JP2000086454A

JP2000086454A - 毛髪化粧料

Info

Publication number: JP2000086454A
Application number: JP10258616A
Authority: JP
Inventors: Masakazu Muto; 正和武藤
Original assignee: Kose Corp
Current assignee: Kose Corp
Priority date: 1998-09-11
Filing date: 1998-09-11
Publication date: 2000-03-28

Abstract

(57)【要約】【課題】傷んだ毛髪を補修し、使用性に優れ、べたつ
きを感じることなく、毛髪にツヤを付与できる毛髪化粧
料を提供すること。【解決手段】次の成分（Ａ）及び（Ｂ）、（Ａ）一般
式（１）で表される化合物【化１】（Ｒは炭素数８〜２２のアルキル基を示し、Ｘは酸を示
す）（Ｂ）天然トリグリセライドを含有することを特徴とす
る毛髪化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪化粧料に関
し、さらに詳細には、毛髪に滑らかさ、柔軟性、しっと
り感を付与することにより、傷んだ毛髪を補修し、べた
つきを感じることなく、毛髪にツヤを付与する毛髪化粧
料に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、毛髪化粧料において、傷んだ髪を
しっとり滑らかになるようにケアし、まとまりを良く
し、また、適度なツヤを付与するために、アミノ酸や蛋
白質、水溶性高分子、多価アルコール等の水溶性成分、
シリコン油やエステル油、トリグリセライドなどの油溶
性成分が適宜配合されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アミノ
酸や蛋白質、水溶性高分子、多価アルコール等の水溶性
成分はしっとり感が強く、仕上りが重くなり、べたつき
を生じる傾向があり、また、ツヤを出すという点でも十
分な効果は得られないという問題があった。一方、油溶
性成分であるシリコン油はツヤという点では十分な効果
が得られるが、毛髪に対する浸透が弱く、毛髪を補修す
る効果に乏しいという欠点があり、エステル油は毛髪に
対する補修効果は得られるものの十分なツヤが得られな
いという欠点がある。

【０００４】これに対しトリグリセライドは、毛髪補修
効果とツヤを出すという両方の効果を合わせ持つが、合
成系のものでは分子量が小さい場合はツヤに対する効果
が不十分であり、また分子量が大きくなると毛髪補修と
ツヤの効果は十分であるが、毛髪への付着が強く、使用
時の伸びが悪くなったり、べたつきを感じたりするよう
になってしまうという問題があった。従って、傷んだ毛
髪を補修することができ、べたつきを感じることなく、
毛髪にツヤを付与するとともに使用感に優れた毛髪化粧
料の開発が望まれていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
本発明者らは上記欠点を克服すべく鋭意研究を行った結
果、特定のアミノ酸系両性界面活性剤と特定の天然トリ
グリセライドとを組み合わせて配合する事により、上述
した課題を解決し得ることを見出し本発明を完成させ
た。

【０００６】すなわち本発明は、次の成分（Ａ）及び
（Ｂ）、（Ａ）一般式（１）で表される化合物

【化２】（式中、Ｒは炭素数８〜２２のアルキル基、Ｘは酸を示
す。）（Ｂ）天然トリグリセライドを含有することを特徴とす
る毛髪化粧料である。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられる（Ａ）成分は、次の一般式（１）

【化３】（式中、ＲおよびＸは前記した意味を有する）で示され
るＬ−アルギニンの誘導体である。

【０００８】一般式（１）中、Ｒは炭素数８〜２２のア
ルキル基であるが、とりわけ炭素数が１２〜１４のもの
が好ましい。また、Ｘで表される酸としては、Ｌ−アル
ギニン部分と塩を形成して安定に存在し得るのもであれ
ば特に限定されず、塩酸、硫酸等の無機酸類、酢酸、乳
酸等の有機酸類が例示されるが、これらの中でも特に塩
酸が好ましい。

【０００９】式（１）の化合物の好ましい具体例とし
て、アルキル基の炭素数が１２又は１４である、Ｎ−
［３−アルキル（１２，１４）オキシ−２−ヒドロキシ
プロピル］−Ｌ−アルギニン塩酸塩を挙げることができ
る。この化合物はアミセーフＬＭＡ−６０（味の素社
製）として市販されており、これを好適に使用すること
ができる。

【００１０】一方、本発明に用いられる（Ｂ）成分は天
然トリグリセライドであり、具体的にはひまし油、オリ
ーブ油、つばき油、大豆油、小麦胚芽油、ごま油、パー
シック油等が例示される。これらの天然グリセライド
は、１種又は２種以上を組み合わせて用いることができ
る。

