JP4895063B2 - インク組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用水性インクに関し、さらに詳しくは、優れた連続吐出安定性で、記録メディアに対する浸透性が良好な水性インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
優れた分散安定性と吐出安定性に優れたインクジェット記録用インクとして、特開平8−183920号公報には、マイクロカプセル化した着色剤からなる着色樹脂粒子を含有する記録用水性インクが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、着色樹脂粒子水性分散体からなるインクを用いてインクジェットプリンタで高速印刷を行う場合に、着色樹脂粒子の表面あるいは樹脂被膜内部の水性媒体との濡れ性が不足すると、濡れの不十分な着色樹脂粒子を核とした気泡の発生の影響でインクの吐出が不安定になったり、プリントヘッド内でのヘッド材料とインクの濡れが不足して、同様にヘッド材料とインクの界面での気泡の発生の影響で吐出が不安定になる問題があった。この問題を解決するために、着色樹脂粒子と水性媒体内の濡れと、インクとヘッド材料内の濡れとを向上させる必要があった。更に、記録メディアへのインクの浸透性を付与して、記録メディアへの速乾性を向上させたり、印刷品質を高めるためにドット径を広げたりするためにインクと記録メディアの間の濡れを一層向上させる必要があった。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、インクジェット記録用水性インクに関し、優れた連続吐出安定性と、記録メディアに対する浸透性が良好な水性インク組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、少なくとも一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性樹脂によって、顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子の水性分散体からなるインクにおいて、アセチレン結合を有する界面活性剤を含有するインク組成物を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のアセチレン結合を有する界面活性剤は、インク中の着色樹脂粒子の表面や樹脂被膜層に浸透して、水性媒体との親和性を著しく高めると同時に、水性媒体中に溶解もしくは分散させることにより、インクとプリントヘッドとの濡れを大幅に向上させる機能を発揮する。その結果、高速印刷におけるインク中の気泡の発生を抑制し、極めて安定な吐出が得られると共に、吐出したインク滴と記録メディアとの濡れが良好であり、速乾性でドット径が広がり、印刷品質に優れた印刷物を提供することができる。
【0007】
本発明のアセチレン結合を有する界面活性剤としては、例えば、一般式(1)
【0008】
【化2】
Figure 0004895063
【0009】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、おのおの独立的に炭素原子数1〜5のアルキル基、アルコキシル基、アルキレン基、フェニル基及び置換基を有するフェニル基を表わし、n及びmは、両者の和が0〜40の範囲にある。)で表わされる化合物が挙げられる。
【0010】
上記一般式(1)で表わされる化合物の具体的なものとしては、例えば、以下の表に掲げた化合物が挙げられる。ただし、m+nの値は、平均付加モル数で表わす。
【0011】
【表1】
Figure 0004895063
【0012】
本発明のインク組成物には、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルを添加併用することもできる。ポリオキシプロピレングリセリルエーテルを併用することにより、インクの吐出安定性がより向上し、高品質な記録画像を提供することができる。
【0013】
本発明のインク組成物に添加併用することができるポリオキシプロピレングリセリルエーテルは、グリセリンにプロピレンオキシドを公知公用の手段で付加せしめたもので、一般式(2)
【0014】
【化3】
Figure 0004895063
【0015】
(式中、l、m及びnは、0または正の整数を表わすが、lとmとnとの和は1〜12の範囲にある。)
で表わされる化合物である。
【0016】
上記一般式(2)で表わされる化合物の具体的なものとしては、例えば、以下の表に掲げた化合物が挙げられる。ただし、l+m+nの値は、平均付加モル数で表わす。
【0017】
【表2】
Figure 0004895063
【0018】
本発明のインク組成物には、低級アルコールのプロピレンオキシド付加体を添加併用することもできる。低級アルコールのプロピレンオキシド付加体を併用することにより、インクの吐出の安定性がより向上し、インクの被記録媒体への浸透性が向上さえることができる。
