JP5719229B2 - ベシクル組成物およびその用途 - Google Patents

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本発明は、ベシクル組成物およびその用途に関する。
近年、パーマやヘアカラー、ブリーチなどの利用が一般化する反面、これらの化学処理に伴う毛髪のダメージも問題となっている。従来から、シャンプー後の毛髪の感触を向上させるために、リンス、コンディショナー、トリートメントなどの毛髪化粧料が使用されているが、毛髪のダメージを軽減する観点からも、更なる性能向上が望まれている。
特に毛髪のまとまり、柔軟性、滑らかさ、さらさら感、しっとり潤う感触などを付与するために、種々の脂肪酸、アミノ酸およびその誘導体等が有効であることが分かっている。
特許文献1には、化学処理、ドライヤー乾燥、日々のヘアケア行動による毛髪の損傷・疲労破壊を修復又は抑止し、また湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びしなやかな感触を付与できる毛髪化粧料が開示されている。特許文献1には、このような課題を解決することができる具体的な態様として、特定の分岐脂肪酸又はその塩、特定の第3級アミン又はその塩および必要に応じて特定の芳香族アルコールを含有する毛髪化粧料が開示されている。
更に特許文献2では特定の分岐脂肪酸、特定の第3級アミン、特定の有機酸の組合せを小胞体化することで、より少ない脂肪酸量でより良い感触を有するという技術が開示されている。
このような小胞体中への有効物質の内包については種々の特許が開示されており、他にも特許文献3に頭髪損傷の修復及び予防を目的として、コレステロールと塩基性アミノ酸と脂肪酸及び非イオン活性剤で安定化した多層小胞分散物からなる頭髪トリートメント組成物及び、多層小胞分散物を含むシャンプー及びコンディショナーのような頭髪トリートメント組成物が開示されている。このトリートメント組成物は頭髪繊維への幾つかの頭髪有効物質の浸透が特異的に促進されることが記載されている。
特許文献4には、水不溶性のサンスクリーン剤や抗フケ剤を内包させた、コレステロールと4級アンモニウム塩からなる小胞体についても開示されている。
特許文献5には、有用薬剤を内包させた、界面活性剤と高級アルコールとステロールによる小胞状の脂質複合体が開示されている。
特開2008−297264号公報 国際公開第2011/007525号パンフレット 特表2002−516831号公報 特表平9−509671号公報 特開2001−097811号公報 国際公開第2010/018668号パンフレット
ところで、前記の従来技術によれば、毛髪有効成分を小胞体(ベシクル)に内包させたものをコンディショナーに配合して毛髪に適用する方法が開示されているものの、内包物質としては水不溶性物質、油溶性物質、非イオン性水溶性物質が中心であり、荷電水溶性物質の内包については開示されていなかった。
一方で、荷電水溶性物質であるアミノ酸およびその誘導体も毛髪への有益成分としての効能を有することが特許文献6などに開示されており、毛髪の柔軟性、ツヤ、まとまりを同時に付与して、寝癖を防止し、スタイルを付けやすくする技術として記載されている。このような物質をも安定に内包できるベシクルの形成が望まれていたが、荷電水溶性有益剤はベシクル構造を形成しづらく、形成しても経時保存後の安定性が必ずしも良好とは言えず、有益剤の内包率が不十分である問題があり、水溶性有益剤を安定に内包できるベシクルの形成は困難であった。
これに対して、特許文献3〜5に記載の技術ではステロールを必須成分として混在させることでステロール類など特定の脂質が介在していることにより多層小胞構造を形成する。しかし通常のトリートメント剤の成分のみでベシクル構造を形成し、かつ荷電水溶性物質を安定に内包する技術については検討されていない。
本発明者らは、毛髪化粧料に要求される性能について鋭意研究を行った結果、通常のトリートメント剤の成分である特定の第3級アミン化合物と直鎖脂肪酸の組合せを用いてベシクル構造を形成させることにより、多量の荷電水溶性有益剤をベシクル構造中に安定に内包できることを見出した。
すなわち、本発明は、電荷を有する水溶性有益剤であるアミノ酸誘導体でも、特定の第3級アミン化合物と直鎖脂肪酸を用いることで、安定な球晶(ベシクル)中に内包できるという新たな知見に基づき完成されたものである。
本発明によれば、下記に示す成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び水を含み、連続相が水相であるベシクル組成物であって、平均粒径が1〜20μmであるベシクルを含有し、前記成分(B)の含有量が、該ベシクル組成物に含まれる炭素数14〜24の脂肪酸全体に対して、90質量%以上であるベシクル組成物が提供される:
(A)アミノ酸残基の数が2又は3である、一般式(1)で表される化合物、
Figure 0005719229
〔式中、Xは水酸基が置換していてもよい炭素数1〜4の二価の炭化水素基又は、アルギニン残基、アラニン残基、フェニルアラニン残基、グリシン残基、グルタミン残基、グルタミン酸残基、セリン残基、プロリン残基、N−メチルプロリン残基、4−ヒドロキシプロリン残基から選ばれるアミノ酸残基を示し、
Yはアルギニン残基、アラニン残基、グリシン残基、グルタミン残基、グルタミン酸残基、セリン残基、プロリン残基、4−ヒドロキシプロリン残基から選ばれるアミノ酸残基又は化学式(2)
Figure 0005719229
(式中、−*は隣接するカルボニル基又は酸素原子と結合する結合手を示す。)で表される二価の基を示し、Rは水素原子、又は水酸基が置換していてもよい炭素数1〜4の一価の炭化水素基を示し、m及びnは0又は1を示す。但し、m及びnが同時に1となる場合、Xはアミノ酸残基となることはない。〕;
(B)炭素数14〜24の直鎖脂肪酸;
(C)第3級アミン化合物;
(D)炭素数1〜8の有機酸;
(E)多価アルコール。
また、本発明によれば、
カチオン界面活性剤と、
炭素数12〜28であり、水酸基が1である脂肪族アルコールと、
上記のベシクル組成物と、
を含有する毛髪化粧料が提供される。
本発明によれば、電荷を有する水溶性有益剤であるアミノ酸誘導体でも、特定の第3級アミン化合物と直鎖脂肪酸を用いることで、安定な球晶(ベシクル)中に内包することが可能となる。
