JP2004196733A - 毛髪処理剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】損傷毛髪に対する保湿効果に優れているとともに、毛髪をなめらかにして櫛通り性を改善し、毛髪に油性感を有する艶を付与する作用に優れた毛髪処理剤を提供する。
【解決手段】イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有させて毛髪処理剤を構成する。有機アルカノールアミンとしては、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールまたは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが特に好適であり、加水分解コラーゲンは、魚類由来のコラーゲン加水分解物が好適である。イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の毛髪処理剤中での含有量としては0.01〜20重量%が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有させて毛髪処理剤を構成する。有機アルカノールアミンとしては、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールまたは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが特に好適であり、加水分解コラーゲンは、魚類由来のコラーゲン加水分解物が好適である。イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の毛髪処理剤中での含有量としては0.01〜20重量%が好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有する毛髪処理剤に関し、さらに詳しくは、損傷毛髪に対する保湿効果に優れているとともに、毛髪をなめらかにして櫛通り性を改善し、毛髪に適度な油性感を有する艶を付与する作用に優れた毛髪処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント剤毛髪処理剤には、コンディショニング剤として、カチオン性界面活性剤、シリコーン、油性物質などが配合されてきた。
【0003】
しかしながら、上記の工夫では、毛髪の表面物性が改善されるだけであって、パーマネントウェーブ処理や染毛処理などの強い化学的処理、毎日の洗髪による毛髪のタンパク成分の溶出による毛髪の損傷、ヘアドライヤーや過剰なブラッシングなどの物理的損傷などによって毛髪の保湿性が低下したり、毛髪がぱさつくようになったときに、それらを解消することができないという問題があった。特に、高分子量のシリコーンや化粧品に用いられる油性物質などの疎水性物質は、損傷の少ない毛髪、すなわち疎水性が強い毛髪には収着しやすいが、損傷毛、すなわち損傷によって親水性基が表面に露出してきて親水性が強くなった毛髪には収着しにくいと言われ、損傷毛に対しては、シリコーンや油性物質の有する特性を充分に発揮することができないという問題があった。さらに、高分子量のシリコーンのほとんどは、本来親油性物質であり、油性物質を水溶性のヘアリンスやヘアトリートメント剤に配合する際には、乳化剤を併用し、これらが分離しないようにする必要があった。
【0004】
そのため、毛髪化粧料に、コラーゲン、ケラチン、シルクなどの蛋白質を加水分解した加水分解ペプチドを配合し、損傷により溶出したタンパクを補ったり、毛髪表面に被膜を形成させて毛髪に艶や良好な櫛通り性を付与することも広く行われている。
【0005】
しかしながら、加水分解ペプチドは毛髪表面に被膜を形成し、損傷した毛髪を回復させ、毛髪に艶や潤い感を付与する効果を有するものの、シリコーンや毛髪化粧品に用いられる油性物質のような滑らかさ、櫛通り性の付与作用においては、シリコーンやその他の油性物質にやや劣るという問題があった。
【0006】
そのため、シルクの加水分解物とラノリン脂肪酸を縮合させて得られるラノリン脂肪酸アシル化加水分解シルクの塩を毛髪化粧料に配合し、毛髪に滑らかさや良好な櫛通り性の付与効果を発揮させる試みもあるが(例えば、特開平8−310620号公報)、この加水分解シルクのラノリン脂肪酸アシル化物は、脂肪酸部分の炭素数が大きいため、使用後の毛髪に強すぎる油性感によるべたつき感が残る上に、水溶性化粧料中では濁りや沈殿が生じやすく、保存安定性に劣るという問題があった。
【0007】
また、アシル化加水分解コラーゲンの塩やアシル化アミノ酸の塩をヘアコンディショナーやヘアリンスに配合することも行われているが(例えば、特開昭57−70810号公報、特開昭61−148418号公報、特開平3−264515号公報など)、これらの公報においては、アシル化加水分解コラーゲンは乳化剤としての機能に用いられているにすぎない。
【0008】
この問題を解決するため、本発明者らは、アシル化加水分解タンパクの洗浄剤や乳化剤以外の効果について追求し、加水分解シルクのアシル化物の塩の毛髪コンディショニング剤としての利用を提案した(特開2000−155706号公報)。
【0009】
しかしながら、前記公報に記載のアシル化加水分解シルクでは、毛髪に潤い感、なめらかさや良好な櫛通り性を付与する効果に優れるものの、油性感のある艶を付与する効果にやや劣り、特に化学的処理を受けて傷んだ毛髪に対しては、艶の付与作用の面で充分に満足できるものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決し、特に損傷の大きい毛髪に対しても、優れた潤い感、なめらかさ、良好な櫛通り性を付与するだけでなく、適度な油性感のある艶を付与し、しかもその艶が脂ぎったべたつき感を有せず、毛髪をしなやかでしっとりとした感触に仕上げるコンディショニング効果に優れた毛髪処理剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため研究を重ねた結果、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有させて毛髪処理剤を調製するときは、毛髪の保湿効果に優れるとともに、毛髪になめらかさ、適度な油性感のある艶や潤い感を付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、枝毛を防止し、かつ毛髪をしなやかで、しっとりとした感触に仕上げることができ、特に、これらの作用は、損傷した毛髪に対して効果が大きいことを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0012】
さらに、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩は水溶性であるので、水系化粧品処方に容易に配合でき、しかも、乳化性を有するので、毛髪処理剤に配合される他の成分とも相溶性が良く、保存安定性も良好である。
【0013】
上記のような、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の毛髪への効果は、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の有機アルカノールアミンに2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩または2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩を用いると顕著に発揮される。
【0014】
また、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の加水分解コラーゲン部分に、魚類由来のコラーゲンを用いると、牛や豚の皮や骨由来コラーゲン加水分解物の特有の動物臭が少なく、さらに、魚類由来コラーゲンに魚鱗由来のコラーゲン加水分解物を用いると魚臭も少なく、使用上好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の毛髪処理剤に含有させるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩は、下記一般式(I)
【0016】
【化1】
【0017】
〔式中、RCOはイソステアロイル基を示し、R1 は加水分解コラーゲンペプチドを構成する種々のアミノ酸の側鎖を表し、nは2〜10であり、Mは有機アルカノールアミンである〕
で示され、コラーゲンの加水分解物とイソステアリン酸を縮合させた後、有機アルカノールアミンで中和することで得られ、例えば、特開平6−122610号公報記載の方法で製造することができる。
【0018】
コラーゲン加水分解物のコラーゲン源としては、例えば、牛や豚の皮や骨、魚皮、魚鱗、鰾、海綿動物など由来を問わないが、加水分解ペプチドのにおいの面で、魚皮、魚骨、魚鱗を含めた魚類由来のコラーゲンが好ましい。そして、コラーゲンの加水分解物(加水分解コラーゲン)は、上記のコラーゲンを酸、アルカリ、酵素およびそれらの併用など、公知の方法で分解することによって得られる。
【0019】
