JP5944126B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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特に、髪のボリューム感は、若々しさやはつらつとした印象に与える影響は大きいことから、失われた髪のボリューム感を十分に蘇らせる技術への要望は、非常に大きいものである。
前記塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムと前記ピロリドンカルボン酸Naの含有比率が2:1〜10:1(質量比)であり、
前記ピロリドンカルボン酸Naは、D体とL体の比率が1:1〜1:19である、毛髪化粧料である。
毛髪化粧料は、毛髪に使用し毛髪セット効果を付与する任意の化粧料であり、毛髪の帯電防止、ごわつきの抑制、ツヤを出す、櫛どおりや手触りをなめらかにする、シャンプー等による洗浄後に開いたキューティクルを元に戻す、髪に残留してコーティングする等の目的で使用する。
本発明では、毛髪化粧料は、リンスに限定されるものでなく、コンディショナー、トリートメント、パック、マスク、リンスインシャンプー等も含まれる。
本発明の毛髪化粧料は、カチオン性界面活性剤と、0.5質量%以上のピロリドンカルボン酸Naを含有する。
カチオン性界面活性剤としては、例えば次の一般式で表される第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料では、ピロリドンカルボン酸Naは保湿剤としての効果のみならず、毛髪化粧料の塗布時からすすぎ時にかけてカチオン性界面活性剤との錯体を形成させることをねらいとして配合するのであり、この錯体が髪のボリューム感に大きく影響することとなる。そのためには、毛髪化粧料中にピロリドンカルボン酸Naを0.5質量%以上含有させることが不可欠となる。0.5質量%よりも少ないと、髪のボリューム感を十分に付与することができないからである。また、ピロリドンカルボン酸Naを含有する毛髪化粧料中の安定性に寄与するカチオン性界面活性剤が、毛髪化粧料中に含有可能な量を考慮すれば、ピロリドンカルボン酸Naの含有量の上限は2.5質量%となる。
なお、上記質量比が<2:1の場合、カチオン性界面活性剤の乳化力が低下し、乳化することが困難となるだけでなく、毛髪化粧料として系の安定性を確保することも困難となり、分離等の問題が発生する。一方、上記質量比が>10:1の場合、カチオン性界面活性剤が過剰となるために、毛髪化粧料として系の安定性を確保することが困難となるだけでなく、不快なぬめり感・べたつき感が強くなり感触が低下してしまう。
これらの現象を踏まえ、髪のボリューム感の付与と使用感、および系の安定性を考慮すれば、カチオン性界面活性剤とピロリドンカルボン酸Naの含有比率が3:1〜5:1(質量比)であることが、より好ましい。
架橋型メチルポリシロキサンは、毛髪化粧料において、さらさら感や柔らかな感触、滑らかな感触といった使用感を付与するものである。本発明の毛髪化粧料では、架橋型メチルポリシロキサンを0.05質量%〜2.0質量%含有することができる。
また、ヒドロキシエチルセルロースは、粘性調整剤であり、本発明の毛髪化粧料では、0.05質量%〜1.0質量%含有することができる。
このような成分としては、例えば、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤;ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、ポリエチレングリコール等の溶剤;炭化水素油、エステル油等の油剤;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、タンパク加水分解液等の保湿剤;高重合PEG(ポリエチレングリコール)、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム等のコンディショニング剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の可溶化剤;パラベン等の防腐剤;サリチル酸、トリクロサン、ピロクトンオラミン等の殺菌剤;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のpH調整剤;エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸等の金属イオン封鎖剤;パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、オキシベンゾン、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル等の紫外線吸収剤;ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェロール等の酸化防止剤;色素などを挙げることができる。
なお、これらの形態とするために、毛髪化粧料を製造するにあたり、特別な設備や機器等を必要とせず、従来設備を用いて製造することができる。
カチオン性界面活性剤とアニオン化合物を組み合わせた毛髪化粧料が与える、髪へのボリュームアップ感を評価した。
部に油相8質量部を撹拌投入し、80℃〜85℃条件下で30分間撹拌後、室温まで冷却することにより、毛髪化粧料を得た。
実施例2では、DL‐ピロリドンカルボン酸Naに代わってDL体とL体とが1:9の比率(D:L=1:19)で存在するピロリドンカルボン酸(味の素株式会社製)を、参考例1では、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムに代わって塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(花王株式会社製)を、参考例2では、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(日油株式会社製)を混合した。
