JPH06320754A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Publication number
JPH06320754A
JPH06320754A JP5139113A JP13911393A JPH06320754A JP H06320754 A JPH06320754 A JP H06320754A JP 5139113 A JP5139113 A JP 5139113A JP 13911393 A JP13911393 A JP 13911393A JP H06320754 A JPH06320754 A JP H06320754A
Authority
JP
Japan
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ink
recording
suction cylinder
opening
cylindrical member
Prior art date
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Pending
Application number
JP5139113A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Takanaka
康之 高中
Tomohiro Aoki
友洋 青木
Masatoshi Ichikatai
雅俊 一方井
Setsu Uchida
節 内田
Masaharu Nemura
雅晴 根村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP5139113A priority Critical patent/JPH06320754A/ja
Publication of JPH06320754A publication Critical patent/JPH06320754A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】記録紙の紙送り面を迅速かつ確実にクリーニン
グするとともに、紙送り精度を向上させることを可能な
らしめ、連続高速記録をする場合でも充分に記録品位を
確保することを可能ならしめる。 【構成】円筒状の紙送り手段6に記録領域を含む長さの
開口部6aを形成し、前記紙送り手段6の周面6qに接
触し該紙送り手段の回転に伴って紙送り面を拭き取り清
掃するブレード7を設け、該ブレード7によって掻き集
められるインク等の異物を前記開口部6aを通して前記
紙送り手段6の内部に配設したインク回収手段8、28
で回収するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録手段から被記録材へ
インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】プリンター、複写機、ファクシミリ等の
機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワー
ドプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出
力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づい
て用紙やプラスチック薄板(OHPなど)等の被記録材
(記録媒体)に画像(文字や記号なども含む)を記録し
ていくように構成されている。前記記録装置は、使用す
る記録手段の記録方式により、インクジェット式、ワイ
ヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービーム式等に
分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査する記録方式を採るシリアルタイプの
記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセッ
トした後、被記録材に沿って移動(主走査)するキャリ
ッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像
(文字や記号等を含む)を記録し、1行分の記録を終了
した後に所定量の紙送り(副走査)を行ない、その後に
次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返
すことにより、被記録材の所望範囲に画像が記録され
る。一方、被記録材を搬送方向に送る副走査のみで記録
するラインタイプの記録装置においては、被記録材を所
定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を連続
的に行ないながら所定量の紙送り(ピッチ送り)を行な
い、被記録材の全体に画像が記録される。
【0004】そのうち、インクジェット式(インクジェ
ット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録
材にインクを吐出して記録を行なうものであり、記録手
段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で
記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせず
に記録することができ、ランニングコストが安く、ノン
インパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色
のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であ
るなどの利点を有している。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。ま
た、IC技術やマイクロ加工技術の長所を活用すること
により、記録手段の長尺化や面状化(2次元化)が容易
であり、記録手段のフルマルチ化および高密度実装化も
容易である。
【0006】上記インクジェット記録装置の一構成例と
して、記録用紙(被記録材)の記録領域の全幅にわたっ
てインク吐出口が形成された長尺の記録ヘッドを、前記
吐出口が記録用紙の紙送り方向に直交するように配置す
るとともに、記録用紙の全幅を含む長さの円筒部材で形
成された紙送り手段(搬送手段)を、記録ヘッドのイン
ク吐出口面と対向する位置に回転駆動されるように配設
した基本構成を有するインクジェット記録装置が提案さ
れている。
【0007】図21はこのようなインクジェット記録装
置の構成例を示す模式的縦断面図である。このインクジ
ェット記録装置は、インクの吐出口を記録用紙の幅に対
応させてフルライン化した長尺な記録ヘッドと、記録用
紙の幅よりも広い幅(軸方向長さ)を有する円筒状の紙
送り手段(搬送手段)とを備えている。また、図21の
インクジェット記録装置では、前記円筒部材(搬送手
段)の周面に付着するインク等の異物を除去(クリーニ
ング)するための清掃手段が設けられている。
【0008】図21において、記録用紙やプラスチック
薄板等の被記録材Aを搬送(紙送り)するための吸着シ
リンダ(円筒部材)6の外周面の一部は電源11より電
荷を供給される帯電ローラ10と接触しており、該吸着
シリンダ6の周面には前記帯電ローラ10によって静電
気が帯電させられる。給紙部1からレジストローラ4お
よび吸着ローラ5を通して供給される被記録材(記録紙
等)Aは、吸着シリンダ6に静電吸着され、該吸着シリ
ンダ6と共に矢印C方向に回転移動し、記録ヘッド12
a、12b、12c、12dの前面(吐出口面)と対向
する記録位置に搬送される。
【0009】記録ヘッド12a、12b、12c、12
dは、それらの吐出口13a、13b、13c、13d
と吸着シリンダ6の外周面との間に微小隙間を設けて対
向配置されている。各記録ヘッド12a、12b、12
c、12dに対しては、インク供給部18に交換可能に
装着された各インクカートリッジ(インクタンク)19
