JP2019189583A - 化粧品基材および該化粧品基材を含有する毛髪用化粧品、美白剤 - Google Patents

化粧品基材および該化粧品基材を含有する毛髪用化粧品、美白剤 Download PDF

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Abstract

【課題】毛髪に対して、優れたハリ・コシ感、すべり感、しっとり感を付与する化粧品基材、前記化粧品基材を有効成分として配合する毛髪用化粧品、皮膚に対する優れたメラニン産生抑制効果(美白効果)を奏する美白剤、及び前記化粧品基材を有効成分として配合する美白化粧品を提供する。【解決手段】アミノ酸もしくは加水分解タンパクの活性水素の少なくとも一部がベンゼンスルホニル基又はアルキルベンゼンスルホニル基により置換されているアミノ酸誘導体もしくは加水分解タンパク誘導体又は前記アミノ酸誘導体もしくは加水分解タンパク誘導体の塩からなることを特徴とする毛髪用化粧品基材及び美白剤、前記毛髪用化粧品基材を有効成分として配合する毛髪用化粧品、前記美白剤を有効成分として配合する美白化粧品。【選択図】 なし

Description

本発明は、アミノ酸もしくは加水分解タンパクの誘導体又は該誘導体の塩を有効成分とする化粧品基材、および該化粧品基材を配合する毛髪用化粧品に関する。さらに詳しくは、アミノ酸もしくは加水分解タンパクの活性水素の少なくとも一部がベンゼンスルホニル基又はアルキルベンゼンスルホニル基で置換されたアミノ酸誘導体もしくはペプチド誘導体又はこれらの誘導体の塩からなり、毛髪に対する優れたハリ・コシ改善効果や滑り性、べたつきのない保湿感の付与効果を奏する化粧品基材、皮膚に対する優れたメラニン産生抑制効果を奏する化粧品基材、およびこれらの化粧品基材を有効成分として含有する化粧品に関する。
毛髪は、紫外線などの外的刺激や、パーマやカラーリングなどの化学的刺激等により、パサつきやうねりの発生、艶やハリ・コシの減少等の問題を生じることがある。そこで、これらの問題の発生を抑制し改善するため、種々の毛髪用化粧品が提案されている。例えば、特許文献1では、毛髪のうねりを改善し、ハリ・コシを付与する化粧品が提案されている。又、特許文献2では、毛髪の弾性を向上させることで優れたハリ・コシを付与する化粧品が、特許文献3では加齢によって失った毛髪のボリュームを改善しつつ、さらなる損傷を防ぐ化粧品などが提案されている。
しかし、近年、化粧品への要求の高度化に伴いより優れた機能を有する化粧品基材が求められている。例えば、毛髪に対してのハリ・コシを付与する効果や滑り性、べたつきのない保湿感等を従来よりもさらに向上させた化粧品基材が求められている。又、皮膚に対する優れたメラニン産生抑制効果(美白効果)を奏する化粧品基材が求められている。
特開2015−209392号公報 特開2006−16310号公報 特開2010−90050号公報 特開2017−088579号公報 特開平3―287522号公報 特開平4―182423号公報
本発明は、毛髪に対して、優れたハリ・コシ感、滑り性、べたつきのない保湿感を付与する毛髪用化粧品基材を提供することを課題とする。
本発明は、さらに前記毛髪用化粧品基材を有効成分として配合する毛髪用化粧品を提供することを課題とする。
本発明は、又、皮膚に対する優れたメラニン産生抑制効果(美白効果)を奏する化粧品基材(美白剤)を提供することを課題とする。
本発明は、さらに前記美白剤を有効成分として配合する美白化粧品を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため検討の結果、アミノ酸もしくは加水分解タンパクの活性水素の少なくとも一部が、ベンゼンスルホニル基、アルキルベンゼンスルホニル基で置換されたアミノ酸誘導体もしくはペプチド誘導体、又は前記アミノ酸誘導体もしくはペプチド誘導体の塩を有効成分として配合することにより、毛髪に対するハリ・コシ改善効果や滑り性やべたつきのない保湿感の付与効果に優れる毛髪用化粧品が得られること、又、皮膚に対する優れたメラニン産生抑制効果を奏する美白化粧品が得られることを見出し本発明を完成した。
なお、アミノ酸は生体構成因子であることから、生体適合性が高く、安全性が高いと考えられ、以前から化粧品にアミノ酸やペプチドが配合されている(特許文献4)。しかし、毛髪に対するハリ・コシ付与について十分な効果を示すものはなかった。
又、アミノ酸の誘導体は、浴用組成物(特許文献5)や清浄・清拭剤(特許文献6)などに利用されているが、それらのアミノ酸の誘導体は毛髪用化粧品の用途では利用されておらず、その作用、効果を示すものはなかった。
本発明の第1は、
加水分解タンパクもしくは下記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸の活性水素の少なくとも一部が、下記一般式(III)で表される官能基により置換されている、又は下記一般式(III)で表される官能基及び下記一般式(IV)、(V)、(VI)もしくは(VII)で表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体もしくは加水分解タンパク誘導体又は前記アミノ酸誘導体もしくは加水分解タンパク誘導体の塩からなることを特徴とする毛髪用化粧品基材である。
Figure 2019189583
Figure 2019189583
Figure 2019189583
Figure 2019189583
Figure 2019189583
本発明の第2は、前記本発明の第1の好ましい態様であって、
加水分解タンパクもしくは前記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸が、一般式(I)又は一般式(II)で表されるアミノ酸であることを特徴とする毛髪用化粧品基材である。
本発明の第3は、前記本発明の第2の好ましい態様であって、前記アミノ酸が、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、メチオニン、アルギニン及びアラニルグルタミンからなる群より選ばれることを特徴とする毛髪用化粧品基材である。
本発明の第4は、前記本発明の第1の好ましい態様であって、
加水分解タンパクもしくは前記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸が、植物性タンパク質加水分解物、ケラチン加水分解物、シルクタンパク質加水分解物、コンキオリン加水分解物又はカゼイン加水分解物であることを特徴とする毛髪用化粧品基材である。
本発明の第5は、本発明の第1〜第4の毛髪用化粧品基材を有効成分として含有することを特徴とする毛髪用化粧品である。
本発明の第6は、
前記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸の活性水素の少なくとも一部が、前記一般式(III)で表される官能基により置換されている、又は前記一般式(III)で表される官能基及び前記一般式(IV)、(V)、(VI)及び(VII)のいずれかで表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体又は前記アミノ酸誘導体の塩からなることを特徴とする美白剤である。
本発明の第7は、前記本発明の第6の好ましい態様であって、前記アミノ酸が、グルタミン酸、グリシン及びアルギニンからなる群より選ばれることを特徴とする美白剤である。
本発明の第8は、本発明の第6、第7の美白剤を有効成分として含有することを特徴とする美白化粧品である。
本発明の第9は、
下記一般式(I−2)で表されるアミノ酸のα−アミノ基の2つの水素原子が、前記一般式(III)で表される官能基及び前記一般式(IV)又は(V)で表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体又は前記アミノ酸誘導体の塩である。
Figure 2019189583
本発明の第1〜第4の毛髪用化粧品基材は、毛髪に対する優れたハリ・コシ改善効果や滑り性、べたつきのない保湿感の付与効果を奏する。従って、この毛髪用化粧品基材を有効成分として含有する本発明の第5の毛髪用化粧品を毛髪に使用することにより、毛髪のハリやコシを改善し、毛髪にすべりやしっとり感を付与することができる。
本発明の第6、第7の美白剤は、皮膚にたいして優れたメラニン産生抑制効果を奏する。従って、この美白剤を有効成分として含有する本発明の第8の美白化粧品を皮膚に使用することにより、皮膚に美白効果を付与することができる。
以下に、本発明の毛髪用化粧品基材、本発明の毛髪用化粧品、本発明の美白剤、本発明の美白化粧品の順で説明する。
[本発明の毛髪用化粧品基材]
(アミノ酸)
