JPH06169394A - 色調修正装置 - Google Patents

色調修正装置

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JPH06169394A
JPH06169394A JP4341690A JP34169092A JPH06169394A JP H06169394 A JPH06169394 A JP H06169394A JP 4341690 A JP4341690 A JP 4341690A JP 34169092 A JP34169092 A JP 34169092A JP H06169394 A JPH06169394 A JP H06169394A
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JP4341690A
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Shigeo Murakami
繁男 村上
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色調修正を行う領域を色空間内の領域で判断
し、また、その領域の指定をオペレータの意思通りに行
え、さらに、滑らかな色調修正を施す。 【構成】 第1のフレームメモリ10に格納されている原
画像の各画素のRGB信号をルックアップテーブル17を
用いてHSL値に変換し、原画像について指定した有効
領域から特定したdH,dS,dLと比較して各画素が
HSL色空間での有効領域にあるかどうかを判定し、有
効領域にあると判定された画素のRGB信号に対してパ
ラメータメモリ18にストアされているkr,kg,kb
を作用させて色調修正を行う。このとき、被修正色のH
U,U,U データと、判定された画素のHij, Sij, L
ijデータとの差分量に応じてkr,kg,kbの値を可
変し、滑らかに変化する新たなパラメータを算出してこ
れを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、カラースキャ
ナで読み取られた画像あるいは各種のビデオ画像の色調
修正装置に係り、特に、原画像中の被修正色に対応する
画素のRGB信号を、所望の目的色のRGB信号に変換
することで、原画像の色調修正を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】色調修正処理には、原画像のRGB信号
の値を目的色に応じて変えるパラメータが用いられる。
例えば、原画像の赤色成分を増やしたい場合にはR信号
に作用するパラメータの値を大きくし、緑色成分を増や
したい場合にはG信号に作用するパラメータの値を大き
くして色調修正処理を行う。原画像の各画素についてパ
ラメータを作用させていくと膨大な計算量となるため、
予め設定されたパラメータをR,G,B信号の各値に作
用させたルックアップテーブルを用いて色調修正を行う
場合が多い。
【0003】原画像中の特定の領域のみを色調修正した
い場合には、その特定領域をマウス等のポインティング
デバイスで指定し、指定した領域の画素のRGB信号に
対してのみ前記のパラメータを作用させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】まず、特定領域の指定
が困難で煩雑な作業である。例えば、原画像中の赤いセ
ータの色を変えたいが、その付近にあるリンゴの赤い色
は変えたくないという状況では、セータの輪郭にそって
マウス等のポインティングデバイスを操作して色調修正
の領域を特定する必要があり、色調修正処理に要する時
間の延長を招くという問題がある。
【0005】そこで、上記のような幾何学的な領域指定
ではなく、色空間における領域を指定し、その領域内に
ある画素に対してのみ色調修正処理を行うという方法が
考えられている。色空間としては、人間の知覚色の3属
性値である色相H,彩度S,明度Lを3次元座標とする
HSL色空間を用いるのがよく、原画像の各画素のRG
B信号の値をそのHSLの値に変換して、指定されたH
SL色空間の範囲内にあるかどうかを判断し、その範囲
内にある画素のHSL値を修正して、これを元のRGB
信号に逆変換するという装置が提案されている。
【0006】しかし、そのような装置においては、RG
B信号の値をHSLの値に変換するための手段(ルック
アップテーブル等)と、HSLの値をRGB信号の値に
逆変換するための手段としてのもう1つのルックアップ
テーブルが必要であり、2つの変換が可逆変換であるた
めにはルックアップテーブルに充分な精度が要求され、
これらのテーブルを格納するための記憶装置として大容
量のものを要し、色調修正装置がコスト高になるという
問題が生じる。
【0007】また、色調修正を行う領域は、HSL値で
指定されるのが一般的であるが、このような指定のしか
たでは、オペレータの意思通りに指定するのが難しいと
いう問題もある。
【0008】次に、上記のような幾何学的な特定領域の
指定,色空間における特定領域の指定、いずれにおいて
も、原画像が全体的に滑らかな変化をしている場合に
は、その中で特定領域を指定し、その領域内の色変換を
パラメータを用いて行うのであるから、その領域の境界
部分において急激に色が変化する不自然な画像となると
いう問題がある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、色調修正を行う領域を色空間における
領域に基づいて判断しながらも上記のように記憶装置の
容量を肥大化することなく、また、オペレータの意思を
容易に反映して色調修正を行う領域の指定が行え、さら
に、滑らかに変化する画像信号を有する原画像の特定領
域の色調修正を行ったとしてもその滑らかさを損なうこ
とのない色調修正装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために次のような構成をとる。すなわち、請求項
1に記載の発明は、原画像の各画素のデジタル化された
3原色信号(RGB信号)を記憶する原画像データ記憶
手段と、前記RGB信号を知覚色の3属性値(HSL
値)に変換する画像データ変換テーブルと、色調修正処
理の対象中心となる被修正色と、色調修正後の目的色と
