JP3152816B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3152816B2
JP3152816B2 JP24385793A JP24385793A JP3152816B2 JP 3152816 B2 JP3152816 B2 JP 3152816B2 JP 24385793 A JP24385793 A JP 24385793A JP 24385793 A JP24385793 A JP 24385793A JP 3152816 B2 JP3152816 B2 JP 3152816B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録手段から被記録材へ
インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】プリンター、複写機、ファクシミリ等の
機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワー
ドプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出
力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づい
て用紙やプラスチック薄板(OHPなど)等の被記録材
(記録媒体)に画像(文字や記号なども含む)を記録し
ていくように構成されている。前記記録装置は、使用す
る記録手段の記録方式により、インクジェット式、ワイ
ヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービーム式等に
分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査する記録方式を採るシリアルタイプの
記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセッ
トした後、被記録材に沿って移動(主走査)するキャリ
ッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像
(文字や記号等を含む)を記録し、1行分の記録を終了
した後に所定量の紙送り(副走査)を行ない、その後に
次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返
すことにより、被記録材の所望範囲に画像が記録され
る。一方、被記録材を搬送方向に送る副走査のみで記録
するラインタイプの記録装置においては、被記録材を所
定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を連続
的に行ないながら所定量の紙送り(ピッチ送り)を行な
い、被記録材の全体に画像が記録される。
【0004】そのうち、インクジェット式(インクジェ
ット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録
材にインクを吐出して記録を行なうものであり、高精細
な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処
理を必要とせずに記録することができ、ノンインパクト
方式であるため騒音が少なく、ランニングコストの面で
も有利であり、しかも、多色のインクを使用してカラー
画像を記録するのが容易であるなどの利点を有してい
る。中でも、紙幅方向に多数の吐出口を配列したライン
タイプの記録手段を使用するライン型の装置は、記録の
一層の高速化が可能である。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。ま
た、IC技術やマイクロ加工技術の長所を活用すること
により、記録手段の長尺化や面状化(2次元化)が容易
であり、記録手段の長尺化および高密度化も容易であ
る。一方、被記録材の材質に対する要求も様々なものが
あり、近年では、通常の被記録材である紙や樹脂薄板
(OHP等)などの他に、薄紙や加工紙(ファイリング
用のパンチ孔付き紙やミシン目付き紙、任意な形状の紙
など)などを使用ことが要求されるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェット記録装置において種々の被記録材を用いると、
次のような理由によって記録手段(記録ヘッド)と対向
配置されたプラテンがインクで汚染されてしまい、その
ために、被記録材の裏面が汚染されたり、プラテン上の
増粘インクの粘着力によって被記録材とプラテンの間の
スベリ性が失われ、搬送不良、ジャム、斜行、シワや波
打ちの発生などの不具合が生ずるという解決すべき課題
があった。以下に、プラテンのインク汚染の理由を列挙
して説明する。
【0007】第1に、通常の被記録材を用いる場合であ
っても、被記録材の斜行が生じたり、被記録材に全域記
録モードで記録する場合には、プラテンにも直接インク
を吐出する可能性がある。また、記録位置近くで被記録
材のジャムが発生した時にも、プラテンに直接インクを
吐出する可能性がある。さらに、長時間の記録動作によ
りインクミストがプラテンに付着することもある。特
に、小サイズ紙の記録後に大サイズ紙の記録を行うと、
プラテン上のインクミストが転移して大サイズ紙の裏汚
れが発生したり、さらには、記録位置より下流側の搬送
手段をもインクで汚染してしまうこともある。
【0008】第2に、加工紙などに記録する場合には、
ファイリング用のパンチ孔やミシン目などの開口部まで
記録領域に入ってしまうと、やはりプラテンに直接イン
クが吐出されることになる。また、記録領域を予め一定
範囲内に設定しておいても、設定時の誤操作や被記録材
の斜行などでプラテンにインクが付着する可能性があ
る。
【0009】第3に、繊維間スキマを有する織布に記録
する場合には、記録手段(記録ヘッド)から吐出される
インク滴径が通常では30ミクロン程度と小さいので、
吐出されたインクの一部が繊維間スキマを通過してプラ
テンに達することがある。また、薄紙に記録する場合に
は、インク保持容量が小さいので、インクが裏面まで浸
透してプラテンに付着することがある。
【0010】一般に、記録ヘッドとプラテンとの間隔は
