JP5351683B2 - 排紙ユニット及び印刷装置 - Google Patents

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本発明は、印刷機の排紙部に組み込まれる排紙ユニット及びこれを用いた印刷装置に係り、特に、印刷直後の用紙を環境温度・環境湿度に馴染ませて用紙の伸縮変形を改善するシーズニング技術に関する。
印刷装置によってインクが付与された直後の用紙は、画像領域内でインクの濃淡(インク量の多寡)により水分量の差があることにより、用紙の伸縮が発生する。特に、水性インクを用いて汎用紙に印刷するシステムではこの問題が顕著である。更に、両面印刷を行う場合、通常は、片面(表面)の印刷完了後に、反対側の面(裏面)の印刷が行われるが、表面を印刷した直後の用紙では、用紙の伸縮が大きく、表面と裏面とでそれぞれ印刷される画像のサイズ、位置にズレが生じる(表裏レジが合わない)という問題が生じる。
また、両面印刷に限らず、片面印刷の場合にあっても、上記の用紙変形に起因するカールやカックルの発生により、印刷品位が低下するという問題があり、加えて、印刷工程後に行われる製本工程などの後加工に悪影響を及ぼすという問題もある。
このような問題に対し、特許文献1では、印刷機内部で温湿度を制御することで、装置内紙変形を緩和する印刷システムが開示されている。
特開2002−187255号公報
しかしながら、特許文献1では、印刷後に用紙を堆積させる空間を温室度調整するのみであり、重ね置きされた用紙の一枚一枚について均等にシーズニングすることができず、シーズニングに要する時間も長い。また、印刷機とは別に、専用のシーズニング装置を用いることも考えられるが、印刷機の排紙部(スタッカー部)で用紙が重ね置きされる際に用紙間でのインクの裏写り(スタッカーブロッキング)が発生することがある。
さらに、印刷機のスタッカー部から専用のシーズニング機に用紙の束を載せ替えるためにユーザーの手作業を要したり、或いは、用紙束を搬送処理する機構が必要となるなど、作業効率が悪く、コストアップにも繋がる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、印刷後の用紙を一枚ずつ確実にシーズニングすることができ、裏写り防止、作業効率の向上を達成できる印刷機の排紙ユニット及び印刷装置を提供することを目的とする
前記目的を達成するために、本発明に係る排紙ユニットは、印刷機の排紙部に用いられる排紙ユニットであって、印刷後の用紙を載置台上に積載する前に、当該印刷後の用紙を一枚ずつ保持して各用紙間に隙間を形成しつつ、これら用紙を前記載置台に向けて移動させる用紙搬送手段と、前記用紙搬送手段による用紙の搬送中に各用紙間の隙間に通風する送風手段と、を備え、前記用紙搬送手段は、矩形の用紙の対向する二辺を両側から支持する複数本の無端走行体を用いて構成され、前記送風手段は、前記用紙搬送手段による用紙搬送経路の側面部のうち、前記無端走行体を設けた前記二辺に対面する面とは異なる他の二辺に対面する面に複数個のブロアが対向配置され、互いに対向して配置されたブロアの対が用紙搬送方向に沿って複数段設けられた構成であり、前記用紙搬送手段による用紙搬送経路の外周側面には側板が設けられており、前記用紙搬送経路の側面部のうち、前記ブロアが設置されている面に設けられている側板には、前記ブロアの送風口に対応した開口部が形成され、前記無端走行体が設置されている面に設けられている側板には風抜きのための孔が形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る印刷装置は、給紙される用紙の少なくとも片面にインクを付与して印刷を行う印刷部と、前記印刷部による印刷後の用紙を第1の移動速度で移動させる第1の用紙搬送手段と、前記第1の用紙搬送手段から前記印刷後の用紙を受け取り、当該用紙を一枚ずつ保持して各用紙間に隙間を形成しつつ、これら用紙を前記第1の移動速度よりも低速の第2の移動速度で移動させる第2の用紙搬送手段と、前記第2の用紙搬送手段による用紙の搬送中に各用紙間の隙間に通風する送風手段と、前記送風手段による送風エリアを通過して前記第2の用紙搬送手段から解放された用紙を積載する載置台と、を備え、前記第2の用紙搬送手段は、矩形の用紙の対向する二辺を両側から支持する複数本の無端走行体を用いて構成され、前記送風手段は、前記第2の用紙搬送手段による用紙搬送経路の側面部のうち、前記無端走行体を設けた前記二辺に対面する面とは異なる他の二辺に対面する面に複数個のブロアが対向配置され、互いに対向して配置されたブロアの対が用紙搬送方向に沿って複数段設けられた構成であり、前記第2の用紙搬送手段による用紙搬送経路の外周側面には側板が設けられており、前記用紙搬送経路の側面部のうち、前記ブロアが設置されている面に設けられている側板には、前記ブロアの送風口に対応した開口部が形成され、前記無端走行体が設置されている面に設けられている側板には風抜きのための孔が形成されていることを特徴とする。
また、前記目的を前記目的を達成するために以下の発明態様を提供する。
(発明1):発明1に係る排紙ユニットは、印刷機の排紙部に用いられる排紙ユニットであって、印刷後の用紙を載置台上に積載する前に、当該印刷後の用紙を一枚ずつ保持して各用紙間に隙間を形成しつつ、これら用紙を前記載置台に向けて移動させる用紙搬送手段と、前記用紙搬送手段による用紙の搬送中に各用紙間の隙間に通風する送風手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、印刷後の用紙を排紙部の載置台上に積み重ねる前段階に、用紙一枚一枚を分離した状態で用紙間に隙間を確保し、各用紙間の隙間に空気を供給することができる。これにより、一枚一枚を確実にシーズニングすることができ、裏写りを防止できる。また、本発明によれば、排紙部にシーズニング機能を搭載した印刷装置(印刷システム)を提供することができる。これにより、独立したシーズニング機が不要となる。更に、シーズニング処理の自動化による作業効率の向上、印刷システムの低コスト化を実現できる。