【0019】
本発明のインク組成物に添加併用することができる低級アルコールのプロピレンオキシド付加体は、一般式(3)
【0020】
【化4】
Figure 0004895063
【0021】
(式中、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基を表わし、nは1〜20の整数を表わす。)
で表わされる化合物である。
【0022】
上記一般式(3)で表わされる化合物の具体的なものとしては、例えば、以下の表に掲げた化合物が挙げられる。ただし、nの値は、平均付加モル数で表わす。
【0023】
【表3】
Figure 0004895063
【0024】
インク中のアセチレン結合を有する界面活性剤の含有量は0.01〜5重量%の範囲が好ましく、0.05〜1.0重量%の範囲が特に好ましい。また、ポリオキシプロピレングリコールエーテルを併用する場合のインク中のポリオキシプロピレングリセリルエーテルの含有量は0.01〜5.0重量%の範囲が好ましく、0.05〜1.0重量%の範囲が特に好ましい。さらに、低級アルコールのプロピレンオキサイド付加体を併用する場合のインク中の低級アルコールのプロピレンオキシド付加体の含有量は、0.01〜20.0重量%の範囲が好ましく、0.5〜10.0重量%の範囲が特に好ましい。
【0025】
アセチレン結合を有する界面活性剤、ポリオキシプロピレングリコールエーテル、低級アルコールのプロピレンオキサイド付加体の含有量により得られるインクの表面張力は大きく変化するが、表面張力を28.0〜35.0mN/mの範囲に調整することにより、吐出安定性に優れたインクが得られると共に、被記録媒体への浸透性増大による印刷物の品質が向上する。
【0026】
本発明のインクに用いる顔料は、特に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、チタンホワイト、硫化亜鉛、ベンガラの如き無機顔料;フタロシアニン顔料、モノアゾ系、ジスアゾ系等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料の如き有機顔料が挙げられる。
【0027】
本発明のインクに用いる皮膜形成性樹脂は、公知慣用の、水不溶性の皮膜形成性樹脂を自己水分散性に改質された樹脂がいずれも使用することができる。このような皮膜形成性樹脂としては、特に制限はないが、例えば、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0028】
皮膜形成性樹脂として、自己水分散性樹脂を付与するために、酸価を有することが好ましい。一般的にはスチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂が好ましく、例えば、スチレンあるいはα−メチルスチレンのような置換スチレンと、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位と、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位とを含む共重合体である。これらの共重合体は、少なくともその一部が共有結合性の架橋や多価金属によるイオン架橋されていても良い。
【0029】
酸価を有する皮膜形成性樹脂を自己水分散性樹脂として用いる場合には、その酸基の少なくとも一部が塩基で中和されたものである必要がある。塩基、即ち、アルカリ性中和剤は、得られる自己水分散性樹脂が水に溶解しない程度に加えることができる。
【0030】
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムの如きアルカリ金属の水酸化物;アンモニア、トリエチルアミン、モルホリンの如き塩基性物質;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンの如きアルコールアミンが挙げられる。
【0031】
塩基による中和率は、必ずしも限定されるものではないが、酸価を有する被膜形成性樹脂の酸価の40モル%以上を中和することが好ましい。中和率が40モル%以上であると、得られる着色樹脂粒子が、微粒で、かつ、分散安定性に優れているので、好ましい。
【0032】
本発明のインク中の着色樹脂粒子の割合は、最終的に得られる水性インク中で0.5〜10重量%となるような量が好ましく、また、着色樹脂粒子は、平均粒子径が1μm未満のサブミクロンオーダーのものが好ましい。これは、公知慣用の手段で得ることができる。
【0033】
本発明の着色樹脂粒子を作製する方法には、特に限定されるものではないが、より好ましい方法は、以下の(1)〜(3)の工程からなる方法である。
【0034】
(1)酸価を有する樹脂に、少なくとも顔料を分散または溶解して固形着色コンパウンドを得る樹脂着色工程。
【0035】
