JPWO2005118304A1 - 被記録媒体、該被記録媒体の製造方法、及び該被記録媒体を用いた画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
インクジェット記録方式の利用拡大に伴い、記録の高速化、高精細化、フルカラー化等の記録特性の更なる向上が要求され、記録装置、記録方法の改良が行なわれている。これと共に、かかる要求に対応するために、従来から多種多様の被記録媒体が提案されてきている。例えば、支持体表面にインク吸収性の塗工層を設けたインクジェット記録用紙についての提案や(例えば、特開昭55−5830号公報参照)、被記録媒体用支持体に積層されるインク受容層中の顔料として非晶質シリカを用いることが提案されている(例えば、特開昭55−5158号公報参照)。
用途の多様化に伴って記録画像の品位として、印字物のカールやコックリングの発生の低減も求められるようになってきた。これらの現象は、いずれもインク吸収によって被記録媒体に伸縮や歪みが生じるために発生するものと想定されている。ここでコックリングとは、被記録媒体の印字面がボコついたり波打ったりする現象を言う。このコックリング現象を回避する手段としては、これまでに下記に挙げるような方法の提案があった。
(1)特開平3−38376号公報、特開平3−199081号公報、特開平7−276786号公報及び特開平8−300809号公報には、特定範囲の水中伸度、浸水伸度の紙を用いる被記録媒体が記載されている。しかしながら、これらに記載されている技術概念は、被記録媒体全体が均等な水分を与えられた場合を前提としているため、インクジェット記録のように、部分的に異なる液体の付与状態となるものには対応できないものである。
(2)特開平10−46498号公報では、耐水化剤、高分子、サイズ剤等を用いて、繊維間に結合構造を形成する架橋処理が開示されており、印字後10秒後の浮き上がり量を1mm以下にする旨の開示がある。又、特開2002−201597号公報では、アルカリ処理を全面に施すマーセル化処理によってセルロース繊維を収縮させた被記録媒体が提案されており、インクジェット記録ヘッドに対する擦れを無くす旨の開示がある。尚、これらはいずれも、インク受容層が設けられていない被記録媒体についての提案である。
(3)特開2000−158805号公報には、インク受容層と支持体の間に撥水性成分を含むインク受理層を、又、特開2002−154268号公報ではインク受容層と支持体の間にポリウレタン等の熱可塑性樹脂の空隙層を、インク浸透を防止するバリアとしての中間層として設ける構成が記載されている。これらの中間層はいずれもインク浸透を防止するバリアとして作用してしまうため、大量のインクに対しては、印字されたインクが支持体にまで浸透しないため、インク吸収量やインク吸収速度が低下して、インク溢れやにじみが発生する場合がある。
(4)上記した公知文献における方法とは異なる方向の解決提案としては、以下のものがある。即ち、被記録媒体に付加構造を設けるもので、特開平2−270588号公報には支持体の両面にインク受理層を設けてなる被記録媒体が、又、特開2001−253160号公報にはインク受容層の反対面にバックコート層を設けてなる被記録媒体が、又、特開2002−2092号公報には支持体を貼り合せて二層化した被記録媒体が、夫々記載されている。
(5)他方、特開2002−211121号公報には、填料を含まない繊維状物質を主体とし且つサイズ材を使用しない(無サイズ)、単層繊維質構造のインク受容面に、カチオン樹脂とアルミナ水和物を有する水溶液を塗布してなる被記録媒体が開示されている。ここに開示されている構成によれば、繊維状物質の表面に、カチオン樹脂とアルミナ水和物とを存在させることができ、これによってアニオン性色材を確実にトラップできるので、100%ベタ画像に対して、コックリングがなく、カールも少なく、優れた画像形成ができると記載されている。
(6)特開2001−246840号公報は、パルプ繊維を主体とする基材の上に、無機顔料及びバインダーを有する塗工量1−10g/m2のインク受容層が形成されている被記録媒体が開示されている。比較例2には、サイズ処理した基材上にバインダーを含まないインク受容層を形成したところ、無機顔料であるアルミナ水和物がパルプ繊維に入り込んでしまい、パルプ表面を殆ど覆っていなかったことが記載されている。
そこで、更に支持体における繊維状物質に注目して調査検討したところ以下を確認した。特開2002−211121号公報ではアルミナ水和物とカチオン樹脂が繊維状物質にオンマシン塗工されているため、繊維状物質の表面にはアルミナ水和物がカチオン樹脂の付着によって制限され、部分散在したものになってしまう。この公報のものも後述するようにアルミナ水和物のコックリング抑制効果が十分に得られないことを確認した。
また、特開2001−246840号公報では、パルプと填料を含有し、サイズプレスがなされた支持体上を用いている。従って、この公報の比較例2のようにアルミナ水和物をバインダーなしで塗工してもアルミナ水和物は支持体繊維表面に付着することができず、パルプが形成する空間を埋め尽くしてしまうだけである。この構成は後述するようにコックリング抑制効果は得られないことを確認した。
以上の様に先行して提案されている各種の被記録媒体であっても、近年の高速印字を行なうプリンター等で画像形成を行なった場合に、画質、カール、コックリング、紙搬送性等の点で、必ずしも満足できるものがないことを確認した。
本発明は、このような新たな知見に基づく新規な課題を解決することを主たる目的とする。
本発明者は、コックリング発生メカニズムの繊維の膨潤、伸び等の変形による現象を追求し、繊維の水分吸収過多や許容空間内の変位自由度の多さが原因と考えた。そこで、繊維自体の水分保持量が適性化されるように拡散でき、同時に変位自由度をも規制できる手段を追求し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明の第1目的は、上記した100%を超えるインク量の印字を行なった場合に生じる新たな問題を解決し、濃度が高く、色調が鮮明である画像を形成でき、新たなカールやコックリングの発生原因を解消できるインク受容層を有する被記録媒体、及び該被記録媒体の製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、100%を超えるインク量であっても、インク溢れがなく、高濃度で色調が鮮明である画像を形成でき、新たなカールやコックリングの発生原因を解消するための被記録媒体用支持体(それ自体がインク受容層として機能する場合をも含む)、及び該被記録媒体用支持体の製造方法を提供することにある。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。本発明にかかる第1の実施形態は、支持体上にインク受容層を形成してなる被記録媒体において、上記支持体は繊維状物質を主体としており、該支持体のインク受容層に隣接している位置に、繊維状物質の表面がアルミナ水和物集合体によって被覆された状態の表面被覆部領域を有し、且つ上記インク受容層は、多孔質無機顔料を主成分とするものであることを特徴とする被記録媒体である。
ここで、上記表面被覆部領域が上記支持体の厚み方向に関して存在している範囲は、少なくとも20μmであることが好ましく、又、上記表面被覆部領域においてアルミナ水和物集合体は、繊維状物質の表面に付着していると共に、繊維状物質によって形成される空隙を閉鎖することなく残した状態であることが好ましい。特にこれに加えてアルミナ水和物集合体が、繊維状物質が互いに交差或いは近接して形成される、前記空隙よりはるかに小さい微小間隙を埋めていることが好ましい。又、上記において、多孔質無機顔料が、多孔質シリカ、多孔質炭酸カルシウム、多孔質炭酸マグネシウム、アルミナ水和物から選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、上記アルミナ水和物は、ベーマイト構造を有するものであることが好ましい。更に具体的には、アルミナ水和物の上記支持体への付着量が、片面あたり0.5g/m2以上、4g/m2以下であることが好ましく、又、アルミナ水和物は、繊維状物質にオンマシン塗工付与されたものであることが好ましい。
本発明にかかる第2の実施形態は、上記した被記録媒体を製造する方法であって、主として繊維状物質からなる支持体の一方の面にアルミナ水和物集合体を塗工して、繊維状物質の少なくとも表面がアルミナ水和物集合体によって被覆された表面被覆部領域を形成する工程と、該表面被覆部領域上に、多孔質無機顔料の水分散液を塗工、乾燥してインク受容層を形成する工程とを有することを特徴とする被記録媒体の製造方法である。ここで、上記インク受容層の形成工程において、多孔質無機顔料とバインダーとを主成分とする塗工液を乾燥固形分換算で5g/m2以上、30g/m2以下の塗工量となるように塗布することが好ましい。更には、上記において、填料を含まない繊維状物質を主体とし、且つ表面サイズ処理を行なわない(無サイズ)、単層繊維質構造の原紙を支持体として用いることが好ましい。
