JPWO2005081187A1 - 画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、画像処理プログラムおよび集積回路装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、画像処理プログラムおよび集積回路装置 Download PDF

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Abstract

簡易に色処理の調整を行うことを可能とさせる画像処理装置を提供することを課題とする。画像処理装置(10)は、処理度設定部(18)と、プロファイル作成部(15)と、色処理実行部(16)とを備えている。処理度設定部(18)は、画像信号(d2)の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度(d8)として設定させる。プロファイル作成部(15)は、処理度設定部(18)により設定された目標処理度(d8)と、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本色変換プロファイルとに基づいて、目標処理度(d8)の色処理を行う色変換プロファイルを作成する。色処理実行部(16)は、プロファイル作成部(15)により作成された色変換プロファイルを用いて、画像信号(d2)に対する色処理を行う。

Description

本発明は、画像処理装置、特に、画像信号の色処理を行う画像処理装置に関する。
画像信号に対する画像処理として、色処理について知られている。
色処理とは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理等と呼ばれる処理である。表示色変換処理とは、画像信号の全体の色調を調整する処理であり、例えば、画像信号の明るさを調整する、あるいは画像信号に特定の効果(例えば、フィルムライク処理など)を与えるよう調整する処理である。色域変換処理とは、画像信号の入出力デバイスに固有の色空間において画像信号を再生表示させるために行われる処理であり、色域圧縮(Gamut Mapping)などと呼ばれる処理である。記憶色補正処理とは、画像信号中の空の色、肌の色あるいは緑の色といった特定の色を記憶に合うように調整する処理である。
これら色処理を実行する際に、画像信号の複数の属性をそれぞれ独立に調整する画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この画像処理装置では、図22に示すように、特定の2色の記憶色の色相、彩度、明度をそれぞれ独立に調整することができる。具体的には、この画像処理装置では、6つの調整用のつまみを備え、つまみを独立に操作することで色調整を行う。また、この画像処理装置以外にも、画像信号の赤、青、緑のそれぞれの色を独立に調整することができる装置が知られている。
特許第2936080号公報
一方、画像処理装置のユーザによっては、色処理の際に、画像信号の複数の属性を独立に調整することを好まない。それぞれの属性のバランスを保ちつつ、所望の色処理を実現するには、それぞれの属性を複雑に調整する必要があるからである。例えば、明度、彩度、色相などが調整可能な画像処理装置において肌色の記憶色補正を行う際に、記憶色補正の程度を変更し白色味の肌色に記憶色補正を行いたい、あるいは黄色味の肌色に記憶色補正を行いたいなどとユーザが考える場合に、明度、彩度、色相などのバランスを調整して所望の記憶色補正を行うことは困難である。
そこで、本発明では、簡易に色処理の調整を行うことを可能とさせる画像処理装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の画像処理装置は、処理度設定手段と、処理用係数群作成手段と、色処理実行手段とを備えている。処理度設定手段は、画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる。処理用係数群作成手段は、処理度設定手段により設定された目標処理度と、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、目標処理度の色処理を行う処理用係数群を作成する。色処理実行手段は、処理用係数群作成手段により作成された処理用係数群を用いて、画像信号に対する色処理を行う。
ここで、色処理とは、例えば、表示色変換、色域変換、記憶色補正などと呼ばれる処理である。また、画像信号の属性とは、画像信号を表現するための色空間のパラメータであり、例えば、RGB、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、CIELabなどの色空間のパラメータである。また、基本係数群あるいは処理用係数群とは、画像信号の色処理を行うための係数群であり、例えば、画像信号に対する係数マトリクス、あるいは画像信号に対するルックアップテーブルなどである。
処理度設定手段は、少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を1つの値として設定させる。すなわち、1つの値により、少なくとも2つの属性に対して同時に色処理の目標を与えることとなる。処理用係数群作成手段は、設定された1つの値に基づいて、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群から処理用係数群を作成する。色処理実行手段は、目標処理度の色処理を実現する処理用係数群を用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理装置により、少なくとも2つの属性についての色処理を、1つの目標処理度を与えるだけで同時に行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整して色処理を行う場合に比して、簡易に色処理の調整を行うことが可能となる。また、色処理には、複数の基本係数群をカスタマイズすることにより得られる処理用係数群が用いられる。すなわち、複数の基本係数群が実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、処理用係数群作成手段は、複数の基本係数群を目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、処理用係数群を作成する。
内分あるいは外分では、複数の基本係数群が実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに基づいて、複数の基本係数群の少なくとも一部の加重平均が求められる。また、内分あるいは外分は、複数の基本係数群が実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに対して、非線形に、あるいは線形に行われる。
本発明の画像処理装置により、複数の基本係数群を内分あるいは外分した処理用係数群を用いた色処理が可能となる。
請求項3に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、複数の属性とは、画像信号の色相、彩度および明度を含む。
色処理では、画像信号の色相、彩度および明度のうち、少なくとも2つについての処理が同時に行われる。
本発明の画像処理装置により、それぞれの属性について独立に色処理の調整を行う場合に比して、簡易に色処理の調整を行うことが可能となる。
請求項4に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、色処理は、記憶色補正である。
記憶色補正では、例えば、色相および明度、あるいは色相および彩度などといった属性についての処理が同時に行われる。
処理度設定手段では、記憶色補正の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる。処理用係数群作成手段では、設定された目標処理度と、異なる程度の記憶色補正を行う複数の基本係数群とに基づいて、目標処理度の記憶色補正を行う処理用係数群が作成される。色処理実行手段では、作成された処理用係数群を用いて、画像信号の記憶色補正が行われる。
本発明の画像処理装置により、記憶色補正の処理の程度を簡易に調整することが可能となる。
請求項5に記載の画像処理装置は、請求項4に記載の画像処理装置であって、処理度設定手段は、記憶色補正の補正傾向を目標処理度として設定させる。処理用係数群作成手段は、それぞれ異なる補正傾向の記憶色補正を行う複数の基本係数群を目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、処理用係数群を作成する。
記憶色補正の補正傾向が異なるとは、記憶色補正の補正目標が異なることである。例えば、複数の基本係数群のそれぞれの記憶色補正では、画像信号に対して、異なる補正目標への補正が行われる。すなわち、それぞれの記憶色補正では、色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの向きが異なっている。
本発明の画像処理装置により、記憶色補正の補正傾向を簡易に調整することが可能となる。
請求項6に記載の画像処理装置は、請求項4に記載の画像処理装置であって、処理度設定手段は、記憶色補正の補正強度を目標処理度として設定させる。処理用係数群作成手段は、所定の補正強度の記憶色補正を行う基本係数群と記憶色補正を行わない基本係数群とを目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、処理用係数群を作成する。
ここで、補正強度は、画像信号を補正目標へと補正する程度である。すなわち、処理用係数群の記憶色補正の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの方向は、処理用係数群の作成に用いられた基本係数群の記憶色補正の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの方向とほぼ同じである。
本発明の画像処理装置により、記憶色補正の補正強度を簡易に調整することが可能となる。
請求項7に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、複数の基本係数群は、画像信号の有する複数の属性の個数に対応する大きさを有する複数の基本マトリクスデータである。色処理実行手段は、処理用係数群作成手段により作成された処理用マトリクスデータを用いて、画像信号に対するマトリクス演算を行う。
処理用係数群作成手段は、目標処理度に基づいて、複数の基本マトリクスデータから処理用マトリクスデータを作成する。色処理実行手段は、目標処理度の色処理を実現する処理用マトリクスデータを用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理装置では、複数の基本マトリクスデータをカスタマイズすることにより得られる処理用マトリクスデータが用いられる。すなわち、複数の基本マトリクスデータが実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項8に記載の画像処理装置は、請求項7に記載の画像処理装置であって、処理用係数群作成手段は、基本マトリクスデータを目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、処理用マトリクスデータを作成する。
内分あるいは外分では、複数の基本マトリクスデータが実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに基づいて、複数の基本マトリクスデータの少なくとも一部の加重平均が求められる。また、内分あるいは外分は、複数の基本マトリクスデータが実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに対して、非線形に、あるいは線形に行われる。
本発明の画像処理装置により、複数の基本マトリクスデータを内分あるいは外分した処理用マトリクスデータを用いた色処理が可能となる。
請求項9に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、複数の基本係数群は、画像信号の値に対する色処理後の画像信号の値を格納する複数の基本ルックアップテーブルである。色処理実行手段は、処理用係数群作成手段により作成された処理用ルックアップテーブルを用いて、画像信号に対する色処理を行う。
処理用係数群作成手段は、目標処理度に基づいて、複数の基本ルックアップテーブルから処理用ルックアップテーブルを作成する。色処理実行手段は、目標処理度の色処理を実現する処理用ルックアップテーブルを用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理装置では、複数の基本ルックアップテーブルをカスタマイズすることにより得られる処理用ルックアップテーブルが用いられる。すなわち、複数の基本ルックアップテーブルが実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項10に記載の画像処理装置は、請求項9に記載の画像処理装置であって、処理用係数群作成手段は、基本ルックアップテーブルを目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、処理用ルックアップテーブルを作成する。
内分あるいは外分では、複数の基本ルックアップテーブルが実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに基づいて、複数の基本ルックアップテーブルの少なくとも一部の加重平均が求められる。また、内分あるいは外分は、複数の基本ルックアップテーブルが実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに対して、非線形に、あるいは線形に行われる。
本発明の画像処理装置により、複数の基本ルックアップテーブルを内分あるいは外分した処理用ルックアップテーブルを用いた色処理が可能となる。
請求項11に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、処理度設定手段は、記憶色補正の補正傾向の目標である第1の目標処理度を設定させる第1の処理度設定手段と、記憶色補正の補正強度の目標である第2の目標処理度を設定させる第2の処理度設定手段とを有している。処理用係数群作成手段は、それぞれ異なる補正傾向の記憶色補正を行う複数の基本係数群を、第1の処理度と第2の処理度とに基づいて内分あるいは外分し、処理用係数群を作成する。
処理度設定手段では、記憶色補正の補正傾向と補正強度とが、第1の目標処理度と第2の目標処理度として設定される。処理用係数群作成手段は、複数の基本係数群から設定された補正傾向と補正強度とを実現する処理用係数群を作成する。色処理実行手段は、作成された処理用係数群を用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理装置により、所望の程度の補正傾向および補正強度の記憶色補正を簡易に設定し実現することが可能となる。
請求項12に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、処理用係数群作成手段は、基本係数群のうち特定部分のみを変更して処理用係数群を作成する。
処理用係数群作成手段は、基本係数群のうち特定部分のみを変更し、その他の部分には、例えば、いずれかの基本係数群の値を用い、処理用係数群を作成する。
本発明の画像処理装置により、処理用係数群作成手段の処理量を削減することが可能となる。
請求項13に記載の画像処理装置は、請求項12に記載の画像処理装置であって、特定部分は、処理度設定手段により定められる部分である。
処理度設定手段は、色処理の目標を設定させる。処理用係数群作成部は、色処理の目標に基づいて、例えば、処理対象の色領域を判断し、その色領域の色処理に用いられる特定部分を判断する。
請求項14に記載の画像処理装置は、請求項12または13に記載の画像処理装置であって、特定部分とは、基本係数群のうち、所定の記憶色に対する変換係数を与える部分である。
請求項15に記載の画像処理システムは、画像処理実行手段と、表示信号生成手段とを備えている。画像処理実行手段は、画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する。表示信号生成手段は、処理信号を表示するための表示信号を生成する。表示信号は、処理信号の所定の領域を再処理した信号である。所定の領域は、画像信号と処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である。
ここで、表示とは、例えば、処理信号をモニタ、プリンタ、などに出力する前に、行われた画像処理を確認するための表示などであり、いわゆるプレビュー表示などと呼ばれるものであってもよい。また、画像処理実行手段とは、例えば、他の請求項に記載した画像処理装置であってもよい。
本発明の画像処理システムでは、階調特性の比較により特定される所定の領域、を明示した表示信号を生成することが可能となる。このため、処理信号がモニタ、プリンタなどに出力される場合に、不自然な出力の原因となりうる部分を予め確認することなどが可能となる。
請求項16に記載の画像処理システムは、請求項15に記載の画像処理システムであって、所定の領域は、その周囲の領域との階調順が、画像信号と処理信号との間で異なる領域である。
ここで、階調順とは、階調の大小関係を意味している。すなわち、所定の領域は、その周囲の領域との階調の大小関係が、画像処理の前後で変化する部分である。
本発明の画像処理システムでは、画像処理の前後で階調順が変化する部分を予め確認することが可能となる。
請求項17に記載の画像処理システムは、請求項15に記載の画像処理システムであって、再処理とは、所定の領域の色を変換する処理である。
所定領域の色を変換する処理とは、例えば、所定領域の色を特定の変換色(例えば、赤、青、緑などのいずれかの色)にする処理や、所定領域を輝度成分のみにする処理などである。
本発明の画像処理システムでは、階調特性の比較により特定される所定の領域、を色変換して表示させるため、容易に所定の領域を確認することが可能となる。
請求項18に記載の画像処理方法は、処理度設定ステップと、処理用係数群作成ステップと、色処理実行ステップとを備えている。処理度設定ステップは、画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる。処理用係数群作成ステップは、処理度設定ステップにより設定された目標処理度と、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、目標処理度の色処理を行う処理用係数群を作成する。色処理実行ステップは、処理用係数群作成ステップにより作成された処理用係数群を用いて、画像信号に対する色処理を行う。
ここで、色処理とは、例えば、表示色変換、色域変換、記憶色補正などと呼ばれる処理である。また、画像信号の属性とは、画像信号を表現するための色空間のパラメータであり、例えば、RGB、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、CIELabなどの色空間のパラメータである。
処理度設定ステップは、少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を1つの値として設定させる。すなわち、1つの値により、少なくとも2つの属性に対して同時に色処理の目標を与えることとなる。処理用係数群作成ステップは、設定された1つの値に基づいて、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群から処理用係数群を作成する。色処理実行ステップは、目標処理度の色処理を実現する処理用係数群を用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理方法により、少なくとも2つの属性についての色処理を、1つの目標処理度を与えるだけで同時に行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整して色処理を行う場合に比して、簡易に色処理の調整を行うことが可能となる。また、色処理には、複数の基本係数群をカスタマイズすることにより得られる処理用係数群が用いられる。すなわち、複数の基本係数群が実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項19に記載の画像処理プログラムは、コンピュータにより画像信号の色処理を行うための画像処理プログラムであって、処理度設定ステップと、処理用係数群作成ステップと、色処理実行ステップとを備える画像処理方法をコンピュータに行わせるものである。処理度設定ステップは、画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる。処理用係数群作成ステップは、処理度設定ステップにより設定された目標処理度と、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、目標処理度の色処理を行う処理用係数群を作成する。色処理実行ステップは、処理用係数群作成ステップにより作成された処理用係数群を用いて、画像信号に対する色処理を行う。
ここで、色処理とは、例えば、表示色変換、色域変換、記憶色補正などと呼ばれる処理である。また、画像信号の属性とは、画像信号を表現するための色空間のパラメータであり、例えば、RGB、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、CIELabなどの色空間のパラメータである。
処理度設定ステップは、少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を1つの値として設定させる。すなわち、1つの値により、少なくとも2つの属性に対して同時に色処理の目標を与えることとなる。処理用係数群作成ステップは、設定された1つの値に基づいて、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群から処理用係数群を作成する。色処理実行ステップは、目標処理度の色処理を実現する処理用係数群を用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理プログラムにより、少なくとも2つの属性についての色処理を、1つの目標処理度を与えるだけで同時に行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整して色処理を行う場合に比して、簡易に色処理の調整を行うことが可能となる。また、色処理には、複数の基本係数群をカスタマイズすることにより得られる処理用係数群が用いられる。すなわち、複数の基本係数群が実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項20に記載の集積回路装置は、処理度設定部と、処理用係数群作成部と、色処理実行部とを備えている。処理度設定部は、画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる。処理用係数群作成部は、処理度設定部により設定された目標処理度と、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、目標処理度の色処理を行う処理用係数群を作成する。色処理実行部は、処理用係数群作成部により作成された処理用係数群を用いて、画像信号に対する色処理を行う。
ここで、色処理とは、例えば、表示色変換、色域変換、記憶色補正などと呼ばれる処理である。また、画像信号の属性とは、画像信号を表現するための色空間のパラメータであり、例えば、RGB、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、CIELabなどの色空間のパラメータである。また、基本係数群あるいは処理用係数群とは、画像信号の色処理を行うための係数群であり、例えば、画像信号に対する係数マトリクス、あるいは画像信号に対するルックアップテーブルなどである。
処理度設定部は、少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を1つの値として設定させる。すなわち、1つの値により、少なくとも2つの属性に対して同時に色処理の目標を与えることとなる。処理用係数群作成部は、設定された1つの値に基づいて、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群から処理用係数群を作成する。色処理実行部は、目標処理度の色処理を実現する処理用係数群を用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の集積回路装置により、少なくとも2つの属性についての色処理を、1つの目標処理度を与えるだけで同時に行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整して色処理を行う場合に比して、簡易に色処理の調整を行うことが可能となる。また、色処理には、複数の基本係数群をカスタマイズすることにより得られる処理用係数群が用いられる。すなわち、複数の基本係数群が実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項21に記載の画像処理方法は、画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する画像処理実行ステップと、処理信号を表示するための表示信号を生成する表示信号生成ステップとを備えている。表示信号は、処理信号の所定の領域を再処理した信号である。所定の領域は、画像信号と処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である。
ここで、表示とは、例えば、処理信号をモニタ、プリンタ、などに出力する前に、行われた画像処理を確認するための表示などであり、いわゆるプレビュー表示などと呼ばれるものであってもよい。
本発明の画像処理方法では、階調特性の比較により特定される所定の領域、を明示した表示信号を生成することが可能となる。このため、処理信号がモニタ、プリンタなどに出力される場合に、不自然な出力の原因となりうる部分を予め確認することなどが可能となる。
請求項22に記載の画像処理プログラムは、画像処理方法をコンピュータに行わせるプログラムである。画像処理方法は、画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する画像処理実行ステップと、処理信号を表示するための表示信号を生成する表示信号生成ステップとを備えている。表示信号は、処理信号の所定の領域を再処理した信号である。所定の領域は、画像信号と処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である。
ここで、表示とは、例えば、処理信号をモニタ、プリンタ、などに出力する前に、行われた画像処理を確認するための表示などであり、いわゆるプレビュー表示などと呼ばれるものであってもよい。
本発明の画像処理プログラムでは、階調特性の比較により特定される所定の領域、を明示した表示信号を生成することが可能となる。このため、処理信号がモニタ、プリンタなどに出力される場合に、不自然な出力の原因となりうる部分を予め確認することなどが可能となる。
請求項23に記載の集積回路装置は、画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する画像処理実行部と、処理信号を表示するための表示信号を生成する表示信号生成部と、を備えている。表示信号は、処理信号の所定の領域を再処理した信号である。所定の領域は、画像信号と処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である。
ここで、表示とは、例えば、処理信号をモニタ、プリンタ、などに出力する前に、行われた画像処理を確認するための表示などであり、いわゆるプレビュー表示などと呼ばれるものであってもよい。また、画像処理実行部とは、例えば、他の請求項に記載した画像処理装置や集積回路装置であってもよい。
本発明の集積回路装置では、階調特性の比較により特定される所定の領域、を明示した表示信号を生成することが可能となる。このため、処理信号がモニタ、プリンタなどに出力される場合に、不自然な出力の原因となりうる部分を予め確認することなどが可能となる。
本発明により、簡易に色処理の調整を行うことを可能とさせる画像処理装置を提供することが可能となる。
画像処理装置10の基本構成を説明するブロック図(第1実施形態) 画像処理装置10の具体的構成を説明するブロック図(第1実施形態) 調整スケール110の一例を示す図(第1実施形態) 記憶色補正における補正傾向について説明する説明図(第1実施形態) 画像処理方法について説明するフローチャート(第1実施形態) 記憶色補正における補正強度について説明する説明図(第1実施形態) 調整スケール110の変形例を示す図(第1実施形態) 画像処理装置26の具体的構成を説明するブロック図(第2実施形態) 画像処理装置45の具体的構成を説明するブロック図(第3実施形態) 画像処理装置60の具体的構成を説明するブロック図(第4実施形態) 画像処理装置75の具体的構成を説明するブロック図(第5実施形態) 画像処理装置150の具体的構成を説明するブロック図(第6実施形態) 画像処理システム200の基本構成を説明するブロック図(第7実施形態) 処理領域内再処理部201の構造を説明するブロック図(第7実施形態) 階調順の検出方法について説明する説明図(第7実施形態) 画像処理システム200の効果を説明する説明図(第7実施形態) 画像処理システム210の基本構成を説明するブロック図(第7実施形態) 合成部215の構造を説明するブロック図(第7実施形態) 合成部230の構造を説明するブロック図(第7実施形態) 処理領域内再処理部240の構造を説明するブロック図(第7実施形態) 切換部250の構造を説明するブロック図(第7実施形態) 調整用つまみの外観を示す図(背景技術)
符号の説明
10 画像処理装置
12 基本プロファイル群記憶部
13 色処理部
14 制御部
15 プロファイル作成部
16 色処理実行部
18 処理度設定部
20 プロファイル作成実行部
21 プロファイルRAM
d1 入力信号
d2 画像信号
d3 出力信号
d8 目標処理度
以下、本発明の実施形態について説明する。第1〜第5実施形態では、ルックアップテーブルを用いた画像処理装置について説明する。第6実施形態では、色変換マトリクスを用いた画像処理装置について説明する。第7実施形態では、色調整を行う際にプレビューを表示する画像処理装置について説明する。さらに、その他として、第1〜第7実施形態の応用例について説明する。
[第1実施形態]
図1〜図7を用いて、第1実施形態に係るルックアップテーブルを用いた画像処理装置10について説明する。画像処理装置10は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置10は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
〈構成〉
図1を用いて、画像処理装置10の基本構成について説明する。画像処理装置10は、入力信号d1を入力とし、画像処理された出力信号d3を出力とする画像処理装置である。画像処理装置10は、入力信号d1を入力とし視覚処理された画像信号d2を出力とする視覚処理部11と、色処理の基本となる基本色変換プロファイルを格納し選択された基本色変換プロファイルのデータである選択プロファイルデータd5を出力とする基本プロファイル群記憶部12と、画像信号d2と選択プロファイルデータd5とを入力とし色処理された出力信号d3を出力する色処理部13と、各部に制御信号c1〜c3を与える制御部14と、色処理部13における色処理の程度を設定させる処理度設定部18とを備えている。
視覚処理部11は、制御部14からの制御信号c1を受け、入力信号d1の空間処理、階調処理などといった視覚処理を行い、画像信号d2を出力する。視覚処理部11は、例えば、入力信号d1の低域空間のみを通過させる低域空間フィルタにより空間処理を行う。低域空間フィルタとしては、通常用いられるFIR(Finite Impulse Respones)型の低域空間フィルタ、あるいはIIR(Infinite Impulse Respones)型の低域空間フィルタなどを用いてもよい。また、視覚処理部11は、ガンマ曲線などを用いた階調処理を行う。
基本プロファイル群記憶部12は、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理などの色処理を単独であるいは組み合わせて実現するための複数の基本色変換プロファイルを格納している。それぞれの基本色変換プロファイルは、ある色空間から別の色空間への写像を与えるルックアップテーブルとして記憶されている。より具体的には、ルックアップテーブルは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3次元の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える3次元ルックアップテーブルとして記憶されている。また、基本プロファイル群記憶部12に記憶される基本色変換プロファイルは、画像処理装置の外部のパーソナルコンピュータ(PC)25において予め算出される。算出された基本色変換プロファイルは、基本色変換プロファイルのデータである基本プロファイルデータd4をPC25から転送することにより基本プロファイル群記憶部12に格納される。
なお、基本プロファイル群記憶部12は、ROM、書き換え・データ更新が可能な記憶媒体(RAM、ハードディスクなど)、あるいは画像処理装置10から取り外し可能な記憶媒体(メモリカードなど)で構成される。画像処理装置10の基本プロファイル群記憶部12には、予め作成された基本プロファイルデータd4がPC25から読み込まれることとなる。また、基本プロファイル群記憶部12の書き換え・データ更新が可能な場合、外部のネットワークに接続することで、外部より自由に基本色変換プロファイルを更新させることができる。
色処理部13は、選択プロファイルデータd5を入力とし処理用プロファイルデータd7を出力とするプロファイル作成部15と、画像信号d2と処理用プロファイルデータd7とを入力とし出力信号d3を出力とする色処理実行部16とを有している。プロファイル作成部15は、選択プロファイルデータd5を入力とし選択プロファイルデータに基づいて作成された生成プロファイルデータd6を出力とするプロファイル作成実行部20と、生成プロファイルデータd6を入力として格納し、格納されたデータのうち色処理に用いられるデータである処理用プロファイルデータd7を出力とするプロファイルRAM21とから構成される。
処理度設定部18は、ユーザに対して色処理の程度の目標を設定させる。設定された処理の程度は、目標処理度d8として出力される。
次に、図2〜図3を用いて、本発明の特徴部分である基本プロファイル群記憶部12、色処理部13、処理度設定部18の詳細な構成について説明する。
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、複数の基本色変換プロファイルからなるプロファイル群を記憶している。図2に示す画像処理装置10では、3つの基本色変換プロファイルからなるプロファイル群22を記憶している。プロファイル群22は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2と処理X3とを実現するための3つの基本色変換プロファイル22aと22bと22cとを備えている。
ここで、処理Xとは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである。以下では、処理Xが肌色についての記憶色補正であるとして説明を行う。
《プロファイル群》
プロファイル群について説明する。プロファイル群とは、同じ色処理について色処理の程度を異ならせた基本色変換プロファイルから構成されるグループである。プロファイル群は、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理を実現する機能、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理を実現する機能を有している。例えば、プロファイル群22の場合、基本色変換プロファイル22aと22bと22cとは、異なる補正度合いの肌色の記憶色補正を実現する。より具体的には、基本色変換プロファイル22bが肌色に対するデフォルトの記憶色補正を実現し、基本色変換プロファイル22aが肌色を白色味に変換し、基本色変換プロファイル22cが肌色を黄色味に変換するというように、それぞれの基本色変換プロファイルは、同じ機能「肌色の記憶色補正」を有しながら異なる処理度合いを実現する。
《基本色変換プロファイル》
基本色変換プロファイルについて説明する。基本色変換プロファイルは、それぞれ8ビットで表現される3次元の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える3次元ルックアップテーブルである。ここで、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の全てに対して、それぞれ8ビットで表現される色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える場合、{(2^8)^3}*3=48Mバイトと基本プロファイル群記憶部12の記憶容量を多く必要とする。そこで、それぞれ8ビットで表現される色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位数ビットに対してのみ、それぞれ8ビットで表現される色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与えている。より具体的には、例えば、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットに対してのみ、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える場合、1つの基本色変換プロファイルに必要な記憶容量は、{(2^5)^3}*3=98304バイトと削減される。
以下、基本色変換プロファイルは、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットに対してのみ、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与えるとする。
(色処理部13)
色処理部13は、プロファイル作成実行部20において、プロファイル生成部30をさらに備えている。プロファイル生成部30は、選択プロファイルデータd5(図1参照)を入力とし生成プロファイルデータd6を出力とする。
(処理度設定部18)
処理度設定部18は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケール110により設定させる。
図3に調整スケール110を示す。調整スケール110は、画像処理装置10が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、肌色の色処理の程度が設定される。調整スケール110には、どのような記憶色補正を行うかについての目標が示されている。具体的には、調整スケール110では、スライディングバーが右側に設定されると、肌色が黄色味に記憶色補正され、スライディングバーが左側に設定されると、肌色が白色味に記憶色補正されるということが示されている。
調整スケール110により設定された色処理の程度の目標は、スライディングバーの位置に対応づけられた値を持つ目標処理度d8として制御部14に出力される。目標処理度d8は、スライディングバーが中央に設定されている場合には、値[0]として出力される。また、スライディングバーが中央より右側に設定されている場合には、スライディングバーの中央からの距離に比例する値であって、値[0]を超え、かつ、値[+1]以下の値として出力される。さらに、スライディングバーが中央より左側に設定されている場合には、スライディングバーの中央からの距離に比例する値であって、値[−1]以上、かつ、値[0]未満の値として出力される。
〈作用〉
図2を用いて、各部の作用について説明する。
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c10が入力される。カウント信号c10は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、肌色の記憶色補正を実現する色変換プロファイルを生成する場合には、肌色に対するデフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイル22bと、肌色に対する色処理の程度を変えた基本色変換プロファイル22a又は22cとのアドレスが指定される。
