JPWO2004063819A1 - 像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、特開平10−74009号公報に開示されている像加熱装置の斜視図であり、磁束を吸収する磁束吸収部材を用いた像加熱装置の例を示したものである。
図1において、参照番号1は誘導加熱によって発熱する金属スリーブである。金属スリーブ1は、円筒管状のガイド7の外周に装着されて回転可能に支持される。参照番号2は金属スリーブ1に圧接する加圧ローラである。金属スリーブ1と加圧ローラ2との間のニップ部(圧接部)を記録紙8が通過することにより記録紙8上に形成された未定着トナー像を熱定着する。参照番号4はガイド7の内部に配置され、高周波磁界を生じる励磁コイルであり、参照番号6a、6bは金属スリーブ1の外側に設置され、磁束を吸収する磁束吸収部材である。
未定着のトナー像を担持する記録紙8は矢印Sに示す方向にニップ部へ搬送される。そして、金属スリーブ1の熱と、金属スリーブ1及び加圧ローラ2間の圧力とにより、記録紙8上に定着トナー像が形成される。この例では、記録紙8は図1中の右端を基準に搬送され、紙幅が変化した場合には、図中の左側は非通紙域となる。
図1に示すように、モータ3の回転により左側の磁束吸収部材6bはレール5に沿って軸方向に平行移動可能に構成されている。
幅の広い記録紙8を通過させるとき、磁束吸収部材6bは磁束吸収部材6aを介さずに金属スリーブ1と対向する位置に配置される。
一方、幅の狭い記録紙8を通過させるときには、図2に示すように、磁束吸収部材6bは右側の磁束吸収部材6aの後方に移動される。これにより、非通紙域の励磁コイル4から金属スリーブ1へ届く磁束が減少する。従って、金属スリーブ1の端部の発熱量が抑制される。
このようにして、記録紙8の幅に応じて、金属スリーブ1の非通紙域における温度上昇を低減させている。
しかしながら、図1に示す像加熱装置では、磁束吸収部材6bを平行移動させるために、図2に示すように可動の磁束吸収部材6bと金属スリーブ1との間隔及び磁束吸収部材6aと金属スリーブ1との間隔が異なる。このため、可動の磁束吸収部材6bが金属スリーブ1と対向する部分と磁束吸収部材6aが金属スリーブ1と対向する部分との発熱量に差異が発生しやすくなる。従って、金属スリーブ1の全幅を均一に加熱することは容易ではない。
図3は、図1の像加熱装置と同様に特開平10−74009号公報に開示されている他の像加熱装置の斜視図であり、金属スリーブ1に作用する磁束を低減するための手段として磁束遮蔽板を用いた像加熱装置の例を示したものである。
図3に示す従来の像加熱装置においては、磁束遮蔽板9が金属スリーブ1と励磁コイル4との間に、ホルダ10の内面に沿うように配置されている。そして、幅の狭い記録紙8を通過させる場合には、磁束遮蔽板9を、金属スリーブ1の非通紙域に相当する軸方向範囲の励磁コイル4を覆う位置に移動させ、幅の広い記録紙8を通過させる場合には、磁束遮蔽板9を、金属スリーブ1の通紙幅の外側まで退避させる。よって、幅広の記録紙8を通過させるときに金属スリーブ1の全幅が均一に加熱される。
しかしながら、図3に示す像加熱装置においては、磁束遮蔽板9が、金属スリーブ1と励磁コイル4との間に、ホルダ10の内面に沿うように設けられている。このため、磁束遮蔽板9を薄肉にする必要がある。磁束遮蔽板9を薄肉にすると誘導加熱による発熱が増加する。さらに、一般にホルダ10は熱伝導性の低いプラスチック材料からなるため、磁束遮蔽板9からホルダ10への放熱が小さい。従って、磁束遮蔽板9が昇温し続けてしまうおそれがある。
また、図1に示す像加熱装置においては、磁束吸収部材6bを平行移動させるための機構が必要なため、装置全体の構成が複雑になり大型化してしまうといった課題を有している。
本発明の一形態によれば、像加熱装置は、一対の主面を有し磁束の作用により発熱する環状の発熱体と、前記一対の主面のうち一方の第1主面に近接配置され、前記発熱体に作用する磁束を生成する磁束生成手段と、前記一対の主面のうち他方の第2主面に近接配置され、前記磁束生成手段によって生成された磁束のうち前記発熱体の非通紙域に作用する磁束を低減する磁束低減手段とを有する。
本発明の他の形態によれば、像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する接触面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、前記発熱部材の温度に応じて温度が変化し、キュリー点が前記所定温度の最大値に対して−10℃〜+100℃の範囲である強磁性材料からなる対向コアを有する。
本発明のさらに他の形態によれば、像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、前記発熱部材の温度に応じて温度が変化し、キュリー点が140℃以上250℃以下の範囲である強磁性材料からなる対向コアを有する。
本発明のさらに他の形態によれば、像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、前記磁束に鎖交する電気導体からなる抑制コイルを開閉する開閉手段を備える。
本発明のさらに他の形態によれば、像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される円筒形状で薄肉の発熱部材と、前記発熱部材の外周面に対向し、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、前記発熱部材の軸方向に断面形状が異なる強磁性材料からなり回転可能な対向コアを有する。
本発明のさらに他の形態によれば、像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される円筒形状で薄肉の発熱部材と、前記発熱部材の外周面に対向し、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、前記発熱部材の軸方向に分割された強磁性材料からなり、断面形状が異なる回転可能な対向コアを有する。
本発明のさらに他の形態によれば、像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される円筒形状で薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、低抵抗率材料からなる移動可能な磁束抑制部材を有する。
本発明のさらに他の形態によれば、像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する接触面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、強磁性材料からなる対向コアを有し、前記対向コアのキュリー点が、通紙領域における前記対向コアの温度よりも高く、且つ、非通紙領域における対向コアの温度よりも低くなるように設定されている。
本発明のさらに他の形態によれば、像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する接触面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する、強磁性材料からなる対向コアとを備え、前記励磁手段に対向する領域において、前記発熱部材と前記対向コアとの間隔は一定に設定されている。
本発明のさらに他の形態によれば、像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する接触面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する、強磁性材料からなる対向コアとを備え、非通紙領域における前記発熱部材と前記対向コアとの間隔は、通紙領域における前記発熱部材と前記対向コアとの間隔よりも広くなるように設定される。
本発明のさらに他の形態によれば、像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する接触面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する、強磁性材料からなる対向コアとを備え、非通紙領域における前記発熱部材に対向する前記対向コアの面積は、通紙領域における前記発熱部材に対向する前記対向コアの面積よりも広くなるように設定される。
図2は、図1の像加熱装置に設けられた磁束吸収部材の側面図、
図3は、従来の像加熱装置の他の例を示す斜視図、
図4は、本発明の実施の形態1の像加熱装置を定着器として用いた画像形成装置の一例の概略構成を示した断面図、
図5は、本発明の実施の形態1の定着器の断面図、
図6は、図5の矢印G方向から見た定着器の背面図、
図7は、本発明の実施の形態1の定着器の励磁回路の基本構成を示す回路図、
図8は、本発明の実施の形態1の定着器における電磁誘導作用の説明図、
図9は、本発明の実施の形態1の定着器の第1の別の構成例を示した断面図、
図10は、本発明の実施の形態1の定着器の第2の別の構成例を示した断面図、
図11は、本発明の実施の形態1の定着器の第3の別の構成例を示した断面図、
図12は、本発明の実施の形態1の定着器の第4の別の構成例を示した断面図、
図13は、本発明の実施の形態2の定着器の要部の断面図、
図14は、図13の矢印G方向から見た磁束調整部の要部構成図、
図15は、本発明の実施の形態3の定着器の要部の断面図、
図16は、図15の矢印H方向から見た磁束調整部の矢視図、
図17は、本発明の実施の形態3の磁束調整部の変形例の要部構成図、
図18は、本発明の実施の形態3の磁束調整部の他の変形例の要部構成図、
図19Aは、本発明の実施の形態4の定着器の要部の断面図であり、定着ベルトの全幅に磁束を作用する場合を示す図、
図19Bは、本発明の実施の形態4の定着器の要部の断面図であり、定着ベルトの小幅通紙範囲以外に作用する磁束を低減する場合を示す図、
図19Cは、本発明の実施の形態4の定着器の要部の断面図であり、定着ベルトの小幅通紙範囲に作用する磁束を低減する場合を示す図、
図20は、図19Cの矢印H方向から見た磁束調整部の要部構成図、
図21Aは、本発明の実施の形態5の定着器の要部の断面図であり、定着ベルトの全幅に磁束を作用する場合を示す図、
図21Bは、本発明の実施の形態5の定着器の要部の断面図であり、定着ベルトの小幅通紙範囲以外に作用する磁束を低減する場合を示す図、
図21Cは、本発明の実施の形態5の定着器の要部の断面図であり、定着ベルトの中幅通紙範囲以外に作用する磁束を低減する場合を示す図、
図22は、図21の矢印H方向から見た磁束調整部の要部構成図、
図23は、本発明の実施の形態6の定着器の要部の断面図、
図24は、図23の矢印H方向から見た磁束調整部の要部構成図、
図25は、本発明の実施の形態6の定着器の第1の別の構成例を示した断面図、
図26は、本発明の実施の形態6の定着器の第2の別の構成例を示した断面図、
図27は、本発明の実施の形態6の定着器の第3の別の構成例を示した断面図、
図28は、本発明の実施の形態6の定着器の第4の別の構成例を示した断面図、
図29は、本発明の実施の形態6の定着器の第5の別の構成例を示した断面図、
図30は、本発明の実施の形態7の定着器の断面図、
図31は、図30の定着器における磁束調整部の要部構成図、
図32は、本発明の実施の形態7の定着器の別の構成例を示した断面図、
図33は、図32の定着器における磁束調整部の要部構成図である。
これにより、機構的に移動する部材無しで、非通紙部が高温になり過ぎる過昇温を防止できる。
また、所定温度以下では発熱部材と励磁部材の磁気結合が良いので、発熱部材を加熱する誘導加熱の効率が高い。また、任意の幅の記録紙による軸方向の温度分布に応じて、連続的に磁束分布が可変である。また、発熱部材を貫通した磁束が装置内や外部に漏洩することを防止できる。
