JPWO2005101067A1 - 集光素子および固体撮像装置 - Google Patents

集光素子および固体撮像装置 Download PDF

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Abstract

受光素子6及びAl配線3を有する固体撮像素子に、入射光の波長と同程度かそれより短い幅のゾーン形状の光透過膜の集合体からなる分布屈折率レンズを設ける。該ゾーン形状は偏心させた中心対称形状であり、前期光透過膜の集合体が実効屈折率分布を生じる。

Description

本発明は、ディジタルカメラ等に使用される集光素子および固体撮像装置に関するものである。
ディジタルカメラやカメラ付携帯電話の普及に伴い、固体撮像装置の市場は著しく拡大してきた。このような流れの中、固体撮像素子に対する要望は高感度化/高画素化など変化してきたが、近年はデジタルスチルカメラ/携帯電話などの薄型化に伴い、カメラ部分の薄型化に対する要望も強くなっている。これは言い換えれば、カメラ部分に用いるレンズが短焦点になるということであり、固体撮像素子に入射する光は広角(固体撮像素子の入射面の垂直軸から測定して大きな角度)になることを意味する。
現在、固体撮像装置として広く使用されているCCDやMOSイメージセンサでは、複数の受光部分を有する半導体集積回路を2次元に配列して、被写体からの光信号を電気信号に変換している。
固体撮像素子の感度は、入射光量に対する受光素子の出力電流の大きさによって定義されていることから、入射した光を確実に受光素子に導入することが感度向上のため重要な要素となっている。
図4は、従来の一般的な画素の基本構造の一例を示す図である。図4に示すように、マイクロレンズ105に垂直に入射した光106(破線で示した光)は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかのカラーフィルタ2によって色分離された後、受光部6において電気信号への変換がなされる。比較的高い集光効率が得られることから、マイクロレンズ105は、ほとんど全ての固体撮像装置において使用されている。
上記のマイクロレンズを使用した固体撮像装置において、各画素に対し、非対称にレンズを配置する構成例の提案がある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、斜め入射光をセンサ部に導くことができる実施例が記載されている。
また、フレネルレンズを利用した固体撮像装置として、様々な技術が開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特許文献2に開示されている技術は、レンズは同心円状に異なる屈折率を持つ複数の層からなり、中心部が最も屈折率が高く、周辺部になるにつれて順に屈折率が減少するように構成されている。また、特許文献3に開示されている技術には、厚さ分布型レンズと、ドーピングによって連続的に屈折率分布を持たせた分布屈折率型レンズが利用されている。
特開2001−196568号公報 特開2000−39503号公報 特開平5−251673号公報
今後、広角入射に対応した固体撮像装置を開発するためには、特定の角度で入射する光を確実に受光素子へと導入する必要がある。
しかしながら、マイクロレンズでは、集光効率が信号光の入射角度に依存して低下する。つまり、図4に示すように、レンズに垂直に入射してくる光106については高効率に集光することができるが、斜め入射の光107(実線で示した光)に対しては集光効率が減少するのである。これは、斜め入射の光107が、画素中のAl配線3に遮光されてしまい、受光素子6まで到達できないためである。
上述したように、固体撮像装置は、複数の画素の2次元配列で構成されているため、広がり角を持つ入射光の場合、中央の画素と周辺の画素とでは入射角が異なる(図1参照)。その結果、周辺の画素の集光効率が中央の画素より低下するという問題が起こる。
図2は、従来における周辺の画素の構造例を示す図である。周辺の画素では入射光の入射角度が大きくなるため、電気配線部分を内側方向にずらす(シュリンクさせる)ことによって、集光効率の向上を図っている。
図3は、従来のマイクロレンズを用いた固体撮像装置の集光効率の入射角度依存性を示す図である。図3に示すように、入射角度が20°程度までの光に対しては高効率に集光できていることがわかる。しかしながら、それ以上の入射角度になると、集光効率は急激に減少する。結果として、周辺画素の光量は中央部分の約40%程度であり、素子全体の感度は周辺素子の感度に律速されているのが現状である。また、この値は画素サイズの減少に伴ってさらに低下するため、小型カメラのような短焦点光学系への応用が非常に困難になる。さらに、製造工程においては、これ以上の回路シュリンクができないといった問題が発生している。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、薄型カメラ用の焦点距離が短い光学系(入射角θが大きい光学系)に対応した固体撮像装置等を実現するため、現存のマイクロレンズよりも高角度の入射光を集光し得る光学素子等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、入射光を集光する集光素子であって、前記入射光が入射する基板と、前記基板上の前記入射光が入射する位置に形成された、光透過膜の集合体とを備え、前記光透過膜は、前記入射光の波長と同程度か、それより短い幅のゾーン形状を有し、前記ゾーン形状は、偏心させた中心対称形状であり、前記光透過膜の集合体が実効屈折率分布を生じることを特徴とする。
これにより、現存のマイクロレンズよりも高角度の入射光を集光し得る光学素子を実現することができる。
さらに、前記光学素子の屈折率分布を制御することにより、特定の角度で入射する光の出射角度を制御できる偏向素子や、入射光を任意の位置で集光できる集光素子の形成が可能となる。
前記光透過膜において、入力対象とする光の波長によって、もしくは、入力対象とする色の代表波長によって、前記光透過膜の位相変調が異なる。これにより、入射光の波長によって各画素のレンズ構造を最適化することが可能となり、色による集光効率の違いを無くすことができる。
また、前記光透過膜において、入力対象とする光の焦点距離の設定によって、前記光透過膜の位相変調が異なる。これにより、入射光の焦点距離が可変となり、各画素構造に適したレンズ設計が可能となる
もしくは、最も光強度の強い入射光成分の入射角度によって、前記光透過膜の位相変調が異なり、入射光の入射角度によって各画素のレンズ構造を最適化することが可能となり、入射角度の増加に伴う集光効率の低下を無くすことができる。
入射光の波長をλ、光が集まる焦点距離をf、光の入射角度をθ、入射側媒質の屈折率をn、出射側媒質の屈折率をnとするとき、面内方向の距離xに依存する、前記光透過膜による位相変調Φ(x)が、
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、第1フレネルゾーン領域のみで集光でき、集光ロスの少ない、高効率な集光が可能となる。
また、前記光透過膜による位相変調Φ(x)が、
m=自然数
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、複数フレネルゾーン領域での集光が可能となり、位相変調を大きくできるため、より高角度の入射光に強い集光素子が実現できる。
前記光透過膜屈折率の最大値をn+Δnmax、前記光透過膜の面内方向の屈折率分布においてnに対する差をΔn(x)とするとき、
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、特定の角度で入射する光を任意の位置で集光可能である、高集光効率な分布屈折率レンズを形成できる。
また、前記分布屈折率レンズにおいて、
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、前記分布屈折率レンズによる最大位相変調が入射光の1位相分となり、集光ロスが最小となることから、高効率な集光が可能となる。
前記光透過膜の膜厚の最大値をLmax、膜厚分布をL(x)とするとき、
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、特定の角度で入射する光を任意の位置で集光可能である、高集光効率な膜厚分布レンズを形成できる。
また、前記膜厚分布レンズにおいて、
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、前記膜厚分布レンズの最大位相変調が入射光の1位相分となり、集光ロスが最小となることから、高効率な集光が可能となる。
前記分布屈折率レンズにおいて、膜厚が均一であることからプロセスが容易になり、製造コストを低減させることができる。
また、前記分布屈折率レンズにおいて、膜厚を不均一にすることにより、第1フレネルゾーン領域のみを使用でき、集光効率が向上する。
また、前記分布屈折率レンズにおいて、面内方向の線幅が、入射の対象となる光の波長と同程度か、もしくは小さい一定の値で分割された複数の分割領域ごとに、前記線幅に対して線幅の合計の占める割合が互いに異なる、同心形状を有する構造を考案した。この手法を用いれば、同心円の線幅を変化させることによって、有効屈折率を変化させ、分布屈折率素子を容易に形成できる。
このとき、光透過膜の断面形状が矩形であることが望ましい。これにより、より鋭い屈折率変化が生じ、集光が高まる。
また、前記分布屈折率レンズにおいて、面内方向に入射の対象となる光の波長と同程度か、もしくは小さい直径を有する光透過材料が不均一に分散している構造を考案した。この手法を用いれば、隣り合う前記光透過材料の間隔を変化させることによって、有効屈折率を変化させ、分布屈折率素子を容易に形成できる。
また、前記光透過膜において、面内方向に連続的かつ不均一に屈折率または膜厚が変化している構造を考案した。これにより、入射光の位相は連続的に変化することから、集光率が向上する。
また、前記膜厚分布レンズにおいて、面内方向に離散的かつ不均一に膜厚が変化している構造を考案した。この手法を用いることにより、高い集光効率を維持したまま、プロセスが容易になる。
さらに、前記光透過膜は、屈折率が1.45以上3.4以下の高屈折透明材料からなることを特徴とする。
さらに、前記光透過膜は、TiO、ZrO、Nb、Ta、Al、HfO、SiおよびSiの中のいずれかを含むことを特徴とする。これらは高屈折率材料であるため、光透過膜の膜厚を薄くでき、製造プロセスが容易になる。
また、前記光透過膜は、BまたはPが添加されたSiO(BPSG(Boro−Phospho Silicated Glass))およびTEOS(Tetraethoxysilane)の中のいずれかを含むことを特徴とする。これらは従来の半導体プロセスで一般的に使用されている材料であるので、集光素子の容易な形成が可能であり、製造コストを低減させることができる。
また、前記光透過膜は、ベンゾシクロブテン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミドおよびポリイミドの中のいずれかを含むことを特徴とする。樹脂は直接加工でき、ナノインプリントで直接集光素子を形成できるため、量産性が高まる。
また、単位画素が複数設置された固体撮像装置であって、入射光を集光する本発明に係る集光素子と、前記集光素子で集光された光を入射し、電荷に変換する受光素子とを備えることを特徴とする。これにより、マイクロレンズを用いることなく、画素の集光効率を向上させることができる。従って、高解像度、高感度な固体撮像装置を実現できる。
