JPWO2004051717A1 - 照明光学装置、露光装置および露光方法 - Google Patents

照明光学装置、露光装置および露光方法 Download PDF

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Abstract

たとえば露光装置に搭載された場合に、マスクのパターン特性に応じて光量損失を抑えつつ照明光の偏光状態を変化させて適切な照明条件を実現することのできる照明光学装置。直線偏光の光を供給する光源部(1)を有し、光源部からの光で被照射面(M,W)を照明する照明光学装置。光源部と被照射面との間の光路中に配置されて、被照射面を照明する光の偏光状態を特定の偏光状態と非偏光状態との間で切り換えるための偏光状態切換手段(10,20)を備えている。偏光状態切換手段は、照明光路に対して挿脱自在に構成されて、入射する直線偏光の光を必要に応じて非偏光化するためのデポラライザ(20)を備えている。

Description

本発明は照明光学装置、露光装置および露光方法に関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に関する。
この種の典型的な露光装置においては、光源から射出された光束が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源を形成する。二次光源からの光束は、フライアイレンズの後側焦点面の近傍に配置された開口絞りを介して制限された後、コンデンサーレンズに入射する。
コンデンサーレンズにより集光された光束は、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクのパターンを透過した光は、投影光学系を介してウェハ上に結像する。こうして、ウェハ上には、マスクパターンが投影露光(転写)される。なお、マスクに形成されたパターンは高集積化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
そこで、フライアイレンズの後側焦点面に円形状の二次光源を形成し、その大きさを変化させて照明のコヒーレンシィσ(σ値=開口絞り径/投影光学系の瞳径、あるいはσ値=照明光学系の射出側開口数/投影光学系の入射側開口数)を変化させる技術が注目されている。また、フライアイレンズの後側焦点面に輪帯状や4極状の二次光源を形成し、投影光学系の焦点深度や解像力を向上させる技術が注目されている。
上述のような従来の露光装置では、マスクのパターン特性に応じて、円形状の二次光源に基づく通常の円形照明を行ったり、輪帯状や4極状の二次光源に基づく変形照明(輪帯照明や4極照明)を行ったりしている。しかしながら、マスクのパターン特性に応じてマスクを照明する光の偏光状態を変化させることはなく、非偏光状態の光でマスクを照明するのが通常であり、マスクのパターンを忠実に転写するために必要な適切な照明条件を必ずしも実現することができない。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、たとえば露光装置に搭載された場合に、マスクのパターン特性に応じて光量損失を抑えつつ照明光の偏光状態を変化させて適切な照明条件を実現することのできる照明光学装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、マスクのパターン特性に応じて照明光の偏光状態を変化させる照明光学装置を用いて、マスクのパターン特性に応じて実現された適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、直線偏光の光を供給する光源部を有し、該光源部からの光で被照射面を照明する照明光学装置において、
前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を特定の偏光状態と非偏光状態との間で切り換えるための偏光状態切換手段を備え、
前記偏光状態切換手段は、照明光路に対して挿脱自在に構成されて、入射する直線偏光の光を必要に応じて非偏光化するためのデポラライザを備えていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態切換手段は、前記特定の偏光状態が直線偏光状態である場合に、直線偏光の偏光面を可変とする。また、前記偏光状態切換手段は、入射する直線偏光の光の偏光面を必要に応じて変化させるための位相部材を有することが好ましい。この場合、前記位相部材は、前記照明光学装置の光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/2波長板を有することが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記デポラライザは、前記照明光学装置の光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された水晶プリズムを有する。また、前記デポラライザは、偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターを透過した光の光路と前記偏光ビームスプリッターで最終的に反射された光の光路とがほぼ一致するように、前記偏光ビームスプリッターで反射された光を平面内において複数回反射させて前記偏光ビームスプリッターへ戻すための反射系とを有し、前記偏光ビームスプリッターと前記反射系とは前記照明光学装置の光軸を中心として一体的に回転自在に構成されていることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記デポラライザは、偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターを透過した光の光路と前記偏光ビームスプリッターで最終的に反射された光の光路とがほぼ一致するように、前記偏光ビームスプリッターで反射された光を平面内において複数回反射させて前記偏光ビームスプリッターへ戻すための反射系とを有し、前記偏光ビームスプリッターと前記反射系とは照明光路に対して一体的に挿脱自在に構成されている。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態切換手段は、入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための第2位相部材をさらに有する。この場合、前記第2位相部材は、前記照明光学装置の光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/4波長板を有することが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記光源部と前記偏光状態切換手段との間の光路中に配置されて立方晶系の結晶材料により形成された光透過部材において、光の進行方向が結晶方位<110>よりも結晶方位<111>または結晶方位<100>に近くなるように設定されている。この場合、前記偏光状態切換手段と前記非照射面との間の光路中に配置されて立方晶系の結晶材料により形成された光透過部材において、光の進行方向が結晶方位<110>よりも結晶方位<111>または結晶方位<100>に近くなるように設定されていることが好ましい。
ここで、前記光透過部材は、前記光路中に固定的に位置決めされた光学部材を有し、前記光学部材の光軸は、結晶方位<111>または結晶方位<100>にほぼ一致するように設定されていることが好ましい。また、前記光透過部材は、裏面反射鏡としての直角プリズムを有し、前記直角プリズムの入射面および射出面は結晶面{100}にほぼ一致するように設定され、且つ前記直角プリズムの反射面は結晶面{110}にほぼ一致するように設定されていることが好ましい。また、前記光透過部材は、前記光路中において光軸に対して傾斜可能に設けられて前記光軸に沿って入射する光線を平行移動させるための平行平面板を有し、前記平行平面板の光軸は、結晶方位<100>にほぼ一致するように設定されていることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記光源部からの光束に基づいて、前記照明光学装置の瞳面またはその近傍に所定の光強度分布を形成するための照明瞳分布形成手段と、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更するための変更手段と、所定の光強度分布からの光束を前記被照射面へ導くための導光光学系とをさらに備えている。この場合、前記偏光状態切換手段は、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更することが好ましい。また、前記偏光状態切換手段は、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を直線偏光状態と非偏光状態との間で切り換えることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記特定の偏光状態において、光のストークスパラメータのS1成分は、0.6≦|S1|の条件を満足する。また、前記非偏光状態において、光のストークスパラメータのS1成分およびS2成分は、|S1|≦0.1,|S2|≦0.1の条件を満足することが好ましい。また、前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面での偏光状態の変動を補正する偏光状態変動補正手段を備えていることが好ましい。この場合、前記偏光状態変動補正手段は、前記偏光状態切換手段と前記被照射面との間の光路中に配置されて光の偏光状態を検出するための偏光モニターと、該偏光モニターの出力に応じて前記偏光状態切換手段を制御するための制御部とを備えていることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態切換手段は、前記照明光学装置の光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/2波長板と、前記照明光学装置の光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/4波長板とを備え、前記制御部は、前記1/4波長板の結晶光学軸および前記1/2波長板の結晶光学軸をそれぞれ変化させたときに前記偏光モニターにおいて得られる検出結果の変化に応答して、入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための所要位置に前記1/4波長板の結晶光学軸の角度位置を位置合わせし、入射する直線偏光の光を所定方向に偏光面を有する直線偏光の光に変換するための所要位置に前記1/2波長板の結晶光学軸の角度位置を位置合わせする。この場合、前記制御部は、前記1/4波長板の結晶光学軸を変化させたときに前記検出結果においてストークスパラメータS1成分の変化のコントラストがほぼ最大になる第1角度位置に前記1/4波長板の結晶光学軸の角度位置を位置合わせし、前記1/4波長板の結晶光学軸を前記第1角度位置に設定した状態で前記1/2波長板の結晶光学軸を変化させたときに前記検出結果においてストークスパラメータS1成分がほぼ最大またはほぼ最小になる第2角度位置に前記1/2波長板の結晶光学軸の角度位置を位置合わせすることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光モニターは、前記偏光状態切換手段と前記被照射面との間の光路中に配置されて、入射光の偏光状態とは異なる偏光状態の反射光または透過光を前記光路から取り出すためのビームスプリッターと、該ビームスプリッターにより前記光路から取り出された前記反射光または前記透過光の強度を検出するための光強度検出器とを有し、前記光強度検出器の出力に基づいて前記ビームスプリッターへの前記入射光の偏光状態を検出する。この場合、前記ビームスプリッターは、前記反射光または前記透過光に含まれるP偏光の強度IpとS偏光の強度Isとの強度比Ip/IsがIp/Is<1/2またはIp/Is>2の条件を満たすような反射特性または透過特性を有することが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記光源部からの光束に基づいて、前記照明光学装置の瞳面またはその近傍の面に所定の光強度分布を形成するための照明瞳分布形成手段を備え、前記照明瞳分布形成手段は、前記被照射面上における所定の一方向に対応する前記瞳面または前記その近傍の面での方向に沿って間隔を隔てた2つの光強度分布が高い領域を形成し、前記偏光状態切換手段は、前記2つの光強度分布が高い領域から前記被照射面を照明する光の偏光状態を、前記所定の一方向とほぼ直交する方向に偏光面を有する直線偏光状態に設定する。この場合、前記2つの光強度分布が高い領域は、前記照明光学装置の光軸に関して対称に形成され、前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に外接する外接円の直径φoと前記瞳面の直径φpとの比φo/φpとして定義される値σoは、0.7≦σoの条件を満足する。また、前記2つの光強度分布が高い領域は、前記照明光学装置の光軸に関して対称に形成され、前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に外接する外接円の直径φoと前記瞳面の直径φpとの比φo/φpとして定義される値をσoとし、前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に内接する内接円の直径φiと前記瞳面の直径φiとの比φi/φpとして定義される値をσiとするとき、0.5≦σi/σoの条件を満足することが好ましい。
本発明の第2形態では、光源部からの光に基づいて、特定の偏光状態のもとで被照射面を照明する照明光学装置において、
前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記光源部からの光を前記被照射面へ導く導光手段と、
前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面での偏光状態の変動を補正する偏光状態変動補正手段とを備えていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
第2形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態変動補正手段は、前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面での偏光状態を調整するための偏光状態調整手段と、前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて光の偏光状態を検出するための偏光モニターと、該偏光モニターの出力に応じて前記偏光状態調整手段を制御するための制御部とを備えている。この場合、前記偏光状態調整手段は、前記光源部と前記偏光モニターとの間の光路中に配置された調整可能な位相板を備えていることが好ましい。また、第2形態の好ましい態様によれば、前記導光手段は、入射する光の偏光状態を変化させて射出する特性を有する光学部材を備えていることが好ましい。ここで、前記光学部材は、結晶光学材料から形成されている。
本発明の第3形態では、光源部からの光に基づいて、被照射面を照明する照明光学装置において、
前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記光源部からの光を前記被照射面へ導く導光手段と、
前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面での偏光状態を安定化させる偏光状態安定化手段を備えることを特徴とする照明光学装置を提供する。
第3形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態安定化手段は、前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面での偏光状態を調整するための偏光状態調整手段と、前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて光の偏光状態を検出するための偏光モニターと、該偏光モニターの出力に応じて前記偏光状態調整手段を制御するための制御部とを備えている。この場合、前記偏光状態調整手段は、前記光源部と前記偏光モニターとの間の光路中に配置された調整可能な位相板を備えていることが好ましい。また、前記導光手段は、入射する光の偏光状態を変化させて射出する特性を有する光学部材を備えていることが好ましい。ここで、前記光学部材は、結晶光学材料から形成されている。
また、第3形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態安定化手段は、前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、立方晶系の結晶材料により形成された光透過部材を備えている。この場合、前記光透過部材は、光の進行方向が結晶方位<110>よりも結晶方位<111>または結晶方位<100>に近くなるように設定されていることが好ましい。また、前記光透過部材は、前記光路中に固定的に位置決めされた光学部材を有し、前記光学部材の光軸は、結晶方位<111>または結晶方位<100>にほぼ一致するように設定されていることが好ましい。あるいは、前記光透過部材は、裏面反射鏡としての直角プリズムを有し、前記直角プリズムの入射面および射出面は結晶面{100}にほぼ一致するように設定され、且つ前記直角プリズムの反射面は結晶面{110}にほぼ一致するように設定されていることが好ましい。あるいは、前記光透過部材は、前記光路中において光軸に対して傾斜可能に設けられて前記光軸に沿って入射する光線を平行移動させるための平行平面板を有し、前記平行平面板の光軸は、結晶方位<100>にほぼ一致するように設定されていることが好ましい。
本発明の第4形態では、光源部からの光に基づいて、特定の偏光状態のもとで被照射面を照明する照明光学装置の調整方法において、
1/4波長板の結晶光学軸が所定の角度位置となるように前記照明光学装置の照明光路中に設定すると共に、1/2波長板の結晶光学軸が所定の角度位置となるように前記照明光路中に設定する波長板設定工程を含み、
前記波長板設定工程は、前記1/4波長板の結晶光学軸および前記1/2波長板の結晶光学軸をそれぞれ変化させたときに前記偏光状態切換手段と前記被照射面との間の光路中において検出された光の偏光状態に関する検出結果に基づいて、入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための所要位置に前記1/4波長板の結晶光学軸を設定し、入射する直線偏光の光を所定方向に偏光面を有する直線偏光の光に変換するための基準位置に前記1/2波長板の結晶光学軸を設定することを特徴とする照明光学装置の調整方法を提供する。
第4形態の好ましい態様によれば、前記1/4波長板の結晶光学軸を変化させたときに前記検出結果においてストークスパラメータS1成分の変化のコントラストがほぼ最大になる第1角度位置に前記1/4波長板の結晶光学軸を設定し、前記1/4波長板の結晶光学軸を前記第1角度位置に設定した状態で前記1/2波長板の結晶光学軸を変化させたときに前記検出結果においてストークスパラメータS1成分がほぼ最大またはほぼ最小になる第2角度位置に前記1/2波長板の結晶光学軸を設定する。また、前記光源部からの光束に基づいて、前記照明光学装置の瞳面またはその近傍に所定の光強度分布を形成する照明瞳形成工程と、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更するための照明瞳変更工程と、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて、前記1/4波長板の結晶光学軸および前記1/2波長板の結晶光学軸の少なくとも一方を設定し直す波長板再設定工程とを含むことが好ましい。
