JP2014159388A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】毛髪や皮膚への親和性が高く、毛髪に適用した際には、優れたハリコシを与えて毛髪をボリュームアップし、かつ良好な滑り性、保湿感、艶を与え、皮膚に適用した際には、なめらかさやしっとり感を付与する効果に優れる化粧料、特に、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔料として、においが弱く、泡立ちに優れる化粧料を提供する。
【解決手段】 一般式(I)
【化1】
(式中、R1COはラウリン酸、ミリスチン酸およびそれらの混合物から選ばれる1種以上の脂肪酸残基であり、R2はケラチンから誘導される分解物のアミノ酸の側鎖で、Mはナトリウム、カリウム、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールまたは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールであり、nは2以下である)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩を含有させて化粧料を構成する。
【選択図】なし
【解決手段】 一般式(I)
【化1】
(式中、R1COはラウリン酸、ミリスチン酸およびそれらの混合物から選ばれる1種以上の脂肪酸残基であり、R2はケラチンから誘導される分解物のアミノ酸の側鎖で、Mはナトリウム、カリウム、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールまたは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールであり、nは2以下である)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩を含有させて化粧料を構成する。
【選択図】なし
Description
本発明は化粧料に関し、さらに詳しくは、毛髪に適用した際には優れたハリコシ感、艶、滑り性を付与し、かつ、保湿感を与え、皮膚に適用した際には、なめらかさ、しっとり感を付与する効果に優れ、色が薄く、においが少なく、泡立ちの良好なケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩を含有する化粧料に関する。
従来から、動植物由来のタンパク質を加水分解して得られるペプチド(加水分解ペプチド、加水分解タンパク、タンパク質加水分解物とも言う)を炭素数8〜22の脂肪酸でアシル化したタンパク質加水分解物のアシル化誘導体は、安全性が高く、刺激性の少ない界面活性剤、乳化剤として化粧料に広く用いられてきた。そして、そのタンパク源としては、コラーゲン、シルク、大豆、米などが使用されている(特許文献1〜3など)。また、毛髪や皮膚に対しては、ケラチン加水分解物やその誘導体が毛髪や皮膚のケラチンと親和性を有するため広く利用されている。そして、ケラチン加水分解物のアシル化誘導体も、毛髪や皮膚のケラチンに対する親和性が特に高いことからシャンプーや洗浄剤としての利用が提案されている(特許文献4)。
しかし、ケラチンは構成アミノ酸にシスチンを含むため、加水分解したペプチドやその誘導体はやや安定性に劣り、化粧料に配合した場合、他の配合成分と結合したりして経時的な濁りや沈殿物を生じることがあり、また、ケラチン加水分解物のアシル化誘導体は、においがやや強いため頭髪化粧料や洗顔料などには利用しにくかった。
これらの問題を解消するため、シスチン部をシステイン酸にまで酸化し、反応性を低減したケラチン加水分解物のアシル化誘導体が開発されているが、通常の陰イオン性界面活性剤に比べて泡立ちが劣り、また、水溶液にすると溶液の色が濃いためその効果を発揮させる量を配合しにくく、ほとんど利用されていなかった(特許文献5)。
そのため、色が薄く、においが弱く、泡立ちに優れ、経時安定性がよいケラチン加水分解物のアシル化誘導体やそれを含有する化粧料が求められている。
本発明は、上記のような事情に鑑み、毛髪に適用した際には、優れたハリコシ感、艶、滑り性を付与し、かつ保湿感を与え、皮膚に適用した際には、なめらかさやしっとり感を付与する効果に優れるといった従来からの効果の上に、色が薄く、においが弱く、泡立ちに優れ、しかも経時安定性がよいケラチン加水分解物のアシル化誘導体を含有する化粧料、特に、においや泡立ちが重要な、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔料などの洗浄用途の化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため研究を行った結果、ケラチンをアミノ酸重合度が2以下になるまで加水分解した分解物(ペプチド)と、ラウリン酸、ミリスチン酸およびそれらの混合物から選択される脂肪酸との縮合物(アシル化誘導体)のナトリウム塩、カリウム塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩または2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩は、色が薄く、においが弱く、泡立ちに優れ、経時安定性も良く、これを含有する化粧料は、色が薄く、においが弱く、泡立ちに優れた化粧品となることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、一般式(I)