制御部14が基本色変換プロファイル22aと基本色変換プロファイル22cとのいずれのアドレスを指定するかは、処理度設定部18において設定された目標処理度d8の値により決定される。具体的には、プロファイル群22に対する目標処理度d8が、正の値である場合、すなわち調整スケールにおいてスライディングバーが中央より右側に設定されている場合に、基本色変換プロファイル22cのアドレスが指定される。また、目標処理度d8の値が負の値である場合、すなわち調整スケール110においてスライディングバーが中央より左側に設定されている場合に、基本色変換プロファイル22aのアドレスが指定される。なお、スライディングバーが中央の値に設定されている場合には、基本色変換プロファイル22aあるいは22cのどちらのアドレスが指定されてもよい。あるいは、この場合には、どちらのアドレスも指定されず、基本色変換プロファイル22bがそのまま用いられてもよい。
アドレスの指定は、2つの基本色変換プロファイルにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出されるよう行われる。このようにして読み出されたデータは、第1の選択プロファイルデータd10および第2の選択プロファイルデータd11として基本プロファイル群記憶部12から出力される。具体的には、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイル22bが第1の選択プロファイルデータd10として出力され、基本色変換プロファイル22aまたは22cが第2の選択プロファイルデータd11として出力される。基本色変換プロファイル22a〜22cは、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットに対してのみ、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与えるため、それぞれ(2^5)^3個のアドレスが指定され、データが読み出される。
(色処理部13)
《プロファイル生成部30》
プロファイル生成部30は、基本プロファイル群記憶部12から第1の選択プロファイルデータd10および第2の選択プロファイルデータd11を取得する。さらに、制御部14から基本色変換プロファイル22bと基本色変換プロファイル22a又は22cとの合成度を指定する制御信号c12が与えられる。
制御信号c12では、目標処理度d8の値から符号を除いた値が合成度の値として与えられる。
プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10の値[m]および第2の選択プロファイルデータd11の値[n]に対して、制御信号c12が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成プロファイルデータd6を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。すなわち、値[k]は、0≦k≦1を満たし、第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とは内分されることとなる。
ここで、図4を用いて、プロファイル生成部30の動作と作成された色変換プロファイルについて説明する。図4は、肌色の補正領域120の色度値Aに対する記憶色補正における補正傾向をLab空間に示す図である。
肌色の記憶色補正に用いられるそれぞれの基本色変換プロファイル22a〜22cは、次のように色度値Aを変換する。すなわち、肌色に対するデフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイル22bは、色度値Aを色度値Cに変換する。肌色を白色味に変換する基本色変換プロファイル22aは、色度値Aを色度値Dに変換する。肌色を黄色味に変換する基本色変換プロファイル22cは、色度値Aを色度値Bに変換する。すなわち、それぞれの基本色変換プロファイル22a〜22cでは、色処理の前後における色度値を結ぶベクトルの向きが異なっている。
プロファイル生成部30では、合成度の値が与えられると、基本色変換プロファイル22bと基本色変換プロファイル22a又は22cとを内分し、色変換プロファイルを作成する。こうして作成された色変換プロファイルは、色度値Aを線分BCD上の色度値に変換する。すなわち、プロファイル生成部30により、色処理の前後における特定の色度値を結ぶベクトルを任意の向きとする色変換プロファイルを作成することが可能となる。
なお、図4の説明において、「色度値」という文言を用いた。このことは、本発明における記憶色補正では、画像信号の備える属性のうち「彩度、色相」のみが変化するということを意味しない。記憶色補正では、画像信号の備える属性のうち「明度」が変化してもかまわない。
《プロファイルRAM21》
プロファイルRAM21は、プロファイル生成部30が作成する生成プロファイルデータd6を取得し、制御部14のカウント信号c11により指定されるアドレスに格納する(図2参照)。ここで、生成プロファイルデータd6は、生成プロファイルデータd6を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd10または第2の選択プロファイルデータd11と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
以上により、処理X1〜処理X3を実現する基本色変換プロファイルに基づいて、任意の処理度合いの処理Xkを実現する新たな色変換プロファイルが作成される。
《色処理実行部16》
色処理実行部16は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c4で対応するアドレスを指定することで、プロファイルRAM21に格納される色変換プロファイルのデータである処理用プロファイルデータd7を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。具体的には、それぞれが8ビットで表される画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットの値に対応する処理用プロファイルデータd7を読み出す。さらに、読み出した処理用プロファイルデータd7を画像信号値(R0,G0,B0)の下位3ビットの値を用いて3次元補間することにより出力信号d3が得られる。
〈方法〉
図5を用いて、画像処理装置10において実行される画像処理方法について説明する。
ユーザは、処理度設定部18を用いて、色処理の程度の目標を設定する。設定された目標処理度d8は、制御部14に出力される(ステップS100)。
制御部14からのカウント信号c10により、基本プロファイル群記憶部12のアドレスが一定のカウント周期で指定され、基本プロファイル群記憶部12において、指定されたアドレスに格納されている画像信号値が読み出される(ステップS101)。具体的には、処理Xを実現する色変換プロファイルを生成する場合には、基本色変換プロファイル22bと基本色変換プロファイル22a又は22cとのアドレスが指定される。指定された2つの基本色変換プロファイルは、それぞれ第1の選択プロファイルデータd10、第2の選択プロファイルデータd11としてプロファイル生成部30に読み出される。
プロファイル生成部30は、制御部14から合成度を指定する制御信号c12を取得する(ステップS102)。目標処理度d8と制御信号c12との関係については、上述したので詳しい説明は省略する。
プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10の値[m]および第2の選択プロファイルデータd11の値[n]に対して、制御信号c12が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成プロファイルデータd6を作成する(ステップS103)。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。
プロファイルRAM21に対して生成プロファイルデータd6が書き込まれる(ステップS104)。ここで、書き込み先のアドレスは、プロファイルRAM21に与えられる制御部14のカウント信号c11により指定される。
制御部14は、基本色変換プロファイルが備える全ての(R0,G0,B0)のデータについての処理が終了したか否かを判断し(ステップ105)、終了するまでステップS101からステップS105の処理を繰り返す。
また、このようにしてプロファイルRAM21に新たな色変換プロファイル格納した後で、色処理実行部16は生成プロファイルデータd6に基づいて、画像信号d2の色処理を実行する(ステップS106)。
〈効果〉
(1)
記憶色補正では、画像信号d2の持つ(明度、彩度、色相)の3つの属性のうち、少なくとも2つの属性についての色処理が行われる。このため、本発明の画像処理装置10により、肌色の記憶色補正の補正傾向の調整を、それぞれ1つの目標処理度d8を与えるだけで行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整してそれぞれの記憶色補正を行う場合に比して、簡易に記憶色補正の調整を行うことが可能となる。
さらに、本発明の画像処理装置10では、それぞれの属性を独立に調整してそれぞれの記憶色補正を行う場合に比して、素早く調整を行うことが可能となる。これにより、画像信号d2が動画であり、シーンの変化が速い場合などであっても、適切に調整を行うことが可能となる。
(2)
本発明の記憶色補正では、複数の基本色変換プロファイルをカスタマイズすることにより生成される色変換プロファイルである処理用プロファイルデータd7が用いられる。すなわち、複数の基本色変換プロファイルが実現する記憶色補正の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
このため、適切な基本色変換プロファイルを用いつつ、任意の程度の記憶色補正を実現することが可能となる。すなわち、適切な記憶色補正を、簡易に調整して行うことが可能となる。
基本色変換プロファイルのカスタマイズに際しては、基本色変換プロファイルを目標処理度d8に基づいて内分する。このため、基本色変換プロファイルに基づいた適切な記憶色補正を実現する色変換プロファイルを生成することが可能となる。
(3)
画像処理装置10においては、基本プロファイル群記憶部12において、少数の基本色変換プロファイル22a〜22cを備えるだけで、任意の処理度合いの記憶色補正を実現することが可能となる。このため、少数の基本色変換プロファイル以外には、あらかじめ処理度合いを異ならせた色変換プロファイルを用意しておく必要がなく、基本プロファイル群記憶部12の記憶容量を削減することが可能となる。
(4)
プロファイル作成実行部20は、処理度設定部18により設定された目標処理度d8に基づいて、それぞれの基本色変換プロファイルにおける対応する要素どうしを内分あるいは外分し、新たな色変換プロファイルの各要素の値を決定する。このため、基本色変換プロファイルの合成度合いを任意に変更することにより、任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルを作成することが可能となる。
(5)
画像処理装置10においては、基本色変換プロファイルが複数の色処理を組み合わせて実現する場合、複数の色処理を順次実行するのに比して要する時間を短縮することが可能となる。また、複数の色処理のうちの少なくとも一部の色処理については、任意の処理度合いで実行することが可能となる。
〈変形例〉
本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(1)
上記実施形態では、処理度設定部18は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、画像処理装置10の表示画面などに表示されるスライディングバーにより設定させる、と説明した。ここで、処理度設定部18の構成は、これに限定されるものではない。例えば、ソフトではなく、ハードにより構成されるスライディングバーであってもよい。また、つまみなどにより構成され、つまみを回転させることにより色処理の程度の目標を与えるものであっても良い。具体的には、図22に従来技術として示したような調整用のつまみを少なくとも1つ備え、つまみの回転角度で、色処理の程度の目標を与える。
さらに、処理度設定部18は、画像処理装置10と一体として構成されていなくても良い。例えば、画像処理装置10の外部において、接続されているものであっても良い。この場合の接続は、インターネットなど公衆回線による接続であってもよいし、専用回線による接続であっても良い。
(2)
上記実施形態では、処理度設定部18は、調整スケール110の設定に応じて、プロファイル群22に対する目標処理度d8を出力すると説明した。ここで、基本プロファイル群記憶部12がプロファイル群をさらに有する場合、例えば、緑色や空色の記憶色補正を行うプロファイル群をさらに有する場合、目標処理度d8には、出力される値がいずれのプロファイル群に対する値であるかを示すフラグが付されていても良い。
この場合、制御部14は、目標処理度d8のフラグを用いて、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを指定する。
なお、処理度設定部18は、プロファイル群の個数に対応する数の調整スケールを有していてもよい。また、1つの調整スケールを有するのみであっても、いずれのプロファイル群に対する値の設定が行われるかを示すためのチェックボックスをさらに有していてもよい。
(3)
上記実施形態では、処理度設定部18が出力する値は、−1〜+1の範囲であると説明した。ここで、本発明の効果は、この値に限定されるものではない。例えば、処理度設定部18は、0〜+1など、正あるいは負のいずれかの値のみを出力するものであっても良い。この場合、制御部14は、値[+0.5]を境界として、内分に用いる基本色変換プロファイルを切り替えても良い。
また、処理度設定部18は、−1〜+1の範囲を超える値を出力するものであっても良い。例えば、処理度設定部18は、−1.5〜+1.5の範囲の値を出力してもよい。この場合、−1〜+1の範囲を超える値に対して、プロファイル生成部30では、基本色変換プロファイルの外分が行われることとなる。
また、上記実施形態では、スライディングバーの位置に対応づけられた値は、スライディングバーの中央からの距離に比例する値であると説明した。ここで、スライディングバーの位置に対応づけられた値は、スライディングバーの中央からの位置に非線形な値であってもよい。この場合、例えば、デフォルトの基本色変換プロファイルに対して大きな重みを与える内分をより微妙に調整することが可能となる。
(4)
上記実施形態では、処理Xを記憶色補正であるとして説明した。ここで、本発明の効果は、処理Xの内容に限定されるものではない。すなわち、処理Xは、表示色変換処理、色域変換処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などであってもよい。
また、記憶色補正であっても、上記実施形態で説明した肌色だけでなく、緑色、空色などについての記憶色補正であってもよい。この場合、緑色についての記憶色補正を実現するプロファイル群では、緑色についてのデフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイル、緑色を黄色味に変換する基本色変換プロファイル、緑色を青色味に変換する基本色変換プロファイルを備える。また、空色についての記憶色補正を実現するプロファイル群では、空色についてのデフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイル、空色を水色味に変換する基本色変換プロファイル、空色を赤色味に変換する基本色変換プロファイルを備える。
(5)
上記実施形態では、処理度設定部18により、記憶色補正の補正傾向を目標処理度d8として設定させる場合について説明した。すなわち、基本色変換プロファイルのそれぞれが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの方向は、それぞれ異なっており、作成された色変換プロファイルが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの方向は、任意の方向となり得る。
ここで、処理度設定部18は、記憶色補正の補正強度を目標処理度d8として設定するものであっても良い。これについて、図6を用いて説明する。
図6(a)は、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイルにより色度値が変換される様子を示している。図6(a)では、色度値Lが色度値Mに変換されている。
図6(b)は、基本色変換プロファイルの内分あるいは外分により作成された色変換プロファイルにより色度値Lが変換される様子を示している。なお、図では、色度値Lが変換される様子についてのみ示しているが、他の色度値についても同様である。
具体的には、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイルと、色度値を同じ色度値に変換する基本色変換プロファイル(補正を行わない基本色変換プロファイル)とを内分あるいは外分することにより、任意の補正強度の記憶色補正を実現する色変換プロファイルが作成される。この色変換プロファイルにより、色度値Lは、色度値M’あるいは色度値M”に変換される。すなわち、内分が行われた場合には、色度値Lは、色度値M’に変換され、外分が行われた場合には、色度値Lは、色度値M”に変換される。
ここで、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイルが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルは、作成された色変換プロファイルが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルと同じ方向のベクトルであるが、その大きさが異なっている。
以下、図6で説明した色処理を実現するための装置について説明する。なお、上記した画像処理装置10の各部と同様の機能を有する部分には、同じ記号を付して説明する。
基本色変換プロファイルは、基本プロファイル群記憶部12に格納されている。プロファイル生成部30は、色度値を同じ色度値に変換する基本色変換プロファイルを第1の選択プロファイルデータd10として、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイルを第2の選択プロファイルデータd11として取得する。さらに、制御部14から制御信号c12により、目標処理度d8の値が合成度として取得される。
目標処理度d8は、処理度設定部18により設定される補正強度の値である。すなわち、目標処理度d8の値により、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイルが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの大きさと、作成された色変換プロファイルが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの大きさとの比が与えられることになる。
また、処理度設定部18の構成については、上記実施形態で示したのとほぼ同様である。すなわち、処理度設定部18は、図3に示したのと同様の調整スケールにより、ユーザに対して補正強度の設定を行わせる。一例として、補正強度の設定は、図7に示す調整スケール110’により行われる。調整スケール110’は、画像処理装置10が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、ユーザの操作により補正強度の目標が設定される。この際、処理度設定部18は、スライディングバーの位置に対応づけられた値を持つ目標処理度d8を出力する。目標処理度d8は、スライディングバーが中央に設定されている場合には、値[1]として出力される。また、スライディングバーが中央より右側に設定されている場合には、スライディングバーの中央からの距離に比例する値であって、値[1]を超え、かつ、値[2]以下の値として出力される。さらに、スライディングバーが中央より左側に設定されている場合には、スライディングバーの中央からの距離に比例する値であって、値[0]以上、かつ、値[1]未満の値として出力される。
プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10の値[m]および第2の選択プロファイルデータd11の値[n]に対して、制御信号c12が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成プロファイルデータd6を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。なお、値[k]は、目標処理度d8の値と同じ値である。値[k]が0≦k≦1を満たす場合には、第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とは内分され、値[k]がk>1を満たす場合には、第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とは外分されることとなる。
以上により、任意の補正強度の記憶色補正を実現する色変換プロファイルが作成される。
なお、ここで説明した目標処理度d8の値の範囲は、一例であり、本発明の効果は、この場合に限定されるものではない。すなわち、目標処理度d8は、値[0]未満の値をとっても良いし、値[2]を超える値をとっても良い。この場合にも、上記と同様の計算により、生成プロファイルデータd6の値[1]が決定される。
(6)
上記実施形態では、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、色処理が行われると説明した。ここで、本発明の効果は、この色空間に限定されるものではない。すなわち、画像信号d2は、例えば、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、CIELabなどの色空間で表現されていてもよい。この場合、画像信号d2の色空間に応じた基本色変換プロファイルが用いられ、色変換プロファイルが作成される。
(7)
上記実施形態では、プロファイル群22は、3種類の基本色変換プロファイルを備えると説明した。ここで、プロファイル群22が備える基本色変換プロファイルの個数は、これに限定されない。例えば、2種類の基本色変換プロファイルを備えていてもよいし、さらに多くの基本色変換プロファイルを備えていてもよい。
2種類の基本色変換プロファイルを備える場合は、処理度設定部18で設定された目標処理度d8の値により、備えられる2種類の基本色変換プロファイルが内分され、色処理の実行に用いられる色変換プロファイルが作成される。また、さらに多くの基本色変換プロファイルを備える場合は、処理度設定部18で設定された目標処理度d8の値により、備えられる基本色変換プロファイルのうちの2種類の基本色変換プロファイルが内分され、色処理の実行に用いられる色変換プロファイルが作成される。
また、基本プロファイル群記憶部12は、プロファイル群22を備えると説明した。ここで、基本プロファイル群記憶部が備えるプロファイル群の個数は、これに限定されない。例えば、さらに多くのプロファイル群を備えていてもよい。
また、多くのプロファイル群を備える場合、同じ個数の色処理部13を直列的に備えることにより、それぞれのプロファイル群を用いた色処理を直列的に実現することも可能である。例えば、肌色、緑色、空色のそれぞれの記憶色補正を重畳的に実現することも可能である。この場合、処理度設定部18は、それぞれのプロファイル群に対する処理度を設定させる。
(8)
画像処理装置10は、視覚処理部11を備えていると説明した。ここで、画像処理装置10は、視覚処理部11を備えないものであっても良い。この場合、入力信号d1が直接色処理部13に入力されることとなる。
また、視覚処理部11における空間処理は、入力信号d1における着目画素と着目画素の周辺画素との平均値(単純平均または加重平均)を計算することにより行われるものであっても良い。
(9)
色処理実行部16における処理は、上記実施形態で説明したものに限られない。例えば、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して処理用プロファイルデータd7を体積補間する方法により出力信号d3を得るものであってもよい。
(10)
上記実施形態では、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c4で対応するアドレスを指定すると説明した。ここで、カウント信号c4は、色処理実行部16から与えられるもので無くてもよい。例えば、制御部14が画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、プロファイルRAM21のアドレスを指定するものであってもよい。
(11)
上記実施形態では、プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10および第2の選択プロファイルデータd11を取得し、それぞれの値を内分(外分)して新たな色変換プロファイルを生成する、と説明した。
ここで、それぞれのプロファイルデータの内分(外分)に際して、プロファイルデータに含まれるデータのうち、特定部分のデータのみが内分(外分)されるものであってもよい。特定部分のデータとは、ルックアップテーブルなどのプロファイルデータのうちの一部のデータを意味し、具体的には、基本プロファイル群記憶部12の特定のアドレスから取得されるデータ、あるいはプロファイルRAMの特定のアドレスに格納されるデータなどを意味している。
プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とを順次取得する。このとき、プロファイル生成部30は、これらのデータが基本プロファイル群記憶部12の特定のアドレスから取得されたものであるか否かを判断する。判断結果が肯定的である場合には、それぞれのプロファイルデータを内分(外分)し、生成プロファイルデータd6を作成する。一方、判断結果が否定的である場合には、それぞれのプロファイルデータのうち、予め定められた一方のデータを生成プロファイルデータd6として出力する。例えば、判断結果が否定的である場合には、第1の選択プロファイルデータd10のデータを生成プロファイルデータd6として出力する。
ここで、特定部分の設定は、処理度設定部18により行われる。例えば、処理度設定部18から出力される目標処理度d8に、出力される値がいずれのプロファイル群に対する値であるかを示すフラグが付されている場合、言い換えれば、目標処理度d8により記憶色補正など色補正の対象となる色領域が識別できる場合、プロファイルデータのうち、この色補正を特徴付ける部分のみの変更を行う。
特定部分の設定について、より具体的に説明する。
例えば、色補正の対象となる色毎に調整スケールが設けられている場合に肌色の調整を行う調整スケールが変更されるとする。この場合、基本プロファイル群記憶部12からは、肌色の調整を行う第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とが順次読み出される。処理度設定部18は、それぞれのプロファイルデータにおいて肌色の色変換を特徴付ける部分のアドレスをプロファイル生成部30に対して設定する。この設定は、制御部14を介して行われる。
このように、プロファイルデータの特定部分のみの変更を行う場合、プロファイルの作成に要する計算量を削減することが可能となる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るルックアップテーブルを用いた画像処理装置26について説明する。画像処理装置26は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置26は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
図8は、画像処理装置26における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置26は、色処理部31における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
以下、画像処理装置26における特徴部分である色処理部31、制御部14を介して色処理部31における色処理の程度を設定させる処理度設定部28および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、複数の基本色変換プロファイルを記憶している。図8に示す基本プロファイル群記憶部12は、基本色変換プロファイル40〜42を記憶している。基本色変換プロファイル40〜42は、肌色についての記憶色補正を実現するためのプロファイルである。詳しくは、基本色変換プロファイル40は、黄色味の肌色への記憶色補正を実現するためのプロファイルであり、基本色変換プロファイル41は、白色味の肌色への記憶色補正を実現するためのプロファイルであり、基本色変換プロファイル42は、記憶色補正を行わないプロファイルである。
(色処理部31)
色処理部31は、図2を用いて説明した色処理部13と、プロファイル作成部35の構造において相違している。より詳しくは、プロファイル作成部35が備えるプロファイル作成実行部36が3つのプロファイル生成部37〜39を有する点において、図2を用いて説明したプロファイル作成部15と相違している。
第1のプロファイル生成部37は、第1の選択プロファイルデータd16と第2の選択プロファイルデータd17とを入力とし第1の生成プロファイルデータd20を出力とする。第1の選択プロファイルデータd16とは、基本色変換プロファイル40のデータである。第2の選択プロファイルデータd17とは、基本色変換プロファイル42のデータである。
第2のプロファイル生成部38は、第3の選択プロファイルデータd18と第4の選択プロファイルデータd19とを入力とし第2の生成プロファイルデータd21を出力とする。第3の選択プロファイルデータd18とは、基本色変換プロファイル42のデータである。第4の選択プロファイルデータd19とは、基本色変換プロファイル41のデータである。
第3のプロファイル生成部39は、第1の生成プロファイルデータd20と第2の生成プロファイルデータd21とを入力とし第3の生成プロファイルデータd22を出力とする。
(処理度設定部28)
処理度設定部28は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケールにより設定させる。調整スケールは、画像処理装置26が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、色処理の程度が設定される。調整スケールは、第1実施形態で図3を用いて説明したのと同様であるが、ここでは、記憶色補正の補正強度を調整する第1調整スケール130と、記憶色補正の補正傾向を調整する第2調整スケール131とが備えられている。第1調整スケール130は、第1実施形態〈変形例〉(5)で説明した調整スケールと同様の動作により、第1目標処理度d25を出力する。第2調整スケール131は、第1実施形態で説明した調整スケール110と同様の動作により、第2目標処理度d26を出力する。
〈作用〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c15が入力される。カウント信号c15は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、基本色変換プロファイル40〜42において、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。
(色処理部31)
《プロファイル作成実行部36》
第1のプロファイル生成部37は、第1の選択プロファイルデータd16と第2の選択プロファイルデータd17とに対して、制御信号c17が指定する合成度合いを用いて、第1の生成プロファイルデータd20を生成する。詳しくは、第1実施形態〈変形例〉(5)で説明したのと同様である。ここで、制御信号c17が指定する合成度合いは、第1目標処理度d25の値と同じ値として与えられる。
第2のプロファイル生成部38は、第3の選択プロファイルデータd18と第4の選択プロファイルデータd19とに対して、制御信号c17が指定する合成度合いを用いて、第2の生成プロファイルデータd21を生成する。詳しくは、第1実施形態〈変形例〉(5)で説明したのと同様である。ここで、制御信号c17が指定する合成度合いは、第1目標処理度d25の値と同じ値として与えられる。
これにより、基本色変換プロファイル40と基本色変換プロファイル41との記憶色補正の補正強度を同じ割合だけ変更する2つの色変換プロファイルが作成されることとなる。
第3のプロファイル生成部39は、第1の生成プロファイルデータd20と第2の生成プロファイルデータd21とに対して、制御信号c18が指定する合成度合いを用いて、第3の生成プロファイルデータd22を作成する。詳しくは、第1実施形態でプロファイル生成部30について説明したのとほぼ同様であり、第1の生成プロファイルデータd20の値[m]および第2の生成プロファイルデータd21の値[n]に対して、制御信号c18が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の第3の生成プロファイルデータd22を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。すなわち、値[k]は、0≦k≦1を満たし、第1の生成プロファイルデータd20と第2の生成プロファイルデータd21とは内分されることとなる。ここで、制御信号c18が指定する合成度合いは、第2目標処理度d26と同じ値として与えられる。
《プロファイルRAM21》
プロファイルRAM21は、第3のプロファイル生成部39が作成する第3の生成プロファイルデータd22を取得し、制御部14のカウント信号c16により指定されるアドレスに格納する。ここで、第3の生成プロファイルデータd22は、第3の生成プロファイルデータd22を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd16〜第4の選択プロファイルデータd19と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
以上により、記憶色補正について、任意の補正強度と任意の補正傾向とを実現する新たな色変換プロファイルが作成される。
〈効果〉
第2実施形態では、第1実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
(1)
記憶色補正では、画像信号d2の持つ(明度、彩度、色相)の3つの属性のうち、少なくとも2つの属性についての色処理が行われる。画像処理装置26では、補正強度と補正傾向とを任意に調整した記憶色補正を行うことが可能となる。また、それらの調整は、1軸の調整スケールをそれぞれ操作することにより簡易に行うことが可能である。
〈変形例〉
(1)
上記実施形態では、基本色変換プロファイル40〜42の機能を記憶色補正に限定して記載した。ここで、基本色変換プロファイルは、その他の色処理を実現するプロファイルであってもよい。例えば、基本プロファイル群記憶部12は、2つの異なる色処理である処理Xと処理Yとを同時に実現するための色変換プロファイルを有していても良い。詳しくは、基本プロファイル群記憶部12は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1および処理X2と、処理Yについて処理度合いの異なる処理Y1および処理Y2とをそれぞれ組み合わせた処理を実現する4種類の基本色変換プロファイルを有していても良い。
この場合、処理度設定部18は、それぞれの色処理に対する色処理の程度を設定させることとなる。
なお、処理Xあるいは処理Yとは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理である。
また、この場合に基本プロファイル群記憶部12は、4種類の基本色変換プロファイルのみを備えるもので無くても良い。すなわち、基本プロファイル群記憶部12は、さらに複数の基本色変換プロファイルを備えていてもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態に係るルックアップテーブルを用いた画像処理装置45について説明する。画像処理装置45は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置45は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
図9は、画像処理装置45における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置45は、第2実施形態に係る画像処理装置26と同様に、色処理部46における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
さらに、画像処理装置45は、基本色変換プロファイルから作成された複数の色変換プロファイルを合成することにより新たな色変換プロファイルを作成する点において特徴を有している。
以下、画像処理装置45における特徴部分である色処理部46および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、それぞれの色処理についての処理度合いを調整する処理度設定手段58については、第1実施形態およびその変形例で示した処理度設定手段18とほぼ同様であるため詳しい説明は省略する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、それぞれ2つの基本色変換プロファイルからなる2つのプロファイル群22,23を記憶している。プロファイル群22は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2とを実行するための2つの基本色変換プロファイル22a,22bを備えている。プロファイル群23は、処理Yについて処理度合いの異なる処理Y1と処理Y2とを実行するための2つの基本色変換プロファイル23a,23bを備えている。
ここで、処理Xあるいは処理Yとは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである。また、プロファイル群および基本色変換プロファイルについては、第1実施形態で説明したのと同様である。
(色処理部46)
色処理部46は、図2を用いて説明した色処理部13と、プロファイル作成部50の構造において相違している。より詳しくは、プロファイル作成部50が備えるプロファイル作成実行部51の構造において相違している。
プロファイル作成実行部51は、第1のプロファイル生成部52と、変換部53と、第2のプロファイル生成部54と、プロファイルRAM55と、プロファイル合成部56とを有している。
第1のプロファイル生成部52は、第1の選択プロファイルデータd32と第2の選択プロファイルデータd33とを入力とし第1の生成プロファイルデータd34を出力とする。第1の選択プロファイルデータd32とは、処理X1を実現する基本色変換プロファイル22aのデータである。第2の選択プロファイルデータd33とは、処理X2を実現する基本色変換プロファイル22bのデータである。
変換部53は、第1の生成プロファイルデータd34を入力とし、第1の生成プロファイルデータd34に対してガンマ補正などの変換処理を行った変換プロファイルデータd35を出力とする。
第2のプロファイル生成部54は、第3の選択プロファイルデータd36と第4の選択プロファイルデータd37とを入力とし第2の生成プロファイルデータd38を出力とする。第3の選択プロファイルデータd36とは、処理Y1を実現する基本色変換プロファイル23aのデータである。第4の選択プロファイルデータd37とは、処理Y2を実現する基本色変換プロファイル23bのデータである。
プロファイルRAM55は、第2の生成プロファイルデータd38を入力とし合成用プロファイルデータd39を出力とする。
プロファイル合成部56は、変換プロファイルデータd35と合成用プロファイルデータd39を入力とし第3の生成プロファイルデータd40を出力とする。
(処理度設定部58)
処理度設定部58は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケールにより設定させる。調整スケールは、画像処理装置45が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、色処理の程度が設定される。
調整スケールは、第1実施形態で図3を用いて説明したのと同様であるが、ここでは、第1のプロファイル生成部52に対する合成度合いを設定するための第1調整スケール134と、第2のプロファイル生成部54に対する合成度合いを設定するための第2調整スケール135とが備えられている。第1調整スケール134および第2調整スケール135は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)で説明した調整スケールと同様の動作により、第1目標処理度d42および第2目標処理度d43を制御部14に出力する。