本発明の第5形態では、第1形態〜第3形態に記載の照明光学装置または第4形態の調整方法により調整された照明光学装置を備え、マスクのパターンを前記被照射面に配置された感光性基板上に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
第5形態の好ましい態様によれば、前記マスクが設定される第1設定面と前記感光性基板が設定される第2設定面との間の光路中に配置されて、前記マスクのパターンの像を前記第2設定面上に形成する投影光学系と、前記投影光学系の瞳と共役な位置またはその近傍の位置に所定の光強度分布を形成する形成する瞳強度分布形成手段と、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更する瞳強度分布変更手段とを備えている。この場合、前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更するための偏光状態変更手段を備え、前記瞳強度分布変更手段は、前記マスクのパターン特性に応じて前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更し、前記偏光状態変更手段は、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更することが好ましい。また、この場合、前記偏光状態変更手段は、前記被照射面を照明する光の偏光状態を特定の偏光状態と非偏光状態との間で切り換えるための偏光状態切換手段を備え、該偏光状態切換手段は、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて、前記特定の偏光状態と前記非偏光状態との間で切り換えることが好ましい。
また、第5形態の好ましい態様によれば、前記瞳強度分布形成手段は、前記マスクに形成されたライン・アンド・スペース・パターンのピッチ方向に沿って間隔を隔てた2つの光強度分布の高い領域を形成し、前記偏光状態変更手段は、前記2つの光強度分布の高い領域から前記被照射面を照明する光の偏光状態を、前記ピッチ方向とほぼ直交する方向に偏光面を有する直線偏光状態に設定する。あるいは、前記瞳強度分布形成手段は、前記照明光学装置の光軸をほぼ中心とする1つの光強度分布の高い領域を形成し、前記偏光状態変更手段は、前記1つの光強度分布の高い領域から前記被照射面を照明する光の偏光状態を、前記マスクとしての位相シフトマスクに形成されたライン・アンド・スペース・パターンのピッチ方向とほぼ直交する方向に偏光面を有する直線偏光状態に設定することが好ましい。この場合、前記1つの光強度分布の高い領域の大きさφと前記瞳面との直径φpとの比φ/φpとして定義される値σは、σ≦0.4の条件を満足することが好ましい。
本発明の第6形態では、第1形態〜第3形態に記載の照明光学装置または第4形態の調整方法により調整された照明光学装置を介してマスクを照明する照明工程と、
前記マスクのパターンを前記被照射面に配置された感光性基板上に露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法を提供する。
第6形態の好ましい態様によれば、投影光学系を用いて前記マスクのパターンの像を形成する投影工程と、前記投影光学系の瞳と共役な位置またはその近傍の位置に所定の光強度分布を形成する形成する瞳強度分布形成工程と、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更する瞳強度分布変更工程とを備える。この場合、前記瞳強度分布変更工程では、前記マスクのパターン特性に応じて前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更し、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更する偏光状態変更工程をさらに含むことが好ましい。
また、第6形態の好ましい態様によれば、前記瞳強度分布形成工程では、前記マスクに形成されたライン・アンド・スペース・パターンのピッチ方向に沿って間隔を隔てた2つの光強度分布の高い領域を形成し、前記2つの光強度分布の高い領域から前記被照射面を照明する光の偏光状態を、前記ピッチ方向とほぼ直交する方向に偏光面を有する直線偏光状態に設定する工程をさらに含む。この場合、前記2つの光強度分布が高い領域は、前記照明光学装置の光軸に関して対称に形成され、前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に外接する外接円の直径φoと前記瞳面の直径φpとの比φo/φpとして定義される値σoは、0.7≦σoの条件を満足することが好ましい。また、前記2つの光強度分布が高い領域は、前記照明光学装置の光軸に関して対称に形成され、前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に外接する外接円の直径φoと前記瞳面の直径φpとの比φo/φpとして定義される値をσoとし、前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に内接する内接円の直径φiと前記瞳面の直径φiとの比φi/φpとして定義される値をσiとするとき、0.5≦σi/σoの条件を満足することが好ましい。
本発明の第7形態では、第1面に設定されるマスクのパターンを第2面に配置される感光性基板上に露光する露光方法において、
直線偏光の光を供給する第1工程と、
前記第1工程によって供給された光に基づいて前記マスクを照明する第2工程と、
前記第2工程によって照明されたマスクのパターンを前記感光性基板上に露光する第3工程と、
前記第2面上での光の偏光状態を特定の偏光状態と非偏光状態との間で切り換える第4工程とを含み、
前記第4工程は、入射する直線偏光の光を必要に応じて非偏光化するためのデポラライザを照明光路に対して挿脱する工程を含むことを特徴とする露光方法を提供する。
第7形態の好ましい態様によれば、前記第4工程は、直線偏光の偏光面を可変とする工程を含む。また、前記第3工程は、投影光学系を用いて前記マスクのパターンの像を第2面上に形成する工程を含み、前記投影光学系の瞳と共役な位置またはその近傍の位置に所定の光強度分布を形成する形成する第5工程と、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更する第6工程と、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更する第7工程とを含むことが好ましい。
本発明の第8形態では、第1面に設定されるマスクのパターンを第2面に配置される感光性基板上に露光する露光方法において、
光を供給する第1工程と、
前記第1工程によって供給された光に基づいて前記マスクを照明する第2工程と、
前記第2工程によって照明されたマスクのパターンを前記感光性基板上に露光する第3工程と、
前記第2面上での光の偏光状態の変動を補正する第4工程とを含むことを特徴とする露光方法を提供する。
第8形態の好ましい態様によれば、光の偏光状態を検出する第5工程をさらに含み、
前記第4工程は、前記第5工程にて検出された光の偏光状態に基づいて前記第2面上での偏光状態を調整する工程を含む。
本発明の第9形態では、光源部からの光に基づいて、特定の偏光状態のもとで被照射面を照明する照明光学装置において、
前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更する偏光状態変更手段と、
前記被照射面と実質的にフーリエ変換の関係にある照明瞳に形成される光強度分布の縦横比を変化させるための縦横比変化手段とを備えることを特徴とする照明光学装置を提供する。
第9形態の好ましい態様によれば、偏光状態変更手段は、前記被照射面を照明する光の偏光状態を特定の偏光状態と非偏光状態との間で切り換えるための偏光状態切換手段を備える。また、第9形態の好ましい態様によれば、縦横比変化手段は、前記照明瞳と実質的にフーリエ変換の関係にある位置またはその近傍に配置されて、直交する2つの方向のパワー比を変化させる機能を有する光学素子群を備えている。
本発明の第10形態では、第9形態に記載の照明光学装置を備え、マスクのパターンを前記被照射面に配置された感光性基板上に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
第10形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態変更手段は、前記マスクのパターン特性に応じて前記光の偏光状態を変更し、前記縦横比変化手段は、前記マスクのパターン特性に応じて照明瞳に形成される光強度分布の縦横比を変化させる。
本発明の第11形態では、第1面に設定されるマスクのパターンを第2面に設定される感光性基板上に露光する露光方法において、
特定の偏光状態の光を供給する第1工程と、
前記第1工程によって供給された光に基づいて前記マスクを照明する第2工程と、
前記第2工程によって照明されたマスクのパターンを前記感光性基板上に露光する第3工程と、
前記第2面上での光の偏光状態と変更する第4工程と、
前記第2面と実質的にフーリエ変換の関係にある照明瞳に形成される光強度分布の縦横比を変化させる第5工程とを含むことを特徴とする露光方法を提供する。
第11形態の好ましい態様によれば、前記第4工程では、前記マスクのパターン特性に応じて前記光の偏光状態を変更する。また、第11形態の好ましい態様によれば、前記第5工程では、前記マスクのパターン特性に応じて照明瞳に形成される光強度分布の縦横比を変化させる。
本発明の第12形態では、光源部からの光で被照射面を照明する照明光学装置において、
前記被照射面を照明する光の偏光状態を特定の偏光状態に設定するための偏光照明設定手段と、
前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されたオプティカルインテグレータとを備え、
前記オプティカルインテグレータは、所定の第1方向に沿ったピッチで配列された第1の1次元シリンドリカルレンズアレイと、前記第1方向と交差する第2方向に沿ったピッチで配列された第2の1次元シリンドリカルレンズアレイとを備えていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
第12形態の好ましい態様によれば、前記第1および第2の1次元シリンドリカルレンズアレイは1つの光透過性基板に一体に設けられている。また、第12形態の好ましい態様によれば、前記第1および第2の1次元シリンドリカルアレイを備えたシリンドリカルレンズアレイ板を複数備え、前記複数のシリンドリカルレンズアレイ板は、前記照明光学装置の光軸方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている。また、第12形態の好ましい態様によれば、前記第1の1次元シリンドリカルアレイの第1方向に沿ったピッチと前記第2の1次元シリンドリカルアレイの第2方向に沿ったピッチとの少なくとも一方は2mm以下のピッチを有する。
本発明の第13形態では、第12形態に記載の照明光学装置を備え、マスクのパターンを前記被照射面に配置された感光性基板上に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第14形態では、第12形態に記載の照明光学装置を用いてマスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターンを前記被照射面に配置された感光性基板上に露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法を提供する。
第1図は、本発明の実施形態にかかる照明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
第2A図は、輪帯照明において形成される輪帯状の二次光源を示す図である。
第2B図は、4極照明において形成される4極状の二次光源を示す図である。
第3A図および第3B図は、2極照明において形成される2極状の二次光源を示す図である。
第4図は、第1図の位相部材およびデポラライザの構成を概略的に示す図である。
第5図は、第1変形例にかかる偏光状態切換手段の構成を概略的に示す図である。
第6図は、第2変形例にかかる偏光状態切換手段の構成を概略的に示す図である。
第7図は、第3変形例にかかる偏光状態切換手段の構成を概略的に示す図である。
第8図は、変形例にかかるデポラライザの構成を概略的に示す図である。
第9図は、第1図において光源と偏光状態切換手段との間に配置されるビームマッチングユニットの内部構成を概略的に示す図である。
第10図は、蛍石の結晶方位について説明する図である。
第11図は、偏光状態切換手段において楕円偏光を直線偏光に変換するための1/4波長板を付設した例を概略的に示す図である。
第12図は、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
第13図は、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
第14図は、2極照明において直線偏光状態の光でマスクを照明する一例を概略的に説明する図である。
第15図は、円形照明において直線偏光状態の光でマスクを照明する一例を概略的に説明する図である。
第16図は、第1図の露光装置に照明光の偏光状態を検知するための偏光モニターを付設した構成を概略的に示す図である。
第17図は、第16図の偏光モニターの内部構成を概略的に示す斜視図である。
第18図は、第11図の偏光状態切換手段における1/4波長板の結晶光学軸および1/2波長板の結晶光学軸を調整する方法のフローチャートである。
第19図は、1/4波長板の結晶光学軸を−45度の標準角度位置に固定したときの、1/2波長板の結晶光学軸の各角度位置における偏光モニターの出力変化を示す図である。
第20図は、1/4波長板の結晶光学軸を各角度位置状態に設定したときの、1/2波長板の結晶光学軸の各角度位置における偏光モニターの出力変化を示す図である。
第21図は、1/4波長板の結晶光学軸の各角度位置状態における偏光モニターの出力コントラストの変化を示す図である。
第22図は、楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための第1角度位置に1/4波長板の結晶光学軸を固定したときの、1/2波長板の結晶光学軸の各角度位置における偏光モニターの出力変化を示す図である。
第23図は、第1図や第16図とは異なる構成の照明瞳分布形成手段を有する露光装置の構成を概略的に示す図である。
第24図は、第23図においてアフォーカルレンズの前側レンズ群と後側レンズ群との間の光路中に配置された円錐アキシコン系の構成を概略的に示す図である。
第25図は、第23図の変形例の輪帯照明において形成される二次光源に対する円錐アキシコン系の作用を説明する図である。
第26図は、第23図の変形例の輪帯照明において形成される二次光源に対するズームレンズの作用を説明する図である。
第27図は、第23図においてアフォーカルレンズの前側レンズ群と後側レンズ群との間の光路中に配置された第1シリンドリカルレンズ対および第2シリンドリカルレンズ対の構成を概略的に示す図である。
第28図は、第23図の変形例の輪帯照明において形成される二次光源に対する第1シリンドリカルレンズ対および第2シリンドリカルレンズ対の作用を説明する図である。
第29図は、第23図の変形例の輪帯照明において形成される二次光源に対する第1シリンドリカルレンズ対および第2シリンドリカルレンズ対の作用を説明する図である。
第30図は、第23図の変形例の輪帯照明において形成される二次光源に対する第1シリンドリカルレンズ対および第2シリンドリカルレンズ対の作用を説明する図である。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
第1図は、本発明の実施形態にかかる照明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。第1図において、感光性基板であるウェハWの法線方向に沿ってZ軸を、ウェハ面内において第1図の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハ面内において第1図の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。なお、第1図では、照明光学装置が輪帯照明を行うように設定されている。
本実施形態の露光装置は、露光光(照明光)を供給するためのレーザ光源1を備えている。レーザ光源1として、たとえば248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源や193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源などを用いることができる。レーザ光源1からZ方向に沿って射出されたほぼ平行な光束は、X方向に沿って細長く延びた矩形状の断面を有し、一対のレンズ2aおよび2bからなるビームエキスパンダ2に入射する。各レンズ2aおよび2bは、第1図の紙面内(YZ平面内)において負の屈折力および正の屈折力をそれぞれ有する。したがって、ビームエキスパンダ2に入射した光束は、第1図の紙面内において拡大され、所定の矩形状の断面を有する光束に整形される。
整形光学系としてのビームエキスパンダ2を介したほぼ平行な光束は、折り曲げミラー3でY方向に偏向された後、位相部材10、デポラライザ(非偏光化素子)20、および回折光学素子4を介して、アフォーカルズームレンズ5に入射する。位相部材10およびデポラライザ20の構成および作用については後述する。一般に、回折光学素子は、基板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。具体的には、回折光学素子4は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、そのファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に円形状の光強度分布を形成する機能を有する。
したがって、回折光学素子4を介した光束は、アフォーカルズームレンズ5の瞳位置に円形状の光強度分布、すなわち円形状の断面を有する光束を形成する。回折光学素子4は、照明光路から退避可能に構成されている。アフォーカルズームレンズ5は、アフォーカル系(無焦点光学系)を維持しながら所定の範囲で倍率を連続的に変化させることができるように構成されている。アフォーカルズームレンズ5を介した光束は、輪帯照明用の回折光学素子6に入射する。アフォーカルズームレンズ5は、回折光学素子4の発散原点と回折光学素子6の回折面とを光学的にほぼ共役に結んでいる。そして、回折光学素子6の回折面またはその近傍の面の一点に集光する光束の開口数は、アフォーカルズームレンズ5の倍率に依存して変化する。
輪帯照明用の回折光学素子6は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドにリング状の光強度分布を形成する機能を有する。回折光学素子6は、照明光路に対して挿脱自在に構成され、且つ4極照明用の回折光学素子60や円形照明用の回折光学素子61やX方向2極照明用の回折光学素子62やY方向2極照明用の回折光学素子63と切り換え可能に構成されている。4極照明用の回折光学素子60、円形照明用の回折光学素子61、X方向2極照明用の回折光学素子62、およびY方向2極照明用の回折光学素子63の構成および作用については後述する。