1ミリ以下と非常に小さいので、被記録材にシワ等が発
生すると、これが記録ヘッドに接触して画像品位を著し
く低下させるおそれがある。さらに、紙粉などが吐出口
面に付着してインク吐出を妨げたり、記録ヘッドとプラ
テンとの間に被記録材が詰まって記録ヘッドや装置を損
傷させてしまうおそれもある。
【0011】本発明は以上のような技術的課題に鑑みて
なされたものであり、本発明の目的は、プラテン上の付
着インクを完全に清掃除去することができ、被記録材の
裏面汚れを防止するとともに、被記録材の斜行及びシワ
や記録ヘッドの損傷などの可能性を解消して記録品位を
安定的に維持することができるインクジェット記録装置
を提供することにある。
【0012】
【課題解決のための手段】本発明(請求項1)は、上記
目的を達成するため、被記録材を支持するプラテンと、
記録手段から前記被記録材に吐出され前記プラテンに付
着したインクを清掃するためのクリーニング手段と、を
有したインクジェット記録装置において、前記クリーニ
ング手段は、前記プラテンの表面に対して回動して転接
する第1のクリーニング部材と、摺擦移動する第2のク
リーニング部材と、を有しており、第1のクリーニング
部材による転接清掃、第2のクリーニング部材による摺
擦清掃の順で前記プラテンを清掃することを特徴とす
る。 このような構成によれば、先ず、プラテンに付着し
たインクを転接するローラ状の第1のクリーニング部材
で吸収し、わずかに残留するインクを摺擦する第2のク
リーニング部材により完全に拭き取ることで、プラテン
上の付着インクを完全に清掃除去することが可能とな
る。請求項2〜の発明は、上記構成に加えて、前記第
1のクリーニング部材と前記第2のクリーニング部材と
の間に前記プラテン上の固着インクを研削除去するため
の研削部材を設け、該研削部材によって研削されたイン
クを前記第2のクリーニング部材で清掃する構成、前記
クリーニング手段は、所定の時間間隔で動作する構成、
あるいは、前記クリーニング手段は、記録手段を清掃す
るためのワイピング部材を清浄化するための第3のクリ
ーニング部材を備えた構成とすることにより、一層効率
よく、上記目的を達成するものである。
【0013】
【実施例】図1は本発明を適用したインクジェット記録
装置の一実施例の構成を模式的に示す縦断面図であり、
本実施例のインクジェット記録装置Pは原稿等を読み取
る読み取り装置からの画像信号に基づいて記録するよう
に構成されている。図1において、記録装置Pの最下部
には被記録材1がロール状に巻回して収納されている。
この被記録材1は、まず、一対のローラから成る第1の
搬送ローラ2および一対のローラから成る第2の搬送ロ
ーラ3によって引き出されながら搬送される。次いで、
カッター等から成る被記録材切断手段4を通過した後、
一対のローラから成る副走査ローラ5および一対のロー
ラから成る引っ張りローラ6に達する。また、予め定形
サイズにカットされた被記録材1は、給紙部7からピッ
クアップローラ8によって1枚づつ送り出され、図示の
例では、前記第2の搬送ローラ3へ給送され、前述と同
様、カッター等から成る被記録材切断手段4を通過した
後、一対のローラから成る副走査ローラ5および一対の
ローラから成る引っ張りローラ6に達する。
【0014】被記録材1に対する記録(画像形成)は、
前記副走査ローラ5と引っ張りローラ6との間に設けら
れた記録部20で行なわれる。この記録部20には、被
記録材1に画像を形成するための記録手段(記録ヘッ
ド)21およびプラテン29が配設されている。このプ
ラテン29は、被記録材1の記録面の位置を規制するた
めにその裏面を支持するものであり、通常の支持面を有
するものの他、例えば、静電吸着やエア吸引により積極
的に被記録材1を密着保持するように構成してもよい。
記録された被記録材1は、一対のローラから成る排出ロ
ーラ9によって、排出口10から装置外へ排出される。
なお、前記記録手段21はキャリッジ24に装着されて
おり、該キャリッジ24は一対のガイドレール11、1
2に沿って被記録材1の幅方向(紙面に垂直な方向)に
往復移動可能に案内支持されている。
【0015】図2および図3は、図1の本発明を適用し
たインクジェット記録装置の記録部20を前方から見た
斜視図であり、図2は記録動作の途中の状態を示し、図
3は記録動作を終了した後にクリーニング手段でプラテ
ンを清掃している状態を示す。図2および図3におい
て、キャリッジ24に装着された記録手段(記録ヘッ
ド)21は、それぞれ異なるインクを使用する4個の記
録手段(記録ヘッド)21C、21M、21Y、21B
で構成されている。カラー記録の場合、これらの記録ヘ
ッド21C、21M、21Y、21Bで使用するインク
の色として、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブ
ラックの各色が使用される。なお、以下の説明では、前
記記録手段21C、21M、21Y、21Bのいずれか
任意の一つまたは全体を指す場合には、単に記録手段2
1または記録ヘッド21で示すことにする。
【0016】前記記録手段(記録ヘッド)21は、イン
クを吐出するために利用される熱エネルギーを発生する
電気熱変換体を備えているものである。また、前記記録
手段21は、前記電気熱変換体が発生する熱エネルギー
によってインクに生じる膜沸騰による気泡の生成を含む
インクの状態変化に基づいて前記吐出口からインクを吐
出するものである。
【0017】図4は前記記録手段(記録ヘッド)21の
インク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。
図3において、前記被記録材1と所定の隙間(例えば、
約0.5〜1.5ミリ程度)をおいて対面する吐出口面
51には、所定のピッチで複数の吐出口52が形成さ
れ、共通液室53と各吐出口52とを連通する各液路5
4の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生する
ための電気熱変換体(発熱抵抗体など)55が配設され
ている。図1〜図3に示すインクジェット記録装置で
は、各記録手段(記録ヘッド)21は、前記複数の吐出
