JPH11269038A - メーキャップ洗浄料 - Google Patents

メーキャップ洗浄料

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JPH11269038A
JPH11269038A JP9271798A JP9271798A JPH11269038A JP H11269038 A JPH11269038 A JP H11269038A JP 9271798 A JP9271798 A JP 9271798A JP 9271798 A JP9271798 A JP 9271798A JP H11269038 A JPH11269038 A JP H11269038A
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makeup
acid
organic compound
nitrogen
compound
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JP9271798A
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Reiji Miyahara
令二 宮原
Toshikatsu Hayashi
俊克 林
Yukari Aoyama
ゆかり 青山
Akira Noda
章 野田
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸性染料を配合したメーキャップ化粧料に対
して高い洗浄効果を有し、しかも使用感、安全性にも優
れるメーキャップ洗浄料を提供する。 【解決手段】 分子内に1つ以上の窒素原子を有し、且
つ界面活性作用を持たない有機化合物を配合することを
特徴とする。前記有機化合物はアミド、ポリペプチド、
アミノ酸、及びヒドロキシアルキル化されたアミンから
選ばれる化合物であることが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メーキャップ洗浄
料、特に酸性染料を配合したメーキャップに対する洗浄
力、皮膚刺激性等の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、口紅などのメークアップ製品に
は、色落ちしないことを目的として、無機顔料の他にジ
ブロモフルオロセイン、テトラブロモフルオロセイン
(エオシンY)、テトラクロロテトラブロモフルオロセ
インなどのタール色素や天然色素等のいわゆる酸性染料
を油分に練り込んだ染料スラリーやカルシウム、アルミ
ニウムなどに吸着させ不溶化した染料レーキが配合され
ている。これらの酸性染料は、多少なりとも皮膚に対し
て染着する性質を有しているため、口紅などのメークア
ップ製品を落ちにくくするという利点の反面、洗顔やク
レンジングによってもなかなか落ちないという欠点があ
る。
【0003】従来より、洗浄料には通常、石鹸、アルキ
ル硫酸エステル(塩)、ポリオキシエチレンアルキル硫
酸エステル(塩)、ヒドロキシアルキルエーテルカルボ
ン酸(塩)などのアニオン界面活性剤、イミダゾリン系
両性界面活性剤、ベタイン系両性界面活性剤などの両性
界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルエステル、ショ糖エステル、
アルキルグルコシド、マルチトールヒドロキシ脂肪族エ
ーテルなどの非イオン界面活性剤が配合されているが、
特にアルキルモノエタノールアマイド、アルキルジエタ
ノールアマイドなどアマイド系の非イオン界面活性剤は
酸性染料を含むメークアップの洗浄力に優れていること
が知られている(特開平5−279226号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
界面活性剤は何れもその界面活性作用に起因する皮膚刺
激性を大なり小なり有することが知られており、その使
用量をいくらかでも低減することが要望されている。ま
た、アマイド系界面活性剤や両性界面活性剤は安全性
上、拭き取りでも使用できるメークアップリムーバーに
用いられることは実質的に少なく、また、これらは水で
洗浄する際にはぬめり感を生じることがあり、使用感上
好ましくない場合があった。本発明は、このような従来
技術の課題に鑑み成されたものであり、その目的は、酸
性染料に対する洗浄力が高く、使用感や安全性にも優れ
