JP3025110B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3025110B2
JP3025110B2 JP25389792A JP25389792A JP3025110B2 JP 3025110 B2 JP3025110 B2 JP 3025110B2 JP 25389792 A JP25389792 A JP 25389792A JP 25389792 A JP25389792 A JP 25389792A JP 3025110 B2 JP3025110 B2 JP 3025110B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録手段から被記録材へ
インクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンなどの出力機器として用いられる記録装置は、画像情
報(文字情報等を含む)に基づいて用紙やプラスチック
薄板等の被記録材(記録媒体)に画像(文字等を含む)
を記録していくように構成されている。前記記録装置
は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット
式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることがで
きる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査するシリアルスキャン方式を採るシリ
アルタイプの記録装置においては、被記録材を所定の記
録位置にセットした後、被記録材に沿って移動するキャ
リッジ上に搭載した記録手段)によって画像を記録(主
走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り
(被記録材搬送)を行い、その後に再び停止した被記録
材に対して、次の行の画像を記録(主走査)するという
動作を繰り返すことにより、被記録材全体の記録が行わ
れる。一方、被記録材の搬送方向の副走査のみで記録す
るラインタイプの記録装置においては、被記録材を所定
の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を行ない
ながら連続的に紙送り(ピッチ送り)を行い、被記録材
全体の記録が行われる。
【0004】上記記録装置のうち、インクジェット式の
記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記
録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行う
ものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高
精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別
の処理を必要とせずに記録することができ、ランニング
コストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少
なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記
録するのが容易であるなどの利点を有している。中で
も、紙幅方向に多数の吐出口を配列したフルマルチタイ
プの記録手段を用いるライン型のものは、記録の一層の
高速化が可能である。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。一
方、被記録材の材質に対する要求も様々なものがあり、
近年では、通常の被記録材である紙や樹脂薄板(OHP
等)などの他に、薄紙や加工紙(ファイリング用のパン
チ孔付き紙やミシン目付き紙、任意な形状の紙など)な
どを使用することが要求されるようになってきた。
【0006】インクジェット記録装置においては、被記
録材に着弾するインク液滴の位置および形成を適正に維
持して画像品位を確保する観点から、記録手段(記録ヘ
ッド)の吐出口面と被記録材の記録面との距離(以下、
紙間距離とも言う)を一定値に保つ必要がある。そのた
め、従来のインクジェット記録装置では、記録部(画像
形成部)を有するゴムローラ等から成るプラテンが多く
使用されており、このプラテンローラに被記録材を密着
させ、その近傍を記録ヘッドで記録する方式が採られて
いる。その場合、プラテンローラを保持している部材と
記録ヘッドを保持している部材とを突き当てることによ
り、紙間距離を決める構成が採られている。また、イン
クジェット記録装置では、通常、吐出口の吐出性能を維
持回復するための回復動作が必要であり、そのために記
録ヘッド自身を移動させる必要がある。一方、プラテン
に密着された被記録材に対する記録は、位置が固定され
たプラテンローラの円周上またはその近辺に記録ヘッド
を位置決め固定して行なう必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のインクジェット記録装置では、記録ヘッドは、上記
回復動作のためには移動可能に保持せねばならず、一
方、記録を行なう際にはプラテンローラの円周上に位置
