JP5541164B2 - 照明光学系、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

照明光学系、露光装置及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、照明光学系、該照明光学系を備える露光装置、及び該露光装置を用いるデバイスの製造方法に関するものである。
一般に、半導体集積回路などのマイクロデバイスを製造するための露光装置は、光源から出力される露光光を所定のパターンが形成されるレチクルなどのマスクに導くための照明光学系を備えている。こうした照明光学系には、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズが設けられている。そして、フライアイレンズに露光光が入射した場合、該フライアイレンズの射出面側においてマスクの被照射面に対して光学的にフーリエ変換の関係にある照明瞳面には、所定の光強度分布(以下、「瞳強度分布」という。)が形成される。なお、瞳強度分布が形成される照明瞳面のことを、多数の光源からなる二次光源ともいう。
こうした二次光源から射出される露光光は、コンデンサレンズにより集光された後、マスクを重畳的に照明するようになっている。そして、マスクを透過した露光光は、投影光学系を介して感光材料の塗布されるウエハなどの基板上を照射するようになっている。その結果、基板上には、マスクのパターンが投影露光(転写)される。
ところで、近年では、マスクに形成されるパターンの高集積化(微細化)が進んでいる。マスクの微細パターンを基板上に正確に転写するためには、基板上に均一な照度分布を有する照射領域(「静止露光領域」ともいう。)を形成させることが不可欠である。そこで、従来から、マスクの微細パターンを基板上に正確に転写するために、例えば輪帯状や複数極状(2極状、4極状など)の瞳強度分布を照明瞳面に形成し、投影光学系の焦点深度や解像力を向上させていた(特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2006/0055834号明細書
ところで、マスクの微細パターンを基板上に正確に転写する際には、照明瞳面における瞳強度分布を所望の形状に調整するだけでなく、最終的な被照射面である基板上の各点の光強度をほぼ均一に調整する必要がある。基板上の各点での光強度にばらつきがあると、基板上の位置毎にパターンの線幅がばらついて、マスクの微細パターンを露光領域の全体に亘って所望の線幅で基板上に正確に転写することができないおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被照射面での光強度分布を調整することができる照明光学系、露光装置、及びデバイスの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、実施形態に示す図1〜図17に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の照明光学系は、光源(12)からの光(EL)で被照射面(Ra、Wa)を照明する照明光学系(13)であって、前記光源(12)からの光(EL)が入射した場合に前記照明光学系(13)の照明光路内の照明瞳面(27)に所定の光強度分布を形成するオプティカルインテグレータ(26)と、該オプティカルインテグレータ(26)よりも前記被照射面(Ra、Wa)側であって且つ前記照明光学系(13)の光軸方向において前記照明瞳面(27)を含んで設定される第1調整領域(63)及び前記照明瞳面(27)と光学的に共役な瞳共役面(83)を含んで設定される第2調整領域(80)内のうち少なくとも一方の領域内に配置され、入射する光(EL)の位置に応じて透過率特性が異なる透過フィルタ(64,81,82,81A,82A)と、該透過フィルタ(64,81,82,81A,82A)を前記少なくとも一方の領域内において前記光軸方向に沿って移動させる移動機構(70)と、を備えることを要旨とする。
上記構成によれば、透過フィルタ(64,81,82,81A,82A)は、光(EL)の入射する位置に応じて透過率特性が異なるように形成されている。こうした透過フィルタ(64,81,82,81A,82A)が、第1調整領域内及び第2調整領域内のうち少なくとも一方の領域内に配置されている。そして、透過フィルタ(64,81,82,81A,82A)を照明光学系(13)の光軸方向に沿って移動させることにより、被照射面(Ra、Wa)上の各点における光強度分布(「瞳強度分布」ともいう。)が独立的に調整される。そのため、被照射面(Ra、Wa)上の各点における光強度分布を互いに略同一性状の分布に調整することが可能となる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明によれば、被照射面での光強度分布を調整することができる。
第1の実施形態における露光装置を示す概略構成図。 一対のマイクロフライアイレンズを模式的に示す斜視図。 照明瞳面に形成される円形状の二次光源を示す模式図。 (a)はレチクル上に形成される照明領域を示す模式図、(b)はウエハ上に形成される静止露光領域を示す模式図。 静止露光領域内の中心点に入射する入射光によって形成される第1瞳強度分布を示す模式図。 静止露光領域内の周辺点に入射する入射光によって形成される第2瞳強度分布を示す模式図。 (a)は静止露光領域内の中心点に対応する第1瞳強度分布のZ軸方向に沿った光強度を示すグラフ、(b)は静止露光領域内の周辺点に対応する第2瞳強度分布のZ軸方向に沿った光強度を示すグラフ。 第1の実施形態における分布補正光学系を示す概略構成図。 第1の実施形態における透過フィルタを模式的に示す正面図。 透過フィルタをY軸方向に沿って移動させた場合の作用図。 透過フィルタをY軸方向に沿って移動させた場合の作用図。 透過フィルタをY軸方向に沿って移動させた場合の作用図。 透過フィルタをY軸方向に沿って移動させた場合の作用図。 (a)は第2の実施形態における分布補正光学系を示す概略構成図、(b)は各透過フィルタを模式的に示す正面図。 第3の実施形態における分布補正光学系を示す概略構成図。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合の基板処理に関する詳細なフローチャート。
(第1の実施形態)
以下に、本発明を具体化した第1の実施形態について図1〜図13に基づき説明する。なお、本実施形態では、後述する投影光学系15の光軸(図1における上下方向)をZ軸方向というと共に、図1における左右方向をY軸方向といい、さらに、図1において紙面と直交する方向をX軸方向というものとする。
図1に示すように、本実施形態の露光装置11は、所定の回路パターンが形成された透過型のレチクルRに露光光ELを照明することにより、表面Wa(+Z方向側の面であって、図1では上面)にレジストなどの感光材料が塗布されたウエハWに回路パターンの像を投影するための装置である。こうした露光装置11は、光源装置12から射出された露光光ELをレチクルRの被照射面Ra(+Z方向側の面)に導く照明光学系13と、レチクルRを保持するレチクルステージ14と、レチクルRを通過した露光光ELをウエハWの表面Waに導く投影光学系15と、ウエハWを保持するウエハステージ16とを備えている。なお、本実施形態の光源装置12は、193nmの波長の光を出力するArFエキシマレーザ光源を有し、該ArFエキシマレーザ光源から出力される光が露光光ELとして露光装置11内に導かれる。
照明光学系13は、光源装置12から射出される露光光ELを所定の断面形状(例えば、断面略矩形状)をなす平行な光束に変換するための整形光学系17と、該整形光学系17から射出された露光光ELをレチクルR側(ここでは、+Y方向側であって図1における右側)に反射する第1反射ミラー18とを備えている。この第1反射ミラー18の射出側(レチクルR側)には、回折光学素子19が設けられている。この回折光学素子19は、ガラス基板に露光光ELの波長と同程度のピッチを有する複数の段差を形成することにより構成されており、入射側(光源装置12側)から入射した露光光ELを所定の角度に回折する作用を有している。例えば、輪帯照明用の回折光学素子19を用いる場合、回折光学素子19に入射側から断面略矩形状をなす平行な光束の露光光ELが入射すると、回折光学素子19からは、断面形状が輪帯状(略円環状)をなす光束がレチクルR側に射出される。また、複数極(2極、4極、8極など)照明用の回折光学素子19を用いる場合、回折光学素子19に入射側から断面略矩形状をなす平行な光束の露光光ELが入射すると、回折光学素子19からは、極の数に応じた複数(例えば4つ)の光束がレチクルR側に射出される。
また、照明光学系13には、回折光学素子19から射出される露光光ELが入射するアフォーカル光学系20(「無焦点光学系」ともいう。)が設けられている。このアフォーカル光学系20は、第1レンズ群21(図1では一枚のレンズのみを図示)と、該第1レンズ群21よりも射出側に配置される第2レンズ群22(図1では一枚のレンズのみを図示)とを有している。そして、アフォーカル光学系20の入射側の焦点位置は、回折光学素子19の設置位置と略同一であると共に、アフォーカル光学系20の射出側の焦点位置は、図1において破線で示す所定面23の位置と略同一となるように形成されている。
また、第1レンズ群21と第2レンズ群22との間の光路内において、後述するオプティカルインテグレータ26の照明瞳面27と光学的に共役な位置又はその近傍には、露光光ELの入射位置に応じて透過率の異なる透過率分布を有する補正フィルタ24が設けられている。この補正フィルタ24は、入射側面及び射出側面が平行なガラス基板に対してクロムや酸化クロムなどから構成される遮光性ドットのパターンが形成されたフィルタである。
また、アフォーカル光学系20のレチクルR側には、σ値(σ値=照明光学系13のレチクルR側の開口数/投影光学系15のレチクルR側の開口数)を可変させるためのズーム光学系25が設けられており、該ズーム光学系25は、所定面23よりも射出側に配置されている。そして、ズーム光学系25から射出される露光光ELは、ズーム光学系25によって平行な光束に変換された後、該ズーム光学系25の射出側に配置されるオプティカルインテグレータ26に入射するようになっている。そして、オプティカルインテグレータ26は、入射した露光光ELを複数の光束に波面分割し、その射出側(+Y方向側)に位置する照明瞳面27に所定の光強度分布(「瞳強度分布」ともいう。)を形成するようになっている。なお、瞳強度分布が形成される照明瞳面27のことを、多数の面光源からなる二次光源60(図3参照)ともいう。
オプティカルインテグレータ26は、その入射面(−Y方向側の面であって、図1では左面)がズーム光学系25の射出側の焦点位置(瞳面ともいう。)又は該焦点位置近傍に位置するように配置されている。すなわち、所定面23とオプティカルインテグレータ26の入射面とは、実質的にフーリエ変換の関係であると共に、アフォーカル光学系20の瞳面(即ち、補正フィルタ24の設置位置)とオプティカルインテグレータ26の入射面とは、光学的にほぼ共役な関係となる。
オプティカルインテグレータ26の射出側には、投影光学系15の入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、且つ二次光源60の照明に寄与する範囲を規定するための図示しない照明開口絞りが設けられている。この照明開口絞りは、大きさ及び形状の異なる複数の開口部を有している。そして、照明開口絞りでは、二次光源60から射出される露光光ELの断面形状に対応した開口部が露光光ELの光路内に配置される。すなわち、二次光源60から射出される露光光ELの断面形状が輪帯状である場合、照明開口絞りは、輪帯状に対応した形状の開口部が露光光ELの光路内に位置するように駆動するようになっている。また、二次光源60から射出される露光光ELの断面形状が4極状である場合、照明開口絞りは、4極状に対応した形状の開口部が露光光ELの光路内に位置するように駆動するようになっている。
オプティカルインテグレータ26及び上記照明開口絞りの射出側には、レチクルR上に形成される照明領域ER1(図4(a)参照)や該照明領域ER1と光学的に共役な関係になるウエハW上に形成される静止露光領域ER2(図4(b)参照)内の各点における光強度分布を補正するための分布補正光学系31が設けられている。なお、分布補正光学系31の具体的な構成については、後述するものとする。