(式中、R1COはラウリン酸、ミリスチン酸およびそれらの混合物から選ばれる1種以上の脂肪酸残基であり、R2はケラチンから誘導される分解物のアミノ酸の側鎖で、Mはナトリウム、カリウム、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールまたは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールであり、nは2以下である)
で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩を含有する化粧料で、これを請求項1に係わる発明とする。
で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩を含有する化粧料で、これを請求項1に係わる発明とする。
そして、上記一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩は、毛髪に適用した際には、優れたハリコシ感、艶、滑り性を付与し、かつ保湿感を与え、皮膚に適用した際には、なめらかさやしっとり感を付与する効果に優れるのはもちろん、泡立ちに優れ、色が薄く、においが弱い。そのため、界面活性剤としてシャンプー、ボディシャンプー、洗顔料に最適であり、上記一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩を含有するシャンプー、ボディシャンプー、洗顔料を請求項2に係わる発明とする。
化粧料中での上記一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化物の塩の含有量は、化粧料の種類によって多少の違いはあるが、洗浄剤や乳化剤成分として用いる場合は0.1〜30質量%であるので、上記一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩を0.1〜30質量%含有した請求項1または2に記載の化粧料を請求項3に係わる発明とする。
本発明の化粧料は、毛髪や皮膚への親和性が高く、毛髪に適用した際には、毛髪に優れたハリコシを与えて毛髪をボリュームアップし、かつ、毛髪に艶、滑り性、保湿感を付与する。また、皮膚に適用した際には、なめらかさやしっとり感を付与する。しかも、含有するケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩は、色が薄く、においが弱く、泡立ちに優れ、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔料としてにおいが気にならず、洗浄用化粧料とすることができ、経時安定性にも優れる。
本発明の化粧料は、前記一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩を主成分として含有することからなるが、一般式(I)において、アシル基R1 COはラウリン酸、ミリスチン酸およびそれらの混合物から選ばれる。これは、アシル基の脂肪酸の炭素数が10以下ではケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩のにおいが強くなり、炭素数が16以上では低温になると濁りが生じやすくなるためである。ラウリン酸とミリスチン酸の混合物は、任意の割合の混合物が使用できるが、全量に占める質量割合で、ミリスチン酸が50%を超えるとアシル化誘導体の塩が水溶液中で濁りやすくなるため、ミリスチン酸量が50%以下が好ましく、アシル化誘導体の使用感触の面から、質量比でラウリン酸:ミリスチン酸=3:1がより好ましい。
また、ヤシ油からラウリン酸およびミリスチン酸の留分を採取したラウリン酸−ミリスチン酸混合脂肪酸も本発明の化粧料に用いられるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩の製造に使用できる脂肪酸に含まれ、このように製造された混合脂肪酸の脂肪酸割合は、質量比でほぼラウリン酸:ミリスチン酸=3:1である。なお、本明細書では、このヤシ油からラウリン酸およびミリスチン酸の留分を採取したラウリン酸−ミリスチン酸脂肪酸をヤシ油LM脂肪酸と記載する。
一般式(I)においてR2は、ケラチンを構成するアミノ酸の側鎖であり、具体的には、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、メチオニン、シスチン、システイン、システイン酸、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンなどのアミノ酸の残基であるが、シスチンやシステインは、一部または全部がシステイン酸に変化していてもよく、保存安定性の面からは、全てがシステイン酸に変化しているものが好ましい。また、シスチンに関しては、パーマネントウェーブ処理やヘアカラー処理などの化学処理によって質感が低下した毛髪に、ハリコシがあり、なめらかな質感を付与することを目的とするなら、ジスルフィド結合を有するシスチン残基を有しているのが好ましい。
一般式(I)においてnは、ケラチン加水分解物のアミノ酸重合度を示し、nは2以下であるが、これはnが2を超えると泡立ちが悪くなるためである。なお、本明細書で用いるアミノ酸重合度は、ケラチン加水分解物の総窒素量とアミノ態窒素量から求めた計算値である。アミノ酸重合度は理論上は整数であるが、ケラチン加水分解物はアミノ酸重合度の異なるペプチドの混合物として得られるため、アミノ酸重合度も計算値は整数になるとは限らない。よって、一般式(I)におけるnは、異なるアミノ酸重合度を有するペプチドのアミノ酸重合度を平均した値になる。