「送風手段」は、周囲環境の空気をそのまま送風する形態(周囲環境の温湿度と同等のエアを送り出すもの)が好ましい。
(発明2):発明2に係る排紙ユニットは、発明1において、前記用紙搬送手段による前記用紙の移動方向が鉛直方向であることを特徴とする。
印刷後の用紙を用紙搬送手段によって一枚ずつ分離して鉛直下方へ運びながら、用紙間の隙間に風を通してシーズニングを行い、シーズニング処理後(送風ゾーンを通過後)に用紙12を落下させて載置台の上に積み重ねる構成を採用することができる。
(発明3):発明3に係る排紙ユニットは、発明1又は2において、前記送風手段は、複数個のブロアを用いた構成であることを特徴とする。
用紙搬送手段による用紙の移動方向(搬送方向)に沿って、複数個のブロアを並べて配置する構成が好ましい。また、用紙の幅方向について、複数個のブロアを並べる配置も好ましい。各ブロアの送風量、風圧は同等としてもよいし、全体の風量バランスを考慮して異ならせてもよい。ブロアには、多翼ファン(シロッコファン)を用いることができる。
(発明4):発明4に係る排紙ユニットは、発明1乃至3のいずれか1項において、前記用紙搬送手段による用紙の移動速度は、当該用紙搬送手段に用紙が受け渡される前の搬送機構による用紙の移動速度よりも低速であることを特徴とする。
用紙搬送手段は、それよりも前段の(別の)搬送機構による用紙の移動速度よりも用紙の移動速度を低減する機能を持つ。第1の移動速度で用紙を運ぶ前段の搬送機構から受け取った用紙を一枚ずつ保持して、第1の移動速度よりも遅い第2の移動速度でゆっくりと移動させながら送風手段による送風ゾーン(シーズニング処理エリア)を通過させる。これにより、各用紙を確実にシーズニングすることが可能である。
(発明5):発明5に係る排紙ユニットは、発明1乃至4のいずれか1項において、前記用紙搬送手段には、前記用紙の保持及び解放が可能な保持機構が複数設けられていることを特徴とする。
保持機構は、所定の受取位置で用紙を掴み、所定のリリース位置で用紙を解放(保持を解除)する。
(発明6):発明6に係る排紙ユニットは、発明1乃至5のいずれか1項において、前記用紙搬送手段として、無端走行体が用いられることを特徴とする。
環状(無端状)のベルトなど、循環回転する走行体を利用して、用紙の「保持」→「移動」→「解放(リリース)」の工程を繰り返す機構を採用することが好ましい。
(発明7):発明7に係る排紙ユニットは、発明1乃至6のいずれか1項において、前記送風手段は、前記用紙搬送手段で搬送される用紙の対向する2辺に面した2方向から送風を行うことを特徴とする。
用紙を挟んで対面する2方向から風を送ることにより、各用紙間の隙間に均一かつ効率良く空気を供給することができる。
(発明8):発明8に係る排紙ユニットは、発明7において、前記送風手段によって前記2方向から導入した空気を、当該2方向と直交する2方向へ逃がす構成であることを特徴とする。
例えば、矩形用紙の4辺に対応した外周4面のうち、対向する2辺に面して、送風手段からの風を導入するための送風用の開口部を形成する一方、残りの2辺に面して外部に風を逃がすための風抜け孔を形成する態様がある。
発明1乃至8のいずれか1項の排紙ユニットを印刷機の排紙部に組み込むことにより、シーズニング機能を備えた印刷装置を実現できる。
(発明9):発明9に係る印刷装置は、供給される用紙の少なくとも片面にインクを付与して印刷を行う印刷部と、前記印刷部による印刷後の用紙を第1の移動速度で移動させる第1の用紙搬送手段と、前記第1の用紙搬送手段から前記印刷後の用紙を受け取り、当該用紙を一枚ずつ保持して各用紙間に隙間を形成しつつ、これら用紙を前記第1の移動速度よりも低速の第2の移動速度で移動させる第2の用紙搬送手段と、前記第2の用紙搬送手段による用紙の搬送中に各用紙間の隙間に通風する送風手段と、前記送風手段による送風エリアを通過して前記第2の用紙搬送手段から解放された用紙を積載する載置台と、を備えたことを特徴とする。
本発明の実施に際して、印刷機(印刷部)の印刷方式は特に限定されないが、本発明の一態様として、例えば、印刷部にインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置がある。インクジェット記録された印刷物は、他の印刷方式による印刷物と比較して含水量が高く、用紙の伸縮変形による問題が顕著である。本発明の排紙ユニットを応用した排紙部を備えたインクジェット記録装置により、効果的なシーズニングを行うことができ、用紙の伸縮変形による問題を改善することができる。
なお、水を溶媒として含むインクを用いて印刷された印刷物は、含水量が高くなる傾向にあるため、本発明の適用が効果的である。
(発明10):発明10に係るシーズニング方法は、印刷部で印刷が行われた用紙を当該印刷機の排紙部の載置台上に積載する前に、当該印刷後の用紙を第1の移動速度で移動させる第1の用紙搬送工程と、前記第1の用紙搬送工程の後に当該印刷後の用紙を受け取り、当該用紙を一枚ずつ保持して各用紙間に隙間を形成しつつ、これら用紙を前記第1の移動速度よりも低速の第2の移動速度で移動させる第2の用紙搬送工程と、前記第2の用紙搬送工程による用紙の搬送中に各用紙間の隙間に通風する送風工程と、前記送風工程の送風ゾーンを通過した後に前記第2の用紙搬送工程から用紙を解放し、前記載置台上に当該用紙を載せる積載工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、印刷後の用紙一枚一枚を確実にシーズニングすることができる。また、用紙を積み重ねる前にシーズニングが可能であるため、裏写り(スタッカーブロッキング)を抑制する効果がある。さらに、本発明により、印刷機の排紙部にシーズニング機能が付加され、シーズニング処理の自動化を図ることができ、作業効率の向上及び印刷システムの低コスト化を実現できる。
本発明の実施形態に係る排紙ユニットを搭載した印刷機の排紙部の斜視図 図1の矢印A方向から見た正面図 図1の矢印B方向から見た側面図 ブロアの配置例と風の流れを示した要部斜視図 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成図
