JPWO2004052318A1 - アミノ酸グリセリル誘導体含有化粧料 - Google Patents

アミノ酸グリセリル誘導体含有化粧料 Download PDF

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Abstract

中性、塩基性又は酸性α−アミノ酸又はその塩と、グリシドール又は3−ハロ−1,2−プロパンジオールを反応させることにより得られるアミノ酸N−グリセリル誘導体を含有することを特徴とし、保湿性、使用性、安定性、安全性に優れた化粧水、クリーム、乳液等の皮膚外用剤及びヘアクリーム、ヘアコンディショナー、リンス、シャンプー等の毛髪化粧料。

Description

本発明は、化粧料に関するものである。さらに詳しくは、保湿性、安全性及び肌荒れ改善性等に優れ、かつ優れた使用感触を与えるアミノ酸N−グリセリル誘導体を含有することを特徴とし、皮膚への親和性に優れ、皮膚に対してべたつかず、しっとり感を付与する皮膚外用剤や、毛髪に対して艶、潤い感を付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪をなめらかにすることができる毛髪化粧料等として用いられる化粧料に関するものである。
従来、皮膚外用剤や毛髪化粧料等の化粧料には、重要な構成成分として保湿剤が用いられており、例えば、使用性、安全性、保湿性に優れる等の理由で、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、アミノ酸、ポリペプチド等が保湿剤として用いられてきた。
しかしながら、これらの保湿剤の多くは、皮膚に対しては、しっとり感を付与する等の保湿性の機能に乏しく、又、べたつく等使用性の面で問題があったり、毛髪に対しては、艶、潤い感、なめらかさを付与したり、櫛通り性を改善する等の機能面で十分に満足できるものでなかった。又、保湿剤の種類によっては酸化安定性やにおいの問題があった。
従って、本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決し、皮膚への親和性に優れ、皮膚に対してべたつかず、しっとり感を付与する皮膚外用剤や、毛髪に対して艶、潤い感を付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪をなめらかにすることができる毛髪化粧料等、優れた保湿性、使用性、安定性、安全性を有する化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、下記一般式(I):
Figure 2004052318
〔式中、Xは水素原子又は−CHCH(OH)CHOH基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Yはα−アミノ酸の側鎖を表し、Zは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウム又は−CHCH(OH)CHOH基を示す。〕で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩を含有する化粧料は、保湿性、使用性、安定性、安全性に優れ、皮膚外用剤としては、皮膚への親和性に優れ、皮膚に対してべたつかず、しっとり感を付与する効果を有し、毛髪化粧料としては、毛髪に対して、艷、潤い感を付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪をなめらかにする効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、上記一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩を含有することを特徴する化粧料を提供するものである。
一般式(I)中のYで表される基は、α−アミノ酸の側鎖となり得る基であり、該α−アミノ酸は下記一般式(II):
Figure 2004052318
[式中、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Yは上記と同じ意味である。]で表される。このα−アミノ酸としては、中性アミノ酸(シスチン、メチオニンなどの含硫アミノ酸も含む)とともに、Y中に−COOH基を有する酸性アミノ酸、及びY中に−NH基、グアニジノ基又はイミダゾール基を有する塩基性アミノ酸が挙げられる。
一般式(I)中のZで表されるアンモニウムとは、式NH で表される基である。又有機アンモニウムは式NR で表される基であり、式中Rは、水素原子、メチル、エチル等のアルキル基、又は一部の水素原子が他の基で置換されているアルキル基、例えばメチロール基、エタノール基、2−メチル−1,3−プロパンジオール−2イル基、2−メチル−1−プロパノールアミン−2イル基等を表し、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
アミノ酸N−グリセリル誘導体の塩とは、上記一般式(I)の窒素原子に基づく酸付加塩が挙げられる。さらに、Y中に−COOH基を有する場合は該−COOH基に基づく塩基付加塩、又、Y中に−NH基、グアニジノ基又はイミダゾール基を有する場合は該−NH基、グアニジノ基又はイミダゾール基の窒素原子に基づく酸付加塩も挙げられる。
ここで、酸付加塩としては、酢酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩等の有機酸塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩等が挙げられる。又、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールアミン塩等のアルカリ塩が挙げられる。
本発明の化粧料としては、皮膚外用剤、毛髪化粧料が例示される。
本発明の化粧料に含有させる上記一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩は、例えば、一般式(II)で表されるα−アミノ酸又はその塩と、グリシドール又は3−ハロ−1,2−プロパンジオールとを反応させることにより得ることができる。
上記のようにして、一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体を得た後、酸剤やアルカリ剤により、それぞれ、酸付加塩や塩基付加塩にしてもよい。例えば、一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体は種類によっては酸性やアルカリ性を示すが、このような場合には、目的に応じてアルカリ剤や酸剤により塩にして用いることができる。
上記一般式(I)の化合物の出発原料である上記一般式(II)で表されるα−アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、サルコシン、N−メチルアラニン、α−アミノ酪酸、シスチン、メチオニン、システイン、プロリン、ヒドロキシプロリン等の中性アミノ酸、リシン、ヒドロキシリシン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸を挙げることができる。
一般式(II)で表されるα−アミノ酸と反応し上記一般式(I)の化合物を生成するもう一方の出発原料としては、例えば、グリシドール(即ち、2,3−エポキシ−1−プロパノール)、3−クロロ−1,2−プロパンジオールや3−ブロモ−1,2−プロパンジオール等の3−ハロ−1,2−プロパンジオールが挙げられる。
