JP5494142B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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本発明は化粧水、乳液、クリーム、軟膏、パック、ヘアトニック、ファンデーション等の皮膚用の化粧品や医薬品などの外用剤に関し、さらに詳しくは安定性に優れるとともに、肌の老化防止効果として、肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与え、しみを防止して肌を明るくし、かつ肌のなじみ性、べたつき等の使用感にも優れる皮膚外用剤に関する。
人の皮膚表面は皮脂膜に覆われていて水分の蒸散が適度に抑制されている。そして、皮膚の水分を適切な範囲に保つことは皮膚の健康の面から見て非常に大切なことであり、水分が不足すると肌荒れ等を生じやすくなる。洗顔や入浴を行うと一時的に皮脂膜が取り除かれてしまい肌の水分が失われやすくなることから化粧水、乳液、クリーム、美容液等の保湿化粧料を使用して水分を補う必要がある。ここで、一般に化粧料には保湿剤としてグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール類やアミノ酸、ピロリドンカルボン酸塩等が配合されているが、これらの保湿剤は高湿度下における水分保持力には優れているものの低湿度下における水分保持力に難があり、保湿効果の持続性が保てないばかりでなく、場合により皮膚の水分を吸収することから逆に肌荒れを促進させることが知られている。そこで近年、低湿度下での水分保持力の高い保湿成分としてキチン、キトサン及びそれらの誘導体、蛋白加水分解物、ヒアルロン酸等の酸性ムコ多糖類、植物抽出物等様々な高保湿成分が提案されている。しかし、これらの保湿成分を化粧料に配合するとその高い保湿力から不快なべたつきを有したり、のび、なじみが悪くなるという問題を生じることがあった。そこで、高い保湿効果を保持しながらべたつきを改善したものとして、例えば、ムコ多糖類とトレハロースとを組み合わせた皮膚外用剤(特許文献1)等があるが、いまだ十分にべたつきを抑えることはできていなく、しかも肌へのなじみ性、肌荒れ改善効果、肌にはりを与える効果等に関して十分な性能が得られていないのが実状であった。
一方、アミノ酸は皮膚のNMF(天然保湿因子)成分の主成分であることもあり、生体および環境適合性に優れた素材として広く化粧品原料として用いられている。しかし、低湿度下での保湿機能において十分満足できるものではないこともあり、更なる機能化を目指して誘導化が多く試みられている。主要アミノ酸の中でもアルギニンは、分子内にグアジニル基を特徴的な官能基として有し皮膚や毛髪との吸着性に優れることから皮膚外用剤にも古くから応用されており、かつ様々な誘導体も開発されてきた。
しかしながら、近年ではこの「アルギニン」は生体中での酸化の要因となる「NO(一酸化窒素)」の基質でもあり、NOはメラニン産生の促進(非特許文献1)やアポトーシスの誘導等の影響(非特許文献2)等が多数報告されているラジカルである。
アルギニンの誘導体としては、例えば、特許文献2においてN−長鎖アシル(炭素数8〜22)アルギニンの高級アルキル(炭素数12〜22)エステル塩及びそれを含有してなる毛髪化粧料が報告されており、また、特許文献3においてアルコール又はアルコールと水との混合溶媒中で、アミノ酸のアルカリ金属塩又はエステル化によりカルボキシル基を保護したアミノ酸に対して、炭素数4〜30の1,2−エポキシアルカンを反応させることを特徴とするN−長鎖(炭素数4〜30)アルキルアミノ酸誘導体が報告されている。
しかし、上記化合物は強い界面活性能を有する「界面活性剤」であり、皮膚へ残存すると様々な弊害が予想されるだけでなく、保湿や整肌効果を与えるものではなかった。
また、特許文献4では、アルギニンとグリシドール又は3−ハロ−1,2−プロパンジオールを反応させることで得られるアルギニンN−グリセリル誘導体が一例として開示されており、該化合物はアルギニンに比べ高い保湿性を有し、つっぱり感やごわつき感を生じないものの、皮膚や毛髪とのなじみ性、皮膚の柔軟化や整肌効果といった点から十分に満足できるものではなかった。
さらに、近年加齢や光に伴う「肌老化」への関心が特に高まっており、特に植物が生成する「ポリフェノール」は、抗酸化性優れ、酸化による肌老化を抑制することから様々な検討がなされてきた。例えば、特許文献5〜特許文献7においては、ツキミソウ由来、ビルベリーエキス、カキ(柿)抽出物などのポリフェノールを配合することにより、肌老化を防ぐ化粧料や医薬品が提案されている。しかし、一般的に、ポリフェノールは着色やオリなどを生じ易いことから、安定的に配合することが難しく、しかも、製剤において十分な肌老化防止作用を発揮させることができないのが現状であり、かつ進行した肌老化を改善する効果や肌にはりを与えたり、キメが整いつやのあるきれいな肌に仕上げる効果(整肌効果)を十分発揮するものはでなかった。
特開平6−122621号公報 特開平2−764号公報 特開昭48−22417号公報 国際公開第04/052318号パンフレット 特開2003−128511号公報 特表2005−535566号公報 特表2006−508905号公報
J. Clin. Invest., 99, 4, 635-642, 1997 J. Immunol., 155, 2858-2865, 1995