a、19b、19c、19dから対応する色のインクが
供給される。そして、読取り系(不図示)からの画像信
号に基づき、各記録ヘッド12a〜12dから搬送され
てくる被記録材Aにインクを吐出することにより画像記
録が行われる。記録された被記録材Aは、さらに搬送さ
れ、揺動可能な分離爪9により吸着シリンダ6の周面か
ら剥離され、定着排紙部20を経て、排紙トレイ22へ
排紙される。このような構成のインクジェット記録装置
によれば、前記記録ヘッド12a〜12dは走査動作を
必要とせず、被記録材Aの移動(搬送)のみで全体の画
像を連続かつ高速で記録することができる。
【0010】図21において、吸着シリンダ6の外周面
に付着するインク等の異物は、該外周面と摺擦するブレ
ード7およびインク吸収体8aによりクリーニング(除
去清掃)される。すなわちブレード7は、吸着シリンダ
6との摺擦部(先端部)7aに対し、受け部7bが下方
に位置するように傾斜した姿勢で装着されている。そし
て、吸着シリンダ6に付着したインクは、該吸着シリン
ダ6の回転に伴いブレード7の摺擦部7aで掻き集めら
れ、掻き集められたインクは、該摺擦部7aから前記受
け部7bへ流出し、さらに、排出チューブ7cを経て廃
インクボトル(不図示)へ導かれる。
【0011】また、受け部7bへ流出しきれないで摺擦
部7aに残留しているインクは、ブレード7より下流側
に配設されたインク吸収体8aによって吸収される。す
なわち、例えばブレード7が吸着シリンダ6の1回転に
同期して間欠的に矢印D方向へ揺動離反し、同時にそれ
まで離反していたインク吸収体8aがブレード7の下流
側で吸着シリンダ6に圧接することにより、該吸着シリ
ンダ6の回転に伴い、前記残留インクは前記インク吸収
体8aの圧接位置へ移動し該インク吸収体8aに吸収さ
れる。
【0012】前記残留インクがブレード7の摺動部7a
の位置を通過した後、該ブレード7は再び吸着シリンダ
6に圧接される。一方、前記インク吸収体8aは、吸着
シリンダ6に圧接され、一定時間圧接状態に保持された
後、該吸着シリンダ6から離反される。そして、前述と
同様の動作を繰り返すことにより前記吸着シリンダ6の
クリーニング動作を繰り返す。インク吸収体8aの下流
側に位置する帯電ローラ10は、クリーニングされた吸
着シリンダ6の周面を帯電させ、次の被記録材Aを吸着
し得る状態にする。なお、図21中の符号62は、各記
録ヘッド12a〜12dのインク吐出機能を維持回復す
るための回復手段を示す。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した図21の
構成においては、被記録材Aが吸着シリンダ6に吸着さ
れるため、該被記録材Aの移動(搬送)速度は該吸着シ
リンダ6の回転速度によって規制されることになる。し
かし、吸着シリンダ6が被記録材Aを保持する力(吸着
力)が不十分である場合は、該吸着シリンダ6を高精度
の一定速度で回転させても、レジストローラ4や吸着ロ
ーラ5の負荷抵抗あるいは該レジストローラ4の押出し
力により、被記録材Aの移動速度と吸着シリンダ6の周
速度とが一致しなくなり、予測し得ない不定の速度差が
生じ、被記録材Aの移動速度が変動する状態になること
がある。
【0014】このような被記録材の移動(搬送)速度の
変動が生じると、記録開始時の位置ズレや記録中におけ
る画像の伸縮が発生したり、カラー画像のように複数の
インクを重合わせて記録する場合には、レジストレーシ
ョンズレや色味ムラといった画像不良が生じることがあ
る。このような不都合を防ぐには吸着シリンダ6の吸着
力を高めればよい。そして、この吸着力を高めるために
は、帯電ローラ10と吸着シリンダ6の間の介在物を無
くし、両者を直接的に接触させて帯電効率を向上させる
必要がある。
【0015】一方、前述のインクジェット記録装置にお
いては、画像信号が記録ヘッド12a〜12dに伝達さ
れた時に被記録材Aが記録位置に搬送されていない場合
には、高濃度記録に伴って発生するインクミストが排気
されず、被記録材通過後にこのインクミストが吸着シリ
ンダに付着して汚れを生じることがある。また、記録ヘ
ッド12a〜12dやコネクタを交換する際に不用意に
インクを滴下させた場合などに、吸着シリンダ6の外周
面がインクで汚れることもある。
【0016】このようなインクが付着した吸着シリンダ
6においては、そのインクが帯電ローラ10や吸着ロー
ラ5へオフセットしたり、該インクがシリンダ6とロー
ラ10、5との間に薄層を成して介在したりして、前述
の帯電効率の低下の原因となることがある。さらに、上
記吸着シリンダ6上のインクが被記録材Aの裏面に転写
するといった裏汚れ、あるいはインクが付着した帯電ロ
ーラ10や吸着ローラ5からのインク再転写によって記
録前の被記録材の記録面が汚れてしまうという不都合が
生じる。
【0017】図21に示す吸着シリンダ6のクリーニン
グ機構においては、ブレード7によって掻き集められた
インクの大部分は該ブレード7の傾斜により受け部7b
を経て外部へ排出されるが、該ブレード7の摺擦部7a
のインクは流動性が悪いために該ブレード7と吸着シリ
ンダ6との接触線に沿って滞留する。そこで、ブレード
7を一旦吸着シリンダ6から離反させることにより、該
吸着シリンダ上に残留したインクを下流側のインク吸収
体8aへ移動させ、該インク吸収体8aで吸収してい
る。すなわち、ブレード7を離反させるとともに、吸着
シリンダ6を回転させつつインク吸収体8aを圧接させ
る動作が採られる。
【0018】ただし、その際は、インク吸収体8aの吸
収速度が吸着シリンダ6の回転速度よりも速い場合に限
り、インクが充分に吸収される。また、前記残留インク
がインク吸収体8aの圧接位置に達した時に吸着シリン
ダ6の回転を一旦停止させ、吸収時間(インクが完全に
吸収される時間)経過後に吸着シリンダ6を再起動させ
る方法を採れば、インク吸収体8aの吸収速度が遅い場
合でもインクを吸収することができる。
【0019】しかしながら、このようなクリーニング機
構およびクリーニング動作では、吸着シリンダ6の回転
速度を下げるか一旦停止させる必要があり、インクジェ
ット記録装置の連続高速記録に適した優位性を引き出す
ことができなくなってしまう。一方、連続高速記録の優
位性を保持するために吸着シリンダ6の回転速度を上げ
ると、除去しきれない残留インクが発生し、このような
未回収インクが累積されて吸着シリンダ6が益々汚染さ
れる結果となる。また、このような吸着シリンダ6を防
止するためには、該吸着シリンダ6を記録装置本体から
頻繁に取出して清掃しなければならず、作業に手間を要
し、取り扱いが煩雑になってしまう。
【0020】本発明は以上述べたような技術的課題に鑑
みてなされたものであり、本発明の目的は、連続高速記
録を維持しながら、被記録材の搬送手段を迅速かつ確実
に清掃することができ、搬送動作の精度を向上させるこ
とができ、インクジェット記録方式の性能を十分に引き
出すことが可能なインクジェット記録装置を提供するこ
とである。
【0021】
【課題解決のための手段】請求項1の発明は、回転駆動
される円筒部材の周面で搬送される被記録材に、搬送方
向と交叉する方向に配列された複数の吐出口を有する記
録手段により記録するインクジェット記録装置におい
て、前記円筒部材の周面に記録領域を含む長さの開口部
を形成し、前記円筒部材の周面の一部に接触し該円筒部
材の回転に伴って該周面と摺擦する弾性体またはインク
吸収体から成る清掃手段を設け、前記清掃手段による集
積物を回収する回収手段を前記円筒部材の内部に設ける
構成とすることにより、連続高速記録を維持しながら、
被記録材の搬送手段を迅速かつ確実に清掃することがで
き、搬送動作の精度を向上させることができ、インクジ
ェット記録方式の性能を十分に引き出すことが可能なイ
ンクジェット記録装置を提供するものである。
【0022】請求項2〜請求項6の発明は、上記構成に
加えて、前記開口部の長さが前記清掃手段の長さを含
み、該開口部の搬送方向端部が傾斜している構成、前記