一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩を得るための一般式(II)で表されるα−アミノ酸又はその塩と、グリシドール又は3−ハロ−1,2−プロパンジオールとの反応は、水溶媒中あるいは含水有機溶媒中で、アルカリ下で行うことができる。具体的には、一般式(II)のアミノ酸を水溶媒あるいは含水有機溶媒中に溶解し、pH調整を行った後、加温しながら、撹拌下、グリシドールや3−ハロ−1,2−プロパンジオールを滴下しながら反応を行い、反応終了後、酸剤でpH調整をして一般式(I)のアミノ酸N−グリセリル誘導体が得られる。
この反応に用いられる溶媒としては、例えば、水、含水低級アルコール、含水アセトン、含水ジメチルホルムアミド、含水ジメチルスルホキシド、含水メチルセルソルブ、含水N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらを混合して用いてもよい。含水率は20%以上が望ましい。
一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩を得るための、一般式(II)で表されるα−アミノ酸又はその塩とグリシドールや3−ハロ−1,2−プロパンジオールとを反応させるときのpHは8〜11が望ましい。これは、pH8以下であると反応速度が遅くなり、pHが11以上になると、反応速度は速くなるが、臭いの発生や着色が起こり望ましくない結果になるからである。
一般式(II)で表されるα−アミノ酸の種類によって異なるが、上記pH8〜11にするために、適宜、アルカリ剤や酸剤を用いることができる。用いるアルカリ剤としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を挙げることができる。酸剤としては、酢酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、アジピン酸等の有機酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸等が挙げられる。
反応温度は30〜90℃で行うのが望ましい。すなわち、30℃以下で反応を行うと、反応速度が遅くなり、反応温度が90℃以上になると、臭いの発生や着色が起こりやすくなるからである。
反応時のグリシドールや3−ハロ−1,2−プロパンジオールの滴下時間は反応量により異なるが、滴下終了後は、反応を完結させるために、加温しながら3〜15時間撹拌を続けるのが好ましい。
反応終了後、反応物は各種の酸剤でpH調整を行って、本発明の化粧料に含有させる一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩が得られるが、本発明の化粧料に含有させて保湿剤として使用するため、最終pHは4〜9が好ましい。
pH調整に用いる酸としては、酢酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、アジピン酸等の有機酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸が挙げられる。
前記のpH調整終了後、反応物は水溶媒の場合は液体のまま、あるいは、水を留去したもの、又、反応液が有機溶媒を含む場合は、減圧蒸留や粉体化によって溶媒を除去した後、本発明の化粧料に含有させる。
このようにして製造される上記一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体の具体例としては以下のものを挙げることができる。
原料の一般式(II)で表されるアミノ酸が中性アミノ酸である場合は、N−グリセリルグリシン(即ち、N−2,3−ジヒドロキシプロピルグリシン)、N−グリセリルアラニン、N−グリセリルバリン、N−グリセリルロイシン、N−グリセリルイソロイシン、N−グリセリルセリン、N−グリセリルスレオニン、N−グリセリルシステイン、N−グリセリルシスチン、N−グリセリルメチオニン、N−グリセリルフェニルアラニン、N−グリセリルチロシン、N,N’−ジグリセリルシスチン、N,N−ジグリセリルグリシン、N,N−ジグリセリルアラニン、N,N−ジグリセリルバリン、N,N−ジグリセリルロイシン、N,N−ジグリセリルイソロイシン、N,N−ジグリセリルセリン、N,N−ジグリセリルスレオニン、N,N−ジグリセリルシスチン、N,N−ジグリセリルメチオニン、N,N−ジグリセリルフェニルアラニン、N,N−ジグリセリルチロシン、N−グリセリルトリプトファン(α−アミノ基にグリセリル基が付加したもの)、N,N−ジグリセリルトリプトファン(α−アミノ基にグリセリル基が付加したもの)、N−グリセリルサルコシン(N−2,3−ジヒドロキシプロピルサルコシン)等が例示される。
一般式(II)で表されるアミノ酸が塩基性アミノ酸である場合は、N−グリセリルリシン(即ち、N−2,3−ジヒドロキシプロピルリシン又はN−2,3−ジヒドロキシプロピルリシン)、N−グリセリルヒドロキシリシン(即ち、N−2,3−ジヒドロキシプロピルヒドロキシリシン又はN−2,3−ジヒドロキシプロピルヒドロキシリシン)、N−グリセリルアルギニン(α−アミノ基にグリセリル基が付加したもの)、N−グリセリルヒスチジン(α−アミノ基にグリセリル基が付加したもの)、N−グリセリルオルニチン(α−アミノ基にグリセリル基が付加したもの)、N,N−ジグリセリルリシン、N,N−ジグリセリルヒドロキシリシン、N,N−ジグリセリルアルギニン(α−アミノ基にグリセリル基が二つ付加したもの)、N,N−ジグリセリルヒスチジン(α−アミノ基にグリセリル基が二つ付加したもの)、N,N−ジグリセリルオルニチン等を挙げることができる。
一般式(II)で表されるアミノ酸が酸性アミノ酸である場合は、N−グリセリルアスパラギン酸(即ち、N−2,3−ジヒドロキシプロピルアスパラギン酸)、N−グリセリルグルタミン酸、N,N−ジグリセリルアスパラギン酸、N,N−ジグリセリルグルタミン酸等を挙げることができる。
なお、上記のグリセリル基とは、2,3−ジヒドロキシプロピル基を意味する。
上記の中では、一般式(II)で表されるアミノ酸として塩基性アミノ酸を用いて製造したものが、毛髪への吸着性や肌荒れ改善性に優れており好ましい。
又、一般式(II)で表されるα−アミノ酸又はその塩と、グリシドール又は3−ハロ−1,2−プロパンジオールとの反応による生成物には、通常、上記の化合物を主成分とするが、他に下記一般式(III):
Figure 2004052318
〔式中、X’は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は
−[CHCH(OH)CHO]nCHCH(OH)CHOH基を表し、nは0又は1以上の整数であり、Yはα−アミノ酸の側鎖を表し、Z’は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウム基又は
−[CHCH(OH)CHO]lCHCH(OH)CHOH基を表し、lは0又は1以上の整数で、mは1以上の整数である。〕で表される化合物、
及び下記一般式(IV):
Figure 2004052318
〔式中、X’、Y、Z’は、上記と同じ意味を表す。〕で表される化合物等が含まれる場合がある。本発明の化粧料には、これらの化合物等が、式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩とともに含まれていてもよい。