本発明は化粧水、乳液、クリーム、軟膏、パック、ヘアトニック、ファンデーション等の皮膚用の化粧品や医薬品などの外用剤に関し、さらに詳しくは安定性に優れるとともに、肌の老化防止効果として、肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与え、しみを防止して肌を明るくし、かつ肌のなじみ性、べたつき等の使用感にも優れる皮膚外用剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために研究を重ねたところ、特定のアルギニン誘導体と特定の多価アルコール類に加え、ポリフェノールとキレート剤を特定の比率で組み合わせることにより目的の皮膚外用剤を得るに至った。
すなわち、本発明は、
a.下記一般式(1)で示されるアルギニン誘導体0.05〜20重量%、
(R、Rは水素原子又はヒドロキシプロピル基であり、R、Rの少なくともどちらかはヒドロキシプロピル基を示す。Rは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基又はアルカノールアミンのカチオン性残基を示す。)
b.炭素数4〜8のグリコール2〜15重量%、c.ポリフェノール0.0001〜0.2重量%、d.キレート剤0.1〜2重量%含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
本発明に用いるa成分は式(1)で示されるアルギニン誘導体である。式(1)中のR、Rは水素原子又はヒドロキシプロピル基であり、少なくともどちらかはヒドロキシプロピル基である。Rは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基又はアルカノールアミンのカチオン性残基である。皮膚や毛髪へのなじみ性、テクスチャーおよび整肌効果が優れる点でジヒドロキシプロピルアルギニンが好ましい。
本発明のアルギニン誘導体は、例えば、水を溶媒としてアルギニンとプロピレンオキシドとを反応させることにより得ることができる。具体的には、所定濃度のアルギニン水溶液を調製し、撹拌・加温しながら、プロピレンオキシドを滴下して反応を行うことで、式(1)で表されるアルギニン誘導体が得られる。この反応に際して、アルコールなどの水溶性有機溶媒を使用することもできるが、プロピレンオキシドは任意に水と相溶するため、水溶性有機溶媒を使用しなくても反応は進行する。そして、アルコールとプロピレンオキシドとの副反応が生じる可能性、残留溶媒の危険性、環境への負荷等を考慮すると、水溶性有機溶媒を使用せず、水を溶媒とすることが好ましい。さらに、アルギニンは比較的強い塩基性のアミノ酸であるため、そのα−アミノ基はアルカリ剤(触媒)を加えなくても活性化され、プロピレンオキシドと反応する。一方、アルカリ剤由来のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属が存在する場合、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属がアルキレンオキシドと水との反応触媒として働き、グリコールなどの不純物が生成し易くなる。したがって、反応は無触媒で行うことが好ましい。そして、反応温度は好ましくは30〜90℃、より好ましくは40〜80℃、さらに好ましくは50〜70℃であり、反応温度が30℃未満では、反応速度が遅くなり、反応温度が90℃より高いと臭いの発生や着色が起こり易くなる。さらに、プロピレンオキシド滴下終了後には、反応を完結させるために、加温しながら3〜10時間攪拌を続けるのが好ましい。反応終了後は、窒素によるバブリング等で未反応のプロピレンオキシドを容易に除去できることができる。除去後にはスプレードライ、凍結乾燥、再結晶等により粉体(固体)として得ることができる。本発明においては、アルギニン誘導体を反応終了後の水溶液として用いることもできる。
本発明で用いるb成分は、炭素数4〜8のグリコールである。具体的には、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘプチレングリコール、オクチレングリコール等が挙げられ、中でも防腐性、使用感等の点から好ましいのはブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、オクチレングリコールである。
本発明で用いるc成分のポリフェノール(polyphenol) とは、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)を有する化合物であり、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなど植物が光合成を行うときにできる物質の総称を表わす。糖分の一部が変化したもので、植物の葉や花、樹皮などに成分として含有されており、その数は5,000種以上に及ぶ。植物の色素や苦味の成分であり、植物細胞の生成、活性化などを助ける働きを有することが知られており、人の身体の中に入っても、抗酸化物として有効に働くことが明らかになっている。中でも効果および安定性の問題から、ピーナッツ、クルミ、ペカンナッツ等の薄皮から得られるナッツポリフェノールやカテキン、タンニン、アントシアニン、ルテイン、ロズマリン酸、ブドウのつるや皮などから得られるレスベラトロール、ホソバヒカゲスゲの全草から得られるα−ビニフェリンが好ましい。
本発明においては植物抽出物から精製または合成したポリフェノールを使用することも可能であるが、ポリフェノールを含有した植物エキスとして使用しても良い。