本発明の毛髪用化粧品基材であるアミノ酸誘導体の原材料(出発原料)であるアミノ酸は、前記一般式(I)又は前記一般式(II)で表されるアミノ酸である。具体的には、一般式(I)で表されn=0のアミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸、バリン、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、メチオニン、システインなどの中性アミノ酸、リジン、アルギニン、ヒスチジンなどの塩基性アミノ酸、トリプトファン、サルコシン、N−メチルアラニン、α−アミノ酪酸、α−アミノカプロン酸等を挙げることができる。
一般式(I)で表されn=1のアミノ酸としては、アラニルグルタミン等を挙げることができる。
一般式(II)で表されるアミノ酸としては、プロリン、ヒドロキシプロリン等のイミノ酸を挙げることができる。
前記のアミノ酸の中でも、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、メチオニン、アルギニン及びアラニルグルタミンからなる群より選ばれるアミノ酸は、毛髪により優れたハリやコシ、より優れた滑り性やべたつきのない保湿感を付与できる化粧品基材の出発原料となるので好ましい。特に、バリン、フェニルアラニン、グルタミン、グリシン、アルギニン、グルタミン酸が好ましい。
(加水分解タンパク)
本発明の毛髪用化粧品基材である加水分解タンパク誘導体の出発原料である加水分解タンパクとは、タンパク質を加水分解して得られるペプチド化合物である。具体的には、エンドウタンパク質加水分解物、大豆タンパク質加水分解物又は米タンパク質加水分解物等の植物タンパク質の加水分解物や、ケラチン加水分解物、シルクタンパク質加水分解物、コンキオリン加水分解物又はカゼイン加水分解物などを挙げることできる。中でもケラチン加水分解物が好ましい。
(アミノ酸誘導体、加水分解タンパク誘導体)
本発明の第1〜4の毛髪用化粧品基材は、前記のアミノ酸誘導体又は加水分解タンパクの活性水素の少なくとも一部を、前記一般式(III)で表される官能基、又は前記一般式(III)で表される官能基及び前記一般式(IV)、(V)、(VI)及び(VII)のいずれかで表される官能基により置換されている誘導体、又はその誘導体の塩である。一般式(III)で表される官能基としては、式(III)中のRが水素原子、メチル基又はエチル基である、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基又はp−エチルベンゼンスルホニル基が好ましい。
このアミノ酸誘導体又は加水分解タンパク誘導体であって、活性水素が前記一般式(III)で表される官能基により置換されているものは、例えば、出発原料である前記アミノ酸又は加水分解タンパクと、ベンゼンスルホニルハライド又はp−トルエンスルホニルハライド、p−エチルベンゼンスルホニルハライド等のp−アルキルベンゼンスルホニルハライドとを、溶媒中においてアルカリ性下で反応させて、前記アミノ酸又は加水分解タンパクが有する活性水素を、ベンゼンスルホニル基又はp−トルエンスルホニル基、p−エチルベンゼンスルホニル基等のp−アルキルベンゼンスルホニル基により置換することにより得ることができる。
このアミノ酸誘導体又は加水分解タンパク誘導体であって、活性水素が前記一般式(III)で表される官能基及び前記一般式(IV)、(V)、(VI)及び(VII)のいずれかで表される官能基により置換されているものは、例えば、出発原料である前記アミノ酸又は加水分解タンパクと、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、1,2−アルキレンオキシドをアルカリ性下で反応させ活性水素をグリセリル基、アルキルグリセリル基、ヒドロキシアルキル基により置換した後、アルカリ性下で、ベンゼンスルホニルハライド又はp−トルエンスルホニルハライド、p−エチルベンゼンスルホニルハライド等のp−アルキルベンゼンスルホニルハライドと反応させて、活性水素を、ベンゼンスルホニル基又はp−トルエンスルホニル基、p−エチルベンゼンスルホニル基等のp−アルキルベンゼンスルホニル基により置換することにより得られる。
これらの反応に用いられる溶媒としては、例えば水、アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
ここで活性水素とは、前記アミノ酸又は加水分解タンパクが有する1級又は2級のアミノ基、水酸基の水素を意味する。特に塩基性のアミノ基の水素が置換されることが好ましい。活性水素中の少なくとの一部が前記一般式(III)で表される官能基により置換されるが、20%以上が置換されることが好ましく、より好ましくは40%以上である。
このようにして製造することができるアミノ酸誘導体又は加水分解タンパク誘導体の具体例としては、
N−トシルグリシン、N−トシルアラニン、N−トシルバリン、N−トシルロイシン、N−トシルイソロイシン、N−トシルセリン、N−トシルスレオニン、N−トシルメチオニン、N−トシルフェルアラニン、N−トシルチロシン、N−トシルプロリン、N−トシルヒドロキシプロリン、N−トシルシステイン、N−トシルシスチン、N−トシルサルコシン等の下記式(VIII)で表されるN−トシルアミノ酸、
N−ベンゼンスルホニルグリシン、N−ベンゼンスルホニルバリン、N−ベンゼンスルホニルチロシン等のN−ベンゼンスルホニルアミノ酸、
N−p−エチルベンゼンスルホニルグリシン、N−p−エチルベンゼンスルホニルバリン、N−p−エチルベンゼンスルホニルチロシン等のN−p−エチルベンゼンスルホニルアミノ酸、
N−トシル−N−グリセリルグリシン、N−トシル−N−アルキルグリセリルグリシン、N−トシル−N−グリセリルアルギニン、N−トシル−N−アルキルグリセリルアルギニン、N−トシル−N−アルキルグリセリルバリン、N−トシル−N−アルキルグリセリルスレオニン、N−トシル−N−アルキルグリセリルグルタミン、N−トシル−N−アルキルグリセリルアスパラギン酸等のN−トシル−N−グリセリルアミノ酸又はN−トシル−N−アルキルグリセリルアミノ酸、
N−トシル−N−(2−ヒドロキシアルキル)アラニン、N−トシル−N−(2−ヒドロキシアルキル)アスパラギン、N−トシル−N−(2−ヒドロキシアルキル)ロイシン、N−トシル−N−(2−ヒドロキシアルキル)セリン等のN−トシル−N−(2−ヒドロキシアルキル)アミノ酸、
N−トシル加水分解エンドウタンパク、N−トシル加水分解大豆タンパク、N−トシル加水分解コメタンパク、N−トシル加水分解ケラチン、N−トシル加水分解シルクタンパク、N−トシル加水分解コンキオリン、N−トシル加水分解カゼイン等のN−トシル加水分解タンパク、及び
下記式(IX)、(X)又は(XI)で表されるアミノ酸誘導体(α−アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基にトシル基が結合したアミノ酸誘導体)を挙げることができる。
上記の中でも、特にN−トシルバリン、N−トシルフェニルアラニン、N−トシルグリシン、N−トシルアルギニン、N−トシルグルタミン酸、N−トシル加水分解ケラチン、N−トシル−N−ブチルグリセリルアルギニン、N−トシル−N−ブチルグリセリルアルギニンが好ましい。
なお、上記のトシルとはトルエンスルホニル基を意味する。
又、上記の例示において、アルキルとは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基などを表わし、グリセリルとは、−CH−CH(OH)−CH−OH、−CH(CHOH)−CH−OH、アルキルグリセリルとは、−CH−CH(OH)−CH−OR、−CH(CHOH)−CH−OR(前記式中Rはアルキルを表わす)を表わす。
Figure 2019189583
Figure 2019189583
Figure 2019189583
Figure 2019189583
本発明の毛髪用化粧品基材は、前記アミノ酸誘導体又は加水分解タンパク誘導体の塩の形態も含む。この塩とは、アミノ酸や加水分解タンパクが有するカルボン酸などの酸性官能基が塩を形成したものなどであり、具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールアミン塩、セテアラミドエチルジエチルアミン塩、下記式(XII)で表されるようなN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)の塩等を挙げることができる。その中でも特に、ナトリウム塩、カリウム塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールアミン塩、セテアラミドエチルジエチルアミン塩、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)の塩などが特に好ましい。
Figure 2019189583
[本発明の毛髪用化粧品]