また、本発明の像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、前記発熱部材の温度に応じて温度が変化し、キュリー点が140℃以上250℃以下の範囲である強磁性材料からなる対向コアを有するものである。
これにより、機構的に移動する部材無しで、非通紙部が高温になり過ぎる過昇温を防止できる。また、通常の定着温度では発熱部材と励磁部材の磁気結合が良いので、発熱部材を加熱する誘導加熱の効率が高い。また、任意の幅の記録紙による軸方向の温度分布に応じて、連続的に磁束分布が可変である。また、発熱部材を貫通した磁束が装置内や外部に漏洩することを防止できる。
発熱調整手段は、発熱部材又は発熱部材から加熱される部材に接触することが望ましい。これにより、発熱部材の温度変化に対する磁束調整手段の温度変化の応答が早くなる。このため、発熱部材の過昇温を速やかに防止することができる。
また、発熱調整手段は、発熱部材又は発熱部材から加熱される部材に間隔を有して対向し、前記間隔が0.3mm以上2mm以下であることが望ましい。これにより、発熱部材の温度変化に対する磁束調整手段の温度変化の応答が早くなる。このため、発熱部材の過昇温を速やかに防止することでがきる。また、発熱調整部材と対向する部材の接触を防止することができる。また、発熱部材と励磁部材の磁気結合が良いので、発熱部材を加熱する誘導加熱の効率が高い。
さらに、前記間隔を有して対向する近接させる対向面の少なくとも一方の赤外線放射率が0.8以上1.0以下であることが望ましい。これにより、赤外線による熱の授受が高くなるので、発熱部材の温度変化に対する磁束調整手段の温度変化の応答が早くなる。このため、発熱部材の過昇温を速やかに防止することができる。
また、本発明の像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、前記磁束に鎖交する電気導体からなる抑制コイルと、前記抑制コイルを開閉する開閉手段を備えるものである。
これにより、機構的に移動する部材無しで、非通紙部が高温になり過ぎる過昇温を防止できる。また、発熱部材の反対側に設けているため、抑制コイルに誘起される電流、電圧が小さい。これにより、抑制コイルの発熱を小さくできると同時に、切り替え手段の耐電圧、電流容量を小さくできる。この結果、安価で簡素な構成が実現できる。
また、発熱調整手段は、抑制コイルと鎖交した磁束が通過する高透磁率材料からなる対向コアを、前記発熱部材に対して抑制コイルの内部と/又は反対側に設置することが望ましい。
これにより、励磁手段と抑制コイルの磁気的な結合が向上し、開閉手段の開閉による抑制コイルの作用が大きくなる。
また、本発明の像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される円筒形状で薄肉の発熱部材と、前記発熱部材の外周面に対向し、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、前記発熱部材の軸方向に断面形状が異なる強磁性材料からなり回転可能な一体の対向コアを有するものである。
これにより、一体の対向コアを回転させることで、非通紙部が高温になり過ぎる過昇温を防止できるので、機構的な構成が簡素で安価にできると同時に装置が小型にできる。また、軸の回転位相を変えることで、発熱分布の強弱を任意に変化させられる。
また、対向コアの円周方向の少なくとも一部で前記発熱部材と前記対向コアの距離が間隔が軸方向に一定であることが望ましい。これにより、この部分を励磁手段に対向させると、均一で高効率な加熱が可能となる。
また、前記対向コアにより調節された発熱分布の強弱が、前記対向コアの回転により強弱を逆転させた発熱分布が可能であることが望ましい。この構成により、小幅紙を用いる場合に狭い範囲のみを昇温させた後に、その範囲以外の温度の低い部分を集中的に加熱できる。これにより、小幅紙を用いる時の昇温のエネルギーが小さいと同時に短時間で昇温できる。また、小幅紙の通紙直後に大幅紙を通紙しても、均一で高品位な画像を得ることができる。
また、本発明の像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される円筒形状で薄肉の発熱部材と、前記発熱部材の外周面に対向し、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、前記発熱部材の軸方向に分割された強磁性材料からなり、断面形状が異なる回転可能な対向コアを有するものである。
これにより、分割した対向コアの回転位相を変えることで、発熱分布の強弱を各部分毎に変化させられるので、対向コアが一体の場合よりも組み合わせで、設定する発熱分布の自由度が高くなる。
また、対向コアは、発熱部材の軸方向の少なくとも一部で、透磁率の異なる複数の材料を組み合わせて形成されたことが望ましい。これにより、発熱量の調整が回転位相と材料の両方で調整できるようになるので、可発熱分布の強弱の設定範囲を広げることができる。また、対向コアの断面形状を軸方向に一定にできるようになるので、発熱部材内部の熱容量分布が均一にできる。これにより、発熱部材の均一温度分布が容易に実現できる。
対向コアは、少なくとも強磁性体と低透磁率の電気導体を組み合わせて形成されたことが望ましい。これにより、対向コアの回転による磁気回路の変化が大きくなるので、発熱分布の強弱の制御範囲が広くなる。また、誘導磁束の漏洩を抑制することができる。
また、前記電気導体は前記発熱部材の半径方向の厚さが0.2mm以上、3mm以下であることが望ましい。これにより、電気導体の発熱を防止できると同時に、対向コアと発熱部材の間隔を小さく設定できるので、誘導加熱部の磁気的な結合を高くすることができる。
また、対向コアはが、発熱部材の軸方向の少なくとも一部で、断面形状が軸方向に連続的に変化することが望ましい。これにより、対向コアの回転角度で、熱容量分布を軸方向に連続的に調整することが可能になる。このため、複数の紙幅に対して必要な最大発熱域を設定することができる。
また、本発明の像加熱装置は、像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される円筒形状で薄肉の発熱部材と、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、前記発熱部材に対して励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、前記発熱調整手段は、低抵抗率材料からなる移動可能な磁束抑制部材を有するものである。
これにより、高価な磁性材料無しで発熱分布の制御が可能になる。また、発熱部材を貫通した磁束が装置内や外部に漏洩することを防止できる。さらに、発熱部材の反対側なので、磁束減少手段に作用する磁束が少ないので、磁束減少部材の発熱が小さい。これにより、発熱部材を加熱する誘導加熱の効率が高い。
また、磁束抑制部材に対して発熱部材と反対側に強磁性体からなる対向コアを設けることが望ましい。これにより、磁束抑制部材の移動による発熱分布の強弱の制御範囲が広くなる。
また、磁束抑制部材は前記発熱部材の半径方向の厚さが0.1mm以上で有ることが望ましい。これにより、磁束抑制部材が誘導磁束により発熱することを防止でき、発熱部材を加熱する誘導加熱の効率が高くなる。
次に、本発明の画像形成装置は、上記の像加熱装置を備え、前記像加熱装置が記録紙に担持されたトナー像を定着するものである。これにより、軸方向の発熱量を任意の分布に調整することができる。従って、小幅の記録紙を用いる場合にも、簡単で安価な構成で非通紙領域の過昇温を防止すると同時に、大幅紙の構通紙時にも高品位な定着画像を得ることができる。
また、本発明の画像形成装置は上記の像加熱装置と、対応する紙幅のすべての種類が通過する範囲に設けられ、温度制御手段へ送られる温度信号を測定する第1の温度センサと、対応する紙幅の最小の紙が通過しない範囲に設けられ、少なくとも発熱調整手段へ送られる温度信号を測定する第2の温度センサを備え、前記第2の温度センサからの信号に基づき発熱調整手段が、発熱部材の発熱分布を調整することが望ましい。
これにより、発熱部材の温度に対応して軸方向の発熱量を速やかに任意の分布に調整することができる。従って、小幅の記録紙を用いる場合にも、簡単で安価な構成で非通紙領域の過昇温を防止すると同時に、大幅紙の構通紙時にも高品位な定着画像を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下全ての実施の形態では、本発明の像加熱装置を未定着画像を定着させるための定着器として用い、当該定着器を例えば電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置において用いた場合について説明する。
(実施の形態1)
図4は本発明の実施の形態1の定着器を用いた画像形成装置の一例の概略構成を示した断面図である。図5は、図4に示す本実施の形態の定着器の側面断面図、図6は図5の矢印G方向から見た本実施の形態の定着器の背面図、図7は本実施の形態の定着器の励磁回路の基本構成を示す回路図、図8は発熱作用の説明図、図9〜図12は本実施の形態の定着器の別の形態例を示した断面図である。
以下にこの装置の構成と動作を説明する。参照番号11は電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)である。感光ドラム11は矢印の方向に所定の周速度で回転駆動されながら、その表面が帯電器12により所定の電位に一様に帯電される。
参照番号13はレーザビームスキャナである。レーザビームスキャナ13は、図示しない画像読取装置やコンピュータ等のホスト装置から入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力する。上記のように一様に帯電された感光ドラム11の表面が、このレーザビームで選択的に走査露光されることにより、感光ドラム11面上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。
次いでこの静電潜像は回転駆動される現像ローラ14aを有する現像器14により帯電した粉体トナーを供給されてトナー像として顕像化される。
一方、給紙部15からは記録紙16が一枚ずつ給送される。記録紙16は、レジストローラ対17を経て、感光ドラム11とこれに当接させた転写ローラ18とからなる転写部へ、感光体ドラム11の回転と同期した適切なタイミングで送られる。転写バイアス電圧が印加された転写ローラ18の作用によって、感光ドラム11上のトナー像は記録紙16に順次転写される。転写部を通った記録紙16は感光ドラム11から分離され、像加熱装置としての定着器19へ導入され、転写トナー像の定着が行われる。定着により像が固定された記録紙16は排紙トレイ20へ出力される。
記録紙16の分離後、クリーニング装置21で転写残りトナー等の残留物が除去されて感光ドラム11の面は清浄にされ、繰り返し次の作像に供される。
なお、本実施の形態では、中央基準の通紙方式、即ち、小幅紙も大幅紙もその幅方向の中心線が定着器19の回転軸方向の中央位置と一致しながら通過する方式を採用している。
