JP2003213164A - インクジェット印刷用水系顔料インク組成物 - Google Patents

インクジェット印刷用水系顔料インク組成物

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JP2003213164A
JP2003213164A JP2002009365A JP2002009365A JP2003213164A JP 2003213164 A JP2003213164 A JP 2003213164A JP 2002009365 A JP2002009365 A JP 2002009365A JP 2002009365 A JP2002009365 A JP 2002009365A JP 2003213164 A JP2003213164 A JP 2003213164A
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pigment
ink composition
water
weight
emulsion
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JP2002009365A
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English (en)
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Tsutomu Ueda
勉 上田
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Fuji Pigment Co Ltd
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Fuji Pigment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 インクジェット印刷用水系顔料インク組成物に、特定の
浸透剤と特定種のエマルションとを配合することによっ
て、インクジェット印刷用インクの印刷特性を確保した
まま、印刷対象物への顔料の浸透性と固着性を改善する
ことが可能になった。 【発明の構成】本発明は、顔料、水系分散媒体、分散剤
の3成分を必須成分とするインクジェット印刷用水系顔
料インク組成物に、さらに特定種の浸透剤すなわちアセ
チレングリコールかその誘導体と特定種のエマルショ
ン、すなわち、ポリウレタン系樹脂エマルションとを必
須成分として配合したことを特徴とする顔料の浸透性と
固着性に優れた新規インク組成物である。 【発明の効果】特定種の浸透剤と特定種のエマルション
を必須成分として選択配合したことにより、インクジェ
ット印刷用水系顔料インクの印刷特性を確保したまま、
印刷対象物への顔料の浸透性と固着性を改善することが
可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はインクジェット印刷
用水系顔料インク組成物に関するものであって、より詳
しくは良好な印刷特性、とくに透水性の印刷対象物に対
して浸透性が優れていて鮮明で精細な高速印刷が可能で
あるという特性を有し、しかも印刷後にインクが印刷対
象物上で乾燥すると、温水や界面活性剤入りの温水ある
いは擦過に対して十分な耐久性を有して固着するように
密着性の改善されたインクジェット印刷用水系顔料イン
ク組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット印刷用インク組成物とし
て、水系で安全性が高く、顔料の耐水耐光性の良さが活
用できるので望ましいとして、水系顔料インク組成物が
種々提案されている。従来からの水系顔料インク組成物
は、基本的には、顔料を水系媒体中に分散剤を用いて分
散させた液組成物であり、インクジェット印刷に適する
ように、顔料粒径を小さく、かつ媒体中に安定に分散す
るよう適当な分散剤を選んで使用する等の工夫がなされ
ている。しかし、布や紙に印刷した場合に、印刷物が水
に濡れたり擦過されると、表面から顔料が移動・脱落し
て印刷物が汚染したり色落ちしたりする難点がある。と
くに衣料用繊維品に印刷した場合、洗濯のたびにこの難
点が深刻化してくるのである。鋭意検討の結果本発明者
らは、インク組成物にo/w型ポリウレタンエマルショ
ンを配合することでこの難点を解決することができるこ
とを見出し、特願2001−285045として特許出
願した。しかし、さらに実用の場での検討を進めたとこ
ろ、繊維製品へのインクジェット印刷において当該イン
クは繊維製品の単繊維間への浸透速度をより高めて鮮明
精緻な印刷を、しかもより高速での印刷をも可能にすべ
きであることが判明した。
【0003】一方、インクジェット印刷において、イン
クの印刷対象物内部への浸透速度を高めたり、その他の
インク物性を適正化する手段として、種々の化合物の配
合が古くから提案されてきている。その中で例えば、特
公昭58−6752や特開昭63−139964ではア
セチレングリコールやその誘導体をインクに配合するこ
とが提案されている。しかし、いずれの場合もo/w型
ポリウレタンエマルションとの併用の可否については何
ら示唆していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット印刷用
インクとしての良好な印刷特性を有し、インクの印刷対
象物内部への優れた浸透性と、印刷物において顔料が優
れた耐久性・耐擦過性を有して密着している固着性とが
両立するインクジェット印刷用水系顔料インク組成物の
実現が本発明の課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】インクジェット印刷用水