制御部14は、取得した第1目標処理度d42および第2目標処理度d43に基づいて、第1のプロファイル生成部52と第2のプロファイル生成部54とにプロファイルの合成度合いを指定するための制御信号c35と制御信号c36を出力する。
ここで、それぞれの目標処理度の値とそれぞれの制御信号との値との関係は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)に示したのと同様である。
なお、目標処理度の値と制御信号の値とは、基本プロファイル群12の備えるプロファイル群の処理内容に応じてその範囲が定められる。
〈作用〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c31およびc32が入力される。カウント信号c31およびc32は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、カウント信号c31により、基本色変換プロファイル22aと22bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。また、カウント信号c32により、基本色変換プロファイル23aと23bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。
(色処理部46)
《プロファイル作成実行部51》
第1のプロファイル生成部52は、第1の選択プロファイルデータd32と第2の選択プロファイルデータd33とに対して、制御信号c35が指定する合成度合いを用いて、第1の生成プロファイルデータd34を生成する。詳しくは、第1実施形態でプロファイル生成部30について説明したのと同様である。
これにより、処理Xiを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[i]は、制御信号c35が指定する合成度の値である。
変換部53は、第1の生成プロファイルデータd34に対してガンマ補正などの変換処理を行い変換プロファイルデータd35を出力する。
第2のプロファイル生成部54は、第1のプロファイル生成部52と同様、第3の選択プロファイルデータd36と第4の選択プロファイルデータd37とに対して、制御信号c36が指定する合成度合いを用いて、第2の生成プロファイルデータd38を生成する。
これにより、処理Yjを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[j]は、制御信号c36が指定する合成度の値である。
プロファイルRAM55は、第2のプロファイル生成部54が作成する第2の生成プロファイルデータd38を取得し、制御部14のカウント信号c33により指定されるアドレスに格納する。ここで、第2の生成プロファイルデータd38は、第2の生成プロファイルデータd38を作成するのに用いられた第3の選択プロファイルデータd36および第4の選択プロファイルデータd37と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
これにより、処理Yjを実現する色変換プロファイルがプロファイルRAM55に格納される。
プロファイル合成部56は、変換プロファイルデータd35の値に基づいて、第3の生成プロファイルデータd40を算出する。具体的には、変換プロファイルデータd35の値に関連づけられたプロファイルRAM55に格納される色変換プロファイルの値を第3の生成プロファイルデータd40として出力する。すなわち、プロファイル合成部56は、色処理実行部16と同様の動作を変換プロファイルデータd35の値に対して実行する。より詳しく説明すると、プロファイル合成部56は、変換プロファイルデータd35の値に応じて、カウント信号c40を用いてプロファイルRAM55のアドレスを指定する。さらに、指定されたアドレスに格納されるデータが、合成用プロファイルデータd39として出力される。出力された合成用プロファイルデータd39は、変換プロファイルデータd35の値に応じて補間され、生成プロファイルデータd40が出力される。
以上により、処理Xと処理Yとについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルが作成される。
《プロファイルRAM21》
プロファイルRAM21は、第3の生成プロファイルデータd40を取得し、制御部14のカウント信号c34により指定されるアドレスに格納する。ここで、第3の生成プロファイルデータd40は、第3の生成プロファイルデータd40を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd32および第2の選択プロファイルデータd33と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
以上により、処理Xと処理Yとについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルがプロファイルRAM21に格納される。
〈効果〉
第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
(1)
画像処理装置45においては、例えば、プロファイル群22あるいは23が基本色変換プロファイルをさらに備える場合であっても、基本プロファイル群記憶部12において必要な記憶容量の増加分は、増えた基本色変換プロファイルのデータ量と同じとなる。すなわち、プロファイル群22および23がそれぞれ3つの異なる処理度合いを有する基本色変換プロファイルを有する場合、画像処理装置45では、基本色変換プロファイル6個分の記憶容量があれば十分である。
一方、第2実施形態〈変形例〉(1)で示した画像処理装置26の場合では、3*3=9個分の基本色変換プロファイルの記憶容量が必要となる。
この点において、画像処理装置45では、記憶容量を削減する効果を発揮するといえる。
(2)
画像処理装置45においては、画像信号d2に対してリアルタイムに処理を行う必要があるのは色処理実行部16だけである。このため、例えば、画像信号d2に対して複数回の色処理を順次実行する場合に比して、リアルタイム性に優れた色処理を実現することが可能となる。
〈変形例〉
(1)
プロファイルRAM55とプロファイルRAM21とは、物理的に離れたものである必要はない。すなわち、それぞれは、同じRAM上の異なる領域であってもよい。
(2)
変換部53は、必ずしも備えられなくても良い。また、予め基本色変換プロファイルに組み込まれた処理であってもよい。
(3)
上記実施形態では、基本プロファイル群記憶部12が2つのプロファイル群22,23を備える場合について説明した。ここで、本発明は、さらに多くのプロファイル群を有する場合にも、拡張可能である。例えば、プロファイル群を3つ有する場合には、第3のプロファイル生成部をさらに備え、プロファイル作成実行部51と同様の構造をさらに備えることにより常識的に拡張することが可能である。
この場合、処理度設定部58は、さらに多くの調整スケールを有することとなる。
これにより、さらに多くの色処理を組み合わせた色処理を実現することが可能となる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係るルックアップテーブルを用いた画像処理装置60について説明する。画像処理装置60は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置60は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
図10は、画像処理装置60における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置60は、色処理部61における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
さらに画像処理装置60は、図2に示す色処理部13を2系統備え、複数の色処理を直列的に実行する点に置いて特徴を有している。
以下、画像処理装置60における特徴部分である色処理部61および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、それぞれの色処理についての処理度合いを調整する処理度設定手段74については、第1実施形態およびその変形例で示した処理度設定手段18とほぼ同様であるため詳しい説明は省略する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、それぞれ2つの基本色変換プロファイルからなる2つのプロファイル群22,23を記憶している。プロファイル群22は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2とを実現するための2つの基本色変換プロファイル22a,22bを備えている。プロファイル群23は、処理Yについて処理度合いの異なる処理Y1と処理Y2とを実現するための2つの基本色変換プロファイル23a,23bを備えている。
ここで、処理Xあるいは処理Yとは、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである。また、プロファイル群および基本色変換プロファイルについては、第1実施形態で説明したのと同様である。
(色処理部61)
色処理部61は、図2を用いて説明した色処理部13を2系統備える。より詳しくは、色処理部61は、色処理実行部64と、プロファイル作成部65とを有している。色処理実行部64は、第1の色処理実行部66と第2の色処理実行部67とを有している。プロファイル作成部65は、プロファイルRAM68とプロファイル作成実行部69とを有している。プロファイルRAM68は、第1のプロファイルRAM70と第2のプロファイルRAM71とを有している。プロファイル作成実行部69は、第1のプロファイル生成部72と第2のプロファイル生成部73とを有している。
第1のプロファイル生成部72は、第1の選択プロファイルデータd53と第2の選択プロファイルデータd54とを入力とし第1の生成プロファイルデータd55を出力とする。第1の選択プロファイルデータd53とは、処理X1を実現する基本色変換プロファイル22aのデータである。第2の選択プロファイルデータd54とは、処理X2を実現する基本色変換プロファイル22bのデータである。
第1のプロファイルRAM70は、第1の生成プロファイルデータd55を入力とし第1の処理用プロファイルデータd56を出力とする。
第1の色処理実行部66は、画像信号d2と第1の処理用プロファイルデータd56とを入力とし色処理した画像処理信号d51を出力とする。
第2のプロファイル生成部73は、第3の選択プロファイルデータd57と第4の選択プロファイルデータd58とを入力とし第2の生成プロファイルデータd59を出力とする。第3の選択プロファイルデータd57とは、処理Y1を実現する基本色変換プロファイル23aのデータである。第4の選択プロファイルデータd58とは、処理Y2を実現する基本色変換プロファイル23bのデータである。
第2のプロファイルRAM71は、第2の生成プロファイルデータd59を入力とし第2の処理用プロファイルデータd60を出力とする。
第2の色処理実行部67は、画像処理信号d51と第2の処理用プロファイルデータd60とを入力とし色処理した出力信号d3を出力とする。
(処理度設定部74)
処理度設定部74は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケールにより設定させる。調整スケールは、画像処理装置60が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、色処理の程度が設定される。
調整スケールは、第1実施形態で図3を用いて説明したのと同様であるが、ここでは、第1のプロファイル生成部72に対する合成度合いを設定するための第1調整スケール137と、第2のプロファイル生成部73に対する合成度合いを設定するための第2調整スケール138とが備えられている。第1調整スケール137および第2調整スケール138は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)で説明した調整スケールと同様の動作により、第1目標処理度d62および第2目標処理度d63を制御部14に出力する。
制御部14は、取得した第1目標処理度d62および第2目標処理度d63に基づいて、第1のプロファイル生成部72と第2のプロファイル生成部73とにプロファイルの合成度合いを指定するための制御信号c55と制御信号c56を出力する。
ここで、それぞれの目標処理度の値とそれぞれの制御信号との値との関係は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)に示したのと同様である。
なお、目標処理度の値と制御信号の値とは、基本プロファイル群12の備えるプロファイル群の処理内容に応じてその範囲が定められる。
〈作用〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c51およびc52が入力される。カウント信号c51およびc52は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、カウント信号c51により、基本色変換プロファイル22aと22bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。また、カウント信号c52により、基本色変換プロファイル23aと23bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。
(色処理部61)
《第1のプロファイル生成部72》
第1のプロファイル生成部72は、第1の選択プロファイルデータd53と第2の選択プロファイルデータd54とに対して、制御信号c55が指定する合成度合いを用いて、第1の生成プロファイルデータd55を生成する。詳しくは、第1実施形態でプロファイル生成部30について説明したのと同様である。
これにより、処理Xiを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[i]は、制御信号c55が指定する合成度の値である。
《第1のプロファイルRAM70》
第1のプロファイルRAM70は、第1の生成プロファイルデータd55を取得し、制御部14のカウント信号c53により指定されるアドレスに格納する。ここで、第1の生成プロファイルデータd55は、第1の生成プロファイルデータd55を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd53および第2の選択プロファイルデータd54と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
以上により、処理Xについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルが格納される。
《第1の色処理実行部66》
第1の色処理実行部66は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c57で対応するアドレスを指定することで、第1のプロファイルRAM70に格納される色変換プロファイルのデータである第1の処理用プロファイルデータd56を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。具体的には、それぞれが8ビットで表される画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットの値に対応する第1の処理用プロファイルデータd56を読み出す。さらに、読み出した第1の処理用プロファイルデータd56を画像信号値(R0,G0,B0)の下位3ビットの値を用いて3次元補間することにより画像処理信号d51が得られる。
《第2のプロファイル生成部73、第2のプロファイルRAM71、第2の色処理実行部67》
上記第1のプロファイル生成部72、第1のプロファイルRAM70、第1の色処理実行部66について説明したのと同様にして処理Yj([j]は、制御信号c56が指定する合成度の値)を実現する色変換プロファイルが作成される。さらに、第2の色処理実行部67では、画像処理信号d51の画像信号値(R0’,G0’,B0’)に応じて、カウント信号c58で対応するアドレスを指定することで、第2のプロファイルRAM71に格納される色変換プロファイルのデータである第2の処理用プロファイルデータd60を取得し、画像処理信号d51の色処理を実行する。
〈効果〉
第4実施形態では、第1実施形態および第2実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
(1)
画像処理装置60においては、例えば、プロファイル群22あるいは23が基本色変換プロファイルをさらに備える場合であっても、基本プロファイル群記憶部12において必要な記憶容量の増加分は、増えた基本色変換プロファイルのデータ量と同じとなる。すなわち、プロファイル群22および23がそれぞれ3つの異なる処理度合いを有する基本色変換プロファイルを有する場合、画像処理装置60では、基本色変換プロファイル6個分の記憶容量があれば十分である。
一方、第2実施形態〈変形例〉(1)で示した画像処理装置26の場合では、3*3=9個分の基本色変換プロファイルの記憶容量が必要となる。
この点において、画像処理装置60では、記憶容量を削減する効果を発揮するといえる。
〈変形例〉
(1)
画像処理装置60は、図2を用いて説明した色処理部13を2系統直列的に配した構造を有すると説明した。このことは、必ずしも2倍のハードウェア構成が必要とされるという意味ではない。すなわち、プロファイル作成実行部69、プロファイルRAM68、色処理実行部64は、それぞれ同一のハードウェアで構成されていてもよい。この場合、各部におけるデータは順次処理されることとなる。
これにより、色処理のリアルタイム性は低減するが、ハードウェアコストは削減される。
(2)
上記実施形態では、基本プロファイル群記憶部12が2つのプロファイル群22,23を備える場合について説明した。ここで、本発明は、さらに多くのプロファイル群を有する場合にも、拡張可能である。例えば、プロファイル群を3つ有する場合には、図2を用いて説明した色処理部13を3系統直列的に配した構造を有することとなる。
この場合、処理度設定部74は、さらに多くの調整スケールを有することとなる。
これにより、さらに多くの色処理を組み合わせた色処理を実現することが可能となる。
[第5実施形態]
第5実施形態に係るルックアップテーブルを用いた画像処理装置75について説明する。画像処理装置75は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置75は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
図11は、画像処理装置75における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置75は、色処理部76における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
さらに、画像処理装置75は、図10に示した色処理実行部64に比して、色処理実行部78において色処理を並列に実行し、実行結果の画像信号値を補間する点において特徴を有している。
以下、画像処理装置75における特徴部分である色処理部76および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、それぞれの色処理についての処理度合いを調整する処理度設定手段95については、第1実施形態およびその変形例で示した処理度設定手段18とほぼ同様であるため詳しい説明は省略する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
図11に示す基本プロファイル群記憶部12は、基本色変換プロファイル96〜99を記憶している。詳しくは、第2実施形態〈変形例〉(1)において説明した4種類の基本色変換プロファイルを記憶する基本プロファイル群記憶部12と同様であるため、説明を省略する。
(色処理部76)
色処理部76は、図10を用いて説明した色処理部61と、色処理実行部78の構造において相違している。プロファイルRAM85およびプロファイル作成実行部90は、図10を用いて説明したプロファイルRAM68およびプロファイル作成実行部69と同様の構造を有しているため、詳しい説明は省略する。
プロファイルRAM85およびプロファイル作成実行部90と、図10を用いて説明したプロファイルRAM68およびプロファイル作成実行部69との相違点は、取り扱うデータである。
具体的には、以下の点において相違する。第1には、第1〜第4の選択プロファイルデータd68,d69,d73,d74は、それぞれ基本色変換プロファイル96〜99のデータである点において相違する。
第2には、第1のプロファイル生成部91および第2のプロファイル生成部92は、処理Xiと処理Y1とを実現する第1の生成プロファイルデータd70および処理Xiと処理Y2とを実現する第2の生成プロファイルデータd75とを作成する点において相違する。すなわち、第1のプロファイル生成部91と第2のプロファイル生成部92とに対して、制御信号c67により同じ合成度が指定される。
第3には、第1のプロファイルRAM86および第2のプロファイルRAM87は、第1の生成プロファイルデータd70および第2の生成プロファイルデータd75を格納し、それぞれ第1の処理用プロファイルデータd71および第2の処理用プロファイルデータd76を出力する点において相違する。
《色処理実行部78》
色処理実行部78は、第1の色処理実行部80と、第2の色処理実行部81と、画素値補間部82とを備えている。
第1の色処理実行部80は、画像信号d2と第1の処理用プロファイルデータd71とを入力とし色処理された第1の画像処理信号d65を出力とする。第2の色処理実行部81は、画像信号d2と第2の処理用プロファイルデータd76とを入力とし色処理された第2の画像処理信号d66を出力とする。画素値補間部82は、第1の画像処理信号d65と第2の画像処理信号d66とを入力とし出力信号d3を出力とする。
(処理度設定部95)
処理度設定部95は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケールにより設定させる。調整スケールは、画像処理装置75が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、色処理の程度が設定される。
調整スケールは、第1実施形態で図3を用いて説明したのと同様であるが、ここでは、第1のプロファイル生成部91および第2のプロファイル生成部92に対する合成度合いを設定するための第1調整スケール140と、第1の画像処理信号d65と第2の画像処理信号d66との合成度合いを設定するための第2調整スケール141とが備えられている。第1調整スケール140および第2調整スケール141は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)で説明した調整スケールと同様の動作により、第1目標処理度d78および第2目標処理度d79を制御部14に出力する。
制御部14は、取得した第1目標処理度d78および第2目標処理度d79に基づいて、第1のプロファイル生成部91および第2のプロファイル生成部92にプロファイルの合成度合いを指定するための制御信号c67と、第1の画像処理信号d65と第2の画像処理信号d66との合成度合いを指定するための制御信号c68とを出力する。
ここで、それぞれの目標処理度の値とそれぞれの制御信号との値との関係は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)に示したのと同様である。
なお、目標処理度の値と制御信号の値とは、基本プロファイル群12の備えるプロファイル群の処理内容に応じてその範囲が定められる。
〈作用〉
以下、画像処理装置75における特徴部分である色処理実行部78についての動作を説明する。
(色処理実行部78)
第1の色処理実行部80は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c69で対応するアドレスを指定することで、第1のプロファイルRAM86に格納される色変換プロファイルのデータである第1の処理用プロファイルデータd71を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。第1の色処理実行部80は、図2に示す色処理実行部16と同様の動作を行うため、詳細な説明は省略する。
これにより、画像信号d2に対して、処理Xiと処理Y1とが実行された第1の画像処理信号d65が出力される。
第2の色処理実行部81は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c70で対応するアドレスを指定することで、第2のプロファイルRAM87に格納される色変換プロファイルのデータである第2の処理用プロファイルデータd76を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。第2の色処理実行部81は、図2に示す色処理実行部16と同様の動作を行うため、詳細な説明は省略する。
これにより、画像信号d2に対して、処理Xiと処理Y2とが実行された第2の画像処理信号d66が出力される。
画素値補間部82は、第1の画像処理信号d65と第2の画像処理信号d66とを制御信号c68により指定される合成度合いにより補間する。
これにより、画像信号d2に対して処理Xiと処理Yjとが実行された出力信号d3が出力される。ここで、[j]は、制御信号c68により指定される合成度の値である。
〈効果〉
第5実施形態では、第1実施形態および第2実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
(1)
画素値補間部82では、第1の画像処理信号d65の画素値と第2の画像処理信号d66の画素値とを制御信号c68により指定される合成度合いにより補間する。このため、3次元補間により画像信号に対して色処理を行うのに比して、出力信号d3の計算が簡易となる。すなわち、制御信号c68を用いて処理Yの処理度合いをリアルタイムに変化させることが可能となる。
(2)
本発明の効果は、基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルの個数に限定されるものではない。すなわち、図11に示す基本プロファイル群記憶部12よりも、さらに多くの基本色変換プロファイルを備え、さらに多くの色処理を重畳的に組み合わせた色処理を実現するように拡張することも可能である。
この場合、処理度設定部95は、さらに多くの調整スケールを有することとなる。
[第6実施形態]
第6実施形態に係るマトリクス演算を用いた画像処理装置150について説明する。画像処理装置150は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置150は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
図12は、画像処理装置150における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置150は、色処理実行部156がマトリクス演算により色処理を行う点、および、色処理の処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
以下、画像処理装置150における特徴部分である色処理部153、制御部154を介して色処理部153における色処理の程度を設定させる処理度設定部172および基本マトリクス群記憶部152が備える基本色変換マトリクスについて説明する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈構成〉
図12に示す画像処理装置150は、色処理の基本となる基本色変換マトリクスを格納し、選択された基本色変換マトリクスのデータである選択マトリクスデータd110とd111とを出力とする基本マトリクス群記憶部152と、画像信号d2と選択マトリクスデータd110,d111とを入力とし色処理された出力信号d3を出力する色処理部153と、各部に制御信号c110〜c112を与える制御部154と、色処理部153における色処理の程度を設定させる処理度設定部172とを備えている。
(基本マトリクス群記憶部152)
基本マトリクス群記憶部152は、複数の基本色変換マトリクスからなるマトリクス群を記憶している。図12に示す画像処理装置150では、2つの基本色変換マトリクスからなるマトリクス群162を記憶している。マトリクス群162は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2とを実現するための2つの基本色変換マトリクス162aと162bとを備えている。以下、処理Xは、肌色についての記憶色補正であるとして説明を行う。
基本マトリクス群記憶部152に記憶される基本色変換マトリクスは、画像処理装置の外部のパーソナルコンピュータ(PC)などにおいて予め算出されている。基本マトリクス群記憶部152は、ROM、書き換え・データ更新が可能な記憶媒体(RAM、ハードディスクなど)、あるいは画像処理装置150から取り外し可能な記憶媒体(メモリカードなど)で構成されており、あらかじめ算出された基本色変換マトリクスを読み込んでいる。また、基本マトリクス群記憶部152の書き換え・データ更新が可能な場合、外部のネットワークに接続することで、外部より自由に基本色変換マトリクスを更新させることができる。
《マトリクス群》
マトリクス群について説明する。マトリクス群とは、同じ色処理について色処理の程度を異ならせた基本色変換マトリクスから構成されるグループである。マトリクス群は、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理を実現する機能、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理を実現する機能を有している。例えば、マトリクス群162の場合、基本色変換マトリクス162aと162bとは、異なる補正度合いの肌色の記憶色補正を実現する。
より具体的には、基本色変換マトリクス162aが白色味の肌色への記憶色補正を実現するものであり、基本色変換マトリクス162bが黄色味の肌色への記憶色補正を実現するものであるというように、それぞれの基本色変換マトリクスは、同じ機能「肌色の記憶色補正」を有しながら異なる処理度合いを実現する。
《基本色変換マトリクス》
基本色変換マトリクスについて説明する。基本色変換マトリクスは、それぞれ8ビットで表現されるRGB色空間の画像信号値(R0,G0,B0)をLab色空間に変換した信号値(L0,a0,b0)に対して、色処理後の信号値(L1,a1,b1)を与える演算マトリクスである。基本色変換マトリクスは、色処理前の3次元の信号値(L0,a0,b0)に対応する大きさを有する3行3列の係数マトリクスである。
(色処理部153)
色処理部153は、選択マトリクスデータd110,d111を入力とし処理用マトリクスデータd107を出力とするマトリクス作成部155と、画像信号d2と処理用マトリクスデータd107とを入力とし出力信号d3を出力とする色処理実行部156とを有している。
マトリクス作成部155は、選択マトリクスデータd110,d111を入力とし選択マトリクスデータd110,d111に基づいて作成された生成マトリクスデータd106を出力とするマトリクス作成実行部160と、生成マトリクスデータd106を入力として格納し、格納されたデータのうち色処理に用いられるデータである処理用マトリクスデータd107を出力とするマトリクスRAM161とから構成される。マトリクス作成実行部160は、マトリクス生成部170をさらに有している。マトリクス生成部170は、選択マトリクスデータd110,d111を入力とし生成マトリクスデータd106を出力とする。
色処理実行部156は、RGB色空間の画像信号d2(画像信号値(R0,G0,B0))を入力とし、画像信号d2の色空間の変換を行い、Lab色空間の変換画像信号d120(画像信号値(L0,a0,b0))を出力とする色空間変換部157と、変換画像信号d120を入力とし、処理用マトリクスデータd107に基づいてマトリクス演算を行い、Lab色空間の処理画像信号d121(画像信号値(L1,a1,b1))を出力とするマトリクス演算部158と、処理画像信号d121を入力とし、処理画像信号d121の色空間変換を行い、RGB空間の出力信号d3(画像信号値(R1,G1,B1))を出力とする色空間逆変換部159とを備えている。
(処理度設定部172)
処理度設定部172は、ユーザに対して色処理の程度の目標を設定させる。設定された色処理の程度は、目標処理度d108として出力される。
処理度設定部172は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケール173により設定させる。調整スケール173は、画像処理装置150が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、第1実施形態で図3を用いて説明したのと同様である。
〈作用〉
各部の作用について説明する。
(基本マトリクス群記憶部152)
基本マトリクス群記憶部152には、制御部154からのカウント信号c110が入力される。カウント信号c110は、基本マトリクス群記憶部152のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている基本色変換マトリクス162aおよび162bの要素を読み出させる。
アドレスの指定は、2つの基本色変換マトリクス162aおよび162bの対応する要素が同時に読み出されるように行われる。このようにして読み出されたデータは、第1の選択マトリクスデータd110および第2の選択マトリクスデータd111として基本マトリクス群記憶部152から出力される。具体的には、基本色変換マトリクス162aの各要素が第1の選択マトリクスデータd110として出力され、基本色変換マトリクス162bの各要素が第2の選択マトリクスデータd111として出力される。
(処理度設定部172)
処理度設定部172は、ユーザによる調整スケール173の操作により、目標処理度d108を出力する。目標処理度d108の値は、スライディングバーが左端に位置する場合に値[0]を、スライディングバーが右端に位置する場合に値[1]を、その他の位置では、スライディングバーの位置に対応づけられた0より大きく1より小さい値を出力する。
(色処理部153)
《マトリクス生成部170》
マトリクス生成部170は、基本マトリクス群記憶部152から第1の選択マトリクスデータd110および第2の選択マトリクスデータd111を取得する。さらに、制御部154から基本色変換マトリクス162aと162bとの合成度を指定する制御信号c112が与えられる。
制御信号c112では、目標処理度d108の値が合成度の値として与えられる。
マトリクス生成部30は、第1の選択マトリクスデータd110の値[m]および第2の選択マトリクスデータd111の値[n]に対して、制御信号c112が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成マトリクスデータd106を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。すなわち、値[k]は、0≦k≦1を満たし、第1の選択マトリクスデータd110と第2の選択マトリクスデータd111とは内分されることとなる。
《マトリクスRAM161》
マトリクスRAM161は、マトリクス生成部170が作成する生成マトリクスデータd106を取得し、制御部154のカウント信号c111により指定されるアドレスに格納する。ここで、生成マトリクスデータd106は、生成マトリクスデータd106を作成するのに用いられた第1の選択マトリクスデータd110および第2の選択マトリクスデータd111と同じ位置の要素として関連づけられる。
以上により、処理X1,X2を実現する基本色変換マトリクス162a,162bに基づいて、任意の処理度合いの処理Xkを実現する新たな色変換マトリクスが作成される。
《色処理実行部156》
色空間変換部157は、RGB色空間の画像信号d2(画像信号値(R0,G0,B0))を入力とし、画像信号d2の色空間の変換を行い、Lab色空間の変換画像信号d120(画像信号値(L0,a0,b0))を出力とする。
マトリクス演算部158は、変換画像信号d120に対して、マトリクスRAM161に記憶されている新たな色変換マトリクスを用いたマトリクス演算を行う。具体的には、3行3列の基本色変換マトリクス162a,162bを内分することにより得られる3行3列の新たな色変換マトリクスに対して、右側から3行1列の画像信号値(L0,a0,b0)を積算する演算を行う。これにより、3行1列の処理画像信号d121(画像信号値(L1,a1,b1))が得られる。
色空間逆変換部159は、処理画像信号d121を入力とし、処理画像信号d121の色空間変換を行い、RGB空間の出力信号d3(画像信号値(R1,G1,B1))を出力とする。
〈効果〉
(1)
記憶色補正では、画像信号d2の持つ(明度、彩度、色相)の3つの属性のうち、少なくとも2つの属性についての色処理が行われる。本発明の画像処理装置150により、肌色の記憶色補正の程度の調整を、1つの目標処理度d108を与えるだけで行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整してそれぞれの記憶色補正を行う場合に比して、簡易に記憶色補正の調整を行うことが可能となる。
なお、上記実施形態では、基本色変換マトリクス162a,162bが肌色の記憶色補正を実現すると記載した。ここで、本発明の効果は、基本色変換マトリクス162a,162bが実現する色処理が肌色の記憶色補正を実現する場合に限定されるものではない。例えば、基本色変換マトリクス162a,162bが緑色あるいは空色の記憶色補正を実現する場合にも有効であるし、その他、表示色変換処理、色域変換処理、などの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである場合にも有効である。
(2)
本発明の記憶色補正では、複数の基本色変換マトリクスをカスタマイズすることにより生成される色変換マトリクスである処理用マトリクスデータd107が用いられる。すなわち、複数の基本色変換マトリクスが実現する記憶色補正の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
このため、適切な基本色変換マトリクスを用いつつ、任意の程度の記憶色補正を実現することが可能となる。すなわち、適切な記憶色補正を、簡易に調整して行うことが可能となる。
基本色変換マトリクスのカスタマイズに際しては、基本色変換マトリクスを目標処理度d108に基づいて内分する。このため、基本色変換マトリクスに基づいた適切な記憶色補正を実現する色変換マトリクスを生成することが可能となる。
(3)
画像処理装置150においては、基本マトリクス群記憶部152において、少数の基本色変換マトリクス162a,162bを備えるだけで、任意の処理度合いの記憶色補正を実現することが可能となる。このため、少数の基本色変換マトリクス以外には、あらかじめ処理度合いを異ならせた色変換マトリクスを用意しておく必要がなく、基本マトリクス群記憶部152の記憶容量を削減することが可能となる。
(4)
マトリクス作成実行部160は、処理度設定部172により設定された目標処理度d108に基づいて、それぞれの基本色変換マトリクスにおける対応する要素どうしを内分あるいは外分し、新たな色変換マトリクスの各要素の値を決定する。このため、基本色変換マトリクスの合成度合いを任意に変更することにより、任意の処理度合いを実現する新たな色変換マトリクスを作成することが可能となる。
(5)
画像処理装置150においては、基本色変換マトリクスが複数の色処理を組み合わせて実現する場合、複数の色処理を順次実行するのに比して要する時間を短縮することが可能となる。また、複数の色処理のうちの少なくとも一部の色処理については、任意の処理度合いで実行することが可能となる。
〈変形例〉
本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。また、第1〜第5実施形態で説明した内容を適宜修正して画像処理装置150に適用することが可能である。以下、第6実施形態に特徴的な変形例について説明を加える。
(1)
上記実施形態では、マトリクス群162は、2つの基本色変換マトリクス162a,162bを有すると説明した。ここで、基本色変換マトリクスの個数は、これに限定されない。すなわち、さらに多くの基本色変換マトリクスを有していてもよい。