本発明のベシクル組成物は、以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び水を含み、連続相が水相である。また、本発明のベシクル組成物は、平均粒径が1〜20μmであるベシクルを含有し、成分(B)の含有量が、該ベシクル組成物に含まれる炭素数14〜24の脂肪酸全体に対して、90質量%以上である。以下、各成分について具体的に説明する。
(A)アミノ酸残基の数が2又は3である、一般式(1)で表される化合物;
Figure 0005719229
(B)炭素数14〜24の直鎖脂肪酸;
(C)第3級アミン化合物;
(D)炭素数1〜8の有機酸;
(E)多価アルコール。
はじめに、成分(A)について説明する。
成分(A)は、一般式(1)で表される化合物である。一般式(1)中、Xは水酸基が置換していてもよい炭素数1〜4の二価の炭化水素基又はアルギニン残基、アラニン残基、フェニルアラニン残基、グリシン残基、グルタミン残基、グルタミン酸残基、セリン残基、プロリン残基、N−メチルプロリン残基、4−ヒドロキシプロリン残基から選ばれるアミノ酸残基を示す。nは0又は1である。
水酸基が置換していてもよい炭素数1〜4の二価の炭化水素基は、飽和又は不飽和でも、直鎖又は分岐鎖であってもよい。このうち二価の飽和炭化水素基又は水酸基で置換された二価の飽和炭化水素基が好ましい。
二価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、ビニレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基、1−プロペニレン基、テトラメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1−メチルトリメチレン基、1−ブテニレン基等が挙げられる。
水酸基で置換された二価の飽和炭化水素基としては、例えば、1−ヒドロキシエチレン基、1−ヒドロキシトリメチレン基、1,2−ジヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシテトラメチレン基、1,2−ジヒドロキシテトラメチレン基、1,3−ジヒドロキシテトラメチレン基、1,2,3−トリヒドロキシテトラメチレン基等が挙げられる。
一般式(1)中、Yはアルギニン残基、アラニン残基、グリシン残基、グルタミン残基、グルタミン酸残基、セリン残基、プロリン残基、4−ヒドロキシプロリン残基から選ばれるアミノ酸残基又は下記化学式(2)で表される二価の基を示す。mは0又は1である。
Figure 0005719229
(式中、−*は隣接するカルボニル基又は酸素原子と結合する結合手を示す。)
また、一般式(1)中、m及びnは0又は1を示す。但し、m及びnが同時に1となる場合、Xはアミノ酸残基となることはない。即ち、m=n=1の場合、Xは水酸基が置換していてもよい炭素数1〜4の二価の炭化水素基である。
一般式(1)中、Rは水素原子、又は水酸基が置換していてもよい炭素数1〜4の一価の炭化水素基を示す。
水酸基が置換してもよい炭素数1〜4の一価の炭化水素基は、飽和又は不飽和でも、直鎖又は分岐鎖であってもよい。
炭素数1〜4の一価の炭化水素基としてはアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
水酸基で置換された炭素数1〜4の一価の炭化水素基としてはヒドロキシアルキル基が好ましく、例えば2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2,3,4−トリヒドロキシブチル基、2,4−ジヒドロキシブチル基等が挙げられる。
成分(A)に好適な化合物の例としては、以下の式(G1)〜(G9)で表される化合物を挙げることができる。これらのうち、(G2)〜(G9)がより好ましく、グリシルグリシルグリシン(G8)、グリシルグリシン(G9)がさらに好ましい。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0005719229
成分(A)の含有量は、ベシクル組成物のすすぎ時の感触の観点から、ベシクル組成物中の0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましく、0.3〜6質量%がさらに好ましい。
本発明で用いる成分(B)は、炭素数14〜24の直鎖脂肪酸である。飽和でも不飽和でも良く、特に飽和脂肪酸が好ましい。ベシクルを形成する観点から、炭素数は14以上、特に16以上が好ましく、炭素数22以下がより好ましく、特に20以下が好ましい。これらを総合すると、炭素数16〜22の範囲がより好ましく、炭素数16〜20が特に好ましい。具体的にはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。中でも安定な球晶(ベシクル)をつくる観点から、炭素数18のステアリン酸が好ましい。
成分(B)の直鎖脂肪酸は、2種以上を併用してもよい。成分(B)の含有量の下限は、ベシクル組成物中に0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。成分(B)の含有量の上限は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、4質量%以下がさらに好ましい。これらを考慮すれば、成分(B)の含有量は、0.1〜10質量の範囲が好ましく、0.5〜5質量%の範囲がより好ましく、1〜4質量%の範囲がさらに好ましい。
本発明のベシクル組成物に含まれる炭素数14〜24の脂肪酸全体に対して、成分(B)直鎖脂肪酸の含有比率(成分(B)直鎖脂肪酸/全脂肪酸の含有比率)は、90質量%以上である。安定な球晶(ベシクル)をつくる観点から、成分(B)は95質量%以上が好ましく、中でも99質量%以上がさらに好ましい。
本発明で用いる成分(C)は、一般式(3)で表される第3級アミン化合物が挙げられる。
Figure 0005719229
〔式中、R11は総炭素数8〜35の−OCO−若しくは−COO−で表される官能基で分断又は−OHで置換されていてもよい直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、R12は炭素数1〜22のアルキル基、若しくはヒドロキシアルキル基、又は合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、2個のR12は同一でも異なってもよい。〕
成分(C)の第3級アミン化合物としては、以下の(C1)、(C2)及び(C3)の3級アミン化合物等を1種又は2種以上含むことが好ましい。
(C1)ヒドロキシエーテルアルキルアミン