図1は本発明の実施形態に係る排紙ユニットを搭載した印刷機の排紙部の斜視図である。図2は、図1の矢印A方向から見た正面図(A矢視図)、図3は図1の矢印B方向から見た側面図(B矢視図)である。なお、図示の便宜上、図1、図2では、図3に示した送風装置30の図示を省略した。また、これらの図面において、用紙12の厚みを実際よりも厚く描いた。
図1に示すように、印刷後の用紙12は無端状の搬送チェーン14間に渡されたバー16のグリッパー18によって用紙先端部が保持され、搬送チェーン14の回転によって排紙ユニット10の上方に運ばれてくる。搬送チェーン14には、複数本のバー16が取り付けられている。これらのバー16は、互いに用紙12の一辺(ここでは短辺)よりも長い間隔を隔てて配置されている。各バー16には、それぞれ複数個のグリッパー18(図1では5個を例示)が設けられている。印刷後の用紙12は、一枚ずつ各バー16のグリッパー18に保持されて搬送される。なお、用紙12の後端部は拘束されていない(フリー)状態であるが、搬送チェーン14による搬送速度が速いために、各用紙12はほぼ水平の状態で運ばれる。
図中、搬送チェーン14が巻き掛けられるローラやその駆動手段(モータや動力伝達機構など)並びにその駆動制御回路(制御手段)については図示を省略した。
排紙ユニット10は、グリッパー18から解放された用紙12を受け取り、各用紙12を一枚ずつ分離した状態で保持しながら、これら用紙12を下方の載置台20へと搬送する用紙搬送機構22と、この用紙搬送機構22による用紙移動中に当該用紙12の端面方向から各用紙12間の隙間に風を送る送風装置(図1中図示せず、図3、図4の符号30参照)と、を備えている。
用紙搬送機構22による用紙12の移動速度は、搬送チェーン14による用紙12の移動速度に比べて低速に設定される。例えば、搬送チェーン14は、1秒間に1枚の速さで用紙12を所定の受け渡し位置に運び、当該受け渡し位置でグリッパー18の保持を解除(解放)する。
一方、用紙搬送機構22は、グリッパー18から解放される用紙12を爪26(図2参照)によって順次受け取り、爪26の配置間隔分(例えば、数mm)だけ、当該用紙12を鉛直下方に移動させる。用紙搬送機構22は、搬送チェーン14による用紙移動速度に対して、これよりも用紙の移動速度を低減する手段となっている。このように用紙搬送機構22によって低速で用紙12を下降移動させる最中に、送風装置30(図3参照)から送風を行い、各用紙12を環境温湿度に馴染ませるシーズニングを実施する。
これらの図面に示したように、用紙搬送機構22は、複数本の無端走行体24を鉛直方向に沿って配置した構成を有する。本例では、矩形の枚葉紙である用紙12の対向する2辺(ここでは用紙12の短辺とする)を左右両側から支持するように、片側につき3本の縦長の無端走行体24を略同間隔で平行に並べ、用紙12を挟んで左右対称に合計6本の無端走行体24を用いた構成となっている。
かかる構成により、用紙12の対向する2辺についてそれぞれ中央部と両端部の3箇所(2辺合わせて6箇所)を安定して保持することができ、用紙12の姿勢を概ね水平に維持しながら、各用紙12を鉛直下方へと移動させることができる。無端走行体24が巻き掛けられるローラやその駆動手段(モータや動力伝達機構など)並びにその駆動制御回路(制御手段)については図示を省略した。無端走行体24を回転駆動させる動力源としてのモータ(不図示)の出力を制御することにより、用紙搬送速度を調整することができる。
各無端走行体24には用紙12の保持及び解放が可能な機構を備えた爪(「保持機構」に相当)26が複数個設けられている。爪26の間に用紙12を挟み込むことで用紙12が保持される。搬送チェーン14のグリッパー18から解放された用紙12を所定の受取位置(図2の符号Cで示す位置)で掴み、この用紙保持状態を維持しつつ無端走行体24の走行移動に伴って図2の下方に移動し、所定のリリース位置(符号Dで示す位置)で用紙12を解放する。
本例では、複数個の爪26は、無端走行体24の周方向に沿って一定の間隔で設けられているが、無端走行体24の全周にわたって複数の爪26を一定の間隔で設ける態様に限らず、無端走行体24の一部領域に複数の爪26を設ける態様(他の一部領域について爪を設けない部分を有する態様)も可能である。
爪26の配置間隔は、当該用紙搬送機構22で用紙12を搬送する際に、用紙間に確保することが要求される隙間の量に応じて適宜設計される。例えば、各用紙間の間隔が2〜3mm程度の一定間隔となるように爪26が形成される。爪26間の間隔を必要に応じて調整できる構成を採用してもよいし、使用する爪26を選択する(間引いて使用する)構成も可能である。また、無端走行体24の長さや爪26の数については、要求されるシーズニング性能に応じて適宜設計される。
図3の側面図に示すように、用紙搬送機構22による搬送経路の外周側面には、当該搬送経路を挟んで複数個のブロア32を対称的に対向配置してなる送風装置30が設けられている。
本例では、用紙搬送機構22による用紙搬送経路の側面部のうち、無端走行体24を設けた面とは異なる面に、つまり、用紙12の長辺に対面する面に、複数個のブロア32が対向配置される。また、用紙搬送機構22による搬送経路のほぼ全範囲に対して送風できるようにするため、互いに対向して配置されたブロア32の対(ペア)が用紙搬送方向(鉛直方向)に沿って複数段設けられている(図3では5段を例示)。
図1及び図2中の符号34は、ブロア32の送風口に対応した開口部を示している。用紙搬送機構22による用紙搬送経路の外周側面のうち、ブロア32が設置される面(用紙12の長辺に面する面)には側板36が立設されており、当該側板36に開口部34が形成されている。開口部34の周囲は壁部材(側板36の部材)で塞がれ、開口部34を通してブロア32の風が導入される。こうして、ブロア32から送り出す風の進行方向を規制し、風の漏れを防止することにより、ブロア32が発生する風を効率よく用紙搬送経路の空間(送風ゾーン46)に導入することができ、各用紙間の隙間に効率よく空気を供給することができる。
