JP2023082389A - 画像形成装置、画像形成方法およびプログラム - Google Patents

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Figure 2023082389000001
【課題】記録媒体に色材を付着させて光照射により定着させる場合に、記録媒体の収縮を抑制可能なように当該記録媒体に水分を付加する。
【解決手段】画像形成装置は、繊維を含む記録媒体の搬送路を構成する搬送部と、搬送路上の記録媒体上に色材を付着させて画像を形成する画像形成部と、画像形成部に対して、搬送方向下流に配置された、色材を記録媒体に定着させる光を照射する光照射部と、画像形成部に対して、搬送方向上流に配置された、記録媒体を加湿する加湿部と、を備え、加湿部は、記録媒体上の色材の付着領域を含む領域であって、繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿する。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録媒体上に色材を光照射により定着させる装置、方法およびプログラムに関する。
UV(紫外線)光が照射されると硬化する樹脂を混ぜたインクを用いて記録媒体に印刷する技術が知られている。このような光硬化型インクは、水系インクに比べて乾燥に要する時間が短いという利点を有する。その一方で、光硬化型インクはモノマー成分を多く含むため、硬化するときは、モノマーの成分がポリマーに変化し、この変化に伴い熱(重合熱)が発生する。このような発熱によって記録媒体から水分が蒸発しやすくなり、当該蒸発によって、シート状の記録媒体であればカールが発生し、または収縮する。
光硬化型インクを用いた印刷において、記録媒体に含まれる水分量を管理する技術が提案されている。例えば、特開2011-173357号公報(特許文献1)は、加湿部を、記録媒体の下面に水などが多く含まれるように、下面側に備える構成を開示する。
特開2011-173357号公報
光硬化型インクで印刷をする場合に、より効果的に上記に述べたカールまたは収縮の発生を抑制したいとのユーザーニーズがあった。
本開示は、記録媒体に色材を付着させて光照射により定着させる場合に、記録媒体の収縮を抑制可能なように当該記録媒体に水分を付加する技術の提供を目的とする。
この開示に係る画像形成装置は、繊維を含む記録媒体の搬送路を構成する搬送部と、搬送路上の記録媒体上に色材を付着させて画像を形成する画像形成部と、画像形成部に対して、搬送方向下流に配置された、色材を記録媒体に定着させる光を照射する光照射部と、画像形成部に対して、搬送方向上流に配置された、記録媒体を加湿する加湿部と、を備え、加湿部は、記録媒体上の色材の付着領域を含む領域であって、繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿する。
上述の開示において、画像形成装置は、さらに、記録媒体上の色材の付着領域を含む領域であって、繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿部によって加湿される加湿領域に設定する領域設定部を含む。
上述の開示において、加湿部は、領域設定部によって設定された加湿領域を画素単位で加湿可能に構成される。
上述の開示において、領域設定部は、色材の付着領域のうちの第1閾値以上の色の濃度を有する部分領域を含む領域であって、繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿領域に設定する濃度領域設定部を、含む。
上述の開示において、濃度領域設定部は、色材の付着領域の濃度を算出する濃度算出部を含む。
上述の開示において、画像形成部は、ドット単位で記録媒体の上に色材を付着させ、領域設定部は、色材の付着領域のうち第2閾値以上のドットサイズを有する部分領域を含む領域であって、繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿領域に設定するサイズ領域設定部を、含む。
上述の開示において、サイズ領域設定部は、色材の付着領域のドットサイズを算出するサイズ算出部を含む。
上述の開示において、繊維の方向と交差する方向は、当該繊維の方向と直交する方向を含む。
上述の開示において、画像形成部は、画像データに基づき、記録媒体上に色材を付着させて画像を形成し、加湿部は、搬送方向と交差する方向に配列された複数のノズルを備える加湿ヘッドと、画像データに基づき、複数のノズルを、延在する領域に対し水を吐出するよう制御する加湿ヘッド制御部と、を有する。
上述の開示において、加湿ヘッドは、搬送方向と交差する方向に配列された複数のヘッドを有する。
上述の開示において、画像形成装置は、加湿部による加湿量を、光照射部によって照射される光量に基づき調整する。
この開示に係る画像形成方法は、搬送部が、繊維を含んで構成される記録媒体を搬送路上を搬送するステップと、画像形成部が、搬送路上の記録媒体上に色材を付着させて画像を形成するステップと、画像形成部に対して、搬送方向下流に配置された光照射部が、色材を記録媒体に定着させる光を、搬送路上の記録媒体に照射するステップと、画像形成部に対して、搬送方向上流に配置された加湿部が、記録媒体を加湿するステップと、を備え、加湿するステップでは、加湿部が、記録媒体上の色材の付着領域を含む領域であって、繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿する。
この開示に係るプロセッサによって実行されるプログラムは、プロセッサに、繊維を含んで構成される記録媒体を搬送路上を搬送させるステップと、画像形成部に、搬送路上の記録媒体の上に色材を付着させて画像を形成させるステップと、画像形成部に対して、搬送方向下流に配置された光照射部に、色材を記録媒体に定着させる光を、搬送路上の記録媒体に照射させるステップと、画像形成部に対して、搬送方向上流に配置された加湿部に、記録媒体を加湿させるステップと、を備え、加湿させるステップでは、記録媒体の上の色材の付着領域を含む領域であって、繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿する。