上記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、加水分解コラーゲン部分は、毛髪への収着性やイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の乳化力の面から、その分子量が約200〜約1000のものが好ましく、特に約250〜800のものが好ましい。
【0020】
コラーゲンの構成アミノ酸から求めたアミノ酸の平均分子量は108であるので、上記の分子量範囲の200〜1000という数値は、前記一般式(I)においてnが約2〜約10に相当する〔ペプチド結合を形成する際には水1分子(分子量18)が脱水される〕。従って、特に好ましいnの範囲は2.5〜8である。なお、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩のペプチド部分、すなわちコラーゲン加水分解物は、前記のようにコラーゲンを加水分解して得られるもののため、分子量の異なるものの混合物として得られ、そのため、nの測定値は平均値となる。
【0021】
また、上記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、RCO−で表されるイソステアロイル基はイソステアリン酸に由来するものであるが、イソステアリン酸としては、例えば、ダイマー酸製造時における副生物として得られるイソステアリン酸、ガーベット反応で製造されたガーベットアルコールを酸化して得られるイソステアリン酸、アルドール縮合法で得られるイソステアリン酸、さらには、2次分岐したイソステアリン酸などあるが、高級アルコール工業(株)、三菱化学(株)、日産化学(株)、米国エメリー社などから市販されていて、いずれも本発明の毛髪処理剤に含有させるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩に使用することができる。
【0022】
そして、上記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を構成するMで表される有機アルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールなどであるが、本発明の毛髪処理剤で用いるには、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールまたは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが特に好適である。
【0023】
本発明の毛髪処理剤は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント剤、ヘアトリートメントクリーム、ヘアトリートメントムース、PPT(ポリペプタイド)トリートメント剤、ヘアクリームなどを対象とし、これらの毛髪処理剤に、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有させることによって構成される。
【0024】
そして、本発明の毛髪処理剤中でのイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の含有量(毛髪処理剤への配合量)としては、毛髪への適用後に洗い流すタイプや洗い流さないタイプなど毛髪処理剤の使用方法によって多少異なるが、毛髪処理剤中0.01〜20重量%、好ましくは、洗い流すタイプで0.1〜15重量%、洗い流さないタイプで0.05〜5重量%である。イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の毛髪処理剤中での含有量が上記範囲より少ない場合は、毛髪に艶や油性感のある光沢を付与する作用が低下し、逆に、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の毛髪処理剤中での含有量が上記範囲より多くなると、毛髪にべたつき感を与えるおそれがあり、特に、洗い流さないタイプの場合には毛髪処理剤を毛髪に適用した際に泡立つおそれがある。
【0025】
本発明の毛髪処理剤は、上記のように、従来の各種毛髪処理剤にイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有させることによって構成されるが、本発明の効果を損なわない範囲で適宜他の成分を添加することができる。
【0026】
そのような成分としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマー、増粘剤、動植物抽出物、ポリサッカライドまたはその誘導体、動植物および微生物由来のタンパク質の加水分解ペプチドやその誘導体、湿潤剤、低級アルコール類、高級アルコール類、アミノ酸、油脂類、シリコーン類、防腐剤、香料などが挙げられる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の毛髪処理剤は、含有するイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩が損傷毛髪の保湿効果に優れ、毛髪に優れたなめらかさ、適度な油性感のある艶を付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、枝毛を防止し、しかも脂ぎったべたつき感がなく、毛髪をしなやかで、しっとりとした感触に仕上げることができる。
【0028】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例や比較例中における各成分の配合量はいずれも質量部によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示す。また、これらの実施例や比較例においては、毛髪処理剤の調製を行う関係もあって、各成分に関して「含有」という表現をせず、「配合」という表現で説明する。
【0029】
実施例1および比較例1〜2
前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩と加水分解コラーゲンペプチドを損傷毛髪に使用して、毛髪のなめらかさを測定し、毛髪の艶、潤い感および櫛通り性を官能試験により比較評価した。さらに、それぞれの処理毛髪の水分量を電子水分計によって測定し、保湿効果も比較した。
【0030】
実施例1では、前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が3のイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲンの有機アルカノールアミン塩であるイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用い、比較例1ではイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールに代えて数平均分子量が300の牛皮由来加水分解コラーゲンを用いている。また、比較例2は、毛髪処理成分などを用いず、滅菌イオン交換水のみでの比較対照のためのブランク試験である。実施例1および比較例1とも、それぞれの試料は水に溶解し、その有効成分(固形分濃度)が1%になるように調整し以下の試験に用いた。
【0031】
上記各試料による処理に先立ち、処理用の毛髪として、洗浄、ブリーチ処理を行なった損傷毛髪を作製した。すなわち、長さ13cmで重さ1.7gの毛束を9本用意し、あらかじめ2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水流水中でゆすいで室温で風乾させた。つぎに、6%過酸化水素水と2%アンモニア水を1:1に調製したブリーチ剤に30分間浸漬した後、水道水流水中でゆすぎ、1Mクエン酸と0.2Mリン酸水素二ナトリウムの緩衝液(pH3)に5分間浸漬し、水道水流水中でゆすいで室温で風乾させた。この操作を5回繰り返し行ない試験用損傷毛髪とした。
【0032】
このブリーチした損傷毛髪の毛束3本ずつをそれぞれ、40℃に加温した実施例1および比較例1〜2の試験溶液100g中に10分間浸漬し、振とうさせ、その後、水道水流水中で30秒間ゆすぎ、室温で風乾させた。この操作を3回繰り返した。
【0033】
上記の処理を行った毛束のなめらかさを、カトーテック(株)製の摩擦感テスターKES−SEを使用して摩擦力を測定することによって評価した。この装置においては、なめらかさ(ざらつき)は、試料の表面の一定距離を移動する摩擦子が感じる摩擦係数の平均偏差で表され、単位は無次元であり、値が小さいほど「なめらかである」ことを示している。摩擦力の測定は、湿度49±1%、温度22℃±1℃の条件下で、一つの毛束につき10回測定しその平均値を測定値とした。
【0034】
次に、同じ毛束を用いて、毛髪の艶、潤い感、櫛通り性を10人のパネラーにより官能評価した。評価は、最も良いものを〔2点〕とし、2番目に良いものを〔1点〕とし、悪いものを〔0点〕とし、その平均値を評価値とした。
【0035】