この場合、処理度設定部172から出力される目標処理度d108の値により、制御部154は、いずれの基本色変換マトリクスを内分あるいは外分するのか判断することとなる。
さらに、基本マトリクス群記憶部152は、複数のマトリクス群を有していてもよい。
この場合、目標処理度d108の値により、制御部154は、いずれのマトリクス群に対する処理度合いが与えられているのか判断することとなる。
(2)
上記実施形態では、マトリクス演算部158は、Lab色空間でのマトリクス演算を行うと説明した。ここで、本発明の効果は、この場合に限定されるものではない。
例えば、RGB、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、などの色空間で表現されていてもよい。
この場合、基本マトリクス群記憶部152は、マトリクス演算が行われる色空間における基本色変換マトリクスを有することとなる。
また、上記実施形態では、基本色変換マトリクスは、色処理前の3次元の信号値(L0,a0,b0)に対応する大きさを有する3行3列の係数マトリクスである、と説明した。ここで、本発明の効果は、この場合に限定されるものではない。すなわち、基本色変換マトリクスの行数および列数は、さらに多いものであっても、さらに少ないものであってもよい。
例えば、基本色変換マトリクスは、色処理前の3次元の信号値(L0,a0,b0)のうちの一部についての変換係数を与えるマトリクスであってもよい。より具体的には、色度値(a0,b0)のみに対する変換係数を与える2行2列の係数マトリクスであってもよい。この場合、画像処理装置150では、色処理の付加削減、基本色変換マトリクスの記憶容量削減などの効果を奏する。
また、例えば、基本色変換マトリクスは、3次元の信号値(L0,a0,b0)に基づく非線形項についての変換係数を与えるマトリクスであってもよい。より具体的には、色処理前の3次元の信号値(L0,a0,b0)だけでなく、(a0*a0,a0*b0,・・・)などといった入力の2乗、あるいはクロスタームなどに対する変換係数を与えるマトリクスであってもよい。この場合、基本色変換マトリクスは、例えば、3行10列など、さらに大きなマトリクスとなる。これにより、画像処理装置150では、色処理の精度を向上させることが可能となる。
(3)
上記実施形態では、目標処理度d108の値は、0以上1以下の値であると説明した。ここで、本発明の効果は、この場合に限定されるものではない。
例えば、スライディングバーが左端に位置する場合に値[0]未満の値(例えば値[−1.5])を、スライディングバーが右端に位置する場合に値[1]を超える値(例えば値[+1.5])を、その他の位置では、スライディングバーの位置に対応づけられた−1.5より大きく+1.5より小さい値を出力するものであっても良い。
制御信号c112では、目標処理度d108の値が合成度の値として与えられており、マトリクス生成部30は、第1の選択マトリクスデータd110の値[m]および第2の選択マトリクスデータd111の値[n]に対して、制御信号c112が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成マトリクスデータd106を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。これにより、0≦k≦1以外の値[k]に対して、第1の選択マトリクスデータd110と第2の選択マトリクスデータd111とは外分されることとなる。
(4)
画像処理装置150は、変換画像信号d120の値に応じて、マトリクス演算を行うか否かを判定する判定部をさらに備えていてもよい。
上記実施形態では、処理用マトリクスデータd107を用いて、すべての値の変換画像信号d120対するマトリクス演算が行われる。このため、肌色の記憶色補正を実現する色変換マトリクスを用いて、緑色、空色などの他の色も同じ補正傾向により色処理されることとなる。
一方、判定部を備え、変換画像信号d120の値、例えば、(a0,b0)の値が所定の領域に含まれる場合のみマトリクス演算を行うこととしてもよい。
これにより、肌色の記憶色補正を実現する色変換マトリクスを変換画像信号d120の値が肌色近傍の場合にだけ適用することが可能となる。
[第7実施形態]
図13〜図21を用いて、第7実施形態に係る画像処理システムについて説明する。画像処理システムは、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
〈構成・作用〉
図13に示す画像処理システム200は、プレビュー表示を行うシステムである。プレビュー表示とは、上記実施形態で説明した画像処理装置10が行う画像処理を確認するための表示である。プレビュー表示は、上記した機器に備えられるあるいは接続されるモニタなどの表示装置において行われる。また、プレビュー表示は、画像処理装置10の調整スケールが操作されたことを検出して、モニタ内のサブ画面に表示されるものであってもよい。
(課題および課題を解決するための手段)
一般に画像処理装置により画像処理された表示する際、表示された画像が不自然に見えることが起こりうる。
例えば、画像処理装置により画像処理された信号が表示される場合、画像処理された信号の色が正確に再現されない場合がある。より具体的には、画像処理された信号の色域がコンピュータなどの表示画面に表示できる色域よりも広い場合や、画像処理された信号の色域がプリンタなどでプリントできる色域よりも広い場合などに、画像処理された信号の色が正確に再現されないということが起こりうる。
また、例えば、画像処理装置により画像処理の程度を調整した場合に、画像処理された信号の階調順が画像処理前の階調順と異なるということが起こりうる。
本発明は、このような不自然な画像の表示を防ぐことを目的とする。具体的には、予めプレビュー表示を行うことにより、画像処理された信号において不自然に表示される可能性のある部分をユーザに簡易に確認させることを課題とする。
以上の課題を解決するため画像処理システム200は、入力信号d1の画像処理を行う画像処理装置10と、入力信号d1と画像処理装置10の出力である出力信号d3とに基づいて、プレビュー表示信号d202を出力する処理領域内再処理部201と、から構成されている。本発明は、特に、処理領域内再処理部201の処理に特徴を有している。
なお、本実施形態では、画像処理システム200は、上記実施形態で説明した画像処理装置10を備えると説明した。しかし本発明は、これに限らず、上記実施形態で説明した他の画像処理装置(例えば、画像処理装置26,45,60,75)や、従来技術で説明した画像処理装置150や、その他従来技術として知られている画像処理装置など、を備えてもよい。このような画像処理装置において、例えば、入力信号d1は、所定の関数あるいはLUTを用いて画像処理される。画像処理には、例えば、所定の色域内の色を検出し、明るさを増加させる処理などがある。このような画像処理では、例えば、ユーザが明るさのゲインなどを入力して画像処理の処理度合を調整してもよいし、デフォルトの調整量で画像処理の処理度合を調整してもよい。
また、本実施形態では、システムへ入力信号d1が入力されるとした。しかし本発明は、これに限らず、例えば、プレビュー表示を行うためのプレビュー用信号であってもよい。プレビュー用信号とは、例えば、入力信号d1をプレビュー用のサイズに縮小した画像信号である。当然、このようなプレビュー用信号が入力される際には、本発明に用いられる画像処理装置は、プレビュー用信号のサイズに応じた処理を行う。
また、図13に示した画像処理システム200では、画像処理装置10と領域処理内再処理部201とを別体であるかのように記載しているが、画像処理装置10と領域処理内再処理部201との構成で共用できる部分があれば、共用してもよい。例えば、それぞれの処理において必要なメモリなどは、共用してもよい。
以下、本発明の特徴部分である処理領域内再処理部201についてさらに詳しい説明を行う。
(処理領域内再処理部201)
図14は、処理領域内再処理部201の構造を説明するブロック図である。処理領域内再処理部201は、入力信号d1の階調順が画像処理後の出力信号d3において保持されているか否かを判断し、保持されていない部分を、ユーザにとって確認容易な方法で表示する。
処理領域内再処理部201は、第1階調順検出部205と、第2階調順検出部206と、階調順比較部207と、選択部208とから構成される。
第1階調順検出部205は、出力信号d3の画素毎の階調順を検出する。第2階調順検出部206は、入力信号d1の画素毎の階調順を検出する。階調順比較部207は、第1階調順検出部205と第2階調順検出部206とで検出された階調順を、画素毎に比較する。選択部208は、階調順比較部207の比較結果に基づいて、出力信号d3において階調順が変化している部分を明示するプレビュー表示信号d202を出力する。
ここで、「階調順」および「その検出方法」について説明する。
階調順とは、入力されるカラー信号(RGB信号、その他の色空間の信号)や、入力される信号の輝度の値の段階(階調)を画素毎に比較した順序である。具体的には、階調順は、階調順の判断対象となる注目画素とその隣接画素との画素値の大小比較を行い検出される。
次に、階調順の検出方法について、図15を用いて説明する。
図15(a)は、注目画素Aに対して決定される隣接画素B〜Eを示している。
図15(a)の場合、注目画素を画素Aとし、AとB(上)、AとC(左)、AとD(右)、AとE(下)という位置関係にある4つの組み合わせに対して、画像処理前の大小関係と画像処理後の大小関係とが判断される。画像処理前の大小関係は、図示しないメモリなどに記憶された入力信号d1のそれぞれの画素値を、第2階調順検出部206が比較することにより判断される。画像処理後の大小関係は、図示しないメモリなどに記憶された出力信号d3のそれぞれの画素値を、第1階調順検出部205が比較することにより判断される。また、それぞれの大小関係は、入力信号d1あるいは出力信号d3のそれぞれの成分ごと(例えば、RGBの各成分ごと)に判断される。
なお、隣接画素の決定方法は、上記の4方向に限らない。例えば、隣接画素は、周辺8画素であっても良いし、斜め4画素であっても良い。また、注目画素Aに対して、上下左右のいずれかの画素が無い場合であれば、無い部分を無視してもよい。
階調順比較部207(図14参照)は、第1階調順検出部205と第2階調順検出部206との判断結果を取得し、4つの組み合わせの全てに対し、各色成分毎に、画像処理の前後の大小関係を比較する。例えば、4つの組み合わせの全てにおいて、いずれの色成分に対しても、画像処理の前後で大小関係が変化していない場合、階調順比較部207は、注目画素Aの階調順が変化していないことを示す信号を選択部208に出力する。一方、4つの組み合わせのいずれかにおいて、1つの色成分であっても、画像処理の前後で大小関係が変化している場合、階調順比較部207は、注目画素Aの階調順が変化していることを示す信号を選択部208に出力する。
ここで、階調順比較部207は、注目画素Aの階調順が変化していないことを示す信号として、例えば、値[0]を出力する。一方、階調順比較部207は、注目画素Aの階調順が変化していることを示す信号として、例えば、値[1]を出力する。なお、階調順比較部207が出力する信号の形式は、これに限らず、注目画素Aの階調順が変化しているか否かを選択部208が識別できる信号であればよい。
また、階調順比較部207が階調順に変化が有った(無かった)と判断する方法は、上記した方法に限らない。例えば、4つの組み合わせのうち所定数の組み合わせについて画像処理の前後で大小関係が変化した場合(しなかった場合)に、階調順が変化した(しなかった)と判断してもよい。また、各色成分のうち所定数の成分について画像処理の前後で大小関係が変化した場合(しなかった場合)に、その画素の組み合わせでは階調順が変化した(しなかった)と判断してもよい。
選択部208は、出力信号d3と、図示しないメモリなどに記憶された所定の画素値であり、所定の変換色を示す変換色信号d203とを入力とし、出力信号d3と変換色信号d203とのいずれかを選択し、選択結果をプレビュー表示信号d202として出力する。ここで、選択部208の選択手順は、以下に説明する手順である。すなわち、階調順比較部207から取得される信号の値が値[0]の場合(階調順の変化無しの場合)、出力信号d3が選択される。一方、階調順比較部207から取得される信号の値が値[1]の場合(階調順の変化有りの場合)、変換色信号d203が選択される。すなわち、選択部208の動作により、プレビュー表示信号d202としては、注目画素Aの階調順に変化が無い場合には、画像処理後の注目画素Aの値(出力信号d3)が出力され、注目画素Aの階調順に変化が有る場合には、画像処理後の注目画素Aの値に変えて、所定の変換色を示す変換色信号d203が出力される。
なお、所定の変換色とは、ユーザが注目画素の階調順が変化したと認識できる限り、どのような色でも良く、例えば、赤、青、緑などの色であってもよい。また、変換色を自動的に設定するための部分を設け、注目画素Aの色を反転させるような色を与えてもよい。
なお、上記では、RGB信号の色成分の全てに対して、階調順が変化したか否かを判断すると記載したが、色空間はこれに限定されない。さらに、輝度信号を作成し、輝度信号のみについて階調順が変化したか否かを判断してもよい。
また、注目画素Aに対する隣接画素の決定方法は、図15(a)に示したものに限らない。例えば、図15(b)のように、注目画素Aに対して、左上、上、右上、左の画素を隣接画素としてもよい(隣接画素F〜J)。この場合、注目画素Aよりも前に入力される画素を隣接画素とし、第1階調順検出部205および第2階調順検出部206における階調順の検出を行うことが可能となる。このため、出力信号d3および入力信号d1により順次入力される画素を順次処理することが可能となる。すなわち、出力信号d3および入力信号d1の画素値を記憶するメモリの容量を削減するとともに、高速な処理を実現することが可能となる。
〈効果〉
図16を用いて、画像処理システム200の効果を説明する。
曲線C1は、画像処理前の画像において水平方向に並んだ画素の階調特性の一例を示すグラフである。
画像処理装置10において、入力画像信号d1の階調変換処理が行われたとする。例えば、画像処理により、画素位置P1〜P3の間の区間Z1だけの明るさ(階調)を上げたとする。曲線C2は、画像処理装置10により画像処理が行われた後の階調特性を示すグラフである。
曲線C2では、区間Z1外との連続性が保たれている(画素位置P1とP3とでのグラフの連続性が保たれている)が、画素位置P2〜P3の間の区間Z2では、画像内水平方向に隣接する画素の階調が逆転している(階調の大小関係が逆転している)。
このような階調順の逆転は、例えば、画像処理装置10でプロファイルを生成する際に、複数のプロファイルを外分して新たなプロファイルを作成した場合に起こりうる。
本発明の画像処理システム200は、この階調順が逆転した部分を検出する。すなわち、区間Z2の画素を検出する。さらに、区間Z2の画素を、ユーザにとって認識しやすい変換色を用いてプレビュー表示する。
これにより、ユーザは、画像処理により不自然に表示される可能性のある部分を容易に認識することが可能となる。さらに、ユーザは、プレビュー表示を確認しつつ、画像処理装置10の画像処理度合を調整することが可能となる。すなわち、ユーザは、プレビュー表示を確認しつつ、変換色が表示されなくなるよう画像処理度合を調整することが可能となる。この場合、ユーザは、明るさを上げつつ、階調順を逆転させないように画像処理を行うことができる。この結果、ユーザは、例えば、曲線C3に示す適切な階調特性で画像処理を行うことができる。
なお、ここでは、説明の簡単化のため水平方向だけの階調特性を示して説明を行った。しかし、図15に示したように、処理領域内再処理部201は、垂直方向、斜め方向にも階調順を検出している。このため、画像処理システム200は、3次元空間内の曲面で表される階調特性のうち、画像処理の目的を果たしつつ、階調順を逆転させないような階調特性で画像処理を行うことができる。
〈変形例〉
(1)
上記実施形態では、画像処理システム200は、画像処理された領域内を再処理することを特徴とした。次に、画像処理された領域外を再処理することを特徴とするシステムについて述べる。
一般に、従来の画像処理装置では、画像処理された領域を容易に確認しづらいという課題がある。そこで本発明では、画像処理された領域を容易に確認できるシステムを提供することを課題とする。具体的には、課題を解決するための手段として、画像処理装置10で画像処理された領域以外の領域を所定の変換色あるいはグレースケールで表す。これにより、画像処理されている領域を容易に確認することが可能となる。
《変形例(1)の構成・作用》
図17に変形例としての画像処理システム210を示す。図17において、図13に示した画像処理システム200と同じ機能を果たす部分には、同じ符号を付して説明を省略する。以下では、画像処理システム210の特徴部分としての、処理領域外処理部211と、合成部215とについて主に説明する。
画像処理システム210は、入力信号d1の画像処理を行う画像処理装置10と、入力信号d1と画像処理装置10の出力である出力信号d3とに基づいて、領域内処理信号d212を出力する処理領域内再処理部201と、入力信号d1に基づいて、領域外処理信号d213を出力する処理領域外処理部211と、領域内処理信号d212と領域外処理信号d213とを画素毎に選択し、プレビュー表示信号d214を出力する合成部215と、から構成されている。なお、画像処理装置10と処理領域内再処理部201とは、図13を用いて説明したのと同様の機能を果たす。このため、領域内処理信号d212は、図13のプレビュー表示信号d202と同じ信号である。
なお、本変形例の構成はこれに限らず、上記実施形態で記載したように、他の画像処理装置が用いられてもよい。また、上記実施形態で記載したように、入力される信号も入力信号d1に限らない。
(処理領域外処理部211)
処理領域外処理部211は、画像処理された領域以外の領域を明示するための信号を生成する。
具体的には、処理領域外処理部211は、明度生成部として動作し、入力信号d1を画素毎に順次処理し、画素毎の輝度信号を生成する。
なお、処理領域外処理部211の動作は、これに限定されない。具体的には、同一色変換部として動作し、入力信号d1を、赤・青・緑などのいずれかの色に変換(その色成分のみを出力)してもよい。
(合成部215)
次に合成部215の構成・作用について説明する。図18に合成部215の構成を示す。
合成部215は、色領域判断部220と、判定部221と、選択部222とから構成される。
色領域判断部220は、入力信号d1を画素毎に処理し、各画素が含まれる色領域を判断する。判定部221は、色領域判断部220と画像処理装置10の処理度設定部18(図2参照)から取得される目標処理度d8とに基づいて、各画素が画像処理の対象であるか否かを判定する。選択部222は、判定部221の判定結果に基づいて、画像処理された領域以外の領域が明示されたプレビュー表示信号d214を出力する。
以下、合成部215の各部の動作について、さらに、詳細に述べる。
色領域判断部220は、画素毎に入力される入力信号d1を取得し、入力された画素が含まれる色領域を判断する。具体的には、色領域判断部220は、予め図示しないメモリなどに格納された複数の色領域のデータ、より具体的には、空色、緑色、肌色などの記憶色に対する色領域のデータを取得しており、入力された画素の色成分(例えば、RGB)のそれぞれの値により、入力された画素がいずれの色領域に含まれるかを判断する。さらに、画素毎に判断結果を付加して出力する。具体的には、画素毎に「空色」「緑色」「肌色」などの色領域を示す情報を出力する。
ここで、メモリなどに格納されている色領域のデータは、それぞれの色領域が含む色成分(例えば、RGB)の値の集合として表現されており、RGBの3次元空間内の領域として表現されている。色領域判断部220では、入力信号d1の各色成分を取得し、この色成分がいずれの色領域(RGBの3次元空間内の領域)に含まれるかを判断する。具体的には、色領域のデータは、色領域の内側と外側の境界を示す3次元空間内の曲面を代表する複数の格子点のデータとして格納されており、この格子点のデータにより形成される空間に入力信号d1の各色成分が含まれるか否かが判断される。なお、色領域のデータ形式は、上述のようなものに限定されず、計算式により求めてもよい。例えば、入力信号d1から(L,a,b)を計算し、a,bからab平面での色相及び彩度を求める。「空色」「緑色」「肌色」等の領域を色相、彩度、明度(L)の範囲で定義し、求めた色相、彩度、および明度がそれぞれの色領域内に入っている否かを所定のしきい値(境界値)と比較して求める。その結果を色領域データとして用いてもよい。
判定部221は、画像処理装置10の処理度設定部18から目標処理度d8を取得する。目標処理度d8には、[第1実施形態]〈変形例〉(2)で記載したように、どの色領域の調整を行ったかに関する情報が含まれている。判定部221は、色領域判断部220から画素毎に取得される色領域を示す情報と、目標処理度d8が示す調整された色領域に関する情報とが一致するか否かを判定し、判定結果を選択部222に出力する。判定結果は、例えば、一致する場合に値[1]、一致しない場合に値[0]として出力される。
選択部222は、画素毎に取得される領域外処理信号d213と領域内処理信号d212とを択一的に選択し、プレビュー表示信号d214として出力する。ここで、選択は、判定部221の判定結果に基づいて行われる。具体的には、判定結果が値[1]を示す場合(注目画素の色領域が調整された色領域と一致する場合)、選択部222は、領域内処理信号d212を選択する。一方、判定結果が値[0]を示す場合(注目画素の色領域が調整された色領域と一致しない場合)、選択部222は、領域外処理信号d213を選択する。
《変形例(1)の効果》
以上により、画像処理が行われていない領域を無彩色化(あるいは単色化)することが可能となる。これにより、画像処理が行われている領域を容易に確認することが可能となる。
さらに、画像処理システム210は、処理領域内再処理部201を備える。このため、画像処理が行われた領域において不自然に表示される可能性のある部分は、図13で説明した画像処理システム200と同様に、明示してプレビュー表示される。
《変形例(1)の変形例》
(1−1)
図17に示す画像処理システム210では、処理領域内再処理部201を設けると説明した。ここで、処理領域内再処理部201は、無くても良い。この場合、合成部215の選択部222は、出力信号d3と領域外処理信号d213とを上記した方法と同様の方法により選択的に出力する。
この場合であっても、ユーザは、画像処理が行われている部分を容易に確認することが可能となる。
(1−2)
合成部215は、上記した構造に限定されない。
合成部215の変形例としての合成部230を図19に示す。
合成部230は、色領域格納部231と、判定部232と、選択部234とから構成される。
色領域格納部231は、入力信号d1のそれぞれの画素に対して、画素が含まれる色領域の情報を格納している。より具体的には、画素毎の情報が取得される順序で、各画素が含まれる色領域の情報(例えば、「空色」、「緑色」、「肌色」などの色領域を示す情報)を格納している。
判定部232は、色領域格納部231が格納する画素毎の色領域の情報と、目標処理度d8と、処理領域信号d233とを取得する。判定部232は、画像処理装置10の処理度設定部18から目標処理度d8を取得する。目標処理度d8には、[第1実施形態]〈変形例〉(2)で記載したように、どの色領域の調整を行ったかに関する情報が含まれている。また、判定部232は、処理領域信号d233を取得する。処理領域信号d233は、図示しない入力部などにより設定される情報であり、プレビュー表示における領域であって、ユーザが行われた画像処理の確認を所望する領域、を指定する情報である。例えば、処理領域信号d233は、領域を示す座標などを含んでもよいし、画像を複数に分割した画像領域のうちのいずれかを示す信号であってもよい。
判定部232は、入力信号d1のそれぞれの画素毎に、画素毎の色領域の情報と、目標処理度が示す調整された色領域に関する情報とが一致するか否かを判定し、さらに、その画素位置が処理領域信号d233に含まれるか否かについて判定する。
判定部232は、いずれの判定の結果も肯定的である場合、値[1]、いずれかの判定の結果が否定的で有る場合、値[0]を出力する。
選択部234は、画素毎に取得される領域外処理信号d213と領域内処理信号d212とを択一的に選択し、プレビュー表示信号d214として出力する。ここで、選択は、判定部232の判定結果に基づいて行われる。具体的には、判定結果が値[1]を示す場合(注目画素の色領域が調整された色領域と一致し、かつ、注目画素の画素位置が、ユーザが確認を所望する領域に含まれている場合)、選択部234は、領域内処理信号d212を選択する。一方、判定結果が値[0]を示す場合(注目画素の色領域が調整された色領域と一致しない、あるいは、注目画素の画素位置が、ユーザが確認を所望する領域に含まれていない場合)、選択部234は、領域外処理信号d213を選択する。
(2)
上記実施形態および上記変形例(1)で説明した処理領域内再処理部201は、上記のものに限定されない。処理領域内再処理部201は、画像処理により不自然に表示される可能性のある領域を明示する、という機能を果たすものであれば、次のものであってもよい。
(構成・作用)
図20は、処理領域内再処理部201の変形例としての処理領域内再処理部240の構造を説明するブロック図である。処理領域内再処理部240は、出力信号d3の色域が、出力信号d3を表示する表示装置が表示可能な色域に含まれるか否かを検出し、出力信号d3の色域が表示装置の色域を超える場合には、その超える領域の画素をユーザに変換色で明示するプレビュー表示信号d243を出力する部分である。
処理領域内再処理部240は、色域判定部241と、選択部242とから構成される。
色域判定部241は、出力信号d3の色域が表示装置の色域を超えるか否かを判定する。選択部242は、色域判定部241の判定結果に基づいて、出力信号d3において表示装置の色域を超える部分を明示するプレビュー表示信号d243を出力する。
以下、各部について、より詳細に説明を加える。
色域判定部241は、出力信号d3を画素毎に取得する。色域判定部241は、画像処理装置10の出力としての出力信号d3を表示する表示装置(例えば、プリンタやモニタなど)が表示することのできる色域に関する情報を予め格納している。さらに、色域判定部241は、出力信号d3の画素毎の画素値が、表示装置の色域に含まれているか否かを判定し、その判定結果を選択部242に出力する。判定結果としては、例えば、出力信号d3の画素値が表示装置の色域に含まれる場合に、値[1]が出力され、出力信号d3の画素値が表示装置の色域に含まれない場合に、値[0]が出力される。なお、この値は一例であり、2つの場合を識別できる信号であれば、これに限定しない。なお、色域判定部241は、接続されたメモリ(図示せず)などにアクセスして表示装置の色域を取得できるものであってもよい。
選択部242は、出力信号d3と、図示しないメモリなどに記憶された所定の画素値であり、所定の変換色を示す変換色信号d244とを入力とし、出力信号d3と変換色信号d244とのいずれかを選択し、選択結果をプレビュー表示信号d243として出力する。ここで、選択部242の選択手順は、以下に説明する手順である。すなわち、色域判定部241から取得される信号の値が値[1]の場合(出力信号d3の画素値が表示装置の色域に含まれる場合)、出力信号d3が選択される。一方、色域判定部241から取得される信号の値が値[0]の場合(出力信号d3の画素値が表示装置の色域に含まれない場合)、変換色信号d244が選択される。すなわち、選択部242の動作により、プレビュー表示信号d202としては、画像処理後の注目画素(出力信号d3)の色域が表示装置で表示可能な色域に含まれていれば、画像処理後の注目画素の値が出力され、画像処理後の注目画素の色域が表示装置で表示可能な色域に含まれていなければ、画像処理後の注目画素の値に変えて、所定の変換色を示す変換色信号d244が出力される。
(効果)
この処理領域内再処理部240により、ユーザは、プレビュー表示を見て、表示装置で不自然に表示される可能性のある部分を容易に確認することが可能となる。より具体的には、プリンタ・モニタなどで表示された画像の色のうち、不自然に表示される可能性のある部分を予め確認することが可能となる。
さらに、ユーザは、このような不自然な表示を避けるため、プレビュー表示を見つつ、画像処理装置10の処理度の調整を行うことが可能となる。
(変形例)
なお、出力信号d3が入力信号d1を色域圧縮した画像信号である場合、色域判定部241は、出力信号d3の代わりに入力信号d1を取得し、入力信号d1の画素値に基づいて、色域圧縮された画素を判定するものであってもよい。
このとき、色域判定部241は、色域圧縮を受ける色領域に関する情報を予め格納している。色域圧縮を受ける色領域に関する情報とは、出力信号d3を表示する表示装置(例えば、プリンタやモニタなど)が表示可能な色域に関する情報に基づいて作成された情報である。ここで、色域圧縮とは、入力信号d1の色域が表示装置の色域を超える場合に、表示装置側で画素値がクリップされて表示されるのを防ぐため、予め入力信号d1の色域を表示装置の色域まで圧縮した出力信号d3を生成することである。すなわち、入力信号d1が色域圧縮されると、入力信号d1の画素のうち、表示装置が表示可能な色域を超える画素値の画素、および表示装置が表示可能な色域の境界近辺の画素値の画素では、色変換が行われる。
色域判定部241は、予め表示装置の色域に基づいて生成された色変換が行われる色域の情報(以下、色域圧縮情報)を格納している。色域判定部241は、画素毎に順次入力される入力信号d1の注目画素の画素値が色域圧縮情報の示す色域に含まれるか否かを判定する。さらに、選択部242(図20参照)では、色域判定部241の判定結果に基づいて、出力信号d3と、変換色信号d244とを選択的に出力する。より具体的には、選択部242は、注目画素が色域圧縮情報の示す色域に含まれる場合(注目画素が色域圧縮により色変換される場合)に、変換色信号d244をプレビュー表示信号d243として出力する。一方、選択部242は、注目画素が色域圧縮情報の示す色域に含まれない場合(注目画素が色域圧縮により色変換されない場合)に、出力信号d3をプレビュー表示信号d243として出力する。
以上により、出力信号d3のうち、色域圧縮された部分を明示してプレビュー表示を行うことが可能となる。さらに、ユーザは、プレビュー表示を確認して、色域圧縮が適切に行われているか否かを容易に確認することができる。また、プレビュー表示を確認しながら、画像処理装置10の処理度の調整を行い、適切な色域圧縮を行うことが可能となる。
なお、色域判定部241における判定は、出力信号d3の画素値を用いて行われてもよい。すなわち、色域圧縮されている場合には、色域圧縮前の画素値と色域圧縮後の画素値とは一対一の関係にあるため、出力信号d3の画素の画素値を用いても、その画素が色域圧縮された画素か否かを判定することが可能となる。
なお、ここでは、色域圧縮される画素を変換色で表示したが、その他の手段で表示してもよい。例えば、文字や絵などの手段で表示を行っても良い。
(3)
上記実施形態および上記変形例(1)〜(2)で説明した画像処理システムは、さらに次のような表示切換機能を備えていてもよい。
表示切換機能とは、プレビュー表示において、出力信号d3と、入力信号d1あるいは上記で説明したプレビュー表示信号d202(図13参照)、d214(図17参照)、d243(図20参照)とを切り換えて表示する機能である。
以下では、図21を用いて、入力信号d1と出力信号d3との表示切換を行う切換部250について説明する。
切換部250は、入力信号d1と出力信号d3とを入力とし、いずれかを選択的に出力する選択部251と、選択部251に対して、切換のタイミングを与える切換信号発生部253とを備えている。
入力信号d1は、図示しないRAMに格納される。また、出力信号d3も、図示しないRAMに格納される。選択部251は、切換信号発生部253の発生する切換タイミング(例えば、数秒毎)でそれぞれのRAMに格納された入力信号d1または出力信号d3を読み出し、プレビュー表示信号d252として出力する。
これにより、入力信号d1と出力信号d3とを切り替えて表示することができる。このため、ユーザは、画像処理後の画像と、処理前の画像とを比較して確認することが可能となる。
また、同様の構成により、出力信号d3と、プレビュー表示信号d202(図13参照)、d214(図17参照)、d243(図20参照)とを切り換えてプレビュー表示する場合には、不自然に表示される可能性のある部分が点滅して表示される。このため、不自然に表示される可能性のある部分を予め容易に確認することができる。また、その不自然さが許容できるものであるか否かを容易に確認することなどができる。
このような切換部250は、例えば、図13において、処理領域内再処理部201の代わりに設けられていてもよい。また、図13において、さらに付加的に設けられていてもよい。
なお、上記の切り換えは、画像処理装置10において、調整スケールが所定時間変化しなかった場合、あるいは、他の色の調整を始めた場合に中止されてもよい。
(4)
上記実施形態および上記変形例(1)〜(3)で説明した画像処理システムでは、処理領域内再処理部201における階調順比較部207や、処理領域内再処理部240における色域判定部241などから出力される比較結果や判定結果に基づいて、画像処理装置10の処理度設定部18の調整範囲を制限してもよい。
具体的には、画像処理装置10の調整スケール(図2参照)をある方向に動作させることにより、画像処理された信号(出力信号d3)において不自然に表示される可能性の有る部分が検出される場合には、それ以上のその方向への調整スケールの動作が制限される。なお、画像処理された信号(出力信号d3)において不自然に表示される可能性の有る部分は、階調順比較部207の比較結果や色域判定部241の判定結果から検出される。
これにより、ユーザは、出力信号d3が不自然に表示されるか否かに注意を払うことなく、適切に画像処理を行うことができる。
[その他]
(1)
上記実施形態において、プロファイル作成実行部、マトリクス作成実行部、制御部あるいは色処理実行部などは、ソフトウェアにより実現されていてもハードウェアにより実現されていてもよい。ソフトウェアにより実現されている場合、そのプログラムは、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、デジタルテレビなど、画像を取り扱う機器に内蔵、あるいは接続される装置において、ハードディスク、RAM、ROM、メモリカードなどの記憶装置に記憶され、画像の色処理を実行するプログラムであり、例えば、CD−ROMなどの記録媒体を介して、あるいはネットワークを介して提供されてもよい。
また、上記プロファイル作成実行部、マトリクス作成実行部、制御部あるいは色処理実行部などをLSIの内部に持たせても良い。LSIの内部に持たせることで、異なる処理は基本プロファイルで提供されるため、異なる処理を実現する毎にLSI設計する必要がなくなる。
また、上記実施形態で図を用いて説明した各機能ブロックは、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されても良いし、一部又は全部を含むように1チップ化されても良い。この際、基本プロファイル群記憶部やプロファイルRAMなどは、別対として外部に接続されるものであってもよい。また、処理度設定部も別対として外部に接続されるものであってもよい。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(2)
上記実施形態において、入力信号d1、画像信号d2は、静止画であっても動画であってもかまわない。
(3)
上記実施形態において、画像信号値は、R,G,Bの3原色を用いた色空間の座標として表されるとしたが、本発明の効果は、この色空間のデータを用いた場合に限定されるものではない。例えば、CMY系の色空間であってもよいし、Lab系の色空間であってもよい。
また、本発明の効果は、3次元の色空間を取り扱う色処理以外にも有効である。すなわち、本発明の効果は、取り扱う色空間の次元に依存しない。
(4)
上記実施形態の全体の効果として、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理等と呼ばれるそれぞれの処理において、処理度合いを任意に調整することが可能となる。例えば、色処理された画像信号を出力する出力デバイスの環境に対応して色処理を行うことが可能となる。より具体的には、色処理された画像信号を周囲の環境光に応じてモニタ表示させること、あるいは色処理された画像信号を紙質に応じてプリンタによりプリントアウトさせることなどが可能となる。また、表示色変換処理、記憶色補正処理などにおいては、観者それぞれの好みに応じた色処理を行うことが可能となる。
これらの効果に加えて、上記実施形態では、色処理の処理度合いを異ならせた膨大な数のルックアップテーブルを有することは必要とされず、ルックアップテーブルを記憶するためのメモリなどの記憶容量を削減することが可能となる。
本発明にかかる画像処理装置は、簡易に色処理の調整を行うことが可能となるという効果を有し、画像処理装置あるいは画像処理装置を含む装置などとして有用である。
本発明は、画像処理装置、特に、画像信号の色処理を行う画像処理装置に関する。
画像信号に対する画像処理として、色処理について知られている。
色処理とは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理等と呼ばれる処理である。表示色変換処理とは、画像信号の全体の色調を調整する処理であり、例えば、画像信号の明るさを調整する、あるいは画像信号に特定の効果(例えば、フィルムライク処理など)を与えるよう調整する処理である。色域変換処理とは、画像信号の入出力デバイスに固有の色空間において画像信号を再生表示させるために行われる処理であり、色域圧縮(Gamut Mapping)などと呼ばれる処理である。記憶色補正処理とは、画像信号中の空の色、肌の色あるいは緑の色といった特定の色を記憶に合うように調整する処理である。
これら色処理を実行する際に、画像信号の複数の属性をそれぞれ独立に調整する画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この画像処理装置では、図22に示すように、特定の2色の記憶色の色相、彩度、明度をそれぞれ独立に調整することができる。具体的には、この画像処理装置では、6つの調整用のつまみを備え、つまみを独立に操作することで色調整を行う。また、この画像処理装置以外にも、画像信号の赤、青、緑のそれぞれの色を独立に調整することができる装置が知られている。
特許第2936080号公報
一方、画像処理装置のユーザによっては、色処理の際に、画像信号の複数の属性を独立に調整することを好まない。それぞれの属性のバランスを保ちつつ、所望の色処理を実現するには、それぞれの属性を複雑に調整する必要があるからである。例えば、明度、彩度、色相などが調整可能な画像処理装置において肌色の記憶色補正を行う際に、記憶色補正の程度を変更し白色味の肌色に記憶色補正を行いたい、あるいは黄色味の肌色に記憶色補正を行いたいなどとユーザが考える場合に、明度、彩度、色相などのバランスを調整して所望の記憶色補正を行うことは困難である。
そこで、本発明では、簡易に色処理の調整を行うことを可能とさせる画像処理装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の画像処理装置は、処理度設定手段と、処理用係数群作成手段と、色処理実行手段とを備えている。処理度設定手段は、画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる。処理用係数群作成手段は、処理度設定手段により設定された目標処理度と、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、目標処理度の色処理を行う処理用係数群を作成する。色処理実行手段は、処理用係数群作成手段により作成された処理用係数群を用いて、画像信号に対する色処理を行う。
ここで、色処理とは、例えば、表示色変換、色域変換、記憶色補正などと呼ばれる処理である。また、画像信号の属性とは、画像信号を表現するための色空間のパラメータであり、例えば、RGB、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、CIELabなどの色空間のパラメータである。また、基本係数群あるいは処理用係数群とは、画像信号の色処理を行うための係数群であり、例えば、画像信号に対する係数マトリクス、あるいは画像信号に対するルックアップテーブルなどである。