また、図3に示すように、用紙搬送機構22による用紙搬送経路の側面部のうち、無端走行体24を設置した面には、風抜きのための孔(風抜き孔38)が形成されている。本例では、風抜き孔38として側板40の中央部分に一定幅の矩形状の開口(切欠部)が形成されている。このように、風の導入口(符号34)と排出口(符号38)を制限することで、効率的に風を送り込むことができる。
図2〜3で説明したブロア配置による送風の効果が及ぶ領域でシーズニング処理が行われる。すなわち、これらブロア32群による送風ゾーン46がシーズニング処理ゾーンに相当する。
図4は、送風装置30におけるブロア32の配置例と風の流れを示した要部斜視図である。なお、図4では、図3に示した5段構成からなるブロア配置のうち最上段の1段目のみを示した。2段目〜5段目についても同様の構成である。
図4に示したように、用紙12における長辺の方向に沿って複数個のブロア32a、32b、32c(ここでは3個を例示)が配列された第1ブロア列51と、これに対向配置される第2ブロア列52(ブロア32a’、32b’、32c’の並び)から同時に、略同風量の送風を行う。また、このように対面する2方向から略同風量の送風を同時に行い、第1ブロア列51から送り出した風と、第2ブロア列52から送り出した風とを用紙12の紙面上で衝突させることで、空気を強制的に対流させ、風抜き孔38から風を逃がす。このような対面送風と、その送風方向に略直交する方向への風の排出(風抜き孔38からの排出)により、用紙12の一枚一枚に対して、概ね均等に風を当てることが可能であり、効率的なシーズニングを行うことができる。
各ブロア32は、周囲環境の温湿度の空気を送り出す(送風する)だけの構成であり、ヒーター等の加熱手段や除湿手段など、温湿度を制御・調整する手段は設けられていない。このように、ブロア32群によって、周囲環境の空気(エアー)を送り、用紙間に環境温湿度の空気を吹き込むことにより、用紙内の湿っている部分は乾燥させる一方、乾いている部分は湿らせて用紙内部の水分量を平均化して均す(環境温湿度に馴染ませる)ことができる。これにより、用紙の伸縮変形を元に戻すことができる。
なお、図3及び図4では、ブロア32として、遠心ブロアを描いたが、送風方式は特に限定されず、軸流ブロアを採用してもよい。送風装置30を構成するブロア32の個数、各ブロア32の仕様(性能)、送風口(開口部34)の大きさや形状、開口部34の形成位置、風抜き孔38の大きさ、形成位置、要求されるシーズニング性能を考慮して、所要の送風条件を満たすよう適宜設計される。また、用紙12の移動方向、用紙12の幅方向に並ぶブロア列内における風量のバランスなどについても、要求されるシーズニングに適した送風を実現する観点から適宜制御される。
例えば、用紙12の移動方向に沿って並ぶブロア配置の第1段目から第5段目までの全範囲について一定の風量、風圧の送風ゾーンを形成してもよいし、各段で風量や風圧を異ならせても良い。
また、搬送チェーン14のグリッパー18から、用紙搬送機構22の爪26に確実に用紙12を受け渡すことができるように、無端走行体24による用紙12の受取位置は、ブロア配列における最上段の開口部34の上端位置よりもさらに上方の位置であることが望ましい。同様に、所定のシーズニング工程を確実に通過してから用紙12をリリースして、載置台20上に載せることができるようにするため、爪26による用紙12の保持を解除するリリース位置は、ブロア配列における最下段の開口部34の下端位置よりもさらに下方の位置であることが望ましい。
リリース位置で用紙12の保持を解除すると、用紙12は自重で落下して載置台20の上に溜まる。載置台20は、積載用紙枚数が増加するにつれて、次第に台面の高さが下降する構成を採用してもよい。
本例における用紙搬送機構22が「用紙搬送手段」、「第2の用紙搬送手段」に相当し、グリッパー18付きの搬送チェーン14が「別の搬送機構」、「第1の用紙搬送手段」に相当する。
用紙搬送機構22による用紙12の搬送速度は、送風装置30の送風性能(送風量)、用紙搬送機構22の搬送距離(送風ゾーンの長さ)、シーズニング時間などの観点から制御される。例えば、用紙搬送機構22は、各用紙12についてシーズニング時間が一定となるように(1枚の用紙12が送風ゾーン46に入ってから出るまでに要する時間が一定となるように)、駆動制御される。用紙搬送機構22の無端走行体24は、一定の速度で回転駆動させる態様も可能であるし、用紙12の受け取りタイミングに同期させて間欠駆動させる態様も可能である。
上記構成からなる排紙ユニット10によれば、印刷後の用紙を載置台20の上に積み重ねる前に、一枚一枚を分離して用紙間の隙間を確保した状態で、各用紙間に十分な風を通すことができる。これにより、一枚一枚を確実にシーズニングした後に、用紙12を載置台20上に集積させることが可能である。
<シーズニングを実施するタイミングについて>
本実施形態によれば、印刷機のスタッカー部にシーズニング機能を搭載したため、以下のタイミングでシーズニングを行うことができる。
(1)片面印刷のみを行う場合に、当該片面の印刷後にシーズニングを実施する。
(2)両面印刷を行う場合に、表面の印刷後、裏面印刷の前にシーズニングを実施する。
(3)両面印刷を行う場合に、(2)の場合に加えて、裏面印刷後にもシーズニングを実施する。
<変形例1>
図2及び図3では、用紙搬送機構22による用紙搬送方向に沿って5段構造のブロア配置を採用したが、段数について特に制限はない。また、1段について2以上のブロアを組み合わせて用いることもできる。
<変形2>
図2では、ブロア32の開口部34を上から下まで鉛直方向に沿って一直線上に形成したが、複数のブロア32に対応する開口部34の配列形態は、必ずしも一直線上に形成される必要はない。例えば、複数の開口部34を千鳥配列とするなど、用紙12の水平方向について、位置を異ならせてもよい。
<変形例4>
図1〜図3で説明した用紙搬送機構22及び送風装置30を複数段重ねて組み合わせることにより、シーズニング処理ゾーンを拡張することも可能である。各段のゾーン区間ごとに送風条件や搬送速度を変更することも可能である。
<変形例5>
図1〜図3では、用紙搬送機構22によって用紙12を水平に保持し(紙面の法線を鉛直方向に向けた姿勢で保持し)、これを鉛直下方に移動させ、真横から風を当てる構成を説明したが、用紙12の支持姿勢や移動方向は他の設計も可能であり、用紙12の搬送形態に応じて、送風形態も適宜設計される。
