JP5187959B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は印刷装置に係り、特に水性インクを用いて汎用印刷紙にインクジェット方式で印刷する印刷装置に関する。
水性インクを用いて汎用印刷紙にインクジェット方式で印刷する印刷装置において、高画質の画像を形成するためには、印刷面を乾燥させる必要がある。
特許文献1には、インクジェット方式で印刷する印刷装置において、印刷後の連続紙を加熱したベッドで吸着保持して加熱しながら、ブロワで熱風を吹き付けて乾燥させることが提案されている。
また、特許文献2には、グラビア印刷機において、印刷後の記録媒体の裏面に冷却した案内ローラを接触させて冷却しながら、表面に熱風を吹き付けて乾燥させることが提案されている。
特開2004−330568号公報 特開2005−343005号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、大量の印刷物を高速に処理すると、装置内に大量の熱が発生し、装置内の温度が不安定になるという欠点がある。そして、この結果、印刷物の品質が安定しなくなるという欠点がある。また、ベッドを加熱しつつ、ブロワで熱風を吹き付けることから、装置が多大な電力を消費してしまうという欠点がある。
特許文献2の方法も、記録媒体の温度が低い状態では乾燥効率が低下するため、大量の印刷物を高速に処理する場合には、高温、高速の熱風を供給する必要が生じ、大量の熱が発生するという欠点がある。この結果、印刷物の品質が安定しなくなるという欠点がある。また、高温、高速の熱風を供給する必要が生じることから、装置が多大な電力を消費してしまうという欠点がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、印刷物を省電力で効率よく乾燥させ、安定した品質に保つことができる印刷装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、回転する無端状の搬送面の上に記録媒体を吸着保持して、該記録媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する第1の搬送手段と、前記第1の搬送手段によって搬送される前記記録媒体に向けてインクの液滴を吐出し、画像を記録するインクジェットヘッドと、回転する無端状の搬送面の上に記録媒体を吸着保持して、該記録媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する第2の搬送手段と、前記記録媒体を前記第1の搬送手段から受け取り、所定の搬送経路に沿って搬送して、前記第2の搬送手段に受け渡す第3の搬送手段と、前記第2の搬送手段の搬送面を加熱する加熱手段と、前記第2の搬送手段によって搬送される記録媒体に常温の風を吹き付ける送風手段と、を備えたことを特徴とする印刷装置を提供する。
本発明によれば、印刷直後のシート状の記録媒体は、回転する無端状の搬送面(たとえば、ローラ(胴)やコンベアなど)の上に載置されて搬送される。この搬送面は加熱手段で加熱されており、印刷後の記録媒体は、この加熱された搬送面の上に載置されることにより、瞬時に加熱される。この搬送面による加熱とともに、記録媒体は、搬送面による搬送過程で送風手段から常温の風が吹き付けられる。これにより、インクに含有する水分を効率よく吹き飛ばすことができ、画質性能を大幅に向上させることができる。また、常温による送風なので、消費電力も抑えることができ、省エネで運転することができる。
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、前記加熱手段は、前記第2の搬送手段の搬送面の内側に熱源を接触させて、直接的に加熱する直接加熱手段で構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置を提供する。
本発明によれば、加熱手段が、搬送面の内側に熱源を接触させて、直接的に加熱する直接加熱手段で構成される。搬送面を直接加熱することにより、効率よく搬送面を加熱することができる。
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、前記加熱手段は、前記第2の搬送手段の搬送面の内側に熱源を接触させて、直接的に加熱する直接加熱手段と、前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射して、間接的に加熱する間接加熱手段と、で構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置を提供する。
本発明によれば、加熱手段が、搬送面の内側に熱源を接触させて、直接的に加熱する直接加熱手段と、搬送面に熱を照射して、間接的に加熱する間接加熱手段とで構成される。これにより、ムラなく、かつ、効率よく搬送面を加熱することができる。
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、前記加熱手段は、前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射して、間接的に加熱する間接加熱手段で構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置を提供する。
ラなく加熱することができる。
本発明によれば、加熱手段が、搬送面に熱を照射して、間接的に加熱する間接加熱手段で構成される。これにより、搬送面をムラなく加熱することができる。
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、前記間接加熱手段は、前記第2の搬送手段による前記記録媒体の搬送経路上で前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置提供する。
本発明によれば、間接加熱手段が、記録媒体の搬送経路上で搬送面に熱を照射して、搬送面を加熱する。これにより、間接加熱手段による熱の照射エリアに記録媒体を通すことができ、間接加熱手段から照射される熱を利用して、記録媒体を乾燥させることができる。
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、前記間接加熱手段は、前記第2の搬送手段による前記記録媒体の搬送経路以外で前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置を提供する。
本発明によれば、間接加熱手段が、記録媒体の搬送経路以外で搬送面に熱を照射して、搬送面を加熱する。これにより、搬送面のみを加熱でき、ムラなく、効率よく搬送面を加熱することができる。
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記間接加熱手段は、前記第2の搬送手段による前記記録媒体の搬送経路上で前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射する第1の間接加熱手段と、前記第2の搬送手段による前記記録媒体の搬送経路以外で前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射する第2の間接加熱手段と、で構成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷装置を提供する。
本発明によれば、間接加熱手段が、記録媒体の搬送経路上で搬送面に熱を照射する第1の間接加熱手段と、記録媒体の搬送経路以外で搬送面に熱を照射する第2の間接加熱手段とで構成される。これにより、搬送面をムラなく、効率よく加熱できるとともに、間接加熱手段からの熱を利用して、記録媒体の乾燥も行うことができる。
請求項8に係る発明は、前記目的を達成するために、前記加熱手段は、前記第2の搬送手段の搬送面を40℃〜70℃に加熱し、前記送風手段は、20m/s以下の速度で送風することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の印刷装置を提供する。
本発明によれば、加熱手段が搬送面を40℃〜70℃に加熱し、送風手段が20m/s以下の速度で常温の風を送風する。この範囲で運転することにより、印刷物を省電力で効率よく乾燥させることができる。