また、それぞれ残りの2本ずつの毛束を用いて、処理毛髪の保湿効果を電子水分計によって水分量を測定することによって調べた。処理毛髪の水分量測定は、(株)島津製作所製電子式水分計EB−330MOCを用いて以下のように行った。すなわち、湿度82%、温度25℃の恒湿箱に20時間保存した長さ約1cmに切断した処理毛髪約300mgを電子水分計の秤量皿に載せ、ヘアドライヤーによる乾燥を想定した65℃で40分間加熱し、その間の相対重量変化を30秒ごとに記録する。次いで毛髪に直接吸着している一次結合水が完全に蒸散する温度を想定した180℃にして30分間加熱し、同様に相対重量変化を記録する。記録した相対重量変化の30分から40分の値の平均を第一収束値とし、60分から70分の値の平均を第二収束値として、毛髪に直接吸着している一次結合水の含有率を次に示す式で求める。一次結合水含有率の値が大きいほど保湿効果が高いことを表している。この水分量測定試験では、実施例1および比較例1〜2の各毛髪につきそれぞれ4回ずつ測定してその平均値を測定値とした。
【0036】
【0037】
処理後の毛髪のなめらかさ、パネラーによる官能評価および一次結合水含有率測定結果を表1に示す。なお、試験では上記のように、毛髪のなめらかさを測定した後に毛髪の官能評価を行ったが、表1では、官能評価となめらかさの測定結果の関連が分かりやすいように、官能評価の結果、毛髪のなめらかさの結果、一次結合水含有率の順に示している。
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示すように、実施例1で処理した毛髪は比較例1〜2で処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感、櫛通り性のいずれの官能評価項目においても評価値が高く、特に、潤い感に関しては大多数の人が実施例1で処理した毛髪はしっとりしていてなめらかと答えていた。この結果から、イソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールは毛髪をなめらかにし、艶、潤い感を付与し、さらに毛髪の櫛通り性を改善する効果に優れていることが明らかであった。
【0040】
毛髪のなめらかさの評価を示す摩擦係数の平均偏差は、実施例1で処理した毛髪が最も小さく、比較例1で処理した毛髪の88.2%、ブランク試験である比較例2で処理した毛髪の87.5%であった。この結果から、実施例1のイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールが毛髪表面に均一に吸着し、毛髪表面をなめらかにする作用に優れていることが明らかであった。
【0041】
毛髪の保湿効果を表す一次結合水含有率は、実施例1で処理した毛髪が最も多く、比較例1で処理した毛髪より13.9%、ブランク試験の比較例2の毛髪より53.1%も一次結合水含有率が高く、この結果、イソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールが毛髪内部まで吸着して毛髪に水分を保持させる効果を高め、毛髪にしなやかでしっとりした感触を付与する効果に優れていることが明らかであった。
【0042】
実施例2および比較例3〜4
表2に示す組成の3種類のヘアトリートメント剤を調製し、それぞれのヘアトリートメント剤を損傷毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を評価した。
【0043】
実施例2では、前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が4のイソステアロイル加水分解シルクの2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩であるイソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用い、比較例3はイソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールに代えてヘアトリートメント剤に一般的に用いられる塩化ジステアリルジメチルアンモニウムを用い、比較例4では、イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールに代えてペプチド部分の数平均分子量が約400の魚皮由来の加水分解コラーゲンを用いている。
【0044】
【表2】
【0045】
表2中、*1は(株)成和化成製のプロモイスW−32M(商品名)、*2は(株)成和化成製のアヤコールアミンアミド50E(商品名)である。
【0046】
上記ヘアトリートメント剤による処理に先立ち、実施例1と同様の操作で3回のブリーチ処理を行った損傷毛髪の毛束を3本作製した。この損傷毛髪の毛束を、加水分解ペプチドやその誘導体を含まない市販のシャンプーで洗浄し、お湯でゆすいだ。この洗浄後の毛束に約40℃の温水を含ませた後、実施例2および比較例3〜4のヘアトリートメント剤0.5mlをそれぞれの毛束に均一に塗布して毛髪になじませた後、ラップフィルム上で2分間放置し、お湯でゆすぎ、室温で風乾させた。このシャンプー洗浄とヘアトリートメント処理操作を5回繰り返し行なった後、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を10人のパネラーに、実施例1と同様の評価基準で評価させた。その結果を表3に10人の平均値で示す。
【0047】
【表3】
【0048】
表3に示すように、実施例2のヘアトリートメント剤で処理した毛束は、比較例3〜4で処理した毛束よりも、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性のいずれにおいても評価値が高かった。また、評価項目にはないが、パネラーの大多数が、実施例2のヘアトリートメント剤で処理した毛髪は、光沢のある艶を有するが、比較例3のヘアトリートメント剤で処理した毛髪はべたつきがあると答えていた。この結果より、イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを配合した実施例2のヘアトリートメント剤は、従来より一般的にヘアコンディショニング剤として使用されているカチオン性界面活性剤の塩化ジステアリルジメチルアンモニウムを配合した比較例3や魚皮由来の加水分解コラーゲンを配合した比較例4のヘアトリートメント剤に比べて、処理後の毛髪に光沢のある艶、潤い感を付与し、なめらかさ、櫛通り性を向上させる作用に優れていることが明らかであった。
【0049】
実施例3よび比較例5〜6
表4に示す組成の3種類の毛髪処理剤を調整し、それぞれの毛髪処理剤を損傷毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を評価した。
【0050】
実施例3では、前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が3のイソステアロイル加水分解コラーゲンの2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩であるイソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用い、比較例5ではペプチド部分の数平均分子量が約300の牛皮由来加水分解コラーゲンのアシル化物の塩であるヤシ油脂肪酸加水分解牛皮由来コラーゲンカリウムを用い、比較例6では加水分解コラーゲンのアシル化物の塩などは全く用いていない。
【0051】
【表4】
【0052】
表4中、*3は(株)成和化成製のプロモイスECP−C(商品名)、*4は(株)成和化成製のプロモイスWG(商品名)である。
【0053】
上記毛髪処理剤による処理に先立ち、実施例1と同様の操作で5回のブリーチ処理を行った損傷毛髪の毛束を3本作製し、このブリーチした毛束を、40℃に加温した実施例3および比較例5〜6の試料溶液100g中にそれぞれ10分間浸漬し、振とうさせ、その後、水道水流水中で30秒間ゆすぎ、室温で風乾させた。この操作を3回繰り返した。
【0054】
上記処理を行った後、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を10人の女性パネラーに実施例1と同様の評価基準で評価させた。その結果を表5に10人の平均値で示す。
【0055】
【表5】
【0056】
表5に示すように、イソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを配合した実施例3で処理した毛髪は、加水分解コラーゲンのアシル化物などは全く用いていない比較例6で処理した毛髪は勿論のこと、ヤシ油脂肪酸加水分解牛皮由来コラーゲンカリウムを配合した比較例5と比較しても、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性のいずれの評価項目においても同等またはそれ以上の評価結果であり、パネラーの多数が、実施例3の毛髪処理剤で処理した毛髪は、光沢に優れる艶を有するがべたつきがないと答えていた。この結果から、イソステアロイル加水分解牛皮由来加水分解コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールは毛髪をなめらかにし、艶、潤い感を付与し、毛髪の櫛通り性を改善する効果に優れていることが明らかであった。
【0057】
実施例4よび比較例7
表6に示す組成の2種類のヘアクリームを調製し、頭髪に使用後の毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性を評価した。
【0058】
