JPWO2005028546A1 - ゴム状重合体粒子の製造方法およびこれを含有する樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
ゴム状重合体粒子の製造方法およびこれを含有する樹脂組成物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2005028546A1 JPWO2005028546A1 JP2005514019A JP2005514019A JPWO2005028546A1 JP WO2005028546 A1 JPWO2005028546 A1 JP WO2005028546A1 JP 2005514019 A JP2005514019 A JP 2005514019A JP 2005514019 A JP2005514019 A JP 2005514019A JP WO2005028546 A1 JPWO2005028546 A1 JP WO2005028546A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- polymer particles
- aggregate
- organic solvent
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08C—TREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
- C08C1/00—Treatment of rubber latex
- C08C1/14—Coagulation
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08C—TREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
- C08C1/00—Treatment of rubber latex
- C08C1/14—Coagulation
- C08C1/15—Coagulation characterised by the coagulants used
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J3/00—Processes of treating or compounding macromolecular substances
- C08J3/12—Powdering or granulating
- C08J3/14—Powdering or granulating by precipitation from solutions
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J3/00—Processes of treating or compounding macromolecular substances
- C08J3/12—Powdering or granulating
- C08J3/16—Powdering or granulating by coagulating dispersions
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J9/00—Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
- C08J9/16—Making expandable particles
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L51/00—Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L51/04—Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to rubbers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L63/00—Compositions of epoxy resins; Compositions of derivatives of epoxy resins
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L83/00—Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L83/04—Polysiloxanes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2321/00—Characterised by the use of unspecified rubbers
- C08J2321/02—Latex
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2351/00—Characterised by the use of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Derivatives of such polymers
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Abstract
Description
また本発明は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂にゴム弾性体等のゴム状重合体粒子が分散した樹脂組成物の製造方法に関し、不純物が従来と比較して大幅に低減された樹脂組成物を提供することができる。
さらに本発明の好ましい態様によれば、工程の連続化により効率良く製造できるため、設備コストが抑制された製造方法を提供することができる。
前記凝集体を得る方法としては、例えば、(1)無機電解質または酸を凝固剤として添加する方法、(2)高分子凝集剤を添加する方法、(3)有機溶媒を直接ラテックスと接触させる方法、(4)ラテックスを加熱、または凍結させる方法、(5)機械的な剪断力を与える方法、或いはこれらを適宜組み合わせた方法が提案されている。
この際、得られた凝集体から重合体由来の乳化剤や電解質、さらには凝固剤として使用された無機電解質などの不純物を除去する方策としては、凝集体を水と接触させる方法が広く行われている。しかしながら、これらの不純物を除去するために大量の水を必要とするのみならず、充分に不純物を除去できないのが現状である。また、有機溶媒により洗浄する方法も行われているが、工程が複雑となり工業的に不利なプロセスとなる。
一方、反応性基を有する重合性有機化合物の硬化物、例えばエポキシ樹脂の硬化物は、寸法安定性、機械的強度、電気的絶縁特性、耐熱性、耐水性、耐薬品性などの多くの点で優れている。しかしながら、エポキシ樹脂の硬化物は破壊靭性が小さく、非常に脆性的な性質を示すことがあり、広い範囲の用途においてこのような性質が問題となることが多い。
これらの問題を解決するための手法の一つとして、エポキシ樹脂中にゴム成分を配合することが試みられている。その中でも、乳化重合、分散重合、懸濁重合に代表される水媒体中の重合方法などを用いて予め粒子状に調製したゴム状重合体を配合する方法は、例えば、エポキシ樹脂に対して非架橋の不定形ゴム成分を溶解混合した後、硬化過程において相分離を生じさせることで、エポキシ樹脂硬化物連続相にゴム成分の分散相を生成させる様な方法と比較して、原理上、配合硬化条件による分散状態の変動を生じにくいこと、ゴム成分を予め架橋しておくことでエポキシ樹脂硬化物連続相へのゴム成分の混入がなく耐熱性や剛性の低下が少ないこと、などの種々の利点が考えられることから、各種の製造方法が提案されている。
例えば、(6)ノニオン乳化剤等を用いた乳化重合で作成された部分架橋ゴム状ランダム共重合体粒子を乳化剤の曇点以上に加熱して凝固させた後に、必要に応じて凝固体を水洗し、エポキシ樹脂と混合する方法(例えば、特許第1708498号公報、特許第2751071号公報、および特開平5−295237号参照)、(7)ゴム状重合体ラテックスとエポキシ樹脂を混合した後、水分を留去して混合物を得る方法(例えば、特開平6−107910号公報参照)、(8)ゴム状重合体ラテックスを有機溶剤の存在下、エポキシ樹脂に混合して混合物を得る方法(例えば、米国特許第4778851号明細書参照)、が開示されている。
上記(6)の方法では、無機電解質を中心とした凝固剤の使用により凝集体を得る方法であるので、乳化剤などの不純物は凝集の際に重合体に付着するかまたは凝集した重合体内部に閉じこめられるなどして、大量の水を使用する割には不純物を充分に除去できていないのが現状である。さらに、加熱による凝固を含め、凝固によりゴム状重合体粒子同士が強固に固着しているために、エポキシ樹脂に混合する際、相当の機械的剪断力による粉砕や分散操作を必要とし、かつ多量のエネルギーを使用する割にはエポキシ樹脂中にゴム状重合体粒子を均一に分散させることは困難であることが多い。
上記(7)の方法では、重合体由来の乳化剤や電解質などの不純物がそのまま残存する上、エポキシ樹脂が水に難溶性であるため、相当の機械的剪断力を駆使してもなお未混合部分があり、この未混合部分で凝集体の塊状物が発生する場合がある。
上記(8)の方法では、凝固操作を伴わないのでゴム状重合体が均一に分散したエポキシ樹脂組成物を得やすいが、ゴム状重合体ラテックスとエポキシ樹脂を混合するに当たり、有機溶剤と共に系中(混合物中)に存在する多量の水分(有機溶剤が溶解可能な水分量以上の水分)を分離、あるいは留去する必要があるが、有機溶剤層と水層の分離には例えば一昼夜等の、多大な時間を要するか、あるいは有機溶剤層と水層が安定な乳化懸濁状態を形成するために実質的には分離が困難となる場合がある。また水分を留去する場合には、多量のエネルギーを必要とする上、通常ゴム状重合体ラテックスの製造に使用する乳化剤、副原料等の水溶性不純物が組成物中に残留してしまい、品質的にも劣るものとなる。このため、分離、留去のいずれの方法においても水分の除去が煩雑であり、工業的に好ましいとはいえない。
本発明の目的は、ゴム状重合体粒子の水性ラテックスから精製されたゴム状重合体粒子を製造する方法として、水性ラテックスの状態で得たゴム状重合体粒子を有機溶剤の存在下に凝固剤を用いずに緩凝集体を得るとともに不純物を水相側に排出させる効率的な製造法を提供することであり、好ましくは連続処理によりさらに効率的で設備コストを抑制できる製造法を提供することにある。また、該緩凝集体を前記有機溶媒に再度分散させた後、反応性基を有する重合性有機化合物と混合することにより、反応性基を有する重合性有機化合物中にゴム状重合体粒子を均一に混合分散でき、重合体粒子由来の乳化剤や電解質などの不純物を大幅に低減した樹脂組成物を簡便かつ効率的に製造する方法を提供することにある。
(1)ゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対して、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有するゴム状重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離することを特徴とする、精製ゴム状重合体粒子(A)の製造方法に関する(請求項1)。
(2) 混合物(C)に対して、水(D)を連続的に混合接触させることを特徴とする、請求項1記載の製造方法に関する(請求項2)。
(3) 混合物(C)と水(D)を撹拌装置の底部より供給し、凝集体(F)と水相(E)の混合物を攪拌装置の上部より回収することを特徴とする、請求項2記載の製造方法に関する(請求項3)。
(4) 請求項1乃至3に記載の製造方法により得られた精製ゴム状重合体粒子(A)の凝集体(F)を脱水及び/又は脱溶媒後乾燥することを特徴とする、精製ゴム状重合体粒子(A)の製造方法に関する(請求項4)。
