以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
(1)実施例の構成
図2は、本発明の実施例1に係る電子スチルカメラを示す斜視図である。この電子スチルカメラ1は、薄板形状による長方形形状により形成され、表面側にレンズ等が設けられる。また電子スチルカメラ1は、この図2で見て取られる背面側に撮像結果をモニタする液晶表示部2が設けられ、この液晶表示部2の表示画面にタッチパネル3が設けられ、これにより液晶表示部2に表示されたメニューをタッチパネル3の操作により選択できるように形成される。また電子スチルカメラ1は、この液晶表示部2の側方に押圧操作可能な回転操作子4、各種方向、決定の操作子5が設けられ、側面にスライドスイッチ6が設けられ、これらの操作子4〜6の操作によってもメニュー選択等の操作を受け付けることができるように構成される。
図3は、タッチパネル3、各種操作子4〜6の操作に係るカラーモードの選択メニューの表示を示す平面図である。ここでカラーモードは、撮影環境、ユーザーの嗜好に対応する画質補正モードである。この電子スチルカメラ1では、画質補正モード(カラーモード)、ISO感度、フラッシュ、解像度に係るメニューが表示され、このメニューの選択によりそれぞれ対応するサブメニューが表示される。ここで図3は、画質補正モードのメニューが選択された場合を示すものであり、カラーモードに係るポートレイト、Vivid(電球)、Vivid(曇天)、Vivid(晴天)、フィルム調等のサブメニューが表示されている。電子スチルカメラ1では、これらカラーモードにかかるサブメニューの選択により所望するカラーモードを選択できるように設定されている。これにより単にホワイトバランス調整等により画質を補正する場合等に比して、一段と細かく画質を調整できるようにユーザーインターフェースが構成される。
図4は、本発明の実施例1に係る電子スチルカメラを示すブロック図である。この電子スチルカメラ1において、撮像素子12は、例えば原色系のカラーフィルタが設けられた撮像素子であり、図示しないレンズにより撮像面に形成された光学像の撮像結果を出力する。電子スチルカメラ1は、この撮像素子12からの出力信号を相関二重サンプリング処理等した後、アナログディジタル変換処理して原色色信号による画像データを生成し、この画像データをデモザイク処理部13に入力する。
デモザイク処理部13は、この画像データの補間演算処理により、撮像素子12に設けられたカラーフィルタに対応する撮像結果の空間位相を補正し出力する。リニアマトリックス部14は、デモザイク処理部13から出力される画像データの演算処理により、この画像データの色純度を増大させて出力する。オートホワイトバランス調整部(AWB)15は、リニアマトリックス部14の出力データをオートホワイトバランス調整して出力し、ガンマ補正部(γ補正)16は、このオートホワイトバランス調整部15の出力データをガンマ補正して出力する。
YCC変換部17は、このガンマ補正部16から出力される原色色信号による画像データ(R1、G1、B1)を次式の演算処理により、輝度信号及び色差信号による画像データ(Y1、Cb1、Cr1)に変換する。
色差マトリックス18は、次式の演算処理により、この輝度信号及び色差信号による画像データ(Y1、Cb1、Cr1)のうちの色差信号による画像データ(Cb1、Cr1)をマトリックス演算処理して彩度補正処理を実行し、処理結果による画像データ(Cb2、Cr2)を出力する。但し、ここでR11、R12、R21、R22は、彩度補正処理の変換係数である。
3次元ルックアップテーブルブロック(3D−LUTブロック)19は、色差マトリックス18から出力される色差信号による画像データ(Cb2、Cr2)、YCC変換部17から出力される輝度信号による画像データY1を補正して出力し、画像記録部20は、この3次元ルックアップテーブルブロック19から出力される画像データD3をメモリカード等の記録媒体に記録する。これにより3次元ルックアップテーブルブロック19に入力される画像データ(Y2、Cb2、Cr2)において、輝度信号Y2は、以下の関係式により表されることになる。
液晶表示部2は、この3次元ルックアップテーブルブロック19から出力される画像データによりモニタ用の画像を表示する。
コントローラ21は、この電子スチルカメラ1全体の動作を制御する制御手段であり、メモリ22に記録された処理プログラムの実行により、タッチパネル3、各種操作子4〜6の操作に応動して全体の動作を切り換える。この一連の処理において、コントローラ21は、ユーザーによりカラーモードが選択されると、このカラーモードの選択に対応するようにメモリ22に記録された補正用のデータを3次元ルックアップテーブルブロック19にセットする。ここでメモリ22は、このコントローラ21の処理プログラム、この電子スチルカメラ1に実装されたカラーモードに対応する複数種類の補正用データを保持する。またこのように補正用のデータを3次元ルックアップテーブルブロック19にセットすると、液晶表示部2の表示を切り換えてセットの完了をユーザーに通知する。なおこれにより、この実施例において、3次元ルックアップテーブルブロック19に係る処理プログラムは、事前のインストールにより提供されるように設定されているものの、これに代えてインターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供するようにしてもよく、また光ディスク、磁気ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録して提供してもよい。
図1は、この3次元ルックアップテーブルブロック19を関連する構成と共に示すブロック図である。この3次元ルックアップテーブルブロック19は、図5に示すように、色空間における入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)を補正ベクトルにより補正して目標値による画像データD3を出力する。3次元ルックアップテーブルブロック19は、図6に示すように、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)により定義される色空間にマトリックス状に格子点が設定され、この格子点に設定された補正ベクトルがコントローラ21の制御によりカラーモードに応じて設定される。3次元ルックアップテーブルブロック19は、図7及び図8に示すように、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)によるサンプリング点の周囲の8個の格子点に設定された補正ベクトルにより、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)のサンプリング値に対応する補正ベクトルを生成し、この補正ベクトルによりこの入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)のサンプリング値を補正する。この実施例では、この入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)によるサンプリング点の周囲の8個の格子点のうちで、最もサンプリング値が小さい側の格子点を参照格子点g1と定義する。
しかして3次元ルックアップテーブルブロック19において、エリア判定部31は、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)のサンプリング値の判定により、入力画像データの参照格子点g1を検出する(図7)。また入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)のサンプリング値について、この参照格子点g1からのオフセットpを検出する。なおここでこのオフセットpは、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)のサンプリング値と、参照格子点g1との偏差である。
