照射して硬化することができる。
また、請求項2に示すように、前記a及びbについて、a≧bである場合に、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記第1の光学素子は前記光源から射出される光を透過させて、または直接前記光源から、前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射することを特徴とする。
これにより、記録媒体が大きく、間隔を空けずに搬送されてくる場合には、光路を曲げずに照射することで、効率良く光を照射し、硬化させることができる。
また、請求項3に示すように、前記a及びbについて、a≧bである場合と、a<bである場合とで、前記光照射手段による前記記録媒体へ照射する光の積分照射量が略等しくなるように、a<bである場合には、a≧bである場合に比べて、前記搬送手段による前記記録媒体の搬送速度を略等しく保ちつつ、前記光源の発光照度を低く設定することを特徴とする。
これにより、記録媒体の大きさが小さい場合には、搬送中に何度も光を照射することができるので、光源の照度を低く設定しても、硬化に必要なエネルギーを与えることができ、ランニングコストが安価になり、また光源の発熱量を抑え、長寿命化を実現することができる。
また、請求項4に示すように、前記a及びbについて、a≧bである場合と、a<bである場合とで、前記光照射手段による前記記録媒体へ照射する光の積分照射量が略等しくなるように、a<bである場合には、a≧bである場合に比べて、前記光源の発光照度を略等しく保ちつつ、前記搬送手段による前記記録媒体の搬送速度を速く設定することを特徴とする。
これにより、露光時間を短くしても硬化に必要なエネルギーを与えることができるため、高生産性を実現することができる。
また、請求項5に示すように、前記a及びbについて、a≧bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記第1の光学素子は前記光源から射出される光を透過させて、または直接前記光源から、前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射し、また、a≧bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を前記記録媒体が通過していない場合には、前記第1の光学素子は前記光源から射出される光を前記第2の光学素子に向けて反射するとともに、前記第2の光学素子による反射光を前記記録媒体に向けて照射し、その際前記a、b及びcについて、c<a+bとなるように前記第1の光学素子と前記第2の光学素子の反射角をそれぞれ制御することを特徴とする。
これにより、記録媒体が光源の直下にないときにも記録媒体の特定の領域、例えば不吐出や濃度ムラのチェックパターンなどが印刷される領域に光を照射することで、その領域を特によく硬化させることができる。
また、請求項6に示すように、前記第1の光学素子は、平面鏡からなる反射面を有し、光透過性を有する平板状の部材であり、前記反射面が前記光源から発せられる光を反射する位置と、前記反射面が前記光源から発せられる光の光軸方向と平行となり前記平板状の部材内を前記光を透過させる位置との間を回動可能に構成されたことを特徴とする。
また、請求項7に示すように、前記第1の光学素子は、平面鏡からなる反射面を有し、前記反射面が前記光源から発せられる光を反射する位置と、前記光源から発せられる光の光軸が前記第1の光学素子と交わらない位置との間を移動可能に構成されたことを特徴とする。
また、請求項8に示すように、前記第2の光学素子は、凹面鏡からなる反射面を有することを特徴とする。
これらにより、簡単な構成で、光を直接記録媒体に照射したり、または光路を曲げて光源直下から遠くにある記録媒体を照射することができ、効率的な光の照射が可能となる。また、第2の光学素子を凹面鏡としたことにより、第1の光学素子による反射光を集光してより確実にインクを硬化することができる。
また、請求項9に示すように、前記光硬化型インクは、紫外線硬化型インクであり、前記光照射手段の光源は、紫外線光源であることを特徴とする。
また、請求項10に示すように、前記光硬化型インクは、水性紫外線硬化型インクであることを特徴とする。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項11に記載の発明は、搬送路上を搬送されるシート状の記録媒体に向けて光硬化型インクを吐出し、前記記録媒体に着弾した前記光硬化型インクに光を照射して硬化させることで定着させるインクジェット記録方法であって、前記記録媒体の前記搬送路に沿った長さをa、前記搬送路上を先に搬送される記録媒体の後端と、次に搬送される記録媒体の先端との間の、前記搬送路に沿った距離をbとしたとき、a<bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射するとともに、a<bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を前記記録媒体が通過していない場合には、前記光源から射出される光を光学素子を用いて反射させて、該反射光により前記記録媒体を照射するように、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置と、前記光学素子によって前記記録媒体上に照射される反射光の照度が最大となる位置との前記搬送路に沿った距離をcとするとき、a<c<bとなるように、前記光学素子の反射角を制御することを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
これにより、反射光を利用することで、例えば記録媒体の大きさが小さく、記録媒体が搬送手段上を大きな間隔を空けて搬送され、記録媒体が光源の直下を通過していない時間が長い場合であっても、光路を曲げることによって記録媒体に光を無駄なく照射することができ、効率的に光を照射して硬化することができる。
また、請求項12に示すように、前記a及びbについて、a≧bである場合に、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射することを特徴とする。
これにより、記録媒体が大きく、間隔を空けずに搬送されてくる場合には、光路を曲げずに照射することで、効率良く光を照射し、硬化させることができる。
また、請求項13に示すように、前記a及びbについて、a≧bである場合と、a<bである場合とで、前記記録媒体に照射される光の積分照射量が略等しくなるように、a<bである場合には、a≧bである場合に比べて、前記記録媒体の搬送速度を略等しく保ちつつ、前記光源の発光照度を低く設定することを特徴とする。
これにより、記録媒体の大きさが小さい場合には、搬送中に何度も光を照射することができるので、光源の照度を低く設定しても、硬化に必要なエネルギーを与えることができ、ランニングコストが安価になり、また光源の発熱量を抑え、長寿命化を実現することができる。
また、請求項14に示すように、前記a及びbについて、a≧bである場合と、a<bである場合とで、前記記録媒体に照射される光の積分照射量が略等しくなるように、a<bである場合には、a≧bである場合に比べて、前記光源の発光照度を略等しく保ちつつ、前記記録媒体の搬送速度を速く設定することを特徴とする。
これにより、露光時間を短くしても硬化に必要なエネルギーを与えることができるため、高生産性を実現することができる。
また、請求項15に示すように、前記a及びbについて、a≧bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射し、また、a≧bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下ろした垂線の足の位置を前記記録媒体が通過していない場合には、前記光学素子による前記反射光を前記記録媒体に向けて照射し、その際前記a、b及びcについて、c<a+bとなるように前記光学素子の反射角を制御することを特徴とする。
これにより、記録媒体が光源の直下にないときにも記録媒体の特定の領域、例えば不吐出や濃度ムラのチェックパターンなどが印刷される領域に光を照射することで、その領域を特によく硬化させることができる。
また、請求項16に示すように、前記光硬化型インクは、紫外線硬化型インクであり、前記硬化させる光は、紫外線であることを特徴とする。
また、請求項17に示すように、前記光硬化型インクは、水性紫外線硬化型インクであることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、反射光を利用することで、例えば記録媒体の大きさが小さく、記録媒体が搬送手段上を大きな間隔を空けて搬送され、記録媒体が光源の直下を通過していない時間が長い場合であっても、光路を曲げることによって記録媒体に光を無駄なく照射することができ、効率的に光を照射して硬化することができる。
