JPWO2003097753A1 - 顔料分散液及びインクジェット用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

顔料が分散されたインクジェット用顔料分散液であって、水溶性樹脂と、ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂とを含有することを特徴とする水性顔料分散液。

Description

技術分野
本発明は、インクジェット用をはじめとする各種のインク組成物に好適に使用される顔料分散液及びインクジェット用インクに関する。
背景技術
着色剤として顔料を用いた顔料系インクは、着色剤として染料を用いた染料系インクに比べ、耐光性、耐水性に優れているという長所を有している。しかし、顔料は一般に水に不溶であることから分散剤と呼ばれる樹脂などと共に混合し、水に安定分散させて用いる必要がある。そしてなお、分散系である顔料系のインクは顔料の沈降のため、染料系のインクに比べて経時安定性が劣る。
また、顔料系インクは一般に、染料系に比べ透明性、発色が劣るという欠点も指摘されている。特に、水性記録液用に加工されたOHPフィルムに代表される透過原稿への記録においては、顔料粒子による光散乱が生じるため透明性の低下・発色のくすみが著しい。
インクジェット用途では、高速での印刷が要求されるが、顔料系インクでは、記録媒体の内部に浸透する染料と異なり、顔料は記録媒体の表面に留まることから、得られた画像の耐擦性も課題となっている。
透明性・発色性の向上には、顔料粒子をできるだけ微分散させることが必要だとされており、中でも微細なノズルからインク滴を噴射するインクジェット用途では、ノズルから高速で噴射される際の吐出性、被記録材での色再現性等の性能も求められるため、特にシビアな分散安定性と高度に微細化した分散状態が求められる。このため、様々な工夫がされており、例えば、顔料に高分子系分散剤を十分に吸着させる工夫や、樹脂で顔料を被覆する等の手段により、微細分散した顔料に高分子系分散剤を充分に固着させることが検討されている。
より具体的には、例えば、顔料と樹脂とを混練して固形着色コンパウンドとし、これを分散媒に分散することで透明性、発色を向上する(特開平11−80,633号公報)、分散媒体に不溶で極性基を有する硬化重合体で被覆した顔料を用いることで分散液の保存安定性を向上する(特開平5−247,370号公報)、分散媒に膨潤する樹脂で顔料を被覆して、目詰まり、滲みを防止する(特開平3−240,586号公報)、樹脂、アミン及び水を含む水溶液を撹拌して樹脂を完全に溶解させ、プレミキシングした顔料を用いて分散処理を行うことで未吸着樹脂量を2%以下におさえて吐出安定を図る(特開平2−255,875号公報)、等が提案されている。
さらに、インクジェット用途では、印刷スピード向上のために、インク組成物の浸透性を高くし、乾燥時間を短くすることが求められる。しかし、一般的な浸透剤を添加するだけでは、顔料と他の成分との関係で浸透性が充分付与されない場合や、浸透剤が色再現性を損なう等、画質に悪影響を及ぼすこともあるため、その対応策として、様々な提案が成されている。
例えば、浸透剤としてアセチレングリコール系及び/又はポリシロキサン系界面活性剤を用い、有機溶剤としてエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル誘導体を用いることで浸透性を高め、良好な色再現性を達成する(特開2002−30,237号公報)、水、顔料、湿潤剤、さらに特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩を含有させたインクにより、浸透性、乾燥性に優れ、かつ画質・裏抜けの良いインクを提供する(特開2001−254,036号公報)、といった検討がされている。
しかし、これら高浸透・速乾性のインクの処方の場合、分散樹脂と浸透剤やインク処方中の溶剤との相互作用などにより、顔料の安定な分散性が損なわれる場合があることが、本発明者らの検討により明らかとなった。
本発明者らはこのような問題に対応するために鋭意検討を重ねた。そしてついに、特定の複数の樹脂の組み合わせで分散液に含有させることにより、特に高浸透性のインク処方とした場合でも、良好な分散安定性を得られ、しかも他の性能も損なわれず、優れたインクジェット用顔料分散液及びインクジェット用インクを得られることを見出した。
さらに、意外にも、本発明により、従来の顔料系インクに比べ、被記録物の光沢が向上することが判明した。特に、メディアとして光沢紙を用いた場合の、光沢の向上が著しいことがわかった。
発明の開示
すなわち本発明は、
(1)顔料が分散されたインクジェット用顔料分散液であって、水溶性樹脂と、ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂とを含有することを特徴とする顔料分散液、
(2)水溶性樹脂を顔料と配合し、混練工程および分散工程で顔料を微粉砕し、さらにウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂を添加し、架橋して成ることを特徴とする上記(1)記載の顔料分散液、
(3)樹脂の架橋率が20〜100%である上記(1)又は(2)記載の顔料分散液、
(4)インクジェット用分散液である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の顔料分散液、
(5)顔料が分散されたインクジェット用インク組成物であって、水溶性樹脂と、ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂とを含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物、
(6)水溶性樹脂を顔料と配合し、混練工程および分散工程で顔料を微粉砕し、さらにウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂を添加し、架橋して成ることを特徴とする上記(5)記載のインクジェット用インク組成物、
(7)樹脂の架橋率が20〜100%である上記(5)又は(6)記載のインクジェット用インク組成物、
(8)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の顔料分散液に、有機溶剤を添加して得られるインクジェット用インク組成物、
(9)上記(5)〜(8)のいずれかに記載のインクジェット用インク組成物を、インクジェットプリンターのノズルより吐出させて印字を行うことを特徴とするインクジェット記録方法、
(10)上記(5)〜(8)のいずれかに記載のインクジェット用インク組成物をカートリッジに充填してなるインクセット、
に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の顔料分散液は、少なくとも、顔料と、特定の2種の樹脂とを含有するものである。
〔顔料〕
本発明のインクジェット用水性インク組成物に使用される顔料は特に限定がなく、有機顔料及び無機顔料のいずれも使用することができる。
有機顔料としては、たとえばアゾレーキ、不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料;フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料;塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどの染料キレート;ニトロ顔料;ニトロソ顔料などがあげられる。
無機顔料としては、たとえば酸化チタン、酸化鉄、べんがら、酸化クロム、紺青、群青、モリブデン赤、鉄黒、黄鉛、カーボンブラックなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
なかでも、耐光性を考慮すれば、イソインドリノン系顔料、キナクリドン系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、カーボンブラックが好適に用いられる。