さらに、前記集光素子は、対応する画素領域の全域に形成されていることを特徴とする。これにより、光の入射面が画素領域全体となり、集光ロスが低減する。
さらに、少なくとも、前記入射光のうち第1の色光用の第1の単位画素と、前記第1の色光の代表波長とは異なる代表波長を有する第2の色光用の第2の単位画素とを備え、前記第1の単位画素は、第1の集光素子を備え、前記第2の単位画素は、前記第2の色光の焦点距離が前記第1の集光素子の前記第1の色光の焦点距離と等しい第2の集光素子を備えることを特徴とする。これにより、入射光の波長によって各画素のレンズ構造を最適化することが可能となり、色による集光効率の違いを無くすことができる。
さらに、前記焦点距離は、前記光透過膜の屈折率分布を制御することにより、所定の値に設定されていることを特徴とする。これにより、入射光の焦点距離が可変となり、各画素構造に適したレンズ設計が可能となる。
さらに、前記集光素子は、前記光透過膜の屈折率分布を制御することにより、最も光強度の大きい入射角度を有する光の前記受光素子における集光効率が所定値以上になるように設定されていることを特徴とする。これにより、入射光の入射角度によって各画素のレンズ構造を最適化することが可能となり、入射角度の増加に伴う集光効率の低下を無くすことができる。
さらに、前記単位画素は、前記集光素子の出射面側に、前記受光素子の上部を開口部とする配線層を備え、前記集光素子で集光された光の焦点が、前記配線層の前記開口部の位置と一致していることを特徴とする。これにより受光面を最大限に使用でき、集光効率が高くなる。
さらに、前記単位画素において、前記偏向素子または前記集光素子の出射側に集光レンズを備えていることを特徴とする。これにより、画素内での集光ロスが低減し、前記偏向素子または前記集光素子の設計が容易となる。
さらに、前記複数の単位画素が、2次元状に配列されていることを特徴とする。これにより、感度の高い二次元画像入力装置が実現できる。
さらに、前記複数の単位画素が形成された面の中央に位置する前記単位画素の集光素子と、周辺に位置し、前記中央に位置する単位画素と同一の色用の単位画素の集光素子では、前記光透過膜の屈折率分布が異なっていることを特徴とする。これにより、固体撮像装置上の画素の位置によって、レンズ構造を最適化することが可能となり、固体撮像装置のシュリンク構造を緩和させることができる。また、集光素子の製造方法が容易となり、集光素子全体の感度も向上する。
さらに、前記複数の単位画素が形成された面の中央に位置する前記単位画素では、前記受光素子の中心軸と前記集光素子の中心軸が一致するように形成され、周辺に位置する前記単位画素では、前記受光素子の中心軸より前記集光素子の中心軸が前記面の中央寄りに形成されていることを特徴とする。これにより、低度のシュリンク構造をとることができ、周辺画素の集光効率がより向上する。
本発明の固体撮像装置は、上記レンズ構造を有しているため、解像度ならびに感度の向上や製造工程の容易化を実現できる。
[図1]従来に係る固体撮像装置の基本構造の一例を示す図である。
[図2]従来に係る周辺の画素の構造例を示す図である。
[図3]従来のマイクロレンズを用いた固体撮像装置の集光効率の入射角度依存性を示す図である。
[図4]従来の一般的な画素の基本構造の一例を示す図である。
[図5]実施の形態1に係る個体撮像素子の基本構造を示す図である。
[図6]実施の形態1に係る分布屈折率レンズの上面図を示す図である。
[図7]実施の形態1に係る分布屈折率レンズの断面構造を示す図である。
[図8]実施の形態1に係るレンズの屈折率分布を示す図である。
[図9](a)〜(c)は、実施の形態1において、光の伝播方向を説明するための概念図である。
[図10]実施の形態1において、光透過膜に対して斜め入射する光をZ軸上で集光させるための条件を示す図である。
[図11]実施の形態1における光の位相変調を示す図である。
[図12](a)〜(c)は、実施の形態2に係る同心円構造を有する分布屈折率レンズの走査型電子顕微鏡写真である。
[図13](a)〜(c)は、実施の形態2に係るレンズ表面に垂直な方向に光を入射した場合の集光スポットの光学顕微鏡写真である。
[図14](a)、(b)は、実施の形態2において、光を斜め入射もしくは垂直入射した場合の焦点位置の変化を示す図である。
[図15](a)〜(d)は、実施の形態2における入射窓領域が円形の場合と四角の場合との比較を示す図である。
[図16](a)〜(d)は、実施の形態3〜5に係る分布屈折率レンズの作製工程を示す図である。
[図17](a)〜(c)は、実施の形態3に係る1画素の基本構造を示す図である。
[図18](a)〜(c)は、実施の形態3に係るレンズの屈折率分布を示す図である。
[図19]実施の形態4に係る固体撮像装置における画素配列の様子を示す図である。
[図20]実施の形態4に係る画素中における光伝播プロファイルのシミュレーション結果を示す図である。
[図21](a)、(b)は、実施の形態4に係る固体撮像装置の集光効率を示す図である。
[図22](a)〜(c)は、実施の形態5に係る1画素の基本構造を示す図である。
[図23](a)〜(c)は、実施の形態5に係るレンズの屈折率分布を示す図である。
[図24]実施の形態5に係る画素中における光伝播プロファイルのシミュレーション結果を示す図である。
[図25](a)、(b)は、実施の形態5に係る固体撮像装置の集光効率を示す図である。
[図26]実施の形態6に係る1画素の基本構造を示す図である。
[図27]実施の形態6に係る分布屈折率レンズの上面構造を示す図である。
[図28](a)〜(e)は、実施の形態6に係る分布屈折率レンズの作製工程を示す図である。
[図29]実施の形態7に係る1画素の基本構造を示す図である。
[図30]実施の形態7に係る分布屈折率レンズの上面構造を示す図である。
[図31](a)〜(e)は、実施の形態7に係る分布屈折率レンズの作製工程を示す図である。
[図32]実施の形態8に係る膜厚分布レンズの断面構造を示す図である。
[図33]実施の形態9に係る膜厚分布レンズの断面構造を示す図である。
[図34]実施の形態10に係る膜厚分布レンズの断面構造を示す図である。
[図35]は、実施の形態11に係る1画素の基本構造を示す図である。
[図36](a)、(b)は、実施の形態11に係るレンズの上面構造ならびに屈折率分布を示す図である。
符号の説明
1 分布屈折率レンズ(同心円構造)
2 カラーフィルタ
3 Al配線
4 電気信号伝送部
5 平坦化層
6 受光素子(Siフォトダイオード)
7 Si基板
8 半導体集積回路(前記2〜7によって構成)
9 入射光
10 高屈折率領域[GeO(n=1.65)]
11 低屈折率領域[SiO(n=1.45)]
16 入射角
17 出射角
19 分布屈折率レンズ
101 分布屈折率レンズ(同心円構造型)
102 低屈折率材料[空気(n=1.0)]
103 高屈折率材料[TiO(n=1.65)]
104 入射光(斜め入射)
105 マイクロレンズ
106 入射光(垂直入射)
107 入射光(斜め入射)
108 分布屈折率レンズ(偏向成分のみ)
109 層内レンズ
112 階段形状膜厚分布レンズ
20 受光部分
21 画素
26 位相変調
27 第1ゾーン
28 第2ゾーン
29 第3ゾーン
201 出射側領域(屈折率n
202 レンズ領域(屈折率n+Δn(x))
203 入射側領域(屈折率n
204 入射光1
205 入射光2
206 光路長差1(偏向成分)
207 光路長差2(集光成分)
208 焦点距離
33 高屈折率材料(TiO
34 低屈折率材料(空気)
35 隣り合う分割領域の幅
36 レジスト
37 TiO
38 金型
39 Arイオンミリング
40 ウェットエッチング
42 半導体集積回路(前記2〜7によって構成)
43 SiO
44 レジスト
45 電子線描画
46 電子線蒸着
47 Au
48 イオン注入
481 Ge
49 膜厚分布レンズ(第一ゾーン使用)
50 膜厚分布レンズ(複数ゾーン使用)
57 1画素
58 入射光(垂直入射)
59 焦点位置のシフト(f×tanq)
62 集光スポット
63 漏れ光
66 入射光(0°入射)
67 入射光(α/2°入射)
68 入射光(α°入射)
69 0°入射光用分布屈折率レンズ
70 α/2°入射光用分布屈折率レンズ
71 α°入射光用分布屈折率レンズ
75 入射光
76 光学レンズ
77 固体撮像装置
78 装置中央部の入射光
79 装置中央部画素用分布屈折率レンズ
80 装置周辺部の入射光
81 装置周辺部画素用分布屈折率レンズ
86 入射光(0°入射)
87 入射光(低角度入射)
88 入射光(高角度入射)
89 0°入射光用分布屈折率レンズ
90 低角度入射光用分布屈折率レンズ
91 高角度入射光用分布屈折率レンズ
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。
(実施の形態1)
図5は、本実施の形態に係る固体撮像素子の基本構造を示す図である。各画素(サイズ□2.8μm)は、分布屈折率レンズ(「光透過膜の集合体」ともいう。)1、G用カラーフィルタ2、Al配線3、信号伝送部4、平坦化層5、受光素子(Siフォトダイオード)6、Si基板7から構成されている。図6は、分布屈折率レンズの上面図を示す図である。
分布屈折率レンズ1における同心円構造は、高屈折率材料33[TiO(n=2.53)]と低屈折率材料34[空気(n=1.0)]で構成されており、複数の隣り合う分割領域の幅35は、例えば一定の200nmである。また、膜厚tは0.5μmである。
図6示されるように、各光透過膜はゾーン形状を有し、偏心された中心対称形状であり、所定の線幅を有している。図6における同心状の高屈折率光透過材料33や同心状の低屈折率光透過材料34は、それぞれ1つのゾーンを形成する。したがって、分布屈折率レンズ1は、複数のゾーンの集合体でもある。なお、ゾーンの幅を「線幅」ということとする。
ここで、「分割領域」とは、入射光の波長と同程度、もしくはそれ以下の任意の幅で同心状に分割した領域をいう。
図7は、分布屈折率レンズの断面構造を示す図である。同心円の各光透過膜(即ち、ゾーン)の線幅は円中心部分が最も大きく、外側のリングになるに従って、線幅は順に小さくなっていく。各ゾーンの幅が入射光の波長と同程度か波長より小さいときには、光が感じる有効屈折率は、分割領域における高屈折率材料と低屈折率材料の体積比によって算出できる。本構造の最大の特長は、線幅を変えるだけで、屈折率分布を自由自在に制御できることである。
このときの屈折率の変化は図8のように表され、非対称である。レンズの屈折率は、円の中心部分が最も高く、端になるに従って順に低くなる。つまり、図5に示す入射光9のように、一定の方向から入射される光に対する屈折率分布が、分布屈折率レンズ1の中心に対して非対称である。
図8において実線で示した放物線は、波長λ(550nm)の入射光を焦点距離f(4.43μm)で集光させるための屈折率分布を示しており、下の式で表される。
ここで、Δn(x)は、入射側媒質とレンズ材料との屈折率差(今回は1.53)、Φ(x)は、光透過膜によって生じる位相変調であり、画素中央からの距離xの2次関数で定義される。
本実施の形態では、入射光を位相変調することによって、光の伝播方向を制御している。図9(a)〜(c)は、光の伝播方向を説明するための概念図を示す。