本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態の全体構成を示す概略構成図である。 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の主要部である描画部、乾燥部及び定着部を拡大して示す構成図である。 定着ドラム付近をさらに拡大して示す構成図である。 図4において記録媒体の先端が紫外線光源の直下に来た状態を示す説明図である。 一般の紫外線硬化型インクを用いる場合の定着部付近を示す構成図である。 記録媒体の長さが、記録媒体の搬送間隔以上の場合の紫外線照射例を示す説明図である。 記録媒体の長さが、記録媒体の搬送間隔以上で記録媒体が紫外線光源直下を通過していないときの紫外線照射例を示す説明図である。 第2の光学素子を第1の光学素子よりも下流側に配置する例を示す構成図である。 ベルト搬送の例を示す構成図である。 ドラム搬送の図4に対応するベルト搬送の例を示す説明図である。 図11において記録媒体の先端が紫外線光源の直下に来た状態を示す説明図である。 第1の光学素子及び第2の光学素子の反射角を変化させることにより記録媒体に対して複数回紫外線を照射する様子を示す説明図である。 同じく第1の光学素子及び第2の光学素子の反射角を変化させることにより記録媒体に対して複数回紫外線を照射する様子を示す説明図である。 同じく第1の光学素子及び第2の光学素子の反射角を変化させることにより記録媒体に対して複数回紫外線を照射する様子を示す説明図である。 同じく第1の光学素子及び第2の光学素子の反射角を変化させることにより記録媒体に対して複数回紫外線を照射する様子を示す説明図である。 同じく第1の光学素子及び第2の光学素子の反射角を変化させることにより記録媒体に対して複数回紫外線を照射する様子を示す説明図である。 第1の光学素子と第2の光学素子の搬送方向における配置を逆にした図18に対応する説明図である。 ドラム搬送の図7に対応するベルト搬送の例を示す説明図である。 ドラム搬送の図8に対応するベルト搬送の例を示す説明図である。 紫外線照射手段を示す説明図である。 紫外線光源直下を照射するときの紫外線照射手段を示す説明図である。 紫外線照射手段の他の例を示す説明図である。 紫外線照射手段の他の例において紫外線光源直下を照射する様子を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態の全体構成を示す概略構成図である。
このインクジェット記録装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された記録媒体Pの記録面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから複数色の光硬化型のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体P上に処理液(インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体P上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
すなわち、図1に示すように、インクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122を備えて構成されている。
給紙部112は、記録媒体Pを処理液付与部114に供給する機構であり、当該給紙部112には、枚葉紙である記録媒体Pが積層されている。給紙部112には、給紙トレイ150が設けられ、この給紙トレイ150から記録媒体Pが一枚ずつ処理液付与部114に給紙されるようになっている。記録媒体Pの浮き上がりを防止するために、給紙トレイ150は外面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置100に用いられる記録媒体Pには、特に制限はなく、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般的印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明のインクジェット記録方法によると、色再現性に優れた高品位の画像の記録が可能である。
一般印刷用紙は、大きさが、菊半裁(636mm×469mm)、四六四裁(545mm×394mm)、A判半裁(625mm×440mm)、B判四裁(542mm×382mm)、A3(297mm×420mm)、A4(210mm×297mm)、B3(364mm×515mm)、B4(257mm×364mm)、B5(182mm×257mm)などのシート状の記録媒体を用いることができる。
給紙部112においてこれら各種サイズの記録媒体をそれぞれ区別して集積する複数の用紙トレイ(図示省略)を備え、これら複数の用紙トレイの中から給紙トレイ150に送る用紙を自動で切り換える態様も可能であるし、必要に応じてオペレータが用紙トレイを選択し、若しくは交換する態様も可能である。なお、図1では、記録媒体Pとして、枚葉紙(カット紙)を用いる例を示しているが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
処理液付与部114は、記録媒体Pの記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含み、処理液とインクとが接触することによりインクと凝集反応を起こし、インクは色材と溶媒との分離が促進され、インク着弾後の滲みや着弾干渉(合一)あるいは混色が発生せず高品位画像の形成が可能となる。なお、処理液としては、凝集剤の他に必要に応じてさらに他の成分を用いて構成することもできる。インク組成物とともに処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば、細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
図1に示すように、処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、記録媒体Pを保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体Pを挟み込むことによって記録媒体Pの先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体Pを処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の外側には、その外周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。記録媒体Pは、処理液塗布装置156によって記録面に処理液が塗布される。
処理液塗布装置156は、主として処理液容器、計量ローラ、塗布ローラによって構成され、処理液容器には、処理液が貯留されており、この処理液に計量ローラの一部が浸漬される。計量ローラとしては、金属ローラ及び金属ローラ表面にセラミックコーティングを施したローラ周面に一定の線数で規則正しく多数のセルが形成されたアニロックスローラが好適に用いられる。
計量ローラの表面には、計量用のドクターブレードが当接するように設けられている。ドクターブレードは、計量ローラと塗布ローラとの接触位置に対して、計量ローラの回転方向の上流側に配置され、計量ローラの表面の塗布液を掻き落として計量できるようになっている。これにより、ドクターブレードで計量された塗布液を塗布ローラに供給することができる。
塗布ローラはEPDMやシリコンなどのゴム層を表面に有するゴムローラが好適に用いられる。塗布ローラは回動自在に支持されるとともに不図示のモータに連結され、一定の速度で回転駆動される。塗布ローラの回転方向は処理液ドラム154と同方向であり、ローラ外周の周速度も処理液ドラム154と同速度で回転する。これによって計量ローラから塗布ローラへ転移された処理液が処理液ドラム154上に保持された記録媒体Pに塗布される。
処理液塗布装置156によって記録面に処理液が塗布される処理液の膜厚は、描画部116のインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから打滴されるインクの液滴径より充分に小さいことが望ましい。
このように、処理液塗布装置156はローラで処理液を塗布するようにしたため、処理液を均一に、かつ塗布量を少なく記録媒体Pに塗布することが可能である。また、処理液塗布装置156は、処理液塗布の搬送胴(処理液ドラム154)を汚さないようにするために、処理液塗布手段のローラを記録媒体毎に接触及び離間させるようになっていることが好ましい。処理液ドラム154は、記録媒体Pの先端を保持する保持爪で記録媒体Pを搬送する。これにより、記録媒体Pの高速搬送が可能であり、また用紙搬送ジャムの発生を低減することができる。
なお、処理液ドラム154の外周に、その周面に対向してIRヒータ及び温風噴出しノズルを設けて、記録媒体Pに塗布された処理液を乾燥するようにしてもよい。また、処理液には、描画部116で付与されるインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤やその他の添加物を含めることができる。
上述したように本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、処理液の付与は、塗布法に限定されず、インクジェット法や浸漬法などの公知の方法を適用して行うことができる。なお、塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター等を用いた公知の塗布方法によって行うことができる。
処理液付与部114は、処理液ドラム154の外周面に設けられた保持手段155により記録媒体Pの先端部を保持して搬送しながら、処理液塗布装置156により、処理液を計量しつつ記録媒体Pに処理液を塗布する。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体Pは、中間搬送手段(第1渡し胴搬送手段)126によって次の描画部116へ搬送される。記録媒体Pは、第1渡し胴搬送手段126の保持爪(図示省略)によってその先端部を保持されて、記録面が内側を向き、裏面側がガイド部材127に沿って凸形状となるように搬送される。
また、第1渡し胴搬送手段126には、その内部に熱風乾燥手段を設け、搬送中内側を向いている記録媒体Pの記録面(表面)側に熱風を当てて、表面に付与された処理液を乾燥させるようにしてもよい。これにより、描画部116において記録媒体Pにインクが打滴されたとき、インク付着時における記録媒体P上での着弾インクの移動が防止される。
描画部116の描画ドラム170は、第1渡し胴搬送手段126によって搬送されてきた記録媒体Pの先端部を、描画ドラム170外周面に設けられた保持手段171により保持するとともに、描画ドラム170外周面に設けられた吸引孔によって記録媒体Pを描画ドラム170外周面に吸着、固定して搬送する。そして、描画ドラム170の外周面に固定された記録媒体Pの、処理液が付与されている表面(記録面)に向けて、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから光硬化型のインクが打滴される。
ここでは光硬化型のインクとして、例えば、水性紫外線硬化型インクが用いられる。