具体的に、この実施例では、mビットによる入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)による色空間に対して、2n+1 (n<m)個の均等配置により各軸方向に格子点が設定され、エリア判定部31は、次式により示すように、各入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)の上位側nビットの値により参照格子点g1を検出し、下位側m−nビットの値によりオフセットpを検出する。
アドレスデコーダ32は、このエリア判定部31で検出される参照格子点g1の情報により、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)を囲む周囲8個の格子点について、3次元ルックアップテーブル(3D−LUT)33に記録されたこれら8個の格子点に係る補正データのアクセスに必要なアドレスを順次生成して出力する。なおここでこの8個の格子点g1〜g8にあっては、参照格子点g1=(x、y、z)のとき、以下の式により表される。
3次元ルックアップテーブル33は、これによりアドレスデコーダ32から出力されるアドレスデータに応じて、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)を囲む周囲8個の格子点に設定された補正ベクトルG1〜G8を順次出力する。
補間係数算出部34は、エリア判定部31で検出されたオフセット値pにより、次式の演算処理を実行し、これにより入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)を囲む周囲8個の格子点に設定された補正ベクトルG1〜G8から入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)の補正データを生成する補間係数k=(kx、ky、kz)を算出する。但しこの(7)式におけるnは、(5)式について上述したm−nである。
補間計算部35は、補間係数算出部34で計算された補間係数k=(kx、ky、kz)により、3次元ルックアップテーブル33から出力される補正ベクトルG1〜G8を補間演算処理し、これにより入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)の補正ベクトルVを生成する。この実施例においては、この補間演算処理に、トライリニア補間処理が適用され、これにより次式の演算処理により補正ベクトルVを生成する。
ここでS、Pは、次式により求められる。
加算部36は、次式の演算処理により、この補正ベクトルVを元の入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)に加算し、出力画像データD3(Y3、Cb3、Cr3)を出力する。これらによりこの実施例において、色差マトリックス18及び3次元ルックアップテーブルブロック19は、3次元ルックアップテーブル33により撮像結果を色調整する画像処理部を構成する。
図9及び図10は、3次元ルックアップテーブル33に設定する各格子点の補正ベクトルの生成処理手順を示すフローチャートである。電子スチルカメラ1では、事前にコンピュータによりこの処理手順を実行することにより、各格子点の補正ベクトルが計算され、この補正ベクトルがメモリ22に格納される。この補正ベクトルの生成処理手順では、図9に示す解析処理と、図10に示す変換処理とにより構成される。
ここで解析処理は、補正の前後における色の対応関係を解析する処理であり、この処理手順を開始すると、コンピュータは、ステップSP1からステップSP2に移り、所定の光源により照明してカラーチャートを撮影した画像データを取得する。ここでこのカラーチャートには、例えばMacbeth Color Checker, Macbeth Color Checker SG, Digital Camera Color Checker 等の反射チャートが適用される。また光源には、D65光源が適用されて、この電子スチルカメラ1における各カラーモードの撮影条件が再現される。また撮影にはこの実施例に係る電子スチルカメラ1が適用され、画像データには、YCC変換部17から出力される画像データ(Y1、Cb1、Cr1)が適用される。これによりこの実施例では、補正に供する各色の撮像結果を取得する。
続いてコンピュータは、ステップSP3において、このチャートの撮像結果から、サンプリング点を取得する。ここでサンプリング点は、必要に応じて色空間の変換に供する関数を用いた演算処理により、L*a*b*色空間、sYCC色空間、又はCIECAM等の任意の色空間で検出される。
続いてコンピュータは、ステップSP4に移り、ステップSP3で取得したサンプリング点の色域を、抽出に用いた色空間上で、ドロネー四面体の集合に分割する。ここでこの分割は、同一平面上に存在しない4個のサンプリング点を通る球の内部に、他のサンプリング点が存在しないようにサンプリング点を選択して、この4個のサンプリング点を頂点とした四面体を順次設定していくことにより実行される。なおこの分割方法によれば、サンプリング値の並び方の先験知識を用いずに、ドロネー四面体に重なり、隙間ができないようにして色域をほぼ安定して分割することができる。
なお例外的に、4個のサンプリング点を通る球の内部には他のサンプリング点が存在しないようにして、この球面上に他のサンプリング点が1つ以上存在する場合、この球面上に存在するサンプリング点については、ドロネー四面体による分割は不定となる。これによりこの場合には、サンプリング値にランダムな微小揺らぎεを加えて、サンプリング点を球面上からずらして分割する。
続いてコンピュータは、ステップSP5に移る。ここでコンピュータは、各サンプリング点について、変換後の目標色の設定を受け付け、各サンプリング値に対応する目標色の情報を設定する。なおここでこの目標色の設定は、設計目標である基準の撮像装置でカラーチャートを撮影した撮影結果からパッチの色を抽出して実行される。なおこの目標色の設定にあっては、オペレータの指示により受け付けるようにしてもよい。
これによりコンピュータは、この電子スチルカメラ1による撮像結果と所望する色味、階調に設定された撮像装置による撮像結果との対比により、続く図10に示す変換処理により3次元ルックアップテーブル33に設定する補正用のデータを生成する。
すなわちコンピュータは、変換処理を開始すると、ステップSP11からステップSP12に移り、3次元ルックアップテーブル33に設定される各格子点に相当する色の値(入力値:xp,yp,zp)を、ステップSP3におけるサンプリング値の検出に供した色空間により入力する。
続いてコンピュータは、ステップSP13に移り、ここでステップSP12で検出した各格子点の色の値(xp,yp,zp)毎に、各格子点の色がステップSP4で設定したドロネー四面体の何れに属するかを探索する。ここで探索するドロネー四面体は、この色の値(xp,yp,zp)を内包するドロネー四面体であり、この内包するドロネー四面体が存在しない場合には、この色の値(xp,yp,zp)の変換に適した面を持つドロネー四面体である。
なおこのドロネー四面体の探索には、四面体の頂点(x0,y0,z0)、(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)が入力値(xp,yp,zp)に対して次式の関係を満たすドロネー四面体を検索することにより実行される。
但し、α、β、γは、次式により表される。
ここでこのように内包されるドロネー四面体が検出された格子点について、コンピュータは、ステップSP13からステップSP14に移り、次式の演算処理を実行することにより、検出したドロネー四面体の各頂点のサンプリング値と入力値との関係により、格子点の補間係数を計算する。ここでこの補間係数は、続くステップSP15において格子点における補正ベクトルの演算に供する重み係数であり、この(13)式では、α、β、γである。
続いてコンピュータは、ステップSP15において、ステップSP14で求めた補間係数を用いた線型補間により、対応するドロネー四面体の各頂点のサンプリング点について、ステップSP5で設定された色情報より、格子点の目標値(xt,yt,zt)を計算する。