清掃手段の摺擦部が前記開口部に位置した時、該清掃手
段が前記円筒部材の周面から離れる構成、前記回収手段
がインク吸収体から成り、前記開口部において前記清掃
手段と前記回収手段が当接する構成、記録手段の正常な
インク吐出を維持回復するための回復手段を前記円筒部
材の内部に配設する構成、あるいは、前記開口部が前記
記録手段と対向した時、回復動作を行うために前記回復
手段が該開口を通して前記記録手段側へ移動する構成と
することにより、連続高速記録を維持しながら、一層効
率よく、被記録材の搬送手段を迅速かつ確実に清掃する
ことができ、搬送動作の精度を向上させることができ、
インクジェット記録方式の性能を十分に引き出すことが
可能なインクジェット記録装置を提供するものである。
【0023】
【作用】上記構成によれば、ワイピングブレード等の清
掃手段と回転円筒部材から成る搬送手段との摺擦部に掻
き集められる残留インクは該搬送手段に設けた開口部を
通して該搬送手段の内部の回収手段に回収される。ま
た、前記搬送手段の内部に回復手段を設け、該回復手段
を前記開口部から外部へ露出させることによっても上記
回収手段と同様の作用効果を実現することができる。
【0024】
【実施例】以下、図1〜図20を参照して本発明の実施
例を説明する。図1は本発明を適用したインクジェット
記録装置の第1実施例を示す模式的縦断面図である。図
1において、記録装置本体24の内部には取り付けられ
たヘッドブロック14には4本の記録ヘッド(記録手
段)12a、12b、12c、12dが装着されてい
る。そして、ヘッドブロック14に各記録ヘッド12a
〜12dを交換可能に装着することにより、記録ヘッド
部60が構成されている。これらの記録ヘッド12a〜
12dは、カラー記録の場合には、例えばブラック、シ
アン、マゼンタ、イエロー等の異なる色のインクで記録
する記録ヘッドで構成される。なお、前記複数の記録ヘ
ッド12a、12b、12c、12dの全体または任意
の一つを指す場合には、単に記録ヘッド(記録手段)1
2で示すことにする。
【0025】前記各記録ヘッド12は、回転式の円筒部
材(吸着シリンダ)6の周面に吸着されて搬送(移動)
されてくる被記録材Aに対し、制御装置(不図示)から
の指令信号および記録情報に基づいて、それぞれの色の
インクを吐出して画像(カラー画像)を記録していくも
のである。また、前記4本の記録ヘッド12a〜12d
は、被記録材Aの記録領域の全幅にわたってインク吐出
口が形成されたフルラインタイプの記録ヘッドであり、
それぞれのインク吐出口面が前記吸着シリンダ6の外周
面に対向し、かつそれぞれの複数のインク吐出口の配列
方向が被記録材Aの搬送方向Cと直交するような姿勢
で、前記外周面に対して放射状に配置されている。
【0026】図1において、符号19a〜19dは、前
記各記録ヘッド12a〜12dにインクを供給するため
のインクカートリッジ(インクタンク)を示す。4個の
インクカートリッジ19a〜19dは記録装置本体24
内のインク供給部18に着脱自在に装着されている。こ
こで、4本の記録ヘッド12a〜12dは、使用するイ
ンクの色は異なるが、構造的にはそれぞれ同じ構造をし
ている。図2は記録ヘッド12の構造を模式的に示す一
部破断の部分斜視図である。
【0027】図2において、記録ヘッド12は、エッチ
ング・蒸着・スパッタリング等の半導体製造プロセス工
程を経て基板35上に成膜形成された電気熱変換体36
および電極37、並びに前記基板35上に固着される液
路壁38、該液路壁38上に固着される天板39などで
構成されている。インク45は前記インクカートリッジ
19から供給管40を通して記録ヘッド12の共通液室
41内に供給される。図中42は供給管40を接続する
ためのコネクタである。共通液室41内に供給されたイ
ンク45は所謂毛細管現象により各液路43内に供給さ
れ、各液路43の先端(開口端)でメニスカスを形成す
ることにより安定に保持される。
【0028】各液路43は記録ヘッド12の前面(吐出
口面)44に開口しており、各開口部によって吐出口1
3が形成されている。ここで電気熱変換体36に通電す
ることにより、電気熱変換体36上のインクが急峻に加
熱され、液路43中に気泡が生起され、その気泡の膨張
・収縮により吐出口13からインクが吐出し、飛翔液滴
が形成される。記録情報に基づいて所望の吐出口13か
ら被記録材Aへインクを吐出することにより、所望の画
像が記録される。なお、フルマルチのラインヘッドの場
合、前記吐出口13は、例えば、16個/ミリあるいは
400個/インチの密度で記録幅全域にわたって形成さ
れる。
【0029】次に、前記記録ヘッド12に対するインク
供給系について説明する。図3はインク供給系を示す模
式図である。図3において、記録ヘッド12は各吐出口
13に連通する共通液室41を有し、該共通液室41に
供給されるインクは各吐出口13に通じる液路43(図
2)内に充填される。前記吐出口13は、被記録材Aの
記録可能幅に対応する長さにわたって一定の密度で配列
されており、その個々の吐出口13に通じる液路43に
設けられた電気熱変換体36(図2)を選択的に駆動す
ることにより、所定の吐出口13からインクが吐出され
る。図1のインクジェット記録装置では、各記録ヘッド
12自体の移動走査なしに画像を記録することができ
る。
【0030】図3において、インクはインク供給タンク
46から共通液室41へ供給される。インクカートリッ
ジ19はインク供給タンク46にインクを補充する。イ
ンク供給タンク46から供給管40を通してインクを記
録ヘッド12の共通液室41に供給する。インク供給タ
ンク46へのインク補充は、インクカートリッジ(メイ
ンタンク)19から一方通行の補充用整流弁49を介し
て、回復ポンプ50によりインクをインク供給タンク4
6に補充する。また、一方通行の回復用整流弁48は記
録ヘッド12のインク吐出機能の維持回復のためになさ
れる回復動作時に使用される。循環管51は回復用整流
弁48を共通液室41に接続する。さらに、前記供給管
40には電磁弁52は装着されており、前記インク供給
タンク46には排気用の空気抜弁46aが設けられてい
る。
【0031】図3のように構成された記録ヘッド12と
そのインク供給系および回復系においては、記録時には
電磁弁52が開の状態に保たれており、インク供給タン
ク46から液の自重によりインクが共通液室41に補給
され、さらに該共通液室41から液路43を介して各吐
出口13にインクが導かれる。また、共通液室41やイ
ンク供給系に残留する気泡の除去と共に記録ヘッド12
を冷却するために実施される回復動作時には、回復ポン
プ50を駆動してインクを循環管51により共通液室4
1に送り込み、共通液室41から供給管40によりイン
クをインク供給タンク46に戻して循環させる動作が行
われる。さらに、前記液路43等のインクの初期充填時
には、電磁弁52を閉成した状態で、回復ポンプ50に
より循環管51を経てインクを共通液室41に圧送し、
気泡の排出と共にインクを吐出口13から吐出させる動
作が行われる。
【0032】図4は図1中の記録ヘッド部60を示す部
分側面図である。図4において、ヘッドブロック14の
記録ヘッド12aと12bとの間には突き当て部材であ
る位置出しコロ61aが設けられ、ヘッドブロック14
の記録ヘッド12cと12dとの間には突き当て部材で
ある位置出しコロ61bが設けられている。これらの位
置出しコロ61a、61bは、吸着シリンダ6を位置決
めするためのものである。さらに、ヘッドブロック14
には、記録ヘッド12a〜12dの長手方向に所定の間
隔をおいて、一対のピン61c(一方のピンは不図示)
が設けられている。
【0033】図1において、記録装置本体24内には、
記録紙等の被記録材Aを積載収納するための2つの給紙
スタッカ1a、1bが取外し自在にそれぞれ装着されて
いる。各給紙スタッカ1a、1bの上方に配設されたピ
ックアップローラ2a、2bは、これらの給紙スタッカ
1a、1b内の被記録材Aを順次送り出すものである。
各ピックアップローラ2a、2bの図示左側位置には、