前記有機顔料の具体例としては、例えばピグメント・イエロー1(カラー・インデックス(以下、C.I.という)11680)、ピグメント・イエロー3(C.I.11710)、ピグメント・イエロー14(C.I.21095)、ピグメント・イエロー17(C.I.21105)、ピグメント・イエロー42(C.I.77492)、ピグメント・イエロー74(C.I.11741)、ピグメント・イエロー83(C.I.21108)、ピグメント・イエロー93(C.I.20710)、ピグメント・イエロー98(C.I.11727)、ピグメント・イエロー109(C.I.56284)、ピグメント・イエロー110(C.I.56280)、ピグメント・イエロー128(C.I.20037)、ピグメント・イエロー138(C.I.56300)、ピグメント・イエロー139(C.I.56298)、ピグメント・イエロー147(C.I.60645)、ピグメント・イエロー154(C.I.11781)、ピグメント・イエロー155、ピグメント・イエロー180(C.I.21290)、ピグメント・イエロー185、ピグメント・オレンジ5(C.I.12075)、ピグメント・オレンジ13(C.I.21110)、ピグメント・オレンジ16(C.I.21160)、ピグメント・オレンジ34(C.I.21160)、ピグメント・オレンジ43(C.I.71105)、ピグメント・オレンジ61(C.I.11265)、ピグメント・オレンジ71(C.I.561200)、ピグメント・レッド5(C.I.12490)、ピグメント・レッド8(C.I.12335)、ピグメント・レッド17(C.I.12390)、ピグメント・レッド22(C.I.12315)、ピグメント・レッド48:2(C.I.15865:2)、ピグメント・レッド112(C.I.12370)、ピグメント・レッド122(C.I.73915)、ピグメント・レッド177(C.I.65300)、ピグメント・レッド178(C.I.71155)、ピグメント・レッド202(C.I.73907)、ピグメント・レッド254(C.I.56110)、ピグメント・バイオレット19(C.I.46500)、ピグメント・バイオレット23(C.I.51319)、ピグメント・ブルー15:1(C.I.74160)、ピグメント・ブルー15:3(C.I.74160)、ピグメント・ブルー15:4(C.I.74160)、ピグメント・ブルー60(C.I.69800)、ピグメント・グリーン7(C.I.74260)、ピグメント・グリーン36(C.I.74265)などが挙げられる。
無機顔料の具体例としては、たとえばピグメント・イエロー42(C.I.77492)、ピグメント・ホワイト6(C.I.77891)、ピグメント・ブルー27(C.I.77510)、ピグメント・ブルー29(C.I.77007)、ピグメント・ブラック7(C.I.77266)などがあげられる。
好ましくは、ピグメント・イエロー74(C.I.11741)、ピグメント・イエロー109(C.I.56284)、ピグメント・イエロー110(C.I.56280)、ピグメント・イエロー128(C.I.20037)、ピグメント・イエロー155、ピグメント・イエロー180(C.I.21290)、ピグメント・レッド122(C.I.73915)、ピグメント・レッド202(C.I.73907)、ピグメント・バイオレット19(C.I.46500)、ピグメント・ブルー15:1(C.I.74160)、ピグメント・ブルー15:3(C.I.74160)、ピグメント・ブルー15:4(C.I.74160)、ピグメント・ブルー60(C.I.69800)、ピグメント・ブラック7(C.I.77266)などが挙げられる。
なお、本発明においては、粒子径が小さくなりやすく、比重も小さいことから安定性の面で有機顔料を用いることが好ましい。また、顔料の一次粒子径は、分散性を考慮すると、通常0.1μm程度以下であることが好ましい。
〔水溶性樹脂〕
本発明では、少なくとも2種の樹脂を含有させることを特徴とする。
第一の樹脂は水溶性樹脂であり、特に顔料に吸着して顔料の分散性を向上する働きをする、いわゆる分散剤として用いられる各種の樹脂が相当する。
中でも、疎水基と親水基とを有する水溶性樹脂が、顔料の分散性に優れているので望ましい。これは、代表的には、疎水性モノマーと親水性モノマーの共重合体が相当し、このような共重合体が特に顔料の分散性に優れている。
ここで、疎水性モノマーとは疎水性基を有するモノマー、親水性モノマーとは親水性基を有するモノマーであって、共重合可能なものを指す。
疎水性モノマーの具体例としては、たとえばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルアクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、iso−オクチルアクリレート、iso−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルアクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、ノニルフェニルアクリレート、ノニルフェニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエンなどをあげることができる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
疎水性モノマーの有する疎水性基は特に限定されず、置換されていてもよいフェニル基、ベンジル基などの芳香環を有する有機基や、置換されていてもよいアルキル基が挙げられるが、芳香環を有するものが特に好ましい。
親水性モノマーの具体例としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などをあげることができる。
これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。親水性モノマーと疎水性モノマーの比率は特に制限されないが、親水性モノマー:疎水性モノマー=5:95〜40:60の重量比の範囲が特に好ましい。
これらの疎水性モノマーと親水性モノマーとを共重合させて共重合体を得ることができる。共重合の方法は公知の方法により行えばよいが、特に、ランダム共重合により共重合を行った場合、得られた共重合体を分散剤として用いた際の分散液の経時での安定性が極めて優れているので望ましい。
以上説明した疎水性モノマーと親水性モノマーとの共重合体を、さらに中和剤としてアルカリ性物質で中和して水性媒体に可溶化した、アルカリ可溶性樹脂を用いるのが特に好ましい。
その際の中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、アンモニアなどがあげられる。
特に好ましい親水性基と疎水性基を有する水溶性樹脂の具体例としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル(C1〜C4程度の低級アルキルエステル、以下同様)共重合体、メタクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メチルスチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−アリルスルホン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、またはそれらのナトリウム、カリウム、アンモニウムなどの塩が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合してもよい。
中でも特に好ましくはスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、メタクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。これらを用いた場合に特に分散性に優れた顔料分散液を得ることができる。
水溶性樹脂としてはその他にも、高分子分散剤として知られる各種のものを使用できる。例えば、ポリビニルアルコール系分散剤、ポリアクリルアミド系分散剤、ポリエステル系分散剤、ポリアクリル酸系分散剤等が知られており、これら市販品から選択することもできる。