<インクジェット印刷システムへの適用例>
図1〜4で説明した排紙ユニット10をインクジェット印刷機の排紙部に組み込んだ印刷システムの例を説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成例を示す図である。このインクジェット記録装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された記録媒体124(便宜上「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体124上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体124上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
図示のように、インクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部116(「印刷部」に相当)、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122を備えて構成される。
図1〜4で説明した排紙ユニット10は、排紙部122における排出トレイ192の部分に設置される(図5参照)。
(給紙部)
給紙部112は、記録媒体124を処理液付与部114に供給する機構であり、当該給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124が積層されている。給紙部112には、給紙トレイ150が設けられ、この給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙される。
本例のインクジェット記録装置100では、記録媒体124として、紙種や大きさ(用紙サイズ)の異なる複数種類の記録媒体124を使用することができる。給紙部112において各種の記録媒体をそれぞれ区別して集積する複数の用紙トレイ(不図示)を備え、これら複数の用紙トレイの中から給紙トレイ150に送る用紙を自動で切り換える態様も可能であるし、必要に応じてオペレータが用紙トレイを選択し、若しくは交換する態様も可能である。なお、本例では、記録媒体124として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
図5に示すように、処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、記録媒体124を保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体124を挟み込むことによって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体124を処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。処理液塗布装置156は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラと処理液ドラム154上の記録媒体124に圧接されて計量後の処理液を記録媒体124に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置156によれば、処理液を計量しながら記録媒体124に塗布することができる。
本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、これに限定されず、例えば、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することも可能である。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体124は、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
(描画部)
描画部116は、描画ドラム170、用紙抑えローラ174、及びインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを備えている。描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備える。描画ドラム170に固定された記録媒体124は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yからインクが付与される。
インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yはそれぞれ、記録媒体124における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yは、記録媒体124の搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム170上に密着保持された記録媒体124の記録面に向かって各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体124上での色材流れなどが防止され、記録媒体124の記録面に画像が形成される。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組合せについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画部116で画像が形成された記録媒体124は、描画ドラム170から中間搬送部128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図5に示すように、乾燥ドラム176、及び溶媒乾燥装置178を備えている。
乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、複数のハロゲンヒータ180と、各ハロゲンヒータ180の間にそれぞれ配置された温風噴出しノズル182とで構成される。
