JP6541118B1 - 化粧品基材および該化粧品基材を含有する毛髪用化粧品、美白剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、さらに前記毛髪用化粧品基材を有効成分として配合する毛髪用化粧品を提供することを課題とする。
本発明は、又、皮膚に対する優れたメラニン産生抑制効果(美白効果)を奏する化粧品基材(美白剤)を提供することを課題とする。
本発明は、さらに前記美白剤を有効成分として配合する美白化粧品を提供することを課題とする。
又、アミノ酸の誘導体は、浴用組成物(特許文献5)や清浄・清拭剤(特許文献6)などに利用されているが、それらのアミノ酸の誘導体は毛髪用化粧品の用途では利用されておらず、その作用、効果を示すものはなかった。
加水分解タンパクもしくは下記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸の活性水素の少なくとも一部が、下記一般式(III)で表される官能基により置換されている、又は下記一般式(III)で表される官能基及び下記一般式(IV)、(V)、(VI)もしくは(VII)で表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体もしくは加水分解タンパク誘導体又は前記アミノ酸誘導体もしくは加水分解タンパク誘導体の塩からなることを特徴とする毛髪用化粧品基材である。
加水分解タンパクもしくは前記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸が、一般式(I)又は一般式(II)で表されるアミノ酸であることを特徴とする毛髪用化粧品基材である。
加水分解タンパクもしくは前記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸が、植物性タンパク質加水分解物、ケラチン加水分解物、シルクタンパク質加水分解物、コンキオリン加水分解物又はカゼイン加水分解物であることを特徴とする毛髪用化粧品基材である。
前記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸の活性水素の少なくとも一部が、前記一般式(III)で表される官能基により置換されている、又は前記一般式(III)で表される官能基及び前記一般式(IV)、(V)、(VI)及び(VII)のいずれかで表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体又は前記アミノ酸誘導体の塩からなることを特徴とする美白剤である。
下記一般式(I−2)で表されるアミノ酸のα−アミノ基の2つの水素原子が、前記一般式(III)で表される官能基及び前記一般式(IV)又は(V)で表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体又は前記アミノ酸誘導体の塩である。
本発明の第6、第7の美白剤は、皮膚にたいして優れたメラニン産生抑制効果を奏する。従って、この美白剤を有効成分として含有する本発明の第8の美白化粧品を皮膚に使用することにより、皮膚に美白効果を付与することができる。
(アミノ酸)
本発明の毛髪用化粧品基材であるアミノ酸誘導体の原材料(出発原料)であるアミノ酸は、前記一般式(I)又は前記一般式(II)で表されるアミノ酸である。具体的には、一般式(I)で表されn=0のアミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸、バリン、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、メチオニン、システインなどの中性アミノ酸、リジン、アルギニン、ヒスチジンなどの塩基性アミノ酸、トリプトファン、サルコシン、N−メチルアラニン、α−アミノ酪酸、α−アミノカプロン酸等を挙げることができる。
一般式(II)で表されるアミノ酸としては、プロリン、ヒドロキシプロリン等のイミノ酸を挙げることができる。
本発明の毛髪用化粧品基材である加水分解タンパク誘導体の出発原料である加水分解タンパクとは、タンパク質を加水分解して得られるペプチド化合物である。具体的には、エンドウタンパク質加水分解物、大豆タンパク質加水分解物又は米タンパク質加水分解物等の植物タンパク質の加水分解物や、ケラチン加水分解物、シルクタンパク質加水分解物、コンキオリン加水分解物又はカゼイン加水分解物などを挙げることできる。中でもケラチン加水分解物が好ましい。
本発明の第1〜4の毛髪用化粧品基材は、前記のアミノ酸誘導体又は加水分解タンパクの活性水素の少なくとも一部を、前記一般式(III)で表される官能基、又は前記一般式(III)で表される官能基及び前記一般式(IV)、(V)、(VI)及び(VII)のいずれかで表される官能基により置換されている誘導体、又はその誘導体の塩である。一般式(III)で表される官能基としては、式(III)中のR4が水素原子、メチル基又はエチル基である、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基又はp−エチルベンゼンスルホニル基が好ましい。
このアミノ酸誘導体又は加水分解タンパク誘導体であって、活性水素が前記一般式(III)で表される官能基及び前記一般式(IV)、(V)、(VI)及び(VII)のいずれかで表される官能基により置換されているものは、例えば、出発原料である前記アミノ酸又は加水分解タンパクと、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、1,2−アルキレンオキシドをアルカリ性下で反応させ活性水素をグリセリル基、アルキルグリセリル基、ヒドロキシアルキル基により置換した後、アルカリ性下で、ベンゼンスルホニルハライド又はp−トルエンスルホニルハライド、p−エチルベンゼンスルホニルハライド等のp−アルキルベンゼンスルホニルハライドと反応させて、活性水素を、ベンゼンスルホニル基又はp−トルエンスルホニル基、p−エチルベンゼンスルホニル基等のp−アルキルベンゼンスルホニル基により置換することにより得られる。