実施例4では、前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解シルクの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が4のイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲンの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩であるイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用い、比較例7ではペプチド部分の数平均分子量が約400のヤシ油脂肪酸加水分牛皮由来コラーゲンナトリウムを用いている。
【0059】
【表6】
【0060】
表6中、*5は(株)成和化成製のプロモイスECS(商品名)である。
【0061】
上記実施例4のヘアクリームと比較例7のヘアクリームを10名の女性パネラーに、最初の7日間は比較例7のヘアクリームで処理させ、次の7日間は実施例4のヘアクリームで処理させることによって比較評価させた。
【0062】
毛髪の処理方法は、ヘアクリームを適量手のひらにとり(量は頭髪量によって異なる)、手でヘアクリームを頭髪に擦り込むように塗布し、ヘアドライヤーで乾燥することによって行った。
【0063】
14日間の使用期間後(すなわち、実施例4のヘアクリーム7日間使用後)、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性について、比較例7のヘアクリームを使用していた時より良くなったか、悪くなったか、あるいは変わらなかったかを回答させた。その結果を表7に、良くなったと答えた人数、変わらないと答えた人数、悪くなったと答えた人数で示す。
【0064】
【表7】
【0065】
表7に示す結果から明らかなように、イソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを配合した実施例4のヘアクリームの使用後は、ヤシ油脂肪酸加水分解牛皮由来コラーゲンナトリウムを配合した比較例7のヘアクリームを使用していた時よりも良くなったと答えた人数が、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性のいずれの評価項目においても半数を超えていて、イソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールは使用後の毛髪に艶、潤い感、なめらかさを付与し櫛通り性を改善する効果に優れていることが明らかであった。特に、毛髪の艶については、良くなったと答えたパネラーの大多数が、べたつきはないが光沢を有するようになったと答えていた。
【0066】
実施例5および比較例8
前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が3のイソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲンの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩であるイソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用いて下記の組成のヘアリンスを調製した。
【0067】
イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2− 8.0
アミノ−2−メチル−1−プロパノール(25%)
ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド〔(株) 3.0
成和化成製、アヤコールアミンアミド50E(商品
名)〕
モノイソステアリン酸グリセリル 0.8
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル 1.4
イソステアリン酸イソプロピル 8.5
セタノール 4.5
1,3−ブチレングリコール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
クエン酸 0.5
滅菌イオン交換水 計100とする
【0068】
また、上記とは別に、イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを配合せず、そのぶん、滅菌イオン交換水を増量し、他の組成は実施例5と同一にしたヘアリンスを調製し、それを比較例8とした。
【0069】
上記の2種類のヘアリンスについて、男女5人ずつのパネラーに頭髪に使用させ、すすぎ時の毛髪のきしみ感の少なさ、指通り性、乾燥後の毛髪のまとまり性、なめらかさ、潤い感、櫛通り性について評価させた。
【0070】
頭髪の処理方法は、シャンプーの後、頭髪を左右2つに分け、右または左の頭髪を実施例5のヘアリンスで処理し、他方の頭髪を比較例8のヘアリンスで処理させるハーフヘッド法で行った。リンスの処理法(処理剤の塗布方法、ゆすぎ方法など)は各パネラーが通常行なっているリンス処理法と同様にさせた。
【0071】
各パネラーに、すすぎ時の毛髪のきしみ感の少なさ、指通り性、乾燥後の毛髪のまとまり性、なめらかさ、潤い感、櫛通り性について、良い方を〔1点〕とし、悪い方を〔0点〕として評価させた。その結果を表8に10人の合計点数で示す。
【0072】
【表8】
【0073】
表8に示すように、実施例5のヘアリンスは、比較例8のヘアリンスに比べて、ヘアリンスのすすぎ時、乾燥後の毛髪の状態のいずれの評価項目においても評価値が高く、イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールをヘアリンスに配合すると、すすぎ時には、毛髪のきしみ感が少なく、指通り性が良好で、乾燥後には処理毛髪に潤い感を付与し、毛髪のまとまり性、なめらかさ、櫛通り性を向上させることが明らかであった。なお、すすぎ時にきしみ感が少ないのは、イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが毛髪をなめらかにしてすべりを良くするためであり、乾燥後の毛髪のまとまり性が良くなるのは、毛髪がしなやかでしっとりしたためと考えられる。
【0074】
実施例6よび比較例9〜10
表9に示す組成の3種類の毛髪処理剤を調整し、それぞれの毛髪処理剤を損傷毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を評価した。また、処理毛髪の水分量を電子水分計によって測定し保湿効果を比較した。
【0075】
実施例6では、前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が2のイソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲンの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩であるイソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用い、比較例9ではイソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールに代えてペプチドの数平均分子量が約220の牛皮由来の加水分解コラーゲンを用い、比較例10はイソステアロイル加水分解ペプチドの有機アルカノールアミン塩などは全く用いていない。
【0076】
【表9】
【0077】
表9中、*6は(株)成和化成製のプロモイスW−32R(商品名)、*7は(株)成和化成製のプロモイスWS(商品名)である。
【0078】
上記毛髪処理剤による処理に先立ち、実施例1と同様の操作でブリーチ処理を5回繰り返した損傷毛髪の毛束を9本作製し、このブリーチした毛束を3本ずつ、40℃に加温した実施例6および比較例9〜10の毛髪処理剤100g中に10分間浸漬し、振とうさせ、その後、水道水流水中で30秒間ゆすぎ、室温で風乾させた。この操作を5回繰り返し行なった。
【0079】
上記の毛髪処理を行った後、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を10人の女性パネラーに実施例1と同様の評価基準で評価させた。また、処理毛髪の保湿効果を実施例1と同様の方法で電子水分計により1試料につき4回測定し、一次結合水含有率を求めた。それらの結果を表10に平均値で示す。
【0080】
【表10】
【0081】
表10に示すように、実施例6の毛髪処理剤で処理した毛髪は比較例9〜10の毛髪処理剤で処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性のいずれの評価項目においても評価値が高く、実施例6に配合したイソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールは、毛髪をなめらかにし、艶、潤い感を付与し、さらに毛髪の櫛通り性を改善する効果に優れていることが明らかであった。
【0082】