(5) 請求項1乃至3に記載の製造方法により得られた精製ゴム状重合体粒子(A)の凝集体(F)に、ゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒を添加し、該ゴム状重合体粒子(A)が前記有機溶媒中に分散した分散体(G)を得ることを特徴とする、分散体(G)の製造方法に関する(請求項5)。
(6) 反応性基を有する重合性有機化合物(H)にゴム状重合体粒子(A)を分散した樹脂組成物の製造方法であって、請求項5に記載の製造方法により得られた分散体(G)と前記重合性有機化合物(H)と混合した後、揮発性成分を留去することを特徴とする、樹脂組成物の製造方法に関する(請求項6)。
(7) 反応性基を有する重合性有機化合物(H)にゴム状重合体粒子(A)を分散した樹脂組成物の製造方法であって、請求項1乃至3に記載の製造方法により得られた凝集体(F)と前記重合性有機化合物(H)と混合した後、揮発性成分を留去することを特徴とする、樹脂組成物の製造方法に関する(請求項7)。
(8) 反応性基を有する重合性有機化合物(H)がエポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の樹脂組成物の製造方法に関する(請求項8)。
(9) 水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の20℃における水に対する溶解度が5重量%以上、40重量%以下であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法に関する(請求項9)。
(10) ゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックスおよび水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)を混合して得られる混合物(C)に対して接触させる水(D)の量が、有機溶媒(B)100重量部に対し40重量部以上、350重量部以下であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の製造方法に関する(請求項10)。
(11) 凝集体(F)中に含まれる水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の比率が、凝集体(F)全体の重量に対して30重量%以上であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の製造方法に関する(請求項11)。
(12) ゴム状重合体粒子(A)が、2層以上の多層構造を有する重合体であって、少なくとも1層以上の架橋ゴム状重合体層を含むことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の製造方法に関する(請求項12)。
(13) ゴム状重合体粒子(A)が、ジエン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれる少なくとも1種以上の単量体50〜100重量%、および他の共重合可能なビニル単量体0〜50重量%から構成されるゴム弾性体、ポリシロキサンゴム系弾性体、またはこれらの混合物からなるゴム粒子コア(A−1)40〜95重量%の存在下に、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル、シアン化ビニル、不飽和酸誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体、マレイミド誘導体から選ばれる少なくとも1種以上のビニル重合性単量体を重合して得られるシェル層(A−2)5〜60重量%を有するグラフト共重合体であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の製造方法に関する(請求項13)。
(14) ゴム状重合体粒子(A)のシェル層(A−2)に、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、炭素−炭素2重結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有することを特徴とする、請求項13記載の製造方法に関する(請求項14)。
(15) 請求項1乃至3に記載の製造方法により得られる、ゴム状重合体粒子(A)、有機溶媒(B)および水(D)よりなる凝集体(F)に関する(請求項15)。
(16) 請求項1乃至4に記載の製造方法により得られる重合体粒子に関する(請求項16)。
(17) 請求項5に記載の製造方法により得られる、ゴム状重合体粒子(A)、ゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒、よび水(D)よりなる分散体(G)に関する(請求項17)。
(18) 請求項6乃至14のいずれかに記載の製造方法により得られる樹脂組成物に関する(請求項18)。
(19) 請求項8乃至14のいずれかに記載の製造方法により得られるエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化成形物に関する(請求項19)。
本発明の製造方法においては、まず、ゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックスを、水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合する。
前記ゴム状重合体粒子(A)については特に制限は無いが、ゴムとしての設計及び本発明の製造方法における樹脂組成物の製造の容易さを両立しやすいという点より、2層以上の多層構造を有する重合体であることが好ましく、特にコアシェル型ポリマーと称されるものが好ましい。コアシェル型ポリマーとは、エラストマーまたはゴム状の重合体を主成分とするポリマーより形成されるゴム粒子コア(A−1)と、これにグラフト重合されたポリマー成分より形成されるシェル層(A−2)から構成されるポリマーであるが、シェル層(A−2)は、グラフト成分を構成するモノマーを前記コアにグラフト重合することでゴム粒子コア(A−1)の表面の一部若しくは全体を覆うことを特徴とする。
前記ゴム粒子コア(A−1)を構成するポリマーは架橋されており、ゴム粒子コア(A−1)を構成するポリマーは適切な溶媒に対して膨潤しうるが、実質的には溶解しないものが好ましい。またゴム粒子コア(A−1)は、エポキシ樹脂に分散させることを目的とする場合は、エポキシ樹脂に不溶であることが好ましく、さらにゴム粒子コア(A−1)のゲル含量は、ゴム粒子コア(A−1)中、60重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、最も好ましくは95重量%以上である。一方、乳化重合等の既知の重合法により容易に製造が可能であり、ゴムとしての性質が良好であることから、ゴム粒子コア(A−1)を構成するポリマーはガラス転移温度(Tg)が0℃以下、好ましくは−10℃以下である。
ゴム粒子コア(A−1)を構成するポリマーは、安価に入手でき、しかも得られる重合体のゴムとしての性質が優れているという点から、ジエン系単量体(共役ジエン系単量体)および(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種以上の単量体を50〜100重量%、および他の共重合可能なビニル単量体0〜50重量%から構成されるゴム弾性体、ポリシロキサンゴム系弾性体、またはこれらを併用することが好ましい。なお、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
前記ゴム弾性体を構成するジエン系単量体(共役ジエン系単量体)としては特に制限されるものではなく、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることができる。中でも、得られる重合体のゴムとしての性質が優れているという点から、ブタジエンが特に好ましい。また(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては特に制限されるものではなく、例えば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレートなどが挙げられるが、得られる重合体のゴムとしての性質が優れているという点から、ブチルアクリレート若しくは2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。これらは1種類あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
さらに、前記ゴム弾性体は、ジエン系単量体または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の他に、これらと共重合可能なビニル単量体との共重合体であってもよい。ジエン系単量体または(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能なビニル単量体としては、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体等が例示できる。芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等が使用可能であり、シアン化ビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、或いは置換アクリロニトリル等が使用可能である。これらは1種類或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
前記のジエン系単量体若しくは(メタ)アクリル酸エステル系単量体の使用量は、前記ゴム弾性体全体の重量に対して好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。ゴム弾性体全体に対するジエン系単量体若しくは(メタ)アクリル酸エステル系単量体の使用量が50重量%未満の場合には、反応性基を有する重合性有機化合物(H)の硬化物、例えばエポキシ樹脂に対して靱性を付与する能力が低下する場合がある。一方、これらと共重合可能な単量体の使用量は、ゴム弾性体全体の重量に対して好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。
また、前記ゴム弾性体を構成する成分として、架橋度を調節するために、多官能性単量体を含んでいても良い。多官能性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(イソ)シアヌル酸トリアリル、(メタ)アクリル酸アリル、イタコン酸ジアリル、フタル酸ジアリル等を例示できる。これらの使用量はゴム弾性体の全重量に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは3重量%以下である。使用量が10重量%を超えると、ゴム粒子コア(A−1)が有する、反応性基を有する重合性有機化合物(H)の硬化物に靱性を付与する能力が低下する傾向がある。
また、前記ゴム弾性体を構成するポリマーの分子量や架橋度を調節するために、必要に応じて連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、炭素数5〜20のアルキルメルカプタン等が例示できる。これらの使用量はゴム弾性体の全重量に対して5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。使用量が5重量%を超えると、ゴム粒子コア(A−1)の未架橋成分の量が増加するため、例えばエポキシ樹脂組成物を調製した場合に、組成物の耐熱性、剛性等に悪影響を与える傾向がある。