処理度設定手段は、少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を1つの値として設定させる。すなわち、1つの値により、少なくとも2つの属性に対して同時に色処理の目標を与えることとなる。処理用係数群作成手段は、設定された1つの値に基づいて、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群から処理用係数群を作成する。色処理実行手段は、目標処理度の色処理を実現する処理用係数群を用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理装置により、少なくとも2つの属性についての色処理を、1つの目標処理度を与えるだけで同時に行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整して色処理を行う場合に比して、簡易に色処理の調整を行うことが可能となる。また、色処理には、複数の基本係数群をカスタマイズすることにより得られる処理用係数群が用いられる。すなわち、複数の基本係数群が実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、処理用係数群作成手段は、複数の基本係数群を目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、処理用係数群を作成する。
内分あるいは外分では、複数の基本係数群が実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに基づいて、複数の基本係数群の少なくとも一部の加重平均が求められる。また、内分あるいは外分は、複数の基本係数群が実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに対して、非線形に、あるいは線形に行われる。
本発明の画像処理装置により、複数の基本係数群を内分あるいは外分した処理用係数群を用いた色処理が可能となる。
請求項3に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、複数の属性とは、画像信号の色相、彩度および明度を含む。
色処理では、画像信号の色相、彩度および明度のうち、少なくとも2つについての処理が同時に行われる。
本発明の画像処理装置により、それぞれの属性について独立に色処理の調整を行う場合に比して、簡易に色処理の調整を行うことが可能となる。
請求項4に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、色処理は、記憶色補正である。
記憶色補正では、例えば、色相および明度、あるいは色相および彩度などといった属性についての処理が同時に行われる。
処理度設定手段では、記憶色補正の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる。処理用係数群作成手段では、設定された目標処理度と、異なる程度の記憶色補正を行う複数の基本係数群とに基づいて、目標処理度の記憶色補正を行う処理用係数群が作成される。色処理実行手段では、作成された処理用係数群を用いて、画像信号の記憶色補正が行われる。
本発明の画像処理装置により、記憶色補正の処理の程度を簡易に調整することが可能となる。
請求項5に記載の画像処理装置は、請求項4に記載の画像処理装置であって、処理度設定手段は、記憶色補正の補正傾向を目標処理度として設定させる。処理用係数群作成手段は、それぞれ異なる補正傾向の記憶色補正を行う複数の基本係数群を目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、処理用係数群を作成する。
記憶色補正の補正傾向が異なるとは、記憶色補正の補正目標が異なることである。例えば、複数の基本係数群のそれぞれの記憶色補正では、画像信号に対して、異なる補正目標への補正が行われる。すなわち、それぞれの記憶色補正では、色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの向きが異なっている。
本発明の画像処理装置により、記憶色補正の補正傾向を簡易に調整することが可能となる。
請求項6に記載の画像処理装置は、請求項4に記載の画像処理装置であって、処理度設定手段は、記憶色補正の補正強度を目標処理度として設定させる。処理用係数群作成手段は、所定の補正強度の記憶色補正を行う基本係数群と記憶色補正を行わない基本係数群とを目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、処理用係数群を作成する。
ここで、補正強度は、画像信号を補正目標へと補正する程度である。すなわち、処理用係数群の記憶色補正の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの方向は、処理用係数群の作成に用いられた基本係数群の記憶色補正の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの方向とほぼ同じである。
本発明の画像処理装置により、記憶色補正の補正強度を簡易に調整することが可能となる。
請求項7に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、複数の基本係数群は、画像信号の有する複数の属性の個数に対応する大きさを有する複数の基本マトリクスデータである。色処理実行手段は、処理用係数群作成手段により作成された処理用マトリクスデータを用いて、画像信号に対するマトリクス演算を行う。
処理用係数群作成手段は、目標処理度に基づいて、複数の基本マトリクスデータから処理用マトリクスデータを作成する。色処理実行手段は、目標処理度の色処理を実現する処理用マトリクスデータを用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理装置では、複数の基本マトリクスデータをカスタマイズすることにより得られる処理用マトリクスデータが用いられる。すなわち、複数の基本マトリクスデータが実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項8に記載の画像処理装置は、請求項7に記載の画像処理装置であって、処理用係数群作成手段は、基本マトリクスデータを目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、処理用マトリクスデータを作成する。
内分あるいは外分では、複数の基本マトリクスデータが実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに基づいて、複数の基本マトリクスデータの少なくとも一部の加重平均が求められる。また、内分あるいは外分は、複数の基本マトリクスデータが実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに対して、非線形に、あるいは線形に行われる。
本発明の画像処理装置により、複数の基本マトリクスデータを内分あるいは外分した処理用マトリクスデータを用いた色処理が可能となる。
請求項9に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、複数の基本係数群は、画像信号の値に対する色処理後の画像信号の値を格納する複数の基本ルックアップテーブルである。色処理実行手段は、処理用係数群作成手段により作成された処理用ルックアップテーブルを用いて、画像信号に対する色処理を行う。
処理用係数群作成手段は、目標処理度に基づいて、複数の基本ルックアップテーブルから処理用ルックアップテーブルを作成する。色処理実行手段は、目標処理度の色処理を実現する処理用ルックアップテーブルを用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理装置では、複数の基本ルックアップテーブルをカスタマイズすることにより得られる処理用ルックアップテーブルが用いられる。すなわち、複数の基本ルックアップテーブルが実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項10に記載の画像処理装置は、請求項9に記載の画像処理装置であって、処理用係数群作成手段は、基本ルックアップテーブルを目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、処理用ルックアップテーブルを作成する。
内分あるいは外分では、複数の基本ルックアップテーブルが実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに基づいて、複数の基本ルックアップテーブルの少なくとも一部の加重平均が求められる。また、内分あるいは外分は、複数の基本ルックアップテーブルが実現するそれぞれの色処理の程度と目標処理度とに対して、非線形に、あるいは線形に行われる。
本発明の画像処理装置により、複数の基本ルックアップテーブルを内分あるいは外分した処理用ルックアップテーブルを用いた色処理が可能となる。
請求項11に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、処理度設定手段は、記憶色補正の補正傾向の目標である第1の目標処理度を設定させる第1の処理度設定手段と、記憶色補正の補正強度の目標である第2の目標処理度を設定させる第2の処理度設定手段とを有している。処理用係数群作成手段は、それぞれ異なる補正傾向の記憶色補正を行う複数の基本係数群を、第1の処理度と第2の処理度とに基づいて内分あるいは外分し、処理用係数群を作成する。
処理度設定手段では、記憶色補正の補正傾向と補正強度とが、第1の目標処理度と第2の目標処理度として設定される。処理用係数群作成手段は、複数の基本係数群から設定された補正傾向と補正強度とを実現する処理用係数群を作成する。色処理実行手段は、作成された処理用係数群を用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理装置により、所望の程度の補正傾向および補正強度の記憶色補正を簡易に設定し実現することが可能となる。
請求項12に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、処理用係数群作成手段は、基本係数群のうち特定部分のみを変更して処理用係数群を作成する。
処理用係数群作成手段は、基本係数群のうち特定部分のみを変更し、その他の部分には、例えば、いずれかの基本係数群の値を用い、処理用係数群を作成する。
本発明の画像処理装置により、処理用係数群作成手段の処理量を削減することが可能となる。
請求項13に記載の画像処理装置は、請求項12に記載の画像処理装置であって、特定部分は、処理度設定手段により定められる部分である。
処理度設定手段は、色処理の目標を設定させる。処理用係数群作成部は、色処理の目標に基づいて、例えば、処理対象の色領域を判断し、その色領域の色処理に用いられる特定部分を判断する。
請求項14に記載の画像処理装置は、請求項12または13に記載の画像処理装置であって、特定部分とは、基本係数群のうち、所定の記憶色に対する変換係数を与える部分である。
請求項15に記載の画像処理システムは、画像処理実行手段と、表示信号生成手段とを備えている。画像処理実行手段は、画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する。表示信号生成手段は、処理信号を表示するための表示信号を生成する。表示信号は、処理信号の所定の領域を再処理した信号である。所定の領域は、画像信号と処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である。
ここで、表示とは、例えば、処理信号をモニタ、プリンタ、などに出力する前に、行われた画像処理を確認するための表示などであり、いわゆるプレビュー表示などと呼ばれるものであってもよい。また、画像処理実行手段とは、例えば、他の請求項に記載した画像処理装置であってもよい。
本発明の画像処理システムでは、階調特性の比較により特定される所定の領域、を明示した表示信号を生成することが可能となる。このため、処理信号がモニタ、プリンタなどに出力される場合に、不自然な出力の原因となりうる部分を予め確認することなどが可能となる。
請求項16に記載の画像処理システムは、請求項15に記載の画像処理システムであって、所定の領域は、その周囲の領域との階調順が、画像信号と処理信号との間で異なる領域である。
ここで、階調順とは、階調の大小関係を意味している。すなわち、所定の領域は、その周囲の領域との階調の大小関係が、画像処理の前後で変化する部分である。
本発明の画像処理システムでは、画像処理の前後で階調順が変化する部分を予め確認することが可能となる。
請求項17に記載の画像処理システムは、請求項15に記載の画像処理システムであって、再処理とは、所定の領域の色を変換する処理である。
所定領域の色を変換する処理とは、例えば、所定領域の色を特定の変換色(例えば、赤、青、緑などのいずれかの色)にする処理や、所定領域を輝度成分のみにする処理などである。
本発明の画像処理システムでは、階調特性の比較により特定される所定の領域、を色変換して表示させるため、容易に所定の領域を確認することが可能となる。
請求項18に記載の画像処理方法は、処理度設定ステップと、処理用係数群作成ステップと、色処理実行ステップとを備えている。処理度設定ステップは、画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる。処理用係数群作成ステップは、処理度設定ステップにより設定された目標処理度と、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、目標処理度の色処理を行う処理用係数群を作成する。色処理実行ステップは、処理用係数群作成ステップにより作成された処理用係数群を用いて、画像信号に対する色処理を行う。
ここで、色処理とは、例えば、表示色変換、色域変換、記憶色補正などと呼ばれる処理である。また、画像信号の属性とは、画像信号を表現するための色空間のパラメータであり、例えば、RGB、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、CIELabなどの色空間のパラメータである。
処理度設定ステップは、少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を1つの値として設定させる。すなわち、1つの値により、少なくとも2つの属性に対して同時に色処理の目標を与えることとなる。処理用係数群作成ステップは、設定された1つの値に基づいて、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群から処理用係数群を作成する。色処理実行ステップは、目標処理度の色処理を実現する処理用係数群を用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理方法により、少なくとも2つの属性についての色処理を、1つの目標処理度を与えるだけで同時に行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整して色処理を行う場合に比して、簡易に色処理の調整を行うことが可能となる。また、色処理には、複数の基本係数群をカスタマイズすることにより得られる処理用係数群が用いられる。すなわち、複数の基本係数群が実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項19に記載の画像処理プログラムは、コンピュータにより画像信号の色処理を行うための画像処理プログラムであって、処理度設定ステップと、処理用係数群作成ステップと、色処理実行ステップとを備える画像処理方法をコンピュータに行わせるものである。処理度設定ステップは、画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる。処理用係数群作成ステップは、処理度設定ステップにより設定された目標処理度と、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、目標処理度の色処理を行う処理用係数群を作成する。色処理実行ステップは、処理用係数群作成ステップにより作成された処理用係数群を用いて、画像信号に対する色処理を行う。
ここで、色処理とは、例えば、表示色変換、色域変換、記憶色補正などと呼ばれる処理である。また、画像信号の属性とは、画像信号を表現するための色空間のパラメータであり、例えば、RGB、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、CIELabなどの色空間のパラメータである。
処理度設定ステップは、少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を1つの値として設定させる。すなわち、1つの値により、少なくとも2つの属性に対して同時に色処理の目標を与えることとなる。処理用係数群作成ステップは、設定された1つの値に基づいて、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群から処理用係数群を作成する。色処理実行ステップは、目標処理度の色処理を実現する処理用係数群を用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の画像処理プログラムにより、少なくとも2つの属性についての色処理を、1つの目標処理度を与えるだけで同時に行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整して色処理を行う場合に比して、簡易に色処理の調整を行うことが可能となる。また、色処理には、複数の基本係数群をカスタマイズすることにより得られる処理用係数群が用いられる。すなわち、複数の基本係数群が実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項20に記載の集積回路装置は、処理度設定部と、処理用係数群作成部と、色処理実行部とを備えている。処理度設定部は、画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる。処理用係数群作成部は、処理度設定部により設定された目標処理度と、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、目標処理度の色処理を行う処理用係数群を作成する。色処理実行部は、処理用係数群作成部により作成された処理用係数群を用いて、画像信号に対する色処理を行う。
ここで、色処理とは、例えば、表示色変換、色域変換、記憶色補正などと呼ばれる処理である。また、画像信号の属性とは、画像信号を表現するための色空間のパラメータであり、例えば、RGB、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、CIELabなどの色空間のパラメータである。また、基本係数群あるいは処理用係数群とは、画像信号の色処理を行うための係数群であり、例えば、画像信号に対する係数マトリクス、あるいは画像信号に対するルックアップテーブルなどである。
処理度設定部は、少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を1つの値として設定させる。すなわち、1つの値により、少なくとも2つの属性に対して同時に色処理の目標を与えることとなる。処理用係数群作成部は、設定された1つの値に基づいて、それぞれ異なる程度の色処理を行う複数の基本係数群から処理用係数群を作成する。色処理実行部は、目標処理度の色処理を実現する処理用係数群を用いて、画像信号の色処理を行う。
本発明の集積回路装置により、少なくとも2つの属性についての色処理を、1つの目標処理度を与えるだけで同時に行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整して色処理を行う場合に比して、簡易に色処理の調整を行うことが可能となる。また、色処理には、複数の基本係数群をカスタマイズすることにより得られる処理用係数群が用いられる。すなわち、複数の基本係数群が実現する色処理の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
請求項21に記載の画像処理方法は、画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する画像処理実行ステップと、処理信号を表示するための表示信号を生成する表示信号生成ステップとを備えている。表示信号は、処理信号の所定の領域を再処理した信号である。所定の領域は、画像信号と処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である。
ここで、表示とは、例えば、処理信号をモニタ、プリンタ、などに出力する前に、行われた画像処理を確認するための表示などであり、いわゆるプレビュー表示などと呼ばれるものであってもよい。
本発明の画像処理方法では、階調特性の比較により特定される所定の領域、を明示した表示信号を生成することが可能となる。このため、処理信号がモニタ、プリンタなどに出力される場合に、不自然な出力の原因となりうる部分を予め確認することなどが可能となる。
請求項22に記載の画像処理プログラムは、画像処理方法をコンピュータに行わせるプログラムである。画像処理方法は、画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する画像処理実行ステップと、処理信号を表示するための表示信号を生成する表示信号生成ステップとを備えている。表示信号は、処理信号の所定の領域を再処理した信号である。所定の領域は、画像信号と処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である。
ここで、表示とは、例えば、処理信号をモニタ、プリンタ、などに出力する前に、行われた画像処理を確認するための表示などであり、いわゆるプレビュー表示などと呼ばれるものであってもよい。
本発明の画像処理プログラムでは、階調特性の比較により特定される所定の領域、を明示した表示信号を生成することが可能となる。このため、処理信号がモニタ、プリンタなどに出力される場合に、不自然な出力の原因となりうる部分を予め確認することなどが可能となる。
請求項23に記載の集積回路装置は、画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する画像処理実行部と、処理信号を表示するための表示信号を生成する表示信号生成部と、を備えている。表示信号は、処理信号の所定の領域を再処理した信号である。所定の領域は、画像信号と処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である。
ここで、表示とは、例えば、処理信号をモニタ、プリンタ、などに出力する前に、行われた画像処理を確認するための表示などであり、いわゆるプレビュー表示などと呼ばれるものであってもよい。また、画像処理実行部とは、例えば、他の請求項に記載した画像処理装置や集積回路装置であってもよい。
本発明の集積回路装置では、階調特性の比較により特定される所定の領域、を明示した表示信号を生成することが可能となる。このため、処理信号がモニタ、プリンタなどに出力される場合に、不自然な出力の原因となりうる部分を予め確認することなどが可能となる。
本発明により、簡易に色処理の調整を行うことを可能とさせる画像処理装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。第1〜第5実施形態では、ルックアップテーブルを用いた画像処理装置について説明する。第6実施形態では、色変換マトリクスを用いた画像処理装置について説明する。第7実施形態では、色調整を行う際にプレビューを表示する画像処理装置について説明する。さらに、その他として、第1〜第7実施形態の応用例について説明する。
[第1実施形態]
図1〜図7を用いて、第1実施形態に係るルックアップテーブルを用いた画像処理装置10について説明する。画像処理装置10は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置10は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
〈構成〉
図1を用いて、画像処理装置10の基本構成について説明する。画像処理装置10は、入力信号d1を入力とし、画像処理された出力信号d3を出力とする画像処理装置である。画像処理装置10は、入力信号d1を入力とし視覚処理された画像信号d2を出力とする視覚処理部11と、色処理の基本となる基本色変換プロファイルを格納し選択された基本色変換プロファイルのデータである選択プロファイルデータd5を出力とする基本プロファイル群記憶部12と、画像信号d2と選択プロファイルデータd5とを入力とし色処理された出力信号d3を出力する色処理部13と、各部に制御信号c1〜c3を与える制御部14と、色処理部13における色処理の程度を設定させる処理度設定部18とを備えている。
視覚処理部11は、制御部14からの制御信号c1を受け、入力信号d1の空間処理、階調処理などといった視覚処理を行い、画像信号d2を出力する。視覚処理部11は、例えば、入力信号d1の低域空間のみを通過させる低域空間フィルタにより空間処理を行う。低域空間フィルタとしては、通常用いられるFIR(Finite Impulse Respones)型の低域空間フィルタ、あるいはIIR(Infinite Impulse Respones)型の低域空間フィルタなどを用いてもよい。また、視覚処理部11は、ガンマ曲線などを用いた階調処理を行う。
基本プロファイル群記憶部12は、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理などの色処理を単独であるいは組み合わせて実現するための複数の基本色変換プロファイルを格納している。それぞれの基本色変換プロファイルは、ある色空間から別の色空間への写像を与えるルックアップテーブルとして記憶されている。より具体的には、ルックアップテーブルは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3次元の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える3次元ルックアップテーブルとして記憶されている。また、基本プロファイル群記憶部12に記憶される基本色変換プロファイルは、画像処理装置の外部のパーソナルコンピュータ(PC)25において予め算出される。算出された基本色変換プロファイルは、基本色変換プロファイルのデータである基本プロファイルデータd4をPC25から転送することにより基本プロファイル群記憶部12に格納される。
なお、基本プロファイル群記憶部12は、ROM、書き換え・データ更新が可能な記憶媒体(RAM、ハードディスクなど)、あるいは画像処理装置10から取り外し可能な記憶媒体(メモリカードなど)で構成される。画像処理装置10の基本プロファイル群記憶部12には、予め作成された基本プロファイルデータd4がPC25から読み込まれることとなる。また、基本プロファイル群記憶部12の書き換え・データ更新が可能な場合、外部のネットワークに接続することで、外部より自由に基本色変換プロファイルを更新させることができる。
色処理部13は、選択プロファイルデータd5を入力とし処理用プロファイルデータd7を出力とするプロファイル作成部15と、画像信号d2と処理用プロファイルデータd7とを入力とし出力信号d3を出力とする色処理実行部16とを有している。プロファイル作成部15は、選択プロファイルデータd5を入力とし選択プロファイルデータに基づいて作成された生成プロファイルデータd6を出力とするプロファイル作成実行部20と、生成プロファイルデータd6を入力として格納し、格納されたデータのうち色処理に用いられるデータである処理用プロファイルデータd7を出力とするプロファイルRAM21とから構成される。
処理度設定部18は、ユーザに対して色処理の程度の目標を設定させる。設定された処理の程度は、目標処理度d8として出力される。
次に、図2〜図3を用いて、本発明の特徴部分である基本プロファイル群記憶部12、色処理部13、処理度設定部18の詳細な構成について説明する。
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、複数の基本色変換プロファイルからなるプロファイル群を記憶している。図2に示す画像処理装置10では、3つの基本色変換プロファイルからなるプロファイル群22を記憶している。プロファイル群22は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2と処理X3とを実現するための3つの基本色変換プロファイル22aと22bと22cとを備えている。
ここで、処理Xとは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである。以下では、処理Xが肌色についての記憶色補正であるとして説明を行う。
《プロファイル群》
プロファイル群について説明する。プロファイル群とは、同じ色処理について色処理の程度を異ならせた基本色変換プロファイルから構成されるグループである。プロファイル群は、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理を実現する機能、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理を実現する機能を有している。例えば、プロファイル群22の場合、基本色変換プロファイル22aと22bと22cとは、異なる補正度合いの肌色の記憶色補正を実現する。より具体的には、基本色変換プロファイル22bが肌色に対するデフォルトの記憶色補正を実現し、基本色変換プロファイル22aが肌色を白色味に変換し、基本色変換プロファイル22cが肌色を黄色味に変換するというように、それぞれの基本色変換プロファイルは、同じ機能「肌色の記憶色補正」を有しながら異なる処理度合いを実現する。
《基本色変換プロファイル》
基本色変換プロファイルについて説明する。基本色変換プロファイルは、それぞれ8ビットで表現される3次元の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える3次元ルックアップテーブルである。ここで、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の全てに対して、それぞれ8ビットで表現される色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える場合、{(2^8)^3}*3=48Mバイトと基本プロファイル群記憶部12の記憶容量を多く必要とする。そこで、それぞれ8ビットで表現される色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位数ビットに対してのみ、それぞれ8ビットで表現される色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与えている。より具体的には、例えば、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットに対してのみ、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える場合、1つの基本色変換プロファイルに必要な記憶容量は、{(2^5)^3}*3=98304バイトと削減される。
以下、基本色変換プロファイルは、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットに対してのみ、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与えるとする。
(色処理部13)
色処理部13は、プロファイル作成実行部20において、プロファイル生成部30をさらに備えている。プロファイル生成部30は、選択プロファイルデータd5(図1参照)を入力とし生成プロファイルデータd6を出力とする。
(処理度設定部18)
処理度設定部18は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケール110により設定させる。
図3に調整スケール110を示す。調整スケール110は、画像処理装置10が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、肌色の色処理の程度が設定される。調整スケール110には、どのような記憶色補正を行うかについての目標が示されている。具体的には、調整スケール110では、スライディングバーが右側に設定されると、肌色が黄色味に記憶色補正され、スライディングバーが左側に設定されると、肌色が白色味に記憶色補正されるということが示されている。
調整スケール110により設定された色処理の程度の目標は、スライディングバーの位置に対応づけられた値を持つ目標処理度d8として制御部14に出力される。目標処理度d8は、スライディングバーが中央に設定されている場合には、値[0]として出力される。また、スライディングバーが中央より右側に設定されている場合には、スライディングバーの中央からの距離に比例する値であって、値[0]を超え、かつ、値[+1]以下の値として出力される。さらに、スライディングバーが中央より左側に設定されている場合には、スライディングバーの中央からの距離に比例する値であって、値[−1]以上、かつ、値[0]未満の値として出力される。
〈作用〉
図2を用いて、各部の作用について説明する。
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c10が入力される。カウント信号c10は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、肌色の記憶色補正を実現する色変換プロファイルを生成する場合には、肌色に対するデフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイル22bと、肌色に対する色処理の程度を変えた基本色変換プロファイル22a又は22cとのアドレスが指定される。
制御部14が基本色変換プロファイル22aと基本色変換プロファイル22cとのいずれのアドレスを指定するかは、処理度設定部18において設定された目標処理度d8の値により決定される。具体的には、プロファイル群22に対する目標処理度d8が、正の値である場合、すなわち調整スケールにおいてスライディングバーが中央より右側に設定されている場合に、基本色変換プロファイル22cのアドレスが指定される。また、目標処理度d8の値が負の値である場合、すなわち調整スケール110においてスライディングバーが中央より左側に設定されている場合に、基本色変換プロファイル22aのアドレスが指定される。なお、スライディングバーが中央の値に設定されている場合には、基本色変換プロファイル22aあるいは22cのどちらのアドレスが指定されてもよい。あるいは、この場合には、どちらのアドレスも指定されず、基本色変換プロファイル22bがそのまま用いられてもよい。
アドレスの指定は、2つの基本色変換プロファイルにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出されるよう行われる。このようにして読み出されたデータは、第1の選択プロファイルデータd10および第2の選択プロファイルデータd11として基本プロファイル群記憶部12から出力される。具体的には、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイル22bが第1の選択プロファイルデータd10として出力され、基本色変換プロファイル22aまたは22cが第2の選択プロファイルデータd11として出力される。基本色変換プロファイル22a〜22cは、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットに対してのみ、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与えるため、それぞれ(2^5)^3個のアドレスが指定され、データが読み出される。
(色処理部13)
《プロファイル生成部30》
プロファイル生成部30は、基本プロファイル群記憶部12から第1の選択プロファイルデータd10および第2の選択プロファイルデータd11を取得する。さらに、制御部14から基本色変換プロファイル22bと基本色変換プロファイル22a又は22cとの合成度を指定する制御信号c12が与えられる。
制御信号c12では、目標処理度d8の値から符号を除いた値が合成度の値として与えられる。
プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10の値[m]および第2の選択プロファイルデータd11の値[n]に対して、制御信号c12が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成プロファイルデータd6を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。すなわち、値[k]は、0≦k≦1を満たし、第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とは内分されることとなる。
ここで、図4を用いて、プロファイル生成部30の動作と作成された色変換プロファイルについて説明する。図4は、肌色の補正領域120の色度値Aに対する記憶色補正における補正傾向をLab空間に示す図である。
肌色の記憶色補正に用いられるそれぞれの基本色変換プロファイル22a〜22cは、次のように色度値Aを変換する。すなわち、肌色に対するデフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイル22bは、色度値Aを色度値Cに変換する。肌色を白色味に変換する基本色変換プロファイル22aは、色度値Aを色度値Dに変換する。肌色を黄色味に変換する基本色変換プロファイル22cは、色度値Aを色度値Bに変換する。すなわち、それぞれの基本色変換プロファイル22a〜22cでは、色処理の前後における色度値を結ぶベクトルの向きが異なっている。
プロファイル生成部30では、合成度の値が与えられると、基本色変換プロファイル22bと基本色変換プロファイル22a又は22cとを内分し、色変換プロファイルを作成する。こうして作成された色変換プロファイルは、色度値Aを線分BCD上の色度値に変換する。すなわち、プロファイル生成部30により、色処理の前後における特定の色度値を結ぶベクトルを任意の向きとする色変換プロファイルを作成することが可能となる。
なお、図4の説明において、「色度値」という文言を用いた。このことは、本発明における記憶色補正では、画像信号の備える属性のうち「彩度、色相」のみが変化するということを意味しない。記憶色補正では、画像信号の備える属性のうち「明度」が変化してもかまわない。
《プロファイルRAM21》
プロファイルRAM21は、プロファイル生成部30が作成する生成プロファイルデータd6を取得し、制御部14のカウント信号c11により指定されるアドレスに格納する(図2参照)。ここで、生成プロファイルデータd6は、生成プロファイルデータd6を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd10または第2の選択プロファイルデータd11と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
以上により、処理X1〜処理X3を実現する基本色変換プロファイルに基づいて、任意の処理度合いの処理Xkを実現する新たな色変換プロファイルが作成される。
《色処理実行部16》
色処理実行部16は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c4で対応するアドレスを指定することで、プロファイルRAM21に格納される色変換プロファイルのデータである処理用プロファイルデータd7を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。具体的には、それぞれが8ビットで表される画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットの値に対応する処理用プロファイルデータd7を読み出す。さらに、読み出した処理用プロファイルデータd7を画像信号値(R0,G0,B0)の下位3ビットの値を用いて3次元補間することにより出力信号d3が得られる。
〈方法〉
図5を用いて、画像処理装置10において実行される画像処理方法について説明する。
ユーザは、処理度設定部18を用いて、色処理の程度の目標を設定する。設定された目標処理度d8は、制御部14に出力される(ステップS100)。
制御部14からのカウント信号c10により、基本プロファイル群記憶部12のアドレスが一定のカウント周期で指定され、基本プロファイル群記憶部12において、指定されたアドレスに格納されている画像信号値が読み出される(ステップS101)。具体的には、処理Xを実現する色変換プロファイルを生成する場合には、基本色変換プロファイル22bと基本色変換プロファイル22a又は22cとのアドレスが指定される。指定された2つの基本色変換プロファイルは、それぞれ第1の選択プロファイルデータd10、第2の選択プロファイルデータd11としてプロファイル生成部30に読み出される。
プロファイル生成部30は、制御部14から合成度を指定する制御信号c12を取得する(ステップS102)。目標処理度d8と制御信号c12との関係については、上述したので詳しい説明は省略する。
プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10の値[m]および第2の選択プロファイルデータd11の値[n]に対して、制御信号c12が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成プロファイルデータd6を作成する(ステップS103)。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。
プロファイルRAM21に対して生成プロファイルデータd6が書き込まれる(ステップS104)。ここで、書き込み先のアドレスは、プロファイルRAM21に与えられる制御部14のカウント信号c11により指定される。
制御部14は、基本色変換プロファイルが備える全ての(R0,G0,B0)のデータについての処理が終了したか否かを判断し(ステップ105)、終了するまでステップS101からステップS105の処理を繰り返す。
また、このようにしてプロファイルRAM21に新たな色変換プロファイル格納した後で、色処理実行部16は生成プロファイルデータd6に基づいて、画像信号d2の色処理を実行する(ステップS106)。
〈効果〉
(1)
記憶色補正では、画像信号d2の持つ(明度、彩度、色相)の3つの属性のうち、少なくとも2つの属性についての色処理が行われる。このため、本発明の画像処理装置10により、肌色の記憶色補正の補正傾向の調整を、それぞれ1つの目標処理度d8を与えるだけで行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整してそれぞれの記憶色補正を行う場合に比して、簡易に記憶色補正の調整を行うことが可能となる。
さらに、本発明の画像処理装置10では、それぞれの属性を独立に調整してそれぞれの記憶色補正を行う場合に比して、素早く調整を行うことが可能となる。これにより、画像信号d2が動画であり、シーンの変化が速い場合などであっても、適切に調整を行うことが可能となる。
(2)
本発明の記憶色補正では、複数の基本色変換プロファイルをカスタマイズすることにより生成される色変換プロファイルである処理用プロファイルデータd7が用いられる。すなわち、複数の基本色変換プロファイルが実現する記憶色補正の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
このため、適切な基本色変換プロファイルを用いつつ、任意の程度の記憶色補正を実現することが可能となる。すなわち、適切な記憶色補正を、簡易に調整して行うことが可能となる。
基本色変換プロファイルのカスタマイズに際しては、基本色変換プロファイルを目標処理度d8に基づいて内分する。このため、基本色変換プロファイルに基づいた適切な記憶色補正を実現する色変換プロファイルを生成することが可能となる。
(3)
画像処理装置10においては、基本プロファイル群記憶部12において、少数の基本色変換プロファイル22a〜22cを備えるだけで、任意の処理度合いの記憶色補正を実現することが可能となる。このため、少数の基本色変換プロファイル以外には、あらかじめ処理度合いを異ならせた色変換プロファイルを用意しておく必要がなく、基本プロファイル群記憶部12の記憶容量を削減することが可能となる。
(4)
プロファイル作成実行部20は、処理度設定部18により設定された目標処理度d8に基づいて、それぞれの基本色変換プロファイルにおける対応する要素どうしを内分あるいは外分し、新たな色変換プロファイルの各要素の値を決定する。このため、基本色変換プロファイルの合成度合いを任意に変更することにより、任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルを作成することが可能となる。
(5)
画像処理装置10においては、基本色変換プロファイルが複数の色処理を組み合わせて実現する場合、複数の色処理を順次実行するのに比して要する時間を短縮することが可能となる。また、複数の色処理のうちの少なくとも一部の色処理については、任意の処理度合いで実行することが可能となる。
〈変形例〉
本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(1)
上記実施形態では、処理度設定部18は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、画像処理装置10の表示画面などに表示されるスライディングバーにより設定させる、と説明した。ここで、処理度設定部18の構成は、これに限定されるものではない。例えば、ソフトではなく、ハードにより構成されるスライディングバーであってもよい。また、つまみなどにより構成され、つまみを回転させることにより色処理の程度の目標を与えるものであっても良い。具体的には、図22に従来技術として示したような調整用のつまみを少なくとも1つ備え、つまみの回転角度で、色処理の程度の目標を与える。
さらに、処理度設定部18は、画像処理装置10と一体として構成されていなくても良い。例えば、画像処理装置10の外部において、接続されているものであっても良い。この場合の接続は、インターネットなど公衆回線による接続であってもよいし、専用回線による接続であっても良い。
(2)
上記実施形態では、処理度設定部18は、調整スケール110の設定に応じて、プロファイル群22に対する目標処理度d8を出力すると説明した。ここで、基本プロファイル群記憶部12がプロファイル群をさらに有する場合、例えば、緑色や空色の記憶色補正を行うプロファイル群をさらに有する場合、目標処理度d8には、出力される値がいずれのプロファイル群に対する値であるかを示すフラグが付されていても良い。
この場合、制御部14は、目標処理度d8のフラグを用いて、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを指定する。
なお、処理度設定部18は、プロファイル群の個数に対応する数の調整スケールを有していてもよい。また、1つの調整スケールを有するのみであっても、いずれのプロファイル群に対する値の設定が行われるかを示すためのチェックボックスをさらに有していてもよい。
(3)
上記実施形態では、処理度設定部18が出力する値は、−1〜+1の範囲であると説明した。ここで、本発明の効果は、この値に限定されるものではない。例えば、処理度設定部18は、0〜+1など、正あるいは負のいずれかの値のみを出力するものであっても良い。この場合、制御部14は、値[+0.5]を境界として、内分に用いる基本色変換プロファイルを切り替えても良い。
また、処理度設定部18は、−1〜+1の範囲を超える値を出力するものであっても良い。例えば、処理度設定部18は、−1.5〜+1.5の範囲の値を出力してもよい。この場合、−1〜+1の範囲を超える値に対して、プロファイル生成部30では、基本色変換プロファイルの外分が行われることとなる。
また、上記実施形態では、スライディングバーの位置に対応づけられた値は、スライディングバーの中央からの距離に比例する値であると説明した。ここで、スライディングバーの位置に対応づけられた値は、スライディングバーの中央からの位置に非線形な値であってもよい。この場合、例えば、デフォルトの基本色変換プロファイルに対して大きな重みを与える内分をより微妙に調整することが可能となる。
(4)
上記実施形態では、処理Xを記憶色補正であるとして説明した。ここで、本発明の効果は、処理Xの内容に限定されるものではない。すなわち、処理Xは、表示色変換処理、色域変換処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などであってもよい。
また、記憶色補正であっても、上記実施形態で説明した肌色だけでなく、緑色、空色などについての記憶色補正であってもよい。この場合、緑色についての記憶色補正を実現するプロファイル群では、緑色についてのデフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイル、緑色を黄色味に変換する基本色変換プロファイル、緑色を青色味に変換する基本色変換プロファイルを備える。また、空色についての記憶色補正を実現するプロファイル群では、空色についてのデフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイル、空色を水色味に変換する基本色変換プロファイル、空色を赤色味に変換する基本色変換プロファイルを備える。
(5)
上記実施形態では、処理度設定部18により、記憶色補正の補正傾向を目標処理度d8として設定させる場合について説明した。すなわち、基本色変換プロファイルのそれぞれが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの方向は、それぞれ異なっており、作成された色変換プロファイルが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの方向は、任意の方向となり得る。
ここで、処理度設定部18は、記憶色補正の補正強度を目標処理度d8として設定するものであっても良い。これについて、図6を用いて説明する。
図6(a)は、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイルにより色度値が変換される様子を示している。図6(a)では、色度値Lが色度値Mに変換されている。
図6(b)は、基本色変換プロファイルの内分あるいは外分により作成された色変換プロファイルにより色度値Lが変換される様子を示している。なお、図では、色度値Lが変換される様子についてのみ示しているが、他の色度値についても同様である。
具体的には、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイルと、色度値を同じ色度値に変換する基本色変換プロファイル(補正を行わない基本色変換プロファイル)とを内分あるいは外分することにより、任意の補正強度の記憶色補正を実現する色変換プロファイルが作成される。この色変換プロファイルにより、色度値Lは、色度値M’あるいは色度値M”に変換される。すなわち、内分が行われた場合には、色度値Lは、色度値M’に変換され、外分が行われた場合には、色度値Lは、色度値M”に変換される。
ここで、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイルが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルは、作成された色変換プロファイルが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルと同じ方向のベクトルであるが、その大きさが異なっている。
以下、図6で説明した色処理を実現するための装置について説明する。なお、上記した画像処理装置10の各部と同様の機能を有する部分には、同じ記号を付して説明する。
基本色変換プロファイルは、基本プロファイル群記憶部12に格納されている。プロファイル生成部30は、色度値を同じ色度値に変換する基本色変換プロファイルを第1の選択プロファイルデータd10として、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイルを第2の選択プロファイルデータd11として取得する。さらに、制御部14から制御信号c12により、目標処理度d8の値が合成度として取得される。
目標処理度d8は、処理度設定部18により設定される補正強度の値である。すなわち、目標処理度d8の値により、デフォルトの記憶色補正を実現する基本色変換プロファイルが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの大きさと、作成された色変換プロファイルが実現する色処理の前後における画像信号の値を結ぶベクトルの大きさとの比が与えられることになる。
また、処理度設定部18の構成については、上記実施形態で示したのとほぼ同様である。すなわち、処理度設定部18は、図3に示したのと同様の調整スケールにより、ユーザに対して補正強度の設定を行わせる。一例として、補正強度の設定は、図7に示す調整スケール110’により行われる。調整スケール110’は、画像処理装置10が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、ユーザの操作により補正強度の目標が設定される。この際、処理度設定部18は、スライディングバーの位置に対応づけられた値を持つ目標処理度d8を出力する。目標処理度d8は、スライディングバーが中央に設定されている場合には、値[1]として出力される。また、スライディングバーが中央より右側に設定されている場合には、スライディングバーの中央からの距離に比例する値であって、値[1]を超え、かつ、値[2]以下の値として出力される。さらに、スライディングバーが中央より左側に設定されている場合には、スライディングバーの中央からの距離に比例する値であって、値[0]以上、かつ、値[1]未満の値として出力される。
プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10の値[m]および第2の選択プロファイルデータd11の値[n]に対して、制御信号c12が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成プロファイルデータd6を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。なお、値[k]は、目標処理度d8の値と同じ値である。値[k]が0≦k≦1を満たす場合には、第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とは内分され、値[k]がk>1を満たす場合には、第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とは外分されることとなる。
以上により、任意の補正強度の記憶色補正を実現する色変換プロファイルが作成される。
なお、ここで説明した目標処理度d8の値の範囲は、一例であり、本発明の効果は、この場合に限定されるものではない。すなわち、目標処理度d8は、値[0]未満の値をとっても良いし、値[2]を超える値をとっても良い。この場合にも、上記と同様の計算により、生成プロファイルデータd6の値[l]が決定される。
(6)
上記実施形態では、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、色処理が行われると説明した。ここで、本発明の効果は、この色空間に限定されるものではない。すなわち、画像信号d2は、例えば、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、CIELabなどの色空間で表現されていてもよい。この場合、画像信号d2の色空間に応じた基本色変換プロファイルが用いられ、色変換プロファイルが作成される。
(7)
上記実施形態では、プロファイル群22は、3種類の基本色変換プロファイルを備えると説明した。ここで、プロファイル群22が備える基本色変換プロファイルの個数は、これに限定されない。例えば、2種類の基本色変換プロファイルを備えていてもよいし、さらに多くの基本色変換プロファイルを備えていてもよい。
2種類の基本色変換プロファイルを備える場合は、処理度設定部18で設定された目標処理度d8の値により、備えられる2種類の基本色変換プロファイルが内分され、色処理の実行に用いられる色変換プロファイルが作成される。また、さらに多くの基本色変換プロファイルを備える場合は、処理度設定部18で設定された目標処理度d8の値により、備えられる基本色変換プロファイルのうちの2種類の基本色変換プロファイルが内分され、色処理の実行に用いられる色変換プロファイルが作成される。
また、基本プロファイル群記憶部12は、プロファイル群22を備えると説明した。ここで、基本プロファイル群記憶部が備えるプロファイル群の個数は、これに限定されない。例えば、さらに多くのプロファイル群を備えていてもよい。
また、多くのプロファイル群を備える場合、同じ個数の色処理部13を直列的に備えることにより、それぞれのプロファイル群を用いた色処理を直列的に実現することも可能である。例えば、肌色、緑色、空色のそれぞれの記憶色補正を重畳的に実現することも可能である。この場合、処理度設定部18は、それぞれのプロファイル群に対する処理度を設定させる。
(8)
画像処理装置10は、視覚処理部11を備えていると説明した。ここで、画像処理装置10は、視覚処理部11を備えないものであっても良い。この場合、入力信号d1が直接色処理部13に入力されることとなる。
また、視覚処理部11における空間処理は、入力信号d1における着目画素と着目画素の周辺画素との平均値(単純平均または加重平均)を計算することにより行われるものであっても良い。
(9)
色処理実行部16における処理は、上記実施形態で説明したものに限られない。例えば、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して処理用プロファイルデータd7を体積補間する方法により出力信号d3を得るものであってもよい。
(10)
上記実施形態では、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c4で対応するアドレスを指定すると説明した。ここで、カウント信号c4は、色処理実行部16から与えられるもので無くてもよい。例えば、制御部14が画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、プロファイルRAM21のアドレスを指定するものであってもよい。
(11)
上記実施形態では、プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10および第2の選択プロファイルデータd11を取得し、それぞれの値を内分(外分)して新たな色変換プロファイルを生成する、と説明した。
ここで、それぞれのプロファイルデータの内分(外分)に際して、プロファイルデータに含まれるデータのうち、特定部分のデータのみが内分(外分)されるものであってもよい。特定部分のデータとは、ルックアップテーブルなどのプロファイルデータのうちの一部のデータを意味し、具体的には、基本プロファイル群記憶部12の特定のアドレスから取得されるデータ、あるいはプロファイルRAMの特定のアドレスに格納されるデータなどを意味している。
プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とを順次取得する。このとき、プロファイル生成部30は、これらのデータが基本プロファイル群記憶部12の特定のアドレスから取得されたものであるか否かを判断する。判断結果が肯定的である場合には、それぞれのプロファイルデータを内分(外分)し、生成プロファイルデータd6を作成する。一方、判断結果が否定的である場合には、それぞれのプロファイルデータのうち、予め定められた一方のデータを生成プロファイルデータd6として出力する。例えば、判断結果が否定的である場合には、第1の選択プロファイルデータd10のデータを生成プロファイルデータd6として出力する。
ここで、特定部分の設定は、処理度設定部18により行われる。例えば、処理度設定部18から出力される目標処理度d8に、出力される値がいずれのプロファイル群に対する値であるかを示すフラグが付されている場合、言い換えれば、目標処理度d8により記憶色補正など色補正の対象となる色領域が識別できる場合、プロファイルデータのうち、この色補正を特徴付ける部分のみの変更を行う。
特定部分の設定について、より具体的に説明する。
例えば、色補正の対象となる色毎に調整スケールが設けられている場合に肌色の調整を行う調整スケールが変更されるとする。この場合、基本プロファイル群記憶部12からは、肌色の調整を行う第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とが順次読み出される。処理度設定部18は、それぞれのプロファイルデータにおいて肌色の色変換を特徴付ける部分のアドレスをプロファイル生成部30に対して設定する。この設定は、制御部14を介して行われる。
このように、プロファイルデータの特定部分のみの変更を行う場合、プロファイルの作成に要する計算量を削減することが可能となる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るルックアップテーブルを用いた画像処理装置26について説明する。画像処理装置26は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置26は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
図8は、画像処理装置26における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置26は、色処理部31における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
以下、画像処理装置26における特徴部分である色処理部31、制御部14を介して色処理部31における色処理の程度を設定させる処理度設定部28および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、複数の基本色変換プロファイルを記憶している。図8に示す基本プロファイル群記憶部12は、基本色変換プロファイル40〜42を記憶している。基本色変換プロファイル40〜42は、肌色についての記憶色補正を実現するためのプロファイルである。詳しくは、基本色変換プロファイル40は、黄色味の肌色への記憶色補正を実現するためのプロファイルであり、基本色変換プロファイル41は、白色味の肌色への記憶色補正を実現するためのプロファイルであり、基本色変換プロファイル42は、記憶色補正を行わないプロファイルである。
(色処理部31)
色処理部31は、図2を用いて説明した色処理部13と、プロファイル作成部35の構造において相違している。より詳しくは、プロファイル作成部35が備えるプロファイル作成実行部36が3つのプロファイル生成部37〜39を有する点において、図2を用いて説明したプロファイル作成部15と相違している。
第1のプロファイル生成部37は、第1の選択プロファイルデータd16と第2の選択プロファイルデータd17とを入力とし第1の生成プロファイルデータd20を出力とする。第1の選択プロファイルデータd16とは、基本色変換プロファイル40のデータである。第2の選択プロファイルデータd17とは、基本色変換プロファイル42のデータである。
第2のプロファイル生成部38は、第3の選択プロファイルデータd18と第4の選択プロファイルデータd19とを入力とし第2の生成プロファイルデータd21を出力とする。第3の選択プロファイルデータd18とは、基本色変換プロファイル42のデータである。第4の選択プロファイルデータd19とは、基本色変換プロファイル41のデータである。
第3のプロファイル生成部39は、第1の生成プロファイルデータd20と第2の生成プロファイルデータd21とを入力とし第3の生成プロファイルデータd22を出力とする。
(処理度設定部28)
処理度設定部28は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケールにより設定させる。調整スケールは、画像処理装置26が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、色処理の程度が設定される。調整スケールは、第1実施形態で図3を用いて説明したのと同様であるが、ここでは、記憶色補正の補正強度を調整する第1調整スケール130と、記憶色補正の補正傾向を調整する第2調整スケール131とが備えられている。第1調整スケール130は、第1実施形態〈変形例〉(5)で説明した調整スケールと同様の動作により、第1目標処理度d25を出力する。第2調整スケール131は、第1実施形態で説明した調整スケール110と同様の動作により、第2目標処理度d26を出力する。
〈作用〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c15が入力される。カウント信号c15は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、基本色変換プロファイル40〜42において、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。
(色処理部31)
《プロファイル作成実行部36》
第1のプロファイル生成部37は、第1の選択プロファイルデータd16と第2の選択プロファイルデータd17とに対して、制御信号c17が指定する合成度合いを用いて、第1の生成プロファイルデータd20を生成する。詳しくは、第1実施形態〈変形例〉(5)で説明したのと同様である。ここで、制御信号c17が指定する合成度合いは、第1目標処理度d25の値と同じ値として与えられる。
第2のプロファイル生成部38は、第3の選択プロファイルデータd18と第4の選択プロファイルデータd19とに対して、制御信号c17が指定する合成度合いを用いて、第2の生成プロファイルデータd21を生成する。詳しくは、第1実施形態〈変形例〉(5)で説明したのと同様である。ここで、制御信号c17が指定する合成度合いは、第1目標処理度d25の値と同じ値として与えられる。
これにより、基本色変換プロファイル40と基本色変換プロファイル41との記憶色補正の補正強度を同じ割合だけ変更する2つの色変換プロファイルが作成されることとなる。
第3のプロファイル生成部39は、第1の生成プロファイルデータd20と第2の生成プロファイルデータd21とに対して、制御信号c18が指定する合成度合いを用いて、第3の生成プロファイルデータd22を作成する。詳しくは、第1実施形態でプロファイル生成部30について説明したのとほぼ同様であり、第1の生成プロファイルデータd20の値[m]および第2の生成プロファイルデータd21の値[n]に対して、制御信号c18が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の第3の生成プロファイルデータd22を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。すなわち、値[k]は、0≦k≦1を満たし、第1の生成プロファイルデータd20と第2の生成プロファイルデータd21とは内分されることとなる。ここで、制御信号c18が指定する合成度合いは、第2目標処理度d26と同じ値として与えられる。
《プロファイルRAM21》
プロファイルRAM21は、第3のプロファイル生成部39が作成する第3の生成プロファイルデータd22を取得し、制御部14のカウント信号c16により指定されるアドレスに格納する。ここで、第3の生成プロファイルデータd22は、第3の生成プロファイルデータd22を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd16〜第4の選択プロファイルデータd19と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
以上により、記憶色補正について、任意の補正強度と任意の補正傾向とを実現する新たな色変換プロファイルが作成される。
〈効果〉
第2実施形態では、第1実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
(1)
記憶色補正では、画像信号d2の持つ(明度、彩度、色相)の3つの属性のうち、少なくとも2つの属性についての色処理が行われる。画像処理装置26では、補正強度と補正傾向とを任意に調整した記憶色補正を行うことが可能となる。また、それらの調整は、1軸の調整スケールをそれぞれ操作することにより簡易に行うことが可能である。
〈変形例〉
(1)
上記実施形態では、基本色変換プロファイル40〜42の機能を記憶色補正に限定して記載した。ここで、基本色変換プロファイルは、その他の色処理を実現するプロファイルであってもよい。例えば、基本プロファイル群記憶部12は、2つの異なる色処理である処理Xと処理Yとを同時に実現するための色変換プロファイルを有していても良い。詳しくは、基本プロファイル群記憶部12は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1および処理X2と、処理Yについて処理度合いの異なる処理Y1および処理Y2とをそれぞれ組み合わせた処理を実現する4種類の基本色変換プロファイルを有していても良い。
この場合、処理度設定部18は、それぞれの色処理に対する色処理の程度を設定させることとなる。
なお、処理Xあるいは処理Yとは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理である。
また、この場合に基本プロファイル群記憶部12は、4種類の基本色変換プロファイルのみを備えるもので無くても良い。すなわち、基本プロファイル群記憶部12は、さらに複数の基本色変換プロファイルを備えていてもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態に係るルックアップテーブルを用いた画像処理装置45について説明する。画像処理装置45は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置45は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
図9は、画像処理装置45における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置45は、第2実施形態に係る画像処理装置26と同様に、色処理部46における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
さらに、画像処理装置45は、基本色変換プロファイルから作成された複数の色変換プロファイルを合成することにより新たな色変換プロファイルを作成する点において特徴を有している。
以下、画像処理装置45における特徴部分である色処理部46および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、それぞれの色処理についての処理度合いを調整する処理度設定手段58については、第1実施形態およびその変形例で示した処理度設定手段18とほぼ同様であるため詳しい説明は省略する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、それぞれ2つの基本色変換プロファイルからなる2つのプロファイル群22,23を記憶している。プロファイル群22は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2とを実行するための2つの基本色変換プロファイル22a,22bを備えている。プロファイル群23は、処理Yについて処理度合いの異なる処理Y1と処理Y2とを実行するための2つの基本色変換プロファイル23a,23bを備えている。
ここで、処理Xあるいは処理Yとは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである。また、プロファイル群および基本色変換プロファイルについては、第1実施形態で説明したのと同様である。
(色処理部46)
色処理部46は、図2を用いて説明した色処理部13と、プロファイル作成部50の構造において相違している。より詳しくは、プロファイル作成部50が備えるプロファイル作成実行部51の構造において相違している。
プロファイル作成実行部51は、第1のプロファイル生成部52と、変換部53と、第2のプロファイル生成部54と、プロファイルRAM55と、プロファイル合成部56とを有している。
第1のプロファイル生成部52は、第1の選択プロファイルデータd32と第2の選択プロファイルデータd33とを入力とし第1の生成プロファイルデータd34を出力とする。第1の選択プロファイルデータd32とは、処理X1を実現する基本色変換プロファイル22aのデータである。第2の選択プロファイルデータd33とは、処理X2を実現する基本色変換プロファイル22bのデータである。
変換部53は、第1の生成プロファイルデータd34を入力とし、第1の生成プロファイルデータd34に対してガンマ補正などの変換処理を行った変換プロファイルデータd35を出力とする。
第2のプロファイル生成部54は、第3の選択プロファイルデータd36と第4の選択プロファイルデータd37とを入力とし第2の生成プロファイルデータd38を出力とする。第3の選択プロファイルデータd36とは、処理Y1を実現する基本色変換プロファイル23aのデータである。第4の選択プロファイルデータd37とは、処理Y2を実現する基本色変換プロファイル23bのデータである。
プロファイルRAM55は、第2の生成プロファイルデータd38を入力とし合成用プロファイルデータd39を出力とする。
プロファイル合成部56は、変換プロファイルデータd35と合成用プロファイルデータd39を入力とし第3の生成プロファイルデータd40を出力とする。
(処理度設定部58)
処理度設定部58は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケールにより設定させる。調整スケールは、画像処理装置45が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、色処理の程度が設定される。
調整スケールは、第1実施形態で図3を用いて説明したのと同様であるが、ここでは、第1のプロファイル生成部52に対する合成度合いを設定するための第1調整スケール134と、第2のプロファイル生成部54に対する合成度合いを設定するための第2調整スケール135とが備えられている。第1調整スケール134および第2調整スケール135は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)で説明した調整スケールと同様の動作により、第1目標処理度d42および第2目標処理度d43を制御部14に出力する。
制御部14は、取得した第1目標処理度d42および第2目標処理度d43に基づいて、第1のプロファイル生成部52と第2のプロファイル生成部54とにプロファイルの合成度合いを指定するための制御信号c35と制御信号c36を出力する。
ここで、それぞれの目標処理度の値とそれぞれの制御信号との値との関係は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)に示したのと同様である。
なお、目標処理度の値と制御信号の値とは、基本プロファイル群12の備えるプロファイル群の処理内容に応じてその範囲が定められる。
〈作用〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c31およびc32が入力される。カウント信号c31およびc32は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、カウント信号c31により、基本色変換プロファイル22aと22bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。また、カウント信号c32により、基本色変換プロファイル23aと23bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。
(色処理部46)
《プロファイル作成実行部51》
第1のプロファイル生成部52は、第1の選択プロファイルデータd32と第2の選択プロファイルデータd33とに対して、制御信号c35が指定する合成度合いを用いて、第1の生成プロファイルデータd34を生成する。詳しくは、第1実施形態でプロファイル生成部30について説明したのと同様である。
これにより、処理Xiを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[i]は、制御信号c35が指定する合成度の値である。
変換部53は、第1の生成プロファイルデータd34に対してガンマ補正などの変換処理を行い変換プロファイルデータd35を出力する。
第2のプロファイル生成部54は、第1のプロファイル生成部52と同様、第3の選択プロファイルデータd36と第4の選択プロファイルデータd37とに対して、制御信号c36が指定する合成度合いを用いて、第2の生成プロファイルデータd38を生成する。
これにより、処理Yjを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[j]は、制御信号c36が指定する合成度の値である。
プロファイルRAM55は、第2のプロファイル生成部54が作成する第2の生成プロファイルデータd38を取得し、制御部14のカウント信号c33により指定されるアドレスに格納する。ここで、第2の生成プロファイルデータd38は、第2の生成プロファイルデータd38を作成するのに用いられた第3の選択プロファイルデータd36および第4の選択プロファイルデータd37と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
これにより、処理Yjを実現する色変換プロファイルがプロファイルRAM55に格納される。
プロファイル合成部56は、変換プロファイルデータd35の値に基づいて、第3の生成プロファイルデータd40を算出する。具体的には、変換プロファイルデータd35の値に関連づけられたプロファイルRAM55に格納される色変換プロファイルの値を第3の生成プロファイルデータd40として出力する。すなわち、プロファイル合成部56は、色処理実行部16と同様の動作を変換プロファイルデータd35の値に対して実行する。より詳しく説明すると、プロファイル合成部56は、変換プロファイルデータd35の値に応じて、カウント信号c40を用いてプロファイルRAM55のアドレスを指定する。さらに、指定されたアドレスに格納されるデータが、合成用プロファイルデータd39として出力される。出力された合成用プロファイルデータd39は、変換プロファイルデータd35の値に応じて補間され、生成プロファイルデータd40が出力される。
以上により、処理Xと処理Yとについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルが作成される。
《プロファイルRAM21》
プロファイルRAM21は、第3の生成プロファイルデータd40を取得し、制御部14のカウント信号c34により指定されるアドレスに格納する。ここで、第3の生成プロファイルデータd40は、第3の生成プロファイルデータd40を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd32および第2の選択プロファイルデータd33と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
以上により、処理Xと処理Yとについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルがプロファイルRAM21に格納される。
〈効果〉
第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
(1)
画像処理装置45においては、例えば、プロファイル群22あるいは23が基本色変換プロファイルをさらに備える場合であっても、基本プロファイル群記憶部12において必要な記憶容量の増加分は、増えた基本色変換プロファイルのデータ量と同じとなる。すなわち、プロファイル群22および23がそれぞれ3つの異なる処理度合いを有する基本色変換プロファイルを有する場合、画像処理装置45では、基本色変換プロファイル6個分の記憶容量があれば十分である。
一方、第2実施形態〈変形例〉(1)で示した画像処理装置26の場合では、3*3=9個分の基本色変換プロファイルの記憶容量が必要となる。
この点において、画像処理装置45では、記憶容量を削減する効果を発揮するといえる。
(2)
画像処理装置45においては、画像信号d2に対してリアルタイムに処理を行う必要があるのは色処理実行部16だけである。このため、例えば、画像信号d2に対して複数回の色処理を順次実行する場合に比して、リアルタイム性に優れた色処理を実現することが可能となる。
〈変形例〉
(1)
プロファイルRAM55とプロファイルRAM21とは、物理的に離れたものである必要はない。すなわち、それぞれは、同じRAM上の異なる領域であってもよい。
(2)
変換部53は、必ずしも備えられなくても良い。また、予め基本色変換プロファイルに組み込まれた処理であってもよい。
(3)
上記実施形態では、基本プロファイル群記憶部12が2つのプロファイル群22,23を備える場合について説明した。ここで、本発明は、さらに多くのプロファイル群を有する場合にも、拡張可能である。例えば、プロファイル群を3つ有する場合には、第3のプロファイル生成部をさらに備え、プロファイル作成実行部51と同様の構造をさらに備えることにより常識的に拡張することが可能である。
この場合、処理度設定部58は、さらに多くの調整スケールを有することとなる。