N−トシルグリシン、N−トシルアラニン、N−トシルバリン、N−トシルロイシン、N−トシルイソロイシン、N−トシルセリン、N−トシルスレオニン、N−トシルメチオニン、N−トシルフェルアラニン、N−トシルチロシン、N−トシルプロリン、N−トシルヒドロキシプロリン、N−トシルシステイン、N−トシルシスチン、N−トシルサルコシン等の下記式(VIII)で表されるN−トシルアミノ酸、
N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニルバリン、N−ベンゼンスルホニルチロシン等のN−ベンゼンスルホニルアミノ酸、
N−p−エチルベンゼンスルホニルグリシン、N−p−エチルベンゼンスルホニルバリン、N−p−エチルベンゼンスルホニルチロシン等のN−p−エチルベンゼンスルホニルアミノ酸、
N−トシル−N−グリセリルグリシン、N−トシル−N−アルキルグリセリルグリシン、N−トシル−N−グリセリルアルギニン、N−トシル−N−アルキルグリセリルアルギニン、N−トシル−N−アルキルグリセリルバリン、N−トシル−N−アルキルグリセリルスレオニン、N−トシル−N−アルキルグリセリルグルタミン、N−トシル−N−アルキルグリセリルアスパラギン酸等のN−トシル−N−グリセリルアミノ酸又はN−トシル−N−アルキルグリセリルアミノ酸、
N−トシル−N−(2−ヒドロキシアルキル)アラニン、N−トシル−N−(2−ヒドロキシアルキル)アスパラギン、N−トシル−N−(2−ヒドロキシアルキル)ロイシン、N−トシル−N−(2−ヒドロキシアルキル)セリン等のN−トシル−N−(2−ヒドロキシアルキル)アミノ酸、
N−トシル加水分解エンドウタンパク、N−トシル加水分解大豆タンパク、N−トシル加水分解コメタンパク、N−トシル加水分解ケラチン、N−トシル加水分解シルクタンパク、N−トシル加水分解コンキオリン、N−トシル加水分解カゼイン等のN−トシル加水分解タンパク、及び
下記式(IX)、(X)又は(XI)で表されるアミノ酸誘導体(α−アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基にトシル基が結合したアミノ酸誘導体)を挙げることができる。
なお、上記のトシルとはトルエンスルホニル基を意味する。
又、上記の例示において、アルキルとは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基などを表わし、グリセリルとは、−CH2−CH(OH)−CH2−OH、−CH(CH2OH)−CH2−OH、アルキルグリセリルとは、−CH2−CH(OH)−CH2−OR6、−CH(CH2OH)−CH2−OR6(前記式中R6はアルキルを表わす)を表わす。
本発明の第5の毛髪用化粧品とは、化粧料、医薬品、医薬部外品として毛髪に適用されるものを意味する。具体的には、例えば、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、ヘアミスト、ヘアワックス、染毛剤、染毛料、染毛用の前処理剤や後処理剤、スタイリング剤等を挙げることができる。
前記の本発明の毛髪用化粧品基材を、有効成分として配合することにより、毛髪のハリ・コシの改善効果に優れ、毛髪に優れたすべり(滑り性)やしっとり感(べたつきのない保湿感)を付与する毛髪用化粧品を得ることができる。
本発明の毛髪用化粧品の剤型は 任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、粉末分散系、水−油二層系など目的とする製品に応じて選択することができる。
本発明の第6、7の美白剤は、前記のアミノ酸誘導体又はその塩、すなわち本発明の第1〜4の毛髪用化粧品基材として挙げられたものと同じアミノ酸誘導体又はその塩からなるが、皮膚に適用されてメラニン産生抑制効果、美白効果を奏するものである。
そして、このアミノ酸誘導体の出発原料としては、グルタミン酸、グリシン及びアルギニンからなる群より選ばれるアミノ酸が好ましい。又、アミノ酸誘導体としては、N−トシルグルタミン酸、N−トシルグリシン又はN−トシルアルギニンが好ましく、これらのアミノ酸誘導体又はその塩が美白剤として好ましく用いられる。
本発明の第8の美白化粧品とは、皮膚の美白のために、皮膚に適用される化粧料、皮膚外用剤、医薬品、医薬部外品を意味する。具体的には、例えば、化粧水、乳液、クリーム、パックなどのフェイシャル化粧料やファンデーション、化粧下地などのメーキャップ化粧料やボディ化粧料などが挙げられる。
前記の本発明の美白剤を有効成分として配合することにより、安全性、メラニン産生抑制に対して優れた効果を発揮し、皮膚に美白効果を付与する美白化粧品を得ることができる。
本発明の美白化粧品は、上記美白剤と上記任意配合成分とを混合して製造できる。
N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(22.5g)をイソプロピルアルコール(60g)に溶解し、p−トルエンスルホニルクロリド(38.01g)と80℃にて4時間反応させた。冷却後、25%NaOH水溶液32gを加え、イソブタノールで抽出した。抽出層を5%NaCl水溶液、水で洗浄し、減圧下にて濃縮を行うことにより、反応生成物31gを得た。
1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、28.2、42.4、45.4、57.9、128.0、130.7、138.9、144.6