るメーキャップ洗浄料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者らが通常界面活性剤として知られているも
の以外の成分の中から、酸性染料に対して特異的に洗浄
効果を発揮する物質を探索し、鋭意研究を重ねた結果、
分子内に一つ以上の窒素原子を有する有機化合物に酸性
染料洗浄効果が認められ、特に、塩基性アミノ酸や第三
アミン類に高い酸性染料洗浄効果があることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明にかかるメーキャップ洗
浄料は、分子内に1つ以上の窒素原子を有し、且つ界面
活性作用を持たない有機化合物を配合したことを特徴と
する。なお、ここでいう界面活性作用を持たない有機化
合物とは、化合物自体に表面張力低下作用や、乳化、可
溶化、起泡作用等の界面活性剤としての作用がなく、界
面活性剤の特徴である臨界ミセル濃度(cmc)も持た
ない化合物を意味する。従って、アマイド系界面活性剤
や、両性界面活性剤等は含まない。
【0007】また、本発明の洗浄料において、前記有機
化合物がアミド、ポリペプチド、アミノ酸、及びヒドロ
キシアルキル化されたアミンから選ばれる化合物である
ことが好適である。また、本発明の洗浄料において、前
記有機化合物が、カルボニル炭素と結合していない窒素
原子を1つ以上含有する化合物であることが好適であ
り、さらには、前記有機化合物が、カルボニル炭素と結
合していない窒素原子を2つ以上有する化合物であるこ
とが好適である。
【0008】また、本発明の洗浄料において、前記有機
化合物が塩基性アミノ酸であることが好適であり、さら
にはアルギニンであることが好適である。また、本発明
の洗浄料において、前記有機化合物がヒドロキシアルキ
ル化されたアミンであることが好適であり、さらにはヒ
ドロキシアルキル化された第三アミンであることが好適
である。また、前記第三アミンがトリエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミンであることが好適であ
る。また、本発明の洗浄料において、前記有機化合物を
組成物中0.03重量%以上配合することが好適であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、分子内に1つ以
上の窒素原子を有し、且つ界面活性作用のない有機化合
物としては、通常化粧料や洗浄料に配合することができ
るもののなかから選ぶことができるが、好ましくはアミ
ド、ポリペプチド、アミノ酸、ヒドロキシアルキル化さ
れたアミンである。アミドとしては、尿素やアセチルア
ミノエタノール等が挙げられる。ポリペプチドとして
は、加水分解コラーゲン、加水分解大豆タンパク、加水
分解セリシン等が挙げられる。
【0010】アミノ酸としては、グリシン、アラニン、
ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、
リジン、アルギニン、チロシンなどが挙げられる。ヒド
ロキシアルキル化されたアミンとしては、2-アミノ-2-
ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-
メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロ
パンジオール、モノエタノールアミン、モノイソプロパ
ノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノー
ルアミン等が挙げられる。
【0011】これらのうち、分子内にカルボニル炭素と
結合していない窒素原子を1つ以上、さらには2つ以上
有している化合物が効果の点で好ましい。このような化
合物としては、例えばリジン、アルギニン等の塩基性ア
ミノ酸が挙げられ、特にアルギニンが好ましい。分子内
にカルボニル基と結合していない窒素原子が多い方が酸
性染料洗浄効果が高くなる傾向がある。
【0012】また、本発明においては、ヒドロキシアル
キル化されたアミンも好ましい化合物であり、特に好ま
しくはトリエタノールアミンやトリイソプロパノールア
ミン等のヒドロキシアルキル化された第三アミンであ
る。相対的に第1アミン<第二アミン<第三アミンの順
に酸性染料洗浄効果が高くなる傾向が認められる。ま
た、アミノ基に結合する炭化水素鎖が長い方が効果が高
くなる傾向がある。なお、本発明で用いる含窒素化合物
としては、上記化合物の1種以上を用いることができ