請求項9に係る発明は、前記目的を達成するために、前記記録媒体が、汎用印刷紙であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の印刷装置を提供する。
本発明によれば、記録媒体が、汎用印刷紙で構成される。汎用印刷紙は、インクが滲みやすいことから、特に本発明を有効に作用させることができる。
本発明によれば、印刷物を省電力で効率よく乾燥させ、安定した品質に保つことができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る印刷装置の好ましい実施の形態について詳説する。
[装置全体構成]
図1は、本発明に係る印刷装置の一実施形態を示す全体構成図である。
同図に示す印刷装置10は、シート状の記録媒体(本実施の形態では、特に汎用印刷紙)にインクジェット方式で印刷する印刷装置であり、主として、記録媒体14を供給する給紙部22と、記録媒体14に対して浸透抑制処理を行う浸透抑制処理部24と、記録媒体14にインク凝集剤などの処理液を付与する処理液付与部26と、記録媒体14に色インクを付与して画像形成を行う印刷部28と、印刷後の記録媒体を乾燥させる溶媒乾燥部30と、画像を堅牢化する熱圧定着部32と、画像が形成された記録媒体14を搬送して排出する排出部34とで構成される。
<給紙部>
給紙部22には、枚葉紙の形態の記録媒体14を供給する給紙トレイ36が設けられている。記録媒体14は、粘着ローラ37によって給紙トレイ36から繰り出され、浸透抑制処理部24に給紙される。
<浸透抑制処理部>
浸透抑制処理部24は、記録媒体14に対して浸透抑制処理を行う。
給紙トレイ36と浸透抑制処理部24の圧胴40との間には渡し胴38が設けられており、給紙トレイ36から給紙された記録媒体14は、この渡し胴38を介して、浸透抑制処理部24の圧胴40に受け渡される。圧胴40には、図示しないグリッパが設けられており、このグリッパに把持されて、記録媒体14は圧胴40と共に回転移動する。
浸透抑制処理部24の圧胴40の周囲には、圧胴40の回転方向(図1において反時計回り方向)の上流側から順に液体塗布装置42、用紙押さえ44、浸透抑制剤乾燥ユニット46が配置されている。
液体塗布装置42は、圧胴40に保持されて回転移動する記録媒体14の所望領域に選択的に浸透抑制剤を付与する。
用紙押さえ44は、圧胴40の周面に給紙された記録媒体14の両端や後端を押さえながら、記録媒体14を圧胴40の回転方向に送り出す。
浸透抑制剤乾燥ユニット46は、ヒータとファンとを備えてなり、圧胴40に保持されて回転移動する記録媒体14に熱風を吹き付けて、浸透抑制剤をプレ乾燥する。
<処理液付与部>
処理液付与部26は、記録媒体14にインク凝集剤などの処理液を付与する。
浸透抑制処理部24の圧胴40と処理液付与部26の圧胴86との間には渡し胴84が設けられており、浸透抑制処理部24で浸透抑制処理が行われた記録媒体14は、この渡し胴84を介して処理液付与部26の圧胴86に受け渡される。
ここで、まず、渡し胴84の構成について説明する。渡し胴84は、ドラム状に形成されており、その周面の2カ所(対称位置)に図示しないグリッパが取り付けられている。記録媒体14は、このグリッパに把持されて搬送される。また、この渡し胴84の内部には、図示しないヒータ(たとえば、ハロゲンヒータ、赤外線ヒータ等)が取り付けられており、渡し胴84によって搬送される記録媒体14は、このヒータから放射される熱によって加熱されながら搬送される。
渡し胴84は、以上のように構成される。浸透抑制処理部24の圧胴40から渡し胴84に受け渡された記録媒体14は、その搬送過程で渡し胴84に内蔵されたヒータの輻射熱で画像記録面が加熱乾燥される。そして、処理液付与部26の圧胴86に受け渡される。
処理液付与部26の圧胴86は、ドラム状に形成されており、その周面の2カ所(対称位置)に図示しないグリッパが取り付けられている。記録媒体14は、このグリッパに把持されて搬送される。
この圧胴86の周囲には、圧胴86の回転方向(図1において反時計回り方向)の上流側から順に処理液ヘッド202、処理液乾燥ユニット204が設けられている。
処理液ヘッド202は、圧胴86に保持される記録媒体14に対して処理液を打滴するものであり、印刷部28に配置される各インクヘッドと同様の構成が適用される。ただし、処理液(凝集処理剤)の粘度や表面張力、pH(水素イオン濃度)などに応じて、ノズルの形状や表面処理、駆動波形などが調整される。
処理液乾燥ユニット204については、上述した浸透抑制処理部24の浸透抑制剤乾燥ユニット46と同様の構成が適用される。すなわち、ヒータとファンとを備えて構成され、圧胴86に保持されて移動する記録媒体14に熱風を吹き付けて処理液をプレ乾燥する。
なお、本実施の形態の印刷装置10で用いられる凝集処理剤などの処理液は、後段の印刷部28で用いられるインクに含有される色材を凝集させる作用を有する酸性液が好ましい。具体的には、2−ピロリドン−5−カルボン酸、リン酸、コハク酸、クエン酸などの酸を添加した処理液が考えられる。
なお、グリセリンなどの高沸点溶媒やポリマー粒子などを少量添加して処理液の浸透を抑制することで浸透抑制層を不要にするも可能である。このような浸透抑制効果を有する処理液を液体塗布装置42で塗布する場合は、処理液付与部26の圧胴86、処理液ヘッド202、及び処理液乾燥ユニット204などが不要になる。
<印刷部>
印刷部28は、記録媒体14に色インクを付与して画像形成を行う。
処理液付与部26の圧胴86と印刷部28の圧胴216との間には渡し胴214が設けられており、処理液付与部26で印刷面に凝集処理剤層が形成された記録媒体14は、この渡し胴214を介して印刷部28の圧胴216に受け渡される。圧胴216には、図示しないグリッパが設けられており、このグリッパに把持されて、記録媒体14は圧胴216と共に回転移動する。
渡し胴214の構成は、上述した浸透抑制処理部24の渡し胴84の構成と同じである。すなわち、ヒータを内蔵し、周面に設けられたグリッパで記録媒体14を把持して、記録媒体14を搬送する。記録媒体14は、この搬送過程で渡し胴214から放射される熱で加熱される。
印刷部28の圧胴216の周囲には、圧胴216の回転方向(図1において反時計回り方向)の上流側から順にブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のインクにそれぞれ対応したインクヘッド210K、210C、210M、210Yが設けられている。
各インクヘッド210K、210C、210M、210Yは、インクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)が適用される。各インクヘッド210K、210C、210M、210Yは、それぞれ対応する色インクの液滴を圧胴216に負圧吸着や静電吸着した状態で保持された記録媒体14に向かって吐出する。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示するが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。たとえば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
ここで、各ヘッドの構造について説明する。色別のヘッド210K、210C、210M、210Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号210によってヘッドを示すものとする。なお、処理液付与部26に用いられる処理液ヘッド202についてもインクヘッド210と同様の構造が採用される。
図2(a)は、インクヘッド210の構造例を示す平面透視図であり、図2(b) は、その一部の拡大図である。