本発明にかかる第3の実施形態は、インク受容層を有する被記録媒体を形成する際に用いる被記録媒体用支持体であって、主として繊維状物質からなり、且つ該繊維状物質の表面がアルミナ水和物集合体によって被覆されている表面被覆部領域を有することを特徴とする被記録媒体用支持体である。
ここで、表面被覆部領域が上記支持体の厚み方向に関して存在している範囲は、少なくとも20μmあることが好ましい。又、上記表面被覆部領域においてアルミナ水和物集合体は、前記繊維状物質の表面に付着していると共に、繊維状物質によって形成される空隙を閉鎖することなく残した状態であることが好ましい。特にこれに加えてアルミナ水和物の集合体は、繊維状物質が互いに交差或いは近接して形成される、前記空隙よりはるかに小さい微小間隙を埋めていることが好ましい。
本発明にかかる第4の実施形態は、上記記載の被記録媒体用支持体の製造方法であって、上記表面被覆部領域を形成するための、表面サイズ処理を行なっていない支持体原紙に対してアルミナ水和物集合体を含み且つバインダーやカチオン樹脂を含まない溶液を塗布する工程を有することを特徴とする被記録媒体用支持体の製造方法である。更には、填料を含まない繊維状物質を主体とし、且つサイズ材を使用しない(無サイズ)、単層繊維質構造の原紙を支持体として用いることが好ましい。
本発明にかかる第5の実施形態は、繊維状物質を主体としており、インク滴が直接付与される(即ち、インク受容層が形成されていない)被記録媒体において、、該繊維状物質の表面がアルミナ水和物によって被覆された状態の表面被覆部領域を有することを特徴とする被記録媒体である。ここで、前記表面被覆部領域が上記支持体の厚み方向に関して存在している範囲は、20μm以上であることが好ましく、又、表面被覆部領域におけるアルミナ水和物集合体は、前記繊維状物質の表面に付着していると共に、繊維状物質によって形成される空隙を閉鎖することなく残した状態であることが好ましい。特にこれに加えてアルミナ水和物集合体は、繊維状物質が互いに交差或いは近接して形成される、前記空隙よりはるかに小さい微小間隙を埋めていることが好ましい。
本発明にかかる第6の実施形態は、上記記載の被記録媒体の製造方法であって、上記表面被覆部領域を形成するための、表面サイズ処理を行なっていない繊維状物質に対してアルミナ水和物を含み且つバインダーやカチオン樹脂を含まない溶液を塗布する工程を有することを特徴とする被記録媒体の製造方法である。
本発明にかかる別の実施形態は、上記した被記録媒体にインクを付与して印字を行なう画像形成方法が挙げられる。ここで、インクの液滴の被記録媒体への付与が、微細孔からインクの小滴を吐出させて被記録媒体に付与するインクジェット方法によるもの、或いは、インクの液滴の吐出が、インクに熱エネルギーを作用させることで行なわれるものであることが好ましい。
上記した本発明によって得られる代表的な効果は以下の通りである。
(1)本発明にかかる第1の実施形態は、その支持体及びインク受容層の厚みが相対的に薄い場合(例えば、10g/m2以下)に100%を超えるインク量の印字を行なった際にも、印字後のカール及びコックリングの増加発生は小さく、且つインク吸収性が良好で印字部に裏抜けが生じない。
(2)本発明にかかる第2の実施形態は、インク受容層の形成を高速に行なうことができるため、生産性が良好である。
(3)本発明にかかる第3の実施形態は、インク受容層の厚みが薄い場合でもインク吸収性が良い支持体を得ることができる。100%を超えるインク量の印字を行なった際にも、アルミナ水和物で繊維表面を被覆するため、繊維の表面状態や繊維間の空隙の大きさが均一になってインクの均一な拡散を行なうことができ、印字部の不均一な膨張や伸びの発生を防いでコックリングを低減することができる。
(4)本発明にかかる第4の実施形態は、表面サイズ処理を行なわないためインク吸収性の良い支持体を得ることができる。更に、バインダーを含まないアルミナ水和物分散液を塗工することで、繊維間の空隙を維持したまま繊維表面をアルミナ水和物で被覆することができる。その結果インクの均一な拡散を行なうことができ、印字部の不均一な膨張や伸びの発生を防いでコックリングを低減することができる。又、本発明の製造方法はオンマシン塗工を行なうことができるため生産性が高い。
(5)本発明にかかる第5の実施形態は繊維状物質を主体とする被記録媒体であって、繊維状物質の少なくとも表面近傍がアルミナ水和物で被覆されているため、インク吸収性とカールが良好である。
(6)本発明にかかる第6の実施形態は、本発明の製造方法であってオンマシン塗工を行なうことができるため生産性が高い。
図2は、本発明の被記録媒体の支持体1表面の電子顕微鏡写真。(1000倍)
図2Aは、図2の電子顕微鏡写真において更に拡大した箇所を示したもの。
図2Bは、図2Aの電子顕微鏡写真の2.2で囲った部分を拡大して撮影した電子顕微鏡写真。(1万倍)
図2Cは図2Aの電子顕微鏡写真の2.3で囲った部分を拡大して撮影した電子顕微鏡本発明の被記録媒体の支持体1表面の電子顕微鏡写真。(1万倍)
図2Dは、図2Aの電子顕微鏡写真の2.4で囲った部分を拡大して撮影した電子顕微鏡本発明の被記録媒体の支持体1表面の電子顕微鏡写真。(1万倍)
図2Eは、図2Aの電子顕微鏡写真の2.5で囲った部分を拡大して撮影した電子顕微鏡本発明の被記録媒体の支持体1表面の電子顕微鏡写真。(1万倍)
図2EBは、図2Eの電子顕微鏡写真の2.5.2で囲った部分を拡大して撮影した電子顕微鏡写真。(10万倍)
図2ECは、図2Eの電子顕微鏡写真の2.5.3で囲った部分を拡大して撮影した電子顕微鏡写真。(10万倍)
図3は、本発明の被記録媒体の支持体1表面の電子顕微鏡写真。(1000倍)
図4は、本発明の被記録媒体の支持体を示す断面図の模式図。
図5は、本発明の被記録媒体の支持体とインク受容層境界部を示す断面図の模式図。
図6は、本発明の実施例1と比較例3の被記録媒体について、印字されたインク量と被記録媒体の伸び率の関係を表す図。
図7は、本発明の被記録媒体の製造工程の実施例を説明するための概略図。
発明の詳細な説明
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明者は、支持体及びインク受容層のインク打ち込みによる変形に対して種々の検討を行なった。その結果、繊維状物質からなる支持体にアルミナ水和物を存在せしめて、その支持体上に多孔質性顔料を主成分とするインク受容層を形成した構成によって、特に、100%を超えるインク量の印字を行なった場合にコックリングの発生が低減できることを見出して本発明に至った。更に、繊維状物質からなり、アルミナ水和物を存在せしめた支持体上に、多孔質無機顔料を主成分とする水分散液を塗布、乾燥させることによってインク受容層を形成させる方法によって、上記コックリングの発生が低減できる被記録媒体が得られることを見出した。
図1は本発明にかかる被記録媒体の一例を示す概略断面図である。該被記録媒体は、図1に示すように、支持体1上に多孔質インク受容層2(以下、インク受容層という)が形成された構造である。支持体1とインク受容層2との界面には境界部9があり。両者はきちんと分離された構造を有する。そして、支持体1を構成する繊維状物質は、境界部9近く、即ち、支持体1のインク受容層2に隣接している位置近傍、にアルミナ水和物集合体で繊維状物質の表面が被覆された状態(41)の領域(表面被覆部領域4)を有している。この表面被覆部領域4は、支持体全体であっても良いが、図1に示した例では、支持体1の表面被覆部領域4より下層(インク受容層2と反対側、即ち裏面側)は、繊維状物質がアルミナ水和物で被覆されていない状態(42)にある。本発明は、図示した例に限定されず、少なくとも支持体のインク受容層に隣接している位置に、前記表面被覆部領域を有するものであれば足りる。表面被覆部領域4の上記支持体の厚み方向に関して存在している範囲としては、被記録媒体の目的に応じて適宜設定すればよいが少なくとも20μm程度あれば、本発明の効果がより一層確実に得ることができるので目安とすればよい。
平均粒径30nmのアルミナ水和物を水のみで分散した液を含浸させて形成した支持体の写真をもって以下説明する。
図2、3は、各々本発明にかかわる被記録媒体の支持体1の表面の各々異なる部分を1000倍で撮影した電子顕微鏡写真である。これらの写真から1000倍に拡大した状態では、繊維状物質のほぼ全面を覆うように平均粒径30nmのアルミナ水和物が夫々繊維の表面に対応して種々の付着、凝集、堆積状態を形成していることがわかる。繊維状物質によって形成される空間が、閉鎖されることなく残っている。図2において、繊維状物質が交差又は近接して形成された空隙の更に小さい微小間隙重なる領域においては、アルミナ水和物が多く付着していることが認められた。
アルミナ水和物の繊維状物質への付着状況を理解するために、更に倍率をあげて撮影した。
図2B、2C、2D、2Eは図2で撮影された表面部分の異なる部分を1万倍で撮影した電子顕微鏡写真である。各々の撮影部位については、図2Aに示した。
図2B乃至図2Eからは、アルミナ水和物は繊維状物質を部分的ではあるば、均等分布した状態で覆っていることがわかる。