る。
【0013】本発明の含窒素化合物は界面活性作用はな
く、界面活性剤の特徴である臨界ミセル濃度(cmc)
も持たない。このような含窒素化合物が単独でも酸性染
料に対して洗浄効果を発揮することはこれまで全く知ら
れておらず、このような効果は本発明者等によって初め
て見出されたものである。そして、このような界面活性
作用を持たない含窒素化合物を配合すれば、メーキャッ
プ洗浄料に対する洗浄力を低下させることなく、界面活
性剤の使用量を低減することができる。
【0014】なお、本発明のメーキャップ洗浄料に配合
される含窒素化合物が皮膚等から酸性染料を除去する作
用機作は明らかではないが、通常の洗浄料のような界面
活性作用による洗浄効果ではないと考えられる。一般に
酸性染料はタンパク質のアミノ基やペプチド結合の窒素
に吸着する(染料の化学;黒木宣彦、p.131、槇書店(1
992))といわれており、このことから考えると、化合
物の窒素部分が被染着物(例えば皮膚)のタンパク質の
アミノ基等の窒素と入れ替わり、酸性染料と会合体を形
成するためではないかと推測される。実際、本発明者等
が行った検討では、含窒素化合物が酸性染料と特異的に
会合体の形成することが確認された。
【0015】本発明の洗浄用組成物において含窒素化合
物の配合量は、好ましくは0.03〜50重量%、更に
好ましくは0.1〜20重量%である。配合量が少なす
ぎる場合には本発明の効果が十分に得られず、また、多
すぎる場合には臭いや安定性の面から好ましくない。な
お、本発明において、上記含窒素化合物はその塩を配合
することもでき、このような塩としては、例えば、塩
酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、酢
酸、プロピオン酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、マレイ
ン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン
酸、酸性アミノ酸等の有機酸との塩が挙げられる。これ
らの塩は通常の方法により容易に製造することができ
る。
【0016】また、含窒素化合物はイオン性界面活性剤
の中和剤や増粘剤の中和剤として配合することもでき、
界面活性剤の中和剤として用いた場合には、洗浄効果は
さらに向上する。本発明のメーキャップ洗浄料は、口
紅、ファンデーション、マスカラ、アイブロウ、アイシ
ャドウ等の顔のメークを落とすメークアップ洗浄料の
他、酸性染毛料を落とす毛髪用洗浄料にも応用すること
ができる。剤型としては特に限定されず、液状、乳液
状、クリーム状、オイル状、ジェル状、ペースト状、固
型状、粉末、ムース、スプレー等が挙げられる。また、
洗い流すタイプの洗浄料の他、拭き取り用としてコット
ン等のシートに含ませたシート状製品としてもよい。
【0017】本発明のメーキャップ洗浄料には、上記必
須成分に加えて本発明の効果を損なわない範囲で化粧
品、医薬部外品、医薬品などの洗浄料に通常配合される
他の成分を1種又は2種以上配合することができる。例
えば、石鹸、アルキル硫酸エステル(塩)、ポリオキシ
エチレンアルキル硫酸エステル(塩)、ヒドロキシアル
キルエーテルカルボン酸(塩)などのアニオン界面活性
剤、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系両性界
面活性剤などの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル、ショ糖エステル、アルキルグルコシド、マルチトー
ルヒドロキシ脂肪族エーテルなどの非イオン界面活性
剤、トリメチルアンモニウムクロライドなどのカチオン
界面活性剤、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、エリスリトールなどの保湿剤、
センブリ、シャクヤク、イリス、スギナなどの植物抽出
成分、トラネキサム酸、アルブチンなどの薬剤、流動パ
ラフィン、スクワラン、オリーブ油、シリコーン油など
の油分、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、バチ
ルアルコールなどの高級アルコール、アルギン酸、キサ
ンタンガム、タマリンドガムなどの増粘剤、パラヒドロ
キシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなどの防腐
