JP7350283B2 - 毛髪洗浄剤、エアゾール組成物 - Google Patents
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本発明は、例えば以下の[1]~[4]である。
[2]ポリオキシエチレン脂肪酸モノグリセリルおよびポリオキシエチレン脂肪酸ジグリセリルから選ばれる少なくとも一種のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル(C)を0.01~5質量%含む、[1]に記載の毛髪洗浄剤。
[3]前記加水分解シルク(B)を、0.000065~2質量%含む、[1]または[2]に記載の毛髪洗浄剤。
[4][1]~[3]のいずれかに記載の毛髪洗浄剤と、噴射剤とを含む、エアゾール組成物。
<毛髪洗浄剤>
本発明の毛髪洗浄剤は、セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパクおよびセテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解エンドウタンパクから選ばれる少なくとも一種の成分(A)を0.005~1.5質量%と、加水分解シルク(B)とを含む。
なお、本発明において、毛髪洗浄剤に含まれる成分の含有量(質量%)は、毛髪洗浄剤を100質量%とした場合の含有量を示している。
本発明の毛髪洗浄剤は、セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパクおよびセテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解エンドウタンパクから選ばれる少なくとも一種の成分(A)を含む。
本発明の毛髪洗浄剤は、成分(A)が前記範囲内にあると、速乾性、泡立ちに優れ、洗髪時の滑らかさ、柔軟性、すすぎ時の指通り、ドライ後の滑らかさ、柔軟性に優れる。
成分(A)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。成分(A)として、セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパクおよびセテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解エンドウタンパクを併用する場合には、その量比(質量比)としては特に限定はないが、例えばセテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパク:セテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解エンドウタンパクが、1:0.01~1:100の範囲であることが好ましい。
本発明の毛髪洗浄剤は、加水分解シルク(B)を含む。
本発明で用いる加水分解シルク(B)は、絹糸を構成するタンパク質であるフィブロインを、酸、アルカリまたはタンパク質分解酵素の存在下で加水分解して得られた水溶性ペプチドのことを指す。加水分解シルク(B)は、通常水溶液、またはエタノール溶液の状態で用いられる。
加水分解シルク(B)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の毛髪洗浄剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸モノグリセリルおよびポリオキシエチレン脂肪酸ジグリセリルから選ばれる少なくとも一種のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル(C)を含む。
ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル(C)としては、市販品を用いることができ、例えばヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルの市販品である、グリセロックスHE(クローダジャパン株式会社)などを用いることができる。
ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル(C)を用いる場合には、毛髪洗浄剤がポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル(C)を、好ましくは0.01~5質量%含む。
本発明の毛髪洗浄剤は、通常は水を含む。水の含有量は特に限定されず、使用する目的に応じて、適宜調整して用いることができる。水として、具体的には、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水および天然水が挙げられ、殺菌済みのものが好ましい。
本発明の毛髪洗浄剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記成分以外に任意の成分を含有することができる。任意の成分としては、例えば、界面活性剤、保湿剤、生薬類、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、清涼剤、ビタミン類、タンパク質、ポリマー、香料、抗菌剤、増粘剤、および色素が挙げられる。
本発明の毛髪洗浄剤は、上述した各成分を上述の量で使用する以外は、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。製造方法としては各成分を均一に混合するために、加熱条件下で行ってもよい。加熱条件下で製造する場合の温度としては、例えば75~85℃が挙げられる。
本発明の毛髪洗浄剤の剤型は、例えば、液状、ジェル状などが挙げられ、液状には、粘度がある粘性液状も含まれる。本発明の毛髪洗浄剤の剤型は、毛髪に均一に塗布しやすいことから、液状が好ましい。
本発明のエアゾール組成物は、上述の毛髪洗浄剤と、噴射剤とを含む。
本発明のエアゾール組成物は、噴射時に、噴射剤が急激に膨張することによって、毛髪洗浄剤を泡状にすることが好ましい。
なお、本発明において、毛髪洗浄剤を泡状にしたものを、泡状毛髪洗浄剤と記す。
本発明のエアゾール組成物において、毛髪洗浄剤と噴射剤との割合(質量比)は特に限定されないが、好ましくは99:1~70:30、より好ましくは99:1~80:20、さらに好ましくは99:1~95:5である。
噴射剤としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン等を主成分とする液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、イソペンタン、窒素ガス、炭酸ガスが挙げられる。
噴射剤は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のエアゾール組成物の剤型は、毛髪洗浄剤と噴射剤とが充填された容器内では、毛髪洗浄剤と噴射剤とは、別々に存在していてもよいし、一部が混合していてもよい。
本発明のエアゾール組成物の剤型は、毛髪洗浄剤は液状であり、噴射剤は気体であることが好ましい。