系顔料インク組成物の組成、とりわけ、ポリウレタン樹
脂エマルションを配合した水性顔料インクに配合する浸
透剤の選択で目的の達成を期する。
【0006】本発明のインク組成物は、顔料、水系媒
体、顔料の分散剤、顔料固着用のエマルション樹脂、お
よびアセチレングリコールかその誘導体を必須成分と
し、エマルション樹脂と浸透剤の組合せ選択により顔料
粒子とエマルション粒子がともに安定に分散しているイ
ンクジェット印刷用水系顔料インク組成物であって、印
刷時にインク液滴が長期に安定して吐出可能であり、紙
や布である繊維製品の単繊維間への浸透速度が高く鮮明
精緻な印刷を、しかもより高速で可能にし、印刷後に顔
料が印刷対象物に高い耐水性と耐擦過性で密着する効果
を発揮するものである。
【0007】従来からの本発明者らの経験に基づき、イ
ンク組成物中で顔料粒子とエマルション粒子がともに安
定に分散するか否かは、(イ)調製したインク組成物を
密栓ガラス容器内に入れて50℃の空気恒温槽内に7日
間静置し、その前後で顔料やエマルション粒子の分散状
態に変化がないことや、同じくインク組成物の粘度に変
化がないことを判断基準とする加速分散安定性試験、
(ロ)同上試験を室温放置30日間で行う室温分散安定
性試験で判断する。また、インク組成物の印刷特性に関
しては、(ハ)調製したインク組成物をインクジェット
印刷に供して、3時間連続印刷、その後1夜中断したの
ちさらに1時間の連続印刷が、すべてのノズル孔でイン
クの吐出停止を伴わずに順調に行えたかをみる初期印刷
試験、(二)同様に加速分散性試験後の印刷試験、
(ホ)同様に室温分散性試験後の印刷試験でインク組成
物の印刷性を判断する。エマルション樹脂の顔料固着性
に関しては、綿とエステル綿混の織物および編物を印刷
対象品として行った、上記(ハ)(二)(ホ)の印刷試
験片を、インク乾燥後に洗剤使用の温水洗濯試験機にて
洗濯し、顔料の移行や脱落がないことを基準に(へ)温
水洗濯試験で判断する。また、紙を印刷対象品とした場
合には、インク乾燥後に印刷部分に水を滴下し、かつ指
先で擦過して顔料の移行や脱落がないことを基準に
(ト)水濡れ擦過試験で判断する。(チ)上記印刷試験
片を分解し顔料が繊維間や短繊維間に何処まで浸透した
かを判定したり、(リ)インクジェット印刷試験でイン
クの吐出速度を、例えば、2000Hzから10000
Hzまで変えて高速の印刷に対応可能か否かを判定し
た。以上のようにして目的達成の可否を判断した。
【0008】本発明で実施可能な顔料は、カーボンブラ
ックおよび有機顔料である。金属化合物である無機顔料
は比重が大きいことや表面活性のためか、本発明の技術
範囲では無機顔料とエマルション粒子をともに安定に分
散させることができず、目的とするインク組成物を実現
することが不可能であった。本発明で好適に使用可能な
顔料としては、各種製法によるカーボンブラック、アゾ
系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アン
トラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、
キナクリドン系顔料、ジオキサジン系、チオインジゴ
系、イソインドリノン系顔料等である。これら顔料の具
体例は、便覧等に収録されていて周知である。
【0009】本発明で使用される顔料は、最大粒子系
0.8μm以下で平均粒径0.3μm以下の微細顔料が
使用できる。とくに好適なのは最大粒子系0.5μm以
下で平均粒径0.2μm以下の場合である。多くの市販
顔料の中には、平均粒径が0.04μm以上0.15μ
m以下の範囲内であり、上記条件を満たすものがあるの
で好都合である。顔料の配合割合は本発明のインク組成
物中0.3重量%以上15.0重量%以下で配合する。
通常目的の印刷では、有彩色有機顔料で2.0重量%以
上8.0重量%以下が、カーボンブラックで6.0重量
%以上12.0重量%以下が印刷物の着色濃度から好適
である。しかし、淡色の場合は有彩色有機顔料で0.3
重量%、カーボンブラックで1.0重量%以上が可能で
ある。いずれの場合も顔料は単独または混合で使用する
ことが可能である。
【0010】本発明において、アセチレングリコールと
は1,4−ビスアルキル−1,4−ビスヒドロキシ−2
−ブチンであって、アルキルは直鎖または側鎖状の炭素
数17以下の炭化水素基である。媒体組成によって異な
るがインク組成物が均一であるためには、炭化水素基の
炭素数は8以下が好ましい。これらアセチレングリコー
ルの代表例としては、下記(化1)(化2)(化3)で
表される化合物が挙げられる。本発明のインク組成物に
おいてアセチレングリコールの配合割合は配合される顔
料の重量に対して0.5重量%以上600重量%以下で
ある。アセチレングリコール配合の効果をより有効にか
つ無駄なく発揮させるためには2重量%以上500重量
%以下であるのが好ましい。
【化1】 (CH)-C(OH)-C≡C-C(OH)-(CH)
【化2】 CH-C(CH)(OH)-C≡C-C(CH)(OH)-C
H
【化3】 (CH)-CH-CH-C(CH)(OH)-C≡C-C(CH
)(OH)-CH-CH-(CH)
【0011】本発明において、アセチレングリコール誘
導体とは1,4−ビスアルキル−1,4−ビスヒドロキ
シ−2−ブチンのヒドロキシル基にエチレンオキシドお
よび/またはプロピレンオキシドが付加物した化合物で
ある。アルキルは直鎖または側鎖状の炭素数17以下の
炭化水素基である。媒体組成によって異なるがインク組
成物が均一であるためには、炭化水素基の炭素数は12
以下が好ましい。エチレンオキシドおよび/またはプロ
ピレンオキシドの付加モル数は総計で1以上30以下で
ある。印刷物の耐水・耐擦過性から付加モル数は総計で
2以上16以下であることが好ましい。本発明のインク
