JP2004315572A - エポキシ樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Katsumi Yamaguchi
克己 山口
Yoshihiro Ikeda
義弘 池田
Masakuni Ueno
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Abstract

【課題】(A)エポキシ樹脂にコアシェル型ゴム粒子を分散した樹脂組成物の製造において、エポキシ樹脂(A)中のゴム粒子の分散状態が良好であり、かつ、夾雑物の低減されたエポキシ樹脂組成物を、簡便かつ効率的に製造する手段を提供する。
【解決手段】コアシェル型ゴム粒子の水性ラテックスを、水と部分溶解性を示す有機溶媒(C)と混合して得られる混合物に対し、水溶性電解質(D)水溶液を接触させて、ゴム粒子を含有する有機溶媒(C)層と水層を層分離させ、水層を除去したのちに、得られたゴム粒子を含有する有機溶媒(C)層を、エポキシ樹脂(A)と混合し、揮発性分を留去することで、エポキシ樹脂(A)中にゴム状重合体粒子(B)が良好に分散し、かつ、夾雑物の少ないエポキシ樹脂組成物を得る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム変性エポキシ樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂の硬化物は、寸法安定性、機械的強度、電気的絶縁特性、耐熱性、耐水性、耐薬品性などの多くの点で優れている。しかしながら、エポキシ樹脂の硬化物は破壊靭性が小さく、非常に脆性的な性質を示すことがあり、広い範囲の用途においてこのような性質が問題となることが多い。
【0003】
これらの問題を解決するための手法の一つとして、エポキシ樹脂中にゴム成分を配合することが従来より試みられている。その中でも、乳化重合、分散重合、懸濁重合に代表される水媒体中の重合方法などを用いて予め粒子状に調製したゴム状重合体を配合する方法には、たとえばエポキシ樹脂に対して非架橋の不定形ゴム成分を溶解混合したのち、硬化過程において相分離を生じさせることで、エポキシ樹脂硬化物連続相にゴム成分の分散相を生成させる様な方法と比較して、原理上、配合硬化条件による分散状態の変動を生じにくいこと、ゴム成分を予め架橋しておくことでエポキシ樹脂硬化物連続相へのゴム成分の混入が無く、耐熱性や剛性の低下が少ないこと、などの種々の利点が考えられることから、以下に示すような各種の製造方法が提案されている。
(1)ゴム状重合体ラテックスの凝固物を粉砕したのち、エポキシ樹脂に混合する方法(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)
(2)ゴム状重合体ラテックスとエポキシ樹脂を混合したのち、水分を留去して、混合物を得る方法(たとえば、特許文献3参照)
(3)ゴム状重合体ラテックスを有機溶剤の存在下、エポキシ樹脂に混合して、混合物を得る方法(たとえば、特許文献4参照)
【0004】
通常は水性ラテックスとして得られるゴム状重合体粒子を、エポキシ樹脂中に混合分散させるに際しては、ゴム状重合体と水分とを分離する必要がある。(1)の方法では、ゴム状重合体を凝固物として一旦取り出すことにより水と分離するが、これの取り扱いやエポキシ樹脂との混合の工程が煩雑で工業的に好ましくない。さらに、ゴム状重合体を一旦凝固物として取り出した上でエポキシ樹脂に混合し再分散させる場合には、相当の機械的剪断力による粉砕や分散操作を用いても、エポキシ樹脂中にゴム状重合体粒子を一次粒子の状態で再分散させることは比較的困難である。
【0005】
また、(2)の方法では、エポキシ樹脂と水が混ざり合い難いため、混ざらない部分で乾燥物が発生し塊状物となり、除去しなければ品質に影響する上、エポキシ樹脂の存在下で多量の水分を除去しなくてはならず、困難が伴う。
【0006】
さらに、(3)の方法では、ゴム状重合体ラテックスとエポキシ樹脂を混合するに当たり、有機溶剤と共に系中(混合物中)に存在する、多量の水分(有機溶剤が溶解可能な水分量以上の水分)を分離、または留去する必要があるが、有機溶剤層と水層の分離にはたとえば一昼夜などの、多大な時間を要するか、または有機溶剤層と水層が安定な乳化懸濁状態を形成するために実質的には分離が困難となる。また水分を留去する場合には、多量のエネルギーを必要とする上、通常ゴム状重合体ラテックスの製造に使用する乳化剤、副原料などの水溶性夾雑物が組成物中に残留してしまい、品質的にも劣るものとなる。このため、分離、留去のいずれの方法にしても水分の除去が煩雑であり、工業的に好ましいとはいえない。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−295237号公報
【特許文献2】
特許第2751071号明細書
【特許文献3】
特開平6−107910号公報
【特許文献4】
米国特許第4,778,851号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エポキシ樹脂とゴム状重合体粒子の混合物を得る方法として、水性ラテックスの状態で得たゴム状重合体粒子を凝固物として取り出すことなく、水分をゴム状重合体粒子から効率よく分離し、そののちにエポキシ樹脂と混合するというものであって、ゴム状重合体粒子をエポキシ樹脂中に均一に混合分散でき、さらにはゴム状重合体粒子の重合時に添加されている乳化剤などの夾雑物の除去を同時に実施する、簡便かつ効率的な方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、エポキシ樹脂(A)にゴム状重合体粒子(B)を分散混合したエポキシ樹脂組成物の製造方法であって、ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスおよび水と部分溶解性を示す有機溶媒(C)を混合した混合物に水溶性電解質(D)を接触させ、有機溶媒(C)層と水層を層分離させ、水層を分離除去する操作を、少なくとも1回以上行い、得られたゴム状重合体粒子(B)および有機溶媒(C)からなる分散体(E)をエポキシ樹脂(A)と混合し、揮発成分を留去することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法に関する。
【0010】
ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスおよび有機溶媒(C)を混合した混合物に水溶性電解質(D)を接触させ、有機溶媒(C)層と水層を層分離させ、水層を分離除去する操作を、少なくとも1回以上行ったのちであって、分散体(E)をエポキシ樹脂(A)と混合するまえに、分散体(E)に水を接触させ、水層を除去する操作を、少なくとも1回以上行うことが好ましい。
【0011】
有機溶媒(C)は、少なくとも1つ以上の有機溶媒またはその混合物であって、有機溶媒(C)に対する20℃における水の溶解度が5〜40重量%であることが好ましい。
【0012】