次に、上記の画像形成装置における定着器19を詳細に説明する。参照番号112は薄肉でエンドレスの発熱部材としての定着ベルトである。定着ベルト112は、導電性を付与するための導電粉を分散したポリイミド樹脂からなり、直径45mm、厚さ100μmの基材の表面に、JIS(日本工業規格)−A25度で150μmのシリコンゴム層が被覆され、更にこの上に厚さ20μmのフッ素樹脂の離型層が被覆されている。但し、定着ベルト112の構成はこれに限定されない。例えば、基材の材質としては耐熱性のあるフッ素樹脂やPPS(ポリフェニレンサルファイド)等に導電材料の粉末を分散した素材、又は、電鋳で製作したニッケルやステンレス鋼等の薄い金属を用いることもできる。また、表面の離型層は、フッ素樹脂に限定されない。例えば、PTFE(四フッ化エチレン)、PFA(四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)等の離型性の良好な樹脂やゴムを単独あるいは混合で被覆してもよい。
なお、発熱層の厚さは誘導加熱の高周波電流に対する表皮深さの2倍よりも薄いことが望ましい。これ以上、発熱層が厚い場合には、誘導加熱のための磁束が発熱部材を貫通しなくなるので、発熱部材に対して励磁部と反対側に設けた磁束調整部の効果は小さくなる。
参照番号113は保持ローラである。保持ローラ113は、直径が20mm、厚さ0.3mmの絶縁材料であるPPS等の樹脂からなる。図示しないが、保持ローラ113は、その両端の外周面が軸受けによって回転可能に支持されている。また、図示しないが、保持ローラ113の両端には定着ベルト112の蛇行防止のためのリブが設けられている。
参照番号114は、表面が低硬度(Asker・C45度)の弾力性ある発泡体のシリコンゴムで構成された直径30mmの低熱伝導性の定着ローラである。
定着ベルト112は、保持ローラ113と定着ローラ114との間に所定の張力を付与されて懸架され、矢印方向に移動される。
参照番号115は加圧手段としての加圧ローラである。加圧ローラ115は、その外径がφ30mmで、その表層は硬度がJIS−A60度のシリコンゴムで構成されている。図示のように定着ベルト112に圧接して、定着ベルト112との間にニップ部を形成している。加圧ローラ115は、図示しない装置本体の駆動手段によって回転駆動される。定着ベルト112及び定着ローラ114は加圧ローラ115の回転により従動回転する。耐摩耗性や離型性を高めるために、加圧ローラ115の表面にPFA、PTFE、FEP等の樹脂あるいはゴムを単独あるいは混合で被覆してもよい。
参照番号120は定着ベルト112を誘導加熱する励磁手段としての励磁コイルであり、励磁コイル120の構成の詳細については後述する。
参照番号116は、絶縁性を有し所定レベル以上の透磁率及び熱伝導性を有する材料(例えば、フェライト等)からなる対向コア(磁束調整部)である。本実施の形態では、対向コア116の材料はフェライトである。対向コア116は、定着ベルト112に対して励磁コイル120の反対側に固定して設置されている。対向コア116は軸117に固定することにより設置されている。対向コア116の材料であるフェライトに関して、強磁性を失うキュリー点は190℃に設定されている。対向コア116と保持ローラ113の内周面との間隔は0.5mmである。本実施の形態の対向コア116は、その軸方向に均一な円筒形状を有する。さらに、対向コア116及び保持ローラ113の各対向面は黒色である。参照番号119は記録紙16上に形成されたトナー像であり、参照番号118は温度制御のため定着ベルト112の温度を測定する温度センサである。
本実施の形態の定着器19においては、通過可能な記録紙の最大幅を、JIS規格のA3用紙の短辺(長さ297mm)とする。
参照番号120は励磁手段としての励磁コイルである。励磁コイル120は、表面を絶縁した外径0.15mmの銅線からなる線材を100本束ねた線束を9回周回することによって形成されている。
図5及び図6に示すように、励磁コイル120の線束は、保持ローラ113の端部では、その外周面に沿って円弧状に配置され、それ以外の部分では、該外周面の母線方向に沿って配置されている。この母線方向に沿って配置された線束は、保持ローラ113の回転軸を中心軸とする仮想の円筒面上に配置されている。また、定着ベルト112の端部では、励磁コイル120の線束を2列に並べ積み重ねることにより盛り上がっている。
参照番号121は高透磁率材料(例えば非透磁率2000)としてのフェライトからなる励磁コアである。励磁コア121は、励磁コイル120の周回中心に且つ定着ベルト112の回転軸と平行に配置された中心コア121aと、励磁コイル120に対して定着ベルト112の反対側に配置された略アーチ状のアーチコア121bと、励磁コイル120の周回端部に且つ定着ベルト112の回転軸と平行に配置された一対の先端コア121cとから構成される。図6に示すように、アーチコア121bは定着ベルト112の回転軸方向に離間して複数個配置されている。中心コア121aは、周回された励磁コイル120の中央部の開口内に配置されている。また、一対の先端コア121cはアーチコア121bの両端に接続され、励磁コイル120を介在させることなく定着ベルト112と対向している。中心コア121aとアーチコア121bと先端コア121cとは磁気的に結合している。
励磁コア121の材料としては、フェライトの他、ケイ素鋼板等の高透磁率で高抵抗率の材料が望ましい。また、中心コア121a及び先端コア121cは長手方向に複数に分割して構成してもよい。
参照番号122は、厚さが2mmで、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やPPS等の耐熱温度の高い樹脂からなるコイル保持部材である。コイル保持部材122は、励磁コイル120及び励磁コア121は、コイル保持部材122に接着されることにより図示の形状を保っている。
図7に励磁回路123に用いられる1石式共振型インバータの基本回路を示す。商用電源160からの交流電流を整流回路161で整流し、電圧共振形インバータへ印加する。このインバータでは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子164のスイッチングと共振用コンデンサ163とにより、高周波電流が励磁コイル120へ印加される。参照番号162はダイオードである。
励磁コイル120には電圧共振形インバータである励磁回路123から30kHzで最大電流振幅60A、最大電圧振幅600Vの交流電流が印加される。定着ベルト112の回転軸方向の中央部には、定着ベルト112に対向して温度センサ118が設けられている。この温度センサ118からの温度信号により、定着ベルト112の表面が定着設定温度である摂氏170度となるように、励磁コイル120に印加される交流電流が制御される。
以上のように構成された定着器19を有する画像形成装置においては、感光ドラム11(図4参照)の外表面にトナー像が形成され、このトナー像が記録紙16の表面に転写させられた後、記録紙16を図4に示すように矢印の方向からニップ部に突入させ、記録紙16上のトナー像を定着させることにより、記録画像が得られる。
本実施の形態では、上記の励磁コイル120が電磁誘導により定着ベルト112を発熱させる。以下にその作用を図8を用いて説明する。
励磁回路123からの交流電流により励磁コイル120により生じた磁束Mは、図8で破線で示したように、励磁コア121の先端コア121cから定着ベルト112を貫通して保持ローラ113内の対向コア116に入り、対向コア116の磁性のために対向コア116内を通過する。そして、定着ベルト112を再び貫通して励磁コア121の中心コア121aに入り、アーチコア121bを通過して先端コア121cに至る。そして、この磁束Mが励磁回路123の交流電流により生成消滅を繰り返す。この磁束Mの変化により発生する誘導電流が定着ベルト112内を流れジュール熱を発生させる。定着ベルト112の回転軸方向に連続した中心コア121a及び先端コア121cは、アーチコア121bを通過した磁束Mを回転軸方向に分散させて磁束密度を均一化する作用がある。
次に、対向コア116の作用について説明する。対向コア116の温度が軸方向の全幅にわたってキュリー点よりも低い場合には、対向コア116は軸方向に均一に強磁性を有し、磁束Mが通過する領域の透磁率を高める。この領域の磁気抵抗が低下するために、励磁コイル120と定着ベルト112との磁気結合が向上する。従って、定着ベルト112を軸方向に均一に効率よく加熱することができる。これにより、所定の電力を印加する場合に、励磁コイル120に印加する高周波電流や電圧を低く設定することができる。この結果、励磁回路123に用いる電気部品に耐電圧や電流容量が低い安価な部品を用いることができる。
一方、この状態で幅の狭い紙を連続して通紙した場合には、全幅を均一に加熱しながら、中央部のみを記録紙16が通過して熱を奪うために、非通紙域である端部の定着ベルト112の温度が上昇する。対向コア116は、この温度上昇した定着ベルト112の端部に近接して対向するため、対向コア116の端部の温度も上昇する。このため、対向コア116の端部の温度が構成材料のキュリー点よりも高くなり、強磁性を失い、透磁率が低下する。
この状態では、端部では励磁コイル120と定着ベルト112との磁気結合が低下し、発熱量が低下する。これにより、定着ベルト112端部の温度が更に上昇することを防止できる。これにより、小幅紙の連続通紙後に幅広紙を通紙しても、端部の温度が高すぎる場合に生じるオフセット等の定着不良を防止できる。同時に、定着器19の温度が上がりすぎにより、定着器19や装置本体がそれぞれの耐熱温度を越えて変形してしまうことを防止できる。
定着ベルト112の端部の温度が定着温度と同等な状態に戻ると、対向コア116の温度もキュリー点以下になり強磁性体に復帰するので、初期状態、即ち、軸方向に均一に磁気結合の高い状態に戻る。
もちろん、定着ベルト112の中央部は、記録紙16に熱を奪われるとともに温度センサ118の温度信号に基づく温度制御が行われているので、常に一定温度に保たれている。また、最大幅の記録紙を通過させる場合は、全幅が均一に加熱されるとともに、均一に熱を奪われるので、軸方向に極端な温度分布が生じることはない。
本実施の形態では、対向コア116のキュリー点(190℃)を定着温度(170℃)よりも高くしたので、定着ベルト112の温度が高くなりすぎた領域以外は強磁性体として作用する。従って、定着温度の昇温時や幅広紙の通紙時には励磁コイル120と定着ベルト112を効率よく磁気結合させることができる。このキュリー点は所定定着温度の最大値に対して−10℃〜+100℃の範囲であれば上記の作用を得ることができる。一般的なスチレンアクリルやポリエステルを母体として用いたトナーを採用する場合には、キュリー点が140℃以上250℃以下の範囲であれば、上記の効果を得ることができる。
さらに言えば、本実施形態によれば、対向コア116のキュリー点が、通紙域における対向コア116の温度よりも高くなるように設定され且つ非通紙域における対向コア116の温度よりも低くなるように設定されている。このため、通紙域においては励磁コイル120と定着ベルト112との磁気的結合が維持されることにより、定着ベルト112を効率良く軸方向に均一に加熱でき、且つ、非通紙域においては励磁コイル120と定着ベルト112の磁気的結合を低下させることにより、発熱量を低減して定着ベルトの過熱を防止できる。
また、透磁率の高い対向コア116を誘導加熱磁路内に設置することにより定着器19の外部への磁束Mの漏洩を防止することができる。
また、対向コア116は軸方向に均一な断面形状を有しているので、対向コア116近傍の発熱部の熱容量分布は軸方向に均一である。従って、励磁手段120で均一に加熱することにより、均一な温度分布を実現することが容易となる。
また、定着ベルト112を保持ローラ113に巻き付けた部分を発熱部として加熱することにより、定着ベルト112の形状が安定し、定着ベルト112と励磁コイル120の間隔を一定に保つことが容易となる。