(2)少なくとも、水、樹脂を溶解する有機溶媒、塩基、前記樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し、分散によって少なくとも樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る懸濁工程。
【0036】
(3)前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の顔料表面に、溶解している樹脂を沈着させる再沈殿工程。
【0037】
上記(1)の樹脂着色工程は、酸価、好ましくはカルボキシル基を有する樹脂に、少なくとも顔料を分散または溶解して固形着色コンパウンドを得る工程である。この工程は、例えば、従来知られているロールやニーダーやビーズミル等の混練装置を用いて、溶液や加熱溶融された状態で、顔料を、樹脂に均一に溶解または分散させ、最終的に固体混練物(固形着色コンパウンド)として取り出すことにより行うことができる。
【0038】
上記(2)の懸濁工程は、少なくとも、水、樹脂を溶解する有機溶媒、塩基、前記樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し、分散によって少なくとも樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る工程である。上記(1)の樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを、分散媒として水、樹脂を溶解する有機溶媒、塩基を必須とする混合溶媒に加えて、均一に分散する様に攪拌することによって、固形着色コンパウンド表面から、顔料を包含する樹脂が、有機溶媒と塩基の助けを借りて、溶解または自己乳化し、いずれの場合も少なくとも当該樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液が得られる。
【0039】
懸濁液を得るための撹拌方法としては、公知慣用の手法がいずれも採用でき、例えば従来の1軸のプロペラ型の撹拌翼の他に、目的に応じた形状の撹拌翼や撹拌容器を用いて容易に懸濁可能である。
【0040】
懸濁液を得るに当たって、せん断力がない或いは相対的に小さい、単なる混合撹拌のみで、或いは、顔料が比較的凝集しやすい場合には、それに加えて更に、次いで高せん断力下において、より分散を安定させてもよい。この場合の分散機としては、高圧ホモジナイザーや商品名マイクロフルイダイザーやナノマイザーで知られるビーズレス分散装置等を用いるのが、顔料の再凝集が少なく好ましい。
【0041】
上記(3)の再沈殿工程は、前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の顔料表面に、溶解している樹脂を沈着させる工程である。本発明において「再沈殿」とは、顔料、或いは溶解している樹脂が顔料表面に吸着した着色剤を懸濁液の液媒体から、分離沈降させることを意味するものではない。従って、この工程で得られるものは、固形成分と液体成分とが明らか分離した単なる混合物ではなく、溶解している樹脂が顔料表面に吸着した着色剤が、懸濁液の液媒体に安定的に分散した着色樹脂粒子水性分散液である。
【0042】
この(2)の懸濁工程の着色剤懸濁液中の顔料表面へ溶解樹脂の沈着は、例えば、▲1▼少なくとも一部当該樹脂が溶解している着色剤懸濁液に、当該樹脂に対して貧溶媒として機能する水または水性媒体を加えて行う方法、及び/又は、▲2▼着色剤懸濁液から有機溶媒を除去して行う方法によって容易に行うことができる。
【0043】
このようにして得られた着色樹脂粒子水分散液から共存している有機溶媒を更に除いて、樹脂によって包含された顔料着色樹脂粒子の安定な水分散液を得ることができる。
【0044】
前述の製造方法において、カルボキシル基を有する樹脂を溶解する有機溶媒が用いられるが、これは当該樹脂に対して良溶媒として機能するものである。そのような有機溶媒としては、当該樹脂に対して適宜選択することができ、例えば、アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトンの如きケトン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの如きアルコール系溶媒;クロロホルム、塩化メチレンの如き塩素系溶媒;ベンゼン、トルエンの如き芳香族系溶媒;酢酸エチルエステルの如きエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルの如きグリコールエーテル系溶媒;アミド類、などが挙げられる。
【0045】
当該樹脂が、スチレン、置換スチレン、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一つのモノマーと、(メタ)アクリル酸とを含む組成物の共重合体の場合には、メチルエチルケトンの如きケトン系溶媒を主として、助溶媒としてイソプロピルアルコールの如きアルコール系溶媒から選ばれる少なくとも1種類以上の組み合わせが好ましい。
