JP3904400B2 - 頭髪洗浄料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は頭髪洗浄料に関する。さらに詳しくは、使用時及び使用後の髪の感触、特になめらかさに優れ、且つ泡立ち良好な頭髪洗浄料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘアシャンプーに代表される頭髪洗浄料は、一般にアニオン界面活性剤を多量に含んでいるので、頭髪を洗浄すると汚れの他に頭髪表面の皮脂やその他の油分が同時に洗い落とされてしまう。
【0003】
そのため、頭髪の感触が悪くなり、パサツキが起こり、櫛通り性が悪くなるといった悪影響が生じてくる。また、頭皮の油分も除去されるので、ふけが発生しやすくなるという影響が生じる。
【0004】
これらの欠点を解消するために、従来、ヘアシャンプー基剤に油分等を配合し、洗髪中に油分を補給する方法が従来から採用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の欠点を解消するのに充分な量の油分を安定に配合することは難しい。また、何らかの方法で多量の油分を安定に配合させたとしても、ヘアシャンプー本来の機能である起泡効果や洗浄効果が劣ったものになってしまうという問題点がある。
【0006】
また、頭髪洗浄料のコンディショニング成分としてはリン脂質等の油分、蛋白質、蛋白分解物や第4級窒素含有水溶性ポリマーが広く用いられている。
【0007】
しかしながら、リン脂質等の油分、蛋白質、蛋白分解物を配合した頭髪洗浄料は、未だ髪に十分満足できるなめらかさを付与するには至っていない。また、第4級窒素含有水溶性ポリマーを配合した頭髪洗浄料は、すすぎ中のなめらかさは向上させることはできるが、タオルドライ後、及び乾燥時については、髪のなめらかさ、しなやかさ向上効果は認められず、逆に、これらを多量に配合した場合は、乾燥時における髪のゴワツキ、ヘアフライ等につながる傾向があり、その改善が望まれている。
【0008】
本発明者等は、上述の問題点に鑑み鋭意研究した結果、頭髪洗浄料に特定の油分を配合すると、使用時及び使用後の髪の感触、特になめらかさに優れ、且つ泡立ち良好な頭髪洗浄料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、使用時及び使用後の髪の感触、特になめらかさに優れ、且つ泡立ち良好な頭髪洗浄料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、25℃で水に1〜15重量%溶解し、かつトリ2−エチルヘキサン酸グリセリルに5重量%以上溶解する25℃で液状の油分と、界面活性剤とを含有することを特徴とする頭髪洗浄料において、前記油分が、ポリオキシエチレン(9モル)カプリン酸グリセリンであることを特徴とする頭髪洗浄料を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、25℃で水に1〜15重量%溶解し、かつトリ2−エチルヘキサン酸グリセリルに5重量%以上溶解する25℃で液状の油分と、界面活性剤とを含有することを特徴とする頭髪洗浄料において、前記油分が、コハク酸ジネオペンチルであることを特徴とする頭髪洗浄料を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、前記界面活性剤が、下記化学式(14)で表わされるヒドロキシエーテルカルボン酸型陰イオン性界面活性剤と、下記化学式(15)または(16)で表わされるアミドアミン型両性界面活性剤とであることを特徴とする前記の頭髪洗浄料を提供するものである。
【化30】
(14)
(式中、R1は平均炭素原子数8〜22の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;M1はアルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を表わす)
【化31】
(15)
(式中、R2は平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;Z1は水素原子または(CH2)lCOOY1(ここで、Y1はアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;lは1〜3の整数を表わす)
【化32】
(16)
(式中、R3は平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;Z2は水素原子または(CH2)rCOOY2(ここで、Y2はアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;rは1〜3の整数を表わす)を表わし;R4は水素原子または(CH2)sCOOY3(ここでY3はアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;sは1〜3の整数を表わす)を表わし;M3はアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;p、qは1〜3の整数を表わす)
【0016】
また、本発明は、前記頭髪洗浄料がヘアシャンプーであることを特徴とする前記の頭髪洗浄料を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0018】
本発明に使用する油分は25℃で液体の水溶性油分である。水に対しては1〜15重量%溶解しなければならず、かつ、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルに対しては5重量%以上溶解しなければならない。25℃で固体状であると、目的とする使用感触が得られない。また、水に対して1重量%未満しか溶解しないと、親水性に乏しく、頭髪洗浄料の泡立ちを阻害する。15重量%を超えて溶解するか、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルに対して5重量%未満しか溶解しない油分であると、親油性に乏しく、使用時及び使用後の頭髪の感触、特になめらか感が発揮できない。