L−バリン1gを水6.6g及びエタノール1.7gの溶媒中に分散し、50℃まで加温した。これに製造例1により製造されたN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)2.0gを加えて、pH8.0に調整した。更に、エタノールと水を加え均一化することにより、濃度11.3%のバリンのTSA塩溶液を得た。
L−バリン(32g)を、水(74g)に撹拌しながら分散させ、55℃に加温した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10に調整した。55℃下にて、p−トルエンスルホニルクロリド(39g)を1時間かけて添加した。この際、25%水酸化ナトリウム水溶液にてpH10を下回らないように調整した。その後1時間撹拌を行った後、17%塩酸を用いてpH2に調整し、イソブタノールと酢酸エチルの混液にて抽出し水洗した。その後、濃縮を行い、メタノールにて再結晶を行うことにより、N−トシルバリン(27g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):18.1、19.6、21.4、32.4、62.7、128.3、130.5、1392、144.5、174.3
NMRの測定結果より、実施例1の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルバリンであることが確認された。
実施例1により得られたN−トシルバリン5gを水36g及びエタノール9gの溶媒中に分散し、50℃まで加温した。これに製造例1により製造されたN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)を5g加えて、pH7.1に調整した。これより、濃度14.3%のN−トシルバリンのTSA塩溶液を得た。
実施例1のL−バリン(32g)をL−フェニルアラニン(43g)に、水74gを43gに、反応温度を55℃から60℃に変え、p−トルエンスルホニルクロリド39gを33gに変え、維持したpHを9.9から9.5に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を5時間、撹拌時間を16時間に変えた以外は、上記実施例1と同様にして、反応生成物(49g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、39.9、58.8、127.7、128.0、129.3、130.4、130.5、137.8、139.1、144.4、174.4
NMRの測定結果より、実施例2の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルフェニルアラニンであることが確認された。
実施例1のL−バリン(32g)をL−グルタミン(29g)に、水74gを44gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド39gを35gに変え、維持したpHを9.9から9.3に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を5.5時間、撹拌時間を2時間に変え、再結晶を行わなかった以外は、上記実施例1と同様にして、下記構造式で表されるN−トシルグルタミン(21g)を得た。
実施例1のL−バリン(32g)をL−アラニン(37g)に、水74gを水49gとエタノール8gの混合溶媒に変え、p−トルエンスルホニルクロリド39gを40gに変え、維持したpHを9.9から10.1に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を10分に変え、撹拌時間を30分に変え、抽出をイソブタノールと酢酸エチルとの混液からイソブタノールのみに変えた以外は、上記実施例1と同様にして、反応生成物(17g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):19.5、21.4、52.7、128.1、130.6、139.3、144.6、175.3
NMRの測定結果より、実施例4の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルアラニンであることが確認された。
実施例4のL−アラニン(37g)をL−イソロイシン(28g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水135gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを37gに変え、維持したpHを10.1から9.9に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を20分に変え、撹拌時間を40分に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(20g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):11.5、16.0、21.4、25.9、39.1、61.7、128.3、130.5、139.2、144.6、174.3
NMRの測定結果より、実施例5の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルイソロイシンであることが確認された。
実施例4のL−アラニン(37g)をL−セリン(26g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水17gに変え、反応温度を55℃から60℃に変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを41gに変え、維持したpHを10.1から9.4に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を1時間に変え、撹拌時間を2時間に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(16g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、59.2、64.2、128.2、130.6、139.2、144.7、172.9