水性紫外線硬化型インクは、顔料、ポリマー粒子及び活性エネルギー線により重合する水溶性の重合性化合物を含んでいる。水性紫外線硬化型インクは、紫外線を照射することで硬化可能であり、耐擦性に優れ、膜強度が高い。
顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料であることが好ましい。顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
ポリマー分散剤は、自己分散性の安定性が良好であること、及び処理液が接触したときの凝集性が良好である観点から、その酸価は、25〜100KOHmg/gが好ましい。また、ポリマー粒子は、その酸価が20〜50KOHmg/gの自己分散性ポリマー粒子が好ましい。これにより、自己分散性の安定性が良好となり、かつ処理液が接触したときの凝集性が良好となる。
なお、自己分散性ポリマーの粒子とは、他の界面活性剤の不存在下に、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの粒子を意味する。
また、重合性化合物としては、凝集剤と顔料、ポリマー粒子との反応を妨げない点で、ノニオン性又はカチオン性の重合性化合物が好ましい。また、水に対する溶解度が10質量%以上(さらには15質量%以上)の重合性化合物が好ましい。
また、本実施形態におけるインク組成物及び処理液の少なくとも一方が、さらに活性エネルギー線により重合性化合物の重合を開始する開始剤を含むことが好ましい。開始剤は、活性エネルギー線により重合反応を開始し得る化合物を適宜選択して含有することができ、例えば、放射線若しくは光、又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する開始剤(例えば、光重合開始剤等)を用いることができる。
また、インク組成物は、水を50〜70質量%含むことが好ましい。インク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
描画部116は、描画ドラム170、及びインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yを備えている。なお、図1では図示を省略しているが、描画ドラム170に対してインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yの手前側(記録媒体搬送方向上流側)に記録媒体Pの皺をとるための用紙抑えローラを配置するようにしても良い。
描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備え、記録媒体の先端部を保持固定するようになっている。また、描画ドラム170は、外周面に複数の吸引孔を有し、負圧によって記録媒体Pの裏面側(記録面の反対側)を描画ドラム170の外周面に吸着させる。これにより、用紙浮きによるヘッドとの接触が回避され、用紙ジャムが防止される。また、ヘッドとのクリアランス変動による画像ムラが防止される。
このように描画ドラム170に固定された記録媒体Pは、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから水性紫外線硬化型のインクが打滴される。
インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、それぞれ記録媒体Pにおける画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、記録媒体Pの搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置されている。
描画ドラム170上に密着保持された記録媒体Pの記録面に向かって各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体P上での色材流れなどが防止され、記録媒体Pの記録面に画像が形成されるようになっている。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定されない。
以上のように構成された描画部116により、記録媒体Pに対してシングルパスで描画を行うことができる。これにより、高速記録及び高速出力が可能であり、生産性を高めることができる。
描画部116で画像が形成された記録媒体Pは、描画ドラム170から中間搬送部128(第2渡し胴搬送手段)を介して、乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
第2渡し胴搬送手段128は、描画ドラム170から受け取った記録媒体Pを、図示を省略する保持爪によってその先端部を保持して、記録媒体Pの記録面が内側を向き、後端側はフリーの状態で、裏面側がガイド部材129に沿って凸形状となるようにして搬送する。
すなわち、第2渡し胴搬送手段128においては、記録媒体Pを吸着して拘束することはなく、これにより、描画部116において描画ドラム170に吸引拘束されて搬送されつつ描画された記録媒体Pの拘束を一旦解除して、逆方向に記録媒体Pを曲げて矯正することで、記録媒体Pをフラット化し、カール防止を図るようにする。
また、第2渡し胴搬送手段128は、その内部に不図示の熱風乾燥手段(乾燥手段)を有し、搬送中内側を向いている記録媒体Pの記録面側に熱風を吹き付けて、表面に打滴されたインクを乾燥させる。これにより、描画部116における描画ドラム170の吸引孔等に起因する乾燥ムラを均一化することができるとともに、インク浸透による記録媒体Pのカックルを低減しやすくなり、乾燥ドラム176における吸引拘束時の吸着皴の発生を抑止しやすくなる。
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図1に示すように、乾燥ドラム176及び溶媒乾燥装置178を備えている。
乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体Pの先端を保持するとともに、ドラム外周表面に吸引孔(図示省略)を有し、負圧により記録媒体Pを乾燥ドラム176に吸着できるようになっている。また乾燥ドラム176の外周面に対向するように、溶媒乾燥装置178が設けられている。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、IRヒータ等とファンの組み合わせを複数配置した熱風乾燥手段182で構成されている。熱風乾燥手段182の各熱風噴出しノズルから記録媒体Pに向けて吹き付けられる熱風の温度と風量を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。記録媒体Pは記録面が外側を向くように、乾燥ドラム176の外周面に吸着拘束されて搬送され、この記録面に対して上記IRヒータ及び温風噴出しノズルによる乾燥処理が行われる。
また、乾燥ドラム176は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を有している。これにより記録媒体Pを乾燥ドラム176の周面に密着保持することができる。また、負圧吸引を行うことにより、記録媒体Pを乾燥ドラム176に拘束することができるので、記録媒体Pのカックルを防止することができる。また、記録媒体Pを乾燥ドラム176外周面に密着させることで、熱風乾燥手段182に記録媒体Pが接触することによるジャムの発生や用紙燃えを防止することができる。
熱風乾燥手段182の熱風噴出しノズルは、所定の温度(例えば50℃〜70℃)に制御された温風を一定の風量(12m/分)で記録媒体Pに向けて吹き付けるように構成され、IRヒータは、それぞれ所定の温度(例えば180℃)に制御される。これらの熱風噴出しノズル及びIRヒータによって、乾燥ドラム176に保持された記録媒体Pの記録面に含まれる水分が蒸発され、乾燥処理が行われる。その際、乾燥部118の乾燥ドラム176は、描画部116の描画ドラム170に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yにおいて、熱乾燥によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの不吐出を低減することができる。また、乾燥部118の温度設定に自由度があり、最適な乾燥温度を設定することができる。
なお、蒸発した水分は図示を省略した排出手段によりエアとともに機外に排出することが好ましい。また、回収されたエアを冷却器(ラジエータ)などで冷却して液体として回収してもよい。
また、乾燥ドラム176は、その外周面を所定の温度に制御することが好ましい。記録媒体Pの裏面から加熱を行うことによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができる。乾燥ドラム176の表面温度の範囲は、50℃以上が好ましく、より好ましくは60℃以上である。また、上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム176の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下が好ましい。
また、乾燥ドラム176は、記録媒体Pが搬送される前に所定の温度に加熱しておくことが好ましい。乾燥ドラム176を加熱しておくことで、乾燥を促進させることができるので、画像破壊を防止するとともに、カックルを防止することができる。加熱温度は、上記乾燥ドラム176の表面温度と同じ温度範囲とすることが好ましい。
加熱は、吸引した際の温度低下を防止するため、吸引した状態で所定の温度とすることが好ましい。また、吸引しないで加熱を行う場合は、吸引した際の温度低下を考慮して、所定の温度より高い温度になるように加熱することが好ましい。また、記録媒体Pの記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体Pの記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体Pの皺や浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