図2EB、2ECは図2Eで撮影された表面部分の異なる部分を10万倍で撮影した電子顕微鏡写真である。各々の撮影部位については、図2Eに示した。図2EBより、アルミナ水和物が複数個集まって集合体を形成した状態で、繊維の方向に沿って付着していることがわかる。一方、図2ECより、繊維方向に沿って付着したアルミナ水和物上にさらにアルミナ水和物集合体重なって多孔質集合体を形成している部位が存在することがわかる。
図4は、本発明にかかる被記録媒体の支持体断面の電子顕微鏡写真を、図面化したものである。支持体1を構成する繊維間には、大きな空隙7と小さな空隙8が存在しているが、これらの空隙を形成している繊維状物質は、表面被覆部領域4においてはいずれもアルミナ水和物5で被覆されていて、図4に示したように、空隙7及び8はアルミナ水和物5が露出した状態で形成された空間となっている。尚、ここで「被覆された状態」というのは、200倍に拡大した電子顕微鏡写真でみて、ほぼ被覆されている状態を意味する。実質は、1000倍以上の電子顕微鏡写真でわかるように、繊維表面にアルミナ水和物の凝集体が多孔質を形成しつつ全体にわたって存在していることを意味する。繊維状物質が交差又は近接して形成された空隙はそのまま存在し、これよりもはるかに小さい微小間隙には、アルミナ水和物5が集中したアルミナ水和物集中部51が形成されて、微小間隙は、アルミナ水和物によって埋められた状態となっていることが好ましい。
図5は、本発明にかかる被記録媒体(支持体1とインク受容層2との境界部9を含む)の断面の電子顕微鏡写真を、図面化したものである。インク受容層2は、多孔質無機顔料3で形成され、多孔質無機顔料3の粒子間には空隙6が存在している。支持体1を構成する繊維状物質は、境界部9近くのものは、その表面全体がアルミナ水和物5で被覆された状態となっている(以下、表面被覆部領域4という)。図4に示したように、支持体1を構成する繊維間には、大きな空隙7と小さな空隙8が存在しているが、これらの空隙を形成している繊維状物質は、表面被覆部領域4においてはいずれもアルミナ水和物5で被覆されていて、図4に示したように、空隙7及び8はアルミナ水和物5が露出した状態で形成された空間となっている。繊維状物質が交差又は近接して形成された空隙の更に小さい微小間隙には、アルミナ水和物集合体5が集中したアルミナ水和物集中部51が形成されて、微小間隙は、多孔質のアルミナ水和物集合体によって埋められた状態となっている。
ここで、上記構成による作用について推定ではあるが機能的説明を行なう。繊維状物質の表面全体をアルミナ水和物で覆うことは、アルミナ水和物の凝集体がそれ自体微細孔を形成していることを意味する。これによって、繊維自体のインク(又は液)吸収性を維持したまま、各繊維間における繊維表面のバラツキを修正して、均一表面化を達成し、これによるインク吸収性の均一化を行なうことができる。これによって、繊維では液を吸収して膨潤、伸びが発生するが、その量がアルミナ水和物の存在によって適正に規制(余分なものは他に拡散して水存在量を均等化する)され、その自由度をある範囲内に抑制する。つまり、吸収したインクの拡散性が向上し、局部異常膨張によってもたらされる繊維変形を防止でき、同時にアルミナ水和物で繊維を覆うことによって繊維の変形割合を抑制することができる。又、繊維状物質の交差或いは近接していることで形成されていた微小間隙にアルミナ水和物が多く存在すること(穴を埋め尽くすものではない)は、繊維の強度を上げることができる。更に、繊維間の空隙を残す構成は、インク吸収による繊維変形を許容することで見かけ上の変化を吸収し、コックリングを減少することができる。加えて、支持体表面にインク受容層を有することは、この繊維が変形する上限規定をもたらし、全体の変位をなだらかにするものとして作用する。これらの構成のいずれかの組み合わせによって、インク吸収性とカール防止、コックリング防止、裏抜け防止の各効果に貢献しているものと考えられる。
以下に本発明にかかる被記録媒体の最も好ましい実施形態について説明する。更に、その評価方法として好ましいものについて説明する。
(支持体)
先ず、支持体を構成する繊維状物質としては、通常のLBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)に、嵩高性セルロース繊維、マーセル化されたセルロース、フラッフ化セルロース及びサーモメカニカルパルプ等の機械パルプを加えた配合のものが良い。パルプの配合をこのようにすれば、形成された支持体の剛性が高くなるためコックリングしにくくなる。嵩高いパルプの添加量は、全体の10質量%から30質量%とすることが好ましい。又、上記したようなパルプを用いて本発明で使用する支持体である紙を製造する場合には、表面サイズ処理は行なわないようにすることが好ましい。これは、表面サイズ処理によって繊維間の隙間が埋まってしまい、インク吸収性が低下するからである。
本発明では、支持体を形成している上記の繊維状物質は、少なくとも支持体の一方の面の表面付近において、アルミナ水和物で繊維の表面が被覆された状態になるようにする。このようにすることで、紙の繊維表面の濡れ性が改善される上に、後述するように、繊維間の濡れ性の違いがなくなり、インクの均一な浸透及び拡散が達成され、結果としてカールやコックリングの発生を抑制できる。この繊維には、表面サイズ剤は用いられていないことで、均等的付着分布が形成できる。又、他のカチオン性物質は用いられていない。カチオンが他にあるとアルミナ水和物の微粒子付着が適正に行われない。
上記において用いるアルミナ水和物は、ベーマイト構造のアルミナ水和物を用いることが好ましい。即ち、ベーマイト構造のアルミナ水和物は、インク(水や溶剤)との親和性が高いため、支持体の、インク吸収、浸透、拡散の速度を高くすることができる。これに対して、バインダーを用いることなく、又、カチオン粒子も用いないことが重要である。
アルミナ水和物の塗工方法としては、オンマシン塗工が好ましい。又、抄紙直後にアルミナ水和物を塗工するとよく、繊維状物質の所望する部分の繊維全体にアルミナ水和物の被覆が良好な状態に行なえる。更に、アルミナ水和物を塗工する塗工装置は、ゲートロール(図7参照)を使用することが最も好ましい。このような装置を使用すると、支持体へアルミナ水和物を浸透・塗工させる深さ(厚み)を適宜に制御できる。なお図7中、参照符号71、72、73、74、及び75は、それぞれ、支持体、アルミナ水和物分散液、塗布ローラー、搬送ローラー及びアルミナ水和物塗布部を表す。
(インク受容層)
インク受容層の形成に用いる多孔質無機顔料としては、多孔質シリカを用いることが好ましい。多孔質無機顔料は、空隙率が高く、該材料でインク受容層とした場合に、インクの吸収性、浸透性が良好なものとなる。本発明者の検討によれば、多孔質シリカをインク受容層の形成材料に用いた形態において、コックリングの低減効果が一番大きかった。尚、検討したインク受容層の形成材料の中で最も高い効果が得られた多孔質シリカは、シリカの細孔半径(粒子内細孔)が12nmのものであった。ここで、多孔質シリカは、一般に、半径50nm以下に容積が大きい細孔があると言われている(特公昭63−22997号参照)。又、紙の繊維間の空隙は、半径0.2μmから10μmの範囲に細孔を持つことが知られている(特公昭62−55996公報参照)。
(コックリングについての評価方法)
印字された被記録媒体はインクを吸収して寸法が変化する。従来、コックリングの評価は、うねりの高さと周期(単位長さあたりのうねりの数)、印字部の伸び率で測定を行なってきた。本発明においては、被記録媒体の伸び率で測定を行なった。伸び率が小さい被記録媒体の方が目視観察でコックリングは認識しにくいからである。実施例についての結果を図3に記したが、本発明にかかる被記録媒体に印字した場合には、100%を超えるインク量の印字を行なった場合においても伸び率が変わらず、コックリングが認められなかった。しかし、従来の被記録媒体では、この場合にはかなりな伸び率を示し、コックリングが認められた。
又、最近の検討では、うねりの高さは被記録媒体によってあまり変わっていなことがわかり、被記録媒体によって変わるのはうねりの周期であることがわかってきている。例えば、うねりの周期が短くなると目視でうねりが認識し易くなり、コックリングが生じていると判断される。逆に、うねりの周期が長くなると、コックリングが認識されにくくなる。
(効果)
上記した構成の被記録媒体は、画像を形成した場合に下記の効果が得られることを確認した。又、上記した構成の被記録媒体は、インク受容層の形成を高速に行なうことができるため、生産性が良好である。
1)印字後のカールが小さい。
2)印字後のコックリングが小さい。
3)インク吸収性が良好である。
4)印字部の裏抜けが発生しない。
上記構成の本発明にかかる被記録媒体にインクを付与して画像を形成した場合に、被記録媒体のコックリングの発生が低減される理由は、以下のようであると考えられる。図5を参照しながら説明する。被記録媒体に印字されたインク液滴はインク受容層2に吸収され、その後、支持体1へと浸透、拡散していく。コックリングは、被記録媒体の不規則なうねり(即ち、周期の短いうねりを含むもの)であるので、この際のインク吸収が均一であれば、うねりが認識されにくくなり、コックリングの発生を低減することができる。ここで、インク受容層2は、多孔質無機顔料3とバインダーとを主成分とする多孔質層からなっているので、インク受容層2においてはインク吸収を均一にすることは可能である。