分離ローラ3a、3bが配設されている。図示上方の一
対の分離ローラ3aおよび図示下方の一対の分離ローラ
3bは、それぞれ、ピックアップローラ2aおよびピッ
クアップローラ2bによって送り出された被記録材Aが
複数枚である場合に、これを分離して一枚ずつ送り出す
ためのものである。
【0034】前記各分離ローラ3a、3bからそれぞれ
送り出された被記録材Aがレジストローラ4の手前でセ
ンサ(不図示)により検出されると、該被記録材Aは該
レジストローラ4によって一旦停止させられる。一旦停
止させた被記録材Aは一対のレジストローラ4により或
る一定のタイミングで送り出され、同時に4本の記録ヘ
ッド12a〜12dのインク吐出タイミングが決めら
れ、被記録材Aは吸着シリンダ6上に供給すべく送り出
される。
【0035】図1において、吸着シリンダ(円筒部材)
6は記録装置本体24の略中央部に設けられ、その外周
部には凹部である分離部6dが形成されている。前記吸
着シリンダ6の外周面は絶縁層で形成され、また吸着シ
リンダ6の長さは被記録材Aの全幅よりも長い。吸着シ
リンダ6には軸6hが嵌挿されており、該軸6hの両端
部は記録装置本体24に支持されている。この円筒部材
(吸着シリンダ)6は、記録紙等の被記録材Aを紙送り
(搬送)する搬送手段を構成している。前記吸着シリン
ダ6の外周面には帯電ローラ10が当接されており、該
帯電ローラ10は吸着シリンダ6の外周面に電荷を与え
るものである。また、該帯電ローラ10は電源11によ
り電荷を供給されるものである。前記吸着シリンダ6の
外周面には吸着ローラ5が圧接されており、レジストロ
ーラ4から送られてきた被記録材Aは該吸着ローラ5に
よって吸着シリンダ6の外周面に吸着(密着)させられ
る。
【0036】図5は吸着シリンダ(円筒部材)6の斜視
図である。図5において、吸着シリンダ6の両端部は位
置出し部材としての吸着フランジ6i、6jによって回
転自在に支持されており、これらの吸着フランジ6i、
6jは前記軸6hに固着されている。これにより、吸着
シリンダ6は軸6hを中心に回転自在に支持されてい
る。各吸着フランジ6i、6jの外周面には穴6f、6
gが形成されている。そして、前記ヘッドブロック14
に設けられた位置出しコロ61a、61b(図4)が吸
着フランジ6i、6jに当接することにより、吸着シリ
ンダ6が各記録ヘッド12a〜12dに対して位置決め
され、各記録ヘッド12a〜12dと吸着シリンダ6の
距離(間隔)は均一かつ一定に保持される。また、ヘッ
ドブロック14に設けられた一対のピン13c(図4)
が前記吸着フランジ6i、6jの穴6f、6gに嵌入す
ることにより、各記録ヘッド12と吸着シリンダ6との
軸方向の相対位置が位置決めされる。
【0037】図6は吸着シリンダ(円筒部材)6の回転
駆動機構を示す模式的断面図である。図6において、吸
着シリンダ6の外周面には3本の駆動ローラ6k、6
l、6mが当接している。これら3本の駆動ローラ6k
〜6mは、軸6hに対し実質的に位置決めされており、
それぞれに設けられた流体圧シリンダ等を含む移動手段
(不図示)によりそれぞれの半径方向(矢印k、l、m
の方向)に同期して移動可能に取り付けられている。す
なわち、前記3本の駆動ローラ6k〜6mの吸着シリン
ダ6に対する当接を解除し得るように構成されている。
前記3本の駆動ローラ6k〜6mは、不図示の回転駆動
手段により、それぞれ矢印C1 方向に同期して強制的に
回転駆動される。これら3本の駆動ローラ6k〜6mの
回転駆動に伴う摩擦駆動によって、吸着シリンダ6は矢
印C方向へ回転される。
【0038】前記吸着シリンダ6の回転駆動機構として
は、前述したような吸着シリンダ6の外周面に当接(外
接)する駆動ローラ6k〜6mを用いる代わりに、同じ
く図6中に示すような、吸着シリンダ6の内周面に当接
(内接)する回転駆動ローラ6n、6q、6pを用いる
構成を採ることもできる。
【0039】図1において、記録装置本体24の前記記
録ヘッド12の上方位置には、各記録ヘッド12のイン
ク吐出機能を維持回復するための回復手段62が設けら
れている。この回復手段62は、上下方向(矢印63方
向)に移動可能なキャップ17と、該キャップ17にそ
れぞれの支持体(ホルダー)を介して等間隔かつ放射状
の配列で装着された4つのインク吸収体15a〜15d
と、これらのインク吸収体15a〜15dに吸収された
インクを個別に絞り出すための4つの絞り16a〜16
dとを備えている。前記絞り16a〜16dを不図示の
駆動手段で押圧することにより、各絞り16a〜16d
の内部に含浸されたインクが絞り出される。
【0040】図1において、記録装置が休止状態にある
時、記録装置内で被記録材Aの滞留(ジャム)が発生し
た時、あるいは一定時間の記録を行なう毎に、各記録ヘ
ッド部12を図中左方向へ移動させ、次いで回復手段6
2を図中下方向に移動させ、ヘッドブロック14にキャ
ップ17を接合させることにより各記録ヘッド12の吐
出口13をキャッピングする。このキャッピング状態に
おいて、前記回復ポンプ50(図3)の駆動によりイン
クを加圧することにより吐出口13から滲み出させ、イ
ンク吸収体15a〜15dを吐出口面44(図2、図
3)に接触させることにより上記滲み出たインクを拭き
取るという動作、すなわち記録ヘッド12のインク吐出
機能を維持回復するための回復動作が行われる。
【0041】前記絞り16a〜16dでインク吸収体1
5a〜15dを圧縮することにより、上記回復動作で該
インク吸収体15a〜15dに吸収されたインクが絞り
だされ、絞り出されたインクは廃インクとなってキャッ
プ17内に排出される。キャップ17内に排出された廃
インクは、キャップ17の底部に設けられた廃インク口
64を通して廃インクボトル(不図示)へ導かれる。
【0042】図1において、吸着シリンダ6の図示右上
部の位置には、該吸着シリンダ6の周面に吸着された被
記録材Aを剥ぎ取る(分離させる)ための分離爪9が配
設されている。この分離爪9は、不図示の駆動手段で実
線および二点鎖線で示す所定角度だけ回動させられるこ
とにより、吸着シリンダ6に吸着された被記録材Aを剥
す機能を有する。分離爪9の図示右方には排紙ローラ2
1が設けられており、該排紙ローラ21と前記分離爪9
との間には被記録材Aを案内しながら記録画像を定着さ
せるための定着ガイド23が設けられている。前記排紙
ローラ21および定着ガイド23により定着排紙部20
が構成されている。
【0043】前記定着ガイド23の上方には、不図示の
ヒータを備えたファン20aが配設されている。このフ
ァン20aによって定着ガイド23に達した被記録材A
の全面を温風乾燥することにより、該被記録材Aに記録
された画像(インク)を定着させる。定着後の被記録材
Aは排紙トレイ22上に排紙される。
【0044】図1において、記録装置の被記録材搬送手
段としての円筒部材(吸着シリンダ)6の外周面(被記
録材搬送面)にはインクが付着することがあり、図示の
記録装置には、該吸着シリンダ6に付着するインク等の
異物を除去清掃するための清掃手段(クリーニング機
構)が設けられている。この清掃手段は、吸着シリンダ
6の外周近傍に配設された拭き取り用のブレード7で構
成されている。そして、図示の実施例では、前記ブレー
ド7で掻き集められたインク等の集積物は、吸着シリン
ダ6の内部に配設されたインク回収手段(インク受け)
8によって回収される。
【0045】図7はブレード7およびインク受け8と吸
着シリンダ6とを示す模式的斜視図であり、図8は図7
のブレード7およびインク受け8と吸着シリンダ6との
断面図である。図1、図7、図8において、ゴム状弾性
体で形成されたブレード7は、吸着シリンダ6の回転方
向Cに対向する姿勢で該吸着シリンダ6の上方部に接触
している。このブレード7の吸着シリンダ6との接触部
(摺擦部)7aは、前記帯電ローラ10の上流側に設け
られている。ブレード7は、吸着シリンダ6の回転に伴
い、その先端部(摺擦部)7aにおいて吸着シリンダ6
に付着したインクを掻き集めている。