回折光学素子6を介した光束は、ズームレンズ7に入射する。ズームレンズ7の後側焦点面の近傍には、マイクロレンズアレイ(またはフライアイレンズ)8の入射面が位置決めされている。マイクロレンズアレイ8は、縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子である。一般に、マイクロレンズアレイは、たとえば平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。
ここで、マイクロレンズアレイを構成する各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。また、マイクロレンズアレイは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロレンズアレイはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。
上述したように、回折光学素子4を介してアフォーカルズームレンズ5の瞳位置に形成される円形状の光強度分布からの光束は、アフォーカルズームレンズ5から射出された後、様々な角度成分を有する光束となって回折光学素子6に入射する。すなわち、回折光学素子4は、角度光束形成機能を有するオプティカルインテグレータを構成している。一方、回折光学素子6は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドにリング状の光強度分布を形成する光束変換素子としての機能を有する。したがって、回折光学素子6を介した光束は、ズームレンズ7の後側焦点面に(ひいてはマイクロレンズアレイ8の入射面に)、たとえば光軸AXを中心とした輪帯状の照野を形成する。
マイクロレンズアレイ8の入射面に形成される輪帯状の照野の外径は、ズームレンズ7の焦点距離に依存して変化する。このように、ズームレンズ7は、回折光学素子6とマイクロレンズアレイ8の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に結んでいる。マイクロレンズアレイ8に入射した光束は二次元的に分割され、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面には、第2A図に示すように、入射光束によって形成される照野と同じ輪帯状の多数光源(以下、「二次光源」という)が形成される。
マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成された輪帯状の二次光源からの光束は、コンデンサー光学系9の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
本実施形態では、アフォーカルズームレンズ5の倍率が変化すると、輪帯状の二次光源の中心高さ(円形状の中心線の光軸AXからの距離)d0が変化することなく、その幅(外径(直径)と内径(直径)との差の1/2)w0だけが変化する。すなわち、アフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させることにより、輪帯状の二次光源の大きさ(外径)およびその形状(輪帯比:内径/外径)をともに変更することができる。
また、ズームレンズ7の焦点距離が変化すると、輪帯状の二次光源の輪帯比が変化することなく、中心高さd0およびその幅w0がともに変化する。すなわち、ズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、輪帯状の二次光源の輪帯比を変更することなくその外径を変更することができる。以上より、本実施形態では、アフォーカルズームレンズ5の倍率とズームレンズ7の焦点距離とを適宜変化させることにより、輪帯状の二次光源の外径を変化させることなくその輪帯比だけを変更することができる。
なお、回折光学素子6に代えて回折光学素子60を照明光路中に設定することによって4極照明を行うことができる。4極照明用の回折光学素子60は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドに4点状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、回折光学素子60を介した光束は、マイクロレンズアレイ8の入射面に、たとえば光軸AXを中心とした4つの円形状の照野からなる4極状の照野を形成する。その結果、第2B図に示すように、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面にも、その入射面に形成された照野と同じ4極状の二次光源が形成される。
4極照明においても輪帯照明の場合と同様に、アフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させることにより、4極状の二次光源の外径(4つの円形状の面光源に外接する円の直径)Doおよび輪帯比(4つの円形状の面光源に内接する円の直径Di/4つの円形状の面光源に外接する円の直径Do)をともに変更することができる。また、ズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、4極状の二次光源の輪帯比を変更することなくその外径を変更することができる。その結果、アフォーカルズームレンズ5の倍率とズームレンズ7の焦点距離とを適宜変化させることにより、4極状の二次光源の外径を変化させることなくその輪帯比だけを変更することができる。
また、回折光学素子4を照明光路から退避させるとともに、回折光学素子6または60に代えて円形照明用の回折光学素子61を照明光路中に設定することによって、通常の円形照明を行うことができる。この場合、アフォーカルズームレンズ5には光軸AXに沿って矩形状の断面を有する光束が入射する。アフォーカルズームレンズ5に入射した光束は、その倍率に応じて拡大または縮小され、矩形状の断面を有する光束のまま光軸AXに沿ってアフォーカルズームレンズ5から射出され、回折光学素子61に入射する。
ここで、円形照明用の回折光学素子61は、回折光学素子4と同様に、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールドに円形状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、回折光学素子61により形成された円形光束は、ズームレンズ7を介して、マイクロレンズアレイ8の入射面において光軸AXを中心とした円形状の照野を形成する。その結果、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面にも、光軸AXを中心とした円形状の二次光源が形成される。この場合、アフォーカルズームレンズ5の倍率またはズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、円形状の二次光源の外径を適宜変更することができる。
さらに、回折光学素子6、60または61に代えて回折光学素子62を照明光路中に設定することによってX方向2極照明を行うことができる。X方向2極照明用の回折光学素子62は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドに、X方向に沿って間隔を隔てた2点状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、回折光学素子62を介した光束は、マイクロレンズアレイ8の入射面に、たとえば光軸AXを中心としてX方向に沿って間隔を隔てた2つの円形状の照野からなる2極状の照野を形成する。その結果、第3A図に示すように、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面にも、その入射面に形成された照野と同じX方向に沿った2極状の二次光源が形成される。
また、回折光学素子6、60、61または62に代えて回折光学素子63を照明光路中に設定することによってY方向2極照明を行うことができる。Y方向2極照明用の回折光学素子63は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドに、Z方向(マスク上およびウェハ上においてY方向に対応)に沿って間隔を隔てた2点状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、回折光学素子63を介した光束は、マイクロレンズアレイ8の入射面に、たとえば光軸AXを中心としてZ方向に沿って間隔を隔てた2つの円形状の照野からなる2極状の照野を形成する。その結果、第3B図に示すように、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面にも、その入射面に形成された照野と同じZ方向に沿った2極状の二次光源が形成される。
2極照明においても4極照明の場合と同様に、アフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させることにより、2極状の二次光源の外径(2つの円形状の面光源に外接する円の直径)doおよび輪帯比(2つの円形状の面光源に内接する円の直径di/2つの円形状の面光源に外接する円の直径do)をともに変更することができる。また、ズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、2極状の二次光源の輪帯比を変更することなくその外径を変更することができる。その結果、アフォーカルズームレンズ5の倍率とズームレンズ7の焦点距離とを適宜変化させることにより、2極状の二次光源の外径を変化させることなくその輪帯比だけを変更することができる。
第4図は、第1図の位相部材およびデポラライザの構成を概略的に示す図である。第4図を参照すると、位相部材10は、光軸AXを中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/2波長板により構成されている。一方、デポラライザ20は、楔形状の水晶プリズム20aと、この水晶プリズム20aと相補的な形状を有する楔形状の石英プリズム20bとにより構成されている。水晶プリズム20aと石英プリズム20bとは、一体的なプリズム組立体として、照明光路に対して挿脱自在に構成されている。レーザ光源1としてKrFエキシマレーザ光源またはArFエキシマレーザ光源を用いている場合、これらの光源から射出される光の偏光度は典型的には95%以上の偏光度を有するため、1/2波長板10にはほぼ直線偏光の光が入射する。
1/2波長板10の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定された場合、1/2波長板10に入射した直線偏光の光は偏光面が変化することなくそのまま通過する。また、1/2波長板10の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定された場合、1/2波長板10に入射した直線偏光の光は偏光面が90度だけ変化した直線偏光の光に変換される。さらに、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定された場合、水晶プリズム20aに入射した直線偏光の光は非偏光状態の光に変換(非偏光化)される。
本実施形態では、デポラライザ20が照明光路中に位置決めされたときに水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように構成されている。ちなみに、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定された場合、水晶プリズム20aに入射した直線偏光の光は偏光面が変化することなくそのまま通過する。また、1/2波長板10の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して22.5度の角度をなすように設定された場合、1/2波長板10に入射した直線偏光の光は、偏光面が変化することなくそのまま通過する直線偏光成分と偏光面が90度だけ変化した直線偏光成分とを含む非偏光状態の光に変換される。
本実施形態では、上述したように、レーザ光源1からの直線偏光の光が1/2波長板10に入射するが、以下の説明を簡単にするために、P偏光(第1図中で1/2波長板の位置においてZ方向に偏光面を持つ直線偏光、以下Z方向偏光と称する)の光が1/2波長板10に入射するものとする。デポラライザ20を照明光路中に位置決めした場合、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が変化することなくP偏光(Z方向偏光)のまま通過して水晶プリズム20aに入射する。水晶プリズム20aの結晶光学軸は入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45度の角度をなすように設定されているので、水晶プリズム20aに入射したP偏光(Z方向偏光)の光は非偏光状態の光に変換される。
水晶プリズム20aを介して非偏光化された光は、光の進行方向を補償するためのコンペンセータとしての石英プリズム20bを介して、非偏光状態でマスクM(ひいてはウェハW)を照明する。一方、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が90度だけ変化し、S偏光(第1図中で1/2波長板の位置においてX方向に偏光面を持つ直線偏光、以下X方向偏光と称する)の光になって水晶プリズム20aに入射する。水晶プリズム20aの結晶光学軸は入射するS偏光(X方向偏光)の偏光面に対しても45度の角度をなすように設定されているので、水晶プリズム20aに入射したS偏光(X方向偏光)の光は非偏光状態の光に変換され、石英プリズム20bを介して、非偏光状態でマスクMを照明する。
これに対し、デポラライザ20を照明光路から退避させた場合、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が変化することなくP偏光(Z方向偏光)のまま通過し、P偏光(Z方向偏光)状態の光でマスクMを照明する。一方、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光の光は偏光面が90度だけ変化してS偏光の光になり、S偏光(X方向偏光)状態の光でマスクMを照明する。
以上のように、本実施形態では、デポラライザ20を照明光路中に挿入して位置決めすることにより、非偏光状態でマスクMを照明することができる。また、デポラライザ20を照明光路から退避させ且つ1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定することにより、P偏光(Y方向偏光)状態でマスクMを照明することができる。さらに、デポラライザ20を照明光路から退避させ且つ1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45度をなすように設定することにより、S偏光(X方向偏光)状態でマスクMを照明することができる。
換言すれば、本実施形態では、1/2波長板10とデポラライザ20とからなる偏光状態切換手段の作用により、被照射面としてのマスクM(ひいてはウェハW)を照明する光の偏光状態を直線偏光状態と非偏光状態との間で切り換えることができ、直線偏光の光で照明する場合にはP偏光状態とS偏光状態との間(互いに直交する偏光状態の間)で切り換える(直線偏光の偏光面を可変とする)ことができる。その結果、本実施形態では、マスクMのパターン特性に応じて光量損失を抑えつつ照明光の偏光状態を変化させて適切な照明条件を実現することができるので、マスクMのパターン特性に応じて実現された適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができる。特に、直線偏光の光で照明する場合には、光源1からの直線偏光を偏光状態切換手段において実質的に光量損失することなく被照射面へ導くことができる。
具体的には、たとえばX方向2極照明に設定するとともに、マスクM上においてX方向に沿って偏光面を有する直線偏光状態の光でマスクMを照明することにより、ウェハW上のクリティカルレイヤにおけるX方向に沿った線幅の非常に小さいパターンを忠実に露光することができる。次いで、たとえばY方向2極照明に切り換えるとともに、マスクM上においてY方向に沿って偏光面を有する直線偏光状態の光でマスクMを照明することにより、ウェハW上の同じクリティカルレイヤにおけるY方向に沿った線幅の非常に小さいパターンを忠実に露光することができる。
さらに、クリティカルレイヤにおける二重露光が終了した後に、たとえば2極照明のままで、あるいは4極照明や輪帯照明や円形照明に切り換えるとともに、非偏光状態の光でマスクMを照明することにより、ウェハW上のノンクリティカルレイヤ(ミドルレイヤまたはラフレイヤ)における線幅の比較的大きい二次元パターンを高スループットで露光することができる。ただし、これは一例であって、一般的には、マスクMのパターン特性に応じて、二次光源の適切な形状または大きさを設定し、且つマスクMを照明する光を適切な偏光状態に設定することにより、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができる。
実際に、ウェハWに対してP偏光の光線が斜入射する場合とウェハWに対してS偏光の光線が斜入射する場合とでは、ウェハW上に形成されたレジスト層の表面における散乱が異なる。具体的には、S偏光の方がP偏光よりも反射率が高く、したがってP偏光の方がS偏光よりもレジスト層の内部へ深く達する。このようなレジスト層に対するP偏光とS偏光との光学特性の相違を利用し、マスクMのパターン特性に応じて照明光の偏光状態を変化させて適切な照明条件を実現すれば、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができることになる。
なお、上述の実施形態では、入射する直線偏光の光の偏光面を必要に応じて変化させるための位相部材としての1/2波長板10を光源側に配置し、入射する直線偏光の光を必要に応じて非偏光化するためのデポラライザ20をマスク側に配置している。しかしながら、これに限定されることなく、デポラライザ20を光源側に配置し且つ1/2波長板10をマスク側に配置しても同じ光学的な作用効果を得ることができる。
また、上述の実施形態では、水晶プリズム20aを介した光の進行方向を補償するためのコンペンセータとして石英プリズム20bを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、KrFエキシマレーザ光やArFエキシマレーザ光に対して耐久性の高い光学材料、たとえば水晶や蛍石などにより形成された楔形状のプリズムをコンペンセータとして用いていることもできる。この点は、他の関連する変形例においても同様である。
第5図は、第1変形例にかかる偏光状態切換手段の構成を概略的に示す図である。第5図の第1変形例にかかる偏光状態切換手段は、第4図の実施形態にかかる偏光状態切換手段と類似の構成を有する。しかしながら、第4図の実施形態ではデポラライザ20が照明光路に対して挿脱自在に構成されているのに対し、第5図の第1変形例ではデポラライザ20を構成する水晶プリズム20aと石英プリズム20bとが一体的に光軸AXを中心として回転自在に構成され、ひいては水晶プリズム20aの結晶光学軸が光軸AXを中心として回転自在に構成されている点が基本的に相違している。以下、第4図の実施形態との相違点に着目して、第5図の第1変形例を説明する。