決め固定する必要があり、そのため、記録ヘッドを移動
させるための各構成部品間のガタを無くすとともに各構
成部品自身の精度を高めねばならず、記録ヘッドの保持
機構が複雑で高価なものになってしまうという不都合が
ある。さらに、被記録材をプラテンローラに押し付ける
構成であるため、該被記録材と記録ヘッドの吐出口面と
の距離は、該プラテンローラの振れ、真円度および円筒
度等の影響を非常に受け易いという不都合もある。
【0008】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、きわめて簡単な構
成で吐出口面と被記録材との距離を高精度で設定するこ
とができ、しかも搬送手段のコストダウンを図ることが
可能なインクジェット記録装置を提供することである。
【0009】
【課題解決のための手段】本発明の特徴は、記録部を有
するプラテンを従来のローラからガイド板等の固定部材
に変え、記録ヘッドを該固定部材の両側部分に突き当て
て位置決めを行ない、従来のプラテンローラで行なって
いた被記録材の搬送機能を別のローラに持たせる構成を
採ることにより、記録ヘッドとプラテンとの距離の精度
を高めるとともに、ローラから成る搬送手段のコストダ
ウンを図るものである。
【0010】すなわち、本発明(請求項1)は、上記目
的を達成するため、記録手段に対向して配される被記録
材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装
置において、前記記録手段に対向する記録位置へ前記被
記録材を搬送するための搬送ローラと、前記記録位置で
前記記録手段に対して回転することなく前記被記録材の
裏面を案内する板プラテンと、前記板プラテンに配さ
れ、前記記録手段に当接して前記板プラテンと前記記録
手段との間隔を所定の間隔に維持するように両者の相対
位置を決定するための位置決め手段と、を有することを
特徴とする。
【0011】他の本発明(請求項2)は、上記目的を達
成するため、記録手段に対向して配される被記録材へイ
ンクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置にお
いて、前記記録手段に対向する記録位置へ前記被記録材
を搬送するための搬送ローラと、前記記録位置で前記記
録手段に対して回転することなく前記被記録材の裏面を
案内する板プラテンと、前記記録手段に配され、前記板
プラテンに当接して当該板プラテンと前記記録手段との
間隔を所定の間隔に維持するように両者の相対位置を決
定するための位置決め手段と、を有することを特徴とす
る。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置
の第1実施例の要部を示す模式的斜視図であり、図2は
図1のインクジェット記録装置の模式的縦断面図であ
る。図1および図2において、1は上部平面上に記録部
を有するプラテン(第1のガイド部材)、2は用紙やプ
ラスチック薄板等のシート状の被記録材、3は被記録材
2を記録部へ搬送するための搬送ローラ、4は搬送ロー
ラ3に圧接されて被記録材2に摩擦搬送力を付与するた
めの押圧ローラ、5はフルライン型の記録手段(記録ヘ
ッド)、6は被記録材2を前記プラテン1の記録部(上
面)近傍に押さえ付けるための被記録材押圧板(第2の
ガイド部材)、7は記録ヘッド5をプラテン1に向けて
付勢するヘッド押圧バネ、8は記録部の上流側で被記録
材2を案内するガイド板である。
【0013】前記フルライン型の記録ヘッド5の吐出口
面(被記録材2と対向する面)には、副走査(搬送方向
の移動)のみで記録できるように、被記録材2の全幅に
対応する範囲にわたって吐出口が配列されている。ま
た、この記録ヘッド5は、プラテン(第1のガイド部
材)1に対して接近および離反する方向(図示の例では
上下方向)に移動自在に保持されている。そこで、前記
プラテン1の両側(被記録材2の通紙範囲を挟む両側)
には、所定高さの突起9が設けられている。そして、前
記ヘッド押圧バネ7によって記録ヘッド5の両端部をこ
れらの突起9に押し付けることにより、該記録ヘッド5
の吐出口面とプラテン(第1のガイド部材)1との距離
が一定に保たれている。
【0014】前記記録ヘッド(インクジェットヘッド)
5は、例えば、16個/ミリの密度でA3サイズの短手
幅にわたり約4800個の吐出口を有するマルチヘッド
であり、その場合の各吐出口の口径は30ミクロン以内
である。この記録ヘッド5は、熱エネルギーを利用して
インクを吐出するインクジェットヘッドであって、熱エ
ネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたもので
ある。また、このヘッド5は、前記電気熱変換体によっ
て印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気
泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐
出口よりインクを吐出するものである。
【0015】図3は、記録ヘッド5のインク吐出部の構
造を模式的に示す部分斜視図である。図3において、記
録ヘッド5の基板51上には、薄膜53の層を介在させ