剤、香料等が挙げられる。
【0018】また、通常メーキャップ化粧料には酸性染
料の他に、油分や被膜剤などその他の成分を多量に含ん
でいる。従って、本発明のメーキャップ洗浄料には、酸
性染料以外の成分の洗浄のために、通常用いられている
界面活性剤を併用することが好ましいが、特にその洗浄
性や使用感等から、ノニオン界面活性剤及び/又はアニ
オン界面活性剤を配合することが好ましい。以下、具体
例を挙げて本発明を説明する。
【0019】試験例1 洗浄効果 ジブロモフルオロセイン、テトラブロモフルオロセイン
及びテトラクロロテトラブロモフルオロセインを油分で
練って調製した口紅を人工皮革に塗布し、3時間乾燥さ
せた。別に表1に示した処方で被験洗浄料を調製し、各
試料0.5mlを含ませたコットン(1×3cm)を四角い板に
それぞれ取り付けた。この板に100gの一定加重をかけな
がら、先に用意した口紅を塗布した人工皮革上を5往復
させた後、残った口紅汚れを色差計を用いて元の口紅塗
布部に対する色差(ΔE値)で測定した。
【0020】
【表1】 ──────────────────────────────────── 成分 試料No. 1 2 3 ──────────────────────────────────── 精製水 80.9 80.9 81.9 ホ゜リオキシエチレン (25モル)ホ゜リオキシフ゜ロヒ゜レン(30モル)ク゛リコール 3 3 3ホ゜リオキシエチレン (60モル)硬化ヒマシ油 0.1 0.1 0.1 ジプロピレングリコール 5 5 5 エタノール 10 10 10 L-アルギニンL-アスパラギン酸塩 1 − − ラウリルモノエタノールアマイド − 1 − ──────────────────────────────────── 洗浄効果(△E値) 48.3 53.6 30.4 ────────────────────────────────────
【0021】表1から解るように、通常のメーキャップ
洗浄料では洗浄効果は低い。これに含窒素化合物を配合
した場合(試料1)にはアマイド系界面活性剤を配合し
た場合(試料2)と同様に洗浄効果が向上した。このよ
うに、界面活性作用を持たない含窒素化合物でも、酸性
染料に対する洗浄効果を有していることが判明した。
【0022】試験例2 含窒素化合物の構造による影響 種々の含窒素化合物について、酸性染料に対する洗浄効
果を比較検討した。方法は、0.01Mのテトラブロモ
フルオロセインナトリウム塩(エオシンY、東京化成
(株))水溶液100mlに豚皮膚由来のハイドパウダ
ー(シグマ社)5gを入れて24時間室温にて放置し
た。濾過後、60℃で4時間乾燥し、酸性染料が染着し
たハイドパウダーを得た。このハイドパウダー1gに、
0.1mol/l及び1.0mol/lの含窒素化合物水溶液20
ml(pH8.2に塩酸で調整したもの)をそれぞれ添
加し、5時間撹拌後、メンブレンフィルターで濾過し
た。リン酸緩衝液(pH7.0)で希釈後、517nm
の吸光度を測定することにより、ハイドパウダーから溶
出した酸性染料の量を定量した。
【0023】結果を図1に示す。図1から、何れの含窒
素化合物も酸性染料洗浄効果を有していることが理解さ
れ、このような含窒素化合物の配合により、洗浄力を低
下させることなく界面活性剤の使用量を低減することが
可能となる。なお、相対的には、アミド<第1アミン<
第2アミン<第3アミンの順に洗浄効果が大きくなる傾
向が認められ、特に、トリエタノールアミン、トリイソ
プロパノールアミンは効果が高かった。また、リジンや
アルギニン等の塩基性アミノ酸も効果が高かった。
【0024】また、図2は、R−NH2(RはC1〜C5
のアルキル基)の構造を有するアミンの水溶液(濃度1
mol/l、塩酸にてpH8.2に調整)を用いて上記と同
様に試験を行った結果を示している。図2から、アミノ
基に結合している炭素数が長い方が相対的に酸性染料の
溶出量が多く、酸性染料に対する洗浄効果が高いことが
示唆された。
【0025】試験例3 濃度の影響 含窒素化合物の濃度変化の影響を調べるため、トリエタ
ノールアミン水溶液(pH8.2)の濃度を変化させ
て、前記試験例2と同様に試験を行った。また、ラウリ
ン酸トリエタノールアミン中和液についても、トリエタ
ノールアミン濃度を変化させて同様に試験を行った。な
お、ラウリン酸トリエタノールアミン中和液はラウリン
酸1モル/l水溶液にトリエタノールアミンをpH8.