本発明の第5の毛髪用化粧品とは、化粧料、医薬品、医薬部外品として毛髪に適用されるものを意味する。具体的には、例えば、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、ヘアミスト、ヘアワックス、養毛・育毛剤、染毛剤、染毛料、染毛用の前処理剤や後処理剤、スタイリング剤等を挙げることができる。
前記の本発明の毛髪用化粧品基材を、有効成分として配合することにより、毛髪のハリ・コシの改善効果に優れ、毛髪に優れたすべり(滑り性)やしっとり感(べたつきのない保湿感)を付与する毛髪用化粧品を得ることができる。
本発明の上記毛髪用化粧品基材の毛髪用化粧品中の含有量としては、毛髪用化粧品の種類によりその好ましい範囲は多少異なるが、通常、毛髪用化粧品の全量に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。すなわち、本発明の毛髪用化粧品基材の含有量が0.1質量%未満の場合は、ハリ・コシの改善効果やすべり(滑り性)やしっとり感(べたつきのない保湿感)の付与などの作用が充分に発揮できなくなる恐れがあり、一方その含有量が20質量%を超える場合には、含有量の増加に見合うだけの効果が得られないだけでなく、製剤の安定性が低下する恐れがある。
本発明の毛髪用化粧品には、本発明の上記毛髪用化粧品基材の他に、毛髪用化粧品に通常用いられる成分、例えば、油性原料、保湿剤、界面活性剤、増粘剤、高分子物質、粉末類、薬剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、キレート剤、動植物抽出物、動植物由来のタンパク質を加水分解した加水分解ペプチドおよびその誘導体類などを適宜配合することができる。
本発明の毛髪用化粧品は、上記毛髪用化粧品基材と上記任意配合成分とを配合して製造することができる。
本発明の毛髪用化粧品の剤型は 任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、粉末分散系、水−油二層系など目的とする製品に応じて選択することができる。
[本発明の美白剤]
本発明の第6、7の美白剤は、前記のアミノ酸誘導体又はその塩、すなわち本発明の第1〜4の毛髪用化粧品基材として挙げられたものと同じアミノ酸誘導体又はその塩からなるが、皮膚に適用されてメラニン産生抑制効果、美白効果を奏するものである。
そして、このアミノ酸誘導体の出発原料としては、グルタミン酸、グリシン及びアルギニンからなる群より選ばれるアミノ酸が好ましい。又、アミノ酸誘導体としては、N−トシルグルタミン酸、N−トシルグリシン又はN−トシルアルギニンが好ましく、これらのアミノ酸誘導体又はその塩が美白剤として好ましく用いられる。
[本発明の美白化粧品]
本発明の第8の美白化粧品とは、皮膚の美白のために、皮膚に適用される化粧料、皮膚外用剤、医薬品、医薬部外品を意味する。具体的には、例えば、化粧水、乳液、クリーム、パックなどのフェイシャル化粧料やファンデーション、化粧下地などのメーキャップ化粧料やボディ化粧料などが挙げられる。
前記の本発明の美白剤を有効成分として配合することにより、安全性、メラニン産生抑制に対して優れた効果を発揮し、皮膚に美白効果を付与する美白化粧品を得ることができる。
本発明の上記美白剤の美白化粧品中の含有量としては、美白化粧品の種類によりその好ましい範囲は多少異なるが、通常、美白化粧品の全量に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。含有量が0.1質量%未満の場合は、美白効果が充分に発揮できなくなる恐れがあり、一方その含有量が20質量%を超える場合には、含有量の増加に見合うだけの効果が得られないだけでなく、製剤の安定性が低下する恐れがある。
本発明の美白化粧品には、本発明の上記美白剤の他に、美白化粧品に通常用いられる成分を適宜配合することができる。美白化粧品に適宜配合できる成分としては、毛髪用化粧品に適宜配合することができる成分として挙げられた前記の任意配合成分を挙げることができる。
本発明の美白化粧品は、上記美白剤と上記任意配合成分とを混合して製造できる。
本発明の美白化粧品の剤型は 任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、粉末分散系、水−油二層系など目的とする製品に応じて選択することができる。
本発明の第9は、前記一般式(I−2)で表されるアミノ酸のα−アミノ基の2つの水素原子の一方が前記一般式(III)で表される官能基により置換されており、他方が前記一般式(IV)又は(V)で表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体又は前記アミノ酸誘導体の塩である。このアミノ酸誘導体又は前記アミノ酸誘導体の塩は、前記本発明の毛髪用化粧品基材及び美白剤となるものであり、新規の化合物である。
次に、本発明を実施するための具体的な形態を実施例により、具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例により限定されるものでない。
製造例1 N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)の合成
N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(22.5g)をイソプロピルアルコール(60g)に溶解し、p−トルエンスルホニルクロリド(38.01g)と80℃にて4時間反応させた。冷却後、25%NaOH水溶液32gを加え、イソブタノールで抽出した。抽出層を5%NaCl水溶液、水で洗浄し、減圧下にて濃縮を行うことにより、反応生成物31gを得た。
得られた生成物について、H−NMR、13C−NMR測定を行った。NMR測定はCDOD溶媒を用い測定し、H−NMRは400MHz、13C−NMRは100MHzで測定を行った。以下の実施例中に記載するNMR測定も全て製造例1の場合と同条件下にて行った。
H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):1.60(2H,m)、2.17(6H,s)、2.28(2H,q)、2.41(3H,s)、2.85(2H,t)、7.37(2H,d)、7.71(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、28.2、42.4、45.4、57.9、128.0、130.7、138.9、144.6
前記NMRの測定結果より、製造例1の反応生成物は下記構造式で表されるN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)であることが確認された。
Figure 2019189583
製造例2 バリンのTSA塩の合成
L−バリン1gを水6.6g及びエタノール1.7gの溶媒中に分散し、50℃まで加温した。これに製造例1により製造されたN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)2.0gを加えて、pH8.0に調整した。更に、エタノールと水を加え均一化することにより、濃度11.3%のバリンのTSA塩溶液を得た。
実施例1 N−トシルバリンの合成
L−バリン(32g)を、水(74g)に撹拌しながら分散させ、55℃に加温した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10に調整した。55℃下にて、p−トルエンスルホニルクロリド(39g)を1時間かけて添加した。この際、25%水酸化ナトリウム水溶液にてpH10を下回らないように調整した。その後1時間撹拌を行った後、17%塩酸を用いてpH2に調整し、イソブタノールと酢酸エチルの混液にて抽出し水洗した。その後、濃縮を行い、メタノールにて再結晶を行うことにより、N−トシルバリン(27g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):0.87(3H,d)、0.93(3H,d)、2.01(1H,m)、2.40(3H,s)、3.61(1H、d)、7.32(2H,d)、7.71(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):18.1、19.6、21.4、32.4、62.7、128.3、130.5、1392、144.5、174.3
NMRの測定結果より、実施例1の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルバリンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例1−2 N−トシルバリンのTSA塩の合成