第1変形例では、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が変化することなくP偏光(Z方向偏光)のまま通過して水晶プリズム20aに入射する。このとき、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、水晶プリズム20aに入射したP偏光(Z方向偏光)の光は非偏光状態の光に変換され、石英プリズム20bを介して非偏光状態でマスクMを照明する。また、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、水晶プリズム20aに入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が変化することなくP偏光(Z方向偏光)のまま通過し、石英プリズム20bを介してP偏光状態(Y方向偏光)でマスクMを照明する。
一方、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が90度だけ変化し、S偏光(X方向偏光)の光になって水晶プリズム20aに入射する。このとき、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、水晶プリズム20aに入射したS偏光(X方向偏光)の光は非偏光状態の光に変換され、石英プリズム20bを介して非偏光状態でマスクMを照明する。一方、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射するS偏光(X方向偏光)の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、水晶プリズム20aに入射したS偏光(X方向偏光)の光は偏光面が変化することなくS偏光(X方向偏光)のまま通過し、石英プリズム20bを介してS偏光(X方向偏光)状態でマスクMを照明する。
以上のように、第5図の第1変形例では、1/2波長板10の光軸AX廻りの回転と水晶プリズム20aの光軸AX廻りの回転との組み合わせにより、マスクMを照明する光の偏光状態を直線偏光状態と非偏光状態との間で切り換えることができ、直線偏光の光で照明する場合にはP偏光状態とS偏光状態との間で切り換えることができる。なお、第5図の第1変形例においても、1/2波長板10を光源側に配置し且つデポラライザ20をマスク側に配置しているが、デポラライザ20を光源側に配置し且つ1/2波長板10をマスク側に配置しても同じ光学的な作用効果を得ることができる。
第6図は、第2変形例にかかる偏光状態切換手段の構成を概略的に示す図である。第6図の第2変形例にかかる偏光状態切換手段は、第4図の実施形態にかかる偏光状態切換手段と類似の構成を有する。しかしながら、第4図の実施形態ではデポラライザ20が照明光路に対して挿脱自在に構成されているのに対し、第6図の第2変形例ではデポラライザ20が照明光路中に固定的に位置決めされている点が基本的に相違している。以下、第4図の実施形態との相違点に着目して、第6図の第2変形例を説明する。
第2変形例では、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように位置決めされている。したがって、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が変化することなくP偏光(Z方向偏光)のまま通過して水晶プリズム20aに入射する。水晶プリズム20aの結晶光学軸は入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように位置決めされているので、水晶プリズム20aに入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が変化することなくP偏光(Z方向偏光)のまま通過し、石英プリズム20bを介してP偏光(Y方向偏光)状態でマスクMを照明する。
また、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が90度だけ変化し、S偏光(X方向偏光)の光になって水晶プリズム20aに入射する。水晶プリズム20aの結晶光学軸は入射するS偏光(X方向偏光)の偏光面に対しても0度または90度の角度をなすように位置決めされているので、水晶プリズム20aに入射したS偏光(X方向偏光)の光は偏光面が変化することなくS偏光(X方向偏光)のまま通過し、石英プリズム20bを介してS偏光(X方向偏光)状態でマスクMを照明する。
さらに、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して22.5度の角度をなすように設定すると、前述したように、1/2波長板10に入射したP偏光の光は偏光面が変化することなくそのまま通過するP偏光(Z方向偏光)成分と偏光面が90度だけ変化したS偏光(X方向偏光)成分とを含む非偏光状態の光に変換されて、水晶プリズム20aに入射する。水晶プリズム20aの結晶光学軸は入射するP偏光成分の偏光面に対してもS偏光(X方向偏光)成分の偏光面に対しても0度または90度の角度をなすように位置決めされているので、水晶プリズム20aに入射したP偏光(Z方向偏光)成分もS偏光(X方向偏光)成分も偏光面が変化することなく通過し、石英プリズム20bを介して非偏光状態でマスクMを照明する。
以上のように、第6図の第2変形例では、デポラライザ20を照明光路中に固定的に位置決めした状態で1/2波長板10を光軸AX廻りに適宜回転させることにより、マスクMを照明する光の偏光状態を直線偏光状態と非偏光状態との間で切り換えることができ、直線偏光の光で照明する場合にはP偏光状態とS偏光状態との間で切り換えることができる。なお、第6図の第2変形例においても、1/2波長板10を光源側に配置し且つデポラライザ20をマスク側に配置しているが、デポラライザ20を光源側に配置し且つ1/2波長板10をマスク側に配置しても同じ光学的な作用効果を得ることができる。
第7図は、第3変形例にかかる偏光状態切換手段の構成を概略的に示す図である。第7図の第3変形例にかかる偏光状態切換手段は、第5図の第1変形例にかかる偏光状態切換手段と類似の構成を有する。しかしながら、第5図の第1変形例では偏光状態切換手段が1/2波長板10とデポラライザ20とにより構成されているのに対し、第7図の第3変形例では偏光状態切換手段が光軸AXを中心として回転自在なデポラライザ20のみにより構成されている点が基本的に相違している。以下、第5図の第1変形例との相違点に着目して、第7図の第3変形例を説明する。
第3変形例では、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、水晶プリズム20aに入射したP偏光の光は非偏光状態の光に変換され、石英プリズム20bを介して非偏光状態でマスクMを照明する。一方、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、水晶プリズム20aに入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が変化することなくP偏光(Z方向偏光)のまま通過し、石英プリズム20bを介してP偏光(Y方向偏光)状態でマスクMを照明する。
以上のように、第7図の第3変形例では、水晶プリズム20aを光軸AX廻りに適宜回転させることにより、マスクMを照明する光の偏光状態を直線偏光状態と非偏光状態との間で切り換えることができる。なお、第7図の第3変形例では、デポラライザ20を光軸AX廻りに回転自在に構成するとともに照明光路に対して挿脱自在に構成し、デポラライザ20を照明光路から退避させることによりP偏光状態でマスクMを照明するように設定しても、同じ光学的な作用効果を得ることができる。
第8図は、変形例にかかるデポラライザの構成を概略的に示す図である。上述の実施形態および第1変形例〜第3変形例では、デポラライザ20が水晶プリズム20aを有する構成を採用しているが、第8図の変形例に示すように、偏光ビームスプリッター21aと反射系(21b〜21e)とによりデポラライザ21を構成することもできる。第8図を参照すると、デポラライザ21は、照明光路中に配置された偏光ビームスプリッター21aを備えている。偏光ビームスプリッター21aに入射した光のうち、偏光ビームスプリッター21aの偏光分離面に対してP偏光の光(図中においてその偏光方向を両矢印で示す)は偏光ビームスプリッター21aを透過する。
一方、偏光ビームスプリッター21aの偏光分離面に対してS偏光の光(図中においてその偏光方向を点で示す)は、偏光ビームスプリッター21aで反射された後、4つの反射鏡21b〜21eにより構成された反射系の作用により、第8図の紙面に平行な平面内において4回だけ反射されて偏光ビームスプリッター21aに戻る。ここで、反射系(21b〜21e)は、偏光ビームスプリッター21aを透過したP偏光の光の光路と偏光ビームスプリッター21aで最終的に反射されたS偏光の光の光路とがほぼ一致するように構成されている。こうして、偏光ビームスプリッター21aを透過したP偏光の光と偏光ビームスプリッター21aで最終的に反射されたS偏光の光とはほぼ同一の光路に沿ってデポラライザ21から射出される。ただし、S偏光の光はP偏光の光に対して反射系(21b〜21e)の光路長だけ遅延される。
偏光ビームスプリッター21aと反射系(21b〜21e)とにより構成されたデポラライザ21は、水晶プリズム20aと石英プリズム20bとにより構成されたデポラライザ20と基本的に等価な光学的作用を有する。したがって、実施形態および第1変形例〜第3変形例におけるデポラライザ20を、第8図の変形例にかかるデポラライザ21で置換することができる。すなわち、第4図の実施形態にデポラライザ21を適用する場合、偏光ビームスプリッター21aと反射系(21b〜21e)とを、照明光路に対して一体的に挿脱自在に構成することになる。
また、第5図の第1変形例または第7図の第3変形例にデポラライザ21を適用する場合、偏光ビームスプリッター21aと反射系(21b〜21e)とを、光軸AXを中心として一体的に回転自在に構成することになる。さらに、第6図の第2変形例にデポラライザ21を適用する場合、偏光ビームスプリッター21aと反射系(21b〜21e)とを照明光路中に固定的に位置決めすることになる。
第8図の変形例にかかるデポラライザ21では、反射系(21b〜21e)の光路長を照明光(露光光)の可干渉距離よりも実質的に大きく設定することにより、マスクMを照明するレーザ光のコヒーレンシィ(干渉性)の低減を図り、ひいてはウェハW上におけるスペックルのコントラストの低減を図ることができる。なお、偏光ビームスプリッターと反射系とを備えて本発明に適用可能なデポラライザの詳細な構成およびその様々な変形例については、たとえば特開平11−174365号公報、特開平11−312631号公報、特開2000−223396号公報などを参照することができる。
第9図は、第1図において光源と偏光状態切換手段との間に配置されるビームマッチングユニットの内部構成を概略的に示す図である。第9図に示すビームマッチングユニットBMUにおいて、レーザ光源1(例えばKrFエキシマレーザ光源またはArFエキシマレーザ光源)から供給された平行ビームは、一対の偏角プリズム31および平行平面板32を介した後に、ビームエキスパンダ2に入射する。レーザ光源1は、たとえば下階の床版A上に設置されている。
ここで、一対の偏角プリズム31のうちの少なくとも一方は、光軸AXを中心として回転可能に構成されている。したがって、一対の偏角プリズム31を光軸AX廻りに相対回転させることにより、光軸AXに対する平行ビームの角度を調整することができる。すなわち、一対の偏角プリズム31は、レーザ光源1から供給された平行ビームの光軸AXに対する角度を調整するためのビーム角度調整手段を構成している。また、平行平面板32は、光軸AXに垂直な面内において直交する2つの軸線廻りに回転可能に構成されている。
したがって、平行平面板32を各軸線廻りに回転させて光軸AXに対して傾斜させることにより、平行ビームを光軸AXに対して平行移動させることができる。すなわち、平行平面板32は、レーザ光源1から供給された平行ビームを光軸AXに対して平行移動させるためのビーム平行移動手段を構成している。こうして、一対の偏角プリズム31および平行平面板32を介したレーザ光源1からの平行ビームは、ビームエキスパンダ2を介して所定の断面形状を有する平行ビームに拡大整形された後に、第1直角プリズム33に入射する。
裏面反射鏡としての第1直角プリズム33によって鉛直方向に偏向された平行ビームは、同じく裏面反射鏡としての第2直角プリズム34〜第5直角プリズム37で順次反射された後に、上階の床版Bの開口部を通過して第6直角プリズム38に入射する。第9図に示すように、第2直角プリズム34〜第5直角プリズム37は、第1直角プリズム33によって鉛直方向に偏向されて第6直角プリズム38に向かう平行ビームが、例えば純水供給用の配管や換気用の配管39などを迂回するように配置されている。
裏面反射鏡としての第6直角プリズム38によって水平方向に偏向されたビームは、ハーフミラー40に入射する。ハーフミラー40で反射されたビームは、位置ずれ傾き検出系41に導かれる。一方、ハーフミラー40を透過したビームは、1/2波長板10とデポラライザ20とからなる偏光状態切換手段42に導かれる。位置ずれ傾き検出系41では、偏光状態切換手段42に入射する(ひいてはオプティカルインテグレータとしての回折光学素子4に入射する)平行ビームの光軸AXに対する位置ずれおよび傾きが検出される。
ここで、レーザ光源1として例えばArFエキシマレーザ光源を用いる場合、エネルギ密度の高い光の照射を受ける光透過部材に蛍石を用いて所要の耐久性を確保するのが一般的である。この場合、後述するように、蛍石で形成された光透過部材を透過する際に直線偏光の偏光面が短期的に且つ長期的に変化することがある。蛍石で形成された光透過部材を介して直線偏光の偏光面が変化すると、水晶プリズム20aが非偏光化素子として機能しなくなってしまう。
第10図は、蛍石の結晶方位について説明する図である。第10図を参照すると、蛍石の結晶方位は、立方晶系の結晶軸aに基づいて規定される。すなわち、結晶軸+aに沿って結晶方位[100]が、結晶軸+aに沿って結晶方位[010]が、結晶軸+aに沿って結晶方位[001]がそれぞれ規定される。また、a平面において結晶方位[100]および結晶方位[001]と45度をなす方向に結晶方位[101]が、a平面において結晶方位[100]および結晶方位[010]と45度をなす方向に結晶方位[110]が、a平面において結晶方位[010]および結晶方位[001]と45度をなす方向に結晶方位[011]がそれぞれ規定される。さらに、結晶軸+a、結晶軸+aおよび結晶軸+aに対して等しい鋭角をなす方向に結晶方位[111]が規定される。第10図では、結晶軸+a、結晶軸+aおよび結晶軸+aで規定される空間における結晶方位のみを図示しているが、他の空間においても同様に結晶方位が規定される。
本願発明者の検証によれば、蛍石で形成された光透過部材において、光の進行方向が結晶方位[111]またはこれと結晶構造上等価な結晶方位にほぼ一致していれば、この光透過部材を介して直線偏光の偏光面が実質的に変化することはない。同様に、光の進行方向が結晶方位[100]またはこれと結晶構造上等価な結晶方位にほぼ一致していれば、蛍石で形成された光透過部材を介して直線偏光の偏光面が実質的に変化することはない。これに対し、光の進行方向が結晶方位[110]またはこれと結晶構造上等価な結晶方位にほぼ一致していると、蛍石で形成された光透過部材を介して直線偏光の偏光面が短期的に且つ長期的に変化する。
なお、本願明細書中において、「ある結晶方位と結晶構造上等価な結晶方位」とは、ある結晶方位に対して、当該結晶方位の指数の順序を入れ替えた結晶方位と、さらにそれらの各指数の少なくとも一部についての符号を反転した結晶方位であり、例えばある結晶方位が[uvw]である場合は、[uwv]、[vuw]、[vwu]、[wuv]、[wvu]、[−uvw]、[−uwv]、[−vuw]、[−vwu]、[−wuv]、[−wvu]、[u−vw]、[u−wv]、[v−uw]、[v−wu]、[w−uv]、[w−vu]、[uv−w]、[uw−v]、[vu−w]、[vw−u]、[wu−v]、[wv−u]、[−u−vw]、[−u−wv]、[−uv−w]、[−uw−v]、[−v−uw][−v−wu]、[−vu−w][−vw−u]、[−w−uv]、[−w−vu]、[−wu−v]、[−wv−u]、[u−v−w]、[u−w−v]、[v−u−w]、[v−w−u]、[w−u−v]、[w−v−u]、[−u−v−w]、[−u−w−v]、[−v−u−w]、[−v−w−u]、[−w−u−v]、[−w−v−u]が結晶構造上等価な結晶方位である。また、本願明細書では、結晶方位[uvw]およびこれと結晶構造上等価な結晶方位を結晶方位<uvw>と表記している。また、結晶方位[uvw]およびこれと結晶構造上等価な結晶方位と直交する面、すなわち結晶面(uvw)およびこれと結晶構造上等価な結晶面を結晶面{uvw}と表記している。
本実施形態では、レーザ光源1と偏光状態切換手段42との間の光路中に配置されて蛍石により形成された光透過部材において、光の進行方向が結晶方位<110>よりも結晶方位<111>または結晶方位<100>に近くなるように設定している。具体的には、ビームエキスパンダ2を構成するレンズ成分(2a,2b)のように光路中に固定的に位置決めされた光学部材が蛍石により形成されている場合、その光学部材の光軸が結晶方位<111>または結晶方位<100>にほぼ一致するように設定している。
この場合、レーザ光が結晶方位<111>または結晶方位<100>にほぼ沿って透過するので、レンズ成分(2a,2b)を透過する直線偏光の偏光面は実質的に変化しない。同様に、一対の偏角プリズム31が蛍石により形成されている場合も、その光軸が結晶方位<111>または結晶方位<100>にほぼ一致するように設定することにより、透過する直線偏光の偏光面の変化を実質的に回避することができる。
また、裏面反射鏡としての直角プリズム33〜38が蛍石により形成されている場合、直角プリズム33〜38の入射面および射出面が結晶面{100}にほぼ一致するように設定し、且つ直角プリズム33〜38の反射面が結晶面{110}にほぼ一致するように設定している。この場合、レーザ光が結晶方位<100>にほぼ沿って透過するので、直角プリズム33〜38を透過する直線偏光の偏光面は実質的に変化しない。
また、光路中において光軸AXに対して傾斜可能に設けられて光軸AXに沿って入射する光線を平行移動させるビーム平行移動手段としての平行平面板32が蛍石により形成されている場合、平行平面板32の光軸が結晶方位<100>にほぼ一致するように設定している。これは、結晶方位<111>と結晶方位<110>とが約35度の角度をなしているのに対し、結晶方位<100>と結晶方位<110>とが45度の角度をなしているためである。
平行平面板32の光軸を結晶方位<111>にほぼ一致させると、すなわちその光学面を結晶面{111}にほぼ一致させると、平行平面板32を光軸AXに対して最大限に(たとえば30度程度)傾斜させたときに、その内部を通過するレーザ光の進行方向が結晶方位<110>に近付くことになる。しかしながら、平行平面板32の光軸を結晶方位<100>にほぼ一致させれば、すなわちその光学面を結晶面{100}にほぼ一致させれば、平行平面板32を光軸AXに対して最大限に(たとえば30度程度)傾斜させても、その内部を通過するレーザ光の進行方向が結晶方位<110>からある程度離れた状態を確保することができる。その結果、平行平面板32の光軸を結晶方位<100>にほぼ一致させることにより、その姿勢に関わらず平行平面板32を透過する直線偏光の偏光面の変化を良好に回避することができる。