しかしながら、支持体1を形成する繊維状物質は、形状が均一でないため、繊維間に形成される空隙の半径(大きさ)には広い分布があり、インク吸収を均一にすることは難しく、不規則なうねりが生じる。これに対し、本発明にかかる被記録媒体では、先に述べたように、インク受容層2との境界部9の近傍における繊維状物質の表面は、アルミナ水和物5で被覆されている。このため、この表面被覆部領域4にある繊維間の大きな空隙は、被覆されていない部分と比較して半径が小さくなっている。又、微小間隙は、アルミナ水和物集合体が集中してアルミナ水和物集合体で埋められている(図5の51で示した部分)。
以上の結果、本発明にかかる被記録媒体を構成する支持体の表面被覆部領域では、空隙の半径が比較的揃って、被覆しない場合と比較すると空隙の半径の分布は狭いものとなっている。その結果、インク受容層2に吸収され、該インク受容層2に隣接する支持体1の表面被覆部領域4に浸透したインクは、均一に拡散されると考えられる。更に、支持体1を構成する原紙は、製紙する際の叩解処理によって、細胞壁の部分の他にフィブリルと呼ばれる微細な繊維が絡み合った状態になっている。本発明にかかる被記録媒体では、支持体1を構成する表面被覆部領域の繊維状物質41は、図5に示したようにアルミナ水和物集合体5で被覆されているため、この繊維が絡み合った部分のインクに対する濡れ性も均一化され、実質同一になっている。この点でも、本発明にかかる被記録媒体は、支持体1に浸透したインクの浸透、拡散を均一にすることができる。
更に、本発明の被記録媒体では、アルミナ水和物集合体5が、支持体1を構成する表面被覆部領域の繊維状物質41に付着することによって、該繊維状物質41の吸水後の膨張率や変形率が抑えられて小さくなっている。又、該繊維状物質41は、アルミナ水和物集合体5で覆われていることによって繊維同士が強く結合されている。又、繊維状物質がアルミナ水和物集合体5で被覆されたことによって、インク受容層2と支持体間1の化学的な結合が発生していることが推測される。本発明者は、これらによって、印字物のコックリングの発生が低減されたものと推測している。
本発明にかかる被記録媒体は、インク吸収性が良好である。その理由は、支持体1がアルミナ水和物集合体5を含有したものであっても、先に述べたように、表面被覆部領域の繊維状物質間には大きな空隙7が存在しており、且つ、多孔質無機顔料を主成分としてなるインク受容層2には空隙6が存在していることから、支持体1とインク受容層2の境界面9で空隙が連続的につながった形になっているためであると推測している。
更に、本発明の被記録媒体では、上記した構成によって、支持体及びインク受容層が薄い場合でも、良好なインク吸収性が得られ、インク受容層に多量のインクを付与しても裏抜けが発生しないという効果も得られる。
本発明にかかる被記録媒体は、繊維状物質からなり、且つアルミナ水和物を一方の表面近傍に少なくとも存在させた支持体に、多孔質無機顔料を主成分とする水分散液を塗工、乾燥して得られるが、本発明者の検討によれば、多孔質無機顔料を主成分とする水分散液を塗工する工程において、塗布された分散液の色は支持体に接した瞬間に、白色からやや透明に変化する。この結果から、前記支持体と前記分散液との間で何らかの反応が生じていることが推測できる。又、塗布された分散液は、支持体に浸透することなく留まっている。この反応のため、本発明にかかる被記録媒体を製造する場合に、高速塗工を行なっても、インク受容層の多孔質構造は維持される上に、クラックの発生がない良好なインク受容層の形成が可能となるものと考えられる。
以下、本発明にかかる被記録媒体の各構成材料等について更に詳細に説明する。
(支持体の繊維状物質)
本発明の支持体は繊維状物質を主体としている。この繊維状物質としては、セルロースパルプを用いることができる。具体例を挙げると、例えば、広葉樹材及び針葉樹材から得られるサルファイトパルプ(SP)、アルカリパルプ(AP)、クラフトパルプ(KP)等の化学(ケミカル)パルプや、セミケミカルパルプ、セミメカニカルパルプ、機械(メカニカル)パルプ等、更には、脱墨された二次繊維である古紙パルプが使用可能である。又、パルプは、未漂白パルプ、漂白パルプの区別、及び叩解、未叩解の区別なく使用可能である。先に述べたように叩解又、セルロースパルプとしては、非木材パルプである、草、葉、靱皮、種毛等の繊維、例えば、わら、竹、麻、バガス、ケナフ、みつまた、コットンリンター等のパルプも使用できる。
本発明では、上記セルロースパルプに加えて、嵩高性セルロース繊維、マーセル化されたセルロース、フラッフ化セルロース及びサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ等から選択される少なくとも1種を添加して用いることができる。これらのパルプの添加によって、得られる被記録媒体のインク吸収速度、インク吸収量を向上させることができる。
更に、本発明の被記録媒体では、上記したセルロースパルプに加えて、微細フィブリル化セルロース、結晶化セルロース、広葉樹又は針葉樹を原料とする硫酸塩パルプ、亜硫酸塩パルプ、ソーダパルプ、ヘミセルラーゼ処理パルプ及び酵素処理化学パルプ等から選ばれる少なくとも1種を添加して用いることもできる。これらのパルプの添加によって、得られる被記録媒体表面の平滑性向上や、地合いが良くなるといった効果がある。
本発明では、支持体を形成する繊維状物質として、単層構造、多層構造のどちらの構造のものでも用いることができ、特に制限はない。多層構成の支持体の好ましい形態としては、例えば、特開2000−211250公報に記載された構成が挙げられる。
本発明では、支持体を構成する繊維状物質に、必要に応じて填料を加えることができる。例えば、填料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等の白色顔料を用いることができる。又、本発明では、被記録媒体のインク吸収速度を高くするために、填料無添加の構成を取ることも可能である。
本発明にかかる被記録媒体では、先に述べたように、繊維状物質の繊維間の空隙の存在が重要となる。従って、支持体を製造する場合には、表面サイズ処理のない無サイズ紙とする。これは、紙を製造する場合に、従来から行なわれている澱粉等によるサイズプレス処理をすると、繊維間の空隙が埋まってしまうからである。同時にアルミナ水和物集合体の繊維付着を形成できないためでもある。
本発明にかかる被記録媒体全体の坪量としては、坪量が少なくて被記録媒体が極端に薄くなければ、特に制限はない。例えば、坪量が、40g/m2以上、300g/m2以下の範囲であれば、プリンター等で印字する場合の搬送性の点で好ましい。更に好ましい範囲は、坪量が45g/m2以上、200g/m2以下の範囲のものである。この範囲とすれば、紙の折り曲げ強度が高くならずに不透明度を高くすることができる。更には、多数枚印字サンプルを重ねた時に、貼り付きが発生しにくくなる。
(支持体に付与するアルミナ水和物)
アルミナ水和物は正電荷を持っているため、被記録媒体に含有させておくことで、発色性に優れた画像が得られるという利点がある。ここで、アルミナ水和物は、下記の一般式により定義される。
Al2O3−n(OH)2n・mH2O 上記式中、nは0から3の整数の一つを表し、mは0乃至10、好ましくは0乃至5の値を示す。mH2Oの表現は、多くの場合に結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであり、そのために、mは、又、整数でない値をとることもできる。ただし、mとnは同時にゼロにならない。
本発明の被記録媒体中に存在するアルミナ水和物としては、X線回折法でベーマイト構造を示すアルミナ水和物が、インク吸収性、色材の吸着性及び発色性が良いので最も好ましい。本発明で用いられるベーマイト構造のアルミナ水和物は、X線回折法でベーマイト構造を示すものであり、好ましい材料としては、例えば、特許第2714350号公報、同2714351号公報及び同2714352号公報に記載されたものがある。本発明で好ましく用いられるアルミナ水和物は、多孔質構造のものである。
本発明にかかる被記録媒体において、特にコックリングを低減するために好ましいアルミナ水和物の範囲は以下のものが挙げられる。先ず、アルミナ水和物の形状は、平板状のものでは、平均アスペクト比が3以上、10以下の範囲で、平均粒子直径が、1nm以上、50nm以下の範囲のものが好ましい。又、アルミナ水和物の形状が毛状束のものでは、平均アスペクト比が3以上、10以下の範囲で、平均粒子長さが1nm以上、50nm以下の範囲のものが好ましい。使用するアルミナ水和物としては、そのBET比表面積が、70m2/g以上、300m2/g以下の範囲のものが好ましい。又、(010)面における垂直方向の結晶厚さは6.0nm以上、15.0nm以下の範囲が好ましい。尚、上記したアルミナ水和物についての各種の値の測定は、特開2002−211121号公報に記されている方法を用いることで行なうことができる。
(支持体の製造方法)