口52がキャリッジ24の主走査方向(移動方向)と交
叉する方向に並ぶような位置関係で、該キャリッジ24
に搭載されている。こうして、画像信号または吐出信号
に基づいて対応する電気熱変換体55を駆動(通電)し
て、液路54内のインクを膜沸騰させ、その時に発生す
る圧力によって吐出口52からインクを吐出する記録手
段(記録ヘッド)21が構成されている。
【0018】図2および図3において、前記記録手段2
1にインクを供給するためのインクタンク(例えば、イ
ンクカートリッジ)13は、前記キャリッジ24と同期
して主走査方向に移動するキャリッジ23に搭載されて
いる。このインクタンク13は、4個の記録手段21に
対応する4個のインクタンク13C、13M、13Y、
13Bで構成されており、これらのインクタンクにはシ
アン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクが
収納されている。そして、これらのインクタンク13
C、13M、13Y、13B内のインクは、不図示のポ
ンプにより、チューブ22C、22M、22Y、22B
を通して、各記録手段21C、21M、21Y、21B
へ供給される。なお、以下の説明では、前記インクタン
ク13C、13M、13Y、13Bおよび前記チューブ
22C、22M、22Y、22Bのいずれか任意の一つ
または全体を指す場合にも、単にインクタンク13およ
びチューブ22で示すことにする。
【0019】図2および図3において、記録手段21の
キャリッジ24は、モータ14により、駆動プーリ1
5、従動プーリ16およびベルト17を介して矢印B方
向に往復駆動される。前記モータ14は記録手段21の
主走査(被記録材1の幅方向の記録位置)を規制するた
めのものであり、高精度で駆動制御される。また、イン
クタンク13のキャリッジ23は、モータ18により、
駆動プーリ19、従動プーリ25およびベルト26を介
して、記録手段のキャリッジ24と同期して、同じく矢
印B方向に往復駆動される。本実施例では、インクタン
ク13を記録手段21とともに主走査方向に移動可能と
することにより、インク供給用のチューブ22に加わる
ストレスを解消し、また、記録手段21のキャリッジ2
4とインクタンク13のキャリッジ23を別駆動とする
ことにより、比較的重量体であるインクタンクの移動に
よって発生する振動等が記録手段21側へ伝播すること
を防止している。
【0020】さらに、副走査ローラ5および引っ張りロ
ーラ6は、同期回転駆動可能に不図示のモータに接続さ
れている。搬送時には、引っ張りローラ6の方が副走査
ローラ5より若干速い周速度で回転する。副走査ローラ
5は、被記録材1を記録手段21に対して正確に紙送り
するためのものであり、その回転は正確に制御される。
【0021】図2および図3において、被記録材1は、
一対のローラから成る副走査ローラ5と同じく一対のロ
ーラから成る引っ張りローラ6に挟持され、両ローラ間
で記録手段21によって記録される。引っ張りローラ6
の搬送速度は副走査ローラ5の搬送速度よりやや大きく
設定され、被記録材1に所定の張力を与えることにより
該被記録材の平面度を保つように駆動される。被記録材
1の記録面と反対側の面(裏面)は、記録手段21と対
向配置された平面部を有するプラテン29によって支持
されている。このプラテン29は、記録部20における
被記録材1の記録面の位置を規制するためのものであ
り、通常の支持面を有する構造のものでもよいが、その
他に、例えば、静電吸着やエア吸引により積極的に被記
録材1を密着支持するように構成してもよい。なお、前
記プラテン29の被記録材支持面は、副走査ローラ5お
よび引っ張りローラ6で形成される搬送面よりも僅かに
記録ヘッド21側へ突出して配置されている。
【0022】記録手段21の移動範囲内であって、前記
プラテン29の範囲外(図2および図3におけるプラテ
ン29の左側の記録領域外)には、記録手段21の吐出
口面51を清掃するためのワイピング部材30と、該記
録手段21の吐出口52から空吐出されるインクを受け
るためのインク吸収体31が配設されている。前記ワイ
ピング部材30は、記録手段21の吐出口面51と当接
し、キャリッジ24の動きを利用して該吐出口面51に
付着したインクやゴミ、すなわち正常なインク吐出を妨
げる付着物を拭き取って除去し得るように構成されてい
る。また、図示の例では、4個の記録手段21に同一の
ワイピング部材30を接触させるため、それぞれの吐出
口52近傍のインクが混色する可能性がある。そこで、
所定のタイミング(記録前など)で、各記録手段21の
吐出口52から混色の可能性のあるインクを吐出して廃
棄する動作(空吐出)が行なわれる。前記インク吸収体
31は、この空吐出されるインクを受けるためのもので
ある。
【0023】そこで、停止している被記録材1に対し
て、記録手段21による記録が図2中の左側から開始さ
れ、記録幅Hの画像記録32を右側まで行なって1行分
の記録が終了する。前記記録手段21による記録は、画
像読み取り部R(図1)で得られた画像情報に基づいて
行なわれる。1行分の記録が終了すると、各キャリッジ
23、24は左側の所定位置まで戻される(キャリッジ
リターン)。このキャリッジ23、24の戻り移動の間
に、副走査ローラ5および引っ張りローラ6を所定量駆
動することにより、被記録材1が矢印A方向(搬送方
向)に所定量(通常、1行の幅Hに対応する量)だけ紙
送りされる。前記副走査ローラ5および引っ張りローラ
6を停止させて紙送りを終了させた後、次の行の記録が
開始される。以下同様の記録動作を繰り返すことによ
り、被記録材1の全域に対する記録が行なわれる。
【0024】なお、図示のインクジェット記録装置で
は、4個の記録手段21を使用することにより、フルカ
ラーの画像を形成することができる。また、ロール状の
被記録材1を使用する場合には、図1中の被記録材切断
手段(カッター)4によって所望長さに切断され、前記
給紙部7からの定形サイズの被記録材1を使用する場合
には、前記被記録材切断手段4による切断は行われな
い。記録が終了すると、被記録材1は、一対のローラか
ら成る排出ローラ9によって排出口10から機外へ排出
される。
【0025】本発明を適用したインクジェット記録装置
