JP2004083453A - 新規なアミノ酸のn−グリセリル誘導体およびこれを含有する皮膚外用剤および毛髪化粧料 - Google Patents

新規なアミノ酸のn−グリセリル誘導体およびこれを含有する皮膚外用剤および毛髪化粧料 Download PDF

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Masato Yoshioka
吉岡 正人
Keiichi Uehara
植原 計一
Takashi Adachi
安達 敬
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Abstract

【課題】保湿性、使用性、保存安定性、安全性、肌荒れ改善性に優れた新規の保湿性成分、および、保湿性、べたつかずしっとりしているなどの使用性および保存安定性に優れ、しかも安全性に優れた皮膚外用剤および毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】アミノ酸またはイミノ酸にグリシドールを反応させたアミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩よりなる保湿性成分、および、該アミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩を含有させて保湿性に優れた皮膚外用剤または毛髪化粧料を構成する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なアミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩、および、それらを含有する皮膚外用剤および毛髪化粧料に関し、より詳しくは、保湿性、安全性、肌荒れ改善性および使用感触に優れたアミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩、および、それらを含有する皮膚外用剤および毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、皮膚外用剤および毛髪化粧料には、使用性、安全性、保湿性に優れるなどの理由で、例えば、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、アミノ酸、ポリペプチドなどが保湿剤として用いられてきた。
【0003】
しかしながら、これらの保湿剤の多くは、保湿性などの機能に乏しく、また、保湿剤の種類によっては酸化安定性やにおいの面で問題があったり、使用性の面で十分に満足できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、優れた保湿性、使用性、安定性、安全性を有する保湿性成分およびこれを含有する皮膚外用剤および毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、下記の一般式(I)
【0006】
【化3】
Figure 2004083453
〔式中、Xは水素原子、HOCH CH(OH)CH −基または炭素数1〜4のアルキル基で、Yは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基あるいはXが水素原子の時は中性アミノ酸の側鎖を表し、Zは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウム、−CH CH(OH)CH OH基または−CH CH(OH)CH OCH CH(OH)CH OH基のいずれかを示し、mは0〜2の整数を示す〕
で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩、あるいは、下記一般式(II)
【0007】
【化4】
Figure 2004083453
〔式中、m、Zは一般式(I)に同じで、Wは水素原子または水酸基を示す〕
で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩が、優れた保湿性、使用性、安定性、安全性を有することを見出し、それらを皮膚外用剤および毛髪化粧料に含有させると、保湿性、使用性、安定性、安全性に優れた皮膚外用剤および毛髪化粧料になることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0008】
なお、アミノ酸のN−グリセリル誘導体の酸付加塩とは、上記一般式(I)および一般式(II)の窒素原子に基づく塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、酢酸塩のいずれかで表されるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の上記一般式(I)および一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩は、例えば、中性アミノ酸、中性イミノ酸、サルコシン、α−アミノ酪酸、N−メチルアラニンなどとグリシドール、3−クロロ−1,2−プロパンジオールなどとを反応させることによって得ることができる。また、本発明のアミノ酸のN−グリセリル誘導体は、種類によっては酸性を示すが、このような場合には、目的に応じてアルカリ剤により塩にして用いることができる。さらに、本発明のアミノ酸のN−グリセリル誘導体は、窒素原子に基づく酸付加塩として用いることもできる。
