JPWO2005116307A1 - 炭化ケイ素単結晶ウェハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記反応容器内にケイ素源ガスと炭素源ガスを供給する工程と、上記ケイ素源ガスと上記炭素源ガスとを反応させて、上記ウェハ上にα型(六方晶)炭化ケイ素単結晶をエピタキシャル成長させる工程と、を備える製造方法により得られる炭化ケイ素単結晶ウェハ。
(イ)まずバルク状のα型(六方晶)炭化ケイ素単結晶を用意する。
バルク結晶の利用率の向上と、基板欠陥の伝播を低減する観点からは、オフ角を0.4〜1度で出来るだけ小さくしたウェハを炭化ケイ素単結晶から切り出すことが好ましい。また、ウェハ面内でオフ角が分布を持つ場合、炭化ケイ素単結晶から切り出したウェハの全面積の80%以上でオフ角が0.4〜2度となるように、炭化ケイ素単結晶からウェハを切り出すことが好ましい。具体的には、ウェハの全面で一定のオフ角とすることが困難な場合、ウェハの中心から周辺に向けて略同心円状にオフ角を0度から増加させ、オフ角が0.4度未満の面積をウェハ中心付近(全体の面積の20%以下)の狭い領域に限定すると都合がよい。
炭化ケイ素単結晶ウェハは、上記実施形態にかかる炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造される。ノマルスキー(微分干渉)光学顕微鏡により炭化ケイ素単結晶ウェハの表面観察を行うと、オフ角が極めて小さいにも関わらず従来報告されているようなマクロな三角ピット等の表面欠陥は全く見られない。さらに上記炭化ケイ素単結晶ウェハは、オフ角が0.4度以上の領域において、原子間力顕微鏡(AFM)による表面の凹凸が2nmを超えず極めて平坦である。また、オフ角が0.4度未満の場合に発生するような線状あるいは点状の、長さがミクロンオーダーを越えるマクロな凹凸は一切見られない。さらに、基板から引き継がれる基底面転位の数も10/cm2以下と極めて少ない。そのため、高品質な素子の製造が可能となる。なお、表面粗さについては光学的測定のように検出領域もしくは測定スポット径が大きいと粗さが平均化され小さく見積もられる。また測定領域が狭いほど一般的には粗さの最大値(最大高さ:Ry)は小さくなる。そこで、本明細書において「表面粗さ」とはAFMにより1μm角以上の測定領域で求められたRyとし、Ryが十分小さく上記のようなマクロな凹凸も見られない表面を平坦な面と定義する。
本発明の炭化ケイ素単結晶ウェハは、マクロな三角ピットや多型の混入がなく、表面が平坦で基底面転位も少なく、極めて高品質である。そのため、耐高電圧、絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に優れた、電子デバイス、特にパワーデバイスや発光ダイオード等に好適に用いられる。
ウェハ:ウェハとしては、オフ角0.4度の6Hウェハ(直径50.8mm)を用意し、用意したウェハのケイ素面表面を鏡面研磨後、水素中1400℃で30分間、加熱エッチングしたものを用いた。
成長条件:炭化タンタルでコーティングした黒鉛からなり、ガス流路の断面が縦3cm、横17cmであるサセプターを備えた、横型ホットウォールCVD装置内に上記ウェハを配置した。そして、ウェハを回転させながら水素70slmを流し、圧力を120mbarに保ったまま昇温した。1400℃を超えたところでプロパンガス8sccmを導入した。さらに1650℃まで昇温し、1650℃を維持して、モノシランガス20sccmを導入して1.5時間エピタキシャル成長を行った。原料ガスの供給比(C/Si)は1.2であった。
結果:図2に示すように、ウェハ全面でマクロな三角ピット等の欠陥のない鏡面膜が得られた。また、高さ2nm以上、幅2μm以上の凹凸が容易に観察、認識可能であるノマルスキー(微分干渉)光学顕微鏡で観察したところ、ウェハの中心から周辺部に至るまで線状または点状の凹凸を示す領域が全く認められず、平坦であることが確認された。エピタキシャル層の膜厚は7.2μmであった。表面粗さを原子間力顕微鏡で測定した結果、図3に示すように1μm角範囲で、凹凸最大値(Ry)は1.165nmであった。また図3中の白線上の粗さ曲線は図4に示す通りとなった。