例えば下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005719229
〔式中、R17は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R18及びR19は、同一又は相異なって炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)H(Aは炭素数2〜4のアルキレン基、fは1〜6の数を示し、f個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。eは1〜5の数を示す。〕
具体的には、ヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンが挙げられる。
(C2)エーテルアミン
例えば下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005719229
〔式中、R20は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R21及びR22は、同一又は相異なって炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)H(Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、gは1〜6の数を示し、g個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。〕
具体的には、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンが挙げられる。
(C3)アルキルアミドアミン
例えば下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005719229
〔式中、R23は炭素数11〜23の脂肪族炭化水素基を示し、R24は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、pは2〜4の数を示す。〕
具体的には、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミドが挙げられる。
上記の第3級アミン化合物から選ばれる好ましいカチオン界面活性剤としては、塗布時、すすぎ時の滑らかさの観点から(C2)エーテルアミン又は(C3)アルキルアミドアミンが好ましい。
その中でも特に、(C3)アルキルアミドアミンが好ましく、特にN−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミドが好ましく、中でも、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドが好ましい。
成分(C)の第3級アミン化合物から選ばれるカチオン界面活性剤は、1種又は2種以上を併用しても良い。すすぎ時の滑らかさ、乾燥後の滑らかさ付与の点から、成分(C)の含有量の下限は、ベシクル組成物中に0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。成分(C)の含有量の上限は、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましい。これらを考慮すると、成分(C)の含有量は、ベシクル組成物中に0.5〜15質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましく、3〜8質量%の範囲がさらに好ましい。
本発明で用いる成分(D)は、炭素数1〜8の有機酸である。
具体的には、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;安息香酸、サリチル酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸などが挙げられる。これらの中で、ヒドロキシカルボン酸、酸性アミノ酸が好ましい。ヒドロキシカルボン酸としては、特にグリコール酸、乳酸、リンゴ酸が好ましく、中でもグリコール酸、乳酸が好ましい。酸性アミノ酸としては、グルタミン酸が特に好ましい。
成分(D)の含有量の下限は、ベシクル組成物中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。成分(D)の含有量の上限は、4質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。これらを考慮すれば、成分(D)の含有量は、ベシクル組成物中に0.05〜4質量%の範囲が好ましく、0.1〜2質量%の範囲がより好ましい。
本発明で用いる成分(E)は、多価アルコールである。
具体的には、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、イソペンチルジオール、ソルビトールなどが挙げられる。特にプロピレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。
成分(E)の含有量は、ベシクル組成物の保存安定性の観点から、ベシクル組成物全体に対して0.5〜60質量%が好ましく、より好ましくは1〜50質量%である。特に2〜20質量%が好ましい。
本発明のベシクル組成物は、水を含む。水は、精製水を使用することが好ましい。水の含有量は、特に限定されず、使用する目的に応じて、適宜調整して用いることができる。
成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)の組合せとしては上述の化合物を適宜組み合わせることが可能である。組合せを特に限定するものではないが、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)の組み合せとして、成分(A)をグリシルグリシンとし、成分(B)を直鎖ステアリン酸とし、成分(C)を(C2)エーテルアミン又は(C3)アルキルアミドアミンとし、成分(D)をグリコール酸又は乳酸とした組み合わせが好ましいが、さらに成分(E)をプロピレングリコール又はジプロピレングリコールとすることが好ましい。