分布補正光学系31の射出側には、少なくとも一枚のレンズ(図1では一枚のみ図示)から構成される第1コンデンサ光学系28と、該第1コンデンサ光学系28の射出側であって且つレチクルRの被照射面Raと光学的に共役な位置に配置されるレチクルブラインド29(「マスクブラインド」ともいう。)とが設けられている。第1コンデンサ光学系28は、パワー(焦点距離の逆数)を有する光学素子(レンズ)から構成されている。また、レチクルブラインド29には、長手方向がZ軸方向であって且つ短手方向がX軸方向となる矩形状の開口部29aが形成されている。そして、第1コンデンサ光学系28から射出された露光光ELは、レチクルブラインド29を重畳的に照明するようになっている。なお、パワーを有する光学素子とは、露光光ELが光学素子に入射することにより、該露光光ELの特性が変化するような光学素子のことである。
また、レチクルブラインド29の射出側には、パワーを有するレンズから構成される第2コンデンサ光学系30が設けられており、該第2コンデンサ光学系30は、レチクルブラインド29側から入射した光を略平行な光束に変換するようになっている。また、第2コンデンサ光学系30の射出側には、結像光学系32が設けられている。この結像光学系32は、入射側レンズ群33と、該入射側レンズ群33から射出される露光光ELを−Z方向側(図1では下側)に反射する第2反射ミラー34と、該第2反射ミラー34の射出側に配置される射出側レンズ群35とを備えている。入射側レンズ群33は、少なくとも一枚(図1では一枚のみ図示)のパワーを有する光学素子(レンズ)から構成されると共に、射出側レンズ群35は、少なくとも一枚(図1では一枚のみ図示)のパワーを有する光学素子(レンズ)から構成されている。そして、結像光学系32から射出される露光光ELは、レチクルRの被照射面Raを重畳的に照明するようになっている。なお、本実施形態では、レチクルブラインド29の開口部29aの形状は、上述したように、矩形状をなしている。そのため、レチクルR上の照明領域ER1及びウエハW上の静止露光領域ER2は、図4(a)(b)に示すように、長手方向が第1の方向としてのY軸方向となり、且つ短手方向が第2の方向としてのX軸方向となる矩形状にそれぞれ形成される。
レチクルステージ14は、図1に示すように、投影光学系15の物体面側において、そのレチクルRの載置面が投影光学系15の光軸方向(Z軸方向)とほぼ直交するように配置されている。また、レチクルステージ14には、保持するレチクルRをX軸方向に所定ストロークで移動させる図示しないレチクルステージ駆動部が設けられている。
また、レチクルステージ14の近傍には、瞳強度分布計測装置36が設けられている。この瞳強度分布計測装置36は、二次光源60においてレチクルR上の照明領域ER1内の一点に入射する各入射光によって形成される瞳強度分布を点毎(位置毎)に計測する装置である。こうした瞳強度分布計測装置36は、射出側レンズ群35からレチクルRに向けて射出される露光光ELの一部(「反射光」ともいう。)を反射させるビームスプリッタ37と、該ビームスプリッタ37に反射された反射光が入射する計測用レンズ38と、該計測用レンズ38から射出された反射光が入射する検出部39とを備えている。この検出部39は、CCD撮像素子やフォトダイオードなどを有しており、検出部39からは、入射した反射光に応じた検出信号が制御装置40に出力される。そして、制御装置40は、検出部39からの検出信号に基づき、照明領域ER1の点毎の瞳強度分布を導出するようになっている。なお、瞳強度分布計測装置36については、例えば特開2006−54328号公報や特開2003−22967号公報及びこれに対応する米国特許出願公開第2003/0038225号明細書に開示されている。
投影光学系15は、内部が窒素などの不活性ガスで充填される鏡筒41を備え、この鏡筒41内には、図示しない複数のレンズが露光光ELの光路(Z軸方向)に沿って設けられている。また、鏡筒41内において、ウエハWの表面Waの設置位置及びレチクルRの被照射面Raの設置位置と光学的にフーリエ変換の関係となる位置には、開口絞り42が配置されている。そして、露光光ELにて照明されたレチクルR上の回路パターンの像は、投影光学系15を介して所定の縮小倍率に縮小された状態で、ウエハステージ16上のウエハWに投影転写される。ここで、光路とは、使用状態において、露光光ELが通ることが意図されている経路のことを示している。
ウエハステージ16は、投影光学系15の光軸とほぼ直交する平面状の載置面43を備え、該載置面43上には、ウエハWが載置される。また、ウエハステージ16には、保持するウエハWをX軸方向に所定ストロークで移動させる図示しないウエハステージ駆動部が設けられている。さらに、ウエハステージ16には、ウエハWの表面Waが投影光学系15の光軸と直交状態となるように、ウエハWの位置を微調整させる機能が設けられている。
そして、本実施形態の露光装置11を用いてウエハWにパターンの像を投影する場合、レチクルRは、上記レチクルステージ駆動部の駆動によって、+X方向側から−X方向側(図1では紙面手前側から紙面奥手側)に所定ストローク毎に移動する。すると、レチクルRにおける照明領域ER1は、該レチクルRの被照射面Raの−X方向側から+X方向側(図1では紙面奥手側から紙面手前側)に沿って移動する。すなわち、レチクルRのパターンが−X方向側から+X方向側に順にスキャンされる。また、ウエハWは、上記ウエハステージ駆動部の駆動によって、レチクルRのX軸方向に沿った移動に対して投影光学系15の縮小倍率に応じた速度比で−X方向側から+X方向側に同期して移動する。その結果、ウエハWの一つのショット領域には、レチクルR及びウエハWの同期移動に伴って、レチクルR上の回路パターンを所定の縮小倍率に縮小した形状のパターンが形成される。そして、一つのショット領域へのパターンの形成が終了した場合、ウエハWの他のショット領域に対するパターンの形成が連続して行われる。
次に、本実施形態のオプティカルインテグレータ26について図2に基づき説明する。なお、図2では、明細書の説明理解の便宜上、後述する各シリンドリカルレンズ面52,53,54,55の大きさが誇張して描かれているものとする。
図2に示すように、オプティカルインテグレータ26は、照明光学系13の光軸AX(図1及び図2では一点鎖線で示す。)に沿って配置される一対のマイクロフライアイレンズ50,51を備えている。これら両マイクロフライアイレンズ50,51は、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27が投影光学系15の開口絞り42と光学的に共役な位置に形成されるようにそれぞれ配置されている。
入射側に位置する第1マイクロフライアイレンズ50の入射側、及び射出側に位置する第2マイクロフライアイレンズ51の入射側には、照明光学系13の光軸AXとほぼ直交する入射面50a,51aがそれぞれ形成されている。また、第1マイクロフライアイレンズ50の射出側、及び第2マイクロフライアイレンズ51の射出側には、照明光学系13の光軸AXとほぼ直交する射出面50b,51bがそれぞれ形成されている。そして、両マイクロフライアイレンズ50,51の入射面50a,51a側には、Z軸方向に延びる複数(図2では10個)のシリンドリカルレンズ面52,53がX軸方向に沿ってそれぞれ配列されている。これら各シリンドリカルレンズ面52,53は、円柱の一部を切り取った形状をなすようにそれぞれ形成されており、各シリンドリカルレンズ面52,53のX軸方向における長さ(即ち、幅)は、第1幅H1である。
また、両マイクロフライアイレンズ50,51の射出面50b,51b側には、X軸方向に延びる複数(図2では10個)のシリンドリカルレンズ面54,55がZ軸方向に沿ってそれぞれ配列されている。これら各シリンドリカルレンズ面54,55は、円柱の一部を切り取った形状をなすようにそれぞれ形成されており、各シリンドリカルレンズ面54,55のZ軸方向における長さ(即ち、幅)は、第1幅H1よりも広い第2幅H2である。なお、第1幅H1及び第2幅H2は、レチクルブラインド29の開口部29aのX軸方向における長さ及びZ軸方向における長さ、即ち照明領域ER1及び静止露光領域ER2のX軸方向における長さ及びY軸方向における長さとそれぞれ対応関係がある。
オプティカルインテグレータ26のX軸方向に関する屈折作用に着目した場合、照明光学系13の光軸AXに沿って入射した露光光EL(即ち、平行光束)は、第1マイクロフライアイレンズ50の入射面50aに形成される各シリンドリカルレンズ面52によってX軸方向に沿って第1幅H1の間隔で波面分割される。そして、各シリンドリカルレンズ面52によって波面分割された各光束は、第2マイクロフライアイレンズ51の入射面51aに形成される各シリンドリカルレンズ面53のうち個別対応するシリンドリカルレンズ面でそれぞれ集光作用を受け、その後、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27上でそれぞれ集光するようになっている。また、オプティカルインテグレータ26のZ軸方向に関する屈折作用に着目した場合、照明光学系13の光軸AXに沿って入射した露光光EL(即ち、平行光束)は、第1マイクロフライアイレンズ50の射出面50bに形成される各シリンドリカルレンズ面54によってX軸方向に沿って第2幅H2の間隔で波面分割される。そして、各シリンドリカルレンズ面54によって波面分割された各光束は、第2マイクロフライアイレンズ51の射出面51bに形成される各シリンドリカルレンズ面55のうち個別対応するシリンドリカルレンズ面でそれぞれ集光作用を受け、その後、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27上でそれぞれ集光するようになっている。そして、照明瞳面27に形成される多数の点光源(図示略)からは、各シリンドリカルレンズ面52〜55の幅H1,H2の大きさやY軸方向におけるシリンドリカルレンズ面52〜55の配置位置の関係上、Z軸方向に対応する発散角のほうがX軸方向に対応する発散角よりも大きくなるような露光光ELがそれぞれ射出される。すなわち、照明瞳面27から射出される露光光ELの光束は、Z軸方向に沿った広がりのほうがX軸方向に沿った広がりよりも大きくなる。
なお、各マイクロフライアイレンズ50,51の各シリンドリカルレンズ面52〜55の第1幅H1及び第2幅H2は、本来、非常に狭い。そのため、本実施形態のオプティカルインテグレータ26での波面分割数は、複数のレンズ要素から構成されるフライアイレンズを用いる場合に比して多い。その結果、オプティカルインテグレータ26の入射側に形成される大局的な光強度分布と、射出側である照明瞳面27に形成される二次光源全体の大局的な光強度分布とは、互いに高い相関関係を示す。したがって、オプティカルインテグレータ26の入射側及び該入射側と光学的に共役な面における光強度分布についても、瞳強度分布と称すことができる。
ここで、回折光学素子19として輪帯照明用の回折光学素子が用いられる場合、オプティカルインテグレータ26の入射側には、照明光学系13の光軸AXを中心とした輪帯状の照野が形成される。その結果、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27には、入射側に形成される輪帯状の照野と同じ、輪帯状の二次光源60が形成される。また、回折光学素子19として複数極照明用の回折光学素子が用いられる場合、オプティカルインテグレータ26の入射側には、照明光学系13の光軸AXを中心とした複数の所定形状(円弧状、円形状など)の照野からなる複数極状の照野が形成される。その結果、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27には、入射側に形成される複数極状の照野と同じ、複数極状の二次光源60が形成される。なお、本実施形態では、4極照明用の回折光学素子19が用いられるものとする。