組成物においてアセチレングリコール誘導体の配合割合
は配合される顔料の重量に対して0.3重量%以上60
0重量%以下であるが、配合の効果をより有効にかつ無
駄なく発揮させるためには2重量%以上500重量%以
下であるのが好ましい。
【0012】浸透剤として、例えば、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル系界面活性剤を用いる場合に比較す
ると、顔料の分散安定性は同等でありながら、本発明の
場合の方が顔料インクが繊維間や短繊維間へ深く浸透し
ているし、印刷物表面の滲みが少なく、より鮮明で精細
な印刷が可能である。また、より高速の印刷が可能であ
る。インクの浸透性が向上した結果、印刷物の耐水・耐
擦過性も向上していることが判明した。
【0013】本発明で実施可能なエマルション樹脂は、
ポリウレタン系のエマルション樹脂であって、インク調
製原料として使用する際、または本発明のインク組成物
調製後において、o/w型のエマルションとして存在す
るものである。ポリウレタン系樹脂のエマルションに
は、比較的親水性の通常のポリウレタン系樹脂を、外部
乳化剤を使用してエマルション化したものと、樹脂自体
に乳化剤の働きをする官能基を共重合等の手段で導入し
た自己乳化型のエマルションがある。いずれも実施可能
であるが、インク組成物の成分の組み合わせによって、
顔料およびエマルション粒子の分散安定性に若干の差違
があるので注意を要する。顔料や分散剤との各種組み合
わせにおいて、常に分散安定性に優れているのは自己乳
化型エマルション樹脂、とりわけアミノカルボキシレー
ト基等を有するアニオン型自己乳化型ポリウレタンのエ
マルション樹脂である。その際、ポリウレタンのソフト
セグメントを問わず良好な分散安定性を示すが、印刷後
の顔料の固着性ではソフトセグメントがポリカーボネー
ト系である場合がとくに優れており、ソフトセグメント
がポリエステル系の場合が前者についで優れている。ソ
フトセグメントがポリエーテル系の場合は、これらにつ
いで優れているが過激な使用分野においては懸念があ
る。ポリオキシエチレン鎖やシラノール基を側鎖に有す
る自己乳化型ポリウレタンエマルション樹脂や外部乳化
型ポリウレタンエマルション樹脂も実施可能であるが、
上記の場合に比較して分散安定性の劣る場合があるので
注意を要する。エマルション樹脂の特性を表す指標とし
て最低造膜温度や二次転移点がある。これらが、例え
ば、100℃を超えるような極端な場合を除き、零下か
ら90℃の範囲内で実施可能である。最低造膜温度が0
℃の場合でも順調に実施可能であった。40℃以下のよ
り低温の場合ほどインクの固着速度が高い傾向がある
が、インクの配合組成や配合比率の影響の方が大きいの
で、本発明では、エマルション樹脂の最低造膜温度や二
次転移点には、必ずしもこだわらなくてよい。いずれに
せよ、当該技術分野の技術者は、使用する顔料、分散
剤、水系媒体、ポリウレタン系エマルション樹脂の組み
合わせで、実験的に最適組成を選定することができる
し、そのようにして本発明を実施するのが望ましい。後
述の実施例で示すように、このような好適エマルション
は市販品の中から選ぶことが可能である。
【0014】本発明におけるエマルション粒子は、平均
粒径が0.01μm以上0.3μm以下の場合に好適に
使用される。平均粒径が上記範囲を越えて大きい場合に
は、理由は定かではないが印刷を継続している途中で印
刷機械は作動しているのにインクが吐出しなくなるトラ
ブルが発生する場合がある。印刷機のノズル孔を含むイ
ンク流路を掃除して印刷再開可能となるが、これでは実
用性を阻害することになる。また、平均粒径が上記範囲
を越えて小さい場合には、前記のトラブルは発生しない
が、エマルションが高コストで経済性に劣るので実施す
る意味がない。このような観点から、とくに好ましいエ
マルション粒子の平均粒径は0.03μm以上0.1μ
m以下の場合である。
【0015】エマルション樹脂の配合割合は、使用する
顔料の重量に対して5重量%以上1000重量%以下で
実施可能である。過剰の使用は顔料の被印刷体への固着
性は申し分なく良好であるが、印刷性が劣るようになる
ので好ましくない。エマルション樹脂の使用量が過小の
場合は印刷性は良好だが、固着性に劣るので好ましくな
い。このような次第で好適な範囲は、顔料の重量に対し
て10重量%以上500重量%以下、とくに好適なのは
50重量%以上200重量%以下の範囲である。
【0016】本発明における水系媒体とは、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、グリセリンのいずれかである多価アルコールと水の
混合物である。これら多価アルコールはエマルション粒
子の安定性に有効であり、しかもインク組成物のインク
ジェット印刷機のノズル表面での乾燥固化を防止して、
安定で順調なインクジェット印刷の実現に寄与するので
ある。例えば、類縁のグリコールエーテル、グリコール
アセテート、グリコールエーテルアセテートでは、乾燥
固化の防止作用は認められるものの、エマルション粒子
が膨潤したり最終的に破壊してしまって、しかもその間
インク組成物の粘度が増大して本発明の目的を達成でき
ない。その他の水溶性溶剤でも同様の現象が発生するの
で、多価アルコール以外の溶剤は不適当である。また、
多価アルコールでも上記以外の多価アルコールではエマ
ルション粒子の長期の安定性にやや劣るので好ましくな
い。本発明における水系媒体の多価アルコールは、イン
ク組成物の分散安定性、インクジェット印刷機ごとの印
刷特性、顔料の固着性等を勘案して、単独または混合で
使用される。
【0017】本発明における水系媒体の一部である多価
アルコールは、インク組成物中5.0重量%以上70.