【0019】
「請求項1、3及び4の発明」
上記条件を満足する油分として、好ましくは、ポリオキシエチレン(9モル)カプリン酸グリセリンが挙げられる。
【0025】
上記油分の配合量は特に限定しないが、好ましくは頭髪洗浄料全量に対して0.1〜20.0重量%、更に好ましくは1.0〜10.0重量%である。0.1重量%未満であると本発明の効果は少なく、20.0重量%を超えて配合すると水と分離して本発明の効果を発揮できない場合がある。
【0026】
「請求項2、3及び4の発明」
上記条件を満足する油分として、好ましくは、コハク酸ジネオペンチルが挙げられる。
【0035】
上記油分の配合量は特に限定しないが、好ましくは頭髪洗浄料全量に対して0.1〜20.0重量%、更に好ましくは1.0〜10.0重量%である。0.1重量%未満であると本発明の効果は少なく、20.0重量%を超えて配合すると水と分離して本発明の効果を発揮できない場合がある。
【0036】
本発明に用いる界面活性剤としては、頭髪洗浄料で一般的に用いられる界面活性剤であれば特に制限されず、例えば、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアンモニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸トリエタノールアンモニウムなどの脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルβ―アラニンナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム、アシルメチルタウリン、アルキルエタンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤;モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエステル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪族アルキルエーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、ショ糖脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤などが挙げられる。
【0037】
本発明においては、特に上記化学式(14)で表わされるヒドロキシエーテルカルボン酸型陰イオン性界面活性剤と、上記化学式(15)または(16)で表わされるアミドアミン型両性界面活性剤とを併用した場合が好ましい。
【0038】
上記化学式(14)のヒドロキシエーテルカルボン酸型陰イオン性界面活性剤において、R1としては、例えば、C9H19、C10H21、C11H23、C12H25、C13H26、C15H31、C17H35、C13H25、C15H29等が挙げられる。M1としては、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示される。この化学式(14)のヒドロキシエーテルカルボン酸型陰イオン性界面活性剤の具体例としては、ドデカンー1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム等が好適なものとして挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0039】
上記化学式(15)のアミドアミン型両性界面活性剤において、R2COとしては、例えば、C9H19CO、C11H23CO、C13H27CO、C15H31CO、C17H35CO、C13H25CO、C15H29CO、ココヤシ脂肪酸残基、パームヤシ脂肪酸残基等が挙げられる。M2としては、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示される。また、Z1が(CH2)lCOOY1の場合、Y1としてはリチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示される。この化学式(15)のアミドアミン型両性界面活性剤の具体例としては、N−ラウロイル−N'−カルボキシメチル−N'−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ミリストイル−N'−カルボキシメチル−N'−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム、N−パルミトイル−N'−カルボキシメチル−N'−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N'−カルボキシメチル−N'−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンカリウム、N−ラウロイル−N'−カルボキシメチル−N'−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンマグネシウム等が好適なものとして挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0040】
上記化学式(16)のアミドアミン型両性界面活性剤において、R3COとしては、例えば、C9H19CO、C11H23CO、C13H27CO、C15H31CO、C17H35CO、C13H25CO、C15H29CO、ココヤシ脂肪酸残基、パームヤシ脂肪酸残基等が挙げられる。M3としては、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示される。また、Z2が(CH2)rCOOY2の場合、あるいはR4が(CH2)sCOOY3の場合、Y2、Y3としては、それぞれ、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示される。