また続くステップSP16において、この計算した目標値(xt,yt,zt)から元の入力値(xp,yp,zp)を減算し、これにより補正ベクトルVを計算する。これによりコンピュータは、ステップSP13で対応するドロネー四面体を検出することができた格子点について、ステップSP17に移ってこの処理手順を終了する。
これに対して内包するドロネー四面体が検出されない格子点について、コンピュータは、ステップSP13からステップSP18に移り、入力値(xp,yp,zp)の変換に適したドロネー四面体の面を検出する。ここでコンピュータは、入力値に係る色域の中心と、入力値(xp,yp,zp)とを結ぶ直線と交差し、かつこの色域の境界となる面を、各ドロネー四面体から検出する。具体的に、ドロネー四面体の各面を張る3つの頂点(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)に対して、次式の関係式を満足する面を検出し、この検出した面から最も入力値(xp,yp,zp)に距離が近い面を検出する。なおここで、(xorg,yorg,zorg)は、色域の中央を表す座標である。
続いてコンピュータは、ステップSP19において、ステップSP18で検出した面の頂点座標(x1,y1,z1),(x2,y2,z2),(x3,y3,z3)を用いて、(13)式の演算処理を実行することにより、格子点に係る補間係数α、β、γを計算する。
また続くステップSP20において、ステップSP19で求めた補間係数α、β、γと(15)式の演算処理により求めたパラメータηを用いた次式の演算処理による補間演算処理を実行し、これによりこの面を形成する頂点に設定された色情報により、格子点の目標値(xt,yt,zt)を計算する。
このようにしてドロネー四面体の面により格子点の目標値を計算した場合にあっても、コンピュータは、続いてステップSP16に移り、ここで格子点の補正ベクトルを計算して処理を終了する。
この処理により図6について上述した各格子点の補正ベクトルがカラーモード毎にそれぞれ計算され、この計算された補正ベクトルのデータがメモリ22に記録される。またこのメモリ22に記録された補正ベクトルのデータがユーザーにより選択されたカラーモードにより3次元ルックアップテーブル33にセットされる。
しかしてこの実施例では、色差マトリックス18により彩度補正の処理が実行されることにより、この色差マトリックス18により補正する分、ステップSP5における目標値の設定、又はステップSP16における演算結果が補正されて補正ベクトルが計算される。またこの色差マトリックス18による彩度補正により明度が変化しないように、ステップSP5における目標値が設定される。なおこの場合に、YCC変換部17から出力される色差信号による画像データ(Cb1、Cr1)に代えて、色差マトリックス18から出力される色差信号による画像データ(Cb2、Cr2)により図9及び図10の処理を実行し、これにより色差マトリックス18により補正する分、補正ベクトルの値を補正して補正ベクトルを生成するようにしてもよい。
(2)実施例の動作
以上の構成において、この電子スチルカメラ1では(図4)、撮像素子12から得られる撮像結果による画像データがリニアマトリックス、オートホワイトバランス、ガンマ補正等の処理を受けた後、YCC変換部17により輝度信号及び色差信号による画像データ(Y1、Cb1、Cr1)に変換される。またこれらのうち色差信号の画像データ(Cb1、Cr1)の彩度が色差マトリックス18により補正されて輝度信号及び色差信による画像データ(Y2、Cb2、Cr2)が生成され、この輝度信号及び色差信号による画像データ(Y2、Cb2、Cr2)の色相及び階調が、3次元ルックアップテーブルブロック19により補正された後、記録媒体20に記録され、また液晶表示部2により表示される。
この3次元ルックアップテーブルブロック19における色相、階調の補正において(図1)、輝度信号及び色差信号による画像データ(Y2、Cb2、Cr2)は、この画像データ(Y2、Cb2、Cr2)の3つの成分に対応する3次元ルックアップテーブル33により色相、階調が補正される。ここでこのように画像データ(Y2、Cb2、Cr2)の3つの成分に対応する3次元ルックアップテーブル33により色相、階調を補正する場合にあっては、明度のみ、彩度のみを補正することができる。また色差マトリックス18による彩度補正により変化した明度、彩度を変化させることなく補正することもできる。これによりこの実施例では、色差マトリックス18による処理も含めた全体として、彩度補正による明度の変化を防止することができ、その分、画質の劣化を有効に回避して画質を補正することができる。
またこのような3次元ルックアップテーブル33による色相、階調の補正にあっては、この3次元ルックアップテーブル33に設定するデータにより、色空間の限られた一部のみを調整することが可能であり、これにより代表色各色の調整操作が相互に影響を及ぼし合わないようにして、代表色の全てを最適に調整することができる。また色相が近接している場合であっても、他の色に影響を及ぼさないようにして、所望する色を最適に調整することができる。また飽和しやすい色と、飽和しにくい色とを考慮した処理も可能となる。これにより画質の劣化を有効に回避して柔軟に画質を補正することができる。
またこのような補正を内蔵の3次元ルックアップテーブル33により実行することにより、わざわざ記録媒体に撮像結果を記録してコンピュータにより処理しなくても所望する画質により撮像結果を得ることができ、これにより手軽に画質を補正することができる。これらによりこの実施例では、画質の劣化を有効に回避して手軽かつ柔軟に画質を補正することができる。
この電子スチルカメラ1では、撮影環境、ユーザーの嗜好に対応する画質補正モードが複数種類設けられており、3次元ルックアップテーブル33に設定する補正用のデータである補正ベクトルのデータが、各画質補正モードに対応する複数種類、メモリ22に格納されている。またユーザーの操作に応動して液晶表示部2にカラーモードのメニューが表示され(図3)、ユーザーによるメニューの選択により、対応する補正用のデータが3次元ルックアップテーブル33にセットされる。これによりこの電子スチルカメラ1では、この3次元ルックアップテーブル33にセットされた補正用のデータにより、画像データのサンプリング値が補正されて、ユーザーの所望する画質により出力される。
これにより電子スチルカメラ1では、撮影環境、ユーザーの嗜好に応じて種々に画質を切り換えることができ、その分、使い勝手を向上することができる。なおこの画質の切り換えにあっては、併せてアドレスデコーダ32の変換パラメータを切り換え、これにより画質補正モード毎に色空間への割り当てを変化させるようにしてもよい。
すなわちこの電子スチルカメラ1では、補正対象の画像データ(Y2、Cb2、Cr2)が取り得る色空間上のサンプリング点に対して、所定サンプリング点毎に格子点が定義され、各格子点に係る補正用のデータが3次元ルックアップテーブル33にセットされる(図5〜図8)。画像データ(Y2、Cb2、Cr2)は、エリア判定部31によりこの格子点による何れの区分の何れの箇所に存在するか参照格子点g1及びオフセットpが検出される。またこの参照格子点g1を基準にした3次元ルックアップテーブル33のアクセスにより、画像データ(Y2、Cb2、Cr2)のサンプリング点を囲む格子点について補正用のデータG1〜G8が検出され、またオフセットpによりこの補正用のデータG1〜G8による補間演算処理の補間係数が補間係数算出部34により計算される。またこの補間係数を用いた補間演算処理により、画像データ(Y2、Cb2、Cr2)のサンプリングに係る補正ベクトルVが計算され、この補正ベクトルVにより画像データ(Y2、Cb2、Cr2)の彩度、明度が補正される。
これによりこの電子スチルカメラ1では、3次元ルックアップテーブル33により補正量が求められて入力画像データが補正される。しかして3次元ルックアップテーブル33を用いた画像データの補正にあっては、3次元ルックアップテーブル33から直接、出力値を出力することも可能ではあるが、この実施例により3次元ルックアップテーブル33により補正量を出力して画像データを補正する場合にあっては、出力値を直接出力する場合に比して、3次元ルックアップテーブルの構成を小型化することができる。