本開示によれば、記録媒体に色材を付着させて光照射により定着させる場合に、加湿部は、記録媒体上の色材の付着領域を含む領域であって、繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿する。これにより、記録媒体の収縮を抑制可能なように当該記録媒体に水分を付加できる。
本発明の実施形態である印刷装置1の概略構成を示す図である。 図1の加湿部の周辺構成を模式的に示す図である。 図1の加湿部のノズルの配置を模式的に示す図である。 本実施の形態に係る加湿ヘッドの断面構造を模式的に示す図である。 本実施の形態に係る印刷装置の主要部の構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係る加湿制御部のモジュール構成を周辺部と関連付けて示す図である。 本実施の形態に係る加湿タイミングの検出方法について説明する図である。 本実施の形態に係る加湿制御部の処理を示す概略フローチャートである。 シートSの紙目を説明する図である。 本実施の形態に係る加湿の状態を説明する図である。 本実施の形態に係る加湿ヘッドの構成例を模式的に示す図である。 本実施の形態に係る加湿ローラーの構成例を模式的に示す図である。 本実施の形態に係る画像の濃度に基づき加湿領域が設定されるケースを説明する図である。 本実施の形態に係る画像の濃度に基づき加湿領域が設定されるケースを説明する図である。 本実施の形態に係る画像の濃度に基づき加湿領域が設定されるケースを説明する図である。 本実施の形態に係る画像の濃度に基づき加湿領域が設定されるケースを説明する図である。 本実施の形態に係るドットサイズに基づき加湿領域が設定されるケースを説明する図である。 本実施の形態に係るUV光照射のための消費電力と蒸発量の関係を模式的に示す図である。
本開示に基づいた実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態の説明において、個数および量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本開示の範囲は必ずしもその個数およびその量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品および相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。特に制限が無い限り、各実施の形態に示す構成を適宜組み合わせて用いることは、当初から予定されていることである。
実施の形態で用いる用語を説明する。
「シート」は、画像形成装置によって画像が形成され得る記録媒体の一例を指している。シートは、例えば、用紙、樹脂製のフィルム状のシート、布(ファブリック)などを含む。
「繊維の方向」は、シートを構成する繊維の流れを示す方向であって、用紙の場合は後述する紙目によって示される。
「ジョブ」は、シートにインクなどの色材を付着させて画像を形成するために、画像形成装置が実行する処理の単位を示す。ジョブは、例えばプリントジョブ、コピージョブなどを含む。以下の実施の形態では主にプリントジョブを実行するケースを説明する。
「シートの端」は、シートの辺に対応する部分を示す。シートの端は、画像形成装置によってシートが搬送される方向に対して先端、後端、左端および右端を含む。「シートの幅」は、シートの端と交差する方向に延びるシートの長さをいう。以下では、説明のために、記録媒体のシートとして用紙を例示する。
図1は、本発明の実施形態である印刷装置1の概略構成を示す図である。図2は、図1の加湿部80の周辺構成を模式的に示す図である。図3は、図1の加湿部80のノズルの配置を模式的に示す図である。本実施の形態では、画像形成装置としてインクジェット記録装置などの印刷装置1が示される。印刷装置1は、媒体供給部10と、シートの搬送路を構成する搬送部20と、画像形成部30と、UV光照射部40と、読取部50と、媒体排出部60と、加湿部80とを備える。媒体供給部10は、用紙としてのシートSが載置されるトレー11と、ピックアップ部11aなどを備える。ピックアップ部11aは、トレー11の上に載置されたシート束の最上のシートSを取り上げて搬送部20に送出する。
搬送部20は、ピックアップ部11aによって媒体供給部10から送出されたシートSを、予め定められた搬送路で媒体排出部60まで搬送するように構成されている。媒体排出部60は搬送部20から排出されたシートSを載置するトレー61を有する。搬送部20は、搬送ローラー21,24と、搬送機構22と、吸引部23とを備える。搬送ローラー21,24は、シートSを上下から挟持する回転自在なローラーであり、シートSを搬送方向と同一方向に送出する。搬送ローラー21,24には、シートSの搬送方向(図1における左方向)に垂直な幅方向についてシートSを位置合わせるためのガイド部材が取り付けられており、搬送ローラー21,24は、幅方向の位置合わせがなされた状態でシートSを搬送する。
搬送機構22は、搬送ベルト221と、駆動ローラー222と、従動ローラー223と、搬送モーター224(図2を参照)と、押さえローラー225(図2を参照)とを備える。搬送ベルト221は、駆動ローラー222および従動ローラー223の回りに架け渡された無端状(環状)のベルトであって、例えばゴムなどの樹脂製のベルトや、スチールベルトなどを用いることができる。また、搬送ベルト221には、搬送ベルト221の外周面と内周面との間を貫通する複数の通気孔が設けられており、空気などの気体が通過可能となっている。