成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)及び水を含むベシクルが形成され、特にいくつかの二重膜から成る多層ラメラベシクル(いわゆる、オニオンベシクル)が水中に分散したベシクル組成物が形成されやすい。また、ベシクルとは通常内層が中空あるいは水相であるベシクルを指すが、ここで形成される多層ラメラベシクルは内層の一部もしくは全部が油相となる構造を持つものも包含される。また、本願において、「ベシクル」には多層ラメラベシクルも包含される。
毛髪有益剤である成分(A)をベシクル中に安定に内包し、かつ成分(A)の効果を毛髪に充分届ける目的から、成分(A)/成分(C)のモル比率=0.5〜5.0であり、中でも1.5〜3.0であることが好ましい。
ベシクル分散液中のベシクル体積濃度を高くするという観点から、有機酸(成分(D))に対する直鎖脂肪酸(成分(B))のモル比((B)/(D))の下限は、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。(B)/(D)の上限は、9以下が好ましく、6以下がより好ましい。これらを考慮すれば、(B)/(D)は、1〜9の範囲が好ましく、2〜6の範囲がより好ましい。
また、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)を効率的にベシクル形成に寄与させるという観点から、(C)の塩基当量に対する(B)+(D)の酸当量の比(((B)+(D))/(C))の下限は、0.25以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上がさらに好ましい。((B)+(D))/(C)の上限は、4以下が好ましく、2以下がより好ましく、1.8以下がさらに好ましい。これらを考慮すると、((B)+(D))/(C)は、0.25〜4の範囲が好ましく、0.5〜2の範囲がより好ましく、0.6〜1.8の範囲がさらに好ましい。
さらに、ベシクル分散液の保存安定性やハンドリング性という観点から、ベシクル分散液中の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)の合計は、1〜40質量%が好ましく、より好ましくは1〜30質量%である。
本発明のベシクル組成物はベシクルの分散液(プレミックス)の形態をとることが望ましい。このベシクル分散液は、例えば以下の段階を経て得ることができる。
すなわち、
第1工程:成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)を含有する油相を、当該油相の融点以上の温度で溶解する工程と、
第2工程:得られた油相に水相を加えながら混合して転相乳化する工程と、
によって好適に製造できる。このような手順に従えば、連続相が水相であるベシクル組成物が得られる。
第1工程においては油相を融点以上の温度で溶解し、更に油相の融点より5℃以上高い温度で溶解することが好ましく、特に油相の融点より10℃以上高い温度で溶解することが好ましいが、例えば、75〜85℃で加熱溶解することができる。本工程は油相を混合しながら溶解させることが好ましい。混合方法は特に限定しないが、例えば攪拌により混合することが好ましく、この場合、例えば、攪拌翼で50〜200rpmで攪拌することができる。
第2工程においては、水相を添加し、油中水型のエマルジョンを経て水中油型のエマルジョンに転相させる転相乳化により、連続相の水相を得る。水相滴下時の温度は油相温度及び滴下する水相の温度及び混合装置での加熱あるいは冷却により適宜決めることができるが、例えば、75〜85℃で加熱することができる。ここで、「水相」には、イオン交換水、蒸留水などの精製水を用いる。また、効率的にベシクルを製造する観点から、油相温度及び滴下する水相の温度を、形成させるベシクルの相転移温度以上にすることが好ましく、具体的には、75〜85℃で加熱することがより好ましい。
ベシクル分散液中のベシクルの体積濃度は油相への水相の滴下速度及び水相滴下時の攪拌速度により、またベシクルの粒径は水相滴下開始以降の攪拌速度(せん断速度)により調整可能である。油相への水相の滴下速度や滴下時の攪拌速度の最適値はベシクル組成物の処方や成分比及び配合槽の大きさ、形状によって変化するが、水相滴下途中で最も粘度の上昇する状態において均一に混合できる条件が好ましいが、例えば攪拌により混合することが好ましく、この場合、例えば、攪拌翼で50〜200rpmで攪拌することができる。更に水相を滴下していくと、ベシクル分散液の粘度は低下し、ベシクル体積濃度は減少する。滴下する水相の量は、転相乳化できる量であれば制限されず、ベシクル分散液の保存安定性、ハンドリング性を考慮して適宜調整可能である。
油相への水相の滴下速度は上述のように適宜選択できるが、ベシクル分散液中のベシクルの体積濃度を高める目的から、10分以上時間をかけて滴下することが望ましい。特に滴下速度を制限するものではないが、例えば、滴下する水相の全量が600gであれば、5〜20g/分で滴下することが好ましい。
また、ベシクル組成物の安定性の観点から、第2工程の後に、水相滴下終了後、速やかにベシクルの相転移温度以下(例えば、20℃〜30℃)まで冷却する工程(第3工程)を含むベシクル組成物の製造方法であることが好ましい。
また、油相には本発明のベシクルの製造を阻害しない範囲で任意の成分を入れることができる。任意成分としては、例えば抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸とその誘導体等の抗炎症剤、防腐剤、顔料等の着色剤、酸化チタン等の前述した成分以外のパール化剤、香料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シアバター、オレンジ油、ユーカリ油等が挙げられるが、これに限定されない。油相に添加できる任意成分は安定的なベシクル組成物の製造の観点から油相全体の10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下が特に好ましい。