しかしてこのようにして3次元ルックアップテーブル33にセットされる補正用のデータは、カラーチャートによる基準の画像を基準の照明によりこの電子スチルカメラ1で撮像して得られる画像データをサンプリングし、このサンプリング結果によるサンプリング値を頂点としたドロネー四面体の設定により、この撮像結果による色空間がドロネー四面体により分割され、各ドロネー四面体の頂点位置のサンプリング値に対して目標色が設定される。さらにこのドロネー四面体による色空間に格子点のサンプリング点が設定されて、ドロネー四面体の頂点に設定された目標色の補間演算処理により、各格子点の目標色が設定される。電子スチルカメラ1では、この格子点の目標色により各格子点の補正用のデータが生成されてメモリ22に格納される。電子スチルカメラ1では、このようにして設定されるドロネー四面体の頂点位置に係る目標色が、設計目標である基準の撮像装置でカラーチャートを撮影した撮影結果からパッチの色を抽出して設定され、この電子スチルカメラ1による撮像結果と基準の撮像装置による撮像結果との対比により補正用データが生成され、これにより簡易かつ確実に所望する画質に調整可能に3次元ルックアップテーブル33の補正用データを生成することができる。
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、画像処理部に3次元ルックアップテーブルを設け、この3次元ルックアップテーブルにより撮像結果を補正することにより、画質の劣化を有効に回避して手軽かつ柔軟に画質を補正することができる。
またこの3次元ルックアップテーブルにセットする補正用のデータを複数種類用意し、ユーザーからの指示に応じて選択的に3次元ルックアップテーブルにセットすることにより、簡易な操作により画質の補正を種々に切り換えることができる。
また画質補正のモードのメニューを複数種類、表示部に表示してユーザーの選択を受け付け、このユーザーによる選択に応じて3次元ルックアップテーブルに補正用のデータをセットすることにより、知識の乏しいユーザーにあっても、簡易かつ確実に所望する画質により撮像結果を補正することができる。
図11は、この実施例に係る電子スチルカメラにおけるカラーモードの設定画面を示す平面図である。この実施例に係る電子スチルカメラでは、このカラーモードの設定画面により画質補正の設定を受け付け、3次元ルックアップテーブルに補正用のデータを設定する。なおこの実施例では、このカラーモードの設定に係る一連の処理が異なる点を除いて、実施例1について上述した電子スチルカメラ1と同一に構成されることにより、以下の説明においては、実施例1について上述した図1、図4の構成を流用して説明する。
ここでこの設定画面は、初期状態において、実施例1(図3)について上述したと同様に、画質補正モード(カラーモード)、ISO感度、フラッシュ、解像度に係るメニューが表示され、このメニューの選択によりそれぞれ対応するサブメニューが表示される。具体的に画質補正モードのメニューが選択されると、カラーモードに係るポートレイト、Vivid(電球)、Vivid(曇天)、Vivid(晴天)、フィルム調等のサブメニューが表示される。
この実施例では、これら一連のメニューの操作において、ユーザーにより中間調による画質の補正が指示された場合、カラーモードに係る複数のメニューの選択を受け付け、この複数のメニューによる画質の中間調となるように、撮像結果の画質を補正する。
すなわち図12は、この画質設定の処理に係るコントローラ21の処理手順を示すフローチャートである。コントローラ21は、このようにしてカラーモードに係る複数のサブメニューを表示すると、この処理手順を開始してステップSP21からステップSP22に移り、ここで第1のカラーモードの選択を受け付け、続くステップSP23において、第2のカラーモードの選択を受け付ける。これによりコントローラ21は、中間調の基準となる2つのカラーモードの入力を受け付ける。
続いてコントローラ21は、ステップSP24に移り、中間調の入力受け付け画面を表示する。ここでこの実施例では、上述した各種カラーモードのサブメニューの右側に、両端を第1及び第2のカラーモードに設定したバーBを表示し(図11)、さらにこのバーBの上にカーソルKを表示する。またこのカーソルKをユーザーによるタッチパネル3等の操作により可動させ、このバーBにおけるカーソルKの位置により中間調の設定を受け付ける。しかしてコントローラ21は、このバーBにおけるカーソルKの位置が、一方の側のカラーモードに近づくと、この近づいた側のカラーモードに近づくように中間調を設定する。
これによりコントローラ21は、ユーザーにより決定の操作が得られると、このバーBの長さに対するカーソルKが内分値により、第1及び第2のカラーモードに係る重み付け係数kを生成する。また続くステップSP26において、第1及び第2のカラーモードに係る補正用のデータをメモリ22から順次ロードしてレジスタに記録し、このレジスタに記録した補正用データを用いて次式の演算処理を実行することにより、この2つのカラーモードに係る補正用データL1、L2の補間演算処理により、中間調の補正用データLOを生成する。
コントローラ21は、続くステップSP27において、このようにして生成した中間調の補正用データLOを3次元ルックアップテーブル33にセットした後、液晶表示部2の表示を切り換えて設定の完了をユーザーに通知し、ステップSP28に移ってこの処理手順を終了する。
なおこのようにして生成した中間調の補正用データを記録して保持し、この中間調の補正用データによる画質補正モードを、他の中間調の設定基準等に利用するようにしてもよい。
この実施例においては、メモリ22に記録された複数種類の補正用のデータの補間演算処理により、補間演算による補正用のデータを生成し、補正用のデータに代えて、この補間演算による補正用のデータを3次元ルックアップテーブルにセットすることにより、事前に設定された画質補正のモードを基準にして細かく画質補正を調整することができ、その分、簡易な操作により柔軟に画質を補正することができる。またこの補間演算による補正用のデータの利用により、画質補正モードのバリエーションを増大させる等の種々の利便を図ることができる。またメモリ22に記録する補正用データの種類に対して多くの画質補正モードを確保することができ、これにより補正用データの記録に供するメモリ空間を低減することができる。
また基準となる画質補正モードを表示部に表示して中間調の設定を受け付けることにより、知識の乏しいユーザーにあっても、簡易かつ確実に所望する中間調を設定することができる。
図13は、本発明の実施例3に係る電子スチルカメラを示すブロック図である。この電子スチルカメラ41において、実施例1、実施例2について上述した電子スチルカメラと同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。この電子スチルカメラ41は、撮像時に検出可能な撮影時の条件に従って、画質補正モードを自動的に選択する。
この電子スチルカメラ41において、レンズ42は、モータ43の駆動によりフォーカスレンズを光軸方向に可動し、これによりこのモータ43の駆動によりフォーカスを調整して撮像素子12の撮像面に光学像を形成する。
信号処理部44は、実施例1について上述したデモザイク処理部13からガンマ補正部16までの構成であり、撮像素子12より得られる撮像結果を画像データに変換した後、この画像データを処理して出力する。この一連の処理において、信号処理部44は、撮像結果の高域信号レベルを検出してフォーカス調整用の情報を取得し、このフォーカス調整用の情報を中央処理ユニット(CPU)45に通知する。またこのフォーカス調整用の情報によりジャストフォーカスしていると判断される領域を検出し、この領域における輝度レベルの分布を中央処理ユニット45に通知する。
3次元ルックアップテーブル処理部(3D−LUT)46は、実施例1について上述したYCC変換部17から3次元ルックアップテーブルブロック19までの構成であり、画像データの色彩、明度を補正して出力する。また中央処理ユニット45の制御によりこの色彩、明度の補正に供する3次元ルックアップテーブルのデータを更新する。