搬送ベルト221は、駆動ローラー222が搬送モーター224による回転駆動動作に応じて一定の速度で周回移動する。搬送ベルト221上のシートSは、搬送ベルト221の周回移動に伴って搬送方向に一定の速度で搬送される。搬送ベルト221に載置されて搬送されるシートSは、搬送路上で、画像形成部30の印刷ヘッド31によるインク吐出範囲、UV光照射部40による光の照射範囲、および読取部50による読取範囲をこの順に通過する。吸引部23は、駆動ローラー222および従動ローラー223の間の区間において、搬送ベルト221を内周面側から支持する平板状の部材である。また、吸引部23は、図示しない吸引ファンにより、搬送ベルト221の通気孔を介して搬送ベルト221の内周面側から空気を吸引することで、搬送ベルト221の外周面に載置されているシートSを当該外周面に吸着させる。
画像形成部30は、搬送部20により搬送されるシートSに対してインクを吐出(付与)して画像を形成する。画像形成部30は、それぞれがインクを吐出する4つの印刷ヘッド31を備える。印刷ヘッド31は、搬送ベルト221の外周面と対向する位置に設けられている。印刷ヘッド31の搬送ベルト221と対向する側の面は、ノズルの開口部が設けられたインク吐出面となっており、印刷ヘッド31は、搬送ベルト221の外周面に載置されて搬送されるシートSに対してノズルからインクを吐出する。印刷ヘッド31は、ノズルの開口部が所定の配列で設けられて当該ノズルの開口部からのインク吐出に係る動作を行う印刷ヘッド(図示しない)を一又は複数有して構成され得る。印刷ヘッド31におけるノズルの幅方向の配置範囲は、シートSに対する幅方向の画像の記録範囲をカバーしている。印刷ヘッド31は、画像の記録時には位置が固定されて用いられ、シートSの搬送に応じて、印刷ジョブの画像データであるビットマップデータの各画素の位置に応じたノズルを、当該画素の階調値に応じた吐出量でインクが吐出されるよう制御する。このようなインク吐出が、ビットマップデータに基づき実施されることでシートS上にシングルパス方式で画像が記録される。4つの印刷ヘッド31は、それぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)および黒色(K)のインクタンク(図示しない)と接続され、これらCMYK各色のインクを吐出する。なお、画像形成に用いられるインクの色は、これらに限定されない。
印刷ヘッド31のノズルから吐出されるインクとしては、ゲル状とゾル状との間で相変化するインクを用いることができる。ここで、ゲルは固体に含まれ、ゾルは液体に含まれる。本実施の形態では、加熱によりゲル状となったインクが印刷ヘッド31のノズルから吐出され、シートS上に着弾したインクは、冷却されることで速やかにゲル状となってシートS上で凝固する。ただし、このような相変化インクに限定する趣旨ではなく、着弾後にゲル状に相変化しない通常の液体のインクを用いてもよい。
また、本実施の形態では、画像形成のための色材として、UV光を照射することにより硬化する性質を有するインク(紫外線硬化型インク)が用いられる。このようなインクとしては、光重合性化合物(モノマー)、光重合開始剤、ゲル化剤および着色剤を含むものが用いられる。
UV光照射部40は、シートSの搬送方向について画像形成部30の下流側に設けられている。UV光照射部40は、搬送ベルト221の外周面に載置されて搬送されるシートS上のインクにUV光を照射して硬化させ、定着させる。UV光照射部40は、搬送ベルト221の外周面と対向する位置に設けられ当該外周面に向けてUV光を照射する光源41を備える。本実施形態では、光源41として紫外領域の波長の光を発光するLED(Light Emitting Diode)が用いられている。このようなUV光が照射されることにより、シートS上に着弾したインクの光重合性化合物は、重合反応により高分子化する。この高分子化によって、インクが硬化するとともに、重合熱によってシートSから水分が蒸発する。
加湿部80は、シートSの搬送方向について画像形成部30の上流側に設けられている。加湿部80は、図3に示すように搬送方向と交差(より特定的には直交)する方向にわたって配列された複数のノズル82を備える加湿ヘッド81を有する。ノズル82の列は、シートSの幅よりも長い。のように、加湿ヘッド81におけるノズル82の幅方向の配置範囲は、シートSに対する幅方向の画像を印刷可能な範囲をカバーしている。加湿部80は、印刷装置1の制御部70(図2を参照)に接続されて、画像データに基づく制御指令に従って、ノズル82から水を吐出(付与)する。吐出された水はシートS上に水滴として滴下されて付着し、これにより、シートSへ水分が一部は浸透するなどして付与されて、シートSが有する水分量を増やし、加湿することができる。その結果、搬送方向について画像形成部30の下流側のUV光照射部40によってシートSにUV光が照射されるとき上記の重合熱によってシートSから水分が蒸発するとしても、シートSの水分量が減少することに伴ってシートSがカールする、または収縮することを抑制できる。
図4は、本実施の形態に係る加湿ヘッド81の断面構造を模式的に示す図である。図4の(A)を参照して、加湿ヘッド81は、図中下から順に、ノズルプレート82aと、ヘッドチップ12と、基板13と、水141aを貯留するホールド部14とを備え、これらはこの順に接合されている。水141aは、シートSに付加させやすいように、粘度を有している。
ヘッドチップ12は圧力室として機能するチャネル121が複数配列されている。各チャネル121は、ヘッドチップ12のノズルプレート82a側の面と基板13側の面とに亘ってストレート状に貫通するように形成され、搬送方向と交差(より特定的には直交)する方向に沿って複数並設されることによって1列のチャネル列を形成している。このようなチャネル列を、搬送方向に複数並設されることによって複数のチャネル列を形成することもできる。