本実施の形態に係る光透過膜19は、特定の角度で入射した光を任意の位置で集光させるための集光素子であるが、大きく分けて2つの成分に区別できる。一つは、特定の角度16で入射する光9を任意の角度17で出射する偏向成分であり、もう一つは、任意の焦点距離で光を集める集光成分である。このような偏向成分と集光成分を生じさせるためには、次のような設計が必要となる。
図10は、光透過膜に対して斜め入射する光204、205をZ軸上で集光させるための条件を示している。
位相の異なる入射光204と205を焦点距離208で集光させるためには、入射光204と入射光205の間に光路長差206と光路長差207が必要である。このとき、光路長差206は、光を偏向させるための光路長差であり、光路長差207は、集光させるために必要な光路長差である。入射光の波数をk、光が集まる焦点距離をf、光の入射角度をθ、レンズ厚みをLmax、入射側媒質の屈折率をn、出射側媒質の屈折率をnとするとき、偏向成分による位相変調ΦA、と集光成分による位相変調ΦBは、
で表される。このとき、光透過膜によって生じる全位相変調Φ(x)は、
または、
となる。このとき、図11に示すように、上記(4)式で示される位相変調26は、フレネルゾーン領域の区切りがなく、連続して位相が変化する。これに対して、(5)式で示される位相変調は、第1フレネルゾーン領域27だけでなく、第2フレネルゾーン領域28、第3フレネルゾーン領域29のように、(4)式を2πで分割して得られる位相変調となる。1位相毎にフレネルゾーン領域を区別しているため、実効的な位相変調は(4)式と(5)式で等しくなる。
上記(1)式では、屈折率分布によって入射光に位相変調を与えているが、次の(6)式で表される膜厚分布L(x)を有する光透過膜を形成してもよい。
また、複数フレネルゾーン領域を有する光透過膜を形成するときの、各フレネルゾーン領域境界での位相差を2πとするための条件は、
である。光透過膜が薄い場合は、一般には損失要因はないので、上記(7)式を満たしていれば、集光効率は100%となる。
(実施の形態2)
図12(a)〜(c)は、本発明に係る実施の形態2における、同心円構造を有する分布屈折率レンズの走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。この分布屈折率レンズは、溶融石英基板上に、電子線(EB)描画用レジスト(ZEP520:屈折率1.56)と空気の屈折率差を利用した分布屈折率レンズをEB描画によって形成した。作製手法の詳細は後述する。レンズ径は2.8μm、レンズ厚は1μm、分割領域の幅は0.2μmである。屈折率分布は、上記(5)式に従い、焦点距離は5μm、入射光の波長を0.55μm、入射側媒質の屈折率を1.45(溶融石英)、出射側媒質の屈折率を1(空気)として設計した。
図12(a)は、入射角度設定値が0°(θ=0°)の分布屈折率レンズの上面SEM写真を示す。真円の同心円(図12(a))が複数個配列している様子が確認できる。入射角度設定値を5°(図12(b))、10°図12(c))と増加するに従って、同心円が紙面右側方向にシフトしている。これは有効屈折率の高い領域が右側にシフトしていくことを意味している。
図13(a)〜(c)は、レンズ表面に垂直な方向に光を入射した場合の、集光スポットの光学顕微鏡写真(透過測定)を示す。この場合の光源の中心波長は0.55μmである。設定角度の増加に伴って、集光スポットが紙面右側(有効屈折率の高い方向)へとシフトしていく様子が確認できる。この中心からのずれは、本実施例の分布屈折率レンズが有する偏向成分によって生じている。
図14は、光を斜め入射(図14(a))又は垂直入射(図14(b))した場合の焦点位置の変化を示す。角度で入射した光9を画素中央で集光するように設計されているレンズ(図14(a))に、光を垂直入射すると集光スポットは、画素中央からf×tanだけシフトした位置に現れる(図14(b))。このとき、中央からのシフト量を測定することによって、作製したレンズが何度対応のレンズであるかを評価することができる。今回作製した5°、10°対応のレンズの実験値は5.2°、11.1°であり、非常に精度良く形成できていることがわかる。
図15(a)〜(d)は、入射窓領域が円形の場合と四角の場合との比較を示す。入射窓領域が円形の場合(図15(a))は、図15(b)に示すようにレンズとレンズの間に隙間ができるため、集光スポット62のほかに漏れ光63が発生し、集光ロスの大きな原因となる。しかしながら、入射窓領域を四角とし、隣のレンズと共有する領域についても本屈折率分布を形成させると(図15(c))、図15(d)に示すように画素全領域の入射光を集光することができるので、漏れ光は無くなり、上記の集光ロス63を低減することができる。
図16(a)〜(d)は、分布屈折率レンズの作製工程を示す。レンズ形成は、ナノインプリンティングとエッチングによって行った。まず通常の半導体プロセスを用いて、Si基板上に受光素子、および配線、遮光層、信号伝送部からなる半導体集積回路8(上記図9では描いていない)とカラーフィルタ2を形成する。1画素のサイズは、2.8μm角であり、受光部は1.1μm角である。その後に、プラズマCVDを用いて、TiO膜37を形成し、その上にレジスト36を塗布する(図16(a))。TiO膜とレジストの厚みはそれぞれ、0.5μmと0.5μmである。同心円構造をパターニングしてあるSiC製のモールド(金型)38を、レジストに150℃で加熱プレスすることによって、微細構造をレジスト上に転写する(図16(b))。モールドは、通常の電子線ビームリソグラフィーとエッチングによって形成したものである。その後、180℃でポストベークを行った後、Arイオンミリングによって、第1段階のエッチング39を行う(図16(c))。レジストを除去した後、ウェットエッチング40によって画素上に同心円構造を形成する(図16(d))。
これ以降で説明する実施形態3〜5におけるレンズは、前記ナノプリンティング法によって形成しており、TiOと空気の屈折率差を利用した分布屈折率レンズである。
(実施の形態3)
図17(a)〜(c)は、実施の形態3に係る1画素の基本構造を示す図である。本画素に係るレンズは、入射光に対して上記(4)式の位相変調を与えるような、単一フレネルゾーン領域の屈折率分布を有している。入射窓に入射角0°で入射してくる光66、入射角α/2°で入射してくる光67、入射角α°で入射してくる光68は、それぞれ0°入射光用分布屈折率レンズ69、α/2°入射光用分布屈折率レンズ70、α°入射光用分布屈折率レンズ71によって集光され、カラーフィルタ2を通過して、受光部で電気信号への変換が行われる。ここで角度αは、下記(8)式で定義される。ここで、Dは画素サイズである。
本実施の形態に係る分布屈折率レンズでは、入射光の波長によって各画素のレンズ構造を最適化することが可能であることから、入射角度による集光効率の違いはなく高効率に集光することができる。0°入射光用分布屈折率レンズでは、同心円の中心が画素中央部分にあるのに対して、入射角度が増加すると、円の中心は光の入射側にシフトしていく。
これは、上記(4)式と上記(1)式に示されているように、屈折率分布の2次曲線の最大値が、入射角度θの増加に伴って、光入射側にシフトするためである(図18参照)。
入射角度がα以下の場合には、膜厚を一定(1位相分)にしたまま、レンズを単一フレネルゾーン領域で設計することができる。このとき、光は連続してレンズに入射されるので、レンズ表面での散乱ロスが低減し、集光効率は向上する。入射角度をα以上にする場合には、光路長を長くする(位相変調を大きくする)ために、膜厚をさらに大きくすればよい。
また、上記(4)、(5)式から明らかなように、位相変調は対象とする光の波長によって異なる。これは各画素に入射する光の色に応じて、最適なレンズ構造を持つことを意味している。本実施例において、波長0.45μm、0.55μm、0.65μmの光を、それぞれの色用のレンズ構造を有する画素に入射した場合、いずれも80%程度の高い集光効率を示すことがわかっている。
(実施の形態4)
図19は、実施の形態4に係る、VGA使用(31万画素)の固体撮像装置における画素配列の様子を示す図である。信号光75は、光学レンズ76によって集光され、分布屈折率レンズを有する固体撮像装置77上に照射される。受光素子と配線等からなる半導体集積回路8ならびに分布屈折率レンズが2次元配列している固体撮像装置においては、中心部分の画素と周辺部分の画素とでは、光の入射角度が異なる。中心部分ではほぼ0°入射であるのに対して、周辺部分では約30°入射となる。そこで、本実施の形態では、撮像装置の中央から周辺部分にかけて、各画素に入射する最も光強度の強い入射光成分に対応する分布屈折率レンズを形成した。それぞれのレンズは、撮像装置上の画素の位置によって、レンズ構造を最適化し、最も集光効率が高くなるようにしている。なお、入射角度が20°以下の光に対しては、半導体集積回路のシュリンクによって集光効率の向上を行った。入射角度20°以上の入射光に対しては、最大シュリンク量(最下層Al配線のズレで0.438μm)を保ったまま、レンズ構造の最適化を行った。
図20は、入射角度45°の入射光に対して、回路のシュリンクとレンズ構造の最適化を行った画素中における光伝播プロファイルのシミュレーション結果を示す図である。入射光の伝播方向は、レンズ通過時に曲げられ、第1の配線層(遮光層)で焦点を結び、その後受光素子まで伝播していく様子が確認できる。これは、上記(4)式ならびに(1)式に従ってレンズ構造を変化させることによって、光の出射角度や焦点距離の制御が可能であることを示唆している。
図21(a)は、集光効率の入射角度依存性を示す図である。回路シュリンクを行っていない、入射角度θの設定が0°のレンズでは、入射角度の増加に伴って、集光効率は単調に減少している。シュリンク量の増加にしたがって、集光効率のピークは高角度側にシフトし、最大シュリンク量0.438μmで、効率のピーク位置は20°となる。最大シュリンク量を保ったまま、レンズ構造の最適化すると、ピークはさらに高角度側にシフトし、θ設定が15°のレンズでは最大効率のピーク位置は45°となった。
この結果を固体撮像装置全体の特性としてプロットすると図21(b)のようになる。横軸の角度は、固体撮像素子に入射する光の角度を示しており、0°が中心部分、30°以上が周辺画素を意味している。マイクロレンズを用いた固体撮像装置の集光効率が入射角度20°付近の画素から急激に低下するのに対して、本発明の分布屈折率レンズでは、周辺画素においても、集光効率は80%を保っている。図21(b)からも明らかなように、本発明の分布屈折率レンズは、マイクロレンズと比較して、入射光の角度依存性に強いことがわかる。これにより、シュリンク構造と本発明のレンズを組み合わせることによって、入射角度の増加に伴う集光効率の低下を緩和することができることから、携帯電話用カメラ等の短焦点光学系への応用が期待できる。
(実施の形態5)
図22(a)〜(c)は、実施の形態5に係る1画素の基本構造を示す図である。本画素におけるレンズは、入射光に対して上記(5)式の位相変調を与えるような、複数フレネルゾーン領域の屈折率分布を有している。入射窓に入射角0°で入射してくる光86、入射角α°で入射してくる光87、入射角2α°で入射してくる光88は、それぞれ0°入射光用分布屈折率レンズ89、α°入射光用分布屈折率レンズ90、2α°入射光用分布屈折率レンズ91によって集光され、カラーフィルタ2を通過して、受光部で電気信号への変換が行われる。