【0010】
本発明の上記一般式(I)または一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体の出発原料としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、チロシン、メチオニン、システインなどの中性アミノ酸、プロリン、ヒドロキシプロリンなどの中性イミノ酸、サルコシン、N−メチルアラニン、α−アミノ酪酸、α−アミノカプロン酸などを挙げることできる。
【0011】
そして、本発明の上記一般式(I)または一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体は、上記中性アミノ酸などの出発原料と、例えば、グリシドール、3−クロロ−1,2−プロパンジオールなどとを水溶媒中でアルカリ下で反応させることによって得ることができるが、この反応に用いられる溶媒としては、例えば、水、アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
【0012】
このようにして製造できる本発明の上記一般式(I)または一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体の具体例としては、N−グリセリルグリシン(N−2,3−ジヒドロキシプロピルグリシン)、N−グリセリルアラニン、N−グリセリルバリン、N−グリセリルロイシン、N−グリセリルイソロイシン、N−グリセリルセリン、N−グリセリルスレオニン、N−グリセリルシスチン、N,N’−ジグリセリルシスチン、N−グリセリルメチオニン、N−グリセリルシステイン、N−グリセリルフェニルアラニン、N−グリセリルチロシン、N−グリセリルプロリン、N−グリセリルヒドロキシプロリン、N−グリセリル−α−アミノ酪酸、N−グリセリルサルコシン、N−メチル−N−グリセリルアラニン、N−ジグリセリルグリシン、N−ジグリセリルアラニン、N−ジグリセリルバリン、N−ジグリセリルロイシン、N−ジグリセリルイソロイシン、N−ジグリセリルセリン、N−ジグリセリルスレオニン、N−ジグリセリルシスチン、N−ジグリセリルメチオニン、N−ジグリセリルシステイン、N−ジグリセリルフェニルアラニン、N−ジグリセリルチロシン、N−ジグリセリルプロリン、N−ジグリセリルヒドロキシプロリン、N−ジグリセリル−α−アミノ酪酸、N−ジグリセリルサルコシン、N−メチル−N−ジグリセリルアラニンなどを挙げることができる。なお、上記のグリセリル基とは、2,3−ジヒドロキシプロピル基を意味する。
【0013】
本発明のアミノ酸のN−グリセリル誘導体は塩の形態も含むものであり、具体的には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールアミン塩などのアルカリ塩、窒素原子に基づく酢酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩などが挙げられる。
【0014】
本発明の上記一般式(I)または一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体あるいはそれらの酸付加塩は優れた保湿性を有するため、これらアミノ酸のN−グリセリル誘導体あるいはそれらの酸付加塩を皮膚外用剤や毛髪化粧料に一種または二種以上適宜選択して配合すると、優れた保湿効果を有する皮膚外用剤や毛髪化粧料を得ることができる。そして、2種以上のアミノ酸のN−グリセリル誘導体を配合する場合には、各々別個に製造したアミノ酸のN−グリセリル誘導体を組み合わせて配合することも可能であるが、予め多種類のアミノ酸のN−グリセリル誘導体混合物を製造してこれを直接皮膚外用剤や毛髪化粧料に配合することもできる。
【0015】
本発明の上記一般式(I)または一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体あるいはそれらの酸付加塩は、保湿性、使用性、安定性、安全性、肌荒れ改善効果に優れ、皮膚外用剤に使用した場合には、保湿性、使用性(べたつかず、しっとりしているなど)、安定性、安全性、肌荒れ改善性に優れた効果を発揮し、また、毛髪化粧料に使用すると、保湿性、使用性(べたつかず、しっとりしているなど)、艶を付与する優れた作用を発揮する。
【0016】