毛髪の保湿効果を表す一次結合水含有率は、実施例6の毛髪処理剤で処理した毛髪が最も高く、比較例9の毛髪処理剤で処理した毛髪より15.2%、比較例10の毛髪処理剤で処理した毛髪より51.4%も一次結合水含有率が高く、イソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールは加水分解牛皮由来コラーゲンよりも毛髪に水分を保持させる効果に優れていることが明らかであり、毛髪に潤い感を付与する効果に優れていることが明らかであった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有する毛髪処理剤に関し、さらに詳しくは、損傷毛髪に対する保湿効果に優れているとともに、毛髪をなめらかにして櫛通り性を改善し、毛髪に適度な油性感を有する艶を付与する作用に優れた毛髪処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント剤毛髪処理剤には、コンディショニング剤として、カチオン性界面活性剤、シリコーン、油性物質などが配合されてきた。
【0003】
しかしながら、上記の工夫では、毛髪の表面物性が改善されるだけであって、パーマネントウェーブ処理や染毛処理などの強い化学的処理、毎日の洗髪による毛髪のタンパク成分の溶出による毛髪の損傷、ヘアドライヤーや過剰なブラッシングなどの物理的損傷などによって毛髪の保湿性が低下したり、毛髪がぱさつくようになったときに、それらを解消することができないという問題があった。特に、高分子量のシリコーンや化粧品に用いられる油性物質などの疎水性物質は、損傷の少ない毛髪、すなわち疎水性が強い毛髪には収着しやすいが、損傷毛、すなわち損傷によって親水性基が表面に露出してきて親水性が強くなった毛髪には収着しにくいと言われ、損傷毛に対しては、シリコーンや油性物質の有する特性を充分に発揮することができないという問題があった。さらに、高分子量のシリコーンのほとんどは、本来親油性物質であり、油性物質を水溶性のヘアリンスやヘアトリートメント剤に配合する際には、乳化剤を併用し、これらが分離しないようにする必要があった。
【0004】
そのため、毛髪化粧料に、コラーゲン、ケラチン、シルクなどの蛋白質を加水分解した加水分解ペプチドを配合し、損傷により溶出したタンパクを補ったり、毛髪表面に被膜を形成させて毛髪に艶や良好な櫛通り性を付与することも広く行われている。
【0005】
しかしながら、加水分解ペプチドは毛髪表面に被膜を形成し、損傷した毛髪を回復させ、毛髪に艶や潤い感を付与する効果を有するものの、シリコーンや毛髪化粧品に用いられる油性物質のような滑らかさ、櫛通り性の付与作用においては、シリコーンやその他の油性物質にやや劣るという問題があった。
【0006】
そのため、シルクの加水分解物とラノリン脂肪酸を縮合させて得られるラノリン脂肪酸アシル化加水分解シルクの塩を毛髪化粧料に配合し、毛髪に滑らかさや良好な櫛通り性の付与効果を発揮させる試みもあるが(例えば、特開平8−310620号公報)、この加水分解シルクのラノリン脂肪酸アシル化物は、脂肪酸部分の炭素数が大きいため、使用後の毛髪に強すぎる油性感によるべたつき感が残る上に、水溶性化粧料中では濁りや沈殿が生じやすく、保存安定性に劣るという問題があった。
【0007】
また、アシル化加水分解コラーゲンの塩やアシル化アミノ酸の塩をヘアコンディショナーやヘアリンスに配合することも行われているが(例えば、特開昭57−70810号公報、特開昭61−148418号公報、特開平3−264515号公報など)、これらの公報においては、アシル化加水分解コラーゲンは乳化剤としての機能に用いられているにすぎない。
【0008】
この問題を解決するため、本発明者らは、アシル化加水分解タンパクの洗浄剤や乳化剤以外の効果について追求し、加水分解シルクのアシル化物の塩の毛髪コンディショニング剤としての利用を提案した(特開2000−155706号公報)。
【0009】
しかしながら、前記公報に記載のアシル化加水分解シルクでは、毛髪に潤い感、なめらかさや良好な櫛通り性を付与する効果に優れるものの、油性感のある艶を付与する効果にやや劣り、特に化学的処理を受けて傷んだ毛髪に対しては、艶の付与作用の面で充分に満足できるものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決し、特に損傷の大きい毛髪に対しても、優れた潤い感、なめらかさ、良好な櫛通り性を付与するだけでなく、適度な油性感のある艶を付与し、しかもその艶が脂ぎったべたつき感を有せず、毛髪をしなやかでしっとりとした感触に仕上げるコンディショニング効果に優れた毛髪処理剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため研究を重ねた結果、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有させて毛髪処理剤を調製するときは、毛髪の保湿効果に優れるとともに、毛髪になめらかさ、適度な油性感のある艶や潤い感を付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、枝毛を防止し、かつ毛髪をしなやかで、しっとりとした感触に仕上げることができ、特に、これらの作用は、損傷した毛髪に対して効果が大きいことを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0012】
さらに、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩は水溶性であるので、水系化粧品処方に容易に配合でき、しかも、乳化性を有するので、毛髪処理剤に配合される他の成分とも相溶性が良く、保存安定性も良好である。
【0013】
上記のような、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の毛髪への効果は、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の有機アルカノールアミンに2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩または2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩を用いると顕著に発揮される。
【0014】
また、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の加水分解コラーゲン部分に、魚類由来のコラーゲンを用いると、牛や豚の皮や骨由来コラーゲン加水分解物の特有の動物臭が少なく、さらに、魚類由来コラーゲンに魚鱗由来のコラーゲン加水分解物を用いると魚臭も少なく、使用上好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の毛髪処理剤に含有させるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩は、下記一般式(I)
【0016】
【化1】
【0017】
〔式中、RCOはイソステアロイル基を示し、R1 は加水分解コラーゲンペプチドを構成する種々のアミノ酸の側鎖を表し、nは2〜10であり、Mは有機アルカノールアミンである〕
で示され、コラーゲンの加水分解物とイソステアリン酸を縮合させた後、有機アルカノールアミンで中和することで得られ、例えば、特開平6−122610号公報記載の方法で製造することができる。
【0018】
コラーゲン加水分解物のコラーゲン源としては、例えば、牛や豚の皮や骨、魚皮、魚鱗、鰾、海綿動物など由来を問わないが、加水分解ペプチドのにおいの面で、魚皮、魚骨、魚鱗を含めた魚類由来のコラーゲンが好ましい。そして、コラーゲンの加水分解物(加水分解コラーゲン)は、上記のコラーゲンを酸、アルカリ、酵素およびそれらの併用など、公知の方法で分解することによって得られる。
【0019】
上記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、加水分解コラーゲン部分は、毛髪への収着性やイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の乳化力の面から、その分子量が約200〜約1000のものが好ましく、特に約250〜800のものが好ましい。
【0020】
コラーゲンの構成アミノ酸から求めたアミノ酸の平均分子量は108であるので、上記の分子量範囲の200〜1000という数値は、前記一般式(I)においてnが約2〜約10に相当する〔ペプチド結合を形成する際には水1分子(分子量18)が脱水される〕。従って、特に好ましいnの範囲は2.5〜8である。なお、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩のペプチド部分、すなわちコラーゲン加水分解物は、前記のようにコラーゲンを加水分解して得られるもののため、分子量の異なるものの混合物として得られ、そのため、nの測定値は平均値となる。
【0021】
また、上記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、RCO−で表されるイソステアロイル基はイソステアリン酸に由来するものであるが、イソステアリン酸としては、例えば、ダイマー酸製造時における副生物として得られるイソステアリン酸、ガーベット反応で製造されたガーベットアルコールを酸化して得られるイソステアリン酸、アルドール縮合法で得られるイソステアリン酸、さらには、2次分岐したイソステアリン酸などあるが、高級アルコール工業(株)、三菱化学(株)、日産化学(株)、米国エメリー社などから市販されていて、いずれも本発明の毛髪処理剤に含有させるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩に使用することができる。