本発明の被記録媒体に用いる支持体の製造方法には、一般的に用いられている紙の製造方法を適用することができる。抄紙装置としては従来から用いられている長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤー等から選択して用いることができる。
本発明の被記録媒体では、通常の紙の製造方法で行なわれるサイズプレス工程の代わりにアルミナ水和物を塗工する。アルミナ水和物の塗工方法は、オンマシン塗工が好ましい。オンマシン塗工の方法としては、一般的な塗工方法を選択して用いることができる。例えば、ゲートロールコーター、サイズプレス、バーコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、スプレー装置等による塗工技術を採用することができる。
アルミナ水和物の塗工量は、多すぎる場合は層を形成してしまい、支持体の繊維間の空隙を確保することができなくなり、少なすぎると、先に述べた被記録媒体のコックリング低減効果が現れなくなる。本発明において好ましいアルミナ水和物の塗工量は、片面あたり0.5g/m2以上、4g/m2以下である。より好ましい範囲は、1g/m2以上、3g/m2以下である。この範囲内であれば、アルミナ水和物を繊維状物質に塗工する工程で液のはじきを防止することできる上に、支持体の表面強度を高くすることができる。
本発明では、オンマシン塗工された支持体に、更に、必要に応じてカレンダー処理やスーパーカレンダー処理を行なって表面を平滑にして得られた支持体を使用することができる。
(インク受容層の構成材料)
本発明にかかる被記録媒体のインク受容層を構成する主材料は、多孔質無機顔料とバインダーである。多孔質無機顔料としては、例えば、多孔質シリカ、多孔質炭酸カルシウム、多孔質炭酸マグネシウム等の中から選択して用いることができる。先に述べたように、細孔容積が大きい点で、多孔質シリカが最も好ましい。
本発明のインク受容層のバインダーとしては、下記に挙げる水溶性高分子の中から自由に選択することができる。例えば、ポリビニルアルコール又はその変性体(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性)、澱粉又はその変性体(酸化、エーテル化)、ゼラチン又はその変性体、カゼイン又はその変性体、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸又はその共重合体、アクリル酸エステル共重合体等を用いることが好ましい。これらのバインダーは、単独で或いは複数種混合して用いることができる。前記した多孔質無機顔料とバインダーとの混合比は、顔料100質量部に対して5から70部とすることが好ましい。バインダー量が上記範囲よりも少ない場合は、インク受容層の機械的強度が不足してクラックや粉落ちが発生する恐れがあり、バインダー量が上記範囲よりも多い場合は、インク受容層のインク吸収性が低下する恐れがある。
本発明にかかる被記録媒体では、発色性向上や画像の耐擦過性向上のために、インク受容層の形成にカチオン性物質を用いることが好ましい。カチオン性物質としては、例えば、4級アンモニウム塩、ポリアミン、アルキルアミン、ハロゲン化第4級アンモニウム塩、カチオン性ウレタン樹脂、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物等の材料の中から適宜に選択して用いることができる。
本発明にかかる被記録媒体では、インク受容層に含まれる上記したようなカチオン性物質等の電解質材料の添加量を制御することによって、被記録媒体の表面抵抗を制御することができる。本発明における表面抵抗の好ましい範囲は、1×109Ω/□以上、1×1012Ω/□以下の範囲である。被記録媒体は、例えば、インクジェット記録装置等の装置内を搬送される途中に帯電する場合がある。帯電した被記録媒体にインタジェット記録を行なうと、インクが被記録媒体にあたった後、跳ね返ってインクミストが発生する場合がある。しかし、被記録媒体の表面抵抗を上記範囲にすることによって、このようなインクミストの発生を少なくすることができる。
本発明では、上記したインク受容層の構成材料に、更に、分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等を、必要に応じて添加することも可能である。
(インク受容層の形成方法)
本発明のインク受容層を有する被記録媒体において、支持体上にインク受容層を形成する方法としては、前記した多孔質無機顔料、バインダー及びその他の添加剤等からなる水分散液を作り、該分散液を塗工機を用いて支持体上に塗布、乾燥する方法を用いることができる。この際に用いる塗工方法としては、一般に用いられているブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーターブラッシュコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、スプレー装置等による塗工技術を採用することができる。分散液の塗布量は、乾燥固形分換算で、5g/m2以上、30g/m2以下であれば、インク吸収性とコックリングの発生の抑制を満足することができる。より好ましい塗布量の範囲は、7g/m2以上、20g/m2以下である。この範囲内であれば、インク受容層の表面強度を強くすることができる。又、必要に応じてインク受容層形成後に、カレンダーロール等を用いてインク受容層の表面平滑性を良くすることも可能である。
(本発明の画像形成方法に使用するインク)
本発明にかかる画像形成方法は、インクの液滴を被記録媒体が備えるインク受容層の表面に付与して印字を行なうものであって、被記録媒体として、上記した構成の本発明にかかる被記録媒体を使用することを特徴とする。この場合に使用するインクは、主として、色剤(染料若しくは顔料)、水溶性有機溶剤及び水を含むものが利用できる。
染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等に代表される水溶性染料を用いることが好ましいが、上記した構成の本発明にかかる被記録媒体との組み合わせで、定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性、その他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれば、いずれのものも使用することができる。顔料としては、カーボンブラック等を用いることができる。この場合に顔料インクを調製する方法としては、顔料と分散剤を併用する方法、自己分散型顔料を用いる方法、顔料をマイクロカプセル化する方法等を用いることが可能である。
水溶性染料は、一般に水又は水と水溶性有機溶剤からなる溶媒中に溶解して使用するものであるが、これらの溶媒成分や、上記顔料を分散させる溶媒としては、好ましくは水と水溶性の各種有機溶剤等との混合物を使用する。この際には、インク中の水分含有量が、20質量%以上、90質量%以下の範囲内となるように調整することが好ましい。
又、上記水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール等の炭素数が1から4の範囲のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトン等のケトン又はケトンアルコール類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール等のアルキレン基が2から6個の炭素数を含むアルキレングリコール類、グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられ、これらから選択された1種、或いは2種以上を選択して組合せて用いることができる。
これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、特にジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類を用いることが好ましい。多価アルコール類は、インク中の水が蒸発し、水溶性染料が析出することに基づくノズルの目詰まり減少を防止するための潤滑剤としての効果が大きいため、特に好ましい。
インクには可溶化剤を加えることもできる。代表的な可溶化剤としては、含窒素複素環式ケトン類が挙げられるが、その目的とする作用は、水溶性染料の溶媒に対する溶解性を飛躍的に向上させることにある。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましく用いられる。更に、インクの特性の改善のために、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗調整剤等の添加剤を加えて用いることもできる。
(印字方法)
本発明にかかる被記録媒体に、上記で説明したようなインクを付与して画像形成を行なう方法としては、インクジェット記録方法が好適である。インクジェット記録方法としては、インクを微細孔(ノズル)より効果的に離脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であればいかなる方法でもよい。これらの中でも特に、特開昭54−59936号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット方式を特に有効に使用することができる。