これにより、さらに多くの色処理を組み合わせた色処理を実現することが可能となる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係るルックアップテーブルを用いた画像処理装置60について説明する。画像処理装置60は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置60は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
図10は、画像処理装置60における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置60は、色処理部61における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
さらに画像処理装置60は、図2に示す色処理部13を2系統備え、複数の色処理を直列的に実行する点に置いて特徴を有している。
以下、画像処理装置60における特徴部分である色処理部61および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、それぞれの色処理についての処理度合いを調整する処理度設定手段74については、第1実施形態およびその変形例で示した処理度設定手段18とほぼ同様であるため詳しい説明は省略する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、それぞれ2つの基本色変換プロファイルからなる2つのプロファイル群22,23を記憶している。プロファイル群22は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2とを実現するための2つの基本色変換プロファイル22a,22bを備えている。プロファイル群23は、処理Yについて処理度合いの異なる処理Y1と処理Y2とを実現するための2つの基本色変換プロファイル23a,23bを備えている。
ここで、処理Xあるいは処理Yとは、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである。また、プロファイル群および基本色変換プロファイルについては、第1実施形態で説明したのと同様である。
(色処理部61)
色処理部61は、図2を用いて説明した色処理部13を2系統備える。より詳しくは、色処理部61は、色処理実行部64と、プロファイル作成部65とを有している。色処理実行部64は、第1の色処理実行部66と第2の色処理実行部67とを有している。プロファイル作成部65は、プロファイルRAM68とプロファイル作成実行部69とを有している。プロファイルRAM68は、第1のプロファイルRAM70と第2のプロファイルRAM71とを有している。プロファイル作成実行部69は、第1のプロファイル生成部72と第2のプロファイル生成部73とを有している。
第1のプロファイル生成部72は、第1の選択プロファイルデータd53と第2の選択プロファイルデータd54とを入力とし第1の生成プロファイルデータd55を出力とする。第1の選択プロファイルデータd53とは、処理X1を実現する基本色変換プロファイル22aのデータである。第2の選択プロファイルデータd54とは、処理X2を実現する基本色変換プロファイル22bのデータである。
第1のプロファイルRAM70は、第1の生成プロファイルデータd55を入力とし第1の処理用プロファイルデータd56を出力とする。
第1の色処理実行部66は、画像信号d2と第1の処理用プロファイルデータd56とを入力とし色処理した画像処理信号d51を出力とする。
第2のプロファイル生成部73は、第3の選択プロファイルデータd57と第4の選択プロファイルデータd58とを入力とし第2の生成プロファイルデータd59を出力とする。第3の選択プロファイルデータd57とは、処理Y1を実現する基本色変換プロファイル23aのデータである。第4の選択プロファイルデータd58とは、処理Y2を実現する基本色変換プロファイル23bのデータである。
第2のプロファイルRAM71は、第2の生成プロファイルデータd59を入力とし第2の処理用プロファイルデータd60を出力とする。
第2の色処理実行部67は、画像処理信号d51と第2の処理用プロファイルデータd60とを入力とし色処理した出力信号d3を出力とする。
(処理度設定部74)
処理度設定部74は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケールにより設定させる。調整スケールは、画像処理装置60が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、色処理の程度が設定される。
調整スケールは、第1実施形態で図3を用いて説明したのと同様であるが、ここでは、第1のプロファイル生成部72に対する合成度合いを設定するための第1調整スケール137と、第2のプロファイル生成部73に対する合成度合いを設定するための第2調整スケール138とが備えられている。第1調整スケール137および第2調整スケール138は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)で説明した調整スケールと同様の動作により、第1目標処理度d62および第2目標処理度d63を制御部14に出力する。
制御部14は、取得した第1目標処理度d62および第2目標処理度d63に基づいて、第1のプロファイル生成部72と第2のプロファイル生成部73とにプロファイルの合成度合いを指定するための制御信号c55と制御信号c56を出力する。
ここで、それぞれの目標処理度の値とそれぞれの制御信号との値との関係は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)に示したのと同様である。
なお、目標処理度の値と制御信号の値とは、基本プロファイル群12の備えるプロファイル群の処理内容に応じてその範囲が定められる。
〈作用〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c51およびc52が入力される。カウント信号c51およびc52は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、カウント信号c51により、基本色変換プロファイル22aと22bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。また、カウント信号c52により、基本色変換プロファイル23aと23bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。
(色処理部61)
《第1のプロファイル生成部72》
第1のプロファイル生成部72は、第1の選択プロファイルデータd53と第2の選択プロファイルデータd54とに対して、制御信号c55が指定する合成度合いを用いて、第1の生成プロファイルデータd55を生成する。詳しくは、第1実施形態でプロファイル生成部30について説明したのと同様である。
これにより、処理Xiを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[i]は、制御信号c55が指定する合成度の値である。
《第1のプロファイルRAM70》
第1のプロファイルRAM70は、第1の生成プロファイルデータd55を取得し、制御部14のカウント信号c53により指定されるアドレスに格納する。ここで、第1の生成プロファイルデータd55は、第1の生成プロファイルデータd55を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd53および第2の選択プロファイルデータd54と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
以上により、処理Xについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルが格納される。
《第1の色処理実行部66》
第1の色処理実行部66は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c57で対応するアドレスを指定することで、第1のプロファイルRAM70に格納される色変換プロファイルのデータである第1の処理用プロファイルデータd56を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。具体的には、それぞれが8ビットで表される画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットの値に対応する第1の処理用プロファイルデータd56を読み出す。さらに、読み出した第1の処理用プロファイルデータd56を画像信号値(R0,G0,B0)の下位3ビットの値を用いて3次元補間することにより画像処理信号d51が得られる。
《第2のプロファイル生成部73、第2のプロファイルRAM71、第2の色処理実行部67》
上記第1のプロファイル生成部72、第1のプロファイルRAM70、第1の色処理実行部66について説明したのと同様にして処理Yj([j]は、制御信号c56が指定する合成度の値)を実現する色変換プロファイルが作成される。さらに、第2の色処理実行部67では、画像処理信号d51の画像信号値(R0’,G0’,B0’)に応じて、カウント信号c58で対応するアドレスを指定することで、第2のプロファイルRAM71に格納される色変換プロファイルのデータである第2の処理用プロファイルデータd60を取得し、画像処理信号d51の色処理を実行する。
〈効果〉
第4実施形態では、第1実施形態および第2実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
(1)
画像処理装置60においては、例えば、プロファイル群22あるいは23が基本色変換プロファイルをさらに備える場合であっても、基本プロファイル群記憶部12において必要な記憶容量の増加分は、増えた基本色変換プロファイルのデータ量と同じとなる。すなわち、プロファイル群22および23がそれぞれ3つの異なる処理度合いを有する基本色変換プロファイルを有する場合、画像処理装置60では、基本色変換プロファイル6個分の記憶容量があれば十分である。
一方、第2実施形態〈変形例〉(1)で示した画像処理装置26の場合では、3*3=9個分の基本色変換プロファイルの記憶容量が必要となる。
この点において、画像処理装置60では、記憶容量を削減する効果を発揮するといえる。
〈変形例〉
(1)
画像処理装置60は、図2を用いて説明した色処理部13を2系統直列的に配した構造を有すると説明した。このことは、必ずしも2倍のハードウェア構成が必要とされるという意味ではない。すなわち、プロファイル作成実行部69、プロファイルRAM68、色処理実行部64は、それぞれ同一のハードウェアで構成されていてもよい。この場合、各部におけるデータは順次処理されることとなる。
これにより、色処理のリアルタイム性は低減するが、ハードウェアコストは削減される。
(2)
上記実施形態では、基本プロファイル群記憶部12が2つのプロファイル群22,23を備える場合について説明した。ここで、本発明は、さらに多くのプロファイル群を有する場合にも、拡張可能である。例えば、プロファイル群を3つ有する場合には、図2を用いて説明した色処理部13を3系統直列的に配した構造を有することとなる。
この場合、処理度設定部74は、さらに多くの調整スケールを有することとなる。
これにより、さらに多くの色処理を組み合わせた色処理を実現することが可能となる。
[第5実施形態]
第5実施形態に係るルックアップテーブルを用いた画像処理装置75について説明する。画像処理装置75は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置75は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
図11は、画像処理装置75における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置75は、色処理部76における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
さらに、画像処理装置75は、図10に示した色処理実行部64に比して、色処理実行部78において色処理を並列に実行し、実行結果の画像信号値を補間する点において特徴を有している。
以下、画像処理装置75における特徴部分である色処理部76および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、それぞれの色処理についての処理度合いを調整する処理度設定手段95については、第1実施形態およびその変形例で示した処理度設定手段18とほぼ同様であるため詳しい説明は省略する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
図11に示す基本プロファイル群記憶部12は、基本色変換プロファイル96〜99を記憶している。詳しくは、第2実施形態〈変形例〉(1)において説明した4種類の基本色変換プロファイルを記憶する基本プロファイル群記憶部12と同様であるため、説明を省略する。
(色処理部76)
色処理部76は、図10を用いて説明した色処理部61と、色処理実行部78の構造において相違している。プロファイルRAM85およびプロファイル作成実行部90は、図10を用いて説明したプロファイルRAM68およびプロファイル作成実行部69と同様の構造を有しているため、詳しい説明は省略する。
プロファイルRAM85およびプロファイル作成実行部90と、図10を用いて説明したプロファイルRAM68およびプロファイル作成実行部69との相違点は、取り扱うデータである。
具体的には、以下の点において相違する。第1には、第1〜第4の選択プロファイルデータd68,d69,d73,d74は、それぞれ基本色変換プロファイル96〜99のデータである点において相違する。
第2には、第1のプロファイル生成部91および第2のプロファイル生成部92は、処理Xiと処理Y1とを実現する第1の生成プロファイルデータd70および処理Xiと処理Y2とを実現する第2の生成プロファイルデータd75とを作成する点において相違する。すなわち、第1のプロファイル生成部91と第2のプロファイル生成部92とに対して、制御信号c67により同じ合成度が指定される。
第3には、第1のプロファイルRAM86および第2のプロファイルRAM87は、第1の生成プロファイルデータd70および第2の生成プロファイルデータd75を格納し、それぞれ第1の処理用プロファイルデータd71および第2の処理用プロファイルデータd76を出力する点において相違する。
《色処理実行部78》
色処理実行部78は、第1の色処理実行部80と、第2の色処理実行部81と、画素値補間部82とを備えている。
第1の色処理実行部80は、画像信号d2と第1の処理用プロファイルデータd71とを入力とし色処理された第1の画像処理信号d65を出力とする。第2の色処理実行部81は、画像信号d2と第2の処理用プロファイルデータd76とを入力とし色処理された第2の画像処理信号d66を出力とする。画素値補間部82は、第1の画像処理信号d65と第2の画像処理信号d66とを入力とし出力信号d3を出力とする。
(処理度設定部95)
処理度設定部95は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケールにより設定させる。調整スケールは、画像処理装置75が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、色処理の程度が設定される。
調整スケールは、第1実施形態で図3を用いて説明したのと同様であるが、ここでは、第1のプロファイル生成部91および第2のプロファイル生成部92に対する合成度合いを設定するための第1調整スケール140と、第1の画像処理信号d65と第2の画像処理信号d66との合成度合いを設定するための第2調整スケール141とが備えられている。第1調整スケール140および第2調整スケール141は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)で説明した調整スケールと同様の動作により、第1目標処理度d78および第2目標処理度d79を制御部14に出力する。
制御部14は、取得した第1目標処理度d78および第2目標処理度d79に基づいて、第1のプロファイル生成部91および第2のプロファイル生成部92にプロファイルの合成度合いを指定するための制御信号c67と、第1の画像処理信号d65と第2の画像処理信号d66との合成度合いを指定するための制御信号c68とを出力する。
ここで、それぞれの目標処理度の値とそれぞれの制御信号との値との関係は、第1実施形態あるいは第1実施形態〈変形例〉(5)に示したのと同様である。
なお、目標処理度の値と制御信号の値とは、基本プロファイル群12の備えるプロファイル群の処理内容に応じてその範囲が定められる。
〈作用〉
以下、画像処理装置75における特徴部分である色処理実行部78についての動作を説明する。
(色処理実行部78)
第1の色処理実行部80は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c69で対応するアドレスを指定することで、第1のプロファイルRAM86に格納される色変換プロファイルのデータである第1の処理用プロファイルデータd71を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。第1の色処理実行部80は、図2に示す色処理実行部16と同様の動作を行うため、詳細な説明は省略する。
これにより、画像信号d2に対して、処理Xiと処理Y1とが実行された第1の画像処理信号d65が出力される。
第2の色処理実行部81は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c70で対応するアドレスを指定することで、第2のプロファイルRAM87に格納される色変換プロファイルのデータである第2の処理用プロファイルデータd76を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。第2の色処理実行部81は、図2に示す色処理実行部16と同様の動作を行うため、詳細な説明は省略する。
これにより、画像信号d2に対して、処理Xiと処理Y2とが実行された第2の画像処理信号d66が出力される。
画素値補間部82は、第1の画像処理信号d65と第2の画像処理信号d66とを制御信号c68により指定される合成度合いにより補間する。
これにより、画像信号d2に対して処理Xiと処理Yjとが実行された出力信号d3が出力される。ここで、[j]は、制御信号c68により指定される合成度の値である。
〈効果〉
第5実施形態では、第1実施形態および第2実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
(1)
画素値補間部82では、第1の画像処理信号d65の画素値と第2の画像処理信号d66の画素値とを制御信号c68により指定される合成度合いにより補間する。このため、3次元補間により画像信号に対して色処理を行うのに比して、出力信号d3の計算が簡易となる。すなわち、制御信号c68を用いて処理Yの処理度合いをリアルタイムに変化させることが可能となる。
(2)
本発明の効果は、基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルの個数に限定されるものではない。すなわち、図11に示す基本プロファイル群記憶部12よりも、さらに多くの基本色変換プロファイルを備え、さらに多くの色処理を重畳的に組み合わせた色処理を実現するように拡張することも可能である。
この場合、処理度設定部95は、さらに多くの調整スケールを有することとなる。
[第6実施形態]
第6実施形態に係るマトリクス演算を用いた画像処理装置150について説明する。画像処理装置150は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置150は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
図12は、画像処理装置150における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置150は、色処理実行部156がマトリクス演算により色処理を行う点、および、色処理の処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
以下、画像処理装置150における特徴部分である色処理部153、制御部154を介して色処理部153における色処理の程度を設定させる処理度設定部172および基本マトリクス群記憶部152が備える基本色変換マトリクスについて説明する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈構成〉
図12に示す画像処理装置150は、色処理の基本となる基本色変換マトリクスを格納し、選択された基本色変換マトリクスのデータである選択マトリクスデータd110とd111とを出力とする基本マトリクス群記憶部152と、画像信号d2と選択マトリクスデータd110,d111とを入力とし色処理された出力信号d3を出力する色処理部153と、各部に制御信号c110〜c112を与える制御部154と、色処理部153における色処理の程度を設定させる処理度設定部172とを備えている。
(基本マトリクス群記憶部152)
基本マトリクス群記憶部152は、複数の基本色変換マトリクスからなるマトリクス群を記憶している。図12に示す画像処理装置150では、2つの基本色変換マトリクスからなるマトリクス群162を記憶している。マトリクス群162は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2とを実現するための2つの基本色変換マトリクス162aと162bとを備えている。以下、処理Xは、肌色についての記憶色補正であるとして説明を行う。
基本マトリクス群記憶部152に記憶される基本色変換マトリクスは、画像処理装置の外部のパーソナルコンピュータ(PC)などにおいて予め算出されている。基本マトリクス群記憶部152は、ROM、書き換え・データ更新が可能な記憶媒体(RAM、ハードディスクなど)、あるいは画像処理装置150から取り外し可能な記憶媒体(メモリカードなど)で構成されており、あらかじめ算出された基本色変換マトリクスを読み込んでいる。また、基本マトリクス群記憶部152の書き換え・データ更新が可能な場合、外部のネットワークに接続することで、外部より自由に基本色変換マトリクスを更新させることができる。
《マトリクス群》
マトリクス群について説明する。マトリクス群とは、同じ色処理について色処理の程度を異ならせた基本色変換マトリクスから構成されるグループである。マトリクス群は、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理を実現する機能、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理を実現する機能を有している。例えば、マトリクス群162の場合、基本色変換マトリクス162aと162bとは、異なる補正度合いの肌色の記憶色補正を実現する。
より具体的には、基本色変換マトリクス162aが白色味の肌色への記憶色補正を実現するものであり、基本色変換マトリクス162bが黄色味の肌色への記憶色補正を実現するものであるというように、それぞれの基本色変換マトリクスは、同じ機能「肌色の記憶色補正」を有しながら異なる処理度合いを実現する。
《基本色変換マトリクス》
基本色変換マトリクスについて説明する。基本色変換マトリクスは、それぞれ8ビットで表現されるRGB色空間の画像信号値(R0,G0,B0)をLab色空間に変換した信号値(L0,a0,b0)に対して、色処理後の信号値(L1,a1,b1)を与える演算マトリクスである。基本色変換マトリクスは、色処理前の3次元の信号値(L0,a0,b0)に対応する大きさを有する3行3列の係数マトリクスである。
(色処理部153)
色処理部153は、選択マトリクスデータd110,d111を入力とし処理用マトリクスデータd107を出力とするマトリクス作成部155と、画像信号d2と処理用マトリクスデータd107とを入力とし出力信号d3を出力とする色処理実行部156とを有している。
マトリクス作成部155は、選択マトリクスデータd110,d111を入力とし選択マトリクスデータd110,d111に基づいて作成された生成マトリクスデータd106を出力とするマトリクス作成実行部160と、生成マトリクスデータd106を入力として格納し、格納されたデータのうち色処理に用いられるデータである処理用マトリクスデータd107を出力とするマトリクスRAM161とから構成される。マトリクス作成実行部160は、マトリクス生成部170をさらに有している。マトリクス生成部170は、選択マトリクスデータd110,d111を入力とし生成マトリクスデータd106を出力とする。
色処理実行部156は、RGB色空間の画像信号d2(画像信号値(R0,G0,B0))を入力とし、画像信号d2の色空間の変換を行い、Lab色空間の変換画像信号d120(画像信号値(L0,a0,b0))を出力とする色空間変換部157と、変換画像信号d120を入力とし、処理用マトリクスデータd107に基づいてマトリクス演算を行い、Lab色空間の処理画像信号d121(画像信号値(L1,a1,b1))を出力とするマトリクス演算部158と、処理画像信号d121を入力とし、処理画像信号d121の色空間変換を行い、RGB空間の出力信号d3(画像信号値(R1,G1,B1))を出力とする色空間逆変換部159とを備えている。
(処理度設定部172)
処理度設定部172は、ユーザに対して色処理の程度の目標を設定させる。設定された色処理の程度は、目標処理度d108として出力される。
処理度設定部172は、ユーザに対して、色処理の程度の目標を、1軸の調整スケール173により設定させる。調整スケール173は、画像処理装置150が備える表示画面などに表示されるスライディングバーであり、第1実施形態で図3を用いて説明したのと同様である。
〈作用〉
各部の作用について説明する。
(基本マトリクス群記憶部152)
基本マトリクス群記憶部152には、制御部154からのカウント信号c110が入力される。カウント信号c110は、基本マトリクス群記憶部152のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている基本色変換マトリクス162aおよび162bの要素を読み出させる。
アドレスの指定は、2つの基本色変換マトリクス162aおよび162bの対応する要素が同時に読み出されるように行われる。このようにして読み出されたデータは、第1の選択マトリクスデータd110および第2の選択マトリクスデータd111として基本マトリクス群記憶部152から出力される。具体的には、基本色変換マトリクス162aの各要素が第1の選択マトリクスデータd110として出力され、基本色変換マトリクス162bの各要素が第2の選択マトリクスデータd111として出力される。
(処理度設定部172)
処理度設定部172は、ユーザによる調整スケール173の操作により、目標処理度d108を出力する。目標処理度d108の値は、スライディングバーが左端に位置する場合に値[0]を、スライディングバーが右端に位置する場合に値[1]を、その他の位置では、スライディングバーの位置に対応づけられた0より大きく1より小さい値を出力する。
(色処理部153)
《マトリクス生成部170》
マトリクス生成部170は、基本マトリクス群記憶部152から第1の選択マトリクスデータd110および第2の選択マトリクスデータd111を取得する。さらに、制御部154から基本色変換マトリクス162aと162bとの合成度を指定する制御信号c112が与えられる。
制御信号c112では、目標処理度d108の値が合成度の値として与えられる。
マトリクス生成部30は、第1の選択マトリクスデータd110の値[m]および第2の選択マトリクスデータd111の値[n]に対して、制御信号c112が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成マトリクスデータd106を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。すなわち、値[k]は、0≦k≦1を満たし、第1の選択マトリクスデータd110と第2の選択マトリクスデータd111とは内分されることとなる。
《マトリクスRAM161》
マトリクスRAM161は、マトリクス生成部170が作成する生成マトリクスデータd106を取得し、制御部154のカウント信号c111により指定されるアドレスに格納する。ここで、生成マトリクスデータd106は、生成マトリクスデータd106を作成するのに用いられた第1の選択マトリクスデータd110および第2の選択マトリクスデータd111と同じ位置の要素として関連づけられる。
以上により、処理X1,X2を実現する基本色変換マトリクス162a,162bに基づいて、任意の処理度合いの処理Xkを実現する新たな色変換マトリクスが作成される。
《色処理実行部156》
色空間変換部157は、RGB色空間の画像信号d2(画像信号値(R0,G0,B0))を入力とし、画像信号d2の色空間の変換を行い、Lab色空間の変換画像信号d120(画像信号値(L0,a0,b0))を出力とする。
マトリクス演算部158は、変換画像信号d120に対して、マトリクスRAM161に記憶されている新たな色変換マトリクスを用いたマトリクス演算を行う。具体的には、3行3列の基本色変換マトリクス162a,162bを内分することにより得られる3行3列の新たな色変換マトリクスに対して、右側から3行1列の画像信号値(L0,a0,b0)を積算する演算を行う。これにより、3行1列の処理画像信号d121(画像信号値(L1,a1,b1))が得られる。
色空間逆変換部159は、処理画像信号d121を入力とし、処理画像信号d121の色空間変換を行い、RGB空間の出力信号d3(画像信号値(R1,G1,B1))を出力とする。
〈効果〉
(1)
記憶色補正では、画像信号d2の持つ(明度、彩度、色相)の3つの属性のうち、少なくとも2つの属性についての色処理が行われる。本発明の画像処理装置150により、肌色の記憶色補正の程度の調整を、1つの目標処理度d108を与えるだけで行うことが可能となる。すなわち、それぞれの属性を独立に調整してそれぞれの記憶色補正を行う場合に比して、簡易に記憶色補正の調整を行うことが可能となる。
なお、上記実施形態では、基本色変換マトリクス162a,162bが肌色の記憶色補正を実現すると記載した。ここで、本発明の効果は、基本色変換マトリクス162a,162bが実現する色処理が肌色の記憶色補正を実現する場合に限定されるものではない。例えば、基本色変換マトリクス162a,162bが緑色あるいは空色の記憶色補正を実現する場合にも有効であるし、その他、表示色変換処理、色域変換処理、などの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである場合にも有効である。
(2)
本発明の記憶色補正では、複数の基本色変換マトリクスをカスタマイズすることにより生成される色変換マトリクスである処理用マトリクスデータd107が用いられる。すなわち、複数の基本色変換マトリクスが実現する記憶色補正の程度をカスタマイズした色処理を実現することが可能となる。
このため、適切な基本色変換マトリクスを用いつつ、任意の程度の記憶色補正を実現することが可能となる。すなわち、適切な記憶色補正を、簡易に調整して行うことが可能となる。
基本色変換マトリクスのカスタマイズに際しては、基本色変換マトリクスを目標処理度d108に基づいて内分する。このため、基本色変換マトリクスに基づいた適切な記憶色補正を実現する色変換マトリクスを生成することが可能となる。
(3)
画像処理装置150においては、基本マトリクス群記憶部152において、少数の基本色変換マトリクス162a,162bを備えるだけで、任意の処理度合いの記憶色補正を実現することが可能となる。このため、少数の基本色変換マトリクス以外には、あらかじめ処理度合いを異ならせた色変換マトリクスを用意しておく必要がなく、基本マトリクス群記憶部152の記憶容量を削減することが可能となる。
(4)
マトリクス作成実行部160は、処理度設定部172により設定された目標処理度d108に基づいて、それぞれの基本色変換マトリクスにおける対応する要素どうしを内分あるいは外分し、新たな色変換マトリクスの各要素の値を決定する。このため、基本色変換マトリクスの合成度合いを任意に変更することにより、任意の処理度合いを実現する新たな色変換マトリクスを作成することが可能となる。
(5)
画像処理装置150においては、基本色変換マトリクスが複数の色処理を組み合わせて実現する場合、複数の色処理を順次実行するのに比して要する時間を短縮することが可能となる。また、複数の色処理のうちの少なくとも一部の色処理については、任意の処理度合いで実行することが可能となる。
〈変形例〉
本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。また、第1〜第5実施形態で説明した内容を適宜修正して画像処理装置150に適用することが可能である。以下、第6実施形態に特徴的な変形例について説明を加える。
(1)
上記実施形態では、マトリクス群162は、2つの基本色変換マトリクス162a,162bを有すると説明した。ここで、基本色変換マトリクスの個数は、これに限定されない。すなわち、さらに多くの基本色変換マトリクスを有していてもよい。
この場合、処理度設定部172から出力される目標処理度d108の値により、制御部154は、いずれの基本色変換マトリクスを内分あるいは外分するのか判断することとなる。
さらに、基本マトリクス群記憶部152は、複数のマトリクス群を有していてもよい。
この場合、目標処理度d108の値により、制御部154は、いずれのマトリクス群に対する処理度合いが与えられているのか判断することとなる。
(2)
上記実施形態では、マトリクス演算部158は、Lab色空間でのマトリクス演算を行うと説明した。ここで、本発明の効果は、この場合に限定されるものではない。
例えば、RGB、CMYK、YUV、HSB、HSL、CIELuv、などの色空間で表現されていてもよい。
この場合、基本マトリクス群記憶部152は、マトリクス演算が行われる色空間における基本色変換マトリクスを有することとなる。
また、上記実施形態では、基本色変換マトリクスは、色処理前の3次元の信号値(L0,a0,b0)に対応する大きさを有する3行3列の係数マトリクスである、と説明した。ここで、本発明の効果は、この場合に限定されるものではない。すなわち、基本色変換マトリクスの行数および列数は、さらに多いものであっても、さらに少ないものであってもよい。
例えば、基本色変換マトリクスは、色処理前の3次元の信号値(L0,a0,b0)のうちの一部についての変換係数を与えるマトリクスであってもよい。より具体的には、色度値(a0,b0)のみに対する変換係数を与える2行2列の係数マトリクスであってもよい。この場合、画像処理装置150では、色処理の付加削減、基本色変換マトリクスの記憶容量削減などの効果を奏する。
また、例えば、基本色変換マトリクスは、3次元の信号値(L0,a0,b0)に基づく非線形項についての変換係数を与えるマトリクスであってもよい。より具体的には、色処理前の3次元の信号値(L0,a0,b0)だけでなく、(a0*a0,a0*b0,・・・)などといった入力の2乗、あるいはクロスタームなどに対する変換係数を与えるマトリクスであってもよい。この場合、基本色変換マトリクスは、例えば、3行10列など、さらに大きなマトリクスとなる。これにより、画像処理装置150では、色処理の精度を向上させることが可能となる。
(3)
上記実施形態では、目標処理度d108の値は、0以上1以下の値であると説明した。ここで、本発明の効果は、この場合に限定されるものではない。
例えば、スライディングバーが左端に位置する場合に値[0]未満の値(例えば値[−1.5])を、スライディングバーが右端に位置する場合に値[1]を超える値(例えば値[+1.5])を、その他の位置では、スライディングバーの位置に対応づけられた−1.5より大きく+1.5より小さい値を出力するものであっても良い。
制御信号c112では、目標処理度d108の値が合成度の値として与えられており、マトリクス生成部30は、第1の選択マトリクスデータd110の値[m]および第2の選択マトリクスデータd111の値[n]に対して、制御信号c112が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成マトリクスデータd106を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。これにより、0≦k≦1以外の値[k]に対して、第1の選択マトリクスデータd110と第2の選択マトリクスデータd111とは外分されることとなる。
(4)
画像処理装置150は、変換画像信号d120の値に応じて、マトリクス演算を行うか否かを判定する判定部をさらに備えていてもよい。
上記実施形態では、処理用マトリクスデータd107を用いて、すべての値の変換画像信号d120対するマトリクス演算が行われる。このため、肌色の記憶色補正を実現する色変換マトリクスを用いて、緑色、空色などの他の色も同じ補正傾向により色処理されることとなる。
一方、判定部を備え、変換画像信号d120の値、例えば、(a0,b0)の値が所定の領域に含まれる場合のみマトリクス演算を行うこととしてもよい。
これにより、肌色の記憶色補正を実現する色変換マトリクスを変換画像信号d120の値が肌色近傍の場合にだけ適用することが可能となる。
[第7実施形態]
図13〜図21を用いて、第7実施形態に係る画像処理システムについて説明する。画像処理システムは、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
〈構成・作用〉
図13に示す画像処理システム200は、プレビュー表示を行うシステムである。プレビュー表示とは、上記実施形態で説明した画像処理装置10が行う画像処理を確認するための表示である。プレビュー表示は、上記した機器に備えられるあるいは接続されるモニタなどの表示装置において行われる。また、プレビュー表示は、画像処理装置10の調整スケールが操作されたことを検出して、モニタ内のサブ画面に表示されるものであってもよい。
(課題および課題を解決するための手段)
一般に画像処理装置により画像処理された表示する際、表示された画像が不自然に見えることが起こりうる。
例えば、画像処理装置により画像処理された信号が表示される場合、画像処理された信号の色が正確に再現されない場合がある。より具体的には、画像処理された信号の色域がコンピュータなどの表示画面に表示できる色域よりも広い場合や、画像処理された信号の色域がプリンタなどでプリントできる色域よりも広い場合などに、画像処理された信号の色が正確に再現されないということが起こりうる。
また、例えば、画像処理装置により画像処理の程度を調整した場合に、画像処理された信号の階調順が画像処理前の階調順と異なるということが起こりうる。
本発明は、このような不自然な画像の表示を防ぐことを目的とする。具体的には、予めプレビュー表示を行うことにより、画像処理された信号において不自然に表示される可能性のある部分をユーザに簡易に確認させることを課題とする。
以上の課題を解決するため画像処理システム200は、入力信号d1の画像処理を行う画像処理装置10と、入力信号d1と画像処理装置10の出力である出力信号d3とに基づいて、プレビュー表示信号d202を出力する処理領域内再処理部201と、から構成されている。本発明は、特に、処理領域内再処理部201の処理に特徴を有している。
なお、本実施形態では、画像処理システム200は、上記実施形態で説明した画像処理装置10を備えると説明した。しかし本発明は、これに限らず、上記実施形態で説明した他の画像処理装置(例えば、画像処理装置26,45,60,75)や、従来技術で説明した画像処理装置150や、その他従来技術として知られている画像処理装置など、を備えてもよい。このような画像処理装置において、例えば、入力信号d1は、所定の関数あるいはLUTを用いて画像処理される。画像処理には、例えば、所定の色域内の色を検出し、明るさを増加させる処理などがある。このような画像処理では、例えば、ユーザが明るさのゲインなどを入力して画像処理の処理度合を調整してもよいし、デフォルトの調整量で画像処理の処理度合を調整してもよい。
また、本実施形態では、システムへ入力信号d1が入力されるとした。しかし本発明は、これに限らず、例えば、プレビュー表示を行うためのプレビュー用信号であってもよい。プレビュー用信号とは、例えば、入力信号d1をプレビュー用のサイズに縮小した画像信号である。当然、このようなプレビュー用信号が入力される際には、本発明に用いられる画像処理装置は、プレビュー用信号のサイズに応じた処理を行う。
また、図13に示した画像処理システム200では、画像処理装置10と領域処理内再処理部201とを別体であるかのように記載しているが、画像処理装置10と領域処理内再処理部201との構成で共用できる部分があれば、共用してもよい。例えば、それぞれの処理において必要なメモリなどは、共用してもよい。
以下、本発明の特徴部分である処理領域内再処理部201についてさらに詳しい説明を行う。
(処理領域内再処理部201)
