JP2013049163A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体のカールやカックルの発生を抑制すると共に、紫外線硬化型インクをより確実に硬化させる画像形成装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置10は、用紙Pを給紙する給紙部12と、用紙Pの記録面上に水性紫外線硬化型インクを吐出する4色のインクジェットヘッド56と、インクジェットヘッドより用紙Pの搬送方向下流側に設けられ、用紙Pの記録面の水性紫外線硬化型インクを加熱乾燥させるインク乾燥処理ユニット68と、インク乾燥処理ユニットより用紙Pの搬送方向下流側に設けられ、用紙P上に水を付与する水付与ユニット82と、水付与ユニットより用紙Pの搬送方向下流側に設けられ、用紙Pの記録面上の水性紫外線硬化型インクに紫外線を照射して定着させるUV照射ユニット74と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は画像形成装置に関する。
下記特許文献1には、水、色材及び活性光線反応性化合物を含有するインクジェットインクを用い、気液界面近傍の色材濃度が記録媒体近傍の色材よりも低くなるように記録液の層を記録媒体上に形成した後、活性光線を照射して乾燥させるようにしたインクジェット記録方法が提案されている。このインクジェット記録方法では、色材濃度の異なる記録液の層を形成することで、インク打ち込み量の多い画像においても、カラーブリード(異色インクの混ざり、色濁り)やビーディング(隣接ドットがつながることによる不規則な隙間、及び濃度の増大)の発生を抑制するものである。
特開2007−160528号公報
しかし上記の特許文献1に記載の方法では、記録液の層を形成した後で、記録媒体表面の水分を積極的に乾燥させる記載や、水分量の最適値に関する記載が無いため、浸透性を有する記録媒体に対する膨潤カールやカックル(部分的な凸凹)を抑制することが難しい。
さらに、活性光線として紫外線を照射してインクを硬化させる際には、インク中の成分が酸素に触れることでインクの硬化が妨げられる可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、記録媒体のカールやカックルの発生を抑制すると共に、紫外線硬化型インクをより確実に硬化させる画像形成装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明に係る画像形成装置は、記録媒体を給紙する給紙手段と、前記記録媒体の記録面上に水性紫外線硬化型インクを吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドより前記記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記吐出ヘッドによって吐出された前記水性紫外線硬化型インクを加熱乾燥させる乾燥ユニットと、前記乾燥ユニットより前記記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記記録媒体上に水を付与する水付与手段と、前記水付与手段より前記記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記記録媒体の記録面上の前記水性紫外線硬化型インクに紫外線を照射して定着させる定着ユニットと、を有するものである。
ここで、本発明の「水」には、水を主成分とする液体を含み、例えば、水に添加剤などが添加された液体も含む。
上記の発明によれば、給紙手段により記録媒体が給紙され、吐出ヘッドにより記録媒体の記録面上に水性紫外線硬化型インクが吐出された後、吐出ヘッドによって吐出された水性紫外線硬化型インクが乾燥ユニットにより加熱乾燥される。さらに、水付与手段によって記録媒体上に水を付与することで、記録媒体の水分量が調整される。さらに、定着ユニットにより記録媒体の記録面上の水性紫外線硬化型インクに紫外線を照射することで、水性紫外線硬化型インクが硬化し定着される。すなわち、乾燥ユニットにより記録媒体の記録面上の水性紫外線硬化型インクを加熱乾燥した後、水付与手段により記録媒体上に水を付与することで、記録媒体の水分量が調整され、過剰乾燥によるカールやカックルが抑制されると共に、浸透性を有する記録媒体に対する膨潤カールやカックルが抑制される。さらに、水付与手段により記録媒体上に水を付与することで、水性紫外線硬化型インク中の成分が酸素に触れることよる酸素重合阻害が抑制され、水性紫外線硬化型インクをより確実に硬化させることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記水付与手段は、前記記録媒体の記録面側に水を付与するものである。
上記の発明によれば、水付与手段が記録媒体の記録面側に水を付与することにより、記録媒体の記録面上の水性紫外線硬化型インクが酸素と接触することをより効果的に抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記水付与手段は、前記記録媒体の記録面の上方から下方に向かって水を付与するものである。
上記の発明によれば、水付与手段は、記録媒体の記録面の上方から下方に向かって水を付与することで、少ない水でより均一に記録媒体の記録面に水を付与することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記給紙手段で給紙する前記記録媒体の記録面側表面水分量よりも前記水付与手段により水を付与した後の前記記録媒体の記録面側表面水分量が、2g/m以上5g/m以下の範囲で増加するように調整されているものである。
上記の発明によれば、給紙手段で給紙する記録媒体の記録面側表面水分量よりも水付与手段により水を付与した後の記録媒体の記録面側表面水分量が、2g/m以上5g/m以下の範囲で増加するように調整されており、紫外線硬化型インクをより確実に硬化させ膜強度を確保することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記水付与手段により前記記録媒体の記録面側表面水分量が調整された前記記録媒体上の水性紫外線硬化型インクに、前記定着ユニットにより前記記録媒体の記録面での照射量が500mJ/cm以上の紫外線を照射して定着させるものである。
上記の発明によれば、水付与手段により記録媒体の記録面側表面水分量が調整された記録媒体上の水性紫外線硬化型インクに、定着ユニットにより記録媒体の記録面での照射量が500mJ/cm以上の紫外線を照射して定着させることで、紫外線硬化型インクをさらに確実に硬化させ膜強度を確保することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記水付与手段は、スチーム式、ファン式、超音波式、ジェッティング式のいずれか1つ、又は2つ以上に組み合わせにより前記記録媒体上に水を付与するものである。
上記の発明によれば、水付与手段は、スチーム式、ファン式、超音波式、ジェッティング式のいずれか1つ、又は2つ以上に組み合わせにより記録媒体上に水を付与するため、記録媒体上に好適に水を付与して水分量を調整することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記記録媒体の先端を把持して搬送するチェーングリッパと、前記記録媒体の背面側を吸引してテンションを付与するバックテンション付与手段と、を備え、前記チェーングリッパにより前記記録媒体を搬送しながら、前記乾燥ユニットにより前記記録媒体の記録面の水性紫外線硬化型インクを加熱乾燥させ、前記水付与手段により前記記録媒体の記録面に水を付与するものである。
上記の発明によれば、チェーングリッパにより記録媒体の先端を把持して搬送し、バックテンション付与手段により記録媒体の背面側を吸引してテンションを付与する。そして、チェーングリッパにより記録媒体を搬送しながら、乾燥ユニットにより記録媒体の記録面の水性紫外線硬化型インクを加熱乾燥させ、水付与手段により記録媒体の記録面に水を付与する。これにより、乾燥ユニットによる乾燥時と水付与手段による水付与時における記録媒体のカールやカックルの発生がより効果的に抑制される。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記給紙手段による前記記録媒体の給紙時と、前記水付与手段による前記記録媒体への水付与後に、紙水分計を用いて前記記録媒体の記録面側表面水分量をそれぞれ測定し、前記記録媒体の記録面側表面水分量の増加量を算出するものである。
上記の発明によれば、紙水分計を用いることで正確な水分量の測定を行うことができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記吐出ヘッドよりも前記記録媒体の搬送方向上流側に、前記記録媒体に処理液を付与する処理液付与手段を有するものである。
上記の発明によれば、処理液付与手段により記録媒体に処理液を付与する場合でも、前記水付与手段を用いることで、前記記録媒体の水分量を適切に調整することができる。
また、本発明に好適なインクとして、請求項10に記載の発明は、色材と、紫外線により重合する重合性モノマーと、紫外線により前記重合性モノマーの重合を開始する開始剤と、50%以上の水と、を少なくとも含む水性紫外線硬化型インクを用いることを特徴とする。
本発明は上記構成としたので、記録媒体のカールやカックルの発生を抑制すると共に、紫外線硬化型インクをより確実に硬化させることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す構成図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置のインク乾燥処理部、水付与部及びUV照射処理部を示す構成図である。 チェーングリッパにより用紙を搬送しながらインク乾燥処理部により水性紫外線硬化型インクを熱風乾燥し、水付与部により用紙上に水を付与する状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置における吐出液滴体積が2.4plのときの用紙の水分量と定着後インクの密着性評価とを示す表である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置における吐出液滴体積が5.0plのときの用紙の水分量と定着後インクの密着性評価とを示す表である。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の一例について説明する。
《装置構成》
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一実施形態を示す全体構成図である。