図4の(A)では7つのチャネル121で1列のチャネル列を構成しているが、1列のチャネル121の数は限定されない。ヘッドチップ12は、チャネル列において隣り合うチャネル121,121の間を仕切る隔壁122が圧電素子を含んで構成されて、各隔壁122の両面に図示しない駆動電極が形成されている。隔壁122は両面の駆動電極に、制御部70からの制御指令に基づく所定電圧の駆動信号が印加されることによって変形し、一対の隔壁122,122で挟まれるチャネル121内の容積を変化させる。これにより、チャネル121内に供給されている水141aに吐出のための圧力変化が付与され、ノズルプレート82aにチャネル121の出口121aと連通するように形成されているノズル82から水141aが吐出される。
基板13は、ヘッドチップ12よりも大きな面積を有する平板状の薄板である。基板13には、ヘッドチップ12側の面にヘッドチップ12の各駆動電極と電気的に接続される図示しない電極が形成されている。図4の(B)を参照して、基板13においてヘッドチップ12が接合される領域内には、ヘッドチップ12の各チャネル121に1対1に対応するように個別に貫通孔131が形成されている。これにより、各チャネル121の内部は、対応する貫通孔131と連通する。貫通孔131のヘッドチップ12側の開口部は、チャネル121の開口部とほぼ同等の面積を有し、且つチャネル121の開口部と同一形状となるように形成されている。
ホールド部14は、一面が開口する箱型に形成され、この開口を塞ぐように基板13と接合されることにより、ホールド部14内に全てのチャネル121に共通に水141aを供給する共通室141を形成する。共通室141内には、図示しない流入口から供給される水141aが貯留されている。
基板13の全ての貫通孔131は、共通室141に面するように開口している。このため、各貫通孔131は、共通室141とチャネル121との間で、共通室141内の水141aをチャネル121内に供給する個別の流路を構成している。共通室141に面する各貫通孔131の開口部は、各チャネル121へ個別に水141aを流入させる入口131aである。
加湿ヘッド81は、図4の(A)中に破線で示す直線Lのように、水141aの入口131a、水141aの出口121aおよびノズル82が一直線上に配置される。加湿ヘッド81は、制御部70からの制御指令に基づいて駆動電極に所定電圧が印加されることにより隔壁122が変形すると、一対の隔壁122に挟まれたチャネル121内の水141aに吐出圧力が付与され、ノズル82から水滴が直線Lは延びる方向に、すなわち、シートSの上に水141aが吐出される。
図5は、本実施の形態に係る印刷装置1の主要部の構成を示すブロック図である。印刷装置1は、印刷装置1を制御する制御部70と、搬送制御部25および搬送モーター224を有する搬送部20と、印刷ヘッド制御部311および印刷ヘッド31を有する画像形成部30と、UV光照射部40と、読取部50と、加湿ヘッド81と加湿ヘッド制御部83とを有する加湿部80と、操作表示部51と、通信部52と、光電センサー55を含むセンサー群54と、これら各部を通信可能に接続する内部バスを備える。
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)71と、記憶部75とを有する。記憶部75は、RAM(Random Access Memory)72と、ROM(Read Only Memory)73と、HDD(Hard Disk Drive)74を有する。CPU71は、HDD74に格納された各種プログラムや設定データを読出してRAM72に展開し、展開されたプログラムを実行して、印刷装置1を制御するための各種演算処理を実施する。RAM72は、不揮発性メモリーを含んで構成されてもよい。記憶部75は、ROM73に代えて、またはROM73とともにEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書換え可能な不揮発性メモリーを含んでもよい。HDD74には、通信部52を介して外部装置から入力された印刷ジョブおよび当該印刷ジョブに係るデータなどが格納される。記憶部75においては、HDD74とともにDRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されてもよい。
搬送制御部25は、シートSが所定の速度で搬送されるように、制御部70からの指令に基づいて、搬送ローラー21,24および駆動ローラー222にそれぞれ取り付けられた搬送モーター224の動作を別個に制御する。
印刷ヘッド制御部311は、制御部70からの印刷指令に従って適切なタイミングで、印刷ヘッド31内の駆動電極に制御信号(電圧)を印加することで、印刷ヘッド31のノズルからインクを吐出させる。制御部70は、印刷ジョブが示す画像データ(ビットマップデータ)に基づき、インクを吐出するべきノズルとタイミングを決定し、決定したノズルの駆動電極に決定したタイミングで制御信号を出力させる印刷指令を印刷ヘッド制御部311に出力する。
加湿ヘッド制御部83は、制御部70からの制御指令に従って適切なタイミングで、加湿ヘッド81内のノズル82の駆動電極に駆動信号(電圧)を印加することで、当該ノズル82から水141aを吐出させる。制御部70は、印刷ジョブが示す画像データ(ビットマップデータ)に基づき、水141aを吐出するべきノズル82とタイミングを決定する。そして、決定したノズル82の駆動電極に決定したタイミングで駆動信号を出力させる制御指令を加湿部80に出力する。
操作表示部51は、ユーザーに情報を提示する液晶ディスプレイなどの表示装置および印刷装置1に対するユーザー操作を受付けるために操作される操作キーを含んで構成される。操作表示部51は、タッチパネルを備えて構成されてもよい。通信部52は、外部機器との間での通信動作を制御する通信インターフェースである。通信インターフェースとしては、例えば、LAN(Local Area Network)カード、NIC(Network Interface Card)などの回路を含む。通信部52は、制御部70による制御下で印刷ジョブ等を受信する。