さらに、ゴム粒子コア(A−1)として、前記ゴム弾性体に替えて、またはこれらと併用して、ポリシロキサンゴム系弾性体を使用することも可能である。ゴム粒子コア(A−1)としてポリシロキサンゴム系弾性体を使用する場合には、例えば、ジメチルシリルオキシ、メチルフェニルシリルオキシ、ジフェニルシリルオキシ等の、アルキル或いはアリール2置換シリルオキシ単位から構成されるポリシロキサンゴムが使用可能である。また、このようなポリシロキサンゴムを使用する場合には、必要に応じて、重合時に多官能性のアルコキシシラン化合物を一部併用するか、ビニル反応性基を持ったシラン化合物をラジカル反応させること等により、予め架橋構造を導入しておくことがより好ましい。
シェル層(A−2)は、ゴム状重合体粒子(A)が反応性基を有する重合性有機化合物中(H)で安定に一次粒子の状態で分散するための、反応性基を有する重合性有機化合物(H)に対する親和性を与えることができる。
シェル層(A−2)を構成するポリマーは、前記ゴム粒子コア(A−1)を構成するポリマーにグラフト重合されており、実質的にコア部(A−1)を構成するポリマーと結合していることが好ましい。シェル層(A−2)を構成するポリマーは、本発明の製造方法において樹脂組成物の製造を容易にする点から、70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上が前記コア部(A−1)に結合していることが望ましい。
シェル層(A−2)は、反応性基を有する重合性有機化合物中にゴム状重合体粒子を均一に混合分散しやすいという点から、後述する有機溶媒(B)及び反応性基を有する重合性有機化合物(H)に対して膨潤性、相容性もしくは親和性を有するものが好ましい。また、シェル層(A−2)は、使用時の必要性に応じて、反応性基を有する重合性有機化合物(H)もしくは使用時に配合される硬化剤との反応性を有し、反応性基を有する重合性有機化合物(H)が硬化剤と反応して硬化する条件下において、これらと化学反応し結合を生成できる機能を有するものであることが好ましい。
シェル層(A−2)を構成するポリマーは、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和酸誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体、マレイミド誘導体より選ばれる1種以上の成分を重合若しくは共重合して得られる重合体若しくは共重合体であることが好ましい。また、特にシェル層(A−2)にエポキシ樹脂硬化時の化学反応性を求める場合には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニル化合物またはシアン化ビニル化合物等に加えて、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、炭素−炭素2重結合、アミノ基、アミド基等から選ばれる1種以上の官能基であって、後述する反応性基を有する重合性有機化合物(H)あるいはその硬化剤、硬化触媒等との反応性を有する官能基を含有する単量体を1種類以上共重合して得られる共重合体を用いることが好ましい。更に前記官能基としては、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、炭素−炭素2重結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基であることがより好ましい。
前記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなど(メタ)アクリル酸アルキルエステルがあげられる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、アルキル置換スチレン、さらにブロモスチレン、クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン類などがあげられる。また、シアン化ビニル化合物としては、(メタ)アクリロニトリルおよび置換アクリロニトリルが例示される。また、前記反応性を有する官能基を含有する単量体としては、例えば反応性側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル類として、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどがあげられる。反応性基を含有するビニルエーテルとして、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテルなどがあげられる。不飽和カルボン酸誘導体としては、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸などがあげられる。(メタ)アクリルアミド誘導体としては、(メタ)アクリルアミド(N−置換物を含む)などがあげられる。マレイミド誘導体としては、マレイン酸イミド(N−置換物を含む)があげられる。
ゴム状重合体粒子(A)の好ましいゴム粒子コア(A−1)/シェル層(A−2)比率(重量比)は、40/60〜95/5の範囲であり、より好ましくは50/50〜95/5であり、更に好ましくは60/40〜85/15である。前記(A−1)/(A−2)比率が40/60をはずれてゴム粒子コア(A−1)の比率が低下すると、反応性基を有する重合性有機化合物(H)に対する靱性改良効果が低下する傾向がある。逆に95/5をはずれシェル層(A−2)の比率が低下すると、本製法における取扱い時に凝集をきたし易く操作性に問題が生じるとともに期待する物性が得られない可能性がある。
ゴム状重合体粒子(A)は、周知の方法、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などで製造することができる。この中でも特に、ゴム状重合体粒子の組成設計が容易である、工業生産が容易である、さらに本製造法に好適なゴム状重合体粒子のラテックスが容易に得られるなどの点から、乳化重合による製造方法が好適である。水媒体中での乳化若しくは分散剤としては、水性ラテックスのpHを中性とした場合でも乳化若しくは分散安定性が損なわれないものを用いることが好ましい。具体的には、ジオクチルスルホコハク酸やドデシルベンゼンスルホン酸等に代表される様なアルキルまたはアリールスルホン酸、アルキルまたはアリールエーテルスルホン酸、ドデシル硫酸に代表されるようなアルキルまたはアリール硫酸、アルキルまたはアリールエーテル硫酸、アルキルまたはアリール置換燐酸、アルキルまたはアリールエーテル置換燐酸、ドデシルザルコシン酸に代表されるようなN−アルキルまたはアリールザルコシン酸、オレイン酸やステアリン酸等に代表されるようなアルキルまたはアリールカルボン酸、アルキルまたはアリールエーテルカルボン酸等の、各種の酸類のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、アルキルまたはアリール置換ポリエチレングリコール等の非イオン性乳化剤或いは分散剤、ポリビニルアルコール、アルキル置換セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸誘導体等の分散剤が例示される。これらは1種類または2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
上記の乳化若しくは分散剤は、本発明の趣旨から言えば、ゴム状重合体粒子(A)のラテックス作成過程において乳化・分散安定性に支障を来さない範囲でできる限り少量を使用することが好ましく、あるいは、本製法において製造される樹脂組成物の物性に影響を及ぼさない程度の残存量まで水相(E)に抽出洗浄される性質を有していることがより好ましい。
本発明の製造方法で用いることのできるゴム状重合体粒子(A)の粒子径に特に制限は無く、(A)を水性ラテックスの状態で安定的に得ることができるものであれば問題なく使用できるが、工業生産性の面からは、体積平均粒子径が0.03〜2μmのものが、製造が容易であるという点でより好ましい。なお体積平均粒子径は、例えば、マイクロトラックUPA、マイクロトラックFRA(何れも日機装(株)製)等を用いて測定することができる。
本発明において用いる水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)は、ゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックスを有機溶媒(B)と混合する場合に、ゴム状重合体粒子(A)が実質的に凝固析出することなく混合が達成され得る少なくとも1種若しくは2種以上の有機溶媒若しくは有機溶媒混合物であれば制限無く使用できるが、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上、40重量%以下である有機溶媒であることが好ましく、更には5重量%以上、30重量%以下であることがより好ましい。有機溶媒(B)の20℃における水に対する溶解度が40重量%を越えると、重合体粒子(A)の水性ラテックスが一部凝固を生じて円滑な混合操作に支障をきたす場合がある。前記水に対する溶解度が5重量%未満では、重合体粒子(A)の水性ラテックスとの混合性が不十分となり、円滑な混合が困難になり易い傾向がある。
前記有機溶媒(B)の具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エタノール、(イソ)プロパノール、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等から選ばれる1種以上の有機溶媒あるいはその混合物であって、20℃における水に対する溶解度が上記の範囲を満たすものがあげられる。なかでも、反応性を有する重合性有機化合物との親和性および入手のしやすさなどの点から、メチルエチルケトンを50重量%以上含むものがより好ましく、更には75重量%以上含むものが特に好ましい。
有機溶媒(B)の使用量は、ゴム状重合体粒子(A)の種類、あるいはゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックス中での固形分濃度によっても変化しうるが、ゴム状重合体粒子(A)のラテックス100重量部に対し有機溶媒(B)を50〜400重量部用いることが好ましく、より好ましくは70〜300重量部である。有機溶媒(B)の量が50重量部未満では、ゴム状重合体粒子(A)を安定して分散できなくなる場合があり、粘度が上昇して取り扱いが困難になる傾向がある。逆に400重量部を超えると、有機溶媒(B)の量が多くなり、後の除去を考慮すると不経済である。
ゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックスおよび水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)との混合操作に際しては、特別な装置あるいは方法は必要ではなく、良好な混合状態が得られる装置あるいは方法であれば、公知のものが使用可能である。一般的な装置としては、攪拌翼つきの攪拌槽が挙げられるが、スタティックミキサ(静止混合器)やラインミキサ(配管の一部に攪拌装置を組み込む方式)による連続処理も可能である。
本発明においては、前記により得られた混合物(C)を水(D)と接触させる。この操作により、混合物(C)に含まれる有機溶媒(B)の一部が水(D)に溶解し、水相(E)となり得る。同時に、混合物(C)に含まれる水性ラテックス由来の水分も水相(E)へ排除され得る。このため、混合物(C)は水を含んだ有機溶媒(B)中にゴム状重合体粒子(A)を濃縮した形となり、結果として凝集体(F)を生成する。