NMRの測定結果より、実施例6の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルセリンであることが確認された。
実施例4のL−アラニン(37g)をL−アスパラギン(28g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水65gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを37gに変え、維持したpHを10.1から9.0に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を2.5時間に変え、撹拌時間を1.5時間に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(2g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.5、39.6、53.9、128.3、130.6、139.1、144.7、173.8、174.4
NMRの測定結果より、実施例7の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルアスパラギンであることが確認された。
実施例4のL−アラニン(37g)をL−ヒスチジン塩酸塩(38g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水67gとエタノール9gの混合溶媒に変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを34gに変え、維持したpHを10.1から9.3に変え、添加時間を20分に変え、撹拌時間を1時間に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、N−トシルヒスチジン(2g)を得た。13C−NMRの測定結果を以下に示す。
NMRの測定結果より、実施例8の反応生成物は下記構造式で表されるトシルヒスチジンであることが確認された。
実施例4のL−アラニン(37g)をL−チロシン(33g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水90gとエタノール10gの混合溶媒に変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを31gに変え、維持したpHを10.1から9.4に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を1時間に変え、撹拌時間を3時間に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(6g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、21.6、39.4、59.2、123.0、128.0、129.7、130.5、131.0、131.9、133.5、137.8、139.0、144.5、147.1、149.8、175.0
NMRの測定結果より、実施例9の反応生成物は下記構造式で表されるN,O−ジトシルチロシンであることが確認された。
実施例4のL−アラニン(37g)をL−アルギニン(32g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水32gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを32gに変え、維持したpHを10.1から9.2に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を1時間に変え、撹拌時間を3時間に変え、さらに再結晶をメタノールからメタノールとエタノールの混合溶媒に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(15g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.5、26.0、31.1、41.7、56.5、128.2、130.6、139.0、144.8、158.6、174.3
NMRの測定結果より、実施例10の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルアルギニンであることが確認された。
実施例4のL−アラニン(37g)をグリシン(15g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水25gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを13gに変え、維持したpHを10.1から10.0に、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を30分に変え、撹拌時間を30分に変え、再結晶化を行わなかったこと以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(12g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、44.8、128.1、130.7、138.8、144.7、172.2