上記一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体あるいはその塩は優れた保湿性を有するため、これらアミノ酸N−グリセリル誘導体あるいはその塩を皮膚外用剤や毛髪化粧料に配合すると、優れた保湿効果を有する皮膚外用剤や毛髪化粧料を得ることができる。さらに、一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体あるいはその塩は、使用性、安定性、安全性、肌荒れ改善効果にも優れるので、皮膚外用剤に使用した場合には、保湿性に加えて、使用性(べたつかず、しっとりしている等)、安定性、安全性、肌荒れ改善性にも優れた効果を発揮し、又、毛髪化粧料に使用すると、保湿性に加えて、使用性(べたつかず、しっとりしている等)、艶を付与する優れた作用も発揮する。
上記一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩を、本発明の化粧料に、2種以上配合してもよい。そして、2種以上のアミノ酸N−グリセリル誘導体を配合する場合には、各々別個に製造したアミノ酸N−グリセリル誘導体を組み合わせて配合することも可能であるが、予め多種類のアミノ酸N−グリセリル誘導体混合物を製造してこれを直接皮膚外用剤や毛髪化粧料に配合することもできる。
本発明の化粧料としては、化粧料、医薬品、医薬部外品として外皮(頭皮を含む)及び毛髪に適用されるものがその代表的なものとして例示され、具体的には、例えば、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧品やファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキャップ化粧料やボディ化粧料、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、染毛剤、染毛料、染毛用の前処理剤や後処理剤、枝毛コート剤等の毛髪化粧料が挙げられる。
本発明の化粧料中への、一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体あるいはその塩の含有量(化粧料中への配合量)は、化粧料の種類によっても異なるが、0.05〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。含有量が上記範囲以下であると、保湿性、使用感触向上等の作用が充分に発揮できなくなる恐れがあり、又含有量が上記範囲以上の場合には、含有量の効果に見合うだけの効果が得られないだけでなく、製剤上の支障や、皮膚や毛髪にべたつき感を生じさせる恐れがあるためである。
本発明の皮膚外用剤及び毛髪化粧料には、本発明の上記一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩の他に、通常の皮膚外用剤や毛髪化粧料に用いられる成分、例えば、油性原料、保湿剤、界面活性剤、増粘剤、高分子物質、粉末類、薬剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、キレート剤、動植物抽出物、動植物由来の蛋白質を加水分解した加水分解ペプチド及びその誘導体類等を適宜配合することができる。
本発明の化粧料の剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、粉末分散系、水−油二層系等いずれも可能であり、目的とする製品に応じて上記一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体あるいはその塩と上記任意配合成分とを配合して製造することができる。
本発明の上記一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩を含むことを特徴とする化粧料は、保湿性、使用性、安定性、安全性、肌荒れ改善効果に優れる。それを皮膚外用剤に使用した場合には、皮膚への親和性に優れ、皮膚に対して、べたつかず、しっとり感を付与し、又、毛髪化粧料に使用した場合には、べたつかず、毛髪に優れた保湿性、潤い感、艶を付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪をなめらかにすることができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例中における各成分の配合量はいずれも質量部によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示す。なお、以下の実施例や比較例においては、化粧料の調製を行う関係もあって、各成分に関して「含有」という表現をせず、「配合」という表現で説明する。
実施例に先立ち、実施例で用いる本発明のアミノ酸N−グリセリル誘導体の合成例を示す。
先ず、以下の合成例中で用いる総窒素量及びアミノ態窒素量の測定法を示す。
〔総窒素量の測定法〕
アミノ酸や反応生成物の総窒素量は、住友化学(株)製の窒素炭素測定装置、スミグラフNC−95A(商品名)を用いて測定したが、この測定装置では、有機物試料を電気炉中で酸化して窒素はNOガス、炭素はCOガスにして、各々のガスをガスクロマトグラフィーにより定量するものである。なお、定量用の標準物質には尿素を使用した。
〔アミノ態窒素量の測定法〕
アミノ酸や反応生成物のアミノ態窒素量は、住友化学(株)製のアミノ態窒素測定装置、スミグラフN−350(商品名)を用いて測定した。この測定装置は、van Slyke法を自動化したもので、アミノ基の窒素を亜硝酸と反応させて、生じた窒素ガス(N)をガスクロマトグラフィーで定量するものである。なお、定量用の標準物質にはメチオニンを使用した。
合成例1:グリシンのグリセリル誘導体の合成
3リットルの三口丸底フラスコにグリシン75.1gと水675gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール59.3gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに6時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去して粘稠な物質を得た。この粘稠物質にメタノール1344gを添加して攪拌し、粉末状沈殿物を得、次いでこの沈殿物を濾取した。この沈殿物は薄層クロマトグラフィー(以下、TLCと記す)分析及びガスクロマトグラフィー(以下、GCと記す)分析の結果から、主として未反応のグリシンであることが分かった。粉末状沈殿物を除去したメタノール溶液から溶媒を減圧下留去して粘稠な物質であるグリシンのグリセリル誘導体を101.5g得た。この得られたグリシンのグリセリル誘導体及び原料のグリシンの総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ下記の値であった。
グリシンのグリセリル誘導体
総窒素量 :10.68%
総炭素量 :36.68%
アミノ態窒素量:3.54%
グリシン(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 :18.29%(18.66%)
総炭素量 :31.36%(32.00%)
アミノ態窒素量:18.47%(18.66%)
上記の沈殿物は薄層クロマトグラフィー(以下、TLCと記す)分析及びガスクロマトグラフィー(以下、GCと記す)分析の結果から、主として未反応のグリシンであることが分かった。
グリシンのグリセリル誘導体を以下に示すTLC条件で分析したところ、Rf値0.28にスポットが検出され、他にはごく微弱なスポットが1、2検出されるのみであり、このRf値と上記の総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量の結果から、主成分がN−グリセリルグリシンであると判断した。
TLCの分析条件
薄層板 ;メルク社製シリカゲル 60(商品名)
展開溶媒;フェノール:水=4:1(W/W)
検出方法;紫外線(365nm)照射による