水溶性樹脂のガラス転移点は特に限定されないが、好ましくはガラス転移点は30℃以上、さらには50℃以上であるのが特に好ましい。ガラス転移点が30℃未満であると、分散液及びインキ組成物の経時安定性は悪くなる。これは、ガラス転移点が30℃未満であると、少しでも高温になると顔料の分散剤として機能している部分が働かなくなり、経時安定性を悪化させるものと考えられる。
ガラス転移点は、プラスチックなどの非結晶性個体が、温度が下がることによって、その内部の水素結合や部分結晶化などによって急激に物性を変化させる温度域を指し、熱分析装置たとえば、Perkin Elmer社 DSC7などで測定することができる。熱分析時の温度勾配は5〜10℃/分で行うのが一般的である。
特に、疎水性モノマーがスチレン、(メタ)アクリル酸エステルであり、親水性モノマーが(メタ)アクリル酸であってガラス転移点が30℃以上、さらには50℃以上である共重合体が分散安定性に極めて優れている。
水溶性樹脂の分子量は限定されないが、好ましくはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定して重量平均分子量として2,000〜30,000、特に好ましくは2,000〜20,000である。
また、水溶性樹脂の酸価は好ましくは50〜320、特に好ましくは55〜270のものがよい。なおここで酸価とは、樹脂1gを中和させるのに必要なKOHのmg量である。
水溶性樹脂の添加量は、顔料100重量部に対して5重量部から100重量部が好ましく、特に好ましくは10重量部から80重量部である。顔料100重量部に対し5重量部未満では、顔料の分散性が不十分となり沈殿物を生じたり経時安定性も悪くなることがある。一方、100重量部を超えると、分散液ならびにインク化した場合に高粘度となり、しかも吐出性が低下する。
〔アミド結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂〕
本発明はさらに、以上説明した水溶性樹脂以外の第二の樹脂として、アミド結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂を用いる。例えば、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等を重合して得られるホモポリマー、それらと他のビニルポリマーの共重合体、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
これらの中でも特にポリウレタン樹脂が好ましい。ポリウレタン樹脂としては、特に制限はなく、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを反応して得られる水溶性または水分散性のポリウレタン樹脂を使用することができる。
上記のジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変性物など)等が挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドやテトラヒドロフラン等の複素環式エーテルを(共)重合させて得られるジオール化合物が挙げられる。斯かるジオール化合物の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等のポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。これらの中では、ポリエーテル系、ポリエステル系及びポリカーボネート系のうち1種以上が好ましい。
また、上記の他、カルボン酸基、スルホン酸基などの酸性基を有するジオール化合物も使用でき、その具体例としては、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸などが挙げられる。これらの中では、ジメチロールプロピオン酸が好ましい。
これらのジオール化合物は、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン系樹脂の合成に際しては、低分子量のポリヒドロキシ化合物を添加してもよい。低分子量のポリヒドロキシ化合物としては、ポリエステルジオールの原料として使用される、グリコール、アルキレンオキシド低モル付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール及びそのアルキレンオキシド低モル付加物が挙げられる。また、このようにして得られたウレタンプレポリマーは、ジメチロールアルカン酸に由来する酸基を中和した後または中和しながら水延長またはジ(トリ)アミンで鎖延長することができる。鎖延長の際に使用されるポリアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン等が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。
ウレタン樹脂の形態も特に限定されない。代表的には、エマルジョンタイプ、例えば、自己乳化エマルジョンや、自己安定化タイプが挙げられる。特に、上記の化合物のうちカルボン酸基、スルホン酸基などの酸性基を有するジオールを用いたり、低分子量のポリヒドロキシ化合物を添加したり、酸性基を導入したウレタン樹脂、中でもカルボキシ基を有するものが望ましい。さらに、後述する架橋処理により、これらカルボキシル基等の官能基を架橋させるのが、光沢向上、耐擦性向上等の点から望ましい。
これらの樹脂をさらに中和したものを使用することができ、中和に使用する塩基としては、例えば、ブチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、モルホリン、アンモニア、水酸化ナトリウム等の無機塩基などが挙げられる。
アミド結合及び/又はウレタン結合を有する高分子としては、望ましくは、ジオール化合物としてポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系のジオールを用いて得られるポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が挙げられる。
また、アミド結合及び/又はウレタン結合を有する高分子の酸価も限定されないが、好ましくは、5〜100、特に好ましくは、10〜80である。アミド結合及び/又はウレタン結合を有する高分子の好ましい具体例としては、NeoRez R−960(ゼネカ製)、NeoRez R−989(ゼネカ製)、NeoRez R−9320(ゼネカ製)、NeoRad NR−440(ゼネカ製)、ハイドランAP−30(大日本インキ工業(株)製)、ハイドランAPX−601(大日本インキ工業(株)製)、ハイドランSP−510(大日本インキ工業(株)製)、ハイドランSP−97(大日本インキ工業(株)製)、エラストロンMF−60(第一工業製薬(株)製)、エラストロンMF−9(第一工業製薬(株)製)、M−1064(第一工業製薬(株)製)、アイゼラックスS−1020(保土ヶ谷化学(株)製)、アイゼラックスS−1040(保土ヶ谷化学(株)製)、アイゼラックスS−1085C(保土ヶ谷化学(株)製)、アイゼラックスS−4040N(保土ヶ谷化学(株)製)、ネオタンUE−5000(東亞合成(株)製)、RU−40シリーズ(スタール・ジャパン製)、ユーコートUWS−145(三洋化成(株)製)、パーマリンUA−150(三洋化成(株)製)、WF−41シリーズ(スタール・ジャパン製)、WPC−101(日本ウレタン工業(株)製)が挙げられる。
ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂の添加量は顔料100重量部に対して5重量部から100重量部が好ましく、特に好ましくは10重量部から80重量部である。顔料100重量部に対し5重量部未満では、印字物の耐擦性が悪くなり経時安定性も悪くなることがある。一方、100重量部を超えると、分散液ならびにインク化した場合に高粘度となり、しかも吐出性が低下し光沢が低下することがある。