このインクジェット記録装置10は、枚葉の用紙(記録媒体)Pに水性UVインク(水性媒体を使用したUV(紫外線)硬化型のインク)を用いてインクジェット方式で画像を記録するインクジェット記録装置であり、主として、用紙Pを給紙する給紙部12と、給紙部12から給紙された用紙Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する処理液付与部14と、処理液付与部14で処理液が付与された用紙Pの乾燥処理を行う処理液乾燥処理部16と、処理液乾燥処理部16で乾燥処理が施された用紙Pの表面に水性UVインクを用いてインクジェット方式で画像を記録する画像記録部18と、画像記録部18で画像が記録された用紙Pの乾燥処理を行うインク乾燥処理部20と、インク乾燥処理部20で乾燥処理された用紙Pに水を付与する水付与部80と、水付与部80で水が付与された用紙PにUV照射処理(定着処理)を行って画像を定着させるUV照射処理部22と、UV照射処理部22でUV照射処理された用紙Pを排紙する排紙部24と、を備えている。
〈給紙部〉
給紙部12は、給紙台30に積載された用紙Pを1枚ずつ処理液付与部14に給紙する。給紙手段の一例としての給紙部12は、主として、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙ドラム40とで構成される。
用紙Pは、多数枚が積層された束の状態で給紙台30に載置される。給紙台30は、図示しない給紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。給紙台昇降装置は、給紙台30に積載された用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、束の最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、給紙台30を昇降させる。
記録媒体としての用紙Pは、特に限定されないが、一般のオフセット印刷などで使用される汎用の印刷用紙(いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする用紙)を用いることができる。本例では塗工紙が用いられる。塗工紙は、一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙などが好適に用いられる。
サッカー装置32は、給紙台30に積載されている用紙Pを上から順に1枚ずつ取り上げて、給紙ローラ対34に給紙する。サッカー装置32は、昇降自在かつ揺動自在に設けられたサクションフット32Aを備え、このサクションフット32Aによって用紙Pの上面を吸着保持して、用紙Pを給紙台30から給紙ローラ対34に移送する。この際、サクションフット32Aは、束の最上位に位置する用紙Pの先端側の上面を吸着保持して、用紙Pを引き上げ、引き上げた用紙Pの先端を給紙ローラ対34を構成する一対のローラ34A、34Bの間に挿入する。
給紙ローラ対34は、互いに押圧当接された上下一対のローラ34A、34Bで構成される。上下一対のローラ34A、34Bは、一方が駆動ローラ(ローラ34A)、他方が従動ローラ(ローラ34B)とされ、駆動ローラ(ローラ34A)は、図示しないモータに駆動されて回転する。モータは、用紙Pの給紙に連動して駆動され、サッカー装置32から用紙Pが給紙されると、そのタイミングに合わせて駆動ローラ(ローラ34A)を回転させる。上下一対のローラ34A、34Bの間に挿入された用紙Pは、このローラ34A、34Bにニップされて、ローラ34A、34Bの回転方向(フィーダボード36の設置方向)に送り出される。
フィーダボード36は、用紙幅に対応して形成され、給紙ローラ対34から送り出された用紙Pを受けて、前当て38までガイドする。このフィーダボード36は、下方に向けて傾斜して設置され、その搬送面の上に載置された用紙Pを搬送面に沿って滑らせて前当て38までガイドする。
フィーダボード36には、用紙Pを搬送するためのテープフィーダ36Aが幅方向に間隔をおいて複数設置される。テープフィーダ36Aは、無端状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。フィーダボード36の搬送面に載置された用紙Pは、このテープフィーダ36Aによって送りが与えられて、フィーダボード36の上を搬送される。
また、フィーダボード36の上には、リテーナ36Bとコロ36Cとが設置される。
リテーナ36Bは、用紙Pの搬送面に沿って前後に縦列して複数配置される(本例では2つ)。このリテーナ36Bは、用紙幅に対応した幅を有する板バネで構成され、搬送面に押圧当接されて設置される。テープフィーダ36Aによってフィーダボード36の上を搬送される用紙Pは、このリテーナ36Bを通過することにより、凹凸が矯正される。なお、リテーナ36Bは、フィーダボード36との間に用紙Pを導入しやすくするため、後端部がカールして形成される。
コロ36Cは、前後のリテーナ36Bの間に配設される。このコロ36Cは、用紙Pの搬送面に押圧当接されて設置される。前後のリテーナ36Bの間を搬送される用紙Pは、このコロ36Cによって上面が抑えられながら搬送される。
前当て38は、用紙Pの姿勢を矯正する。この前当て38は、板状に形成され、用紙Pの搬送方向と直交して配置される。また、図示しないモータに駆動されて、揺動可能に設けられる。フィーダボード36の上を搬送された用紙Pは、その先端が前当て38に当接されて、姿勢が矯正される(いわゆる、スキュー防止)。前当て38は、給紙ドラム40への用紙の給紙に連動して揺動し、姿勢を矯正した用紙Pを給紙ドラム40に受け渡す。
給紙ドラム40は、前当て38を介してフィーダボード36から給紙される用紙Pを受け取り、処理液付与部14へと搬送する。給紙ドラム40は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。給紙ドラム40の外周面上には、グリッパ40Aが備えられ、このグリッパ40Aによって用紙Pの先端が把持される。給紙ドラム40は、グリッパ40Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液付与部14へと用紙Pを搬送する。
給紙部12は、以上のように構成される。給紙台30の上に積載された用紙Pは、サッカー装置32によって上から順に1枚ずつ引き上げられて、給紙ローラ対34に給紙される。給紙ローラ対34に給紙された用紙Pは、その給紙ローラ対34を構成する上下一対のローラ34A、34Bによって前方に送り出され、フィーダボード36の上に載置される。フィーダボード36の上に載置された用紙Pは、フィーダボード36の搬送面に設けられたテープフィーダ36Aによって搬送される。そして、その搬送過程でリテーナ36Bによってフィーダボード36の搬送面に押し付けられ、凹凸が矯正される。フィーダボード36によって搬送された用紙Pは、先端が前当て38に当接されることにより、傾きが矯正され、その後、給紙ドラム40に受け渡される。そして、その給紙ドラム40によって処理液付与部14へと搬送される。
〈処理液付与部〉
処理液付与部14は、用紙Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する。この処理液付与部14は、主として、用紙Pを搬送する処理液付与ドラム42と、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液を付与する処理液付与ユニット44とで構成される。
処理液付与ドラム42は、給紙部12の給紙ドラム40から用紙Pを受け取り、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する。処理液付与ドラム42は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液付与ドラム42の外周面上には、グリッパ42Aが備えられ、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液付与ドラム42は、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する(1回転で1枚の用紙Pを搬送する。)。処理液付与ドラム42と給紙ドラム40は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
処理液付与ユニット44は、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液をローラ塗布する。この処理液付与ユニット44は、主として、用紙Pに処理液を塗布する塗布ローラ44Aと、処理液が貯留される処理液槽44Bと、処理液槽44Bに貯留された処理液を汲み上げて、塗布ローラ44Aに供給する汲み上げローラ44Cとで構成される。汲み上げローラ44Cは、塗布ローラ44Aに押圧当接して設置されるとともに、一部を処理液槽44Bに貯留された処理液に浸漬させて設置される。この汲み上げローラ44Cは、処理液を計量して汲み上げ、塗布ローラ44Aの周面に一定の厚さで処理液を付与する。塗布ローラ44Aは、用紙幅に対応して設けられ、用紙Pに押圧当接されて、その周面に付与された処理液を用紙Pに塗布する。塗布ローラ44Aは、図示しない当接離間機構に駆動されて、処理液付与ドラム42の周面に当接する当接位置と、処理液付与ドラム42の周面から離間する離間位置との間を移動する。当接離間機構は、用紙Pの通過タイミングに合わせて、塗布ローラ44Aを移動させ、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液を塗布する。
なお、本例では、処理液をローラ塗布する構成としているが、処理液を付与する方法は、これに限定されるものではない。この他、インクジェットヘッドを用いて付与する構成やスプレーにより付与する構成を採用することもできる。
処理液付与部14は、以上のように構成される。給紙部12の給紙ドラム40から受け渡された用紙Pは、処理液付与ドラム42で受け取られる。処理液付与ドラム42は、用紙Pの先端をグリッパ42Aで把持して、回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けて搬送する。この搬送過程で塗布ローラ44Aが用紙Pの表面に押圧当接され、用紙Pの表面に処理液が塗布される。
ここで、この用紙Pの表面に塗布する処理液は、後段の画像記録部18で用紙Pに打滴する水性UVインク中の色材を凝集させる機能を有する処理液が塗布される。このような処理液を用紙Pの表面に塗布して水性UVインクを打滴することにより、汎用の印刷用紙を用いた場合であっても、着弾干渉等を起こすことなく、高品位な印刷を行うことができる。
〈処理液乾燥処理部〉
処理液乾燥処理部16は、表面に処理液が付与された用紙Pを乾燥処理する。この処理液乾燥処理部16は、主として、用紙Pを搬送する処理液乾燥処理ドラム46と、用紙搬送ガイド48と、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの印刷面に熱風を吹き当てて乾燥させる処理液乾燥処理ユニット50とで構成される。