また、グリシンのグリセリル誘導体の一部をN,O−Bis(trimethylsilyl)acetamide(BSA)を用いてトリメチルシリル化を行った後、下記の条件でGC分析を行ったところ、主成分として保持時間10.7分にピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていた。
GCの分析条件
カラム充填剤;5%SE−30、50cm
キャリアガス;窒素 30ml/min
検出器 ;FID(水素炎検出器)
注入口温度 ;310℃
検出器温度 ;310℃
温度条件 ;80℃から8℃/min.で300℃まで昇温
合成例2:アラニンのグリセリル誘導体の合成
3リットルの三口丸底フラスコにアラニン133.6gと水1200gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール111.2gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに5時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去して粘稠な物質を得た。この粘稠物質にメタノール600gを添加して攪拌し、濾過により不溶物を除去した。濾液は減圧下に溶媒を留去して粘稠な液体物質を208g得た。この得られたアラニンのグリセリル誘導体及び原料のアラニンの総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ下記の値であった。
アラニンのグリセリル誘導体
総窒素量 :9.52%
総炭素量 :41.25%
アミノ態窒素量:2.99%
アラニン(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 :15.57%(15.73%)
総炭素量 :39.63%(40.44%)
アミノ態窒素量:15.42%(15.73%)
この物質を合成例1と同じ条件でTLC分析及びGC分析を行ったところ、TLCではRf0.36に主スポット、GCでは保持時間9.1分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、このRf値と上記の総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量の結果から、主成分はN−グリセリルアラニンであると判断した。
合成例3:サルコシンのグリセリル誘導体の合成
3リットルの三口丸底フラスコにサルコシン89.1gと水801gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール74.1gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに7時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去して粘稠な物質を得た。この粘稠物質にエタノール1630gを添加して攪拌し、濾過により不溶物を除去した。濾液は減圧下に溶媒を留去して粘稠な液体物質を124g得た。この得られたサルコシンのグリセリル誘導体及び原料のサルコシンの総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ下記の値であった。
サルコシンのグリセリル誘導体
総窒素量 :10.19%
総炭素量 :40.89%
アミノ態窒素量:4.48%
サルコシン(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 :15.42%(15.73%)
総炭素量 :39.23%(40.44%)
アミノ態窒素量:15.26%(15.73%)
この物質を合成例1と同じ条件でTLC分析及びGC分析を行ったところ、TLCではRf0.51に主スポット、GCでは保持時間8.9分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、このRf値と上記の総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量の結果から、主成分はN−グリセリルサルコシンであると判断した。
合成例4:フェニルアラニンのグリセリル誘導体の合成
3リットルの三口丸底フラスコにフェニルアラニン82.6gと水1570gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール37.1gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに8時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去してワックス状物質を得た。このワックス状物質にメタノール1300gを添加して攪拌すると、不溶物が沈降し、この不溶物を濾過により濾取し、乾燥して白色粉末を78g得た。この得られたフェニルアラニンのグリセリル誘導体及び原料のフェニルアラニンの総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ下記の値であった。
フェニルアラニンのグリセリル誘導体
総窒素量 :6.44%
総炭素量 :58.95%
アミノ態窒素量:2.82%
フェニルアラニン(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 :8.23%(8.48%)
総炭素量 :64.12%(65.43%)
アミノ態窒素量:8.40%(8.48%)
この白色粉末を合成例1と同じ条件でTLC分析及びGC分析を行ったところ、TLCではRf0.34に主スポット、GCでは保持時間14.9分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、このRf値と上記の総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量の結果から、主成分はN−グリセリルフェニルアラニンであると判断した。
合成例5:ロイシンのグリセリル誘導体の合成
3リットルの三口丸底フラスコにロイシン26.2gと水1050gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール14.8gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに8時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去してワックス状物質を得た。このワックス状物質にメタノール610gを添加して攪拌すると、不溶物が沈降し、この不溶物を濾過により濾取し、乾燥して白色粉末を26.6g得た。この得られたロイシンのグリセリル誘導体及び原料のロイシンの総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ下記の値であった。
ロイシンのグリセリル誘導体
総窒素量 :7.58%
総炭素量 :50.67%
アミノ態窒素量:3.04%
ロイシン(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 :10.53%(10.68%)
総炭素量 :53.84%(54.94%)
アミノ態窒素量:10.36%(10.68%)
この白色粉末を合成例1と同じ条件でTLC分析及びGC分析を行ったところ、TLCではRf0.61に主スポット、GCでは保持時間11.1分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、このRf値と上記の総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量の結果から、主成分はN−グリセリルロイシンであると判断した。