一方、本発明で用いるd成分のキレート剤は、水中の重金属イオンやアルカリ土類金属イオンをキャッチする金属イオン封鎖剤であり、有機系キレート剤や無機系のキレート剤がある。有機系のキレート剤として代表的なものはアミノカルボン酸系キレート剤であり、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、ジヒドロキシエチルグリシン、1,3−プロパンジアミンテトラ酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンテトラ酢酸およびそれらの塩等がある。また、その他のキレート剤として例えば、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン酸、クエン酸、アスコルビン酸およびそれらの塩等がある。その中でも安定性、安全性、使用感等の点で好ましいものはエチレンジアミンテトラ酢酸、1,3−プロパンジアミンテトラ酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンテトラ酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、クエン酸、アスコルビン酸およびそれらの塩であるが、特に好ましいのは、エチレンジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、クエン酸、アスコルビン酸およびそれらの塩である。
そして、本発明のa成分は組成物全量中に0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、更に好ましくは0.3〜10重量%含まれる。0.05重量%未満ではシワ防止・改善効果、肌荒れ改善効果、肌にはりを与える効果が弱くなり、20重量%を超えると使用感が悪くなるとともにコスト的に不利である。
本発明のb成分は組成物全量中に2〜15重量%、好ましくは2〜12重量%、更に好ましくは2〜10重量%である。2重量%未満では肌へのなじみ性、肌荒れ改善効果が弱くなり、15重量%を超えるとべたつきを有するとともに肌にはりを与える効果が弱くなる。
本発明のc成分は組成物全量中に0.0001〜0.2重量%であり、好ましくは0.0005〜0.2重量%、更に好ましくは0.0005〜0.1重量%である。0.0005重量%未満では肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果、しみ防止効果、安定性に問題を生じ、0.2重量%を超えると肌を明るくする効果や安定性に問題を生じるとともにコスト的に不利である。
本発明のd成分は組成物全量中に0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1.8重量%、更に好ましくは0.15〜1.5重量%である。0.1重量%未満では安定性に問題を生じるとともに肌に透明感と明るさを与える効果が弱くなり、2重量%を超えると肌のなじみ性が悪くなるとともにべたつきを有することがある。
本発明の皮膚外用剤には、化粧料や医薬品に常用されている添加剤を本発明の皮膚外用剤の性能を損なわない範囲で配合することも可能である。例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、イソマルチトール等の本発明の成分以外の多価アルコール、乳糖、果糖、ショ糖等の糖類、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素系油、天然油脂、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等の合成トリグリセライド、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のエステル油、ミツロウ、カルナバロウ等のロウ類、高重合ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン誘導体、セラミド、コレステロール、蛋白誘導体、ラノリン、ラノリン誘導体、レシチン等の油性基剤、脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、アミドエーテル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、アミドアミノ酸塩、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキシド等の半極性界面活性剤、ピロリドンカルボン酸塩、食塩等の有機または無機塩類、pH調製剤としての酸及びアルカリ、殺菌剤、抗酸化剤、血行促進剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、動植物由来の天然エキス、ビタミン類、アミノ酸類、感光素、色素、顔料及び香料等を配合できる。
実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
[a成分(アルギニン誘導体)の合成]
<アルギニン誘導体1(モノヒドロキシプロピルアルギニン)>