処理液乾燥処理ドラム46は、処理液付与部14の処理液付与ドラム42から用紙Pを受け取り、画像記録部18へと用紙Pを搬送する。処理液乾燥処理ドラム46は、円筒状に組んだ枠体で構成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液乾燥処理ドラム46の外周面上には、グリッパ46Aが備えられ、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液乾燥処理ドラム46は、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、画像記録部18に用紙Pを搬送する。なお、本例の処理液乾燥処理ドラム46は、外周面上の2カ所にグリッパ42Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。処理液乾燥処理ドラム46と処理液付与ドラム42は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙搬送ガイド48は、処理液乾燥処理ドラム46による用紙Pの搬送経路に沿って配設され、用紙Pの搬送をガイドする。
処理液乾燥処理ユニット50は、処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てて乾燥処理する。本例では、2台の処理液乾燥処理ユニット50が、処理液乾燥処理ドラム内に配設され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てる構成とされている。
処理液乾燥処理部16は、以上のように構成される。処理液付与部14の処理液付与ドラム42から受け渡された用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46で受け取られる。処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの先端をグリッパ46Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。この際、処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの表面(処理液が塗布された面)を内側に向けて搬送する。用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される過程で処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置された処理液乾燥処理ユニット50から熱風が表面に吹き当てられて、乾燥処理される。すなわち、処理液中の溶媒成分が除去される。これにより、用紙Pの表面にインク凝集層が形成される。
〈画像記録部〉
画像記録部18は、用紙Pの印刷面にC、M、Y、Kの各色のインク(水性UVインク)の液滴を打滴して、用紙Pの印刷面にカラー画像を描画する。この画像記録部18は、主として、用紙Pを搬送する画像記録ドラム52と、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pを押圧して、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に密着させる用紙押さえローラ54と、用紙PにC、M、Y、Kの各色のインク滴を吐出する吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kと、用紙Pに記録された画像を読み取るインラインセンサ58と、インクミストを捕捉するミストフィルタ60と、ドラム冷却ユニット62とで構成される。
画像記録ドラム52は、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取り、インク乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。画像記録ドラム52の外周面上には、グリッパ52Aが備えられ、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端が把持される。画像記録ドラム52は、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、インク乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。また、画像記録ドラム52は、その周面に多数の吸引穴(図示せず)が所定のパターンで形成される。画像記録ドラム52の周面に巻き掛けられた用紙Pは、この吸引穴から吸引されることにより、画像記録ドラム52の周面に吸着保持されながら搬送される。これにより、高い平滑性をもって用紙Pを搬送することができる。
なお、この吸引穴からの吸引は一定の範囲でのみ作用し、所定の吸引開始位置から所定の吸引終了位置との間で作用する。吸引開始位置は、用紙押さえローラ54の設置位置に設定され、吸引終了位置は、インラインセンサ58の設置位置の下流側に設定される(たとえば、インク乾燥処理部20に用紙を受け渡す位置に設定される。)。すなわち、少なくともインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの設置位置(画像記録位置)とインラインセンサ58の設置位置(画像読取位置)では、用紙Pが画像記録ドラム52の周面に吸着保持されるように設定される。
なお、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に吸着保持させる機構は、上記の負圧による吸着方法に限らず、静電吸着による方法を採用することもできる。
また、本例の画像記録ドラム52は、外周面上の2カ所にグリッパ52Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。画像記録ドラム52と処理液乾燥処理ドラム46は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙押さえローラ54は、画像記録ドラム52の用紙受取位置(処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配設される。この用紙押さえローラ54は、ゴムローラで構成され、画像記録ドラム52の周面に押圧当接させて設置される。処理液乾燥処理ドラム46から画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、この用紙押さえローラ54を通過することによりニップされ、画像記録ドラム52の周面に密着させられる。
4台のインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔をもって配置される。このインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成され、ノズル面が画像記録ドラム52の周面に対向するように配置される。各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、ノズル面に形成されたノズル列から、画像記録ドラム52に向けてインクの液滴を吐出することにより、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pに画像を記録する。
なお、上記のように、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kから吐出させるインクは、水性UVインクが用いられる。水性UVインクは、打滴後に紫外線(UV)を照射することにより、硬化させることができる。
インラインセンサ58は、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送方向に対して、最後尾のインクジェットヘッド56Kの下流側に設置され、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kで記録された画像を読み取る。このインラインセンサ58は、たとえば、ラインスキャナで構成され、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pからインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって記録された画像を読み取る。
なお、インラインセンサ58の下流側には、インラインセンサ58に近接して接触防止板59が設置される。この接触防止板59は、搬送の不具合等によって用紙Pに浮きが生じた場合に、用紙Pがインラインセンサ58に接触するのを防止する。
ミストフィルタ60は、最後尾のインクジェットヘッド56Kとインラインセンサ58との間に配設され、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉する。このように、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉することにより、インラインセンサ58へのインクミストの進入を防止でき、読み取り不良等の発生を防止できる。
ドラム冷却ユニット62は、画像記録ドラム52に冷風を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。このドラム冷却ユニット62は、主として、エアコン(図示せず)と、そのエアコンから供給される冷気を画像記録ドラム52の周面に吹き当てるダクト62Aとで構成される。ダクト62Aは、画像記録ドラム52に対して、用紙Pの搬送領域以外の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。本例では、画像記録ドラム52のほぼ上側半分の円弧面に沿って用紙Pが搬送されるので、ダクト62Aは、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する構成とされている。具体的には、ダクト62Aの吹出口が、画像記録ドラム52のほぼ下側半分を覆うように円弧状に形成され、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気が吹き当てられる構成とされている。
ここで、画像記録ドラム52を冷却する温度は、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの温度(特にノズル面の温度)との関係で定まり、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの温度よりも低い温度となるように冷却される。これにより、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kに結露が生じるのを防止することができる。すなわち、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kよりも画像記録ドラム52の温度を低くすることにより、画像記録ドラム側に結露を誘発することができ、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kに生じる結露(特にノズル面に生じる結露)を防止することができる。