中央処理ユニット45は、信号処理部44、3次元ルックアップテーブル処理部46の制御に係るコントローラであり、制御マイクロコンピュータ(制御マイコン)48の指示により、これら信号処理部44、3次元ルックアップテーブル処理部46の動作を制御し、さらには3次元ルックアップテーブル処理部46の補正用データを生成する。また信号処理部44から出力されるフォーカス調整用の情報、輝度レベルの分布の情報を制御マイクロコンピュータ48に通知する。
モータドライバ47は、制御マイクロコンピュータ48の制御によりモータ43を駆動する。制御マイクロコンピュータ48は、この電子スチルカメラ1全体の動作を制御するコントローラであり、操作子等の操作に応動して各部の動作を制御する。この制御において、制御マイクロコンピュータ48は、中央処理ユニット45を介してフォーカス調整用の情報を信号処理部44から取得し、いわゆる山登り法によりモータドライバ47を駆動してレンズ42をオートフォーカス制御する。またこのオートフォーカス制御により、現在のフォーカス位置を検出する。
また中央処理ユニット45を介して、信号処理部44で検出されるジャストフォーカスしていると判断される領域の輝度レベルの分布の情報を取得し、現在のフォーカス位置によりこの輝度レベルの分布を判定して画質補正のモードを選択する。
すなわち図14に示すように、現在のフォーカス位置が遠距離の場合であって、ジャストフォーカスしていると判断される領域の輝度レベルが一定値以上の場合、さらには現在のフォーカス位置が近距離の場合であって、ジャストフォーカスしていると判断される領域の輝度レベルが高い場合、風景を撮影している可能性が高いと判断され、これにより画質補正モードを風景撮影のモード(Vivid)に設定する。
これに対して現在のフォーカス位置が近距離の場合であって、ジャストフォーカスしていると判断される領域の輝度レベルが中程度の場合、人物を撮影している可能性が高いと判断され、これによりが画質補正のモードを人物撮影のモード(Portrait)に設定する。これに対してジャストフォーカスしていると判断される領域の輝度レベルが低い場合、夜間の撮影である可能性が高いと判断され、これにより画質補正のモードを夜間撮影のモード(Night mode)に設定する。なおこのような画質モードの判定にあっては、パターンマッチング法を適用することができる。
しかして制御マイクロコンピュータ48は、この判定による画質補正モードによる3次元ルックアップテーブル処理部46の設定を中央処理ユニット45に指示する。なおこの場合に、実施例1又は実施例2について上述した何れかの設定手法を適用することができる。また実用上十分に適切に画質補正モードを設定できる場合には、オートフォーカス調整用の情報だけで画質補正モードを設定するようにしてもよい。
この実施例によれば、撮像時に検出可能な撮影時の条件の1つであるオートフォーカス調整による現在のフォーカス位置に応じて3次元ルックアップテーブルの補正用データを切り換えることにより、一段と手軽に、撮影の条件に応じて適切に画質補正することができるようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図15は、本発明の実施例4に係る電子スチルカメラを示すブロック図である。この電子スチルカメラ51において、実施例1、実施例2、実施例3について上述した電子スチルカメラと同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。この電子スチルカメラ41は、撮像時にのみ検出可能な撮影時の条件の1つであるオートホワイトバランス調整前の撮像結果による色温度に基づいて画質補正モードを自動的に選択する。
すなわちこの電子スチルカメラ51において、信号処理部54は、実施例1について上述したデモザイク処理部13からガンマ補正部16までの構成であり、撮像素子12より得られる撮像結果を画像データに変換した後、この画像データを処理して出力する。この一連の処理において、信号処理部54は、オートホワイトバランス調整に係る各色信号の利得の情報を中央処理ユニット55に通知する。
中央処理ユニット55は、信号処理部54、3次元ルックアップテーブル処理部46の制御に係るコントローラであり、図示しない制御マイクロコンピュータの指示により、これら信号処理部54、3次元ルックアップテーブル処理部46の動作を制御する。この一連の制御において、中央処理ユニット55は、信号処理部54から通知されるオートホワイトバランス調整に係る各色信号の利得を判定し、これにより被写体の色温度を検出する。またこの色温度検出結果により、3次元ルックアップテーブル処理部46の補正用データを更新する。
すなわち図16に示すように、晴天による撮影、曇天による撮影、電球による撮影では、被写体の色温度が微妙に異なり、これにより人物の肌色等にあっては、見た目が異なってしまう。これによりこの実施例では、検出した色温度により画質補正モードを選択し、この選択した画質補正モードに対応するように3次元ルックアップテーブル処理部46に補正用データをセットする。なおこの場合に、実施例1又は実施例2について上述した何れかの設定手法を適用することができる。
この実施例によれば、撮像時に検出可能な撮影時の条件の1つである色温度に応じて3次元ルックアップテーブルの補正用データを切り換えることにより、一段と手軽に、撮影の条件に応じて適切に画質補正することができるようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
この実施例では、実施例3、実施例4について上述した撮像結果に係る組み合わせにより画質補正モードを切り換える。なおこの実施例に係る電子スチルカメラは、この組み合わせに係る構成を除いて、実施例3、実施例4について上述した電子スチルカメラと同一に構成される。
すなわちこの実施例において、電子スチルカメラは、メモリ22に格納した複数種類の補正用データのそれぞれ対応する画質補正モードM1〜Mnについて、現在のフォーカス位置、輝度レベル、撮像結果の色温度を判定する基準パターンが設けられる。またこの基準パターンを用いたパターンマッチングにより、撮像結果より得られる現在のフォーカス位置、ジャストフォーカスしていると判断される領域の輝度レベル、撮像結果の色温度を判定し、それぞれ各画質補正モードM1〜Mnの重み付け係数k1〜knを生成する。
この電子スチルカメラは、次式により示すように、この重み付け係数k1〜knを用いて各画質補正モードM1〜Mnの補正用データL1〜Lnを重み付け加算し、これにより補間演算処理による補正用のデータL0を生成する。この電子スチルカメラは、この補間演算処理による補正用のデータL0が3次元ルックアップテーブルにセットされる。
この実施例においては、各画質補正モードによるパターンマッチングにより、撮像時に検出可能な撮影時の条件を判定して補正用のデータを生成することにより、さらに一段と適切に画質補正することができるようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図17は、本発明の実施例6に係る電子スチルカメラを示すブロック図である。この電子スチルカメラ61において、上述の実施例に係る電子スチルカメラと同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。この電子スチルカメラ61は、3次元ルックアップテーブルブロック69が、YCC変換部17の前段に設けられる点を除いて、実施例1〜5について上述した電子スチルカメラと同一に構成される。これによりこの実施例では、色差マトリックス18による彩度補正の前段の、原色色信号による画像データの段階で、3次元ルックアップテーブルにより画質を補正する。
この実施例のように、色差マトリックス18による彩度補正の前段において、さらには原色色信号による画像データの段階で、3次元ルックアップテーブルにより画質を補正するようにしても、上述の各実施例と同様の効果を得ることができる。