乾燥ドラム176の吸引力は(開口面積)×(単位面積あたりの圧力)で表すことができる。吸引力は、記録媒体吸着保持領域における吸引孔の占める面積、すなわち、開口率を高くすることで吸引力をより高くすることができる。
また、乾燥ドラム176の外周面に設けられた吸引孔の開口率は、カックルの抑制防止と乾燥性能の向上のため、乾燥ドラム176外周面と記録媒体Pとの接触面積に対して、1%以上75%以下であることが好ましい。この開口率が1%未満であると、記録後の吸水による記録媒体Pの膨張変形を充分に抑止することができず、また、乾燥ドラム176自体も温まっており記録媒体Pはこれに接することによっても乾燥が促進されるところ、開口率が75%を超えると、記録媒体Pの裏面と乾燥ドラム176外周面との接触面積が低下するため、記録媒体Pを吸着保持した状態であっても充分な乾燥性能を得ることができず、カックルも悪化するからである。
なお、開口率は、吸引孔の径、孔ピッチ、孔の形状及び配置により設定される。孔径は、0.4m以上、また負圧吸引による記録媒体124の凹み痕(吸着痕)がつかないように、1.5mm以下に設計することが好ましい。孔ピッチは、乾燥ドラム176外周面の熱変形の防止や剛性確保のため、0.1mm以上5mm以下が好ましい。孔の間隔があまり離れすぎると記録媒体の変形抑止効果が不足し、皺の発生をそれほど抑制できないからである。また、吸引孔の形状は、角(鋭角)形状があると、角部に応力が集中するので、角部を丸めた形状が好ましい。
また、回転搬送体では、吸着圧力による記録媒体Pの変形量は周方向よりも軸方向の方が大きくなる。従って、吸引孔は、周方向を長軸方向、軸方向を短軸方向とした楕円形状又は長穴形状とすることで、記録媒体Pの周方向の変形と軸方向の変形を均等にすることもできる。
また、乾燥ドラム176の外周面に、記録媒体Pの記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体Pの記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体Pの皺や浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
また、図示は省略するが、熱風乾燥手段182から吹き出された熱風が再度乾燥ドラム176側に向かうように乾燥ドラム176の外側近傍に整流板を設けてもよい。これにより、熱風を再利用し、熱効率を高めるとともに排気性を向上させることができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体Pは、乾燥ドラム176から中間搬送部(第3渡し胴搬送手段)130を介して定着部120の定着ドラム184に受け渡される。
記録媒体Pは、第3渡し胴搬送手段130(渡し搬送手段)の保持爪(図示省略)によってその先端部を保持されて、記録面が内側を向き、後端側はフリーの状態で、裏面側がガイド部材131に沿って凸形状となるようにして搬送される。
すなわち、第3渡し胴搬送手段130においては、記録媒体Pを吸着して拘束することはなく、これにより、乾燥部118において乾燥ドラム176に吸引拘束されて搬送されつつ乾燥された記録媒体Pの拘束を一旦解除して、逆方向に記録媒体Pを曲げて矯正することで、記録媒体Pをフラット化し、カール防止を図るようにする。
また、第3渡し胴搬送手段130は、その内部に不図示の熱風乾燥手段(乾燥手段)を有し、搬送中内側を向いている記録媒体Pの記録面側に熱風を吹き付けて、表面に打滴されたインクを乾燥させる。これにより、乾燥部118における乾燥ドラム176の吸引孔等に起因する乾燥ムラを均一化することができる。
この第3渡し胴搬送手段130の内部に設けられる熱風乾燥手段は、送風でもよく、その温度は乾燥部118の熱風乾燥手段182よりも低く、消費電力の低減を図っている。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体Pは、乾燥ドラム176から第3渡し胴搬送手段130を介して定着部120の定着ドラム184に受け渡される。
定着部120は、定着ドラム184、紫外線照射手段190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体Pの先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184は、第3渡し胴搬送手段130から記録媒体Pを受け取ると、定着ドラム184の外周面に設けられた保持手段185で記録媒体Pの先端部を保持するとともに、記録媒体Pを外周面に設けられた吸引孔によって吸着して搬送する。
定着ドラム184により、記録媒体Pは記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、紫外線照射手段190からの紫外線照射による硬化・定着が行われる。
紫外線照射手段190として用いられる光源は、特に限定されるものではなく、例えば、メタルハライドランプ、水銀ランプ、エキシマレーザー、紫外線レーザー、ブラックライト、冷陰極管、LED、レーザダイオードなどが適用可能であり、メタルハライドランプ管、水銀ランプ管若しくはブラックライトが好ましい。また、さらには、発光波長ピークが350〜420nmであり、かつ記録媒体表面上での最高照度が10〜2000mW/cmである紫外線を発生する発光ダイオードがより好ましい。
紫外線照射手段190の照射する紫外線のピーク波長は、インク組成物中の増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmが好ましく、より好ましくは、300〜450nmであり、さらに好ましくは、350〜450nmである。
紫外線光源190aの紫外線照射量は、例えば、2000mJ/cm以下が好ましく、より好ましくは、10〜2000mJ/cmであり、さらに好ましくは、20〜1000mJ/cmであり、特に好ましくは、50〜800mJ/cmである。
また、本実施形態のインクジェット記録装置では、紫外線は記録媒体Pの記録面に対して、好ましくは、0.01〜10秒、より好ましくは、0.1〜2秒照射することが適当である。
なお、定着ドラム184の表面温度を例えば50℃以上に設定し、定着ドラム184の外周面に保持された記録媒体124を裏面から加熱するようにしてもよい。これにより、記録媒体Pの乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができるとともに、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
なお、定着ドラム184の外周面に対向して記録媒体Pに形成された画像の検査を行うインラインセンサを設けてもよい。インラインセンサは、記録媒体Pに定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、例えばCCDラインセンサを好適に用いることができる。
定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122には、排紙ユニット192が設置される。定着部120の定着ドラム184から排紙ユニット192までの間に、渡し胴194、搬送チェーン196が設けられている。搬送チェーン196は、張架ローラ198に巻き掛けられている。定着ドラム184を通過した記録媒体Pは、渡し胴194を介して、搬送チェーン196に送られ、搬送チェーン196から排紙ユニット192へと受け渡される。
また、図1には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100は、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体Pの位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
図2は、インクジェット記録装置100のシステム構成を示す要部ブロック図である。
インクジェット記録装置100は、通信インターフェース80、システム制御部(システムコントローラ)82、画像メモリ84、モータドライバ86、ヒータドライバ88、プリント制御部90、メンテナンス制御部92、ヘッドドライバ94等を備えている。
通信インターフェース80は、ホストコンピュータ96から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース80にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリを搭載してもよい。ホストコンピュータ96から送出された画像データは通信インターフェース80を介してインクジェット記録装置100に取り込まれ、一旦画像メモリ84に記憶される。
画像メモリ84は、通信インターフェース80を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システム制御部82を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ84は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システム制御部82は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムにしたがってインクジェット記録装置100の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システム制御部82は、通信インターフェース80、画像メモリ84、モータドライバ86、ヒータドライバ88等の各部を制御し、ホストコンピュータ96との間やヒータ99を制御する制御信号を生成する。
画像メモリ84には、システム制御部82のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、画像メモリ84は、書き換え不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書き換え可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ84は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域として利用するようにしてもよい。