NMRの測定結果より、実施例11の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルグリシンであることが確認された。
実施例11のグリシン(15g)をL−スレオニン(25g)に、水25gを水42gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド13gを38gに、維持したpHを10.0から9.3に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を2.5時間に変え、撹拌時間を1時間に変えた以外は、実施例11と同様にして反応生成物(35g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):20.2、21.4、62.6、69.1、128.3、130.5、139.1、144.6、173.0
NMRの測定結果より、実施例12の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルスレオニンであることが確認された。
実施例11のグリシン(15g)をL−メチオニン(28g)に、水25gを水66gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド13gを35gに、維持したpHを10.0から9.5に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を30分に変え、撹拌時間を1.5時間に変えた以外は、実施例11と同様にして反応生成物(40g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):15.0、21.4、30.8、33.6、55.8、128.2、130.6、139.2、144.7、174.6
NMRの測定結果より、実施例13の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルメチオニンであることが確認された。
実施例11のグリシン(15g)をL−アスパラギン酸ナトリウム(37g)に、水25gを16gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド13gを37gに変え、維持したpHを10.0から10.1に、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を4時間に変え、撹拌時間を16時間に変えた以外は、実施例11と同様にして、下記構造式で表されるN−トシルアスパラギン酸(37g)を得た。
実施例11のグリシン(15g)をL−グルタミン酸ナトリウム(38g)に、水25gを38gに、p−トルエンスルホニルクロリド13gを35gに変え、維持したpHを10.0から9.7に、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を5時間に変え、撹拌時間を16時間に変えた以外は、実施例11と同様にして、下記構造式で表されるN−トシルグルタミン酸(37g)を得た。
実施例11のグリシン(15g)をL−リジン塩酸塩(29g)に、p−トルエンスルホニルクロリド13gを35gに変え、維持したpHを10.0から9.3に、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を1時間に変え、撹拌時間を30分に変えた以外は、実施例11と同様にして反応生成物(46g)を得た。13C−NMRの測定結果を以下に示す。
NMRの測定結果より、実施例16の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルリジンであることが確認された。
実施例11のグリシン(15g)をL−トリプトファン(35g)に、水25gを水67gとエタノール30gの混合溶媒に変え、p−トルエンスルホニルクロリド13gを29gに変え、維持したpHを10.0から9.6に、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を1時間に変え、撹拌時間を1時間に変えた以外は、実施例11と同様にして反応生成物(25g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.5、30.0、57.9、110.3、112.2、119.1、119.7、122.2、124.8、127.8、128.5、130.2、138.0、138.6、144.1、175.2
NMRの測定結果より、実施例17の反応生成物は下記構造式で表されるトシルトリプトファンであることが確認された。
実施例11のグリシン(15g)をL−プロリン(26g)に、水25gを8gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド13gを39gに、維持したpHを10.0から10.8に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を30分に変え、撹拌時間を30分に変えた以外は、実施例11と同様にして、下記構造式で表されるN−トシルプロリン(35g)を得た。
実施例1のバリン(32g)をL−ロイシン(27g)に、水74gを238gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド39gを37gに変え、撹拌時間を3時間に変え、再結晶化を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、反応生成物(31g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、21.7、23.2、25.5、43.1、55.7、128.2、130.5、139.3、144.6、175.7