ゴム状重合体粒子(B)の全量に対して、水溶性電解質(D)を接触させたのちに分離除去される水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の総量が5重量%以下であることが好ましい。
【0013】
水溶性電解質(D)は、水溶性を有するアルカリ金属およびアルカリ土類金属の硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩および亜リン酸塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物であることが好ましい。
【0014】
ゴム状重合体粒子(B)は、(B−1)ジエン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体50重量%以上ならびにその他の共重合可能なビニル単量体50重量%未満からなるゴム弾性体、ポリシロキサンゴム系弾性体、またはこれらの混合物からなるゴム粒子コア50〜95重量%に対して、(B−2)(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル、シアン化ビニル、エポキシアルキルビニルエーテル、不飽和酸誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体およびマレイミド誘導体からなる群より選ばれる1種以上の単量体からなるシェル層5〜50重量%をグラフト重合して得られるものであることが好ましい。
【0015】
シェル層(B−2)は、エポキシ樹脂(A)または硬化剤と反応性を有する単量体を含有することが好ましい。
【0016】
本発明は、ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスおよび水と部分溶解性を示す有機溶媒(C)を混合した混合物に水溶性電解質(D)を接触させ、有機溶媒(C)層と水層を層分離させ、水層を分離除去する操作を、少なくとも1回以上行うことにより得られるゴム状重合体粒子(B)および有機溶媒(C)からなる分散体(E)に関する。
【0017】
また、本発明は、前記エポキシ樹脂組成物の製造方法により得られるエポキシ樹脂組成物に関する。
【0018】
さらに、本発明は、前記エポキシ樹脂組成物を硬化剤で硬化させた硬化成形物に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明する。本発明により得られるエポキシ樹脂組成物は、ゴム状重合体粒子(B)が、エポキシ樹脂(A)(エポキシ基を有する液状樹脂)中に分散されてなるエポキシ樹脂組成物である。
【0020】
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、エポキシ基を有するプレポリマーである。本発明に用いることのできるエポキシ樹脂は、ポリエポキシドとも言われるエポキシ樹脂である。たとえば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂、3もしくは4官能のエポキシ樹脂、高分子量化したエポキシ樹脂(たとえば、ビスフェノールAで高分子量化したビスフェノールAのジグリシジルエーテルなど)、または、不飽和モノエポキシド(たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル)を重合して得られるホモポリマーもしくはコポリマーである。
【0021】
本発明に用いることのできるポリエポキシドには、多価アルコールおよび多価フェノールのグリシジルエーテル、ポリグリシジルアミン、ポリグリシジルアミド、ポリグリシジルイミド、ポリグリシジルヒダントイン、ポリグリシジルチオエーテル、エポキシ化脂肪酸またはエポキシ化乾性油、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化不飽和ポリエステル、およびそれらの混合物を含む。多価フェノールより合成される多くのポリエポキシドは、たとえば米国特許第4,431,782号明細書に開示されている。ポリエポキシドは一価、二価、三価のフェノールより合成され、ノボラック樹脂も含む。ポリエポキシドにはエポキシ化シクロオレフィンの他、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルの重合体および共重合体によるポリエポキシドを含む。適切なポリエポキシドの例としてはさらに、米国特許第3,804,735号明細書、同第3,892,819号明細書、同第3,948,698号明細書、同第4,014,771号明細書、および、“エポキシ樹脂ハンドブック”(日刊工業新聞社、昭和62年)に開示されているものがあげられる。
【0022】
本発明に用いるポリエポキシドは前述のようなものであるが、一般的にはエポキシ等量(Epoxy Equivalent Weight)として、80〜2000を有するものが挙げられる。これらのポリエポキシドは周知の方法で得ることができるが、通常よく用いられる方法として、たとえば、多価アルコール若しくは多価フェノールなどに対して過剰量のエピハロヒドリンを塩基存在下で反応させることで得られる。
【0023】
ポリエポキシドには、反応性希釈剤としてモノエポキシド、たとえば、脂肪族グリシジルエーテル、たとえばブチルグリシジルエーテル、または、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテルを含んでいても良い。一般的に知られているように、モノエポキシドはポリエポキシド配合物の化学量論に影響をおよぼすが、これの調整は硬化剤の量、またはその他周知の方法で行われる。
【0024】
エポキシ樹脂(A)成分には、上記エポキシ基含有化合物の硬化剤および/または硬化促進剤を含有することも可能であるが、本製造方法の条件下で実質的にエポキシ樹脂(A)と意図しない硬化反応を起こさないことが望まれる。かかる硬化剤および/または硬化促進剤としては、前述のエポキシ樹脂ハンドブックに記載のもので本段落にて、述べた要件を満たすもののみが使用可能である。
【0025】
本発明で用いるゴム状重合体粒子(B)は、特に制限されないが、エラストマーまたはゴム状のポリマーを主成分とするポリマーからなるゴム粒子コア(B−1)と、これにグラフト重合されたポリマー成分からなるシェル層(B−2)より構成されるコアシェル型ポリマーであることが、製造や構造設計が容易である点で好ましい。
【0026】
ゴム粒子コア(B−1)を構成するポリマーは架橋されており、ゴム粒子コア(B−1)を構成するポリマーは、適切な溶媒に対して膨潤しうるけれども実質的には溶解しない。この部分はエポキシ樹脂(A)に不溶である。ゴム粒子コア(B−1)のゲル分率は60重量%以上、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上で、さらに好ましくは95重量%以上である。ゴム粒子コア(B−1)を構成するポリマーはガラス転移温度(Tg)が0℃以下、好ましくは−10℃以下である。
【0027】