〔顔料に吸着している樹脂とフリーの樹脂〕
本発明では、上述した、水溶性樹脂と、アミド結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂とを併用することを特徴とする。添加方法は限定されないが、好ましくは、水溶性樹脂を、まず顔料に添加する。そして、後述する混練工程を行い、顔料を分散させて分散液とし、この分散液に、アミド結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂を添加するのが好ましい。このアミド結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂添加の前又は後に、後述する架橋処理を行うのが好ましい。特に、アミド結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂を添加した後に架橋処理を行うのが好ましい。このような方法で樹脂を添加することにより、特に分散安定性と光沢の向上が著しいことがわかった。これはおそらく、混練工程で水溶性樹脂が顔料表面にしっかりと定着し、所望の分散状態を達成でき、架橋反応により水溶性樹脂と、アミド結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂とが顔料表面に被覆膜を形成して、さらに強固に固定化され、安定化する。と同時に、顔料に吸着していないフリーの樹脂の量を少なくすることができ、添加した樹脂が有効に顔料を分散させていることから、分散安定性が非常に良好なものになっていることが推測される。特に、アミド結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂として酸性基を導入したウレタン樹脂、中でもカルボキシ基を有するものを用いることにより、架橋工程により、これらカルボキシ基と、予め添加されていた水溶性樹脂の有するカルボキシ基をはじめとする官能基とが、架橋剤により架橋されて、一層強固に顔料に結合することが推測される。架橋処理は、アミド結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂添加の後が、より好ましいが、添加前であっても、水溶性樹脂が添加された後であれば水溶性樹脂が架橋され顔料にしっかりと定着し安定性は向上する。
これは、例えば、以下の方法により、顔料に吸着している樹脂と、それ以外のフリーで存在する未吸着樹脂との割合を求めることによっても推測が裏付けられる。
未吸着樹脂の量を測定する方法としては、例えば、超遠心機等を用いて顔料と顔料に吸着された樹脂分とを沈殿させ、この上澄み液に含有される残存樹脂量をTOC(Total Organic Carbon、全有機炭素計)や、重量法(上澄みを蒸発乾固させ、樹脂量を測定する方法)などが知られている(特開平2−255,875号公報)。
本発明において特に好適な方法として、より具体的には、液を超高速冷却遠心機(ベックマン製)で55,000rpm、5時間遠心処理し、顔料分と顔料に吸着している樹脂分を沈降させた後、上澄み液を一定量採取する方法と限外濾過法などの膜分離法で吸着していない樹脂のみを採取する方法などがあり、真空乾燥機にて(60℃、24時間)乾燥固化する。この樹脂量の仕込みインクに対する百分率を算出し残存樹脂濃度とする。
まず水溶性樹脂を添加した段階で顔料を分散させることで良好な分散を達成でき、さらにアミド結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂を添加した後に架橋処理を行うことで、両方の樹脂が顔料に強固に固定されると考えられる。そして高浸透性の溶剤等を添加したときの安定性が向上し、さらに乾燥時における顔料同士の凝集が起こりにくく紙面上の平滑性が良くなり、また光沢が向上すると考えられる。
水溶性樹脂と、ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂の重量比は、固形分換算で〔水溶性樹脂〕/〔ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂〕=1/2〜2/1が好ましいが、特に1/1.5〜1.5/1の範囲では印字した場合の画像の光沢性に優れている。
〔混練工程〕
本発明では、顔料と、上述した水溶性樹脂とを、まず混練するのが望ましい。混練工程は、顔料と水溶性樹脂とが接触して練り合わされる手段であれば限定されず公知の手段を用いることができる。顔料:水溶性樹脂は、固形分比(重量)で、好ましくは95:5〜65:35、特に好ましくは90:10〜70:30である。また、例えば、顔料及び水溶性樹脂の形態に応じて、水が混合されている系であっても差し支えなく、その場合は、通常の撹拌機で充分である。必要に応じ、顔料を水溶性樹脂で適宜湿潤させる手段を採用すればよい。通常、顔料及び水溶性樹脂、さらに必要に応じて有機溶剤を添加し、これらを混錬装置に仕込み、混練を実施する。
有機溶剤としては特に限定されないが、混練工程で揮散しない程度の高沸点の溶剤により工程中に顔料が飛散するのを防止し、より低沸点の溶剤を併用して樹脂を溶解しておくのが望ましい。
高沸点の溶剤としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類等が挙げられる。添加量は、混練操作上、適切なシェアが顔料と樹脂との混合物にかかるように、顔料及び樹脂の組み合わせに応じて適宜選択すれば良く、一般には顔料100重量部に対して20〜100重量部、好ましくは30〜80重量部添加すればよい。
混錬時に用いられる低沸点有機溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
混錬装置としては顔料と樹脂とが接触しこれらの混合物に適切なシェアがかかり練り合わすことのできるものであれば特に限定されず、一般的な混練装置から選択すればよい。代表的には2本ロール、3本ロール等のロールやニーダー等が用いられる。装置内の、顔料と水溶性樹脂とを含む混合物は、装置の加熱または、混錬装置から受けるせん断力により自己発熱し温度が上がる。この時樹脂が溶融状態となり、混錬装置から受けるせん断力で顔料が破砕され樹脂中に分散される態様となるのが望ましい。混錬温度は25〜200℃、特に好ましくは100℃から150℃の範囲に調整する。
以上の混練工程により得られた顔料混錬物から顔料分散液あるいはインク組成物を製造する方法としては種種の方法が用いられるが、樹脂の塩基をアルカリで中和させておくのが望ましい。
中和は、水にアルカリ性化合物を加えた溶媒に顔料混錬物を加えて混合、撹拌等の手段を用いればよい。中和に用いるアルカリ性化合物としては特に限定されない。例えばアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ金属塩などが好適である。
アルカリ性化合物の添加量は、前記樹脂中の親水性基を完全に中和することができる量であることが最も理想的であるという点から、樹脂の酸当量と添加したアルカリ性化合物の当量より求められる中和率が80〜150%、特に90〜120%となる量であることが望ましい。
中和時には、加熱する方が望ましい。加熱温度は好ましくは40〜100℃、特に好ましくは60〜90℃の範囲とする。
顔料混練物を、以下に説明するように、ビーズミル等の分散機を用いて分散する。その際、顔料混錬物、水、アルカリに限らず、防腐剤、湿潤剤等各種添加剤を添加していてもよい。
〔分散工程〕
本発明では、上述の混練工程の後、分散工程を行い、顔料を微粉砕するのが極めて望ましい。分散手段は特に限定されず、従来より、機械的方法による顔料微粒子分散液の製造において用いられてきた各種の機械的方法、例えばボールミルなどを用いた摩砕を主とする方法や、超音波分散機などを用いた振動粉砕による方法が代表的である。さらに、より微細な粒子を得る装置として、サンドミル、バスケットミルあるいはパールミルなどと呼ばれる分散機を用いる方法が良く知られている。