0重量%以下の割合で配合することが可能である。しか
し、過小では前節の効果が少なく、過大では印刷物の顔
料固着に悪影響を及ぼすので、10.0重量%以上5
0.0重量%以下の範囲で配合するのが好適である。水
の配合割合はインク組成中の水以外の必須成分を差し引
いた残余である。水系媒体の配合割合や媒体中の水と多
価アルコールの比率は、顔料、分散剤、エマルション粒
子等の種類と配合割合に従って、実験的に最適化するの
が良い。
【0018】本発明における顔料の分散剤としては、従
来から顔料を水媒体に分散させるのに有効な公知の分散
剤の中から、エマルション粒子の分散に悪影響を及ぼさ
ないもので、インクジェット印刷と印刷物の固着性に適
したものを選んで配合する。この観点で本発明者らが実
験的に選んだ好適な分散剤は、アニオン活性剤であるポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、同
リン酸エステル塩、水溶性アクリル系樹脂、スチレン/
マレイン酸系樹脂、スチレン/アクリル酸系樹脂、スチ
レン/α−メチルスチレン/アクリル酸系樹脂等々であ
る。ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、水溶性セ
ルロース誘導体等は顔料の分散が不安定で不適当であっ
た。
【0019】本発明における顔料の分散剤のインク組成
物中の配合割合は、使用する顔料に対して10重量%以
上100重量%以下の範囲内である。過小では安定な分
散効果を確保できないし、過大では飽和した分散効果に
粘度増大による印刷機への不適合やコスト高など無用の
悪影響を被るばかりである。このような観点から、好適
な配合割合は顔料に対して20重量%以上80重量%以
下の範囲内である。
【0020】以上に述べた本発明のインク組成物の必須
成分の好適な配合割合を総括すると、顔料の配合割合は
インク組成物全体に対して、有彩色有機顔料で0.3重
量%以上8.0重量%以下、カーボンブラックで1.0
重量%以上12.0重量%以下、分散剤は顔料に対して
20重量%以上80重量%以下、エマルション樹脂は顔
料の重量に対して10重量%以上500重量%以下、媒
体の一部である多価アルコールはインク組成物全体に対
して10重量%以上50重量%以下、アセチレングリコ
ールかその誘導体は顔料の重量に対して2重量%以上5
00重量%以下、媒体の一部である多価アルコールはイ
ンク組成物全体に対して10重量%以上60重量%以下
の各範囲内であって、残余が水であり、インク組成物全
体で100重量%となる配合割合が好適である。
【0021】主にカーボンブラックを顔料として用いる
場合であるが、調製したインク組成物のpHが低すぎた
り、高すぎたりして顔料やエマルション粒子の長期の分
散安定性が確保しがたい場合がある。このような場合に
はインク組成物に微量の酸またはアルカリ性物質を添加
してpHを6.5以上9.5以下の範囲内調節すると安
定性が確保できる。このような例はカーボンブラック以
外の有彩色有機顔料を用いる場合には稀あるが、顔料の
合成方法によって遭遇することがある。この場合も前述
と同様のpH調節を行って安定性を確保しておくのが好
ましい。
【0022】本発明のインク組成物は粘度5〜20mPa
・s、表面張力28〜40mN/mであって、各種ピエ
ゾ型インクジェット印刷機で好適に使用可能である。
【0023】本発明のインク組成物の製造方法を、その
一例を挙げて説明する。顔料を水系媒体に分散させて顔
料分散液を調製する。攪拌下のo/w型エマルションに
顔料分散液を徐々に添加する。その際一度に急添すると
エマルションが破壊されることがあるので注意を要す
る。ついで、水や多価アルコールを追加して全体の配合
割合を所定値に調製する。本発明で用いるアセチレング
リコールあるいはその誘導体は、顔料分散液の調製時に
顔料分散液に添加して、またはエマルション液に添加し
て、あるいは多価アルコールに溶解してのいずれの段階
において組成物中に配合することが可能である。アセチ