2になるまで添加し、得られた中和液を水で適宜希釈し
て、トリエタノールアミン濃度を調整した。
【0026】結果を図3に示す。図3からわかるよう
に、何れの場合にもトリエタノールアミン濃度が高くな
るに従って酸性染料溶出量が増大し、洗浄効果が高くな
った。また、トリエタノールアミンをイオン性界面活性
剤の中和剤として用いた場合には、より高い洗浄効果を
発揮した。これは、トリエタノールアミン自体の洗浄作
用と界面活性作用によるものと考えられる。
【0027】試験例4 作用機作の検討 このような酸性染料に対する洗浄効果の作用機作とし
て、含窒素化合物が酸性染料と会合体を形成することに
より酸性染料を除去することが考えられる。そこで、含
窒素化合物と酸性染料との会合体について検討した。な
お、酸性染料としてテトラブロモフルオロセインナトリ
ウム塩(エオシンY)を用いた。
【0028】(1)2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジ
オール塩酸塩とテトラブロモフルオロセインナトリウム
80mMのテトラブロモフルオロセインナトリウム塩水溶液
5mlに0,1、0.2、0.4、0.6、0.8及び1.0Mの2-アミノ-2-
メチル-1,3-プロパンジオール塩酸塩水溶液5mlをそれぞ
れ加え状態を観察したところ、2-アミノ-2-メチル-1,3-
プロパンジオール塩酸塩の濃度が0.8及び1.0Mの溶液を
混合したものについて沈殿を生じた。生じた沈殿をろ過
し、再び重水に溶解して1H-NMRスペクトルを測定した
ところ、図4の様なスペクトルが得られた。このスペク
トルでテトラブロモフルオロセイン及び2-アミノ-2-メ
チル-1,3-プロパンジオールの各水素の積分値から、生
じた沈殿が丁度モル比1:1であり、この沈殿物が、テト
ラブロモフルオロセイン及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プ
ロパンジオールの1:1会合体の沈殿であることがわか
った。
【0029】次に、溶解状態での会合を調べるために、
テトラブロモフルオロセインナトリウム塩及び2-アミノ
-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩酸塩のモル比1:1の
重水溶液をそれぞれ20、40、60、80及び100mMの濃度に
調整し、それぞれ1H-NMRスペクトルを測定した。図5
は20mM及び100mMの濃度のスペクトルである。図5から
わかる様に、濃度の変化により、スペクトルが変化して
いた。
【0030】図6に各濃度での酸性染料テトラブロモフ
ルオロセインの水素の化学シフトの変化を示す。図6か
らわかる様に、それぞれの化学シフトは濃度が上がるに
従い、いずれも高磁場側へ移動している。各濃度の水溶
液のpHは7.5〜7.7とほぼ一定であり、pH変化によ
る化学シフトの移動は、考えられない。このことから、
テトラブロモフルオロセイン及び2-アミノ-2-メチル-1,
3-プロパンジオールは溶解状態で溶存会合体を形成する
ものと考察された。
【0031】(2)L-アルギニンとテトラブロモフルオ
ロセインナトリウム塩 さらに別の方法で含窒素化合物と酸性染料の溶存会合体
の検討を行った。10mMのテトラブロモフルオロセインナ
トリウム塩水溶液10mlと0、50、100、150、200及び250m
MのL-アルギニン水溶液5mlをそれぞれ混合し、2Mの塩化
カルシウム水溶液10mlをそれぞれ加え、15分間超音波を
かけた後、1日間放置した。通常、テトラブロモフルオ
ロセインはカルシウムと結合し、水に不溶なカルシウム
レーキを生成する。このカルシウムレーキを遠心分離に
より取り除き、上澄みを100倍に希釈した後、カルシウ
ムレーキとして沈殿せず溶存しているテトラブロモフル
オロセインの量を本化合物の最大吸収波長517nmで測定
した。
【0032】結果を図7に示す。図7からわかるよう
に、L-アルギニンの濃度が上がるほど、溶存しているテ
トラブロモフルオロセインの量が増え、カルシウムレー
キが生成しにくくなることがわかった。したがって、L-
アルギニンはテトラブロモフルオロセインが溶存会合体
を形成し、テトラブロモフルオロセイン(エオシンY)
がカルシウムと結合するのを阻害していることが示唆さ
れた。以上の結果より、含窒素化合物は酸性染料と会合
体を形成することがわかった。そして、含窒素化合物が
皮膚などに付着した酸性染料を良く落とすのは、その窒
素部分が皮膚などのタンパク質の窒素部分と入れ替わ
り、酸性染料と会合体を形成するためではないかと推察