1)印字装置
インクジェットプリンター990i(キヤノン社製)を記録装置として用いて、実施例及び比較例の各被記録媒体に印字を行なった。画像形成に用いたインク、染料は下記に示すものである。
水性インク組成(合計100部)
・下記染料 3部
・界面活性剤(サーフィノール465、日信化学社製)
1部
・ジエチレングリコール 5部
・ポリエチレングリコール 10部
・イオン交換水 残部
染料(インク染料)
Y:C.I.ダイレクトイエロー86
M:C.I.アシッドレッド35
C:C.I.ダイレクトブルー199
Bk:C.I.フードブラック2
2)被記録媒体
被記録媒体は、それぞれ210mm×297mmの大きさのものを使用して印字物を形成し、その評価を行なった。
上記で得られた印字物に対する諸物性の測定及び評価は、下記の要領で行なった。
1.印字後カール
上記プリンターで、150mm×150mmの正方形のパターンを被記録媒体の中央部に2色(200%)でべた印字を行なった。その後、平らな台の上に1時間静置して、ハイトゲージで反り量を測定して、下記のような5段階の基準で評価した。カール量が1mm以下である場合をAA、同1mmを超えて3mm以下である場合をA、同3mmを超えて5mm以下である場合をB、同5mmを超えて7mm以下である場合をC、7mmを超えるものをDとして評価した。
2.印字後のコックリング
上記プリンターで、150mm×150mmの正方形のパターンを被記録媒体の中央部に2色(200%)でべた印字した。印字直後の被記録媒体表面を目視で観察して、下記の基準で3段階評価した。印字画像の正面及び斜め方向から観察して、コックリングや紙の変形が見えなければA、印字画像の斜めから観察してコックリングが観察されるが、正面からの観察ではコックリングや紙の変形が見られなければB、印字画像の正面からの観察で変形やコックリング等の変化が明らかに観察されたらCとした。
更に、上記プリンターを用いて、被記録媒体にインク量100%(単色)からインク量400%(4色混合)までの印字を同様に行なった。これらの被記録媒体の印字部について、印字前における被記録媒体の印字する部分の長さと、印字後における印字部の長さを測定して、下記式によって伸び率を求めた。
伸び率=印字後の印字部の長さ/印字前の印字部の長さ×100
3.裏抜け
上記プリンターを用いて、単色から3色までのベタ印字を行なった。印字後1時間放置してから、被記録媒体を印字面の反対側から目視観察して裏抜けを調べて、下記の基準で評価した。インク量300%(3色混合)で裏抜けが発生していなければA、インク量200%(2色混合)で裏抜けが発生していなければB、インク量100%(単色)で裏抜けがなければC、インク量100%で裏抜けが観察されればDとした。
4.吸収性
動的走査吸液計(東洋精機社製)を用いて、各被記録媒体に下記の液体を接触させて吸液量を求めて、下記の基準で評価した。接触時間25ミリ秒での液体転移量が40ml/m2以上であればAA、同30ml/m2を超え40ml/m2未満の場合はA、同20ml/m2を超え30ml/m2未満の場合はB、同10ml/m2を超え20ml/m2未満の場合はC、同10ml/m2である場合はDとした。
上記の測定で使用する液体には、下記組成を有する水性インクを用いた。
・10%スチレン−メタクリル酸共重合体水溶液
20部
・C.I.Pigment Blue15:3
10部
・グリセリン 20部
・ジエチレングリコール 20部
・トリエチレングリコール 10部
・水 20部
<実施例1>
原料パルプとして、市販のLBKPをダブルディスクリファイナーによって叩解して、カナディアンスタンダードフリーネス(C.S.F.)300mlの叩解原料(A)を得た。同様に市販のLBKPを基層と同じ装置で叩解して同500mlの叩解原料(B)を得た。そして、叩解原料(A)と叩解原料(B)とを乾燥質量比換算で9:1の割合で混合して抄紙原料を得た。
特許第2714352号公報の実施例1に記載されている従来公知のベーマイト構造のアルミナ水和物をイオン交換水に分散して、固形分濃度10質量%のアルミナ水和物分散液を調製し、これを用いてオンマシン塗工液を調製した。
前記抄紙原料を用いて長網抄紙機で坪量80g/m2に調節して抄紙し、得られた紙に2ロールサイズプレス装置で、先に得たオンマシン塗工液を片面あたり2g/m2の量で塗工し、更にスーパーカレンダーで表面を平滑化して支持体1を得た。得られた支持体1について電子顕微鏡でアルミナ水和物を塗工した部分について観察したところ、図5に示したような繊維状物質の少なくとも表面がアルミナ水和物集合体によって被覆された状態で、且つ空隙が存在している表面被覆部領域を有することが確認された。該表面被覆部領域の厚みは30μmであった。
多孔質シリカ(カープレックスBS−312AM、塩野義製薬社製)100質量部と、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)37質量部とをイオン交換水に分散して、乾燥固形分濃度20質量%の塗工用分散液を作成した。次に、得られた塗工用分散液を、上記で得た支持体上のアルミナ水和物を被覆した表面被覆部領域側にバーで塗工し、その後に乾燥して固形分量10g/m2のインク受容層を形成した。更に、その後、スーパーカレンダーでインク受容層表面を平滑にした。このようにして得られた本実施例の被記録媒体に、先の方法で印字した印字物について、先述した方法及び基準で評価し、結果を表1に示す。又、本実施例については、図6に、先に述べた方法で測定した被記録媒体における伸び率の結果を示した。
<実施例2>
実施例1で用いたと同じ叩解原料(A)及び(B)を用い、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同じオンマシン塗工液及び方法で、実施例1と同じ量のアルミナ水和物の塗工を行なった。更に、実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。
特開平9−99627号公報の実施例1に記載されているベーマイト構造のアルミナ水和物100質量部、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)15部をイオン交換水に分散して、乾燥固形分濃度15質量%の塗工用分散液を作成した。得られた塗工用分散液を、上記で得た支持体上にバーで塗工し、その後に乾燥して、固形分量10g/m2のインク受容層を形成した。更に、実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。上記で得られた本実施例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<実施例3>
実施例1と同じ叩解原料(A)及び(B)を用いて、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同じオンマシン塗工液を用いて実施例1と同じ方法で実施例1と同じ量のアルミナ水和物の塗工を行なった。更に実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。
実施例1と同じ材料を用いて実施例1と同じ塗工用分散液を作成し、実施例1と同じ方法で、乾燥固形分量7g/m2のインク受容層を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。上記で得られた本実施例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<実施例4>
実施例1と同じ叩解原料(A)及び(B)を用いて、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同じオンマシン塗工法で実施例1と同じアルミナ水和物を用いて塗工量0.5g/m2の塗工を行なった。実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。得られた支持体について電子顕微鏡でアルミナ水和物を塗工した部分について観察したところ、図5に示したような繊維状物質の少なくとも表面がアルミナ水和物によって被覆された状態で、且つ空隙が存在している表面被覆部領域を有することが確認された。該表面被覆部領域の厚みは20μmであった。
実施例1と同じ材料を用いて実施例1と同じ方法で実施例1と同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。上記で得られた本実施例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<実施例5>