【0022】
そして、上記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を構成するMで表される有機アルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールなどであるが、本発明の毛髪処理剤で用いるには、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールまたは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが特に好適である。
【0023】
本発明の毛髪処理剤は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント剤、ヘアトリートメントクリーム、ヘアトリートメントムース、PPT(ポリペプタイド)トリートメント剤、ヘアクリームなどを対象とし、これらの毛髪処理剤に、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有させることによって構成される。
【0024】
そして、本発明の毛髪処理剤中でのイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の含有量(毛髪処理剤への配合量)としては、毛髪への適用後に洗い流すタイプや洗い流さないタイプなど毛髪処理剤の使用方法によって多少異なるが、毛髪処理剤中0.01〜20重量%、好ましくは、洗い流すタイプで0.1〜15重量%、洗い流さないタイプで0.05〜5重量%である。イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の毛髪処理剤中での含有量が上記範囲より少ない場合は、毛髪に艶や油性感のある光沢を付与する作用が低下し、逆に、イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の毛髪処理剤中での含有量が上記範囲より多くなると、毛髪にべたつき感を与えるおそれがあり、特に、洗い流さないタイプの場合には毛髪処理剤を毛髪に適用した際に泡立つおそれがある。
【0025】
本発明の毛髪処理剤は、上記のように、従来の各種毛髪処理剤にイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有させることによって構成されるが、本発明の効果を損なわない範囲で適宜他の成分を添加することができる。
【0026】
そのような成分としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマー、増粘剤、動植物抽出物、ポリサッカライドまたはその誘導体、動植物および微生物由来のタンパク質の加水分解ペプチドやその誘導体、湿潤剤、低級アルコール類、高級アルコール類、アミノ酸、油脂類、シリコーン類、防腐剤、香料などが挙げられる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の毛髪処理剤は、含有するイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩が損傷毛髪の保湿効果に優れ、毛髪に優れたなめらかさ、適度な油性感のある艶を付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、枝毛を防止し、しかも脂ぎったべたつき感がなく、毛髪をしなやかで、しっとりとした感触に仕上げることができる。
【0028】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例や比較例中における各成分の配合量はいずれも質量部によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示す。また、これらの実施例や比較例においては、毛髪処理剤の調製を行う関係もあって、各成分に関して「含有」という表現をせず、「配合」という表現で説明する。
【0029】
実施例1および比較例1〜2
前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩と加水分解コラーゲンペプチドを損傷毛髪に使用して、毛髪のなめらかさを測定し、毛髪の艶、潤い感および櫛通り性を官能試験により比較評価した。さらに、それぞれの処理毛髪の水分量を電子水分計によって測定し、保湿効果も比較した。
【0030】
実施例1では、前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が3のイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲンの有機アルカノールアミン塩であるイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用い、比較例1ではイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールに代えて数平均分子量が300の牛皮由来加水分解コラーゲンを用いている。また、比較例2は、毛髪処理成分などを用いず、滅菌イオン交換水のみでの比較対照のためのブランク試験である。実施例1および比較例1とも、それぞれの試料は水に溶解し、その有効成分(固形分濃度)が1%になるように調整し以下の試験に用いた。
【0031】
上記各試料による処理に先立ち、処理用の毛髪として、洗浄、ブリーチ処理を行なった損傷毛髪を作製した。すなわち、長さ13cmで重さ1.7gの毛束を9本用意し、あらかじめ2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水流水中でゆすいで室温で風乾させた。つぎに、6%過酸化水素水と2%アンモニア水を1:1に調製したブリーチ剤に30分間浸漬した後、水道水流水中でゆすぎ、1Mクエン酸と0.2Mリン酸水素二ナトリウムの緩衝液(pH3)に5分間浸漬し、水道水流水中でゆすいで室温で風乾させた。この操作を5回繰り返し行ない試験用損傷毛髪とした。
【0032】
このブリーチした損傷毛髪の毛束3本ずつをそれぞれ、40℃に加温した実施例1および比較例1〜2の試験溶液100g中に10分間浸漬し、振とうさせ、その後、水道水流水中で30秒間ゆすぎ、室温で風乾させた。この操作を3回繰り返した。
【0033】
上記の処理を行った毛束のなめらかさを、カトーテック(株)製の摩擦感テスターKES−SEを使用して摩擦力を測定することによって評価した。この装置においては、なめらかさ(ざらつき)は、試料の表面の一定距離を移動する摩擦子が感じる摩擦係数の平均偏差で表され、単位は無次元であり、値が小さいほど「なめらかである」ことを示している。摩擦力の測定は、湿度49±1%、温度22℃±1℃の条件下で、一つの毛束につき10回測定しその平均値を測定値とした。
【0034】
次に、同じ毛束を用いて、毛髪の艶、潤い感、櫛通り性を10人のパネラーにより官能評価した。評価は、最も良いものを〔2点〕とし、2番目に良いものを〔1点〕とし、悪いものを〔0点〕とし、その平均値を評価値とした。
【0035】
また、それぞれ残りの2本ずつの毛束を用いて、処理毛髪の保湿効果を電子水分計によって水分量を測定することによって調べた。処理毛髪の水分量測定は、(株)島津製作所製電子式水分計EB−330MOCを用いて以下のように行った。すなわち、湿度82%、温度25℃の恒湿箱に20時間保存した長さ約1cmに切断した処理毛髪約300mgを電子水分計の秤量皿に載せ、ヘアドライヤーによる乾燥を想定した65℃で40分間加熱し、その間の相対重量変化を30秒ごとに記録する。次いで毛髪に直接吸着している一次結合水が完全に蒸散する温度を想定した180℃にして30分間加熱し、同様に相対重量変化を記録する。記録した相対重量変化の30分から40分の値の平均を第一収束値とし、60分から70分の値の平均を第二収束値として、毛髪に直接吸着している一次結合水の含有率を次に示す式で求める。一次結合水含有率の値が大きいほど保湿効果が高いことを表している。この水分量測定試験では、実施例1および比較例1〜2の各毛髪につきそれぞれ4回ずつ測定してその平均値を測定値とした。
【0036】
【0037】
処理後の毛髪のなめらかさ、パネラーによる官能評価および一次結合水含有率測定結果を表1に示す。なお、試験では上記のように、毛髪のなめらかさを測定した後に毛髪の官能評価を行ったが、表1では、官能評価となめらかさの測定結果の関連が分かりやすいように、官能評価の結果、毛髪のなめらかさの結果、一次結合水含有率の順に示している。
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示すように、実施例1で処理した毛髪は比較例1〜2で処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感、櫛通り性のいずれの官能評価項目においても評価値が高く、特に、潤い感に関しては大多数の人が実施例1で処理した毛髪はしっとりしていてなめらかと答えていた。この結果から、イソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールは毛髪をなめらかにし、艶、潤い感を付与し、さらに毛髪の櫛通り性を改善する効果に優れていることが明らかであった。