て、半導体と同様の製造工程(薄膜成形法等)によっ
て、複数の電気熱変換体52およびこれらに対応する配
線が形成されている。各電気熱変換体52は、図示のよ
うに、それぞれの吐出口59および液路56に対応する
位置に配列されている。前記基板51上(該基板51上
の薄膜53の上)には、下面に所定間隔で平行に形成さ
れた複数の液路壁54Aを有する液路形成部材54が接
合されている。さらに、前記液路形成部材54の上面に
は、天板55が接合されている。前記各液路壁54Aの
間に液路56が形成されるが、前記液路形成部材54
は、各液路56の内部の所定位置に前記各電気熱変換体
52が配置されるような位置関係で位置決め接合されて
いる。
【0016】前記各液路壁54Aは所定の長さを有し、
各液路56の後端は、前記液路形成部材54と前記基板
51(または薄膜53)との間に形成される共通液室5
7に連通している。一方、各液路56の他端(先端)は
記録ヘッド5の吐出口面(フェイス面)58にて開口し
ており、それぞれの開口部によって吐出口59が形成さ
れている。こうして、発熱抵抗体等の電気熱変換体52
に通電(パルス電圧の印加)してこれを発熱させること
により、液路56内のインクを膜沸騰させ、その時の圧
力変化により吐出口59からインク滴を吐出させるイン
クジェットヘッド5が構成されている。この記録ヘッド
5は、複数の吐出口59の配列方向が被記録材(記録用
紙等)2の搬送方向と交叉する姿勢で取り付けられ、吐
出口面58と被記録材2との距離(紙間距離)は、例え
ば約0.5〜2.0ミリ程度に設定される。なお、図1
および図2の実施例では、記録ヘッド5は、その吐出口
面58を下向きにして取り付けられることになる。
【0017】図1〜図3に示したインクジェット記録装
置の動作は次のとおりである。先ず、プラテン1から充
分に離れた位置で待機状態にあった記録ヘッド5が、記
録位置へ移動してくる。この時、記録ヘッド5は、上下
に自由に動くことができるので、図2中の左右の位置が
最初に決められ、次にプラテン1に向かって下りてく
る。このプラテン1には、記録ヘッド5の記録領域より
外側の両端に前記突起9が設けられており、これらの突
起9の高さは、プラテン1の記録位置の平面から吐出口
面58までの距離が適正値となるように精度良く形成さ
れている。そのため、下降してきた記録ヘッド5が前記
突起9に突き当たり、該記録ヘッド5の上下方向の位置
決めが行なわれる。さらに、記録ヘッド5は、前記ヘッ
ド押圧バネ7により荷重をかけて固定される。
【0018】次に、被記録材2が、搬送ローラ3と押圧
ローラ4に挟まれ、該搬送ローラ3の回転により搬送さ
れる。搬送される被記録材2は、ガイド板8と搬送ロー
ラ3の曲率に沿って曲げられながら進行し、被記録材押
圧板(第2のガイド部材)6とプラテン(第1のガイド
部材)1の間にその先端が当接する。この時には、被記
録材2の先端が搬送ローラ3の周面から離れている。し
たがって、被記録材2が前記被記録材押圧板6を通過し
てさらに記録位置へ進んだ状態では、該被記録材2と記
録ヘッド5の吐出口面58との距離(紙間距離)は、プ
ラテン1の前記突起9によって決まる。
【0019】上記実施例によれば、記録ヘッド5の位置
決めは該記録ヘッドとプラテン(第1のガイド部材)1
の二つの部品のみによって行なわれ、かつプラテン1は
ローラやベルトのように回転しないので、記録ヘッド5
とプラテン1との距離は、他の部材の加工および組み付
け上の精度や回転ムラや振れなどの影響を受けることな
く、高い精度で確実に設定することが可能になった。さ
らに、従来のプラテンローラでは、その長手方向全域に
わたってゴム等の摩擦部材を巻き付ける必要があった
が、上記実施例では、搬送ローラ3は、軸方向所定範囲
のみにローラを配置する分割構造にすることができ、し
かも、上記プラテンローラほど高い精度を要求されない
ことから、該搬送ローラ3のコストダウンを図ることも
可能になった。
【0020】なお、前述の実施例では、プラテン1の両
側に紙間距離決定用の突起9を設けたが、この突起9
は、記録ヘッド5に設けてもよく、さらに、記録ヘッド
5およびプラテン1の双方に設けてもよい。また、前記
プラテン1を可撓性部材で構成するとともに、前記ヘッ
ド押圧バネ7を省略し、記録ヘッド5を該プラテン1に
押し付けることにより紙間距離を高精度に設定するよう
に構成してもよい。
【0021】図4は本発明を適用したインクジェット記
録装置の第2実施例の要部構成を示す模式的斜視図であ
る。本実施例はインクジェット記録装置がシリアル型で
ある場合を示す。図4において、記録ヘッドは被記録材
2の幅方向に往復移動可能なキャリジ11に装着されて
おり、一方、キャリジ11の移動を案内するためのガイ
ドレール10は可撓性部材から成るプラテン(第1のガ
イド部材)1の上に固定されている。この場合もプラテ
ン1の両側には突起9が設けられており、前記ガイドレ
ール10は該突起9の上面に押し付けられた状態で固定
されている。そして、記録を行なう場合には、キャリジ
11を上方から前記ガイドレール10に押圧することに
より、プラテン1の弾性を利用して紙間距離を高精度で
決定することができる。被記録材2に対する画像形成