各温風噴出しノズル182から記録媒体124に向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各ハロゲンヒータ180の温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。
また、乾燥ドラム176の表面温度は50℃以上に設定されている。記録媒体124の裏面から加熱を行うことによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができる。なお、乾燥ドラム176の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム176の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75度以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
乾燥ドラム176の外周面に、記録媒体124の記録面が外側を向くように(即ち、記録媒体124の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体124のシワや浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体124は、乾燥ドラム176から中間搬送部130を介して定着部120の定着ドラム184へ受け渡される。
(定着部)
定着部120は、定着ドラム184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184の回転により、記録媒体124は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、ハロゲンヒータ186による予備加熱と、定着ローラ188による定着処理と、インラインセンサ190による検査が行われる。
ハロゲンヒータ186は、所定の温度(例えば、180℃)に制御される。これにより、記録媒体124の予備加熱が行われる。
定着ローラ188は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体124を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ188は、定着ドラム184に対して圧接するように配置されており、定着ドラム184との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体124は、定着ローラ188と定着ドラム184との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば、0.15MPa)でニップされ、定着処理が行われる。
また、定着ローラ188は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度(たとえば60〜80℃)に制御される。この加熱ローラで記録媒体124を加熱することによって、インクに含まれるラテックスのTg温度(ガラス転移点温度)以上の熱エネルギーが付与され、ラテックス粒子が溶融される。これにより、記録媒体124の凹凸に押し込み定着が行われるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
なお、図5の実施形態では、定着ローラ188を1つだけ設けた構成となっているが、画像層厚みやラテックス粒子のTg特性に応じて、複数段設けた構成でもよい。
一方、インラインセンサ190は、記録媒体124に定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
上記の如く構成された定着部120によれば、乾燥部118で形成された薄層の画像層内のラテックス粒子が定着ローラ188によって加熱加圧されて溶融されるので、記録媒体124に固定定着させることができる。また、定着ドラム184の表面温度は50℃以上に設定されている。定着ドラム184の外周面に保持された記録媒体124を裏面から加熱することによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができるとともに、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
なお、熱可塑性樹脂粒子を含んだインクに代えて、UV硬化性樹脂などの活性光線硬化性樹脂を含んだインクを用いる場合には、加熱定着の定着ローラ188に代えて、UVランプや紫外線LD(レーザダイオード)アレイなど、活性光線を照射する手段が設けられる。
(排紙部)
図5に示すように、定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122には、図1〜4で説明した排紙ユニット10が設置される。定着部120の定着ドラム184から排紙ユニット10までの間に、渡し胴194、195、搬送チェーン14が設けられている。搬送チェーン14は、張架ローラ197,198に巻き掛けられている。定着ドラム184を通過した記録媒体124(「用紙12」に相当)は、渡し胴194、195を介して、搬送チェーン14に送られ、搬送チェーン14から排紙ユニット10へと受け渡される(図1参照)。排紙ユニット10の構成、動作については、図1〜4で説明したとおりである。
また、図5には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100には、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体124の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
(両面印刷への対応)
両面印刷を行う場合には、図5のインクジェット記録装置100において、用紙の片面(表面)が印刷された後に排紙ユニット10で所定時間のシーズニングを行う。そして、シーズニング処理後に載置台20に集積された用紙の束を給紙部112に戻して、裏面の印刷を行う。これにより、表裏レジずれなどが発生せず、短時間で良好な両面印刷を実現できる。