なお、上述の説明では、レーザ光源1と偏光状態切換手段42との間の光路中に配置された光透過部材を透過する直線偏光の偏光面の変化を回避するために、光の進行方向が結晶方位<110>よりも結晶方位<111>または結晶方位<100>に近くなるように設定している。しかしながら、これに限定されることなく、さらに偏光状態切換手段42と被照射面であるマスクM(ひいてはウェハW)との間の光路中に配置された光透過部材に対しても同様の設定を行うことにより、照明光路の全体に亘って蛍石に起因する直線偏光の偏光面の変化を回避することが好ましい。
また、上述の説明では、蛍石により形成された光透過部材を透過する直線偏光の偏光面の変化を回避するために、光の進行方向が結晶方位<110>よりも結晶方位<111>または結晶方位<100>に近くなるように設定している。しかしながら、蛍石に限定されることなく、たとえばフッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化マグネシウムのような立方晶系の結晶材料により形成された光透過部材に対しても同様の設定を行うことにより、当該結晶材料に起因する直線偏光の偏光面の変化を回避することができる。
ところで、第9図に示すビームマッチングユニットBMUには、複数(第9図では例示的に6つ)の直角プリズム33〜38が配置されている。一般に、レーザ光源1がKrFエキシマレーザ光源であってもArFエキシマレーザ光源であっても、裏面反射鏡としての直角プリズムに直線偏光が入射する場合、入射する直線偏光の偏光面がP偏光面またはS偏光面に一致していない(入射する直線偏光が反射面に対してP偏光またはS偏光となっていない)と、直角プリズムでの全反射により直線偏光が楕円偏光に変わってしまう。本実施形態の偏光状態切換手段42では、直線偏光が入射することを前提としており、楕円偏光が入射すると所要の作用を奏することができない。
そこで、本実施形態では、第11図に示すように、入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための第2位相部材として、たとえば光軸AXを中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/4波長板11を、偏光状態切換手段42において1/2波長板10の光源側(図中左側)に付設することが好ましい。この場合、たとえば直角プリズムに起因して楕円偏光が偏光状態切換手段42に入射することがあっても、入射する楕円偏光の特性に応じて1/4波長板11の結晶光学軸を設定することにより、1/2波長板10に直線偏光を入射させて偏光状態切換手段42の本来の動作を維持することができる。なお、第11図では、1/2波長板10の光源側に1/4波長板11を配置しているが、1/2波長板10のマスク側(図中右側)に1/4波長板11を配置することもできる。
なお、上述の説明では、蛍石により形成された光透過部材を透過する直線偏光の偏光面の変化を回避する手法、および直角プリズムなどに起因して楕円偏光が入射しても偏光状態切換手段の本来の動作を維持する手法を、第1図〜第4図に関連する本実施形態に適用している。しかしながら、これに限定されることなく、第5図〜第8図に関連する変形例に対しても同様に、これらの手法を適用することができる。
また、上述の説明では、蛍石などの立方晶系の結晶材料により形成された光透過部材を透過する直線偏光の偏光面の変化(偏光状態の変動)を回避するために、当該結晶材料の結晶方位の設定を行っている。この手法に代えて、あるいはこの手法に加えて、立方晶系の結晶材料により形成された光透過部材を、たとえば米国特許公開US2002/0163741A号(あるいはWO02/16993号公報)に開示される手法を用いてキネマティックに保持しても良い。これにより、蛍石などの立方晶系の結晶材料により形成された光透過部材にエネルギ密度が高い光が通過する際に生じる熱に起因して当該光透過部材が膨張(収縮)した場合であっても、この光透過部材に生じる応力複屈折の発生を抑えることが可能となり、この光透過部材を透過する直線偏光の偏光面の変化(偏光状態の変動)を抑えることが可能となる。
次に、具体的にどのようなマスクパターンに対してどのような偏光状態の光でマスクを照明することにより、投影光学系の結像性能(焦点深度や解像力など)を向上させて良好で忠実な転写を行うことができるかという点について例示的に説明する。まず、たとえば2極照明(一般には間隔を隔てた2つの光強度分布が高い領域を瞳面またはその近傍に形成する照明)の場合、第14図に示すように、マスクに形成されたライン・アンド・スペース・パターン141のピッチ方向(x方向:マスク上のX方向に対応)に沿って間隔を隔てた2つの面光源142aおよび142bを形成し、2つの面光源142aと142bとが間隔を隔てている方向(x方向:瞳面上のX方向に対応)と直交する方向(y方向:瞳面上のZ方向に対応)に偏光面(図中両方向矢印F1で示す)を有する直線偏光状態の光でマスクを照明することにより、マスクパターン141に対して投影光学系の結像性能の向上を図ることができる。ちなみに、縦方向パターンと横方向パターンとが混在するような二次元マスクパターンに対しては、たとえば非偏光状態の光でマスクを照明することにより、縦方向パターンと横方向パターンとの間に線幅異常を発生させることなくパターン転写を高スループットで行うことができる。
特に、上述の2極照明において投影光学系の結像性能の十分な向上を図るには、2つの面光源142aと142bとを光軸AXに関して対称に形成し、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
0.7≦σo (1)
条件式(1)において、σoはφo/φpとして定義される値(通称、外側σ)である。ここで、第14図に示すように、φoは光軸AXを中心として2つの面光源142aおよび142bに外接する外接円の直径であり、φpは瞳面143の直径である。なお、投影光学系の結像性能のさらなる向上を図るには、条件式(1)の下限値を0.9に設定することが望ましい。
また、上述の2極照明において投影光学系の結像性能の十分な向上を図るには、2つの面光源142aと142bとを光軸AXに関して対称に形成し、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
0.5≦σi/σo (2)
条件式(2)において、σiはφi/φpとして定義される値(通称、内側σ)であり、σoは上述したようにφo/φpとして定義される外側σである。ここで、第14図に示すように、φiは、光軸AXを中心として2つの面光源142aおよび142bに内接する内接円の直径である。なお、投影光学系の結像性能のさらなる向上を図るには、条件式(2)の下限値を0.67(≒2/3)に設定することが望ましい。
次に、たとえば円形照明(一般には光軸をほぼ中心とする1つの光強度分布の高い領域を瞳面またはその近傍に形成する照明)の場合、マスクとして位相シフトマスクを用いるとともに、第15図に示すように、位相シフトマスクに形成されたライン・アンド・スペース・パターン151のピッチ方向(x方向:マスク上のX方向に対応)と直交する方向(y方向:瞳面上のZ方向に対応)に偏光面(図中両方向矢印F2で示す)を有する直線偏光状態の光でマスクを照明することにより、マスクパターン151に対して投影光学系の結像性能の向上を図ることができる。ちなみに、円形照明においても2極照明の場合と同様に、縦方向パターンと横方向パターンとが混在するような二次元マスクパターンに対しては、たとえば非偏光状態の光でマスクを照明することにより、縦方向パターンと横方向パターンとの間に線幅異常を発生させることなくパターン転写を高スループットで行うことができる。
特に、上述の円形照明において投影光学系の結像性能の十分な向上を図るには、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
σ≦0.4 (3)
条件式(3)において、σはΦ/φpとして定義される値(通称、σ値)である。ここで、第15図に示すように、φは円形状の面光源152の直径(一般には1つの光強度分布の高い領域の大きさ)であり、φpは上述したように瞳面153の直径である。なお、投影光学系の結像性能のさらなる向上を図るには、条件式(3)の上限値を0.3に設定することが望ましい。
次に、本発明において実質的な直線偏光状態または実質的な非偏光状態とみなされる光が満足すべき条件について説明する。まず、本発明において実質的な直線偏光状態の光とみなされる光のストークスパラメータのS1成分は、次の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.6≦|S1| (4)
また、本発明において実質的な非偏光状態の光とみなされる光のストークスパラメータのS1成分およびS2成分は、次の条件式(5)および(6)を満足することが好ましい。
|S1|≦0.1 (5)
|S2|≦0.1 (6)
なお、実質的な直線偏光状態の光をさらに十分な直線偏光に近づけるためには、条件式(4)の下限値を0.8に設定することがさらに好ましい。たとえば光源を波長193nmの光を供給するArFエキシマレーザとし、投影光学系PLの像側における開口数を0.92とした場合、65nmのライン・アンド・スペース・パターンの6%ハーフトーンレチクル(マスク誤差±2nm)を用い、第14図に示す2極照明においてσoを0.93に設定し、かつσiを0.73に設定(すなわち各々の面光源のσを0.2に設定)したとき、露光量誤差を2%、線幅誤差を±10%とすると、非偏光状態の場合の焦点深度DOF(166nm)を、縦方向パターンに関して焦点深度DOF(202nm)まで向上させることが可能である。なお、条件式(4)、すなわち偏光度の値が0.8を超えた場合には、偏光度の変化による線幅変化を実質的に無視することができる。上述の条件において、偏光度0.8(|S1|=0.8)と偏光度1.0(|S1|=1.0)との間で線幅差は0.2nmしか発生せず、この差については実質的に無視し得る。つまり、条件式(4)の値に関しては、0.8乃至1.0の範囲内でばらついていてもかまわない。
また、実質的な非偏光状態の光をさらに十分な非偏光に近づけるには、条件式(5)の上限値および条件式(6)の上限値をともに0.04に設定することがさらに好ましい。ここで、条件式(5)および(6)、すなわち偏光度の値が0.1を下回る場合、偏光起因による線幅差を2nm以内に抑えることができる(光源の波長を193nm、投影光学系PLの像側開口数を0.78とし、50nmの孤立パターンの位相シフトマスクを用い、第15図に示す円形照明においてσ値を0.2(小σ照明)に設定したとき)。そして、条件式(5)および(6)、すなわち偏光度の値が0.04を下回る場合、上記条件のもとで偏光起因による線幅差を0.7nm以内に抑えることができる。なお、条件式(5)および(6)において、面光源の内の領域を微視的に見たときに偏光度が高くても、その領域内で偏光状態が非常に細かい周期で変化していれば実質的な非偏光と見なすことができるので、面光源の中の偏光度分布を算出するにあたっては、σ値0.1となる大きさの領域での移動平均を用いることができる。
ところで、たとえば円形照明や輪帯照明などにおいて、残存偏光度が十分に低いような所望の非偏光状態が実現されないと、縦方向と横方向との間にパターンの線幅差が発生してしまう。また、たとえば2極照明などにおいて、所定方向に偏光面を有する所望の直線偏光状態が実現されないと、特定のピッチ方向を有する線幅の細いパターンに対する結像性能の向上を図ることができなくなってしまう。そこで、本実施形態の変形例では、被照射面としてのマスクM(ひいてはウェハW)を照明する光の偏光状態を検知するための偏光モニターを備えている。
第16図は、第1図の露光装置に照明光の偏光状態を検知するための偏光モニターを付設した構成を概略的に示す図である。第16図の変形例にかかる露光装置では、マイクロレンズアレイ8とマスクMとの間の構成が第1図の露光装置と相違している。すなわち、変形例では、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成された二次光源(一般的には照明光学装置の瞳面またはその近傍に形成される所定の光強度分布)からの光束は、ビームスプリッター51およびコンデンサー光学系9aを介した後、マスクブラインドMBを重畳的に照明する。
こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインドMBには、マイクロレンズアレイ8を構成する各微小レンズの形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。なお、ビームスプリッター51を内蔵する偏光モニター50の内部構成および作用については後述する。マスクブラインドMBの矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系9bの集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。こうして、結像光学系9bは、マスクブラインドMBの矩形状開口部の像をマスクM上に形成することになる。
また、第16図の変形例にかかる露光装置では、折り曲げミラー3と回折光学素子4との間の構成が第1図の露光装置と相違している。すなわち、変形例では、第1図の偏光状態切換手段(1/2波長板10およびデポラライザ20)に代えて、第11図に示す構成の偏光状態切換手段(1/4波長板11、1/2波長板10、およびデポラライザ20)が配置されている。後述するように、偏光モニター50の出力は制御部70に供給される。また、制御部70は駆動系71を介して偏光状態切換手段(11,10,20)を駆動する。なお、第11図に示す構成の偏光状態切換手段において、1/2波長板10に代えてもう1枚の1/4波長板を用いることも可能である。
第17図は、第16図の偏光モニターの内部構成を概略的に示す斜視図である。第17図を参照すると、偏光モニター50は、マイクロレンズアレイ8とコンデンサー光学系9aとの間の光路中に配置された第1ビームスプリッター51を備えている。第1ビームスプリッター51は、たとえば石英ガラスにより形成されたノンコートの平行平面板(すなわち素ガラス)の形態を有し、入射光の偏光状態とは異なる偏光状態の反射光を光路から取り出す機能を有する。
第1ビームスプリッター51により光路から取り出された光は、第2ビームスプリッター52に入射する。第2ビームスプリッター52は、第1ビームスプリッター51と同様に、例えば石英ガラスにより形成されたノンコートの平行平面板の形態を有し、入射光の偏光状態とは異なる偏光状態の反射光を発生させる機能を有する。そして、第1ビームスプリッター51に対するP偏光が第2ビームスプリッター52に対するS偏光になり、且つ第1ビームスプリッター51に対するS偏光が第2ビームスプリッター52に対するP偏光になるように設定されている。
また、第2ビームスプリッター52を透過した光は第1光強度検出器53により検出され、第2ビームスプリッター52で反射された光は第2光強度検出器54により検出される。第1光強度検出器53および第2光強度検出器54の出力は、それぞれ制御系70に供給される。また、前述したように、制御系70は、駆動系71を介して、偏光状態切換手段を構成する1/4波長板11、1/2波長板10およびデポラライザ20を必要に応じて駆動する。
上述のように、第1ビームスプリッター51および第2ビームスプリッター52において、P偏光に対する反射率とS偏光に対する反射率とが実質的に異なっている。したがって、偏光モニター50では、第1ビームスプリッター51からの反射光が、例えば第1ビームスプリッター51への入射光の10%程度のS偏光成分(第1ビームスプリッター51に対するS偏光成分であって第2ビームスプリッター52に対するP偏光成分)と、例えば第1ビームスプリッター51への入射光の1%程度のP偏光成分(第1ビームスプリッター51に対するP偏光成分であって第2ビームスプリッター52に対するS偏光成分)とを含むことになる。
また、第2ビームスプリッター52からの反射光は、例えば第1ビームスプリッター51への入射光の10%×1%=0.1%程度のP偏光成分(第1ビームスプリッター51に対するP偏光成分であって第2ビームスプリッター52に対するS偏光成分)と、例えば第1ビームスプリッター51への入射光の1%×10%=0.1%程度のS偏光成分(第1ビームスプリッター51に対するS偏光成分であって第2ビームスプリッター52に対するP偏光成分)とを含むことになる。
こうして、偏光モニター50では、第1ビームスプリッター51が、その反射特性に応じて、入射光の偏光状態とは異なる偏光状態の反射光を光路から取り出す機能を有する。その結果、第2ビームスプリッター52の偏光特性による偏光変動の影響を僅かに受けるものの、第1光強度検出器53の出力(第2ビームスプリッター52の透過光の強度に関する情報、すなわち第1ビームスプリッター51からの反射光とほぼ同じ偏光状態の光の強度に関する情報)に基づいて、第1ビームスプリッター51への入射光の偏光状態(偏光度)を、ひいてはマスクMへの照明光の偏光状態を検知することができる。
また、偏光モニター50では、第1ビームスプリッター51に対するP偏光が第2ビームスプリッター52に対するS偏光になり且つ第1ビームスプリッター51に対するS偏光が第2ビームスプリッター52に対するP偏光になるように設定されている。その結果、第2光強度検出器54の出力(第1ビームスプリッター51および第2ビームスプリッター52で順次反射された光の強度に関する情報)に基づいて、第1ビームスプリッター51への入射光の偏光状態の変化の影響を実質的に受けることなく、第1ビームスプリッター51への入射光の光量(強度)を、ひいてはマスクMへの照明光の光量を検知することができる。
こうして、偏光モニター50を用いて、第1ビームスプリッター51への入射光の偏光状態を検知し、ひいてはマスクMへの照明光が所望の非偏光状態または直線偏光状態になっているか否かを判定することができる。そして、制御系70が偏光モニター50の検知結果に基づいてマスクM(ひいてはウェハW)への照明光が所望の非偏光状態または直線偏光状態になっていないことを確認した場合、駆動系71を介して偏光状態切換手段を構成する1/4波長板11、1/2波長板10およびデポラライザ20を駆動調整し、マスクMへの照明光の状態を所望の非偏光状態または直線偏光状態に調整することができる。
以上のように、偏光モニター50と制御系70と駆動系71と被照射面での偏光状態を調整する機能を有する偏光状態切換手段(11,10,20)とは、光源1とマスクMとの間の光路中に配置されて、マスクM面での偏光状態の変動を補正する偏光状態変動補正手段を構成している。この場合、偏光モニター50とマスクMとの間の光路中において、入射する光の偏光状態を変化させて射出する特性を有する光学部材、たとえば複屈折性を有する蛍石や旋光性を有する水晶のような結晶光学材料により形成されている光学部材をできるだけ配置しないことが望ましい。また、偏光モニター50と光源1との間の光路中においても、入射する光の偏光状態を変化させて射出する特性を有する光学部材をできるだけ配置しないことが望ましい。しかしながら、光照射に対する耐久性を確保するために、たとえば回折光学素子4や6などの光学部材を蛍石や水晶などにより形成する場合には、これらの光学部材による偏光変動の影響を考慮する必要がある。
なお、上述の説明において、第1ビームスプリッター51からの反射光が第1光強度検出器53に直接入射するように構成すれば、第1光強度検出器53の出力が第2ビームスプリッター52の偏光特性による偏光変動の影響を受けることなく、第1ビームスプリッター51への入射光の偏光状態を高精度に検知することができる。また、第17図に示す構成に限定されることなく、偏光モニター50の具体的な構成については様々な変形例が可能である。また、上述の説明では、偏光状態切換手段を1/4波長板11と1/2波長板10とデポラライザ20とで構成しているが、偏光状態切換手段を1/2波長板10とデポラライザ20とで構成することもできる。この場合、制御系70は、駆動系71を介して、1/2波長板10およびデポラライザ20を必要に応じて駆動する。