すなわち、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27には、図3に示すように、4つの円弧状の実質的な面光源(以下、単に「面光源」という。)60a,60b,60c,60dからなる4極状の二次光源60(瞳強度分布)が形成される。具体的には、二次光源60は、照明光学系13の光軸AXの+X方向側に位置する円弧状の第1面光源60aと、照明光学系13の光軸AXの−X方向側に位置する円弧状の第2面光源60bとを有しており、各面光源60a,60bの中間位置には、照明光学系13の光軸AXを含む仮想的な分割面D1(本実施形態ではY−Z平面であって、図3では二点鎖線で示す。)が位置している。また、二次光源60は、照明光学系13の光軸AXの+Z方向側に位置する円弧状の第3面光源60cと、照明光学系13の光軸AXの−Z方向側に位置する円弧状の第4面光源60dとを有しており、各面光源60c,60dの中間位置には、照明光学系13の光軸AXを含む図示しない仮想的な分割面(本実施形態ではX−Y平面)が位置している。
こうした各面光源60a〜60dから射出される各露光光ELがレチクルR上に導かれると、レチクルRの被照射面Ra上には、図4(a)に示すように、長手方向がY軸方向であり且つ短手方向がX軸方向となる矩形状の照明領域ER1が形成される。また、ウエハWの表面Wa上には、図4(b)に示すように、レチクルR上の照明領域ER1と対応した矩形状の静止露光領域ER2が形成される。この際、静止露光領域ER2(及び照明領域ER1)内の各点に入射する入射光が形成する4極状の瞳強度分布の各々は、露光光ELが入射する位置に依存することなく、互いにほぼ同一形状をなしている。ところが、静止露光領域ER2(及び照明領域ER1)内の点毎の4極状の瞳強度分布の光強度は、静止露光領域ER2内に入射する露光光ELの位置に依存して異なってしまう傾向がある。
具体的には、図5に示すように、照明領域ER1内及び静止露光領域ER2内のY軸方向における中心点P1a,P1bに入射する第1入射光EL1(図8参照)によって形成される第1瞳強度分布61では、Z軸方向に沿って配置される第3面光源61c及び第4面光源61dの光強度の方が、X軸方向に沿って配置される第1面光源61a及び第2面光源61bの光強度よりも強くなる傾向がある。一方、図4(a)(b)及び図6に示すように、照明領域ER1内及び静止露光領域ER2内において中心点P1a,P1bのY軸方向に沿って離間した各周辺点P2a,P3a,P2b,P3bに入射する第2入射光EL2及び第3入射光EL3(図8参照)によって形成される各第2瞳強度分布62では、Z軸方向に沿って配置される第3面光源62c及び第4面光源62dの光強度の方が、X軸方向に沿って配置される第1面光源62a及び第2面光源62bの光強度よりも弱くなる傾向がある。なお、ここでいう各瞳強度分布61,62は、照明光学系13内における露光光ELの光路内に補正フィルタ24及び後述する透過フィルタ64が配置されていない場合に、照明瞳面27及び該照明瞳面27と光学的に共役な瞳共役面に形成される、静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する光強度分布のことをそれぞれ示している。
一般に、中心点P1a,P1bに対応する第1瞳強度分布61のZ軸方向に沿った光強度分布は、図7(a)に示すように、Z軸方向における中央が最も弱くなると共に、中央からZ軸方向に沿って離間するに連れて次第に強くなる凹曲線状の分布である。また、各周辺点P2a,P2b,P3a,P3bに対応する第2瞳強度分布62のZ軸方向に沿った光強度分布は、図7(b)に示すように、Z軸方向における中央が最も強くなると共に、中央からZ軸方向に沿って離間するに連れて次第に弱くなる凸曲面状の分布である。
こうした瞳強度分布61,62のZ軸方向に沿った光強度分布は、照明領域ER1及び静止露光領域ER2内のX軸方向に沿った各点の位置にはほとんど依存しないものの、照明領域ER1及び静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点の位置に依存して変化する傾向がある。そのため、静止露光領域ER2内におけるY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに個別に対応する瞳強度分布61,62がそれぞれ均一ではない場合、ウエハWにおいて形成されるパターンの線幅にばらつきが発生するおそれがある。このような課題を解決するために、本実施形態の照明光学系13内には、補正フィルタ24及び分布補正光学系31が設けられている。
なお、本実施形態の補正フィルタ24は、照明瞳面27に形成される二次光源60のうちZ軸方向に沿った第3面光源60c及び第4面光源60dを構成する光束を減光させる一方、X軸方向に沿った第1面光源60a及び第2面光源60bを構成する光束をほとんど減光させない透過率分布を有している。
次に、本実施形態の分布補正光学系31について図8及び図9に基づき説明する。なお、図8には、二次光源60を構成する各面光源60a〜60dのうち第3面光源60c及び第4面光源60dから射出される露光光ELの光束のみ図示するものとする。また、図8において、レチクルブラインド29の設置位置には、静止露光領域ER2内の中心点P1bに対応する共役中心点P1cと、各周辺点P2b,P3bに個別に対応する共役周辺点P2c,P3cとがそれぞれ示されている。
図8に示すように、分布補正光学系31は、オプティカルインテグレータ26と第1コンデンサ光学系28との間に形成される第1調整領域63内に配置される透過フィルタ64を備えている。この透過フィルタ64は、図9に示すように、露光光ELを透過する光透過性部材64a(本実施形態では、略正方形状をなすガラス板)を有し、該光透過性部材64aには、照明光学系13の光軸AXを中心とした略円形状の有効フィルタ領域65(図9では破線で囲まれた領域)が形成されている。
この有効フィルタ領域65は、第1面光源60aに対応する第1フィルタ領域65aと、第2面光源60bに対応する第2フィルタ領域65bと、第3面光源60cに対応する第3フィルタ領域65cと、第4面光源60dに対応する第4フィルタ領域65dとに分割される。具体的には、各フィルタ領域65a〜65dは、照明光学系13の光軸AXと直交する仮想線である第1の線L1(図9では破線で示す。)と光透過性部材64a上で第1の線と直交する仮想線である第2の線L2(図9では破線で示す。)とによって有効フィルタ領域65を区画することによりそれぞれ形成されている。また、各フィルタ領域65a〜65dのうちX軸方向に沿って配置される第1フィルタ領域65aと第2フィルタ領域65bとの間には、照明光学系13の光軸AXを含む仮想的な分割面D2(図9では二点鎖線で示す平面であって、Y−Z平面)が位置している。そして、各フィルタ領域65a〜65d内には、該各フィルタ領域65a〜65dに個別対応する面光源60a〜60dから射出される露光光ELがそれぞれ入射するようになっている。
各フィルタ領域65a〜65dのうち第3フィルタ領域65c及び第4フィルタ領域65dには、該各フィルタ領域65c,65dに入射した露光光ELを減光させるための処理がそれぞれ施されていない。すなわち、第3面光源60c及び第4面光源60dから射出される各露光光ELは、透過フィルタ64を通過してもほとんど減光されない。一方、残りの第1フィルタ領域65a及び第2フィルタ領域65bには、該各フィルタ領域65a,65bに入射した露光光ELを減光させるために、クロムや酸化クロムなどから構成される遮光性ドットのパターンがそれぞれ形成されている。具体的には、第1フィルタ領域65aには、静止露光領域ER2の長手方向に対応するZ軸方向における中央部分の透過率が最も高く、Z軸方向において中央部分から離間するに連れて次第に透過率が低くなる第1の透過率分布が形成されている。また、第2フィルタ領域65bには、静止露光領域ER2の長手方向に対応するZ軸方向における中央部分の透過率が最も高く、Z軸方向において中央部分から離間するに連れて次第に透過率が低くなる第2の透過率分布が形成されている。すなわち、第1の透過率分布と第2の透過率分布とは、同一の透過率分布である。したがって、第1フィルタ領域65aは、二次光源60の第1領域である第1面光源60aから射出される露光光ELが入射する第1パターン領域として機能すると共に、第2フィルタ領域65bは、二次光源60において第1面光源60aとは異なる第2領域である第2面光源60bから射出される露光光ELが入射する第2パターン領域として機能するようになっている。なお、図9では、明細書の説明理解の便宜上、ドットの密度の濃淡によって透過率の高低が描かれている。
ちなみに、照明瞳面27に形成される二次光源60の各面光源60a〜60dは、ウエハW上の静止露光領域ER2内の各点に入射する露光光ELによってそれぞれ形成されている。すなわち、露光光ELのうち中心点P1bに入射する第1入射光EL1は、各面光源60a〜60d内を照明光学系13の光軸AXに対して第1角度(所定の角度)をなして通過する。また、露光光ELのうち周辺点P2bに入射する第2入射光EL2は、各面光源60a〜60d内を照明光学系13の光軸AXに対して上記第1角度よりも大きな第2角度(所定の角度)をなして通過する。また、露光光ELのうち周辺点P3bに入射する第3入射光EL3は、各面光源60a〜60d内を照明光学系13の光軸AXに対して上記第2角度とほぼ同等の大きさを有する第3角度(所定の角度)をなして通過する。
そして、第1面光源60aを構成する図示しない多数の点光源(所定の点)から射出される各入射光EL1〜EL3は、透過フィルタ64において分割面D2よりも−X方向側に位置する第1フィルタ領域65aをそれぞれ通過する。また、第2面光源60bを構成する図示しない多数の点光源(所定の点)から射出される各入射光EL1〜EL3は、透過フィルタ64において分割面D2よりも+X方向側に位置する第2フィルタ領域65bをそれぞれ通過する。また、第3面光源60cを構成する図示しない多数の点光源(所定の点)から射出される各入射光EL1〜EL3は、透過フィルタ64における+Z方向側(図9では上側)に位置する第3フィルタ領域65cをそれぞれ通過する。そして、第4面光源60dを構成する図示しない多数の点光源(所定の点)から射出される各入射光EL1〜EL3は、透過フィルタ64における−Z方向側(図9では下側)に位置する第4フィルタ領域65dをそれぞれ通過する。
その結果、第1フィルタ領域65a内には、第1面光源60aから射出される露光光ELによって第1入射領域66が形成されると共に、第2フィルタ領域65b内には、第2面光源60bから射出される露光光ELによって第2入射領域67が形成される。また、第3フィルタ領域65c内には、第3面光源60cから射出される露光光ELによって第3入射領域68が形成されると共に、第4フィルタ領域65d内には、第4面光源60dから射出される露光光ELによって第4入射領域69が形成される。なお、図9には、照明瞳面27とY軸方向においてほぼ同一となる位置に配置される透過フィルタ64が図示されている。
また、分布補正光学系31には、図8に示すように、透過フィルタ64をY軸方向に沿って移動させるための移動機構70を備えている。この移動機構70には、Y軸方向に沿って延びるガイド部71と、透過フィルタ64に駆動力を付与する駆動源72とが設けられている。ガイド部71のY軸方向における長さは、図9及び図10に示すように、有効フィルタ領域65の半径R1(有効フィルタ領域65の有効径の半分)に対する第1入射領域66(又は第2入射領域67)と光軸AXとの間のX軸方向に沿った距離R2の比(=距離R2/半径R1)が「1/2」を超えるように設定されている。また、駆動源72は、制御装置40の制御指令に基づき駆動するようになっている。そして、駆動源72から透過フィルタ64に駆動力が付与される場合、透過フィルタ64は、ガイド部71に沿ってY軸方向に移動するようになっている。また、分布補正光学系31には、透過フィルタ64を露光光ELの光路内と光路外との二位置間で進退移動させるための図示しない進退移動装置が設けられており、該進退移動装置は、制御装置40からの制御指令に応じて駆動するようになっている。
次に、静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62を調整する際の作用の一例について図10〜図13に基づき説明する。なお、初期状態では、各透過フィルタ64は、露光光ELの光路外にそれぞれ配置されているものとする。
さて、光源装置12から射出される露光光ELが回折光学素子19に入射すると、該回折光学素子19からは、断面形状が4極状をなす露光光ELが射出される。すると、この露光光ELが照明瞳面27と光学的に共役な位置又はその近傍に配置される補正フィルタ24を通過することにより、オプティカルインテグレータ26の射出側に形成される照明瞳面27には、補正フィルタ24によって補正(減光)された第1面光源60a及び第2面光源60bと、補正フィルタ24によってほとんど補正されない第3面光源60c及び第4面光源60dとを有する二次光源60が形成される。この際、照明瞳面27と光学的に共役な瞳共役面(例えば、レチクルブラインド29の配置位置)の瞳強度分布もまた、補正フィルタ24によって補正される。