そして、本発明の上記一般式(I)または一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体あるいはそれらの酸付加塩の皮膚外用剤および毛髪化粧料中の含有量としては、皮膚外用剤や毛髪化粧料の種類によっても多少異なるが、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましい。すなわち、本発明の上記一般式(I)または一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体あるいはそれらの酸付加塩の含有量が0.1質量%以下の場合は、保湿性、使用感触向上などの作用が充分に発揮できなくなる恐れがあり、また、本発明の上記一般式(I)または一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体あるいはそれらの酸付加塩の含有量が30質量%以上の場合には、含有量の増加に見合うだけの効果が得られないだけでなく、製剤上支障をきたす恐れがある。
【0017】
本発明の皮膚外用剤および毛髪化粧料には、本発明の上記一般式(I)または一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体あるいはそれらの酸付加塩の他に、通常皮膚外用剤や毛髪化粧料に用いられる成分、例えば、油性原料、保湿剤、界面活性剤、増粘剤、高分子物質、粉末類、薬剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、キレート剤、動植物抽出物、動植物由来の蛋白質を加水分解した加水分解ペプチドおよびその誘導体類などを適宜配合することができる。
【0018】
そして、本発明の皮膚外用剤および毛髪化粧料の剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、粉末分散系、水−油二層系など目的とする製品に応じて上記一般式(I)または一般式(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体あるいはそれらの酸付加塩と上記任意配合成分とを配合して製造することができる。
【0019】
本発明の皮膚外用剤および毛髪化粧料とは、化粧料、医薬品、医薬部外品として皮膚(頭皮を含む)および毛髪に適用されるものを指し、具体的には、例えば、化粧水、乳液、クリーム、パックなどのフェーシャル化粧料やファンデーション、口紅、アイシャドーなどのメーキャップ化粧料やボディ化粧料、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、染毛剤、染毛料、染毛用の前処理剤や後処理剤などが挙げられる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の上記一般式(I)または(II)で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体あるいはその酸付加塩は、保湿性、使用性、安定性、安全性、肌荒れ改善効果に優れ、それを皮膚外用剤に使用した場合には、保湿性、使用性、安定性、安全性、肌荒れ改善性に優れた効果を発揮し、また、毛髪化粧料に使用すると、べたつかず、毛髪に優れた保湿性、潤い感、艶を付与する。
【0021】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。また、以下の実施例および比較例中における各成分の配合量はいずれも質量部によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示す。なお、実施例に先立ち、実施例で用いる本発明のアミノ酸のN−グリセリル誘導体の製造例を示す。
【0022】
合成例1:N−グリセリルグリシンの合成
3リットルの三口丸底フラスコにグリシン75.1gと水675gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール59.3gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに6時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去して粘稠な物質を得た。この粘稠物質にメタノール1344gを添加して攪拌し、粉末状沈殿物を得、次いでこの沈殿物を濾取した。この沈殿物は薄層クロマトグラフィー(以下、TLCと記す)分析およびガスクロマトグラフィー(以下、GCと記す)分析の結果から、主として未反応のグリシンであることが分かった。粉末状沈殿物を除去したメタノール溶液から溶媒を減圧下留去して粘稠な物質を101.5g得た。
【0023】
この物質を以下に示すTLC条件で分析したところ、Rf値0.28にスポットが検出され、他にはごく微弱なスポットが1,2検出されるのみであり、主成分がN−グリセリルグリシンであることが確認された。
【0024】
TLCの分析条件
薄層板 ;メルク社製シリカゲル 60(商品名)
展開溶媒;フェノール:水=4:1(W/W)
検出方法;紫外線(365nm)照射による
【0025】
また、この粘稠物質の一部をN,O−Bis(trimethylsilyl)acetamide(BSA)を用いてトリメチルシリル化を行った後、下記の条件でGC分析を行ったところ、主成分として保持時間10.7分にピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていた。