さらに、対向コア116が定着ベルト112に接触回転する保持ローラ113の内部に設置されているので、対向コア116が放熱により冷却されることが無い。このため、定着ベルト112の温度上昇に従って対向コア116の温度が応答性よく速やかに上昇するので、定着ベルト112の過昇温を速やかに防止することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、発熱分布調整手段に機構的な構成を用いることなく、小幅の記録紙16に熱を奪われない両端部の温度が上がりすぎて、像形成装置の構成部(例えば定着器19等)がその耐熱温度を超えて加熱され、破損したり劣化したりすることを防止できる。さらに小幅紙を連続して通紙した直後に最大幅の記録紙を通紙しても、定着ベルト112の全幅にわたって温度分布が大きく変動することがなくなるので、幅広紙時にもオフセット等の定着不良が生じることを防止できる。
従来の定着器では、小幅紙の連続通紙時に両端部の温度が高くなりすぎる場合には、印字動作を停止して両端の温度が低下するまで待機したり、記録紙の通紙間隔を広げたりする必要があったが、本実施の形態では小幅紙の連続通紙時における両端の温度上昇を抑制できるので、過昇温時の待機や通紙間隔の拡大は不要である。従って、小幅紙を連続出力するときのスループット(単位時間当たりの出力枚数)を高く設定することができる。
なお、本実施の形態では、対向コア116は円筒形状を有するものとしている。ただし、励磁コイル120に対向する部分の定着ベルト112との間隔が軸方向に均一であれば、対向コア116の断面形状はこれに限定されず、半円形状や扇形でもよい。対向コア116の断面形状が半円形状又は扇形の場合は、円筒形状の場合よりも対向コア116の熱容量が小さくなるので、定着ベルト112の温度上昇に対する対向コア116の温度変化の応答が早くなる。
また、本実施の形態では対向コア116と保持ローラ113の間隔は0.5mmとしたが、この間隔は0.3mm以上2mm以下の範囲内であることが望ましい。この間隔よりも狭い場合には、保持ローラ113と対向コア116が部分的に接触することにより、軸方向に熱伝導分布に不均一が生じ得る。これにより均一に加熱されても温度分布に不均一が生じ、均一な定着画像が得られなくなる。一方、この間隔が上記の範囲より広い場合には、定着ベルト112及び保持ローラ113から対向コア116への熱伝導が悪くなり、定着ベルト112の温度が上昇しても対向コア116の温度上昇の応答性が悪くなる。実用的には、この間隔は2mm以下であればよい。
また、対向コア116と定着ベルト112の間隔は2mm以下であることが望ましい。この間隔が2mmより広い場合には、励磁コイル120と定着ベルト112の磁気結合が悪くなり、効率よく誘導加熱することができなくなり得る。
また、本実施の形態では、対向コア116及び保持ローラ113の互いに対向する面をいずれも黒色にしたことにより、対向コア116と保持ローラ113の間の赤外線の放射と吸収を促進している。これにより、両者の間の熱の移動が促進される。この対向面はすくなくとも一方の赤外線放射率が0.8以上1.0以下であれば実用可能であり、望ましくは対向面の両面の赤外線放射率が0.8以上である。なお、赤外線の放射率と吸収率は同じ数値であるので、放射率を高く設定することは、同時に吸収率を高く設定することである。
なお、本実施の形態では対向コア116は固定としたが、保持ローラ113と一体として回転する構成としてもよい。
また、発熱部の構成は上記のような保持ローラ113と対向コア116とを別個に設けたものに限定されない。例えば、図9に示すように、対向コア116がローラ形状を有し定着ベルト112を直接懸架して回転する構成としても同様の効果が得られる。この構成では保持ローラ113を設ける必要がないので構成が簡素である。さらに、定着ベルト112から対向コア116へ直接に熱伝導されるので、定着ベルト112の温度変化に対して対向コア116の温度変化の応答が速くなる。
さらに、発熱部の構成は、例えば、図10に示すように、定着ベルト112がローラ間(保持ローラ113及び定着ローラ114の間)に張設された定着ベルト112を挟むように励磁コイル120と対向コア116とを設けてもよい。
さらに、定着器19の構成は、上記のような定着ベルト112を2本のローラ(保持ローラ113及び定着ローラ114)に懸架して定着ベルト112の外周面に励磁コイル120を対向させたものに限定されない。例えば、図11に示すように、励磁コイル120を保持ローラ113の内部に設け、保持ローラ113を定着ベルト112を介して加圧ローラ115に押圧させ、略円弧形状の対向コア116を定着ベルト112の外周面に近接対向させた構成も実現可能である。
さらに、図12に示すように、保持ローラ113の外周に同径の定着ベルト112を外装し、保持ローラ113を定着ベルト112を介して加圧ローラ115に押圧する構成も実現可能である。この構成では、定着ローラ114と保持ローラ113を別個に設ける必要が無く、定着ベルト112に張力を付与する機構も不要になるので、構成を簡素化することができ製造コストを安価にすることができる。また、定着ベルト112の周長が短くなるので、昇温すべき熱容量が小さくなるので、昇温時に必要なエネルギーが小さくなると同時に昇温時間を短縮することができる。
(実施の形態2)
図13は本発明の実施の形態2の定着器の要部の断面図である。また、図14は図13の矢印G方向からの磁束調整部たる対向コア116の要部構成図である。
本実施の形態は、実施の形態1と、磁束調整部の構成において相違する。即ち、本実施の形態では、対向コア116の両端部において励磁コイル120と対向する部分に、リッツワイヤからなる2ターンのショートコイル(以下「抑制コイル」と言う)230を設けている。また、対向コア116の両端部を電気的に開閉する開閉手段としてのリレー231を設けている。リレー231は、パワートランジスタ等のスイッチング素子や接点を有する。さらに対向コア116は、その断面形状が軸方向に均一な半円形である。また、対向コア116を固定保持し回転させないようにした。さらに、小幅通紙範囲外で且つ最大幅通紙範囲内の定着ベルト112の温度を測定する温度センサ232を設け、温度センサ232からの温度信号に基づいてリレー231を開閉するようにしている。
その他の詳細について実施の形態1と同様であり、本実施の形態において実施の形態1と同一の作用を有する構成要素には同一の参照符号を付してそれらについての詳細な説明を省略する。
温度センサ231で測定した温度が定着温度(例えば170℃)より高い第1の所定温度(例えば180℃)よりも低い場合には、リレー231を解放状態とする。この状態では、抑制コイル230に電流が流れないので励磁コイル120による均一な発熱分布で定着ベルト112は加熱される。
一方、小幅紙の連続通紙等により温度センサ232で測定した温度が180℃よりも高い場合には、リレー231を導通状態とする。この状態では、抑制コイル230に鎖交する磁束の変化を打ち消す方向に誘導電流が流れる。このため、磁束が抑制コイル230内を通過できなくなる。このため、抑制コイル230を設置した部分の定着ベルト112へ励磁コイル120から作用する磁束が減少する。この結果、小幅紙の非通紙域の発熱分布が低下し、非通紙域の過昇温を防止することができる。
そして、温度センサ232での測定温度が定着温度よりも低い第2の所定温度(例えば160℃)になると、リレー231を解放状態として均一な発熱分布にもどす。
抑制コイル230に対して定着ベルト112の反対側に対向コア116を用いているので、励磁コイル120と定着ベルト112と抑制コイル230との磁気的結合が向上するので、リレー231の開閉による抑制コイル230の温度分布調整作用を十分に大きくすることができる。対向コア116の一部を抑制コイル230の内部に設けることにより、リレー231の開閉による抑制コイル230の温度分布調整作用を更に大きくすることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、機械的な機構を設けることなく、小幅紙の連続通紙時にも定着ベルト112の温度分布を常に略均一に保つことができる。従って、小幅紙の通紙直後に大幅紙を通紙させる場合、あるいは小幅紙と大幅紙を交互に通紙させる場合に、定着温度分布の不均一によるコールドオフセットやホットオフセット等の定着不良を防止することができる。即ち、ウォームアップ時に定着ベルト112の全幅を加熱しておくと、小幅紙及び大幅紙のどちらも即座に通紙することが可能である。これに対してウォームアップ時に例えば小幅通紙範囲のみを加熱しておいた場合は、定着ベルト112が回転しない等の異常が発生したときに、定着ベルト112の表面温度が急上昇し安全機構(例えば、サーモスタット)が追従不可能になることがある。ウォームアップ時に全幅加熱しておくと、定着ベルト112の昇温時間を延ばすこともでき、安全機構の追従作動を確実にすることができる。
なお、抑制コイル230は励磁コイル120の内部や近傍に設置することも可能であるが、本実施の形態では抑制コイル230を定着ベルト112に対して励磁コイル120の反対側に設置している。これにより、抑制コイル230に誘起される電流や電圧が低くなり、抑制コイル230の温度上昇が抑制される。この結果、素線の絶縁被覆として耐電圧や耐熱温度が低い安価なものを用いることができる。また、抑制コイル230を開閉するリレー231として耐電圧や電流容量が小さい安価なものを用いることができる。また、リレー231の開閉動作時に生じる電磁的なノイズも抑制することができる。
また、抑制コイル230に対して定着ベルト112の反対側に対向コア116を用いたが、対向コア116を設置しない構成も実現可能である。この場合には高価で重いフェライト等の材料を用いる必要がないので安価で軽量にできる。
さらに、抑制コイル230は、上記のような線材を複数回周回したものに限定されない。例えば、薄肉の板金を1周のループ状に形成した構成でも同様の効果が得られる。この構成では線材を複数回巻いて形成する必要がないので、製造工程が簡略にできる。
また、抑制コイル230の設置範囲は通紙する小幅紙の幅に必ずしも対応させる必要はない。例えば、小幅紙の幅よりも大きく最大の紙幅よりも小さい範囲で、両端から軸受けを介して伝熱により失われる熱量を考慮して設定してもよい。
なお、抑制コイル230は、そのループの形成方向が励磁コイル120からの磁束に鎖交しているものであれば、如何なる構成を有してもよい。
(実施の形態3)
図15は本発明の実施の形態3の定着器の要部の断面図である。また、図16は、図15の矢印H方向からの磁束調整部たる対向コア116の要部構成図である。
本実施の形態は、実施の形態2と、磁束調整部の構成において相違する。即ち、本実施の形態では、抑制コイル230は設置せず、円筒形の対向コア116の小幅紙の非通紙域に対応する部分の断面形状を軸方向に変化させている。さらに対向コア116の図16における右端部にはギア335が設けられている。回転部336は、このギア335を回転させ、この回転に従って対向コア116が回転する。対向コア116の他端部(図16における左端部)には、切り欠きを有する円盤337が設けられている。フォトセンサ338は、この切り欠きの回転を検知するために設けられている。回転部336(換言すれば対向コア116の回転)は、小幅通紙範囲外で且つ最大幅通紙範囲内の定着ベルト112の温度を測定する温度センサ232からの温度信号に基づき制御される。
その他の詳細については実施の形態2と同様であり、同一の作用を有する構成要素には同一の参照符号を付してそれらについての詳細な説明を省略する。