なお、本実施形態の補正フィルタ24は、照明瞳面27に形成される二次光源60のZ軸方向に沿った第3面光源60c及び第4面光源60dの光強度を減光させるためのフィルタである。また、上述したように、レチクルRの照明領域ER1内及びウエハW上の静止露光領域ER2内の中心点P1a,P1bに対応する第1瞳強度分布61では、露光光ELの光路内に補正フィルタ24がない場合、X軸方向に沿った第1面光源61a及び第2面光源61bの各光強度が、Z軸方向に沿った第3面光源61c及び第4面光源61dの各光強度よりもそれぞれ弱い。そのため、第1瞳強度分布61では、補正フィルタ24によって、第3面光源61c及び第4面光源61dの各光強度が、第1面光源61a及び第2面光源61bの各光強度とほぼ同等となる。一方、照明領域ER1内及び静止露光領域ER2内の各周辺点P2a,P2b,P3a,P3bに対応する第2瞳強度分布62では、露光光ELの光路内に補正フィルタ24がない場合、X軸方向に沿った第1面光源62a及び第2面光源62bの各光強度が、Z軸方向に沿った第3面光源62c及び第4面光源62dの各光強度よりもそれぞれ強い。そのため、第2瞳強度分布62では、補正フィルタ24によって、第1面光源61a及び第2面光源62bの各光強度と第3面光源62c及び第4面光源62dの各光強度との差が逆に大きくなってしまう。
このような第1瞳強度分布61と第2瞳強度分布62とをほぼ同一性状の分布にするためには、第1瞳強度分布61の第1面光源61a及び第2面光源61bの光強度を少しだけ減光させると共に、第2瞳強度分布62の第1面光源62a及び第2面光源62bの光強度を大幅に減光させる必要がある。そこで、本実施形態では、瞳強度分布計測装置36によって、照明瞳面27に形成される二次光源60において静止露光領域ER2内の点毎の4極状の瞳強度分布の光強度がそれぞれ計測される。ここでは、静止露光領域ER2内の中心点P1b、周辺点P2b,P3bに入射する入射光EL1,EL2,EL3によって照明瞳面27に形成される第1瞳強度分布61及び第2瞳強度分布62がそれぞれ計測される。この場合、第1瞳強度分布61と第2瞳強度分布62とは、互いに性状が異なっている。そのため、図示しない進退移動装置の駆動によって、透過フィルタ64が、二次光源60の第1面光源60aから射出される露光光ELの光路内及び第2面光源60bから射出される露光光ELの光路内にそれぞれ配置される。この際、透過フィルタ64は、第1調整領域63内において照明瞳面27とY軸方向における略同一位置(以下、「初動位置」という。)に配置される。
すると、第1瞳強度分布61の第1面光源61a及び第2面光源61bによって透過フィルタ64に形成される第1入射領域66a及び第2入射領域67aは、第1フィルタ領域65a内及び第2フィルタ領域65b内においてZ軸方向における中央にそれぞれ形成される(図9参照)。また、第2瞳強度分布62の第1面光源62a及び第2面光源62bによって透過フィルタ64に形成される第1入射領域66b,66c及び第2入射領域67b,67cは、第1フィルタ領域65a内及び第2フィルタ領域65b内においてZ軸方向における中央にそれぞれ形成される(図9参照)。すなわち、透過フィルタ64が初動位置に位置する場合、各第1入射領域66a,66b,66cは、第1フィルタ領域65a内において互いにほぼ同一位置にそれぞれ形成されると共に、各第2入射領域67a,67b,67cは、第2フィルタ領域65b内において互いにほぼ同一位置にそれぞれ形成される。そのため、第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される露光光ELのうち、中心点P1bに入射する第1入射光EL1、周辺点P2bに入射する第2入射光EL2及び周辺点P3bに入射する第3入射光EL3は、透過フィルタ64によってそれぞれ僅かに減光される。しかも、それらの減光度合いは、互いに同程度である。したがって、第1瞳強度分布61と第2瞳強度分布62とは、互いに性状が異なったままである。
そこで、移動機構70からの駆動力によって、透過フィルタ64が初動位置から+Y方向(図8では右側)に移動すると、図10〜図13に示すように、透過フィルタ64内に入射する各入射光EL1,EL2,EL3の入射態様が変化する。すなわち、二次光源60から射出される露光光ELのうち、中心点P1bに対応する第1瞳強度分布61の各面光源61a〜61dから射出される各第1入射光EL1は、透過フィルタ64のY軸方向における位置が変化しても、透過フィルタ64が初動位置に位置する場合とほぼ同一位置にそれぞれ入射する。換言すると、各第1入射光EL1によって形成される各入射領域66a,67a,68a,69a(図10〜図13にて実線で囲まれた領域)の透過フィルタ64内における各形成位置は、透過フィルタ64がY軸方向に沿って移動してもほとんど変化しない。
また、周辺点P2bに対応する第2瞳強度分布62の各面光源62a〜62dから射出される各第2入射光EL2の透過フィルタ64への入射位置は、透過フィルタ64が照明瞳面27から離間する方向に移動するに連れて次第に−Z方向側(図10〜図13では下側)へ移動する。換言すると、各第2入射光EL2によって形成される各入射領域66b,67b,68b,69b(図10〜図13にて一点鎖線で囲まれた領域)の透過フィルタ64内における各形成位置は、透過フィルタ64が照明瞳面27から離間する方向に移動するに連れて次第に−Z方向側にそれぞれ移動する。なお、本実施形態では、透過フィルタ64が可動範囲内において照明瞳面27から最も離間した位置まで移動すると、第4面光源62dから射出される第2入射光EL2によって透過フィルタ64に形成される第4入射流域69bの一部(具体的には、−Z方向側の部分)が第3フィルタ領域65c外に位置するようになる。
また、周辺点P3bに対応する第2瞳強度分布62の各面光源62a〜62dから射出される各第3入射光EL3の透過フィルタ64への入射位置は、透過フィルタ64が照明瞳面27から離間する方向に移動するに連れて次第に+Z方向側(図10〜図13では上側)へ移動する。換言すると、各第3入射光EL3によって形成される各入射領域66c,67c,68c,69c(図10〜図13にて破線で囲まれた領域)の透過フィルタ64内における各形成位置は、透過フィルタ64が照明瞳面27から離間する方向に移動するに連れて次第に+Z方向側にそれぞれ移動する。なお、本実施形態では、透過フィルタ64が可動範囲内において照明瞳面27から最も離間した位置まで移動すると、第3面光源62cから射出される第3入射光EL3によって透過フィルタ64に形成される第3入射流域68cの一部(具体的には、+Z方向側の部分)が第3フィルタ領域65c外に位置するようになる。
このように透過フィルタ64をY軸方向に沿って照明瞳面27から離間させると、各周辺点P2b,P3bに対応する各第1入射領域66b,66cは、中心点P1bに対応する第1入射領域66aとZ軸方向において異なる位置にそれぞれ形成される。また、各第2入射領域67b,67cは、第2入射領域67aとZ軸方向において異なる位置にそれぞれ形成される。すなわち、各第1入射領域66b,66c及び各第2入射領域67b,67cは、各フィルタ領域65a,65b内において第1入射領域66a及び第2入射領域67aと比較して減光作用の強い各位置にそれぞれ形成される。そのため、第1瞳強度分布61の第1面光源61a及び第2面光源61bから射出される各第1入射光EL1は、透過フィルタ64によって僅かに減光され、第2瞳強度分布62の第1面光源62a及び第2面光源62bから射出される各第2入射光EL2及び各第3入射光EL3は、透過フィルタ64によって大幅に減光される。しかも、第1フィルタ領域65a及び第2フィルタ領域65bは、Z軸方向における中央よりも+Z方向側の減光態様と、Z軸方向における中央よりも−Z方向側の減光態様とがほぼ同一の態様をなすようにそれぞれ形成されている。したがって、第1面光源62a及び第2面光源62bから射出される各第2入射光EL2及び各第3入射光EL3は、透過フィルタ64を通過することにより、互いに同程度減光される。
その結果、第1瞳強度分布61の性状と第2瞳強度分布62の性状とは、互いにほぼ同一の性状となる。すなわち、各面光源61a〜61dから静止露光領域ER2の中心点P1bに入射する各第1入射光EL1の光強度と、各面光源62a〜62dから静止露光領域ER2の各周辺点P2b,P3bに入射する各第2入射光EL2及び各第3入射光EL3の光強度とは、互いにほぼ同一の光強度となる。そのため、この状態で露光処理が実行されると、ウエハW上の静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62がほぼ同一性状であるため、ウエハWの表面Waにおいて形成されるパターンの線幅にばらつきが発生することが抑制される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第1調整領域63内に配置される透過フィルタ64は、露光光ELの入射する位置に応じて透過率特性が異なるように形成されている。こうした透過フィルタ64を第1調整領域63内で照明光学系13の光軸AXに沿って移動させることにより、ウエハWの静止露光領域ER2内の各点P1b〜P3bにおける各瞳強度分布61,62が独立的に調整される。そのため、静止露光領域ER2内の各点P1b〜P3bにおける各瞳強度分布61,62を互いに略同一性状の分布に調整することができる。
(2)また、本実施形態では、オプティカルインテグレータ26よりも光源装置12側において、ウエハWの表面Waと光学的に共役な位置には、ウエハW上の静止露光領域ER2内の各点P1b〜P3bに対応する各瞳強度分布61,62を一律に調整するための補正フィルタ24が設けられる。そして、静止露光領域ER2内の各点P1b〜P3bに対応する各瞳強度分布61,62は、補正フィルタ24と透過フィルタ64との協動作用によって、それぞれほぼ均一となるように調整される。そのため、補正フィルタ24を露光光ELの光路内に配置しない場合に比して、静止露光領域ER2内の各点P1b〜P3bに対応する各瞳強度分布61,62を高精密に調整できる。したがって、レチクルRの回路パターンに応じた適切な照明条件の基でウエハWに対する露光処理を行うことができ、結果として、ウエハWには、その全体に亘って所望する線幅のパターンを忠実に形成することができる。
(3)本実施形態では、透過フィルタ64は、瞳強度分布計測装置36からの検出信号に基づき算出された計測結果、即ちレチクルRの照明領域ER1内の各点P1a〜P3aに対応する各瞳強度分布61,62に基づきY軸方向に沿って移動する。そのため、照明光学系13を構成する各種光学素子のうち少なくとも一つの光学素子の劣化などに起因して各瞳強度分布61,62が変化した場合、瞳強度分布計測装置36による計測結果によって透過フィルタ64が移動することにより、各瞳強度分布61,62を、それらの性状の分布が所望する性状の分布となるように速やかに調整することができる。
(4)透過フィルタ64は、照明瞳面27近傍に配置される。そのため、透過フィルタ64がY軸方向に沿って移動すると、第1瞳強度分布61の各面光源61a〜61dから射出される各第1入射光EL1によって透過フィルタ64に形成される各入射領域66a〜69aと、第2瞳強度分布62の各面光源62a〜62dから射出される各第2入射光EL2及び各入射光EL3によって透過フィルタ64に形成される各入射領域66b〜69b,66c〜69cとの位置関係は、それぞれ変化する。すなわち、各入射領域66a〜69a、各入射領域66b〜69b及び各入射領域66c〜69cの位置関係を変更させることにより、各瞳強度分布61,62の性状を調整できる。
(5)本実施形態では、透過フィルタ64がY軸方向に沿って移動すると、透過フィルタ64において第2入射光EL2及び第3入射光EL3によって形成される各入射領域66b〜69b,66c〜69cの各形成位置は、Z軸方向に沿ってそれぞれ変位する。第1フィルタ領域65a及び第2フィルタ領域65bは、各入射領域66b〜69b,66c〜69cのZ軸方向に沿った変位に対応して、Z軸方向における位置毎によって透過率が異なるようにそれぞれ形成されている。そのため、本実施形態の透過フィルタ64を第1調整領域63内でY軸方向に沿って移動させることにより、各瞳強度分布61,62の性状を好適に調整できる。