実施例1と同じ叩解原料(A)及び(B)を用いて、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同じオンマシン塗工液を用いて実施例1と同じオンマシン塗工法で塗工量4g/m2のアルミナ水和物の塗工を行なった。実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。得られた支持体について電子顕微鏡でアルミナ水和物を塗工した部分について観察したところ、図5に示したような繊維状物質の少なくとも表面がアルミナ水和物によって被覆された状態で、且つ空隙が存在している表面被覆部領域を有することが確認された。該表面被覆部領域の厚みは40μmであった。
実施例1と同じ材料を用いて実施例1と同じ方法で実施例1と同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。上記で得られた本実施例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<実施例6>
実施例1で使用した叩解原料(B)の代わりに、嵩高性セルロース繊維としてねじれ構造を有する架橋パルプ(High Bulk Additive、商品名、ウエハウザーペーパー社製)を調整した叩解原料(C)を用いて、叩解原料(A)及び(C)を用い、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同じオンマシン塗工液を用いて実施例1と同じ方法で、実施例1と同じ量のアルミナ水和物の塗工を行なった。実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。
実施例1と同じ材料を用いて実施例1と同じ方法で実施例1と同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。上記で得られた本実施例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<実施例7>
実施例1と同じ叩解原料(A)及び(B)を用いて、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同じオンマシン塗工液を用いて実施例1と同じ方法で実施例1と同じ量のアルミナ水和物の塗工を行なった。実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。
多孔質炭酸カルシウム(エスカロン#1500、三共製粉社製)100質量部とバインダーとしてポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)20質量部をイオン交換水に分散して乾燥固形分濃度20質量%の塗工用分散液を作成した。実施例1と同じ方法で実施例1と同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。上記で得られた本実施例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<実施例8>
実施例1と同じ叩解原料(A)及び(B)を用いて、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同じオンマシン塗工液を用いて実施例1と同じ方法で実施例1と同じ量のアルミナ水和物の塗工を行なった。実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。
多孔質炭酸マグネシウム(GP−30、神島化学工業社製)100質量部とバインダーとしてポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)20質量部をイオン交換水に分散して乾燥固形分濃度20質量%の塗工用分散液を作成した。実施例1と同じ方法で実施例1と同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。上記で得られた本実施例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<実施例9>
実施例1と同じ叩解原料(A)及び(B)を用いて、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同じオンマシン塗工液を用いて実施例1と同じ方法で実施例1と同じ量のアルミナ水和物の塗工を行なった。実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。
インク受容層の形成は行なわずに、上記で得た支持体を本実施例の被記録媒体とした。このようにして得られた本実施例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<比較例1>
実施例1と同じ叩解原料(A)及び(B)を用いて、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。アルミナ水和物の塗工は行なっていない。インク受容層の形成は行なわずに、上記で得た支持体を比較例1の被記録媒体とした。得られた本比較例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<比較例2>
本比較例では、比較例1と同じ支持体を用いた。該支持体上に、実施例2と同じ材料を用いて実施例2と同じ塗工用分散液を作成し、実施例2と同じ方法で同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例2と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。得られた本比較例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<比較例3>
本比較例では、比較例1と同じ支持体を用いた。該支持体上に、実施例1と同じ材料を用いて実施例1と同じ塗工用分散液を作成し、実施例1と同じ方法で同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。得られた本比較例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。又、本比較例については、図3に、先に述べた方法で測定した被記録媒体における伸び率の結果を示した。
<比較例4>
原料パルプとして実施例1で使用したと同様の市販のLBKPをダブルディスクリファイナーによって叩解してカナディアンスタンダードフリーネス(C.S.F.)300mlの叩解原料(A)を得た。実施例1で使用したと同様の市販のLBKPを基層と同じ装置で叩解して同500mlの叩解原料(B)を得た。得られた叩解原料(A)と叩解原料(B)、及び多孔質シリカ(ミズカシルP−78A、水澤化学社製)を乾燥質量比換算で9:1:1の割合で混合して、抄紙原料を調整した。得られた抄紙原料を用いて長網抄紙機で坪量80g/m2に調節して抄紙し、更にスーパーカレンダーで表面を平滑化して支持体を得た。アルミナ水和物の塗工は行なっていない。インク受容層の形成は行なわずに、上記で得た支持体を比較例4の被記録媒体とした。得られた本比較例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<比較例5>
本比較例では、比較例4と同じ支持体を用いた。実施例2と同じ材料を用いて実施例2と同じ塗工用分散液を作成し、実施例2と同じ方法で同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例2と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。得られた本比較例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<比較例6>
原料パルプとして実施例1で使用したと同様の市販のLBKPをダブルディスクリファイナーによって叩解してカナディアンスタンダードフリーネス(C.S.F.)300mlの叩解原料(A)を得た。実施例1で使用したと同様の市販のLBKPを基層と同じ装置で叩解して同500mlの叩解原料(B)を得た。得られた叩解原料(A)と叩解原料(B)、及び特許第2714352号公報の実施例1に記載されているベーマイト構造のアルミナ水和物を乾燥質量比換算で9:1:1の割合で混合して、抄紙原料を調整した。得られた抄紙原料を用いて長網抄紙機で坪量80g/m2に調節して抄紙し、更にスーパーカレンダーで表面を平滑化して支持体を得た。アルミナ水和物の塗工は行なっていない。インク受容層の形成は行なわずに、上記で得た支持体を比較例6の被記録媒体とした。得られた本比較例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<比較例7>
本比較例では、比較例6と同じ支持体を用いた。そして支持体の上に、実施例1と同じ材料を用いて実施例1と同じ塗工用分散液を作成し、実施例1と同じ方法で同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。得られた本比較例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<比較例8>