この化学式(16)のアミドアミン型両性界面活性剤の具体例としては、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N',N'−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ミリストイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N',N'−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンナトリウム、N−パルミトイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N',N'−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ステアロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N',N'−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N',N'−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンカルシウム、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N',N'−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンマグネシウム、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N',N'−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミントリエタノールアミン等が好適なものとして挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0041】
界面活性剤の配合量は頭髪洗浄料全量中0.1〜30.0重量%、好ましくは1.0〜15.0重量%である。0.1重量%未満ではスタイリング剤を塗布した後洗髪すると、泡立ちが悪くなり、30.0重量%を越えると使用後きしみ若しくはぬめりを感じる場合がある。
【0042】
本発明の頭髪洗浄料には上記必須成分の他、通常化粧品や医薬品の洗浄料に用いられる成分を配合することができ常法に応じて製造される。かかる成分としては下記のようなものが挙げられ、上記必須成分と下記成分の一種又は二種以上とを配合して製造される。
【0043】
アボガド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、スクワレン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、流動パラフィン、ポリオキシエチレン(8モル)オレイルアルコールエーテル、モノオレイン酸グリセリルなどの油分。
カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール。
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸などの高級脂肪酸。
ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサンなどの保湿剤。
メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコールなどの増粘剤。
エタノール、1,3−ブチレングリコールなどの有機溶剤。
ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸などの酸化防止剤。安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(エチルパラベン、ブチルパラベンなど)、ヘキサクロロフェンなどの抗菌防腐剤。
グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジンなどのアミノ酸と塩酸塩。
アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸などの有機酸。
ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体などのビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテートなどのビタミンC類、α―トコフェロール、β―トコフェロール、γ―トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネートなどのビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチンなどのビタミン類。
ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ―オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニンなど)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、セファランチン、プラセンタエキスなどの各種薬剤。
ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、タイム、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラなどの有機溶剤、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコールなどで抽出した天然エキス。
ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイドなどのカチオン界面活性剤。
その他に、香料、スクラブ剤、精製水などを配合することができる。
【0044】
本発明の頭髪洗浄料は頭皮頭髪の洗浄を目的として頭皮頭髪に適用されるものを指し、その剤型も水溶液系、乳化系、ゲル系など幅広い形態をとり得る。
【0045】
【実施例】
次に本発明の好適な実施例を説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。配合量は特に断りがない限り重量%で示す。
【0046】