画像記録部18は、以上のように構成される。処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から受け渡された用紙Pは、画像記録ドラム52で受け取られる。画像記録ドラム52は、用紙Pの先端をグリッパ52Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、まず、用紙押さえローラ54を通過することにより、画像記録ドラム52の周面に密着される。これと同時に画像記録ドラム52の吸着穴から吸引されて、画像記録ドラム52の外周面上に吸着保持される。用紙Pは、この状態で搬送されて、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kを通過する。そして、その通過時に各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56KからC、M、Y、Kの各色のインクの液滴が表面に打滴されて、表面にカラー画像が描画される。用紙Pの表面にはインク凝集層が形成されているので、フェザリングやブリーディング等を起こすことなく、高品位な画像を記録することができる。
インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって画像が記録された用紙Pは、次いで、インラインセンサ58を通過する。そして、そのインラインセンサ58の通過時に表面に記録された画像が読み取られる。この記録画像の読み取りは必要に応じて行われ、読み取られた画像から吐出不良等の検査が行われる。読み取りを行う際は、画像記録ドラム52に吸着保持された状態で読み取りが行われるので、高精度に読み取りを行うことができる。また、画像記録直後に読み取りが行われるので、たとえば、吐出不良等の異常を直ちに検出することができ、その対応を迅速に行うことができる。これにより、無駄な記録を防止できるとともに、損紙の発生を最小限に抑えることができる。
この後、用紙Pは、吸着が解除された後、インク乾燥処理部20へと受け渡される。
〈インク乾燥処理部〉
インク乾燥処理部20は、画像記録後の用紙Pを乾燥処理し、用紙Pの表面に残存する液体成分を除去する。インク乾燥処理部20は、主として、画像が記録された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与手段の一例としてのバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pを乾燥処理する乾燥ユニットの一例としてのインク乾燥処理ユニット68とで構成される。
チェーングリッパ64は、インク乾燥処理部20、水付与部80、UV照射処理部22、排紙部24において共通して使用される用紙搬送機構であり、画像記録部18から受け渡された用紙Pを受け取って、排紙部24まで搬送する。
このチェーングリッパ64は、主として、画像記録ドラム52に近接して設置される第1スプロケット64Aと、排紙部24に設置される第2スプロケット64Bと、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる無端状のチェーン64Cと、チェーン64Cの走行をガイドする複数のチェーンガイド(図示せず)と、チェーン64Cに一定の間隔をもって取り付けられる複数のグリッパ64Dとで構成される。第1スプロケット64Aと、第2スプロケット64Bと、チェーン64Cと、チェーンガイドとは、それぞれ一対で構成され、用紙Pの幅方向の両側に配設される。グリッパ64Dは、一対で設けられるチェーン64Cに掛け渡されて設置される。
第1スプロケット64Aは、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pをグリッパ64Dで受け取ることができるように、画像記録ドラム52に近接して設置される。この第1スプロケット64Aは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられるとともに、図示しないモータが連結される。第1スプロケット64A及び第2スプロケット64Bに巻き掛けられるチェーン64Cは、このモータを駆動することにより走行する。
第2スプロケット64Bは、画像記録ドラム52から受け取った用紙Pを排紙部24で回収できるように、排紙部24に設置される。すなわち、この第2スプロケット64Bの設置位置が、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路の終端とされる。この第2スプロケット64Bは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられる。
チェーン64Cは、無端状に形成され、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる。
チェーンガイドは、所定位置に配置されて、チェーン64Cが所定の経路を走行するようにガイドする(=用紙Pが所定の搬送経路を走行して搬送されるようにガイドする。)。本例のインクジェット記録装置10では、第2スプロケット64Bが第1スプロケット64Aよりも高い位置に配設される。このため、チェーン64Cが、途中で傾斜するような走行経路が形成される。具体的には、第1水平搬送経路70Aと、傾斜搬送経路70Bと、第2水平搬送経路70Cとで構成される。
第1水平搬送経路70Aは、第1スプロケット64Aと同じ高さに設定され、第1スプロケット64Aに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。第2水平搬送経路70Cは、第2スプロケット64Bと同じ高さに設定され、第2スプロケット64Bに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。傾斜搬送経路70Bは、第1水平搬送経路70Aと第2水平搬送経路70Cとの間に設定され、第1水平搬送経路70Aと第2水平搬送経路70Cとの間を結ぶように設定される。
チェーンガイドは、この第1水平搬送経路70Aと、傾斜搬送経路70Bと、第2水平搬送経路70Cとを形成するように配設される。具体的には、少なくとも第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとの接合ポイント、及び、傾斜搬送経路70Bと第2水平搬送経路70Cとの接合ポイントに配設される。
グリッパ64Dは、チェーン64Cに一定の間隔をもって複数取り付けられる。このグリッパ64Dの取り付け間隔は、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。すなわち、画像記録ドラム52から順次受け渡される用紙Pをタイミングを合わせて画像記録ドラム52から受け取ることができるように、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。
チェーングリッパ64は、以上のように構成される。上記のように、第1スプロケット64Aに接続されたモータ(図示せず)を駆動すると、チェーン64Cが走行する。チェーン64Cは、画像記録ドラム52の周速度と同じ速度で走行する。また、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pが、各グリッパ64Dで受け取れるようにタイミングが合わせられる。
バックテンション付与機構66は、チェーングリッパ64によって先端を把持されながら搬送される用紙Pにバックテンションを付与する。図2及び図3に示すように、このバックテンション付与機構66は、主として、ガイドプレート72と、そのガイドプレート72の上面に形成される多数の吸引穴200から空気を吸引する複数の吸引ファン202と、を備えている。また、ガイドプレート72の下面には、吸引した空気を吐き出すための多数の穴204が設けられている。
ガイドプレート72は、用紙幅に対応した幅を有する中空状のボックスプレートで構成される。このガイドプレート72は、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路(=チェーンの走行経路)に沿って配設される。具体的には、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを走行するチェーン64Cに沿って配設され、チェーン64Cから所定距離離間して配設される。チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pは、その裏面(画像が記録されていない側の面)が、このガイドプレート72の上面(チェーン64Cと対向する面:摺接面)の上を摺接しながら搬送される。
ガイドプレート72の摺接面(上面)には、多数の吸引穴200が所定のパターンで多数形成される。上記のように、ガイドプレート72は、中空のボックスプレートで形成される。吸引ファン202は、このガイドプレート72の中空部(内部)を吸引する。これにより、摺接面に形成された吸引穴200から空気が吸引される。
ガイドプレート72の吸引穴200から空気が吸引されることにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pの裏面が吸引穴200に吸引される。これにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションが付与される。
上記のように、ガイドプレート72は、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを走行するチェーン64Cに沿って配設されるので、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを搬送されている間、バックテンションが付与される。
図1に示すように、インク乾燥処理ユニット68は、チェーングリッパ64の内部(特に第1水平搬送経路70Aを構成する部位の前半側)に設置され、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pに対して乾燥処理を施す。このインク乾燥処理ユニット68は、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pの表面に熱風を吹き当てて乾燥処理する。インク乾燥処理ユニット68は、第1水平搬送経路70Aに沿って複数台配置される。この設置数は、インク乾燥処理ユニット68の処理能力や用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、画像記録部18から受け取った用紙Pが第1水平搬送経路70Aを搬送されている間に乾燥させることができるように設定される。したがって、第1水平搬送経路70Aの長さも、このインク乾燥処理ユニット68の能力を考慮して設定される。