実施例1により得られたN−トシルバリン5gを水36g及びエタノール9gの溶媒中に分散し、50℃まで加温した。これに製造例1により製造されたN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)を5g加えて、pH7.1に調整した。これより、濃度14.3%のN−トシルバリンのTSA塩溶液を得た。
実施例2 N−トシルフェニルアラニンの合成
実施例1のL−バリン(32g)をL−フェニルアラニン(43g)に、水74gを43gに、反応温度を55℃から60℃に変え、p−トルエンスルホニルクロリド39gを33gに変え、維持したpHを9.9から9.5に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を5時間、撹拌時間を16時間に変えた以外は、上記実施例1と同様にして、反応生成物(49g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):2.37(3H,s)、2.82(1H,dd)、3.02(1H、dd)、3.99(1H,t)、7.10(2H, m)、7.17(2H,m)、7.21(3H,d)、7.53(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、39.9、58.8、127.7、128.0、129.3、130.4、130.5、137.8、139.1、144.4、174.4
NMRの測定結果より、実施例2の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルフェニルアラニンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例3 N−トシルグルタミンの合成
実施例1のL−バリン(32g)をL−グルタミン(29g)に、水74gを44gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド39gを35gに変え、維持したpHを9.9から9.3に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を5.5時間、撹拌時間を2時間に変え、再結晶を行わなかった以外は、上記実施例1と同様にして、下記構造式で表されるN−トシルグルタミン(21g)を得た。
Figure 2019189583
実施例4 N−トシルアラニンの合成
実施例1のL−バリン(32g)をL−アラニン(37g)に、水74gを水49gとエタノール8gの混合溶媒に変え、p−トルエンスルホニルクロリド39gを40gに変え、維持したpHを9.9から10.1に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を10分に変え、撹拌時間を30分に変え、抽出をイソブタノールと酢酸エチルとの混液からイソブタノールのみに変えた以外は、上記実施例1と同様にして、反応生成物(17g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):1.27(3H,d)、2.40(3H,s)、3.85(1H、q)、7.34(2H,d)、7.72(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):19.5、21.4、52.7、128.1、130.6、139.3、144.6、175.3
NMRの測定結果より、実施例4の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルアラニンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例5 N−トシルイソロイシンの合成
実施例4のL−アラニン(37g)をL−イソロイシン(28g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水135gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを37gに変え、維持したpHを10.1から9.9に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を20分に変え、撹拌時間を40分に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(20g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):0.85(3H,t)、0.90(3H,d)、1.16(1H,m)、1.47(1H,m)、1.76(1H,m)、2.40(3H,s)、3.65(1H、d)、7.32(2H,d)、7.71(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):11.5、16.0、21.4、25.9、39.1、61.7、128.3、130.5、139.2、144.6、174.3
NMRの測定結果より、実施例5の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルイソロイシンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例6 N−トシルセリンの合成
実施例4のL−アラニン(37g)をL−セリン(26g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水17gに変え、反応温度を55℃から60℃に変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを41gに変え、維持したpHを10.1から9.4に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を1時間に変え、撹拌時間を2時間に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(16g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):2.40(3H,s)、3.68(1H、dd)、3.76(1H,dd)、3.89(1H,dd)、7.34(2H,d)、7.73(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、59.2、64.2、128.2、130.6、139.2、144.7、172.9
NMRの測定結果より、実施例6の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルセリンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例7 N−トシルアスパラギンの合成
実施例4のL−アラニン(37g)をL−アスパラギン(28g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水65gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを37gに変え、維持したpHを10.1から9.0に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を2.5時間に変え、撹拌時間を1.5時間に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(2g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):2.40(3H,s)、2.63(2H,m)、4.18(1H、dd)、7.33(2H,d)、7.74(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.5、39.6、53.9、128.3、130.6、139.1、144.7、173.8、174.4
NMRの測定結果より、実施例7の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルアスパラギンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例8 N−トシルヒスチジンの合成
実施例4のL−アラニン(37g)をL−ヒスチジン塩酸塩(38g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水67gとエタノール9gの混合溶媒に変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを34gに変え、維持したpHを10.1から9.3に変え、添加時間を20分に変え、撹拌時間を1時間に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、N−トシルヒスチジン(2g)を得た。13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.3、21.5、29.7、118.7、127.0、128.1、129.8、130.6、134.7、141.7、143.4