一般式(I)におけるMは、ケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩を形成する陽イオン原子または有機アミンで、ナトリウム、カリウム、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールから選択される1種以上である。これら4種の陽イオン原子または有機アミンは、ケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩の泡立ち、安定性の面で優れているが、特にカリウムが好ましい。なお、R2がアスパラギン酸、グルタミン酸、システイン酸の側鎖の場合、これらのアミノ酸側鎖の酸性基もMで表される陽イオン原子または有機アミンで塩を形成することになる。
本発明の化粧料に含有させる一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化物の塩を形成するケラチン加水分解物は、獣毛、羽毛、人毛などを酸、アルカリ、酵素あるいはそれらを併用した公知の方法で分解して得られる。ケラチンの原料としては蹄、角なども用いることができるが、分解物の精製の煩雑さや原料の入手の容易さから、羊毛や羽毛を用いるのが好ましい。分解では、酸、アルカリ、酵素の量や反応温度、反応時間をコントロールしてアミノ酸重合度が2以下になるように分解する。ケラチンの酸化を確実にするため、加水分解物を過酸化水素、臭素酸ナトリウム、過ホウ素酸ナトリウムなどの酸化剤でさらに酸化してもよい。また、原料のケラチンをこれらの酸化剤で酸化した後、酸、アルカリ、酵素などで加水分解してケラチン酸化加水分解物としてもよい。なお、酸化剤としては、シスチンのジスルフィド結合の選択性がよく、後処理が容易なことから、過酸化水素が好ましい。
ケラチン加水分解物のアシル化誘導体を得る方法は特に限定はされないが、ショッテン−バウマン(Shotten−Baumann)反応を用いるのが反応が容易で特別な装置を要しないことから一般的である。この方法は、ペプチド水溶液に脂肪酸の酸クロライドをpH8〜10のアルカリ条件下で20〜50℃で攪拌しながら加えて脂肪酸をアミノ基の窒素に縮合させる反応である。得られたアシル化誘導体は、塩酸、硫酸などの強酸水溶液中で遊離物にして浮遊沈殿として採取し、これを水洗して精製するのが好ましい。精製後、ナトリウム、カリウム、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールおよび2−アミノ2−メチル−1−プロパノールから選ばれる1種以上で中和し、本発明の化粧料に用いられる。
本発明の一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩が配合される化粧料としては、例えば、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、染毛剤、パーマネントウェーブ用剤などの毛髪化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、クレンジングクリーム、各種石鹸、ハンドクリームなどの皮膚化粧料を挙げることができる。そして、毛髪に適用した際には、毛髪に優れたハリコシを与えて毛髪をボリュームアップし、かつ、毛髪に艶、滑り性、保湿感を付与し、染毛剤や染毛料に配合した場合には、上記の効果に加えて、毛髪内部への色素成分の浸透を促進し、染毛効果を上げるという特徴も有する。また、皮膚に適用した際には、なめらかさやしっとり感を付与する。
本発明の一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩は、上記のように従来のタンパク質加水分解物のアシル化誘導体の塩が配合される化粧料に配合できるが、本発明の化粧料に用いる一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩は、色が薄く、においが弱く、泡立ちに優れることから、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔料とするのが特に好ましい。
そして、化粧料中での一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩の含有量としては、化粧料によっても異なるが、概ね0.1〜30質量%である。これは、含有量が0.1質量%以下では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩の効果が発揮されず、30質量%以上になっても含有量に見合う効果増加が認められないからである。また、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔料などの洗浄用化粧料では、含有量を0.5〜30質量%にするのが好ましいが、これは、0.5質量%以下では充分な洗浄力が得られず、30質量%以上になっても含有量に見合う効果の増加が認められないからである。
本発明の化粧料には、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を適宜含有させることができる。そのような成分としては、例えば、油脂、ロウ、炭化水素、エステル油、シリコーン油などの油性原料、脂肪酸、低級アルコール、高級アルコール、多価アルコール、界面活性剤、タンパク質加水分解物またはその誘導体、アミノ酸、ポリペプチド、糖、高分子、粉体、色剤、紫外線防御剤、ビタミン、動植物抽出物、酸化防止剤、殺菌・防腐剤、酸、浸透促進剤、pH緩衝剤、抗炎症剤、金属封鎖剤、香料、育毛剤、肌荒れ防止剤、老化防止剤などを挙げることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、それらの実施例に例示のもののみに限定されるものではない。また、以下の実施例などにおける各成分の含有量(配合量)はいずれも質量部によるものであり、配合時の量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示す。