された。
【0033】
【実施例】以下、本発明にかかるメーキャップ洗浄料の
実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、各種成分の配合量は特に指定のない限り
重量%である。
【0034】 実施例1 クレンジングオイル (1)流動パラフィン 50. 0 (2)トリ2-エチルヘキサン酸グリセリン 20. 0 (3)シリコーン油 18. 0 (4)POEオレイルアルコールエーテル 10. 0 (5)2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 1. 0 (6)香料 残余
【0035】 実施例2 クレンジングクリーム (1)ステアリン酸 2.0 (2)セチルアルコール 3.0 (3)ワセリン 10.0 (4)流動パラフィン 38.0 (5)イソプロピルミリステート 10.0 (6)プロピレングリコール 5.0 (7)モノステアリン酸グリセリン 2.5 (8)POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 2.5 (9)2−アミノ−2−ヒドロキシメチル −1,3−プロパンジオール 0.2 (10)パラベン 適量 (11)酸化防止剤 適量 (12)香料 適量 (13)精製水 残余
【0036】 実施例3 メーク落としジェル (1)流動パラフィン 12.0 (2)トリ2-エチルヘキサン酸グリセリン 40.0 (3)ソルビトール 10.0 (4)PEG400 5.0 (5)アシルメチルタウリン 5.0 (6)POEオクチルドデシルアルコールエーテル 10.0 (7)加水分解コラーゲン 2.0 (8)香料 適量 (9)精製水 残余
【0037】 実施例4 無水油性クレンジングクリーム (1)セレシン 8.0 (2)マイクロクリスタリンワックス 5.0 (3)ワセリン 35.0 (4)流動パラフィン 48.0 (5)低分子ポリエチレン 2.0 (6)トリイソプロパノールアミン 0.3 (7)香料 適量
【0038】 実施例5 クレンジングフォーム (1)ステアリン酸 10.0 (2)パルミチン酸 10.0 (3)ミリスチン酸 12.0 (4)ラウリン酸 4.0 (5)ヤシ油 2.0 (6)水酸化カリウム 5.0 (7)L−アルギニン 3.0 (8)ソルビット 14.0 (9)グリセリン 8.0 (10)1,3-ブチレングリコール 10. 0 (11)POE(20)グリセロールモノステアリン酸エステル 2. 0 (12)アシルメチルタウリン 4. 0 (13)香料 適量 (14)精製水 残余
【0039】 実施例6 酸性染料落とし用シャンプー (1)エチレングリコールヤシ油脂肪酸エステル 2.0 (2)ラウロイル加水分解シルクペプタイドカリウム 10.0 (3)ドデシルマルトシド 5.0 (4)ラウリルスルホベタイン 8.0 (5)ラウリン酸タウリンジエタノールアミン塩 5.0 (6)プロピレングリコール 2.0 (7)L−アルギニンL−アスパラギン酸塩 2.0 (8)色剤 適量 (9)香料 適量 (10)精製水 残余
【0040】 実施例7 ボディーシャンプー (1)グリセリン 5.0 (2)ショ糖ミリスチン酸エステル 1.0 (3)ラウリン酸N-メチルタウリンカリウム塩 10.0 (4)ラウリン酸スルホコハク酸ナトリウム 5.0 (5)ヤシ油ジエタノールアマイド 3.0 (6)L−グルタミン酸ナトリウム 5.0 (7)キレート剤 0.1 (8)色剤 適量 (9)香料 適量 (10)精製水 残余
【0041】上記実施例1〜7を常法により調製したと
ころ、これらは何れも皮膚や毛髪に染着した酸性染料に
対して非常に高い洗浄効果を有し、使用感も良好で、皮
膚に対する刺激性の低いメーキャップ洗浄料であった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、分子中に少なくとも1
つ以上の窒素原子を有し、且つ界面活性作用を持たない
有機化合物、特に塩基性アミノ酸や第三アミンを配合す
ることにより、酸性染料に対して非常に高い洗浄効果を
有し、かつ界面活性剤の使用量が低減されたメーキャッ
プ洗浄料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】界面活性作用を持たない含窒素化合物各種の酸
性染料洗浄力を示す図である。
【図2】界面活性作用を持たない含窒素化合物の、アミ
ノ基に結合している炭化水素基の炭素差長に対する、酸
性染料洗浄力の変化を示す図である。
【図3】トリエタノールアミン濃度に対する酸性染料洗