NMRの測定結果より、実施例8の反応生成物は下記構造式で表されるトシルヒスチジンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例9 N,O−ジトシルチロシンの合成
実施例4のL−アラニン(37g)をL−チロシン(33g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水90gとエタノール10gの混合溶媒に変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを31gに変え、維持したpHを10.1から9.4に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を1時間に変え、撹拌時間を3時間に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(6g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):2.38(3H,s)、2.43(3H,S)、2.80(1H,dd)、3.00(1H,dd)3.86(1H,dd)、6.77(2H,d)、7.08(2H,d)、7.24(2H,d)、7.38(2H,d)、7.55(2H,d)、7.63(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、21.6、39.4、59.2、123.0、128.0、129.7、130.5、131.0、131.9、133.5、137.8、139.0、144.5、147.1、149.8、175.0
NMRの測定結果より、実施例9の反応生成物は下記構造式で表されるN,O−ジトシルチロシンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例10 N−トシルアルギニン
実施例4のL−アラニン(37g)をL−アルギニン(32g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水32gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを32gに変え、維持したpHを10.1から9.2に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を1時間に変え、撹拌時間を3時間に変え、さらに再結晶をメタノールからメタノールとエタノールの混合溶媒に変えた以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(15g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):1.66(3H,m)、1.81(1H,m)、2.40(3H,s)、3.16(2H,t)、3.82(1H,t)、7.34(2H, d)、7.72(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.5、26.0、31.1、41.7、56.5、128.2、130.6、139.0、144.8、158.6、174.3
NMRの測定結果より、実施例10の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルアルギニンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例11 N−トシルグリシンの合成
実施例4のL−アラニン(37g)をグリシン(15g)に、水49gとエタノール8gの混合溶媒を水25gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド40gを13gに変え、維持したpHを10.1から10.0に、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を30分に変え、撹拌時間を30分に変え、再結晶化を行わなかったこと以外は、上記実施例4と同様にして、反応生成物(12g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):2.40(3H,s)、3.66(2H,s)、7.35(2H,d)、7.73(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、44.8、128.1、130.7、138.8、144.7、172.2
NMRの測定結果より、実施例11の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルグリシンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例12 N−トシルスレオニンの合成
実施例11のグリシン(15g)をL−スレオニン(25g)に、水25gを水42gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド13gを38gに、維持したpHを10.0から9.3に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を2.5時間に変え、撹拌時間を1時間に変えた以外は、実施例11と同様にして反応生成物(35g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):1.18(3H,d)、2.40(3H,s)、3.76(1H,d)、4.12(1H,m)、7.32(2H,d)、7.73(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):20.2、21.4、62.6、69.1、128.3、130.5、139.1、144.6、173.0
NMRの測定結果より、実施例12の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルスレオニンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例13 N−トシルメチオニンの合成
実施例11のグリシン(15g)をL−メチオニン(28g)に、水25gを水66gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド13gを35gに、維持したpHを10.0から9.5に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を30分に変え、撹拌時間を1.5時間に変えた以外は、実施例11と同様にして反応生成物(40g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):1.80(1H,m)、1.95(3H,m)、1.99(1H,s)、2.39(3H,s)、2.47(2H,m)、3.98(1H,dd)、7.33(2H,d)、7.72(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):15.0、21.4、30.8、33.6、55.8、128.2、130.6、139.2、144.7、174.6
NMRの測定結果より、実施例13の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルメチオニンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例14 N−トシルアスパラギン酸の合成
実施例11のグリシン(15g)をL−アスパラギン酸ナトリウム(37g)に、水25gを16gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド13gを37gに変え、維持したpHを10.0から10.1に、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を4時間に変え、撹拌時間を16時間に変えた以外は、実施例11と同様にして、下記構造式で表されるN−トシルアスパラギン酸(37g)を得た。
Figure 2019189583
実施例15 N−トシルグルタミン酸の合成
実施例11のグリシン(15g)をL−グルタミン酸ナトリウム(38g)に、水25gを38gに、p−トルエンスルホニルクロリド13gを35gに変え、維持したpHを10.0から9.7に、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を5時間に変え、撹拌時間を16時間に変えた以外は、実施例11と同様にして、下記構造式で表されるN−トシルグルタミン酸(37g)を得た。