は、キャリジ11を押圧状態で前記ガイドレール10に
沿って移動させるとともに、これに同期して該キャリジ
11上の記録ヘッドからインクを吐出させることにより
行なわれる。なお、本実施例のようなシリアルスキャン
方式においては、記録ヘッドの吐出口面には、キャリジ
11に装着された状態で、該キャリジ11の移動方向と
直角の方向に配列される複数個の吐出口が設けられてい
る。
【0022】図4の第2実施例は、上記の点で図1〜図
3の第1実施例と相違するが、その他の部分では実質上
同じ構成をしており、それぞれ対応する部分を同一符号
で示し、それらの詳細説明は省略する。この第2実施例
によれば、紙間距離は、プラテン1の突起9とその上に
固定されたガイドレール10とによって決定されるの
で、第1実施例の場合と同様、他の部材の加工および組
み付け上の精度や回転ムラや振れなどの影響を受けるこ
となく、高い精度で確実に紙間距離の設定を行なうこと
が可能になった。さらに、第1実施例の場合と同様、搬
送ローラ3は、紙送り機能のみ果たせばよいので、従来
のプラテンローラほどの精度を要求されることがなく、
かつ軸方向所定範囲のみにローラを配置する分割構造に
することもできるので、該搬送ローラ3のコストダウン
を図ることも可能になった。
【0023】図5は本発明を適用したインクジェット記
録装置の第3実施例の要部構成を示す模式的縦断面図で
ある。本実施例は、図1および図2の第1実施例におけ
る搬送ローラ3および押圧ローラ4を取り除き、互いに
圧接する一対のレジストローラ20、21で被記録材2
の搬送手段を構成したものである。このレジストローラ
20、21は、送給された被記録材2の先端を搬送方向
と直角の方向に正しく矯正し、然る後に該被記録材2を
記録部へ向けて搬送するものである。そして、本実施例
では、このレジストローラ20、21の搬送力だけで被
記録材2をプラテン1上の記録位置まで搬送するように
構成されている。
【0024】図5の第3実施例は、以上の点で図1〜図
3の第1実施例と相違するが、その他の部分では実質上
同じ構成をしており、それぞれ対応する部分を同一符号
で示し、それらの詳細説明は省略する。この第3実施例
によっても、前述の第1実施例の場合と同様、記録ヘッ
ド5の位置決めは該記録ヘッドとプラテン(第1のガイ
ド部材)1の二つの部品のみによって行なわれ、かつプ
ラテン1はローラやベルトのように回転しないので、紙
間距離は、他の部材の加工および組み付け上の精度や回
転ムラや振れなどの影響を受けることなく、高い精度で
確実に設定することができる。さらに、本実施例でも、
搬送手段としてのレジストローラ20、21は、従来の
プラテンローラほど高い精度を要求されることがなく、
かつ機能軸方向所定範囲のみにローラを配置する分割構
造にすることもできるので、搬送手段のコストダウンを
図ることが可能になった。
【0025】図5の第3実施例においても、第1実施例
の場合と同様、紙間距離決定用の突起は、記録ヘッド5
に設けてもよく、プラテン1と記録ヘッド5の双方に設
けてもよい。さらに、プラテン1を可撓性部材で構成す
るとともに、ヘッド押圧バネ7を省略し、記録ヘッド5
を該プラテン1に押し付けることにより紙間距離を高精
度に設定するように構成してもよい。
【0026】なお、前述の各実施例では、1個の記録ヘ
ッドで記録する場合を例示したが、本発明は、異なる色
で記録する複数の記録ヘッドを用いるカラーインクジェ
ット記録装置、あるいは同一色彩で濃度の異なるインク
で記録する複数の記録ヘッドを用いる階調記録用のイン
クジェット記録装置など、記録ヘッドの数や記録色に関
係なく広く適用することができ、同様の効果が得られる
ものである。また、本発明は、記録ヘッドとインクタン
クを一体化する場合、記録ヘッドとインクタンクを別体
にする場合など、記録ヘッドとインクタンクの配置形態
がどのようなものであっても、同様に適用することがで
き、同様の効果を達成し得るものである。
【0027】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出
する方式のインクジェット記録装置において優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。
【0028】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液
体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0029】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0030】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0031】さらに、前述のように、記録装置が記録で
きる被記録材(記録媒体)の最大幅に対応した長さを有
するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明
は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、
複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす
構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでもよい。加えて、上例のようなシリアル
タイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、
あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気
的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交
換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッ
ド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0032】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる記録ヘッドに対しての回復手段または予備的な補
助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定で
きるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリー
ニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれ
とは別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加
熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行
なうことも安定した記録を行なうために有効である。
【0033】また、前述したように、搭載される記録ヘ
ッドの種類ないし個数についても、例えば、単色のイン
クに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や
濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けら
れるものであってもよい。すなわち、例えば、記録装置
の記録モードとしては、黒色等の主流色のみの記録モー
ドだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数
個の組み合わせによるか、いずれでもよいが、異なる色
の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも
一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0034】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、
積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0035】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0036】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
(請求項1の発明)によれば、記録手段に対向して配さ
れる被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェ
ット記録装置において、前記記録手段に対向する記録位
置へ前記被記録材を搬送するための搬送ローラと、前記
記録位置で前記記録手段に対して回転することなく前記
被記録材の裏面を案内する板プラテンと、前記板プラテ
ンに配され、前記記録手段に当接して前記板プラテンと
前記記録手段との間隔を所定の間隔に維持するように両
者の相対位置を決定するための位置決め手段と、を有す
る構成としたので、記録手段と板プラテンの相対位置の
位置決めが当該記録手段と板プラテンの二つの部品のみ
によって行なわれ、かつ板プラテンはローラやベルトの
ように回転しないことから、記録手段と板プラテンとの
距離は、他の部材の加工および組み付け上の精度や回転
ムラや振れなどの影響を受けることなく、高い精度で確
実に設定することが可能となり、さらに、従来のプラテ
ンローラのようにその長手方向全域にわたってゴム等の
摩擦部材を巻き付ける必要がなく、かつ、搬送ローラは
軸方向所定範囲のみに配置される分割構造のものを使用
できるとともに上記プラテンローラほど高い精度を要求
されないことから、搬送ローラのコストダウンを図るこ
とができるインクジェット記録装置が提供される。
【0038】他の本発明(請求項2の発明)によれば、
記録手段に対向して配される被記録材へインクを吐出し
て記録を行うインクジェット記録装置において、前記記
録手段に対向する記録位置へ前記被記録材を搬送するた
めの搬送ローラと、前記記録位置で前記記録手段に対し
て回転することなく前記被記録材の裏面を案内する板プ
ラテンと、前記記録手段に配され、前記板プラテンに当
接して当該板プラテンと前記記録手段との間隔を所定の
間隔に維持するように両者の相対位置を決定するための
位置決め手段と、を有する構成としたので、記録手段と
板プラテンの相対位置の位置決めが当該記録手段と板プ