レングリコールあるいはその誘導体の溶解性挙動からす
ると、多価アルコールに溶解しての添加がもっとも無難
である。組成物の配合完了後遠心分離や濾過によって粗
大粒子や異物を除去する。この操作で配合割合が変動し
た場合には、所定値になるよう再調整する。またこの段
階でインク組成物のpHを測定し、それが前項の範囲か
ら逸脱していれば微量の酸性またはアルカリ性物質を添
加してpHが好適な範囲内にあるよう調整する。得られ
たインク組成物は、先述の分散性試験、印刷試験、およ
び固着性試験等で本発明の目的にかなうことを確認す
る。なお以上の別法として、濃厚なインク組成物を作っ
ておき、使用に当たって水系触媒を添加して所定濃度に
調整することも可能であるが、濃厚液では分散安定性に
劣る場合があるので注意を要する。
【0024】以下に実施例を揚げて、本発明の詳細をよ
り具体的に示す。インク組成物の評価は先述のように、
調整したインク組成物の顔料およびエマルション粒子の
分散安定性に関する(イ)加速分散安定性試験および
(ロ)室温分散安定性試験を、印刷特性に関する(ハ)
初期印刷試験、(ニ)加速分散性試験後の印刷試験、
(ホ)室温分散性試験後の印刷試験を、エマルション樹
脂の顔料固着性に関する、綿とエステル綿混の織物およ
び編物を印刷対象品として行った、上記の印刷試験片
を、インク乾燥後に洗剤使用の温水洗濯試験機にて洗濯
し、顔料の移行や脱落の有無とその程度をみる(へ)温
水洗濯試験、また、紙を印刷対象品とした場合の(ト)
水漏れ擦過試験を実施した。また、(チ)上記印刷試験
片を分解し顔料が繊維間や短繊維間に何処まで浸透した
かを判定したり、(リ)インクジェット印刷試験でイン
クの吐出速度を、例えば、500Hzから5000Hz
まで変えて高速の印刷に対応可能か否かを判定した。以
上のようにして目的達成の可否を判断した。印刷試験は
ピエゾ素子を用いたインクジェット印刷機であるザール
社製Xaarjet XJ128/360/55によっ
て実施した。
【0025】(実施例1)黒色顔料であるカーボンブラ
ック(C.I.ピグメントブラック7)60部、分散剤で
あるスチレン/α−メチルスチレン/アクリル酸共重合
体の30重量%溶液(ジョンソンポリマー製ジョンクリ
ル70)70部、インクの保湿剤を兼ねる媒体であるエ
チレングリコール60部、防腐剤であるプロクセルLV
2部、および水60部をボールミルに装填し、顔料の平
均粒径が0.15μm以下になるよう100時間かけて
顔料分散液を調製した。一方、ポリカーボネート型ポリ
ウレタンエマルションの40重量%溶液(武田薬品工業
製タケラックW−551/Tg35℃、平均エマルショ
ン粒子径0.10μm)150部に、保湿剤を兼ねる媒
体であるグリセリン100部、次いでジエチレングリコ
ール300部を攪拌下に徐々に添加してエマルション液
を調製した。エマルション液に顔料分散液を攪拌下に徐
々に添加し、ついで、表面張力調整剤でもある浸透剤と
してサーフィノール440(日信化学工業製、(化3)
のエチレンオキシド3.5モル付加物)を純分で10部
とpH調節剤のジエタノールアミン6部を、水82部と
グリセリン100部の混合液に溶解した液を攪拌下に徐
々に添加した(合計1000部)。遠心分離と濾過によ
り粗大粒子を除去したが、インクの組成比率は実質的に
は変わらず、かくしてインク組成物の調製を完了した。
えられたインク組成物は粘度が13.5mPa・s、表面
張力が38.0mN/m、pHが9.0で、顔料および
エマルション粒子はともに微細に分散しており、加速分
散性試験および室温分散性試験で、その安定性が確認で
きた。3種の印刷試験でも順調なジェット印刷が行え
た。とくに吐出周波数を1000Hzから順次5000
Hzにまで高めても順調なジェット印刷が行えた。印刷
画像の境界は鮮明であり、顔料は繊維間とくに短繊維間
にまでよく浸透していた。各種印刷試験片の温水洗濯試
験および水漏れ擦過試験で、印刷物での顔料の移行や脱
落はなかった。
【0026】(比較例1)実施例1における浸透剤をポ
リオキシエチレンラウリエーテル系界面活性剤(第一工