インク乾燥処理部20は、以上のように構成される。画像記録部18の画像記録ドラム52から受け渡された用紙Pは、チェーングリッパ64で受け取られる。チェーングリッパ64は、用紙Pの先端をグリッパ64Dで把持して、平面状のガイドプレート72に沿わせて用紙Pを搬送する。チェーングリッパ64に受け渡された用紙Pは、まず、第1水平搬送経路70Aを搬送される。この第1水平搬送経路70Aを搬送される過程で用紙Pは、チェーングリッパ64の内部に設置されたインク乾燥処理ユニット68によって乾燥処理が施される。すなわち、表面(画像記録面)に熱風が吹き当てられて、乾燥処理が施される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながら乾燥処理が施される。これにより、用紙Pの変形を抑えながら乾燥処理することができる。
〈水付与部〉
水付与部80は、チェーングリッパ64の内部(特に第1水平搬送経路70Aを構成する部位の後半側)に設置され、第1水平搬送経路70Aを搬送されるインク乾燥処理部20を通過した後の用紙Pに対して水を付与する。水付与部80は、主として、乾燥処理された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに水を付与する水付与手段の一例としての水付与ユニット82とで構成される。水付与ユニット82は、例えば、用紙Pに微細な水滴を噴霧することで、用紙Pに対して水を付与する。これにより、用紙Pの水分量が調整される。水付与ユニット82は、第1水平搬送経路70Aに沿って複数台配置される。この設置数は、水付与ユニット82の処理能力や用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、インク乾燥処理ユニット68による用紙の乾燥後、用紙Pが第1水平搬送経路70Aを搬送されている間に用紙Pの所定量の水分を付与することができるように設定される。
水付与部80は、以上のように構成される。チェーングリッパ64に搬送されてインク乾燥処理部20で乾燥処理が施された用紙Pは、チェーングリッパ64の内部に設置された水付与ユニット82との対向部に搬送され、水付与ユニット82から微細な水滴が噴霧されることで、用紙Pに対して水が付与される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながら水が付与される。これにより、用紙Pの変形を抑えながら水を付与することができる。この水付与部80については、後に詳述する。
〈UV照射処理部〉
UV照射処理部22は、水性UVインクを用いて記録された画像に紫外線(UV)を照射して、画像を定着させる。このUV照射処理部22は、主として、用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに紫外線を照射する定着ユニットの一例としてのUV照射ユニット74とで構成される。
上記のように、チェーングリッパ64とバックテンション付与機構66は、インク乾燥処理部20、水付与部80及び排紙部24と共に共通して使用される。
UV照射ユニット74は、チェーングリッパ64の内部(特に傾斜搬送経路70Bを構成する部位)に設置され、傾斜搬送経路70Bを搬送される用紙Pの表面に紫外線を照射する。このUV照射ユニット74は、紫外線ランプ(UVランプ)を備え、傾斜搬送経路70Bに沿って複数配設される。そして、傾斜搬送経路70Bを搬送される用紙Pの表面に向けて紫外線を照射する。このUV照射ユニット74の設置数は、用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、用紙Pが傾斜搬送経路70Bを搬送されている間に照射した紫外線によって画像を定着させることができるように設定される。したがって、傾斜搬送経路70Bの長さも、この用紙Pの搬送速度等を考慮して設定される。
UV照射処理部22は、以上のように構成される。チェーングリッパ64に搬送されてインク乾燥処理部20で乾燥処理が施された後、水付与部80により水が付与された用紙Pは、次いで、傾斜搬送経路70Bを搬送される。この傾斜搬送経路70Bを搬送される過程で用紙Pは、チェーングリッパ64の内部に設置されたUV照射ユニット74によりUV照射処理が施される。すなわち、UV照射ユニット74から表面に向けて紫外線が照射される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながらUV照射処理が施される。これにより、用紙Pの変形を抑えながらUV照射処理を施すことができる。また、UV照射処理部22は、傾斜搬送経路70Bに設置されており、傾斜搬送経路70Bには傾斜したガイドプレート72が設置されているため、たとえ、用紙Pが搬送途中でグリッパ64Dから落下した場合であっても、ガイドプレート72上を滑らせて排出させることができる。
〈排紙部〉
排紙部24は、一連の画像記録処理が行われた用紙Pを回収する。この排紙部24は、主として、UV照射された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、用紙Pを積み重ねて回収する排紙台76とで構成される。
上記のように、チェーングリッパ64は、インク乾燥処理部20及びUV照射処理部22と共に共通して使用される。チェーングリッパ64は、排紙台76の上で用紙Pを開放し、排紙台76の上に用紙Pをスタックさせる。
排紙台76は、チェーングリッパ64から開放された用紙Pを積み重ねて回収する。この排紙台76には、用紙Pが整然と積み重ねられるように、用紙当て(前用紙当て、後用紙当て、横用紙当て等)が備えられる(図示せず)。
また、排紙台76は、図示しない排紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。排紙台昇降装置は、排紙台76にスタックされる用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、排紙台76を昇降させる。
〈水性UVインク〉
ここで、本発明において用いられる水性UVインク(水性紫外線硬化型インク)について説明する。水性紫外線硬化型インクは、顔料、ポリマー粒子、及び活性エネルギー線により重合する水溶性の重合性化合物を含んでいる。これにより、紫外線を照射することで硬化させることが可能であり、耐擦性に優れ膜強度が高くなっている。
本発明におけるインク組成物は、顔料を含んでおり、必要に応じて、さらに分散剤や界面活性剤、その他の成分を用いて構成することができる。インク組成物は、色材成分として顔料の少なくとも一種を含有する。顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。顔料は、水に殆ど不溶であるか又は難溶である顔料であることが、インク着色性の点で好ましい。また、顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料であることが好ましい。
本発明のインク組成物は、分散剤の少なくとも一種を含有することができる。前記顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
ポリマー分散剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは、5,000〜50,000であり、さらに好ましくは、5,000〜40,000であり、特に好ましくは、10,000〜40,000である。
ポリマー分散剤の酸価としては、処理液が接触したときの凝集性が良好である観点から、100KOHmg/g以下が好ましい。さらには、酸価は、25〜100KOHmg/gがより好ましく、25〜80KOHmg/gがさらに好ましく、30〜65KOHmg/gが特に好ましい。ポリマー分散剤の酸価が25以上であると、自己分散性の安定性が良好になる。
ポリマー分散剤は、自己分散性と処理液が接触したときの凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が25〜80KOHmg/gのポリマーを含むことがより好ましい。
本実施形態においては、画像の耐光性や品質などの観点から、顔料と分散剤とを含むことが好ましく、有機顔料とポリマー分散剤とを含むことがより好ましく、さらに有機顔料とカルボキシル基を含むポリマー分散剤とを含むことが特に好ましい。また、顔料は、凝集性の観点からカルボキシル基を有するポリマー分散剤に被覆され、水不溶性であることが好ましい。さらに、凝集性の観点からは、後述の自己分散性ポリマーの粒子の酸価の方が、前記ポリマー分散剤の酸価よりも小さいことが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径は、200nm以下であると色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好となり、100nm以下であると耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を2種以上混合して使用してもよい。
なお、顔料粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
顔料は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。顔料のインク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、インク組成物に対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子の少なくとも一種を含有することができる。このポリマー粒子は、後述の処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に分散不安定価して凝集し、インクを増粘させることによりインク組成物を固定化する機能を有し、インク組成物の記録媒体への定着性及び画像の耐擦過性をより向上させることができる。
凝集剤と反応するために、アニオン性の表面電荷を有するポリマー粒子が用いられ、充分な反応性、吐出安定性が得られる範囲で、広く一般に知られているラテックスが用いられるが、特に自己分散性のポリマー粒子を用いることが好ましい。
