JP6381172B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
本発明に用いられるa成分は、炭素数が12〜16であるイソパラフィン(分岐飽和炭化水素)を含むパラフィン(飽和炭化水素)の混合物であり、さらに、炭素数が12〜16の直鎖飽和炭化水素を含むことがある。なお、本発明のパラフィン混合物には、本発明の目的に反しない程度に、炭素数が12〜16の飽和炭化水素以外の炭化水素、例えば環状飽和炭化水素や不飽和炭化水素などが含まれていてもよい。
本発明で用いられるb成分は、1分子内に2個の水酸基を有する二価アルコールであり、一般にグリコールと称される。そして、本発明におけるb成分はグリコールの中でも炭素数が4〜8の化合物であり、具体的には、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘプチレングリコール、オクチレングリコール等が挙げられ、これらの中から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。中でも防腐性、使用感等の点から好ましいのはブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、オクチレングリコールであり、特に好ましいのは、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンチレングリコール、ジプロピレングリコールである。
本発明で用いられるc成分は、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)を有するポリフェノール(polyphenol)である。ポリフェノールとは、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなど、植物が光合成を行うときにできる物質の総称を表わす。糖分の一部が変化したもので、植物の葉や花、樹皮などに成分として含有されており、その数は5,000 種以上に及ぶ。植物の色素や苦味の成分であり、植物細胞の生成、活性化などを助ける働きを有することが知られており、人の身体の中に入っても、抗酸化物として有効に働くことが明らかになっている。中でも効果および安定性の問題から、ピーナッツ、クルミ、ペカンナッツ等の薄皮から得られるナッツポリフェノールやカテキン、タンニン、アントシアニン、ルテイン、ロズマリン酸、ブドウのつるや皮などから得られるレスベラトロール、ホソバヒカゲスゲの全草から得られるα−ビニフェリンが好ましい。c成分として、ポリフェノールの中から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。なお、本発明においては植物抽出物から精製または合成したポリフェノールを使用することも可能であるが、ポリフェノールを含有する植物エキスをc成分として使用しても良い。
本発明で用いられるd成分は、キレート剤であり、水中の重金属イオンやアルカリ土類金属イオンをキャッチする金属イオン封鎖剤であり、一般に有機系キレート剤や無機系のキレート剤がある。有機系のキレート剤として代表的なものはアミノカルボン酸系キレート剤であり、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HIDA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(EHDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸(TTHA)、ジカルボキシメチルグルタミン酸(GLDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、1,3−プロパンジアミンテトラ酢酸(PDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンテトラ酢酸(DPTA−OH)およびそれらの塩等が挙げられる。また、その他のキレート剤として例えば、ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTMP)、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)、クエン酸、アスコルビン酸およびそれらの塩等が挙げられる。d成分として、キレート剤の中から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。その中でも安定性、安全性、使用感等の点で好ましいものはEDTA、PDTA、DPTA−OH、HEDP、クエン酸、アスコルビン酸およびそれらの塩であり、特に好ましいのは、EDTA、HEDP、クエン酸、アスコルビン酸およびそれらの塩である。
JIS K0070のヨウ素価試験方法に準じる。
<沸点範囲>
JIS K2254の蒸留試験方法に準じる。
<引火点>
JIS K2265の密閉式引火点測定法に準じる。
島津製GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定装置を用いて数平均分子量(ポリスチレン換算)を測定した。
所定量の試料を白金皿中で緩やかに燃焼させた後に、電気炉で完全に燃焼した灰分を濃塩酸で溶解し、測定試料とした。次にICP発光分析装置を使用し、所定操作により分析した。
合成例1;パラフィン混合物1
工程1)イソブテン30質量%、1−ブテン18質量%、2−ブテン類25質量%を含む炭素数4のブテン混合ガスとブタンガス27質量%を含む混合ガスをオートクレーブに仕込み、塩化アルミニウム触媒の存在下に共重合し、さらに未反応ガスおよび炭素数20以上の高沸点成分を除去して、炭素数16以下のポリブテン混合物を調製した。このポリブテン混合物は、数平均分子量が185であった。
合成例1記載の工程3)において、吸着剤の種類を粒子径が異なる2種のアタパルガスクレーに変更した。異なる粒子径のアタパルガスクレーのうち一方は粒子径840μmから1000μmのものであり、他方は粒子径200μmから480μmのものである。まず、粒子径840μmから1000μmのものを吸着カラムの容積割合で20%充填して仕込み、次に残り80%の割合を粒子径200μm〜480μmのもので充填して吸着カラムとした。この吸着カラムに、毎分1mLの流速、25℃で連続的に送液して、触媒・装置由来の微量金属成分の吸着処理を行った。
皮膚外用剤として表1、2に示す乳液を調製し、下記の7項目について下記の評価基準により評価を行なった。結果を表1、2に示す。
(1)使用後のべたつき