また、システム制御部82には、各種制御プログラムを格納したEEPROM85や画像データに対して各種画像処理を施す画像処理部87が接続されている。システム制御部82からの指令に応じて、EEPROM85から制御プログラムが読み出され、実行される。なお、EEPROM85は、動作パラメータ等の記憶手段と兼用するようにしてもよい。
モータドライバ86は、システム制御部82からの指示にしたがってモータ98を駆動するドライバである。図2には、インクジェット記録装置100の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号98で表示している。例えば、図2のモータ98には、図1の中間搬送部126、128、130や給紙胴152、処理液ドラム154、描画ドラム170、乾燥ドラム176、定着ドラム184などを駆動するモータなどが含まれる。
ヒータドライバ88は、システム制御部82からの指示にしたがって、ヒータ99を駆動するドライバである。図2には、インクジェット記録装置100に備えられる複数のヒータを代表して符号99で表示している。例えば、図2に示すヒータ99には、図1に示す処理液付与部114のヒータや乾燥部118のIRヒータなどが含まれる。
なお、システム制御部82には、この他にメンテナンス制御部92が接続されている。メンテナンス制御部92は、システム制御部82からの指示にしたがって、キャップ及びクリーニングブレードを含むメンテナンスユニット(図示省略)を駆動するメンテナンス駆動部93を制御するものである。
プリント制御部90は、システム制御部82の制御に従い、画像メモリ84内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、印字に先立ち、処理液付与ドライバ95を制御して、処理液塗布装置156から記録媒体124に対して処理液を付与するとともに、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ94に供給する制御部である。プリント制御部90において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ94を介してインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yの吐出液滴量(打滴量)や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
なお、システム制御部82には、紫外線照射手段190を制御するUV照射手段ドライバ97が接続されている。詳しくは後述するが、このUV照射手段ドライバ97によって紫外線照射手段190から照射される紫外線の方向(照射角、後述する第1及び第2の光学素子の反射角)が制御される。
本発明は、光硬化型インク(この例では水性紫外線硬化型インク)で描画されて搬送される記録媒体Pに光(紫外線)を照射してインクを硬化するとき、無駄なくなるべく多くの時間照射して好適率に硬化するものである。
以下、定着部120における紫外線照射手段190による紫外線照射方法について詳しく説明する。
図3に、本実施形態のインクジェット記録装置100の主要部である描画部116、乾燥部118及び定着部120を拡大して示し、本発明に係るインクジェット記録装置における紫外線照射方法について詳しく説明する。
図3に示すように、描画ドラム170、第2渡し胴搬送手段128、乾燥ドラム176、第3渡し胴搬送手段130、定着ドラム184及び渡し胴194が、並んで配置され、それぞれのドラムにより記録媒体Pが搬送され、搬送されるうちに記録媒体Pに対して処理液付与、描画、乾燥、定着(硬化)が順に行われ、最後に渡し胴194によって排紙部122に搬送されるようになっている。
なお、以下においては、主に定着部120の紫外線照射手段190による紫外線照射方法について説明するので、各ドラムが有している保持部材やガイド部材等の図面中の表示は省略している。
図3に示すように、各ドラム(描画ドラム170、第2渡し胴搬送手段128、乾燥ドラム176、第3渡し胴搬送手段130、定着ドラム184及び渡し胴194)には記録媒体Pが保持されて、それぞれ搬送されている。
また、定着部120の紫外線照射手段190は、ここでは紫外線光源190a、反射板190b、第1の光学素子191及び第2の光学素子193から構成されている。
紫外線光源190aは、前述したように特に限定されるものではなく、メタルハライドランプ、水銀ランプ、エキシマレーザー、紫外線レーザー、ブラックライト、冷陰極管、LED、レーザダイオードなどが適用可能であり、発光波長ピークが350〜420nmであり、かつ記録媒体表面上での最高照度が10〜2000mW/cmである紫外線を発生する発光ダイオードが最も好ましい。
第1の光学素子191は、所定の厚みを有する平板状の部材でガラス等の光透過性を有する材質で形成され、平板面は金属等を蒸着した反射面となっている。そして、第1の光学素子191は、その反射面が紫外線光源190aから発せられた紫外光の方向を向き、その紫外光を第2の光学素子193に向けて反射するような位置と、反射面が紫外光と平行となり、紫外光が第1の光学素子191の厚みの中を通過するような位置、との間で任意に角度調整が可能なように構成されている。
また、第2の光学素子193は、定着ドラム184側に向いた面が凹面鏡からなる反射面に形成され、第1の光学素子191による反射光を、定着ドラム184の周面上に保持された記録媒体Pに向けて反射、集光する。
なお、図3は、断面図であり、紫外線光源190a、反射板190b、第1の光学素子191及び第2の光学素子193は、それぞれ断面が示されているが、実際にはそれぞれ定着ドラム184の軸方向(搬送される記録媒体の幅方向)に延在して配置されている。例えば、紫外線光源190aはドラム軸方向に沿って真っ直ぐに延びた管状となっており、そのドラム周面上の光跡はドラム軸に平行に周面を横切って直線状に形成される。また、第1の光学素子191はドラム軸方向に長い直方体形状を有し、第2の光学素子193はドラム軸方向に平行な軸を有する半円筒形状を有している。
また、描画部116の描画ドラム170の周面近傍には、紫外線照射手段190で発せられた紫外線がインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yに入射してノズル内のインクが硬化しないように、紫外線を遮蔽する遮蔽板173が配置されている。遮蔽板173も、描画ドラム170のドラム軸方向に沿ってドラム周面の端から端にわたって形成されている。
ここでもし、紫外線照射手段190が紫外線光源190aと反射板190bしか備えておらず、第1の光学素子191及び第2の光学素子193がなかったら、紫外線光源190a及び反射板190bのみによって照射される固定された範囲を記録媒体Pが通過するときしか記録媒体Pに紫外線を照射することができない。
そこで、本実施形態は、第1の光学素子191及び第2の光学素子193を配置して、記録媒体Pが紫外線光源190a及び反射板190bのみによって照射される範囲外にあるときにも、記録媒体Pのサイズや搬送間隔に応じて、第1の光学素子191及び第2の光学素子193の反射角を制御し、記録媒体Pに対して紫外線を照射する回数を制御することにより効率的な紫外線照射を実現したものである。
図3において、定着ドラム184に保持されている記録媒体Pは、第3渡し胴搬送手段130から受け渡され搬送を始めた直後の状態であり、この状態で、図に矢印で示すように、紫外線光源190aから出射された紫外線は、第1の光学素子191で第2の光学素子193側に向けて反射された後、第2の光学素子193で記録媒体Pの先端部に照射されている。
これを、定着ドラム184付近をさらに拡大した図4を用いて詳しく説明する。
図4において、記録媒体Pの長さ(搬送方向の長さ)をa、記録媒体Pの搬送間隔(例えば定着ドラム184に保持されている記録媒体Pの先端と、その前に渡し胴194によって搬送されている記録媒体Pの後端とのドラム上の搬送経路に沿った長さ)をb、紫外線光源190aから定着ドラム184の周面上に下ろした垂線の足と第2の光学素子193によって記録媒体P上に照射される紫外線の照度が最大となる位置とのドラム上の搬送経路に沿った長さをcとする。
図4に示すように、先の記録媒体Pは渡し胴194に搬送され、定着ドラム184が次の記録媒体Pを第3渡し胴搬送手段130から受け取って搬送を始めた状態で、紫外線光源190a直下の搬送面(定着ドラム184の周面)上には記録媒体Pが存在しない場合には、第1の光学素子191と第2の光学素子193の反射角をそれぞれ制御して、上記a、b、cが、a<c<bという関係を満たすようにする。
これにより、定着ドラム184が第3渡し胴搬送手段130から受け取って搬送し始めた記録媒体P(の先端部)がまだ紫外線光源190aの直下(紫外線光源190aから定着ドラム184の周面上に下ろした垂線の足の位置)から遠い位置にあっても、第1の光学素子191及び第2の光学素子193の反射角を制御して図4に矢印で紫外光の光路を示すように、記録媒体Pを紫外線で照射することができる。
さらに、定着ドラム184がこのまま回転搬送を続け、記録媒体Pの後端まで紫外線照射を行っても、a<cという条件から、まだ記録媒体Pの先端は紫外線光源190aの直下には達していない。従って、第1の光学素子191及び第2の光学素子193を図4に示した状態にしたままで、記録媒体Pの先端から後端までを一回紫外線照射することができる。
このように、第1の光学素子191及び第2の光学素子193を用いた反射光を利用することで、例えば記録媒体Pの大きさが小さく、記録媒体Pが搬送手段上を大きな間隔を空けて搬送されてくるために、記録媒体Pが光源の直下にない時間が長い場合であっても、光路を曲げることによって記録媒体Pに紫外線を無駄なく照射することができる。
次に図5に、記録媒体Pの先端が紫外線光源190aの直下に来た状態を示す。