においては、図2および図3に示すような、前記プラテ
ン29の表面を清掃するためのクリーニング手段100
が設けられている。このクリーニング手段100は、イ
ンクタンク13を搭載したキャリッジ23を往復動させ
るためのベルト26の一部に連結されたキャリッジ10
1と、該キャリッジ101上に揺動可能に装着されたク
リーニング部材(詳細は後述する)とを備えている。本
実施例ではインクタンク13のキャリッジ23と別設し
ているが、該キャリッジ23上あるいは記録手段21の
キャリッジ24上に前記クリーニング手段100を搭載
する構成にしてもよい。
【0026】図5は本発明を適用したクリーニング手段
100の第1実施例の構成および動作を示す平面図であ
る。図5において、キャリッジ101に搭載されたクリ
ーニング手段100は、プラテン29の表面に対して転
接する第1のクリーニング部材102と、該プラテン2
9の表面に対して摺擦する第2のクリーニング部材10
5とを備えている。第1のクリーニング部材102は、
ローラ状であり、第1の押圧板バネ103に設けた垂直
軸104を中心に回転自在に軸支(装着)されている。
第2のクリーニング部材105は、シート状であり、第
2の押圧板バネ106に固定されている。
【0027】第1のクリーニング部材102および第2
のクリーニング部材105は、いずれも、インク吸収性
能に優れた多孔質部材(例えば商品名で、ベルイータ、
ルビセルクリーン等)で形成されている。前記第1およ
び第2のクリーニング部材102、105が取り付けら
れた前記第1および第2の押圧板バネ103、106
は、それぞれ、キャリッジ101に設けられた支軸10
7を中心に揺動可能なアーム108に取り付けられてい
る。
【0028】そこで、揺動駆動手段であるソレノイド1
09を励磁し、前記アーム108を戻しバネ110に抗
して二点鎖線の位置から実線の位置へ揺動(回動)させ
ることにより、両クリーニング部材102、105は前
記プラテン29の表面(被記録材1を支持するプラテン
面)に押圧接触させられる。一方、前記ソレノイド10
9を消磁すると、戻しバネ110によってアーム108
がキャリッジ101の一部に当接するまで戻り方向(実
線位置から二点鎖線位置へ向かう方向)に回動し、両ク
リーニング部材102、105はプラテン29の表面か
ら離反させられる。
【0029】前記クリーニング手段100によるプラテ
ン29の清掃は、図3に示すように、該プラテン29上
に被記録材1が存在しない時(例えば、前後の被記録材
1の間)に行なわれる。所定枚数の被記録材1の記録が
終了した時点では、記録ヘッド21、インクタンク13
およびクリーニング手段100は、図3における右側端
部にある。そして、これらが記録ヘッド21のホームポ
ジションへ戻る行程、すなわち、各キャリッジ23、2
4、101が図3における左側端部へ向けて移動する
時、前記クリーニング部材102、105をプラテン2
9の表面に当接させ、かつ転接および摺擦させながら、
該プラテン29に付着したインクを吸収除去および拭き
取り除去する。このプラテン29を清掃する時のキャリ
ッジ101の移動方向は、図5中では矢印Fで示されて
いる。
【0030】第1のクリーニング部材102および第2
のクリーニング部材105を備えた前記クリーニング手
段100は、図2および図3に示すように記録のための
主走査方向で記録手段(記録ヘッド)21より上流側に
配置することが好ましい。その理由は、記録のためのイ
ンク吐出時にインクミストが発生し、その時画像に寄与
しない微小液滴も同時に吐出され、さらに記録のための
主液滴が被記録材1に着弾した時に一部が弾けて生じる
微小液滴によりインクミスト発生することから、クリー
ニング手段100を記録ヘッド21より上流側に配置す
ることにより、該クリーニング手段100がインクミス
トで直接汚染されることを防止できるからである。
【0031】また、クリーニング手段100を記録ヘッ
ド21より下流側に配置する場合は、該記録ヘッドより
離れた位置に配置するか、あるいは、記録動作中(クリ
ーニング部材102、105が離反した状態)にクリー
ニング部材102、105にカバー等を被せて露出させ
ないようにすれば良い。なお、上記記録ヘッドより離れ
た位置とは、例えば記録密度400dpiで吐出周波数
が2.5KHZ (主走査速度が158.75mm/se
c)の場合、最も近い記録ヘッドから50mm以上、望
ましくは1001mm以上離れた位置にクリーニング手
段100を配置することである。
【0032】次に、プラテン面29に転接および摺擦さ
せる第1および第2のクリーニング部材102、105
の働きについて説明し、その後で上記第1実施例の作用
効果について説明する。インクジェット記録装置では、
被記録材1のジャムや斜行、あるいはキャリッジ101
の脱調などが生じると、プラテン29に直接記録するこ
とにより該プラテンを多量のインクで汚染してしまうこ
とがある。このようなインクで汚染されたプラテン29
は前記クリーニング部材102、105で清掃する必要
がある。
【0033】図6はインクで汚染されたプラテン29を
転接するローラ状の第1のクリーニング部材102のみ
で清掃する場合を示す模式図であり、図7はインクで汚
染されたプラテン29を摺擦するシート状の第2のクリ
ーニング部材105のみで清掃する場合を示す模式図で
あり、図8はインクで汚染されたプラテン29を第1お
よび第2のクリーニング部材102、105で清掃する
上記第1実施例の動作を示す模式図である。
【0034】転接するローラ状の第1のクリーニング部
材102で清掃する場合は、図6に示すように、第1の
押圧板バネ103によりプラテン面29に押圧され、該
第1のクリーニング部材102はプラテン面29に沿っ
て転接しながらインクIを吸収していく。その場合、プ
ラテン29上のインク量が多いと、大半のインクは吸収
除去されるものの、完全には除去されず、図6に示すよ
うに、一部のインクが残留してしまう。
【0035】一方、摺擦するシート状の第2のクリーニ
ング部材105で清掃する場合は、図7に示すように、
第2の押圧バネ106によりプラテン面29に押圧さ
れ、該第2のクリーニング部材105はプラテン面29