実施例1および比較例1〜2
表1に示す組成のシャンプーを調製し、シャンプー時の泡立ち、におい、およびシャンプー後の毛髪のハリコシ感、滑り性、保湿感、艶を評価した。実施例1では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩として、アミノ酸平均重合度1.4のケラチン加水分解物のラウリン酸とミリスチン酸の混合脂肪酸(質量比で、ラウリン酸:ミリスチン酸=3:1の混合物)縮合物のカリウム塩を用い、比較例1では一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩に代えて、アミノ酸平均重合度が5のコラーゲン加水分解物のヤシ油脂肪酸縮合物のカリウム塩を用い、比較例2ではタンパク質加水分解物のアシル化誘導体の塩の代わりに、同時に使用しているポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムを増量している。
表1に示す組成のシャンプーを調製し、シャンプー時の泡立ち、におい、およびシャンプー後の毛髪のハリコシ感、滑り性、保湿感、艶を評価した。実施例1では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩として、アミノ酸平均重合度1.4のケラチン加水分解物のラウリン酸とミリスチン酸の混合脂肪酸(質量比で、ラウリン酸:ミリスチン酸=3:1の混合物)縮合物のカリウム塩を用い、比較例1では一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩に代えて、アミノ酸平均重合度が5のコラーゲン加水分解物のヤシ油脂肪酸縮合物のカリウム塩を用い、比較例2ではタンパク質加水分解物のアシル化誘導体の塩の代わりに、同時に使用しているポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムを増量している。
表1中、*1は(株)成和化成製のプロモイスECP(商品名)、*2は花王(株)製のエマール20C(商品名)、*3はLubrizol社製のGlucamate DOE−120(商品名)、*4は花王(株)製のアミノーンC−11(商品名)で、*5は川研ファインケミカル社製のソフタゾリンCPB(商品名)、*6はダウ・ケミカル社製のUcare POLYMER JP−400(商品名)、*7はSchuke&Mayr社製のEuxyl PE9010(商品名)である。
実施例1および比較例1〜2の3種のシャンプーについて、10人のパネリストに、それぞれのシャンプーを1gを用いて、長さ30cmで重さ8gの毛束を洗浄させ、洗浄時の泡立ち、におい、および、洗浄後の毛髪のハリコシ感、滑り性、保湿感、艶について、最もよいものを2点、次によいものを1点、劣るものを0点として評価させた。その結果を表2に10人の平均値で示す。なお、各毛束は、シャンプー洗浄後にお湯で濯ぎ、ヘアドライヤーで乾燥して洗浄後の評価に供した。
表2に示したように、アミノ酸平均重合度1.4のケラチン加水分解物のラウリン酸とミリスチン酸の混合脂肪酸縮合物のカリウム塩を含有する実施例1のシャンプーは、コラーゲン加水分解物のヤシ油脂肪酸縮合物のカリウム塩を含有する比較例1のシャンプーやタンパク質加水分解物のアシル化誘導体の塩を含まない比較例2のシャンプーに比べ、洗浄時の泡立ちやにおいに優れ、洗髪後の毛髪は、ハリコシ感、滑り性、保湿感、艶のいずれの評価項目でも優れるとの評価値であった。
実施例2および比較例3
表3に示す組成の洗顔料を調製し、洗浄時の泡立ちおよびにおいを評価した。実施例2では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩として、アミノ酸平均重合度1.4のケラチン加水分解物のラウリン酸縮合物のカリウム塩を用い、比較例3では一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩に代えて、アミノ酸平均重合度が10の従来型のケラチン加水分解物のラウリン酸縮合物のカリウム塩を用いている。
表3に示す組成の洗顔料を調製し、洗浄時の泡立ちおよびにおいを評価した。実施例2では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩として、アミノ酸平均重合度1.4のケラチン加水分解物のラウリン酸縮合物のカリウム塩を用い、比較例3では一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩に代えて、アミノ酸平均重合度が10の従来型のケラチン加水分解物のラウリン酸縮合物のカリウム塩を用いている。
表3中、*8は川研ファインケミカル(株)製のアミゾールCDE(商品名)、*9は花王(株)製のアンヒトール20BS(商品名)、*10はSEPPIC社製のSEPIMAX ZEN(商品名)で、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N,N−ジメチルアクリルアミド、ラウリルメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(4EO)の共重合体である。また、*11は(株)成和化成製造方法のセイセプト−H(商品名)である。