図14は、処理領域内再処理部201の構造を説明するブロック図である。処理領域内再処理部201は、入力信号d1の階調順が画像処理後の出力信号d3において保持されているか否かを判断し、保持されていない部分を、ユーザにとって確認容易な方法で表示する。
処理領域内再処理部201は、第1階調順検出部205と、第2階調順検出部206と、階調順比較部207と、選択部208とから構成される。
第1階調順検出部205は、出力信号d3の画素毎の階調順を検出する。第2階調順検出部206は、入力信号d1の画素毎の階調順を検出する。階調順比較部207は、第1階調順検出部205と第2階調順検出部206とで検出された階調順を、画素毎に比較する。選択部208は、階調順比較部207の比較結果に基づいて、出力信号d3において階調順が変化している部分を明示するプレビュー表示信号d202を出力する。
ここで、「階調順」および「その検出方法」について説明する。
階調順とは、入力されるカラー信号(RGB信号、その他の色空間の信号)や、入力される信号の輝度の値の段階(階調)を画素毎に比較した順序である。具体的には、階調順は、階調順の判断対象となる注目画素とその隣接画素との画素値の大小比較を行い検出される。
次に、階調順の検出方法について、図15を用いて説明する。
図15(a)は、注目画素Aに対して決定される隣接画素B〜Eを示している。
図15(a)の場合、注目画素を画素Aとし、AとB(上)、AとC(左)、AとD(右)、AとE(下)という位置関係にある4つの組み合わせに対して、画像処理前の大小関係と画像処理後の大小関係とが判断される。画像処理前の大小関係は、図示しないメモリなどに記憶された入力信号d1のそれぞれの画素値を、第2階調順検出部206が比較することにより判断される。画像処理後の大小関係は、図示しないメモリなどに記憶された出力信号d3のそれぞれの画素値を、第1階調順検出部205が比較することにより判断される。また、それぞれの大小関係は、入力信号d1あるいは出力信号d3のそれぞれの成分ごと(例えば、RGBの各成分ごと)に判断される。
なお、隣接画素の決定方法は、上記の4方向に限らない。例えば、隣接画素は、周辺8画素であっても良いし、斜め4画素であっても良い。また、注目画素Aに対して、上下左右のいずれかの画素が無い場合であれば、無い部分を無視してもよい。
階調順比較部207(図14参照)は、第1階調順検出部205と第2階調順検出部206との判断結果を取得し、4つの組み合わせの全てに対し、各色成分毎に、画像処理の前後の大小関係を比較する。例えば、4つの組み合わせの全てにおいて、いずれの色成分に対しても、画像処理の前後で大小関係が変化していない場合、階調順比較部207は、注目画素Aの階調順が変化していないことを示す信号を選択部208に出力する。一方、4つの組み合わせのいずれかにおいて、1つの色成分であっても、画像処理の前後で大小関係が変化している場合、階調順比較部207は、注目画素Aの階調順が変化していることを示す信号を選択部208に出力する。
ここで、階調順比較部207は、注目画素Aの階調順が変化していないことを示す信号として、例えば、値[0]を出力する。一方、階調順比較部207は、注目画素Aの階調順が変化していることを示す信号として、例えば、値[1]を出力する。なお、階調順比較部207が出力する信号の形式は、これに限らず、注目画素Aの階調順が変化しているか否かを選択部208が識別できる信号であればよい。
また、階調順比較部207が階調順に変化が有った(無かった)と判断する方法は、上記した方法に限らない。例えば、4つの組み合わせのうち所定数の組み合わせについて画像処理の前後で大小関係が変化した場合(しなかった場合)に、階調順が変化した(しなかった)と判断してもよい。また、各色成分のうち所定数の成分について画像処理の前後で大小関係が変化した場合(しなかった場合)に、その画素の組み合わせでは階調順が変化した(しなかった)と判断してもよい。
選択部208は、出力信号d3と、図示しないメモリなどに記憶された所定の画素値であり、所定の変換色を示す変換色信号d203とを入力とし、出力信号d3と変換色信号d203とのいずれかを選択し、選択結果をプレビュー表示信号d202として出力する。ここで、選択部208の選択手順は、以下に説明する手順である。すなわち、階調順比較部207から取得される信号の値が値[0]の場合(階調順の変化無しの場合)、出力信号d3が選択される。一方、階調順比較部207から取得される信号の値が値[1]の場合(階調順の変化有りの場合)、変換色信号d203が選択される。すなわち、選択部208の動作により、プレビュー表示信号d202としては、注目画素Aの階調順に変化が無い場合には、画像処理後の注目画素Aの値(出力信号d3)が出力され、注目画素Aの階調順に変化が有る場合には、画像処理後の注目画素Aの値に変えて、所定の変換色を示す変換色信号d203が出力される。
なお、所定の変換色とは、ユーザが注目画素の階調順が変化したと認識できる限り、どのような色でも良く、例えば、赤、青、緑などの色であってもよい。また、変換色を自動的に設定するための部分を設け、注目画素Aの色を反転させるような色を与えてもよい。
なお、上記では、RGB信号の色成分の全てに対して、階調順が変化したか否かを判断すると記載したが、色空間はこれに限定されない。さらに、輝度信号を作成し、輝度信号のみについて階調順が変化したか否かを判断してもよい。
また、注目画素Aに対する隣接画素の決定方法は、図15(a)に示したものに限らない。例えば、図15(b)のように、注目画素Aに対して、左上、上、右上、左の画素を隣接画素としてもよい(隣接画素F〜J)。この場合、注目画素Aよりも前に入力される画素を隣接画素とし、第1階調順検出部205および第2階調順検出部206における階調順の検出を行うことが可能となる。このため、出力信号d3および入力信号d1により順次入力される画素を順次処理することが可能となる。すなわち、出力信号d3および入力信号d1の画素値を記憶するメモリの容量を削減するとともに、高速な処理を実現することが可能となる。
〈効果〉
図16を用いて、画像処理システム200の効果を説明する。
曲線C1は、画像処理前の画像において水平方向に並んだ画素の階調特性の一例を示すグラフである。
画像処理装置10において、入力画像信号d1の階調変換処理が行われたとする。例えば、画像処理により、画素位置P1〜P3の間の区間Z1だけの明るさ(階調)を上げたとする。曲線C2は、画像処理装置10により画像処理が行われた後の階調特性を示すグラフである。
曲線C2では、区間Z1外との連続性が保たれている(画素位置P1とP3とでのグラフの連続性が保たれている)が、画素位置P2〜P3の間の区間Z2では、画像内水平方向に隣接する画素の階調が逆転している(階調の大小関係が逆転している)。
このような階調順の逆転は、例えば、画像処理装置10でプロファイルを生成する際に、複数のプロファイルを外分して新たなプロファイルを作成した場合に起こりうる。
本発明の画像処理システム200は、この階調順が逆転した部分を検出する。すなわち、区間Z2の画素を検出する。さらに、区間Z2の画素を、ユーザにとって認識しやすい変換色を用いてプレビュー表示する。
これにより、ユーザは、画像処理により不自然に表示される可能性のある部分を容易に認識することが可能となる。さらに、ユーザは、プレビュー表示を確認しつつ、画像処理装置10の画像処理度合を調整することが可能となる。すなわち、ユーザは、プレビュー表示を確認しつつ、変換色が表示されなくなるよう画像処理度合を調整することが可能となる。この場合、ユーザは、明るさを上げつつ、階調順を逆転させないように画像処理を行うことができる。この結果、ユーザは、例えば、曲線C3に示す適切な階調特性で画像処理を行うことができる。
なお、ここでは、説明の簡単化のため水平方向だけの階調特性を示して説明を行った。しかし、図15に示したように、処理領域内再処理部201は、垂直方向、斜め方向にも階調順を検出している。このため、画像処理システム200は、3次元空間内の曲面で表される階調特性のうち、画像処理の目的を果たしつつ、階調順を逆転させないような階調特性で画像処理を行うことができる。
〈変形例〉
(1)
上記実施形態では、画像処理システム200は、画像処理された領域内を再処理することを特徴とした。次に、画像処理された領域外を再処理することを特徴とするシステムについて述べる。
一般に、従来の画像処理装置では、画像処理された領域を容易に確認しづらいという課題がある。そこで本発明では、画像処理された領域を容易に確認できるシステムを提供することを課題とする。具体的には、課題を解決するための手段として、画像処理装置10で画像処理された領域以外の領域を所定の変換色あるいはグレースケールで表す。これにより、画像処理されている領域を容易に確認することが可能となる。
《変形例(1)の構成・作用》
図17に変形例としての画像処理システム210を示す。図17において、図13に示した画像処理システム200と同じ機能を果たす部分には、同じ符号を付して説明を省略する。以下では、画像処理システム210の特徴部分としての、処理領域外処理部211と、合成部215とについて主に説明する。
画像処理システム210は、入力信号d1の画像処理を行う画像処理装置10と、入力信号d1と画像処理装置10の出力である出力信号d3とに基づいて、領域内処理信号d212を出力する処理領域内再処理部201と、入力信号d1に基づいて、領域外処理信号d213を出力する処理領域外処理部211と、領域内処理信号d212と領域外処理信号d213とを画素毎に選択し、プレビュー表示信号d214を出力する合成部215と、から構成されている。なお、画像処理装置10と処理領域内再処理部201とは、図13を用いて説明したのと同様の機能を果たす。このため、領域内処理信号d212は、図13のプレビュー表示信号d202と同じ信号である。
なお、本変形例の構成はこれに限らず、上記実施形態で記載したように、他の画像処理装置が用いられてもよい。また、上記実施形態で記載したように、入力される信号も入力信号d1に限らない。
(処理領域外処理部211)
処理領域外処理部211は、画像処理された領域以外の領域を明示するための信号を生成する。
具体的には、処理領域外処理部211は、明度生成部として動作し、入力信号d1を画素毎に順次処理し、画素毎の輝度信号を生成する。
なお、処理領域外処理部211の動作は、これに限定されない。具体的には、同一色変換部として動作し、入力信号d1を、赤・青・緑などのいずれかの色に変換(その色成分のみを出力)してもよい。
(合成部215)
次に合成部215の構成・作用について説明する。図18に合成部215の構成を示す。
合成部215は、色領域判断部220と、判定部221と、選択部222とから構成される。
色領域判断部220は、入力信号d1を画素毎に処理し、各画素が含まれる色領域を判断する。判定部221は、色領域判断部220と画像処理装置10の処理度設定部18(図2参照)から取得される目標処理度d8とに基づいて、各画素が画像処理の対象であるか否かを判定する。選択部222は、判定部221の判定結果に基づいて、画像処理された領域以外の領域が明示されたプレビュー表示信号d214を出力する。
以下、合成部215の各部の動作について、さらに、詳細に述べる。
色領域判断部220は、画素毎に入力される入力信号d1を取得し、入力された画素が含まれる色領域を判断する。具体的には、色領域判断部220は、予め図示しないメモリなどに格納された複数の色領域のデータ、より具体的には、空色、緑色、肌色などの記憶色に対する色領域のデータを取得しており、入力された画素の色成分(例えば、RGB)のそれぞれの値により、入力された画素がいずれの色領域に含まれるかを判断する。さらに、画素毎に判断結果を付加して出力する。具体的には、画素毎に「空色」「緑色」「肌色」などの色領域を示す情報を出力する。
ここで、メモリなどに格納されている色領域のデータは、それぞれの色領域が含む色成分(例えば、RGB)の値の集合として表現されており、RGBの3次元空間内の領域として表現されている。色領域判断部220では、入力信号d1の各色成分を取得し、この色成分がいずれの色領域(RGBの3次元空間内の領域)に含まれるかを判断する。具体的には、色領域のデータは、色領域の内側と外側の境界を示す3次元空間内の曲面を代表する複数の格子点のデータとして格納されており、この格子点のデータにより形成される空間に入力信号d1の各色成分が含まれるか否かが判断される。なお、色領域のデータ形式は、上述のようなものに限定されず、計算式により求めてもよい。例えば、入力信号d1から(L,a,b)を計算し、a,bからab平面での色相及び彩度を求める。「空色」「緑色」「肌色」等の領域を色相、彩度、明度(L)の範囲で定義し、求めた色相、彩度、および明度がそれぞれの色領域内に入っている否かを所定のしきい値(境界値)と比較して求める。その結果を色領域データとして用いてもよい。
判定部221は、画像処理装置10の処理度設定部18から目標処理度d8を取得する。目標処理度d8には、[第1実施形態]〈変形例〉(2)で記載したように、どの色領域の調整を行ったかに関する情報が含まれている。判定部221は、色領域判断部220から画素毎に取得される色領域を示す情報と、目標処理度d8が示す調整された色領域に関する情報とが一致するか否かを判定し、判定結果を選択部222に出力する。判定結果は、例えば、一致する場合に値[1]、一致しない場合に値[0]として出力される。
選択部222は、画素毎に取得される領域外処理信号d213と領域内処理信号d212とを択一的に選択し、プレビュー表示信号d214として出力する。ここで、選択は、判定部221の判定結果に基づいて行われる。具体的には、判定結果が値[1]を示す場合(注目画素の色領域が調整された色領域と一致する場合)、選択部222は、領域内処理信号d212を選択する。一方、判定結果が値[0]を示す場合(注目画素の色領域が調整された色領域と一致しない場合)、選択部222は、領域外処理信号d213を選択する。
《変形例(1)の効果》
以上により、画像処理が行われていない領域を無彩色化(あるいは単色化)することが可能となる。これにより、画像処理が行われている領域を容易に確認することが可能となる。
さらに、画像処理システム210は、処理領域内再処理部201を備える。このため、画像処理が行われた領域において不自然に表示される可能性のある部分は、図13で説明した画像処理システム200と同様に、明示してプレビュー表示される。
《変形例(1)の変形例》
(1−1)
図17に示す画像処理システム210では、処理領域内再処理部201を設けると説明した。ここで、処理領域内再処理部201は、無くても良い。この場合、合成部215の選択部222は、出力信号d3と領域外処理信号d213とを上記した方法と同様の方法により選択的に出力する。
この場合であっても、ユーザは、画像処理が行われている部分を容易に確認することが可能となる。
(1−2)
合成部215は、上記した構造に限定されない。
合成部215の変形例としての合成部230を図19に示す。
合成部230は、色領域格納部231と、判定部232と、選択部234とから構成される。
色領域格納部231は、入力信号d1のそれぞれの画素に対して、画素が含まれる色領域の情報を格納している。より具体的には、画素毎の情報が取得される順序で、各画素が含まれる色領域の情報(例えば、「空色」、「緑色」、「肌色」などの色領域を示す情報)を格納している。
判定部232は、色領域格納部231が格納する画素毎の色領域の情報と、目標処理度d8と、処理領域信号d233とを取得する。判定部232は、画像処理装置10の処理度設定部18から目標処理度d8を取得する。目標処理度d8には、[第1実施形態]〈変形例〉(2)で記載したように、どの色領域の調整を行ったかに関する情報が含まれている。また、判定部232は、処理領域信号d233を取得する。処理領域信号d233は、図示しない入力部などにより設定される情報であり、プレビュー表示における領域であって、ユーザが行われた画像処理の確認を所望する領域、を指定する情報である。例えば、処理領域信号d233は、領域を示す座標などを含んでもよいし、画像を複数に分割した画像領域のうちのいずれかを示す信号であってもよい。
判定部232は、入力信号d1のそれぞれの画素毎に、画素毎の色領域の情報と、目標処理度が示す調整された色領域に関する情報とが一致するか否かを判定し、さらに、その画素位置が処理領域信号d233に含まれるか否かについて判定する。
判定部232は、いずれの判定の結果も肯定的である場合、値[1]、いずれかの判定の結果が否定的で有る場合、値[0]を出力する。
選択部234は、画素毎に取得される領域外処理信号d213と領域内処理信号d212とを択一的に選択し、プレビュー表示信号d214として出力する。ここで、選択は、判定部232の判定結果に基づいて行われる。具体的には、判定結果が値[1]を示す場合(注目画素の色領域が調整された色領域と一致し、かつ、注目画素の画素位置が、ユーザが確認を所望する領域に含まれている場合)、選択部234は、領域内処理信号d212を選択する。一方、判定結果が値[0]を示す場合(注目画素の色領域が調整された色領域と一致しない、あるいは、注目画素の画素位置が、ユーザが確認を所望する領域に含まれていない場合)、選択部234は、領域外処理信号d213を選択する。
(2)
上記実施形態および上記変形例(1)で説明した処理領域内再処理部201は、上記のものに限定されない。処理領域内再処理部201は、画像処理により不自然に表示される可能性のある領域を明示する、という機能を果たすものであれば、次のものであってもよい。
(構成・作用)
図20は、処理領域内再処理部201の変形例としての処理領域内再処理部240の構造を説明するブロック図である。処理領域内再処理部240は、出力信号d3の色域が、出力信号d3を表示する表示装置が表示可能な色域に含まれるか否かを検出し、出力信号d3の色域が表示装置の色域を超える場合には、その超える領域の画素をユーザに変換色で明示するプレビュー表示信号d243を出力する部分である。
処理領域内再処理部240は、色域判定部241と、選択部242とから構成される。
色域判定部241は、出力信号d3の色域が表示装置の色域を超えるか否かを判定する。選択部242は、色域判定部241の判定結果に基づいて、出力信号d3において表示装置の色域を超える部分を明示するプレビュー表示信号d243を出力する。
以下、各部について、より詳細に説明を加える。
色域判定部241は、出力信号d3を画素毎に取得する。色域判定部241は、画像処理装置10の出力としての出力信号d3を表示する表示装置(例えば、プリンタやモニタなど)が表示することのできる色域に関する情報を予め格納している。さらに、色域判定部241は、出力信号d3の画素毎の画素値が、表示装置の色域に含まれているか否かを判定し、その判定結果を選択部242に出力する。判定結果としては、例えば、出力信号d3の画素値が表示装置の色域に含まれる場合に、値[1]が出力され、出力信号d3の画素値が表示装置の色域に含まれない場合に、値[0]が出力される。なお、この値は一例であり、2つの場合を識別できる信号であれば、これに限定しない。なお、色域判定部241は、接続されたメモリ(図示せず)などにアクセスして表示装置の色域を取得できるものであってもよい。
選択部242は、出力信号d3と、図示しないメモリなどに記憶された所定の画素値であり、所定の変換色を示す変換色信号d244とを入力とし、出力信号d3と変換色信号d244とのいずれかを選択し、選択結果をプレビュー表示信号d243として出力する。ここで、選択部242の選択手順は、以下に説明する手順である。すなわち、色域判定部241から取得される信号の値が値[1]の場合(出力信号d3の画素値が表示装置の色域に含まれる場合)、出力信号d3が選択される。一方、色域判定部241から取得される信号の値が値[0]の場合(出力信号d3の画素値が表示装置の色域に含まれない場合)、変換色信号d244が選択される。すなわち、選択部242の動作により、プレビュー表示信号d202としては、画像処理後の注目画素(出力信号d3)の色域が表示装置で表示可能な色域に含まれていれば、画像処理後の注目画素の値が出力され、画像処理後の注目画素の色域が表示装置で表示可能な色域に含まれていなければ、画像処理後の注目画素の値に変えて、所定の変換色を示す変換色信号d244が出力される。
(効果)
この処理領域内再処理部240により、ユーザは、プレビュー表示を見て、表示装置で不自然に表示される可能性のある部分を容易に確認することが可能となる。より具体的には、プリンタ・モニタなどで表示された画像の色のうち、不自然に表示される可能性のある部分を予め確認することが可能となる。
さらに、ユーザは、このような不自然な表示を避けるため、プレビュー表示を見つつ、画像処理装置10の処理度の調整を行うことが可能となる。
(変形例)
なお、出力信号d3が入力信号d1を色域圧縮した画像信号である場合、色域判定部241は、出力信号d3の代わりに入力信号d1を取得し、入力信号d1の画素値に基づいて、色域圧縮された画素を判定するものであってもよい。
このとき、色域判定部241は、色域圧縮を受ける色領域に関する情報を予め格納している。色域圧縮を受ける色領域に関する情報とは、出力信号d3を表示する表示装置(例えば、プリンタやモニタなど)が表示可能な色域に関する情報に基づいて作成された情報である。ここで、色域圧縮とは、入力信号d1の色域が表示装置の色域を超える場合に、表示装置側で画素値がクリップされて表示されるのを防ぐため、予め入力信号d1の色域を表示装置の色域まで圧縮した出力信号d3を生成することである。すなわち、入力信号d1が色域圧縮されると、入力信号d1の画素のうち、表示装置が表示可能な色域を超える画素値の画素、および表示装置が表示可能な色域の境界近辺の画素値の画素では、色変換が行われる。
色域判定部241は、予め表示装置の色域に基づいて生成された色変換が行われる色域の情報(以下、色域圧縮情報)を格納している。色域判定部241は、画素毎に順次入力される入力信号d1の注目画素の画素値が色域圧縮情報の示す色域に含まれるか否かを判定する。さらに、選択部242(図20参照)では、色域判定部241の判定結果に基づいて、出力信号d3と、変換色信号d244とを選択的に出力する。より具体的には、選択部242は、注目画素が色域圧縮情報の示す色域に含まれる場合(注目画素が色域圧縮により色変換される場合)に、変換色信号d244をプレビュー表示信号d243として出力する。一方、選択部242は、注目画素が色域圧縮情報の示す色域に含まれない場合(注目画素が色域圧縮により色変換されない場合)に、出力信号d3をプレビュー表示信号d243として出力する。
以上により、出力信号d3のうち、色域圧縮された部分を明示してプレビュー表示を行うことが可能となる。さらに、ユーザは、プレビュー表示を確認して、色域圧縮が適切に行われているか否かを容易に確認することができる。また、プレビュー表示を確認しながら、画像処理装置10の処理度の調整を行い、適切な色域圧縮を行うことが可能となる。
なお、色域判定部241における判定は、出力信号d3の画素値を用いて行われてもよい。すなわち、色域圧縮されている場合には、色域圧縮前の画素値と色域圧縮後の画素値とは一対一の関係にあるため、出力信号d3の画素の画素値を用いても、その画素が色域圧縮された画素か否かを判定することが可能となる。
なお、ここでは、色域圧縮される画素を変換色で表示したが、その他の手段で表示してもよい。例えば、文字や絵などの手段で表示を行っても良い。
(3)
上記実施形態および上記変形例(1)〜(2)で説明した画像処理システムは、さらに次のような表示切換機能を備えていてもよい。
表示切換機能とは、プレビュー表示において、出力信号d3と、入力信号d1あるいは上記で説明したプレビュー表示信号d202(図13参照)、d214(図17参照)、d243(図20参照)とを切り換えて表示する機能である。
以下では、図21を用いて、入力信号d1と出力信号d3との表示切換を行う切換部250について説明する。
切換部250は、入力信号d1と出力信号d3とを入力とし、いずれかを選択的に出力する選択部251と、選択部251に対して、切換のタイミングを与える切換信号発生部253とを備えている。
入力信号d1は、図示しないRAMに格納される。また、出力信号d3も、図示しないRAMに格納される。選択部251は、切換信号発生部253の発生する切換タイミング(例えば、数秒毎)でそれぞれのRAMに格納された入力信号d1または出力信号d3を読み出し、プレビュー表示信号d252として出力する。
これにより、入力信号d1と出力信号d3とを切り替えて表示することができる。このため、ユーザは、画像処理後の画像と、処理前の画像とを比較して確認することが可能となる。
また、同様の構成により、出力信号d3と、プレビュー表示信号d202(図13参照)、d214(図17参照)、d243(図20参照)とを切り換えてプレビュー表示する場合には、不自然に表示される可能性のある部分が点滅して表示される。このため、不自然に表示される可能性のある部分を予め容易に確認することができる。また、その不自然さが許容できるものであるか否かを容易に確認することなどができる。
このような切換部250は、例えば、図13において、処理領域内再処理部201の代わりに設けられていてもよい。また、図13において、さらに付加的に設けられていてもよい。
なお、上記の切り換えは、画像処理装置10において、調整スケールが所定時間変化しなかった場合、あるいは、他の色の調整を始めた場合に中止されてもよい。
(4)
上記実施形態および上記変形例(1)〜(3)で説明した画像処理システムでは、処理領域内再処理部201における階調順比較部207や、処理領域内再処理部240における色域判定部241などから出力される比較結果や判定結果に基づいて、画像処理装置10の処理度設定部18の調整範囲を制限してもよい。
具体的には、画像処理装置10の調整スケール(図2参照)をある方向に動作させることにより、画像処理された信号(出力信号d3)において不自然に表示される可能性の有る部分が検出される場合には、それ以上のその方向への調整スケールの動作が制限される。なお、画像処理された信号(出力信号d3)において不自然に表示される可能性の有る部分は、階調順比較部207の比較結果や色域判定部241の判定結果から検出される。
これにより、ユーザは、出力信号d3が不自然に表示されるか否かに注意を払うことなく、適切に画像処理を行うことができる。
[その他]
(1)
上記実施形態において、プロファイル作成実行部、マトリクス作成実行部、制御部あるいは色処理実行部などは、ソフトウェアにより実現されていてもハードウェアにより実現されていてもよい。ソフトウェアにより実現されている場合、そのプログラムは、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、デジタルテレビなど、画像を取り扱う機器に内蔵、あるいは接続される装置において、ハードディスク、RAM、ROM、メモリカードなどの記憶装置に記憶され、画像の色処理を実行するプログラムであり、例えば、CD−ROMなどの記録媒体を介して、あるいはネットワークを介して提供されてもよい。
また、上記プロファイル作成実行部、マトリクス作成実行部、制御部あるいは色処理実行部などをLSIの内部に持たせても良い。LSIの内部に持たせることで、異なる処理は基本プロファイルで提供されるため、異なる処理を実現する毎にLSI設計する必要がなくなる。
また、上記実施形態で図を用いて説明した各機能ブロックは、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されても良いし、一部又は全部を含むように1チップ化されても良い。この際、基本プロファイル群記憶部やプロファイルRAMなどは、別対として外部に接続されるものであってもよい。また、処理度設定部も別対として外部に接続されるものであってもよい。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(2)
上記実施形態において、入力信号d1、画像信号d2は、静止画であっても動画であってもかまわない。
(3)
上記実施形態において、画像信号値は、R,G,Bの3原色を用いた色空間の座標として表されるとしたが、本発明の効果は、この色空間のデータを用いた場合に限定されるものではない。例えば、CMY系の色空間であってもよいし、Lab系の色空間であってもよい。
また、本発明の効果は、3次元の色空間を取り扱う色処理以外にも有効である。すなわち、本発明の効果は、取り扱う色空間の次元に依存しない。
(4)
上記実施形態の全体の効果として、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理等と呼ばれるそれぞれの処理において、処理度合いを任意に調整することが可能となる。例えば、色処理された画像信号を出力する出力デバイスの環境に対応して色処理を行うことが可能となる。より具体的には、色処理された画像信号を周囲の環境光に応じてモニタ表示させること、あるいは色処理された画像信号を紙質に応じてプリンタによりプリントアウトさせることなどが可能となる。また、表示色変換処理、記憶色補正処理などにおいては、観者それぞれの好みに応じた色処理を行うことが可能となる。
これらの効果に加えて、上記実施形態では、色処理の処理度合いを異ならせた膨大な数のルックアップテーブルを有することは必要とされず、ルックアップテーブルを記憶するためのメモリなどの記憶容量を削減することが可能となる。
本発明にかかる画像処理装置は、簡易に色処理の調整を行うことが可能となるという効果を有し、画像処理装置あるいは画像処理装置を含む装置などとして有用である。
画像処理装置10の基本構成を説明するブロック図(第1実施形態) 画像処理装置10の具体的構成を説明するブロック図(第1実施形態) 調整スケール110の一例を示す図(第1実施形態) 記憶色補正における補正傾向について説明する説明図(第1実施形態) 画像処理方法について説明するフローチャート(第1実施形態) 記憶色補正における補正強度について説明する説明図(第1実施形態) 調整スケール110の変形例を示す図(第1実施形態) 画像処理装置26の具体的構成を説明するブロック図(第2実施形態) 画像処理装置45の具体的構成を説明するブロック図(第3実施形態) 画像処理装置60の具体的構成を説明するブロック図(第4実施形態) 画像処理装置75の具体的構成を説明するブロック図(第5実施形態) 画像処理装置150の具体的構成を説明するブロック図(第6実施形態) 画像処理システム200の基本構成を説明するブロック図(第7実施形態) 処理領域内再処理部201の構造を説明するブロック図(第7実施形態) 階調順の検出方法について説明する説明図(第7実施形態) 画像処理システム200の効果を説明する説明図(第7実施形態) 画像処理システム210の基本構成を説明するブロック図(第7実施形態) 合成部215の構造を説明するブロック図(第7実施形態) 合成部230の構造を説明するブロック図(第7実施形態) 処理領域内再処理部240の構造を説明するブロック図(第7実施形態) 切換部250の構造を説明するブロック図(第7実施形態) 調整用つまみの外観を示す図(背景技術)
符号の説明
10 画像処理装置
12 基本プロファイル群記憶部
13 色処理部
14 制御部
15 プロファイル作成部
16 色処理実行部
18 処理度設定部
20 プロファイル作成実行部
21 プロファイルRAM
d1 入力信号
d2 画像信号
d3 出力信号
d8 目標処理度

Claims (23)

  1. 画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる処理度設定手段と、
    前記処理度設定手段により設定された前記目標処理度と、それぞれ異なる程度の前記色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、前記目標処理度の前記色処理を行う処理用係数群を作成する処理用係数群作成手段と、
    前記処理用係数群作成手段により作成された前記処理用係数群を用いて、前記画像信号に対する前記色処理を行う色処理実行手段と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記処理用係数群作成手段は、前記複数の基本係数群を前記目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、前記処理用係数群を作成する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記複数の属性とは、前記画像信号の色相、彩度および明度を含む、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記色処理は、記憶色補正である、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 処理度設定手段は、記憶色補正の補正傾向を前記目標処理度として設定させ、
    前記処理用係数群作成手段は、それぞれ異なる補正傾向の記憶色補正を行う前記複数の基本係数群を前記目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、前記処理用係数群を作成する、
    請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 処理度設定手段は、記憶色補正の補正強度を前記目標処理度として設定させ、
    前記処理用係数群作成手段は、所定の補正強度の前記記憶色補正を行う前記基本係数群と前記記憶色補正を行わない前記基本係数群とを前記目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、前記処理用係数群を作成する、
    請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 前記複数の基本係数群は、前記画像信号の有する前記複数の属性の個数に対応する大きさを有する複数の基本マトリクスデータであり、
    前記色処理実行手段は、前記処理用係数群作成手段により作成された処理用マトリクスデータを用いて、前記画像信号に対するマトリクス演算を行う、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記処理用係数群作成手段は、前記基本マトリクスデータを前記目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、前記処理用マトリクスデータを作成する、
    請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記複数の基本係数群は、前記画像信号の値に対する前記色処理後の前記画像信号の値を格納する複数の基本ルックアップテーブルであり、
    前記色処理実行手段は、前記処理用係数群作成手段により作成された処理用ルックアップテーブルを用いて、前記画像信号に対する前記色処理を行う、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  10. 前記処理用係数群作成手段は、前記基本ルックアップテーブルを前記目標処理度に基づいて内分あるいは外分し、前記処理用ルックアップテーブルを作成する、
    請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記処理度設定手段は、記憶色補正の補正傾向の目標である第1の目標処理度を設定させる第1の処理度設定手段と、記憶色補正の補正強度の目標である第2の目標処理度を設定させる第2の処理度設定手段とを有し、
    前記処理用係数群作成手段は、それぞれ異なる補正傾向の記憶色補正を行う前記複数の基本係数群を、前記第1の処理度と前記第2の処理度とに基づいて内分あるいは外分し、前記処理用係数群を作成する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  12. 前記処理用係数群作成手段は、前記基本係数群のうち特定部分のみを変更して前記処理用係数群を作成する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  13. 前記特定部分は、前記処理度設定手段により定められる部分である、
    請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記特定部分とは、前記基本係数群のうち、所定の記憶色に対する変換係数を与える部分である、
    請求項12または13に記載の画像処理装置。
  15. 画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する画像処理実行手段と、
    前記処理信号を表示するための表示信号を生成する表示信号生成手段と、
    を備え、
    前記表示信号は、前記処理信号の所定の領域を再処理した信号であり、
    前記所定の領域は、前記画像信号と前記処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である、
    画像処理システム。
  16. 前記所定の領域は、その周囲の領域との階調順が、前記画像信号と前記処理信号との間で異なる領域である、
    請求項15に記載の画像処理システム。
  17. 前記再処理とは、前記所定の領域の色を変換する処理である、
    請求項15に記載の画像処理システム。
  18. 画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる処理度設定ステップと、
    前記処理度設定ステップにより設定された前記目標処理度と、それぞれ異なる程度の前記色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、前記目標処理度の前記色処理を行う処理用係数群を作成する処理用係数群作成ステップと、
    前記処理用係数群作成ステップにより作成された前記処理用係数群を用いて、前記画像信号に対する前記色処理を行う色処理実行ステップと、
    を備える画像処理方法。
  19. コンピュータにより画像信号の色処理を行うための画像処理プログラムであって、
    前記画像処理プログラムは、
    前記画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての前記色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる処理度設定ステップと、
    前記処理度設定ステップにより設定された前記目標処理度と、それぞれ異なる程度の前記色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、前記目標処理度の前記色処理を行う処理用係数群を作成する処理用係数群作成ステップと、
    前記処理用係数群作成ステップにより作成された前記処理用係数群を用いて、前記画像信号に対する前記色処理を行う色処理実行ステップと、
    を備える画像処理方法をコンピュータに行わせるものである、
    画像処理プログラム。
  20. 画像信号の有する複数の属性のうち少なくとも2つの属性についての色処理の程度の目標を、1つの目標処理度として設定させる処理度設定部と、
    前記処理度設定部により設定された前記目標処理度と、それぞれ異なる程度の前記色処理を行う複数の基本係数群とに基づいて、前記目標処理度の前記色処理を行う処理用係数群を作成する処理用係数群作成部と、
    前記処理用係数群作成部により作成された前記処理用係数群を用いて、前記画像信号に対する前記色処理を行う色処理実行部と、
    を備える集積回路装置。
  21. 画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する画像処理実行ステップと、
    前記処理信号を表示するための表示信号を生成する表示信号生成ステップと、
    を備え、
    前記表示信号は、前記処理信号の所定の領域を再処理した信号であり、
    前記所定の領域は、前記画像信号と前記処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である、
    画像処理方法。
  22. 画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する画像処理実行ステップと、
    前記処理信号を表示するための表示信号を生成する表示信号生成ステップと、
    を備え、
    前記表示信号は、前記処理信号の所定の領域を再処理した信号であり、
    前記所定の領域は、前記画像信号と前記処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である、
    画像処理方法をコンピュータに行わせる、
    画像処理プログラム。
  23. 画像信号の画像処理を行い処理信号を出力する画像処理実行部と、
    前記処理信号を表示するための表示信号を生成する表示信号生成部と、
    を備え、
    前記表示信号は、前記処理信号の所定の領域を再処理した信号であり、
    前記所定の領域は、前記画像信号と前記処理信号との階調特性を比較することにより特定される領域である、
    集積回路装置。
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