また、比較例1〜3では、DL‐ピロリドンカルボン酸Naに代わってポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸Na(花王株式会社製)、ラウロイル加水分解シルクNa(株式会社成和化成製)または(スチレン/ビニルピロリドン)コポリマー(ISPジャパン製)を混合した。
なお、本実施例において、他の原材料としては、ステアリルアルコール(花王株式会社製)、架橋型メチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング株式会社製)、ヒドロキシエチルセルロール(ダイセル化学工業株式会社製)を使用した。
具体的には、10名の女性パネラーが同一のシャンプーを使用して毛髪を洗浄後、10gの実施例1、2、参考例1、2、比較例1〜3の各毛髪化粧料を塗布し、流水ですすいでからタオルで髪の水分を拭き取り、最後にドライヤーで乾燥させた。予めシャンプーの前に各パネラーの頭部を撮影し、ドライヤーで乾燥後にも頭部を撮影して、髪の分け目角度の差を算出した。結果を表1に示す。
表1の結果から、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、若しくは塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムのいずれかのカチオン性界面活性剤と、ピロリドンカルボン酸Naとを組み合わせた毛髪化粧料は、髪の分け目角度差が20度以上となり、髪のボリュームアップ感を付与する優れた結果を示した(実施例1、2、参考例1、2)。一方、ピロリドンカルボン酸Naに代わってポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸Na、ラウロイル加水分解シルクNaまたは(スチレン/ビニルピロリドン)コポリマーを配合した毛髪化粧料は、ピロリドンカルボン酸Naを配合したものと比べて、ボリュームアップ感の付与に劣る結果となった。
これらの結果から、髪のボリュームアップ感の付与に最も優れていた塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムとDL‐ピロリドンカルボン酸Naの組み合わせを基本配合とし、次に、ピロリドンカルボン酸Naの含有量の最適化を行った。
「1.カチオン性界面活性剤とアニオン化合物の検討」と同様に、表2に示す毛髪化粧料を作製し、髪へのボリュームアップ感を評価することにより、ピロリドンカルボン酸Naの好適な含有量の検討を行った。結果を表2に示す。
表2の結果を踏まえ、次に、カチオン性界面活性剤である塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムと、DL‐ピロリドンカルボン酸Naの含有比率の検討を行った。
「1.カチオン性界面活性剤とアニオン化合物の検討」と同様に、表3に示す毛髪化粧料を作製し、髪へのボリュームアップ感を評価することにより、カチオン性界面活性剤とピロリドンカルボン酸Naの好適な含有比率の検討を行った。結果を表3に示す。
表1〜表3により、カチオン性界面活性剤とピロリドンカルボン酸Naが与える髪のボリュームアップ感へ与える影響を評価した。次に、本発明の毛髪化粧料の実用性評価として、髪のハリ・コシやボリューム感等の評価を行った。
「1.カチオン性界面活性剤とアニオン化合物の検討」と同様に、表4に示す毛髪化粧料を作製した。
10名の女性パネラーの毛髪束(健常な日本人女性の毛髪20g、15cm)について、同一のシャンプーを使用して毛髪束を洗浄後、2gの表4に示す各毛髪化粧料を塗布し、40℃、4L/分の流水ですすいでからタオルで髪の水分を拭き取り、最後にドライヤーで乾燥させ、乾燥後の毛髪のハリ・コシ、ボリューム感、ゴワツキ感の評価を行った。更にこの髪を25℃低湿度下(45%RH)の恒温槽に30分放置し、「パサツキ感の評価」を行った。
ある:2点、ややある:1点、普通:0点、ややない:−1点、ない:−2点
の評価点を付けた。
また、ゴワツキ感については、
ゴワツキ感がない:2点、ゴワツキ感がややない:1点、ややゴワツク:0点、
ゴワツク:−1点
の評価点を付けた。
パサツキ感については、
髪がパサつかない:2点、髪がややパサつく:1点、髪がパサつく:0点、
髪が強くパサつく:−1点
の評価点を付けた。
A:平均点1.5以上
B:平均点1.0以上1.5未満
C:平均点0.0以上1.0未満
D:平均点0.0未満
結果を表4に示す。
「1.カチオン性界面活性剤とアニオン化合物の検討」と同様に、表5に示すヘアトリートメント(pH3.5)および表6に示すヘアコンディショナー(pH4.0)を作製し、使用感等を評価した。
Claims (2)
- 塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムと、ピロリドンカルボン酸Naを少なくとも含有し、前記ピロリドンカルボン酸Naが0.5質量%以上であり、
前記塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムと前記ピロリドンカルボン酸Naの含有比率が2:1〜10:1(質量比)であり、
前記ピロリドンカルボン酸Naは、D体とL体の比率が1:1〜1:19である、毛髪化粧料。 - 架橋型メチルポリシロキサンまたはヒドロキシエチルセルロースの少なくともいずれかを含有する請求項1記載の毛髪化粧料。
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