上記実施の形態4のレンズと同様に、本実施の形態に係る分布屈折率レンズにおいても、入射角度の増加に伴って、第1フレネルゾーン領域の屈折率分布の最大値が、入射側にシフトしていく(図23(a)〜(c))。さらに角度を大きくすると、第2、第3フレネルゾーン領域が出現する。45°以上の高角度で入射する光に対しても、複数フレネルゾーン領域を使用することにより、高集光効率を維持することが可能である。原理上、膜厚が1位相分であるとき、集光効率は100%となるが、膜厚が上記(7)式からずれるときや、各フレネルゾーン領域配列の周期構造が上記(5)式を満たさないとき、効率は減少する。
図24は、入射角度45°の入射光に対して、レンズ構造の最適化を行った画素中における光伝播プロファイルのシミュレーション結果を示す。なお、回路のシュリンクは行っていない。入射光が、レンズによって受光素子方向へとコリメートされ、第1の配線層(遮光層)を抜けて、受光素子まで伝播していく様子が確認できる。
図25(a)は、集光効率の入射角度依存性を示す図である。入射角度θの設定を0°から増加させると、集光効率のピークは高角度側にシフトし、θ設定が40°で、集光効率のピーク位置は40°となる。
図25(b)は、集光効率の画素位置依存性を示す図である。入射角の増加は、画素の位置が撮像装置の端方向であることを示唆している。比較として、マイクロレンズ構造を有する固体撮像装置のデータを併記する。なお、この構造では半導体集積回路のシュリンクを行っていない。図25(b)からも明らかなように、複数フレネルゾーン領域を持つレンズを有する固体撮像装置では、シュリンクを行っていないにもかかわらず、入射角度20°以上の高角度領域において、マイクロレンズ以上の集光効率を得ることに成功している。この結果は、シュリンクフリーで、集光効率が画素位置に依存しない高感度の撮像装置が作製できることを示唆している。
(実施の形態6)
図26は、実施の形態6に係るSVGA対応(48万画素)の固体撮像素子の基本構造を示す図である。各画素(サイズ□2.8μm)は、分布屈折率レンズ1、G用カラーフィルタ2、Al配線3、信号伝送部4、平坦化層5、受光素子(Siフォトダイオード)6、Si基板7から構成されている。
図27は、分布屈折率レンズの上面図である。屈折率は、面内方向において、高屈折率領域10[GeO(n=1.65)]
から低屈折率領域11[SiO(n=1.45)]まで連続的に変化している。屈折率が連続的に分布しているため、レンズ表面での散乱ロスがなくなり、集光効率が大きく改善される。本実施の形態における屈折率分布は、上記(4)式に従い単一フレネルゾーン領域とした。また、膜厚は1μmである。
図28(a)〜(e)は、本実施の形態に係る分布屈折率レンズの作製工程を示す図である。レンズ形成は、イオン注入によって行った。まず通常の半導体プロセスを用いて、Si基板上に受光素子、および配線、遮光層、信号伝送部からなる半導体集積回路42(図28では描いていない)を形成する。1画素のサイズは、2.8μm角であり、受光部は1.1μm角である。その後に、スパッタ装置を用いて、SiO膜43を形成し、その上にレジスト44を塗布する。その後、電子線露光45によって、パターニングを行う(図28(a))。SiO膜とレジストの厚みはそれぞれ、0.5μmと0.5μmである。現像した後(図28(b))、マスクとして金属(今回はAuを用いた)を電子線蒸着46する(図28(c))。レジストを除去した後、180keVの加速電圧でGeイオンの注入を行う(図28(d))。レジストを除去した後、600℃でポストベークを行うことにより、画素上に連続的に屈折率分布したレンズが形成できる(図28(e))。
(実施の形態7)
図29は、実施の形態7におけるVGA対応(31万画素)の固体撮像素子の基本構造を示す図である。各画素(サイズ□2.8μm)は、分布屈折率レンズ101、G用カラーフィルタ2、Al配線3、信号伝送部4、平坦化層5、受光素子(Siフォトダイオード)6、Si基板7から構成されている。
図30は、本実施の形態に係る分布屈折率レンズの上面図を示す。本構造のレンズは、面内方向に入射の対象となる光の波長と同程度か、もしくは小さい直径を有する光透過材料が、異なる屈折率を有する光透過膜の中、もしくは上に不均一に分散している構造である。このとき、光が感じる有効屈折率は高屈折率材料103と低屈折率材料102の体積比によって算出できる。本構造の最大の特長は、隣り合う高低屈折率材料の間隔を変化させることによって、有効屈折率を変化させ、分布屈折率素子を容易に形成できることである。本実施例では、一辺が0.2μm以下の高屈折率材料103[TiO(n=2.53)]が低屈折率材料102[SiO(n=1.45)]の中に分散している構造を用いた。
図31(a)〜(d)は、本実施の形態に係る分布屈折率レンズの作製工程を示す図である。レンズ形成は、電子線描画とエッチングによって行った。まず通常の半導体プロセスを用いて、Si基板上に受光素子、および配線、遮光層、信号伝送部からなる半導体集積回路42(図31では描いていない)を形成する。1画素のサイズは、2.8μm角であり、受光部は1.1μm角である。その後に、スパッタ装置を用いて、SiO膜43を形成し、その上にレジスト44を塗布する。その後、電子線露光45によって、パターニングを行う(図31(a))。SiO膜とレジストの厚みはそれぞれ、0.5μmと0.5μmである。現像した後、エッチングを行い、画素表面に微細構造を形成する(図31(b))。なお、上記実施の形態2のレンズは、レジストを露光し、現像した段階で作製工程を完了したレンズである。レジストを除去した後、プラズマCVDを用いて、TiOを堆積する(図31(c))。画素全域を被覆したTiO層を、表面研磨によって取り除いた後、800度でポストベークを行う(図31(d))。以上の工程を経て、画素上に光屈折率材料が不均一に分散している屈折率分布レンズが形成できる。
上記実施の形態1から7では、上記(4)、(5)式で与えられる位相変調を、光透過膜の面内方向における屈折率分布によって実現しているが、もちろん法線方向の膜厚分布によって実現しても良い。
(実施の形態8)
図32は、実施の形態8として、上記(4)、(6)式から得られる膜厚分布レンズの断面図である。位相変調は単一フレネルゾーン領域であるため、光は連続してレンズに入射され、表面での散乱ロスは非常に小さく、集光効率は向上する。より高角度入射に強いレンズを形成するためには、光の入射側の膜厚を上記(4)、(6)式に従って、増加すればよい。
(実施の形態9)
図33は、実施の形態9として、上記(5)、(6)式から得られる膜厚分布レンズの断面図である。位相変調は複数フレネルゾーン領域であるため、単一フレネルゾーン領域のレンズに比べてより、高角度入射の光に対応できる。また、膜厚は入射光の1位相分で一定であるため、固体撮像素子への搭載が容易となる。
膜厚分布レンズにおいては、サイズが大きいレンズの場合は、機械研磨等による形成が可能である。しかしながら、直径が数十μm以下のマイクロレンズともなると、非常に微細な構造であり、リフローで自己組織化的に形成されるため、球面形状の制御が非常に困難でとなる。そのため、微細な膜厚分布レンズを形成するためには、表面を連続ではなく、不連続にする必要がある。
(実施の形態10)
図34は、実施の形態10として、光透過膜の面内方向において、膜厚が離散的かつ不均一に変化している膜厚分布レンズを示す図である。レンズ表面を、入射の対象となる光の波長と同程度か、もしくは小さい段差を持つ階段構造で形成することによって、不連続な膜厚分布は集光効率にほとんど影響を与えなくなる。段差の大きさが0.1μmである本実施例の膜厚分布レンズ(直径3μm)の集光効率は80%と非常に高い値であった。微小レンズの形成は、上記実施の形態1から5で示したナノインプリント技術や、上記実施の形態7で示した電子線描画技術を用いることによって、容易に行うことができる。
(実施の形態11)
図35は、実施の形態11として、本発明における光透過膜の偏向成分のみを用いた固体撮像素子を示す。各画素(サイズ□2.8μm)は、分布屈折率レンズ108、G用カラーフィルタ2、Al配線3、信号伝送部4、平坦化層5、受光素子(Siフォトダイオード)6、Si基板7、層内レンズ109から構成されている。
図36(a)は、分布屈折率レンズの上面図である。屈折率は、面内方向において、高屈折率領域110[GeO(n=1.65)]から低屈折率領域1111[SiO(n=1.45)]まで連続的に変化している。本実施の形態における屈折率分布は、上記(2)式で示される位相変調を与えるように設計している。上記(2)式の成分はxの1次関数であるため、屈折率の変化は線形となり、光の入射側の屈折率が高くなる。本実施の形態では、単一フレネルゾーン領域としたがもちろん複数フレネルゾーン領域を利用しても良い。また、同様の位相変調は膜厚分布によっても実現可能である。
なお、実施の形態1、3〜7、11では、CCDを用いているが、MOSセンサを用いてももちろんよい。また、説明を行った分布屈折率レンズならびに膜厚分布レンズと同じ特性をもつ、他の材料によって形成された分布屈折率レンズならびに膜厚分布レンズを用いてももちろんよい。また、説明を行った以外の製造方法を用いて分布屈折率レンズならびに膜厚分布レンズを製造してももちろんよい。
本発明に係る集光素子および固体撮像装置は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ付携帯電話などに利用が可能であり、性能向上や低価格化も実現できるため、産業上有用である。
本発明は、ディジタルカメラ等に使用される集光素子および固体撮像装置に関するものである。
ディジタルカメラやカメラ付携帯電話の普及に伴い、固体撮像装置の市場は著しく拡大してきた。このような流れの中、固体撮像素子に対する要望は高感度化/高画素化など変化してきたが、近年はデジタルスチルカメラ/携帯電話などの薄型化に伴い、カメラ部分の薄型化に対する要望も強くなっている。これは言い換えれば、カメラ部分に用いるレンズが短焦点になるということであり、固体撮像素子に入射する光は広角(固体撮像素子の入射面の垂直軸から測定して大きな角度)になることを意味する。
現在、固体撮像装置として広く使用されているCCDやMOSイメージセンサでは、複数の受光部分を有する半導体集積回路を2次元に配列して、被写体からの光信号を電気信号に変換している。
固体撮像素子の感度は、入射光量に対する受光素子の出力電流の大きさによって定義されていることから、入射した光を確実に受光素子に導入することが感度向上のため重要な要素となっている。
図4は、従来の一般的な画素の基本構造の一例を示す図である。図4に示すように、マイクロレンズ105に垂直に入射した光106(破線で示した光)は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかのカラーフィルタ2によって色分離された後、受光部6において電気信号への変換がなされる。比較的高い集光効率が得られることから、マイクロレンズ105は、ほとんど全ての固体撮像装置において使用されている。
上記のマイクロレンズを使用した固体撮像装置において、各画素に対し、非対称にレンズを配置する構成例の提案がある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、斜め入射光をセンサ部に導くことができる実施例が記載されている。
また、フレネルレンズを利用した固体撮像装置として、様々な技術が開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特許文献2に開示されている技術は、レンズは同心円状に異なる屈折率を持つ複数の層からなり、中心部が最も屈折率が高く、周辺部になるにつれて順に屈折率が減少するように構成されている。また、特許文献3に開示されている技術には、厚さ分布型レンズと、ドーピングによって連続的に屈折率分布を持たせた分布屈折率型レンズが利用されている。