<インクについて>
本発明の実施に用いられるインクは、水を溶媒として含んだ水性インクであり、例えば、溶媒不溶性材料として、色材(着色剤)である顔料やポリマー微粒子などを含有する水性顔料インクが用いられる。
溶媒不溶性材料の濃度は、吐出に適切な粘度20mPa・s以下を考慮して1wt%以上20wt%以下であることが好ましい。より好ましくは画像の光学濃度を得るために4wt%以上の顔料濃度である。
インクの表面張力は、吐出安定性を考慮して20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。
インクに使用される色材は、顔料あるいは染料と顔料とを混合して用いることができる。処理液との接触時における凝集性の観点から、インク中で分散状態にある顔料の方がより効果的に凝集するため好ましい。顔料の中でも、分散剤により分散されている顔料、自己分散顔料、樹脂により顔料表面を被覆された顔料(マイクロカプセル顔料)、及び高分子グラフト顔料が特に好ましい。また、顔料凝集性の観点から、解離度の小さいカルボキシル基によって修飾されている形態がより好ましい。
本発明に用いる着色インク液には、処理液と反応する成分として、着色剤を含まないポリマー微粒子を添加することが好ましい。ポリマー微粒子は、処理液との反応によりインクの増粘作用、凝集作用を強め、画像品位の向上させることができる。特に、アニオン性のポリマー微粒子をインクに含有せしめることにより、安全性の高いインクが得られる。
処理液と反応して、増粘・凝集作用を起こすポリマー微粒子をインクに用いることにより、画像の品位を高めることができると同時に、ポリマー微粒子の種類によっては、ポリマー微粒子が記録媒体で皮膜を形成し、画像の耐擦性、耐水性をも向上させる効果を有する。
ポリマーインクでの分散方法はエマルジョンに限定するものではなく、溶解していても、コロイダルディスパージョン状態で存在していてもよい。
ポリマー微粒子は、乳化剤を用いてポリマー微粒子を分散させたものであっても、また、乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては、通常、低分子量の界面活性剤が用いられているが、高分子量の界面活性剤を乳化剤として用いることもできる。外殻がアクリル酸、メタクリル酸などにより構成されたカプセル型のポリマー微粒子(粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプのポリマー微粒子)を用いることも好ましい。
インクにポリマー微粒子として添加する樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
ポリマー微粒子への高速凝集性付与の観点から、解離度の小さいカルボン酸基を有するものがより好ましい。カルボン酸基はpH変化によって影響を受けやすいので、分散状態が変化しやすく、凝集性が高い。
ポリマー微粒子のpH変化に対する分散状態の変化は、アクリル酸エステルなどのカルボン酸基を有する、ポリマー微粒子中の構成成分の含有割合によって調整することができ、分散剤として用いるアニオン性の界面活性剤によっても調整可能である。
ポリマー微粒子の樹脂成分は、親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。疎水性部分を有することで、ポリマー微粒子の内側に疎水部分が配向し、外側に親水部分が効率よく外側に配向され、液体のpH変化に対する分散状態の変化がより大きくなる効果があり、凝集がより効率よく行われる。
また、ポリマー微粒子を、インク内に2種以上混合して含有させて使用してもよい。
本発明のインクに添加するpH調整剤としては中和剤として、有機塩基、無機アルカリ塩基を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましい。
本発明のインクは、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、水溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。
水溶性有機溶媒としては、処理液の場合と同様に、例えば、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。
その他必要に応じ、界面活性剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
また、インク中に熱可塑性樹脂微粒子を含有させることもできる。熱可塑性樹脂を含有させることで、加熱する過程で、皮膜化が進行し画像強度を向上させることができる。熱可塑性樹脂を含有させた場合、乾燥での加熱プロセスに加え、画像を加熱加圧する定着工程を行うことがより効果的である。
また、インク中にUV硬化性モノマーを含有させることで、乾燥部で水分を充分に揮発させた後に、UV照射ランプ等を備えた定着部で、画像にUVを照射することで、UV硬化性モノマーを硬化重合させ、画像強度を向上させることができる。
<処理液について>
本発明の実施に際して用いる処理液(凝集処理液)として、インクのpHを変化させることにより、インクに含有される顔料およびポリマー微粒子を凝集させ、凝集物を生じさせるような処理液が好ましい。
処理液の成分として、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。
また、処理液の好ましい例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
処理液はインクとのpH凝集性能の観点からpHは1〜6であることが好ましく、pHは2〜5であることがより好ましく、pHは3〜5であることが特に好ましい。
また、処理液は、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、水、その他添加剤溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水、その他添加剤溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。これらの溶媒は、水,その他添加剤と共に単独若しくは複数を混合して用いることができる。