本比較例では、比較例1と同じ支持体を用いた。該支持体の上に、実施例2と同じ材料を用いて実施例2と同じ塗工用分散液を作成し、実施例2と同じ方法で乾燥固形分量5g/m2のインク受容層(下層)を形成した。更に、実施例1と同じ材料を用いて実施例1と同じ塗工用分散液を作成し、実施例1と同じ方法で乾燥固形分量10g/m2のインク受容層(上層)を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。得られた本比較例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<実施例10>
実施例1と同じ叩解原料(A)及び(B)を用いて、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同じオンマシン塗工法で実施例1と同じアルミナ水和物を用いて塗工量0.4g/m2の塗工を行なった。実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。得られた支持体について電子顕微鏡でアルミナ水和物を塗工した部分について観察したところ、図4に示したような繊維状物質の少なくとも表面がアルミナ水和物によって被覆された状態で、且つ空隙が存在している表面被覆部領域を有することが確認された。該表面被覆部領域の厚みは15μmであった。実施例1と同じ材料を用いて実施例1と同じ方法で実施例1と同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。上記で得られた本実施例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<実施例11>
実施例1と同じ叩解原料(A)及び(B)を用いて、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙し、実施例1と同じオンマシン塗工液を用いて実施例1と同じオンマシン塗工法で塗工量5g/m2のアルミナ水和物の塗工を行なった。実施例1と同様に平滑化処理を行なって支持体を得た。得られた支持体について電子顕微鏡でアルミナ水和物を塗工した部分について観察したところ、図4に示したような繊維状物質の少なくとも表面がアルミナ水和物によって被覆された状態で、且つ空隙が存在している表面被覆部領域を有することが確認された。該表面被覆部領域の厚みは40μmであった。実施例1と同じ材料を用いて実施例1と同じ方法で実施例1と同じ塗工量のインク受容層を形成した。実施例1と同じ方法でインク受容層表面を平滑にした。上記で得られた本実施例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
<比較例9>
特開2001−246840号の比較例2に準拠して被記録媒体を作成した。下記の材料を用いて、実施例1と同じ装置で実施例と同じ坪量になるように抄紙した。
・実施例1と同じ叩解原料(A)及び(B) 115質量部
・填料[タルク] 4.0質量部
・サイズ剤[アルキルケテンダイマー] 0.4質量部
・カチオン化澱粉 0.5質量部
・サイズプレス[ポリアクリルアミド] 2.5質量部
下記組成の材料を実施例1と同じ装置で実施例1と同じ固形分量となるように塗工した。その後実施例1と同様に平滑化処理を行って比較例9の被記録媒体とした。インク受容層の形成は行っていない。得られた本比較例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
・無機顔料[アルミナ水和物15%溶液] 115質量部
・液体補足剤[ポリオキシエチレンポリプロピレン縮合物] 10質量部
・カチオン性物質[塩化ベンゼトニウム] 2.5質量部
・水 125質量部
<比較例10>
特開2002−21121号の実施例1に準拠して被記録媒体を作成した。実施例1と同じ叩解材料(A)及び(B)を用いて、実施例1と同じ抄紙機を用いて実施例1と同じ坪量となるように抄紙した。実施例1のオンマシン塗工液の代わりに下記組成の塗工液を用いて実施例1と同じ方法、塗工量でオンマシン塗工を行った。
比較例9と同様に平滑化処理を行って比較例10の被記録媒体とした。インク受容層の形成は行っていない。得られた本比較例の被記録媒体について、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
・アルミナ水和物(実施例1と同じ)の固形分10%水分散液
・カチオン性樹脂(ワイステックスH−90、商品名、ナガセ化成工業社製)の固形分10%の水分散液
両分散液の質量混合比 1:1
Claims (18)
- 支持体上にインク受容層を形成してなる被記録媒体において、上記支持体は繊維状物質を主体としており、該支持体のインク受容層に隣接している位置に、繊維状物質の表面がアルミナ水和物集合体によって被覆された状態の表面被覆部領域を有し、且つ上記インク受容層は、多孔質無機顔料を主成分とするものであることを特徴とする被記録媒体。
- 前記表面被覆部領域が上記支持体の厚み方向に関して存在している範囲は、少なくとも20μmである請求項1に記載の被記録媒体。
- 前記表面被覆部領域におけるアルミナ水和物集合体は、前記繊維状物質の表面に付着していると共に、繊維状物質によって形成される空隙を残した状態で、繊維状物質が互いに交差又は近接して形成される微小間隙を埋めている請求項1又は請求項2に記載の被記録媒体。
- 前記多孔質無機顔料は、多孔質シリカ、多孔質炭酸カルシウム、多孔質炭酸マグネシウム、アルミナ水和物から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載の被記録媒体。
- 前記アルミナ水和物は、ベーマイト構造を有する請求項1に記載の被記録媒体。
- 前記アルミナ水和物集合体の前記支持体への付着量が、それぞれ片面あたり0.5g/m2以上4g/m2以下である請求項1に記載の被記録媒体。
- 前記アルミナ水和物集合体は、繊維状物質にオンマシン塗工付与されている請求項1に記載の被記録媒体。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の被記録媒体を製造するための方法であって、主として繊維状物質からなる支持体の一方の面にアルミナ水和物を含有し、かつ、バインダーやカチオン樹脂を含まない塗工液を塗工して、繊維状物質の表面がアルミナ水和物集合体によって被覆された表面被覆部領域を形成する工程と、該表面被覆部領域上に、多孔質無機顔料の水分散液を塗工、乾燥してインク受容層を形成する工程とを有することを特徴とする被記録媒体の製造方法。
- インクの液滴を被記録媒体が備えるインク受容層の表面に付与して印字を行なう画像形成方法において、前記被記録媒体として請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の被記録媒体を用いることを特徴とする画像形成方法。
- インクの液滴の被記録媒体への付与が、微細孔からインクの小滴を吐出させて被記録媒体に付与するインクジェット方法による請求項9に記載の画像形成方法。
- インク受容層を有する被記録媒体を形成する際に用いる被記録媒体用支持体であって、主として繊維状物質からなり、且つ該繊維状物質の表面がアルミナ水和物集合体によって被覆されている表面被覆部領域を有することを特徴とする被記録媒体用支持体。
- 前記表面被覆部領域が上記支持体の厚み方向に関して存在している範囲は、少なくとも20μmである請求項11に記載の被記録媒体用支持体。
- 前記表面被覆部領域におけるアルミナ水和物集合体は、前記繊維状物質の表面に付着していると共に、繊維状物質によって形成される空隙を残した状態で、繊維状物質が互いに交差又は近接して形成される微小間隙を埋めている請求項11又は請求項12に記載の被記録媒体用支持体。
- 請求項11乃至請求項13のいずれか1項に記載の被記録媒体用支持体の製造方法であって、表面サイズ処理を行なっていない支持体原紙に対してアルミナ水和物を含み且つバインダーを含まない溶液を塗布する工程を有することを特徴とする被記録媒体用支持体の製造方法。
- 繊維状物質を主体として構成され、かつ、インク滴が直接付与される被記録媒体において、インク滴が付与される面側に該繊維状物質の表面がアルミナ水和物集合体によって被覆された状態の表面被覆部領域を有することを特徴とする被記録媒体。
- 前記表面被覆部領域が上記支持体の厚み方向に関して存在している範囲は、20μm以上である請求項15に記載の被記録媒体。
- 前記表面被覆部領域においてアルミナ水和物は、前記繊維状物質の表面に付着していると共に、繊維状物質によって形成される空隙を残した状態で、繊維状物質が互いに交差又は近接して形成される微小間隙を埋めている請求項15又は請求項16に記載の被記録媒体。
- 請求項15乃至請求項17のいずれか1項に記載の被記録媒体を製造するための方法であって、表面サイズ処理を行なっていない支持体原紙に対してアルミナ水和物集合体を含み且つバインダーやカチオン樹脂を含まない溶液を塗布する工程を有することを特徴とする被記録媒体の製造方法。
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