水相には本発明のベシクルの製造を阻害しない範囲で任意成分としては、例えば抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸とその誘導体等の抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、ソルビトール、パンテノール等の保湿剤、染料、顔料等の着色剤、ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻または真珠から得られる蛋白質またはその加水分解物、蜂蜜、ローヤルゼリー、シルクから得られる蛋白質またはその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、アロエ抽出物、ハス抽出物、ザクロ抽出物、ノバラ抽出物、カモミラ抽出物、カンゾウ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類、酸化チタン等の前述した成分以外のパール化剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ローズ水等が挙げられるが、特にこれに限定されない。水相に添加できる任意成分は安定的なベシクル組成物の製造の観点から、水相全体の5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。
なお、炭素数12〜28であり、水酸基が1である脂肪族アルコールは、乳化の際にベシクルではなく、層状のラメラ構造をとりやすくなるため、ベシクル組成物中には含まないか、ベシクル組成物中2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、あるいは実質的に含まない方が良い。
ベシクル組成物を製造する際には、せん断混合状態の油相に水相を滴下する。混合装置はせん断混合ができれば特に限定されないが、水相添加途中で高粘度になる場合には高粘度物を混合できる装置、例えばプライムミクス株式会社製アヂホモミキサー、T.K.コンビミックス、みづほ工業株式会社製真空乳化攪拌装置、住友重機械工業株式会社製マックスブレンド攪拌槽、佐竹化学機械工業株式会社製スーパーミックス攪拌槽などが好ましい。攪拌速度については特に限定するものではないが、例えば50〜100rpmで攪拌するのが好ましい。
こうして得られるベシクルの存在は、光学顕微鏡(例えば、ECLIPSE E800:NIKON社製)を用いて、室温、偏光条件下(直交ニコル)観察することで確認することができる。
また、ベシクルの平均粒径は、1μm以上、好ましくは3μm以上であり、かつ、20μm以下、好ましくは15μm以下、さらに好ましくは12μm以下である。これにより、毛髪塗布時の馴染み感をさらに向上させることができる。
ここで、ベシクルの平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所社製のSALD2100)を用いて、循環方式におけるフローセルの中を移動するベシクルにレーザ光を照射して得られる散乱光の強度分布を測定し、当該強度分布から変換して得られる体積分布により平均粒径を測定することができる。本明細書において、平均粒径は、体積基準のメディアン径(D50)である。
また、ベシクル組成物を室温(20℃〜25℃)で30日間保存した時、保存前の(A)成分のベシクル内包率(W)に対する保存後のベシクルの(A)成分の内包率(W)の減少率(ΔW)は、保存安定性が良く、並びにすすぎ時のきしみの抑制、乾燥後のきしみの抑制の観点から、20%以下が好ましく、中でも10%以下が好ましく、5%以下がさらに好ましい。このことは、(A)成分がベシクルに安定に内包されていることを示している。
ΔWは、下記式(I)で表される。
ΔW={(W−W)/W}×100・・・(I)
ここで、(A)成分のベシクル内包率は、(A)成分がグリシルグリシンであるとき、ベシクル組成物の外水相を分離してH−NMR測定を行うことにより、外水相中に含まれるグリシルグリシンの含有量(質量%)を測定して算出することができる。具体的には、グリシルグリシンの標準品を重水1ml(内部標準としてTSP(3−トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム)0.1質量%を含む)に溶解させた、濃度の異なるいくつかのサンプルを調製して1H−NMR測定を行い、内部標準TSPの積分値に対するグリシルグリシン由来ピーク(ケミカルシフト:3.825ppm及び3.875ppm)の積分値の比を求め、予め検量線を作成する。
次に、測定試料となるベシクル組成物を遠心分離しやすいように水で10倍(体積比)に希釈した後、10,000rpm、60分遠心分離にかける。分離した水相を1.00g採取し、12〜24時間凍結乾燥を行ったのち、重水1ml(内部標準としてTSP0.1質量%を含む)で希釈する。これをサンプルとしてH−NMR測定を行い、グリシルグリシン由来ピークの積分値を求めることで、各ベシクル組成物の外水相中のグリシルグリシン濃度を算出し、外水相に含まれるグリシルグリシンの質量を求める。これにより、ベシクル組成物を製造するために用いた全グリシルグリシンの質量から外水相中のグリシルグリシンの質量を差し引くことで、ベシクル中に含まれるグリシルグリシンの質量を算出でき、(A)成分のベシクル内包率を算出することができる。具体的には、上記W0及びWは、下記式(II)及び式(III)で表すことができる。
・保存前のベシクル内包率(W)=(製造直後のベシクル中の(A)成分の算出含有量/ベシクル組成物における(A)成分の総含有量)×100・・・(II)
・30日間室温で保存した後のベシクル内包率(W)=(30日間室温保存した後のベシクル中の(A)成分の算出含有量/ベシクル組成物における(A)成分の総含有量)×100・・・(III)
確証はないが、このような製造方法により得られるベシクルでは、毛髪に塗布した際に容易にベシクルから膜状に構造変化することにより、毛髪表面での特性を好適に変化させることができるものと考えられる。
また、従来のベシクル構造は、例えば特表2002−516831号公報に記載されているように、ステロール類、リン脂質などの特定の脂質が介在することにより構成されている。これに対して、本発明は、ステロール類やリン脂質を含有していなくてもベシクル組成物を形成できる。さらに、ステロール類やリン脂質は、安定性なベシクルをつくる観点から0.001質量%以下が好ましく、さらに、0.0001質量%以下が好ましい。すなわち、ベシクル構造を従来からリンス、コンディショナーなどの毛髪化粧料に使用される成分により構成することができ、かつ従来困難であった荷電水溶性物質を多量に安定配合できるという点で新しい知見ということができる。従って、本発明は、当該分野における新規な製剤処方を提供するものである。
本発明の毛髪化粧料は、カチオン界面活性剤と、炭素数12〜28であり、水酸基が1である脂肪族アルコールと、前述したベシクル組成物とを含有する。
ベース混合物として使用するカチオン界面活性剤は、第4級アンモニウム、第3級アミン化合物が挙げられ、特に第3級アミン化合物が好ましい。第3級アミン化合物は、成分(C)に挙げられた化合物から選択される。