処理液には、定着性および耐擦性を向上させるため、樹脂成分を更に含有してもよい。樹脂成分は、処理液をインクジェット方式によって打滴する場合ヘッドからの吐出性を損なわないもの、保存安定性があるものであればよく、水溶性樹脂や樹脂エマルジョンなどを自由に用いることができる。
その他必要に応じ、界面活性剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
10…排紙ユニット、12…用紙、14…搬送チェーン、18…グリッパー、20…載置台、22…用紙搬送機構、24…無端走行体、26…爪、30…送風装置、32…ブロア、36…側板、34…開口部、46…送風ゾーン、100…インクジェット記録装置、116…描画部、172M,172K,172C,172Y…インクジェットヘッド

Claims (10)

  1. 印刷機の排紙部に用いられる排紙ユニットであって、
    印刷後の用紙を載置台上に積載する前に、当該印刷後の用紙を一枚ずつ保持して各用紙間に隙間を形成しつつ、これら用紙を前記載置台に向けて移動させる用紙搬送手段と、
    前記用紙搬送手段による用紙の搬送中に各用紙間の隙間に通風する送風手段と、
    を備え、
    前記用紙搬送手段は、矩形の用紙の対向する二辺を両側から支持する複数本の無端走行体を用いて構成され、
    前記送風手段は、前記用紙搬送手段による用紙搬送経路の側面部のうち、前記無端走行体を設けた前記二辺に対面する面とは異なる他の二辺に対面する面に複数個のブロアが対向配置され、互いに対向して配置されたブロアの対が用紙搬送方向に沿って複数段設けられた構成であり、
    前記用紙搬送手段による用紙搬送経路の外周側面には側板が設けられており、
    前記用紙搬送経路の側面部のうち、前記ブロアが設置されている面に設けられている側板には、前記ブロアの送風口に対応した開口部が形成され、
    前記無端走行体が設置されている面に設けられている側板には風抜きのための孔が形成されていることを特徴とする排紙ユニット。
  2. 請求項1において、
    前記用紙搬送手段による前記用紙の移動方向が鉛直方向であることを特徴とする排紙ユニット。
  3. 請求項1又は2において、
    前記送風手段は、前記用紙搬送方向に沿って複数段設けられた複数のブロアの対からの送風によって前記用紙搬送手段による用紙搬送経路の全範囲に対して送風できる構成であることを特徴とする排紙ユニット。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記用紙搬送手段による用紙の移動速度は、当該用紙搬送手段に用紙が受け渡される前の搬送機構による用紙の移動速度よりも低速であることを特徴とする排紙ユニット。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記用紙搬送手段には、前記用紙の保持及び解放が可能な保持機構が複数設けられていることを特徴とする排紙ユニット。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、
    前記無端走行体は、前記用紙の短辺を両側から支持するように、前記用紙の短辺に対面する面に設置され、
    前記ブロアは、前記用紙の長辺に対面する面に設置されることを特徴とする排紙ユニット。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項において、
    前記無端走行体による前記用紙の受取位置は、前記複数段のブロア配列における最上段の前記開口部の上端位置よりもさらに上方の位置であることを特徴とする排紙ユニット。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項において、
    前記無端走行体において前記用紙の保持を解除するリリース位置は、前記複数段のブロア配列における最下段の前記開口部の下端位置よりもさらに下方の位置であることを特徴とする排紙ユニット。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項において、
    前記用紙搬送方向に並ぶ複数段のブロアの各段で風量を異ならせることを特徴とする排紙ユニット。
  10. 給紙される用紙の少なくとも片面にインクを付与して印刷を行う印刷部と、
    前記印刷部による印刷後の用紙を第1の移動速度で移動させる第1の用紙搬送手段と、
    前記第1の用紙搬送手段から前記印刷後の用紙を受け取り、当該用紙を一枚ずつ保持して各用紙間に隙間を形成しつつ、これら用紙を前記第1の移動速度よりも低速の第2の移動速度で移動させる第2の用紙搬送手段と、
    前記第2の用紙搬送手段による用紙の搬送中に各用紙間の隙間に通風する送風手段と、
    前記送風手段による送風エリアを通過して前記第2の用紙搬送手段から解放された用紙を積載する載置台と、
    を備え、
    前記第2の用紙搬送手段は、矩形の用紙の対向する二辺を両側から支持する複数本の無端走行体を用いて構成され、
    前記送風手段は、前記第2の用紙搬送手段による用紙搬送経路の側面部のうち、前記無端走行体を設けた前記二辺に対面する面とは異なる他の二辺に対面する面に複数個のブロアが対向配置され、互いに対向して配置されたブロアの対が用紙搬送方向に沿って複数段設けられた構成であり、
    前記第2の用紙搬送手段による用紙搬送経路の外周側面には側板が設けられており、
    前記用紙搬送経路の側面部のうち、前記ブロアが設置されている面に設けられている側板には、前記ブロアの送風口に対応した開口部が形成され、
    前記無端走行体が設置されている面に設けられている側板には風抜きのための孔が形成されていることを特徴とする印刷装置。
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