本発明では、前述した混練工程により得られた顔料混練物を、分散メデイアと共に攪拌し、該分散メデイアのせん断力で分散させるのが望ましい。ここで用いる分散メデイアと分散機は特に限定されず、従来より公知の各種のものを使用すればよい。パス方式又はマルチ方式により分散を行なう湿式粉砕装置としては、直径0.5mm以下の微小ビーズである分散メデイアを分離する能力を具備しているものが特に好適である。
分散メデイアとしては特に限定されないが、例えば、セラミックス;ソーダガラスビーズ、無アルカリビーズなどの硬質ガラス;ポリメチルメタクリレートビーズなどの硬質プラスチックビーズ;クロムビーズ、ステンレススチールビーズなどの金属;またはジルコニアなどの金属化合物からなるものが好ましい。より充分に微粒子化させることができるという点からは、特にジルコニアが好ましい。
顔料が充分に分散され、より微粒子化されるようにするためには、分散メデイアの分散機における充填率は、65%以上、好ましくは70%以上であり、かつ分散メデイアと水性顔料組成物との混合比(分散メデイア/水性顔料組成物(体積比))は、1/30以上、好ましくは1/25以上であることが望ましく、また、現場の作業効率を考慮すると、かかる混合比は1/1以下、好ましくは1/2以下であることが望ましい。
さらに、例えば前記のごとき分散機などを備えた湿式粉砕装置は、顔料の微粒子化という点から、周速5m/s以上、好ましくは周速7m/s以上で作動させることが望ましい。
また、かかる湿式粉砕装置を作動させる時間には特に限定はなく、分散における滞留時間で2〜150分間程度であればよい。
〔分散状態〕
顔料を分散した後の粒子径は5nm以上200nm以下であるのが好ましい。さらに、粗大粒子を遠心処理して除去して、最終的に顔料の粒子径を5〜100nmの範囲でとするのが望ましい。粒子径が100nmをこえると顔料の分離や沈降が発生しやすくなる。また5nmより小さいと粒子の制御や耐光性などの性能が劣ってくる。特に好ましくは5〜80nmの範囲である。
なお、ここでの粒子径は、顔料が実際に分散液中で形成している粒子としての分散径(体積50%径)であり、測定装置として、マイクロトラックUPA(LEEDS&NORTHRUP社)を使用したものである。
〔架橋処理〕
さらに、顔料を分散した後に、顔料に吸着している樹脂を架橋剤で架橋反応させるのが望ましい。混練工程および分散工程で顔料を微砕し、ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂を添加する前後のどちらかで、分散液の状態で架橋を行うのが望ましい。架橋剤としては、0〜100℃程度の低温で架橋可能なものが好ましく、水性分散液における反応の均一性という点では、好適には完全水溶性または有機溶剤含有の水溶性タイプのポリマーまたはオリゴマーの架橋剤が挙げられるが、これらに限定されない。ここでの架橋反応とは、鎖状構造をもつ高分子を何らかの方法で結びつけて新しい化学結合を作り、三次元の網状構造を新たに発達させる反応であり、すでに一部架橋構造を有する高分子をさらに架橋する場合も含み、溶解していた樹脂が、さらなる高分子化により析出してくる場合も該当する。またいわゆる硬化反応も、ここでの架橋反応に含まれる。
架橋剤としては例えば、カルボキシル基反応型タイプとして、分子中にカルボジイミド基を有するポリカルボジイミド系、分子中にオキサゾリン基を有するオキサゾリン系、アジリジン系などが挙げられる。水酸基反応型タイプとして、ブチル化メラミンやフルエーテル化メラミンなどのメラミン樹脂系、水性ブロックイソシアネートなどを代表とするイソシアネート系などが挙げられる。カルボニル基反応型タイプとして、ジヒドラジド系などが挙げられる。
これら以外にも、ポリエチレンイミンやアミノエチル化変性エチレンイミンやアジリジニル化変性エチレンイミンなど活性アミノ基を有するエチレンイミン系、ポリメチレンジアミンなどの脂肪族アミンやジアミノジフェニルメタンなどの芳香族アミンやグリシジルエーテルを骨格とするエポキシ樹脂系、(メタ)アクリロイル基を有するアクリルオリゴマーなどの水性オリゴマーなども用いることができる。水性オリゴマーの例としては、エステル結合を主に有するオリゴエステル(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂を主骨格とするエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは、単独または2種以上を混合して用いることができる。
これらのうちでも特に、カルボキシル基反応型タイプが、得られる顔料分散液の分散性に優れていることから好ましい。
架橋剤の樹脂に対する配合割合は、重量比(架橋剤/樹脂(有効固形分重量比))で1/100〜50/100であることが好ましい。1/100より少ないと架橋効果に乏しく分散液やインクの安定性が悪くなり、一方、50/100より多いと顔料の凝集が発生しやすく、また液の粘度も高くなる。
十分に架橋反応を進行させるためには、1/100以上、好ましくは2/100以上であり、また架橋効果の向上が望めないうえ、過剰の架橋剤によって水性顔料分散液の品質が低下するおそれをなくすためには、50/100以下、好ましくは45/100以下である。
また、架橋剤なしで架橋することができる。その場合は架橋結合しうる官能基をあらかじめ分子中に2種以上組み合わせて含まれていなければならない。
自己架橋性官能基としては、ラジカル重合性不飽和官能基および加水分解性アルコキシシラン基があげられる。
かかるラジカル重合性不飽和官能基の組み合わせとしては、たとえばカルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基と1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イル基、水酸基とブロック化イソシアネート基、水酸基とN−アルコキシメチルアミド基、水酸基と加水分解性アルコキシシラン基、アミノ基とエポキシ基などが好ましく、上述の疎水性モノマーと親水性モノマーとを共重合させるときに自己架橋性官能基を導入させればよい。
樹脂を架橋させる際の温度及び時間には特に限定がなく、例えば樹脂及び架橋剤の種類などに応じ、適宜調整すればよい。
架橋反応終了時のpHは7.0〜10.0の範囲であれば良く、PHが7.0以下だと中和溶解している水溶性樹脂が析出してくる可能性があり、しかも経時安定性も悪くなる。
架橋反応によって、加熱条件下で水分や溶剤および有機アミンなどが飛散すると同時に、官能基が硬化反応を開始する場合と、有機アミンなどがラジカル発生源となって重合硬化する場合とがある。いずれにしても、三次元的に架橋が進み、顔料に強固に結合した皮膜となることにより分散安定性が向上し、また、より高分子化することにより光沢が向上していることが推測される。
架橋処理により、水系中で顔料粒子同士の吸着や凝集を起こさせず、しかも樹脂自体、分散剤としての機能を保持させて硬化させ、しかも安定化させる効果が著しい。すなわち、樹脂の官能基を完全に反応させているのではなく、樹脂自体の溶解状態を保持するのに必要な官能基、例えばカルボキシ基等の極性基を架橋後も保有していることが望ましい。
かかる樹脂の架橋工程を、樹脂で顔料を分散させた後に行うことにより特に、予め架橋を終了した樹脂で顔料を分散させた場合に比較して、より分散効果が高く、粒子径が小さい経時安定性に優れた水性顔料分散液を得ることができる。
なお、顔料の周囲に樹脂を固着させる方法としては、貧溶媒への析出反応を利用した方法も知られているが、分散工程と架橋工程を組み合わせた本方法では、微粒化が、より容易という利点もある。
〔ゲル分率〕
なお、分散液中の樹脂の架橋率、いわゆるゲル分率は、20〜100%であることが好ましい。特に、優れた耐アルカリ性、耐溶剤性などの物性が発現されるという点から、好ましくは30%以上、特に好ましくは35%以上であることが望ましい。なお、かかるゲル分率の上限は100%であり、高いほうが望ましい。
一般にゲル分率は樹脂の架橋度を示す尺度とされているが、本発明では、水性顔料分散液を粉末乾燥させ、溶剤としてテトラヒドロフランを用いて樹脂の溶出量を測定し、その数値からゲル分率を算出する。