記録媒体14上に印刷されるドットピッチを高密度化するためには、インクヘッド210におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のインクヘッド210は、図2(a)、(b) に示したように、インク吐出口であるノズル281と、各ノズル281に対応する圧力室282等からなる複数のインク室ユニット(記録素子単位としての液滴吐出素子)283を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(用紙搬送方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体14の搬送方向(図2中矢印S)と略直交する方向(図2中矢印M)に画像形成領域の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は図示の例に限定されない。たとえば、図2(a) の構成に代えて、図3に示すように、複数のノズル281が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール280’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで長尺化することにより、全体として記録媒体14の画像形成領域の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル281に対応して設けられている圧力室282は、その平面形状が概略正方形となっており(図2(a)、(b) 参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル281への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)284が設けられている。なお、圧力室282の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図4は、インクヘッド210における記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル281に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図2中のB−B線に沿う断面図)である。
図4に示すように、各圧力室282は供給口284を介して共通流路285と連通されている。共通流路285はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路285を介して各圧力室282に供給される。
圧力室282の一部の面(図4において天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)286には、個別電極287を備えたアクチュエータ288が接合されている。個別電極287と共通電極間に駆動電圧を印加することにより、アクチュエータ288が変形して、圧力室282の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル281からインクが吐出される。インク吐出後、アクチュエータ288の変位が元に戻る際、共通流路285から供給口284を通って新しいインクが圧力室282に再充填される。
なお、アクチュエータ288には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電体を用いた圧電素子が好適に用いられる。
入力画像からデジタルハーフトーニング処理によって生成されるドットデータに応じて各ノズル281に対応したアクチュエータ288の駆動を制御することにより、ノズル281からインク滴を吐出させることができる。記録媒体14を一定の速度で副走査方向に搬送しながら、その搬送速度に合わせて各ノズル281のインク吐出タイミングを制御することにより、記録媒体14上に所望の画像を記録することができる。
上述した構造を有するインク室ユニット283を図5に示すように、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
すなわち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット283を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影(正射影)されたノズルのピッチPNはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル281が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影される実質的なノズル列の高密度化を実現することが可能になる。
なお、印刷可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、記録媒体14の幅方向(搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印刷するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図5に示すようなマトリクス状に配置されたノズル281を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル281-11 、281-12 、281-13 、281-14 、281-15 、281-16 を1つのブロックとし(他にはノズル281-21 、…、281-26 を1つのブロック、ノズル281-31 、…、281-36 を1つのブロック、…として)、記録媒体14の搬送速度に応じてノズル281-11 、281-12 、…、281-16 を順次駆動することで記録媒体14の幅方向に1ラインを印刷する。
一方、上述したフルラインヘッドと記録媒体14とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印刷を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。すなわち、本実施形態では、記録媒体14の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。
また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ88の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
<溶媒乾燥部>
溶媒乾燥部30は、印刷後の記録媒体14を乾燥させる。
印刷部28の圧胴216と溶媒乾燥部30の圧胴306との間には、渡し胴304が設けられており、印刷部28で各色インクが付与された記録媒体14は、この渡し胴304を介して溶媒乾燥部30の圧胴306に受け渡される。圧胴306には、図示しないグリッパが設けられており、このグリッパに把持されて、記録媒体14は圧胴306と共に回転移動する。
渡し胴304の構成は、上述した浸透抑制処理部24の渡し胴84の構成と同じである。すなわち、ヒータを内蔵し、周面に設けられたグリッパで記録媒体14を把持して、記録媒体14を搬送する。記録媒体14は、この搬送過程で渡し胴304から放射される熱で加熱される。
圧胴306の周囲には、圧胴306の回転方向の上流側から順に加熱ユニット308、送風ユニット310が設けられている。
加熱ユニット308は、たとえば、赤外線ヒータで構成され、圧胴306の表面に対向して配置されている。この加熱ユニット308は、圧胴306の表面に熱を照射して、圧胴306の表面(搬送面)を間接的に加熱する。
送風ユニット310は、たとえば、常温の風を送風するブロワで構成され、圧胴306の表面に対向して配置されている。この送風ユニット310は、圧胴306に保持されて回転移動する記録媒体14に常温の風を吹き付ける。
渡し胴304から圧胴306に受け渡された記録媒体14は、加熱された圧胴306の表面(搬送面)に接触することにより、瞬時に加熱される。この記録媒体14の温度が当たった状態のまま送風ユニット310を通過することで、印刷部28で形成された画像中のインクに含まれる水分を効率的に吹き飛ばすことができ、画質性能を大きく向上させることができる。
なお、この溶媒乾燥部30の構成及び作用については、のちに詳述する。
<熱圧定着部>
熱圧定着部32は、画像を堅牢化する。
溶媒乾燥部30の圧胴306と熱圧定着部32の圧胴326との間には、渡し胴324が設けられており、溶媒乾燥部30でインクの水分が除去された記録媒体14は、この渡し胴324を介して熱圧定着部32の圧胴326に受け渡される。圧胴326には、図示しないグリッパが設けられており、このグリッパに把持されて、記録媒体14は圧胴326と共に回転移動する。
熱圧定着部32には、所定温度(たとえば、40〜80℃)に温調した圧胴326に対向して、所定温度(たとえば、60〜120℃)に温調したヒートローラ(定着ローラ)328a、328b、328cが設けられている。