図18は、本発明の実施例7に係る電子スチルカメラを示すブロック図である。この電子スチルカメラ71において、上述の実施例に係る電子スチルカメラと同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。この電子スチルカメラ71は、γ補正部16、色差マトリックス部18、YCC変換部17が省略され(図4)、3次元ルックアップテーブルブロック79のみでこれら省略した各部の処理と、彩度補正、階調補正の処理とを実行する。この実施例に係る電子スチルカメラは、この3次元ルックアップテーブルブロック79に係る構成が異なる点を除いて、実施例1〜5について上述した電子スチルカメラと同一に構成される。
この実施例のように、3次元ルックアップテーブルのみにより彩度調整、階調調整し、さらに原色色信号による画像データを輝度信号及び色差信号による画像データに変換する等しても、上述の各実施例と同様の効果を得ることができる。またこのように3次元ルックアップテーブルのみにより彩度、階調調整し、さらに原色色信号による画像データを輝度信号及び色差信号による画像データに変換すること等により、全体構成を簡略化して、上述の各実施例と同様の効果を得ることができる。
この実施例においては、実施例1〜実施例7の構成において、所定の基準ベクトルによる補正用のデータL1をメモリ22に記録して保持し、次式により示すように、この補正用のデータL1を利得kにより乗算して補正用のデータL0を生成し、この補正用のデータL0を3次元ルックアップテーブル33に格納する。この実施例では、この利得kの制御により画質を調整する。なおこのような利得kの制御による画質を調整にあっては、上述の実施例1〜7について上述した画質調整方法と組み合わせて使用するようにしてもよい。
この実施例のように、基準の補正用データを重み付け係数により補正して3次元ルックアップテーブル33に格納するようにして、この重み付け係数の可変により画質を調整することにより、補正用のデータに係るメモリの容量を低減して、さらには色補正量を効率よく調整できるようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図19は、本発明の実施例9に係る電子スチルカメラに適用される3次元ルックアップテーブルブロックを示すブロック図である。この実施例に係る電子スチルカメラは、実施例1〜7について上述した電子スチルカメラの構成において、この3次元ルックアップテーブルブロック89が適用される。
この3次元ルックアップテーブルブロック89は、補間計算部35から出力される補正ベクトルVを重み付け処理して加算部36に出力する乗算部89A、この加算部36の出力値を重み付け処理して出力する乗算部89Cが設けられ、実施例1〜7について上述した3次元ルックアップテーブル33への補正用データのセットに代えて、又は3次元ルックアップテーブル33への補正用データのセットに加えて、これら乗算部89A、89Cへの重み付け係数の設定により、画質を調整する。
具体的に、この電子スチルカメラでは、次式により示すように、乗算部89Aにより補正ベクトルVを重み付け係数kにより重み付けして加算部36により入力画像データに加算し、これにより画質を補正する。また乗算部89Cにより重み付けして利得が増大した分、乗算部89Cによる重み付けにより利得を低下させる。
なおこの場合に、ビット精度が問題にならない場合には、乗算部89Cを省略するようにしてもよい。また入力画像データ側に乗算回路89Bを設け、乗算部89Aによる重み付けの処理に代えて、又は乗算部89Aによる重み付けの処理に加えて、この乗算部89Bにより重み付けの処理を実行するようにしてもよい。なおこのように乗算部89Aによる重み付けの処理に代えて、入力画像データ側に設けた乗算部89Bにより重み付けの処理を実行する場合にあっては、間接的に、3次元ルックアップテーブル33の出力値を重み付け係数により重み付けして出力することになる。なおこの画質の調整にあっても、上述の実施例1〜8について上述した画質調整方法と組み合わせて使用するようにしてもよい。
この実施例によれば、3次元ルックアップテーブルの出力値を重み付け係数により重み付けして出力するようにして、この重み付け係数の可変により画質を調整することにより、補正用のデータに係るメモリの容量を低減して、さらには色補正量を効率よく調整できるようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図20は、本発明の実施例10に係る電子スチルカメラに適用される3次元ルックアップテーブルブロックを示すブロック図である。この実施例に係る電子スチルカメラは、実施例1〜7について上述した電子スチルカメラの構成において、この3次元ルックアップテーブルブロック99が設けられる。
ここでこの3次元ルックアップテーブルブロック99は、3次元ルックアップテーブル93から直接出力値(Y3、Cb3、Cr3)を出力するように構成され、またこの構成に対応するように、3次元ルックアップテーブル93に補正用のデータがセットされる。なおこの実施例では、このように3次元ルックアップテーブル93から直接出力値(Y3、Cb3、Cr3)を出力するように構成されている点を除いて、実施例1〜7について上述した電子スチルカメラと同一に構成される。
この実施例のように、3次元ルックアップテーブル93から直接出力値を出力するように構成しても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
この実施例では、上述の実施例1〜10の構成において、3次元ルックアップテーブル及び又は3次元ルックアップテーブルブロックを複数個有し、これら複数個の出力値を合成して画像データを出力する。この実施例では、この出力値の合成を重み付け係数を用いた重み付け加算により実行し、この重み係数の制御により画質を調整する。
この実施例のように複数系統の3次元ルックアップテーブルの出力値の直接の、又は間接の合成により色調整するようにして、この出力値の合成に係る重み係数の制御により撮像結果の画質を調整するようにしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
この実施例に係る電子スチルカメラでは、記録媒体20への記録に係るフォーマットによる色空間の範囲外についても、撮像結果を処理できるように、3次元ルックアップテーブルが作成される。なおこの実施例では、この3次元ルックアップテーブルに係る構成が異なる点を除いて、実施例1〜11の電子スチルカメラと同一に構成される。
またこのように構成して3次元ルックアップテーブルは、次式の関係式により示されるように、色差信号による画像データCb、Crの最大値Cmaxによりクリッピング処理する。これにより3次元ルックアップテーブルは、一方の色差信号がクリッピング処理されると、他方の色差信号もクリッピング処理するようにして色相が変化しないようにし、出力フォーマットにより定義される色空間の範囲より飛び出す入力画像データについては、色相が変化しないようにクリッピング処理する。
これによりこの電子スチルカメラでは、図21に示すように、色相の変化を防止して、入力画像データを記録媒体20への記録に係る色空間に変換して記録媒体20に記録する。
なおこのような範囲外の色空間に係る処理にあっては、記録媒体への記録が色信号による画像データの場合にも広く適用することができる。
すなわちこの場合、原色色信号による撮像結果の入力画像データを、マトリックス演算部により処理してsRGB色域内にマッピングした後、3次元ルックアップテーブルブロックに入力する。また3次元ルックアップテーブルにセットする補正用のデータは、この実施例による電子スチルカメラの撮像結果より求められる各格子点のRGB値をL*a*b*値に変換し、L*a*b*空間で求めた任意のガマットマッピング処理後のRGB値を参考に作成する。
これによりこの場合、図22に示すように、RGB値による色相の変化を防止して、RGB色空間における各サンプリング点が空間中央に変位するように入力画像データのサンプリング値を補正する。