L−アルギニン174g(1モル)をイオン交換水406gに溶解し、オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内の空気を乾燥窒素で置換した。次に60℃にオートクレーブを加温し、滴下装置によりプロピレンオキシド58g(1モル)を1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに6時間攪拌した。反応終了後、30分間乾燥窒素でバブリングして未反応のプロピレンオキシドを除去し、オートクレーブから反応生成物を取り出した。この反応生成物に対し、イオン交換水を加え、アルギニン誘導体1の25重量%水溶液を調製し、以下の検討に用いた。なお、L−アルギニンと、アルギニン誘導体1の25重量%水溶液の全アミン価を、「医薬部外品原料規格2006(薬事日報社編) 別記II 規格各条」掲載の「L−アルギニン」の「定量法」に従い測定したところ、L−アルギニンは642.0(理論全アミン価644.2)、アルギニン誘導体1の25重量%水溶液は113.4であった。
<アルギニン誘導体2(ジヒドロキシプロピルアルギニン)>
L−アルギニン174g(1モル)をイオン交換水406gに溶解し、オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内の空気を乾燥窒素で置換した。次に60℃にオートクレーブを加温し、滴下装置によりプロピレンオキシド116g(2モル)を1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに6時間攪拌した。反応終了後、30分間乾燥窒素でバブリングして未反応のプロピレンオキシドを除去し、オートクレーブから反応生成物を取り出した。この反応生成物に対し、イオン交換水を加え、アルギニン誘導体2の25重量%水溶液を調製し、以下の検討に用いた。L−アルギニンと、アルギニン誘導体2の25重量%水溶液の全アミン価を、「医薬部外品原料規格2006(薬事日報社編) 別記II 規格各条」掲載の「L−アルギニン」の「定量法」に従い測定したところ、L−アルギニンは642.0(理論全アミン価644.2)、アルギニン誘導体2の25重量%水溶液は87.5であった。
実施例1〜3及び比較例1、2
表1に示す化粧水を調整し、7項目について下記の評価基準により評価を行なった。結果を表1に示す。
[評価項目及び評価基準]
(1)肌へのなじみ性
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚外用剤を使用した時の感触について下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を使用時の感触の良好な皮膚外用剤であると評価した。
2点:使用時に肌へのなじみが良いと感じた場合。
1点:使用時にやや肌へのなじみが悪いと感じた場合。
0点:使用時に明らかに肌へのなじみが悪いと感じた場合。
(2)使用後のべたつき
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚外用剤を使用して10分後の肌の感触について下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を使用後のべたつきがない皮膚外用剤であると評価した。
2点:べたつきが無いと感じた場合。
1点:肌がややべたつくと感じた場合。
0点:肌が非常にべたつくと感じた場合。
(3)肌荒れ改善効果
肌荒れを生じている10名の女性(32才〜50才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日2週間に至って使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、10名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌荒れ改善効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:肌荒れが明らかに治ってきたと感じた場合。
1点:肌荒れがやや治ってきたと感じた場合。
0点:肌荒れ改善効果が全く見られないと感じた場合。
(4)シワ防止・改善効果
肌荒れを生じている20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日4週間に至って使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上をシワ防止・改善効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:シワが明らかに少なくなったと感じた場合。
1点:シワがやや少なくなってきたと感じた場合。
0点:シワが減少しない、もしくは増えたと感じた場合。
(5)肌のはり
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日2週間に至って使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌にはりと透明感を与える効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:明らかに肌にはりがでたと感じた場合。
1点:やや肌にはりがでたと感じた場合。
0点:肌にはりがないと感じた場合。
(6)肌の透明感と明るさ
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日4週間に至って使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌に透明感を与え、明るくする効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:明らかに肌に透明感が出て、明るくなったと感じた場合。