ヒートローラ328a、328b、328cは、ゴムなどの表面にPFAやフッ素系エラストマーなどの撥液材料を被覆したものや、剛材に硬質クロムメッキなどの処理を施したものが望ましい。また、ヒートローラ328a、328b、328cには、離型剤塗布機能付きのクリーニングユニット329が当接されている。離型剤としては、一般的な離型用シリコンオイルのほか、用紙浸透性を有する高沸点溶媒としても良く、塗布厚としては30nm〜1μmであることが離型性や光沢度の観点から望ましい。
渡し胴324には、巻取式の不織布などを用いたスタンプ型の部材325が配置され、このスタンプ型の部材325が圧胴306や渡し胴324の搬送中に記録媒体14に浸透しきれなかった高沸点溶媒を吸収する。
なお、渡し胴324の構成は、上述した浸透抑制処理部24の渡し胴84の構成と同じである。すなわち、ヒータを内蔵し、周面に設けられたグリッパで記録媒体14を把持して、記録媒体14を搬送する。記録媒体14は、この搬送過程で渡し胴324から放射される熱で加熱される。
渡し胴324を介して圧胴326に受け渡された記録媒体14は、ヒートローラ328a、328b、328cに熱圧されることにより、インクに添加されたラテックス粒子が成膜され、これにより、表面に形成された画像が堅牢化され、記録媒体14に定着する。
<排出部>
排出部34は、画像が形成された記録媒体14を搬送して排出する。
熱圧定着部32の圧胴326と排出部34の排出トレイ346との間には、渡し胴344が設けられており、熱圧定着部32で画像が堅牢化された記録媒体14は、この渡し胴344を介して排出トレイ346に受け渡され、機外へ排出される。
渡し胴344は、不図示の加熱手段により加熱され、さらに高沸点溶媒の浸透促進と記録媒体14のカールの矯正をする。
また、排出部34には、記録媒体14のチェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するためのCCDなどの撮像素子や赤外線温度計、赤外線水分計、光沢計などのインラインセンサ348が配置されている。前述の通り、インラインセンサ348により、パッチの光学濃度やドット径を計測して凝集処理剤の塗布量を制御したり、各色のパターンを測定してカラーレジを補正したり、先後端や幅方向のパターンを測定して倍率補正したり、表面温度から定着温度をリアルタイムで調整し、光沢や濃度、倍率、画像歪みや位置ずれなどの品質を安定に保っている。
<制御系>
図6は、本実施の形態の印刷装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。
印刷装置10は、通信インターフェース470、システムコントローラ472、メモリ474、ROM475、モータドライバ476、ヒータドライバ478、プリント制御部480、画像バッファメモリ482、ヘッドドライバ484等を備えている。
通信インターフェース470は、ホストコンピュータ486から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース470には、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ486から送出された画像データは通信インターフェース470を介して印刷装置10に取り込まれ、一旦メモリ474に記憶される。
メモリ474は、通信インターフェース470を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ472を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ474は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ472は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従って印刷装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ472は、通信インターフェース470、メモリ474、モータドライバ476、ヒータドライバ478等の各部を制御し、ホストコンピュータ486との間の通信制御、メモリ474の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ488やヒータ489を制御する制御信号を生成する。
ROM475には、システムコントローラ472のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、ROM475は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ474は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ476は、システムコントローラ472からの指示にしたがってモータ488を駆動するドライバである。図6には、装置内の各部に配置されるモータを代表して符号488で図示されている。モータ488には、図1で説明した各圧胴40、86、216、306、326、渡し胴84、214、304、324、344、用紙押さえ44、ヒートローラ328a、328b、328cなど駆動するモータが含まれている。
ヒータドライバ478は、システムコントローラ472からの指示にしたがって、ヒータ489を駆動するドライバである。図5には、印刷装置10に備えられる複数のヒータを代表して符号489で図示されている。また、ヒータ489には、浸透抑制剤乾燥ユニット46、処理液乾燥ユニット204のヒータなどが含まれている。
プリント制御部480は、システムコントローラ472の制御にしたがい、メモリ474内の画像データから印刷制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印刷データ(ドットデータ)をヘッドドライバ484に供給する制御部である。プリント制御部480において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ484を介してインクヘッド210のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部480には画像バッファメモリ482が備えられており、プリント制御部480における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ482に一時的に格納される。なお、図28において画像バッファメモリ482はプリント制御部480に付随する態様で示されているが、メモリ474と兼用することも可能である。また、プリント制御部480とシステムコントローラ472とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印刷出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース470を介して外部から入力され、メモリ474に蓄えられる。この段階では、たとえば、RGBの画像データがメモリ474に記憶される。
印刷装置10では、インク(色材) による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、メモリ474に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ472を介してプリント制御部480に送られ、該プリント制御部480において閾値マトリクスや誤差拡散法などを用いたハーフトーニング処理によってインク色ごとのドットデータに変換される。
すなわち、プリント制御部480は、入力されたRGB画像データをK、C、M、Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。こうして、プリント制御部480で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ482に蓄えられる。
ヘッドドライバ484は、プリント制御部480から与えられる印刷データ(すなわち、画像バッファメモリ482に記憶されたドットデータ)に基づき、インクヘッド210の各ノズル281に対応するアクチュエータ288を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ484にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