【００１１】天然トリグリセライドのほとんどは不飽和
結合を分子内に持つために、分子量が大きいにもかかわ
らず常温において液状であるが、これら液状のものは毛
髪に対する浸透効果が強く、毛髪補修効果に優れるばか
りか、一般的に屈折率が高くツヤに対しても十分な効果
を発揮するので、本発明では好ましく用いられる。な
お、ここで言う常温とは２５℃程度の温度を指す。ま
た、天然のトリグリセライドの中でも植物由来のトリグ
リセライドは、毛髪浸透作用、毛髪補修作用やツヤ付与
効果が強く、原料臭に関しても動物由来のものより優れ
ているために特に好ましい。そして本発明においては
（Ａ）成分との併用により更に毛髪への浸透効果が格段
に向上し、十分なツヤをもたらし、しかも伸びの重たさ
やべたつきを感じることが少なくなる。

【００１２】本発明の毛髪化粧料は、常法に従い、上記
（Ａ）成分と（Ｂ）成分とを適当な化粧料成分とともに
配合することにより調製される。その際の（Ａ）成分の
配合量は、全組成中０．０１〜５重量％（以下、単に
「％」で示す）程度が好ましく、更に毛髪の補修効果及
び滑沢性を高め、毛髪への過剰な付着やごわつきを抑え
る上で０．１〜３％程度がより好ましい。また、（Ｂ）
成分の配合量は、全組成中０．００１〜５％程度が好ま
しいが、毛髪補修効果やツヤを十分な使用性を満たしな
がら更に高い効果を得る上で０．０１〜２．５％程度が
より好ましい。

【００１３】本発明の毛髪化粧料において、化粧料成分
は、目的に応じ、本発明の効果を損なわない量的、質的
範囲で加えられるが、その例としては、水溶性高分子、
天然又は半合成多糖類等の粘度調整剤；イオン性又は非
イオン性の毛髪固定用皮膜形成剤；カチオン性高分子、
カチオン性界面活性剤等の髪質改良剤；洗浄剤や乳化剤
としてのイオン性界面活性剤；非イオン界面活性剤、高
級アルコール、グリセリン脂肪酸部分エステル等の乳化
助剤；グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、１，３−ブチレングリ
コール等の多価アルコール類、エタノール、ベンジルア
ルコール等の低級アルコール類；ＬＰＧ、ＤＭＥ、炭酸
ガス、窒素ガス等の噴射剤；フケ止め用等の殺菌剤；毛
髪又は頭皮用の美容成分；キレート剤等、毛髪用化粧料
において汎用される他の成分が挙げられる。また更に、
例えばｐＨ調整剤、色素、香料、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、防腐剤、粉体等、通常化粧料において使用される
他の成分の配合が可能である。

【００１４】本発明の毛髪化粧料は、他の成分との併用
や容器の機構により、例えば、液状、乳液状、クリーム
状、ジェル状、ムース状等、種々の形態とすることがで
き、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、
ヘアパック、ヘアクリーム、ヘアローション、ヘアスタ
イリングムース、ヘアスプレー、ヘアジェル等に代表さ
れる毛髪用製品として用いることができる。使用方法と
しては、毛髪に塗布した後洗い流すタイプ、または乾い
た毛髪に塗布するタイプのいずれの製品にも用いること
ができる。

【００１５】

【作用】本発明に用いられる（Ａ）成分の化合物は、前
記一般式（１）で示されるとおりであり、アルギニン部
分がカチオニックな挙動を示すアミノ酸系の両性界面活
性剤である。最近では、化学物質の環境への影響が重要
視される傾向の中にあって、（Ａ）成分の化合物は毛髪
化粧料の汎用原料である第４級アンモニウム塩型のカチ
オン界面活性剤よりも高い生分解性を示すため、毛髪の
感触改良剤として有用な化合物である。そして、（Ａ）
成分の化合物を毛髪化粧料に配合した場合には、そのカ
チオン性により毛髪へ吸着しやすいため、毛髪表面の保
護・補修効果や滑沢性を付与する効果に優れ、毛髪の感
触を改良できる。このように（Ａ）成分の化合物は優れ
た効果を有するものであるが、本発明においては前記し
たように、特に（Ｂ）成分を併用することにより、毛髪
にツヤを付与する効果が格段に優れ、しかも使用性を損
なうことがない。これらの効果は（Ａ）成分または
（Ｂ）成分をそれぞれ単独に配合した場合には得ること
ができない相乗的なものであった。

【００１６】

【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
を更に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約
されるものではない。

【００１７】実施例１および比較例１ヘアコンディショナー：表１に示す組成および下記製法
にて、本発明品１〜８のヘアコンディショナーを調製し
た。得られたヘアコンディショナーについて、下記評価
方法により、乾燥後の髪の官能評価を行った。また、表
２に示す組成および下記製法で比較品１〜４を調製し、
本発明品と同様に評価した。得られた結果を表１および
表２に示す。