【0026】
GCの分析条件
カラム充填剤;5%SE−30、50cm
キャリアガス;窒素 30ml/min
検出器   ;FID(水素炎検出器)
注入口温度 ;310℃
検出器温度 ;310℃
温度条件  ;80℃から8℃/min.で300℃まで昇温
【0027】
合成例2:N−グリセリルアラニンの合成
3リットルの三口丸底フラスコにアラニン133.6gと水1200gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール111.2gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに5時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去して粘稠な物質を得た。この粘稠物質にメタノール600gを添加して攪拌し、濾過により不溶物を除去した。濾液は減圧下に溶媒を留去して粘稠な液体物質を208g得た。
【0028】
この物質を合成例1と同じ条件でTLC分析およびGC分析を行ったところ、TLCではRf0.36に主スポット、GCでは保持時間9.1分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、主成分はN−グリセリルアラニンであることが確認できた。
【0029】
合成例3:N−グリセリルサルコシンの合成
3リットルの三口丸底フラスコにサルコシン89.1gと水801gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール74.1gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに7時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去して粘稠な物質を得た。この粘稠物質にエタノール1630gを添加して攪拌し、濾過により不溶物を除去した。濾液は減圧下に溶媒を留去して粘稠な液体物質を124g得た。
【0030】
この物質を合成例1と同じ条件でTLC分析およびGC分析を行ったところ、TLCではRf0.51に主スポット、GCでは保持時間8.9分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、主成分はN−グリセリルサルコシンであることが確認できた。
【0031】
合成例4:N−グリセリルフェニルアラニンの合成
3リットルの三口丸底フラスコにフェニルアラニン82.6gと水1570gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール37.1gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに8時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去してワックス状物質を得た。このワックス状物質にメタノール1300gを添加して攪拌すると、不溶物が沈降し、この不溶物を濾過により濾取し、乾燥して白色粉末を78g得た。
【0032】
この白色粉末を合成例1と同じ条件でTLC分析およびGC分析を行ったところ、TLCではRf0.34に主スポット、GCでは保持時間14.9分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、主成分はN−グリセリルフェニルアラニンであることが確認できた。
【0033】
合成例5:N−グリセリルロイシンの合成
3リットルの三口丸底フラスコにロイシン26.2gと水1050gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール14.8gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに8時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去してワックス状物質を得た。このワックス状物質にメタノール610gを添加して攪拌すると、不溶物が沈降し、この不溶物を濾過により濾取し、乾燥して白色粉末を26.6g得た。
【0034】
この白色粉末を合成例1と同じ条件でTLC分析およびGC分析を行ったところ、TLCではRf0.61に主スポット、GCでは保持時間11.1分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、主成分はN−グリセリルロイシンであることが確認できた。
【0035】
合成例6:N−グリセリルプロリンの合成
3リットルの三口丸底フラスコにプロリン115.1gと水1035gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール74.1gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに5時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去して粘稠な物質を得た。この粘稠な物質にメタノール300gを添加して攪拌し、生じた不溶物を濾過により除去した。濾液は、減圧下に溶媒を留去し、粘稠な液体を136g得た。