(6)本実施形態では、一枚の透過フィルタ64に、各面光源60a〜60dに対応するフィルタ領域65a〜65dが形成されている。そのため、面光源60a〜60d毎に透過フィルタを個別に設ける場合に比して、分布補正光学系31の構成の複雑化を抑制できる。
(7)また、第1フィルタ領域65aの透過率分布と、第2フィルタ領域65bの透過率分布とは、互いに同一の分布である。そのため、第2瞳強度分布62の第1面光源62a及び第2面光源62bから射出される各第2入射光EL2及び各第3入射光EL3の減光度合いをそれぞれ同程度とすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図14に従って説明する。なお、第2の実施形態は、分布補正光学系の構成が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図14(a)に示すように、本実施形態の分布補正光学系31Aは、第2コンデンサ光学系30と入射側レンズ群33との間の第2調整領域80内に配置される複数枚(本実施形態では2枚)の透過フィルタ81,82を備えている。これら各透過フィルタ81,82は、移動機構70からの駆動力によって、第2調整領域80内をY軸方向に沿って個別に移動するようになっている。なお、第2調整領域80内には、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27と光学的に共役な瞳共役面83が位置すると共に、入射側レンズ群33の射出側には、レチクルブラインド29と光学的に共役な像面共役面84が位置している。
図14(a)(b)に示すように、各透過フィルタ81,82のうち第1の透過フィルタ81は、照明瞳面27に形成される二次光源60の第1領域に相当する第1面光源60aから射出される露光光ELの光路内に配置されている。また、残りの第2の透過フィルタ82は、二次光源60において第1領域とは異なる第2領域に相当する第2面光源60bから射出される露光光ELの光路内に配置されている。すなわち、各透過フィルタ81,82は、照明光学系13の光軸AXを含む仮想的な分割面D3(図14(b)ではY−Z平面であって、二点鎖線で示す。)を間に挟むようにそれぞれ配置されている。
第1の透過フィルタ81に形成される第1の透過率分布と、第2の透過フィルタ82に形成される第2の透過率分布とは、互いに同一の透過率分布である。具体的には、各透過フィルタ81,82の透過率分布は、静止露光領域ER2の長手方向に対応するZ軸方向における中央部分の透過率が最も高く、Z軸方向において中央部分から離間するに連れて次第に透過率が低くなるようにそれぞれ形成されている。なお、こうした透過率分布は、クロムや酸化クロムなどから構成される遮光性ドットのパターンによってそれぞれ形成されている。
そして、第1面光源60aを構成する図示しない多数の点光源(所定の点)から射出される各入射光EL1〜EL3は、分割面D3よりも−X方向側に位置する第1の透過フィルタ81をそれぞれ通過する。また、第2面光源60bを構成する図示しない多数の点光源(所定の点)から射出される各入射光EL1〜EL3は、分割面D3よりも+X方向側に位置する第2の透過フィルタ82をそれぞれ通過する。一方、第3面光源60c及び第4面光源60dを構成する図示しない多数の点光源(所定の点)から射出される各入射光EL1〜EL3は、各透過フィルタ81,82を介することなく入射側レンズ群33に入射する。その結果、第1の透過フィルタ81内には、第1面光源60aから射出される露光光ELによって第1入射領域66が形成されると共に、第2の透過フィルタ82内には、第2面光源60bから射出される露光光ELによって第2入射領域67が形成される。
なお、図14(b)は、各透過フィルタ81,82が瞳共役面83とY軸方向において同一位置に位置する場合に第2コンデンサ光学系30側から見た場合の概略正面図である。そのため、第1入射光EL1によって形成される各入射領域66a,67a、第2入射光EL2によって形成される各入射領域66b,67b及び第3入射光EL3によって形成される各入射領域66c,67cは、各透過フィルタ81,82内においてほぼ同一位置にそれぞれ形成されている。
そして、各透過フィルタ81,82をY軸方向において瞳共役面83と同一位置に配置される場合、各入射領域66a〜66c,67a〜67cは、各透過フィルタ81,82のZ軸方向における中央にそれぞれ形成される。そのため、第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される各入射光EL1〜EL3は、各透過フィルタ81,82によってほとんど減光されない。また、各透過フィルタ81,82をY軸方向において瞳共役面83から離間する方向にそれぞれ移動させると、第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される各第1入射光EL1によって各透過フィルタ81,82内に形成される各入射領域66a,67aの各形成位置は、Z軸方向においてほとんど変位しない。一方、第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される各第2入射光EL2によって各透過フィルタ81,82内に形成される各入射領域66b,67bの各形成位置は、各透過フィルタ81,82が瞳共役面83からY軸方向に沿って離間するに連れて次第に−Z方向側にそれぞれ変位する。また、第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される各第3入射光EL3によって各透過フィルタ81,82内に形成される各入射領域66c,67cの各形成位置は、各透過フィルタ81,82が瞳共役面83からY軸方向に沿って離間するに連れて次第に+Z方向側にそれぞれ変位する。
上述したような各透過フィルタ81,82のY軸方向における各位置が、瞳強度分布計測装置36による計測結果に基づきそれぞれ調整されると、ウエハW上の静止露光領域ER2内の点P1b〜P3b毎の各瞳強度分布61,62の性状が、それぞれ調整される。
また、本実施形態では、各透過フィルタ81,82をY軸方向に沿って個別に移動させることが可能である。この場合、静止露光領域ER2の周辺点P2bに入射する各第2入射光EL2のうち、第1の透過フィルタ81を通過した第2入射光EL2の透過率と、第2の透過フィルタ82を透過した第2入射光EL2の透過率とでは、互いに異なる。そのため、第1の透過フィルタ81を通過した第2入射光EL2の光強度と、第2の透過フィルタ82を透過した第2入射光EL2の光強度とを互いに異ならせたい場合には、第1の透過フィルタ81と瞳共役面83とのY軸方向における距離と、第2の透過フィルタ82と瞳共役面83とのY軸方向における距離とを異ならせてもよい。なお、静止露光領域ER2の周辺点P3bに入射する各第3入射光EL3についても同様である。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(8)第2調整領域80内に配置される各透過フィルタ81,82は、露光光ELの入射する位置に応じて透過率特性が異なるようにそれぞれ形成されている。こうした各透過フィルタ81,82を第2調整領域80内で照明光学系13の光軸AXに沿って移動させることにより、ウエハWの静止露光領域ER2内の各点P1b〜P3bにおける各瞳強度分布61,62が独立的に調整される。そのため、静止露光領域ER2内の各点P1b〜P3bにおける各瞳強度分布61,62を互いに略同一性状の分布に調整することができる。
(9)また、本実施形態では、オプティカルインテグレータ26よりも光源装置12側において、ウエハWの表面Waと光学的に共役な位置には、ウエハW上の静止露光領域ER2内の各点P1b〜P3bに対応する各瞳強度分布61,62を一律に調整するための補正フィルタ24が設けられる。そして、静止露光領域ER2内の各点P1b〜P3bに対応する各瞳強度分布61,62は、補正フィルタ24と各透過フィルタ81,82との協動作用によって、それぞれほぼ均一となるように調整される。そのため、補正フィルタ24を露光光ELの光路内に配置しない場合に比して、静止露光領域ER2内の各点P1b〜P3bに対応する各瞳強度分布61,62を高精密に調整できる。したがって、レチクルRの回路パターンに応じた適切な照明条件の基でウエハWに対する露光処理を行うことができ、結果として、ウエハWには、その全体に亘って所望する線幅のパターンを忠実に形成することができる。
(10)本実施形態では、各透過フィルタ81,82は、瞳強度分布計測装置36からの検出信号に基づき算出された計測結果、即ちレチクルRの照明領域ER1内の各点P1a〜P3aに対応する各瞳強度分布61,62に基づきY軸方向に沿ってそれぞれ移動する。そのため、照明光学系13を構成する各種光学素子のうち少なくとも一つの光学素子の劣化などに起因して各瞳強度分布61,62が変化した場合、瞳強度分布計測装置36による計測結果によって各透過フィルタ81,82が移動することにより、各瞳強度分布61,62を、それらの性状の分布が所望する性状の分布となるように速やかに調整することができる。
(11)各透過フィルタ81,82は、瞳共役面83近傍にそれぞれ配置される。そのため、各透過フィルタ81,82がY軸方向に沿ってそれぞれ移動すると、第1瞳強度分布61の第1面光源61a及び第2面光源61bから射出される各第1入射光EL1によって各透過フィルタ81,82に形成される各入射領域66a,67aと、第2瞳強度分布62の第1面光源62a及び第2面光源62bから射出される各第2入射光EL2及び各入射光EL3によって各透過フィルタ81,82に形成される各入射領域66b,67b,66c,67cとの位置関係は、それぞれ変化する。すなわち、各入射領域66a,67a、各入射領域66b,66b及び各入射領域66c,66cの位置関係を変更させることにより、各瞳強度分布61,62の性状を調整できる。
(12)本実施形態では、各透過フィルタ81,82がY軸方向に沿ってそれぞれ移動すると、各透過フィルタ81,82内において第2入射光EL2及び第3入射光EL3によって形成される各入射領域66b,67c,66c,67cの各形成位置は、Z軸方向に沿ってそれぞれ変位する。各透過フィルタ81,82は、各入射領域66b,67c,66c,67cのZ軸方向に沿った変位に対応して、Z軸方向における位置毎によって透過率が異なるようにそれぞれ形成されている。そのため、本実施形態の各透過フィルタ81,82を第2調整領域80内でY軸方向に沿って移動させることにより、各瞳強度分布61,62の性状を好適に調整できる。
(13)第1の透過フィルタ81の第1の透過率分布と、第2の透過フィルタ82の第2の透過率分布とは、互いに同一の分布である。そのため、第1の透過フィルタ81と瞳共役面83とのY軸方向における距離と、第2の透過フィルタ82と瞳共役面83とのY軸方向における距離とを同程度とすることにより、第2瞳強度分布62の第1面光源62a及び第2面光源62bから射出される各第2入射光EL2及び各第3入射光EL3の減光度合いをそれぞれ同程度とすることができる。
(14)また、本実施形態では、各透過フィルタ81,82をY軸方向に沿って個別に移動させることができる。そのため、第1の透過フィルタ81を通過する第2入射光EL2及び第3入射光EL3の光強度と、第2の透過フィルタ82を通過する第2入射光EL2及び第3入射光EL3の光強度とを個別に調整することができる。したがって、上記第1の実施形態の場合に比して、各点P1b〜P3bに対する各瞳強度分布61,62の性状などをより細やかに調整することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図15に従って説明する。なお、第3の実施形態は、分布補正光学系の構成が第1及び第2の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図15に示すように、本実施形態の分布補正光学系31Bは、照明瞳面27に形成される二次光源60の第1面光源60aから射出される露光光ELの光路内にY軸方向に沿って配置される複数枚(本実施形態では2枚)の第1の透過フィルタ81,81Aを備えている。また、分布補正光学系31Bは、二次光源60の第2面光源60bから射出される露光光ELの光路内にY軸方向に沿って配置される複数枚(本実施形態では2枚)の第2の透過フィルタ82,82Aを備えている。そして、各透過フィルタ81,82,81A,82Aは、第2調整領域80内にそれぞれ配置されている。