加湿部80を制御するための加湿制御部100を説明する。図6は、本実施の形態に係る加湿制御部100のモジュール構成を周辺部と関連付けて示す図である。加湿制御部100は、CPU71が記憶部75に格納されたアプリケーションプログラムを実行することにより実現されるモジュールを含む。なお、加湿制御部100を構成するモジュールの少なくとも一部は、回路により実現される、または、アプリケーションプログラムと回路の組み合わせにより実現されてもよい。このような回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを含むが、これらに限定されない。
図6を参照して、加湿制御部100は、記憶部75に格納されている印刷ジョブのジョブ情報90およびシートSに関するシート情報91を参照し、参照した情報を用いて、制御指令130を出力するよう構成される。ジョブ情報90は、印刷対象の画像データを示すビットマップデータと設定データを含む。設定データは、印刷対象の画像の縦と横のサイズと、当該画像の画素(ピクセル)のサイズを含む。ビットマップデータは、印刷対象の画像を構成する各画素について、当該画像における位置(例えば座標値)と、画素値としての階調値とを含む。シート情報91は、シートSとしての用紙の紙サイズ92と、紙種93と、紙目94とを含む。紙種93は、限定されないが、例えば厚紙、普通紙、再生紙、封筒などの種類を含む。
発明者の実験により取得された紙目94と加湿の関係を、図9と図10を参照して説明する。図9は、シートSの紙目94を説明する図である。図10は、本実施の形態に係る加湿の状態を説明する図である。図9を参照して、紙目94は、図9の(A)に示すような、シートSの繊維の方向が長辺と平行な方向である縦目と、図9の(B)に示すような、シートSの繊維の方向が短辺と平行な方向である横目とのいずれかを示す。シートSは、横目である場合は長辺方向に伸縮し、縦目である場合は短辺方向に伸縮する。したがって、UV光照射に伴いシートSが収縮する場合、横目のシートSは図10の(A)のように長辺方向に収縮またはカールしやすく、縦目のシートSは図10の(B)のように短辺方向に収縮またはカールしやすい。発明者は、このように、シートSは紙目に直交する方向により大きく収縮するとの知見を得た。このような知見に基づき、本実施の形態では、加湿制御部100は、シートSが有する繊維の方向である紙目に基づき、すなわちより収縮する方向に基づき、シートS上の当該方向に延びる領域において水141aが付加されるように加湿ヘッド81を制御する。これにより、当該領域にUV光照射がされたとしてもシートSの収縮またはカールが防止されるよう、シートSに水141aを付加することができる。
図6を参照して、加湿制御部100は、領域設定部110と、加湿タイミング検出部116と、モード受付部117とを含む。領域設定部110は、シートS上の領域のうちの予め定められた領域を対象に水141aを付加するための制御指令130を出力する。この予め定められた領域を、以下では「加湿領域」ともいう。
領域設定部110は、ジョブ情報90のビットマップデータと紙サイズ92に基づき、シートS上の加湿領域を設定する。より具体的には、領域設定部110は、ビットマップデータに基づきシートS上の画像が印刷される印刷領域を算出し、紙目94に基づき、紙目に交差する方向、より特定的には直交する方向に延在する領域であって、当該印刷領域を含んだ領域を加湿領域に設定する。より好ましくは、領域設定部110は、印刷領域よりも広い領域を加湿領域に設定する。
領域設定部110は、画素単位に基づき加湿領域を設定する画素単位加湿部111と、画像の濃度に基づき加湿領域を設定する濃度領域設定部112と、ドットサイズに基づき加湿領域を設定するサイズ領域設定部114とを含む。
濃度領域設定部112は、ジョブ情報90が示すビットマップデータの画素の階調値と閾値を比較し、比較結果に基づき、画像において閾値以上の濃度を示す部分画像の印刷領域を算出する濃度算出部113を有する。例えば、濃度領域設定部112の濃度算出部113は、ビットマップデータのN画素×N画素(Nは、2以上)の部分領域毎に階調値の平均を濃度として算出し、各部分領域について、その平均濃度を閾値と比較し、比較結果に基づき、画像において閾値以上の濃度を示す部分領域を決定する。濃度領域設定部112は、濃度算出部113によって決定された部分領域を含む加湿領域を設定する。
サイズ領域設定部114は、ジョブ情報90が示すビットマップデータのドットサイズと閾値を比較し、比較結果に基づき、閾値以上のドットサイズを示す部分画像の印刷領域を算出するサイズ算出部115を有する。例えば、サイズ領域設定部114のサイズ算出部115は、ジョブ情報90から印刷ヘッド31のノズル毎の印刷ドットのサイズを抽出し、抽出したドットサイズに基づき、ビットマップデータのN画素×N画素(Nは、2以上)の部分領域毎にドッドサイズの平均をサイズとして算出し、各部分領域について、その平均サイズを閾値と比較し、比較結果に基づき、画像において閾値以上のドットサイズを示す部分領域を決定する。サイズ領域設定部114は、サイズ算出部115によって決定された部分領域を含む加湿領域を設定する。ドッドサイズは、シート上に印刷された画像を構成する最小単位であって、印刷ヘッド31が有する1または複数のノズルから吐出されるインクによって形成(印刷)される。したがって、ドットの画像形成に用いられるインク吐出のノズル数が多いほど、ドットサイズは大きくなる。
領域設定部110は、設定された加湿領域に対して水141aが付加されるように加湿部80を制御する制御指令130を出力する。制御指令130は、加湿ヘッド81の各ノズル82の識別子と、当該ノズル82の駆動電極への電圧印加のONまたはOFFの指令を含む。したがって、制御指令130によって、加湿ヘッド81の複数のノズル82について、水141aを吐出するノズルと、吐出しないノズル82を指定できる。加湿ヘッド81のノズル82は、例えば、印刷ヘッド31に備えられるインク吐出用のノズルの個数と同量備えて、ノズル82の間隔は、インク吐出用のノズルの間隔と略同じであってもよい。以下の説明では、加湿ヘッド81のノズル82の個数とノズル82の間隔は、印刷ヘッド31のインク吐出用のノズルの個数および間隔と同様である。これにより、印刷ヘッド31に備えられるノズルの配列と同様に、加湿ヘッド81にノズル82を配列することができるから、加湿領域を印刷の画素またはドット単位で水141aを滴下し、加湿できる。