この凝集体(F)の生成操作は、部分的な未凝集体の発生防止の観点から、攪拌下あるいは攪拌と同等の流動性を付与することができる流動条件下で実施することが望ましい。例えば、攪拌機を備えた攪拌槽での回分操作あるいは連続操作により実施することができる。水(D)の添加方法は、例えば、連続的に添加する方法、一括して添加する方法等が適用できる。
本発明では、当該凝集体(F)の生成操作をより効率的に行うため、前記混合物(C)と水(D)を、撹拌機能を設けた装置に連続供給して混合接触させ、凝集体(F)と水相(E)を連続的に得ることが好ましい。前記攪拌のための撹拌翼或いは装置形状は特に制限されるものではないが、凝集体(F)は水相(E)に対し一般に浮上性があるため、混合物(C)と水(D)を当該装置の底部より供給し、凝集体(F)と水相(E)を装置の上部より抜き出す方法が好ましい。ここで、装置の底部とは装置の底面より液面までの高さに対して底より1/3以下の位置であることを意味し、また装置の上部とは、装置の底面より液面までの高さに対して上部より1/3以上であることを意味する。このように凝集体(F)の生成操作を連続化することにより、装置の小型化による設備コストの抑制、並びに生産性の向上を図ることができる。
前記混合物(C)に添加若しくは接触させる水(D)の量は、ゴム状重合体粒子(A)の種類、ゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックス中での固形分濃度、有機溶媒(B)の種類や量によっても変化し得るが、前記水(D)の量は、水性ラテックスと混合させる際に使用した有機溶媒(B)100重量部に対し、40重量部以上、350重量部以下であることが好ましく、60重量部以上、250重量部以下であることがより好ましい。前記水(D)の量が40重量部未満では、ゴム状重合体粒子(A)の凝集体(F)が生成しにくくなる傾向があり、逆に350重量部を超えると生成した凝集体(F)中の有機溶媒(B)の濃度が低くなるため、後工程において凝集体(F)を再分散させる所要時間が長期化するなど分散性が低下する傾向がある。
本発明における凝集操作および生成した凝集体(F)は、以下のような特徴を有するものである。(a)一般に電解質や酸などの凝固剤添加や加熱操作による凝集操作では、ゴム状重合体粒子(A)のラテックスに由来する乳化剤や電解質の大部分が凝集体表面に吸着される、若しくは凝集体内部に包含されている場合が多く、凝集後に水洗操作を行った場合でも除去することは容易ではない。これに対し、本発明では、ゴム状重合体粒子(A)のラテックスと有機溶媒(B)との混合からゴム状重合体粒子(A)の凝集までの操作を通じ、ゴム状重合体粒子(A)に由来する乳化剤や電解質は、凝集体(F)より遊離した後、水相(E)に移行するため、これらを容易に除去することができる。(b)一般に電解質や酸などの凝固剤添加や加熱操作で生成した凝集体は、機械的剪断によっても凝集体からゴム状重合体粒子(A)の1次粒子の状態まで再分散させることが困難であるような強固な凝集体である。これに対し、本発明で得られた凝集体(F)においては、その後、例えばゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒と攪拌下で混合させることにより、その大部分がゴム状重合体(A)の1次粒子として再び分散することができる。すなわち、本発明で得られる凝集体(F)は、粒子の合一分散に関して有機溶媒中において可逆性を有する。本発明では、これを緩凝集体という。
ここで、上記(b)に関する理由は充分に解明できていないが、本発明の製造方法においては、ゴム状重合体粒子(A)が、有機溶媒(B)中に粒子分散している状態から、水(D)の添加に伴い、有機溶媒(B)成分の水相(E)への溶出によるポリマーの濃縮過程を経て、有機溶媒を含有した穏やかな凝集状態にまで可逆的に変化した結果、凝集体(F)が生成するものと思われ、このため有機溶剤の再添加によって容易にゴム状重合体粒子(A)の粒子分散が再現できるものと考えている。
従って、生成した凝集体(F)と、有機溶媒(B)を含む水相(E)とを分離することにより、凝集体(F)に同伴する有機溶剤(B)に含まれる水分を除き、ゴム状重合体粒子(A)由来の乳化剤や電解質の大部分を水相(E)とともにゴム状重合体粒子(A)から分離除去した精製ゴム状重合体粒子(A)を得ることができる。
凝集体(F)および水相(E)との分離性は良好であり、濾紙、濾布や比較的開き目の粗い金属製スクリーンを使った濾過操作など一般的な濾過装置を用いて実施することができる。必要により、さらに凝集体(F)に同伴する水分に残存する乳化剤や電解質などの不純物を除去する場合には、有機溶媒(B)を含んだ水を添加し、凝集体(F)と水相(E)とを分離するという操作を繰り返すことが好ましい。
前記精製ゴム状重合体粒子(A)を乾燥粉体として得たい場合には、凝集体(F)を脱水及び/又は脱溶媒後乾燥することにより得ることができる。この際、凝集体(F)を最後に有機溶媒(B)を含まない水で洗浄するのが好ましい。なぜなら有機溶媒(B)を多量に含むと乾燥途中で粒子同士が合一しやすいためである。以上により、不純物の極めて少ないゴム状重合体粒子(A)の乾燥粉体を得ることができる。
一方、ゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒あるいは反応性基を有する重合性有機化合物(H)にゴム状重合体粒子(A)を分散した分散体(G)若しくは樹脂組成物を製造する場合、前記の凝集および分離操作を経て得られた凝集体(F)に含まれる有機溶媒(B)の量は、凝集体(F)全体の重量に対して30重量%以上であることが好ましく、35重量%以上であることがより好ましい。有機溶媒(B)の含有により、引き続き実施するゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒若しくは反応性基を有する重合性有機化合物への分散を良好に実施することができる。有機溶媒(B)の含有量が凝集体(F)全体の重量に対して30重量%未満では、次工程であるゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒若しくは反応性基を有する重合性有機化合物(H)へ分散させるのに要する時間が長期化したり、不可逆な凝集体が残存しやすくなるなどの不都合が生じる場合があり、結果としてゴム状重合体粒子(A)の重合性有機化合物(H)中での分散性が著しく低下する傾向がある。
以上の一連の操作で分離除去した水相(E)中に含まれるゴム状重合体粒子(A)の量は、水相(E)全量に対し10重量%以下であり、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは2重量%以下であり、実質的にゴム状重合体粒子(A)が含まれないことが最も好ましい。
次いで、得られた凝集体(F)をゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒に再び分散させることについて説明する。この操作により、凝集体(F)中の精製ゴム状重合体粒子(A)が有機溶媒中に実質的に1次粒子の状態で分散された分散体(G)を得ることができる。
この際添加する有機溶媒の量は、ゴム状重合体粒子(A)の種類、有機溶媒の種類や量によっても変化しうる。添加する有機溶媒の量は、好ましくはゴム状重合体粒子(A)100重量部に対し、好ましくは40〜1400重量部であり、より好ましくは200〜1000重量部である。添加する有機溶媒の量が40重量部未満では、有機溶媒中にゴム状重合体粒子(A)が均一に分散しにくくなり、ゴム状重合体粒子(A)の凝集体(F)の塊が残ったり、粘度が上昇して取り扱いにくくなる傾向がある。1400重量部を超えると、最終的な揮発分の蒸発留去に際して多量のエネルギーおよび大規模な装置を必要として不経済である。
なお、ここで用いるゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒としては、ゴム状重合体粒子(A)を再分散可能なものであれば特に制限はないが、例えば、前工程で用いた有機溶媒(B)で例示したもの、更にはヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、並びにこれらの混合物を例示することができる。また、緩凝集体の再分散性をより確実にするという観点からは、前工程で用いた有機溶媒(B)と同一種の有機溶媒を用いることが好ましい。
本発明において、凝集体(F)とゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒の混合操作は特に制限されるものではなく、一般的な攪拌混合機能をもった装置で実施することができる。
次に、このようにして得られたゴム状重合体粒子(A)を分散させた分散体(G)に反応性基を有する重合性有機化合物(H)を混合した後、揮発性成分を留去することについて説明する。この操作により、反応性基を有する重合性有機化合物(H)中にゴム状重合体粒子(A)が分散し、かつ重合体粒子に由来する乳化剤や電解質をほとんど含まない樹脂組成物を得ることができる。
本発明で用いる反応性基を有する重合性有機化合物(H)としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸誘導体、シアン化ビニル化合物、マレイミド化合物等のラジカル重合性単量体、ジメチルテレフタレート、アルキレングリコール等の芳香族ポリエステル原料等が挙げられる。なかでも、通常前記ようなゴム状重合体粒子を配合することが比較的困難である、エポキシ樹脂を代表とする熱硬化性樹脂に対して、本発明の方法は特に好適に用いることができる。
本発明に用いられうるエポキ樹脂は、エポキシ基を有する化合物であれば特に制限されないが、本発明に用いられうるエポキン樹脂はポリエポキシドとも言われるエポキシ樹脂であることが好ましい。前記のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール、フェノール類ノボラック等の多価フェノールとエピクロルヒドリンの付加反応生成物などのポリグリシジルエーテル、アニリン、ジアミノベンゼン、アミノフェノール、フェニレンジアミン、ジアミノフェニルエーテル等のモノアミンおよび多価アミンより誘導される多価グリシジルアミン化合物、シクロヘキシルエポキシ等の脂環式エポキシ構造を有する脂環式エポキシ樹脂、多価アルコール類とエピクロルヒドリンとの付加反応生成物、これらの一部の水素を臭素等のハロゲン元素で置換したハロゲン化エポキシ樹脂、アリルグリシジルエーテル等の不飽和モノエポキシドを含む単量体を重合して得られるホモポリマーもしくはコポリマーなどが例示される。これらは1種または2種以上の混合物であっても良い。多価フェノールより合成される多くのポリエポキシドは、例えば米国特許第4,431,782号に開示されている。ポリエポキシドの例としては更に、米国特許第3,804,735号、同第3,892,819号、同第3,948,698号、同第4,014,771号、及び、エポキシ樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社、昭和62年)に開示されているものが挙げられる。
本発明で用いられ得るエポキシ樹脂は前述のようなものであるが、一般的にはエポキシ等量(Epoxy Equivalent Weight)として、80〜2000を有するものが挙げられる。これらのポリエポキシドは周知の方法で得ることができるが、通常よく用いられる方法として、例えば、多価アルコールもしくは多価フェノールなどに対して過剰量のエピハロヒドリンを塩基存在下で反応させることがあげられる。