具体的には、水性顔料分散液を凍結乾燥し、得られた粉末10gをテトラヒドロフラン100mlに入れて60℃で1時間、撹拌を行う。テトラヒドロフラン中に溶出した樹脂量の固形分を測定し、架橋しなかった時の溶出量をブランクとして、ゲル分率を算出する。
ゲル分率=(ブランク溶出量−架橋処理後の溶出量)/ブランク溶出量
また、架橋した樹脂の重量平均分子量は、目的とする水性顔料分散液の特性が十分に向上するという点から、30,000を超え、好ましくは200,000以上であることが望ましい。なお、かかる重量平均分子量は、大きいほうがより好ましい。
かくして樹脂を架橋させることにより、顔料及び架橋した樹脂を含む分散液が得られる。
なお、架橋した樹脂を含む分散液のpHをアルカリ側に調整し、経時安定性を向上させるのが望ましい。好ましくは、pH8以上、特に好ましくはpH8.5〜10とする。
〔イオン交換について〕
水性顔料分散液中の2価の金属イオン含有量はイオン交換樹脂で処理などして、100ppm以下にするのが好ましい。さらに好ましくは50ppmとする。
カチオン交換樹脂としては弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂等を使用することができる。イオン交換樹脂としては公知のものを用いればよく、市販のものを使用することができる。
分散液とイオン交換樹脂との接触は、分散液をイオン交換処理塔やカラム装置に通過させる方法、あるいは分散液とイオン交換樹脂との単なる機械的な混合と攪拌、その他の任意の方法が採用できる。金属イオンの含有量は、原子吸光分光光度計Z−8230((株)日立製作所)やICP分析装置SPQ9000(セイコー電子(株))で測定することができ、本発明の規定はこれらの装置で測定した数値である。
凝集作用を呈すると考えられる多価金属イオンの含有量を低減する事により、記録用インクの経時安定性を図り、有機顔料の凝集を防止して記録用インクの粘度増加を抑制し、ひいては、記録用インクの吐出性を改良する。記録用インクにおける多価金属イオンの含有量は、100ppm以下、好ましくは80ppm以下である。
多価金属イオン除去の方法の1つは、陽イオン交換樹脂で分散液または記録用インクを処理するものである。使用する陽イオン交換樹脂(弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂)としては、多価金属イオンを除去し得る限りその種類は制限されず、市販の中から適宜選択することが出来る。具体的には「DIAION WK 10」、「DIAION WK 11」、「DIAION WK 20」、「DIAION PA 406」、「DIAION PA 408」、「DIAION PA 412」、「DIAION PA 416」、「DIAION PA 418」、「DIAION PK 208」、「DIAION PK212」、「DIAION PK 216」、「DIAION PK 220」、「DIAION PK 228」(三菱化学株式会社製)、「アンバーライト IR−118H」、「アンバーライト IR−120B」、「アンバーライト IR−122」、「アンバーライト IR−124」、「アンバーライト 252」、「アンバーライト 201CT」、「アンバーライト 200C」、「アンバーライト IRC−50」、「アンバーライト IRC−84」(オルガノ社製)があげられる。
必要に応じ、陰イオン交換樹脂(弱塩基性陰イオン交換樹脂、中塩基性陰イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂)による処理を併用しても良い。具体的には、「DIAION WA 10」、「DIAION WA 11」、「DIAION WA 20」、「DIAION WA 21」、「DIAION WA 30」、「DIAION PA 406」、「DIAION PA 408」、「DIAION PA 412」、「DIAION PA 416」、「DIAION PA 418」、「DIAION PA 306」、「DIAION PA 308」、「DIAION PA 312」、「DIAION PA 316」、「DIAION PA 318」、「DIAION SA 10A」、「DIAION SA 11A」、「DIAION SA 12A」、「DIAION SA 20A」、「DIAION SA 21A」(三菱化学株式会社製)、「アンバーライト IRA−400T」、「アンバーライト IRA−430」、「アンバーライト IRA−458」、「アンバーライト IRA−458」、「アンバーライト IRA−900」、「アンバーライト IRA−904」、「アンバーライト IRA−938」、「アンバーライト IRA−958」、「アンバーライト IRA−410」、「アンバーライト IRA−411」、「アンバーライト IRA−910」、「アンバーライト IRA−68」、「アンバーライト IRA−35」、「アンバーライト IRA−93」(オルガノ社製)があげられる。
〔限外濾過について〕
不純物を除去する方法の1つとして、限外濾過膜が用いられる。一般に溶液中の低分子から高分子量の化合物やイオン性物質を、膜の種類によって、ある成分毎に除去可能な分離膜による処理を指す。
不純物としては、顔料合成時の残留物質、分散液組成中の過剰成分、有機顔料に吸着していない分散剤、及びコンタミ成分が考えられる。
限外濾過膜は、その分画分子量により分離可能な物質の分子量が異なる。例えば、処理に用いられる膜の分画分子量が1000の場合には、溶媒からは1000以下の分子量のものしか除去できないことになる。
〔顔料分散液〕
本発明の顔料分散液は、以上説明した顔料及び特定の樹脂の他、分散媒を含有する。分散媒としては特に限定されず、従来より顔料分散液に用いられるものが選択できる。例えば、水その他の水性媒体が好適であるが、その他、各種の有機溶剤を含有させてもよい。ここで、水性媒体とは、水又は水と相溶し得る水溶性の溶媒をいう。水としてはイオン交換水を用いるのが特に好ましいがこれに限定されない。水溶性の溶媒としては、後述する、インク組成物において用いられる溶媒から選択するのが望ましい。
顔料分散液におけるその他の成分として、分散液の物性に悪影響を与えたりインキ化した際に障害となるものでなければ限定されず、適宜選択することができるが、以下に説明するインクジェット用インク組成物において用いられる有機溶剤から選択した溶剤や、特に水性媒体を用いた水性インク組成物への添加剤である防カビ剤等を含有していてもよい。
〔インクジェット用インク組成物〕
本発明のインク組成物は、顔料が分散されたインクジェット用インク組成物であって、水溶性樹脂と、ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂とを含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物である。
かかる本発明のインク組成物の製造方法は特に限定されないが、上述した方法で顔料分散液を調製し、粗大粒子が含まれている場合は遠心処理を施して除去するのが望ましく、その後、水溶性有機溶剤等の有機溶剤を添加してのインク化工程に進むのが好ましい。
インク組成物中の顔料の含有量は、着色効果が充分に発現されるようにするには、0.5重量%以上、好ましくは2重量%以上であることが望ましく、またインク組成物の粘度において、吐出性能を良好に保持しうる適性粘度にするには、25重量%以下、好ましくは10重量%以下であることが望ましい。
好ましい水溶性有機溶剤の具体例としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,5−ペンタンジオール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの中から選ばれ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
水溶性有機溶剤の添加量は、インク液中に5重量%から30重量%、好ましくは6重量%から25重量%が望ましく、それ以上の添加では、インク自体が高粘度となり、インクの安定性や吐出性が悪くなったり、紙へのにじみが大きく、しかも乾燥速度が遅くなったりする。とりわけ粘度は20mPa・s以下が好ましい。