ゴム粒子コア(B−1)を構成するポリマーは、ジエン系単量体(共役ジエン系単量体)および(メタ)アクリル酸エステル系単量体より選ばれる一つ以上の単量体を50重量%以上含有する単量体より構成されるゴム弾性体か、ポリシロキサンゴム系弾性体であるか、またはこれらを併用することが、入手が容易である点で好ましい。
【0028】
ゴム弾性体を構成する共役ジエン系単量体としては、たとえばブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどをあげることができるが、ブタジエンが特に好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、たとえばブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレートなどが挙げられるが、ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。これらは1種類または組み合わせて使用できる。
【0029】
共役ジエン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体より選ばれる一つ以上の単量体の使用量は、ゴム弾性体全体の重量に対して好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。50重量%未満の場合にはエポキシ樹脂(A)に対して靱性を付与する能力が低下する傾向にある。
【0030】
さらに、ゴム弾性体は、共役ジエン系単量体または(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主成分として使用する場合には、これらと共重合可能なビニル単量体との共重合体であってもよい。
【0031】
共役ジエン系単量体または(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能なビニル単量体としては、ビニル芳香族系単量体、ビニルシアン系単量体からなる群より選ばれる単量体が例示できる。ビニル芳香族系単量体としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレンが、ビニルシアン系単量体としては、たとえば、(メタ)アクリロニトリルおよび置換アクリロニトリルが使用可能である。これらは1種類または組み合わせて使用できる。
【0032】
これらの共重合可能なビニル単量体の使用量は、ゴム弾性体全体の重量に対して好ましくは50重量%未満、より好ましくは40重量%未満である。
【0033】
また、ゴム弾性体を構成する成分として、架橋度を調節するために、多官能性単量体を含んでいても良い。多官能性単量体としては、ジビニルベンゼン、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(イソ)シアヌル酸トリアリル、(メタ)アクリル酸アリル、イタコン酸ジアリル、フタル酸ジアリルなどが例示できる。これらの使用量はゴム弾性体の全重量に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。10重量%を越えて使用するとゴム粒子コア(B−1)の靭性を付与する能力が低下する傾向がある。
【0034】
また、前記ゴム弾性体を構成するポリマーの分子量や架橋度を調節するために、連鎖移動剤を使用してもよく、炭素数5〜20のアルキルメルカプタンなどが例示できる。これらの使用量はゴム弾性体の全重量に対して5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。5重量%を越えて使用するとゴム弾性体の未架橋成分の量が増加しエポキシ樹脂組成物の耐熱性、剛性などに悪影響をきたす可能性があり好ましくない。
【0035】
さらに、ゴム粒子コア(B−1)として、前記ゴム弾性体に替えて、またはこれらと併用して、ポリシロキサンゴム系弾性体を使用することも可能である。ゴム粒子コア(B−1)としてポリシロキサンゴム系弾性体を使用する場合には、たとえばジメチルシリルオキシ、メチルフェニルシリルオキシ、ジフェニルシリルオキシなどの、アルキルまたはアリール2置換シリルオキシ単位から構成されるポリシロキサンゴムが使用可能である。また、このようなポリシロキサンゴムを使用する場合には、必要に応じて、重合時に多官能性のアルコキシシラン化合物を一部併用するか、ビニル反応性基を持ったシラン化合物をラジカル反応させることなどにより、予め架橋構造を導入しておくことがより好ましい。
【0036】
シェル層(B−2)は、ゴム状重合体粒子(B)がエポキシ樹脂(A)中で安定に一次粒子の状態で分散するための、エポキシ樹脂(A)に対する親和性を与える。
【0037】
シェル層(B−2)は、後述する有機溶媒(C)およびエポキシ樹脂(A)に対して膨潤性、相容性もしくは親和性を有するものが好ましい。また、シェル層(B−2)は、使用時の必要性に応じて、エポキシ樹脂(A)または使用時に配合される硬化剤と反応性を有する単量体を含有するものであってもよい。
【0038】
シェル層(B−2)に含まれるこれらの反応性を有する単量体の官能基は、エポキシ樹脂(A)が硬化剤と反応して硬化する条件下において、エポキシ樹脂(A)または硬化剤と化学反応し、結合を生成することができる。
【0039】
シェル層(B−2)を構成するポリマーは、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物ならなる群より選ばれる1種以上の単量体を共重合して得られる(共)重合体が、入手が簡便であり、なおかつ有機溶媒(C)への親和性を有する点から好ましい。さらに、特にシェル層(B−2)のエポキシ樹脂(A)硬化時の化学反応性を求める場合には、シェル層(B−2)を構成するポリマーは、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物に加えて、エポキシアルキルビニルエーテル、不飽和酸誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体およびマレイミド誘導体からなる群より選ばれる1種以上の単量体からなることが、エポキシ基またはエポキシ硬化剤との反応性が高い点から好ましい。
【0040】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなど、または、反応性側鎖を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジルアルキル(メタ)アクリレートなどがあげられる。芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレンなどがあげられる。シアン化ビニルとしては、(メタ)アクリロニトリルなどがあげられる。
【0041】
エポキシアルキルビニルエーテルとしては、グリシジルビニルエーテルなどがあげられる。不飽和酸誘導体としては、α,β−不飽和酸、α,β−不飽和酸無水物、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸などがあげられる。(メタ)アクリルアミド誘導体としては、(メタ)アクリルアミド(N−置換物を含む)などがあげられる。マレイミド誘導体としては、マレイン酸無水物、マレイン酸イミドなどがあげられる。