対向コア116は、軸方向両端部(小幅通紙範囲外)では半円筒形状であり、軸方向中央部(小幅通紙範囲内)では円筒形状である。両端部での半円筒形状の位相は、回転軸に対して一致し、また、半円筒形状は軸方向に均一となっている。以下、本実施の形態では、このような形状を有する対向コア116を二つの半円筒の組み合わせとみなし、一方をa部分と言い、他方をb部分と言う。a部分は、最大幅通紙範囲と略同一幅を有する半円筒であり、b部分は、小幅通紙範囲と略同一幅を有する半円筒である。 回転部336は、ステッピングモータを有する。また回転部336は、フォトセンサ338の信号により対向コア116の姿勢原点を検出して、この姿勢原点からの回転角度をステッピングモータの駆動パルス数で設定する。この構成により、対向コア116に高価な分解能の高いエンコーダ等の高価な検出装置を用いる必要が無いので、安価で簡素な構成になる。
次に、本実施の形態における磁束調整部としての対向コア116の動作及び作用について説明する。
端部の温度センサ232で測定した温度が定着温度(例えば170℃)より高い第1の所定温度(例えば180℃)よりも低い場合には、対向コア116のa部分を励磁コイル120に対向させる。この状態で励磁コイル120に通電すると、定着ベルト112には軸方向の全幅に均一に磁束が作用し、均一に誘導加熱される。通紙される記録紙16の幅が広い場合には、ほぼ全幅にわたって熱を奪うため、定着ベルト112の温度は全幅にわたって均一に保たれる。
小幅の記録紙16を通過させる場合には、中央部のみの熱が記録紙によって奪われ、これに伴い、中央部近傍の温度センサ118からの温度信号に基づき温度制御が行われる。従って、非通紙域となる両端部分の温度が上昇する。そして、温度センサ232で測定した温度が180℃よりも高くなった場合には、対向コア116を回転させてb部分を励磁コイル120に対向させる。この状態では、非通紙域に対応する部分の定着ベルト112と対向コア116との間隔は、中央の通紙域に対応する部分の間隔よりも広くなる。このため、非通紙域の定着ベルト112と励磁コイル120との磁気結合が、通紙域に比べて悪くなる。これにより、非通紙域の定着ベルト112へ励磁コイル120から作用する磁束が減少する。この結果、小幅紙の非通紙域の発熱分布が低下し、非通紙域の過昇温を防止することができる。
そして、温度センサ232での測定温度が定着温度よりも低い第2の所定温度(例えば160℃)になると、対向コア116のa部分を励磁コイル120に対向させて均一な発熱分布にもどす。
以上のように、本実施の形態によれば、小幅紙の連続通紙時にも定着ベルト112の温度分布を常に略均一に保つことができる。従って、小幅紙の通紙直後に大幅紙を通紙する場合、あるいは小幅紙と大幅紙を交互に通紙させる場合に、定着温度分布の不均一によるコールドオフセットやホットオフセット等の定着不良を防止することができる。即ち、ウォームアップ時に定着ベルト112の全幅を加熱しておくと、小幅紙及び大幅紙のどちらも即座に通紙することが可能である。これに対してウォームアップ時に例えば小幅通紙範囲のみを加熱しておいた場合は、定着ベルト112が回転しない等の異常が発生したときに、定着ベルト112の表面温度が急上昇し安全機構(例えば、サーモスタット)が追従不可能になることがある。ウォームアップ時に全幅加熱しておくと、定着ベルト112の昇温時間を延ばすこともでき、安全機構の追従作動を確実にすることができる。
従来の定着器では、小幅紙の連続通紙時に両端部の温度が高くなりすぎる場合には、印字動作を停止して両端の温度が低下するまで待機したり、記録紙の通紙間隔を広げたりする必要があった。これに対して本実施の形態では、小幅紙の連続通紙時における両端の温度上昇を抑制できるので、過昇温時の待機や通紙間隔の拡大は不要である。従って、小幅紙を連続出力する場合のスループット(単位時間当たりの出力枚数)を高く設定することができる。
また、対向コア116を一体として回転させるので、回転駆動のための機構が簡素である。対向コアの中央部を固定する構成の場合、両端部のみを回転駆動するための複雑な機構が必要となる。また、対向コア116を保持ローラ113の内部で回転させるので、発熱部が小型に構成することができる。
なお、本実施の形態では、端部の発熱分布を調整するために対向コア116を180度回転(反転)させている。ただし、この回転角度は180度に限られない。例えば、非通紙域の温度変化に応じて回転角度を調整してもよい。この構成の場合、非通紙域の発熱分布を高精度に制御でき、定着ベルト112の温度分布を均一にすることができる。
なお、本実施の形態では、対向コア116の端部の断面形状が軸方向に均一となっている。ただし、図17に示すように、小幅紙の非通紙域に対応する範囲において、対向コア116の断面形状を連続的に変化させても良い。この構成では、対向コア116は、端部でのみ半円形断面を有し、小幅通紙範囲に対応する部分で円形断面になるまでその断面形状が連続的に変化している。即ち、この対向コア116においては、定着ベルト112からの間隔が一定な円筒面から回転中心方向へ表面が後退している範囲が軸方向の端部ほど広く、また、この後退している範囲の一方が、円周方向に同じ母線から始まる。
上記構成を採用した場合、対向コア116の回転位相を変化させることにより、対向コア116が中央部と同じ間隔で励磁コイル120と対向する部分の長さを連続的且つ任意に変化させることができる。これにより、両端部の発熱分布の低い領域の幅を連続的且つ任意に設定できる。この結果、任意の幅の記録紙を通紙する場合にも、上記の効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態では、対向コイル116の円筒形状からの凹面には特に部材を設けなかったが、図18に示すように、この部分に対向コア116と透磁率の異なる調整部材338を設けてもよい。
この調整部材338として、対向コア116よりも透磁率の低い磁性材料(例えば比透磁率が10の樹脂フェライト)を用いると、対向コア116及び調整部材338の各透磁率に応じて発熱量の強弱のピークの差を任意に調整することができる。
さらに、調整部材338としてアルミや銅等の非磁性の導電材料を用いると、発熱量の強弱のピークの差をさらに大きくすることができる。これは、導電材料は、誘導磁界中では渦電流が流れやすくその内部に誘導磁束をほとんど通過させない性質を有するためである。さらに、対向コア116が軸方向に均一な断面形状となるので、発熱部の熱容量分布が軸方向に均一に近づく。従って、励磁コイル120で均一に加熱することにより、均一な温度分布を実現することが容易である。
なお、対向コア116の断面形状を中央部から端部方向へ連続的に変化するのではなく、使用する記録紙の幅の種類を考慮して、階段状に変化させても良い。この構成によれば、複数の幅の記録紙に対応できるとともに加熱部と非加熱部(発熱分布の強い部分と弱い部分)の境界の発熱量の差を顕著にすることができる。
(実施の形態4)
図19A、図19B及び図19Cは、本発明の実施の形態4の定着器の要部の断面図である。また、図20は図19Cの矢印H方向からの磁束調整部たる対向コア116の要部構成図である。
本実施の形態は、実施の形態3と、磁束調整部の構成において相違する。即ち、本実施の形態では、対向コア116は三つの領域A、B、Cを有する。領域A、B、Cは、対向コア116を軸117から外周面の方向に延びる三つの面を境界として3等分することにより規定される。また、各領域A、B、Cにおいて、対向コア116の形状は異なる。領域Aでは、軸方向の全幅に対向コア116が配置されている。領域Bでは、中央の小幅紙の通紙域に対応する範囲(小幅通紙範囲)にのみ対向コア116が配置されている。領域Cでは、両端の小幅紙の非通紙域に対応する範囲(小幅通紙範囲外)にのみ対向コア116が配置されている。
その他の詳細については実施の形態3と同様であり、同一の作用を有する構成要素には同一の参照符号を付してそれらについての詳細な説明を省略する。
図19A、図19B及び図19Cを用いて本実施の形態における磁束調整部としての対向コア116の動作及び作用について説明する。
中央部の温度センサ118と端部の温度センサ232との温度差が所定の温度差(例えば15℃)よりも小さく、且つ、温度センサ232で測定した温度が定着温度(例えば170℃)より高い第1の所定温度(例えば180℃)よりも低い場合には、図19Aのように対向コア116の領域Aを励磁コイル120に対向させる。領域B、Cの一部も励磁コイル120に対向する場合は、両領域B、Cの対向範囲を同じにする。この状態で励磁コイル120に通電すると、定着ベルト112には軸方向の全幅に均一に磁束が作用し、均一に誘導加熱される。通紙される記録紙16の幅が広い場合には、略全幅にわたって熱を奪うため、定着ベルト112の温度は全幅にわたって均一に保たれる。
図19Aの状態で小幅の記録紙16を通過させる場合には、中央部の熱のみが記録紙16に熱を奪われ、これに伴い、中央部近傍の温度センサ118からの温度信号に基づき温度制御が行われる。従って、非通紙域となる両端部分の温度が上昇する。そして、温度センサ232で測定した温度が180℃より高くなった場合には、対向コア116を回転させて図19Bのように領域Bと領域Aの一部とを励磁コイル120に対向させる。主に領域Bが対向した状態では、非通紙域に対応する部分の定着ベルト112と対向コア116との間隔は、中央の通紙域に対応する部分の間隔よりも広くなる。このため、非通紙域の定着ベルト112と励磁コイル120との磁気結合が、通紙域に比べて悪くなる。このため、非通紙域の定着ベルト112へ励磁コイル120から作用する磁束が減少する。この結果、小幅紙の非通紙域の発熱分布が低下し、非通紙域の過昇温を防止することができる。
そして、温度センサ232での測定温度が定着温度よりも低い第2の所定温度(例えば160℃)になると、図19Aのように領域Aを励磁コイル120に対向させて均一な発熱分布にもどす。
定着器19が冷えた状態(たとえば室温)から小幅紙で印字動作を行う場合には、中央部のみを加熱するために、図19Bの状態で加熱を開始する。この場合には中央部のみを加熱するので加熱されるべき熱容量が小さくなる。このため、少ないエネルギーで所定温度(170℃)まで昇温させることができるとともに、同じ電力で加熱すれば短時間で昇温させることができる。
この場合には、非通紙域の定着ベルト112の温度が定着温度まで上昇しないので、非通紙域の加圧ローラ115の温度が通紙域よりも高くなりすぎることを防止できる。
さらにこの場合には、中央部の温度センサ118の温度が端部の温度センサ232よりも高い状態となる。この状態で引き続いて大幅紙を通紙する場合には、両端部のみを加熱することが必要になる。この場合には、図19Cのように領域Cと領域Aの一部とを励磁コイル120に対向させる。この状態では中央部の発熱量が少なく、端部の発熱量が多い発熱分布となる。これにより、端部の温度が低い状態から均一な温度分布の状態とすることができる。このとき、加圧ローラ115の非通紙域の温度は上がりすぎていないので、大幅紙の通紙時にも、加圧ローラ115の温度ムラに起因する定着画像の光沢ムラ等の不均一を防止することができるので、高品位な画像を得ることができる。
図19Cの状態は中央部の温度センサ118の温度が端部の温度センサ232より所定の温度差(例えば15℃)以上有る場合に動作させればよい。
以上のように、本実施の形態によれば、小幅紙の連続通紙時にも定着ベルト112の温度分布を常にほぼ均一に保つことができる。従って、小幅紙の通紙直後に大幅紙を通紙する場合、あるいは小幅紙と大幅紙を交互に通紙させる場合に、定着温度分布の不均一によるコールドオフセットやホットオフセット等の定着不良を防止することができる。即ち、ウォームアップ時に定着ベルト112の全幅を加熱しておくと、小幅紙及び大幅紙のどちらも即座に通紙することが可能である。これに対してウォームアップ時に例えば小幅通紙範囲のみを加熱しておいた場合は、定着ベルト112が回転しない等の異常が発生したときに、定着ベルト112の表面温度が急上昇し安全機構(例えば、サーモスタット)が追従不可能になることがある。ウォームアップ時に全幅加熱しておくと、定着ベルト112の昇温時間を延ばすこともでき、安全機構の追従作動を確実にすることができる。