成分(C)以外のカチオン界面活性剤としては、例えば、以下の(i)〜(iii)の化合物等が挙げられる。
(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式(11)で表される化合物が挙げられる。
31−N(CH (11)
〔式中、R31は炭素数12〜22のアルキル基を示し、Zはハロゲン(塩素又は臭素)化物イオン又は炭素数1〜2のアルキル硫酸イオンを示す。〕
例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが挙げられる。
(ii)アルコキシトリメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式(12)で表される化合物が挙げられる。
32−O−R33−N(CH (12)
〔式中、R32は炭素数12〜22のアルキル基を示し、R33はエチレン基又はプロピレン基を示し、Zは上記と同じである。〕
(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式(13)で表される化合物が挙げられる。
(R20(CH (13)
〔式中、R20は炭素数12〜22のアルキル基を示し、Zは上記と同じである。〕
カチオン界面活性剤は、2種以上を併用してもよく、また使用時に良好な柔軟性及び滑り性を付与する点から、その含有量は、毛髪化粧料中の0.01〜20質量%が好ましく、更には0.1〜15質量%、特に0.5〜10質量%が好ましい。
ベース混合物として使用する炭素数12〜28であり、水酸基が1である脂肪族アルコールは、塗布時や乾燥後の毛髪を滑らかにする観点から、直鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪族アルコールが好ましく、中でも、炭素数16〜22の直鎖アルキル基又はアルケニル基を有する脂肪族アルコールが好ましい。特に炭素数16〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪族アルコールがより好ましい。具体的には、特にステアリルアルコールが好ましい。
水酸基が1である脂肪族アルコールは、2種以上を併用してもよく、また感触改善効果と毛髪化粧料の分離に対する安定性との観点から、その含有量は、毛髪化粧料中の0.01〜20質量%が好ましく、特に0.5〜10質量%が好ましい。
毛髪化粧料中のベシクル組成物の含有量としては、柔軟性、平滑性、しっとり感等を付与し、特にすすぎ時に滑らか、ぬるつかず、乾燥後に滑らか、べたつきのない毛髪化粧料を提供する観点から、ベシクルを構成する成分(A)の量が、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜2質量%である。また成分(B)直鎖脂肪酸の総量は、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜2質量%となる量が挙げられる。このような毛髪化粧料は、従来の毛髪化粧料よりも脂肪酸の含有量を低減させても、従来の毛髪化粧料により実現されていた柔軟性、平滑性、しっとり感、しなやかさを維持又は向上させ、かつ、すすぎ時に滑らかで、ぬるつかず、乾燥後に滑らかで、べたつきを抑えることができる。
また、この他にシリコーン、油性成分などを配合した一般的な毛髪化粧料も包含される。例えば、シリコーン化合物としては、高重合ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、環状シリコーン等が挙げられる。シリコーン化合物は、2種以上を併用してもよく、その含有量は、毛髪化粧料中に0.1〜15質量%が好ましく、特に0.5〜10質量%が好ましい。
油性成分としては、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノール等が、ポリオールとしてはポリプロピレングリコール(特にGPCによる平均分子量が200〜700、特に300〜500であるもの)等の芳香族アルコールを用いることができる。油性成分は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、剤の吸着性や、毛髪への弾力性付与効果の向上の点から、毛髪化粧料中の0.1〜20.0質量%、特に0.5〜10.0質量%が好ましい。
毛髪化粧料には、更に、毛髪化粧料に一般に使用されるその他の成分を、目的に応じて配合することができる。例えば、カチオン化セルロース、ヒドロキシ化セルロース、高重合ポリエチレンオキサイド等の高分子化合物;グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の保湿剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン性界面活性剤;ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;リン酸等の無機酸;ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;その他キレート剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、香料等が挙げられる。
また、毛髪化粧料は、酸を用いて、カチオン界面活性剤を中和し、またpHを調整するのが好ましい。酸としては、少なくとも1種の水溶性有機酸を用いるのが好ましく、水溶性有機酸としては、アルキル硫酸、アルキルリン酸、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリカルボン酸、酸性アミノ酸等が挙げられる。このうち、カルボン酸が好ましく、特にジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸が好ましい。ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸等が挙げられ、特にL−グルタミン酸が好ましい。ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、オキシ酪酸(特にα−オキシ酪酸)、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられ、なかでもα−ヒドロキシカルボン酸、特に乳酸及びリンゴ酸が好ましい。水溶性有機酸は過剰に使用しても組成物に悪影響を与えないため、十分な量の酸を組成物に加えて、組成物中にアミンの固体粒子が本質的に全く存在しないようにし、毛髪化粧料を10質量倍に水で希釈した際のpH(25℃)が2.0〜7.0、特に2.5〜5.5となるように調整するのが、良好な感触、弾力性の付与、吸着性の向上、身体の安全性の点で好ましい。水溶性有機酸の配合量は、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜7.0質量%、特に0.05〜5.0質量%が好ましい。pHの調整には、酸性物質として上記有機酸のほか無機酸や、塩基物質として水酸化ナトリウム等も併用できる。