上記以外の水溶性有機溶剤を添加してもよく、たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどがあげられる。
さらに、本発明のインク組成物には、所望の物性を有するようにするために、防カビ剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤などの添加剤を適宜配合することができる。
以上説明した本発明のインク組成物は特にインクジェット用インクとして優れていることは上述した通りである。具体的な使用方法としては、例えば、上述のインク組成物をインクジェットプリンターのノズルより吐出させて印字を行うことを特徴とするインクジェット記録方法、あるいは上述のインク組成物に熱エネルギーを作用させて液滴を形成し、この液滴を以て記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法が挙げられる。あるいは、上述のインク組成物に力学的エネルギーを作用させて液滴を形成し、この液滴を以て記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法も挙げられる。
〔高浸透性の処方について〕
本発明のインク組成物は、特に高浸透性のインクジェット用インクに好適である。例えば、従来より公知の各種の高浸透性の処方が適用できる。例えば、特開2001−302,950号公報記載のように、アセチレン結合を有する界面活性剤を含有させて、優れた連続吐出安定性と、記録メディアに対する浸透性を求めるインク組成物はが挙げられる。ここに、低級アルコールのプロピレンオキシド付加体を添加併用することもできる。
また、特開2002−3760号公報に記載のように、アセチレン結合を有する、以下の化学式(式(1))で表される化合物、1,5−ペンタンジオール、ブチルエーテル系溶剤を含有させたものが挙げられる。
式(1):
Figure 2003097753
また、特開2002−30,237号公報記載のように、色再現性に優れ、浸透性が高く乾燥時間が短い良好なインク組成物として、アセチレングリコール系界面活性剤及び/又はポリシロキサン系界面活性剤、有機溶剤としてアルキルの炭素数が3以上である(好ましくは3以上6以下)多価アルコールのアルキルエーテル誘導体、及び/又は1,2−アルカンジオールを含むインク組成物が挙げられる。
有機溶剤の具体例としては、特開2002−30,237号公報記載のように、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等が挙げられる。
1,2−アルカンジオールとしては、特開2002−30,237号公報記載のように、好ましくは、1,2−C1−8アルカンジオール、特に好ましくは1,2−C1−6アルカンジオールであり、最も好ましくは1,2−ヘキサンジオールである。1,2−アルカンジオールの添加量は、1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
アセチレングリコール系界面活性剤の好適なものとしては、特開2002−30237号公報に例示される各種の化合物が挙げられる。より具体的には、サーフィノール82、104、440、465、485、TG(エアプロダクトケミカルズ社製)、オルフィンSTG、E1010(日信化学(株)製)が挙げられる。
実施例
以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。実施例において「部」はすべて重量部を示し、「%」はすべて重量部を示す。
[実施例1]
以下に示す各成分を加圧ニーダーに仕込み、室温で10時間混錬し、顔料混錬物を作成した。
マゼンタ顔料(ファーストゲンスーパーマゼンタRTS:(大日本インキ(株))
100.0
(P.R122(C.I.73915)
スチレン−メチルスチレン−アクリル酸共重合体
(酸価200、重量平均分子量7500、ガラス転移点80℃) 20.0
グリセリン 67.0
イソプロピルアルコール 20.0
次いで、得られた顔料混錬物42部、トリエタノールアミン3部、イオン交換水55部を混合し、95℃で2時間加熱撹拌後、サンドミルで0.5mmガラスビーズを用いて3パス処理して分散液を調製した。
この分散液を水酸化ナトリウムでPH8.5に調整し、25000Gで5分間遠心処理して粗大粒子を除去した。粗大粒子除去後の分散液は、固形分26.0%、PH8.3、顔料粒子径(体積50%分散径)は75.2nmであった。
この分散液にポリエステル系ポリウレタン樹脂(酸価20、トリエチルアミン中和、固形分35%)10.0部、30%ポリカルボジイミド系架橋剤(カルボジイミド当量300、完全水溶性)5部を添加し、90℃で5時間攪拌して分散液中の樹脂を架橋させた。架橋反応終了時の分散液のPHは7.4であった。ゲル分率は35%を超えていた。さらに、固形分濃度が20重量%となるように調整した。これを以下「マゼンタ分散液」という。このマゼンタ分散液を用い、以下の処方にてインク化をおこなった。
Figure 2003097753
上記配合にて攪拌を30分おこない、インクを作成した。
〔評価試験〕
得られたインクについて、経時安定性および吐出性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表−1に示す。
(イ)経時安定性試験
インクを50℃の恒温室内に1か月間静置したのち、顔料の分離、水浮きおよび沈降の有無ならびに粘度や顔料の平均粒子径の変化を確認した。顔料の分離、水浮きおよび沈降が少しでも生じた状態または粘度や顔料の平均粒子径の変化があった場合を異常と評価した。
異常なしの場合を○、異常ありの場合を×とした。
(ロ)吐出性試験
インクをカートリッジに充填し、プリンター「PM−4000PX」(セイコーエプソン株式会社製)使用し、2880×1440dpi(4pl)で200枚印字試験をおこなった。紙は、PM写真用紙<光沢>(セイコーエプソン株式会社製)を使用した。ノズルの目詰まりやかすれが少しでも発生した状態を異常と評価した。
異常なしの場合を○、異常ありの場合を×とした。
(ハ)光沢
(ロ)吐出性試験で印字した印刷物を光沢計VG2000(日本電色工業株式会社製)を用いて20度鏡面での光沢を測定した。
(ニ)耐擦過性
印字物を手でこすり、擦過性を判断した。結果を、○(優)、△(可)、×(不可)で表−1に示す。
[比較例1]
実施例1において、ポリエステル系ポリウレタン樹脂を添加しない以外は、すべて同様の操作によりインクを作成した。実施例1同様に評価試験を行い、結果を表−1に示す。
[実施例2]
以下に示す各成分を加圧ニーダーに仕込み、室温で8時間混錬し、顔料混錬物を作成した。
黄色顔料(エロー5G:(御国色素(株))
(P.Y14(C.I.21095) 100.0
スチレン−メチルスチレン−アクリル酸共重合体
(酸価160、重量平均分子量8000、ガラス転移点75℃)
20.0
グリセリン 67.0
イソプロピルアルコール 20.0
得られた顔料混錬物42部、KOH1.5部、イオン交換水56.5部を混合し、80℃で2時間加熱撹拌後、サンドミルで0.5mmガラスビーズを用いて3パス処理して分散液を調製した。
この分散液を水酸化ナトリウムでPH8.5に調整し、25000Gで5分間遠心処理して粗大粒子を除去した。粗大粒子除去後の分散液は、固形分26.8%、PH8.4、顔料粒子径(体積50%分散径)は9.8nmであった。
この分散液にポリカーボネイト系ポリウレタン樹脂(酸価30、トリエチルアミン中和、固形分40%)4部、30%ポリエチレンイミン系架橋剤(アミン水素当量650、完全水溶性)2部を添加し、90℃で3.5時間攪拌して分散液中の樹脂を架橋させた。
架橋反応終了時の分散液のPHは7.8であった。ゲル分率は35%を超えていた。さらに、固形分濃度が20重量%となるように調整した。これを以下「黄色分散液」と称す。この「黄色分散液」を用い、以下の処方にてインク化をおこなった。
Figure 2003097753
上記配合にて攪拌を30分おこない、インクを作成した。実施例1同様に評価試験を行い、結果を表−1に示す。
[実施例3]
以下の各成分を加圧ニーダーに仕込み、室温で8時間混錬し、顔料混錬物を作成した。