業製薬製ノイゲンET−143)に代え、組成比率は同
じにして、実施例1の方法を繰り返した。えられたイン
ク組成物で分散安定性や印刷特性も、印刷試験片の温水
洗濯試験および水漏れ擦過試験で、印刷物での顔料の移
行や脱落が起こらず満足すべきものであったが、顔料の
短繊維間への浸透が実施例1の場合に比較して不十分で
あった。また、印刷画像の境界の鮮明さが実施例1の場
合に比較して劣り、とくに吐出周波数が4000Hz以
上ではその傾向が強くなった。
【0027】(比較例2)実施例1におけるエマルショ
ンを酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂エマルション
(クラリアントポリマー製アプレタン2200/純分4
6重量%)に代え、組成比率は同じにして、実施例1の
方法を繰り返した。えられたインク組成物で分散安定性
や印刷特性は満たされ、顔料の短繊維間への浸透も良か
ったが、印刷試験片の温水洗濯試験および水漏れ擦過試
験で、印刷物での顔料の移行や脱落が起こり不満足な結
果に終わった。
【0028】(実施例2)黄色顔料であるジスアゾエロ
ー(C.I.ピグメントイエロー17)30部、分散剤で
あるスチレン/α−メチルスチレン/アクリル酸共重合
体の34重量%溶液(ジョンソンポリマー製ジョンクリ
ル62)35部、インクの保湿剤を兼ねる媒体であるグ
リセリン30部、防腐剤であるプロクセルLV2部、お
よび水50部をビーズミルに装填し、5時間かけて顔料
分散液を調製した。一方、ポリカーボネート型ポリウレ
タンエマルションの30重量%溶液(武田薬品工業製タ
ケラックW−6010/Tg90℃、平均エマルション
粒子径0.06μm)200部に、保湿剤を兼ねる媒体
であるグリセリン170部、次いでジエチレングリコー
ル300部、さらにpH調製剤のジエタノールアミン3
部を攪拌下に徐々に添加してエマルション液を調製し
た。エマルション液に顔料分散液を攪拌下に徐々に添加
し、ついで表面張力調整剤でもある浸透剤としてサーフ
ィノール82(日信化学工業製、(化2)の化合物)を
純分で15部とpH調節剤のジエタノールアミン5部
を、水80部とグリセリン80部の混合液に溶解した液
を攪拌下に徐々に添加した(合計1000部)。遠心分
離と濾過により粗大粒子を除去したが、インクの組成比
率は実質的には変わらず、かくしてインク組成物の調製
を完了した。えられたインク組成物は粘度が10.3mP
a・s、表面張力が35.7mN/m、pHが8.8
で、顔料およびエマルション粒子はともに微細に分散し
ており、加速分散安定性試験および室温分散安定性試験
で、その安定性が確認できた。3種の印刷試験でも順調
なジェット印刷が行えた。とくに吐出周波数を500H
zから順次5000Hzにまで高めても順調なジェット
印刷が行えた。印刷画像の境界は鮮明であり、顔料は繊
維間とくに短繊維間にまでよく浸透していた。各種印刷
試験片の温水洗濯試験および水漏れ擦過試験で、印刷物
での顔料の移行や脱落はなかった。
【0029】(比較例3)実施例2における浸透剤をポ
リオキシアルキレンイソデシルエーテル系界面活性剤
(第一工業製薬製ノイゲンSDX−60)に代え、組成
比率は同じにして、実施例2の方法を繰り返した。えら
れたインク組成物で分散安定性や印刷特性も、印刷試験
片の温水洗濯試験および水漏れ擦過試験で、印刷物での
顔料の移行や脱落が起こらず満足すべきものであった
が、顔料の短繊維間への浸透が実施例2の場合に比較し
て不十分であった。また、印刷画像の境界の鮮明さが実
施例2の場合に比較して劣り、とくに吐出周波数が40
00Hz以上ではその傾向が強くなった。
【0030】(比較例4)実施例2におけるエマルショ
ンをアクリルシリコン樹脂エマルション(日本エヌエス
シー製カネビノールKD−3/純分26重量%、平均エ
マルション粒子径0.02μm)に代え、組成比率は同
じにして、実施例2の方法を繰り返した。調製当初のイ
ンク組成物で、顔料およびエマルションともに微細に分
散をしていたが、加速分散安定性試験および室温分散安