毛髪化粧料の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば加熱攪拌した水相にカチオン性界面活性剤と脂肪族アルコールと乳化シリコーンを含有する油相を添加した後、ベシクル組成物を混合する方法が挙げられる。この時、ベシクルの安定性の観点から、ベシクルの相転移温度以下の温度で配合することが望ましく、具体的には、35〜45℃でベシクル組成物を添加することが好ましい。これによりベシクル組成物の構造を維持した毛髪化粧料を得ることができる。
このようにして得られた毛髪化粧料としては例えば、コンディショナー、リンス、トリートメント、シャンプーなどが挙げられる。特に効果的な毛髪化粧料として、コンディショナー、リンス、トリートメントが好ましい。これらの毛髪化粧料は、毛髪化粧料塗布後、洗い流す使用形態でも洗い流さない使用形態でも良い。
実施例1
以下の手順にて、ベシクル組成物(プレミックス)を得た。
グリシルグリシン(米山薬品工業株式会社製)4.2g、ベヘニン酸(ルナックBA:花王株式会社製)3.5g、乳酸(ムサシノ乳酸90:株式会社武蔵野化学研究所製)0.2g、ジプロピレングリコール(DPG-RF:株式会社ADEKA製)10.5g、及びN−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド(アミデットAPA‐22:花王スペイン株式会社製)5.5gを、200mlビーカーにいれ、80℃までプロペラで攪拌下加熱し、原料を完全溶解した。この油相中に、水相として80℃に加熱したイオン交換水76.1gを15分かけて定速滴下し、80℃にて乳化した。その後35℃以下まで放冷を行った。このようにして得られたベシクル組成物をプレミックスとした。このように油相を攪拌しながら水相を滴下する乳化形式を一般に転相乳化という。表1に示した数値は全てActive質量%で表示している。
実施例2〜5、比較例1〜6
実施例1と同様に、表1に示した処方にてベシクル組成物を得た。
ただし、成分(B)に関しては、以下のものを用いた。
ステアリン酸:ルナックS−90、花王株式会社製
パルミチン酸:ルナックP−95、花王株式会社製
分岐ステアリン酸:イソステアリン酸EX、高級アルコール工業株式会社製
ラノリン脂肪酸:18−MEA(18−メチルエイコサン酸を含む脂肪酸及び分岐脂肪酸混合物、平均分子量:364.3)、クローダジャパン株式会社製
また、成分(D)および成分(E)に関しては以下のものを用いた。
グリコール酸:グリコール酸水溶液(71%)、丸和物産株式会社製
プロピレングリコール:化粧用プロピレングリコール、株式会社ADEKA製
評価1
実施例1〜5及び比較例1〜6について、以下の評価を行った。結果は表1に示した。
(ベシクル構造観察)
プレミックスを光学顕微鏡(ECLIPSE E800:NIKON社製)を用いて、室温、偏光条件下(直交ニコル)観察した。
(平均粒径)
プレミックス中ベシクルの平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製、SALD2100)を用いて、循環方式におけるフローセルの中を移動するベシクルにレーザ光を照射して得られる散乱光の強度分布を測定し、当該強度分布から変換して得られる体積分布により平均粒径を測定した。平均粒径は体積基準のメディアン径(D50)を用いた。
(グリシルグリシンの内包率)
グリシルグリシンの標準品を重水1ml(内部標準としてTSP(3−トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム)0.1質量%を含む)に溶解させた、濃度が0.001g/mL、0.002g/mL、0.004g/mL、0.006g/mL、0.008g/mL、0.010g/mL、0.020g/mL、0.030g/mLのサンプルをそれぞれ調製してH−NMR測定を行い、内部標準TSPの積分値に対するグリシルグリシン由来ピーク(ケミカルシフト:3.825ppm及び3.875ppm)の積分値の比を求め、予め検量線を作成した。次に、ベシクル組成物を水で10倍(体積比)に希釈した後、10,000rpm、60分遠心分離(KUBOTA3740,株式会社久保田製作所製)にかけた。分離した水相を1.00g採取し、12〜24時間凍結乾燥を行った後、重水1ml(内部標準としてTSP0.1質量%を含む)で希釈した。これをサンプルとしてH−NMR測定を行い、グリシルグリシン由来ピークの積分値を求めることで、各ベシクル組成物の外水相中のグリシルグリシン濃度を算出し、外水相中のグリシルグリシンの質量を求めた。実施例1〜5又は比較例1〜6のベシクル組成物を製造するために用いたグリシルグリシンの総質量から外水相中のグリシルグリシンの質量を差し引くことで、ベシクル中に含まれるグリシルグリシンの質量を算出し、上記式(II)から、グリシルグリシン内包率(W)を算出した。なお、NMR装置は、Advance400M(Bruker社製)を用いた。
(内包率の減少率)
実施例1〜5及び比較例1〜6のベシクル組成物を室温(20℃〜25℃)で30日間保存した。上記のH−NMRを用いた手法により、外水相中のグリシルグリシンの質量を求め、保存後のベシクル中に含まれるグリシルグリシンの質量を算出し、上記式(III)から保存後のグリシルグリシンの内包率(W)を算出した。また、上記式(I)より、保存前後の内包率の減少率(ΔW)を算出した。
Figure 0005719229
実施例1A〜5A、比較例1B〜6B