実施例及び比較例の頭髪洗浄料において下記の試験を行ない評価した。
【0047】
「評価(1):洗髪中の髪のなめらかさ」
洗髪中の髪のなめらかさの有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー8名以上が洗髪中なめらかと認めた。
○…専門パネラー6名以上8名未満が洗髪中なめらかと認めた。
△…専門パネラー3名以上6名未満が洗髪中なめらかと認めた。
×…専門パネラー3名未満が洗髪中なめらかと認めた。
【0048】
「評価(2):洗髪乾燥後の髪のなめらかさ」
洗髪乾燥後の髪のなめらかさの有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施し、自然乾燥後の髪のなめらかさと洗髪前の状態を比較法により官能評価した。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー8名以上が洗髪前よりもなめらかと認めた。
○…専門パネラー6名以上8名未満が洗髪前よりもなめらかと認めた。
△…専門パネラー3名以上6名未満が洗髪前よりもなめらかと認めた。
×…専門パネラー3名未満が洗髪前よりもなめらかと認めた。
【0049】
「評価(3):洗髪乾燥後の髪のべたつき感」
洗髪乾燥後の髪のべたつき感の有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施し、自然乾燥後の髪のべたつき感と洗髪前の状態を比較法により官能評価した。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー全員がべたつきを感じなかった。
○…専門パネラー1名以上3名未満が洗髪前よりもべたつくと認めた。
△…専門パネラー3名以上5名未満が洗髪前よりもべたつくと認めた。
×…専門パネラー5名以上が洗髪前よりもべたつくと認めた。
【0050】
「評価(4):起泡力」
70ppmの塩化カルシウム水溶液に、表1、表2、及び表3の各処方を3%ずつ溶かし、この溶液それぞれ400mLをミキサーで攪拌して60秒後の泡の高さを計測し、これを起泡力とした。評価基準は以下の通りである。
◎…2400mL以上
○…2000mL以上、2400mL未満
△…1500mL以上、2000mL未満
×…1500mL未満
【0051】
「評価(5):泡立ち」
洗髪中の泡立ちの有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。なおパネラーには普段使用しているスタイリング剤を適量塗布させた。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー8名以上が洗髪中泡立ち良好と認めた。
○…専門パネラー6名以上8名未満が洗髪中泡立ち良好と認めた。
△…専門パネラー3名以上6名未満が洗髪中泡立ち良好と認めた。
×…専門パネラー3名未満が洗髪中泡立ち良好と認めた。
【0052】
「評価(6):洗浄効果」
洗髪後の洗浄効果感の有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。なおパネラーには普段使用しているスタイリング剤を適量塗布させた。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー8名以上が、洗髪後洗浄効果があると認めた。
○…専門パネラー6名以上8名未満が、洗髪後洗浄効果があると認めた。
△…専門パネラー3名以上6名未満が、洗髪後洗浄効果があると認めた。
×…専門パネラー3名未満が、洗髪後洗浄効果があると認めた。
【0053】
実施例で用いた液状油分について、水と2−エチルヘキサン酸グリセリルの溶解性を以下により確認した。
「溶解性試験」
室温(25℃)で混合攪拌したサンプルを50mlのサンプル管(ガラス瓶)に充填し、その溶解性(外観)を肉眼により確認して溶解性を評価した。
○:溶解する(透明である)
×:溶解しない(白濁または油滴が認められる)
【0054】
「請求項1、3及び4の発明」
「表1」〜「表3」に示す液状油分について溶解性を試験した。結果を各表に示した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
「表1」〜「表3」から、ポリオキシエチレン(9モル)カプリン酸グリセリンは、本発明に用いる液状油分の要件に適合する溶解性を有することが分かる。
【0059】
「実施例1、2、7、8、比較例1〜4」
表4、表5、及び表6に記載した配合組成よりなる実施例1、2、7、8及び比較例1〜4の頭髪洗浄料(ヘアシャンプー)を常法により製造し、上記の評価(1)(2)(3)(4)について評価試験を行ない、その結果を各表に示した。
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
表4、表5、及び表6から明らかなように、本発明の実施例に示す頭髪洗浄料は、比較例に比べ、使用時及び使用後の髪の感触、特になめらかさに優れ、且つ泡立ち良好な頭髪洗浄料である。
【0064】
「実施例13、19、比較例5〜10」
表7、表8、表9に記載した配合組成よりなる実施例13、19及び比較例5〜10の頭髪洗浄料(ヘアシャンプー)を常法により製造し、上記の評価(1)(2)(3)(5)(6)について評価試験を行ない、その結果を各表に示した。
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
表7、表8、表9から明らかなように、本発明の実施例に示す頭髪洗浄料は、比較例に比べ、使用時及び使用後の髪の感触、特になめらかさに優れ、且つスタイリング剤を塗布していても泡立ちや洗浄効果が良好な頭髪洗浄料であった。
【0069】
以下にその他の実施例を挙げる。
【0072】
「実施例27:ヘアシャンプー」
ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム 10.0重量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 5.0
N−ラウロイル−N'−カルボキシメチル−N'− 8.0