また、上述の説明において、第1ビームスプリッター51への入射光の偏光状態を高精度に検知するには、第1ビームスプリッター51および第2ビームスプリッター52が、P偏光に対する反射率とS偏光に対する反射率とが十分に異なるような反射特性を有することが好ましい。具体的には、第1ビームスプリッター51の反射光に含まれるP偏光の強度IpとS偏光の強度Isとの強度比Ip/IsがIp/Is<1/2またはIp/Is>2の条件を満たすような反射特性を有することが好ましい。
また、上述の説明では、平行平面板の形態を有するビームスプリッターを使用し、その反射光を光路から取り出している。しかしながら、これに限定されることなく、入射光の偏光状態とは異なる偏光状態の透過光を光路から取り出すビームスプリッターを用い、当該ビームスプリッターにより光路から取り出された透過光の強度に基づいて、当該ビームスプリッターへの入射光の偏光状態を検知することもできる。この場合、当該ビームスプリッターの反射光に含まれるP偏光の強度IpとS偏光の強度Isとの強度比Ip/IsがIp/Is<1/2またはIp/Is>2の条件を満たすような透過特性を有することが好ましい。
ところで、前述したように、直角プリズムでの全反射の影響によりレーザ光源1からの直線偏光が楕円偏光に変わって、偏光状態切換手段(11,10,20)に入射することが考えられる。また、たとえば蛍石により形成された光学部材のように、入射する光の偏光状態を変化させて射出する特性を有する光学部材の影響により、レーザ光源1からの直線偏光が楕円偏光に変わって、偏光状態切換手段(11,10,20)に入射することが考えられる。
この場合、1/4波長板11が入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するには、入射する楕円偏光の長軸方向に応じて、その結晶光学軸が所要の角度位置に設定されていなければならない。また、1/2波長板10が入射する直線偏光の光を所定方向に偏光面を有する直線偏光の光に変換するには、入射する直線偏光の偏光面の方向に応じて、その結晶光学軸が所要の角度位置に設定されていなければならない。以下、第11図の偏光状態切換手段(11,10,20)を例にとって、1/4波長板の結晶光学軸および1/2波長板の結晶光学軸の調整方法について説明する。ここで、光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/2波長板と1/4波長板とを備える光学系において、以下の調整方法が一般的に適用可能であることはいうまでもない。
第18図は、第11図の偏光状態切換手段における1/4波長板の結晶光学軸および1/2波長板の結晶光学軸を調整する方法のフローチャートである。第18図を参照すると、本実施形態の調整方法では、デポラライザ20を光路から退避させ、1/4波長板11の結晶光学軸および1/2波長板10の結晶光学軸をそれぞれ標準の角度位置、たとえば−45度の角度位置に初期設定する(S11)。次いで、1/4波長板11の結晶光学軸を−45度の標準角度位置に固定した状態で、1/2波長板10の結晶光学軸を−45度の標準角度位置から+45度の角度位置まで例えば+5度づつ回転させながら、1/2波長板10の結晶光学軸の各角度位置における偏光モニター50の出力を採取する(S12)。
第19図は、1/4波長板の結晶光学軸を−45度の標準角度位置に固定したときの、1/2波長板の結晶光学軸の各角度位置における偏光モニターの出力変化を示す図である。第19図において、横軸は1/2波長板10の結晶光学軸の角度位置(度)を示し、縦軸は偏光モニター50の出力(ストークスパラメータS1成分の値)を示している。さらに、1/4波長板11の結晶光学軸を−45度の標準角度位置から+45度の角度位置まで例えば+15度づつ回転させた各角度位置状態において、1/2波長板10の結晶光学軸を−45度の標準角度位置から+45度の角度位置まで例えば+5度づつ回転させながら、1/2波長板10の結晶光学軸の各角度位置における偏光モニター50の出力を採取する(S13)。
第20図は、1/4波長板の結晶光学軸を各角度位置状態に設定したときの、1/2波長板の結晶光学軸の各角度位置における偏光モニターの出力変化を示す図である。第20図において、aは1/4波長板11の結晶光学軸が−45度の標準角度位置にある状態、bは1/4波長板11の結晶光学軸が−30度の角度位置にある状態、cは1/4波長板11の結晶光学軸が−15度の角度位置にある状態、dは1/4波長板11の結晶光学軸が0度の角度位置にある状態、eは1/4波長板11の結晶光学軸が+15度の角度位置にある状態、fは1/4波長板11の結晶光学軸が+30度の角度位置にある状態、gは1/4波長板11の結晶光学軸が+45度の角度位置にある状態にそれぞれ対応している。また、第19図と同様に、横軸は1/2波長板10の結晶光学軸の角度位置(度)を示し、縦軸は偏光モニター50の出力を示している。
第21図は、1/4波長板の結晶光学軸の各角度位置状態における偏光モニターの出力コントラストの変化を示す図である。第21図において、横軸は1/4波長板11の結晶光学軸の角度位置(度)を示し、縦軸は偏光モニター50の出力コントラスト(ストークスパラメータS1成分の変化のコントラスト)を示している。ここで、たとえば1/4波長板11の結晶光学軸の各角度位置状態における出力コントラストは、第20図においてa〜gで示す各出力変化曲線の最大値と最小値とを用いて、コントラスト=(最大値−最小値)/(最大値+最小値)により定義される値である。
ここで、第21図において出力コントラストが最も大きくなるように1/4波長板11の結晶光学軸が設定されているとき、1/4波長板11に入射する楕円偏光の光が直線偏光の光に変換される。そこで、本実施形態の調整方法では、1/4波長板11の結晶光学軸の各角度位置状態における偏光モニター50の出力コントラストの変化を参照し、出力コントラストが最も大きくなるときの1/4波長板11の結晶光学軸の角度位置(第21図によれば約+30度の角度位置)を、楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための所要の第1角度位置として求める(S14)。
第22図は、楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための第1角度位置に1/4波長板の結晶光学軸を固定したときの、1/2波長板の結晶光学軸の各角度位置における偏光モニターの出力変化を示す図である。第22図において、横軸は1/2波長板10の結晶光学軸の角度位置(度)を示し、縦軸は偏光モニター50の出力を示している。ここで、第22図において偏光モニター50の出力が最大または最小になるように1/2波長板10の結晶光学軸が設定されているとき、1/2波長板10に入射する直線偏光の光がV偏光(縦偏光)またはH偏光(横偏光)の直線偏光の光に変換される。
そこで、本実施形態の調整方法では、1/4波長板11の結晶光学軸を第1角度位置に固定したときの1/2波長板10の結晶光学軸の各角度位置における偏光モニター50の出力変化を参照し、出力が最大または最小になるときの1/2波長板10の結晶光学軸の角度位置(第22図によれば約−17.5度または約+27.5度の角度位置またはその近傍)を、入射直線偏光の光をV偏光またはH偏光の直線偏光の光に変換するための所要の第2角度位置として求める(S15)。
こうして、最後に、制御部70は、駆動系71を介して、入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための第1角度位置に1/4波長板11の結晶光学軸の角度位置を位置合わせするとともに、入射直線偏光の光を所定方向に偏光面を有する直線偏光(たとえばV偏光またはH偏光)の光に変換するための第2角度位置に1/2波長板10の結晶光学軸の角度位置を位置合わせする(S16)。なお、照明条件の変更(照明光学装置の瞳面またはその近傍に形成される光強度分布の形状または大きさの変更)に応じて、上述の第1角度位置および第2角度位置が変動することが考えられるので、1/4波長板11の結晶光学軸および1/2波長板10の結晶光学軸を必要に応じて設定し直すことが好ましい。なお、上述の実施形態では、偏光状態切換手段として、1/4波長板および1/2波長板を用いたが、2枚の1/4波長板を偏光状態切換手段として用いても良い。
以上の説明は、第1図や第16図に示すように光源からの光束に基づいて瞳面またはその近傍に所定の光強度分布を形成するための照明瞳分布形成手段が2つの回折光学素子(4,6)を含む照明光学装置を備えた露光装置に基づいている。しかしながら、第1図や第16図の構成に限定されることなく、本発明が適用可能な照明光学装置の構成については様々な変形例が可能である。第23図は、第1図や第16図とは異なる構成の照明瞳分布形成手段を有する露光装置の構成を概略的に示す図である。
第23図の変形例にかかる露光装置は第16図に示す露光装置と類似の構成を有するが、照明瞳分布形成手段の構成、すなわち回折光学素子4とマイクロレンズアレイ8との間の構成が相違している。以下、第16図に示す露光装置との相違点に着目して、第23図の変形例の構成および作用を説明する。第23図の変形例にかかる露光装置では、たとえば輪帯照明用の回折光学素子4aを介した光束が、アフォーカルレンズ(リレー光学系)85に入射する。アフォーカルレンズ85は、その前側焦点位置と回折光学素子4aの位置とがほぼ一致し且つその後側焦点位置と図中破線で示す所定面86の位置とがほぼ一致するように設定されたアフォーカル系(無焦点光学系)である。
したがって、回折光学素子4aに入射したほぼ平行光束は、アフォーカルレンズ85の瞳面に輪帯状の光強度分布を形成した後、ほぼ平行光束となってアフォーカルレンズ85から射出される。なお、アフォーカルレンズ85の前側レンズ群85aと後側レンズ群85bとの間の光路中において瞳またはその近傍には、光源側から順に、円錐アキシコン系系87、第1シリンドリカルレンズ対88、および第2シリンドリカルレンズ対89が配置されているが、その詳細な構成および作用については後述する。以下、説明を簡単にするために、円錐アキシコン系系87、第1シリンドリカルレンズ対88、および第2シリンドリカルレンズ対89の作用を無視して、基本的な構成および作用を説明する。
アフォーカルレンズ85を介した光束は、σ値可変用のズームレンズ(変倍光学系)90を介して、オプティカルインテグレータとしてのマイクロレンズアレイ8に入射する。所定面86の位置はズームレンズ90の前側焦点位置の近傍に配置され、マイクロレンズアレイ8の入射面はズームレンズ90の後側焦点位置の近傍に配置されている。換言すると、ズームレンズ90は、所定面86とマイクロレンズアレイ8の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に配置し、ひいてはアフォーカルレンズ85の瞳面とマイクロレンズアレイ8の入射面とを光学的にほぼ共役に配置している。したがって、マイクロレンズアレイ8の入射面上には、アフォーカルレンズ85の瞳面と同様に、たとえば光軸AXを中心とした輪帯状の照野が形成される。この輪帯状の照野の全体形状は、ズームレンズ90の焦点距離に依存して相似的に変化する。
マイクロレンズアレイ8を構成する各微小レンズは、マスクM上において形成すべき照野の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。マイクロレンズアレイ8に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割され、その後側焦点面(ひいては照明瞳)にはマイクロレンズアレイ8への入射光束によって形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXを中心とした輪帯状の実質的な面光源からなる二次光源が形成される。
第24図は、第23図においてアフォーカルレンズの前側レンズ群と後側レンズ群との間の光路中に配置された円錐アキシコン系の構成を概略的に示す図である。円錐アキシコン系87は、光源側から順に、光源側に平面を向け且つマスク側に凹円錐状の屈折面を向けた第1プリズム部材87aと、マスク側に平面を向け且つ光源側に凸円錐状の屈折面を向けた第2プリズム部材87bとから構成されている。
そして、第1プリズム部材87aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材87bの凸円錐状の屈折面とは、互いに当接可能なように相補的に形成されている。また、第1プリズム部材87aおよび第2プリズム部材87bのうち少なくとも一方の部材が光軸AXに沿って移動可能に構成され、第1プリズム部材87aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材87bの凸円錐状の屈折面との間隔が可変に構成されている。
ここで、第1プリズム部材87aの凹円錐状屈折面と第2プリズム部材87bの凸円錐状屈折面とが互いに当接している状態では、円錐アキシコン系87は平行平面板として機能し、形成される輪帯状の二次光源に及ぼす影響はない。しかしながら、第1プリズム部材87aの凹円錐状屈折面と第2プリズム部材87bの凸円錐状屈折面とを離間させると、円錐アキシコン系87は、いわゆるビームエキスパンダーとして機能する。したがって、円錐アキシコン系87の間隔の変化に伴って、所定面86への入射光束の角度は変化する。
第25図は、第23図の変形例の輪帯照明において形成される二次光源に対する円錐アキシコン系の作用を説明する図である。第23図の変形例の輪帯照明では、円錐アキシコン系87の間隔が零で且つズームレンズ90の焦点距離が最小値に設定された状態(以下、「標準状態」という)で形成された最も小さい輪帯状の二次光源130aが、円錐アキシコン系87の間隔を零から所定の値まで拡大させることにより、その幅(外径と内径との差の1/2:図中矢印で示す)が変化することなく、その外径および内径がともに拡大された輪帯状の二次光源130bに変化する。換言すると、円錐アキシコン系87の作用により、輪帯状の二次光源の幅が変化することなく、その輪帯比(内径/外径)および大きさ(外径)がともに変化する。
第26図は、第23図の変形例の輪帯照明において形成される二次光源に対するズームレンズの作用を説明する図である。第23図の変形例の輪帯照明では、標準状態で形成された輪帯状の二次光源130aが、ズームレンズ90の焦点距離を最小値から所定の値へ拡大させることにより、その全体形状が相似的に拡大された輪帯状の二次光源130cに変化する。換言すると、ズームレンズ90の作用により、輪帯状の二次光源の輪帯比が変化することなく、その幅および大きさ(外径)がともに変化する。
第27図は、第23図においてアフォーカルレンズの前側レンズ群と後側レンズ群との間の光路中に配置された第1シリンドリカルレンズ対および第2シリンドリカルレンズ対の構成を概略的に示す図である。第27図において、光源側から順に、第1シリンドリカルレンズ対88および第2シリンドリカルレンズ対89が配置されている。第1シリンドリカルレンズ対88は、光源側から順に、たとえばYZ平面内に負屈折力を有し且つXY平面内に無屈折力の第1シリンドリカル負レンズ88aと、同じくYZ平面内に正屈折力を有し且つXY平面内に無屈折力の第1シリンドリカル正レンズ88bとにより構成されている。
一方、第2シリンドリカルレンズ対89は、光源側から順に、たとえばXY平面内に負屈折力を有し且つYZ平面内に無屈折力の第2シリンドリカル負レンズ89aと、同じくXY平面内に正屈折力を有し且つYZ平面内に無屈折力の第2シリンドリカル正レンズ89bとにより構成されている。第1シリンドリカル負レンズ88aと第1シリンドリカル正レンズ88bとは、光軸AXを中心として一体的に回転するように構成されている。同様に、第2シリンドリカル負レンズ89aと第2シリンドリカル正レンズ89bとは、光軸AXを中心として一体的に回転するように構成されている。
こうして、第27図に示す状態において、第1シリンドリカルレンズ対88はZ方向にパワーを有するビームエキスパンダーとして機能し、第2シリンドリカルレンズ対89はX方向にパワーを有するビームエキスパンダーとして機能する。第23図の変形例では、第1シリンドリカルレンズ対88のパワーと第2シリンドリカルレンズ対89のパワーとが互いに同じに設定されている。
第28図〜第30図は、第23図の変形例の輪帯照明において形成される二次光源に対する第1シリンドリカルレンズ対および第2シリンドリカルレンズ対の作用を説明する図である。第28図では、第1シリンドリカルレンズ対88のパワー方向がZ軸に対して光軸AX廻りに+45度の角度をなし、第2シリンドリカルレンズ対9のパワー方向がZ軸に対して光軸AX廻りに−45度の角度をなすように設定されている。
したがって、第1シリンドリカルレンズ対88のパワー方向と第2シリンドリカルレンズ対89のパワー方向とが互いに直交し、第1シリンドリカルレンズ対88と第2シリンドリカルレンズ対89との合成系においてZ方向のパワーとX方向のパワーとが互いに同じになる。その結果、第28図に示す真円状態では、第1シリンドリカルレンズ対88と第2シリンドリカルレンズ対89との合成系を通過する光束は、Z方向およびX方向に同じパワーで拡大作用を受けることになり、照明瞳には真円輪帯状の二次光源が形成されることになる。
これに対し、第29図では、第1シリンドリカルレンズ対88のパワー方向がZ軸に対して光軸AX廻りに例えば+80度の角度をなし、第2シリンドリカルレンズ対89のパワー方向がZ軸に対して光軸AX廻りに例えば−80度の角度をなすように設定されている。したがって、第1シリンドリカルレンズ対88と第2シリンドリカルレンズ対89との合成系において、Z方向のパワーよりもX方向のパワーの方が大きくなる。その結果、第29図に示す横楕円状態では、第1シリンドリカルレンズ対88と第2シリンドリカルレンズ対89との合成系を通過する光束は、Z方向よりもX方向の方が大きなパワーで拡大作用を受けることになり、照明瞳にはX方向に細長い横長の輪帯状の二次光源が形成されることになる。
一方、第30図では、第1シリンドリカルレンズ対88のパワー方向がZ軸に対して光軸AX廻りに例えば+10度の角度をなし、第2シリンドリカルレンズ対89のパワー方向がZ軸に対して光軸AX廻りに例えば−10度の角度をなすように設定されている。したがって、第1シリンドリカルレンズ対88と第2シリンドリカルレンズ対89との合成系において、X方向のパワーよりもZ方向のパワーの方が大きくなる。その結果、第30図に示す縦楕円状態では、第1シリンドリカルレンズ対88と第2シリンドリカルレンズ対89との合成系を通過する光束は、X方向よりもZ方向の方が大きなパワーで拡大作用を受けることになり、照明瞳にはZ方向に細長い縦長の輪帯状の二次光源が形成されることになる。
さらに、第1シリンドリカルレンズ対88および第2シリンドリカルレンズ対89を第28図に示す真円状態と第29図に示す横楕円状態との間の任意の状態に設定することにより、様々な縦横比にしたがう横長の輪帯状の二次光源を形成することができる。また、第1シリンドリカルレンズ対88および第2シリンドリカルレンズ対89を第28図に示す真円状態と第30図に示す縦楕円状態との間の任意の状態に設定することにより、様々な縦横比にしたがう縦長の輪帯状の二次光源を形成することができる。なお、第23図の変形例では、輪帯照明用の回折光学素子4aに代えて、円形照明用の回折光学素子や複数極(4極など)照明用の回折光学素子などを設定することによって、円形照明や様々な変形照明を行うことができる。このように、第23図乃至第30図にかかる変形例においては、マスクMのパターン特性に応じて、照明光の偏光状態を変化させることができ、さらに照明瞳に形成される二次光源の縦横比を随時調整することができる。これにより、マスクMのパターン特性に応じて実現された適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができる。
また、上述の各実施形態および変形例において、被照射面(マスク面、ウェハ(感光性基板)面、像面)に対する偏光状態を、たとえば直線偏光状態と非偏光状態、あるいはX偏光状態とY偏光状態とで切り換えた場合、被照射面での照度むらの変動や、瞳面での光強度分布の変動、被照射面でのテレセントリック性の変動が起こる場合には、被照射面での偏光状態の変更に応じて、照度むらの制御、瞳面での光強度分布の制御、および/またはテレセントリック性の制御を行って、照度むらの変動、瞳面での光強度分布の変動、および/またはテレセントリック性の変動を少なく抑えることが好ましい。
たとえば被照射面での照度むらについては、第1図中のコンデンサー光学系9、第16図、第23図中のコンデンサー光学系9aを構成する複数のレンズ素子のうちの少なくとも一部のレンズの位置・姿勢を変更することにより制御可能である。また、第1図中のコンデンサー光学系9とマスクMとの間の光路中、第16図、第23図中のコンデンサー光学系9aとマスクブラインドMBとの間の光路中に、たとえば特開2002−100561号公報(およびこれに対応する米国特許公開US2003/0025890A、本明細書では米国特許公開US2003/0025890Aを参照として援用する)に開示される濃度フィルタ板や特開2003−92253号公報(およびこれに対応する米国特許公開US2003/0067591A、本明細書では米国特許公開US2003/0067591Aを参照として援用する)を配置し、当該濃度フィルタ板の回転角・位置を制御することによっても被照射面上での照度むらを制御することが可能である。また、第16図、第23図中のマスクブラインドMBに代えて、或いは当該マスクブラインドの近傍にたとえば特開2002−184676号公報に開示される可変エッジを設け、走査方向に沿った露光領域幅を非走査方向で異なるように設定することによっても被照射面上での照度むらを制御することが可能である。
また、瞳面での光強度分布の制御については、上記特開2002−100561号公報(米国特許公開US2003/0025890A)や特開2003−92253号公報(米国特許公開US2003/0067591A)に開示される濃度フィルタ板を照明瞳の近傍、たとえばマイクロレンズアレイ8の射出側近傍に配置することによって制御可能である。
そして、テレセントリック性の制御については、第1図中のコンデンサ−光学系9、第16図、第23図中のコンデンサ−光学系9aを構成する複数のレンズ素子のうちの少なくとも一部のレンズの位置・姿勢を変更することにより制御可能である。
なお、これらの被照射面上での照度むらの制御、瞳面での光強度分布の制御、テレセントリック性の制御については、偏光状態切換手段による設定状態(デポラライザ挿脱、1/2波長板の回転角、1/4波長板の回転角)と、被照射面上での照度むら、瞳面での光強度分布およびテレセントリック性の状態との相関をあらかじめ計測しておき、偏光状態切換手段の設定状態に応じて、被照射面上での照度むら、瞳面での光強度分布およびテレセントリック性を制御することができる。また、被照射面または被照射面と光学的に共役な面での被照射面上での照度むら、瞳面での光強度分布およびテレセントリック性の状態を測定し、この測定結果に応じて、被照射面上での照度むら、瞳面での光強度分布およびテレセントリック性を制御することもできる。
また、上述の各実施形態および変形例では、オプティカルインテグレータとして、縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微少レンズからなるマイクロレンズアレイ8を用いたが、その代わりに、所定の第1方向に沿ったピッチで配列された第1の1次元シリンドリカルレンズアレイと、当該第1方向と交差する第2方向に沿ったピッチで配列された第2の1次元シリンドリカルレンズアレイとを備えたシリンドリカル型のマイクロレンズアレイを用いても良い。このシリンドリカル型のマイクロレンズアレイの第1および第2の1次元シリンドリカルレンズアレイは1つの光透過性基板に一体に設けられていることが好ましく、第1および第2の1次元シリンドリカルアレイを備えたシリンドリカルレンズアレイ板を複数備え、複数のシリンドリカルレンズアレイ板を光軸方向に沿って互いに間隔を隔てて配置していることがさらに好ましい。また、第1の1次元シリンドリカルアレイの第1方向に沿ったピッチと第2の1次元シリンドリカルアレイの第2方向に沿ったピッチとの少なくとも一方は2mm以下のピッチを有することが好ましい。
この構成により、各屈折面が二次元的な曲面状(球面状)に形成される通常のフライアイレンズとは異なり、シリンドリカル型のマイクロレンズアレイの第1および第2の1次元シリンドリカルレンズアレイの各屈折面が1次元的な曲面状(円筒面状)に形成されるので高精度な加工が容易であり、ひいては製造コストを低減することができる。特に最小ピッチが2mm以下であるようなシリンドリカル型のマイクロレンズアレイの場合には、製造コストの低減効果は顕著である。ちなみに、このようなシリンドリカル型のマイクロレンズアレイは、たとえば研削加工、エッチング加工、型プレス加工などにより製造可能である。
低コスト下で面形状の高精度化を図られたシリンドリカル型のマイクロレンズアレイの適用により、均一性の優れた照明が実現されるので、偏光照明による結像性能の大いなる向上と相まって、露光領域全体にわたり転写精度良く微細なパターンを形成することが可能となる。
このようなシリンドリカル型のマイクロレンズアレイは、本願出願人による特願2002−152634号明細書および図面(およびこれに対応する、2003年5月27日に米国出願された米国特許出願第445,022号)にて提案されている。本明細書では、当該米国特許出願第445,022号の開示を参照として援用する。
上述の実施形態にかかる露光装置では、照明光学装置によってマスク(レチクル)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき第12図のフローチャートを参照して説明する。
先ず、第12図のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、上述の実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
また、上述の実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、第13図のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。第13図において、パターン形成工程401では、上述の実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
なお、第1図の実施形態では、コンデンサー光学系9によって二次光源からの光を集光して重畳的にマスクMを照明している。しかしながら、これに限定されることなく、第16図の変形例に示すように、コンデンサー光学系9とマスクMとの間の光路中に、照明視野絞り(マスクブラインド)と、この照明視野絞りの像をマスクM上に形成するリレー光学系とを配置しても良い。この場合、コンデンサー光学系9は、二次光源からの光を集光して重畳的に照明視野絞りを照明することになり、リレー光学系は照明視野絞りの開口部(光透過部)の像をマスクM上に形成することになる。
また、上述の実施形態では、露光光としてKrFエキシマレーザ光(波長:248nm)やArFエキシマレーザ光(波長:193nm)を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なレーザ光源、たとえば波長157nmのレーザ光を供給するFレーザ光源や、レーザ光源以外の光源、例えばi線やg線、h線等の紫外光を供給するランプ光源に対して本発明を適用することもできる。さらに、上述の実施形態では、照明光学装置を備えた投影露光装置を例にとって本発明を説明したが、マスク以外の被照射面を照明するための一般的な照明光学装置に本発明を適用することができることは明らかである。
また、上述の実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用しても良い。この場合、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たす手法としては、国際公開番号WO99/49504号公報に開示されているような局所的に液体を満たす手法や、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる手法や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する手法などを採用することができる。
なお、液体としては、露光光に対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系や基板表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なものを用いることが好ましく、たとえばKrFエキシマレーザ光やArFエキシマレーザ光を露光光とする場合には、液体として純水、脱イオン水を用いることができる。また、露光光としてFレーザ光を用いる場合は、液体としてはFレーザ光を透過可能な例えばフッ素系オイルや過フッ化ポリエーテル(PFPE)等のフッ素系の液体を用いればよい。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報等に開示されているように、ウェハ等の被処理基板を別々に載置してXY方向に独立に移動可能な2つのステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
産業上の利用の可能性
以上説明したように、本発明の照明光学装置では、たとえば1/2波長板とデポラライザ(非偏光化素子)とからなる偏光状態切換手段の作用により、被照射面を照明する光の偏光状態を特定の偏光状態(たとえば直線偏光状態)と非偏光状態との間で切り換えることができる。したがって、たとえば露光装置に本発明の照明光学装置を搭載した場合、マスクのパターン特性に応じて光量損失を抑えつつ照明光の偏光状態を変化させて適切な照明条件を実現することができる。
また、本発明の照明光学装置を用いる露光装置および露光方法では、マスクMのパターン特性に応じて照明光の偏光状態を変化させて適切な照明条件を実現することができるので、マスクMのパターン特性に応じて実現された適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができ、ひいては高いスループットで良好なデバイスを製造することができる。

Claims (60)

  1. 直線偏光の光を供給する光源部を有し、該光源部からの光で被照射面を照明する照明光学装置において、
    前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を特定の偏光状態と非偏光状態との間で切り換えるための偏光状態切換手段を備え、
    前記偏光状態切換手段は、照明光路に対して挿脱自在に構成されて、入射する直線偏光の光を必要に応じて非偏光化するためのデポラライザを備えていることを特徴とする照明光学装置。
  2. 請求の範囲第1項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光状態切換手段は、前記特定の偏光状態が直線偏光状態である場合に、直線偏光の偏光面を可変とすることを特徴とする照明光学装置。
  3. 請求の範囲第1項または第2項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光状態切換手段は、入射する直線偏光の光の偏光面を必要に応じて変化させるための位相部材を有することを特徴とする照明光学装置。
  4. 請求の範囲第3項に記載の照明光学装置において、
    前記位相部材は、前記照明光学装置の光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/2波長板を有することを特徴とする照明光学装置。
  5. 請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記デポラライザは、前記照明光学装置の光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された水晶プリズムを有することを特徴とする照明光学装置。
  6. 請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記デポラライザは、偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターを透過した光の光路と前記偏光ビームスプリッターで最終的に反射された光の光路とがほぼ一致するように、前記偏光ビームスプリッターで反射された光を平面内において複数回反射させて前記偏光ビームスプリッターへ戻すための反射系とを有し、前記偏光ビームスプリッターと前記反射系とは前記照明光学装置の光軸を中心として一体的に回転自在に構成されていることを特徴とする照明光学装置。
  7. 請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記デポラライザは、偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターを透過した光の光路と前記偏光ビームスプリッターで最終的に反射された光の光路とがほぼ一致するように、前記偏光ビームスプリッターで反射された光を平面内において複数回反射させて前記偏光ビームスプリッターへ戻すための反射系とを有し、前記偏光ビームスプリッターと前記反射系とは照明光路に対して一体的に挿脱自在に構成されていることを特徴とする照明光学装置。
  8. 請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光状態切換手段は、入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための第2位相部材をさらに有することを特徴とする照明光学装置。
  9. 請求の範囲第8項に記載の照明光学装置において、
    前記第2位相部材は、前記照明光学装置の光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/4波長板を有することを特徴とする照明光学装置。
  10. 請求の範囲第1項乃至第9項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記光源部と前記偏光状態切換手段との間の光路中に配置されて立方晶系の結晶材料により形成された光透過部材において、光の進行方向が結晶方位<110>よりも結晶方位<111>または結晶方位<100>に近くなるように設定されていることを特徴とする照明光学装置。
  11. 請求の範囲第10項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光状態切換手段と前記被照射面との間の光路中に配置されて立方晶系の結晶材料により形成された光透過部材において、光の進行方向が結晶方位<110>よりも結晶方位<111>または結晶方位<100>に近くなるように設定されていることを特徴とする照明光学装置。
  12. 請求の範囲第10項または第11項に記載の照明光学装置において、
    前記光透過部材は、前記光路中に固定的に位置決めされた光学部材を有し、
    前記光学部材の光軸は、結晶方位<111>または結晶方位<100>にほぼ一致するように設定されていることを特徴とする照明光学装置。
  13. 請求の範囲第10項または第11項に記載の照明光学装置において、
    前記光透過部材は、裏面反射鏡としての直角プリズムを有し、
    前記直角プリズムの入射面および射出面は結晶面{100}にほぼ一致するように設定され、且つ前記直角プリズムの反射面は結晶面{110}にほぼ一致するように設定されていることを特徴とする照明光学装置。
  14. 請求の範囲第10項または第11項に記載の照明光学装置において、
    前記光透過部材は、前記光路中において光軸に対して傾斜可能に設けられて前記光軸に沿って入射する光線を平行移動させるための平行平面板を有し、
    前記平行平面板の光軸は、結晶方位<100>にほぼ一致するように設定されていることを特徴とする照明光学装置。
  15. 請求の範囲第1項乃至第14項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記光源部からの光束に基づいて、前記照明光学装置の瞳面またはその近傍に所定の光強度分布を形成するための照明瞳分布形成手段と、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更するための変更手段と、所定の光強度分布からの光束を前記被照射面へ導くための導光光学系とをさらに備えていることを特徴とする照明光学装置。
  16. 請求の範囲第15項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光状態切換手段は、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更することを特徴とする照明光学装置。
  17. 請求の範囲第15項または第16項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光状態切換手段は、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を直線偏光状態と非偏光状態との間で切り換えることを特徴とする照明光学装置。
  18. 請求の範囲第1項乃至第17項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記特定の偏光状態において、光のストークスパラメータのS1成分は、
    0.6≦|S1|
    の条件を満足することを特徴とする照明光学装置。
  19. 請求の範囲第1項乃至第18項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記非偏光状態において、光のストークスパラメータのS1成分およびS2成分は、
    |S1|≦0.1
    |S2|≦0.1
    の条件を満足することを特徴とする照明光学装置。
  20. 請求の範囲第1項乃至第19項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面での偏光状態の変動を補正する偏光状態変動補正手段を備えていることを特徴とする照明光学装置。
  21. 請求の範囲第20項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光状態変動補正手段は、前記偏光状態切換手段と前記被照射面との間の光路中に配置されて光の偏光状態を検出するための偏光モニターと、該偏光モニターの出力に応じて前記偏光状態切換手段を制御するための制御部とを備えていることを特徴とする照明光学装置。
  22. 請求の範囲第21項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光状態切換手段は、前記照明光学装置の光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/2波長板と、前記照明光学装置の光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/4波長板とを備え、
    前記制御部は、前記1/4波長板の結晶光学軸および前記1/2波長板の結晶光学軸をそれぞれ変化させたときに前記偏光モニターにおいて得られる検出結果の変化に応答して、入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための所要位置に前記1/4波長板の結晶光学軸の角度位置を位置合わせし、入射する直線偏光の光を所定方向に偏光面を有する直線偏光の光に変換するための所要位置に前記1/2波長板の結晶光学軸の角度位置を位置合わせすることを特徴とする照明光学装置。
  23. 請求の範囲第22項に記載の照明光学装置において、
    前記制御部は、前記1/4波長板の結晶光学軸を変化させたときに前記検出結果においてストークスパラメータS1成分の変化のコントラストがほぼ最大になる第1角度位置に前記1/4波長板の結晶光学軸の角度位置を位置合わせし、前記1/4波長板の結晶光学軸を前記第1角度位置に設定した状態で前記1/2波長板の結晶光学軸を変化させたときに前記検出結果においてストークスパラメータS1成分がほぼ最大またはほぼ最小になる第2角度位置に前記1/2波長板の結晶光学軸の角度位置を位置合わせすることを特徴とする照明光学装置。
  24. 請求の範囲第21項乃至第23項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光モニターは、前記偏光状態切換手段と前記被照射面との間の光路中に配置されて、入射光の偏光状態とは異なる偏光状態の反射光または透過光を前記光路から取り出すためのビームスプリッターと、該ビームスプリッターにより前記光路から取り出された前記反射光または前記透過光の強度を検出するための光強度検出器とを有し、前記光強度検出器の出力に基づいて前記ビームスプリッターへの前記入射光の偏光状態を検出することを特徴とする照明光学装置。
  25. 請求の範囲第24項に記載の照明光学装置において、
    前記ビームスプリッターは、前記反射光または前記透過光に含まれるP偏光の強度IpとS偏光の強度Isとの強度比Ip/IsがIp/Is<1/2またはIp/Is>2の条件を満たすような反射特性または透過特性を有することを特徴とする照明光学装置。
  26. 請求の範囲第1項乃至第25項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記光源部からの光束に基づいて、前記照明光学装置の瞳面またはその近傍の面に所定の光強度分布を形成するための照明瞳分布形成手段を備え、
    前記照明瞳分布形成手段は、前記被照射面上における所定の一方向に対応する前記瞳面または前記その近傍の面での方向に沿って間隔を隔てた2つの光強度分布が高い領域を形成し、
    前記偏光状態切換手段は、前記2つの光強度分布が高い領域から前記被照射面を照明する光の偏光状態を、前記所定の一方向とほぼ直交する方向に偏光面を有する直線偏光状態に設定することを特徴とする照明光学装置。
  27. 請求の範囲第26項に記載の照明光学装置において、
    前記2つの光強度分布が高い領域は、前記照明光学装置の光軸に関して対称に形成され、
    前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に外接する外接円の直径φoと前記瞳面の直径φpとの比φo/φpとして定義される値σoは、
    0.7≦σo
    の条件を満足することを特徴とする照明光学装置。
  28. 請求の範囲第26項または第27項に記載の照明光学装置において、
    前記2つの光強度分布が高い領域は、前記照明光学装置の光軸に関して対称に形成され、
    前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に外接する外接円の直径φoと前記瞳面の直径φpとの比φo/φpとして定義される値をσoとし、前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に内接する内接円の直径φiと前記瞳面の直径φiとの比φi/φpとして定義される値をσiとするとき、
    0.5≦σi/σo
    の条件を満足することを特徴とする照明光学装置。
  29. 光源部からの光に基づいて、特定の偏光状態のもとで被照射面を照明する照明光学装置において、
    前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記光源部からの光を前記被照射面へ導く導光手段と、
    前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面での偏光状態の変動を補正する偏光状態変動補正手段とを備えていることを特徴とする照明光学装置。
  30. 請求の範囲第29項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光状態変動補正手段は、前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面での偏光状態を調整するための偏光状態調整手段と、前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて光の偏光状態を検出するための偏光モニターと、該偏光モニターの出力に応じて前記偏光状態調整手段を制御するための制御部とを備えていることを特徴とする照明光学装置。
  31. 請求の範囲第30項に記載の照明光学装置において、
    前記偏光状態調整手段は、前記光源部と前記偏光モニターとの間の光路中に配置された調整可能な位相板を備えていることを特徴とする照明光学装置。
  32. 請求の範囲第29項乃至第31項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記導光手段は、入射する光の偏光状態を変化させて射出する特性を有する光学部材を備えていることを特徴とする照明光学装置。
  33. 請求の範囲第32項に記載の照明光学装置において、
    前記光学部材は、結晶光学材料から形成されていることを特徴とする照明光学装置。
  34. 光源部からの光に基づいて、特定の偏光状態のもとで被照射面を照明する照明光学装置の調整方法において、
    1/4波長板の結晶光学軸が所定の角度位置となるように前記照明光学装置の照明光路中に設定すると共に、1/2波長板の結晶光学軸が所定の角度位置となるように前記照明光路中に設定する波長板設定工程を含み、
    前記波長板設定工程は、前記1/4波長板の結晶光学軸および前記1/2波長板の結晶光学軸をそれぞれ変化させたときに前記偏光状態切換手段と前記被照射面との間の光路中において検出された光の偏光状態に関する検出結果に基づいて、入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換するための所要位置に前記1/4波長板の結晶光学軸を設定し、入射する直線偏光の光を所定方向に偏光面を有する直線偏光の光に変換するための基準位置に前記1/2波長板の結晶光学軸を設定することを特徴とする照明光学装置の調整方法。
  35. 請求の範囲第34項に記載の調整方法において、
    前記1/4波長板の結晶光学軸を変化させたときに前記検出結果においてストークスパラメータS1成分の変化のコントラストがほぼ最大になる第1角度位置に前記1/4波長板の結晶光学軸を設定し、
    前記1/4波長板の結晶光学軸を前記第1角度位置に設定した状態で前記1/2波長板の結晶光学軸を変化させたときに前記検出結果においてストークスパラメータS1成分がほぼ最大またはほぼ最小になる第2角度位置に前記1/2波長板の結晶光学軸を設定することを特徴とする調整方法。
  36. 請求の範囲第34項または第35項に記載の調整方法において、
    前記光源部からの光束に基づいて、前記照明光学装置の瞳面またはその近傍に所定の光強度分布を形成する照明瞳形成工程と、
    前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更するための照明瞳変更工程と、
    前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて、前記1/4波長板の結晶光学軸および前記1/2波長板の結晶光学軸の少なくとも一方を設定し直す波長板再設定工程とを含むことを特徴とする調整方法。
  37. 請求の範囲第1項乃至第33項のいずれか1項に記載の照明光学装置または請求の範囲第34項乃至第36項のいずれか1項に記載の調整方法により調整された照明光学装置を備え、マスクのパターンを前記被照射面に配置された感光性基板上に露光することを特徴とする露光装置。
  38. 請求の範囲第37項に記載の露光装置において、
    前記マスクが設定される第1設定面と前記感光性基板が設定される第2設定面との間の光路中に配置されて、前記マスクのパターンの像を前記第2設定面上に形成する投影光学系と、
    前記投影光学系の瞳と共役な位置またはその近傍の位置に所定の光強度分布を形成する形成する瞳強度分布形成手段と、
    前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更する瞳強度分布変更手段とを備えていることを特徴とする露光装置。
  39. 請求の範囲第38項に記載の露光装置において、
    前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更するための偏光状態変更手段を備え、
    前記瞳強度分布変更手段は、前記マスクのパターン特性に応じて前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更し、
    前記偏光状態変更手段は、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて、前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更することを特徴とする露光装置。
  40. 請求の範囲第39項に記載の露光装置において、
    前記偏光状態変更手段は、前記被照射面を照明する光の偏光状態を特定の偏光状態と非偏光状態との間で切り換えるための偏光状態切換手段を備え、
    該偏光状態切換手段は、前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて、前記特定の偏光状態と前記非偏光状態との間で切り換えることを特徴とする露光装置。
  41. 請求の範囲第39項または第40項に記載の露光装置において、
    前記瞳強度分布形成手段は、前記マスクに形成されたライン・アンド・スペース・パターンのピッチ方向に沿って間隔を隔てた2つの光強度分布の高い領域を形成し、
    前記偏光状態変更手段は、前記2つの光強度分布の高い領域から前記被照射面を照明する光の偏光状態を、前記ピッチ方向とほぼ直交する方向に偏光面を有する直線偏光状態に設定することを特徴とする露光装置。
  42. 請求の範囲第39項または第40項に記載の露光装置において、
    前記瞳強度分布形成手段は、前記照明光学装置の光軸をほぼ中心とする1つの光強度分布の高い領域を形成し、
    前記偏光状態変更手段は、前記1つの光強度分布の高い領域から前記被照射面を照明する光の偏光状態を、前記マスクとしての位相シフトマスクに形成されたライン・アンド・スペース・パターンのピッチ方向とほぼ直交する方向に偏光面を有する直線偏光状態に設定することを特徴とする露光装置。
  43. 請求の範囲第42項に記載の露光装置において、
    前記1つの光強度分布の高い領域の大きさφと前記瞳面との直径φpとの比φ/φpとして定義される値σは、
    σ≦0.4
    の条件を満足することを特徴とする露光装置。
  44. 請求の範囲第1項乃至第33項のいずれか1項に記載の照明光学装置または請求の範囲第34項乃至第36項のいずれか1項に記載の調整方法により調整された照明光学装置を介してマスクを照明する照明工程と、
    前記マスクのパターンを前記被照射面に配置された感光性基板上に露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法。
  45. 請求の範囲第44項に記載の露光方法において、
    投影光学系を用いて前記マスクのパターンの像を形成する投影工程と、
    前記投影光学系の瞳と共役な位置またはその近傍の位置に所定の光強度分布を形成する形成する瞳強度分布形成工程と、
    前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更する瞳強度分布変更工程とを備えることを特徴とする露光方法。
  46. 請求の範囲第45項に記載の露光方法において、
    前記瞳強度分布変更工程では、前記マスクのパターン特性に応じて前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更し、
    前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更する偏光状態変更工程をさらに含むことを特徴とする露光方法。
  47. 請求の範囲第46項に記載の露光方法において、
    前記瞳強度分布形成工程では、前記マスクに形成されたライン・アンド・スペース・パターンのピッチ方向に沿って間隔を隔てた2つの光強度分布の高い領域を形成し、
    前記2つの光強度分布の高い領域から前記被照射面を照明する光の偏光状態を、前記ピッチ方向とほぼ直交する方向に偏光面を有する直線偏光状態に設定する工程をさらに含むことを特徴とする露光方法。
  48. 請求の範囲第47項に記載の露光方法において、
    前記2つの光強度分布が高い領域は、前記照明光学装置の光軸に関して対称に形成され、
    前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に外接する外接円の直径φoと前記瞳面の直径φpとの比φo/φpとして定義される値σoは、
    0.7≦σo
    の条件を満足することを特徴とする露光方法。
  49. 請求の範囲第47項または第48項に記載の露光方法において、
    前記2つの光強度分布が高い領域は、前記照明光学装置の光軸に関して対称に形成され、
    前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に外接する外接円の直径φoと前記瞳面の直径φpとの比φo/φpとして定義される値をσoとし、前記光軸を中心として前記2つの光強度分布が高い領域に内接する内接円の直径φiと前記瞳面の直径φiとの比φi/φpとして定義される値をσiとするとき、
    0.5≦σi/σo
    の条件を満足することを特徴とする露光方法。
  50. 第1面に設定されるマスクのパターンを第2面に配置される感光性基板上に露光する露光方法において、
    直線偏光の光を供給する第1工程と、
    前記第1工程によって供給された光に基づいて前記マスクを照明する第2工程と、
    前記第2工程によって照明されたマスクのパターンを前記感光性基板上に露光する第3工程と、
    前記第2面上での光の偏光状態を特定の偏光状態と非偏光状態との間で切り換える第4工程とを含み、
    前記第4工程は、入射する直線偏光の光を必要に応じて非偏光化するためのデポラライザを照明光路に対して挿脱する工程を含むことを特徴とする露光方法。
  51. 請求の範囲第50項に記載の露光方法において、
    前記第4工程は、直線偏光の偏光面を可変とする工程を含むことを特徴とする露光方法。
  52. 請求の範囲第50項または第51項に記載の露光方法において、
    前記第3工程は、投影光学系を用いて前記マスクのパターンの像を第2面上に形成する工程を含み、
    前記投影光学系の瞳と共役な位置またはその近傍の位置に所定の光強度分布を形成する形成する第5工程と、
    前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方を変更する第6工程と、
    前記所定の光強度分布の形状および大きさのうちの少なくとも一方の変更に応じて前記被照射面を照明する光の偏光状態を変更する第7工程とを含むことを特徴とする露光方法。
  53. 第1面に設定されるマスクのパターンを第2面に配置される感光性基板上に露光する露光方法において、
    光を供給する第1工程と、
    前記第1工程によって供給された光に基づいて前記マスクを照明する第2工程と、
    前記第2工程によって照明されたマスクのパターンを前記感光性基板上に露光する第3工程と、
    前記第2面上での光の偏光状態の変動を補正する第4工程とを含むことを特徴とする露光方法。
  54. 請求の範囲第53項に記載の露光方法において、
    光の偏光状態を検出する第5工程をさらに含み、
    前記第4工程は、前記第5工程にて検出された光の偏光状態に基づいて前記第2面上での偏光状態を調整する工程を含むことを特徴とする露光方法。
  55. 光源部からの光で被照射面を照明する照明光学装置において、
    前記被照射面を照明する光の偏光状態を特定の偏光状態に設定するための偏光照明設定手段と、
    前記光源部と前記被照射面との間の光路中に配置されたオプティカルインテグレータとを備え、
    前記オプティカルインテグレータは、所定の第1方向に沿ったピッチで配列された第1の1次元シリンドリカルレンズアレイと、前記第1方向と交差する第2方向に沿ったピッチで配列された第2の1次元シリンドリカルレンズアレイとを備えていることを特徴とする照明光学装置。
  56. 請求の範囲第55項に記載の照明光学装置において、
    前記第1および第2の1次元シリンドリカルレンズアレイは1つの光透過性基板に一体に設けられていることを特徴とする照明光学装置。
  57. 請求の範囲第56項に記載の照明光学装置において、
    前記第1および第2の1次元シリンドリカルアレイを備えたシリンドリカルレンズアレイ板を複数備え、
    前記複数のシリンドリカルレンズアレイ板は、前記照明光学装置の光軸方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されていることを特徴とする照明光学装置。
  58. 請求の範囲第55項乃至請求の範囲第57項のいずれか1項に記載の照明光学装置において、
    前記第1の1次元シリンドリカルアレイの第1方向に沿ったピッチと前記第2の1次元シリンドリカルアレイの第2方向に沿ったピッチとの少なくとも一方は2mm以下のピッチを有することを特徴とする照明光学装置。
  59. 請求の範囲第55項乃至請求の範囲第58項のいずれか1項に記載の照明光学装置を備え、マスクのパターンを前記被照射面に配置された感光性基板上に露光することを特徴とする露光装置。
  60. 請求の範囲第55項乃至請求の範囲第58項のいずれか1項に記載の照明光学装置を用いてマスクを照明する照明工程と、
    前記マスクのパターンを前記被照射面に配置された感光性基板上に露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法。
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