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚外用剤を使用して10分後の肌の感触について下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を使用後のべたつきがない皮膚外用剤であると評価した。
2点:べたつきがないと感じた場合。
1点:肌がややべたつくと感じた場合。
0点:肌が非常にべたつくと感じた場合。
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚外用剤を使用して10分後の肌の感触について下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を使用後の肌がさらさらすべすべする皮膚外用剤であると評価した。
2点:さらっとしていてかつすべすべの肌になったと感じた場合。
1点:肌がややさらっとしているがすべすべ感はあまり感じられない場合。
0点:肌にすべすべ感が無いと感じた場合。
肌荒れを生じている10名の女性(32才〜50才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日2週間に至って使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、10名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌荒れ改善効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:肌荒れが明らかに治ってきたと感じた場合。
1点:肌荒れがやや治ってきたと感じた場合。
0点:肌荒れ改善効果が全く見られないと感じた場合。
肌荒れを生じている20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日4週間に至って使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上をしわ防止・改善効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:しわが明らかに少なくなった(目立たなくなった)と感じた場合。
1点:しわがやや少なくなってきた(やや目立たなくなった)と感じた場合。
0点:しわが減少しない、もしくは増えたと感じた場合。
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日2週間に至って使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌にはりと透明感を与える効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:明らかに肌にはりがでたと感じた場合。
1点:やや肌にはりがでたと感じた場合。
0点:肌にはりがないと感じた場合。
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日4週間に至って使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌に透明感を与え、明るくする効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:明らかに肌に透明感が出て、明るくなったと感じた場合。
1点:やや肌に透明感が出て、明るくなったと感じた場合。
0点:肌の透明感、明るさに変化が無いと感じた場合。
皮膚外用剤を透明ガラス容器に密封して0℃、25℃、40℃でそれぞれ3ヶ月間保存し、その外観を観察して、下に示す3段階で評価した。
○:安定性良好(いずれの温度においても外観・臭気の変化がない。)
△:安定性やや不良(いずれかの温度において若干おり、沈殿を生じるまたは若干着色を生じる、もしくは臭気が変化している。)
×:安定性不良(いずれかの温度においており、沈殿を生じるまたは分離する。もしくは着色や臭気劣化が著しい。)
注2;「クミスクチンエキスBG」(日油(株)製)
注3;「BIO-CHE」(Bioland社製)
注4;「カーボポール #941」(BF-Goodrich社製)
注2;「クミスクチンエキスBG」(日油(株)製)
注3;「BIO-CHE」(Bioland社製)
注4;「カーボポール #941」(BF-Goodrich社製)
注5;「パールリーム4」(日油(株)製)
〔炭素数16、沸点範囲220〜252.5℃、引火点88℃、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン含量0質量%〕
注6;「マルカゾールR」(丸善石油化学(株)製)
〔炭素数12、沸点177℃、引火点48℃、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン含量95質量%以上〕
注7;「SH−245」(東レダウコーニング(株)製)
〔沸点210℃、引火点77℃〕
皮膚外用剤として表3に示す水中油型乳化のクリームを調製し、評価項目(1)〜(6)は実施例1〜5の方法により、そして評価項目(7)の経時安定性については下記の方法により評価を行なった。但し、共通添加成分として表4に示す10成分を使用した。結果を表3に示す。
皮膚外用剤を透明ガラス容器に密封して−5℃、25℃、45℃でそれぞれ1ヶ月間保存したときの状態を調査し、下に示す3段階で評価した。
○:安定性良好(いずれの温度においても外観・臭気の変化がなくブツ等も生じない。)
△:安定性やや不良(いずれかの温度において僅かに臭気劣化、沈殿、分離、ブツ、ダマを生じる等の現象が見られる。)
×:安定性不良(いずれかの温度において明らかに臭気劣化、沈殿、分離等が見られる。)
注6;「Resveratrox De-Colored 2%溶液」(香栄興業(株)製)
皮膚外用剤として表3に示す油中水型乳化のクリームを調製し、実施例6、7に示す評価方法により評価を行なった。但し、共通添加成分として表5に示す10成分を使用した。結果を表3に示す。
Claims (1)
- a.炭素数が12〜16であるイソパラフィンを含み、沸点範囲が185〜215℃であり、2, 2, 4, 6, 6−ペンタメチルヘプタン含有量が10質量%未満であり、ヨウ素価が0.1以下であり、鉄分が3ppm以下であるパラフィン混合物を1〜20質量%、b.炭素数4〜8の二価アルコールを2〜15質量%、c.ポリフェノールを0.0001〜0.2質量%、d.キレート剤を0.1〜2質量%含有することを特徴とする皮膚外用剤。
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