青色顔料(ファーストゲンブルーTGR:(大日本インキ(株))
(ピグメント・ブルー15:3(C.I.74160)) 100.0
スチレン−アクリル酸共重合体
(酸価75、重量平均分子量12000、ガラス転移点70℃)
20.0
グリセリン 67.0
イソプロピルアルコール 20.0
得られた顔料混錬物42部、トリエタノールアミン3.5部、イオン交換水54.5部を混合し、80℃で2時間加熱撹拌後、サンドミルで0.5mmガラスビーズを用いて3パス処理して分散液を調製した。
この分散液を水酸化ナトリウムでPH8.5に調整し、25000Gで5分間遠心処理して粗大粒子を除去した。粗大粒子除去後の分散液は、固形分25.9%、PH8.3、顔料粒子径(体積50%分散径)は56.3nmであった。
この分散液にポリエーテル系ポリウレタン樹脂(酸価50、トリエチルアミン中和、固形分25%)40部、20%エポキシ樹脂(エポキシ当量200)8部を添加し、90℃で5時間攪拌して分散液中の分散樹脂を架橋させた。
架橋反応終了時の分散液のPHは7.8であった。ゲル分率は35%を超えていた。
さらに、固形分濃度が20重量%となるように調整した。これを以下「青色分散液」と称す。この「青色分散液」を用い、以下の処方によりインク化をおこなった。
Figure 2003097753
上記配合にて攪拌を30分おこない、インクを作成した。実施例1同様に評価試験を行い、結果を表−1に示す。
[実施例4]
以下に示す各成分を加圧ニーダーに仕込み、室温で12時間混錬し、顔料混錬物を作成した。
緑色顔料(ファーストゲングリーンS:(大日本インキ(株))
(ピグメント・グリーン7(C.I.74260)) 100.0
メタクリル酸エチル−メタクリル酸共重合体
(酸価120、重量平均分子量15000、ガラス転移点65℃) 20.0
グリセリン 67.0
イソプロピルアルコール 20.0
得られた顔料混錬物42部、トリエタノールアミン2.5部、イオン交換水55.5部を混合し、80℃で2時間加熱撹拌後、サンドミルで0.5mmガラスビーズを用いて3パス処理して分散液を調製した。
この分散液を水酸化ナトリウムでPH8.5に調整し、25000Gで5分間遠心処理して粗大粒子を除去した。粗大粒子除去後の分散液は、固形分25.5%、PH8.4、顔料粒子径(体積50%分散径)は81.1nmであった。
この分散液にポリカーボネイト系ポリウレタン樹脂(酸価30、トリエチルアミン中和、固形分40%)4部、30%ポリエチレンイミン系架橋剤(アミン水素当量650、完全水溶性)2部を添加し、90℃で2.5時間攪拌して分散液中の樹脂を架橋させた。
架橋反応終了時の分散液のPHは7.6であった。ゲル分率は35%を超えていた。さらに、固形分濃度が20重量%となるように調整した。これを以下「緑色分散液」と称す。この「緑色分散液」を用いて、次の処方にてインク化をおこなった。
Figure 2003097753
上記配合にて攪拌を30分おこない、インクを作成した。実施例1同様に評価試験を行い、結果を表−1に示す。
[比較例2]
以下に示す各成分を加圧ニーダーに仕込み、室温で8時間混錬し、顔料混錬物を作成した。
実施例4において、ポリカーボネイト系ポリウレタン樹脂を添加しない以外は、すべて同様にしてインクを作成した。実施例1同様に評価試験を行い、結果を表−1に示す。
[実施例5]
赤色顔料(スカーレットF2B:(御国色素(株)) 100.0
(ピグメント・レッド22(C.I.12315))
スチレン−マレイン酸共重合体
(酸価180、重量平均分子量3000、ガラス転移点65℃)
20.0
グリセリン 67.0
イソプロピルアルコール 20.0
得られた顔料混錬物42部、モノエタノールアミン3.0部、イオン交換水55.0部を混合し、85℃で2時間加熱撹拌後、サンドミルで0.5mmガラスビーズを用いて3パス処理して分散液を調製した。
この分散液を水酸化ナトリウムでPH8.5に調整し、25000Gで5分間遠心処理して粗大粒子を除去した。粗大粒子除去後の分散液は、固形分26.0%、PH8.4、顔料粒子径(体積50%分散径)は64.8nmであった。
この分散液にポリエーテル系ポリウレタン樹脂(酸価50、トリエチルアミン中和、固形分40%)5部、35%オキサゾリン系架橋剤(オキサゾリン当量200)1部を添加し、80℃で2.5時間攪拌して分散液中の分散樹脂を架橋させた。
架橋反応終了時の分散液のPHは7.5であった。ゲル分率は35%を超えていた。さらに、固形分濃度が20重量%となるように調整した。これを「赤色分散液」とする。この「赤色分散液」を用いて、次の処方にてインク化をおこなった。
Figure 2003097753
上記配合にて攪拌を30分おこない、インクを作成した。
(実施例6)
実施例2において、ポリカルボジイミド系架橋剤を添加しない以外は、すべて同様の操作を行い、インクを作成した。実施例1同様に評価試験を行い、結果を表−1に示す。
(実施例7)
実施例3において混練工程を行わない以外は、すべて同様にしてインクを作成した。実施例1同様に評価試験を行い、結果を表−1に示す。
(実施例8)
実施例5において、遠心処理して粗大粒子を除去しない以外は、すべて同様にインクを作成した。実施例1同様に評価試験を行い、結果を表−1に示す。
Figure 2003097753
以上の結果からわかるように、顔料が分散されたインクジェット用顔料分散液であって、水溶性樹脂と、ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂とを含有することを特徴とする水性顔料分散液及びこれを用いたインク組成物は、高浸透性溶媒中での安定性が大幅に向上している上、耐擦性、光沢にも優れたものである。
産業上の利用可能性
本発明により、高浸透性溶媒中での安定性が大幅に向上している上、耐擦性、光沢にも優れたインクジェット用顔料分散液及びインクジェット用インク組成物を得ることができる。

Claims (10)

  1. 顔料が分散されたインクジェット用顔料分散液であって、水溶性樹脂と、ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂とを含有することを特徴とする顔料分散液。
  2. 水溶性樹脂を顔料と配合し、混練工程および分散工程で顔料を微粉砕し、さらにウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂を添加し、架橋して成ることを特徴とする請求項1記載の顔料分散液。
  3. 樹脂の架橋率が20〜100%である請求項1又は2記載の顔料分散液。
  4. インクジェット用分散液である請求項1〜3のいずれかに記載の顔料分散液。
  5. 顔料が分散されたインクジェット用インク組成物であって、水溶性樹脂と、ウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂とを含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。
  6. 水溶性樹脂を顔料と配合し、混練工程および分散工程で顔料を微粉砕し、さらにウレタン結合及び/又はアミド結合を有する樹脂を添加し、架橋して成ることを特徴とする請求項5記載のインクジェット用インク組成物。
  7. 樹脂の架橋率が20〜100%である請求項5又は6記載のインクジェット用インク組成物。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の顔料分散液に、有機溶剤を添加して得られるインクジェット用インク組成物。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載のインクジェット用インク組成物を、インクジェットプリンターのノズルより吐出させて印字を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 請求項5〜8のいずれかに記載のインクジェット用インク組成物をカートリッジに充填してなるインクセット。
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