ヘッドドライバ484から出力された駆動信号がヘッド210に加えられることによって、該当するノズル281からインクが吐出される。記録媒体14を所定の速度で搬送しながらインクヘッド210からのインク吐出を制御することにより、記録媒体14上に画像が形成される。
システムコントローラ472は、浸透抑制剤塗布制御部502、溶媒乾燥制御部504、熱圧定着制御部506の動作を制御する。
さらに、本例の印刷装置10では、処理液を付与する手段としての処理液ヘッド202と、これを駆動するヘッドドライバ508を備えている。ヘッドドライバ508は、プリント制御部480から与えられる画像データに基づいて処理液ヘッド202のアクチュエータ288に印加される駆動信号を生成するとともに、該駆動信号をアクチュエータ288に印加してアクチュエータ288を駆動する駆動回路を含んで構成される。このように、画像データに応じて処理液を打滴する構成とし、印刷部28によってインクが打滴される位置に対して、処理液を選択的に打滴する態様が好ましい態様であるが、スプレーノズルを用いて一様に付与する態様も可能である。
浸透抑制剤塗布制御部502は、液体塗布装置42の場合、スパイラルローラ48についてのローラ当接/離間機構駆動手段、スパイラルローラ48の回転駆動手段、メインブレード当接/離間機構駆動手段、液体噴射部52の噴射圧を調整する精密可変レギュレータ等が浸透抑制剤塗布制御部502により制御される。
溶媒乾燥制御部504は、システムコントローラ472からの指示に従い溶媒乾燥部30における溶媒乾燥ユニット308の動作を制御する。すなわち、溶媒乾燥部30に備えられた加熱ユニット308及び送風ユニット310の駆動を制御する。
熱圧定着制御部506は、システムコントローラ472からの指示に従い熱圧定着部32におけるスタンプ型の部材854の動作を制御するとともに、ヒートローラ328a〜c、及びクリーニングユニット329の動作を制御する。
また、システムコントローラ472には、排出部34に配置されるインラインセンサ348からチェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などの計測結果のデータが入力される。
<印刷動作>
給紙トレイ36から供給された記録媒体14は、渡し胴38を介して、グリッパ(不図示)で浸透抑制処理部24の圧胴40の周面に給紙される。
なお、記録媒体14は、給紙トレイ36へ送られる前に、40〜50℃にプレヒートされた給紙部(不図示)に予めストックされている。そして、記録媒体14は、給紙トレイ36の給紙面に対向する位置に設けられた粘着ローラ37に接触しながら渡し胴38に供給される。このように、給紙部をプレヒートすることで記録媒体14が加熱乾燥され、記録媒体14を粘着ローラ37に接触させることで紙粉や塵埃などの異物除去が可能になり、浸透抑制剤塗布後の乾燥の高速化や安定化を図ることができる。
記録媒体14は、渡し胴38を介して、浸透抑制処理部24の圧胴40に保持され、液体塗布装置42によって所望領域に対して選択的に浸透抑制剤が付与される。その後、圧胴40に保持された記録媒体14は、用紙押さえ44により案内されつつ圧胴40の回転方向に送り出されながら、浸透抑制剤乾燥ユニット46によって加熱され、浸透抑制剤の溶媒成分(液体成分)が蒸発し、乾燥する。
こうして浸透抑制処理が行われた記録媒体14は、浸透抑制処理部24の圧胴40から渡し胴84を介して、処理液付与部26の圧胴86に受け渡される。圧胴86に保持された記録媒体14は、処理液ヘッド202によって処理液が打滴される。その後、圧胴86に保持された記録媒体14は、処理液乾燥ユニット204によって加熱され、処理液の溶媒成分(液体成分)が蒸発し、乾燥する。これにより、記録媒体14上には固体状又は半固溶状の凝集処理剤層が形成される。
処理液が付与されて固体状又は半固溶状の凝集処理剤層が形成された記録媒体14は、処理液付与部26の圧胴86から渡し胴214を介して、印刷部28の圧胴216に受け渡される。圧胴216に保持された記録媒体14には、入力画像データに応じて、各インクヘッド210K、210C、210M、210Yからそれぞれ対応する色インクが打滴される。
凝集処理剤層上にインク液滴が着弾すると、飛翔エネルギーと表面エネルギーとのバランスにより、インク液滴と凝集処理剤層との接触面が所定の面積にて着弾する。インク液滴が凝集処理剤上に着弾した直後に凝集反応が始まるが、凝集反応はインク液滴と凝集処理剤層との接触面から始まる。凝集反応は接触面近傍のみで起こり、インク着弾時における所定の接触面積で付着力を得た状態でインク内の色材が凝集されるため、色材移動が抑止される。
このインク液滴に隣接して他のインク液滴が着弾しても先に着弾したインクの色材は既に凝集化しているので後から着弾するインクとの間で色材同士が混合せず、ブリードが抑止される。なお、色材の凝集後には、分離されたインク溶媒が広がり、凝集処理剤が溶解した液体層が記録媒体14上に形成される。
インクが付与された記録媒体14は、印刷部28の圧胴216から渡し胴304を介して、溶媒乾燥部30の圧胴306に受け渡される。
渡し胴304から圧胴306に受け渡された記録媒体14は、加熱された圧胴306の表面(搬送面)に接触することにより、瞬時に加熱される。この記録媒体14の温度が当たった状態のまま送風ユニット310を通過することで、印刷部28で形成された画像中のインクに含まれる水分が吹き飛ばされ、水分が十分に除去される。
その後記録媒体14は、溶媒乾燥部30の圧胴306から渡し胴324を介して、熱圧定着部32の圧胴326に受け渡される。渡し胴324には、スタンプ型の部材325が配置され、このスタンプ型の部材325が高沸点溶媒を吸収し、処理液や加熱乾燥で増加した浸透抑制層の空隙を通して用紙にも浸透させる。そして、不図示の加熱手段により加熱された圧胴326に受け渡された記録媒体14に対し、ヒートローラ328a、328b、328cにより加圧して熱圧することにより、画像を記録媒体14に定着させる。
その後記録媒体14は、熱圧定着部32の圧胴326から渡し胴844を介して、排出部34の排出トレイ346に受け渡され、機外へ排出される。渡し胴344は不図示の加熱手段により加熱され、さらに高沸点溶媒の浸透促進と記録媒体14のカールの矯正をする。
<溶媒乾燥部の構成(1)>
図7は、溶媒乾燥部30の第1の実施の形態の概略構成図である。
上記のように、印刷部28の圧胴216と溶媒乾燥部30の圧胴306との間には、渡し胴304が設けられており、印刷部28で各色インクが付与された記録媒体14は、この渡し胴304を介して溶媒乾燥部30の圧胴306に受け渡される。
溶媒乾燥部30の圧胴306には、図示しないグリッパが設けられており、このグリッパに把持されて、記録媒体14は圧胴306と共に回転移動する。
圧胴306の周囲には、圧胴306の回転方向の上流側から順に加熱ユニット308、送風ユニット310が設けられている。
加熱ユニット308は、圧胴306の幅とほぼ同じ幅を有する3台の赤外線ヒータ308aで構成されている。3台の赤外線ヒータ308aは、それぞれ圧胴306の軸と平行に設置されており、圧胴306の軸を中心とした同心円上に一定の間隔をもって設置されている。そして、その熱の照射面が、それぞれ圧胴306の表面に対向して設置されている。
なお、この加熱ユニット308は、送風ユニット310の上流側であって、記録媒体14の搬送経路上に設置される。すなわち、記録媒体14が、この加熱ユニット308を通過して搬送されるように設置される。
また、圧胴306には、図示しない温度センサが設けられ、圧胴の温度が検出される。システムコントローラ472は、この温度センサで検出される搬送面の温度情報に基づいて、加熱ユニット308の駆動を制御し、圧胴306の表面温度(搬送面の温度)をコントロールする。
このように構成された加熱ユニット308は、各赤外線ヒータ308aから圧胴306の表面に向けて熱を照射することにより、圧胴306の表面(搬送面)を間接的に加熱する。また、記録媒体14が加熱ユニット308を通過して搬送されることにより、記録媒体14の加熱も行うことができる。
送風ユニット310は、圧胴306の幅とほぼ同じ幅の送風口を有する4台のブロワ310aで構成されている。4台のブロワ310aは、それぞれ圧胴306の軸と平行に設置されており、圧胴306の軸を中心とした同心円上に一定の間隔をもって設置されている。そして、その送風口が、それぞれ圧胴306の表面に対向して設置されている。