ラテンの二つの部品のみによって行なわれ、かつ板プラ
テンはローラやベルトのように回転しないことから、記
録手段と板プラテンとの距離は、他の部材の加工および
組み付け上の精度や回転ムラや振れなどの影響を受ける
ことなく、高い精度で確実に設定することが可能とな
り、さらに、従来のプラテンローラのようにその長手方
向全域にわたってゴム等の摩擦部材を巻き付ける必要が
なく、かつ、搬送ローラは軸方向所定範囲のみに配置さ
れる分割構造のものを使用できるとともに上記プラテン
ローラほど高い精度を要求されないことから、搬送ロー
ラのコストダウンを図ることができるインクジェット記
録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
1実施例の要部を示す模式的斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置の要部の模式的
縦断面図である。
【図3】図1中の記録手段のインク吐出部の構造を模式
的に示す部分斜視図である。
【図4】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
2実施例の要部を示す模式的斜視図である。
【図5】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
3実施例の要部を示す模式的縦断面図である。
【符号の説明】
1 第1のガイド部材(プラテン) 2 被記録材 3 搬送ローラ 4 押圧ローラ 5 記録手段(記録ヘッド) 6 第2のガイド部材(被記録材押圧板) 7 ヘッド押圧バネ 8 ガイド板 9 突起 10 ガイドレール 11 キャリジ 20 レジストローラ 21 レジストローラ 52 電気熱変換体 56 液路 58 吐出口面 59 吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−27949(JP,A) 実開 平2−19554(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 25/312 B41J 2/01 B41J 13/10 B41J 15/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段に対向して配される被記録材へ
    インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に
    おいて、 前記記録手段に対向する記録位置へ前記被記録材を搬送
    するための搬送ローラと、 前記記録位置で前記記録手段に対して回転することなく
    前記被記録材の裏面を案内する板プラテンと、 前記板プラテンに配され、前記記録手段に当接して前記
    板プラテンと前記記録手段との間隔を所定の間隔に維持
    するように両者の相対位置を決定するための位置決め手
    段と、 を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 記録手段に対向して配される被記録材
    へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置
    において、 前記記録手段に対向する記録位置へ前記被記録材を搬送
    するための搬送ローラと、 前記記録位置で前記記録手段に対して回転することなく
    前記被記録材の裏面を案内する板プラテンと、 前記記録手段に配され、前記板プラテンに当接して当該
    板プラテンと前記記録手段との間隔を所定の間隔に維持
    するように両者の相対位置を決定するための位置決め手
    段と、 を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録手段が前記板プラテンに向か
    うバネ付勢力を受けていることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記板プラテンが可撓性部材であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット
    記録装置。
  5. 【請求項5】 前記板プラテンと前記記録手段との間
    に、被記録材の表面を案内する被記録材押圧板を配設す
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記被記録材押圧板が前記板プラテン
    により位置決めされることを特徴とする請求項5に記載
    のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記
    録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項7に記載のインクジェット記録装置。
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KR101677566B1 (ko) * 2015-06-17 2016-11-21 (주)훠링 차량용 커텐장치

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