本発明で用いられ得るエポキシ樹脂には、反応性希釈剤としてモノエポキシド、例えば、脂肪族グリシジルエーテル、例えばブチルグリシジルエーテル、あるいはフェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテルを含んでいても良い。一般的に知られているように、モノエポキシドはポリエポキシド配合物の化学量論に影響を及ぼすが、これの調整は硬化剤の量、あるいはその他周知の方法で行われ得る。
本発明で用いるエポキシ樹脂成分には、上記エポキシ基含有化合物の硬化剤および/または硬化促進剤を含有することも可能であるが、本製造方法の条件下においては実質的にエポキシ樹脂と意図しない硬化反応を起こさない硬化剤および/または硬化促進剤であることが好ましい。かかる硬化剤および/または硬化促進剤としては、例えば、前述のエポキシ樹脂ハンドブックに記載のものから上記要件を満たすものを選択して使用することができる。
なお、有機溶媒(B)などの揮発分の留去方法としては、公知の方法が適用できる。例えば、槽内に該混合物を仕込み加熱減圧留去する方法、槽内で乾燥ガスと該混合物を向流接触させる方法、薄膜式蒸発機を用いるような連続式の方法、脱揮機構を備えた押出機あるいは連続式攪拌槽を用いる方法などが挙げられる。揮発分を留去する際の温度や所要時間等の条件は、樹脂組成物の品質を損なわない範囲で適宜選択することができる。また、該組成物に残存する揮発分の量は該組成物の使用目的に応じ、問題のない範囲で適宜選択できる。
本発明の製造方法により、前記重合性有機化合物(H)、例えばエポキシ樹脂成分中に、ゴム状重合体粒子(A)が均一に分散され、更に不純物が少ないエポキシ樹脂組成物を簡便かつ効率的に製造することができる。本発明により得られた樹脂組成物、例えばエポキシ樹脂組成物は、産業用資材やスポーツ用品に有用な繊維あるいはフィラー強化複合材料、接着剤、塗料、コーティング材料、バインダー、半導体封止剤や回路基盤用積層板、樹脂付き金属箔等の電気・電子部品材料などの、エポキシ樹脂が通常使用される各種の用途に対して幅広く利用が可能であり、硬化物中のゴム状重合体粒子(A)の分散状態が非常に安定で、かつ不純物の少ない硬化成型物を得ることができる。
前述したように、本発明の好ましい形態によれば、不純物を大幅に取り除いた凝集体(F)を連続的に得ることが可能となる。これにより、凝集体(F)と水相(E)の混合物を脱水及び/又は脱溶媒する操作、脱水及び/又は脱溶媒後の凝集体(F)を再度有機溶媒に分散させる操作、凝集体(F)の分散した分散体(G)を重合性有機化合物(H)と混合する操作、分散体(G)と重合性有機化合物(H)との混合物より揮発分を留去する操作を連続的に実施することでき、多量少品種の製造に好適な連続製造方式とすることが可能となる。
なお、以下において、不純物の残存量は、乳化剤量(アニオン系界面活性剤)、全イオンを指標として分析した。また、エポキシ樹脂成分中のゴム状重合体粒子の分散状態、すなわち凝集の有無は、得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物より超薄切片を作成した後、透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察することにより判断した。
実施例に先立ち、本発明で用いた分析測定方法について以下に説明する。
[1]残存乳化剤量
残存乳化剤量は、エポキシ樹脂(H)と混合する前の分散体(G)中に残存する乳化剤量を下記の分析方法により測定し、ゴム状重合体粒子(A)の重合に使用された乳化剤全量を100重量%とした際の割合(重量%)として数値化し、指標とした。
[1−1]サンプル前処理
下記の実施例においてエポキシ樹脂(H)と混合する前のゴム状重合体粒子(A)が分散した分散体(G)を5ml分取し、乾固後、ビーカー内にエタノール50mlとともに投入した。当該試料を10分間撹拌した後、上澄み液を、後述するメチレンブルー法による分析試料とした。
[1−2]メチレンブルー法
分液ロートに水30ml、アルカリ性ホウ酸ナトリウム溶液10ml、メチレンブルー溶液(0.025重量%水溶液)5mlを投入した。これにクロロホルム20mlを加え、3〜5分間振とうし、クロロホルム層を分離除去した。前記クロロホルムの添加/除去の操作をクロロホルム層の着色がなくなるまで繰り返した。次に、希硫酸(2.9重量%水溶液)3mlとクロロホルム20mlと[1−1]で調製した試料2mlを加え、3〜5分間振とうした後、クロロホルム層を分光光度計((株)島津製作所製、分光光度計UV−2200)を用い、波長650nmの吸収において、エポキシ樹脂(A)を混合する前の分散体(G)中の残存乳化剤量を測定した。なお、アルカリ性ホウ酸ナトリウム溶液は、四ホウ酸ナトリウム十水和物1.9重量%水溶液500mlに0.4重量%水酸化ナトリウム溶液500mlを混合し、作製した。
[2]残存電解質(全イオン)
サンプル前処理と同様にして得た上澄み液を、電気伝導度測定用試料とし、電気伝導度計(京都電子工業(株)製、GM−117)を用い測定した。ゴム状重合体粒子(A)のラテックスに由来するイオン量の全量(ゴム状重合体粒子(A)を乾固したものでの測定値)に対する、一連の操作により除去されたイオン量の割合を、全イオン除去率として算出した。
[3]凝集体(F)中の有機溶媒の比率
凝集体(F)中の有機溶媒の比率は、実施例および比較例の方法により得られた凝集体(F)の固形分濃度(SC)および含水率(WC)を下記の方法により測定し、次式により算出した。
凝集体(F)中の有機溶媒の比率=100−(SC+WC)
[3−1]凝集体(F)の固形分濃度(SC)の測定
凝集体(F)を所定量分取し、熱風乾燥機内にて乾燥し、乾燥前後の重量変化から、凝集体(F)の固形分濃度(SC)を算出した。
[3−2]凝集体(F)の含水率(WC)の測定
凝集体(F)を所定量分取し、可溶性溶媒に分散させた後、カールフィッシャー法により、凝集体(F)中の水分量を測定し、凝集体(F)全体に対する含水率(WC)を算出した。
[4]水相中に含まれるゴム状重合体粒子(A)成分の定量
実施例および比較例で記載の方法により排出された水相の一部を取り、120℃にて十分乾燥させて得られる残渣を、これを水相中に含まれるゴム状重合体粒子(B)成分量とした。
[5]エポキシ樹脂組成物中の揮発成分
実施例および比較例においては、エポキシ樹脂組成物を得るために、下記に定義する揮発成分が5000ppmに達するまで減圧留去を継続した。エポキシ樹脂組成物約3gを精秤後、熱風乾燥機内で設定温度170℃にて20分間加熱し、加熱前後の重量を測定することにより、減少した重量分を揮発成分(ppm)として、加熱前の重量に対する重量分率を算出した。
[6]ゴム状重合体粒子の分散状態
[6−1]エポキシ樹脂硬化物の作成
100mlビーカーに、実施例および比較例で得られたエポキシ樹脂組成物51.9gおよびジアミノジフェニルスルホン(東京化成社製)13.1gを投入し、撹拌下で混合した。この混合物を真空乾燥機内に静置し、まず窒素雰囲気下で130℃に加熱した後、減圧下で10分間揮発成分を脱泡除去した。この混合物を100mm×150mm×3mm寸法の金型に注入後、180℃で2時間加熱してから更に220℃で2時間加熱して硬化させ、硬化成型物を得た。
[6−2]透過型電子顕微鏡によるゴム状重合体粒子の分散状態の観察
得られた成型物の一部を切り出し、酸化オスミウムでゴム状重合体粒子を染色処理した後、薄片を切り出し、透過型電子顕微鏡(日本電子製、JEM1200EX型)を用いて倍率10000倍にて観察し、エポキシ樹脂硬化物中のゴム状重合体粒子の分散状態を判定した。
(製造例1)ゴム状重合体粒子(A)ラテックスの製造
100L耐圧重合機中に、水200重量部、リン酸三カリウム0.03重量部、リン酸二水素カリウム0.25重量部、エチレンジアミン4酢酸0.002重量部、硫酸第一鉄0.001重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5重量部を投入し、攪拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、ブタジエン75重量部およびスチレン25重量部を系中に投入し、45℃に昇温した。パラメンタンハイドロパーオキサイド0.015重量部、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04重量部を投入し重合を開始した。重合開始から4時間目に、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.01重量部、エチレンジアミン4酢酸0.0015重量部および硫酸第一鉄0.001重量部を投入した。重合10時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去し、重合を終了した。重合転化率は98%、得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックスの体積平均粒子径は0.1μmあった。
続いて3Lガラス容器に、前記ゴムラテックス1300g(スチレン・ブタジエンゴム粒子420gを含み、乳化剤としてゴムの固形分に対して1.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む。)および純水440gを仕込み、窒素置換を行いながら70℃で攪拌した。アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.2gを加えた後、スチレン54g、メタクリル酸メチル72g、アクリロニトリル36g、メタクリル酸グリシジル18gの混合物を3時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間攪拌して反応を終了させ、ゴム状重合体粒子(A)のラテックスを得た。重合転化率は99.5%であった。得られたラテックスはそのまま使用した。
次に、一部の水相を含む凝集体(F)を残し、水相を槽下部の払い出し口より348g排出させた。一部の水相を含む凝集体(F)は104gであり、その有機溶媒の比率は、凝集体(F)全体の重量に対して39重量パーセントであった。凝集体(F)は浮上性を有しており、凝集体(F)は粒径分布をもつ粒子であり、一部をサンプリングして画像解析したところ、その数平均粒子径は約5mmであった。また、排出された水相中のゴム状重合体粒子(A)成分の濃度は0.23重量パーセントであった。
得られた凝集体(F)を吸引瓶つきフィルタで濾過脱水し、箱型乾燥機を用いて窒素雰囲気で40℃にて12時間乾燥して精製ゴム状重合体粒子(A)を得た。得られた凝集体の一部をサンプリングして、メチルエチルケトンを加えて、分散ドープを作成して、残存する乳化剤および電解質を測定した結果、除去率はそれぞれ95%、90%であった。
(比較例1)凝固剤添加による凝集粒子の不純物残存量
攪拌機付き1L槽(内径100mm、翼径75mmの4枚平パドル翼を軸方向に3段設置した攪拌機)に製造例1のゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックス500gを入れ、400rpmの撹拌下に凝固剤として35重量%塩化カルシウム水溶液13gを投入し凝集体を生成させた。この凝集体を吸引瓶付きフィルタでろ過脱水した。500gの水をフィルタ上の凝集体に添加して洗浄後、箱型乾燥機を用いて40℃にて12時間乾燥してゴム状重合体粒子を得た。洗浄後の凝集体を別途10gサンプリングして、ホモミキサを用いメチルエチルケトン100gと混合させてみると、ゴム状重合体粒子はメチルエチルケトンに完全に分散せず、一部凝集粒子の形状を有したままであった。したがい、サンプルの前処理として、洗浄後の凝集体を10gサンプリングしてメタノールと混合して不純物を抽出し、50mlとしたものを用いて残存する乳化剤及び電解質を測定した結果、除去率はそれぞれ22%および15%であった。
(比較例2)凝固剤添加による凝集粒子の樹脂組成物中への分散性