【0040】
毛髪のなめらかさの評価を示す摩擦係数の平均偏差は、実施例1で処理した毛髪が最も小さく、比較例1で処理した毛髪の88.2%、ブランク試験である比較例2で処理した毛髪の87.5%であった。この結果から、実施例1のイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールが毛髪表面に均一に吸着し、毛髪表面をなめらかにする作用に優れていることが明らかであった。
【0041】
毛髪の保湿効果を表す一次結合水含有率は、実施例1で処理した毛髪が最も多く、比較例1で処理した毛髪より13.9%、ブランク試験の比較例2の毛髪より53.1%も一次結合水含有率が高く、この結果、イソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールが毛髪内部まで吸着して毛髪に水分を保持させる効果を高め、毛髪にしなやかでしっとりした感触を付与する効果に優れていることが明らかであった。
【0042】
実施例2および比較例3〜4
表2に示す組成の3種類のヘアトリートメント剤を調製し、それぞれのヘアトリートメント剤を損傷毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を評価した。
【0043】
実施例2では、前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が4のイソステアロイル加水分解シルクの2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩であるイソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用い、比較例3はイソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールに代えてヘアトリートメント剤に一般的に用いられる塩化ジステアリルジメチルアンモニウムを用い、比較例4では、イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールに代えてペプチド部分の数平均分子量が約400の魚皮由来の加水分解コラーゲンを用いている。
【0044】
【表2】
【0045】
表2中、*1は(株)成和化成製のプロモイスW−32M(商品名)、*2は(株)成和化成製のアヤコールアミンアミド50E(商品名)である。
【0046】
上記ヘアトリートメント剤による処理に先立ち、実施例1と同様の操作で3回のブリーチ処理を行った損傷毛髪の毛束を3本作製した。この損傷毛髪の毛束を、加水分解ペプチドやその誘導体を含まない市販のシャンプーで洗浄し、お湯でゆすいだ。この洗浄後の毛束に約40℃の温水を含ませた後、実施例2および比較例3〜4のヘアトリートメント剤0.5mlをそれぞれの毛束に均一に塗布して毛髪になじませた後、ラップフィルム上で2分間放置し、お湯でゆすぎ、室温で風乾させた。このシャンプー洗浄とヘアトリートメント処理操作を5回繰り返し行なった後、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を10人のパネラーに、実施例1と同様の評価基準で評価させた。その結果を表3に10人の平均値で示す。
【0047】
【表3】
【0048】
表3に示すように、実施例2のヘアトリートメント剤で処理した毛束は、比較例3〜4で処理した毛束よりも、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性のいずれにおいても評価値が高かった。また、評価項目にはないが、パネラーの大多数が、実施例2のヘアトリートメント剤で処理した毛髪は、光沢のある艶を有するが、比較例3のヘアトリートメント剤で処理した毛髪はべたつきがあると答えていた。この結果より、イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを配合した実施例2のヘアトリートメント剤は、従来より一般的にヘアコンディショニング剤として使用されているカチオン性界面活性剤の塩化ジステアリルジメチルアンモニウムを配合した比較例3や魚皮由来の加水分解コラーゲンを配合した比較例4のヘアトリートメント剤に比べて、処理後の毛髪に光沢のある艶、潤い感を付与し、なめらかさ、櫛通り性を向上させる作用に優れていることが明らかであった。
【0049】
実施例3よび比較例5〜6
表4に示す組成の3種類の毛髪処理剤を調整し、それぞれの毛髪処理剤を損傷毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を評価した。
【0050】
実施例3では、前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が3のイソステアロイル加水分解コラーゲンの2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩であるイソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用い、比較例5ではペプチド部分の数平均分子量が約300の牛皮由来加水分解コラーゲンのアシル化物の塩であるヤシ油脂肪酸加水分解牛皮由来コラーゲンカリウムを用い、比較例6では加水分解コラーゲンのアシル化物の塩などは全く用いていない。
【0051】
【表4】
【0052】
表4中、*3は(株)成和化成製のプロモイスECP−C(商品名)、*4は(株)成和化成製のプロモイスWG(商品名)である。
【0053】
上記毛髪処理剤による処理に先立ち、実施例1と同様の操作で5回のブリーチ処理を行った損傷毛髪の毛束を3本作製し、このブリーチした毛束を、40℃に加温した実施例3および比較例5〜6の試料溶液100g中にそれぞれ10分間浸漬し、振とうさせ、その後、水道水流水中で30秒間ゆすぎ、室温で風乾させた。この操作を3回繰り返した。
【0054】
上記処理を行った後、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を10人の女性パネラーに実施例1と同様の評価基準で評価させた。その結果を表5に10人の平均値で示す。
【0055】
【表5】
【0056】
表5に示すように、イソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを配合した実施例3で処理した毛髪は、加水分解コラーゲンのアシル化物などは全く用いていない比較例6で処理した毛髪は勿論のこと、ヤシ油脂肪酸加水分解牛皮由来コラーゲンカリウムを配合した比較例5と比較しても、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性のいずれの評価項目においても同等またはそれ以上の評価結果であり、パネラーの多数が、実施例3の毛髪処理剤で処理した毛髪は、光沢に優れる艶を有するがべたつきがないと答えていた。この結果から、イソステアロイル加水分解牛皮由来加水分解コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールは毛髪をなめらかにし、艶、潤い感を付与し、毛髪の櫛通り性を改善する効果に優れていることが明らかであった。
【0057】
実施例4よび比較例7
表6に示す組成の2種類のヘアクリームを調製し、頭髪に使用後の毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性を評価した。
【0058】
実施例4では、前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解シルクの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が4のイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲンの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩であるイソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用い、比較例7ではペプチド部分の数平均分子量が約400のヤシ油脂肪酸加水分牛皮由来コラーゲンナトリウムを用いている。
【0059】
【表6】
【0060】
表6中、*5は(株)成和化成製のプロモイスECS(商品名)である。
【0061】
上記実施例4のヘアクリームと比較例7のヘアクリームを10名の女性パネラーに、最初の7日間は比較例7のヘアクリームで処理させ、次の7日間は実施例4のヘアクリームで処理させることによって比較評価させた。
【0062】
毛髪の処理方法は、ヘアクリームを適量手のひらにとり(量は頭髪量によって異なる)、手でヘアクリームを頭髪に擦り込むように塗布し、ヘアドライヤーで乾燥することによって行った。
【0063】
14日間の使用期間後(すなわち、実施例4のヘアクリーム7日間使用後)、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性について、比較例7のヘアクリームを使用していた時より良くなったか、悪くなったか、あるいは変わらなかったかを回答させた。その結果を表7に、良くなったと答えた人数、変わらないと答えた人数、悪くなったと答えた人数で示す。