【0042】
ゴム状重合体粒子(B)の好ましいゴム粒子コア(B−1)/シェル層(B−2)比率(重量比)は、50/50〜95/5の範囲であり、より好ましくは60/40〜90/10である。50/50を越えてゴム粒子コア(B−1)の比率が低下すると、エポキシ樹脂(A)に対する靱性改良効果が低下する。95/5を越えてシェル層(B−2)の比率が低下すると、本製法における取扱い時に凝集をきたし易く操作性に問題が生じるとともに期待する物性が得られない可能性がある。
【0043】
このようなゴム状重合体粒子(B)の製造に当っては、周知の方法、たとえば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などで製造することができる。これらの中でも特に、乳化重合による製造方法が好適である。
【0044】
乳化重合によりゴム状重合体粒子(B)を製造する場合、水媒体中での乳化(分散)剤としては、水性ラテックスのpHを中性としても乳化安定性が損なわれないものを用いることが好ましい。具体的には、ジオクチルスルホコハク酸やドデシルベンゼンスルホン酸などに代表されるようなアルキルまたはアリールスルホン酸、アルキルまたはアリールエーテルスルホン酸、ドデシル硫酸に代表されるようなアルキルまたはアリール硫酸、アルキルまたはアリールエーテル硫酸、アルキルまたはアリール置換燐酸、アルキルまたはアリールエーテル置換燐酸、ドデシルザルコシン酸に代表されるようなN−アルキルまたはアリールザルコシン酸、オレイン酸やステアリン酸などに代表されるようなアルキルまたはアリールカルボン酸、アルキルまたはアリールエーテルカルボン酸などの、各種の酸類のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、アルキルもしくはアリール置換ポリエチレングリコールなどの非イオン性乳化剤、分散剤、ポリビニルアルコール、アルキル置換セルロース、ポリビニルピロリドン、または、ポリアクリル酸誘導体などの分散剤が例示される。これらは1種類または適宜組み合わせて使用できる。
【0045】
これらの乳化(分散)剤は、本発明の好ましい実施形態の趣旨から言えば、ゴム状重合体粒子(B)を含有するラテックスの作製過程において分散安定性に支障を来さない範囲で出来る限り少量を使用するか、または、本製法の実施過程において、製造されるエポキシ樹脂組成物の物性に影響をおよぼさない程度の残存量まで、水層に抽出洗浄される性質を有していることがより好ましい。
【0046】
本発明の製造方法で用いることのできるゴム状重合体粒子(B)の粒子径に特に制限は無く、ゴム状重合体粒子(B)を水性ラテックスの状態で安定的に得ることができるものであれば問題なく使用できるが、工業生産性の面からは、平均粒子径が0.03〜2μm程度のものが、製造が容易であるという点でより好ましい。
【0047】
本発明によるエポキシ樹脂組成物の製造方法においては、水性ラテックスの状態で得られるゴム状重合体粒子(B)を、凝固物として取り出すことなしに、ゴム状重合体粒子(B)から水分を効率よく分離し、そののちにエポキシ樹脂(A)と混合する。
【0048】
ゴム状重合体粒子(B)は、エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、1〜80重量部であることが好ましく、3〜50重量部であることがより好ましい。1重量部より少なくなると、エポキシ樹脂に対する靭性の付与能力が低下する傾向があり、80重量部より大きくなると、エポキシ樹脂組成物の粘度が著しく増大し、製造上の操作に支障をきたしやすい傾向がある。
【0049】
即ち、本発明では、まずゴム状重合体粒子(B)を含有する水性ラテックスを、水と部分溶解性を示す有機溶媒(C)と混合する。ここで有機溶媒(C)は本発明の要件を満たすものが好ましい。この段階における混合操作に際しては、特別な装置または方法は必要ではなく、良好な混合状態が得られる装置または方法であれば使用可能である。
【0050】
次に、このようにして得られた混合物を水溶性電解質(D)水溶液と接触させることにより、混合物を主に有機溶媒(C)からなる層(以下有機溶媒(C)層と称する)と、主に水からなる層(以下水層と称する)の2層に短時間で分離させることができる。この際、混合物中に多量に含まれるゴム状重合体粒子(B)由来の水分の多くは、ゴム状重合体粒子(B)と分離して水溶性電解質(D)水溶液と合一し、水層を形成する一方、ゴム状重合体粒子(B)は有機溶媒(C)層に存在するために、ゴム状重合体粒子(B)を含有する水性ラテックスから水分だけを実質的に分離除去できる。この水溶性電解質(D)を接触させ、有機溶媒(C)層と水層を層分離させ、水層を分離除去する操作は、1回だけでなく、複数回行なっても良い。
【0051】
続いて、このような操作を施して得られた有機溶媒(C)層、即ちゴム状重合体粒子(B)が有機溶媒(C)に分散した分散体(E)を、エポキシ樹脂(A)と混合する。この混合は容易に達成でき、特別な装置または方法を使用することなく周知の方法で実施可能である。しかもこれら一連の操作において、ゴム状重合体粒子(B)は不可逆な凝集なく、エポキシ樹脂(A)に混合する操作の前後で、分散体(E)中で実質的に一次粒子が独立分散した状態を維持している。さらに、有機溶媒(C)成分を主体とする揮発成分を留去することによって、ゴム状重合体粒子(B)のエポキシ樹脂(A)中への良好な分散状態を維持したまま、目的とするエポキシ樹脂組成物を得ることができる。また、本発明で得ることのできる組成物の最終使用形態によっては、有機溶媒(C)を除去せず、含んだままでも用いることが可能である。この様な場合も同様に、ゴム状重合体粒子(B)が、残存する有機溶媒(C)にエポキシ樹脂(A)が溶解した溶液に対して、凝集無く良好に分散した状態を得ることが出来る。
【0052】
さらに、本発明の別の特徴として、ゴム状重合体粒子(B)ラテックスの製造に通常使用される、乳化剤、無機物などの、エポキシ樹脂(A)の使用に際しては有害な影響を与える可能性のある夾雑物成分を容易に除去できる。すなわち、分散体(E)を、水溶性電解質(D)の水溶液と接触させる操作を1回または複数回繰り返す毎に、分散体(E)から水層に夾雑物成分が取り込まれ、分散体(E)に含まれる夾雑物成分を低減または除去できる。
【0053】
さらに高度な夾雑物の除去が必要となる場合には、ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスおよび有機溶媒(C)を混合した混合物に水溶性電解質(D)を接触させ、有機溶媒(C)層と水層を層分離させ、水層を分離除去する操作を、少なくとも1回以上行ったのちであって、分散体(E)をエポキシ樹脂(A)と混合するまえに、分散体(E)に水を接触させ、水層を除去する操作を、少なくとも1回以上行うことが好ましい。
【0054】