比較例1で得られた乾燥後のゴム状重合体(A)50gをジャケットおよび撹拌機付き1L槽((内径100mm、翼型90mmのアンカー翼を設置した攪拌機)に移し、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828)135gを加えて均一に混合した。その後、ジャケット温度(温水)を60℃に設定し、真空ポンプを用い揮発成分が減圧下に所定の濃度(5000ppm)に達するまで留去を継続し、ゴム状重合体粒子を含んだ透明度のあるエポキシ樹脂組成物を得た。揮発に要した時間は、5時間20分であった。このエポキシ樹脂組成物より得られた硬化物中のゴム状重合体粒子の分散状態を観察した結果、ゴム状重合体粒子が硬化物全体で凝集していることが確認された。
(比較例3)ラテックスを直接混合した場合での樹脂組成物中の重合体粒子の分散性
ジャケットおよび撹拌機付き1L槽(内径100mm、翼型90mmのアンカー翼を設置した攪拌機)に、製造例1のゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックス150gを入れ、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828)121gを加えて均一に混合した。その後、ジャケット温度(温水)を60℃に設定し、真空ポンプを用い揮発成分を減圧下に所定の濃度(5000ppm)まで留去を継続し、ゴム状重合体粒子を含んだエポキシ樹脂組成物を得た。残存する水分が多いために揮発分留去に11時間40分を要した。このエポキシ樹脂組成物より得られた硬化物中のゴム状重合体粒子の分散状態を観察した結果、ゴム状重合体粒子が硬化物全体で凝集していることが確認された。
(比較例4)有機溶媒を使用したラテックス中の不純物除去
攪拌機付き1L槽(内径100mm、翼径75mmの4枚平パドル翼を軸方向に3段設置した攪拌機)にメチルエチルケトン500gを入れ、100rpmの撹拌下に製造例1で得られたゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックス126gを投入した。均一混合後、16時間静置し、上相(水を含むメチルエチルケトン相)590gと下相(水相)36gの2相分離状態の混合液が得られた。上相をサンプリングして残存する乳化剤および電解質を測定した結果、除去率はそれぞれ18%および14%であった。
(比較例5)有機溶媒を使用した場合での樹脂組成物中の重合体粒子の分散性
比較例4で得られた有機相(上相、メチルエチルケトン相)590gをジャケットおよび撹拌機付き1L槽(内径100mm、翼型90mmのアンカー翼を設置した攪拌機)に移し、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828)97gを加えて均一に混合した。その後、ジャケット温度(温水)を60℃に設定し、真空ポンプを用い揮発成分が減圧下に所定の濃度(5000ppm)に達するまで留去を継続し、ゴム状重合体粒子を含んだ透明度のあるエポキシ樹脂組成物を得た。揮発に要した時間は、8時間50分であった。このエポキシ樹脂組成物より得られた硬化物中のゴム状重合体粒子の分散状態を観察した結果、ゴム状重合体粒子が硬化物の一部で凝集していることが確認された。
(比較例6)有機溶媒および電解質を使用したラテックス中の不純物除去
25℃に保たれた攪拌機付き1L槽(内径100mm、翼径75mmの4枚平パドル翼を軸方向に3段設置した攪拌機)にメチルエチルケトン340gを導入し、撹拌しながら、製造例1のゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックス252gを投入した。均一混合後、水126gを投入し、撹拌しながら、5%硫酸ナトリウム水溶液30gを添加し、有機相と水相を分離した後、水相を排出した。得られた水相をサンプリングして残存する乳化剤および電解質を測定した結果、除去率はそれぞれ60%および35%であった。
また、この有機相をエポキシ樹脂204gと混合した後、真空ポンプを用い揮発成分が減圧下に所定濃度5000ppmに達するまで留去させ、ゴム状重合体粒子を含んだエポキシ樹脂組成物を得た。揮発に要した時間は9時間10分であった。このエポキシ樹脂組成物より得られた硬化物中のゴム状重合体粒子の分散状態を観察した結果、凝集なく均一に分散されていた。
得られた凝集体の一部をサンプリングし、メチルエチルケトンを加えて、分散ドープを作成し、残存する乳化剤および電解質を測定した。その結果、除去率はそれぞれ92%および85%であり、連続操作で凝集を行った実施例5と品質面での有意差はなかった。
更に、得られた緩凝集体は可逆性を有しているので、例えば、有機溶媒に再分散させた後、重合性有機化合物等と混合することで、ゴム状重合体粒子を該重合性有機化合物中に均一に混合分散できる。すなわち、重合体粒子に由来する乳化剤や電解質等の不純物を大幅に低減した樹脂組成物を製造することができる。
Claims (19)
- ゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対して、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有するゴム状重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離することを特徴とする、精製ゴム状重合体粒子(A)の製造方法。
- 混合物(C)に対して、水(D)を連続的に混合接触させることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
- 混合物(C)と水(D)を撹拌装置の底部より供給し、凝集体(F)と水相(E)の混合物を攪拌装置の上部より回収することを特徴とする、請求項2記載の製造方法。
- 請求項1乃至3に記載の製造方法により得られた精製ゴム状重合体粒子(A)の凝集体(F)を脱水及び/又は脱溶媒後乾燥することを特徴とする、精製ゴム状重合体粒子(A)の製造方法。
- 請求項1乃至3に記載の製造方法により得られた精製ゴム状重合体粒子(A)の凝集体(F)に、ゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒を添加し、該ゴム状重合体粒子(A)が前記有機溶媒中に分散した分散体(G)を得ることを特徴とする、分散体(G)の製造方法。
- 反応性基を有する重合性有機化合物(H)にゴム状重合体粒子(A)を分散した樹脂組成物の製造方法であって、請求項5に記載の製造方法により得られた分散体(G)と前記重合性有機化合物(H)と混合した後、揮発性成分を留去することを特徴とする、樹脂組成物の製造方法。
- 反応性基を有する重合性有機化合物(H)にゴム状重合体粒子(A)を分散した樹脂組成物の製造方法であって、請求項1乃至3に記載の製造方法により得られた凝集体(F)と前記重合性有機化合物(H)と混合した後、揮発性成分を留去することを特徴とする、樹脂組成物の製造方法。
- 反応性基を有する重合性有機化合物(H)がエポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の20℃における水に対する溶解度が5重量%以上、40重量%以下であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法。
- ゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックスおよび水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)を混合して得られる混合物(C)に対して接触させる水(D)の量が、有機溶媒(B)100重量部に対し40重量部以上、350重量部以下であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の製造方法。
- 凝集体(F)中に含まれる水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の比率が、凝集体(F)全体の重量に対して30重量%以上であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の製造方法。
- ゴム状重合体粒子(A)が、2層以上の多層構造を有する重合体であって、少なくとも1層以上の架橋ゴム状重合体層を含むことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の製造方法。
- ゴム状重合体粒子(A)が、ジエン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれる少なくとも1種以上の単量体50〜100重量%、および他の共重合可能なビニル単量体0〜50重量%から構成されるゴム弾性体、ポリシロキサンゴム系弾性体、またはこれらの混合物からなるゴム粒子コア(A−1)40〜95重量%の存在下に、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル、シアン化ビニル、不飽和酸誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体、マレイミド誘導体から選ばれる少なくとも1種以上のビニル重合性単量体を重合して得られるシェル層(A−2)5〜60重量%を有するグラフト共重合体であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の製造方法。
- ゴム状重合体粒子(A)のシェル層(A−2)に、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、炭素−炭素2重結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有することを特徴とする、請求項13記載の製造方法。
- 請求項1乃至3に記載の製造方法により得られる、ゴム状重合体粒子(A)、有機溶媒(B)および水(D)よりなる凝集体(F)。
- 請求項1乃至4に記載の製造方法により得られる重合体粒子。
- 請求項5に記載の製造方法により得られる、ゴム状重合体粒子(A)、ゴム状重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒および水(D)よりなる分散体(G)。
- 請求項6乃至14のいずれかに記載の製造方法により得られる樹脂組成物。
- 請求項8乃至14のいずれかに記載の製造方法により得られるエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005514019A JP4761965B2 (ja) | 2003-09-18 | 2004-09-01 | ゴム状重合体粒子の製造方法およびこれを含有する樹脂組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003326711 | 2003-09-18 | ||
JP2003326711 | 2003-09-18 | ||
JP2004063696 | 2004-03-08 | ||
JP2004063696 | 2004-03-08 | ||
PCT/JP2004/013017 WO2005028546A1 (ja) | 2003-09-18 | 2004-09-01 | ゴム状重合体粒子の製造方法およびこれを含有する樹脂組成物の製造方法 |
JP2005514019A JP4761965B2 (ja) | 2003-09-18 | 2004-09-01 | ゴム状重合体粒子の製造方法およびこれを含有する樹脂組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2005028546A1 true JPWO2005028546A1 (ja) | 2006-11-30 |
JP4761965B2 JP4761965B2 (ja) | 2011-08-31 |