また、各透過フィルタ81,82,81A,82Aのうち第2コンデンサ光学系30側に位置する各透過フィルタ81,82の透過率分布は、上述したように、Z軸方向における中央の透過率が最も高く、Z軸方向において中央から離間するに連れて透過率が次第に低くなるようにそれぞれ設定されている。また、入射側レンズ群33側に位置する各透過フィルタ81A,82Aの透過率分布は、各透過フィルタ81,82とは異なり、Z軸方向における中央の透過率が最も低く、Z軸方向において中央から離間するに連れて透過率が次第に高くなるようにそれぞれ設定されている。
また、分布補正光学系31Bには、各透過フィルタ81,82,81A,82Aを個別に移動させるための移動機構70が設けられている。この移動機構70は、各透過フィルタ81,82,81A,82AをY軸方向に沿って移動させるための第1駆動力と、各透過フィルタ81,82,81A,82AをZ軸方向に沿って移動させるための第2駆動力とを、各透過フィルタ81,82,81A,82Aに対して個別に付与可能に構成されている。
本実施形態では、上記各実施形態と比して、第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される露光光ELの各光路内に配置されるフィルタの枚数が増加すると共に、各透過フィルタ81,82,81A,82Aは、Y軸方向だけではなくZ軸方向にもそれぞれ移動可能となる。そのため、ウエハW上の静止露光領域ER2の各点P1b〜P3bに入射する各入射光EL1〜EL3のうち、第1の透過フィルタ81,81Aを通過する各入射光EL1〜EL3の光強度と、第2の透過フィルタ82,82Aを通過する各入射光EL1〜EL3の光強度とを個別に調整することができる。
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・各実施形態において、回折光学素子19は、4極照明以外の他の複数極照明用(例えば2極照明用)の回折光学素子であってもよいし、輪帯照明用の回折光学素子であってもよいし、円形状用の回折光学素子であってもよい。また、露光光ELの形状を変形させることが可能な光学素子であれば、回折光学素子19の代わりに、或いは回折光学素子19に加えて、アキシコンレンズ対などの他の任意の光学素子を設けてもよい。アキシコンレンズ対を備えた照明光学系は、例えば国際公開第2005/076045A1号パンフレット、及びそれに対応する米国特許出願公開第2006/0170901号明細書に開示されている。図2に示した実施形態では、補正フィルタ24の近傍にアキシコンレンズ対を配置することができる。
また、回折光学素子19に代えて、例えばアレイ状に配列され且つ傾斜角および傾斜方向が個別に駆動制御される多数の微小な要素ミラーにより構成されて入射光束を反射面毎の微小単位に分割して偏向させることにより、光束の断面を所望の形状または所望の大きさに変換する空間光変調素子を用いてもよい。このような空間光変調素子を用いた照明光学系は、例えば特開2002−353105号公報に開示されている。
・第1及び第2の各実施形態において、透過フィルタ64,81,82を、Y軸方向だけではなく、Z軸方向やX軸方向にも移動させるようにしてもよい。
同様に、第3の実施形態において、各透過フィルタ81,82,81A,82Aを、X軸方向にも移動させるようにしてもよい。また、各透過フィルタ81,82を、Y軸方向にのみ移動させると共に、各透過フィルタ81A,82Aを、Y軸方向と交差する方向(例えばX軸方向やZ軸方向)に移動させるようにしてもよい。この際、各透過フィルタ81A,82Aの透過率分布を、Z軸方向における中央部分の透過率が最も高く、Z軸方向において中央部分から離間するに連れて透過率が次第に低くなるようにそれぞれ調整してもよい。
・各実施形態において、透過フィルタ64,81,82,81A,82Aの透過率分布が各点P1a〜P3bに対応する各瞳強度分布61,62の性状に応じた適切な分布であれば、任意の透過率分布を有する透過フィルタ64,81,82,81A,82Aであってもよい。例えば、第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される各第1入射光EL1を、第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される各第2入射光EL2及び第3入射光EL3よりも大幅に減光させたい場合には、Z軸方向における中央部分の透過率が最も低く、Z軸方向において中央部分から離間するに連れて次第に透過率が高くなるように設定された透過フィルタ64,81,82,81A,82Aを用いてもよい。
また、透過フィルタ64が照明瞳面27からY軸方向に沿って離間するほど、第2入射光EL2及び第3入射光EL3によって透過フィルタ64内に形成される各入射領域66b〜69b,66c〜69cの各形成位置がX軸方向においてそれぞれ変位するような光学設計の場合、透過フィルタ64は、以下に示すように設計されたフィルタであってもよい。すなわち、透過フィルタ64は、その第1フィルタ領域65a及び第2フィルタ領域65bがX軸方向における中央部分の透過率が最も高く、X軸方向において中央部分から離間するに連れて次第に透過率が低くなるように設定されたフィルタであってもよい。
同様に、透過フィルタ81,82が瞳共役面83からY軸方向に沿って離間するほど、第2入射光EL2及び第3入射光EL3によって透過フィルタ81,82内に形成される各入射領域66b〜69b,66c〜69cの各形成位置がX軸方向においてそれぞれ変位するような光学設計の場合、透過フィルタ81,82は、以下に示すように設計されたフィルタであってもよい。すなわち、透過フィルタ81,82は、X軸方向における中央部分の透過率が最も高く、X軸方向において中央部分から離間するに連れて次第に透過率が低くなるように設定されたフィルタであってもよい。
・第1の実施形態において、透過フィルタ64内における第3フィルタ領域65c及び第4フィルタ領域65dに対して、該各フィルタ領域65c,65d内に入射した露光光ELを減光させるための透過率分布をそれぞれ形成してもよい。また、各フィルタ領域65c,65dの透過率分布は、露光光ELの入射位置に応じて透過率が異なるような分布であってもよい。このように構成すると、二次光源60の第3面光源60c及び第4面光源60dから射出される第1入射光EL1、第2入射光EL2及び第3入射光EL3の減光度合いを、個別に調整することが可能となる。
・第2及び第3の各実施形態において、二次光源60の第3面光源60c及び第4面光源60dから射出される露光光ELの光路内に、光の入射位置に応じて透過率が異なるような透過率分布を有する透過フィルタを配置してもよい。
・第1の実施形態において、オプティカルインテグレータ26と第1コンデンサ光学系28との間にパワーを有しない光学素子(例えば平行平面板)を配置してもよい。この場合、透過フィルタ64が配置される第1調整領域63は、オプティカルインテグレータ26とパワーを有しない光学素子との間の領域となる。
・第2及び第3の各実施形態において、瞳共役面83と第2コンデンサ光学系30との間にパワーを有しない光学素子(例えば平行平面板)を配置してもよい。この場合、透過フィルタ81,82,81A,82Aが配置される第2調整領域80は、パワーを有しない光学素子と入射側レンズ群33との間の領域となる。
また、瞳共役面83と入射側レンズ群33との間にパワーを有しない光学素子を配置してもよい。この場合、透過フィルタ81,82,81A,82Aが配置される第2調整領域80は、第2コンデンサ光学系30とパワーを有しない光学素子との間の領域となる。
もちろん、瞳共役面83のY軸方向における両側にパワーを有しない光学素子をそれぞれ配置してもよい。この場合、両パワーを有しない光学素子の間の領域が、透過フィルタ81,82,81A,82Aが配置される第2調整領域80となる。
・各実施形態において、各移動機構70は、瞳強度分布計測装置36による計測結果に連動して駆動する構成でなくてもよい。すなわち、瞳強度分布計測装置36による計測結果を図示しないモニタ等の表示画面に表示させ、該表示画面に表示させた計測結果に基づき作業者が透過フィルタ64,81,82,81A,82AをY軸方向に沿って移動させるようにしてもよい。この場合、移動機構70には、駆動源72を設けなくてもよい。すなわち、透過フィルタ64,81,82,81A,82Aは、作業者による手動でそれぞれ移動することになる。
・第1の実施形態において、透過フィルタ64を、第2調整領域80内に配置してもよい。このように構成しても上記第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。
また、第2の実施形態において、透過フィルタ81,82を、第1調整領域63内にそれぞれ配置してもよい。このように構成しても上記第2の実施形態と同等の効果を得ることができる。
さらに、第3の実施形態において、透過フィルタ81,82,81A,82Aを、第1調整領域63内にそれぞれ配置してもよい。また、透過フィルタ81,82を第2調整領域80内にそれぞれ配置し、透過フィルタ81A,82Aを第1調整領域63内にそれぞれ配置してもよい。これらのように構成しても上記第3の実施形態と同等の効果を得ることができる。
・各実施形態において、補正フィルタ24は、露光光ELの入射位置に応じて透過率の異なる透過率分布を有するフィルタであれば任意の透過率分布を有するフィルタであってもよい。また、入射位置に対する透過率分布が互いに異なる複数枚の補正フィルタ24を用意し、必要に応じて露光光ELの光路内に配置する補正フィルタを取り替え可能としてもよい。このように構成すると、補正フィルタ24及び透過フィルタ64,81,82,81A,82Aの協働作用による静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62の調整の自由度を向上させることができる。
・各実施形態において、瞳強度分布計測装置36は、レチクルR上の照明領域ER1内の各点P1a,P2a,P3aに対応する各瞳強度分布61,62を計測可能であれば、レチクルRの近傍ではなくてもよい。ただし、瞳強度分布計測装置36は、レチクルRの被照射面Ra(即ち、ウエハWの表面Wa)と光学的に共役な位置近傍であれば、任意の位置に設置してもよい。
・各実施形態において、オプティカルインテグレータ26は、屈折力を有する単位波面分割面がZ方向及びX方向に沿って配列される1枚のマイクロフライアイレンズから構成されるものであってもよい。また、オプティカルインテグレータとして、複数のレンズ要素が配列されてなるフライアイレンズを用いてもよい。また、オプティカルインテグレータとして、複数のミラー面が配列されてなる一対のフライアイミラーを用いてもよい。また、オプティカルインテグレータとして、Y軸方向に沿って延びるロッド型インテグレータ(内面反射型インテグレータ)を用いてもよい。オプティカルインテグレータとして、ロッド型インテグレータを用いる場合には、ズーム光学系25の後側にその前側焦点位置がズーム光学系25の後側焦点位置と一致するように集光レンズ系を配置し、この集光レンズ系の後側焦点位置またはその近傍に入射端が位置決めされるようにロッド型インテグレータを配置する。このとき、ロッド型インテグレータの射出端がレチクルブラインド29の位置になる。ロッド型インテグレータを用いる場合、このロッド型インテグレータの下流のレチクルブラインド結像光学系(第2コンデンサ光学系30及び結像光学系32)内の、投影光学系15の開口絞り42の位置と光学的に共役な位置を照明瞳面と呼ぶことができる。また、ロッド型インテグレータの入射面の位置には、照明瞳面の二次光源の虚像が形成されることになるため、この位置およびこの位置と光学的に共役な位置も照明瞳面と呼ぶことができる。この場合、分布補正光学系31は、この照明瞳面を含む空間(第2コンデンサ光学系30と結像光学系32との間の空間)に配置することができる。この空間を第1調整領域又は第2調整領域とみなすことができる。