【0046】吸着シリンダ(円筒部材)6の外周面には
開口部6aが形成されている。前記ブレード7で掻き集
められるインク7d(図8)は、前記開口部6aの開口
端6bが6e(図8)の位置にきた時に、該開口部6a
を通して吸着シリンダ6の内部に滴下する。滴下したイ
ンクは吸着シリンダ6内のインク受け8によって受けら
れる。このインク受け8は、前記軸6hを介して、ブレ
ード7の摺擦部7aの下方位置に固設されている。
【0047】図1、図7、図8において、インク回収手
段としての前記インク受け8の内部には、連続多孔質部
材で形成されたインク吸収体8aが布敷されている。こ
のインク吸収体8aは、滴下したインクの跳ねによるイ
ンク飛散を防止したり、記録装置本体24を移動させる
時にインクが流動するのを防止したりするものである。
また、インク受け8の底部には廃インクボトル(不図
示)に通じる排出チューブ8bが設けられ、インク吸収
体8aが飽和状態になった時にインクを前記廃インクボ
トルへ導くように構成されている。なお、図1中のブレ
ード7は、図21中に示したような受け部7bおよび排
出チューブ7cを有し、傾斜姿勢で装着されるブレード
で構成してもよい。
【0048】図9は、記録ヘッド12の吐出口13の配
列長さL1 、ブレード7の幅(吸着シリンダ6の軸方向
の長さ寸法)L2 、吸着シリンダ6の開口部6aの長さ
(吸着シリンダ6の軸方向の寸法)L3 および被記録材
Aの全幅L4 と各部の位置関係とを示す模式図である。
この図9に示す事項は、4個の記録ヘッド12a〜12
dのいずれにおいても実質上同じであり、いずれの記録
ヘッド12とも同一長さL1 にわたって一定の密度で吐
出口13が配列されている。また、図9中の斜線領域A
1 は各記録ヘッド12による記録領域を示す。
【0049】図9において、吐出口13の配列長さL1
は被記録材Aの全幅L4 よりも僅かに小さく、全ての吐
出口13を駆動しても、被記録材Aの両側に僅かの余白
が形成される。したがって、吸着シリンダ6の周面で被
記録材Aを吸着する幅長は、吐出口13の配列長さL1
よりも僅かに大きな長さL4 (被記録材Aの全幅)であ
る。そのため、ブレード7による吸着シリンダ6の拭き
取り清掃(クリーニング)は、少なくとも被記録材Aの
全幅L4 の範囲にわたって行なう必要がある。また、前
記開口部6aの長さL3 は被記録材Aの全幅L4 よりも
大きく、該開口部6aは被記録材Aの全幅L4 が全て含
まれる位置に形成されている。また、前記ブレード7
は、その全幅L2 が被記録材Aの全幅L4 の全てを含む
位置に配置されている。
【0050】図9に示すように被記録材A、開口部6a
およびブレード7の位置関係を設定することにより、吸
着シリンダ(円筒部材)6の被記録材A吸着領域の全て
を前記ブレード7によってクリーニング(清掃)するこ
とができる。図示の実施例では、前記開口部6aは吸着
シリンダ6の1箇所に形成され、上述のクリーニング動
作は吸着シリンダ6の1回転毎に行われるが、これは、
開口部6aを複数箇所に設けてもよい。
【0051】図10は、ブレード7の幅(吸着シリンダ
6の軸方向の長さ寸法)L2 を、被記録材Aの全幅L4
よりは大きくするが、吸着シリンダ6の開口部6aの長
さL3 よりは小さくした場合の位置関係を示す模式図で
ある。図10の位置関係によれば、ブレード7の長さL
2 の全てが開口部6aの長さL3 内に含まれるので、開
口端(開口部6aの端部)6bの形状を吸着シリンダ6
の外周面から内周面にかけて90度未満の角度θ(図1
1)で傾斜させることができ、これによって、ブレード
7の摺擦部7aで集められたインク7dを一層効果的に
掻き落とすことが可能になる。
【0052】図11〜図13は吸着シリンダ6の清掃手
段(クリーニング手段)の機構および動作を示す側面図
であり、次に図11〜図13を参照して上記清掃手段の
機構および動作を説明する。図11において、ブレード
7を保持するブレード支持体7eは揺動軸7iを中心に
回動自在に軸支されており、該ブレード支持体7eには
反対側へ延びるアーム7hが一体的に設けられている。
そして、該アーム7hの端部はプランジャー7gに連結
され、該アーム7hの中間部にはスプリング7fが連結
されている。
【0053】図11において、前記プランジャー7gが
オフ状態の時には、前記スプリング7fによりアーム7
hが引き上げられ、ブレード7は実線で示すように吸着
シリンダ6に接触している。開口部6aの端部6bは外
周面6qから内周面6rにかけて滑らかに連続した角度
θの傾斜面で形成されている。この傾斜面6bの傾斜角
度θは90度未満(例えば約20度〜60度程度)の値
に選定されている。このような開口端6bの形状によれ
ば、ブレード7の摺擦部7aが開口端6bに達すると、
ブレード7の全体が傾斜面に沿って開口部6a内に向か
って移動することになり、そのため、該ブレード7で掻
き集められるインク7dは、傾斜面に沿って開口部6a
に向けて移動した後、開口端6bと内周面6rとの交線
で掻き落され、吸着シリンダ6内部のインク受け8内へ
滴下する。
【0054】図12に示すように、吸着シリンダ6がさ
らに矢印C方向に回転することにより、ブレード7の先
端が開口部6a内に進入した状態(二点鎖線)になる
と、プランジャ7gの作動によりアーム7hが引き寄せ
られ、ブレード7は矢印D方向に揺動して吸着シリンダ
6から離反する。吸着シリンダ6がさらに矢印C方向に
回転して図13の状態になると、プランジャー7gがオ
フになり、ブレード7は矢印E方向に揺動して再び吸着
シリンダ6に接触し、シリンダ周面と摺擦する状態とな
る。
【0055】前記プランジャー7gのオン・オフは、吸
着シリンダ6に付設された不図示の遮充板と前記軸6h
を介して吸着シリンダ6の内部に固定されたフォトイン
タラプタ(不図示)とで構成される検知手段により制御
される。すなわち、例えば、開口端6bがブレード7よ
り進行した状態(図12)から開口端6cがブレード7
より進行した状態(図13)となる間を検知し、この間
ではプランジャー7gがオンとなり、それ以外の間では
プランジャー7gがオフとなるように制御される。
【0056】以上説明した実施例によれば、被記録材A
の搬送手段としての円筒部材(吸着シリンダ)6の外周
部に被記録材Aの幅を含む長さの開口部6aを形成し、
前記円筒部材6の外部に設けた清掃手段(ブレード)7
と該円筒部材6の内部に設けたインク回収手段(インク
受け)8とにより、該円筒部材6の被記録材搬送面(外
周面)に付着するインク等の異物を迅速かつ確実にクリ
ーニングすることができ、掻き集められるインクも前記
開口部6aを通して迅速かつ確実に排出することがで
き、したがって、円筒部材の被記録材搬送機能を高い精
度に維持することが可能となり、連続高速記録に際して
も記録画像を高品位に維持することが可能なインクジェ
ット記録装置が提供される。
【0057】図14は本発明を適用したインクジェット
記録装置の第2実施例の要部構成を示す斜視図であり、
図15は図14の部分断面図である。図14および図1
5の本実施例においては、前述したインク回収手段とし
てのインク受け8の代わりに、シート状のインク吸収体
(インク吸収体シート)の巻取り装置28が使用されて
いる。該巻取り装置28も吸着シリンダ6の内部に配設
されている。本実施例では、ブレード7の全幅(シリン
ダ軸心方向の長さ寸法)L2 は開口部6aの長さL3
り短く設定されている。
【0058】図14および図15において、巻取り装置
28は、シートローラ26に巻回されているインク吸収
体シート28aを巻取りローラ27上に巻き取るように
構成されている。インクを吸収するための前記インク吸
収体シート28aの幅は前記開口部6aの長さと略等し
い寸法に設定され、その材質としては、例えば芳香族ポ
リイミド系耐熱繊維に、ニッケルなどの金属を蒸着した
り、あるいはカーボンを混入したりしたものが好適であ
る。本実施例(第2実施例)は、前述の第1実施例と比
べ、前記インク受け8の代わりに前記インク吸収体シー