を指定するとともに、前記被修正色を基準とした色調修
正処理の有効範囲を前記原画像の画素で指定する処理条
件指定手段と、前記処理条件指定手段で指定された被修
正色と目的色とに基づき色調修正処理用のパラメータを
算出するパラメータ算出手段と、前記処理条件指定手段
で指定された有効範囲を示す画素のRGB信号を前記画
像データ変換テーブルに与えることにより得られるHS
L値に基づいて、前記被修正色を基準とした色調修正処
理の有効範囲をHSL値で特定する有効範囲特定手段
と、前記原画像データ記憶手段に記憶された原画像の各
画素のRGB信号を前記画像データ変換テーブルに与え
ることにより得られたHSL値と、前記有効範囲特定手
段により特定された色調修正処理の有効範囲を示すHS
L値とを比較して色調修正処理の対象となる画素を判定
する第1処理手段と、前記第1処理手段で色調修正処理
の対象となると判定された画素のRGB信号に、前記パ
ラメータ算出手段で算出されたパラメータを作用させて
色調修正処理を行う第2処理手段と、を備えたものであ
る。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の色調修正装置において、前記処理条件指定手段
で色調修正処理の有効範囲が指定されなかったとき、前
記第1処理手段での色調修正処理の対象となる画素の判
定を、色調修正処理の有効範囲をHSL値で示した所定
のデフォルト値を用いて行うものである。
【0012】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の色調修正装置において、被修正
色に対応する画素のHSL値と、前記第1処理手段で色
調修正対象と判定された画素のHSL値との差分値を算
出し、前記差分値が大きくなるに従って前記色調修正処
理用のパラメータが小さくなるように前記パラメータを
補正するパラメータ補正手段を備えたものである。
【0013】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
から請求項3のいずれかに記載の色調修正装置におい
て、前記処理条件指定手段で指定された色調修正処理の
対象中心となる被修正色と、色調修正後の目的色とを表
示する表示手段を備えたものである。
【0014】
【作用】請求項1に記載の発明による作用は次のとおり
である。処理条件指定手段から指定された色調修正処理
の有効範囲を示す画素のRGB信号を画像データ変換テ
ーブルに与えることにより得られるHSL値に基づい
て、有効範囲特定手段において被修正色を基準とした色
調修正処理の有効範囲をHSL値で特定し、その有効範
囲を示すHSL値と、原画像の各画素のRGB信号を画
像データ変換テーブルに与えることにより得られたHS
L値とを比較して当該画素が色調修正の対象であるかど
うかを判定し(第1処理手段)、その対象であると判定
された画素のRGB信号にパラメータ算出手段で算出さ
れたパラメータを作用させて色調修正処理を行う(第2
処理手段)。
【0015】つまり、RGB信号をHSL値に変換する
のは、色調修正処理の対象画素を判定するためだけであ
り、実際の色調修正処理は対象画素のRGB信号に対し
て行うので、RGB信号をHSLの値に変換する唯1つ
の画像データ変換テーブルがあればよく、また、その精
度も逆変換を前提としないので相対的に粗いものでよい
ため、処理の有効範囲を色空間の値であるHSL値で判
断しながらも、記憶装置の容量の肥大化が免れる。しか
も、有効範囲の指定は原画像の画素で行う構成であり、
オペレータは原画像に基づいて色調修正を行いたい有効
範囲の指定が行える。従って、例えば、赤いセータの付
近にあるトマトの赤は色調修正したくないが、リンゴの
赤はセータとともに色調修正したいという場合に、原画
像のトマトの画素を色調修正処理の有効範囲外として指
定し、原画像のリンゴの画素を色調修正処理の有効範囲
内として指定する等により、色調修正処理の有効範囲を
指定すればよいので、オペレータの意思を容易に反映す
ることができる。
【0016】請求項2に記載の発明による作用は次のと
おりである。処理条件指定手段で色調修正処理の有効範
囲が指定されなかったとき、第1処理手段では、原画像
データ記憶手段に記憶された原画像の各画素のRGB信
号を画像データ変換テーブルに与えることにより得られ
たHSL値と、色調修正処理の有効範囲をHSL値で示
した所定のデフォルト値とを比較して色調修正処理の対
象となる画素を判定する。
【0017】通常の色調修正処理を行う場合、色調修正
を行う有効範囲を略一定にすることがしばしば行われて
おり、そのように経験的に知られている有効範囲をデフ
ォルト値として持ち、そのデフォルト値を色調修正処理
の対象となる画素の判定に用いても、所望の色調修正を
行うことが可能である。また、このように、色調修正処
理の対象となる画素の判定をデフォルト値を用いて行う
ことにより、オペレータは有効範囲の指定を行う必要が
なく操作を簡素化することができる。
【0018】請求項3に記載の発明による作用は次のと
おりである。前記第1処理手段で色調修正対象と判定さ
れた画素のHSL値(hsl)は、被修正色を基準とし
た有効範囲内にあると判定された値であるから、この値
と被修正色に対応する画素のHSL値(HSL)との差
分値は、(HSL)=(hsl)のときを最小値とし
て、(hsl)が有効範囲の限度値、すなわち、色空間
における色調修正処理の対象画素と非対象画素との境界
値に近づくにつれて大きくなる。
【0019】パラメータ補正手段は、前記差分値が大き
くなるに従って前記算出されたパラメータが小さくなる
ように補正するから、このパラメータを用いた前記第2
処理手段における色調修正処理の強度は、対象画素と非
対象画素との境界で最小となり、対象画素が前記被修正
色に対応した画素に近づくほど大きくなる。したがっ
て、色調修正処理後の画像において、対象画素と非対象
画素との境界で急激に色が変化することがない。
【0020】請求項4に記載の発明による作用は次のと
おりである。すなわち、前記処理条件指定手段で指定さ
れた色調修正処理の対象中心となる被修正色と、色調修
正後の目的色とを表示する表示手段を備えているので、
両色の違いを同一の表示手段上で確認でき実用上便利と