合成例6:プロリンのグリセリル誘導体の合成
3リットルの三口丸底フラスコにプロリン115.1gと水1035gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール74.1gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに5時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去して粘稠な物質を得た。この粘稠な物質にメタノール300gを添加して攪拌し、生じた不溶物を濾過により除去した。濾液は、減圧下に溶媒を留去し、粘稠な液体を136g得た。
この粘稠液体を合成例1と同じ条件でTLC分析及びGC分析を行ったところ、TLCではRf0.59に主スポット、GCでは保持時間11.6分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、主成分はN−グリセリルプロリンであると推定できた。
合成例7:セリンのグリセリル誘導体の合成
3リットルの三口丸底フラスコにセリン105.1gと水950gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール74gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに5時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去し、メタノール1500gを添加して加熱攪拌し、生じた不溶物を濾過により濾取し、白色粉末を125g得た。この得られたセリンのグリセリル誘導体及び原料のセリンの総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ下記の値であった。
セリンのグリセリル誘導体
総窒素量 :8.74%
総炭素量 :36.75%
アミノ態窒素量:3.16%
セリン(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 :13.22%(13.33%)
総炭素量 :33.68%(34.02%)
アミノ態窒素量:13.06%(13.33%)
この白色粉末を合成例1と同じ条件でTLC分析及びGC分析を行ったところ、TLCではRf0.23に主スポット、GCでは保持時間12.8分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、このRf値と上記の総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量の結果から、主成分はN−グリセリルセリンであると判断した。
合成例8:リシンのグリセリル誘導体の合成
水を1644ml入れた3リットルの三口丸底フラスコにリシン塩酸塩182.7gを加えて溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを約9.5に調整した。この水溶液を約60℃に加温し、攪拌しながら、グリシドール74gを30分かけて滴下した。滴下終了後、液温を60℃に保ったままで、さらに5時間撹拌を続けて反応を完結させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、塩酸を加えてpHを6.8に調整した後、水を減圧下で留去し、リシンのグリセリル誘導体258gを得た。
得られたリシンのグリセリル誘導体及び原料のリシン塩酸塩の総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ下記の値であった。
リシンのグリセリル誘導体
総窒素量 : 8.25%
総炭素量 :33.74%
アミノ態窒素量: 5.63%
リシン塩酸塩(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 :14.71%(15.33%)
総炭素量 :39.02%(39.41%)
アミノ態窒素量:14.60%(15.33%)
これらの測定結果より、リシンへのグリセリル基の導入率はアミノ基に対して40%以上あることが確認でき、得られたリシンのグリセリル誘導体の主成分はN−グリセリルリシン塩酸塩と判断した。
合成例9:アルギニンのグリセリル誘導体の合成−1
水1568mlを入れた3リットルの三口丸底フラスコにアルギニン174gを加えて溶解し、1規定塩酸を加えてpHを9.4に調整した。この水溶液を約65℃に加温し、攪拌しながら、グリシドール74gを約1時間かけて滴下して反応させた。滴下終了後、液温を65℃に保ったままで、さらに9時間撹拌を続けて反応を完結させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、1規定塩酸を加えてpHを6.4に調整した後、水を減圧下で留去し、アルギニンのグリセリル誘導体282gを得た。
得られたアルギニンのグリセリル誘導体及び原料のアルギニンの総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ下記の値であった。
アルギニンのグリセリル誘導体
総窒素量 : 17.71%
総炭素量 : 35.60%
アミノ態窒素量: 1.25%
アルギニン(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 : 31.24%(32.15%)
総炭素量 : 40.95%(41.33%)
アミノ態窒素量: 7.78%( 8.04%)
これらの測定結果より、アルギニンのグリセリル基の導入率はアミノ基に対して80%以上であり、得られたアルギニンのグリセリル誘導体の主成分はN−グリセリルアルギニン塩酸塩と判断した。
合成例10:ヒスチジンのグリセリル誘導体の合成
水1886mlを入れた3リットルの三口丸底フラスコにヒスチジン塩酸塩1水和物209gを加えて溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.3に調整した。この水溶液を約60℃に加温し、攪拌しながら、グリシドール74gを約1時間かけて滴下して反応させた。滴下終了後、反応液の温度を60℃に保ったままで、さらに7時間撹拌を続けて反応を完結させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、1規定塩酸を加えてpHを6.3に調整した後、水を減圧下で留去し、粗生成物を259g得た。この留去物に水341gを添加し溶解した後、エタノール1263gを添加し、撹拌する。ロ過により沈殿物を除去した後、ロ液を減圧留去し、ヒスチジンのグリセリル誘導体164gを得た。
得られたヒスチジンのグリセリル誘導体及び原料のヒスチジン塩酸塩1水和物の総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ下記の値であった。
ヒスチジンのグリセリル誘導体
総窒素量 : 14.39%
総炭素量 : 37.39%
アミノ態窒素量: 1.21%
ヒスチジン塩酸塩1水和物(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 : 20.22%(20.04%)
総炭素量 : 36.08%(34.35%)
アミノ態窒素量: 6.81%(6.68%)
これらの測定結果より、ヒスチジンのグリセリル基の導入率はアミノ基に対して70%以上であり、得られたヒスチジンのグリセリル誘導体の主成分はN−グリセリルヒスチジン塩酸塩と判断した。
合成例11:アルギニンのグリセリル誘導体の合成−2