このように本発明では、エポキシ樹脂(A)にゴム状重合体粒子(B)を混合するための過程において、ゴム状重合体粒子(B)を凝固物として扱わないため、ゴム状重合体粒子(B)を凝集なく一次粒子のままでエポキシ樹脂(A)に分散させることができる。またエポキシ樹脂(A)とゴム状重合体粒子(B)の混合物より分離すべき水分量も、従来の方法と比較して有意に抑制できる。同時に、ゴム状重合体粒子(B)に添加されている乳化剤、イオン性化合物や水溶性化合物などの夾雑物を容易に除去できる。
【0055】
水と部分溶解性を示す有機溶媒(C)としては、ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスを有機溶媒(C)と混合する場合に、ゴム状重合体粒子(B)が凝固析出することなく混合が達成され、なおかつ水溶性電解質(D)と接触させる行程においてゴム状重合体粒子(B)が水層中に残存せず有機溶媒(C)層に存在するような状態にできる有機溶媒であることが必要である。
【0056】
有機溶媒(C)は、少なくとも1種以上の有機溶媒(混合物)であって、好ましくは、20℃における有機溶媒(C)に対する水の溶解度が5〜40重量%、さらに好ましくは7〜30重量%であるような有機溶媒または有機溶媒の混合物である。有機溶媒(C)に対する水の溶解度が5重量%より小さいと、ゴム状重合体粒子(B)のラテックスと有機溶媒(C)との混合が困難となり、40重量%をこえると、ゴム状重合体粒子(B)と有機溶媒(C)を混合したものに、水溶性電解質(D)を接触させたのちの有機溶媒(C)層と水層との分離が困難となる傾向にある。
【0057】
好ましい有機溶媒(C)の例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エタノール、(イソ)プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類などから選ばれる1種以上の有機溶媒、またはその混合物であって、水の溶解度が上記の範囲を満たすものが例示される。さらに、この中でもメチルエチルケトンをより好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは75%以上含む有機溶媒の混合物が例示される。
【0058】
有機溶媒(C)の量は、ゴム状重合体粒子(B)の種類や、またはゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックス中に含まれるゴム状重合体粒子(B)の量によっても変化しうる。好ましくは、ゴム状重合体粒子(B)のラテックス100重量部に対し、50〜400重量部、より好ましくは、70〜350重量部である。50重量部未満であると、有機溶媒(C)の種類によっては、有機溶媒(C)層を形成する有機溶媒(C)の量が少なくなる為、有機溶媒(C)層の取り扱いが困難になることがある。400重量部をこえると、有機溶媒(C)の除去に際して量が多く不経済である。
【0059】
混合する温度は、有機溶媒(C)の種類によって水への部分溶解性が変化しうる為、有機溶媒(C)層と水層の分離に影響し得るので、本発明の効果を損なわない範囲に設定する必要がある。またこのような性質を利用し、温度を適宜設定することで有機溶媒(C)層と水層の分離を好ましい状態にすることもできる。
【0060】
続いて、ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスと有機溶媒(C)の混合物を得たのちに、この混合物を水溶性電解質(D)の水溶液と接触させることにより、この混合物は、ゴム状重合体粒子(B)を含む有機溶媒(C)層(分散体(E))と、水溶性電解質(D)を含む水層の2層に分離する。この操作において、有機溶媒(C)は部分水溶性を有するために、水層から独立した明瞭な有機溶媒(C)層を形成することが比較的難しく、先のゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスと有機溶媒(C)の混合工程においてしばしば容易に安定な乳化懸濁状態を生成するため、有機溶媒(C)層と水層の分離に長大な時間を要するか、水層と有機溶媒(C)層の分離が不充分になるか、または実質的に分離不可能となりやすい。ここで、水溶性電解質(D)の添加は、水層への有機溶媒(C)の溶解性を、より水溶性の高い水溶性電解質の添加によって抑制することで、有機溶媒(C)層と水層の2層の明瞭な分離を促進する効果を有している。
【0061】
このような水溶性電解質(D)としては、特に構造、組成などが限定される物ではなく、操作中に析出して汚染源となるようなことのない程度の水溶性を有するものであれば使用できる。具体的な例として、たとえば水溶性のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩があげられ、より具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、硫酸アンモニウムなど、さらに塩酸、硫酸などの無機塩などが例示できる。これらのなかでも、水溶性を有するアルカリ金属およびアルカリ土類金属の硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩および亜リン酸塩からなる群より選ばれる1種以上であることが、添加量に対する効果の大きさの点から好ましく、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムがとくに好ましい。
【0062】
このような水溶性電解質(D)は有機溶媒(C)層と水層の分離を促す効果のある範囲の量で使用できる。好ましくは、ゴム状重合体粒子(B)の100重量部に対して0.2〜25重量部、より好ましくは0.5〜15重量部であり、多くの場合、この範囲で本発明の効果を達成できる。0.2重量部未満では、有機溶媒(C)層と水層の分離を促す効果が不充分となる傾向にあり、25重量部をこえると、有機溶媒(C)層と水層の分離を促す効果が飽和する一方で水溶性電解質(D)自体の製品への混入による物性低下が問題となり、また、水溶性電解質(D)のコスト面でも不利となる。
【0063】
これら一連の操作ののち、水層を除去すると、ゴム状重合体粒子(B)が有機溶媒(C)中に分散した分散体(E)が得られる。必要に応じて、この分散体(E)を、さらに水および水溶性電解質に接触させたのち、水層を除去するという操作を1回または複数回行ってもよい。これらの操作により、ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスの製造に通常使用される、乳化剤、水溶性無機質などの、エポキシ樹脂(A)の使用に際しては有害な影響を与える可能性のある夾雑物成分がより効果的に除去される。なお、分散体(E)の取り扱い性を損なわないために、必要に応じて、新たな水溶性電解質(D)水溶液との接触の前に、水層に一部溶解して分離除去された有機溶媒(C)を補充添加することも可能である。
【0064】
さらに、水溶性夾雑物を特に高度に除去することが必要な場合には、ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスおよび有機溶媒(C)を混合した混合物に水溶性電解質(D)を接触させ、有機溶媒(C)層と水層を層分離させ、水層を分離除去する操作を、少なくとも1回以上行ったのちであって、分散体(E)をエポキシ樹脂(A)と混合するまえに、分散体(E)に水を接触させ、水層を除去する操作を、少なくとも1回以上行うことが好ましい。