に沿って摺擦しながらインクIを吸収していく。その場
合、プラテン29上のインク量が多いと完全には吸収し
て拭き取ることができず、図7に示すように、付着イン
クの一部が引き伸ばされてプラテン面29上の汚染範囲
が広がってしまう。
【0036】これに対し、上記第1実施例においては、
図5に示すように第1および第2のクリーニング部材1
02、105を設けたので、図8に示すように、先ず、
転接するローラ状の第1のクリーニング部材102でイ
ンクIを吸収し、わずかに残留するインクは摺擦するシ
ート状の第2のクリーニング部材105により完全に拭
き取られるので、プラテン面29上の付着インクを完全
に清掃除去することができる。
【0037】前記クリーニング手段100を動作させる
タイミングとしては、図1中のロール状被記録材1また
はカットシート給紙部からの被記録材の所定枚数の記録
を終了した時に、プラテン29上に被記録材が存在しな
い時点を選んで動作させるように制御する。このような
クリーニング動作により、通常の記録動作中に発生して
プラテン29に付着するインクミストを清掃除去するこ
とができる。また、ジャム(紙詰まり)等の不具合が生
じた場合には、ジャムリカバリー後に、クリーニング手
段100を動作させてインク汚染した恐れのあるプラテ
ンを清掃すれば、プラテン面29にインクが付着すると
いう前述の従来の不具合を完全に解消することができ
る。
【0038】図9は本発明を適用したクリーニング手段
100の第2実施例の構成および動作を示す平面図であ
る。例えばインクの主成分が揮発性に富むアルコール等
である場合には、プラテン面29に付着するインクは素
早く乾燥し始め、吸収性能に優れた多孔質部材だけでは
完全に取り除くことができず、インクは次第にプラテン
29上に固着してしまう。そこで、図9の第2実施例で
は、摺擦するシート状の第2のクリーニング部材105
の一部にサンドペーパーのごとき研削部材111が設け
られている。本実施例のその他の構成は図5の第1実施
例の場合と実質上同じであり、それぞれ対応する部分を
同一符号で示し、それらの詳細説明は省略する。
【0039】図9の第2実施例によれば、第1のクリー
ニング部材102と研削部材111付きの第2のクリー
ニング部材105をプラテン面29に圧接させてキャリ
ッジ101を矢印F方向に移動させると、先ず、転接す
るローラ状の第1のクリーニング部材102でプラテン
29上の付着インクIを吸収し、次いで研削部材111
で付着または固着しているインクを削り取る。通常、研
削部材111自身による捕集能力は殆ど期待することが
できない。そこで、さらに、摺擦するシート状の第2の
クリーニング部材105でプラテン29上の異物を拭き
取り除去してしまう。こうして、プラテン面29を完全
に清掃することができる。なお、前記研削部材111と
してサンドペーパーを用いる場合、400〜1000メ
ッシュ程度の目の粗さのものが適当である。
【0040】次に本発明を適用したクリーニング手段1
00の第3実施例について説明する。プラテン29上の
インクが固着している場合、これを再溶解すれば、前述
の第1実施例のクリーニング手段によっても吸収および
拭き取り除去することが可能になる。そこで、第3実施
例では、前述の第1実施例において、プラテン29上の
固着インクを清掃除去する手段としての前記第1および
第2のクリーニング部材102、105の少なくとも一
方にインク溶剤が含浸させてある。そして、これらのク
リーニング部材102、105をプラテン面29に押圧
して転接、摺擦させることにより、固着インクを再溶解
するとともにこれを吸収除去および拭き取り除去してい
く。
【0041】本実施例(第3実施例)は以上の点でのみ
前述の第1実施例と相違しており、その他の部分では実
質上同じ構成をしている。また、本実施例の一変更例と
して、インク溶剤として無色透明なクリアインクを用
い、クリアインク専用の記録ヘッドを搭載し、クリーニ
ング手段100が動作する時に、記録ヘッドから直接プ
ラテン面にクリアインクを供給(吐出)して固着インク
を再溶解し、しかる後に第1および第2のクリーニング
部材102、105をプラテン面29に押圧して転接お
よび摺擦することにより、上記再溶解したインクを吸収
除去および拭き取り除去するように構成してもよい。
【0042】図10は関連構成を有するクリーニング手
段の第1参考例を備えたインクジェット記録装置の記録
部の前面斜視図である。本参考例では、クリーニング手
段100として、モータ(不図示)で回転駆動されるロ
ーラ状のクリーニング部材102が使用され、キャリッ
ジ101を移動させてクリーニング動作を行う際には、
該クリーニング部材102を回転駆動しながらプラテン
面29に押圧することにより該プラテン面の清掃が行わ
れる。その場合、ローラ状のクリーニング部材102
は、キャリッジ101の移動速度とは異なる周速で回転
駆動され、所望の周速差をもってプラテン面29の清掃
が行われる。図10の第1参考例のその他の構成は図2
および図3に示す前述の各実施例の場合と実質上同じで
あり、それぞれ対応する部分を同一符号で示し、それら
の詳細説明は省略する。
【0043】なお、図10の第1参考例でも、クリーニ
ング部材102の材質としては、前述と同様、商品名が
ベルイータ、ルビセルクリーン等の多孔質部材を使用す
ることができる。以上の構成の第1参考例によれば、ロ
ール状のクリーニング部材102はプラテン面29に周
速差をもって押圧されるので、該プラテン面に対してク
リーニング部材102のより多くの外周面を当接させな
がら、該プラテン面上のインクの吸収除去および拭き取
り除去を行うことができ、1個のクリーニング部材10
2のみでもプラテン面29を効果的に清掃することがで
きる。
【0044】図11は関連構成を有するクリーニング手
段の第2参考例を備えたインクジェット記録装置の要部
を示す模式的縦断面図である。本参考例は、円形断面の
他多角形断面のローラから成るプラテンローラ121を
用いる記録装置において、記録位置と概略反対側の位置
にクリーニング手段100を配設する構成を有してい
る。図11において、被記録材1は、不図示の搬送手段
により1対のガイド120、120に案内され、プラテ