なる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は色調修正装置の外観斜視図である。色調
修正(以下、単に色修正という)が施される被処理画
像、および色修正後の画像を表示する画像用モニタ3
と、データ入力装置4、画像データを記憶する光磁気デ
ィスクのドライブ装置1 (光磁気ディスクドライバ
1)、修正前後の画像データをそれぞれ格納するフレー
ムメモリを内蔵したフレームメモリユニット2、色修正
を施した画像をフィルムFに記録する出力スキャナ5、
および色修正処理を主な機能とするコンピュータ本体9
が主な構成部品である。
【0022】データ入力装置4は、オペレータ(本装置
の使用者)がデータを入力するための操作用モニタ6,
キーボード7,マウス8で構成されている。
【0023】図2に本装置のシステムブロック図を示
し、このブロック図を参照しながら本装置の構成や動作
を、オペレータの操作を交えながら説明していく。ただ
し、図2は、コンピュータ本体9の処理機能のうち、色
修正処理に関する機能をブロック図として独立に示して
おり、それ以外の処理、例えば操作用モニタ6にデータ
を出力表示するための処理や、色修正後の画像をスキャ
ナ5に出力する処理等を行う機能は、データ入力装置4
等に含むものとする。
【0024】光磁気ディスクドライバ1は、被処理画像
(以下、原画像)のデジタル化された画像信号を本装置
に取り込むためのものである。原画像信号が光磁気ディ
スクに格納されていることを前提としているが、磁気テ
ープに格納されていてもよいし、ハードディスクに格納
されていてもよい。そのような場合、それぞれの記憶媒
体をアクセスするドライブ装置が光磁気ディスクドライ
バ1に代わる。また、原画像のデジタル化された画像信
号を本装置に取り込む手段としては、上記以外にも、入
力スキャナ(図示せず)から取り込んでもよい。この場
合には、入力スキャナで3色分解された原画像信号が、
後述する第1のフレームメモリ10に直接格納される。
【0025】第1のフレームメモリ10は、光磁気ディス
クドライバ1で読み取られた原画像の1フレーム分のR
(赤),G(緑),B(青)の各3原色信号をそれぞれ
に格納する記憶容量を有している。この第1のフレーム
メモリ10内の原画像信号は内部スイッチSWを介して画
像用モニタ3に出力されて画像表示される。オペレータ
が、その画面を見ながらデータ入力装置4のマウス8等
のポインティングデバイスを操作し、修正したい色の表
示箇所を指定すると、データ入力装置4は、画像用モニ
タ3の画面上で指定された点の座標データを第1のフレ
ームメモリ10への読み出しアドレスとして出力する。
【0026】ここで、読み出されたR,G,Bの3原色
信号をRU,U,U 信号とする。RU,U,U 信号は、
上記のマウス8で指定された点(画素)のR,G,B信
号であるが、オペレータが指定した点の色、つまりオペ
レータが目で見て判断した被修正色は、厳密には画面上
のその指定点の色だけによらず、指定点の周りの色から
の影響も受けている。そこで、RU,U,U 信号とし
て、マウス8で指定した点を中心に隣接する4画素、あ
るいはその周辺8画素のR,G,B信号の値を平均した
ものを用いてもよい。
【0027】なお、RU,U,U 信号は、上述のように
画像用モニタ3に表示された原画像の画素をマウス8等
で指定する以外にも、例えば、キーボード7から直接
R、G、B各信号の数値で指定してもよい。このとき、
例えば、第1のフレームメモリ10に格納されるR,G,
B信号がそれぞれ8ビットのデジタル信号であれば、そ
れを10進数に変換した「0〜255 」までの数値でRU,
U,U 信号を指定してもよいし、または、「0〜255 」
の数値を百分率した「0〜100(%) 」の数値で指定して
もよい。上記の被修正色のRU,U,U 信号に該当する
原画像中の全ての画素を、画像用モニタ3で特色表示あ
るいは点滅表示する等の構成を採用すれば、原画像にお
ける被修正色の分布をオペレータが容易に把握できる。
【0028】RU,U,U 信号は第1の画素値メモリ11
にストアされるとともに、パラメータ算出部12、カラー
パッチ表示用メモリ13,データ入力装置4に出力され
る。これらのメモリ、および後述するメモリは、例え
ば、コンピュータ本体9の内部メモリ(主記憶装置)の
記憶領域の一部分として存在し、また、各演算処理部は
その処理アルゴリズムに従ったプログラムを実行するC
PU(中央処理装置)に相当する。
【0029】カラーパッチ表示用メモリ13は、画像用モ
ニタ3の画面上において予め規定されている領域(例え
ば、画面の左下隅付近など)に対応するアドレスに上記
のRU,U,U 信号をストアして画像用モニタ3に出力
し、被修正色のカラーパッチを原画像に重畳表示する。
カラーパッチとは、オペレータが原画像上で指定した被
修正色を独立的に観察できるように、画像用モニタ3の
ある所定の領域内をその色で塗り潰して表示したものを
指す。
【0030】なお、上記のようにRU,U,U 信号をキ
ーボード7から数値で指定する場合には、指定した被修
正色(カラーパッチ)がリアルタイムで画像用モニタ3
に表示されるので、オペレータは、指定したRU,U,
U 信号の数値と、想定していた被修正色との相関関係を
即座に把握でき、もし、カラーパッチの色が想定してい
た被修正色と異なっていれば、RU,U,U 信号の数値
を更新するなどして、容易にかつ正確に被修正色の指定
を行なえる。
【0031】RU,U,U 信号が与えられたデータ入力
装置4は、RU,U,U 信号を数値に変換して、操作用
モニタ6にそれらの数値を出力表示する。この表示は、
上述したように、第1のフレームメモリ10に格納されて
いるR,G,B信号がそれぞれ8ビットのデジタル信号
であれば、「0〜255 」までの数値でRU,U,U 信号
を表してもよいし、「0〜255 」の数値を百分率した
「0〜100(%) 」の数値で表してもよい。
【0032】オペレータは、上記で画像用モニタ3に表
示された被修正色のカラーパッチと、操作用モニタ6に
表示されたRU,U,U 信号の数値とを参照して、処理
後の色(以下、目的色)のR,G,B信号の各数値をキ
ーボード7から入力する。データ入力装置4は、入力値
に対応するR,G,B信号を生成し、カラーパッチ表示
用メモリ13,パラメータ算出部12に出力する。その目的
色のR,G,B信号を以下ではRT,T,T 信号と記
す。
【0033】カラーパッチ表示用メモリ13は、前記のR
U,U,U 信号をストアした記憶領域と同じ領域をもつ
別の記憶場所(例えば、前記の被修正色のカラーパッチ
の表示箇所のとなりに対応する記憶場所)に、RT,T,
T 信号をストアして画像用モニタ3に出力し、目的色
のカラーパッチを原画像に重畳表示する。
【0034】このように、オペレータがRT,T,T
号の値を入力すると、リアルタイムでその値に応じた画
像(カラーパッチ)を画像用モニタ3に表示するので、
オペレータは、上記設定したRT,T,T 信号の数値
と、想定していた目的色との相関関係を即座に把握で
き、もし、カラーパッチの色が想定していた目的色と異
なっていれば、RT,T,T 信号の数値を更新するなど
して、容易にかつ正確に目的色の指定を行うことができ
る。
【0035】なお、目的色の指定は、上記のようにRT,
T,T 信号の数値をキーボード7から入力する以外に
も、例えば、画像用モニタ3に表示されている原画像の
画素をマウス8等で指定してもよい。この場合、画像用
モニタ3の画面上で指定された点に相当する第1のフレ
ームメモリ10のアドレスに記憶されているR、G、B信
号をRT,T,T 信号として読み出すことになる。
【0036】被修正色と目的色との指定が完了すると、
続いて、被修正色から目的色への色修正の有効範囲の指
定がオペレータにより行われる。本装置では、その有効
範囲を原画像の画素により指定するか、画素を指定せず
にデフォルト値を用いるように構成されている。まず、
オペレータは、画素を指定するか、指定しないかを操作
用モニタ6に表示されたメニュー画面等に従ってキーボ
ード7等で選択する。画素を指定する場合には、画像用
モニタ3に表示されている原画像の画素をマウス8等で
指定する。この指定のしかたには、種々のバリエーショ
ンが考えられるが、例えば原画像内の赤いセータのある
部分の色(RU,U,U )を被修正色として指定した場
合について、それらを以下に示す。
【0037】(1)色修正したい画素の例を1個指定す
る。これは、例えば、赤いセータの付近のリンゴの赤も
セータとともに色修正したいときなどに、色修正したい
画素の例として原画像内のリンゴの画素を指定する場合
に相当する。
【0038】(2)色修正したくない画素の例を1個指
定する。これは、例えば、赤いセータの付近のトマトの
赤は色修正したくないときなどに、色修正したくない画
素の例として原画像内のトマトの画素を指定する場合に
相当する。
【0039】(3)色修正したい画素の例と色修正した
くない画素の例をそれぞれ1個指定する。これは、例え
ば、赤いセータの付近のリンゴの赤はセータとともに色
修正したいが、セータの付近のトマトの赤は色修正した
くないときなどに、色修正したい画素の例として原画像
内のリンゴの画素を、色修正したくない画素の例として
原画像内のトマトの画素を指定する場合に相当する。
【0040】(4)色修正したい画素の例を複数個指定
する。これは、例えば、赤いセータの付近のリンゴの赤
と赤いマフラーの赤をセータとともに色修正したいとき
などに、色修正したい画素の例として原画像内のリンゴ
の画素とマフラーの画素を指定する場合に相当する。
【0041】(5)色修正したくない画素の例を複数個
指定する。これは、例えば、赤いセータの付近のトマト
の赤と赤い手袋の赤は色修正したくないときなどに、色
修正したくない画素の例として原画像内のトマトの画素
と手袋の画素を指定する場合に相当する。
【0042】(6)色修正したい画素の例と色修正した
くない画素の例をそれぞれ複数個指定する。これは、例
えば、赤いセータの付近のリンゴの赤と赤いマフラーの
赤はセータとともに色修正したいが、セータの付近のト
マトの赤と赤い手袋の赤は色修正したくないときなど
に、色修正したい画素の例として原画像内のリンゴの画
素とマフラーの画素を、色修正したくない画素の例とし
て原画像内のトマトの画素と手袋の画素を指定する場合
に相当する。
【0043】上記のように、画像用モニタ3の画面上で
指定すると、その点(色修正したい画素の例や色修正し
たくない画素の例等)に相当する第1のフレームメモリ
10のアドレスに記憶されているR、G、B信号をRIx
Ix,BIx信号(色修正したい画素の例)、ROx
Ox,BOx信号(色修正したくない画素の例)(但し、
Xは指定された画素の個数に相当する)として読み出
し、有効範囲の画素値メモリ14にストアする。なお、画
素の指定のしかたは上記のように種々あるので、指定の
しかたに応じて、R、G、B信号が有効範囲の画素値メ
モリ14にストアされることになる。
【0044】そして、有効範囲の画素値メモリ14にスト
アされているRIx,GIx,BIx信号やROx,GOx,BOx
信号に基づいて、後述する有効範囲の特定処理により特
定される有効範囲dH,dS,dLが有効範囲メモリ15
にストアされる。このdH,dS,dLは、被修正色の
U,U,U 信号に対応する色相(Hue)をHU,彩度(Sat
uration)をSU,明度(Lightness) をLU とした場合に、
U ±dH,SU ±dS,LU ±dLで表されるもので
ある。
【0045】一方、画素を指定しない場合には、デフォ
ルト値メモリ16に予めストアされている有効範囲のデフ
ォルト値がそのまま有効範囲メモリ15にストアされる
(図の点線で示すデータの流れ)。この有効範囲のデフ
ォルト値は、dH,dS,dLでストアされており、そ
の値の更新も可能なように構成されている。
【0046】本装置は、ここまでで入力あるいは抽出さ
れた情報、すなわち、「被修正色のR,G,B信号(R
U,U,U 信号)」,「目的色のR,G,B信号(RT,
T,T 信号)」,「色修正の有効範囲を示す画素、ま
たは、画素が指定されなかった場合の有効範囲のデフォ
ルト値」とを用いて、第1のフレームメモリ10に格納さ
れている原画像の各画素の色成分が、色修正の有効範囲
にあるかどうかを判断して色修正の履行,不履行を決定
し、色修正処理を施す。
【0047】まず、原画像の各画素の色成分が、HSL
色空間における色修正の有効範囲にあるかどうかを判断
するため、R,G,Bの値を色相H,彩度S,明度Lの
値に変換するためのルックアップテーブル17を以下の手
順で作成し保持しておく。
【0048】R,G,Bの値は、色相H,彩度S,明度
Lの値に直接的に対応していないので、R,G,Bの値
をLab表色系(この表示系は、国際照明委員会(CI
E)が均等知覚色空間として1976年に推奨した表示
系である。)の値に変換し、そのLab表色系の値をH
SL色空間の値に変換するという手順を採る。
【0049】R,G,Bの値をLab表示系に変換する
には、まず、画像用モニタ3にR,G,Bそれぞれの最
大値Rmax,Gmax,Bmax を加えたときの三刺激値Xima
x,Yimax,Zimax (i=R,G,B)を分光放射計で
測定する。
【0050】次に、画像用モニタ3のガンマ(カラーモ
ニタの入力信号と発光出力との関係を示す定数:以下で
は便宜上、符号tで表す)を用いて、任意のRGBの値
r,g,bが入力されたときの三刺激値X,Y,Zを次
式で求める。 X=Σ(j/imax)t ・Ximax :(i=R,G,B、
j=r,g,b) Y=Σ(j/imax)t ・Yimax :(i=R,G,B、
j=r,g,b) Z=Σ(j/imax)t ・Zimax :(i=R,G,B、
j=r,g,b) 上記の各式において、i=R,G,Bと変化するごと
に、j=r,g,bと変化する。
【0051】この三刺激値X,Y,Zを用い、R,G,
Bの値を次式でLab表色系の値に変換する。この式変
換式は上記のCIEによって定められたものである。 L=116 ・(Y/Yn)1/3 − 16 a=500 ・〔(X/Xn)1/3 −(Y/Yn)1/3〕 b=200 ・〔(Y/Yn)1/3 −(Z/Zn)1/3〕 ただし、Yn=ΣYimax (i=R,G,B)、Xn=
ΣXimax (i=R,G,B)、Zn=ΣZimax (i
=R,G,B)である。
【0052】Lab表色系と、HSL色空間との関係を
図3に示す。図3において、Lab表色系のL軸はHS
L色空間の明度Lにそのまま対応し、a軸とb軸の2次
元座標上の動径が彩度Sに対応し、a軸と動径とのなす
角θが色相Hに対応している。したがって、上記で求め
たLの値をそのままHSL色空間の明度の値とし、彩度
Sおよび色相Hは次の各式を用いて求める。
【0053】S2 =A2 +B2 H =tan-1(B/A) ただし、A<0のときは、色相Hの計算結果に 180度を
加え、A>0でB<0のときは 360度を加える。これ
は、計算結果としてマイナスの値を出さないためであ
る。
【0054】図2のルックアップテーブル17には、以上
のような各演算式によって求められたR,G,B信号の
値に対応するH,S,Lの値がストアされる。しかし、
デジタル化されたR,G,B信号のビット数をnとする
と、R,G,Bの値の組合せはn3 となり、それら全て
に対応したH,S,Lの値をテーブルにすると膨大なデ
ータ量となるため、nビットの例えば下位数ビットを削
除してmビットとし(n>m)、そのmビットのR,
G,B信号に対応するH,S,Lの値(このデータを削
減する必要はないのでnビットで表す)をルックアップ
テーブル17にストアして構成してもよい。
【0055】先にも述べたように、R,G,B信号の値
をHSL色空間の値に変換するのは、原画像の各画素の
色成分が、指定された色修正の有効範囲内にあるかを判
断するためであり、変換したHSL色空間の値を色修正
処理に用いるのではないため、R,G,B信号のビット
数の削減による精度の低下は特に問題ない。
【0056】そこで、第1の画素値メモリ11にストアさ
れている被修正色のRU,U,U 信号(nビット)のう
ち、下位数ビットを除くmビットのみをルックアップテ
ーブル17に出力して、nビットのH,S,Lの値を得
る。これをHU,U,U として表す。HU,U,U は第
1の画素値メモリ11の別の記憶領域にストアされる。
【0057】また、被修正色のRU,U,U 信号および
目的色のRT,T,T 信号が与えられているパラメータ
算出部12は、次の各式によって色修正処理に必要なパラ
メータkr,kg,kbを算出する。 kr=RT /RU −1 kg=GT /GU −1 kb=BT /BU −1 算出されたkr,kg,kbはパラメータメモリ18にス
トアされる。
【0058】さらに、有効範囲が画素で指定された場合
の有効範囲の特定を有効範囲特定部19で行う。なお、有
効範囲特定部19での有効範囲の特定に先立って、指定さ
れた画素から抽出されたRIx,GIx,BIx信号やROx
Ox,BOx信号等(有効範囲の画素値メモリ14に記憶さ
れている)は、第1の画素値メモリ11と同様、下位数ビ
ットを除くmビットのみをルックアップテーブル17に出
力し、これに対応するnビットのHIx,SIx,LIx信号
やHOx,SOx,LOx信号を得て、有効範囲の画素値メモ
リ14の別の記憶領域にストアしておく。
【0059】有効範囲の特定方法は、先に述べた画素の
指定のしかた(1)〜(6)により異なるので、それぞ
れの特定方法を以下に説明する。 (1)色修正したい画素の例を1個指定する場合には、
有効範囲の画素値メモリ14にRIx,GIx,BIx信号とH
Ix,SIx,LIx信号(但し、x=1)が記憶されてい
る。このHIx,SIx,LIx信号と、被修正色に対するH
SL値であるHU,U,U との各絶対差分量のα倍(但
し、α>1)を、HSL値で示した有効範囲dH,d
S,dLとして有効範囲メモリ15にストアする。以下に
その算出式を示す。
【0060】dH= HIx−HU ×α dS= SIx−SU ×α dL= LIx−LU ×α
【0061】ここで、HIx,SIx,LIx信号とHU,U,
U との各絶対差分量をα倍するのは、以下のような理
由による。すなわち、HIx,SIx,LIx信号とHU,U,
U との各絶対差分量をそれぞれdH,dS,dLとす
れば、色修正したい例として指定した画素が、有効範囲
の境界値になってしまう。このような場合、上記で求め
たパラメータkr,kg,kbを後述するように、補正
してKR,KG,KBとし、原画像の各画素に作用させ
たとき、有効範囲の境界での色修正は全く効果がないも
のとなる。これでは、色修正したい例として指定した画
素であるにもかかわらずその画素が色修正されないこと
になるので、オペレータの意思が反映されないことにな
る。そこで、HIx,SIx,LIx信号とHU,U,U との
各絶対差分量をα倍(α>1)し、有効範囲の境界値を
広く採り、色修正したい例として指定した画素にも充分
な色修正が施されるようにするものである。なお、本実
施例装置では、αとして「2」が設定されており、ま
た、αの設定値は適宜更新可能に構成されている。
【0062】(2)色修正したくない画素の例を1個指
定する場合には、有効範囲の画素値メモリ14にROx,G
Ox,BOx信号とHOx,SOx,LOx信号(但し、x=1)
が記憶されている。このHOx,SOx,LOx信号とHU,
U,U との各絶対差分量を、有効範囲dH,dS,dL
として有効範囲メモリ15にストアする。以下にその算出
式を示す。
【0063】dH= HOx−HU dS= SOx−SU dL= LOx−LU
【0064】ここで、dH,dS,dLの算出に、上記
(1)のようにα倍しないのは、色修正したくない例と
して指定した画素が有効範囲の境界値となり、その画素
について色修正の効果が表れないようにすることの方が
好ましいからである。
【0065】(3)色修正したい画素の例と色修正した
くない画素の例をそれぞれ1個指定する場合には、有効
範囲の画素値メモリ14にRIx,GIx,BIx信号、ROx
Ox,BOx信号とHIx,SIx,LIx信号、HOx,SOx
Ox信号(但し、x=1)が記憶されている。この
Ix,SIx,LIx信号とHU,U,U との各絶対差分量
と、HOx,SOx,LOx信号とHU,U,U との各絶対差
分量との平均値を、有効範囲dH,dS,dLとして有
効範囲メモリ15にストアする。以下にその算出式を示
す。
【0066】 dH=( HIx−HU + HOx−HU )÷2 dS=( SIx−SU + SOx−SU )÷2 dL=( LIx−LU + LOx−LU )÷2
【0067】ただし、 HIx−HU > HOx−HU
のときは、オペレータの指定誤りであると判断して、例
えば、操作用モニタ6などにエラーメッセージとエラー
内容とを表示し、再度、画素を指定しなおしてもらうよ
うにする。これは、色修正したいとして指定した有効範
囲内に、指定したくない画素の例を指定しており、処理
上、矛盾するからである。なお、本実施例装置では、オ
ペレータが色相の差に注目して、画素を指定することが
多いことを考慮し、彩度や明度については、SIx−SU
> SOx−SU や LIx−LU > LOx−LU
であっても、上記のようなエラー扱いせずに、有効範囲
dH,dS,dLを算出するように構成しているが、厳
格を期すためには、彩度や明度についても色相と同様に
設定値のチェックを行うようにしてもよい。
【0068】(4)色修正したい画素の例を複数個指定
する場合には、有効範囲の画素値メモリ14にRIx
Ix,BIx信号とHIx,SIx,LIx信号(但し、xは指
定された画素の個数)が記憶されている。このHIx,S
Ix,LIx信号とHU,U,U との各絶対差分量の中から
最大値を求め、求めた最大値( HIX−HU MAX
IX−SU MAX , LIX−LU MAX )のα倍(但
し、α>1)を、有効範囲dH,dS,dLとして有効
範囲メモリ15にストアする。以下にその算出式を示す。
【0069】dH= HIX−HU MAX ×α dS= SIX−SU MAX ×α dL= LIX−LU MAX ×α
【0070】(5)色修正したくない画素の例を複数個
指定する場合には、有効範囲の画素値メモリ14にROx
Ox,BOx信号とHOx,SOx,LOx信号(但し、xは指
定された画素の個数)が記憶されている。このHOx,S
Ox,LOx信号とHU,U,Uとの各絶対差分量の中から
最小値を求め、求めた最小値を有効範囲dH,dS,d
Lとして有効範囲メモリ15にストアする。以下にその算
出式を示す。
【0071】dH= HOX−HU MIN dS= SOX−SU MIN dL= LOX−LU MIN
【0072】(6)色修正したい画素の例と色修正した
くない画素の例をそれぞれ複数個指定する場合には、有
効範囲の画素値メモリ14にRIx,GIx,BIx信号、
Ox,GOx,BOx信号とHIx,SIx,LIx信号、HOx
Ox,LOx信号(但し、xは指定された画素の個数)が
記憶されている。このHIx,SIx,LIx信号とHU,U,
U との各絶対差分量の中から最大値を求め、求めた最
大値( HIX−HU MAX, SIX−SU MAX , L
IX−LU MAX )と、HOx,SOx,LOx信号とHU,U,
U との各絶対差分量の中から最小値を求め、求めた最
小値( HOX−HU MIN , SOX−SU MIN , LOX
−LU MIN )との平均値を、有効範囲dH,dS,d
Lとして有効範囲メモリ15にストアする。以下にその算
出式を示す。
【0073】 dH=( HIX−HU MAX + HOX−HU MIN )÷2 dS=( SIX−SU MAX + SOX−SU MIN )÷2 dL=( LIX−LU MAX + LOX−LU MIN )÷2
【0074】なお、 HIX−HU MAX > HOX−HU
MIN の場合は、上記(3)と同様のエラー処理を行
う。
【0075】次に、第1のフレームメモリ10に格納され
ている原画像の各画素のR,G,B信号を順に読み出し
て第2の画素値メモリ20に一旦にストアする。第1のフ
レームメモリ11の水平方向の画素数をx,垂直方向の画
素数をyとすると、画素ij(i=1,2,・・・x、j
=1,2,・・・y)のRij, Gij,Bij信号が順に第
2の画素値メモリ20にストアされ、そして、第1の画素
値メモリ11と同様、下位数ビットを除くmビットのRi
j, Gij, Bij信号がルックアップテーブル17に出力さ
れ、これに対応するnビットのHij, Sij, Lijが第2
の画素値メモリ20の別の記憶領域にストアされる。
【0076】比較部21は、第1の画素値メモリ11にスト
アされているHU,U,U と、第2の画素値メモリ20に
順次ストアされるHij, Sij, Lijとを比較して、その
絶対差分量が、有効範囲メモリ15にストアされているd
H,dS,dLの値よりも大きいか否かを判断する。以
下に比較式を示す。 Hij−HU <dH Sij−SU <dS Lij−LU <dL
【0077】Hij, Sij, Lijの各値すべてが上記の比
較式を満たすときに(第1のフレームメモリ10から読み
出された画素ijのHSL色空間の値が有効範囲内に存在
するときに)、比較部21は色修正処理部22に処理の履行
を指示する制御信号を出力する。逆に、Hij, Sij, L
ijのいずれか1つでも上記の比較式を満たしていないと
きには(有効範囲外であるときには)、色修正処理部22
に対して処理の不履行を指示する制御信号を出力する。
【0078】色修正処理部22は、処理の履行を指示する
制御信号に基づき、第1の画素値メモリ11にストアされ
ているHU,U,U のデータ、第2の画素値メモリ20に
ストアされているHij, Sij, Lijのデータ、有効範囲
メモリ15にストアされているdH,dS,dLのデー
タ、パラメータメモリ18にストアされているkr,k
g,kbのデータを読み出して、第2の画素値メモリ20
から出力されているRij,Gij, Bij信号(ビット数が
削減されていないnビットの信号)の色修正処理を以下
に述べるようにして行い、第2のフレームメモリ23にス
トアしていく。なお、色修正処理部22は、処理の不履行
を指示する制御信号が比較部21から与えられると、第2
の画素値メモリ20から出力されているRij, Gij, Bij
信号をそのまま、第2のフレームメモリ23にストアす
る。
【0079】色修正処理は、基本的には前記のパラメー
タ算出部12が算出したkr,kg,kbを、処理対象と
判断された画素ijのRij, Gij, Bij信号に乗算し、さ
らにこれをRij, Gij, Bij信号に加算して行うべきも
のではあるが、そうすると、以下のような問題が懸念さ
れる。
【0080】すなわち、原画像のR,G,B信号の値が
滑らかに変化している部分の画素群に対して、上記のよ
うに、指定された有効範囲を基準に色修正処理の履行,
不履行を区別すると、その滑らかに変化している画素群
の途中で急に色が変化し、画像として不自然なものにな
る可能性がある。いわゆるトーンジャンプと呼ばれてい
るような現象が発生する。そこで、このような問題を解
消するため、色修正処理を行う前に次のような処理を行
う。
【0081】まず、次式に示すようにして、処理の対象
となった画素ijのRij, Gij, Bij信号のHij, Sij,
Lijデータと、被修正色のRU,U,U 信号のHU,U,
Uデータとの差分量の絶対値ΔH,ΔS,ΔLを算出
する。 Hij−HU =ΔH Sij−SU =ΔS Lij−LU =ΔL
【0082】この差分量に応じてパラメータkr,k
g,kbを可変するための係数を以下の計算によって求
める。 1−(ΔH/dH)=kh 1−(ΔS/dS)=ks 1−(ΔL/dL)=kl 上式において、dH,dS,dLは有効範囲メモリ15に
ストアされている色修正処理の有効範囲を示す値、すな
わち、処理の対象となる画素とそうでない画素の境界を
示す値である。そして、kh,ks,klは、ΔH,Δ
S,ΔLがdH,dS,dLに近づくにつれて最小値
「0」に近づき、ΔH,ΔS,ΔLが「0」に近づく、
すなわち、dH,dS,dLから遠くなるにつれて最大
値「1」に近づく係数である。
【0083】したがって、係数kh,ks,klを、以
下の式を用いて色修正のパラメータkr,kg,kbに
作用させると、前記の境界値に近づくほど(被修正色か
ら遠くなるほど)、kr,kg,kbを小さくし、前記
の境界値から遠くなるほど(被修正色に近づくほど)、
kr,kg,kbの値に等しくなる新たなパラメータが
得られる。そのパラメータをKR,KG,KBで表す。 KR=kr・kh・ks・kl KG=kg・kh・ks・kl KB=kb・kh・ks・kl
【0084】このような、パラメータKR,KG,KB
を色修正処理に用いることにより、滑らかに変化してい
る画素群の途中で急に画像の色が変化することなしに、
自然な色修正が行える。なお、上記各パラメータKR・
KG・KBの右辺におけるkh・ks・klに代えて、
kh・ks・klの平方根(√(kh・ks・kl))
を用いてもよい。
【0085】色修正処理部22は、第2の画素値メモリ20
から出力されている処理対象画素のRij, Gij, Bij信
号に、上記のパラメータKR,KG,KBを乗算した値
を加算して色修正処理を行う。 rij=Rij・(1+KR) gij=Gij・(1+KG) bij=Bij・(1+KB) このrij, gij, bijは色修正処理後の画素ijの3原色
信号であり、第2のフレームメモリ23にストアされる。
【0086】第2のフレームメモリ23にストアされた色
修正処理後の画像信号と、第1のフレームメモリ10にス
トアされている処理前の画像(原画像)信号は、データ
入力装置4の例えばマウス8のスイッチ等によって切り
換え動作する内部スイッチSWによって、選択的に画像
用モニタ3に出力されて表示される。色修正後の画像と
修正前の画像とを交互に見比べることができ、実用上便
利である。なお、色修正後の画像と修正前の画像とを、
画像用モニタ3に分割並列表示できるように構成しても
よい。
【0087】また、第2のフレームメモリ23にストアさ
れた1フレームぶんの色修正後の画像は、RGB/CM
YK変換されて出力スキャナ5に出力され、フィルムF
(図1参照)に記録される。なお、本装置では、出力ス
キャナ5を接続して、色修正後の画像のR,G,B信号
を出力スキャナ5に出力するように構成したが、色修正
後の画像のR,G,B信号を例えば、光磁気ディスクド
ライバ1に出力して光磁気ディスクに記憶し、他の製版
システム等に渡すように構成してもよい。また、色修正
後の画像のR,G,B信号を他の製版システム等に渡す
ための媒体としては、光磁気ディスクに限らず、磁気テ
ープ等であってもよい。
【0088】上記の実施例によれば、指定した有効範囲
の中にある画素に対してだけ色修正処理を行うが、この
対象となるのは原画像のすべての画素である。つまり、
1枚の画像中、指定した色の範囲内にあるすべての画素
が色修正処理をうけてしまう。このことが不都合であれ
ば、データ入力装置4のマウス8等で指定した領域に対
してのみ上記の処理を行うように構成してもよい。