Family
ID=34380327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005514019A Active JP4761965B2 (ja) | 2003-09-18 | 2004-09-01 | ゴム状重合体粒子の製造方法およびこれを含有する樹脂組成物の製造方法 |
Country Status (11)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7485680B2 (ja) |
EP (2) | EP1666519B1 (ja) |
JP (1) | JP4761965B2 (ja) |
KR (1) | KR101128319B1 (ja) |
AU (1) | AU2004274270A1 (ja) |
CA (1) | CA2538698A1 (ja) |
ES (2) | ES2589583T3 (ja) |
MY (1) | MY158012A (ja) |
PL (1) | PL1666519T3 (ja) |
TW (1) | TW200524982A (ja) |
WO (1) | WO2005028546A1 (ja) |
Families Citing this family (49)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100572446C (zh) * | 2004-08-18 | 2009-12-23 | 株式会社钟化 | 半导体密封剂用环氧树脂组合物以及环氧树脂成型材料 |
WO2006057218A1 (ja) * | 2004-11-24 | 2006-06-01 | Kaneka Corporation | 硬化性組成物およびその硬化性組成物により封止、被覆された半導体装置 |
JP2006213899A (ja) * | 2005-02-07 | 2006-08-17 | Kaneka Corp | 硬化性組成物、および、その硬化性組成物により封止された半導体装置 |
KR100708993B1 (ko) * | 2005-06-07 | 2007-04-18 | 주식회사 엘지화학 | 다층구조의 고분자 활제 및 그의 제조방법 |
EP2123711B1 (en) | 2007-02-28 | 2016-12-14 | Kaneka Corporation | Thermosetting resin composition having rubbery polymer particle dispersed therein, and process for production thereof |
WO2009014037A1 (ja) * | 2007-07-25 | 2009-01-29 | Kaneka Corporation | 樹脂組成物、および該樹脂組成物を用いた重縮合体 |
JP5605825B2 (ja) | 2007-09-11 | 2014-10-15 | 株式会社カネカ | 液状樹脂組成物、および該液状樹脂組成物を用いた硬化物 |
EP2275489B1 (en) * | 2008-01-28 | 2019-11-13 | Kaneka Corporation | Rubbery polymer-containing resin composition, cured product thereof, and production method thereof |
CN102046690B (zh) * | 2008-07-31 | 2013-01-16 | 大赛璐化学工业株式会社 | 光半导体密封用树脂组合物和使用了该树脂组合物的光半导体装置 |
WO2010082482A1 (ja) | 2009-01-15 | 2010-07-22 | 株式会社カネカ | 硬化性組成物、その硬化物、及びその製造方法 |
US9109069B2 (en) | 2009-06-09 | 2015-08-18 | Kaneka Corporation | Vinyl ester resin composition that contains minute polymer particles, process for production of same, and cured products of same |
DE102009028100A1 (de) | 2009-07-29 | 2011-02-03 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Schlagzähmodifizierte Zusammensetzung auf Epoxidharzbasis |
WO2011039879A1 (ja) * | 2009-10-01 | 2011-04-07 | 株式会社Ihiエアロスペース | 繊維強化プラスチック用のマトリックス樹脂組成物及び繊維強化プラスチック構造体 |
EP2325237A1 (de) * | 2009-11-19 | 2011-05-25 | LANXESS Deutschland GmbH | Feinteilige stabile Suspensionen funktionalisierter, ganz oder teilweise hydrierter Nitrilkautschuke |
EP2662414B1 (en) | 2011-01-05 | 2018-04-11 | Kaneka Corporation | Polymer microparticle-dispersed resin composition and method for producing same |
US9701822B2 (en) | 2012-02-07 | 2017-07-11 | Kaneka Corporation | Toughness modifier for curable resin, and curable resin composition |
WO2014062903A1 (en) | 2012-10-19 | 2014-04-24 | Dow Global Technologies Llc | Polymer particle dispersions with polyols |
WO2014192635A1 (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-04 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ及びゴムマスターバッチ |
EP3604371B1 (en) | 2013-06-07 | 2021-01-13 | Kaneka Corporation | Curable resin composition, structural adhesive, coating material or fiber reinforced composite material using the same, foam body using the same, laminate using the same, and cured material thereof |
JP6463271B2 (ja) | 2013-10-11 | 2019-01-30 | 株式会社カネカ | コアシェルポリマー含有エポキシ樹脂組成物、その硬化物、及びその製造方法 |
CN105683238B (zh) | 2013-10-29 | 2019-01-25 | 株式会社钟化 | 储藏稳定性得到改善的含有聚合物微粒的固化性树脂组合物 |
SG10201803708QA (en) | 2013-12-23 | 2018-06-28 | Arlanxeo Singapore Pte Ltd | Novel anti-agglomerants for the rubber industry |
KR102394009B1 (ko) | 2013-12-23 | 2022-05-03 | 아란세오 싱가포르 프라이빗 리미티드 | 고순도 고무 |
SG11201605113UA (en) | 2013-12-23 | 2016-07-28 | Arlanxeo Singapore Pte Ltd | Highly pure halogenated rubbers |
RU2708245C2 (ru) | 2013-12-23 | 2019-12-05 | Арланксео Сингапур Пте. Лтд. | НОВЫЕ АНТИАГЛОМЕРАТОРЫ ДЛЯ ЭЛАСТОМЕРНЫХ СОПОЛИМЕРОВ ЭТИЛЕНА И α-ОЛЕФИНА |
CN106536619B (zh) | 2014-06-30 | 2021-02-12 | 阿朗新科新加坡私人有限公司 | 用于橡胶工业的新型防聚剂 |
EP3211040B1 (en) * | 2014-10-21 | 2020-08-12 | Kaneka Corporation | Modified polyaspartic acid ester and curable resin composition |
FR3031109B1 (fr) | 2014-12-24 | 2018-08-17 | Arkema France | Composition de polymeres, son procede de preparation, son utilisation et composition la comprenant |
FR3031106B1 (fr) | 2014-12-24 | 2017-02-03 | Arkema France | Composition de polymeres a phases multiples, son procede de preparation, son utilisation et composition la comprenant |
FR3031108B1 (fr) | 2014-12-24 | 2018-08-17 | Arkema France | Composition comprenant un polymere a phases multiples, son procede de preparation et son utlisation |
CN108368335B (zh) | 2015-12-11 | 2021-09-28 | 株式会社钟化 | 机械强度优异的含有聚合物微粒的聚氨酯系固化性组合物 |
CN110914363A (zh) | 2017-07-12 | 2020-03-24 | 赫克塞尔合成有限公司 | 树脂组合物 |
FR3068977B1 (fr) | 2017-07-12 | 2020-09-04 | Arkema France | Composition comprenant un polymere a phases multiples et un polymere (meth)acrylique, son procede de preparation et son utilisation |
FR3068980B1 (fr) | 2017-07-12 | 2020-10-02 | Arkema France | Composition d'adhesif epoxy comprenant un polymere a etapes multiples et un polymere (meth)acrylique, son procede de preparation et son utilisation |
FR3068979B1 (fr) | 2017-07-12 | 2020-07-31 | Arkema France | Composition d'adhesif (meth)acrylique, son procede de preparation et son utilisation |