上記a<cという条件から、図4に示す第1の光学素子191及び第2の光学素子193の状態で記録媒体Pの後端まで紫外線照射を行った時点でも、まだ記録媒体Pの先端は紫外線光源190aの直下には達していないことがわかる。そこで、記録媒体Pの後端の紫外線照射を終了したところで、第1の光学素子191の反射面が紫外線光源190aから射出される紫外線の光軸と平行になるように角度を変えて、図5に示すように、紫外光が第1の光学素子191の内部を透過するように制御する。
すると図5に示すように、紫外線光源190aの直下において、記録媒体Pの先端から紫外線を照射することができる。
このように、a<bであり、かつ、紫外線光源190aの直下(紫外線光源190aから定着ドラム184の周面上に下ろした垂線の足の位置)を記録媒体Pが通過している場合に、紫外線光源190aの直下の記録媒体Pの先端から後端まで紫外線を照射する。
これにより、この例においては、図4に示す状態と、図5に示す状態の2回記録媒体Pに対して紫外線を照射することができる。
また、記録媒体Pの大きさによっては、記録媒体Pの位置に応じて、光学素子191及び第2の光学素子193の反射角を制御することにより、2回以上の複数回紫外線を照射することができる。
また、上で説明した例では、水性紫外線硬化型インクを用いて描画していたので、乾燥部118(乾燥ドラム176)を必要としたが、水性ではない一般の紫外線硬化型インクを用いる場合には、図6に示すように、乾燥部118(乾燥ドラム176)及び第3渡し胴搬送手段130は不要である。
次に、記録媒体Pの長さ(搬送方向の長さ)aが、記録媒体Pの搬送間隔(先に搬送されている記録媒体の後端と次に搬送される記録媒体の先端との距離)bに等しいか、または大きい場合(すなわち、a≧bの場合)について説明する。
この場合には、図7に示すように、第1の光学素子191を、図5の場合と同様に、第1の光学素子191の反射面が紫外線光源190aから射出される紫外線の光軸と平行になるように角度を制御し、紫外光が第1の光学素子191の内部を透過するようにする。
このとき、図7に示すように、紫外線光源190aの直下を記録媒体Pが通過している場合に、記録媒体Pの先端から後端までを、紫外線の光路を曲げることなく照射することができ、効率良く硬化することができる。
特に、例えば記録媒体が大きく、搬送間隔をあまり空けずに搬送されて来るような、aがbに比べて大きい場合には、効率的である。
次に、やはり、記録媒体Pの長さaが、記録媒体Pの搬送間隔bに等しいか、または大きい(すなわち、a≧b)場合であっても、記録媒体Pが紫外線光源190aの直下を通過していないときには、図8に示すように、第1の光学素子191及び第2の光学素子193の反射角を制御して、記録媒体Pに紫外線を照射するようにする。
このとき、特に、例えば記録媒体P上の、不吐出や濃度ムラをチェックするためのパターンなどが印刷される領域等の特定の領域に紫外線を照射することで、その領域を特に良く硬化させることがてきる。
また、このとき、記録媒体Pの長さa、記録媒体Pの搬送間隔b及び紫外線光源190aから定着ドラム184の周面上に下ろした垂線の足と第2の光学素子193によって記録媒体P上に照射される紫外線の照度が最大となる位置とのドラム上の搬送経路に沿った長さをcとの間に、c<a+bという関係が成り立つように、第1の光学素子191及び第2の光学素子193の反射角を制御する。
これにより、記録媒体Pが紫外線光源190aの直下にないときにも、記録媒体Pの特定の領域(例えば記録媒体P上の、不吐出や濃度ムラをチェックするためのパターンなどが印刷される領域)に紫外線を照射することで、その領域を特によく硬化させることができる。
なお、今まで説明してきた例では、第2の光学素子193が第1の光学素子191よりも搬送方向上流側に配置されていたが、図9に示すように、第2の光学素子193を第1の光学素子191よりも下流側に配置するように構成してもよい。
この場合には、記録媒体Pが定着ドラム184上に保持されて搬送される際、先に紫外線光源190aの直下を通過する異なるので、図5または図7に示すように、まず第1の光学素子191の反射面が紫外線光源190aから射出される紫外線の光軸と平行になるように角度を制御し、紫外光が第1の光学素子191の内部を透過するようにして、記録媒体Pに紫外線を照射する。
そして記録媒体Pの長さaが小さい場合(a<b)には、図9に示すように、記録媒体Pが紫外線光源190aの直下を通過した後でも、第1の光学素子191及び第2の光学素子193の反射角を制御することにより、記録媒体Pに紫外線を照射することができる。
以上説明した例は、ドラム搬送の例であったが、本発明はドラム搬送に限定されるものではない。以下、ベルト搬送の場合に本発明を適用した例を説明する。
図10に最も基本的なベルト搬送の例を示す構成図を示す。この図10は、前述したドラム搬送の例を示す図3に対応するものである。
図10に示すように、このインクジェット記録装置200は、記録媒体Pをベルト搬送手段210によって搬送する。ベルト搬送手段210に沿って、搬送方向上流側から下流側に向かって、描画部216、乾燥部218、定着部220が配置されている。
なお、図10では図示を省略しているが、描画部216の前段には処理液付与部が、また定着部220の後段には排出部がそれぞれ設けられている。
描画部216は、インクジェットヘッド272M、272K、272C、272Yを備えている。
乾燥部218は、インクジェットヘッド272M、272K、272C、272Yから記録媒体P上に打滴された水性紫外線硬化型インクの溶媒を乾燥させる溶媒乾燥装置として、記録媒体Pに熱風を吹き付けて溶媒を乾燥させる熱風乾燥手段282を備えている。
なお、水性紫外線硬化型インクではなく、一般の紫外線硬化型インクを用いる場合には、この乾燥部218は不要である。
定着部220は、記録媒体Pに紫外線を照射して硬化・定着を行う紫外線照射手段290を備えている。紫外線照射手段290は、紫外線光源290a、反射板290b、第1の光学素子291及び第2の光学素子293から構成されている。
また、前述したドラム搬送の場合と同様に、第1の光学素子291は、所定の厚みを有する平板状の部材でガラス等の光透過性を有する材質で形成され、平板面は金属等を蒸着した反射面となっている。そして、第1の光学素子291は、その反射面が紫外線光源290aから発せられた紫外光の方向を向き、その紫外光を第2の光学素子293に向けて反射するような位置と、反射面が紫外光と平行となり、紫外光が第1の光学素子291の厚みの中を通過するような位置、との間で任意に角度調整が可能なように構成されている。
また、第2の光学素子293は、ベルト搬送手段210の搬送面側に向いた面が凹面鏡からなる反射面に形成され、第1の光学素子291による反射光を、搬送面上に保持された記録媒体Pに向けて反射、集光する。
なお、図10は、断面図であり、紫外線光源290a、反射板290b、第1の光学素子291及び第2の光学素子293は、それぞれ断面が示されているが、実際にはそれぞれ搬送面幅方向(搬送される記録媒体の幅方向)に延在して配置されている。
また、インクジェットヘッド272M、272K、272C、272Yに対し、搬送方向下流側に、紫外線の進入を防ぐための遮光板273が配置されている。
ベルト搬送の場合も、前述したドラム搬送においてドラム周面に沿って湾曲していた搬送路を平坦にしただけで、紫外線照射方法は基本的にドラム搬送の場合と同様である。
図10において、ベルト搬送手段210の搬送面上を搬送されてきた記録媒体Pが、紫外線光源290aの直下には達せず、紫外線光源290aの直下からまだ遠くにある場合でも、第1の光学素子291及び第2の光学素子293の反射角を制御することにより、記録媒体Pに対して紫外線を照射することができる。
図11は、前述したドラム搬送の場合における図4に対応する。すなわち、図11において、記録媒体Pの長さ(搬送方向の長さ)をa、記録媒体Pの搬送間隔(例えば先に搬送されている記録媒体Pの後端と、次に搬送されて来る記録媒体Pの先端との間の搬送経路に沿った距離)をb、紫外線光源290aから搬送面上に下ろした垂線の足と第2の光学素子293によって記録媒体P上に照射される紫外線の照度が最大となる位置との搬送経路に沿った長さをcとする。
図11に示すように、紫外線光源290a直下の搬送面上には記録媒体Pが存在しない場合には、第1の光学素子291と第2の光学素子293の反射角をそれぞれ制御して、上記a、b、cが、a<c<bという関係を満たすようにする。
これにより、記録媒体P(の先端部)がまだ紫外線光源290aの直下(紫外線光源290aから搬送面上に下ろした垂線の足の位置)から遠い位置にあっても、第1の光学素子291及び第2の光学素子293の反射角を制御して図11に矢印で紫外光の光路を示すように、記録媒体Pを紫外線で照射することができる。
さらに、ベルト搬送手段210がこのまま記録媒体Pの搬送を続け、記録媒体Pの後端まで紫外線照射を行っても、a<cという条件から、まだ記録媒体Pの先端は紫外線光源290aの直下には達しない。従って、第1の光学素子291及び第2の光学素子293を図11に示した状態にしたままで、記録媒体Pの先端から後端までを一回紫外線照射することができる。
このように、第1の光学素子291及び第2の光学素子293を用いた反射光を利用することで、例えば記録媒体Pの大きさが小さく、記録媒体Pが搬送手段上を大きな間隔を空けて搬送されてくるために、記録媒体Pが光源の直下にない時間が長い場合であっても、光路を曲げることによって記録媒体Pに紫外線を無駄なく照射することができる。
次に図12に、記録媒体Pの先端が紫外線光源290aの直下に来た状態を示す。図12は、ドラム搬送の場合の図5に対応する。
上記a<cという条件から、図11に示す第1の光学素子291及び第2の光学素子293の状態で記録媒体Pの後端まで紫外線照射を行った時点でも、まだ記録媒体Pの先端は紫外線光源290aの直下には達していない。そこで、記録媒体Pの後端の紫外線照射を終了したところで、第1の光学素子291の反射面が紫外線光源290aから射出される紫外線の光軸と平行になるように角度を変えて、図12に示すように、紫外光が第1の光学素子291の内部を透過するように制御する。
すると図12に示すように、紫外線光源290aの直下において、記録媒体Pの先端から紫外線を照射することができる。