【0036】
この粘稠液体を合成例1と同じ条件でTLC分析およびGC分析を行ったところ、TLCではRf0.59に主スポット、GCでは保持時間11.6分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、主成分はN−グリセリルプロリンであることが確認できた。
【0037】
合成例7:N−グリセリルセリンの合成
3リットルの三口丸底フラスコにセリン105.1gと水950gを仕込み、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを約9.5に調整した後、約60℃に加温し、攪拌しながらグリシドール74gを約1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに5時間攪拌を続けて反応を完結させた。室温まで冷却した後、希塩酸を加えてpHを約6.5に調整し、減圧下に水分を留去し、メタノール1500gを添加して加熱攪拌し、生じた不溶物を濾過により濾取し、白色粉末を125g得た。
【0038】
この白色粉末を合成例1と同じ条件でTLC分析およびGC分析を行ったところ、TLCではRf0.23に主スポット、GCでは保持時間12.8分に主ピークが確認され、その他にごく少量の2,3の成分が含まれていたが、主成分はN−グリセリルセリンであることが確認できた。
【0039】
実施例1および比較例1
合成例1〜7で製造した本発明のアミノ酸のN−グリセリル誘導体の吸湿性および保湿性を下記に示す吸湿性測定試験および保湿性測定試験で評価した。また、比較例として、化粧品に保湿剤として多用される多価アルコールやアミノ酸の吸湿性および保湿性も調べた。
【0040】
〔ケラチンパウダー(粉砕羊毛)を用いての吸湿性測定試験〕
▲1▼ケラチンパウダー2.0gに対して水5.0gの割合で混合する。
▲2▼混合したもの1.0gを容器にとる。
▲3▼試料濃度(水分以外のもの)が0.3gになるように各試料を含浸させる。
▲4▼乾燥器で水分を蒸発させ、重量が一定になるまで乾燥させる。
▲5▼温度25℃で相対湿度79.2%の恒湿槽に保存し48時間後の重量変化から吸湿力を測定する。なお、79.2%恒湿槽として塩化アンモニウム飽和水溶液を用いる。
吸湿力の判定は、下記の基準に従う。
【0041】
吸湿力の判定基準
◎;ケラチンパウダー1gあたりの吸水量が0.60g以上
○;ケラチンパウダー1gあたりの吸水量が0.50〜0.60g未満
△;ケラチンパウダー1gあたりの吸水量が0.40〜0.50g未満
×;ケラチンパウダー1gあたりの吸水量が0.40g未満
【0042】
〔ケラチンパウダー(粉砕羊毛)を用いての保湿性測定試験〕
保湿性測定試験は、上記の吸湿力を測定した試料(上記の▲5▼の相対湿度79.2%恒温槽に48時間放置した試料)を、温度25℃で相対湿度20.0%恒温槽に保存し、6時間後の重量変化から保湿力を測定する。なお、相対湿度20.0%恒温槽として酢酸カリウム飽和水溶液を用いる。
【0043】
Figure 2004083453
A;相対湿度79.2%に48時間放置した時のケラチンパウダー1g当たりの吸水量
B;上記相対湿度79.2%に48時間放置した後、相対湿度20.0%の恒温槽に保存し、6時間放置したときのケラチンパウダー1g当たりの吸水量
吸湿力の判定は、下記の基準に従う。
【0044】
保湿力の判定基準
◎;60以上
○;50〜60未満
△;40〜50未満
×;40以下
【0045】
上記の試験法によりアミノ酸のN−グリセリル誘導体の吸湿性および保湿性を評価した結果を表1に、また、比較例として吸湿性および保湿性を評価した多価アルコールやアミノ酸の結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004083453
【0047】
【表2】
Figure 2004083453
【0048】
表1および表2の結果から、本発明のアミノ酸のN−グリセリル誘導体は、比較例とした多価アルコールやアミノ酸に比べて、優れた吸湿性、保湿性を有することが明らかであった。
【0049】
実施例2および比較例2
男女10人のパネルを用いて、本発明のアミノ酸のN−グリセリル誘導体の肌の保湿効果を評価した。評価方法は、前腕部を洗浄した後、濃度2%に調整したアミノ酸のN−グリセリル誘導体試料水溶液100μlを塗布し、試料塗布前の肌コンダクタンス値及び塗布後20分後の肌コンダクタンス値を、スキコン200−EX〔アイ・ビイ・エス(株)製〕を用いて測定した。また、比較例として、化粧品に保湿剤として多用される多価アルコールやアミノ酸の肌保湿効果も同様の方法で調べた。肌保湿効果の判定基準は下記のとおりである。
【0050】
肌保湿効果の判定基準
○;コンダクタンス値変化率が10%以上