また、領域設定部110は、ビットマップデータの幅方向のビット列(画素列またはドット列)毎の制御指令130を、搬送モーター224の回転に同期して出力する。これにより、シートSが搬送されるとき、搬送方向に交差(または直交)するビット列毎に、加湿ヘッド81の各ビットに対応のノズル82からの水141aの吐出を制御できる。
図7は、本実施の形態に係る加湿タイミングの検出方法について説明する図である。図7では、斜線で示される加湿領域を有したシートSが搬送される状態が時間tの経過とともに示される。図7では、変数t0は加湿タイミング検出部116がトレー11に関連して設けられた光電センサー55の出力に基づく時間であって、シートSがピックアップされて搬送路に送出された時間を示す。より具体的には、光電センサー55は、トレー11のシート束の最上のシートSがピックアップされて搬送路に送出されたときON信号を出力する。図7では、変数Dは、トレー11から搬送方向における加湿ヘッド81までの距離を示し、変数dsは当該シートSの先端から加湿領域の開始端までの距離を示す。変数deは当該シートSの先端から加湿領域の終了端までの距離を示す。このように変数dsと変数deは、シートS上における加湿領域の位置を、シートSの先端からのオフセット(距離)として示される。変数Vは、シートSの搬送速度を示す。図7に示すように、加湿タイミング検出部116は、領域設定部110が制御指令130を出力するべき加湿時間tdを、以下の演算式により算出する。
td=te-ts
ts=(D+ds)/V+t0
te=(D+de)/V+t0
加湿タイミング検出部116は、シートSが搬送路に送出される毎、上記の演算式に従って、当該シートSについて、加湿領域が加湿ヘッド81の下を通過開始する時間tsと通過完了する時間teと加湿時間tdとを算出する。加湿制御部100は、加湿タイミング検出部116によって算出された時間に基づき、加湿領域が加湿ヘッド81の下を通過する期間は、制御指令130を送出するよう領域設定部110を制御する。
加湿ヘッド制御部83は、加湿時間tdにおいて、搬送モーター224の回転に同期して出力される、ビットマップデータの幅方向のビット列毎の制御指令130に基づき、加湿ヘッド81の各ビットに対応のノズル82の駆動電極への電圧をONまたはOFFする。これにより、加湿制御部100は、各シートSが加湿ヘッド81の下を通過する間に、加湿領域について水141aを付加できる。
モード受付部117は、印刷装置1に対して加湿モードを設定するためのユーザー操作を受付ける。本実施の形態では、加湿モードとして、加湿領域を画素単位で設定する画素加湿モードと、加湿領域を画像の濃度に基づき設定する濃度加湿モードと、加湿領域を1ドットのサイズに基づき設定するサイズ加湿モードを含む。なお、本実施の形態では、これらモードが複数組み合わされて実施されてもよい。
図8は、本実施の形態に係る加湿制御部100の処理を示す概略フローチャートである。図8を参照して、CPU71は、加湿制御部100として、加湿領域に基づく加湿時間tdが検出されるかを判定する(ステップS1)。加湿時間tdが検出されないと(ステップS1でNO)、ステップS1を繰返すが、加湿時間tdが検出されると(ステップS1でYES)、CPU71は、加湿制御部100として、ユーザー操作によって指定されている加湿モードを判別し(ステップS3)、判別された加湿モードに対応のモジュールを、制御指令130を出力するよう制御する(ステップS5)。より具体的には、画素加湿モード、濃度加湿モードおよびサイズ加湿モードのそれぞれに対応して、起動されるべきモジュールは画素単位加湿部111、濃度領域設定部112およびサイズ領域設定部114である。CPU71は、判別されたモードに対応して起動されるモジュールとして、加湿ヘッド81から加湿領域に水141aが吐出されるよう、制御指令130を出力する。
図11は、本実施の形態に係る加湿ヘッド81の構成例を模式的に示す図である。図11の(A)の印刷ヘッド31は、シートSのサイズに基づく印刷可能な印刷幅P1に亘って延びて設けられ、加湿ヘッド81は、加湿領域の幅(>P1)方向に亘って延びて設けられる。印刷ヘッド31および加湿ヘッド81は、それぞれ、複数のヘッドから構成されている。図11の(B)に示すように、印刷ヘッド31の方は1つの長尺ヘッドから構成されてもよい。また、図11の(C)に示すように、印刷ヘッド31および加湿ヘッド81は同じ長さの長尺ヘッドから構成されてもよい。この場合、印刷幅P1は、加湿ヘッド81の加湿領域の幅W1よりも短かい。
図11に示すように、印刷ヘッド31または加湿ヘッド81が複数ヘッドまたは長尺ヘッドなどの構成をとるとしても、印刷幅P1を含むような幅W1を有した加湿領域を設定することができる。
図12は、本実施の形態に係る加湿ローラー81aの構成例を模式的に示す図である。図12の(A)では印刷ヘッド31は、印刷幅P1に亘って延びて設けられ、加湿ローラー81aは、ポリウレタンまたはポリエステルなどの材料からなるロール状のスポンジから構成されて、加湿ローラー81aは加湿領域の幅W1に亘るように設けられる。水141aが供給されることで加湿ローラー81aのスポンジは安定して水分を含んだ状態を保つことができる。加湿ローラー81aは、搬送方向に対して垂直方向に上昇または下降の移動が可能に構成される。加湿ヘッド制御部83は、加湿時間tdにおいて加湿ローラー81aをシートSに接触するように下降させた状態で搬送方向に回転させ、加湿時間tdが終了すると、搬送路またはシートSに接触しないように加湿ローラー81aを上昇させる。このように加湿領域は加湿ローラー81aの接触に伴い水141aは加湿ローラー81aから加湿領域に移行して、加湿領域は水141aが付加される。