Figure 2019189583
実施例16 N−トシルリジン
実施例11のグリシン(15g)をL−リジン塩酸塩(29g)に、p−トルエンスルホニルクロリド13gを35gに変え、維持したpHを10.0から9.3に、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を1時間に変え、撹拌時間を30分に変えた以外は、実施例11と同様にして反応生成物(46g)を得た。13C−NMRの測定結果を以下に示す。
13C−NMR 化学シフトδ(ppm)21.4、23.5、29.7、29.8、33.2、33.5、43.6、43.7、52.5、56.8、56.9
NMRの測定結果より、実施例16の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルリジンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例17 N−トシルトリプトファンの合成
実施例11のグリシン(15g)をL−トリプトファン(35g)に、水25gを水67gとエタノール30gの混合溶媒に変え、p−トルエンスルホニルクロリド13gを29gに変え、維持したpHを10.0から9.6に、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を1時間に変え、撹拌時間を1時間に変えた以外は、実施例11と同様にして反応生成物(25g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):2.31(3H,s)、2.97(1H,dd)、3.18(1H、dd)、4.03(1H,dd)、7.00(5H, m)、7.35(4H,m)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.5、30.0、57.9、110.3、112.2、119.1、119.7、122.2、124.8、127.8、128.5、130.2、138.0、138.6、144.1、175.2
NMRの測定結果より、実施例17の反応生成物は下記構造式で表されるトシルトリプトファンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例18 N−トシルプロリンの合成
実施例11のグリシン(15g)をL−プロリン(26g)に、水25gを8gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド13gを39gに、維持したpHを10.0から10.8に変え、p−トルエンスルホニルクロリドの添加時間を30分に変え、撹拌時間を30分に変えた以外は、実施例11と同様にして、下記構造式で表されるN−トシルプロリン(35g)を得た。
Figure 2019189583
実施例19 N−トシルロイシンの合成
実施例1のバリン(32g)をL−ロイシン(27g)に、水74gを238gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド39gを37gに変え、撹拌時間を3時間に変え、再結晶化を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、反応生成物(31g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):0.80(3H,d)、0.88(3H,d)、1.46(2H,dd)、1.71(1H,m)、2.40(3H,s)、3.78(1H、dd)、7.34(2H,d)、7.71(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):21.4、21.7、23.2、25.5、43.1、55.7、128.2、130.5、139.3、144.6、175.7
NMRの測定結果より、実施例19の反応生成物は下記構造式で表されるN−トシルロイシンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例20 (N−トシルアラニル)グルタミン
実施例19のL−ロイシン(27g)をL−アラニルグルタミン(3g)に、水238gを14gに変え、p−トルエンスルホニルクロリド37gを2.6gに、維持したpHを9.9から10.0に変えた以外は、実施例19と同様にして反応生成物(1.0g)を得た。H−NMR、13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR 化学シフトδ(ppm):1.20(3H,s)、1.85(1H,m)、2.09(1H,m)、2.23(2H,m)、2.41(3H、s)、3.85(1H,dd)、4.21(1H,dd)、7.36(2H, d)、7.75(2H,d)
13C−NMR 化学シフトδ(ppm):19.3、21.5、28.6、32.6、49.4、49.6、128.2、130.7、139.0、144.9、174.3、174.5、177.6
NMRの測定結果より、実施例20の反応生成物は下記構造式で表される(N−トシルアラニル)グルタミンであることが確認された。
Figure 2019189583
実施例21 N−トシル−N−グリセリルアルギニン
L−アルギニン(20g)と水(48g)を混合し、60℃に加温した後、グリシドール(9g)を滴下し、合計18時間反応させた。そこにp−トルエンスルホニルクロリド(22g)を加えながら、25%水酸化ナトリウム溶液にて、pH9を維持した。その後中性に戻し、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィーにて単離し、下記構造式で表されるN−トシル−N−グリセリルアルギニンを得た。
Figure 2019189583
実施例22 N−トシル−N−ブチルグリセリルアルギニン
L−アルギニン(20g)と水(48g)を混合し、60℃に加温した後、ブチルグリシジルエーテル(15g)を滴下し、合計18時間反応させた。そこにp−トルエンスルホニルクロリド(22g)を加えながら、25%水酸化ナトリウム溶液にて、pH9を維持した。その後中性に戻し、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィーにて単離し、下記構造式で表されるN−トシル−N−ブチルグリセリルアルギニンを得た。
Figure 2019189583
実施例23 トシル化加水分解ケラチンの合成
p−トルエンスルホニルクロリド(1g)をエタノール(12g)に溶解し、加水分解ケラチン(数平均分子量10000:特公平02−042806に記載されている方法に準じて製造したもの。以下、「加水分解ケラチン(10000)」と表す)(45g)と25%水酸化ナトリウム溶液(2g)を加え、65℃にて5時間反応させた。その後、60℃に降温し、17%塩酸(5g)により酸分離を行い、水層を排出した。その後、0.5%食塩水(100g)により、2回洗浄を行った。25%水酸化ナトリウム水溶液(3g)により、中和処理を行い、交換水により調整することにより、生成物のトシル化加水分解ケラチン(羊毛)(以下、「トシル加水分解ケラチン(10000)」と記載する)を得た。
生成物を蒸発乾固し、得られた固形物をフーリエ変換赤外分光光度計(ATR法)で分析したところ、原料の加水分解ケラチン(10000)では確認されなかった下記に示すピークが観察された。
1091cm−1:S=O由来
1155cm−1:−SON―由来
実施例23−2 トシル化加水分解ケラチンTSA塩の合成
実施例23で得られたトシル加水分解ケラチン(10000)を、製造例1で得られたN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)を用いて中和することにより、その塩(以下、「トシル加水分解ケラチン(10000)のTSA塩」と記載する)を得た。
実施例24 トシル化加水分解ケラチンの合成
加水分解ケラチン(羊毛)として、実施例23における加水分解ケラチン(10000)の代わりに、加水分解ケラチン(数平均分子量400:特公平02−042806に記載されている方法に準じて製造したもの)を用いた以外は、実施例23と同様にして、トシル化加水分解ケラチン(羊毛)(以下、「トシル加水分解ケラチン(400)と記載する)を得た。
生成物を蒸発乾固し、得られた固形物をフーリエ変換赤外分光光度計(ATR法)で分析したところ、原料の加水分解ケラチン(数平均分子量400)では確認されなかった下記に示すピークが観察された。
1091cm−1:S=O由来
1155cm−1:−SON―由来
実施例24−2 トシル化加水分解ケラチンTSA塩の合成