・各実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用しても良い。この場合、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たす手法としては、国際公開第99/49504号パンフレットに開示されているような局所的に液体を満たす手法や、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる手法や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する手法などを採用することができる。ここでは、国際公開第99/49504号パンフレット、特開平6−124873号公報及び特開平10−303114号公報の教示を参照として援用する。
・各実施形態において、米国特許出願公開第2006/0170901号明細書及び第2007/0146676号明細書に開示されるいわゆる偏光照明方法を適用することも可能である。ここでは、米国特許出願公開第2006/0170901号明細書及び米国特許出願公開第2007/0146676号明細書の教示を参照として援用する。
・各実施形態において、露光装置11を、可変パターン生成器(例えば、DMD(Digital Mirror Device又はDigital Micro-mirror Device))を用いたマスクレス露光装置に具体化してもよい。このようなマスクレス露光装置は、例えば特開2004−304135号公報、国際公開第2006/080285号パンフレット及びこれに対応する米国特許出願公開第2007/0296936号明細書に開示されている。
・各実施形態において、露光装置11は、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置であってもよい。また、露光装置11は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などであってもよい。
・各実施形態において、露光装置11を、レチクルRとウエハWとが相対移動した状態でレチクルRのパターンをウエハWへ転写し、ウエハWを順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパに具体化してもよい。
・各実施形態において、光源装置12は、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、Fレーザ(157nm)、Krレーザ(146nm)、Arレーザ(126nm)等を供給可能な光源であってもよい。また、光源装置12は、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を供給可能な光源であってもよい。
・透過フィルタ及び回転機構が一体化されたユニットは、透過フィルタユニットと呼ぶこともある。
次に、本発明の実施形態の露光装置11によるデバイスの製造方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図16は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS101(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルRなど)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラス、セラミックス等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜ステップS104で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図17は、半導体デバイスの場合におけるステップS104の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS111(酸化ステップ)おいては、基板の表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)においては、基板表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)においては、基板上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)においては、基板にイオンを打ち込む。以上のステップS111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
基板プロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、基板に感光性材料を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置11)によってマスクの回路パターンを基板に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)において、ステップS116にて露光された基板を現像して、基板の表面に回路パターンからなるマスク層を形成する。さらに続いて、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となった感光性材料を取り除く。すなわち、ステップS118及びステップS119において、マスク層を介して基板の表面を加工する。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、基板上に多重に回路パターンが形成される。
11…露光装置、12…光源装置、13…照明光学系、15…投影光学系、26…オプティカルインテグレータ、27…照明瞳面、28…光学素子としての第1コンデンサ光学系、30…第1光学素子としての第2コンデンサ光学系、33…第2光学素子としての入射側レンズ群、36…瞳強度分布計測装置、40…制御装置、42…開口絞り、50a,51a…入射面、52〜55…単位波面分割面としてのシリンドリカルレンズ面、60a〜60d…領域としての面光源、63…第1調整領域、64,81,82,81A,82A…透過フィルタ、64a…光透過性部材、65a〜65d…パターン領域、部分領域としてのフィルタ領域、70…移動機構、72…駆動源、80…第2調整領域、83…像面共役面、AX…光軸、D1〜D3…分割面、EL…露光光、ER1…照射領域としての照明領域、ER2…照射領域としての静止露光領域、P1a〜P3a,P1b〜P3b…所定の点としての点、Ra…被照射面、W…基板としてのウエハ、Wa…被照射面としての表面。

Claims (34)

  1. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、
    照明光学系の照明光路内の照明瞳面に前記光源からの光を分布させるオプティカルインテグレータと、
    該オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側第1空間び第空間のうち少なくとも一方の空間に配置され、入射する光の位置に応じて透過率特性が異なる透過と、
    該透過を前記照明光学系の光軸方向に沿って移動させる移動機構と、
    を備え
    前記透過部は、前記照明瞳面内の第1領域を通過する第1照明光束の光路内に配置される第1透過部と、前記照明瞳面内の前記第1領域とは異なる第2領域を通過する第2照明光束の光路内に配置される第2透過部とを有し、
    前記第1空間は前記照明瞳面の少なくとも一部を含み、且つ前記第2空間は前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面の少なくとも一部を含むことを特徴とする照明光学系。
  2. 前記第1及び第2透過は、前記第1空間び前記第2空間のうち少なくとも一方の空間において前記光軸を含む仮想的な分割面を挟むようにそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項に記載の照明光学系。
  3. 前記照明瞳面内の前記第1領域を前記照明光学系の前記光軸に対して所定の角度をなして通過する第1の光と前記照明瞳面内の前記第2領域を前記照明光学系の前記光軸に対して前記所定の角度をなして通過する第2の光とは前記被照射面の1点に到達し、前記第1の光は前記第1透過を通過し、前記第2の光は前記第2透過を通過することを特徴とする請求項に記載の照明光学系。
  4. 前記第1及び2透は別の部材であることを特徴とする請求項〜請求項のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  5. 前記被照射面上において前記照明光学系から射出される光によって形成される照射領域は、前記被照射面上における第1の方向の方が該第1の方向と交差する第2の方向より長くなるような形状であり、
    前記透過は、該透過において前記第1の方向に対応する所定方向における各位置の透過率特性が互いに異なるように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  6. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、
    該照明光学系の照明光路内の照明瞳面に前記光源からの光を分布させるオプティカルインテグレータと、
    該オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側の第1空間及び第2空間のうち少なくとも一方の空間に配置されて、入射する光の位置に応じて透過率特性が異なる透過部と、
    該透過部を前記照明光学系の光軸方向に沿って移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記第1空間は前記照明瞳面の少なくとも一部を含み、且つ前記第2空間は前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面の少なくとも一部を含み、
    前記被照射面上において前記照明光学系から射出される光によって形成される照射領域は、前記被照射面上における第1の方向の方が該第1の方向と交差する第2の方向より長くなるような形状であり、
    前記透過部は、該透過部において前記第1の方向に対応する所定方向における各位置の透過率特性が互いに異なるように形成されていることを特徴とする照明光学系。
  7. 前記オプティカルインテグレータは、前記被照射面側に射出する光の発散角が、前記第1の方向に対応する方向における発散角のほうが前記第2の方向に対応における発散角よりも大きくなるように、構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の照明光学系。
  8. 前記移動機構は、前記透過を前記光軸方向に沿って移動させる駆動源を有することを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の照明光学系。
  9. 前記被照射面上の所定の点に到達する光束の角度方向の光強度分布を計測する計測装置と、
    該計測装置による計測結果に応じて前記駆動源を制御する制御装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の照明光学系。
  10. 前記第2空間は、前記瞳共役面よりも前記光源側において前記瞳共役面に最も近接した位置に配置される第1光学素子と、前記瞳共役面よりも前記被照射面側において前記瞳共役面に最も近接した位置に配置される第2光学素子との間の空間であることを特徴とする請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  11. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、
    該照明光学系の照明光路内の照明瞳面に前記光源からの光を分布させるオプティカルインテグレータと、
    該オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側の第1空間及び第2空間のうち少なくとも一方の空間に配置されて、入射する光の位置に応じて透過率特性が異なる透過部と、
    該透過部を前記照明光学系の光軸方向に沿って移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記第1空間は前記照明瞳面の少なくとも一部を含み、且つ前記第2空間は前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面の少なくとも一部を含み、