また、小幅紙の印字のために起動する場合には、中央部のみを加熱することができるので、少ないエネルギーで昇温させることができるとともに、同じ電力で加熱すれば短時間で昇温させることができる。また、端部への放熱等により、中央部に対して端部の温度が低くなりすぎた場合にも、均一な温度分布に復帰させることができる。
また、対向コア116を一体として回転させるので、回転駆動のための機構が簡素である。
(実施の形態5)
図21A、図21B及び図21Cは、本発明の実施の形態5の定着器の要部の断面図である。また、図22は図21Bの矢印H方向からの磁束調整部たる対向コア116の要部構成図である。
本実施の形態は、実施の形態3と、磁束調整部の構成において相違する。即ち、本実施の形態では、対向コア116は、三つの対向コア116a、116b、116cから構成されている。対向コア116a、116b、116cは、対向コア116の軸方向の全幅を3等分することにより規定される。また、対向コア116aの幅は小幅通紙範囲に対応し、対向コア116bの幅は小幅通紙範囲を除く中幅通紙範囲に対応し、対向コア116cの幅は中幅通紙範囲を除く大幅通紙範囲に対応している。また、対向コア116の軸117は、対向コア116a、116b、116cにそれぞれ対応する軸117a、117b、117cに3等分され、対向コア116a、116b、116cは軸117a、117b、117cにそれぞれ固定されている。さらに、各軸117a、117b、117cを回転駆動するギア540a、540b、540cが設けられている。
対向コア116aは、半円筒形状をそれぞれ有するD部分及びd部分の組み合わせである。D部分及びd部分は互いに異なる透磁率を有するフェライトからなり、D部分はd部分より高い透磁率を有する。対向コア116bも、半円筒形状をそれぞれ有するE部分及びe部分の組み合わせである。E部分及びe部分は互いに異なる透磁率を有するフェライトからなり、E部分はe部分より高い透磁率を有する。対向コア116cも、半円筒形状をそれぞれ有するF部分及びf部分の組み合わせである。F部分及びf部分は互いに異なる透磁率を有するフェライトからなり、F部分はf部分より高い透磁率を有する。
また、本実施の形態では、記録紙16の通紙基準の位置を図22における右端部としたため、幅の狭い記録紙16を通紙する場合には左側が非通紙域となる。さらに、温度制御用の温度センサ118は小幅通紙範囲に設けられ、小幅通紙範囲外の中幅通紙範囲に温度センサ541が設けられ、中幅通紙範囲外の大幅通紙範囲に温度センサ542が設けられている。
その他の詳細については実施の形態3と同様であり、同一の作用を有する構成要素には同一の参照符号を付してそれらについての詳細な説明を省略する。
図21A、図21B及び図21Cを用いて本実施の形態における磁束調整部としての対向コア116の動作及び作用について説明する。
温度センサ118と温度センサ541、542との温度差が所定の温度差(例えば15℃)よりも小さく、温度センサ541、542の測定した温度が定着温度(例えば170℃)より高い第1の所定温度(例えば180℃)よりも低い場合には、図21Aのように対向コア116のD部分、E部分及びF部分を励磁コイル120に対向させる。この状態で励磁コイル120に通電すると、定着ベルト112には軸方向の全幅に均一に磁束が作用し、均一に誘導加熱される。通紙される記録紙16の幅が広い場合には、ほぼ全幅にわたって熱を奪うため、定着ベルト112の温度は全幅にわたって均一に保たれる。
図21Aの状態で小幅紙を通過させる場合には、右端部(小幅通紙範囲)のみの熱が記録紙によって奪われ、これに伴い、小幅通紙範囲の温度センサ118からの温度信号に基づき温度制御が行われる。従って、非通紙域(大幅通紙範囲から小幅通紙範囲を除いた範囲)の温度が上昇する。そして、温度センサ541及び542で測定した温度が180℃より高くなった場合には、対向コア116b、116cを180度回転させて図21BのようにD部分、e部分及びf部分を励磁コイル120に対向させる。e部分及びf部分はD部分に比べて透磁率が低いので、非通紙域の定着ベルト112と励磁コイル120との磁気結合が、通紙域に比べて悪くなる。このため、非通紙域の定着ベルト112へ励磁コイル120から作用する磁束が減少する。この結果、小幅紙の非通紙域の発熱分布が低下し、非通紙域の過昇温を防止することができる。
そして、温度センサ541、542での測定温度が定着温度よりも低い第2の所定温度(例えば160℃)になると、図21Aに示すようにD部分、E部分及びF部分を励磁コイル120に対向させ、これによって発熱分布を均一にもどす。
図21Aの状態で中幅紙を通過させる場合には、その通紙域のみの熱が記録紙に熱を奪われ、これに伴い、温度センサ118からの温度信号に基づき温度制御が行われる。従って、非通紙域(大幅通紙範囲から中幅通紙範囲を除いた範囲)の温度が上昇する。そして、温度センサ542で測定した温度が180℃より高くなった場合には、対向コア116cを180度回転させ、図21CのようにD部分、E部分及びf部分を励磁コイル120に対向させる。f部分はD部分及びE部分に比べて透磁率が低いので、非通紙域の定着ベルト112と励磁コイル120との磁気結合が、通紙域に比べて悪くなる。このため、非通紙域の定着ベルト112へ励磁コイル120から作用する磁束が減少する。この結果、中幅紙の非通紙域の発熱分布が低下し、非通紙域の過昇温を防止することができる。
そして、温度センサ542での測定温度が定着温度よりも低い第2の所定温度(例えば160℃)になると、図21Aに示すようにD部分、E部分及びF部分を励磁コイル120に対向させ、これによって発熱分布を均一にもどす。
また、定着器19が冷えた状態(たとえば室温)から中幅紙で印字動作を行う場合には、通紙域(中幅通紙範囲)のみを加熱するために、図21Cの状態で加熱を開始する。この場合には、通紙域(中幅通紙範囲)のみを加熱するので加熱されるべき熱容量が小さくなる。このため、少ないエネルギーで所定温度(170℃)まで昇温させることができるとともに、同じ電力で加熱すれば短時間で昇温させることができる。
また、非通紙域の定着ベルト112の温度が定着温度まで上昇しないので、非通紙域の加圧ローラ115の温度が通紙域よりも高くなりすぎることを防止できる。
一方、温度センサ118の温度は、温度センサ542の温度よりも高い状態となる。この状態で引き続いて大幅紙を通紙する場合には、左端部側(大幅通紙範囲から中幅通紙範囲を除いた範囲)のみを加熱することが必要になる。この場合、d部分、e部分及びF部を励磁コイル120に対向させる。この状態では、右端部側(中幅通紙範囲)の発熱量が少なく左端部側(大幅通紙範囲から中幅通紙範囲を除いた範囲)の発熱量が多い発熱分布となる。これにより、左端部側の温度が低い状態から温度分布が均一な状態とすることができる。このとき、加圧ローラ115の非通紙域の温度は上がりすぎていないので、大幅紙の通紙時にも、加圧ローラ115の温度ムラに起因する定着画像の光沢ムラ等の不均一を防止することができるので、高品位な画像を得ることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、小幅紙や中幅紙の連続通紙時にも定着ベルト112の温度分布を常にほぼ均一に保つことができる。従って、小幅紙の通紙直後に大幅紙を通紙する場合、あるいは小幅紙と中幅紙と大幅紙とを交互に通紙させる場合に、定着温度分布の不均一によるコールドオフセットやホットオフセット等の定着不良を防止することができる。即ち、ウォームアップ時に定着ベルト112の全幅を加熱しておくと、小幅紙及び大幅紙のどちらも即座に通紙することが可能である。これに対してウォームアップ時に例えば小幅通紙範囲のみを加熱しておいた場合は、定着ベルト112が回転しない等の異常が発生したときに、定着ベルト112の表面温度が急上昇し安全機構(例えば、サーモスタット)が追従不可能になることがある。ウォームアップ時に全幅加熱しておくと、定着ベルト112の昇温時間を延ばすこともでき、安全機構の追従作動を確実にすることができる。
また、小幅紙や中幅紙の印字のために起動する場合には、通紙域のみを加熱することができるので、少ないエネルギーで昇温させることができると同時に、同じ電力で加熱すれば短時間で昇温させることができる。
また、対向コア116を軸方向に分割して各々回転可能に構成したので、右側、中央、左側の任意の組み合わせで加熱することができる。従って、端部への放熱等により、中央部に対して端部の温度が低くなりすぎた場合にも、その部分だけを加熱して均一な温度分布に復帰させることができる。
また、対向コア116が軸方向に均一な断面形状を有しているので、発熱部の熱容量分布が軸方向に均一である。従って、励磁コイル120で均一に加熱することにより、均一な温度分布を実現することが容易である。
なお、透磁率の低いe部分、d部分及びf部分には、比透磁率が1の常磁性体やアルミ等の導電体を用いてもよい。
(実施の形態6)
図23は、本発明の実施の形態6の定着器の要部の断面図である。また、図24は、図23の矢印H方向からの磁束調整部たる対向コア116の要部構成図である。
本実施の形態は、実施の形態3と磁束調整部の構成において相違する。即ち、本実施の形態では、円筒形の対向コア116を、二つの半円筒の組み合わせとみなし、一方をa部分と言い、他方をb部分と言う。対向コア116は、b部分の外周表面のうち小幅紙の非通紙域に対応する部分を覆うように配置された抑制部材650を有する。抑制部材650は円弧状の外周面を有する。また、抑制部材650は、アルミ等の非磁性の導電材料からなる。対向コア116と保持ローラ113の内周面との距離は0.6mmとし、抑制部材650の厚さは0.3mmとしている。
その他の詳細については実施の形態2と同様であり、同一の作用を有する構成要素には同一の参照符号を付してそれらについての詳細な説明を省略する。
次に、本実施の形態における磁束調整部としての対向コア116の動作及び作用について説明する。
端部の温度センサ232で測定した温度が定着温度(例えば170℃)より高い第1の所定温度(例えば180℃)よりも低い場合には、対向コア116のa部分を励磁コイル120に対向させる。この状態で励磁コイル120に通電すると、定着ベルト112には軸方向の全幅に均一に磁束が作用し、均一に誘導加熱される。通紙される記録紙16の幅が広い場合には、ほぼ全幅にわたって熱を奪うため、定着ベルト112の温度は全幅にわたって均一に保たれる。
小幅の記録紙16を通過させる場合には、中央のみの熱が記録紙16によって奪われ、これに伴い、温度センサ118からの温度信号に基づき温度制御が行われる。従って、非通紙域となる両端部分の温度が上昇する。そして、温度センサ232で測定した温度が180℃よりも高くなった場合には、対向コア116を回転させてb部分を励磁コイル120に対向させる。つまり、非通紙域に対応する部分の定着ベルト112と対向コア116との間に抑制部材650が介在することとなる。この状態では、抑制部材650に渦電流が誘起され、抑制部材650を通過する磁束の変化を妨げる。この作用により、非通紙域の定着ベルト112へ励磁コイル120から作用する磁束が減少する。これにより、非通紙域の定着ベルト112と励磁コイル120との磁気結合が、通紙域に比べて悪くなる。この結果、小幅紙の非通紙域の発熱分布が低下し、非通紙域の過昇温を防止することができる。
そして、温度センサ232での測定温度が定着温度よりも低い第2の所定温度(例えば160℃)になると、対向コア116のa部分を励磁コイル120に対向させて均一な発熱分布にもどす。