浄力の変化を示す図である。
【図4】2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジ
オールと、テトラブロモフルオロセインの会合体の1
−NMRスペクトルである。
【図5】2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジ
オールと、テトラブロモフルオロセインの会合体の20
mM、100mM溶液の1H−NMRスペクトルであ
る。
【図6】2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジ
オールと、テトラブロモフルオロセインの会合体の濃度
に対する、テトラブロモフルオロセインの水素のケミカ
ルシフト変化を示す図である。
【図7】L−アルギニンによる、テトラブロモフルオロ
セインのカルシウムレーキ生成抑制作用を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 章 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に1つ以上の窒素原子を有し、且
    つ界面活性作用を持たない有機化合物を配合したことを
    特徴とするメーキャップ洗浄料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の洗浄料において、前記有
    機化合物がアミド、ポリペプチド、アミノ酸、及びヒド
    ロキシアルキル化されたアミンから選ばれる化合物であ
    ることを特徴とするメーキャップ洗浄料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の洗浄料において、
    前記有機化合物が、カルボニル炭素と結合していない窒
    素原子を1つ以上含有する化合物であることを特徴とす
    るメーキャップ洗浄料。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の洗浄料において、前記有
    機化合物が、カルボニル炭素と結合していない窒素原子
    を2つ以上有する化合物であることを特徴とするメーキ
    ャップ洗浄料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の洗浄料に
    おいて、前記有機化合物が塩基性アミノ酸であることを
    特徴とするメーキャップ洗浄料。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の洗浄料において、前記塩
    基性アミノ酸がアルギニンであることを特徴とするメー
    キャップ洗浄料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4の何れかに記載の洗浄料に
    おいて、前記有機化合物がヒドロキシアルキル化された
    アミンであることを特徴とするメーキャップ洗浄料。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の洗浄料において、ヒド
    ロキシアルキル化されたアミンが第三アミンであること
    を特徴とするメーキャップ洗浄料。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の洗浄料において、前記第
    三アミンがトリエタノールアミン、トリイソプロパノー
    ルアミンであることを特徴とするメーキャップ洗浄料。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9に記載の洗浄料におい
    て、前記有機化合物を組成物中0.03重量%以上配合
    することを特徴とするメーキャップ洗浄料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002003373A (ja) * 2000-06-27 2002-01-09 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JP2002155295A (ja) * 2000-11-20 2002-05-28 Kose Corp 洗浄剤組成物
JP2003081810A (ja) * 2001-06-25 2003-03-19 Kanebo Ltd 酸性染毛剤用染着除去化粧料

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