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子として、自己分散性ポリマー粒子の少なくとも一種を含有することが好ましい。この自己分散性ポリマーは、後述の処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に分散不安定化して凝集しインクを増粘させることによりインク組成物を固定化する機能を有し、インク組成物の記録媒体への定着性及び画像の耐擦過性をより向上させることができる。また、自己分散性ポリマーは、吐出安定性及び前記顔料を含む系の液安定性(特に分散安定性)の観点からも好ましい樹脂粒子である。
自己分散性ポリマーの粒子とは、他の界面活性剤の不存在下に、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの粒子を意味する。
本発明における自己分散性ポリマーの酸価としては、処理液が接触したときの凝集性が良好である観点から、50KOHmg/g以下が好ましい。さらには、この酸価は25〜50KOHmg/gがより好ましく、30〜50KOHmg/gがさらに好ましい。自己分散性ポリマーの酸価が25以上であると、自己分散性の安定性が良好になる。
本発明における自己分散性ポリマーの粒子は、自己分散性と処理液が接触したときの凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が25〜50KOHmg/gのポリマーを含むことがより好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が30〜50KOHmg/gのポリマーを含むことがより好ましい。
自己分散性ポリマーの粒子を構成する水不溶性ポリマーの分子量としては、重量平均分子量で3,000〜20万であることが好ましく、5,000〜15万であることがより好ましく、10,000〜10万であることがさらに好ましい。重量平均分子量を3,000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35/min.、流速を0.35ml/min.、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行う。
また、検量線は、東ソー(株)製、「標準試料TSK standard,polystrene」、「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
自己分散性ポリマーの粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径で10nm〜400nmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、10〜100nmの範囲がさらに好ましい。体積平均粒子径は、10nm以上であると製造適性が向上し、1μm以下であると保存安定性が向上する。
なお、自己分散性ポリマーの粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
自己分散性ポリマーの粒子は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。自己分散性ポリマーの粒子のインク組成物中における含有量としては、凝集速度や画像の光沢性などの観点から、インク組成物に対して、1〜30質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
また、インク組成物中の顔料と自己分散性ポリマーの粒子との含有比率(例えば、水不溶性顔料粒子/自己分散性ポリマーの粒子)としては、画像の耐擦過性などの観点から1/0.5〜1/10であることが好ましく、1/1〜1/4であることがより好ましい。
本発明におけるインク組成物は、活性エネルギー線により重合する水溶性の重合性化合物の少なくとも一種を含有することができる。重合性化合物としては、凝集剤と顔料、ポリマー粒子との反応を妨げない点で、ノニオン性又はカチオン性の重合性化合物が好ましい。また、水溶性とは、水に一定濃度以上溶解できることをいい、水性のインク中に(望ましくは均一に)溶解し得るものであればよい。また、水溶性有機溶剤を添加することにより溶解度が上がってインク中に(望ましくは均一に)溶解するものであってもよい。具体的には、水に対する溶解度が10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。
重合性化合物としては、凝集剤と顔料、ポリマー粒子との反応を妨げない点で、ノニオン性又はカチオン性の重合性化合物が好ましく、水に対する溶解度が10質量%以上(さらには15質量%以上)の重合性化合物が好ましい。
本発明における重合性化合物としては、擦過耐性を高め得る観点から、多官能のモノマーが好ましく、2官能〜6官能のモノマーが好ましく、溶解性と擦過耐性の両立の観点から、2官能〜4官能のモノマーが好ましい。重合性化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
重合性化合物のインク組成物中における含有量としては、顔料及び自己分散性ポリマーの粒子の合計の固形分に対して、30〜300質量%が好ましく、50〜200質量%がより好ましい。重合性化合物の含有量は、30質量%以上であると画像強度がより向上して画像の耐擦過性に優れ、300質量%以下であるとパイルハイトの点で有利である。
インク組成物及び処理液の少なくとも一方が、さらに、活性エネルギー線により重合性化合物の重合を開始する開始剤を含む。
本発明におけるインク組成物は、処理液に含有すると共にあるいは含有せずに、活性エネルギー線により重合性化合物の重合を開始する開始剤の少なくとも1種を含有することができる。光重合開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と併用して使用することができる。
開始剤は、活性エネルギー線により重合反応を開始し得る化合物を適宜選択して含有することができ、例えば、放射線もしくは光、又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する開始剤(例えば、光重合開始剤等)を用いることができる。
開始剤を含有する場合、インク組成物中における開始剤の含有量としては、重合性化合物に対して、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。開始剤の含有量は、1質量%以上であると画像の耐擦過性がより向上し、高速記録に有利であり、40質量%以上であると吐出安定性の点で有利である。
本発明におけるインク組成物は、水溶性有機溶媒の少なくとも1種を含有することができる。水溶性有機溶媒は、乾燥防止、湿潤あるいは浸透促進の効果を得ることができる。乾燥防止には、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられ、乾燥防止や湿潤には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒が好ましい。また、浸透促進には、紙へのインク浸透性を高める浸透促進剤として用いることができる。
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒であることが好ましい。乾燥防止剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。乾燥防止剤の含有量は、インク組成物中に10〜50質量%の範囲とするのが好ましい。
浸透促進剤としては、インク組成物を記録媒体(印刷用紙など)により良く浸透させる目的にとって好適である。浸透促進剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。浸透促進剤の含有量は、インク組成物中に5〜30質量%の範囲であるのが好ましい。また、浸透促進剤は、画像の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない量の範囲内で使用することが好ましい。
インク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは、30〜80質量%であり、さらに好ましくは、50〜70質量%である。
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
〈画像記録部、インク乾燥処理部、水付与部及びUV照射処理部の詳細〉
次に、本実施形態のインクジェット記録装置10の主要部である画像記録部18、インク乾燥処理部20、水付与部80及びUV照射処理部22について、さらに詳しく説明する。図2には、インク乾燥処理部20、水付与部80及びUV照射処理部22が拡大して示されている。
図1に示すように、画像記録部18では、画像記録ドラム52上に密着保持された用紙Pの記録面に向かって各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kから、対応する色のインク(水性UVインク)の液滴が吐出されることにより、処理液付与部14で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、用紙P上での色材流れなどが防止され、用紙Pの記録面に画像が形成されるようになっている。
各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kから吐出されるインクの液滴量としては、高精細な画像を得る観点で、1〜10pl(ピコリットル)が好ましく、1.5〜6plがより好ましい。また、画像のムラ、連続階調のつながりを改良する観点で、異なる液滴量を組み合わせて吐出することも有効であり、このような場合でも本発明は好適に適用される。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定されない。
図2に示すように、インク乾燥処理部20では、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pをインク乾燥処理ユニット68により乾燥処理する。すなわち、インク乾燥処理部20は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pと対向する位置にIRヒータ等とファンの組み合わせを複数配置したインク乾燥処理ユニット68が設けられている。
チェーングリッパ64は、用紙Pの先端をグリッパ64Dで把持して、平面状のガイドプレート72に沿わせて用紙Pを搬送し、チェーングリッパ64の内部に設置されたインク乾燥処理ユニット68によって乾燥処理が施される。その際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながらインク乾燥処理ユニット68からの熱風により乾燥処理が施される。これにより、用紙Pのカールやカックルが抑制される。