なお、この送風ユニット310は、加熱ユニット308の下流側であって、記録媒体14の搬送経路上に設置される。すなわち、記録媒体14が加熱ユニット308の通過後、この送風ユニット310を通過して搬送されるように設置される。
このように構成された送風ユニット301は、各ブロワ310aから常温の風を送風することにより、圧胴306によって搬送される記録媒体14に常温の風を吹き付ける。
以上のように構成された溶媒乾燥部30によれば、渡し胴304から溶媒乾燥部30の圧胴306に受け渡された記録媒体14は、加熱ユニット308によって加熱された圧胴306の表面(搬送面)に接触することにより、瞬時に加熱される。この記録媒体14の温度が当たった状態のまま送風ユニット310を通過することにより、印刷部28で形成された画像中のインクに含まれる水分を効率的に吹き飛ばすことができ、画質性能を大きく向上させることができる。
特に、記録媒体として汎用印刷紙を用いて水性インクで印刷する場合には、紙にインクが滲みやすくなるが、本実施の形態のように、加熱した圧胴306に接触させつつ、常温の風を吹き付けることにより、水分を効率的に吹き飛ばすことができ、画質性能を大きく向上させることができる。
また、高速かつ大量の印刷を行う場合、従来のように、熱風を吹き付けて乾燥させる方式では、消費電力が大きくなってしまうが、本実施の形態のように、圧胴306の予備加熱と、常温の風による送風を用いた方式では、消費電力を低く抑えられ、エネルギー効率の高い方式となる。
なお、上記の例では、圧胴306の温度(搬送面の温度)については、特に言及していないが、圧胴306の温度は、40℃〜70℃の範囲で目標温度を設定し、目標温度を保つようにコントロールすることが好ましい。
また、圧胴306は、装置の起動時に加熱し、運転開始までに一定温度にコントロールすることが好ましい。
図8は、装置起動時における圧胴の昇温タイムチャートである。同図に示すように、装置起動とともに加熱ユニット308をフルパワーで駆動し、圧胴306を目標温度まで加熱する。そして、目標温度に到達した段階で一定温度になるように加熱ユニット308を駆動制御し、運転開始までに圧胴306の温度を安定させる。
このように、圧胴306は、装置起動時に一気に目標温度まで加熱するが、一度所定温度まで加熱されてしまえば、その温度を維持するのに特に大きな熱は必要にならない。したがって、運転中(印刷中)は、低消費電力で稼働させることができる。
なお、本実施の形態の溶媒乾燥部30は、加熱ユニット308が、記録媒体14の搬送経路上に設けられているので、加熱ユニット308から照射する熱を記録媒体14の加熱にも使用することができる。この場合、圧胴306の温度制御は、順次印刷処理される記録媒体14の隙間(前の記録媒体と後の記録媒体の間)で行われる。すなわち、圧胴306が露出する間に行われる。
図9は、圧胴の加熱制御のタイミングチャートである。同図に示すように、記録媒体14が通過する間は、加熱ユニット308をフルパワーで駆動する。そして、圧胴306が露出する間に加熱ユニット308の駆動を制御し、圧胴306の温度制御を行う。
これにより、加熱ユニット308からの熱を記録媒体14の昇温に使用しつつ、効率よく圧胴306を所定温度に加熱することができる。
なお、上記のように、圧胴306は、装置起動時に予備加熱を行うことから、その予備加熱の時間を短縮するため、熱容量の小さい形状、たとえば、中空の円筒形状に形成することが好ましい。
また、上記の例では、送風ユニット310から記録媒体14に吹き付ける風の送風速度について、特に言及していないが、送風ユニット310から記録媒体14に吹き付ける風の送風速度は、20m/s以下に設定することが好ましく、より好ましくは、5m/s以上、20m/s以下の範囲内に設定することが好ましい。したがって、5m/s程度に設定することもできる。本例では、5m/s程度に設定する。
また、風は、記録媒体14に対して、垂直に当てる構成とすることもできるし、また、斜めから当てる構成(記録媒体14に対して鋭角に当てる構成)とすることもできる。
また、圧胴306は、記録媒体14の密着性を高めるため、記録媒体14の吸着保持機構を備えることが好ましい。すなわち、表面に複数の吸引穴を形成し、該吸引穴から内部にエアを吸引して、表面に記録媒体14を吸着保持する機構を備えるようにする。これにより、圧胴306の表面に記録媒体14が密着し、さらに効率よく記録媒体14を加熱することができる。
なお、加熱ユニット308を構成する赤外線ヒータ308aの数は、特に限定されるものではなく、設置スペース等に応じて適宜増減して設置することができる。ただし、この赤外線ヒータの数を増やすことにより、より効率よく圧胴306を加熱することができる。
同様に、送風ユニット310を構成するブロワ310aの数も特に限定されるものではなく、設置スペース等に応じて適宜増減して設置することができる。ただし、このブロワの数を増やすことにより、より効率よく記録媒体14を乾燥させることができる。
また、本実施の形態では、加熱ユニットを赤外線ヒータで構成しているが、圧胴を間接的に加熱する手段は、これに限定されるものではない。この他、ハロゲンヒータ等の加熱手段を用いて加熱する構成とすることもできる。
<溶媒乾燥部の構成(2)>
図10は、溶媒乾燥部の第2の実施の形態の概略構成図である。
本実施の形態の溶媒乾燥部30Aは、加熱ユニット308が、記録媒体14の搬送経路以外の領域に設置されている点で上述した第1の実施の形態の溶媒乾燥部30の構成と相違している。
図10に示すように、本実施の形態の溶媒乾燥部30Aは、圧胴306の回転方向に対して、送風ユニット310の下流側であって、記録媒体14の搬送経路以外の領域に加熱ユニット308が設置されている。したがって、記録媒体14は、この加熱ユニット308を通過して搬送されることはない。
なお、加熱ユニット308の構成自体は、上述した第1の実施の形態の溶媒乾燥部30のものと同じである。すなわち、圧胴306の幅とほぼ同じ幅を有する3台の赤外線ヒータ308aで構成され、3台の赤外線ヒータ308aが、圧胴306の軸を中心とした同心円上に一定の間隔をもって設置されている。そして、その熱の照射面が、それぞれ圧胴306の表面に対向して設置されている。
上記第1の実施の形態の溶媒乾燥部30では、加熱ユニット308が記録媒体14の搬送経路上に設置されていたため、印刷中は記録媒体14の隙間で圧胴306を加熱する構成とされていたが、本実施の形態の溶媒乾燥部30Aでは、常に加熱ユニット308の熱を圧胴306に照射することができるため、圧胴306を効率よく加熱することができるとともに、ムラなく加熱することができる。また、圧胴306の温度を精度よくコントロールすることができる。
<溶媒乾燥部の構成(3)>
図11は、溶媒乾燥部の第3の実施の形態の概略構成図である。
本実施の形態の溶媒乾燥部30Bは、記録媒体14の搬送経路上に設置された第1の加熱ユニット308Aと、記録媒体14の搬送経路以外の領域に設置された第2の加熱ユニット308Bを有する点で上述した第1、第2の実施の形態の溶媒乾燥部30と相違している。
図11に示すように、第1の加熱ユニット308Aは、圧胴306の回転方向に対して、送風ユニット310の上流側であって、記録媒体14の搬送経路上に設置されている。したがって、記録媒体14は、第1の加熱ユニット308Aの下を通過して搬送される。
一方、第2の加熱ユニット308Bは、圧胴306の回転方向に対して、送風ユニット310の下流側であって、記録媒体14の搬送経路以外の領域に設置されている。したがって、記録媒体14は、この第2の加熱ユニット308Bを通過して搬送されることはない。
なお、いずれの加熱ユニットもその基本構成は、上述した第1の実施の形態の溶媒乾燥部30の加熱ユニット308と同じである。すなわち、圧胴306の幅とほぼ同じ幅を有する3台の赤外線ヒータ308Aで構成され、3台の赤外線ヒータ308Aが、圧胴306の軸を中心とした同心円上に一定の間隔をもって設置されている。そして、その熱の照射面が、それぞれ圧胴306の表面に対向して設置されている。
本実施の形態の溶媒乾燥部30Bによれば、第1の加熱ユニット308Aが記録媒体14の搬送経路上に設置されているため、この第1の加熱ユニット308Aによって圧胴306の加熱と記録媒体14の昇温を行うことができる。これにより、効率よく記録媒体14を効率よく加熱、乾燥させることができる。