特開2001−196568号公報 特開2000−39503号公報 特開平5−251673号公報
今後、広角入射に対応した固体撮像装置を開発するためには、特定の角度で入射する光を確実に受光素子へと導入する必要がある。
しかしながら、マイクロレンズでは、集光効率が信号光の入射角度に依存して低下する。つまり、図4に示すように、レンズに垂直に入射してくる光106については高効率に集光することができるが、斜め入射の光107(実線で示した光)に対しては集光効率が減少するのである。これは、斜め入射の光107が、画素中のAl配線3に遮光されてしまい、受光素子6まで到達できないためである。
上述したように、固体撮像装置は、複数の画素の2次元配列で構成されているため、広がり角を持つ入射光の場合、中央の画素と周辺の画素とでは入射角が異なる(図1参照)。その結果、周辺の画素の集光効率が中央の画素より低下するという問題が起こる。
図2は、従来における周辺の画素の構造例を示す図である。周辺の画素では入射光の入射角度が大きくなるため、電気配線部分を内側方向にずらす(シュリンクさせる)ことによって、集光効率の向上を図っている。
図3は、従来のマイクロレンズを用いた固体撮像装置の集光効率の入射角度依存性を示す図である。図3に示すように、入射角度が20°程度までの光に対しては高効率に集光できていることがわかる。しかしながら、それ以上の入射角度になると、集光効率は急激に減少する。結果として、周辺画素の光量は中央部分の約40%程度であり、素子全体の感度は周辺素子の感度に律速されているのが現状である。また、この値は画素サイズの減少に伴ってさらに低下するため、小型カメラのような短焦点光学系への応用が非常に困難になる。さらに、製造工程においては、これ以上の回路シュリンクができないといった問題が発生している。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、薄型カメラ用の焦点距離が短い光学系(入射角θが大きい光学系)に対応した固体撮像装置等を実現するため、現存のマイクロレンズよりも高角度の入射光を集光し得る光学素子等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、入射光を集光する集光素子であって、前記入射光が入射する基板と、前記基板上の前記入射光が入射する位置に形成された、光透過膜の集合体とを備え、前記光透過膜は、前記入射光の波長と同程度か、それより短い幅のゾーン形状を有し、前記ゾーン形状は、偏心させた中心対称形状であり、前記光透過膜の集合体が実効屈折率分布を生じることを特徴とする。
これにより、現存のマイクロレンズよりも高角度の入射光を集光し得る光学素子を実現することができる。
さらに、前記光学素子の屈折率分布を制御することにより、特定の角度で入射する光の出射角度を制御できる偏向素子や、入射光を任意の位置で集光できる集光素子の形成が可能となる。
前記光透過膜において、入力対象とする光の波長によって、もしくは、入力対象とする色の代表波長によって、前記光透過膜の位相変調が異なる。これにより、入射光の波長によって各画素のレンズ構造を最適化することが可能となり、色による集光効率の違いを無くすことができる。
また、前記光透過膜において、入力対象とする光の焦点距離の設定によって、前記光透過膜の位相変調が異なる。これにより、入射光の焦点距離が可変となり、各画素構造に適したレンズ設計が可能となる
もしくは、最も光強度の強い入射光成分の入射角度によって、前記光透過膜の位相変調が異なり、入射光の入射角度によって各画素のレンズ構造を最適化することが可能となり、入射角度の増加に伴う集光効率の低下を無くすことができる。
入射光の波長をλ、光が集まる焦点距離をf、光の入射角度をθ、入射側媒質の屈折率をn0、出射側媒質の屈折率をn1とするとき、面内方向の距離xに依存する、前記光透過膜による位相変調Φ(x)が、
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、第1フレネルゾーン領域のみで集光でき、集光ロスの少ない、高効率な集光が可能となる。
また、前記光透過膜による位相変調Φ(x)が、
m=自然数
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、複数フレネルゾーン領域での集光が可能となり、位相変調を大きくできるため、より高角度の入射光に強い集光素子が実現できる。
前記光透過膜屈折率の最大値をn0+Δnmax、前記光透過膜の面内方向の屈折率分布においてn0に対する差をΔn(x)とするとき、
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、特定の角度で入射する光を任意の位置で集光可能である、高集光効率な分布屈折率レンズを形成できる。
また、前記分布屈折率レンズにおいて、
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、前記分布屈折率レンズによる最大位相変調が入射光の1位相分となり、集光ロスが最小となることから、高効率な集光が可能となる。
前記光透過膜の膜厚の最大値をLmax、膜厚分布をL(x)とするとき、
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、特定の角度で入射する光を任意の位置で集光可能である、高集光効率な膜厚分布レンズを形成できる。
また、前記膜厚分布レンズにおいて、
をほぼ満たすことが望ましい。これにより、前記膜厚分布レンズの最大位相変調が入射光の1位相分となり、集光ロスが最小となることから、高効率な集光が可能となる。
前記分布屈折率レンズにおいて、膜厚が均一であることからプロセスが容易になり、製造コストを低減させることができる。
また、前記分布屈折率レンズにおいて、膜厚を不均一にすることにより、第1フレネルゾーン領域のみを使用でき、集光効率が向上する。
また、前記分布屈折率レンズにおいて、面内方向の線幅が、入射の対象となる光の波長と同程度か、もしくは小さい一定の値で分割された複数の分割領域ごとに、前記線幅に対して線幅の合計の占める割合が互いに異なる、同心形状を有する構造を考案した。この手法を用いれば、同心円の線幅を変化させることによって、有効屈折率を変化させ、分布屈折率素子を容易に形成できる。
このとき、光透過膜の断面形状が矩形であることが望ましい。これにより、より鋭い屈折率変化が生じ、集光が高まる。
また、前記分布屈折率レンズにおいて、面内方向に入射の対象となる光の波長と同程度か、もしくは小さい直径を有する光透過材料が不均一に分散している構造を考案した。この手法を用いれば、隣り合う前記光透過材料の間隔を変化させることによって、有効屈折率を変化させ、分布屈折率素子を容易に形成できる。
また、前記光透過膜において、面内方向に連続的かつ不均一に屈折率または膜厚が変化している構造を考案した。これにより、入射光の位相は連続的に変化することから、集光率が向上する。
また、前記膜厚分布レンズにおいて、面内方向に離散的かつ不均一に膜厚が変化している構造を考案した。この手法を用いることにより、高い集光効率を維持したまま、プロセスが容易になる。
さらに、前記光透過膜は、屈折率が1.45以上3.4以下の高屈折透明材料からなることを特徴とする。
さらに、前記光透過膜は、TiO2、ZrO2、Nb25、Ta25、Al23、HfO2、Si34およびSi23の中のいずれかを含むことを特徴とする。これらは高屈折率材料であるため、光透過膜の膜厚を薄くでき、製造プロセスが容易になる。
また、前記光透過膜は、BまたはPが添加されたSiO2(BPSG(Boro-Phospho Silicated Glass))およびTEOS(Tetraethoxysilane)の中のいずれかを含むことを特徴とする。これらは従来の半導体プロセスで一般的に使用されている材料であるので、集光素子の容易な形成が可能であり、製造コストを低減させることができる。
また、前記光透過膜は、ベンゾシクロブテン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミドおよびポリイミドの中のいずれかを含むことを特徴とする。樹脂は直接加工でき、ナノインプリントで直接集光素子を形成できるため、量産性が高まる。
また、単位画素が複数設置された固体撮像装置であって、入射光を集光する本発明に係る集光素子と、前記集光素子で集光された光を入射し、電荷に変換する受光素子とを備えることを特徴とする。これにより、マイクロレンズを用いることなく、画素の集光効率を向上させることができる。従って、高解像度、高感度な固体撮像装置を実現できる。
さらに、前記集光素子は、対応する画素領域の全域に形成されていることを特徴とする。これにより、光の入射面が画素領域全体となり、集光ロスが低減する。
さらに、少なくとも、前記入射光のうち第1の色光用の第1の単位画素と、前記第1の色光の代表波長とは異なる代表波長を有する第2の色光用の第2の単位画素とを備え、前記第1の単位画素は、第1の集光素子を備え、前記第2の単位画素は、前記第2の色光の焦点距離が前記第1の集光素子の前記第1の色光の焦点距離と等しい第2の集光素子を備えることを特徴とする。これにより、入射光の波長によって各画素のレンズ構造を最適化することが可能となり、色による集光効率の違いを無くすことができる。
さらに、前記焦点距離は、前記光透過膜の屈折率分布を制御することにより、所定の値に設定されていることを特徴とする。これにより、入射光の焦点距離が可変となり、各画素構造に適したレンズ設計が可能となる。
さらに、前記集光素子は、前記光透過膜の屈折率分布を制御することにより、最も光強度の大きい入射角度を有する光の前記受光素子における集光効率が所定値以上になるように設定されていることを特徴とする。これにより、入射光の入射角度によって各画素のレンズ構造を最適化することが可能となり、入射角度の増加に伴う集光効率の低下を無くすことができる。
さらに、前記単位画素は、前記集光素子の出射面側に、前記受光素子の上部を開口部とする配線層を備え、前記集光素子で集光された光の焦点が、前記配線層の前記開口部の位置と一致していることを特徴とする。これにより受光面を最大限に使用でき、集光効率が高くなる。
さらに、前記単位画素において、前記偏向素子または前記集光素子の出射側に集光レンズを備えていることを特徴とする。これにより、画素内での集光ロスが低減し、前記偏向素子または前記集光素子の設計が容易となる。
さらに、前記複数の単位画素が、2次元状に配列されていることを特徴とする。これにより、感度の高い二次元画像入力装置が実現できる。
さらに、前記複数の単位画素が形成された面の中央に位置する前記単位画素の集光素子と、周辺に位置し、前記中央に位置する単位画素と同一の色用の単位画素の集光素子では、前記光透過膜の屈折率分布が異なっていることを特徴とする。これにより、固体撮像装置上の画素の位置によって、レンズ構造を最適化することが可能となり、固体撮像装置のシュリンク構造を緩和させることができる。また、集光素子の製造方法が容易となり、集光素子全体の感度も向上する。
さらに、前記複数の単位画素が形成された面の中央に位置する前記単位画素では、前記受光素子の中心軸と前記集光素子の中心軸が一致するように形成され、周辺に位置する前記単位画素では、前記受光素子の中心軸より前記集光素子の中心軸が前記面の中央寄りに形成されていることを特徴とする。これにより、低度のシュリンク構造をとることができ、周辺画素の集光効率がより向上する。