【0065】
以上の一連の操作で分離除去した水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の量は5重量%以下であり、好ましくは2重量%以下である。分離除去した水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の量が、5重量%をこえると、ゴム状重合体粒子(B)の収量損失が大きく、工業的な有効性が低下する傾向にある。
【0066】
また、以上の一連の操作での除去された水溶性夾雑物量は、乳化剤除去率を指標として表される。乳化剤除去率が高いほど、乳化剤残渣の触媒作用などによるエポキシ樹脂やゴム状弾性体粒子の劣化や、乳化剤自体の劣化などによる黄変などの外観低下や物性低下が軽減できるため、乳化剤除去率としては、好ましくは40〜100%であり、より好ましくは60〜100%である。
【0067】
次に、このようにして得られた、ゴム状重合体粒子(B)と有機溶媒(C)とからなる分散体(E)を、エポキシ樹脂(A)成分と混合する。先述のように、混合は周知の方法で容易に実施可能であり、混合の前後において、ゴム状重合体粒子(B)は一次粒子で分散した状態を維持している。得られた混合物から、有機溶媒(C)を主体とする揮発成分を除去すれば、ゴム状重合体粒子(B)をエポキシ樹脂(A)中に分散させた目的のエポキシ樹脂組成物が得られる。なお、有機溶媒(C)の留去方法としては、周知の方法が適用でき、たとえば槽内に混合物を仕込み(減圧)留去する回分式の方法、槽内で乾燥ガスと該混合物を向流接触させる方法、薄膜式蒸発機を用いるような連続式の方法、脱揮装置を備えた押出機または連続式攪拌槽を用いる方法などがあげられる。有機溶媒(C)を除去する際の温度や所要時間などの条件は、エポキシ樹脂(A)が反応したり品質を損なわない範囲で適宜選択することができる。また、エポキシ樹脂組成物に残存する有機溶媒(C)の量は、エポキシ樹脂組成物の使用目的に応じて、問題のない範囲で適宜選択できる。
【0068】
このような本発明の製造方法により、エポキシ樹脂(A)成分中にゴム状重合体粒子(B)が均一に分散され、さらに夾雑物が少ないエポキシ樹脂組成物を簡便かつ効率的に製造することが出来る。このエポキシ樹脂組成物は、構造材料、接着剤、半導体封止剤や電子回路基板などの電子材料などの、エポキシ樹脂が通常使用される各種の用途に対して、たとえば使用するエポキシ樹脂の一部、または全部を本発明の組成物とすることで、幅広く利用が可能であり、硬化物中のゴム状重合体粒子(B)の分散状態の安定性に優れ、かつ夾雑物の少ない硬化成形物を得ることが出来る。
【0069】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0070】
なお以下において、残存夾雑物は、乳化剤量(アニオン系界面活性剤、全イオン)を指標として分析した。また、エポキシ樹脂(A)成分中のゴム状重合体粒子(B)の分散状態(凝集の有無)は、得られたエポキシ樹脂組成物より作製した硬化物より超薄切片を作製したのち、透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察し判断した。
【0071】
実施例に先立ち、本発明で用いた分析測定方法について以下に説明する。
【0072】
[残存夾雑物(残存乳化剤)]
(1)サンプル前処理
エポキシ樹脂(A)を混合する前の分散体(E)を5ml分取し、乾固後、ビーカー内にエタノール50mlとともに投入し、10分間攪拌したのち、上澄み液をメチレンブルー法による分析試料とした。
【0073】
(2)メチレンブルー法
分液ロートに水30ml、アルカリ性ホウ酸ナトリウム溶液10mlおよびメチレンブルー溶液(0.025%水溶液)5mlを入れた。クロロホルム20mlを加え、3〜5分振とうし、クロロホルム層を分離除去した。クロロホルムの添加および除去の操作をクロロホルム層の着色がなくなるまで繰り返した。次に、希硫酸(2.9%水溶液)3ml、クロロホルム20mlおよび(1)で調製した試料2mlを加え、3〜5分振とう後、クロロホルム層を分光光度計((株)島津製作所製、自記分光光度計UV−2200)を用い、波長650nmの吸収で、エポキシ樹脂(A)を混合する前の分散体(E)中の残存乳化剤量を測定した。ゴム状重合体粒子(B)の重合に使用された乳化剤の全量に対する、水溶性電解質(D)の添加後に除去された乳化剤量の割合を、乳化剤除去率として算出した。なお、アルカリ性ホウ酸ナトリウム溶液は、四ホウ酸ナトリウム十水和物1.9%水溶液500mlに0.4%水酸化ナトリウム溶液500mlを混合し、作製した。
【0074】
[残存夾雑物(全イオン)]
エポキシ樹脂(A)を混合する前の分散体(E)を5ml分取し、乾固後、ビーカー内にエタノール50mlとともに投入し、10分間攪拌したのち、上澄み液を、電気伝導度計(京都電子工業(株)製、GM−117)を用い測定した。水溶性電解質(D)の添加前に存在していたイオン量の全量(ゴム状重合体粒子(B)のラテックスを乾固したものでの測定値)に対する、水溶性電解質(D)の添加後に除去されたイオン量の割合を、全イオン除去率として算出した。
【0075】
[ゴム状重合体粒子(B)の分散状態]
(1)エポキシ樹脂硬化物の作製
100mlビーカーに下記の実施例および比較例でそれぞれ得られたエポキシ樹脂組成物100gと、硬化剤としてピペリジン(東京化成工業(株)製)6gを投入し、撹拌して混合した。この混合物を真空乾燥機内に静置し、まず窒素雰囲気下に60℃に加熱したのち、減圧下に10分間揮発成分を脱泡除去した。この混合物を100×150×3mm寸法の金型に注型後、120℃で16時間保持して硬化させ、硬化成形物を得た。
【0076】
(2)透過型電子顕微鏡によるゴム状重合体粒子(B)の分散状態の観察
得られた成形物の一部を切り出し、酸化オスミウムでゴム状重合体粒子(B)を染色処理したのちに薄片を切り出し、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM―1200EX型)を用いて倍率10000倍にて写真撮影してエポキシ樹脂硬化物中のゴム状重合体粒子(B)の分散状態を判定した。
良好:ゴム状重合体粒子(B)が硬化物中で凝集なく、分散している。
不良:ゴム状重合体粒子(B)が硬化物中で2個以上凝集している粒子数の割合が50%をこえる。
【0077】
[エポキシ樹脂組成物中の揮発成分]
エポキシ樹脂組成物約10gを精秤後、熱風乾燥機内にて設定温度170℃で20分間加熱し、加熱前後の重量を測定し、揮発による重量減少分の比率を揮発成分(%)として算出した。
【0078】
製造例1
ゴム状重合体粒子(B)ラテックスの製造例