【0089】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明の色調修正装置によれば、原画像の各画
素のRGB信号を変換テーブルに与えて各画素のHSL
値を求め、そのHSL値が有効範囲内にあるかどうかを
比較して処理対象となる画素を判定し、判定された画素
のRGB信号にパラメータを作用させて色調修正処理を
行うので、RGB信号の値をHSLの値に変換する唯1
つのテーブルがあればよく、従来装置のように可逆変換
である必要がないので低い精度のテーブルで済み、処理
の有効範囲を色空間の値であるHSL値で判断可能とし
ながらも、記憶装置の容量の肥大化が免れ、装置のコス
トダウンを図ることができる。また、有効範囲は、原画
像の画素で指定し、指定された画素に基づいてHSL値
での有効範囲を特定するように構成しており、オペレー
タは原画像に基づいて色調修正を行いたい有効範囲の指
定が行えるので、オペレータの意思を容易に反映させる
ことができる。
【0090】請求項2に記載の発明の色調修正装置によ
れば、処理条件指定手段で色調修正処理の有効範囲が指
定されなかったとき、第1処理手段では、原画像データ
記憶手段に記憶された原画像の各画素のRGB信号を画
像データ変換テーブルに与えることにより得られたHS
L値と、色調修正処理の有効範囲をHSL値で示した所
定のデフォルト値とを比較して色調修正処理の対象とな
る画素を判定するように構成したので、オペレータは有
効範囲の指定を行う必要がなく操作を簡素化することが
できる。また、有効範囲の判断を要しないので、誰でも
が所望の色調修正を行うこともできる。
【0091】請求項3に記載の発明によれば、原画像中
の被修正色に対応する画素のHSL値と、前記色調修正
対象と判定された画素のHSL値との差分値が大きくな
るに従って、前記パラメータの値が小さくなるように補
正して色調修正処理に用いるので、この処理が施される
画素とそうでない画素との境界で色調修正処理の強度は
最小となり、この処理が施される画素が被修正色に対応
した画素の色空間での値に近づくほど強度は最大になる
ような滑らかな色調修正とすることができ、トーンジャ
ンプと呼ばれる現象を回避した自然な画像を得ることが
できる。
【0092】請求項4に記載の発明では、被修正色と、
目的色とを表示する表示手段を備えるので、両色の違い
を同一の表示装置上で確認でき、目的色の指定を行うと
きなど便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色調修正装置の一実施例に係る外観斜
視図である。
【図2】その内部構成を示すブロック図である。
【図3】色相,彩度,明度の値を3次元座標とするHS
L色空間と、Lab表色系との関係を示す図である。
【符号の説明】
3 … 画像用モニタ(表示手段) 4 … データ入力装置(処理条件指定手段) 10 … 第1のフレームメモリ(原画像データ記憶手
段) 12 … パラメータ算出部(パラメータ算出手段) 17 … ルックアップテーブル(画像データ変換テーブ
ル) 19 … 有効範囲特定部(有効範囲特定手段) 21 … 比較部(第1処理手段) 22 … 色修正処理部(第2処理手段,パラメータ補正
手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原画像の各画素のデジタル化された3原
    色信号(RGB信号)を記憶する原画像データ記憶手段
    と、 前記RGB信号を知覚色の3属性値(HSL値)に変換
    する画像データ変換テーブルと、 色調修正処理の対象中心となる被修正色と、色調修正後
    の目的色とを指定するとともに、前記被修正色を基準と
    した色調修正処理の有効範囲を前記原画像の画素で指定
    する処理条件指定手段と、 前記処理条件指定手段で指定された被修正色と目的色と
    に基づき色調修正処理用のパラメータを算出するパラメ
    ータ算出手段と、 前記処理条件指定手段で指定された有効範囲を示す画素
    のRGB信号を前記画像データ変換テーブルに与えるこ
    とにより得られるHSL値に基づいて、前記被修正色を
    基準とした色調修正処理の有効範囲をHSL値で特定す
    る有効範囲特定手段と、 前記原画像データ記憶手段に記憶された原画像の各画素
    のRGB信号を前記画像データ変換テーブルに与えるこ
    とにより得られたHSL値と、前記有効範囲特定手段に
    より特定された色調修正処理の有効範囲を示すHSL値
    とを比較して色調修正処理の対象となる画素を判定する
    第1処理手段と、 前記第1処理手段で色調修正処理の対象となると判定さ
    れた画素のRGB信号に、前記パラメータ算出手段で算
    出されたパラメータを作用させて色調修正処理を行う第
    2処理手段と、 を備えたことを特徴とする色調修正装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の色調修正装置におい
    て、前記処理条件指定手段で色調修正処理の有効範囲が
    指定されなかったとき、前記第1処理手段での色調修正
    処理の対象となる画素の判定を、色調修正処理の有効範
    囲をHSL値で示した所定のデフォルト値を用いて行う
    色調修正装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の色調修
    正装置において、被修正色に対応する画素のHSL値
    と、前記第1処理手段で色調修正対象と判定された画素
    のHSL値との差分値を算出し、前記差分値が大きくな
    るに従って前記色調修正処理用のパラメータが小さくな
    るように前記パラメータを補正するパラメータ補正手段
    を備えた色調修正装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の色調修正装置において、前記処理条件指定手段で指定
    された色調修正処理の対象中心となる被修正色と、色調
    修正後の目的色とを表示する表示手段を備えた色調修正
    装置。
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