本発明の固体撮像装置は、上記レンズ構造を有しているため、解像度ならびに感度の向上や製造工程の容易化を実現できる。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。
(実施の形態1)
図5は、本実施の形態に係る固体撮像素子の基本構造を示す図である。各画素(サイズ□2.8μm)は、分布屈折率レンズ(「光透過膜の集合体」ともいう。)1、G用カラーフィルタ2、Al配線3、信号伝送部4、平坦化層5、受光素子(Siフォトダイオード)6、Si基板7から構成されている。図6は、分布屈折率レンズの上面図を示す図である。
分布屈折率レンズ1における同心円構造は、高屈折率材料33[TiO2(n=2.53)]と低屈折率材料34[空気(n=1.0)]で構成されており、複数の隣り合う分割領域の幅35は、例えば一定の200nmである。また、膜厚tは0.5μmである。
図6示されるように、各光透過膜はゾーン形状を有し、偏心された中心対称形状であり、所定の線幅を有している。図6における同心状の高屈折率光透過材料33や同心状の低屈折率光透過材料34は、それぞれ1つのゾーンを形成する。したがって、分布屈折率レンズ1は、複数のゾーンの集合体でもある。なお、ゾーンの幅を「線幅」ということとする。
ここで、「分割領域」とは、入射光の波長と同程度、もしくはそれ以下の任意の幅で同心状に分割した領域をいう。
図7は、分布屈折率レンズの断面構造を示す図である。同心円の各光透過膜(即ち、ゾーン)の線幅は円中心部分が最も大きく、外側のリングになるに従って、線幅は順に小さくなっていく。各ゾーンの幅が入射光の波長と同程度か波長より小さいときには、光が感じる有効屈折率は、分割領域における高屈折率材料と低屈折率材料の体積比によって算出できる。本構造の最大の特長は、線幅を変えるだけで、屈折率分布を自由自在に制御できることである。
このときの屈折率の変化は図8のように表され、非対称である。レンズの屈折率は、円の中心部分が最も高く、端になるに従って順に低くなる。つまり、図5に示す入射光9のように、一定の方向から入射される光に対する屈折率分布が、分布屈折率レンズ1の中心に対して非対称である。
図8において実線で示した放物線は、波長λ(550nm)の入射光を焦点距離f(4.43μm)で集光させるための屈折率分布を示しており、下の式で表される。

ここで、Δn(x)は、入射側媒質とレンズ材料との屈折率差(今回は1.53)、Φ(x)は、光透過膜によって生じる位相変調であり、画素中央からの距離xの2次関数で定義される。
本実施の形態では、入射光を位相変調することによって、光の伝播方向を制御している。図9(a)〜(c)は、光の伝播方向を説明するための概念図を示す。
本実施の形態に係る光透過膜19は、特定の角度で入射した光を任意の位置で集光させるための集光素子であるが、大きく分けて2つの成分に区別できる。一つは、特定の角度16で入射する光9を任意の角度17で出射する偏向成分であり、もう一つは、任意の焦点距離で光を集める集光成分である。このような偏向成分と集光成分を生じさせるためには、次のような設計が必要となる。
図10は、光透過膜に対して斜め入射する光204、205をZ軸上で集光させるための条件を示している。
位相の異なる入射光204と205を焦点距離208で集光させるためには、入射光204と入射光205の間に光路長差206と光路長差207が必要である。このとき、光路長差206は、光を偏向させるための光路長差であり、光路長差207は、集光させるために必要な光路長差である。入射光の波数をk0、光が集まる焦点距離をf、光の入射角度をθ、レンズ厚みをLmax、入射側媒質の屈折率をn0、出射側媒質の屈折率をn1とするとき、偏向成分による位相変調ΦA、と集光成分による位相変調ΦBは、



で表される。このとき、光透過膜によって生じる全位相変調Φ(x)は、
または、
となる。このとき、図11に示すように、上記(4)式で示される位相変調26は、フレネルゾーン領域の区切りがなく、連続して位相が変化する。これに対して、(5)式で示される位相変調は、第1フレネルゾーン領域27だけでなく、第2フレネルゾーン領域28、第3フレネルゾーン領域29のように、(4)式を2πで分割して得られる位相変調となる。1位相毎にフレネルゾーン領域を区別しているため、実効的な位相変調は(4)式と(5)式で等しくなる。
上記(1)式では、屈折率分布によって入射光に位相変調を与えているが、次の(6)式で表される膜厚分布L(x)を有する光透過膜を形成してもよい。
また、複数フレネルゾーン領域を有する光透過膜を形成するときの、各フレネルゾーン領域境界での位相差を2πとするための条件は、
である。光透過膜が薄い場合は、一般には損失要因はないので、上記(7)式を満たしていれば、集光効率は100%となる。
(実施の形態2)
図12(a)〜(c)は、本発明に係る実施の形態2における、同心円構造を有する分布屈折率レンズの走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。この分布屈折率レンズは、溶融石英基板上に、電子線(EB)描画用レジスト(ZEP520:屈折率1.56)と空気の屈折率差を利用した分布屈折率レンズをEB描画によって形成した。作製手法の詳細は後述する。レンズ径は2.8μm、レンズ厚は1μm、分割領域の幅は0.2μmである。屈折率分布は、上記(5)式に従い、焦点距離は5μm、入射光の波長を0.55μm、入射側媒質の屈折率を1.45(溶融石英)、出射側媒質の屈折率を1(空気)として設計した。
図12(a)は、入射角度設定値が0°(θ=0°)の分布屈折率レンズの上面SEM写真を示す。真円の同心円(図12(a))が複数個配列している様子が確認できる。入射角度設定値を5°(図12(b))、10°図12(c))と増加するに従って、同心円が紙面右側方向にシフトしている。これは有効屈折率の高い領域が右側にシフトしていくことを意味している。
図13(a)〜(c)は、レンズ表面に垂直な方向に光を入射した場合の、集光スポットの光学顕微鏡写真(透過測定)を示す。この場合の光源の中心波長は0.55μmである。設定角度の増加に伴って、集光スポットが紙面右側(有効屈折率の高い方向)へとシフトしていく様子が確認できる。この中心からのずれは、本実施例の分布屈折率レンズが有する偏向成分によって生じている。
図14は、光を斜め入射(図14(a))又は垂直入射(図14(b))した場合の焦点位置の変化を示す。角度で入射した光9を画素中央で集光するように設計されているレンズ(図14(a))に、光を垂直入射すると集光スポットは、画素中央からf×tanだけシフトした位置に現れる(図14(b))。このとき、中央からのシフト量を測定することによって、作製したレンズが何度対応のレンズであるかを評価することができる。今回作製した5°、10°対応のレンズの実験値は5.2°、11.1°であり、非常に精度良く形成できていることがわかる。
図15(a)〜(d)は、入射窓領域が円形の場合と四角の場合との比較を示す。入射窓領域が円形の場合(図15(a))は、図15(b)に示すようにレンズとレンズの間に隙間ができるため、集光スポット62のほかに漏れ光63が発生し、集光ロスの大きな原因となる。しかしながら、入射窓領域を四角とし、隣のレンズと共有する領域についても本屈折率分布を形成させると(図15(c))、図15(d)に示すように画素全領域の入射光を集光することができるので、漏れ光は無くなり、上記の集光ロス63を低減することができる。
図16(a)〜(d)は、分布屈折率レンズの作製工程を示す。レンズ形成は、ナノインプリンティングとエッチングによって行った。まず通常の半導体プロセスを用いて、Si基板上に受光素子、および配線、遮光層、信号伝送部からなる半導体集積回路8(上記図9では描いていない)とカラーフィルタ2を形成する。1画素のサイズは、2.8μm角であり、受光部は1.1μm角である。その後に、プラズマCVDを用いて、TiO2膜37を形成し、その上にレジスト36を塗布する(図16(a))。TiO2膜とレジストの厚みはそれぞれ、0.5μm と0.5μmである。同心円構造をパターニングしてあるSiC製のモールド(金型)38を、レジストに150℃で加熱プレスすることによって、微細構造をレジスト上に転写する(図16(b))。モールドは、通常の電子線ビームリソグラフィーとエッチングによって形成したものである。その後、180℃でポストベークを行った後、Arイオンミリングによって、第1段階のエッチング39を行う(図16(c))。レジストを除去した後、ウェットエッチング40によって画素上に同心円構造を形成する(図16(d))。
これ以降で説明する実施形態3〜5におけるレンズは、前記ナノプリンティング法によって形成しており、TiO2と空気の屈折率差を利用した分布屈折率レンズである。
(実施の形態3)
図17(a)〜(c)は、実施の形態3に係る1画素の基本構造を示す図である。本画素に係るレンズは、入射光に対して上記(4)式の位相変調を与えるような、単一フレネルゾーン領域の屈折率分布を有している。入射窓に入射角0°で入射してくる光66、入射角α/2°で入射してくる光67、入射角α°で入射してくる光68は、それぞれ0°入射光用分布屈折率レンズ69、α/2°入射光用分布屈折率レンズ70、α°入射光用分布屈折率レンズ71によって集光され、カラーフィルタ2を通過して、受光部で電気信号への変換が行われる。ここで角度αは、下記(8)式で定義される。ここで、Dは画素サイズである。
本実施の形態に係る分布屈折率レンズでは、入射光の波長によって各画素のレンズ構造を最適化することが可能であることから、入射角度による集光効率の違いはなく高効率に集光することができる。0°入射光用分布屈折率レンズでは、同心円の中心が画素中央部分にあるのに対して、入射角度が増加すると、円の中心は光の入射側にシフトしていく。
これは、上記(4)式と上記(1)式に示されているように、屈折率分布の2次曲線の最大値が、入射角度θの増加に伴って、光入射側にシフトするためである(図18参照)。
入射角度がα以下の場合には、膜厚を一定(1位相分)にしたまま、レンズを単一フレネルゾーン領域で設計することができる。このとき、光は連続してレンズに入射されるので、レンズ表面での散乱ロスが低減し、集光効率は向上する。入射角度をα以上にする場合には、光路長を長くする(位相変調を大きくする)ために、膜厚をさらに大きくすればよい。
また、上記(4)、(5)式から明らかなように、位相変調は対象とする光の波長によって異なる。これは各画素に入射する光の色に応じて、最適なレンズ構造を持つことを意味している。本実施例において、波長0.45μm、0.55μm、0.65μmの光を、それぞれの色用のレンズ構造を有する画素に入射した場合、いずれも80%程度の高い集光効率を示すことがわかっている。
(実施の形態4)
図19は、実施の形態4に係る、VGA使用(31万画素)の固体撮像装置における画素配列の様子を示す図である。信号光75は、光学レンズ76によって集光され、分布屈折率レンズを有する固体撮像装置77上に照射される。受光素子と配線等からなる半導体集積回路8ならびに分布屈折率レンズが2次元配列している固体撮像装置においては、中心部分の画素と周辺部分の画素とでは、光の入射角度が異なる。中心部分ではほぼ0°入射であるのに対して、周辺部分では約30°入射となる。そこで、本実施の形態では、撮像装置の中央から周辺部分にかけて、各画素に入射する最も光強度の強い入射光成分に対応する分布屈折率レンズを形成した。それぞれのレンズは、撮像装置上の画素の位置によって、レンズ構造を最適化し、最も集光効率が高くなるようにしている。なお、入射角度が20°以下の光に対しては、半導体集積回路のシュリンクによって集光効率の向上を行った。入射角度20°以上の入射光に対しては、最大シュリンク量(最下層Al配線のズレで0.438μm)を保ったまま、レンズ構造の最適化を行った。