上記実施例2および比較例3の洗顔料を10人のパネリストに使用させ、泡立ち、においについて比較させた。その結果を表4に示すが、結果は、実施例2の方が良いと答えた人数、比較例3が良いと答えた人数、どちらとも言えないと答えた人数で示す。
表4に示したように、パネリスト全員が、実施例2の洗顔料は比較例3の洗顔料より、泡立ち、においともに優れると答えていて、実施例2の洗顔料に含有させたアミノ酸平均重合度1.4のケラチン加水分解物のラウリン酸縮合物のカリウム塩は、従来型のアミノ酸平均重合度10のケラチン加水分解物のラウリン酸縮合物のカリウム塩に比べて、泡立ち、においに優れているのが明らかであった。
実施例3および比較例4
表5に示す組成のボディシャンプーを調製し、洗浄時の泡立ち、におい、および洗浄後の皮膚のなめらかさ、しっとり感を評価した。実施例3では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩として、アミノ酸平均重合度1.5のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のナトリウム塩を用い、比較例3では一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩に代えて、アミノ酸平均重合度が5の従来型のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のナトリウム塩を用いている。
表5に示す組成のボディシャンプーを調製し、洗浄時の泡立ち、におい、および洗浄後の皮膚のなめらかさ、しっとり感を評価した。実施例3では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩として、アミノ酸平均重合度1.5のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のナトリウム塩を用い、比較例3では一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩に代えて、アミノ酸平均重合度が5の従来型のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のナトリウム塩を用いている。
表5中、*3および*5は既出で、*12はSchuke&Mayr社製のSensiva SC 50 JP(商品名)である。
上記実施例3および比較例4のボディシャンプーについて、10人のパネリストにそれぞれ5日間ずつ連続使用させ、使用時の泡立ち、におい、および洗浄後の皮膚のなめらかさ、しっとり感について比較評価させた。すなわち、最初の5日間を実施例3のボディシャンプーを選んだ場合は、残りの5日間は比較例4のボディシャンプーを使用し、最初の5日間に比較例4のボディシャンプーを選んだ場合は、残りの5日間は実施例3のボディシャンプーを使用する10日間連用した後の評価試験である。その結果を表6に示すが、結果は、実施例3の方が良いと答えた人数、比較例4が良いと答えた人数、どちらとも言えないと答えた人数で示す。
表6に示したように、パネリスト全員が、実施例3のボディシャンプーは、比較例4のボディシャンプーより泡立ち、においともに優れ、洗浄後に皮膚になめらかさやしっとり感を与えると答えていて、実施例3のボディシャンプーに含有させたアミノ酸平均重合度が1.5のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のナトリウム塩は、従来型のアミノ酸平均重合度5のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のナトリウム塩に比べて、泡立ち、におい、および、皮膚へのなめらかさやしっとり感の付与に優れるのが明らかであった。
実施例4および比較例5〜6
表7に示す組成のヘアリンスを調製し、毛髪に使用した際の毛髪のハリコシ感、滑り性、保湿感、艶および処理後の毛髪のにおい(残り香)を評価した。実施例4では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩として、アミノ酸平均重合度1.8のケラチン加水分解物のラウリン酸とミリスチン酸の混合脂肪酸(質量比で、ラウリン酸:ミリスチン酸=3:1の混合物)の縮合物の2−アミノ−2−メチル1,3−プロパンジオール塩(以下、塩の部分をAMPD塩と記す)を用い、比較例5では実施例4で用いたケラチン加水分解物のラウリン酸とミリスチン酸の混合脂肪酸縮合物のAMPD塩に代えて、アミノ酸平均重合度が5の従来型のケラチン加水分解物のラウリン酸とミリスチン酸の混合脂肪酸縮合物のAMPD塩を用い、比較例6ではタンパク質加水分解物のアシル化誘導体の塩の代わりに界面活性剤であるポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムを用いている。
表7に示す組成のヘアリンスを調製し、毛髪に使用した際の毛髪のハリコシ感、滑り性、保湿感、艶および処理後の毛髪のにおい(残り香)を評価した。実施例4では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩として、アミノ酸平均重合度1.8のケラチン加水分解物のラウリン酸とミリスチン酸の混合脂肪酸(質量比で、ラウリン酸:ミリスチン酸=3:1の混合物)の縮合物の2−アミノ−2−メチル1,3−プロパンジオール塩(以下、塩の部分をAMPD塩と記す)を用い、比較例5では実施例4で用いたケラチン加水分解物のラウリン酸とミリスチン酸の混合脂肪酸縮合物のAMPD塩に代えて、アミノ酸平均重合度が5の従来型のケラチン加水分解物のラウリン酸とミリスチン酸の混合脂肪酸縮合物のAMPD塩を用い、比較例6ではタンパク質加水分解物のアシル化誘導体の塩の代わりに界面活性剤であるポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムを用いている。