実施例24で得られたトシル加水分解ケラチン(400)を、製造例1で得られたN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トシルアミド(TSA)を用いて中和することにより、その塩を得た。
実施例1〜22で得られた生成物のMASS分析の測定結果を表1に示す。
[MASS測定条件]
・移動相
実施例11:0.1%ギ酸/メタノール=20/80
実施例1〜20(11以外):0.1%ギ酸/メタノール=10/90
実施例21、22:アセトニトリル:5mM酢酸アンモニウム=50:50
・流量:0.2mL/min
・検出器電圧:1.15kV
・インターフェイス電圧:4.5kV
・ヒートブロック温度:200℃
・DL温度:250℃
・ネブライザガス:1.5L/min
・ドライングガス:15L
・イオン化モード:ESI−ポジティブ又はネガティブ
・測定モード:スキャンモード
・試料導入方法:FID(試料直接導入)
Figure 2019189583
試験例1(メラニン産生抑制効果、美白効果の試験)
美白効果の試験として、B16メラノーマ4A5細胞のテオフィリン誘発メラニン産生に対する作用(メラニン産生抑制率)の評価を、下記手順により、実施例で得られたアミノ酸誘導体について行った。比較として、同様な評価をアミノ酸についても行った。
(1)B16マウス メラノーマ4A5株を、8.0×10Cells/wellの細胞密度で48穴プレートに播種した。
(2)10%ウシ胎児血清(Roshe Diagnostics社)含有ダルベッコ変法イーグル培地(SIGMA社)にて24時間培養後、テオフィリン(最終濃度0.2mM)、及び、被験試料(表2に記載の最終濃度:1mMまたは3mM)を添加した。
(3)3日間培養後、アスピレーターを用いて培地を除去し、蒸留水を添加後、超音波により細胞を破砕した。
(4)その後、タンパク質量を、BCA Protein assay kit(PIERCE社)をもちいて定量し、又、メラニン生成量をアルカリ可溶化法にて測定した。細胞破砕液に最終濃度1Mとなるように水酸化ナトリウムを添加して、加熱溶解(60℃、30分)後、マイクロプレートリーダーを用いて405nmの吸光度を測定した。メラニン量は合成メラニン(SIGMA社)を標準品として作製した検量線から算出した。タンパク質でメラニン量を除することにより、単位タンパクあたりのメラニン量を算出した。
(5)メラニン産生抑制率は、次式から算出した。
メラニン産生抑制率(%)=[1−(C−A)/(C−B)]×100
[式中、Aは試料添加時の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)、Bはnormal群の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)、CはControl群の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)を示す。]
評価の結果を表2に示す。表2では、被験試料を表2に記載の試験濃度(最終濃度)で測定した時のメラニン産生抑制率について下記の基準で表記した。
<20% :±
20−40% :+
40−70% :++
70−100%:+++
Figure 2019189583
表2に示す結果より、本発明の美白剤であるアミノ酸誘導体は、メラニン産生抑制能を有することが示されている。
試験例2(毛髪に対するハリ・コシ、すべり、しっとり感付与効果の試験)
(1)感触評価方法−1
実施例1〜24の反応生成物(本発明の毛髪用化粧品基材)及び比較例として各実施例の原料である表3のアミノ酸またはペプチドを試料として用い、毛髪に下記の方法により処理を行った。
(毛髪の処理の手順)
1.ハイブリーチ毛(アジア人毛、2.0g、15cm)を使用して評価を行った。
2.各試料を1%セテス−20(実施例22のみセテス−40)含有イオン交換水に溶解し、希NaOH水でpH5に調整した最終試料濃度1%の溶液に、前記ハイブリーチ毛を、40℃にて、1時時間浸漬した。
3.その後、約40℃の流水にて、1分間洗浄を行った。
4.その後、さらにタオルにて水分を拭き取った後、ドライヤーにより乾燥を行った。
(毛髪の評価:感触試験)
乾燥後の毛髪について10人のパネラーに、しっとり感、すべりおよびハリ・コシを下記の評価基準で評価させた。
[ハリ・コシの評価基準]
2点:ハリ・コシ感がある。
1点:ハリ・コシ感があまりない。
0点:ハリ・コシ感がない。
[すべりの評価基準]
2点:すべり感がある。
1点:すべり感があまりない。
0点:すべり感がない。
[しっとり感の評価基準]
2点:しっとりしている。
1点:あまりしっとりしていない。
0点:しっとりしていない。
10人のパネラーによる評価について、以下のように3段階にて分類し、記号化して評価結果を表1に表記した。
◎:10人の合計点が13点以上
○:10人の合計点が6〜12点
△:10人の合計点が5〜0点
Figure 2019189583
表3に示す結果より、いずれの実施例においても、トシル化する前と比較して、毛髪に対するハリ・コシ、すべりやしっとり感において顕著な改善効果があることが示されている。特に、N−トシルバリンについて、ハリ・コシに関する改善効果は大きかった。
(2)感触評価方法―2
上記感触評価方法―1の結果においてハリ・コシ効果が特に優れていた実施例1の反応生成物(N−トシルバリン)及び実施例21の反応生成物(N−トシル−N−グリセリルアルギニン)を用いて、下記の方法により毛髪処理を行った。比較として、バリンを用いて、同様に毛髪処理を行った。
(毛髪処理の手順)
1.毛束(ハイブリーチ毛、アジア人購入毛、約2g)を、シャンプー(下記表4の質量%で示す処方)の10倍希釈溶液に40℃下で3分間浸漬した。
2.その後、約40℃の流水で1分間洗浄した。
3.その後、タオルにて水を拭き取った。
4.1gのコンディショナー(下記表5の質量%で示す処方)を毛束に馴染ませ、室温で静置した。
5.その後、約40℃の流水で1分間洗浄した。
6.その後、タオルにて水を拭きとり、ドライヤーにより乾燥した。
Figure 2019189583
Figure 2019189583
(毛髪の評価:感触試験)
乾燥後の毛髪について10人のパネラーに、しっとり感、すべりおよびハリ・コシを感触評価方法―1の場合と同じ評価基準で評価させた。感触評価方法―1の場合と同様にして3段階に分類し、記号化して評価結果を表6に表記した。
Figure 2019189583
表6の結果より、本発明の毛髪用化粧品基材は、毛髪に対するハリ・コシ、すべりやしっとり感において顕著な改善効果があることが示されている。特に、N−トシルバリンは優れた改善効果を示している。
前記のように実施例10、11、15で得られたアミノ酸誘導体が美白効果(メラニン産生抑制効果)を奏し、美白剤として用いられることは確認されているが、他の実施例で得られたアミノ酸誘導体も、同様に美白効果を奏し、美白剤として用いられることが期待される。そこで、他の実施例で得られたアミノ酸誘導体を美白剤として配合し美白化粧品を作製した例を以下に示す。
実施例27 化粧水
表7に示す各成分をすべて水に溶解し、その後、水酸化ナトリウムまたは塩酸により、pH6に調整することにより、作製した。
Figure 2019189583
実施例28 乳液
表8に示す(1)〜(5)を80℃にて溶解しながら混合してA液を作製した。又、80℃にて表8に示す(9)〜(11)を混合して溶解しB液を作製した。A液(油層部)に、B液(水層部)を撹拌しながら添加し、乳化した。得られた乳化物を80℃にて10分間、ホモミキサー3000rpmで撹拌した。その後、撹拌しながら(12)を加え、冷却し、表8に示す(6)〜(8)を添加したのち、均一に撹拌して製品とした。
Figure 2019189583
実施例29 クリーム
表9に示す(1)〜(9)を80℃にて溶解しながら混合してC液を作製した。又、80℃にて表9に示す(10)〜(13)を混合して溶解しD液を作製した。C液(油層部)に、D液(水層部)を撹拌しながら添加し、均一し混合した。その後、冷却し、表9に示す(14)〜(17)を添加した後、均一に撹拌して製品とした。
Figure 2019189583
[本発明の毛髪用化粧品]
本発明の第5の毛髪用化粧品とは、化粧料、医薬品、医薬部外品として毛髪に適用されるものを意味する。具体的には、例えば、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、ヘアミスト、ヘアワックス、染毛剤、染毛料、染毛用の前処理剤や後処理剤、スタイリング剤等を挙げることができる。
前記の本発明の毛髪用化粧品基材を、有効成分として配合することにより、毛髪のハリ・コシの改善効果に優れ、毛髪に優れたすべり(滑り性)やしっとり感(べたつきのない保湿感)を付与する毛髪用化粧品を得ることができる。