△;コンダクタンス値変化率が3以上10%未満
×;コンダクタンス値変化率が3%未満
【0051】
上記の測定法によりアミノ酸のN−グリセリル誘導体の肌保湿効果を評価した結果を表3に、また、比較例として肌保湿効果を評価した多価アルコールやアミノ酸の結果を表4に示す。
【0052】
【表3】
Figure 2004083453
【0053】
【表4】
Figure 2004083453
【0054】
表3および表4に示す結果から明らかなように、本発明のアミノ酸のN−グリセリル誘導体は、比較例とした多価アルコールやアミノ酸に比べて、優れた肌保湿効果を有することが認められた。
【0055】
実施例3および比較例3
本発明のアミノ酸のN−グリセリル誘導体の安定性を下記に示す安定性評価試験で評価した。また、比較例として、化粧品に保湿剤として多用される多価アルコールやアミノ酸についても評価した。
【0056】
〔安定性評価試験法〕
50mlのスクリュー管に5質量%の試料水溶液を15g入れ、密栓し、50℃の恒温槽中に1ケ月間保存した。1ケ月後、室温まで冷却した後、栓を開け、5名のパネラーにより、下記の判定基準により臭いを判定した。ただ、比較試料のアミノ酸のうち、ロイシン、フェニルアラニンは均一溶液にならなかったが、そのまま試験に供した。
【0057】
臭いの判定基準
3;劣化臭がない。
2;劣化臭がほとんどない。
1;劣化臭が強い。
【0058】
各試料の臭いの評価値は5人の平均値とし、各評価値によって評価結果は以下の記号で示す。
○;2.4以上〜3
△;1.8以上〜2.4
×;1.8以下
【0059】
上記の試験法によりアミノ酸のN−グリセリル誘導体の安定性の評価結果を表5に、また比較例とした多価アルコールやアミノ酸の評価結果を表6に示す。
【0060】
【表5】
Figure 2004083453
【0061】
【表6】
Figure 2004083453
【0062】
表5および表6の結果から、本発明のアミノ酸のN−グリセリル誘導体は、比較例とした多価アルコールやアミノ酸に比べて、保存安定性が優れているかほぼ同等であることが明らかであった。
【0063】
実施例4および比較例4
表7に示す2種類の化粧水を調製し、それぞれの化粧水のべたつき感、しっとり感について10人のパネラーに評価させた。なお、実施例4においては、合成例1で製造したN−グリセリルグリシンを用い、比較例4ではN−グリセリルグリシンに代えてグリセリンを用いている。
【0064】
【表7】
Figure 2004083453
【0065】
試験法は、それぞれの化粧水1mlを10人のパネラーの前腕部に塗布させ、塗布後のべたつき感、しっとり感について、下記の評価基準で評価させた。
【0066】
べたつき感の評価基準
3;べたつかない
2;あまりべたつかない
1;べたつく
【0067】
しっとり感の評価基準
3;しっとりしている
2;ややしっとりしている
1;しっとりしない
【0068】
これらの評価試験の結果を表8に10人の平均値で示す。
【0069】
【表8】
Figure 2004083453
【0070】
表8に示すように、実施例4の化粧水は、比較例4の化粧水に比べて、べたつき感、しっとり感とも評価値が高く、アミノ酸のN−グリセリル誘導体であるN−グリセリルグリシンは、化粧水に使用すると、グリセリンよりべたつき感が少なく、優れたしっとり感を与えることが明らかであった。
【0071】
実施例5および比較例5
表9に示す組成の乳液を調製し、それぞれの乳液のべたつき感、しっとり感を10人のパネラーに評価させた。なお、実施例5では、合成例3で製造したN−グリセリルサルコシンを用い、比較例5ではN−グリセリルサルコシンに代えてジプロピレングリコールを用いている。
【0072】
【表9】
Figure 2004083453
【0073】
試験法は、それぞれの乳液1gを10人のパネラーの前腕部に塗布させ、塗布後のべたつき感、しっとり感について、実施例4と同じ評価基準で評価させた。それらの結果を表10に10人の平均値で示す。
【0074】
【表10】
Figure 2004083453
【0075】
表10に示すように、実施例5の乳液は、比較例5の乳液に比べて、べたつき感、しっとり感とも評価値が高く、N−グリセリルサルコシンは、乳液に使用すると、ジプロピレングリコールよりべたつき感が少なく、優れたしっとり感を与えることが明らかであった。
【0076】
実施例6および比較例6
表11に示す組成の皮膚用クリームを調製し、それぞれの皮膚用クリームのべたつき感、しっとり感を10人のパネラーに評価させた。なお、実施例6では、合成例5で製造したN−グリセリルロイシンを用い、比較例5ではN−グリセリルロイシンに代えてロイシンとグリセリンを用いている。
【0077】
【表11】
Figure 2004083453
【0078】
試験法は、それぞれの皮膚用クリーム1gを10人のパネラーの前腕部に均一に塗布させ、塗布後のべたつき感、しっとり感について、実施例4と同じ評価基準で評価させた。それらの結果を表12に10人の平均値で示す。
【0079】
【表12】
Figure 2004083453