EP3660093A4 (en) | 2017-07-28 | 2021-01-20 | Kaneka Corporation | EPOXY RESIN COMPOSITION |
WO2019133169A1 (en) * | 2017-12-29 | 2019-07-04 | Dow Global Technologies Llc | Polyolefin-acrylic particles |
CN111936574B (zh) | 2018-03-30 | 2023-12-29 | 株式会社钟化 | 相对于热固化性基质树脂的分散性得以改善了的粉粒体 |
CN112041403B (zh) | 2018-04-27 | 2023-05-12 | 株式会社钟化 | 使用含聚合物微粒的固化性树脂组合物的粘接方法、及使用该粘接方法得到的层叠体 |
JP7391043B2 (ja) | 2018-12-27 | 2023-12-04 | 株式会社カネカ | 樹脂組成物およびその利用 |
WO2020196919A1 (ja) | 2019-03-28 | 2020-10-01 | 株式会社カネカ | 粉粒体およびその利用 |
WO2020196921A1 (ja) | 2019-03-28 | 2020-10-01 | 株式会社カネカ | 樹脂組成物の製造方法および樹脂組成物 |
CN114364765B (zh) | 2019-09-27 | 2024-04-19 | 株式会社钟化 | 粘接剂及粘接剂的制造方法 |
CN114341233A (zh) | 2019-09-27 | 2022-04-12 | 株式会社钟化 | 粉粒体及粉粒体的制造方法 |
FR3103817B1 (fr) | 2019-11-29 | 2021-12-17 | Arkema France | Composition comprenant un polymère à étapes multiples et un polymère (méth)acrylique, son procédé de préparation et son utilisation |
WO2022071406A1 (ja) | 2020-09-30 | 2022-04-07 | 株式会社カネカ | ラテックスおよび樹脂組成物、並びにそれらの製造方法 |
EP4310118A1 (en) | 2021-03-31 | 2024-01-24 | Denka Company Limited | Adhesive composition, bonded body and method for producing adhesive composition |
WO2022210706A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | 株式会社カネカ | 精製重合体微粒子の製造方法および樹脂組成物の製造方法 |
FR3134393A1 (fr) | 2022-04-12 | 2023-10-13 | Arkema France | Composition comprenant un polymère à étages multiples et un polymère (méth)acrylique, son procédé de préparation et son utilisation |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3674902D1 (de) * | 1985-06-26 | 1990-11-15 | Dow Chemical Co | Mit rubber modifizierte epoxyzusammensetzungen. |
US4840991A (en) * | 1986-11-28 | 1989-06-20 | Desoto, Inc. | Aqueous dispersions of partially cross-linked emulsion copolymers |
JPH0618731B2 (ja) | 1988-07-18 | 1994-03-16 | 佳彦 忠見 | 板状体の製造方法 |
JP2751071B2 (ja) * | 1989-06-23 | 1998-05-18 | ジェイエスアール株式会社 | 変性エポキシ組成物の製造方法 |
JP2868862B2 (ja) | 1990-08-10 | 1999-03-10 | 三井・デュポンポリケミカル株式会社 | オレフィン重合体組成物 |
JP2977589B2 (ja) * | 1990-08-10 | 1999-11-15 | 三菱レイヨン株式会社 | 粉粒状重合体の製造方法 |
JP2000007788A (ja) | 1998-06-23 | 2000-01-11 | Jsr Corp | 架橋粒子有機溶剤分散体および該分散体を用いた樹脂組成物 |
JP2002030122A (ja) * | 2000-07-14 | 2002-01-31 | Techno Polymer Co Ltd | エポキシ樹脂改質剤及びエポキシ樹脂組成物並びにこれを用いた回路基板及びic封止材 |
KR100428638B1 (ko) | 2001-09-13 | 2004-04-30 | 주식회사 엘지화학 | 고분자 라텍스 수지 분체의 제조방법 |
KR100780582B1 (ko) * | 2003-06-09 | 2007-11-29 | 카네카 코포레이션 | 변성 에폭시 수지의 제조방법 |
-
2004
- 2004-09-01 US US10/571,068 patent/US7485680B2/en active Active
- 2004-09-01 EP EP04772889.4A patent/EP1666519B1/en active Active
- 2004-09-01 EP EP07120062.0A patent/EP1887028B1/en active Active
- 2004-09-01 PL PL04772889T patent/PL1666519T3/pl unknown
- 2004-09-01 JP JP2005514019A patent/JP4761965B2/ja active Active
- 2004-09-01 ES ES07120062.0T patent/ES2589583T3/es active Active
- 2004-09-01 ES ES04772889.4T patent/ES2454618T3/es active Active
- 2004-09-01 KR KR1020067004132A patent/KR101128319B1/ko active IP Right Grant
- 2004-09-01 WO PCT/JP2004/013017 patent/WO2005028546A1/ja active Application Filing
- 2004-09-01 AU AU2004274270A patent/AU2004274270A1/en not_active Abandoned
- 2004-09-01 CA CA002538698A patent/CA2538698A1/en not_active Abandoned
- 2004-09-14 TW TW093127788A patent/TW200524982A/zh not_active IP Right Cessation
- 2004-09-17 MY MYPI20043781A patent/MY158012A/en unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2538698A1 (en) | 2005-03-31 |
JP4761965B2 (ja) | 2011-08-31 |
AU2004274270A1 (en) | 2005-03-31 |
MY158012A (en) | 2016-08-24 |
US20070027263A1 (en) | 2007-02-01 |
EP1666519A4 (en) | 2006-08-30 |
TWI346126B (ja) | 2011-08-01 |
EP1666519A1 (en) | 2006-06-07 |
KR20060085330A (ko) | 2006-07-26 |
WO2005028546A1 (ja) | 2005-03-31 |
KR101128319B1 (ko) | 2012-03-23 |
US7485680B2 (en) | 2009-02-03 |
TW200524982A (en) | 2005-08-01 |
EP1887028B1 (en) | 2016-07-06 |
PL1666519T3 (pl) | 2014-09-30 |
EP1666519B1 (en) | 2014-03-26 |
ES2454618T3 (es) | 2014-04-11 |
EP1887028A1 (en) | 2008-02-13 |
ES2589583T3 (es) | 2016-11-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4761965B2 (ja) | ゴム状重合体粒子の製造方法およびこれを含有する樹脂組成物の製造方法 | |
JP4668788B2 (ja) | 変性エポキシ樹脂の製造方法 | |
JP5027509B2 (ja) | 半導体封止剤用エポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂成形材料 | |
TWI443137B (zh) | Rubber-like polymer particle dispersion thermosetting resin composition and method of manufacturing the same | |
TWI761514B (zh) | 溶劑組合物及其製造方法 | |
JP2004315572A (ja) | エポキシ樹脂組成物の製造方法 | |
JP2005248109A (ja) | ゴム状重合体粒子の製造方法およびこれを含有する樹脂組成物の製造方法 | |
CN100392005C (zh) | 橡胶状聚合物粒子的制法及含该粒子的树脂组合物的制法 | |
JP2006045292A (ja) | ゴム状重合体粒子の製造方法およびこれを含有する樹脂組成物の製造方法 | |
CN116406398A (zh) | 中空颗粒 | |
JP5208003B2 (ja) | ポリマー微粒子分散組成物、及びその製造方法 | |
JP2006241404A (ja) | 重合体粒子並びにそれを含む分散体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070726 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20100517 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110322 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110407 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110531 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110607 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4761965 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |