JPH10175824A - 毛髪修復剤組成物およびそれを用いた毛髪化粧料並びに毛髪強化剤 - Google Patents

毛髪修復剤組成物およびそれを用いた毛髪化粧料並びに毛髪強化剤

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JPH10175824A
JPH10175824A JP35234896A JP35234896A JPH10175824A JP H10175824 A JPH10175824 A JP H10175824A JP 35234896 A JP35234896 A JP 35234896A JP 35234896 A JP35234896 A JP 35234896A JP H10175824 A JPH10175824 A JP H10175824A
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hair
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cosmetic
amino acid
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JP35234896A
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Masaru Tajima
勝 田嶋
Yoshitaka Bandai
好孝 万代
Junichi Kawada
潤一 河田
Tomoyoshi Furusawa
智良 古澤
Akira Kon
亮 近
Masaji Mitsuhara
正自 光原
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗髮、薬剤処理により損傷を受けた毛髪に対
して優れた修復作用効果を有する毛髪修復剤組成物、お
よびそれを用いた、毛髪化粧料並びに毛髪強化剤を提供
する。 【解決手段】 カチオン化蛋白誘導体および中性アミノ
酸からなることを特徴とする毛髪修復剤組成物、該組成
物と界面活性剤等を含有することを特徴とする毛髪化粧
料、該組成物と被膜形成高分子化合物を含有することを
特徴とする毛髪強化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーマ、ブリー
チ、ヘアカラー等の化学的処理で傷んだ毛髪に対して、
裂け毛、切れ毛の発生を抑制する毛髪修複剤組成物、お
よびそれを用いた例えばヘアリンス、ヘアコンディショ
ナー、ヘアトリートメントのような毛髪化粧料、並びに
毛髪強化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】毛髪は日常の洗髪、ヘアケア、ヘアメイ
ク等により多くの損傷を受けている。特に洗髪では主成
分である界面活性剤により毛髪の皮脂や毛髪構成蛋白質
までが溶出され、毛髪がバサバサあるいはゴワゴワした
り、更には極端にツヤが失われる等の触感的・視覚的に
その損傷を実感することが知られている。近年、おしゃ
れ意識の高揚によりコールドパーマ、ヘアカラー、ヘア
ブリーチ等の使用頻度が増え、薬剤による化学的処理も
毛髪の構成蛋白質の溶出や構造変化を促進し、損傷に拍
車をかけている。また、濡れた毛髪の乾燥手段として用
いるハンドドライヤーも毛髪損傷の大きな原因となり、
熱による構造変化を招き強度低下や保水能低下を来す。
このような損傷を受けると毛髪表面のキューティクルの
端の捲れ上がりや剥離、裂け毛・切れ毛の発生を促進す
る結果となる。キューティクルが毛羽立つと毛髪内部成
分がより溶出しやすくなり損傷を促進する。またブラッ
シング時に引っ掛かりを生じ、このような物理的刺激は
枝毛・切れ毛の発生をより促進し、感触的にもゴワゴワ
・ザラザラしてくる。
【0003】このように損傷を受けた毛髪の感触的不具
合点を解消し、シャンプーしたあとの毛髪のもつれ、か
らまりをなくし、乾燥するまでの髪の扱いやすさを向上
させ、パサつきやブラッシングによる静電気を防止した
り、しっとり感やなめらかさなどの仕上り感を向上させ
る目的で、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアト
リートメント等の毛髪処理剤が提案されている。例えば
コラーゲン誘導体やケラチン誘導体等の毛髪と類似した
成分を毛髪に浸透・補充する方法が知られている(特開
昭57−88109号、特開平2−53712号、特開
平4−60083号)。また、毛髪表面のキューティク
ル剥離の抑制や表面を平滑にさせる手触り感の向上や熱
による水分蒸散を抑制する方法として、例えば皮膜形成
物質や液状油で毛髪表面をコートする方法も提案されて
いる(特開昭57−88111号、特開平5−8592
1号、特開平6−505973号)。これら毛髪化粧料
等には主に、第4級アンモニウム塩が配合されており、
これを毛髪に吸着させることにより、ゴワつきや手櫛の
ひっかかりを抑え、なめらかな仕上りを与えることを目
的としている。更に、使用感を向上させる目的で、例え
ば、高級アルコール、エステル油、シリコン等が配合さ
れている。
【0004】しかし、これらの方法は触感的あるいは視
覚的に向上を図ったものであり、真に損傷した毛髪を修
複・強化するものではなかった。またその効果も一過性
に過ぎず、真に損傷した毛髪を修複・強化する方法が強
く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
洗髪や薬剤処理により毛髪構造が変化し損傷した毛髪に
対して、健常毛のように修複・強化を行い、ブラッシン
グ等の物理的力を受けてもキューティクルの毛羽立ち・
剥離や切れ毛・裂け毛の発生を抑制する優れた毛髪修複
剤組成物およびそれを用いた毛髪化粧料並びに毛髪強化
剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、優れた修
複・強化効果を有する損傷毛髪に対する修複強化剤を開
発するために種々研究を重ねた結果、特定の蛋白質加水
分解物及び特定のアミノ酸とを併用することにより、洗
髪や薬剤処理によって損傷した毛髪に対して健常毛のよ
うに修複し、またブラッシング等により強い物理的力を
受けてもキューティクルの毛羽立ち・剥離や切れ毛・裂
け毛が起こりにくくなる優れた損傷毛髪修複効果がある
こと、更に被膜形成高分子化合物を組み合わせることに
より、毛髪強化効果があることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、カチオン化蛋白誘
導体、および中性アミノ酸を含有することを特徴とする
毛髪修複剤組成物が提供され、また、前記毛髪修複剤組
成物を含有することを特徴とする毛髪化粧料が提供さ
れ、更に、前記毛髪修複剤組成物にさらに被膜形成高分
子化合物を含有することを特徴とする毛髪強化剤が提供
される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の毛髪修複剤組成
物、それを用いた毛髪化粧料および毛髪強化剤について
さらに詳細に説明する。本発明の毛髪修複剤組成物は、
カチオン化蛋白誘導体と中性アミノ酸を含有するもので
あり、これに更に適宜必要な成分を配合することによ
り、修複効果を有する、毛髪化粧料または毛髪強化剤と
することができる。
【0009】本発明の毛髪修複剤組成物を構成するカチ
オン化蛋白誘導体成分は、動物性蛋白誘導ポリペプタイ
ド及び植物性蛋白誘導ポリペプタイドとカチオン化剤
(例えばヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド)との反応により得ることができる。この動物
性蛋白誘導ポリペプタイドは、コラーゲン、ケラチン、
絹蛋白、ミルク蛋白及びエラスチン等の動物性蛋白質
を、又植物性蛋白誘導ポリペプタイドは大豆蛋白、小麦
蛋白等を、酸、アルカリ、あるいは蛋白質分解酵素等を
用いて加水分解することによって得ることができ、その
製造方法は例えば特開平4−60083号に詳細に記述
されている。該カチオン化蛋白誘導体としては、例えば
プロモイス(成和化成株式会社製)の名称で既に市販さ
れており、容易に入手可能な成分である。
【0010】本発明の毛髪修複剤組成物を構成する中性
アミノ酸成分は、毛髪構成アミノ酸であり、グリシン、
バリン、アラニン、ロイシン、プロリン、セリン及びス
レオニンが挙げられる。中でもグリシンが特に好まし
い。これらの中性アミノ酸は単独で用いてもよいし、
又、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0011】本発明の毛髪修複剤組成物において、カチ
オン化蛋白誘導体と中性アミノ酸の含有比率は重量比
で、カチオン化蛋白誘導体/中性アミノ酸=0.005
〜50が好ましく、0.01〜10がさらに好ましい。
【0012】次に、本発明の毛髪化粧料は、前記毛髪修
複剤と、更にカチオン性界面活性剤の少なくとも1種
と、高級アルコール等とを含有させたものである。本発
明の毛髪化粧料に配合するカチオン性界面活性剤は通常
毛髪化粧料に配合するものが使用できる。該カチオン性
界面活性剤としては、例えば、下記一般式(1)の第四
級アンモニウム塩、および、モノN−長鎖アシル塩基性
アミノ酸低級アルキルエステル塩の中から選ばれるカチ
オン性界面活性剤を使用するのが特に好ましい。
【化1】 〔式中、R1、R2、R3及びR4の内少なくとも1個は、
総炭素数10〜24のアルキル基またはアルケニル基、
炭素数10〜24のヒドロキシアルキル基またはR5
(OCH2CH2)n−(ただし、R5は炭素数10〜2
4のアルキル基または炭素数10〜24のヒドロキシア
ルキル基、nは1〜10の整数である。)を示し、残余
は炭素数1〜3のアルキル基、ベンジル基又はヒドロキ
シアルキル基を示す。X1は、ハロゲン原子、メチル硫
酸基またはエチル硫酸基である。〕
【0013】前記一般式(1)の第四級アンモニウム塩
は、毛髪化粧料に適度の疎水性を付与し、毛髪に対する
親和性を向上させる一方、毛髪に適度な保水性を付与
し、毛髪を柔らかく且つしなやかにする能力を有する。
ここで、アルキル基およびアルケニル基の炭素数は、1
0〜24、好ましくは12〜22の範囲内である。炭素
数が10未満では髪を柔らかくして、しなやかにする効
果が十分に発揮されない恐れがあるし、24を超えると
毛髪がごわついて硬くなり、髪を柔らかくする効果が低
下する傾向がみられる。また、前記一般式(1)の第四
級アンモニウム塩を構成する陰イオンは、例えば、ハロ
ゲンイオン、メチル硫酸イオンまたはエチル硫酸イオン
であることが好ましい。このような陰イオンは、毛髪化
粧料に適度な疎水性および保水性を付与する。
【0014】一方、N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級
アルキルエステル塩を構成する塩基性アミノ酸として、
例えば、オルニチン、リジン、アルギニン等の天然アミ
ノ酸、または、α、γ−ジアミノ酪酸等の合成アミノ酸
も用いることができる。これらの塩基性アミノ酸のエス
テルとしては、例えば、プロピルエステル、ブチルエス
テル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチル
エステル、オクチルエステル等が挙げられる。また、こ
れらの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩等の無機酸
塩、酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、p−トルエンスル
ホン酸塩、高級脂肪酸塩、LまたはDL−ピロリドンカ
ルボン酸塩、酸性アミノ酸塩、ピログルタミン酸塩等の
有機酸塩が挙げられる。これらの中で、特に、塩酸塩、
LまたはDL−ピロリドンカルボン酸塩および酸性アミ
ノ酸塩が好適である。
【0015】本発明の毛髪化粧料においては、これらの
カチオン性界面活性剤は、1種または2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0016】本発明の毛髪化粧料に配合する高級アルコ
ールは、通常毛髪化粧料に配合するものが使用できる。
該高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙
げられる。このうち、本発明の毛髪化粧料に最も好適に
用いられるのは、セトステアリルアルコール若しくはス
テアリルアルコールである。
【0017】本発明の毛髪化粧料において、上記各成分
の含有量は特に限定されないが、以下に記載する範囲が
好ましい。カチオン化蛋白誘導体の含有量は、毛髪化粧
料全量に対し、0.01〜10重量%、さらに好ましく
は0.05〜5重量%の範囲である。中性アミノ酸の含
有量は、毛髪化粧料全量に対し、0.01〜10重量
%、さらに好ましくは0.05〜5重量%の範囲であ
る。これらカチオン化蛋白誘導体と中性アミノ酸の各々
の含有量が上記範囲より少ないと毛髪修複効果が小さ
い。また、上記範囲より多いとべたつき感がやや生じ好
ましくない。カチオン性界面活性剤の含有量は、0.1
〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%の
範囲である。含有量が0.1重量%未満では、基本性能
である柔軟性、帯電防止効果が十分に得られない。一
方、含有量が20重量%を超えると、感触的に毛髪にベ
タツキが生じて好ましくない。高級アルコールの含有量
は、特に限定されないが、通常組成物に対し0.1〜3
0重量%、好ましくは0.5〜15重量%である。
【0018】本発明の毛髪化粧料には、上記各成分の他
に、必要に応じて毛髪化粧料に一般的に配合される脂肪
酸、乳化安定剤、耐寒剤、増粘剤、生薬、殺菌剤、油
分、界面活性剤、pH調節剤または色素等を配合でき
る。
【0019】このような本発明の毛髪化粧料には、具体
的には、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリ
ートメント、ヘアパック等として使用される。
【0020】次に、本発明の毛髪強化剤は、前記毛髪修
複剤と、更に被膜形成高分子化合物とを配合させたもの
である。該被膜形成高分子化合物としては、両性高分子
化合物、非イオン性高分子化合物、カチオン性高分子化
合物が用いられる。
【0021】両性高分子化合物としては、例えば、アク
リル酸オクチルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル
/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、N−メタ
クリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム
−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸ア
ルキルエステル共重合体等が挙げられる。このような両
性高分子化合物としては、アンフォーマー28−491
0やユカフォーマーAM−75の名称で市販されており
容易に入手可能な成分である。
【0022】また、非イオン性高分子化合物としては、
例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン
/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。このような非イ
オン性高分子化合物は、PVPやルビスコールの名称で
市販されており容易に入手可能な成分である。
【0023】更にまた、カチオン性高分子化合物として
は、例えば、第4級トリメチルアンモニウム誘導セルロ
ース、第4級トリメチルアンモニウム誘導グアーガム、
第4級トリメチルアンモニウム誘導デンプンが挙げられ
る。このようなカチオン性高分子化合物は、ポリマーJ
Rやレオガード等の名称で市販されており容易に入手可
能な成分である。
【0024】これら被膜形成高分子化合物は、これらの
中でもN−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチ
ルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/
メタクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリビニルピ
ロリドン、第4級トリメチルアンモニウム誘導セルロー
スが好ましい。これらの被膜形成高分子化合物は、単独
で用いてもよいし、又、2種以上組合わせて用いてもよ
い。
【0025】本発明の毛髪強化剤において、上記各成分
の含有量は特に限定されないが、以下に記載する範囲が
好ましい。カチオン化蛋白誘導体の含有量は、毛髪強化
剤全量に対し、0.01〜10重量%、さらに好ましく
は0.05〜5重量%の範囲で選ばれる。中性アミノ酸
の含有量は、毛髪強化剤全量に対し、0.1〜10重量
%、さらに好ましくは0.5〜5重量%の範囲で選ばれ
る。これらカチオン化蛋白誘導体と中性アミノ酸の各々
の含有量が上記範囲より少ないと毛髪修複効果が小さ
い。また上記範囲より多いとべたつき感がやや生じ好ま
しくない。被膜形成高分子化合物の含有量は、毛髪強化
剤全量に対し、0.1〜10重量%、さらに好ましくは
0.5〜5重量%の範囲で選ばれる。被膜形成高分子化
合物の含有量が上記範囲より少ないと、毛髪修複効果、
毛髪強化効果が小さい。また上記範囲より多いとゴワつ
きが生じとなり好ましくない。
【0026】本発明の毛髪強化剤には、前述の必須成分
以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、従来の毛髪
化粧料に慣用されている各種添加成分を、所望に応じ配
合することができる。この添加成分としては、例えばカ
チオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、両性界面活性剤、高重合シリコーン化合
物、クエン酸やコハク酸等の有機酸及びその塩、殺菌
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、高級アルコール、炭化
水素、エステル油、着色剤、香料、溶剤(エタノール、
水等)、脂肪酸等が挙げられる。これらの添加成分は1
種用いてもよいし、2種以上を組合わせて用いてもよ
く、又、毛髪化粧料調製の適当な段階で配合してもよ
い。
【0027】このような本発明の毛髪強化剤は、例えば
液状、フォーム状、スプレー状、ジェル状、クリーム状
等の多くの製品形態で幅広く利用でき、毛髪に直接塗布
して使用することができる。
【0028】また、本発明の毛髪化粧料および毛髪強化
剤は、健常毛や損傷の修復された毛髪にも通用すること
ができる。この場合においては、洗髪や薬剤処理等によ
る損傷に対して優れた予防効果を有する。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。尚、%は重量%を示す。 実施例1,比較例1〜7 先ず、本発明の毛髪化粧料の実施例について説明する。 <評価方法>本発明者らは、損傷を受けてキューティク
ルの毛羽立ち・剥離、切れ毛・裂け毛の発生した毛髪の
修複効果の評価法を検討した。実際のヘアメイク操作と
類似した熱風下でのブラッシング処理では効果の再現性
に乏しく評価法としては不適切であった。そこで評価法
について鋭意検討を重ねた結果、簡便で且つ再現性の高
い評価法として、毛髪に凍結乾燥処理という強い物理的
力を与え、処理後の状態を走査型電子顕微鏡で観察する
方法を確立した。健常毛*1)では凍結乾燥処理を行っ
てもキューティクルの毛羽立ちは少ないが、市販コール
ドパーマ剤で処理し、構造的に損傷を受けた毛髪*2)
では多くのキューティクルの毛羽立ちが確認でき、本評
価法が損傷した毛髪の修複効果の評価法として適切であ
ることが確認できた。 *1):12歳女性、コールドパーマ・ブリーチ及びヘ
アカラーの経験なし。後頭部の頭皮より15cmの部位
でカットし、10cmの部分を使用。 *2):*1)の毛髪を市販コールドパーマ剤で処理
(25℃、5分)。 〈評価操作〉上記損傷を受けた毛髪*2)をシャンプー
後、表1に示す各処理剤で処理し、25℃・65%RH
の条件下で24時間乾燥後、上記評価法を用い、キュー
ティクルの毛羽立ち・剥離の状態を観察し、次の段階の
評価に従って判定した(写真参照)。結果を表1に示
す。 ◎:標準品より優れる ○:標準品よりやや優れる △:標準品と同等 ×:標準品よりやや劣る ××:標準品より劣る
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0% ステアリルアルコール 3.0% グリシン 2.0% カチオン化蛋白誘導体(*3) 2.0% 椿油 1.0% モノラウリン酸ソルビタン 1.0% プロピレングリコール 5.0% ヒドロキシエチルセルロース 1.0% パラオキシ安息香酸エステル 0.1% 黄色5号 微量 香料 0.5% 精製水 残部 からなるリンス剤を調製し、実施例1と同様に評価した
結果、◎と判定された。
【0032】実施例3 N−ココイルアルギニンエチルエステル 1.0% DL−ピロリドンカルボン酸塩 1.0% セトステアリルアルコール 3.0% グリシン 2.0% カチオン化蛋白誘導体(*3) 2.0% ジメチルシリコン 1.0% モノラウリン酸ソルビタン 1.0% プロピレングリコール 5.0% 安息香酸 0.1% リン酸(pHを4に調製) 適量 香料 0.5% 精製水 残部 からなるリンス剤を調製し、実施例1と同様に評価した
結果、◎と判定された。
【0033】実施例4 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 3.0% セトステアリルアルコール 10.0% グリシン 2.0% カチオン化蛋白誘導体(*3) 2.0% モノラウリン酸ソルビタン 1.0% ジメチルシリコン 1.0% 鯨ロウ 1.0% ヒドロキシエチルセルロース 1.0% 安息香酸 0.1% リン酸(pHを4に調製) 適量 黄色203号 微量 香料 0.5% 精製水 残部 からなるトリートメント剤を調製し、実施例1と同様に
評価した結果、◎と判定された。
【0034】実施例5,比較例8〜10,参考例 次に、本発明の毛髪強化剤の実施例について説明する。 <評価方法>本発明者らは、損傷を受けた毛髪を強化・
修複し、切れ毛・裂け毛を発生しにくくする効果の評価
法を検討した。実際のヘアメイク操作と類似した熱風下
でのブラッシング処理では効果の再現性に乏しく、評価
法としては不適切であった。そこで評価法について鋭意
検討を重ねた結果、簡便で且つ再現性の高い評価法とし
て毛髪を緩衝液に浸し、膨潤状態にした後、凍結乾燥処
理という極めて強い物理的力を与え、処理後の状態を走
査型電子顕微鏡で観察する方法を確立した。すなわち、
表2に示すように健常毛では凍結乾燥処理を行っても亀
裂の発生は少ないが、市販コールドパーマ剤で処理し、
構造的に損傷を受けた毛髪では多くの亀裂の発生が確認
でき、本評価法が損傷を受けた毛髪の強化・修複効果の
評価法として適切であることが確認できた。尚、表2、
表3では評価を、下式により算出した値を亀裂の発生率
とし、その値を用いて示した。
【数1】
【0035】
【表2】凍結乾燥処理後の亀裂の発生率 *5):28歳女性、コールドパーマ・ブリーチ及びヘ
アカラーの経験なし。後頭部の頭皮より15cmの部位
でカットし、10cmの部分を使用。 *6):*5)の毛髪を市販コールドパーマ剤で処理
(25℃、10分)。
【0036】〈評価操作〉上記表2中に示す損傷毛(*
6)を用い、シャンプー後25℃、65%RHの条件下
で24時間乾燥し、表3に示す各毛髪強化剤で処理した
後、前記評価法を用いて亀裂発生率(%)を算出し、結
果を表3に示した。
【0037】
【表3】 *7):N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメ
チルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン
/メタクリル酸アルキルエステル共重合体(ダイヤケム
コ社,ユカフォーマーAM−75 204W) *3):第4級トリメチルアンモニウム導入ケラチン加
水分解物(成和化成(株),プロモイスWK−Q) *4):コラーゲン加水分解物(成和化成(株),プロ
モイスW−52)
【0038】実施例6 ポリビニルピロリドン 1.0% 陽イオン性高分子化合物*8) 0.5% 第4級トリメチルアンモニウム誘導ポリペプタイド*3) 4.0% グリシン 0.5% 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5% ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油 0.5% オキシベンゾンスルホン酸 0.1% メチルパラベン 0.1% ジブチルヒドロキシトルエン 0.05% 香料 0.5% 緑色3号 微量 クエン酸(pHを6に調整) 適量 エタノール 10% 精製水 残部 *8):カチオン化セルロース(ライオン(株),レオ
ガードGPS)からなるスプレータイプの毛髮強化剤を
調製した。この毛髮強化剤について、実施例5と同様に
してその凍結乾燥処理後における亀裂の発生率を評価し
た結果、13%と判定された。
【0039】実施例7 両性高分子化合物*7) 2.0% 第4級トリメチルアンモニウム誘導ポリペプタイド*9) 2.0% グリシン 0.5% ポリオキシエチレン(10)・メルポリシロキサン共重合体 4.0% 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.2% モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 0.5% 香料 0.3% エタノール 25% 液化石油ガス 10% 精製水 残部 *9):第4級トリメチルアンモニウム導入コラーゲン
加水分解物(成和化成(株),プロモイスW−52Q) からなるエアゾールフォームタイプの毛髮強化剤を調製
した。この毛髮強化剤について、実施例5と同様にして
その凍結乾燥処理後における亀裂の発生率を評価した結
果、6.6%と判定された。
【0040】実施例8 両性高分子化合物*10) 1.0% 第4級トリメチルアンモニウム誘導ポリペプタイド*4) 5.0% グリシン 0.2% カルボキシビニルポリマー 0.5% ポリオキシプロピレン(12)ジグリセリルエーテル 2.0% ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油 0.5% メチルパラベン 0.1% 香料 0.5% トリエタノールアミン(pHを7に調整) 適量 エタノール 10% 精製水 残部 *10):N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジ
メチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイ
ン/メタクリル酸アルキルエステル共重合体(ダイヤケ
ムコ社,ユカフォーマーAM−75 301)からなる
ジェルタイプの損傷毛強化剤を調製した。この毛髮強化
剤について、実施例5と同様にしてその凍結乾燥処理後
における亀裂の発生率を評価した結果、10%と判定さ
れた。
【0041】
【発明の効果】本発明の毛髪修復剤組成物は、カチオン
化蛋白誘導体と中性アミノ酸とからなり、洗髮や薬剤処
理により損傷を受けた毛髪に対して優れた修復作用効果
を発揮する。またこの毛髪修復剤組成物に適宜必要な他
の成分を組み合わせることにより、表1から明らかなよ
うにヘアリンス、ヘアコンディショー、ヘアトリートメ
ント、ヘアパック等の優れた修復作用効果を有する各種
の毛髪化粧料とすることができる。更にこの毛髪修復剤
組成物に被膜形成高分子化合物を組み合わせることによ
り、修復作用効果に加えて毛髪強化作用も有する毛髪強
化剤とすることができる。そして、表3から明らかなよ
うに、該毛髪強化剤は、本発明の毛髪化粧料でももはや
修復できないような極めて厳しい損傷を受けた毛髪に対
して適用した場合でもその強化作用のため優れた修復作
用効果を発揮することができる。また、本発明の毛髪化
粧料、および毛髪強化剤は、健常毛や損傷の修復された
毛髪に適用した場合、洗髮や薬剤処理等による損傷に対
して予防作用を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 毛髪修復剤組成物およびそれを用い
た毛髪化粧料並びに毛髪強化剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古澤 智良 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 近 亮 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 光原 正自 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン化蛋白誘導体、および中性アミ
    ノ酸を含有することを特徴とする毛髪修複剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の毛髪修複剤組成物を含有
    することを特徴とする毛髪化粧料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の毛髪修複剤組成物にさら
    に被膜形成高分子化合物を含有することを特徴とする毛
    髪強化剤。
JP35234896A 1996-12-12 1996-12-12 毛髪修復剤組成物およびそれを用いた毛髪化粧料並びに毛髪強化剤 Pending JPH10175824A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000071086A1 (en) * 1999-05-24 2000-11-30 Unilever Plc Use of the combination of amino acids having an aliphatic side chain and having a basic side chain in topical hair treatment
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KR20200033248A (ko) 2017-07-27 2020-03-27 가부시키가이샤 시세이도 모발강화제
CN114869794A (zh) * 2022-05-23 2022-08-09 卡乐魔发(上海)国际贸易有限公司 一种修复受损发质二硫键的组合物及其制备方法、应用

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