なおこのような出力フォーマットに対応するように色空間の範囲を補正する処理にあっては、画像データの種々の出力に広く適用することができ、例えば液晶表示部2で表示可能な色空間により出力画像データを制限する場合等にも広く適用することができる。
この実施例によれば、記録媒体に記録する記録フォーマットにより定義される色空間の範囲より飛び出す撮像結果については、色相が変化しないようにクリッピングして出力することにより、後処理の際の飽和による色相の変化を有効に回避できるようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
この実施例に係る電子スチルカメラでは、3次元ルックアップテーブルの処理に係る3つの軸を異なる分解能に設定する。なおこの実施例では、この3次元ルックアップテーブルに係る構成が異なる点を除いて、実施例1〜12の電子スチルカメラと同一に構成される。
すなわちこの実施例においては、3次元ルックアップテーブルの設定に係る格子点の数が、各軸方向に、それぞれ(2p+1、2q+1、2r+1)に設定される。またこの設定に対応するように補正用データが生成され、エリア判定部31、補間係数算出部34では、(5)〜(7)式による演算処理に代えて、次式による演算処理により入力画像データを処理し、また補正用データを補間演算処理する。
この実施例によれば、3次元ルックアップテーブルの処理に係る3つの軸を異なる分解能に設定することにより、軸毎に分解能を最適化して3次元ルックアップテーブルの規模を縮小し、補正用データを保持するメモリの容量を低減することができ、さらには上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図23は、本発明の実施例14に係る電子スチルカメラに適用される3次元ルックアップテーブルブロックを、関連する構成と共に示すブロック図である。この実施例に係る電子スチルカメラでは、この3次元ルックアップテーブルブロックの前後に、色空間変換用のルックアップテーブル19A及び19Bが設けられる点を除いて、実施例1〜13の電子スチルカメラと同一に構成される。
この電子スチルカメラでは、このルックアップテーブル19A及び19Bにより入力画像データの色空間を変換し、3次元ルックアップテーブルブロック19による処理精度を向上する。
ここでルックアップテーブル19A及び19Bは、入出力特性が逆特性となるように設定され、これによりこの電子スチルカメラでは、空間変換時に生じる歪みによる精度低下が防止される。
この実施例では、このルックアップテーブル19A及び19Bによる色空間の変換処理に、1次元の変換処理が適用される。ここで入力側のルックアップテーブル19Aは、続く3次元ルックアップテーブルブロック19に係る格子点の設定が、高い精度による画質補正が求められる部位で密となるように、非線型の入出力特性により入力画像データを処理して出力する。なおここでこの高い精度による画質補正が求められる部位は、例えば無彩色、記憶色である。
具体的に、この入力側のルックアップテーブル19Aは、輝度信号及び色差信号による入力画像データが処理対象の場合、図24に示すように、色差信号については、無彩軸近辺では傾きが大きく、高彩度になるにつれ傾きが緩やかになる入出力特性に設定される。またこの高彩度側にて、曲線が収束する入力値が任意に設定され、これにより続く3次元ルックアップテーブルブロック19で処理する空間範囲が制御される。なお入力値の範囲が出力値の範囲よりも広い場合には、出力値の範囲で入力値を正規化し、これにより処理精度を向上する。
なお図25に示す特性は、この図24に示す特性に対する逆特性であり、出力側のルックアップテーブル19Bの色差信号に係る入出力特性である。
これに対して輝度信号について、入力側のルックアップテーブル19Aは、図26に示すように、肌色等の重要色付近と、高輝度部分とで傾きが大きくなるように入出力特性が設定される。なおこのように高輝度部分で傾きを大きくするのは、ダイナミックレンジを拡大するためである。
なお図27に示す特性は、この図26に示す特性に対する逆特性であり、出力側のルックアップテーブル19Bの輝度信号に係る入出力特性である。
この実施例によれば、ルックアップテーブルによる処理の前後で、色空間を変換するようにして、この色空間の変換を1次元の処理により実行することにより、3次元ルックアップテーブルによる処理の精度を向上するようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。すなわちこの場合、格子点が密となる無彩色、記憶色を細かく色調整して画質補正の精度を向上することができる。
図28は、図23との対比により本発明の実施例15に係る電子スチルカメラに適用される3次元ルックアップテーブルブロックを、関連する構成と共に示すブロック図である。この実施例に係る電子スチルカメラでは、この3次元ルックアップテーブルブロックの前後の構成が異なる点を除いて、実施例14の電子スチルカメラと同一に構成される。
この電子スチルカメラでは、3次元ルックアップテーブルブロックの前後に、1次元の色空間変換処理に係るルックアップテーブル19A及び19Bに代えて、2次元の変換処理に係る色空間変換処理に係るルックアップテーブル19C及び19Dが設けられ、このルックアップテーブル19C及び19Dにより色差信号が補正される。
また3次元ルックアップテーブルブロック19の入出力段、色差信号に係る系統に、それぞれオフセット部19E〜19Hが設けられ、これにより3次元ルックアップテーブルブロック19に入力する色差信号に係る画像データにバイアスを与え、また3次元ルックアップテーブルブロック19から出力される色差信号に係る画像データからこのバイアスを除去する。
これによりこの実施例では、色相に関して、高い精度による画質補正が求められる部位で3次元ルックアップテーブルブロック19に係る格子点の設定が密となるように、入力画像データの色空間を変換し、その分、実施例14に比して3次元ルックアップテーブルブロック19による処理精度を向上する。なおこの構成において、輝度信号について、1次元の色空間変換処理を適用してもよい。
この実施例によれば、ルックアップテーブルによる処理の前後で、色空間を変換するようにして、この色空間の変換を2次元の処理により実行することにより、3次元ルックアップテーブルによる処理の精度を一段と向上するようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
この実施例に係る電子スチルカメラでは、図23に示す構成において、1次元のルックアップテーブル19A及び19Bに代えて、3次元のルックアップテーブルが設けられ、これによりルックアップテーブルによる処理の前後で、色空間を変換するようにして、この色空間の変換を3次元の処理により実行する。
またこの色空間の変換では、原色色信号による画像データを処理対象に設定して、入力側でRGB色空間からL*a*b*色空間への色空間変換処理を実行し、出力側では、この入力側の逆変換処理、又はL*a*b*色空間からYCC色空間への変換処理を実行する。またこれにより3次元ルックアップテーブルブロック19では、L*a*b*色空間に係る補正用データが設定されて、彩度補正等の処理を実行する。
この実施例によれば、ルックアップテーブルによる処理の前後で、色空間を変換するようにして、この色空間の変換を3次元の処理により実行することにより、3次元ルックアップテーブルによる処理の精度を一段と向上するようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図29は、図1との対比により本発明の実施例17に係る電子スチルカメラに適用される3次元ルックアップテーブルブロックを示すブロック図である。この実施例に係る電子スチルカメラでは、この3次元ルックアップテーブルブロックが適用される点を除いて、実施例1〜16の電子スチルカメラと同一に構成される。