ト28aの巻取り装置28を使用する点で相違するが、
その他の部分は実質上同じ構成をしており、それぞれ対
応する部分を同一符号で示し、それらの詳細説明は省略
する。
【0059】図16は前記巻取り装置28の構造を示す
側面図であり、図17は図16の巻取り装置28の縦断
面図である。図14〜図17において、前記シートロー
ラ26上のインク吸収体シート28aは、突当てローラ
25を経由して前記巻取りローラ27に巻き取られる。
前記突当てローラ25は、吸着シリンダ6の開口部6a
に前記ブレード7の先端が侵入した時(図15)に、そ
の先端部とインク吸収体シート28aとを位置25aで
接触させるように配置されている。また、インク吸収体
28aの巻取り装置28は、前記軸6h(図5)を介し
て、インク吸収体シート28aが吸着シリンダ6の内周
面6rと微小隙間Fを隔てた位置(図16)通過するよ
うに配設されている。
【0060】ブレード7は吸着シリンダ6の外周面6q
(図15)と摺擦している間はその先端部分が撓んでい
る。吸着シリンダ6の回転に伴って、その開口部6aの
開口端6bが前記ブレード7の位置に到達すると、該ブ
レード7の先端部(摺擦部)7aは、該先端部7aで掻
き集められたインクと共に、開口端6bから開口部6a
内に進入してくる。そして、位置25a(図15)にお
いて先端部(摺擦部)7aが前記インク吸収体シート2
8aに当接することにより、吸着シリンダ6の外周面で
集められたインクはインク吸収体シート28aに吸収さ
れる。この場合、ブレード7がインク吸収体シート28
aに接触した後、開口部6aの下流側の開口端6c(図
11〜図13)が接近するまで、このブレード7とイン
ク吸収体シート28aとの接触状態が続くので、掻き集
められたインクをインク吸収体シート28aに充分に吸
収させることができる。
【0061】ブレード7は、インクをインク吸収体シー
ト28aへ移した後、、矢印D方向(図12)へ揺動し
てインク吸収体シート28aから離反し、次いで、図1
3に示すように矢印E方向に揺動して再び吸着シリンダ
6の外周面に接触する。インク吸収体シート28aは、
1回のインク吸収毎に、一定長さだけ巻取りローラ27
へ巻き取られる。
【0062】次に、図16〜図18を参照して、巻取り
装置28の構造について説明する。図16〜図18にお
いて、前記シートローラ26、突き当てローラ25およ
び巻取りローラ27はフレーム32に軸支されている。
前記シートローラ26の軸端部にはラチェット29が取
付けられている。このラチェット29は、不図示の板ば
ねにより前記シートローラ26の巻出し方向と反対方向
に付勢されることにより、インク吸収体シート28aの
弛みを防いでいる。前記巻取りローラ27の軸端部に
は、ワンウェイクラッチ31aを介して、送りアーム3
1が取付けられている。
【0063】前記送りアーム31の先端を不図示のソレ
ノイドにより巻取りローラ27の巻取り方向に間欠的に
所定角度づつ回転させることにより、インク吸収体シー
ト28aは一定量づつ送られて巻取りローラ27に巻取
られる。この巻取りローラ27は、上記ソレノイドによ
る間欠駆動に代えて、モータによる連続駆動により連続
的に回転させてもよい。前記ワンウェイクラッチ31a
は、巻取りローラ27の巻取り方向と反対方向の回転を
禁止する機能を備えている。前記巻取りローラ27の軸
に固定された歯車33bと突当ローラ25に固定された
歯車33aが噛み合うことにより、巻取りローラ27と
突当ローラ25は同期して回転する。なお、突当ローラ
25は、インク吸収体シート28aの送り(動き)に従
動するだけのローラで構成してもよい。
【0064】前記送りアーム31の先端部には半径検出
アーム30が設けられている。この半径検出アーム30
は、シートローラ26の外径面に接触する接触子(不図
示)により該シートローラ26の半径を検出するととも
に、巻取りローラ27を前記所定角度だけ回転させるた
めの指令信号を前記ソレノイドに出力する。
【0065】図1、図7および図8で説明した開口端6
bにおけるインク滴下によるインク回収に代えて、図1
4〜図18で説明したようなインク吸収体シート28a
の巻取り装置28、すなわち、吸着シリンダ6の内部に
設けたインク吸収体シート28aと拭き取り清掃用のブ
レード7とを開口部6aにおいて当接させてインクの吸
収する構成を採る場合には、ブレード7は吸着シリンダ
6回りの任意の位置に配置することが可能となり、例え
ば、図19中に示すような吸着シリンダ6の下方部分
に、清掃手段としてのブレード7およびインク回収手段
としての前記巻取り装置28から成る吸着シリンダ6の
クリーニング装置を配置することも可能になる。
【0066】以上図14〜図18で説明した第2実施例
によれば、図1〜図13の第1実施例の場合と同様、円
筒部材(吸着シリンダ)6の被記録材搬送面(外周面)
に付着するインク等の異物を迅速かつ確実にクリーニン
グすることができ、掻き集められるインクも前記開口部
6aを通して迅速かつ確実に排出することができ、した
がって、円筒部材の被記録材搬送機能を高い精度に維持
することが可能となり、連続高速記録に際しても記録画
像を高品位に維持することが可能となるという効果が得
られる他に、前述したように清掃手段(ブレード)7お
よびインク回収手段(巻取り装置)28を前記円筒部材
6回りの任意の位置に配置できるという効果が得られ
る。
【0067】図19および図20は本発明を適用したイ
ンクジェット記録装置の第3実施例を示す模式的断面図
であり、本実施例では、各記録ヘッド12のインク吐出
機能を正常状態に維持回復するための回復手段62が吸
着シリンダ(円筒部材)6の内部に配設されている。そ
して、回復動作を行なう場合には、吸着シリンダ6の開
口部6aが各記録ヘッド12と対向した時に、前記回復
手段62が該開口部6aを通して記録ヘッド12側へ移
動し、所定の回復動作が行われる。記録を継続する場合
には、前記回復動作を終了した後、前記回復手段62は
吸着シリンダ6内部へ引っ込められる。
【0068】なお、図19は、図14〜図18の実施例
中のインク回収手段(巻取り装置)28を用いるインク
ジェット記録装置において回復手段62を吸着シリンダ
6内に配置する実施例を示し、図20は、図1〜図13
で説明した実施例中のインク回収手段(インク受け)8
を用いるインクジェット記録装置において回復手段62
を吸着シリンダ6内に配置する実施例を示す。両実施例
とも、回復手段62の構成および動作は共通しているの
で、以下では、図20の実施例について説明する。
【0069】図20において、吸着シリンダ6の内部で
あって記録ヘッド部60と対向する位置には、矢印70
方向に移動可能な回復手段62が設けられている。吸着
シリンダ6の開口部6aは、回復手段62の平面形状よ
りも大きい形状を有し、該回復手段62を各記録ヘッド
12と接合する位置(回復動作位置)へ移動させ得る広
さを有している。回復手段62による各記録ヘッド12
の回復動作は、開口部6aが各記録ヘッド12と回復手
段62との間へ移動してきた時に行われる。この回復動
作においては、先ず、前記回復手段62を開口部6aを
通して外向きに移動させることにより、キャップ17内
の各インク吸収体15a〜15dで各記録ヘッド12a
〜12dの吐出口13を覆う(密封する)キャッピング
動作が行われる。
【0070】そして、各記録ヘッド12をキャッピング
した状態で、負圧吸引力または加圧力を吐出口13に作
用させてインクを排出させたり、あるいは記録ヘッド1
2内部へインクを循環させたりすることによりインク内
の異物を除去する動作、さらには記録ヘッド12の吐出
口面44に付着したインクを拭き取り除去する動作など
から成る回復動作が行われる。回復動作により排出され
る廃インクは廃インク口64から廃インクボトル(不図
示)へ導かれる。
【0071】図20において、前記回復手段62を移動
させるための駆動手段としては、前記軸6h(図5)に
回転自在に軸支されたパイプ34aに固定されたV字形
のカム部材34が使用されている。すなわち、不図示の