ンローラ121上の記録位置122に導入される。記録
ヘッド123はインクカートリッジ124とともにキャ
リッジ126に搭載されている。このキャリッジ126
は、プラテンローラ121と平行に配置された主走査レ
ール125、125に沿って往復移動可能に案内支持さ
れている。記録時には、このキャリッジ126を図示奥
行き方向に移動させながら、記録ヘッド123からイン
クを吐出して被記録材1に記録していく。
【0045】図11において、プラテンローラ121の
記録位置と反対側には、クリーニング手段100を構成
するインク溶剤供給部130と拭き取り部134が配置
されている。インク溶剤供給部130は、無色透明なク
リアインク131が貯蔵されたタンク132とクリアイ
ンク131をプラテンローラ121の外周面まで導くフ
ェルト133とを備えている。前記クリアインク131
はプラテンローラ121に付着し増粘または固着したイ
ンクを溶解するためのものであり、該クリアインク13
1としては、例えば発色のための染料などを添加する前
のインク液などを使用することができる。
【0046】前記拭き取り部134はプラテンローラ1
21と平行に配された軸135にローラ状のインク吸収
体136を取付けた(軸支した)構造を有し、該インク
吸収体(ローラ)136はプラテンローラ121に当接
し矢印方向に回転する。以上説明した図11(第2参考
)の構成によれば、プラテンローラ121外周面に付
着したインク(増粘または固着インク)はインク溶剤供
給部130から供給されるクリアインクによって再溶解
され、この液状のインクは拭き取り部134のインク吸
収体136により吸収除去される。こうして、プラテン
ローラ121は、完全に清掃された外周面で被記録材1
を支持することになる。
【0047】図12は本発明を適用したインクジェット
記録装置のクリーニング手段100の第実施例を示す
平面図である。本実施例は、図2および図3の記録部に
おいて、プラテン29上の記録ヘッド21の移動範囲内
に、該記録ヘッドの吐出口面51を拭き取り清掃するた
めのワイピング部材30を設け、さらに、図12のクリ
ーニング手段100において、第1および第2のクリー
ニング部材102、105を支持するアーム108の他
端部に上記ワイピング部材30を清掃するための第3の
クリーニング部材112を設けたものである。この第3
のクリーニング部材112は、ロール状のインク吸収体
で形成され、シャフト113により回転自在に軸支され
ている。
【0048】この第4実施例は、以上の点で前述の第1
実施例と相違するが、その他の部分では実質上同じ構成
をしており、それぞれ対応する部分を同一符号で示し、
それらの詳細説明は省略する。図12の第実施例は、
記録ヘッド(記録手段)21による記録動作中には、図
示のように、アーム108に支持された第1および第2
のクリーニング部材102、105はプラテン面29よ
り離反し、アーム108の他端に支持された第3のクリ
ーニング部材112はプラテン面29に対し所定隙間の
接近位置にあるように構成されている。
【0049】本実施例(第実施例)によれば、アーム
108を図12に示す位置(ソレノイド109がオフの
位置)にしてキャリッジ101を矢印F方向に移動させ
る場合、クリーニング手段100が被記録材1を支持す
るプラテン面(被記録材搬送領域)を通過してさらに移
動すると、第3のクリーニング部材112がワイピング
部材(吐出口面51を清掃する部材)30に当接し、こ
の当接または通過したところでキャリッジ101を停止
させる。したがって、本実施例のクリーニング手段10
0によれば、第1および第2のクリーニング部材10
2、105でプラテン面29に付着したインクを清掃
し、これとともに、第3のクリーニング部材112でワ
イピング部材30に付着したインクを吸収除去すること
ができる。
【0050】前記ワイピング部材30には記録手段21
の吐出口面51から掻き落としたインクやゴミ(紙粉
等)が付着しやすく、これらが増粘したり固着してしま
うと、再び吐出口面51を清掃する際に増粘インク等が
逆に該吐出口面側へ転移し、インク吐出不良や記録ヨレ
などの原因となることがある。しかし、上記の第6実施
例によれば、第3のクリーニング部材112によりワイ
ピング部材30上の増粘インクやゴミ等を清掃除去でき
るので、そのような不具合を完全に解消することができ
る。
【0051】また、クリーニング手段100がワイピン
グ部材30を通過する時にソレノイド109を動作させ
て第1または第2のクリーニング部材102または10
5で該ワイピング部材30を清掃してもよいが、該ワイ
ピング部材30に付着するインクが比較的多量であるた
め、第1のクリーニング部材102または第2のクリー
ニング部材105をその清掃に用いると、捕集した異物
が逆にプラテン面29側へ転移する恐れがある。したが
って、図12の実施例のように、ワイピング部材30に
のみ当接して清掃する第3のクリーニング部材112を
設けることがより好ましい。
【0052】以上説明した実施例によれば、被記録材1
を支持するプラテン29の表面を清掃するクリーニング
手段100を設ける構成にしたので、小サイズ紙を記録
した後で大サイズ紙を記録する場合、あるいは繊維間隙
間がある被記録材や開口部を有する加工紙に記録する場
合においても、プラテン29上のインク付着を無くして
被記録材1の裏汚れを防止することが可能になる。ま
た、プラテン29に付着するインク(特に増粘または固
着インク)に起因する被記録材1の斜行やシワの発生、
あるいはこれらに因る記録ヘッド21の損傷などの不具
合を解消することにより、さらには、記録ヘッド21の
吐出口面51を清掃するためのワイピング部材をクリー
ニングすることでインク吐出不良等の画像欠陥の発生を
防止することができる。 また、プラテンに付着したイン
クを、先ず、転接するローラ状の第1のクリーニング部
材で吸収し、わずかに残留するインクを摺擦する第2の
クリーニング部材により完全に拭き取ることができるこ
とから、プラテン上の付着インクを完全に清掃除去する
ことができ、被記録材の裏面汚れを防止するとともに、
被記録材の斜行及びシワや記録ヘッドの損傷などの可能
性を解消することができる。 それによって、記録品位を