1点:やや肌に透明感が出て、明るくなったと感じた場合。
0点:肌の透明感、明るさに変化が無いと感じた場合。
(7)経時安定性
化粧料を透明ガラス容器に密封して0℃、25℃、40℃で3ヶ月間保存し、その外観を観察して、下に示す3段階で評価した。
○:安定性良好(いずれの温度においても外観の変化がない。)
△:安定性やや不良(いずれかの温度において若干おり、沈殿を生じるまたは若干変色を生じる。)
×:安定性不良(いずれかの温度においており、沈殿を生じるまたは分離する。もしくは変色が著しい。)
注1;「ピーカンナッツエキスBG」(日油株式会社製)
注2;「PF-TP90」(株式会社ファーマフーズ研究所製)
実施例1〜3より、本発明の成分を用いた化粧水はいずれも肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与え、しみを防止して肌を明るくし、かつ肌のなじみ性、べたつき等の使用感にも優れるとともに安定性にも優れていた。一方、比較例1、2では十分な性能が得られていなかった。つまり、比較例1ではa成分に換えてアルギニンが配合されていることから、肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果、肌にはりを与える効果が弱くなるとともに肌の透明感と明るさが十分でなく、比較例2ではc成分が配合されていないことから、肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果、肌の透明感と明るさが弱くなっている。
実施例4〜6、比較例3、4
表2に示す水中油型乳化の乳液を調整し、実施例1〜3と同様の方法により評価を行なった。結果を表2に示す。
注1;「ピーカンナッツエキスBG」(日油株式会社製)
注2;「PF-TP90」(株式会社ファーマフーズ研究所製)
注3;「クミスクチンエキスBG」(日油株式会社製)
注4;「カーボポール #941」(BF-Goodrich社製)
実施例4〜6より、本発明の成分を用いた乳液はいずれも肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与え、しみを防止して肌を明るくし、かつ肌のなじみ性、べたつき等の使用感にも優れるとともに安定性にも優れていた。一方、比較例3、4では十分な性能が得られていない。つまり、比較例3ではa成分に換えてアルギニンが配合されていることから、肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果、肌にはりを与える効果が弱くなるとともに肌の透明感と明るさを付与する効果が十分でなく、比較例4ではd成分が配合されていないことから、肌へ透明感と明るさを付与する効果が弱くなるとともに安定性にも問題を生じている。
実施例7、8
表3に示す水中油型乳化のクリームを調製し、評価項目(1)〜(6)は実施例1〜3の方法により、そして評価項目(7)の経時安定性については下記の方法により評価を行なった。但し、共通添加成分として表4に示す10成分を使用した。結果を表3に示す。
(7)経時安定性
化粧料を透明ガラス容器に密封して−5℃、25℃、45℃で1ヶ月間保存したときの状態を調査し、下に示す3段階で評価した。
○:安定性良好(いずれの温度においても外観の変化がなくブツ等も生じない。)
△:安定性やや不良(いずれかの温度において僅かに沈殿を生じるか僅かに分離が見られる。または僅かにブツ、ダマを生じている。)
×:安定性不良(いずれかの温度において明らかに沈殿を生じるか分離する。
注1;「ピーカンナッツエキスBG」(日油株式会社製)
注5;「Resveratrox De-Colored 2% SOL.」(香栄興業株式会社製)
実施例7、8より、本発明のクリームはいずれも肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与え、しみを防止して肌を明るくし、かつ肌のなじみ性、べたつき等の使用感にも優れるとともに安定性にも優れていた。
実施例9、10
表3に示す油中水型乳化のクリームを調整し、実施例7、8に示す評価方法により評価を行なった。但し、共通添加成分として表5に示す10成分を使用した。結果を表3に示す。
実施例9、10より、本発明のクリームはいずれも肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与え、しみを防止して肌を明るくし、かつ肌のなじみ性、べたつき等の使用感にも優れるとともに安定性にも優れていた。

Claims (1)

  1. 全組成物当たり、a.下記一般式(1)で示されるアルギニン誘導体0.05〜20重量%、

    (R、Rは水素原子又はヒドロキシプロピル基であり、R、Rの少なくともどちらかはヒドロキシプロピル基を示す。Rは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基又はアルカノールアミンのカチオン性残基を示す。)
    b.炭素数4〜8のグリコール2〜15重量%、c.ポリフェノール0.0001〜0.2重量%、d.キレート剤0.1〜2重量%含有することを特徴とする皮膚外用剤。
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