水1568mlを入れた3リットルの三口丸底フラスコにアルギニン173gを加えて溶解した後、グリコール酸水溶液を加えてpHを9.3に調整する。この水溶液を約60℃に加温した後、グリシドール73gを約1時間かけて滴下して反応させる。滴下終了後、反応液の温度を60℃に保ったままで、さらに6時間撹拌を続けて反応を完結させる。反応終了後、室温まで冷却し、グリコール酸水溶液を加えてpHを6.4に調整した後、水を減圧下で留去することにより、N−グリセリルアルギニングリコール酸塩を主成分とするアルギニンのグリセリル誘導体を得ることができる。
合成例12:トリプトファンのグリセリル誘導体の合成
水を1830ml入れた3リットルの三口丸底フラスコにトリプトファン20.4gを加えて溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを約9.2に調整する。この水溶液を約60℃に加温し、攪拌しながら、グリシドール7.3gを30分かけて滴下する。滴下終了後、液温を60℃に保ったままで、さらに8時間撹拌を続けて反応を完結させる。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、塩酸を加えてpHを6.6に調整した後、水を減圧下で留去することにより、N−グリセリルトリプトファン塩酸塩を主成分とするトリプトファンのグリセリル誘導体を得ることができる。
合成例13:アスパラギン酸のグリセリル誘導体の合成
水1340mlを入れた3リットルの三口丸底フラスコにアスパラギン酸ナトリウム一水和物173gを加えて溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを9.5に調整した。この水溶液を60℃に加温し、撹拌しながら、グリシドール74gを40分かけて滴下した。滴下終了後、液温を60℃に保ったままで、さらに8時間撹拌を続けて反応を完結させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、塩酸を加えてpHを6.5に調整した後、水を減圧下で留去し、アスパラギン酸のグリセリル誘導体を286g得た。なお、このうちの20質量%は中和塩による食塩と考えられる。
得られたアスパラギン酸のグリセリル誘導体及び原料のアスパラギン酸ナトリウム一水和物の総窒素量、総炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ、下記の値であった。
アスパラギン酸のグリセリル誘導体
総窒素量 : 4.85%
総炭素量 :29.12%
アミノ態窒素量 : 1.13%
アスパラギン酸ナトリウム一水和物(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 : 8.00%( 8.09%)
総炭素量 :26.81%(27.75%)
アミノ態窒素量 : 7.96%( 8.09%)
これらの測定結果より、アスパラギン酸へのグリセリル基の導入率はアミノ基に対して70%以上であることが確認でき、得られたアスパラギン酸のグリセリル誘導体の主成分はN−グリセリルアスパラギン酸一ナトリウムと判断した。
合成例14:グルタミン酸のグリセリル誘導体の合成
水1060mlを入れた3リットルの三口丸底フラスコにグルタミン酸118gを加えて分散させ、20%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを9.4に調整しグルタミン酸を溶解した。この水溶液を65℃に加温した後、撹拌しながらグリシドール58gを30分かけて滴下した。滴下終了後、液温を65℃に保ったままで、さらに6時間撹拌を続けて反応を完結させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、塩酸を加えてpHを6.6に調整した後、水を減圧下で留去し、グルタミン酸のグリセリル誘導体241gを得た。なお、このうちの19%は中和塩による食塩と考えられる。
得られたグルタミン酸のグリセリル誘導体及び原料のグルタミン酸の総窒素量、炭素量及びアミノ態窒素量を測定したところ、下記の値であった。なお、グルタミン酸は水に難溶性のため、分析にはグルタミン酸ナトリウム一水和物を用いた。
グルタミン酸のグリセリル誘導体
総窒素量 : 4.57%
総炭素量 :31.32%
アミノ態窒素量 : 1.21%
グルタミン酸一ナトリウム一水和物(括弧内の数値は計算値)
総窒素量 : 7.36%( 7.49%)
炭素量 :31.25%(32.09%)
アミノ態窒素量 : 7.36%( 7.49%)
これらの測定結果より、グルタミン酸へのグリセリル基の導入率はアミノ基に対して70%以上であることが確認でき、得られたグルタミン酸のグリセリル誘導体の主成分はN−グリセリルグルタミン酸ナトリウムと判断した。
参考例1及び比較参考例1
合成例1〜10、13及び14で製造したアミノ酸N−グリセリル誘導体の吸湿性及び保湿性を下記に示す吸湿性測定試験及び保湿性測定試験で評価した。また、比較参考例1として、化粧品に保湿剤として多用される多価アルコールやアミノ酸の吸湿性及び保湿性も調べた。
〔ケラチンパウダー(粉砕羊毛)を用いての吸湿性測定試験〕
▲1▼ケラチンパウダー2.0gに対して水5.0gの割合で混合する。
▲2▼混合したもの1.0gを容器にとる。
▲3▼試料濃度(水分以外のもの)が0.3gになるように各試料を含浸させる。
▲4▼乾燥器で水分を蒸発させ、重量が一定になるまで乾燥させる。
▲5▼温度20℃で相対湿度79.2%の恒湿槽に保存し48時間後の重量変化から吸湿力を測定する。なお、79.2%恒湿槽として塩化アンモニウム飽和水溶液を用いる。
吸湿力の判定は、下記の基準に従う。
吸湿力の判定基準
◎;ケラチンパウダー1gあたりの吸水量が0.60g以上
○;ケラチンパウダー1gあたりの吸水量が0.50〜0.60g未満
△;ケラチンパウダー1gあたりの吸水量が0.40〜0.50g未満
×;ケラチンパウダー1gあたりの吸水量が0.40g未満
〔ケラチンパウダー(粉砕羊毛)を用いての保湿性測定試験〕
保湿性測定試験は、上記の吸湿力を測定した試料(上記の▲5▼の相対湿度79.2%恒温槽に48時間放置した試料)を、温度20℃で相対湿度20.0%恒温槽に保存し、6時間後の重量変化から保湿力を測定する。なお、相対湿度20.0%恒温槽として酢酸カリウム飽和水溶液を用いる。
保湿力=(B/A)×100
A;相対湿度79.2%に48時間放置した時のケラチンパウダー1g当た
りの吸水量
B;上記相対湿度79.2%に48時間放置した後、相対湿度20.0%の
恒温槽に保存し、6時間放置したときのケラチンパウダー1g当たりの
吸水量
保湿力の判定は、下記の基準に従う。
保湿力の判定基準
◎;60以上
○;50〜60未満
△;40〜50未満
×;40以下
上記の試験法によりアミノ酸N−グリセリル誘導体の吸湿性及び保湿性を評価した結果を表1に、また、比較参考例として吸湿性及び保湿性を評価した多価アルコールやアミノ酸の結果を表2に示す。
参考例2及び比較参考例2
男女10人のパネルを用いて、合成例1〜10、13及び14で製造したアミノ酸N−グリセリル誘導体の肌の保湿効果を評価した。評価方法は、前腕部を洗浄した後、濃度5%に調整したアミノ酸N−グリセリル誘導体試料水溶液100μlを塗布し、試料塗布前の肌コンダクタンス値及び塗布後20分後の肌コンダクタンス値を、スキコン200−EX〔アイ・ビイ・エス(株)〕を用いて測定した。また、比較例として、化粧品に保湿剤として多用される多価アルコールやアミノ酸の肌保湿効果も同様の方法で調べた。肌保湿効果の判定基準は下記のとおりである。
肌保湿効果の判定基準
○;コンダクタンス値変化率が10%以上
△;コンダクタンス値変化率が3以上10%未満
×;コンダクタンス値変化率が3%未満