安定的に維持することが可能なインクジェット記録装置
が提供される。
【0053】なお、以上の各実施例では、被記録材1に
沿って移動するキャリッジを用いて記録ヘッド21およ
びクリーニング手段100を往復移動させるシリアルタ
イプの場合を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録
材の幅方向記録領域の全体または一部に対応する長さの
ライン記録手段を用いるライン型のインクジェット記録
装置など、走査方式の種類に関係なく、同様に適用する
ことができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0054】また、以上の各実施例における記録手段
(記録ヘッド)としては、記録ヘッドとインクタンクを
一体にした交換可能なカートリッジタイプの記録手段、
あるいは、記録ヘッドとインクタンクを別体とし、例え
ば、カプラーおよびチューブを介して結合する構造の記
録手段など、種々の構造の記録手段を使用することがで
きる。さらに、以上の各実施例では、異なる色で記録す
る複数の記録手段を備えたカラー記録装置の場合を例に
挙げて説明したが、本発明は、1個の記録手段(記録ヘ
ッド)を備えた記録装置、あるいは色彩が同じで濃度が
異なる複数の記録手段を使用する諧調記録用の記録装置
など、記録手段の個数に関係無く同様に適用でき、同様
の作用効果を達成し得るものである。
【0055】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出
する方式のインクジェット記録装置において優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。
【0056】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液
体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0057】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0058】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0059】さらに、前述のように、記録装置が記録で
きる被記録材(記録媒体)の最大幅に対応した長さを有
するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明
は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、
複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす
構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでもよい。加えて、上例のようなシリアル
タイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、
あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気
的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交
換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッ
ド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0060】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる記録ヘッドに対しての回復手段または予備的な補
助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定で
きるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対しての、前述のようなキャッピング
手段、クリーニング手段、吸引回復手段の他に、加圧式
の回復手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別
の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定した
記録を行なうために有効である。
【0061】また、前述したように、搭載される記録ヘ
ッドの種類ないし個数についても、例えば、単色のイン
クに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や
濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けら
れるものであってもよい。すなわち、例えば、記録装置
の記録モードとしては、黒色等の主流色のみの記録モー
ドだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数
個の組み合わせによるか、いずれでもよいが、異なる色
の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも
一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0062】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、
積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0063】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0064】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
(請求項1)によれば、被記録材を支持するプラテン
と、記録手段から前記被記録材に吐出され前記プラテン
に付着したインクを清掃するためのクリーニング手段
と、を有したインクジェット記録装置において、前記ク
リーニング手段は、前記プラテンの表面に対して回動し