Claims (9)

  1. 加水分解タンパクもしくは下記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸の活性水素の少なくとも一部が、下記一般式(III)で表される官能基により置換されている、又は下記一般式(III)で表される官能基及び下記一般式(IV)、(V)、(VI)もしくは(VII)で表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体もしくは加水分解タンパク誘導体又は前記アミノ酸誘導体もしくは加水分解タンパク誘導体の塩からなることを特徴とする毛髪用化粧品基材。
    Figure 2019189583

    Figure 2019189583

    Figure 2019189583

    Figure 2019189583

    Figure 2019189583
  2. 加水分解タンパクもしくは前記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸が、一般式(I)又は一般式(II)で表されるアミノ酸であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪用化粧品基材。
  3. 前記アミノ酸が、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、メチオニン、アルギニン及びアラニルグルタミンからなる群より選ばれることを特徴とする請求項2に記載の毛髪用化粧品基材。
  4. 加水分解タンパクもしくは前記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸が、植物性タンパク質加水分解物、ケラチン加水分解物、シルクタンパク質加水分解物、コンキオリン加水分解物又はカゼイン加水分解物であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪用化粧品基材。
  5. 請求項1ないし請求項4に記載の毛髪用化粧品基材を有効成分として含有することを特徴とする毛髪用化粧品。
  6. 下記一般式(I)又は(II)で表されるアミノ酸の活性水素の少なくとも一部が、下記一般式(III)で表される官能基により置換されている、又は下記一般式(III)で表される官能基及び下記一般式(IV)、(V)、(VI)及び(VII)のいずれかで表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体又は前記アミノ酸誘導体の塩からなることを特徴とする美白剤。
    Figure 2019189583

    Figure 2019189583

    Figure 2019189583

    Figure 2019189583

    Figure 2019189583
  7. 前記アミノ酸が、グルタミン酸、グリシン及びアルギニンからなる群より選ばれることを特徴とする請求項6に記載の美白剤。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の美白剤を有効成分として含有することを特徴とする美白化粧品。
  9. 下記一般式(I−2)で表されるアミノ酸のα−アミノ基の2つの水素原子が、下記一般式(III)で表される官能基及び下記一般式(IV)又は(V)で表される官能基により置換されているアミノ酸誘導体又は前記アミノ酸誘導体の塩。
    Figure 2019189583

    Figure 2019189583

    Figure 2019189583
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