表7中、*2および*11は既出で、*13は(株)成和化成製のプロモイスW−42Q(商品名)、*14は東邦化学工業(株)製のカチナールSTC−25W(商品名)で6質量%のイソプロパノールを含んでいる。また、*15は信越化学工業(株)製のKF96−350cs(商品名)である。
実施例4および比較例5〜6の3種のヘアリンスについて、それぞれ2gを用いて、市販のシャンプーで洗浄した長さ30cmで重さ8gの毛束をリンス処理し、お湯で濯ぎ、ヘアドライヤーで乾燥した。乾燥後の毛髪のハリコシ感、滑り性、保湿感、艶および残り香の少なさについて10人のパネリストに、最もよいものを2点、次によいものを1点、劣るものを0点として評価させた。その結果を表8に10人の平均値で示す。
表8に示したように、アミノ酸平均重合度が1.8のケラチン加水分解物のラウリン酸ミリスチン酸混合脂肪酸縮合物のAMPD塩を含有する実施例4のヘアリンスで処理した毛髪は、従来型のアミノ酸平均重合度が5のケラチン加水分解物のラウリン酸ミリスチン酸混合脂肪酸縮合物のAMPD塩を含有する比較例5のヘアリンスやケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩を含有しない比較例6のヘアリンスで処理した毛髪に比べて、全ての評価項目で評価値が高かった。特に、実施例4で用いたケラチン加水分解物のアシル化誘導体のAMPD塩は、従来型のケラチン加水分解物のアシル化誘導体のAMPD塩に比べて、残り香少ないという違いが明らかであった。
実施例5および比較例7
表9に示す組成のシャンプーを調製し、洗浄時の泡立ち、におい、および洗浄後の毛髪のなめらかさ、しっとり感を評価した。実施例5では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩として、アミノ酸平均重合度1.6のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のカリウム塩を用い、比較例7では一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩に代えて、アミノ酸平均重合度が5の従来型のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のカリウム塩を用いている。
表9に示す組成のシャンプーを調製し、洗浄時の泡立ち、におい、および洗浄後の毛髪のなめらかさ、しっとり感を評価した。実施例5では、一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩として、アミノ酸平均重合度1.6のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のカリウム塩を用い、比較例7では一般式(I)で表されるケラチン加水分解物のアシル化誘導体の塩に代えて、アミノ酸平均重合度が5の従来型のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のカリウム塩を用いている。
表9中、*3、*5、*6、*8および*12は既出であり、*16は(株)成和化成製のアミンアミド50E(商品名)、*17はライオン(株)製のELFAN AT−84G(商品名)、*18は(株)成和化成製のシルク−1000Q(商品名)である。
上記実施例5および比較例7のシャンプーについて、10人のパネリストにそれぞれ5日間ずつ連続使用させ、洗浄時の泡立ち、におい、洗浄後の毛髪のハリコシ感、滑り性、保湿感、艶について比較させた。すなわち、最初の5日間を実施例5のシャンプーを選んだ場合は、残りの5日間は比較例7のシャンプーを使用し、最初の5日間に比較例7のシャンプーを選んだ場合は、残りの5日間は実施例5のシャンプーを使用する10日間連用した後の評価試験である。その結果を表10に示すが、結果は、実施例5の方が良いと答えた人数、比較例7が良いと答えた人数、どちらとも言えないと答えた人数で示す。
表10に示したように、洗浄時の泡立ちおよびにおいについては、パネリスト全員が実施例5のシャンプーは、比較例7のシャンプーより優れると答えていて、実施例5のシャンプーに含有させたアミノ酸平均重合度が1.6のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のカリウム塩は、従来型のアミノ酸平均重合度5のケラチン加水分解物のヤシ油LM脂肪酸縮合物のカリウム塩に比べて、泡立ち、においとも優れるのが明らかであった。また、洗浄後の毛髪についても、ハリコシ感、滑り性、保湿感、艶のいずれの評価項目でも実施例5のシャンプーは比較例7のシャンプーより優れているとの評価で、使用しているケラチン加水分解物のアミノ酸平均重合度の違いがこの差を生じさせたものと思われる。
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CN110731915A (zh) * | 2019-11-25 | 2020-01-31 | 广州宏度精细化工有限公司 | 清洁化妆品组合物及其制备方法、化妆品 |
WO2021182552A1 (ja) * | 2020-03-12 | 2021-09-16 | ホーユー株式会社 | シャンプー組成物 |
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