    前記第2空間は、前記瞳共役面よりも前記光源側において前記瞳共役面に最も近接した位置に配置される第1光学素子と、前記瞳共役面よりも前記被照射面側において前記瞳共役面に最も近接した位置に配置される第2光学素子との間の空間であることを特徴とする照明光学系。
  12. 前記第1光学素子及び前記第2光学素子のうち少なくとも一方の光学素子は、パワーを有する光学素子であることを特徴とする請求項10又は11に記載の照明光学系。
  13. 前記第1空間は、前記オプティカルインテグレータと、前記照明瞳面よりも前記被照射面側において前記照明瞳面に最も近接した位置に配置される光学素子との間の空間であることを特徴とする請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  14. 前記光学素子は、パワーを有する光学素子であることを特徴とする請求項13に記載の照明光学系。
  15. 前記透過は、前記光軸方向に沿って複数配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項14のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  16. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、
    該照明光学系の照明光路内の照明瞳面に前記光源からの光を分布させるオプティカルインテグレータと、
    該オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側の第1及び第2空間のうちの少なくとも一方の空間に配置され、入射する光の位置に応じて透過率特性が異なる透過部と、
    該透過部を前記照明光学系の光軸方向に沿って移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記第1空間は前記照明瞳面の少なくとも一部を含み、且つ前記第2空間は前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面の少なくとも一部を含み、
    前記透過部は、前記光軸方向に沿って複数配置されていることを特徴とする照明光学系。
  17. 前記透過は、前記照明瞳面内の第1領域を通過する第1照明光束の光路内に位置し且つ第1の透過率分布を持つ第1パターン領域と、前記照明瞳面内の前記第1領域とは異なる第2領域を通過する第2照明光束の光路内に位置し且つ第2の透過率分布を持つ第2パターン領域とを有することを特徴とする請求項〜請求項16のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  18. 前記第1パターン領域と前記第2パターン領域とは、前記第1及び第空間のうち少なくとも一方の空間内において、前記照明光学系の前記光軸を含む仮想的な分割面を挟むようにそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項17に記載の照明光学系。
  19. 前記照明瞳面内の第1領域を前記光軸に対して所定の角度をなして通過する第1の光と前記照明瞳面内の前記第2領域を前記照明光学系の前記光軸に対して前記所定の角度をなして通過する第2の光とは前記被照射面の1点に到達し、
    前記第1の光は前記第1パターン領域を通過し、前記第2の光は前記第2パターン領域を通過することを特徴とする請求項18に記載の照明光学系。
  20. 前記第1パターン領域の前記第1の透過率分布と前記第2パターンの前記第2の透過率分布とは、同一の分布であることを特徴とする請求項17〜請求項19のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  21. 前記第1パターン領域と前記第2パターン領域とは、同一の光透過性部材に形成されていることを特徴とする請求項17〜請求項20のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  22. 前記照明瞳面内の前記第1領域と前記第2領域とは、前記照明瞳面内において前記照明光学系の光軸を通過する仮想的な分割線を挟むようにそれぞれ形成されることを特徴とする請求項〜請求項5及び請求項17〜請求項21のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  23. 前記照明瞳面内の所定の点から発して前記被照射面において前記照明光学系の光軸を通過する仮想的な分割線で分割される一方の領域内の第1点に到達する第1光線と、前記照明瞳面内の前記所定の点から発して前記被照射面における他方の領域内の第2点に到達する第2光線とは、前記透過において前記光軸を通過する仮想的な分割線で分割される複数の領域のうちの1つの部分領域を通過することを特徴とする請求項1〜請求項22のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  24. 前記透過の有効径に対する前記照明瞳面内の所定の点から発する光束が前記透過に照射され得る領域の最小径の比は、前記透過の前記光軸方向の可動範囲内において1/2を超えることを特徴とする請求項1〜請求項23のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  25. 前記移動機構は、前記透過を前記光軸方向と交差する方向に沿って移動させることが可能な構成であることを特徴とする請求項1〜請求項24のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  26. 前記オプティカルインテグレータは、前記光軸と交差する面内に配列される複数の単位波面分割面を有することを特徴とする請求項1〜請求項25のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  27. 前記被照射面と光学的に共役な面を形成する投影光学系と組み合わせて用いられ、
    前記照明瞳面は、前記投影光学系の開口絞りと光学的に共役な位置に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項26のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  28. 光源から出力される光を前記被照射面上の所定のパターンへ導く請求項1〜請求項27のうち何れか一項に記載の照明光学系を備え、
    該照明光学系から射出される光で前記所定のパターンを照明することにより形成されたパターンの像を、感光材料が塗布された基板上に投影することを特徴とする露光装置。
  29. 前記パターンの像を前記基板上に投影するための投影光学系をさらに備え、
    該投影光学系に対して前記パターン及び前記基板を走査方向に沿って相対移動させることにより、前記基板上に前記パターンの像を投影することを特徴とする請求項28に記載の露光装置。
  30. 請求項28又は請求項29に記載の露光装置を用いて、前記パターンの像を前記基板の表面に露光する露光ステップと、
    該露光ステップ後において、前記基板を現像して前記パターンの像に対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成する現像ステップと、
    該現像ステップ後において、前記マスク層を介して前記基板の表面を加工する加工ステップと、を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
  31. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、該照明光学系の照明光路内の照明瞳面に前記光源からの光を分布させるオプティカルインテグレータとを備える照明光学系と組み合わせて用いられる透過フィルタユニットであって、
    該オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側の第1空間及び第2空間のうち少なくとも一方の空間に配置されて、入射する光の位置に応じて透過率特性が異なる透過部と、
    該透過部を前記照明光学系の光軸方向に沿って移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記第1空間は前記照明瞳面の少なくとも一部を含み、且つ前記第2空間は前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面の少なくとも一部を含み、
    前記第2空間は、前記瞳共役面よりも前記光源側において前記瞳共役面に最も近接した位置に配置される第1光学素子と、前記瞳共役面よりも前記被照射面側において前記瞳共役面に最も近接した位置に配置される第2光学素子との間の空間であることを特徴とする透過フィルタユニット。
  32. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、該照明光学系の照明光路内の照明瞳面に前記光源からの光を分布させるオプティカルインテグレータとを備える照明光学系と組み合わせて用いられる透過フィルタユニットであって、
    該オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側の第1空間及び第2空間のうち少なくとも一方の空間に配置され、入射する光の位置に応じて透過率特性が異なる透過部と、
    該透過部を前記照明光学系の光軸方向に沿って移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記透過部は、前記光軸方向に沿って複数配置されていることを特徴とする透過フィルタユニット。
  33. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、該照明光学系の照明光路内の照明瞳面に前記光源からの光を分布させるオプティカルインテグレータとを備える照明光学系と組み合わせて用いられる透過フィルタユニットであって、
    該オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側の第1空間及び第2空間のうち少なくとも一方の空間に配置されて、入射する光の位置に応じて透過率特性が異なる透過部と、
    該透過部を前記照明光学系の光軸方向に沿って移動させる移動機構と、
    を備え、
    記第1空間は前記照明瞳面の少なくとも一部を含み、且つ前記第2空間は前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面の少なくとも一部を含み、
    前記透過部は、前記照明瞳面内の第1領域を通過する第1照明光束の光路内に配置される第1透過部と、前記照明瞳面内の前記第1領域とは異なる第2領域を通過する第2照明光束の光路内に配置される第2透過部とを有することを特徴とする透過フィルタユニット。
  34. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、該照明光学系の照明光路内の照明瞳面に前記光源からの光を分布させるオプティカルインテグレータとを備える照明光学系と組み合わせて用いられる透過フィルタユニットであって、
    該オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側の第1空間及び第2空間のうち少なくとも一方の空間に配置されて、入射する光の位置に応じて透過率特性が異なる透過部と、
    該透過部を前記照明光学系の光軸方向に沿って移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記第1空間は前記照明瞳面の少なくとも一部を含み、且つ前記第2空間は前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面の少なくとも一部を含み、
    前記被照射面上において前記照明光学系から射出される光によって形成される照射領域は、前記被照射面上における第1の方向の方が該第1の方向と交差する第2の方向より長くなるような形状であり、前記透過部は、該透過部において前記第1の方向に対応する所定方向における各位置の透過率特性が互いに異なるように形成されていることを特徴とする透過フィルタユニット。
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