図12に示すように、加湿ヘッド81が加湿ローラー81aに代替されるとしても、印刷幅P1を含むような幅W1を有した加湿領域を設定することができる。なお、加湿領域を加湿するために、加湿ヘッド81に加湿ローラー81aを併用してもよい。
図13~図16は、本実施の形態に係る画像の濃度に基づき加湿領域が設定されるケースを説明する図である。図13は、縦目のシートSに画像を印刷する場合、図13では濃度が閾値よりも大きい部分画像の印刷領域について加湿領域が設定されている。本来、加湿がなされないとすれば、UV光照射により、シートSは縦目と交差する方向に収縮またはカールするため、この印刷領域に図15と図16の左側文字が印刷されるとすれば、各文字は、図15と図16の右側文字のように縦目と直交する方向に収縮する。これに対して、シートSの繊維の方向(縦目)に基づき、印刷領域よりも繊維が延びる方向に広めの加湿領域を設定し、当該加湿領域について水141aを付加することにより、その後、当該印刷領域に対して光硬化作用を受けるとしても、印刷領域を含む広めの加湿領域に予め付加されていた水141aが蒸発するにとどまり、シートSが本来有していた水分の蒸発を回避できる。その結果、図14に示すように、印刷領域の画像が収縮することを防止できる。
図17は、本実施の形態に係るドットサイズに基づき加湿領域が設定されるケースを説明する図である。図17では、縦目のシートSにサイズが閾値よりも大きい画素(印字ドット161)について加湿領域が設定されている。もし、加湿がされないとすれば、UV光照射により、シートSは印字ドット161において縦目と交差する方向にカールする。本実施の形態では、サイズ領域設定部114は、印字ドット161のサイズに基づき、当該印字ドット161を中心とするその周辺の複数ドット162からなる領域を加湿領域に設定する。ドット162は、滴下した水141aが水滴を模式的に示している。図17では、印字ドット161にも水141aが滴下される。これにより、サイズの大きい印字ドットを含む領域であって、シートSの繊維が延びる方向と交差する方向に広めの加湿領域が設定される。加湿領域について水141aが付加されることにより、その後、サイズの大きい印字ドットについて光硬化作用を受けるとしても、当該印字ドットを含む広めの加湿領域に予め付加されていた水141aが蒸発するにとどまり、シートSが本来有していた水分の蒸発を回避できる。その結果、サイズが大きい印字ドットを中心にシートSが収縮またはカールすることを防止できる。
本実施の形態では、印刷装置1は、加湿部80による加湿量を、UV光照射部40によって照射される光量に基づき調整することもできる。図18は、本実施の形態に係るUV光照射のための消費電力と蒸発量の関係を模式的に示す図である。図18では、発明者が実験により取得した関係が示される。シートSに同じ濃度または印字ドットサイズを有する画像を印刷した場合、同じ長さの照射時間であったとしても、図18に示すように、消費電力が多いほど、すなわち単位時間当たりの照射光量が多いほど、蒸発量は多くなる。したがって、加湿制御部100は、このような照射光量に相関性を有するUV光照射部40の消費電力に基づき、加湿領域のサイズ、または加湿領域に付加する水141aの量を可変に調整してもよい。
例えば、加湿制御部100は、UV光照射部40の消費電力を取得し、取得した消費電力に基づき、加湿領域のサイズを大きくする、または、水141aの吐出量が多くなるようにノズル82の駆動電極に印加する電圧を変更する。なお、UV光照射部40の消費電力は、印刷装置1の機器に予め設定されている。
本実施の形態は、紙などのシートSの繊維方向(紙目)と交差(より特定的には直交)する方向の伸縮率は大きく異なることに着目して、加湿領域を設定している。仮に、繊維方向を考慮せずにシートS全体を一律に加湿すれば、繊維方向(縦目、横目)の違いによる収縮率の違いによる印刷画像の変形を防止することはできない。
これに対して、本実施の形態によれば、繊維方向(紙目)に基づき、記録媒体(シートS)が有する繊維の方向と交差する方向に延びる領域であって、画像が印刷される印刷領域を少なくとも含む領域が加湿領域として設定される。これにより、印刷領域に光が照射されて水分が蒸発したとしても、付加された水分の方を先に蒸発させて、記録媒体が本来有していた水分を蒸発させず、記録媒体に残すことが可能となる。その結果、たとえ光硬化型インクを用いた印刷装置1であっても、上記に述べた印刷画像の変形は防止されて品質のよい印刷物を提供することができる。
本実施形態において、加湿制御部100を含む画像形成に係るプログラムは、ROM73またはHDD74に代えて、別の記憶媒体に格納されてもよい。このような記憶媒体は、印刷装置1が備える、または着脱自在に装着されるCD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリー、メモリーカード、FD(Flexible Disk)、磁気テープ、トレイテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性の記憶媒体により実現されてもよい。また、印刷装置1は、例えば通信回線(図示しない)および通信部52を介したダウンロードによって、プログラムを取得してもよい。
また、当該プログラムは、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、各実施形態に従う処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、各実施形態に従うプログラムの趣旨を逸脱するものではない。さらに、少なくとも1つのサーバーが当該プログラムの処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で印刷装置1が構成されてもよい。