【0080】
表12に示すように、実施例6の皮膚用クリームは、比較例6の皮膚用クリームに比べて、べたつき感、しっとり感とも評価値が高く、N−グリセリルロイシンは、皮膚用クリームに使用すると、その出発原料にあたるロイシンとグリセリンの混合物よりべたつき感が少なく、優れたしっとり感を与えることが明らかであった。
【0081】
実施例7および比較例7
表13に示す組成のヘアクリームを調製し、それぞれのヘアクリームをシャンプーで洗浄した毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感、櫛通り性について評価した。なお、実施例7では、合成例4で製造したN−グリセリルフェニルアラニンを用い、比較例7ではN−グリセリルフェニルアラニンに代えてフェニルアラニンとグリセリンを用いている。
【0082】
【表13】
Figure 2004083453
【0083】
上記実施例7および比較例7のヘアクリームによる処理に先立ち、長さ15cmで重さ1gの毛束を2本用意し、それらの毛束を2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、お湯の流水中でゆすいだ後、風乾した。この洗浄後の毛束に対して、上記実施例7および比較例7のヘアクリームをそれぞれ1g用いてよくのばしながら塗りつけ、ヘアドライヤーで乾燥した。乾燥後の毛髪について10人のパネラーに、艶、潤い感および櫛通り性を下記の評価基準で評価させた。その評価の結果を表14に10人の平均値で示す。
【0084】
処理毛髪の評価基準
5;非常によい
4;良い
3;普通
2;悪い
1;非常に悪い
【0085】
【表14】
Figure 2004083453
【0086】
表14に示す結果から明らかなように、N−グリセリルフェニルアラニンを含有する実施例7のヘアクリームを塗布した毛髪は、フェニルアラニンとグリセリンを含有する比較例7のヘアクリームを塗布した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感および櫛通り性のいずれの評価項目でも評価値が高く、N−グリセリルフェニルアラニンは、ヘアクリームに使用すると、その出発原料にあたるフェニルアラニンとグリセリンの混合物より、毛髪に優れた艶、潤い感および櫛通り性を付与することが明らかであった。
【0087】
実施例8および比較例8
表15に示す組成のヘアコンディショナーを調製し、それぞれのヘアコンディショナーをシャンプーで洗浄した毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感および櫛通り性について評価した。なお、実施例8では、合成例5で製造したN−グリセリルロイシンを用い、比較例8ではN−グリセリルロイシンに代えてプロピレングリコールを用いている。
【0088】
【表15】
Figure 2004083453
【0089】
上記実施例8および比較例8のヘアコンディショナーによる処理に先立ち、長さ15cmで重さ1gの毛束を2本用意し、それらの毛束を2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、お湯の流水中でゆすいだ後、風乾した。この洗浄後の毛束に対して、上記実施例8および比較例8のヘアコンディショナーを2g用いてよくのばしながら塗りつけ、ヘアドライヤーで乾燥した。乾燥後の毛髪について10人のパネラーに、毛髪の艶、潤い感および櫛通り性について実施例7と同じ評価基準で評価させた。それらの結果を表16に10人の平均値で示す。
【0090】
【表16】
Figure 2004083453
【0091】
表16に示す結果から明らかなように、N−グリセリルロイシンを含有する実施例8のヘアコンディショナーを塗布した毛髪は、プロピレングリコールを含有する比較例8のヘアコンディショナーを塗布した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感および櫛通り性のいずれの評価項目でも評価値が高く、N−グリセリルロイシンはヘアコンディショナーに使用すると、プロピレングリコールより、毛髪に優れた艶、潤い感および櫛通り性を付与することが明らかであった。
【0092】
実施例9および比較例9
表17に示す組成のシャンプーを調製し、それぞれのシャンプーを毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感および櫛通り性について評価した。なお、実施例9では、合成例3で製造したN−グリセリルサルコシンを用い、比較例9ではN−グリセリルサルコシンに代えてサルコシンを用いている。
【0093】
【表17】
Figure 2004083453
【0094】
上記シャンプーによる毛髪の処理は次のようにして行った。即ち、長さ15cmで重さ1gの毛束を2本用意し、実施例9および比較例9のシャンプーをそれぞれ2gずつ用いて毛束を1分間洗浄し、お湯の流水中で30秒間ゆすいだ。このシャンプー洗浄とゆすぎ処理を5回繰り返した後、毛髪の艶、潤い感および櫛通り性を10人のパネラーに実施例6と同様の評価基準で評価させた。それらの結果を表18に10人の平均値で示す。