本発明の毛髪洗浄剤およびエアゾール組成物は、毛髪の洗浄に用いることができる。例えば、毛髪の洗浄に用いる場合には、シャンプー(後工程にリンス、コンディショナー、トリートメント等を用いる)、リンスインシャンプー、コンディショニングシャンプー、トリートメントインシャンプー(後工程にリンス、コンディショナー、トリートメント等を用いない)として利用することができる。また、前記シャンプー、リンスインシャンプー、コンディショニングシャンプー、トリートメントインシャンプーの中でも、速乾性、乾燥後の毛髪の滑らかさ、柔軟性をより感じられることから、コンディショニングシャンプーとして用いることが好ましい。
<実施例1~18、比較例1~3>
実施例1~16、および比較例1~3は、表2および表3に示す処方で各成分を混合し、毛髪洗浄剤を製造した。
実施例17および18は、表4に示す処方で各成分を混合した毛髪洗浄剤95gと、噴射剤としてLPG5gとをエアゾール容器(40×118 D10R(419)白ベタ・4型:武内プレス工業株式会社)に充填し、エアゾール組成物を製造した。なお、エアゾール容器内の初期内圧は、25℃で0.29MPaであった。
なお、表中の処方の数値は、毛髪洗浄剤を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表している。
セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパク:Vegetamide 18MEA-R (株式会社成和化成)
セテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解エンドウタンパク:Vegetamide 18MEA-NJ(株式会社成和化成)
加水分解シルク:Promois SILK-1000F(株式会社成和化成)
ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル:グリセロックスHE(クローダジャパン株式会社)
ラウロイルメチルアラニンナトリウム:アラノンALE(川研ファインケミカル株式会社)
コカミドプロピルベタイン:レボン2000(三洋化成工業株式会社)
ポリクオタニウム-10:カチナールHC-100(東邦化学工業株式会社)
安息香酸ナトリウム:安息香酸ソーダ(大塚化学株式会社)
クエン酸:クエン酸(磐田化学工業株式会社)
実施例および比較例では、一般の人の毛髪の傷みを再現した、ダメージ処理した毛束を用いて評価を行った。ダメージ処理は以下の方法で行った。
表1に記載の配合でダメージ処理用水溶液を調製し、70℃に加熱した。そこに黒髪の毛束(約30cm、10gの人毛)(BS-S3A:株式会社ビューラックス)を10分間浸漬して、ダメージを与えた。その後、ダメージ処理用水溶液から毛束を取り出し、ポリオキシエチレンアルキル(12,13)エーテル硫酸ナトリウム15質量%と、精製水85質量%とを配合した洗浄液1gで洗浄し、35~40℃の温水で充分にすすいだ後、乾燥させ、ダメージ処理後の毛束とした。
専門パネラー(美容師)10人が1人ずつ、ダメージ処理後の毛束を40℃程度の温水で濡らした後、実施例および比較例の毛髪洗浄剤を1g塗布した。
下記(1)~(10)に記載の評価方法と評価基準に従って、毛髪洗浄剤の評価を行った。
各項目につき10人の評価点の平均を算出し、以下のとおり評価した。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が3.5点以上である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点未満である。
試料を毛束に塗布して泡立てた際の、泡立ちの状態を目視で評価した。
4点:非常に泡立ちがよい
3点:泡立ちがよい
2点:あまり泡立たない
1点:全く泡立たない
試料を毛束に塗布して泡立て、指を通した際の、滑らかさを評価した。
4点:非常に滑らかである
3点:滑らかである
2点:ややひっかかる
1点:ひっかかる
毛束を泡立てながら指を通しているときの、指で感じる柔らかさを評価した。
4点:非常に柔らかい
3点:柔らかい
2点:硬い
1点:非常に硬い
試料を毛束に塗布して泡立てた後、毛束を38℃~40℃のお湯ですすいでいるときの、指通りの良さを評価した。
4点:指通りが非常によい
3点:指通りがよい
2点:指通りが悪い
1点:指通りが非常に悪い
すすぎ(洗髪)の後、毛束の水分をタオルでふき取り、触ったり、指を通すことで滑らかさを評価した。
4点:非常に滑らかである
3点:滑らかである
2点:ややひっかかる
1点:ひっかかる
すすぎ(洗髪)の後、毛束の水分をタオルでふき取り、触ったり、指を通すことで柔らかさを評価した。
4点:非常に柔らかい
3点:柔らかい
2点:硬い
1点:非常に硬い
毛束の水分をタオルでふき取った後、ドライヤーで乾かし、毛束を触ったり、指を通すことで滑らかさを評価した。
4点:非常に滑らかである
3点:滑らかである
2点:ややひっかかる
1点:ひっかかる
毛束の水分をタオルでふき取った後、ドライヤーで乾かし、毛束を触ったり、指を通すことで柔らかさを評価した。
4点:非常に柔らかい
3点:柔らかい
2点:硬い
1点:非常に硬い
毛束の水分をタオルでふき取った後、ドライヤーで乾かし、毛束に指を通し、広がり具合を目視で評価した。
4点:非常にまとまる
3点:まとまる
2点:広がる
1点:非常に広がる
洗髪後、毛束の水分をタオルでふき取り、ドライヤーを用いて温風で乾燥し、乾燥時間を測定した。なお、ドライヤーは、solis IQ-7 スーパーライト SD426(ソリスジャパン株式会社)を用い、温風は選択可能な6段階の内、段階6(最強)に設定した。
4点:1分30秒未満
3点:1分30秒以上1分45秒未満
2点:1分45秒以上2分未満
1点:2分以上
本発明の毛髪洗浄剤は、洗髪時、ならびに洗髪後の乾かす前および乾かした後の、毛髪の滑らかさおよび柔軟性に優れ、乾かした後に毛髪のまとまりがよく、濡れた毛髪を短時間で乾かすことができる速乾性を有することがわかる。
比較例3で製造した毛髪洗浄剤は、成分(B)が配合されていないため、ドライ後の毛髪が非常に広がり、まとまりがなかった。また、洗髪後の滑らかさ、および柔軟性が悪く、ドライ後の滑らかさも悪かった。乾燥時間は長く、速乾性も悪かった。
Claims (3)
- セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパクおよびセテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解エンドウタンパクから選ばれる少なくとも一種の成分(A)を0.005~1.5質量%と、加水分解シルク(B)を0.000065~2質量%とを含む、毛髪洗浄剤。
- ポリオキシエチレン脂肪酸モノグリセリルおよびポリオキシエチレン脂肪酸ジグリセリルから選ばれる少なくとも一種のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル(C)を0.01~5質量%含む、請求項1に記載の毛髪洗浄剤。
- 請求項1または2に記載の毛髪洗浄剤と、噴射剤とを含む、エアゾール組成物。
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