100L耐圧重合機中に、水200部、リン酸三カリウム0.03部、リン酸二水素カリウム0.25部、エチレンジアミン四酢酸0.002部、硫酸第一鉄0.001部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部を投入し、攪拌しつつ充分に窒素置換を行なって酸素を除いたのち、ブタジエン75部およびスチレン25部を系中に投入し、45℃に昇温した。パラメンタンハイドロパーオキサイド0.015部、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04部を投入し重合を開始した。重合開始から4時間目に、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.01部、エチレンジアミン四酢酸0.0015部および硫酸第一鉄0.001部を投入した。重合10時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去し、重合を終了した。重合転化率は98%、得られたスチレン・ブタジエンゴムラテックスの平均粒径は0.1μmであった。
【0079】
3Lのガラス容器に、得られたゴムラテックス1300g(スチレン・ブタジエンゴム粒子420gを含み、乳化剤としてゴムの固形分に対して1.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む)と純水440gを仕込み、窒素置換を行ないながら70℃で攪拌した。アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.2gを加えたのち、スチレン54g、メタクリル酸メチル72g、アクリロニトリル36gおよびグリシジルメタクリレート18gの混合物を3時間かけて連続的に添加し、グラフト重合した。添加終了後、さらに2時間攪拌して反応を終了させ、ゴム状重合体粒子(B)のラテックスを得た。重合転化率は99.5%であった。得られたラテックスはそのまま使用した。
【0080】
実施例1
25℃に保たれた1L混合槽にメチルエチルケトン(20℃での水の溶解度、9.99)340gを導入し、撹拌しながら、製造例1のゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックス252gを投入した。均一に混合後、水126gを投入し、撹拌しながら、5%硫酸ナトリウム水溶液を30g添加し、有機溶媒(C)層と水層を分離したのち、水層を排出した。水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の総量は、ゴム状重合体粒子(B)の全量に対し0.1重量%以下であった。ついで、有機溶媒(C)層をエポキシ樹脂(A)(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828)204gと混合したのち、揮発性成分を、真空ポンプを用いて減圧留去させ、ゴム状重合体粒子(B)を含むエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物より得られた硬化物中のゴム状重合体粒子(B)の分散状態を観察の結果、凝集なく均一に分散されていた。
【0081】
実施例2
25℃に保たれた1L混合槽にメチルエチルケトン340gを導入し、撹拌しながら、製造例1で得られたゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックス252gを投入した。均一に混合後、水126gを投入し、撹拌しながら5%硫酸ナトリウム水溶液を30g添加し、有機溶媒(C)層と水層を分離したのち、水層を排出した。水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の総量は、ゴム状重合体粒子(B)の全量に対し0.1重量%以下であった。ついで、有機溶媒(C)層にメチルエチルケトン90gを追加し均一に混合した。さらに撹拌を行いながら水176gを投入した。混合後、水126gを投入し、撹拌しながら、5%硫酸ナトリウム水溶液を30g添加し、有機溶媒(C)層と水層を分離したのち、水層を排出した。水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の総量は、ゴム状重合体粒子(B)の全量に対し0.1重量%以下であった。さらに有機溶媒(C)層にメチルエチルケトン120gを追加し均一に混合し、撹拌を行いながら水176gを投入しエマルジョンを形成させた。そののち、水126gを投入し、撹拌しながら、5%硫酸ナトリウム水溶液を30g添加し、有機溶媒(C)層と水層を分離したのち、水層を排出した。水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の総量は、ゴム状重合体粒子(B)の全量に対し0.1重量%以下であった。有機溶媒(C)層にエポキシ樹脂(A)(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828)204gを投入し混合後、揮発性成分を、真空ポンプを用いて減圧留去させ、ゴム状重合体粒子(B)を含むエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物より得られた硬化物中のゴム状重合体粒子(B)の分散状態を観察の結果、凝集なく均一に分散されていた。
【0082】
実施例3
25℃に保たれた1L混合槽にメチルエチルケトン340gを導入し、撹拌しながら、製造例1で得られたゴム状重合体粒子(B)を含むラテックスを252g投入した。均一に混合後、水126gを投入し、撹拌しながら5%硫酸ナトリウム水溶液を30g添加し、有機溶媒(C)層と水層を分離したのち、水層を排出した。水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の総量は、ゴム状重合体粒子(B)の全量に対し0.1重量%以下であった。ついで、有機溶媒(C)層にメチルエチルケトン90gを追加し均一に混合した。さらに撹拌を行いながら水176gを投入した。均一に混合後、水126gを投入し、撹拌しながら、5%硫酸ナトリウム水溶液を30g添加し、有機溶媒(C)層と水層を分離したのち、水層を排出した。水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の総量は、ゴム状重合体粒子(B)の全量に対し0.1重量%以下であった。さらに有機溶媒(C)層にメチルエチルケトン120gを追加し均一に混合し、撹拌を行いながら水176gを投入した。均一に混合後、水126gを投入し、撹拌しながら、5%硫酸ナトリウム水溶液を30g添加し、有機溶媒(C)層と水層を分離したのち、水層を排出した。水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の総量は、ゴム状重合体粒子(B)の全量に対し0.1重量%以下であった。さらに有機溶媒(C)層に水252gを仕込み、緩やかに20分撹拌後、20分静置したのち水層を排出した。そののち有機溶媒(C)層にエポキシ樹脂(A)(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828)204gを投入し、混合後、揮発性成分を、真空ポンプを用いて減圧留去させ、ゴム状重合体粒子(B)を含むエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物より得られた硬化物中のゴム状重合体粒子(B)の分散状態を観察の結果、凝集なく均一に分散されていた。