NMRの測定結果より、実施例19の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルロイシンであることが確認された。
実施例19のL−ロイシン(27g)をL−アラニルグルタミン(3g)に、水238gを14gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド37gを2.6gに、維持したpHを9.9から10.0に変えた以外は、実施例19と同様にして反応生成物(1.0g)を得た。1H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):19.3、21.5、28.6、32.6、49.4、49.6、128.2、130.7、139.0、144.9、174.3、174.5、177.6
NMRの測定結果より、実施例20の反応生成物は下記構造式で表される(N−トシルアラニル)グルタミンであることが確認された。
L−アルギニン(20g)と水(48g)を混合し、60℃に加温した後、グリシドール(9g)を滴下し、合計18時間反応させた。そこにp−トルエンスルホニルクロリド(22g)を加えながら、25%水酸化ナトリウム溶液にて、pH9を維持した。その後中性に戻し、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィーにて単離し、下記構造式で表されるN−トシル−N−グリセリルアルギニンを得た。
L−アルギニン(20g)と水(48g)を混合し、60℃に加温した後、ブチルグリシジルエーテル(15g)を滴下し、合計18時間反応させた。そこにp−トルエンスルホニルクロリド(22g)を加えながら、25%水酸化ナトリウム溶液にて、pH9を維持した。その後中性に戻し、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィーにて単離し、下記構造式で表されるN−トシル−N−ブチルグリセリルアルギニンを得た。
p−トルエンスルホニルクロリド(1g)をエタノール(12g)に溶解し、加水分解ケラチン(数平均分子量10000:特公平02−042806に記載されている方法に準じて製造したもの。以下、「加水分解ケラチン(10000)」と表す)(45g)と25%水酸化ナトリウム溶液(2g)を加え、65℃にて5時間反応させた。その後、60℃に降温し、17%塩酸(5g)により酸分離を行い、水層を排出した。その後、0.5%食塩水(100g)により、2回洗浄を行った。25%水酸化ナトリウム水溶液(3g)により、中和処理を行い、交換水により調整することにより、生成物のトシル化加水分解ケラチン(羊毛)(以下、「トシル加水分解ケラチン(10000)」と記載する)を得た。
1091cm−1:S=O由来
1155cm−1:−SO2N―由来
実施例23で得られたトシル加水分解ケラチン(10000)を、製造例1で得られたN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)を用いて中和することにより、その塩(以下、「トシル加水分解ケラチン(10000)のTSA塩」と記載する)を得た。
加水分解ケラチン(羊毛)として、実施例23における加水分解ケラチン(10000)の代わりに、加水分解ケラチン(数平均分子量400:特公平02−042806に記載されている方法に準じて製造したもの)を用いた以外は、実施例23と同様にして、トシル化加水分解ケラチン(羊毛)(以下、「トシル加水分解ケラチン(400)と記載する)を得た。
1091cm−1:S=O由来
1155cm−1:−SO2N―由来
実施例24で得られたトシル加水分解ケラチン(400)を、製造例1で得られたN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)を用いて中和することにより、その塩を得た。
[MASS測定条件]
・移動相
実施例11:0.1%ギ酸/メタノール=20/80
実施例1〜20(11以外):0.1%ギ酸/メタノール=10/90
実施例21、22:アセトニトリル:5mM酢酸アンモニウム=50:50
・流量:0.2mL/min
・検出器電圧:1.15kV
・インターフェイス電圧:4.5kV
・ヒートブロック温度:200℃
・DL温度:250℃
・ネブライザガス:1.5L/min
・ドライングガス:15L
・イオン化モード:ESI−ポジティブ又はネガティブ
・測定モード:スキャンモード
・試料導入方法:FID(試料直接導入)
美白効果の試験として、B16メラノーマ4A5細胞のテオフィリン誘発メラニン産生に対する作用(メラニン産生抑制率)の評価を、下記手順により、実施例で得られたアミノ酸誘導体について行った。比較として、同様な評価をアミノ酸についても行った。
(2)10%ウシ胎児血清(Roshe Diagnostics社)含有ダルベッコ変法イーグル培地(SIGMA社)にて24時間培養後、テオフィリン(最終濃度0.2mM)、及び、被験試料(表2に記載の最終濃度:1mMまたは3mM)を添加した。
(3)3日間培養後、アスピレーターを用いて培地を除去し、蒸留水を添加後、超音波により細胞を破砕した。
(4)その後、タンパク質量を、BCA Protein assay kit(PIERCE社)をもちいて定量し、又、メラニン生成量をアルカリ可溶化法にて測定した。細胞破砕液に最終濃度1Mとなるように水酸化ナトリウムを添加して、加熱溶解(60℃、30分)後、マイクロプレートリーダーを用いて405nmの吸光度を測定した。メラニン量は合成メラニン(SIGMA社)を標準品として作製した検量線から算出した。タンパク質でメラニン量を除することにより、単位タンパクあたりのメラニン量を算出した。
(5)メラニン産生抑制率は、次式から算出した。
メラニン産生抑制率(%)=[1−(C−A)/(C−B)]×100