以上のように、本実施の形態によれば、小幅紙の連続通紙時にも定着ベルト112の温度分布を常にほぼ均一に保つことができる。従って、小幅紙の通紙直後に大幅紙を通紙する場合、あるいは小幅紙と大幅紙とを交互に通紙させる場合に、定着温度分布の不均一によるコールドオフセットやホットオフセット等の定着不良を防止することができる。即ち、ウォームアップ時に定着ベルト112の全幅を加熱しておくと、小幅紙及び大幅紙のどちらも即座に通紙することが可能である。これに対してウォームアップ時に例えば小幅通紙範囲のみを加熱しておいた場合は、定着ベルト112が回転しない等の異常が発生したときに、定着ベルト112の表面温度が急上昇し安全機構(例えば、サーモスタット)が追従不可能になることがある。ウォームアップ時に全幅加熱しておくと、定着ベルト112の昇温時間を延ばすこともでき、安全機構の追従作動を確実にすることができる。
従来の定着器では、小幅紙の連続通紙時に両端部の温度が高くなりすぎる場合には、印字動作を停止して両端の温度が低下するまで待機したり、記録紙の通紙間隔を広げたりする必要があった。これに対して本実施の形態では、小幅紙の連続通紙時における両端の温度上昇を抑制できるので、過昇温時の待機や通紙間隔の拡大は不要である。従って、小幅紙を連続出力する場合のスループット(単位時間当たりの出力枚数)を高く設定することができる。
また、対向コア116を一体として回転させるので、回転駆動のための機構が簡素である。対向コアの中央部を固定する構成の場合、両端部のみを回転駆動するための複雑な機構が必要となる。
なお、抑制部材650が誘導加熱により発熱しないよう、抑制部材650の導電体としての体積抵抗率は10×10−8Ω・m以下であることが望ましい。さらに、誘導発熱を防止するために、その厚さは0.2mm以上であることが望ましい。また、抑制部材650の厚さ分だけ、中央部での対向コア116と定着ベルト112との間隔が大きくなるので、抑制部材650は薄い方が良い。励磁コイル120と定着ベルト112と対向コア116との磁気結合を十分に確保するために、抑制部材650の厚さは2mm以下であることが望ましい。
なお、本実施の形態では、対向コア116は断面が軸方向に均一な円筒形状を有している。ただし、対向コア116の形状はこれに限定されない。例えば、図25に示すように、対向コア116のb部分の外周表面のうち非通紙域に対応する部分に凹部を設け、そして、この凹部に抑制部材650を設けてもよい。このように対向コア116に凹部を設けることにより、抑制部材650を設けるときの位置決めが容易になり組み立てが容易になる。また、抑制部材650は、その外周面が対向コア116の外周面と同一円周面上に配置されるよう設けられる。このように対向コア116の外周面と抑制部材650の外周面とを同一円周面上に配置することにより、保持ローラ113から対向コア116までの距離と保持ローラ113から抑制部材650までの距離が等しくなる、即ち、保持ローラ113から対向コア116への熱伝導と保持ローラ113から抑制部材650への熱伝導とが等しくなるため、定着ベルト112の温度ムラを防止することが可能となる。また、この場合には、対向コア116と定着ベルト112との間隔が抑制部材650の厚さ分だけ近接するので、励磁コイル120と定着ベルト112と対向コア116との磁気結合を高めることができる。
また、図26に示すように、実施の形態3で説明した形状を有する対向コア116を用いて、この対向コア116の両端部(半円筒形状を有する部分)に抑制部材650を設けてもよい。この場合、抑制部材650の外周面が対向コア116の外周面と同一円周面上に配置されるよう設けることにより、上記と同様の効果を得ることができる。なお、抑制部材650が図27に示すように中空の半円筒であっても同様の効果を得ることができる。
また、図28に示す抑制部材650は、図25に示した抑制部材650の周方向の両端部に凸部650aを設けた構成を有している。このようにすることにより、中心コア121aから定着ベルト112を介して先端コア121cに届く磁束の回り込みを抑制することができ、効果的に発熱を低減することができる。
また、図29に示すように、本実施の形態で説明した対向コア116及び抑制部材650の組み合わせを、実施の形態1において図12を用いて説明した構成に応用することも可能である。この場合も、図12に示された構成と同様の効果を実現することができる。
また、従来の技術では、抑制部材650を励磁コイル120と定着ベルト112との間に設置していた。これに対して本実施の形態では、抑制部材650を定着ベルト112に対して励磁コイル120の反対側に設置している。これにより、抑制部材650に誘起される電流や電圧が低くなり、抑制部材650の温度上昇が抑制される。また、抑制部材650の厚さが定着ベルト112と励磁コイル120との間の距離に影響を与えることがなくなるため、抑制部材650に必要十分な厚さを持たせることができる。さらに、抑制部材650は、所定レベル以上の熱伝導性を有するフェライトからなる対向コア116に設けられているため、抑制部材650からの放熱を効率よく行うことができる。即ち、これらの観点からも、抑制部材650の温度上昇を抑制することが可能であると言える。この結果、抑制部材650で消費される誘導加熱エネルギーを抑制することができるので、定着ベルト112を加熱する熱効率を向上させることができるとともに、抑制部材650の昇温を抑えることができるので、小幅紙の連続通紙を可能とすることができる。
また、本実施の形態では、対向コア116を一体としたが、実施の形態5と同様に軸方向に分割して構成しても良い。
また、上記の実施の形態では、温度センサ232からの温度信号に基づき対向コア116の回転位相を切り替えている。ただし、位相切替の基準はこれに限定されない。例えば、記録紙16の幅に応じて回転位相を切り替えてもよい。
(実施の形態7)
図30は、本発明の実施の形態7の定着器の要部の断面図である。また、図31は図30の定着器における磁束調整部たる対向コアのJ−J線上の要部構成図である。
本実施の形態は、実施の形態6と、定着器19の構成において異なっている。即ち、図示されているように、励磁コイル120を保持ローラ113の内部に設け、保持ローラ113を定着ベルト112を介して加圧ローラ115に押圧させ、略円弧形状を有する抑制部材750を定着ベルト112の外周面に近接対向させている。
抑制部材750は、軸方向に3分割され、分割抑制部材750aと二つの分割抑制部材750bとから構成されている。分割抑制部材750aは、軸方向中央部に配置されており、分割抑制部材750bは、軸方向両端部側に配置されている。分割位置は所定の小幅通紙範囲の両端部に対応している。抑制部材750は厚さ1.5mmのアルミ板で構成されている。抑制部材750a、750bの各々は、定着ベルト112の半径方向に移動可能に保持されている。抑制部材750a、750bはそれぞれ、定着ベルト112までの距離が0.5mmの近接位置と、定着ベルト112までの距離が4mmの離間位置とに変位する。
その他の詳細については、実施の形態6と同様であり、同一の作用を有する構成要素には同一の参照符号を付してそれらについての詳細な説明を省略する。
本実施の形態における磁束調整部としての抑制部材750の動作及び作用について説明する。
中央部の温度センサ118と端部の温度センサ232の温度差が所定の温度差(例えば15℃)よりも小さく、温度センサ232で測定した温度が定着温度(例えば170℃)より高い第1の所定温度(例えば180℃)よりも低い場合には、抑制部材750a、750bの双方を、図31において破線で示された離間位置に変位させる。この状態で励磁コイル120に通電すると、定着ベルト112には軸方向の全幅に均一に磁束が作用し、均一に誘導加熱される。通紙される記録紙16の幅が広い場合には、略全幅にわたって熱を奪うため、定着ベルト112の温度は全幅にわたって均一に保たれる。
この状態で小幅の記録紙16を通過させる場合には、中央部のみの熱が記録紙によって奪われ、これに伴い、中央部の温度センサ18からの温度信号に基づき温度制御が行われる。従って、非通紙域となる両端部分の温度が上昇する。そして、温度センサ232で測定した温度が180℃より高くなった場合には、両端部の抑制部材750bを図31において実線で示された近接位置に変位させる。この両端部の抑制部材750bが定着ベルト112に近接した状態では、非通紙域の定着ベルト112と励磁コイル120との磁気結合が、通紙域に比べて悪くなる。このため、非通紙域の定着ベルト112へ励磁コイル120から作用する磁束が減少する。この結果、小幅紙の非通紙域の発熱分布が低下し、非通紙域の過昇温を防止することができる。
そして、温度センサ232での測定温度が定着温度よりも低い第2の所定温度(例えば160℃)になると、両端部の抑制部材750bを離間位置に移動させて均一な発熱分布に戻す。
定着器19が冷えた状態(たとえば室温)から小幅紙で印字動作を行う場合には、中央部のみを加熱するために、両端部の抑制部材750bを近接位置に配置させた状態で加熱を開始する。このとき、中央部のみが強い発熱分布で加熱されるので、加熱されるべき熱容量が小さくなる。このため、少ないエネルギーで所定温度(170℃)まで昇温させることができるとともに、同じ電力で加熱すれば短時間で昇温させることができる。
また、このとき、中央部の温度センサ118の温度が端部の温度センサ232よりも高い状態となる。この状態で引き続いて大幅紙を通紙する場合には、両端部のみを加熱することが必要になる。例えば、温度センサ118と温度センサ232との温度差が所定値(例えば15℃)以上になった場合、中央部の抑制部材750aを近接位置に変位させ、両端部の抑制部材750bを離間位置に変位させる。この状態では、中央部の発熱量が少なく両端部の発熱量が多い発熱分布となる。これにより、両端部の温度が低い状態から温度分布が均一な状態とすることができる。
また、電気導体である抑制部材750を定着ベルト112の外部に設置することにより定着器19の外部への磁束の漏洩を防止することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、小幅紙の連続通紙時にも定着ベルト112の温度分布を常にほぼ均一に保つことができる。従って、小幅紙の通紙直後に大幅紙を通紙する場合、あるいは小幅紙と大幅紙を交互に通紙させる場合に、定着温度分布の不均一によるコールドオフセットやホットオフセット等の定着不良を防止することができる。即ち、ウォームアップ時に定着ベルト112の全幅を加熱しておくと、小幅紙及び大幅紙のどちらも即座に通紙することが可能である。これに対してウォームアップ時に例えば小幅通紙範囲のみを加熱しておいた場合は、定着ベルト112が回転しない等の異常が発生したときに、定着ベルト112の表面温度が急上昇し安全機構(例えば、サーモスタット)が追従不可能になることがある。ウォームアップ時に全幅加熱しておくと、定着ベルト112の昇温時間を延ばすこともでき、安全機構の追従作動を確実にすることができる。
また、小幅紙の印字のために起動する場合には、中央部のみを加熱することができるので、少ないエネルギーで昇温させることができるとともに、同じ電力で加熱すれば短時間で昇温させることができる。また、端部への放熱等により、中央部に対して端部の温度が低くなりすぎた場合にも、均一な温度分布に復帰させることができる。
また、従来の技術では、抑制部材750を励磁コイル120と定着ベルト112との間に設置していた。これに対して本実施の形態では、抑制部材750を定着ベルト112に対して励磁コイル120の反対側に設置している。これにより、抑制部材750に誘起される電流や電圧が低くなり、抑制部材750の温度上昇が抑制される。また、抑制部材650の厚さが定着ベルト112と励磁コイル120との間の距離に影響を与えることがなくなるため、抑制部材650に必要十分な厚さを持たせることができる。即ち、この観点からも、抑制部材750の温度上昇を抑制することが可能であると言える。この結果、抑制部材750で消費される誘導加熱エネルギーを抑制することができるので、定着ベルト112を加熱する熱効率を向上させることができるとともに、抑制部材750の昇温を抑えることができるので、小幅紙の連続通紙を可能とすることができる。