(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム
エチレングリコールジステアレート 3.0
プロピレングリコール 2.0
安息香酸ナトリウム 0.5
ポリオキシエチレン(9モル)カプリン酸グリセリン 2.0
色剤 適量
香料 適量
精製水 残余
(製法及び評価)
上記成分を常法によって混合し、パール感のあるヘアシャンプーを調製した。得られたヘアシャンプーで洗髪した頭髪は、使用時及び使用後の髪の感触、特になめらかさに優れ、且つスタイリング剤を塗布していても泡立ちや洗浄効果が良好な頭髪洗浄料であった。
【0074】
「請求項2、3及び4の発明」
「表10」〜「表12」に示す液状油分について溶解性を試験した。結果を各表に示した。
【0075】
【表10】
【0076】
【表11】
【0077】
【表12】
【0078】
「表10」〜「表12」から、コハク酸ジネオペンチルは、本発明に用いる液状油分の要件に適合する溶解性を有することが分かる。
【0079】
「実施例32、40、比較例11〜14」
表13、表14、及び表15に記載した配合組成よりなる実施例32、40及び比較例11〜14の頭髪洗浄料(ヘアシャンプー)を常法により製造し、上記の評価(1)(2)(3)(4)について評価試験を行ない、その結果を各表に示した。
【0080】
【表13】
【0081】
【表14】
【0082】
【表15】
【0083】
表13、表14、及び表15から明らかなように、本発明の実施例に示す頭髪洗浄料は、比較例に比べ、使用時及び使用後の髪の感触、特になめらかさに優れ、且つ泡立ち良好な頭髪洗浄料である。
【0084】
「実施例48、57、比較例15〜20」
表16、表17、表18に記載した配合組成よりなる実施例48、57及び比較例15〜20の頭髪洗浄料(ヘアシャンプー)を常法により製造し、上記の評価(1)(2)(3)(5)(6)について評価試験を行ない、その結果を各表に示した。
【0085】
【表16】
【0086】
【表17】
【0087】
【表18】
【0088】
表16、表17、表18から明らかなように、本発明の実施例に示す頭髪洗浄料は、比較例に比べ、使用時及び使用後の髪の感触、特になめらかさに優れ、且つスタイリング剤を塗布していても泡立ちや洗浄効果が良好な頭髪洗浄料であった。
【0089】
以下にその他の実施例を挙げる。
【0092】
「実施例65:ヘアシャンプー」
ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム 10.0重量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 5.0
N−ラウロイル−N'−カルボキシメチル−N'− 8.0
(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム
エチレングリコールジステアレート 3.0
プロピレングリコール 2.0
安息香酸ナトリウム 0.5
コハク酸ジネオペンチル 2.0
色剤 適量
香料 適量
精製水 残余
(製法及び評価)
上記成分を常法によって混合し、パール感のあるヘアシャンプーを調製した。得られたヘアシャンプーで洗髪した頭髪は、使用時及び使用後の髪の感触、特になめらかさに優れ、且つスタイリング剤を塗布していても泡立ちや洗浄効果が良好な頭髪洗浄料であった。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、使用時及び使用後の髪の感触、特になめらかさに優れ、且つスタイリング剤を塗布していても泡立ちや洗浄効果が良好な頭髪洗浄料を提供出来る。
Claims (4)
- 25℃で水に1〜15重量%溶解し、かつトリ2−エチルヘキサン酸グリセリルに5重量%以上溶解する25℃で液状の油分と、界面活性剤とを含有することを特徴とする頭髪洗浄料において、前記油分が、ポリオキシエチレン(9モル)カプリン酸グリセリンであることを特徴とする頭髪洗浄料。
- 25℃で水に1〜15重量%溶解し、かつトリ2−エチルヘキサン酸グリセリルに5重量%以上溶解する25℃で液状の油分と、界面活性剤とを含有することを特徴とする頭髪洗浄料において、前記油分が、コハク酸ジネオペンチルであることを特徴とする頭髪洗浄料。
- 前記界面活性剤が、下記化学式(14)で表わされるヒドロキシエーテルカルボン酸型陰イオン性界面活性剤と、下記化学式(15)または(16)で表わされるアミドアミン型両性界面活性剤とであることを特徴とする請求項1または2記載の頭髪洗浄料。
(式中、R1は平均炭素原子数8〜22の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;M1はアルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を表わす)
(式中、R2は平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;Z1は水素原子または(CH2)lCOOY1(ここで、Y1はアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;lは1〜3の整数を表わす)
(式中、R3は平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;Z2は水素原子または(CH2)rCOOY2(ここで、Y2はアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;rは1〜3の整数を表わす)を表わし;R4は水素原子または(CH2)sCOOY3(ここでY3はアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;sは1〜3の整数を表わす)を表わし;M3はアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;p、qは1〜3の整数を表わす) - 前記頭髪洗浄料がヘアシャンプーであることを特徴とする請求項1、2または3記載の頭髪洗浄料。
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