上記の測定法によりアミノ酸N−グリセリル誘導体の肌保湿効果を評価した結果を表1に、また、比較参考例として肌保湿効果を評価した多価アルコールやアミノ酸の結果を表2に示す。
参考例3及び比較参考例3
合成例1〜10、13及び14で製造したアミノ酸N−グリセリル誘導体の安定性を下記に示す安定性評価試験で評価した。また、比較参考例として、化粧品に保湿剤として多用される多価アルコールやアミノ酸についても評価した。
〔安定性評価試験法〕
50mlのスクリュー管に5質量%の試料水溶液を15g入れ、密栓し、50℃の恒温槽中に1ケ月間保存した。1ケ月後、室温まで冷却した後、栓を開け、5名のパネラーにより、下記の判定基準により臭いを判定した。ただ、比較試料のアミノ酸のうち、ロイシン、フェニルアラニンは均一溶液にならなかったが、そのまま試験に供した。
臭いの判定基準
3;劣化臭がない。
2;劣化臭がほとんどない。
1;劣化臭が強い。
各試料の臭いの評価値は5人の平均値とし、各評価値によって評価結果は以下の記号で示す。
○;2.4以上〜3未満
△;1.8以上〜2.4未満
×;1.8未満
上記の試験法によりアミノ酸N−グリセリル誘導体の安定性の評価結果を表1に、また比較参考例とした多価アルコールやアミノ酸の安定性の評価結果を表2に示す。
Figure 2004052318
Figure 2004052318
表1及び表2の結果から、合成例1〜10、13及び14で製造したアミノ酸N−グリセリル誘導体は、比較参考例で評価した多価アルコールやアミノ酸に比べて、優れた吸湿性、保湿性、優れた肌保湿効果を有することが明らかであり、又、安定性についても優れているかほぼ同等であることが明らかである。
実施例1−3及び比較例1−3
表3に示す化粧水を調製し、それぞれの化粧水のべたつき感、しっとり感について10人のパネラーに評価させた。
Figure 2004052318
試験法は、それぞれの化粧水1mlを10人のパネラーの前腕部に塗布させ、塗布後のべたつき感、しっとり感について、下記の評価基準で評価させた。
べたつき感の評価基準
3;べたつかない
2;あまりべたつかない
1;べたつく
しっとり感の評価基準
3;しっとりしている
2;ややしっとりしている
1;しっとりしない
これらの評価試験の結果を表4に10人の平均値で示す。
Figure 2004052318
表4の結果より明らかなように、実施例1、2及び3の化粧水は、比較例1、2及び3の化粧水に比べて、べたつき感、しっとり感とも評価値が高かった。
実施例4−6及び比較例4−6
表5に示す組成の乳液を調製し、それぞれの乳液を肌に塗布したときの、べたつき感、しっとり感を10人のパネラーに評価させた。
Figure 2004052318
試験法は、それぞれの乳液1gを10人のパネラーの前腕部に塗布させ、塗布後のべたつき感、しっとり感について、実施例1−3と同じ評価基準で評価させた。それらの結果を表7に10人の平均値で示す。
Figure 2004052318
表6の結果より明らかなように、実施例4、5及び6の乳液は、比較例4、5及び6の乳液に比べて、べたつき感、しっとり感とも評価値が高かった。
実施例7−9及び比較例7−9
表7に示す組成のクリームを調製し、それぞれのクリームを肌に塗布したときのべたつき感、しっとり感を10人のパネラーに評価させた。
Figure 2004052318
試験法は、それぞれのクリーム1gを10人のパネラーの前腕部に均一に塗布させ、塗布後のべたつき感、しっとり感について、実施例1−3と同じ評価基準で評価させた。それらの結果を表8に10人の平均値で示す。
Figure 2004052318
表8の結果より明らかなように、実施例7、8及び9のクリームは、比較例7、8及び9のクリームに比べて、べたつき感、しっとり感とも評価値が高かった。
実施例10−12及び比較例10−12
表9に示す組成のヘアクリームを調製し、それぞれのヘアクリームをシャンプーで洗浄した毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感、櫛通り性について評価した。
Figure 2004052318
上記実施例10−12又は比較例10−12のヘアクリームによる処理に先立ち、長さ15cmで重さ1gの毛束を2本用意し、それらの毛束を2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、お湯の流水中でゆすいだ後、風乾した。この洗浄後の毛束に対して、実施例10、比較例10についてはヘアクリームをそれぞれ1g、実施例11、12及び比較例11、12についてはヘアクリームをそれぞれ0.5g用いてよくのばしながら塗りつけ、ヘアドライヤーで乾燥した。乾燥後の毛髪について10人のパネラーに、艶、潤い感及び櫛通り性等を下記の評価基準で評価させた。その評価の結果を表10に10人の平均値で示す。
処理毛髪の評価基準
5;非常によい
4;良い
3;普通
2;悪い
1;非常に悪い
Figure 2004052318
表10に示す結果から明らかなように、実施例10−12のヘアクリームを塗布した毛髪は、比較例10−12ヘアクリームを塗布した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感及び櫛通り性等のいずれの評価項目でも評価値が高かった。
実施例13−15及び比較例13−15
表11に示す組成のヘアコンディショナーを調製し、それぞれのヘアコンディショナーをシャンプーで洗浄した毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感及び櫛通り性について評価した。
Figure 2004052318
上記実施例13及び比較例13のヘアコンディショナーによる処理に先立ち、長さ15cmで重さ1gの毛束を2本用意し、それらの毛束を2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、お湯の流水中でゆすいだ後、風乾した。この洗浄後の毛束に対して、上記実施例13及び比較例13のヘアコンディショナーを2g用いてよくのばしながら塗りつけ、ヘアドライヤーで乾燥した。乾燥後の毛髪について10人のパネラーに、毛髪の艶、潤い感及び櫛通り性について実施例10−12と同じ評価基準で評価させた。それらの結果を表12に10人の平均値で示す。
Figure 2004052318
表12に示す結果から明らかなように、実施例13のヘアコンディショナーを塗布した毛髪は、比較例13のヘアコンディショナーを塗布した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感及び櫛通り性のいずれの評価項目でも評価値が高かった。
実施例14及び比較例14
表13に示す組成のヘアリンスを調製することができる。それぞれのヘアリンスをシャンプーで洗浄した毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ及び櫛通り性について、下記の評価方法で評価すると、実施例14のヘアリンスを塗布した毛髪は、比較例14のヘアリンスを塗布した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ及び櫛通り性のいずれの評価項目でも高い評価値が得られると考えられる。
[評価方法]
上記実施例14及び比較例14のヘアリンスによる処理に先立ち、長さ15cmで重さ1gの毛束を2本用意し、それらの毛束を2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、お湯の流水中でゆすいだ後、風乾する。この洗浄後の毛束に対して、上記実施例14及び比較例14のヘアリンス0.5gずつをそれぞれの毛束によくのばしながら塗りつけ、ヘアドライヤーで乾燥する。乾燥後の毛髪について10人のパネラーに、艷、潤い感、なめらかさ及び櫛通り性を実施例10−12と同じ評価基準で評価させる。