表2に示した処方にてヘアコンディショナーを得た。具体的には、1000mlビーカーに水相としてイオン交換水531.6g、ジプロピレングリコール(同上)10.0g、ムサシノ乳酸90を10.0g入れ、55℃までプロペラで攪袢下加熱した。その後、ファーミンDM E−80(花王株式会社製)を17.0g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王株式会社製)58.0g、ベンジルアルコール(同上)2.0gから成る油相を80℃で均―溶解した後、水相中に添加し、30分間250rpmで攪拌して乳化した。その後イオン交換水の残り300.0gを添加し、250rpmで攪拌しながら35℃以下まで放冷してベース混合物を調製した後、実施例1〜5、比較例1〜6で調製したベシクル組成物(プレミックス)71.4gを添加し、ヘアコンディショナーとした。なお、比較例6Bについては、グリシルグリシンを後から添加するイオン交換水中に溶解してから添加したこと以外は、上述と同様の手順にてコンディショナーを調製した。なお、本実施例1A〜5A及び比較例1B〜6Bで調製したヘアコンディショナーは洗い流す形態で使用する毛髪化粧料である。
評価2
実施例1A〜5A、比較例1B〜6Bについて、以下の評価を行った。結果は表2に示した。
(感触評価)
ストレートパーマ1回、ブリーチ2回処理を施した日本人女性の毛髪をダメージ毛髪とし、それぞれ20g(長さ15〜20cm、平均直径80μm)の毛髪束を、下記の組成の標準シャンプー2gを用いて洗浄した毛髪束に、表2に示すヘアコンディショナー2gを塗布し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、およそ30秒間約40℃の流水下で濯ぎ、ついで、タオルドライを行い、ドライヤーで十分に乾燥させた。
毛髪の「塗布時の剤の厚み感」、「すすぎ時のきしみのなさ」、「乾燥後の滑りの良さ」、「乾燥後のきしみのなさ」を評価した。評価は5人で5段階評価で行い、その評価の積算値を示した。
・標準シャンプーの処方(pH7.0)
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 62.0質量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3質量%
エデト酸二ナトリウム 0.15質量%
安息香酸ナトリウム 0.5質量%
塩化ナトリウム 0.8質量%
75%リン酸 適量
香料、メチルパラベン 適量
精製水 残量
・評価基準
「塗布時の剤の厚み感」
5:非常に厚み感を感じる
4:厚み感を感じる
3:やや厚み感を感じる
2:あまり厚み感を感じない
1:厚み感を感じない
「すすぎ時のきしみのなさ」
5:髪のきしみが全くない
4:髪のきしみがない
3:髪のきしみがあまりない
2:髪のきしみが少しある
1:髪のきしみがある
「乾燥後の滑りの良さ」
5:非常に滑りが良い
4:滑りが良い
3:やや滑りが良い
2:あまり滑りが良くない
1:滑りが良くない
「乾燥後のきしみのなさ」
5:髪のきしみが全くない
4:髪のきしみがない
3:髪のきしみがあまりない
2:髪のきしみが少しある
1:髪のきしみがある
Figure 0005719229

Claims (10)

  1. 成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び水を含み、連続相が水相であるベシクル組成物であって、
    平均粒径が1〜20μmであるベシクルを含有し、
    前記成分(B)の含有量が、該ベシクル組成物に含まれる炭素数14〜24の脂肪酸全体に対して、90質量%以上であり、
    前記成分(C)の塩基当量に対する、(B)+(D)の酸当量の総和の比(((B)+(D))/(C))が、0.6〜1.8である、ベシクル組成物:
    (A)アミノ酸残基の数が2又は3である、一般式()で表される化合物、
    Figure 0005719229
    〔式中、Xは水酸基が置換していてもよい炭素数1〜4の二価の炭化水素基又は、アルギニン残基、アラニン残基、フェニルアラニン残基、グリシン残基、グルタミン残基、グルタミン酸残基、セリン残基、プロリン残基、N−メチルプロリン残基、4−ヒドロキシプロリン残基から選ばれるアミノ酸残基を示し、
    Yはアルギニン残基、アラニン残基、グリシン残基、グルタミン残基、グルタミン酸残基、セリン残基、プロリン残基、4−ヒドロキシプロリン残基から選ばれるアミノ酸残基又は化学式(2)
    Figure 0005719229
    (式中、−*は隣接するカルボニル基又は酸素原子と結合する結合手を示す。)で表される二価の基を示し、Rは水素原子、又は水酸基が置換していてもよい炭素数1〜4の一価の炭化水素基を示し、m及びnは0又は1を示す。但し、m及びnが同時に1となる場合、Xはアミノ酸残基となることはない。〕;
    (B)炭素数14〜24の直鎖脂肪酸;
    (C)第3級アミン化合物;
    (D)炭素数1〜8の有機酸;
    (E)多価アルコール
  2. 前記ベシクル組成物中の前記成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計が1〜40質量%である、請求項1に記載のベシクル組成物。
  3. 前記成分(B)の含有量が0.1〜10質量%である、請求項1又は2に記載のベシクル組成物。
  4. 前記成分(D)に対する前記成分(B)のモル比((B)/(D))が1〜9である、請求項1乃至3いずれか1項に記載のベシクル組成物。
  5. 前記成分(D)の含有量が0.05〜4質量%である、請求項1乃至4いずれか項に記載のベシクル組成物。
  6. 前記成分(C)の含有量が0.5〜15質量%である、請求項1乃至5いずれか項に記載のベシクル組成物。
  7. 前記成分(B)が炭素数16〜22の直鎖脂肪酸である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のベシクル組成物。
  8. 前記成分(A)がグリシルグリシンである、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のベシクル組成物。
  9. 前記成分(A)がグリシルグリシンであり、
    前記成分(B)が直鎖ステアリン酸であり、
    前記成分(C)がエーテルアミン又はアルキルアミドアミンのいずれかであり、
    前記成分(D)がグリコール酸又は乳酸のいずれかである、
    請求項1乃至8のいずれか1項に記載のベシクル組成物。
  10. カチオン界面活性剤と、
    炭素数12〜28であり、水酸基が1である脂肪族アルコールと、
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載のベシクル組成物と、
    を含有する毛髪化粧料。
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