インク乾燥処理ユニット68の熱風噴出しノズルは、所定の温度に制御された熱風を一定の風量で用紙Pに向けて吹き付けるように構成され、IRヒータは、それぞれ所定の温度に制御される。これらの熱風噴出しノズル及びIRヒータによって、用紙Pの記録面に含まれる水分が蒸発され、乾燥処理が行われる。
なお、蒸発した水分は図示を省略した排出手段によりエアとともに機外に排出することが好ましい。また、回収されたエアを冷却器(ラジエータ)などで冷却して液体として回収してもよい。
水付与部80では、インク乾燥処理部20による用紙Pの乾燥後、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに水付与ユニット82により水を付与する。水付与ユニット82は、用紙Pに含まれる水分量(後述)が所望の範囲内に収まるように水を付与する。これにより、インク乾燥処理部20により用紙Pが乾燥しすぎないように、且つ水分過剰とならないように用紙Pの水分量を調整する。その際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながら水付与ユニット82により用紙Pに水が付与される。
本実施形態では、水付与ユニット82により用紙Pの記録面側に、用紙Pの上方から下方に向かって水が付与されるように構成されている。水付与ユニット82により用紙Pの上方から下方に向かって水が付与されることで、用紙Pにより均一に水を付与することができる。
水付与ユニット82としては、吹出し口から微細な水滴や高湿度の風を吹き出す機構が用いられ、例えば、スチーム式、ファン式、超音波式などの高湿度の風又は微細な水滴を吹き付ける装置、又はジェッティング式などの水滴噴射装置などのいずれか1つが用いられる。また、スチーム式、ファン式、超音波式などの水付与装置、ジェッティング式の水滴噴射装置を2つ以上組み合わせて水付与ユニットを構成してもよい。
また、水付与部80を用紙Pが通過した後、UV照射処理部22に用紙Pが搬送されるまでの間に、用紙Pの記録面側表面水分量を測定する紙水分計84が設けられている。紙水分計84によって検出された信号は、制御装置86に入力される。制御装置86によって、水付与ユニット82からの水の付与量、又はインク乾燥処理ユニット68の熱風量及び温度が制御される。
インク吐出前の用紙Pの水分量は、当初から用紙Pに含まれていた水分に加えて処理液付与部14で付与された処理液に含まれる水分の合計となる。この上に画像記録部18でインクジェットヘッド56によりインク滴が吐出され、上記の水分量に加えてインク滴に含まれる水分量が加わることで、インク乾燥処理部20に搬送される用紙Pの水分量が決定される。そして、インク乾燥処理部20による用紙Pの乾燥により、用紙Pの水分量が減少する。さらに、水付与部80により用紙Pに水を付与することで、用紙Pの水分量が所望の範囲に収まるように調整する。
紙水分計84で用紙Pの記録面側表面水分量を測定することで、UV照射処理部22における紫外線による定着時に、この値と、給紙部12の内部に設けられた紙水分計(図示省略)で測定した用紙Pに当初から含まれていた記録面側表面水分量との差が、2g/m以上5g/m以下となるように水付与ユニット82からの用紙Pへの水付与量を調節する。言い換えると、紙水分計84で用紙Pの記録面側表面水分量を測定し、この値が、給紙部12の内部に設けられた紙水分計(図示省略)で測定した用紙Pに当初から含まれていた記録面側表面水分量よりも、水付与ユニット82による水付与後の用紙Pの記録面側表面水分量が2g/m以上5g/m以下の範囲で増加するように、水付与ユニット82による用紙Pへの水付与量を調節する。当該調節は、装置立ち上げ時にテスト画像を印字することにより、或いは、本稼動時に紙水分計を常時チェックし、その結果に基づいて水付与ユニット82を自動制御することにより行うと好適である。
また、実際に紙水分計84と給紙部12の内部に設けられた紙水分計(図示省略)とで水分量を実測するかわりに、用紙Pの種類、処理液付与部14による用紙Pへの処理液付与量、およびインクジェットヘッド56による用紙Pへのインク吐出量などの諸条件から、給紙部12での用紙Pの表面水分量と、水付与部80による水付与後の用紙Pの表面水分量との差を算出してもよい。
これにより、インク乾燥時の過剰乾燥による用紙Pのカールやカックルを抑制することができる。また、水付与ユニット82により用紙Pに付与される水分量を調整することで、過剰な水による用紙Pの膨潤カールやカックルを抑制することができる。
また、水性UVインクを用いた場合には、紫外線を照射して用紙P上の画像を硬化・定着させる際に、水性UVインクが空気中の酸素に触れると、水性UVインクの硬化反応が妨げられる可能性がある。より具体的には、酸素の存在によって活性種(ラジカル等)と酸素が反応し、重合性化合物の反応が妨げられる、いわゆる酸素重合阻害が発生する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、水付与ユニット82により用紙Pの記録面側に水を付与することで、用紙Pの記録面の水性UVインク中の成分が酸素に触れることが低減され、酸素重合阻害を抑制することができる。このため、用紙Pの記録面上の水性UVインクをより確実に硬化させることができる。
水付与ユニット82により用紙Pに付与される「水」には、水を主成分とする液体を含む。例えば、水に防腐剤などの添加剤が添加された液体を、水付与ユニット82により用紙Pに付与する場合も含む。
UV照射処理部22では、用紙Pの記録面上の水性UVインクを用いて記録された画像に、UV照射ユニット74から紫外線(UV)を照射することで、画像を定着させる。UV照射ユニット74では、紫外線光源を複数用いてもよい。これにより、一つ一つの紫外線光源の照射強度を低減することにより、照射時間で硬化条件を稼ぐことが可能となり、コストダウン及びUV照射ユニット74の発熱量低減を図ることができる。また、UV照射ユニット74の搬送方向上流側には紙水分計84が設けられており、前述したように、用紙Pにおいては、当初から含まれていた記録面側表面水分量との差が2g/m以上5g/m以下となるようにその水分量が調節されている。
UV照射ユニット74に用いる紫外線光源としては、特に限定されるものではなく、例えば、メタルハライドランプ、水銀ランプ、エキシマレーザー、紫外線レーザー、ブラックライト、冷陰極管、LED、レーザダイオード等が適用可能であり、メタルハライドランプ管、水銀ランプ管もしくはブラックライトなどが好適に用いられる。より好ましくは、発光波長ピークが350〜420nmであり、且つ、記録媒体表面上での最高照度が10〜2000mW/cmである紫外線を発生する発光ダイオードが好適に用いられる。
UV照射ユニット74の照射する紫外線のピーク波長は、インク組成物の吸収特性にもよるが、200〜600nmが好ましく、より好ましくは、300〜450nmであり、さらに好ましくは、350〜450nmである。
UV照射ユニット74による用紙Pの記録面での照射量としては、300〜2000mJ/cmが好ましく、より好ましくは、500〜2000mJ/cmであり、さらに好ましくは、800〜2000mJ/cmである。
また、本発明のインクジェット記録装置では、紫外線は用紙Pの記録面に対して、好ましくは、0.01〜10秒、より好ましくは、0.1〜2秒照射することが適当である。
<インク吐出量ごとの最適紫外線強度と用紙Pの水分量の関係>
図4(表1)、図5(表2)は、紫外線照射量と、定着工程前の用紙Pの水分量とを変化させた場合の定着後のインクについての密着性評価結果である。表1、表2では、乾燥ユニットのみによる水分量調整と、乾燥ユニットと水付与ユニットによる水分量調整とをそれぞれ比較している。ここで、表1、表2の水分量差は、用紙Pの記録面側表面上の水分量と当初から含まれていた水分量との差を示している。また、表1、表2の照射量(紫外線照射量)は、用紙Pの記録面での紫外線の照射量(露光量)を示している。
表1に示すように、ラジカル発生量が相対的に多い、液滴体積の小さい低密度吐出(2.4pl)条件においては、用紙Pの記録面側表面上の水分量と当初から含まれていた水分量との差が多いほうが酸素重合阻害の影響が小さいと推測されるために、紫外線照射量の少ない領域で水性UVインクが効率よく硬化して密着性評価が良好(「○」、「◎」)となる。また、乾燥ユニットと水付与ユニットによる水分量調整のほうが、乾燥ユニットのみによる水分量調整よりも、紫外線照射量が少ない領域で水性UVインクが効率よく硬化して密着性評価が良好(「○」、「◎」)となる。
表2に示すように、ラジカル発生量が相対的に少なくなる、液滴体積の大きい高密度吐出(5.0pl)条件においては、水分量差が少ないほうが、二重結合密度が濃くなっていると推測されるために、紫外線照射量の少ない領域で効率よく硬化して密着性評価が良好(「○」、「◎」)となる。また、乾燥ユニットと水付与ユニットによる水分量調整のほうが、乾燥ユニットのみによる水分量調整よりも、紫外線照射量が少ない領域で水性UVインクが効率よく硬化して密着性評価が良好(「○」、「◎」)となる。
これらのことから、乾燥ユニットと水付与ユニットによる水分量調整を行ったとき、液滴体積2.4pl、5.0plの両方で好適な紫外線照射量は500mJ/cm以上であり、密着性評価が良好となる水分量差の領域は、2〜5g/cmである。水分量差が2g/cmよりも少ない場合、印画部の低密度吐出領域では十分に硬化せず、また水分量差が5g/cmよりも多い場合、印画部の高密度吐出領域では十分に硬化しないという知見が得られている。実験条件および方法を下記に示す。
・樹脂被覆マゼンタ顔料分散物(M)
ピグメント・ブルー15:3(Chromophthal Jet Magenta DMQ(ピグメント・レッド122、チバ・ジャパン社製))10部と、上記ポリマー分散剤P−1を5部と、メチルエチルケトン42部と、1mol/L NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被覆マゼンタ顔料の分散物(着色粒子)(M)を得た。
マゼンタインク:
・樹脂被覆マゼンタ顔料の分散物(M) ・・・ 6%(固形分濃度)
・重合開始剤 ・・・ 3%
・NKエステル ・・・ 20%
・オルフィンE1010(日信化学(株)製;界面活性剤・・・ 1%
・尿素(日産化学工業株式会社) ・・・3%
・イオン交換水・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
処理液:
・マロン酸(立山化成(株)製;酸性化合物) ・・・25.0%
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(水溶性有機溶媒)・・・5%
・イオン交換水・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
用紙(塗工紙)として、OKトップコート+(坪量104.7g/m)を用意して、以下に示すようにして画像を形成し、形成された画像について以下の評価を行った。用紙には、全てOKトップコート+を用いた。