ここでこの3次元ルックアップテーブルブロック109は、エリア判定部31、アドレスデコーダ32に代えて、エリア検出部109A、エリア判定部109B、アドレスデコーダ109Cが設けられる。ここでエリア検出部109Aは、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)におけるサンプリング値の判定により、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)による色空間に設定された複数の領域のうちの、特定の領域にこの入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)のサンプリング値が存在する場合を検出する。
ここでこの特定の領域にあっては、高い精度による画質補正が求められる領域であり、例えば肌色、緑色等の記憶色を含む記憶色近傍の領域である。
エリア判定部109Bは、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)のサンプリング値の判定により、入力画像データの参照格子点g1、オフセットpを検出する。この処理においてエリア判定部109Bは、エリア検出部109Aにより、入力画像データ(Y2、Cb2、Cr2)のサンプリング値が色空間上の特定の領域に存在する場合にのみ、参照格子点g1、オフセットpを検出して出力する。
このエリア検出部109A、エリア判定部109Bに対応して、3次元ルックアップテーブル33は、補正用のデータに係る色空間が、エリア検出部109Aにおける領域分割に対応して領域分割され、エリア検出部109Aの検出に係る特定領域に限って、それぞれ対応する補正用のデータが記録される。またこのように特定領域に限った分、高い分解能による補正用のデータが記録される。これにより3次元ルックアップテーブルブロック109は、記憶色に係る特定領域についてのみ、補正ベクトルVを生成して入力画像データの画質を補正し、これによりこの実施例では、画質補正の精度を一段と向上する。
また画質補正モードに応じて3次元ルックアップテーブル33の補正用データが切り換えられると共に、アドレスデコーダ32の変換パラメータが切り換えられ、これにより画質補正モード毎に色空間への割り当てが切り換えられ、これによっても画質補正の精度を一段と向上する。なおこの場合に、エリア検出部109Aにおいて検出する領域の切り換えにより、入力画像データにおける色空間を分割する領域数を切り換え、これにより補正モード毎に色空間への割り当てを切り換えるようにしてもよい。
この実施例によれば、3次元ルックアップテーブルに係る色空間を複数の領域に分割して、各領域で3次元ルックアップテーブルによる処理を切り換えることにより、記憶色等の特定領域について調整精度を向上することができる。これにより一段と細かく画質を調整できるようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図30は、図1との対比により本発明の実施例18に係る電子スチルカメラに適用される3次元ルックアップテーブルブロックの周辺構成を示すブロック図である。この実施例に係る電子スチルカメラでは、この3次元ルックアップテーブルブロック19の周辺構成が異なる点を除いて、実施例1〜17の電子スチルカメラと同一に構成される。
ここでこの電子スチルカメラ1では、外部インターフェース(外部I/F)122に接続されるメモリカード等の記録媒体を介して、他の撮像装置、パーソナルコンピュータ等で作成された3次元ルックアップテーブル33の補正用のデータを取得し、メモリ22に記録する。またこの外部インターフェース122を介して取得した補正用のデータをユーザーによる操作に応動して3次元ルックアップテーブル33にセットする。これによりこの電子スチルカメラ1では、他の装置による画像補正の条件を再現することができるように構成される。
またこれとは逆に、メモリ22に記録した補正用のデータをコンピュータ等により編集可能に、さらに他の撮像装置にセット可能に、外部インターフェース122を介して記録媒体に記録する。
この実施例によれば、外部インターフェースを介して他の撮像装置による補正用のデータを取得して3次元ルックアップテーブルにセットすることにより、他の装置による画像補正の条件を再現することができ、これによりユーザーによる使い勝手を向上して上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
この実施例に係る電子スチルカメラは、例えばメモリカード等を介して、他の撮像装置で記録された撮像結果を取得し、この撮像結果により3次元ルックアップテーブルにセットする補正用データを生成する。これによりこの電子スチルカメラは、他の撮像装置における画質補正の処理をエミューションし、ユーザーによる使い勝手を向上する。
具体的に、この実施例に係る電子スチルカメラは、このエミューションに係る処理を実行可能に、全体の動作を制御するコントローラ等が構成される点を除いて、実施例1〜17の電子スチルカメラと同一に構成される。
ここでこの電子スチルカメラに係るコントローラは、この他の撮像装置と同一の撮影条件により同一のカラーチャートを撮影し、これらの2つの撮像結果を用いて図9及び図10の処理手順を実行して補正用のデータを生成する。なおこの処理において、他の撮像装置による撮像結果にあっては、各格子点における目標色に設定される。
これによりこの電子スチルカメラでは、他の撮像装置により実施される画質補正を再現可能に、3次元ルックアップテーブルの補正用データを生成する。
この実施例によれば、他の撮像装置で記録された撮像結果を取得して3次元ルックアップテーブルにセットする補正用データを生成することにより、この他の撮像装置における画質補正の処理をエミューションすることができ、これによりユーザーによる使い勝手を向上して上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
なお上述の実施例においては、YCC色空間により3次元ルックアップテーブルの補正用データを生成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、L*a*b*色空間、CIECAM02 Jab色空間上で設計するようにしてもよい。なお図31〜図34は、それぞれ図9及び図10との対比により、L*a*b*色空間、CIECAM02 Jab色空間上で補正用データを生成する処理手順を示すフローチャートである。これらの処理においては、図9及び図10の対応する処理ステップと符号を対応付けて示すように、補正用データの生成に供する色空間に対応するように、サンプリング値を変換して処理することにより、上述の実施例と同様に、簡易かつ確実に補正用データを生成することができる。
また上述の実施例においては、電子スチルカメラにより静止画による撮像結果を取得する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、電子スチルカメラやビデオカメラにより動画による撮像結果を取得する場合にも広く適用することができる。なおこの場合に、実施例8、実施例9等について上述した3次元ルックアップテーブルの処理結果に係る重み付け係数を徐々に変化させるようにして、時間軸方向で画像補正を変化させるようにしてもよい。
また上述の実施例においては、撮像結果をリアルタイムにより処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、撮像結果をいわゆるRAWデータにより記録媒体に記録して保持し、後日、上述の各実施例に対応する処理により画質を調整するようにしてもよい。なおこの場合に、撮像結果を取得する際にのみ検出可能な撮影時の条件についてもRAWデータに記録するようにして保持し、後日、RAWデータに対して実施例3、実施例4と同様の処理を実行するようにしてもよい。
また上述の実施例においては、単に画質補正した撮像結果を記録媒体に記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、画質補正に使用した補正用のデータを特定する情報を併せて記録し、以降の処理に利用できるようにしてもよい。
また上述の実施例においては、本発明を電子スチルカメラに適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等、種々の形態による撮像装置に広く適用することができる。