また、本実施の形態の溶媒乾燥部30Bによれば、第2の加熱ユニット308Bが記録媒体14の搬送経路以外の領域に設置されているため、この第2の加熱ユニット308Bによって圧胴306のみを加熱することができる。これにより、圧胴306をムラなく、かつ、効率よく加熱することができるとともに、圧胴306の温度を精度よくコントロールすることができる。
<溶媒乾燥部の構成(4)>
図12は、溶媒乾燥部の第4の実施の形態の概略構成図である。
本実施の形態の溶媒乾燥部30Cは、圧胴306に組み込まれた加熱ユニット312で圧胴306を直接加熱する点で上述した第1、第2の実施の形態の溶媒乾燥部30と相違している。
図12に示すように、加熱ユニット312は、シート状に形成されたヒータ(たとえば、ラバーヒータ)で構成されており、中空の円筒状に形成された圧胴306の内周部に直接貼付されている。この加熱ユニット312は、圧胴306の内周部全面にわたって取り付けられており、圧胴306を内側から直接加熱する。
圧胴306には、図示しない温度センサが設けられており、システムコントローラ472は、この温度センサで検出される搬送面の温度情報に基づいて、加熱ユニット312の駆動を制御し、圧胴306の温度(搬送面の温度)をコントロールする。
本実施の形態の溶媒乾燥部30Cによれば、圧胴306に組み込まれた加熱ユニット312によって圧胴306を直接加熱するため、圧胴306を効率よく加熱することができる。
また、加熱効率がよいため、装置起動時に短時間で圧胴306を目標温度まで加熱することができる。
なお、本実施の形態では、シート状に形成されたヒータを円筒状に形成された圧胴306の内周部に貼付して、圧胴306を直接的に加熱する構成としているが、圧胴306を直接的に加熱する手段は、これに限定されるものではない。他の加熱手段を用いて、圧胴306を直接的に加熱する構成とすることもできる。
<溶媒乾燥部の構成(5)>
図13は、溶媒乾燥部の第5の実施の形態の概略構成図である。
本実施の形態の溶媒乾燥部30Dは、圧胴306に組み込まれた加熱ユニット312(以下、直接加熱ユニットという。)によって、圧胴306を直接加熱するとともに、圧胴306の周囲に設けられた第1の加熱ユニット(以下、第1の間接加熱ユニットという。)308Aと、第2の加熱ユニット(以下、第2の間接加熱ユニットという。)308Bによって、圧胴306を間接的に加熱する。
図13に示すように、直接加熱ユニット312は、シート状に形成されたヒータ(たとえば、ラバーヒータ)で構成されており、中空の円筒状に形成された圧胴306の内周部に直接貼付されている。この直接加熱ユニット312は、圧胴306の内周部全面にわたって取り付けられており、圧胴306を内側から直接加熱する。
第1の間接加熱ユニット308Aは、圧胴306の回転方向に対して、送風ユニット310の上流側であって、記録媒体14の搬送経路上に設置され、圧胴306の表面に熱を照射して、圧胴306を間接的に加熱する。この第1の間接加熱ユニット308Aは、記録媒体14の搬送経路上に設置されているため、圧胴306を加熱するとともに、そこを通過する記録媒体14を加熱する。
第2の間接加熱ユニット308Bは、圧胴306の回転方向に対して、送風ユニット310の下流側であって、記録媒体14の搬送経路以外の領域に設置され、圧胴306の表面に熱を照射して、圧胴306を間接的に加熱する。この第2の間接加熱ユニット308Bは、記録媒体14の搬送経路以外の領域に設置されているため、圧胴306のみを加熱する。これにより、ムラなく効率よく圧胴306を加熱することができる。
本実施の形態の溶媒乾燥部30Dでは、圧胴306に組み込まれた直接加熱ユニット312によって、圧胴306を直接加熱するとともに、圧胴306の周囲に設けられた第1、第2の間接加熱ユニット308A、308Bによって、圧胴306を間接的に加熱する。
直接加熱ユニット312により圧胴306を直接加熱することにより、圧胴306の加熱効率を上げることができ、装置起動時に短時間で圧胴306を目標温度まで加熱することができる。
また、記録媒体14の搬送経路以外の領域に設けられた第2の間接加熱ユニット308Aで圧胴306を間接的に加熱することにより、圧胴306をムラなく加熱することができる。
さらに、記録媒体14の搬送経路上に設けられた第1の間接加熱ユニット308Aで圧胴306を間接的に加熱することにより、圧胴306の加熱と同時に記録媒体14も加熱することができ、記録媒体14を効率よく加熱、乾燥させることができる。
なお、本例では、直接加熱ユニット312に第1、第2の間接加熱ユニット308A、308Bを組み合わせて用いているが、第1、第2の間接加熱ユニット308A、308Bのいずれか一方のみを組み合わせてもよい。すなわち、直接加熱ユニット312によって、圧胴306を直接加熱するとともに、第1の間接加熱ユニット308Aで圧胴306を間接的に加熱する構成としてもよいし、また、直接加熱ユニット312によって、圧胴306を直接加熱するとともに、第2の間接加熱ユニット308Bで圧胴306を間接的に加熱する構成としてもよい。
<溶媒乾燥部のその他の構成>
上記一連の実施の形態では、溶媒乾燥部において、記録媒体14を圧胴で搬送する構成としているが、記録媒体14を搬送する手段は、これに限定されるものではない。たとえば、図14に示すように、コンベア314で搬送する構成とすることもできる。
このコンベア314は、無端状のベルト316を一対のプーリ318に巻きかけて構成されており、一方のプーリ318に連結された図示しないモータに駆動されて回転する。記録媒体14は、このコンベア314のベルト316に設けられた図示しないグリッパに把持されて搬送される。
なお、同図に示す例では、コンベア314の周囲に設けられた第1の加熱ユニット308Aと、第2の加熱ユニット308Bによって、コンベア314を間接的に加熱する構成とされ、第1の加熱ユニット308Aの下流側に設置された送風ユニット310によって、搬送される記録媒体14に常温の風を吹き付ける構成とされている。
なお、第1の加熱ユニット308Aは、記録媒体14の搬送経路上に設けられ、第2の加熱ユニット308Bは、記録媒体14の搬送経路以外の領域に設けられている。
同図に示す例では、第1の加熱ユニット308Aと第2の加熱ユニット308Bを併用しているが、いずれか一方のみを設置する構成としてもよい。また、さらにベルト316を直接加熱する加熱ユニットを併用する構成、あるいは、ベルト316を直接加熱する加熱ユニットのみで構成としてもよい。
<実験1>
図7に示した構成の溶媒乾燥部において、複数の条件下で記録媒体14に吹き付ける風の速度(送風速度)を変えて、記録媒体14の残水量を調べる実験を行った。
具体的には、同じ条件で印刷した記録媒体(同じ処理液、同じインクを用いて同じ画像を印刷した記録媒体)を所定の搬送速度で搬送し、ステージの温度(圧胴の温度)、ブロワの設置数、送風温度(ブロワの設定温度)を変えて実験条件を変え、各条件下で送風速度を変えて、記録媒体14の残水量を調べた。
ここで、ステージの温度(圧胴の温度)については、40℃と60℃に設定し、ブロワの設置数については、3個と1個に設定した。また、送風温度(ブロワの設定温度)については、120℃と60℃と常温(C:COOL)に設定した。
また、記録媒体には、三菱製紙(株)製「特菱アート」(坪量84.9g/m)を使用し、搬送速度は、535mm/sに設定した。
図15は、この実験結果を示すグラフである。同図に示すように、送風速度は、所定の速度を超えると、残水量には、ほぼ影響を及ぼさないことが確認できた。
したがって、送風速度は、乾燥に寄与可能な必要十分な範囲(おおよそ20m/s以下)で設定することにより、無駄に電力を消費することなく運転することができる。
また、圧胴の温度(ステージの温度)が、高い方が乾燥の効果が高いことが確認できた。
<実験2>
図7に示した構成の溶媒乾燥部において、複数の条件下で記録媒体14に吹き付ける風の温度(送風温度)を変えて、記録媒体14の残水量を調べる実験を行った。
具体的には、同じ条件で印刷した記録媒体(同じ処理液、同じインクを用いて同じ画像を印刷した記録媒体)を所定の搬送速度で搬送し、ステージの温度(圧胴の温度)、ブロワの設置数、ブロワの送風量を変えて実験条件を変え、各条件下で送風温度を変えて、記録媒体14の残水量を調べた。
ここで、ステージの温度(圧胴の温度)については、40℃と60℃に設定し、ブロワの設置数については、3個と1個に設定した。また、ブロワの送風量については、L(Low)、H(High)、T(Turbo)に設定した(送風量は、L<H<Tの順で大きくなる。)。