【0083】
実施例1〜3の結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
Figure 2004315572
【0085】
比較例1
25℃に保たれた1L混合槽にメチルエチルケトン340gを仕込み、製造例1で得られたゴム状重合体粒子(B)を含むラテックスを252g投入した。均一に混合後、撹拌を停止して、24時間放置したが、有機溶媒(C)層と水層はエマルジョンを形成しており分離しなかった。このためゴム状重合体粒子(B)成分を有機溶媒(C)層に取り出すことが出来なかった。
【0086】
比較例2
25℃に保たれた1L混合槽にメチルイソブチルケトン(20℃での水の溶解度、2.0)340gを導入し、撹拌しながら、製造例1で得られたゴム状重合体粒子(B)を含むラテックスを252g投入し攪拌したが、ラテックス層とメチルイソブチルケトン層が混合せず、ゴム状重合体粒子(B)成分を有機溶媒(C)層に取り出すことが出来なかった。
【0087】
比較例3
25℃に保たれた1L混合槽にアセトン(20℃での水の溶解度、∞)340gを導入し、撹拌しながら、製造例1で得られたゴム状重合体粒子(B)を含むラテックスを252g投入した。均一に混合後、さらに水126gを投入し、撹拌しながら5%硫酸ナトリウム水溶液を30g添加したが、有機溶媒(C)層と水層が分離せず、またゴム状重合体粒子(B)成分が凝固した。この混合物を、実施例1のゴム状重合体粒子(B)成分を含む有機溶媒(C)層と同様に、エポキシ樹脂(A)と混合後に脱揮してエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ組成物より得られた硬化物中のゴム状重合体粒子(B)の分散状態を観察の結果、粒子同士が凝集した粗大粒子状に凝集分散していた。
【0088】
比較例1〜3の結果を表2に示す。
【0089】
【表2】
Figure 2004315572
【0090】
【発明の効果】
本発明の製造方法を用いることにより、ゴム状粒子の分散状態が良好であり、夾雑物が少なく品質に優れたゴム変性エポキシ樹脂組成物を、簡便かつ効率的に製造することが可能である。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂(A)にゴム状重合体粒子(B)を分散混合したエポキシ樹脂組成物の製造方法であって、ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスおよび水と部分溶解性を示す有機溶媒(C)を混合した混合物に水溶性電解質(D)を接触させ、有機溶媒(C)層と水層を層分離させ、水層を分離除去する操作を、少なくとも1回以上行い、得られたゴム状重合体粒子(B)および有機溶媒(C)からなる分散体(E)をエポキシ樹脂(A)と混合し、揮発成分を留去することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  2. ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスおよび有機溶媒(C)を混合した混合物に水溶性電解質(D)を接触させ、有機溶媒(C)層と水層を層分離させ、水層を分離除去する操作を、少なくとも1回以上行ったのちであって、分散体(E)をエポキシ樹脂(A)と混合するまえに、分散体(E)に水を接触させ、水層を除去する操作を、少なくとも1回以上行うことを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  3. 有機溶媒(C)が、少なくとも1つ以上の有機溶媒またはその混合物であって、有機溶媒(C)に対する20℃における水の溶解度が5〜40重量%である請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  4. ゴム状重合体粒子(B)の全量に対して、水溶性電解質(D)を接触させたのちに分離除去される水層中に含まれるゴム状重合体粒子(B’)の総量が5重量%以下である請求項1、2または3記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  5. 水溶性電解質(D)が、水溶性を有するアルカリ金属およびアルカリ土類金属の硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩および亜リン酸塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項1、2、3または4記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  6. ゴム状重合体粒子(B)が、(B−1)ジエン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体50重量%以上ならびにその他の共重合可能なビニル単量体50重量%未満からなるゴム弾性体、ポリシロキサンゴム系弾性体、またはこれらの混合物からなるゴム粒子コア50〜95重量%に対して、(B−2)(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル、シアン化ビニル、エポキシアルキルビニルエーテル、不飽和酸誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体およびマレイミド誘導体からなる群より選ばれる1種以上の単量体からなるシェル層5〜50重量%をグラフト重合して得られるものである請求項1、2、3、4または5記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  7. シェル層(B−2)が、エポキシ樹脂(A)または硬化剤と反応性を有する単量体を含有する請求項6記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  8. ゴム状重合体粒子(B)の水性ラテックスおよび水と部分溶解性を示す有機溶媒(C)を混合した混合物に水溶性電解質(D)を接触させ、有機溶媒(C)層と水層を層分離させ、水層を分離除去する操作を、少なくとも1回以上行うことにより得られるゴム状重合体粒子(B)および有機溶媒(C)からなる分散体(E)。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6または7記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法により得られるエポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項9記載のエポキシ樹脂組成物を硬化剤で硬化させた硬化成形物。
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