駆動手段で前記パイプ34aを矢印G方向に所定角度だ
け回動させると、前記カム部材34の先端に設けられた
コロ34bが回復手段62の背面を押圧して該回復手段
62を前進させることになり、該回復手段62が押し出
された状態で前記キャップ17による各記録ヘッド12
のキャッピングが行われる。
【0072】また、回復手段62の背面に設けられたス
トッパ17aでカム部材34の回動位置を規制すること
により、該回復手段62のキャッピング位置が規制され
ている。なお、キャップ17の構成および動作、すなわ
ち、インク吸収体15a〜15d、絞り16a〜16
d、廃インク口64などの構成および動作は、図1の第
1実施例の場合と同じである。
【0073】図19および図20に示す第3実施例は、
以上説明した点で図1〜図13の第1実施例および図1
4〜図18の第2実施例と相違するが、その他の部分で
は実質上同じ構成を有しており、それぞれ対応する部分
を同一符号で示し、それらの詳細説明は省略する。
【0074】図19および図20の実施例によれば、図
1〜図18の第1実施例および第2実施例の場合と同様
の効果が得られる他に、被記録材Aの搬送手段としての
円筒部材(吸着シリンダ)6の内部に回復手段62を設
け、該円筒部材6の開口部6aを回復動作のための通過
口とクリーニング動作のためのインク回収口とを兼ねる
ことが可能となり、したがって、吸着シリンダ6のクリ
ーニング動作をそのまま行なうとともに記録装置の小型
化を図ることが可能なインクジェット記録装置が提供さ
れる。
【0075】なお、前述の各実施例では、被記録材の記
録領域の全幅をカバーする長さのライン記録手段を用い
て副走査のみで記録する方式のインクジェット記録装置
を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録材の記録領
域の幅の一部をカバーする長さのライン記録手段を用い
て副走査のみで記録する方式、あるいは記録手段を主走
査方向にも移動させるシリアル記録方式のインクジェッ
ト記録装置に対しても同様に適用することができ、同様
の効果が得られるものである。
【0076】また、前述の各実施例では異なる色で記録
する複数の記録手段を用いるカラー記録の場合を例に挙
げて説明したが、本発明は、1個の記録手段で記録する
単色記録、あるいは同一色彩で異なる濃度で記録する複
数の記録手段を用いる階調記録など、記録手段の数や記
録色に関係無く広く適用可能であり、それらの場合にも
同様の作用効果が得られるものである。
【0077】さらに、本発明は、記録手段とは別体の交
換可能なインクカートリッジまたはインク充填式(パー
マネント式)のインクタンクを使用し、これらをインク
供給チューブ等で接続する場合、あるいは記録手段とイ
ンクタンクを一体化したヘッドカートリッジを用いる場
合など、記録手段およびインクタンクの構成がどのよう
な場合でも、同様に適用することができ、同様の効果を
達成し得るものである。
【0078】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出
する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置
において優れた効果をもたらすものである。かかる方式
によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるから
である。
【0079】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液
体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0080】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0081】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0082】さらに、前述のように、記録装置が記録で
きる被記録材(記録媒体)の最大幅に対応した長さを有
するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明
は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、
複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす
構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでもよい。加えて、上例のようなシリアル
タイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、
あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気
的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交
換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッ
ド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0083】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる記録ヘッドに対しての回復手段や予備的な補助手
段等を付加することは、本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは
別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
ことも安定した記録を行なうために有効である。
【0084】また、前述のように、搭載される記録ヘッ
ドの種類ないし個数についても、例えば、単色のインク
に対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃
度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられ
るものであってもよい。すなわち、例えば、記録装置の
記録モードとしては、黒色等の主流色のみの記録モード
だけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個
の組み合わせによるか、いずれでもよいが、異なる色の
複色カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一
つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0085】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、
積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0086】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0087】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0088】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、回転駆動され
る円筒部材の周面で搬送される被記録材に、搬送方向と
交叉する方向に配列された複数の吐出口を有する記録手
段により記録するインクジェット記録装置において、前
記円筒部材の周面に記録領域を含む長さの開口部を形成
し、前記円筒部材の周面の一部に接触し該円筒部材の回
転に伴って該周面と摺擦する弾性体またはインク吸収体
から成る清掃手段を設け、前記清掃手段による集積物を
回収する回収手段を前記円筒部材の内部に設ける構成と
したので、連続高速記録を維持しながら、被記録材の搬
送手段を迅速かつ確実に清掃することができ、高い精度
で被記録材を搬送することができ、インクジェット記録