定性試験の途中で顔料の凝集や液の粘度の上昇が観察さ
れ、しかも初期印刷試験の途中でノズル孔の約20%で
インクの吐出が停止した。
【0031】(実施例3)キナクリドン系赤色顔料であ
るC.I.ピグメントレッド122の40部、分散剤であ
るポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルト
リエタノールアミン塩(武田薬品製エマール20T)3
0部、インクの保湿剤を兼ねる媒体であるジエチレング
リコール50部、防腐剤であるプロクセルLV2部、お
よび水40部をボールミルに装填し、90時間かけて顔
料分散液を調製した。一方、ポリエステル型ポリウレタ
ンエマルションの35重量%溶液(武田薬品工業製タケ
ラックW−7004/Tg10℃、平均エマルション粒
子径0.08μm)150部に、保湿剤を兼ねる媒体で
あるグリセリン100部、次いでジエチレングリコール
250部を攪拌下に徐々に添加してエマルション液を調
製した。この液にpH調製剤であるトリエタノールアミ
ン4部とサーフィノール104(日信化学工業製、(化
3)の化合物)の純分で10部を、水124部とグリセ
リン200部の混合液に溶解した液を攪拌下に徐々に添
加し、ついで顔料分散液を添加したた(合計1000
部)。遠心分離と濾過により粗大粒子を除去したが、イ
ンクの組成比率は実質的には変わらず、かくしてインク
組成物の調製を完了した。えられたインク組成物は粘度
が15.2mPa・s、表面張力が31.0mN/m、p
Hが8.7で、顔料およびエマルション粒子は共に微細
に分散しており、加速分散安定性試験および室温分散安
定性試験で、その安定性が確認できた。3種の印刷試験
で、吐出周波数を500Hzから順次5000Hzにま
で高めても順調なジェット印刷が行えた。印刷画像の境
界は鮮明であり、顔料は繊維間とくに短繊維間にまでよ
く浸透していた。各種印刷試験片の温水洗濯試験および
水漏れ擦過試験で、印刷物での顔料の移行や脱落はなか
った。
【0032】(比較例5)実施例3における浸透剤をポ
リオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤(第一
工業製薬製ノイゲンET−115)に代え、組成比率は
同じにして、実施例3の方法を繰り返した。えられたイ
ンク組成物で分散安定性や印刷特性も、印刷試験片の温
水洗濯試験および水漏れ擦過試験で、印刷物での顔料の
移行や脱落が起こらず満足すべきものであったが、顔料
の短繊維間への浸透が実施例3の場合に比較して不十分
であった。また、印刷画像の境界の鮮明さが実施例3の
場合に比較して劣り、とくに吐出周波数が4000Hz
以上ではその傾向が強くなった。
【0033】(実施例4)青色顔料であるフタロシアニ
ンブルー(C.I.ピグメントブルー15:3)20部、
分散剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン
酸エステル(第一工業製薬製プライサーフA215C/
純分99重量%)6部、エチレングリコール25部、プ
ロクセルLV2部、および水25部をビーズミルに装填
し、6時間かけて顔料分散液を調製した。一方、ポリエ
ステル型ポリウレタンエマルションの30重量%溶液
(武田薬品工業製タケラックXW−75−C154/、
平均エマルション粒子径0.075μm)180部に、
グリセリン100部、ジエチレングリコール300部、
pH調製剤であるジエチルアミン2部とサーフィノール
465(日信化学工業製、(化3)の化合物のエチレン
オキシド10モル付加物)を純分で10部を水140部
とグリセリン100部の混合液に溶解した液を順次攪拌
下に徐々に添加し、エマルション液を調製した。このエ
マルション液に顔料分散液を攪拌下に徐々に添加した
(合計1000部)。遠心分離と濾過により粗大粒子を
除去したが、インクの組成比率は実質的には変わらず、
かくしてインク組成物の調製を完了した。えられたイン
ク組成物は粘度が18.0mPa・s、表面張力が32.