【００１８】

【表１】

【００１９】

【表２】

【００２０】（製法）（８）〜（１２）の水系成分およ
び（１）〜（７）の油系成分を、それぞれ７０℃に加熱
後、水系成分の中に油系成分を徐々に加え乳化する。そ
の後、冷却、脱泡しヘアコンディショナーを得る。

【００２１】（評価方法）今までにコールドパーマやブ
リーチ等の美容処理を行ったことのない日本人女性の頭
髪２０ｃｍを３０ｇ束ねて１毛束とし、これを複数用意
した。これらの毛束を３０秒間流水ですすぎ洗いし、タ
オルで水気を拭き取った後、１束をブランクとし、他の
毛束の各々に本発明品１〜８および比較品１〜４の各試
料を１．５ｇずつ塗布した。これらを３０秒間すすぎそ
の後、毛束は３０℃恒温槽にて乾燥させ、乾燥後の滑ら
かさ、柔軟性、しっとり感、ツヤ感およびべたつきのな
さについて、（ａ）に示す５段階評価基準を用いて評価
してもらった。その後、各試料の評点の平均値を（ｂ）
に示す４段階判定基準を用いて判定した。

【００２２】（ａ）５段階評価基準（評点）（評価）４：ブランクと比較して、非常に良い３：〃、良い２：〃、変わらない１：〃、やや悪い０：〃、悪い

【００２３】（ｂ）４段階判定基準（評点）（判定）３．０を超える： ◎ ２．０を超え、３．０以下： ○ １．０を超え、２．０以下： △ １．０以下： ×

【００２４】表１および表２の結果から明らかなよう
に、本発明のヘアコンディショナーは比較品１〜４と比
較して、乾燥後の使用感（滑らかさ、柔軟性、しっとり
感、ツヤ）にも優れていた。従って、ヘアコンディショ
ナーとして優れた効果を有するものであることが実証さ
れた。

【００２５】実施例２シャンプー：下記に示す組成および製法で、シャンプー
を調製した。（組成）（成分）（重量％）（１）ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩（３E.O.）１５（２）Ｎ−［３−アルキル（１２，１４）オキシ −２−ヒドロキシプロピル］−Ｌ−アルギニン塩酸塩５（３）エデト酸二ナトリウム０．１（４）オリーブ油０．２（５）防腐剤適量（６）香料適量（７）精製水残量

【００２６】（製法）Ａ．成分（１）〜（７）を均一に混合する。Ｂ．Ａを容器に充填し、シャンプーを得る。

【００２７】以上のようにして得られたは、良好な使用
性を有し、洗い上がりはべたつかず、適度なしっとり感
と滑らかさが付与できる、きわめて優れた効果を示すも
のであった。

【００２８】実施例３ヘアトリートメントローション：下記に示す組成および
製法で、ヘアトリートメントローションを調製した。（組成）（成分）（重量％）（１）１，３−ブチレングリコール２（２）グリセリン１（３）カラギーナン０．０１（４）ひまし油０．１（５）塩化ステアリルトリメチルアンモニウム０．５（６）メチルフェニルポリシロキサン１（７）Ｎ−［３−アルキル（１２，１４）オキシ −２−ヒドロキシプロピル］−Ｌ−アルギニン塩酸塩０．２（８）エタノール２０（９）防腐剤適量（１０）香料適量（１１）精製水残量

【００２９】（製法）Ａ．成分（１）〜（６）およびを混合溶解する。Ｂ．成分（７）〜（１１）を混合溶解する。Ｃ．ＡにＢを添加して均一に混合する。Ｄ．Ｃをミスト容器に充填し、ヘアトリートメントロー
ションを得た。

【００３０】以上のようにして得られたヘアトリートメ
ントローションは、ミスト状で毛髪に良好に使用でき、
パサつきを抑え、べたつかず、適度なツヤ感をもたら
す、きわめて優れた効果を示すものであった。

【００３１】

【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の毛髪化粧料
は、毛髪に滑らかさ、柔軟性、しっとり感を付与するこ
とにより、傷んだ毛髪を補修し、べたつきを感じること
なく、使用性に優れ、かつ毛髪にツヤを付与する効果も
優れたものであり、毛髪化粧料として優れた品質を有す
る。以上

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】次の成分（Ａ）及び（Ｂ）、（Ａ）一般
式（１）で表される化合物【化１】（Ｒは炭素数８〜２２のアルキル基を示し、Ｘは酸を示
す）（Ｂ）天然トリグリセライドを含有することを特徴とす
る毛髪化粧料。
【請求項２】（Ｂ）成分が常温で液状であることを特
徴とする請求項１記載の毛髪化粧料。
【請求項３】（Ｂ）成分が植物由来のものであること
を特徴とする請求項１または２記載の毛髪化粧料。
【請求項４】（Ａ）成分の含有量が０．０１〜５重量
％、（Ｂ）成分の含有量が０．００１〜５重量％である
ことを特徴とする請求項１から３の何れかの項記載の毛
髪化粧料。