また、本実施の形態では、抑制部材750を定着ベルト112の半径方向に移動可能な構成としたが、この構成に限るものではない。例えば、図32及び図33に示すように、非通紙域となる両端部、即ち、最大幅通紙範囲から小幅通紙範囲を除いた範囲に、軸方向に移動可能な二つの抑制部材750bを設けてもよい。図33では、抑制部材750bに対して定着ベルト112の反対側に対向コア116が設けられている。
この構成の場合、加熱分布を均一にするときは、抑制部材750bを最大幅通紙範囲外に移動させ、両端部の非通紙域の発熱分布を下げるときは、通紙する記録紙16の幅に応じた位置まで抑制部材750bを移動させる。これにより、発熱分布の低い領域の幅を連続的且つ任意に設定できる。この結果、任意の幅の記録紙16を通紙する場合にも、非通紙域の過昇温を防止できる。
なお、本発明の定着器19の構成は、上記の構成に限定されるものではなく、励磁コイル120が定着ベルト112の外周面側及び内周面側のいずれに設置された場合にも適用することができる。
以上のように本発明によれば、構成を複雑化することなく、発熱体の全幅を均一に加熱するとともに発熱体の過昇温を防止することができる。
本明細書は、2003年1月8日出願の特願2003−002058に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
Claims (30)
- 一対の主面を有し、磁束の作用により発熱する環状の発熱体と、
前記一対の主面のうち一方の第1主面に近接配置され、前記発熱体に作用する磁束を生成する磁束生成手段と、
前記一対の主面のうち他方の第2主面に近接配置され、前記磁束生成手段によって生成された磁束のうち前記発熱体の非通紙域に作用する磁束を低減する磁束低減手段と、
を有する、像加熱装置。 - 前記磁束低減手段は、
回転可能なコアに設けられ、前記コアを回転させることにより前記第2主面の対向位置と前記第2主面の非対向位置とに変位する、請求の範囲1記載の像加熱装置。 - 前記コアは、その外周面に形成された凹部を有し、
前記磁束低減手段は、
前記凹部に挿入して設けられる、請求の範囲2記載の像加熱装置。 - 前記磁束低減手段は、
その外周面が前記コアの外周面と同一円周面上に配置されるよう前記コアに設けられる、請求の範囲2記載の像加熱装置。 - 前記磁束低減手段は、
その周方向端部に形成された凸部を有する、請求の範囲2記載の像加熱装置。 - 前記磁束低減手段は、
ウォームアップのとき、前記非対向位置に変位する、請求の範囲2記載の像加熱装置。 - 前記磁束低減手段は、
最大幅の通紙範囲より幅狭のシートが連続通紙されるとき、最初に前記非対向位置に変位し、その後前記対向位置に変位する、請求の範囲2記載の像加熱装置。 - 前記コアは、所定レベル以上の熱伝導性を有する、請求の範囲2記載の像加熱装置。
- 請求の範囲1記載の像加熱装置を有する、画像形成装置。
- 像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、
磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、
前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する接触面の温度を所定温度とする温度制御手段と、
前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、
前記発熱調整手段は、前記発熱部材の温度に応じて温度が変化し、キュリー点が前記所定温度の最大値に対して−10℃〜+100℃の範囲である強磁性材料からなる対向コアを有する、像加熱装置。 - 像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、
磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、
前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、
前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、
前記発熱調整手段は、前記発熱部材の温度に応じて温度が変化し、キュリー点が140℃以上250℃以下の範囲である強磁性材料からなる対向コアを有する、像加熱装置。 - 前記発熱調整手段が発熱部材または発熱部材から加熱される部材に接触することを特徴とする請求の範囲10または請求の範囲11記載の像加熱装置。
- 像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、
磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、
前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、
前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、
前記発熱調整手段は、前記磁束に鎖交する電気導体からなる抑制コイルを開閉する開閉手段を備える、像加熱装置。 - 抑制コイルと鎖交した磁束が通過する高透磁率材料からなる対向コアを、前記発熱部材に対して抑制コイルの内部及び/又は反対側に設置した、請求の範囲13記載の像加熱装置。
- 像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される円筒形状で薄肉の発熱部材と、
前記発熱部材の外周面に対向し、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、
前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、
前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、
前記発熱調整手段は、前記発熱部材の軸方向に断面形状が異なる強磁性材料からなり回転可能な対向コアを有する、像加熱装置。 - 前記対向コアの円周方向の少なくとも一部で前記発熱部材と前記対向コアの間隔が軸方向に一定である、請求の範囲15記載の像加熱装置。
- 前記対向コアにより調節された発熱分布の強弱が、前記対向コアの回転により強弱を逆転させた発熱分布が可能である、請求の範囲15記載の像加熱装置。
- 前記対向コアが、前記発熱部材の軸方向の少なくとも一部で、透磁率の異なる複数の材料を組み合わせて形成された、請求の範囲15記載の像加熱装置。
- 前記対向コアが、少なくとも強磁性体と低透磁率の電気導体を組み合わせて形成された、請求の範囲18記載の像加熱装置。
- 前記対向コアが、前記発熱部材の軸方向の少なくとも一部で、断面形状が軸方向に連続的に変化する、請求の範囲15記載の像加熱装置。
- 像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される円筒形状で薄肉の発熱部材と、
前記発熱部材の外周面に対向し、磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、
前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、
前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、
前記発熱調整手段は、前記発熱部材の軸方向に分割された強磁性材料からなり、断面形状が異なる回転可能な対向コアを有する、像加熱装置。 - 前記対向コアが、前記発熱部材の軸方向の少なくとも一部で、透磁率の異なる複数の材料を組み合わせて形成された、請求の範囲21記載の像加熱装置。
- 前記対向コアが、少なくとも強磁性体と低透磁率の電気導体を組み合わせて形成された、請求の範囲21記載の像加熱装置。
- 前記対向コアが、前記発熱部材の軸方向の少なくとも一部で、断面形状が軸方向に連続的に変化する、請求の範囲21記載の像加熱装置。
- 像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される円筒形状で薄肉の発熱部材と、
磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、
前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する定着面の温度を所定温度とする温度制御手段と、
前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、
前記発熱調整手段は、低抵抗率材料からなる移動可能な磁束抑制部材を有する、像加熱装置。 - 前記発熱調整手段は、強磁性体からなる対向コアに前記磁束抑制部材を設ける、請求の範囲25記載の像加熱装置。
- 像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される薄肉の発熱部材と、
磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、
前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する接触面の温度を所定温度とする温度制御手段と、
前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する発熱調整手段とを備え、
前記発熱調整手段は、強磁性材料からなる対向コアを有し、前記対向コアのキュリー点が、通紙領域における前記対向コアの温度よりも高く、且つ、非通紙領域における対向コアの温度よりも低くなるように設定されている、像加熱装置。 - 像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する、誘導加熱される薄肉の発熱部材と、
磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、
前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する接触面の温度を所定温度とする温度制御手段と、
前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する、強磁性材料からなる対向コアとを備え、
前記励磁手段に対向する領域において、前記発熱部材と前記対向コアとの間隔は一定に設定されている、像加熱装置。 - 像を担持して移動する被加熱体へ直接又は間接に熱を伝達する誘導加熱される薄肉の発熱部材と、
磁束を発生して前記発熱部材を誘導加熱する励磁手段と、
前記励磁手段を制御し、前記被加熱体に接触する接触面の温度を所定温度とする温度制御手段と、
前記発熱部材に対して前記励磁手段と反対側に設置され、前記発熱部材に作用する磁束を調整することにより、前記発熱部材の発熱分布を調整する、強磁性材料からなる対向コアとを備え、
非通紙領域における前記発熱部材と前記対向コアとの間隔は、通紙領域における前記発熱部材と前記対向コアとの間隔よりも広くなるように設定される、像加熱装置。 - 請求項10から請求項29のいずれかに記載の像加熱装置と、
前記発熱部材の非通紙領域の温度を測定する温度センサを備え、
前記温度センサからの信号に基づいて発熱調整手段が前記発熱部材の発熱分布を調整することを特徴とする画像形成装置。
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