9mN/m、pHが9.0で、顔料およびエマルション
粒子は共に微細に分散しており、加速分散安定性試験お
よび室温分散安定性試験で、その安定性が確認できた。
3種の印刷試験で吐出周波数を1000Hzから順次5
000Hzにまで高めても順調なジェット印刷が行え
た。印刷画像の境界は鮮明であり、顔料は繊維間とくに
短繊維間にまでよく浸透していた。各種印刷試験片の温
水洗濯試験および水漏れ擦過試験で、印刷物での顔料の
移行や脱落はなかった。
【0034】(比較例6)実施例4における浸透剤をポ
リオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤(第一
工業製薬製ノイゲンET−116C)に代え、組成比率
は同じにして、実施例4の方法を繰り返した。えられた
インク組成物で分散安定性や印刷特性も、印刷試験片の
温水洗濯試験および水漏れ擦過試験で、印刷物での顔料
の移行や脱落が起こらず満足すべきものであったが、顔
料の短繊維間への浸透が実施例4の場合に比較して不十
分であった。また、印刷画像の境界の鮮明さが実施例4
の場合に比較して劣り、とくに吐出周波数が4000H
z以上ではその傾向が強くなった。
【0035】(比較例7)実施例4における分散剤を水
溶性セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルセルロ
ース(日本曹達製HPC−SL)に代えて、実施例4の
方法を繰り返した。インク組成物は分散安定性が劣悪
で、本発明が目的とするインク組成物としては失格であ
った。
【0036】(実施例5)黒色顔料であるカーボンブラ
ック(C.I.ピグメントブラック7)60部、分散剤で
あるスチレン/α−メチルスチレン/アクリル酸共重合
体の30重量%溶液(ジョンソンポリマー製ジョンクリ
ル70)70部、エチレングリコール60部、プロクセ
ルLV2部、および水60部をボールミルに装填し、顔
料の平均粒径が0.15μm以下になるよう100時間
かけて顔料分散液を調製した。一方、ポリエステル型ポ
リウレタンエマルションの35重量%溶液(日本エヌエ
スシー製RD20/最低造膜温度0℃、平均エマルショ
ン粒径0.08μm)150部に、グリセリン100
部、次いでジエチレングリコール300部を攪拌下に徐
々に添加してエマルション液を調製した。エマルション
液に顔料分散液を攪拌下に徐々に添加し、ついでサーフ
ィノール82(日信化学工業製、(化2)の化合物)を
純分で10部とpH調節剤のジエタノールアミン4部
を、水84部とグリセリン100部の混合液に溶解した
液を攪拌下に徐々に添加した(合計1000部)。遠心
分離と濾過により粗大粒子を除去したが、インクの組成
比率は実質的には変わらず、かくしてインク組成物の調
製を完了した。えられたインク組成物は粘度が16.5
mPa・s、表面張力が34.4mN/m、pHが9.
1で、顔料およびエマルション粒子はともに微細に分散
しており、加速分散安定性試験および室温分散安定性試
験で、その安定性が確認できた。3種の印刷試験でも吐
出周波数を500Hzから順次5000Hzにまで高め
ても順調なジェット印刷が行えた。印刷画像の境界は鮮
明であり、顔料は繊維間とくに短繊維間にまでよく浸透
していた。各種印刷試験片の温水洗濯試験および水漏れ
擦過試験で、印刷物での顔料の移行や脱落はなかった。
【0037】(比較例8)実施例5の調製方法であるエ
マルション液に顔料分散液を添加するのを逆にして、顔
料分散液にエマルション液を添加したところエマルショ
ンの破壊が起こってしまい、目的とするインク組成物を
調製することができなかった。
【発明の効果】特定種の浸透剤と特定種のエマルション
を必須成分として選択配合したことにより、インクジェ
ット印刷用水系顔料インクの印刷特性を確保したまま、
印刷対象物への顔料の浸透性と固着性を改善することが
可能になった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)顔料、(2)水系分散媒体、(3)
    顔料用分散剤、(4)ポリウレタン系樹脂を主体とする
    o/w型エマルション粒子、および(5)アセチレング
    リコールかその誘導体の5種の必須成分からなることを
    特徴とするインクジェット印刷用水系顔料インク組成
    物。
  2. 【請求項2】 アセチレングリコールが脂肪族炭化水素
    基を置換基として有するアセチレングリコールであり、
    誘導体が該アセチレングリコールのエチレンオキシドお
    よび/またはプロピレンオキシド付加物であることを特
    徴とする、請求項1に記載のインクジェット印刷用水系
    顔料インク組成物。
  3. 【請求項3】 エマルション粒子の平均粒径が0.3μ
    m以下であることを特徴とする、請求項1または請求項
    2に記載のインクジェット印刷用水系顔料インク組成
    物。
  4. 【請求項4】 エマルションが自己乳化型ポリウレタン
    系エマルションであることを特徴とする、請求項1、2
    または3に記載のインクジェット印刷用水系顔料インク
    組成物。
  5. 【請求項5】 水系分散媒体が、エチレングリコール、
    ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
    ピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリ
    ンのいずれかである多価アルコールと水の混合液である
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のイ
    ンクジェット印刷用水系顔料インク組成物。
  6. 【請求項6】 インク組成物のpHが6.5以上9.5
    以下の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜5の
    いずれかに記載のインクジェット印刷用水系顔料インク
    組成物。
  7. 【請求項7】 インク組成物の必須成分の配合割合が、
    顔料はインク組成物全体に対して、有彩色有機顔料で
    0.3重量%以上8.0重量%以下、カーボンブラック
    で1.0重量%以上12.0重量%以下、分散剤は顔料
    に対して20重量%以上80重量%以下、エマルション
    樹脂は顔料の重量に対して10重量%以上500重量%
    以下、アセチレングリコールかその誘導体は顔料の重量
    に対して2重量%以上500重量%以下、媒体の一部で
    ある多価アルコールはインク組成物全体に対して10重
    量%以上60重量%以下の各範囲内にあって、残余が水
    であり、インク組成物全体で100重量%となることを
    特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジ
    ェット印刷用水系顔料インク組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のインク
    ジェット印刷用水系顔料インク組成物を用いてインクジ
    ェット印刷された記録物。
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