このように、a<bであり、かつ、紫外線光源290aの直下(紫外線光源290aから搬送面上に下ろした垂線の足の位置)を記録媒体Pが通過している場合に、紫外線光源290aの直下の記録媒体Pの先端から後端まで紫外線を照射する。
この場合、記録媒体Pに対して、2回紫外線を照射することができる。
また、記録媒体Pの大きさ(搬送方向の長さ)によっては記録媒体Pの位置に応じて、紫外線光源290aから搬送面上に下ろした垂線の足と第2の光学素子293によって記録媒体P上に照射される紫外線の照度が最大となる位置との搬送経路に沿った長さcが、記録媒体Pの長さaと、記録媒体Pの搬送間隔bとの間に、a<c<bという関係が成り立つ範囲において、複数回(N回、Nは正の整数)第1の光学素子291及び第2の光学素子293の反射角を変化させることにより、記録媒体Pに対してN回紫外線を照射することができる。
この様子を図13から図17に示す。
まず、図13において、ベルト搬送手段210によって、搬送路上を4枚の記録媒体P0、P1、P2、P3が搬送されている。そして、現在、記録媒体P0が紫外線光源290aの直下にある。この場合には、第1の光学素子291の反射面が紫外線光源290aから射出される紫外線の光軸と平行になるように角度を変えて、図13に示すように、紫外光が第1の光学素子291の内部を透過するように制御し、紫外線光源290aの直下において、記録媒体Pの先端から紫外線を照射する。
次に図14に示すように、記録媒体P0が紫外線光源290aの直下を通過し、次の記録媒体P1が搬送されてくると、第1の光学素子291及び第2の光学素子293の反射角を変化させることにより、記録媒体P1に対して紫外線を照射する。
第1の光学素子291及び第2の光学素子293の反射角が図14に示す状態で、記録媒体P1の後端が、第2の光学素子293が反射した紫外線が照射する位置を通過した場合には、図15に示すように、第1の光学素子291及び第2の光学素子293の反射角を変化させることにより、新たな位置における記録媒体P1の先端に対して再度紫外線を照射するようにする。
そして、また第1の光学素子291及び第2の光学素子293の反射角が図15に示す状態で、記録媒体P1の後端が、第2の光学素子293が反射した紫外線が照射する位置を通過した場合には、図16に示すように、第1の光学素子291及び第2の光学素子293の反射角を再度変化させることにより、また新たな位置における記録媒体P1の先端に対して再度紫外線を照射するようにする。なお、図16においては、すでに最初の記録媒体P0は排出されており、一番右側から新たな記録媒体P4が搬送されている。
そして最後、記録媒体P1の先端が紫外線光源290aの直下まで搬送されたら、第1の光学素子291の反射面が紫外線光源290aから射出される紫外線の光軸と平行になるように角度を変えて、図17に示すように、紫外光が第1の光学素子291の内部を透過して、紫外線光源290aの直下において、記録媒体P1の先端から紫外線を照射するようにする。
この場合、図14から図17まで、記録媒体P1に対して4回紫外線を照射することができる。
また、ベルト搬送の場合にも、ドラム搬送の場合と同様に、第1の光学素子291と第2の光学素子293の搬送方向における配置を逆にすることができる。
図18は図9に対応するものである。図18に示すように、第2の光学素子293を第1の光学素子291よりも搬送方向下流側に配置してもよい。また、このように配置した場合の紫外線照射方法は、図9に示すドラム搬送の場合と同様である。
また、図19は図7に対応するものである。記録媒体Pの長さ(搬送方向の長さ)aが、記録媒体Pの搬送間隔(先に搬送されている記録媒体の後端と次に搬送される記録媒体の先端との距離)bに等しいか、または大きい場合(すなわち、a≧bの場合)には、図19に示すように、第1の光学素子291を、第1の光学素子291の反射面が紫外線光源290aから射出される紫外線の光軸と平行になるように角度を制御し、紫外光が第1の光学素子291の内部を透過するようにする。
このとき、図19に示すように、紫外線光源290aの直下を記録媒体Pが通過している場合に、記録媒体Pの先端から後端までを、紫外線の光路を曲げることなく照射することができ、効率良く硬化することができる。
また、図20は図8に対応するものである。
すなわち、記録媒体Pの長さaが、記録媒体Pの搬送間隔bに等しいか、または大きい(すなわち、a≧b)場合であっても、記録媒体Pが紫外線光源290aの直下を通過していないときには、図20に示すように、第1の光学素子291及び第2の光学素子293の反射角を制御して、記録媒体Pに紫外線を照射するようにする。
このとき、特に、例えば記録媒体P上の、不吐出や濃度ムラをチェックするためのパターンなどが印刷される領域等の特定の領域に紫外線を照射することで、その領域を特に良く硬化させることがてきる。
また、このとき、記録媒体Pの長さa、記録媒体Pの搬送間隔b、及び紫外線光源290aから搬送面上に下ろした垂線の足と、第2の光学素子293によって記録媒体P上に照射される紫外線の照度が最大となる位置との間のドラム上の搬送経路に沿った長さc、との間に、c<a+bという関係が成り立つように、第1の光学素子291及び第2の光学素子293の反射角を制御する。
これにより、記録媒体Pが紫外線光源290aの直下にないときにも、記録媒体Pの特定の領域(例えば記録媒体P上の、不吐出や濃度ムラをチェックするためのパターンなどが印刷される領域)に紫外線を照射することで、その領域を特によく硬化させることができる。
なお、記録媒体Pの長さa、記録媒体Pの搬送間隔bについて、a≧bである場合と、a<bである場合とで、紫外線照射手段190(290)による記録媒体Pへ照射する紫外線の積分照射量が略等しくなるように、a<bである場合には、a≧bである場合に比べて、搬送手段による記録媒体Pの搬送速度を略等しく保ちつつ、紫外線光源190a(290a)の発光照度を低く設定するようにすることが好ましい。
これにより、記録媒体Pの大きさが小さい場合には、搬送中に何度も紫外線を照射することができるので、紫外線光源190a(290a)の照度を低く設定しても、硬化に必要なエネルギーを与えることができ、ランニングコストが安価になり、また紫外線光源190a(290a)の発熱量を抑え、長寿命化を実現することができる。
またあるいは、記録媒体Pの長さa、記録媒体Pの搬送間隔bに対して、a≧bである場合と、a<bである場合とで、紫外線照射手段190(290)による記録媒体Pへ照射する紫外線の積分照射量が略等しくなるように、a<bである場合には、a≧bである場合に比べて、紫外線光源190a(290a)の発光照度を略等しく保ちつつ、搬送手段による記録媒体Pの搬送速度を速く設定することが好ましい。
これにより、露光時間を短くしても硬化に必要なエネルギーを与えることができるため、高生産性を実現することができる。
図21に、紫外線照射手段の第1の光学素子と第2の光学素子を拡大して示す。
図21に示すように、第1の光学素子391は、紫外線光源390aから射出され、また反射板390bによって反射された紫外線を第2の光学素子393側に向けて反射するものであり、第2の光学素子393は、第1の光学素子391からの反射光を、搬送手段310によって搬送される記録媒体Pに向けて反射するものである。
ここで第1の光学素子391の紫外線光源390aから搬送面に下ろした垂線となす角(傾き角)θを制御することにより、紫外線光源390aから射出された紫外線の反射角αと、第2の光学素子393による反射角βを制御して、紫外線光源390aの直下から記録媒体P上に照射される紫外線の照度が最大となる位置までの距離cを制御することができる。
なお、図21では、第1の光学素子391の傾き角θのみを制御していたが、第2の光学素子393の向きも同時に制御するようにしてもよい。
また、すでに述べたことではあるが、記録媒体Pが、紫外線光源390aの直下を通過する場合には、第1の光学素子391の傾き角θを0°にして、第1の光学素子391の反射面の向きを紫外線光源390aから搬送面に下ろした垂線と平行にして、紫外線が第1の光学素子391の内部を通過して、紫外線光源390aの直下で記録媒体Pに紫外線を照射するようにする。
また、第1の光学素子は、このような平板状のものに限定されるものではない。
例えば、図23に示すように、斜面に平面鏡を有する楔状の光学素子491でもよい。図23に示すように、紫外線光源390aの直下から離れた位置にある記録媒体Pに対して紫外線を照射する場合には、紫外線光源390aの直下に斜面に形成された平面鏡が紫外線光源390aの直下に位置するように光学素子491を配置する。
この場合、斜面の平面鏡の傾き角θは固定されているので、第2の光学素子393の向きを制御することにより、紫外線光源390aの直下から記録媒体P上に照射される紫外線の照度が最大となる位置までの距離cを制御することができる。
また、紫外線光源390aの直下を通過している記録媒体Pに対して紫外線を照射する場合には、図24に示すように、光学素子491を横に移動させて、紫外線光源390aから直接記録媒体Pに紫外線が照射するようにする。
なお、第1の光学素子を平板状にした場合に、上で説明した例では、紫外線光源の直下の記録媒体に紫外線を照射するときは、第1の光学素子の反射面の向きを紫外線光源から搬送面に下ろした垂線と平行にして、紫外線が第1の光学素子の内部を通過するようにしていたが、第1の光学素子の向きを変える際の回転の中心を第1の光学素子の真ん中から少しずらすことにより、第1の光学素子の反射面が紫外線光源から搬送面に下ろした垂線と平行になったときに、第1の光学素子が紫外線の光軸と少しずれて、紫外線が第1の光学素子の内部を通過せずに、記録媒体に直接照射されるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の光学素子及び第2の光学素子を制御することにより、記録媒体の大きさに応じて、無駄なく効率的に紫外線を照射することができる。
以上、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