Figure 2004052318
実施例15−17及び比較例15−17
表14に示す組成のシャンプーを調製することができる。
それぞれのシャンプーを毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感及び櫛通り性について下記の評価方法で評価すると、実施例15−17のシャンプーで処理した毛髪は、比較例15−17のシャンプーで処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感及び櫛通り性のいずれの評価項目でも高い評価値が得られると考えられる。
[評価方法]
長さ15cmで重さ1gの毛束を2本用意し、実施例15−17及び比較例15−17のシャンプーをそれぞれ2gずつ用いて毛束を1分間洗浄し、お湯の流水中で30秒間ゆすぐ。このシャンプー洗浄とゆすぎ処理を5回繰り返した後、毛髪の艶、潤い感及び櫛通り性を10人のパネラーに実施例10−12と同じの評価基準で評価させる。
Figure 2004052318
実施例18−20及び比較例18−20
表15に示す組成のパーマネントウエーブ用第1剤を調製し、それぞれのパーマネントウエーブ用第1剤と、6%臭素酸ナトリウム水溶液からなるパーマネントウエーブ用第2剤を用いて毛束にパーマネントウエーブ処理を施し、パーマネントウェーブ処理後の毛髪の艶、潤い感、なめらかさを評価した。
Figure 2004052318
上記パーマネントウエーブ用第1剤による毛髪の処理は下記のように行った。すなわち、長さ18cmに揃えた毛髪をあらかじめ2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水流水中でゆすいで室温で風乾し、これらの毛髪40本からなる毛束を2本作製し、それらをそれぞれ長さ10cmで直径1cmのロッドに巻き付けた。そのロッドに巻き付けた毛束に、実施例18−20及び比較例18−20のパーマネントウエーブ用第1剤をそれぞれ2mlずつ塗布し、それらの毛束をラップで覆い、15分間放置後、流水で静かに10秒間洗浄し、ついでパーマネントウエーブ用第2剤を2mlずつ塗布し、ラップで覆い、15分間放置した後、流水中で静かに洗浄した。各ロッドは60℃の熱風乾燥機中で乾燥し、乾燥後、毛束をロッドからはずし、毛髪の艶、潤い感、はり及びなめらかさを10人のパネラーに実施例10−12と同じ評価基準で評価させた。それらの結果を表16に10人の平均値で示す。
Figure 2004052318
表16に示す結果から明らかなように、実施例18−20のパーマネントウェーブ用第1剤で処理した毛髪は、比較例18−20のパーマネントウェーブ用第1剤で処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感、なめらかさのいずれの評価項目でも評価値が同等又は高かった。
実施例21、22及び比較例21、22
表17に示す組成の2種類の酸化型染毛剤第1剤を調製し、それぞれの酸化型染毛剤第1剤と下記表18に示す酸化型染毛剤第2剤を混合し、毛髪を染毛後、毛髪の艶、潤い感及び櫛通り性を評価した。
Figure 2004052318
酸化型染毛剤第2剤は、実施例21、22及び比較例21、22とも共通で、その組成は表18に示す通りである。
Figure 2004052318
上記酸化型染毛剤による毛髪の処理は下記のように行った。すなわち、長さ15cmで重さ1gの毛束を2本用意し、それらの毛束を2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水の流水中でゆすいだ後、風乾した。これらの毛束に、実施例21、22及び比較例21、22のそれぞれの酸化型染毛剤第1剤と第2剤を同量ずつ混合した酸化型染毛剤を、それぞれ2gずつをそれぞれの毛束に均一に塗布した後、30分間放置し、お湯でゆすぎ、ついで2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに水道水の流水中でゆすぎ、ヘアドライヤーで熱風乾燥した。乾燥後の毛束の艶、潤い感及び櫛通り性を実施例10−12と同様の評価基準で評価させた。その結果を表19に10人の平均値で示す。
Figure 2004052318
表19より明らかなように、実施例21、22の酸化型染毛剤で染毛処理した毛髪は、比較例21、22の酸化型染毛剤で染毛処理した毛髪に比べて、処理後の毛髪の艶、潤い感、櫛通り性のいずれにおいても評価値が同等かまたは高かった。
合成例9のアルギニンのグリセリル誘導体を用い、表20に示す組成の乳液を調製することができる。この乳液を肌に塗布したとき、合成例9のアルギニンのグリセリル誘導体の代りにグリセリンを用い他の組成は同じ乳液を塗布したときと比較して、べたつき感、しっとり感とも、高い評価値が得られると考えられる。
Figure 2004052318
合成例10のヒスチジンのグリセリル誘導体を用い、表21に示す組成のクリームを調製することができる。このクリームを肌に塗布したとき、べたつき感、しっとり感とも、高い評価値が得られると考えられる。
Figure 2004052318
合成例1のグリシンのグリセリル誘導体を用い、表22に示す組成のサンスクリーンクリームを調製することができる。このサンスクリーンクリームを肌に塗布したとき、合成例1のグリシンのグリセリル誘導体の代りにグリセリンを用い他の組成は同じサンスクリーンクリームを肌に塗布したときと比較して、べたつき感、しっとり感とも、高い評価値が得られると考えられる。
Figure 2004052318
合成例13のアスパラギン酸のグリセリル誘導体を用い、表23に示す組成のボディクリームを調製することができる。このボディクリームを肌に塗布したとき、合成例13のアスパラギン酸のグリセリル誘導体の代りにグリセリンを用い他の組成は同じボディクリームを肌に塗布したときと比較して、べたつき感、しっとり感とも、高い評価値が得られると考えられる。
Figure 2004052318

Claims (5)

  1. 下記一般式(I):
    Figure 2004052318
    〔式中、Xは水素原子又は−CHCH(OH)CHOH基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Yはα−アミノ酸の側鎖を表し、Zは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウム又は−CHCH(OH)CHOH基を示す。〕で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩を含有することを特徴とする化粧料。
  2. 一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩の含有量が、化粧料全量に対して0.1〜20質量%であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
  3. 一般式(I)で表されるアミノ酸N−グリセリル誘導体又はその塩が、塩基性アミノ酸のグリセリル誘導体又はその塩であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧料。
  4. 皮膚外用剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化粧料。
  5. 毛髪化粧料であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化粧料。
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