方式の性能を十分に引き出すことが可能なインクジェッ
ト記録装置が提供される。
【0089】請求項2〜請求項6の発明は、上記構成に
加えて、前記開口部の長さが前記清掃手段の長さを含
み、かつ該開口部の搬送方向端部が傾斜している構成、
前記清掃手段の摺擦部が前記開口部に位置した時、該清
掃手段が前記円筒部材の周面から離れる構成、前記回収
手段がインク吸収体から成り、前記開口部において前記
清掃手段と前記回収手段が当接する構成、記録手段の正
常なインク吐出を維持回復するための回復手段を前記円
筒部材の内部に配設する構成、あるいは、前記開口部が
前記記録手段と対向した時、回復動作を行うために前記
回復手段が該開口を通して前記記録手段側へ移動する構
成としたので、連続高速記録を維持しながら、一層効率
よく、被記録材の搬送手段を迅速かつ確実に清掃するこ
とができ、高い精度で被記録材を搬送することができ、
インクジェット記録方式の性能を十分に引き出すことが
可能なインクジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
1実施例の構成を示す模式的縦断面図である。
【図2】図1中の記録手段のインク吐出部の構造を一部
破断して模式的に示す部分斜視図である。
【図3】図1の記録装置におけるインク供給系の構成を
示す模式図である。
【図4】図1中の記録手段と被記録材搬送面との位置関
係を示す部分断面図である。
【図5】図1中の被記録材搬送手段としての円筒部材の
模式的斜視図である。
【図6】図5の円筒部材の回転駆動手段を説明するため
の模式的断面図である。
【図7】図1中の被記録材搬送手段と清掃手段とインク
回収手段を示す模式的斜視図である。
【図8】図7の要部構成を示す部分断面図である。
【図9】図1中の記録手段の吐出口と清掃手段と搬送手
段の開口部と被記録材の寸法および位置の関係を示す模
式図である。
【図10】図1中の記録手段の吐出口と清掃手段と搬送
手段の開口部と被記録材の寸法および位置の別の関係を
示す模式図である。
【図11】図1中の被記録材搬送面をクリーニングする
ための清掃手段およびインク回収手段のインク回収時の
状態を示す部分断面図である。
【図12】図11中の清掃手段のインク回収直後の状態
を示す部分断面図である。
【図13】図11中の清掃手段が次の清掃動作が可能な
位置に復帰した状態を示す部分断面図である。
【図14】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第2実施例の円筒状搬送手段と清掃手段とインク回収手
段を示す模式的斜視図である。
【図15】図14の要部を示す部分断面図である。
【図16】図14中のインク回収手段の一部破断側面図
である。
【図17】図16のインク回収手段の断面図である。
【図18】図17中の送りアームおよびワンウエイクラ
ッチの側面図である。
【図19】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第3実施例の一構成例を示す模式的縦断面図である。
【図20】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第3実施例の別の構成例を示す模式的縦断面図である。
【図21】本発明を適用する前のインクジェット記録装
置の構成例を示す模式的縦断面図である。
【符号の説明】
1 給紙スタッカ 2 ピックアップローラ 3 分離ローラ 4 レジストローラ 5 吸着ローラ 6 円筒部材(吸着シリンダ=搬送手段) 6a 開口部 6b 開口端 6c 開口端 6d 分離部 6h 軸(円筒部材) 6i 吸着フランジ 6j 吸着フランジ 7 清掃手段(ブレード) 7a 摺擦部 8 回収手段(インク受け) 8a インク吸収体 9 分離爪 10 帯電ローラ 11 電源 12 記録手段(記録ヘッド) 13 吐出口 14 ヘッドブロック 15 インク吸収体 16 絞り 17 キャップ 18 インク供給部 19 インクカートリッジ 20 定着排紙部 21 排紙ローラ 22 排紙トレイ 24 記録装置本体 28 インク回収手段(巻取り装置) 28a インク吸収体シート 36 電気熱変換体 43 液路 44 吐出口面 50 回復ポンプ 60 記録ヘッド部 62 回復手段 64 廃インク口 A 被記録材 B 被記録材Aの先端 C 搬送手段6の回転方向を示す矢印 L1 吐出口配列部の長さ L2 ブレード7の幅(円筒部材の軸方向の寸法) L3 開口部6aの長さ L4 被記録材Aの全幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 29/17 B41J 29/00 J (72)発明者 内田 節 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 根村 雅晴 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動される円筒部材の周面で搬送
    される被記録材に、搬送方向と交叉する方向に配列され
    た複数の吐出口を有する記録手段により記録するインク
    ジェット記録装置において、前記円筒部材の周面に記録
    領域を含む長さの開口部を形成し、前記円筒部材の周面
    の一部に接触し該円筒部材の回転に伴って該周面と摺擦
    する弾性体またはインク吸収体から成る清掃手段を設
    け、前記清掃手段による集積物を回収する回収手段を前
    記円筒部材の内部に設けることを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記開口部の長さが前記清掃手段の長
    さを含み、該開口部の搬送方向端部が傾斜していること
    を特徴とする請求項1のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記清掃手段の摺擦部が前記開口部に
    位置した時、該清掃手段が前記円筒部材の周面から離れ
    ることを特徴とする請求項1のインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】 前記回収手段がインク吸収体から成
    り、前記開口部において前記清掃手段と前記回収手段が
    当接することを特徴とする請求項1のインクジェット記
    録装置。
  5. 【請求項5】 記録手段の正常なインク吐出を維持回
    復するための回復手段を前記円筒部材の内部に配設する
    ことを特徴とする請求項1のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記開口部が前記記録手段と対向した
    時、回復動作を行うために前記回復手段が該開口を通し
    て前記記録手段側へ移動することを特徴とする請求項5
    のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項1のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項7のインクジェット記録装置。
JP5139113A 1993-05-17 1993-05-17 インクジェット記録装置 Pending JPH06320754A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002127463A (ja) * 2000-10-20 2002-05-08 Konica Corp 吸引ユニット及びインク吐出回復方法
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JP2012066441A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Seiko Epson Corp インクジェット記録装置
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