100、200…インクジェット記録装置、112…給紙部、114…処理液付与部、116…描画部、118…乾燥部、120…定着部、124…記録媒体、126…中間搬送部(第1渡し胴搬送手段)、128…中間搬送部(第2渡し胴搬送手段)、130…中間搬送部(第3渡し胴搬送手段)、154…処理液ドラム、156…処理液塗布装置、170…描画ドラム、172M、172K、172C、172Y…インクジェットヘッド、176…乾燥ドラム、178…溶媒乾燥装置、180…送風手段、182…熱風乾燥手段、184…定着ドラム、190、290…紫外線照射手段、190a…紫外線光源、190b…反射板、191、291、391…第1の光学素子、192…排紙ユニット、193、293、393…第2の光学素子、210…ベルト搬送手段、P…記録媒体

Claims (17)

  1. シート状の記録媒体に向けて光硬化型インクを吐出するフルライン型の液体吐出ヘッドと、前記記録媒体に着弾した前記光硬化型インクに光を照射して硬化させることで定着させる光照射手段と、前記記録媒体を前記液体吐出ヘッド及び前記光照射手段に対して前記記録媒体幅方向と略直交する方向に搬送する搬送手段とを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記光照射手段は、前記記録媒体搬送方向に略直交する方向に延在して配置された光源と、該光源から射出される光を透過させ、または所定の方向に反射させる第1の光学素子と、前記第1の光学素子が反射した光を前記記録媒体に向けて反射する第2の光学素子とを有して構成され、
    前記記録媒体の前記搬送手段の搬送路に沿った長さをa、前記搬送手段によって先に搬送される記録媒体の後端と、次に搬送される記録媒体の先端との間の、前記搬送路に沿った距離をbとしたとき、a<bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記第1の光学素子は前記光源から射出される光を透過させて、または直接前記光源から、前記搬送路に下した垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射するとともに、
    a<bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を前記記録媒体が通過していない場合には、前記第1の光学素子は前記光源から射出される光を前記第2の光学素子に向けて反射するとともに、前記第2の光学素子によってその光を前記記録媒体に向けて照射するように、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置と、前記第2の光学素子によって前記記録媒体上に照射される光の照度が最大となる位置との前記搬送路に沿った距離をcとするとき、a<c<bとなるように、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子の反射角をそれぞれ制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記a及びbについて、a≧bである場合に、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記第1の光学素子は前記光源から射出される光を透過させて、または直接前記光源から、前記搬送路に下した垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記a及びbについて、a≧bである場合と、a<bである場合とで、前記光照射手段による前記記録媒体へ照射する光の積分照射量が略等しくなるように、a<bである場合には、a≧bである場合に比べて、前記搬送手段による前記記録媒体の搬送速度を略等しく保ちつつ、前記光源の発光照度を低く設定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記a及びbについて、a≧bである場合と、a<bである場合とで、前記光照射手段による前記記録媒体へ照射する光の積分照射量が略等しくなるように、a<bである場合には、a≧bである場合に比べて、前記光源の発光照度を略等しく保ちつつ、前記搬送手段による前記記録媒体の搬送速度を速く設定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記a及びbについて、a≧bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記第1の光学素子は前記光源から射出される光を透過させて、または直接前記光源から、前記搬送路に下した垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射し、
    また、a≧bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を前記記録媒体が通過していない場合には、前記第1の光学素子は前記光源から射出される光を前記第2の光学素子に向けて反射するとともに、前記第2の光学素子による反射光を前記記録媒体に向けて照射し、その際前記a、b及びcについて、c<a+bとなるように前記第1の光学素子と前記第2の光学素子の反射角をそれぞれ制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第1の光学素子は、平面鏡からなる反射面を有し、光透過性を有する平板状の部材であり、前記反射面が前記光源から発せられる光を反射する位置と、前記反射面が前記光源から発せられる光の光軸方向と平行となり前記平板状の部材内を前記光を透過させる位置との間を回動可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記第1の光学素子は、平面鏡からなる反射面を有し、前記反射面が前記光源から発せられる光を反射する位置と、前記光源から発せられる光の光軸が前記第1の光学素子と交わらない位置との間を移動可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記第2の光学素子は、凹面鏡からなる反射面を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記光硬化型インクは、紫外線硬化型インクであり、前記光照射手段の光源は、紫外線光源であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記光硬化型インクは、水性紫外線硬化型インクであることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 搬送路上を搬送されるシート状の記録媒体に向けて光硬化型インクを吐出し、前記記録媒体に着弾した前記光硬化型インクに光を照射して硬化させることで定着させるインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体の前記搬送路に沿った長さをa、前記搬送路上を先に搬送される記録媒体の後端と、次に搬送される記録媒体の先端との間の、前記搬送路に沿った距離をbとしたとき、a<bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射するとともに、
    a<bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を前記記録媒体が通過していない場合には、前記光源から射出される光を光学素子を用いて反射させて、該反射光により前記記録媒体を照射するように、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置と、前記光学素子によって前記記録媒体上に照射される反射光の照度が最大となる位置との前記搬送路に沿った距離をcとするとき、a<c<bとなるように、前記光学素子の反射角を制御することを特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 前記a及びbについて、a≧bである場合に、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記a及びbについて、a≧bである場合と、a<bである場合とで、前記記録媒体に照射される光の積分照射量が略等しくなるように、a<bである場合には、a≧bである場合に比べて、前記記録媒体の搬送速度を略等しく保ちつつ、前記光源の発光照度を低く設定することを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記a及びbについて、a≧bである場合と、a<bである場合とで、前記記録媒体に照射される光の積分照射量が略等しくなるように、a<bである場合には、a≧bである場合に比べて、前記光源の発光照度を略等しく保ちつつ、前記記録媒体の搬送速度を速く設定することを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記a及びbについて、a≧bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を前記記録媒体が通過している場合には、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を通過している前記記録媒体に向けて光を照射し、
    また、a≧bであり、かつ、前記光源から前記搬送路に下した垂線の足の位置を前記記録媒体が通過していない場合には、前記光学素子による前記反射光を前記記録媒体に向けて照射し、その際前記a、b及びcについて、c<a+bとなるように前記光学素子の反射角を制御することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記光硬化型インクは、紫外線硬化型インクであり、前記硬化させる光は、紫外線であることを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  17. 前記光硬化型インクは、水性紫外線硬化型インクであることを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録方法。
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