て転接する第1のクリーニング部材と、摺擦移動する第
2のクリーニング部材と、を有しており、第1のクリー
ニング部材による転接清掃、第2のクリーニング部材に
よる摺擦清掃の順で前記プラテンを清掃する構成とした
ので、先ず、プラテンに付着したインクを転接するロー
ラ状の第1のクリーニング部材で吸収し、わずかに残留
するインクを摺擦する第2のクリーニング部材により完
全に拭き取ることができ、それによって、プラテン上の
付着インクを完全に清掃除去することができ、被記録材
の裏面汚れを防止するとともに、被記録材の斜行及びシ
ワや記録ヘッドの損傷などの可能性を解消して記録品位
を安定的に維持することができるインクジェット記録装
置が提供される。
【0066】請求項2〜の発明によれば、上記構成に
加えて、前記第1のクリーニング部材と前記第2のクリ
ーニング部材との間に前記プラテン上の固着インクを研
削除去するための研削部材を設け、該研削部材によって
研削されたインクを前記第2のクリーニング部材で清掃
する構成、前記クリーニング手段は、所定の時間間隔で
動作する構成、あるいは、前記クリーニング手段は、
録手段を清掃するためのワイピング部材を清浄化するた
めの第3のクリーニング部材を備えた構成としたので、
一層効率よく上記効果を達成できるインクジェット記録
装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例の構成を示す模式的縦断面図である。
【図2】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例の要部構成の記録動作時の状態を示す前面斜視図
である。
【図3】図2と同一部分であってプラテンを清掃してい
るクリーニング動作時の状態を示す前面斜視図である。
【図4】図1〜図3における記録手段のインク吐出部の
一部を模式的示す部分斜視図である。
【図5】本発明を適用したインクジェット記録装置のク
リーニング手段の第1実施例を示す平面図である。
【図6】図5中の第1のクリーニング部材のみでプラテ
ン面を清掃する場合の状態を示す模式図である。
【図7】図5中の第2のクリーニング部材のみでプラテ
ン面を清掃する場合の状態を示す模式図である。
【図8】図5のクリーニング手段でプラテン面を清掃す
る場合の状態を示す模式図である。
【図9】本発明を適用したインクジェット記録装置のク
リーニング手段の第2実施例を示す平面図である。
【図10】関連構成を有するクリーニング手段の第1参
考例を備えたインクジェット記録装置の要部構成を示す
前面斜視図である。
【図11】関連構成を有するクリーニング手段の第2参
考例を備えたインクジェット記録装置の要部構成を示す
模式的縦断面図である。
【図12】本発明を適用したインクジェット記録装置の
クリーニング手段の第実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 被記録材 5 副走査ローラ 6 引っ張りローラ 9 排出ローラ 13 インクタンク 14 記録手段のキャリッジモータ 18 インクタンクのキャリッジモータ 20 記録部 21 記録手段(記録ヘッド) 23 インクタンクのキャリッジ 24 記録手段のキャリッジ 29 プラテン(プラテン面) 30 ワイピング部材 31 空吐出用のインク吸収体 32 記録画像 51 吐出口面 52 吐出口 53 共通液室 54 液路 55 電気熱変換体 100 クリーニング手段 101 キャリッジ 102 転接するクリーニング部材 103 第1の押圧板バネ 104 垂直軸 105 摺擦するクリーニング部材 106 第2の押圧板バネ 107 支軸 108 揺動アーム 109 揺動駆動手段(ソレノイド) 110 戻しバネ 111 研削部材 112 第3のクリーニング部材 121 プラテンローラ 122 記録位置 123 記録ヘッド 125 主走査レール 126 キャリッジ 130 インク溶剤供給部 131 クリアインク 132 タンク 133 フェルト 134 拭き取り部 136 ローラ状のインク吸収体 I 付着インク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175 B41J 2/165 B41J 29/17

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録材を支持するプラテンと、記録
    手段から前記被記録材に吐出され前記プラテンに付着し
    たインクを清掃するためのクリーニング手段と、を有し
    たインクジェット記録装置において、 前記クリーニング手段は、前記プラテンの表面に対して
    回動して転接する第1のクリーニング部材と、摺擦移動
    する第2のクリーニング部材と、を有しており、第1の
    クリーニング部材による転接清掃、第2のクリーニング
    部材による摺擦清掃の順で前記プラテンを清掃すること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のクリーニング部材と前記第
    2のクリーニング部材との間に前記プラテン上の固着イ
    ンクを研削除去するための研削部材を設け、該研削部材
    によって研削されたインクを前記第2のクリーニング部
    材で清掃することを特徴とする請求項1のインクジェッ
    ト記録装置。
  3. 【請求項3】 前記クリーニング手段は、所定の時間
    間隔で動作することを特徴とする請求項1のインクジェ
    ット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記クリーニング手段は、記録手段を
    清掃するためのワイピング部材を清浄化するための第3
    のクリーニング部材を備えたことを特徴とする請求項1
    のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項1のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項5のインクジェット記録装置。
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