以上、実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本開示の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 印刷装置、22 搬送機構、30 画像形成部、31 印刷ヘッド、40 UV光照射部、55 光電センサー、70 制御部、80 加湿部、81 加湿ヘッド、81a 加湿ローラー、82 ノズル、83 加湿ヘッド制御部、90 ジョブ情報、91 シート情報、92 紙サイズ、93 紙種、94 紙目、100 加湿制御部、110 領域設定部、111 画素単位加湿部、112 濃度領域設定部、113 濃度算出部、114 サイズ領域設定部、115 サイズ算出部、116 加湿タイミング検出部、117 モード受付部、130 制御指令、141a 水、311 印刷ヘッド制御部、P1 印刷幅、S シート、W1 加湿領域の幅。

Claims (13)

  1. 繊維を含む記録媒体の搬送路を構成する搬送部と、
    搬送路上の記録媒体上に色材を付着させて画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部に対して、搬送方向下流に配置された、前記色材を記録媒体に定着させる光を照射する光照射部と、
    前記画像形成部に対して、搬送方向上流に配置された、前記記録媒体を加湿する加湿部と、を備え、
    前記加湿部は、
    前記記録媒体上の前記色材の付着領域を含む領域であって、前記繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿する、画像形成装置。
  2. 前記画像形成装置は、さらに、
    前記記録媒体上の前記色材の付着領域を含む領域であって、前記繊維の方向と交差する方向に延在する領域を前記加湿部によって加湿される加湿領域に設定する領域設定部を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記加湿部は、前記領域設定部によって設定された前記加湿領域を画素単位で加湿可能に構成される、請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記領域設定部は、前記色材の付着領域のうちの第1閾値以上の色の濃度を有する部分領域を含む領域であって、前記繊維の方向と交差する方向に延在する領域を前記加湿領域に設定する濃度領域設定部を、含む、請求項2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記濃度領域設定部は、前記色材の付着領域の前記濃度を算出する濃度算出部を含む、請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成部は、ドット単位で前記記録媒体の上に前記色材を付着させ、
    前記領域設定部は、前記色材の付着領域のうち第2閾値以上のドットサイズを有する部分領域を含む領域であって、前記繊維の方向と交差する方向に延在する領域を前記加湿領域に設定するサイズ領域設定部を、含む、請求項2から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記サイズ領域設定部は、前記色材の付着領域の前記ドットサイズを算出するサイズ算出部を含む、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記繊維の方向と交差する方向は、当該繊維の方向と直交する方向を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記画像形成部は、画像データに基づき、前記記録媒体上に色材を付着させて前記画像を形成し、
    前記加湿部は、
    前記搬送方向と交差する方向に配列された複数のノズルを備える加湿ヘッドと、
    前記画像データに基づき、前記複数のノズルを、前記延在する領域に対し前記水を吐出するよう制御する加湿ヘッド制御部と、を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記加湿ヘッドは、前記搬送方向と交差する方向に配列された複数のヘッドを有する、請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記加湿部による加湿量を、前記光照射部によって照射される光量に基づき調整する、請求項1から10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 搬送部が、繊維を含んで構成される記録媒体を搬送路上を搬送するステップと、
    画像形成部が、搬送路上の記録媒体上に色材を付着させて画像を形成するステップと、
    前記画像形成部に対して、搬送方向下流に配置された光照射部が、前記色材を記録媒体に定着させる光を、搬送路上の前記記録媒体に照射するステップと、
    前記画像形成部に対して、搬送方向上流に配置された加湿部が、前記記録媒体を加湿するステップと、を備え、
    前記加湿するステップでは、
    前記加湿部が、前記記録媒体上の前記色材の付着領域を含む領域であって、前記繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿する、画像形成方法。
  13. プロセッサによって実行されるプログラムであって、
    前記プログラムは、前記プロセッサに、
    繊維を含んで構成される記録媒体を搬送路上を搬送させるステップと、
    画像形成部に、搬送路上の前記記録媒体の上に色材を付着させて画像を形成させるステップと、
    前記画像形成部に対して、搬送方向下流に配置された光照射部に、前記色材を記録媒体に定着させる光を、搬送路上の前記記録媒体に照射させるステップと、
    前記画像形成部に対して、搬送方向上流に配置された加湿部に、前記記録媒体を加湿させるステップと、を備え、
    前記加湿させるステップでは、
    前記記録媒体の上の前記色材の付着領域を含む領域であって、前記繊維の方向と交差する方向に延在する領域を加湿する、プログラム。
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