インク組成物として、上記マゼンタインク用い、処理液と共にインクセットを構成し、図1に示すインクジェット記録装置10を用いて、4色シングルパス記録によりライン画像とベタ画像を形成した。
処理液乾燥処理部16では、用紙Pの記録面側には乾燥風を送って乾燥を行なう送風器(図示せず)を備え、用紙Pの非記録面側には赤外線ヒータ(図示せず)を備えており、処理液付与部14で処理液の付与を開始した後900msecが経過するまでに、温度・風量を調節して水性処理液中の水の70質量%以上を蒸発(乾燥)できるように構成されている。
また、画像記録部18では、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは1200dpi/20inch幅フルラインヘッドであり、各色をシングルパスで主走査方向に吐出して記録できるようになっている。本実験では図1に示すように構成されたインクジェット装置のインクジェットヘッドにそれぞれ繋がる貯留タンク(図示せず)に、上記で得たインクを装填して、用紙Pにベタ画像及び1200dpiのライン画像を記録した。
ライン画像は、1200dpiの幅1ドットのライン、幅2ドットのライン、幅4ドットのラインをシングルパスで主走査方向に吐出して記録し、ベタ画像は、用紙PをA5サイズにカットしたサンプルの全面にインクを吐出してベタ画像とした。尚、記録する際の諸条件は下記の通りである。
1.処理液付与工程
用紙Pの全面に、アニロックスローラ(線数100〜300/インチ)で塗布量が制御されたロールコーターにて付与量が1.4g/mとなるように処理液を塗布した。
2.処理工程
次いで、下記条件にて処理液が塗布された用紙Pについて乾燥処理及び浸透処理を施した。
・風速:10m/s
・温度:用紙Pの記録面側の表面温度が60℃となるように、用紙Pの記録面の反対側(背面側)から接触型平面ヒータで加熱した。
3.インク付与工程
その後、処理液が塗布された用紙Pの塗布面に、下記条件にてインク組成物をインクジェット方式で吐出し、ライン画像、ベタ画像をそれぞれ形成した。
・ヘッド:1200dpi/20inch幅のピエゾフルラインヘッドを4色分配置
・吐出液滴量:2.4〜5.0pL
・駆動周波数:30kHz
4.インク乾燥工程及び水付与工程
次いで、インク組成物が付与された用紙Pを、インク乾燥処理部20を通過させた後、水付与部80を通過させ、用紙Pの記録面側表面の水分量が当初から含まれていた水分量よりもカーフフィッシャー水分量計で測定して1.0〜6.0g/m多く含まれるようになるように、用紙Pの記録面への熱風乾燥の温度及び時間と、用紙Pの記録面への水付与量を調整した。表1、表2において、「乾燥のみによる水分量調整」では、インク乾燥処理部20のみを通過させ、水付与部80を通過させないようにインクジェット記録装置を構成した。また、表1、表2において、「乾燥と水付与手段による水分量調整」では、上記のようにインク乾燥処理部20を通過させた後、水付与部80を通過させた。
5.UV露光工程
画像乾燥後、UV照射処理部22において、UV光(アイグラフィックス(株)製 メタルハライドランプ 最大照射波長 365nm)を用紙Pの記録面での積算照射量が0〜1500mJ/cmになるように照射して画像を硬化させた。
6.硬化感度評価
セロハンテープを上記ベタ画像が形成された評価用サンプルの印画面に貼り付け、ゆっくりと引き剥がした後のセロハンテープの接着面、および印画面を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
評価基準としては以下の通りとした。
◎ … 印画面に画像(色材)のはがれが視認できなかった。
○ … 印画面に画像(色材)のはがれがわずかに認められたが実用上問題ない。
△ … 印画面に画像(色材)のはがれが視認でき、実用上問題になるレベル。
× … 印画面に画像(色材)の大きなはがれが視認できた。
<効果>
前述のように、水性UVインク(水性紫外線硬化型インク)を用いた本実施形態のプロセスにおいて、給紙部12による給紙時の用紙Pの水分量よりも水付与部80を通過した後の用紙Pの水分量を2g/m以上、5g/m以下の範囲で増加するように調整することで、水性UVインク(水性紫外線硬化型インク)が効率よく硬化し、インクの膜強度(密着性評価結果)を実用上問題のないレベルに収めることができる。
また、水付与部80により用紙Pの水分量が調整された用紙P上の水性UVインク(水性紫外線硬化型インク)に、UV照射ユニット74により用紙Pの記録面での照射量が500mJ/cm以上の紫外線を照射して定着させることで、水性UVインク(水性紫外線硬化型インク)が効率よく硬化し、インクの膜強度(密着性評価結果)を実用上問題のないレベルに収めることができる。
<まとめ>
本実施形態のインクジェット記録装置10では、水性UVインク(水性紫外線硬化型インク)が吐出された用紙Pをインク乾燥処理部20により熱風乾燥した後、水付与部80を通過させることで、用紙Pの記録面側表面水分量が適切に調整される。これにより、用紙Pの過剰乾燥によるカールやカックルや、浸透性を有する用紙Pに対する浸透性を有する記録媒体に対する膨潤カールやカックルを抑制することができる。
さらに、水付与部80により用紙Pの記録面側に水を付与することで、紫外線を照射してインクを硬化させる際に、水性UVインク中の成分が酸素に触れにくくなり、水性UVインク中の成分が酸素に触れることによる酸素重合阻害の発生が抑制される。したがって、用紙Pの水分量を管理して水性UVインクをより確実に硬化させることができる。
<その他>
以上、本発明の実施例について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
インクジェット記録装置10では、チェーングリッパ64により用紙Pを搬送しながら、インク乾燥処理ユニット68で用紙Pを乾燥し、水付与ユニット74で用紙Pに水を付与する構成としたが、これに限定されず、ドラム(圧胴)により用紙Pを搬送しながら、ドラム(圧胴)と対向配置されるインク乾燥処理ユニット68で用紙Pを乾燥し、さらにドラム(圧胴)と対向配置される水付与ユニット74で用紙Pに水を付与する構成としてもよい。
10 インクジェット記録装置
12 給紙部(給紙手段)
44 処理液付与ユニット(処理液付与手段)
56C、56M、56Y、56K インクジェットヘッド(吐出ヘッド)
64 チェーングリッパ
66 バックテンション付与機構(バックテンション付与手段)
68 インク乾燥処理ユニット(乾燥ユニット)
72 ガイドプレート(バックテンション付与手段)
74 UV照射ユニット(定着ユニット)
82 水付与ユニット(水付与手段)
84 紙水分計
200 吸引穴(バックテンション付与手段)
202 吸引ファン(バックテンション付与手段)

Claims (10)

  1. 記録媒体を給紙する給紙手段と、
    前記記録媒体の記録面上に水性紫外線硬化型インクを吐出する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドより前記記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記吐出ヘッドによって吐出された前記水性紫外線硬化型インクを加熱乾燥させる乾燥ユニットと、
    前記乾燥ユニットより前記記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記記録媒体上に水を付与する水付与手段と、
    前記水付与手段より前記記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記記録媒体の記録面上の前記水性紫外線硬化型インクに紫外線を照射して定着させる定着ユニットと、
    を有する画像形成装置。
  2. 前記水付与手段は、前記記録媒体の記録面側に水を付与する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記水付与手段は、前記記録媒体の記録面の上方から下方に向かって水を付与する請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記給紙手段で給紙する前記記録媒体の記録面側表面水分量よりも前記水付与手段により水を付与した後の前記記録媒体の記録面側表面水分量が、2g/m以上5g/m以下の範囲で増加するように調整されている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記水付与手段により前記記録媒体の記録面側表面水分量が調整された前記記録媒体上の水性紫外線硬化型インクに、前記定着ユニットにより前記記録媒体の記録面での照射量が500mJ/cm以上の紫外線を照射して定着させる請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記水付与手段は、スチーム式、ファン式、超音波式、ジェッティング式のいずれか1つ、又は2つ以上に組み合わせにより前記記録媒体上に水を付与する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記記録媒体の先端を把持して搬送するチェーングリッパと、
    前記記録媒体の背面側を吸引してテンションを付与するバックテンション付与手段と、を備え、
    前記チェーングリッパにより前記記録媒体を搬送しながら、前記乾燥ユニットにより前記記録媒体の記録面の水性紫外線硬化型インクを加熱乾燥させ、前記水付与手段により前記記録媒体の記録面に水を付与する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記給紙手段による前記記録媒体の給紙時と、前記水付与手段による前記記録媒体への水付与後に、紙水分計を用いて前記記録媒体の記録面側表面水分量をそれぞれ測定し、前記記録媒体の記録面側表面水分量の増加量を算出する請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記吐出ヘッドよりも前記記録媒体の搬送方向上流側に、前記記録媒体に処理液を付与する処理液付与手段を有する請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記水性紫外線硬化型インクは、色材と、紫外線により重合する重合性モノマーと、紫外線により前記重合性モノマーの重合を開始する開始剤と、50%以上の水と、を少なくとも含むことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
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CN111806089A (zh) * 2019-04-10 2020-10-23 精工爱普生株式会社 印刷装置

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