[式中、Aは試料添加時の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)、Bはnormal群の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)、CはControl群の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)を示す。]
<20% :±
20−40% :+
40−70% :++
70−100%:+++
(1)感触評価方法−1
実施例1〜24の反応生成物(本発明の毛髪用化粧品基材)及び比較例として各実施例の原料である表3のアミノ酸またはペプチドを試料として用い、毛髪に下記の方法により処理を行った。
1.ハイブリーチ毛(アジア人毛、2.0g、15cm)を使用して評価を行った。
2.各試料を1%セテス−20(実施例22のみセテス−40)含有イオン交換水に溶解し、希NaOH水でpH5に調整した最終試料濃度1%の溶液に、前記ハイブリーチ毛を、40℃にて、1時時間浸漬した。
3.その後、約40℃の流水にて、1分間洗浄を行った。
4.その後、さらにタオルにて水分を拭き取った後、ドライヤーにより乾燥を行った。
乾燥後の毛髪について10人のパネラーに、しっとり感、すべりおよびハリ・コシを下記の評価基準で評価させた。
2点:ハリ・コシ感がある。
1点:ハリ・コシ感があまりない。
0点:ハリ・コシ感がない。
2点:すべり感がある。
1点:すべり感があまりない。
0点:すべり感がない。
2点:しっとりしている。
1点:あまりしっとりしていない。
0点:しっとりしていない。
◎:10人の合計点が13点以上
○:10人の合計点が6〜12点
△:10人の合計点が5〜0点
上記感触評価方法―1の結果においてハリ・コシ効果が特に優れていた実施例1の反応生成物(N−トシルバリン)及び実施例21の反応生成物(N−トシル−N−グリセリルアルギニン)を用いて、下記の方法により毛髪処理を行った。比較として、バリンを用いて、同様に毛髪処理を行った。
1.毛束(ハイブリーチ毛、アジア人購入毛、約2g)を、シャンプー(下記表4の質量%で示す処方)の10倍希釈溶液に40℃下で3分間浸漬した。
2.その後、約40℃の流水で1分間洗浄した。
3.その後、タオルにて水を拭き取った。
4.1gのコンディショナー(下記表5の質量%で示す処方)を毛束に馴染ませ、室温で静置した。
5.その後、約40℃の流水で1分間洗浄した。
6.その後、タオルにて水を拭きとり、ドライヤーにより乾燥した。
乾燥後の毛髪について10人のパネラーに、しっとり感、すべりおよびハリ・コシを感触評価方法―1の場合と同じ評価基準で評価させた。感触評価方法―1の場合と同様にして3段階に分類し、記号化して評価結果を表6に表記した。
表7に示す各成分をすべて水に溶解し、その後、水酸化ナトリウムまたは塩酸により、pH6に調整することにより、作製した。
表8に示す(1)〜(5)を80℃にて溶解しながら混合してA液を作製した。又、80℃にて表8に示す(9)〜(11)を混合して溶解しB液を作製した。A液(油層部)に、B液(水層部)を撹拌しながら添加し、乳化した。得られた乳化物を80℃にて10分間、ホモミキサー3000rpmで撹拌した。その後、撹拌しながら(12)を加え、冷却し、表8に示す(6)〜(8)を添加したのち、均一に撹拌して製品とした。
表9に示す(1)〜(9)を80℃にて溶解しながら混合してC液を作製した。又、80℃にて表9に示す(10)〜(13)を混合して溶解しD液を作製した。C液(油層部)に、D液(水層部)を撹拌しながら添加し、均一し混合した。その後、冷却し、表9に示す(14)〜(17)を添加した後、均一に撹拌して製品とした。
Claims (7)
- 加水分解タンパク又はアスパラギン酸、グルタミン酸、バリン、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、メチオニン、システイン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、サルコシン、N−メチルアラニン、α−アミノ酪酸、α−アミノカプロン酸、プロリン、ヒドロキシプロリン及びアラニルグルタミンからなる群より選ばれるアミノ酸のアミノ基の活性水素の少なくとも一部が、下記一般式(III)で表される官能基により置換されている、又は下記一般式(III)で表される官能基及び下記一般式(IV)もしくは(V)で表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体もしくは加水分解タンパク誘導体又は前記アミノ酸誘導体もしくは加水分解タンパク誘導体の塩からなることを特徴とする毛髪用保湿剤。
- 加水分解タンパク又は前記アミノ酸が、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、メチオニン、アルギニン及びアラニルグルタミンからなる群より選ばれるアミノ酸であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪用保湿剤。
- 加水分解タンパク又は前記アミノ酸が、植物性タンパク質加水分解物、ケラチン加水分解物、シルクタンパク質加水分解物、コンキオリン加水分解物又はカゼイン加水分解物であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪用保湿剤。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の毛髪用保湿剤の毛髪へのハリ・コシ又は滑り性付与のための使用。
- 請求項5に記載の美白剤を有効成分として含有することを特徴とする美白化粧品。
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