【0064】
【表7】
【0065】
表7に示す結果から明らかなように、イソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを配合した実施例4のヘアクリームの使用後は、ヤシ油脂肪酸加水分解牛皮由来コラーゲンナトリウムを配合した比較例7のヘアクリームを使用していた時よりも良くなったと答えた人数が、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性のいずれの評価項目においても半数を超えていて、イソステアロイル加水分解魚鱗由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールは使用後の毛髪に艶、潤い感、なめらかさを付与し櫛通り性を改善する効果に優れていることが明らかであった。特に、毛髪の艶については、良くなったと答えたパネラーの大多数が、べたつきはないが光沢を有するようになったと答えていた。
【0066】
実施例5および比較例8
前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が3のイソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲンの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩であるイソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用いて下記の組成のヘアリンスを調製した。
【0067】
イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2− 8.0
アミノ−2−メチル−1−プロパノール(25%)
ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド〔(株) 3.0
成和化成製、アヤコールアミンアミド50E(商品
名)〕
モノイソステアリン酸グリセリル 0.8
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル 1.4
イソステアリン酸イソプロピル 8.5
セタノール 4.5
1,3−ブチレングリコール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
クエン酸 0.5
滅菌イオン交換水 計100とする
【0068】
また、上記とは別に、イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを配合せず、そのぶん、滅菌イオン交換水を増量し、他の組成は実施例5と同一にしたヘアリンスを調製し、それを比較例8とした。
【0069】
上記の2種類のヘアリンスについて、男女5人ずつのパネラーに頭髪に使用させ、すすぎ時の毛髪のきしみ感の少なさ、指通り性、乾燥後の毛髪のまとまり性、なめらかさ、潤い感、櫛通り性について評価させた。
【0070】
頭髪の処理方法は、シャンプーの後、頭髪を左右2つに分け、右または左の頭髪を実施例5のヘアリンスで処理し、他方の頭髪を比較例8のヘアリンスで処理させるハーフヘッド法で行った。リンスの処理法(処理剤の塗布方法、ゆすぎ方法など)は各パネラーが通常行なっているリンス処理法と同様にさせた。
【0071】
各パネラーに、すすぎ時の毛髪のきしみ感の少なさ、指通り性、乾燥後の毛髪のまとまり性、なめらかさ、潤い感、櫛通り性について、良い方を〔1点〕とし、悪い方を〔0点〕として評価させた。その結果を表8に10人の合計点数で示す。
【0072】
【表8】
【0073】
表8に示すように、実施例5のヘアリンスは、比較例8のヘアリンスに比べて、ヘアリンスのすすぎ時、乾燥後の毛髪の状態のいずれの評価項目においても評価値が高く、イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールをヘアリンスに配合すると、すすぎ時には、毛髪のきしみ感が少なく、指通り性が良好で、乾燥後には処理毛髪に潤い感を付与し、毛髪のまとまり性、なめらかさ、櫛通り性を向上させることが明らかであった。なお、すすぎ時にきしみ感が少ないのは、イソステアロイル加水分解魚皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが毛髪をなめらかにしてすべりを良くするためであり、乾燥後の毛髪のまとまり性が良くなるのは、毛髪がしなやかでしっとりしたためと考えられる。
【0074】
実施例6よび比較例9〜10
表9に示す組成の3種類の毛髪処理剤を調整し、それぞれの毛髪処理剤を損傷毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を評価した。また、処理毛髪の水分量を電子水分計によって測定し保湿効果を比較した。
【0075】
実施例6では、前記一般式(I)で示されるイソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩において、ペプチド部分のnの平均値が2のイソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲンの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩であるイソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用い、比較例9ではイソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールに代えてペプチドの数平均分子量が約220の牛皮由来の加水分解コラーゲンを用い、比較例10はイソステアロイル加水分解ペプチドの有機アルカノールアミン塩などは全く用いていない。
【0076】
【表9】
【0077】
表9中、*6は(株)成和化成製のプロモイスW−32R(商品名)、*7は(株)成和化成製のプロモイスWS(商品名)である。
【0078】
上記毛髪処理剤による処理に先立ち、実施例1と同様の操作でブリーチ処理を5回繰り返した損傷毛髪の毛束を9本作製し、このブリーチした毛束を3本ずつ、40℃に加温した実施例6および比較例9〜10の毛髪処理剤100g中に10分間浸漬し、振とうさせ、その後、水道水流水中で30秒間ゆすぎ、室温で風乾させた。この操作を5回繰り返し行なった。
【0079】
上記の毛髪処理を行った後、毛髪の艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を10人の女性パネラーに実施例1と同様の評価基準で評価させた。また、処理毛髪の保湿効果を実施例1と同様の方法で電子水分計により1試料につき4回測定し、一次結合水含有率を求めた。それらの結果を表10に平均値で示す。
【0080】
【表10】
【0081】
表10に示すように、実施例6の毛髪処理剤で処理した毛髪は比較例9〜10の毛髪処理剤で処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性のいずれの評価項目においても評価値が高く、実施例6に配合したイソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールは、毛髪をなめらかにし、艶、潤い感を付与し、さらに毛髪の櫛通り性を改善する効果に優れていることが明らかであった。
【0082】
毛髪の保湿効果を表す一次結合水含有率は、実施例6の毛髪処理剤で処理した毛髪が最も高く、比較例9の毛髪処理剤で処理した毛髪より15.2%、比較例10の毛髪処理剤で処理した毛髪より51.4%も一次結合水含有率が高く、イソステアロイル加水分解牛皮由来コラーゲン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールは加水分解牛皮由来コラーゲンよりも毛髪に水分を保持させる効果に優れていることが明らかであり、毛髪に潤い感を付与する効果に優れていることが明らかであった。
Claims (4)
- イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩を含有することを特徴とする毛髪処理剤。
- イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩がイソステアロイル加水分解コラーゲンの2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩または2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩である請求項1記載の毛髪処理剤。
- イソステアロイル加水分解コラーゲンの加水分解コラーゲン部分が、魚類由来のコラーゲン加水分解物である請求項1または2記載の毛髪処理剤。
- イソステアロイル加水分解コラーゲンの有機アルカノールアミン塩の含有量が0.01〜20重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪処理剤。
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