ウェハ:ウェハとしては、オフ角0.2度の6Hウェハ(直径50.8mm)を用意し、用意したウェハのケイ素面表面を鏡面研磨後、水素中1400℃で30分間加熱エッチングしたものを用いた。
成長条件:実施例1と同様に行った。
結果:膜厚は6.8μmだが、図5に示すように、ウェハ全面に高さ5nm〜10nmの線状起伏部が約20μm間隔でほぼ平行に多数発生した。
ウェハ:ウェハとしては、オフ角0.04度の6Hウェハ(直径50.8mm)を用意し、用意したウェハのケイ素面表面を鏡面研磨後、シリカコロイドによりCMP研磨を8時間行ったものを用いた。
成長条件:実施例1と同様に行った。
結果:膜厚は7.2μmだが、図6に示すように、ウェハ全面に高さ20nm程度の点状降起部(直径100〜200μm)が多数発生した。
実験:オフ角がそれぞれ0.1度(比較例3)、0.2度(比較例4)、0.3度(比較例5)、0.6度(実施例2)、1.2度(実施例3)である6Hウェハ(直径50.8mm)を用意した他は実施例1と同様に実験を行った。得られたエピタキシャル膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて20μm角範囲で測定し、凹凸最大値(Ry)を求めた。
結果:ウェハのオフ角と表面粗さ(相対値)との関係を図7に示す。オフ角を0.4度以上に設定することでオフ角が小さくても極めて平坦な表面の炭化ケイ素単結晶が得られることが示された。
ウェハ:ウェハとしては、オフ角0.4度の6Hウェハ(直径50.8mm)を用意し、用意したウェハのケイ素面表面を鏡面研磨後、シリカコロイドによりCMP研磨を8時間行ったものを用いた。
成長条件:実施例1と同様に行った。
結果:ウェハ全面でマクロな三角ピット等の欠陥のない鏡面膜が得られた。エピタキシャル層の膜厚は7.1μmであった。
ウェハ:ウェハとしては、オフ角0.4度の6Hウェハ(直径50.8mm)を用意し、用意したウェハの炭素面表面を鏡面研磨後、酸素中に1100℃で5時間加熱した後に表面の生成した酸化膜をフッ酸で除去し、さらにシリカコロイドによりCMP研磨を8時間行ったものを用いた。
成長条件:実施例1と同様の条件でエピタキシャル成長を行った。
結果:図8に示したようにウェハ全面でマクロな三角ピット等のない鏡面膜が得られた。エピタキシャル層の膜厚は3.7μmであった。表面粗さを原子間力顕微鏡で測定した結果、図9に示すように1μm角範囲で、凹凸最大値(Ry)は0.748nmであった。また図9中の白線上の粗さ曲線は図10に示す通りとなった。その他、炭素面について、ケイ素面と同様に、オフ角度をもつウェハを複数用意してエピタキシャル成長させた結果、図7に示す結果と類似する傾向が得られることを確認した。
ウェハ:CMP研磨を行なわなかった以外は実施例4と同様のものを用いた。
成長条件:実施例1と同様に行った
結果:図11に示すように、1辺の長さが1mm前後で深さ1μm前後の三角形状のピット欠陥がウェハ全面に多数発生した。
原料ガスの供給比(C/Si)をそれぞれ0.8(実施例6)、1.4(実施例7)にした以外は、実施例1と同様に実験を行った。
その結果、実施例1と同様の結果が得られ、原子間力顕微鏡による表面粗さも2nmを超えず平坦であった。
ウェハ:ウェハとしては、オフ角0.4度の4Hウェハ(直径50.8mm)を用意し、用意したウェハのケイ素面表面を鏡面研磨後、水素中1300℃で60分間、加熱エッチングしたものを用いた。
ウェハ:ウェハとしては、オフ角0.3度の4Hウェハ(直径50.8mm)を用意し、用意したウェハのケイ素面表面を鏡面研磨後、水素中1300℃で60分間、加熱エッチングしたものを用いた。
ウェハ:ウェハとしては、オフ角0.4度の4Hウェハ(直径50.8mm)を用意し、用意したウェハの炭素面表面を鏡面研磨後、酸素中に1100℃で5時間加熱した後に表面の生成した酸化膜をフッ酸で除去し、さらに水素中1400℃で30分間、加熱エッチングした後に、シリカコロイドによりCMP研磨を8時間行ったものを用いた。