また、記録媒体には、三菱製紙(株)製「特菱アート」(坪量84.9g/m)を使用し、搬送速度は、535mm/sに設定した。
図16は、この実験結果を示すグラフである。同図に示すように、送風温度は、残水量には、ほぼ影響を及ぼさないことが確認できた。
したがって、送風温度は、常温とすることにより、無駄に電力を消費することなく運転することができる。
また、圧胴の温度(ステージの温度)が、高い方が乾燥の効果が高いことが確認できた。
<実験3>
図7に示した構成の溶媒乾燥部において、複数の条件下で圧胴(ステージ)の温度を変えて、記録媒体14の残水量を調べる実験を行った。
具体的には、同じ条件で印刷した記録媒体(同じ処理液、同じインクを用いて同じ画像を印刷した記録媒体)を所定の搬送速度で搬送し、送風温度(ブロワの設定温度)と、送風の有無を変えて実験条件を変え、各条件下でステージの温度(圧胴の温度)を変えて、記録媒体14の残水量を調べた。
ここで、送風温度(ブロワの設定温度)については、120℃と60℃と常温(C:COOL)に設定した。ブロワは3個とし、送風量はL(Low)に設定した。
また、記録媒体には、三菱製紙(株)製「特菱アート」(坪量84.9g/m)を使用し、搬送速度は、535mm/sに設定した。
図17は、この実験結果を示すグラフである。同図に示すように、圧胴(ステージ)の温度は、高く設定するほど、残水量を少なくすることができることが確認できた。
また、送風を行うことにより、残水量をより低減できることが確認できた。
<実験4>
図7に示した構成の溶媒乾燥部において、複数の条件下でブロワの設置数を変えて、記録媒体14の残水量を調べる実験を行った。
具体的には、同じ条件で印刷した記録媒体(同じ処理液、同じインクを用いて同じ画像を印刷した記録媒体)を所定の搬送速度で搬送し、ステージの温度(圧胴の温度)、ブロワの送風量、送風温度(ブロワの設定温度)を変えて実験条件を変え、各条件下でブロワの設置数を変えて、記録媒体14の残水量を調べた。
ここで、ステージの温度(圧胴の温度)については、40℃と60℃に設定し、ブロワの送風量については、L(Low)、H(High)、T(Turbo)に設定した。また、送風温度(ブロワの設定温度)については、120℃と60℃と常温(C:COOL)に設定した。
また、記録媒体には、三菱製紙(株)製「特菱アート」(坪量84.9g/m)を使用し、搬送速度は、535mm/sに設定した。
図18は、この実験結果を示すグラフである。同図に示すように、ブロワは、その設置数を増やすことにより、残水量を少なくすることができることが確認できた。
また、圧胴の温度(ステージの温度)が、高い方が乾燥の効果が高いことが確認できた。
<まとめ>
送風を行うことにより、乾燥を促進させることができるが、その温度は、高くしても乾燥の促進には、ほぼ寄与しないことが確認できた。したがって、常温での送風がもっともエネルギ効率が高いことが確認できた。
また、送風速度も一定速度以上に上げても、乾燥の促進に寄与しないことが確認できた。したがって、乾燥に寄与可能な範囲で送風速度を設定することにより、エネルギー効率の高い運転を行うことができる。
また、圧胴(コンベア含む)は、その搬送面(ステージ)の温度が高いほど乾燥効果が高いことが確認できた。
また、ブロワは、その設置数を増やすことにより、乾燥効果を高められることが確認できた。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 インクヘッドの構成例を示す平面透視図 ヘッドの他の構成例を示す平面図 図2中のB−B線に沿う断面図 ヘッドのノズル配置例を示す平面図 インクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図 溶媒乾燥部の第1の実施の形態の概略構成図 装置起動時における圧胴の昇温タイムチャート 圧胴の加熱制御のタイミングチャート 溶媒乾燥部の第2の実施の形態の概略構成図 溶媒乾燥部の第3の実施の形態の概略構成図 溶媒乾燥部の第4の実施の形態の概略構成図 溶媒乾燥部の第5の実施の形態の概略構成図 溶媒乾燥部のその他の実施の形態の概略構成図 送風速度と残水量との関係を示すグラフ 送風温度と残水量との関係を示すグラフ ステージ(圧胴)の温度と残水量との関係を示すグラフ ブロワの数と残水量との関係を示すグラフ
符号の説明
10…印刷装置、14…記録媒体、24…浸透抑制処理部、26…処理液塗布部、28…印刷部、30…溶媒乾燥部、32…熱圧定着部、34…排出部、304…渡し胴、306…圧胴、308…加熱ユニット、308a…赤外線ヒータ、310…送風ユニット、310a…ブロワ、308A…第1の加熱ユニット(第1の間接加熱ユニット)、308B…第2の加熱ユニット(第2の間接加熱ユニット)、312…加熱ユニット(直接加熱ユニット)、314…コンベア、472…システムコントローラ

Claims (9)

  1. 回転する無端状の搬送面の上に記録媒体を吸着保持して、該記録媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する第1の搬送手段と、
    前記第1の搬送手段によって搬送される前記記録媒体に向けてインクの液滴を吐出し、画像を記録するインクジェットヘッドと、
    回転する無端状の搬送面の上に記録媒体を吸着保持して、該記録媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する第2の搬送手段と、
    前記記録媒体を前記第1の搬送手段から受け取り、所定の搬送経路に沿って搬送して、前記第2の搬送手段に受け渡す第3の搬送手段と、
    前記第2の搬送手段の搬送面を加熱する加熱手段と、
    前記第2の搬送手段によって搬送される記録媒体に常温の風を吹き付ける送風手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記加熱手段は、前記第2の搬送手段の搬送面の内側に熱源を接触させて、直接的に加熱する直接加熱手段で構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記加熱手段は、
    前記第2の搬送手段の搬送面の内側に熱源を接触させて、直接的に加熱する直接加熱手段と、
    前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射して、間接的に加熱する間接加熱手段と、
    で構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  4. 前記加熱手段は、前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射して、間接的に加熱する間接加熱手段で構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  5. 前記間接加熱手段は、前記第2の搬送手段による前記記録媒体の搬送経路上で前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記間接加熱手段は、前記第2の搬送手段による前記記録媒体の搬送経路以外で前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  7. 前記間接加熱手段は、
    前記第2の搬送手段による前記記録媒体の搬送経路上で前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射する第1の間接加熱手段と、
    前記第2の搬送手段による前記記録媒体の搬送経路以外で前記第2の搬送手段の搬送面に熱を照射する第2の間接加熱手段と、
    で構成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷装置。
  8. 前記加熱手段は、前記第2の搬送手段の搬送面を40℃〜70℃に加熱し、前記送風手段は、20m/s以下の速度で送風することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の印刷装置。
  9. 前記記録媒体が、汎用印刷紙であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の印刷装置。
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