図20は、入射角度45°の入射光に対して、回路のシュリンクとレンズ構造の最適化を行った画素中における光伝播プロファイルのシミュレーション結果を示す図である。入射光の伝播方向は、レンズ通過時に曲げられ、第1の配線層(遮光層)で焦点を結び、その後受光素子まで伝播していく様子が確認できる。これは、上記(4)式ならびに(1)式に従ってレンズ構造を変化させることによって、光の出射角度や焦点距離の制御が可能であることを示唆している。
図21(a)は、集光効率の入射角度依存性を示す図である。回路シュリンクを行っていない、入射角度θの設定が0°のレンズでは、入射角度の増加に伴って、集光効率は単調に減少している。シュリンク量の増加にしたがって、集光効率のピークは高角度側にシフトし、最大シュリンク量0.438μmで、効率のピーク位置は20°となる。最大シュリンク量を保ったまま、レンズ構造の最適化すると、ピークはさらに高角度側にシフトし、θ設定が15°のレンズでは最大効率のピーク位置は45°となった。
この結果を固体撮像装置全体の特性としてプロットすると図21(b)のようになる。横軸の角度は、固体撮像素子に入射する光の角度を示しており、0°が中心部分、30°以上が周辺画素を意味している。マイクロレンズを用いた固体撮像装置の集光効率が入射角度20°付近の画素から急激に低下するのに対して、本発明の分布屈折率レンズでは、周辺画素においても、集光効率は80%を保っている。図21(b)からも明らかなように、本発明の分布屈折率レンズは、マイクロレンズと比較して、入射光の角度依存性に強いことがわかる。これにより、シュリンク構造と本発明のレンズを組み合わせることによって、入射角度の増加に伴う集光効率の低下を緩和することができることから、携帯電話用カメラ等の短焦点光学系への応用が期待できる。
(実施の形態5)
図22(a)〜(c)は、実施の形態5に係る1画素の基本構造を示す図である。本画素におけるレンズは、入射光に対して上記(5)式の位相変調を与えるような、複数フレネルゾーン領域の屈折率分布を有している。入射窓に入射角0°で入射してくる光86、入射角α°で入射してくる光87、入射角2α°で入射してくる光88は、それぞれ0°入射光用分布屈折率レンズ89、α°入射光用分布屈折率レンズ90、2α°入射光用分布屈折率レンズ91によって集光され、カラーフィルタ2を通過して、受光部で電気信号への変換が行われる。
上記実施の形態4のレンズと同様に、本実施の形態に係る分布屈折率レンズにおいても、入射角度の増加に伴って、第1フレネルゾーン領域の屈折率分布の最大値が、入射側にシフトしていく(図23(a)〜(c))。さらに角度を大きくすると、第2、第3フレネルゾーン領域が出現する。45°以上の高角度で入射する光に対しても、複数フレネルゾーン領域を使用することにより、高集光効率を維持することが可能である。原理上、膜厚が1位相分であるとき、集光効率は100%となるが、膜厚が上記(7)式からずれるときや、各フレネルゾーン領域配列の周期構造が上記(5)式を満たさないとき、効率は減少する。
図24は、入射角度45°の入射光に対して、レンズ構造の最適化を行った画素中における光伝播プロファイルのシミュレーション結果を示す。なお、回路のシュリンクは行っていない。入射光が、レンズによって受光素子方向へとコリメートされ、第1の配線層(遮光層)を抜けて、受光素子まで伝播していく様子が確認できる。
図25(a)は、集光効率の入射角度依存性を示す図である。入射角度θの設定を0°から増加させると、集光効率のピークは高角度側にシフトし、θ設定が40°で、集光効率のピーク位置は40°となる。
図25(b)は、集光効率の画素位置依存性を示す図である。入射角の増加は、画素の位置が撮像装置の端方向であることを示唆している。比較として、マイクロレンズ構造を有する固体撮像装置のデータを併記する。なお、この構造では半導体集積回路のシュリンクを行っていない。図25(b)からも明らかなように、複数フレネルゾーン領域を持つレンズを有する固体撮像装置では、シュリンクを行っていないにもかかわらず、入射角度20°以上の高角度領域において、マイクロレンズ以上の集光効率を得ることに成功している。この結果は、シュリンクフリーで、集光効率が画素位置に依存しない高感度の撮像装置が作製できることを示唆している。
(実施の形態6)
図26は、実施の形態6に係るSVGA対応(48万画素)の固体撮像素子の基本構造を示す図である。各画素(サイズ□2.8μm)は、分布屈折率レンズ1、G用カラーフィルタ2、Al配線3、信号伝送部4、平坦化層5、受光素子(Siフォトダイオード)6、Si基板7から構成されている。
図27は、分布屈折率レンズの上面図である。屈折率は、面内方向において、高屈折率領域10[Ge02(n=1.65)]
から低屈折率領域11[Si02(n=1.45)]まで連続的に変化している。屈折率が連続的に分布しているため、レンズ表面での散乱ロスがなくなり、集光効率が大きく改善される。本実施の形態における屈折率分布は、上記(4)式に従い単一フレネルゾーン領域とした。また、膜厚は1μmである。
図28(a)〜(e)は、本実施の形態に係る分布屈折率レンズの作製工程を示す図である。レンズ形成は、イオン注入によって行った。まず通常の半導体プロセスを用いて、Si基板上に受光素子、および配線、遮光層、信号伝送部からなる半導体集積回路42(図28では描いていない)を形成する。1画素のサイズは、2.8μm角であり、受光部は1.1μm角である。その後に、スパッタ装置を用いて、Si02膜43を形成し、その上にレジスト44を塗布する。その後、電子線露光45によって、パターニングを行う(図28(a))。Si02膜とレジストの厚みはそれぞれ、0.5μm と0.5μmである。現像した後(図28(b))、マスクとして金属(今回はAuを用いた)を電子線蒸着46する(図28(c))。レジストを除去した後、180keVの加速電圧でGeイオンの注入を行う(図28(d))。レジストを除去した後、600℃でポストベークを行うことにより、画素上に連続的に屈折率分布したレンズが形成できる(図28(e))。
(実施の形態7)
図29は、実施の形態7におけるVGA対応(31万画素)の固体撮像素子の基本構造を示す図である。各画素(サイズ□2.8μm)は、分布屈折率レンズ101、G用カラーフィルタ2、Al配線3、信号伝送部4、平坦化層5、受光素子(Siフォトダイオード)6、Si基板7から構成されている。
図30は、本実施の形態に係る分布屈折率レンズの上面図を示す。本構造のレンズは、面内方向に入射の対象となる光の波長と同程度か、もしくは小さい直径を有する光透過材料が、異なる屈折率を有する光透過膜の中、もしくは上に不均一に分散している構造である。このとき、光が感じる有効屈折率は高屈折率材料103と低屈折率材料102の体積比によって算出できる。本構造の最大の特長は、隣り合う高低屈折率材料の間隔を変化させることによって、有効屈折率を変化させ、分布屈折率素子を容易に形成できることである。本実施例では、一辺が0.2μm以下の高屈折率材料103[Ti02(n=2.53)]が低屈折率材料102[Si02(n=1.45)]の中に分散している構造を用いた。
図31(a)〜(d)は、本実施の形態に係る分布屈折率レンズの作製工程を示す図である。レンズ形成は、電子線描画とエッチングによって行った。まず通常の半導体プロセスを用いて、Si基板上に受光素子、および配線、遮光層、信号伝送部からなる半導体集積回路42(図31では描いていない)を形成する。1画素のサイズは、2.8μm角であり、受光部は1.1μm角である。その後に、スパッタ装置を用いて、SiO2膜43を形成し、その上にレジスト44を塗布する。その後、電子線露光45によって、パターニングを行う(図31(a))。SiO2膜とレジストの厚みはそれぞれ、0.5μm と0.5μmである。現像した後、エッチングを行い、画素表面に微細構造を形成する(図31(b))。なお、上記実施の形態2のレンズは、レジストを露光し、現像した段階で作製工程を完了したレンズである。レジストを除去した後、プラズマCVDを用いて、TiO2を堆積する(図31(c))。画素全域を被覆したTiO2層を、表面研磨によって取り除いた後、800度でポストベークを行う(図31(d))。以上の工程を経て、画素上に光屈折率材料が不均一に分散している屈折率分布レンズが形成できる。
上記実施の形態1から7では、上記(4)、(5)式で与えられる位相変調を、光透過膜の面内方向における屈折率分布によって実現しているが、もちろん法線方向の膜厚分布によって実現しても良い。
(実施の形態8)
図32は、実施の形態8として、上記(4)、(6)式から得られる膜厚分布レンズの断面図である。位相変調は単一フレネルゾーン領域であるため、光は連続してレンズに入射され、表面での散乱ロスは非常に小さく、集光効率は向上する。より高角度入射に強いレンズを形成するためには、光の入射側の膜厚を上記(4)、(6)式に従って、増加すればよい。
(実施の形態9)
図33は、実施の形態9として、上記(5)、(6)式から得られる膜厚分布レンズの断面図である。位相変調は複数フレネルゾーン領域であるため、単一フレネルゾーン領域のレンズに比べてより、高角度入射の光に対応できる。また、膜厚は入射光の1位相分で一定であるため、固体撮像素子への搭載が容易となる。
膜厚分布レンズにおいては、サイズが大きいレンズの場合は、機械研磨等による形成が可能である。しかしながら、直径が数十μm以下のマイクロレンズともなると、非常に微細な構造であり、リフローで自己組織化的に形成されるため、球面形状の制御が非常に困難でとなる。そのため、微細な膜厚分布レンズを形成するためには、表面を連続ではなく、不連続にする必要がある。
(実施の形態10)
図34は、実施の形態10として、光透過膜の面内方向において、膜厚が離散的かつ不均一に変化している膜厚分布レンズを示す図である。レンズ表面を、入射の対象となる光の波長と同程度か、もしくは小さい段差を持つ階段構造で形成することによって、不連続な膜厚分布は集光効率にほとんど影響を与えなくなる。段差の大きさが0.1μmである本実施例の膜厚分布レンズ(直径3μm)の集光効率は80%と非常に高い値であった。微小レンズの形成は、上記実施の形態1から5で示したナノインプリント技術や、上記実施の形態7で示した電子線描画技術を用いることによって、容易に行うことができる。
(実施の形態11)
図35は、実施の形態11として、本発明における光透過膜の偏向成分のみを用いた固体撮像素子を示す。各画素(サイズ□2.8μm)は、分布屈折率レンズ108、G用カラーフィルタ2、Al配線3、信号伝送部4、平坦化層5、受光素子(Siフォトダイオード)6、Si基板7、層内レンズ109から構成されている。
図36(a)は、分布屈折率レンズの上面図である。屈折率は、面内方向において、高屈折率領域110[GeO2(n=1.65)]から低屈折率領域1111[SiO2(n=1.45)]まで連続的に変化している。本実施の形態における屈折率分布は、上記(2)式で示される位相変調を与えるように設計している。上記(2)式の成分はxの1次関数であるため、屈折率の変化は線形となり、光の入射側の屈折率が高くなる。本実施の形態では、単一フレネルゾーン領域としたがもちろん複数フレネルゾーン領域を利用しても良い。また、同様の位相変調は膜厚分布によっても実現可能である。