ウェハ:ウェハとしては、オフ角0.3度の4Hウェハ(直径50.8mm)を用意し、用意したウェハの炭素面表面を鏡面研磨後、酸素中に1100℃で5時間加熱した後に表面の生成した酸化膜をフッ酸で除去し、さらに水素中1400℃で30分間、加熱エッチングした後に、シリカコロイドによりCMP研磨を8時間行ったものを用いた。
Claims (14)
- α型(六方晶)炭化ケイ素単結晶から、前記炭化ケイ素単結晶の〔0001〕c軸に直交して得られる平面に対し全体として0.4〜2度のオフ角となるようにウェハを切り出す工程と、
前記ウェハを反応容器内に配置する工程と、
前記反応容器内にケイ素源ガスと炭素源ガスを供給する工程と、
前記ケイ素源ガスと前記炭素源ガスとを反応させて、前記ウェハ上にα型(六方晶)炭化ケイ素単結晶をエピタキシャル成長させる工程と、を備える炭化ケイ素単結晶ウェハの製造方法。 - 前記炭化ケイ素単結晶から切り出された前記ウェハは、前記ウェハの全面積の80%以上でオフ角が0.4〜2度であることを特徴とする請求項1記載の炭化ケイ素単結晶ウェハの製造方法。
- 前記炭化ケイ素単結晶から切り出したウェハ表面が加工損傷を含まないようにエピタキシャル成長前に表面処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の炭化ケイ素単結晶ウェハの製造方法。
- 前記炭素源ガス(C)と前記ケイ素源ガス(Si)の供給比(C/Si)は、0.5〜1.4であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化ケイ素単結晶ウェハの製造方法。
- 1550〜1700℃において、前記炭素源ガスと前記ケイ素源ガスとを反応させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化ケイ素単結晶ウェハの製造方法。
- ウェハの中心から周辺に向けて略同心円状にオフ角を0度から増加させ、オフ角が0.4度未満の面積をウェハ中心付近の領域に限定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭化ケイ素単結晶ウェハの製造方法。
- 前記オフ角が0.4〜1度であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭化ケイ素単結晶ウェハの製造方法。
- ウェハ表面の全面で表面粗さが2nm以下であり、かつ平坦であることを特徴とする炭化ケイ素単結晶ウェハ。
- 前記表面粗さが1.5nm以下であることを特徴とする請求項8に記載の炭化ケイ素単結晶ウェハ。
- α型(六方晶)炭化ケイ素単結晶から、前記炭化ケイ素単結晶の〔0001〕c軸に直交して得られる平面に対して全体として0.4〜2度のオフ角となるようにウェハを切り出す工程と、
前記ウェハを反応容器内に配置する工程と、
前記反応容器内にケイ素源ガスと炭素源ガスを供給する工程と、
前記ケイ素源ガスと前記炭素源ガスとを反応させて、前記ウェハ上にα型(六方晶)炭化ケイ素単結晶をエピタキシャル成長させる工程と、を備える製造方法により得られることを特徴とする炭化ケイ素単結晶ウェハ。 - 前記炭化ケイ素単結晶から切り出された前記ウェハは、前記ウェハの全面積の80%以上でオフ角が0.4〜2度であることを特徴とする請求項10記載の炭化ケイ素単結晶ウェハ。
- 前記炭化ケイ素単結晶から切り出したウェハ表面が加工損傷を含まないようにエピタキシャル成長前に表面処理を行うことを特徴とする請求項10または11に記載の炭化ケイ素単結晶ウェハ。
- 前記炭素源ガス(C)と前記ケイ素源ガス(Si)の供給比(C/Si)は、0.5〜1.4であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の炭化ケイ素単結晶ウェハ。
- 1550〜1700℃において、前記炭素源ガスと前記ケイ素源ガスとを反応させることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の炭化ケイ素単結晶ウェハ。
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