【0095】
【表18】
Figure 2004083453
【0096】
表18に示す結果から明らかなように、N−グリセリルサルコシンを含有する実施例9のシャンプーで処理した毛髪は、サルコシンを含有する比較例9のシャンプーで処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感および櫛通り性のいずれの評価項目でも評価値が高く、N−グリセリルサルコシンは、シャンプーに使用すると、サルコシンより、毛髪に優れた艶、潤い感および櫛通り性を付与することが明らかであった。
【0097】
実施例10および比較例10
表19に示す組成の2種類のパーマネントウエーブ用第1剤を調製し、それぞれのパーマネントウエーブ用第1剤と、6%臭素酸ナトリウム水溶液からなるパーマネントウエーブ用第2剤を用いて毛束にパーマネントウエーブ処理を施し、パーマネントウェーブ処理後の毛髪の艶、潤い感、はりおよびなめらかさを評価した。なお、実施例10では、合成例6で製造したN−グリセリルプロリンを用い、比較例10ではN−グリセリルプロリンに代えて、プロリンとグリセリンを用いている。
【0098】
【表19】
Figure 2004083453
【0099】
上記パーマネントウエーブ用第1剤による毛髪の処理は下記のように行った。すなわち、長さ18cmに揃えた毛髪をあらかじめ2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水流水中でゆすいで室温で風乾し、これらの毛髪40本からなる毛束を2本作製し、それらをそれぞれ長さ10cmで直径1cmのロッドに巻き付けた。そのロッドに巻き付けた毛束に、実施例10および比較例10のパーマネントウエーブ用第1剤をそれぞれ2mlずつ塗布し、それらの毛束をラップで覆い、15分間放置後、流水で静かに10秒間 洗浄し、ついで パーマネントウエーブ用第2剤を2mlずつ塗布し、ラップで覆い、15分間放置した後、流水中で静かに洗浄した。各ロッドは60℃の熱風乾燥機中で乾燥し、乾燥後、毛束をロッドからはずし、毛髪の艶、潤い感、はりおよびなめらかさを10人のパネラーに実施例7と同じ評価基準で評価させた。それらの結果を表20に10人の平均値で示す。
【0100】
【表20】
Figure 2004083453
【0101】
表20に示す結果から明らかなように、N−グリセリルプロリンを含有する実施例10のパーマネントウェーブ用第1剤で処理した毛髪は、プロリンとグリセリンを含有する比較例10のパーマネントウェーブ用第1剤で処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感、はりおよびなめらかさのいずれの評価項目でも評価値が高く、N−グリセリルプロリンは、パーマネントウェーブ用第1剤に使用すると、その出発原料にあたるプロリンとグリセリンを含有するパーマネントウェーブ用第1剤より、毛髪に優れた艶、潤い感、はりおよびなめらかさを付与することが明らかであった。

Claims (3)

  1. 下記の一般式(I)
    Figure 2004083453
    〔式中、Xは水素原子、HOCH CH(OH)CH −基または炭素数1〜4のアルキル基で、Yは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基あるいはXが水素原子の時は中性アミノ酸の側鎖を表し、Zは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウム、−CH CH(OH)CH OH基または−CH CH(OH)CH OCH CH(OH)CH OH基のいずれかを示し、mは0〜2の整数を示す〕
    で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩、あるいは、下記一般式(II)
    Figure 2004083453
    〔式中、m、Zは一般式(I)に同じで、Wは水素原子または水酸基を示す〕
    で表されるアミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩。
  2. 請求項1記載のアミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩を含有することを特徴とする皮膚外用剤および毛髪化粧料。
  3. 請求項1記載のアミノ酸のN−グリセリル誘導体またはその酸付加塩の含有量が0.1〜30質量%である請求項2記載の皮膚外用剤および毛髪化粧料。
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WO2022080287A1 (ja) * 2020-10-14 2022-04-21 株式会社成和化成 コラーゲン産生促進剤及び該コラーゲン産生促進剤を含有する皮膚化粧料

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