なお、実施の形態1、3〜7、11では、CCDを用いているが、MOSセンサを用いてももちろんよい。また、説明を行った分布屈折率レンズならびに膜厚分布レンズと同じ特性をもつ、他の材料によって形成された分布屈折率レンズならびに膜厚分布レンズを用いてももちろんよい。また、説明を行った以外の製造方法を用いて分布屈折率レンズならびに膜厚分布レンズを製造してももちろんよい。
本発明に係る集光素子および固体撮像装置は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ付携帯電話などに利用が可能であり、性能向上や低価格化も実現できるため、産業上有用である。
図1は、従来に係る固体撮像装置の基本構造の一例を示す図である。 図2は、従来に係る周辺の画素の構造例を示す図である。 図3は、従来のマイクロレンズを用いた固体撮像装置の集光効率の入射角度依存性を示す図である。 図4は、従来の一般的な画素の基本構造の一例を示す図である。 図5は、実施の形態1に係る個体撮像素子の基本構造を示す図である。 図6は、実施の形態1に係る分布屈折率レンズの上面図を示す図である。 図7は、実施の形態1に係る分布屈折率レンズの断面構造を示す図である。 図8は、実施の形態1に係るレンズの屈折率分布を示す図である。 図9は、(a)〜(c)は、実施の形態1において、光の伝播方向を説明するための概念図である。 図10は、実施の形態1において、光透過膜に対して斜め入射する光をZ軸上で集光させるための条件を示す図である。 図11は、実施の形態1における光の位相変調を示す図である。 図12は、(a)〜(c)は、実施の形態2に係る同心円構造を有する分布屈折率レンズの走査型電子顕微鏡写真である。 図13は、(a)〜(c)は、実施の形態2に係るレンズ表面に垂直な方向に光を入射した場合の集光スポットの光学顕微鏡写真である。 図14は、(a)、(b)は、実施の形態2において、光を斜め入射もしくは垂直入射した場合の焦点位置の変化を示す図である。 図15は、(a)〜(d)は、実施の形態2における入射窓領域が円形の場合と四角の場合との比較を示す図である。 図16は、(a)〜(d)は、実施の形態3〜5に係る分布屈折率レンズの作製工程を示す図である。 図17は、(a)〜(c)は、実施の形態3に係る1画素の基本構造を示す図である。 図18は、(a)〜(c)は、実施の形態3に係るレンズの屈折率分布を示す図である。 図19は、実施の形態4に係る固体撮像装置における画素配列の様子を示す図である。 図20は、実施の形態4に係る画素中における光伝播プロファイルのシミュレーション結果を示す図である。 図21は、(a)、(b)は、実施の形態4に係る固体撮像装置の集光効率を示す図である。 図22は、(a)〜(c)は、実施の形態5に係る1画素の基本構造を示す図である。 図23は、(a)〜(c)は、実施の形態5に係るレンズの屈折率分布を示す図である。 図24は、実施の形態5に係る画素中における光伝播プロファイルのシミュレーション結果を示す図である。 図25は、(a)、(b)は、実施の形態5に係る固体撮像装置の集光効率を示す図である。 図26は、実施の形態6に係る1画素の基本構造を示す図である。 図27は、実施の形態6に係る分布屈折率レンズの上面構造を示す図である。 図28は、(a)〜(e)は、実施の形態6に係る分布屈折率レンズの作製工程を示す図である。 図29は、実施の形態7に係る1画素の基本構造を示す図である。 図30は、実施の形態7に係る分布屈折率レンズの上面構造を示す図である。 図31は、(a)〜(e)は、実施の形態7に係る分布屈折率レンズの作製工程を示す図である。 図32は、実施の形態8に係る膜厚分布レンズの断面構造を示す図である。 図33は、実施の形態9に係る膜厚分布レンズの断面構造を示す図である。 図34は、実施の形態10に係る膜厚分布レンズの断面構造を示す図である。 図35は、実施の形態11に係る1画素の基本構造を示す図である。 図36は、(a)、(b)は、実施の形態11に係るレンズの上面構造ならびに屈折率分布を示す図である。
符号の説明
1 分布屈折率レンズ(同心円構造)
2 カラーフィルタ
3 Al配線
4 電気信号伝送部
5 平坦化層
6 受光素子(Siフォトダイオード)
7 Si基板
8 半導体集積回路(前記2〜7によって構成)
9 入射光
10 高屈折率領域 [GeO2(n=1.65)]
11 低屈折率領域 [SiO2(n=1.45)]
16 入射角
17 出射角
19 分布屈折率レンズ
101 分布屈折率レンズ(同心円構造型)
102 低屈折率材料 [空気(n=1.0)]
103 高屈折率材料 [TiO2(n=1.65)]
104 入射光(斜め入射)
105 マイクロレンズ
106 入射光(垂直入射)
107 入射光(斜め入射)
108 分布屈折率レンズ(偏向成分のみ)
109 層内レンズ
112 階段形状膜厚分布レンズ
20 受光部分
21 画素
26 位相変調
27 第1ゾーン
28 第2ゾーン
29 第3ゾーン
201 出射側領域(屈折率n1
202 レンズ領域(屈折率n0+Δn(x))
203 入射側領域(屈折率n1
204 入射光1
205 入射光2
206 光路長差1(偏向成分)
207 光路長差2(集光成分)
208 焦点距離
33 高屈折率材料(TiO2
34 低屈折率材料(空気)
35 隣り合う分割領域の幅
36 レジスト
37 TiO2
38 金型
39 Arイオンミリング
40 ウェットエッチング
42 半導体集積回路(前記2〜7によって構成)
43 SiO2
44 レジスト
45 電子線描画
46 電子線蒸着
47 Au
48 イオン注入
481 Ge
49 膜厚分布レンズ(第一ゾーン使用)
50 膜厚分布レンズ(複数ゾーン使用)
57 1画素
58 入射光(垂直入射)
59 焦点位置のシフト(f×tanq)
62 集光スポット
63 漏れ光
66 入射光(0°入射)
67 入射光(α/2°入射)
68 入射光(α°入射)
69 0°入射光用分布屈折率レンズ
70 α/2°入射光用分布屈折率レンズ
71 α°入射光用分布屈折率レンズ
75 入射光
76 光学レンズ
77 固体撮像装置
78 装置中央部の入射光
79 装置中央部画素用分布屈折率レンズ
80 装置周辺部の入射光
81 装置周辺部画素用分布屈折率レンズ
86 入射光(0°入射)
87 入射光(低角度入射)
88 入射光(高角度入射)
89 0°入射光用分布屈折率レンズ
90 低角度入射光用分布屈折率レンズ
91 高角度入射光用分布屈折率レンズ

Claims (15)

  1. 入射光を集光する集光素子であって、
    前記入射光が入射する基板と、前記基板上の前記入射光が入射する位置に形成された、光透過膜の集合体とを備え、前記光透過膜は、前記入射光の波長と同程度か、それより短い幅のゾーン形状を有し、前記ゾーン形状は、偏心させた中心対称形状であり、前記光透過膜の集合体が実効屈折率分布を生じる
    ことを特徴とする集光素子。
  2. 前記光透過膜は、当該光透過膜の面心に対して、非対称な角度で入射した光を前記光透過膜の面心で集光する
    ことを特徴とする請求項1記載の集光素子。
  3. 前記入射光の入射角度をθとし、所定の定数をA及びBとした場合において、面内方向の距離xに依存する、前記入射光の位相変化量Φ(x)が、
    Φ(x)=Ax+Bxsinθ+2mπ(m:自然数)
    をほぼ満たす
    ことを特徴とする請求項1記載の集光素子。
  4. 前記光透過膜と光入射側媒質との屈折率差をΔnmax、位置xにおける前記光透過膜と前記光入射側媒質との屈折率差をΔn(x)とするとき、
    Δn(x)=Δnmax[Φ(x)/2π+C](C:定数)
    を満たす
    ことを特徴とする請求項1記載の集光素子。
  5. 前記光透過膜の法線方向の高さが一定である
    ことを特徴とする請求項1記載の集光素子。
  6. 前記光透過膜は、TiO、ZrO、Nb、Ta、SiおよびSiの中のいずれかを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の集光素子。
  7. 前記光透過膜は、BまたはPが添加されたSiO(BPSG)およびTEOSの中のいずれかを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の集光素子。
  8. 前記光透過膜は、ベンゾシクロブテン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミドおよびポリイミドの中のいずれかを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の集光素子。
  9. 入射光を集光する集光素子を備える単位画素が複数設置された固体撮像装置であって、
    前記集光素子は、
    前記入射光が入射する基板と、前記基板上の前記入射光が入射する位置に形成された、光透過膜の集合体とを備え、前記光透過膜は、前記入射光の波長と同程度か、それより短い幅のゾーン形状を有し、前記ゾーン形状は、偏心させた中心対称形状であり、前記光透過膜の集合体が実効屈折率分布を生じる
    ことを特徴とする固体撮像装置。
  10. 単位画素の前記集光素子は、
    隣接する他の単位画素の集光素子と共有する領域においても、偏心された前記光透過膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
  11. 前記固体撮像装置は、
    少なくとも、前記入射する光のうち第1の色光用の第1の単位画素と、
    前記第1の色光の代表波長とは異なる代表波長を有する第2の色光用の第2の単位画素とを備え、
    前記第1の単位画素は、第1の集光素子を備え、
    前記第2の単位画素は、前記第2の色光の焦点距離が前記第1の集光素子の前記第1の色光の焦点距離と等しい第2の集光素子を備える
    ことを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
  12. 前記焦点位置は、
    前記光透過膜の屈折率分布を制御することにより、所定の位置に設定されている
    ことを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
  13. 前記単位画素は、さらに、
    前記集光素子の出射側に集光レンズを備えている
    ことを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
  14. 前記複数の単位画素が形成された面の中央に位置する前記単位画素の集光素子と、前記面の周辺に位置する単位画素の集光素子では、前記光透過膜の屈折率分布が異なっている
    ことを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
  15. 前記固体撮像装置は、さらに、
    中央に位置する前記単位画素では、前記受光素子の中心軸と前記集光素子の中心軸が一致するように形成され、周辺に位置する前記単位画素では、前記受光素子の中心軸より前記集光素子の中心軸が前記面の中央寄りに形成されている
    ことを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
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