【0046】
上記水性媒体は、主としてジェットインクとして用いるため、ノズル目詰まりを回避するために、イオン交換水以上のグレードの水が好ましい。なお、本発明においる水性媒体とは、水を主成分として含む液媒体を言う。
【0047】
かかる水性媒体には、インクジェット記録用インクとして乾燥防止のための水溶性有機溶媒を乾燥防止剤として併用するのが好ましい。かかる乾燥防止剤としては、インクジェットの噴射ノズル口でのインクの乾燥を防止する効果を与えるものであり、通常水の沸点以上の沸点を有するものが使用される。
【0048】
このような乾燥防止剤としては、特に限定されるものではなく、従来知られているものが特に制限なく用いることができる。そのような乾燥防止剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンの如き多価アルコール類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンの如きピロリドン類;アミド類;ジメチルスルホオキサイド、イミダゾリジノン、などが挙げられる。
【0049】
本発明の水性インク組成物には、必要に応じて、水溶性樹脂、pH調整剤、防腐剤、キレート剤等の添加剤を加えることができる。
【0050】
本発明の水性インク組成物は、そのままでも使用できるが、好適には、1μm以上の粗大粒子を含まないように、さらに好適には0.5μmを越える粗大粒子を含まないように、0.001〜0.4μmとなる様に、濾過を行うことによりサブミクロンオーダーの着色樹脂微粒子を主体としたものが好ましい。
【0051】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例中における「部」は、特に断りがない限り、『質量部』を表わす。
【0052】
<調製例1>(着色樹脂粒子水分散液の調製例)
カーボンブラック20部及びスチレン−アクリル酸−メタクリル酸樹脂(スチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13;分子量5万・酸価160・ガラス転移温度107℃)20部を二本ロールを用いて混練した混練物を、水210部、グリセリン35部、トリエタノールアミン8部、メチルエチルケトン90部及びイソプロピルアルコール40部からなる混合溶液に入れ、室温で3時間撹拌して着色剤懸濁液を得た。
【0053】
得られた懸濁液に撹拌しながら、グリセリン30部と水210部の混合液を毎分5mlの速度で滴下して、黒色着色樹脂粒子水分散液を得た。得られたカプセル液をロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールと水の一部を留去し、顔料分14重量%の黒色着色樹脂粒子水分散液(1)を得た。
【0054】
<調製例2>(着色樹脂粒子水分散液の調製例)
調製例1において、カーボンブラックに代えて、キナクリドン顔料を用いた以外は、調製例1と同様にして、マゼンタ色着色樹脂粒子水分散液(2)を得た。
【0055】
<実施例1>
調製例1で得た着色樹脂粒子水分散液(1)25.4部を、グリセリン21.0部、アセチレン結合を有する界面活性剤(化合物A−1)0.2部、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(化合物B−1)0.1部、プロピレングリコールプロピルエーテル(化合物C−1)5部及びイオン交換水47.9部からなる水溶液に加えた後、混合して、インクジェット記録用水性インクとした。
【0056】
得られた水性インク中の着色樹脂粒子(マイクロカプセル)は、平均粒子径が133.6nmであり、凝集物もなく、長期にわたって安定な分散性を示し、粘度3.51mPa・s、表面張力33mN/mの物性を有するインクであった。
【0057】
インクジェットプリンターを用いた印字は、非常に安定しており、ノズル目詰まりも生じなかった。また、得られたインクを用いて普通紙(PPC用紙)にベタ印刷を行ったところ、均一でムラの少ない印刷画像が得られた。
【0058】
<比較例1>
実施例1において、化合物A−1を用いなかったこと、かつ、イオン交換水の使用量を48.1部としたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用水性インクとした。
【0059】
得られた水性インク中の着色樹脂粒子は平均粒子径が145.4nmで、凝集物もなく、長期にわたって安定な分散を示し、粘度3.44mPa・sとなったが、表面張力がやや高く38.2mN/mであった。
【0060】
インクジェットプリンターを用いた印字は、安定しており、ノズル目詰まりも生じなかったものの、得られた印刷物は、不均一でムラのある印刷画像となった。
【0061】
【表4】
Figure 0004895063
【0062】
◎は優,○は良,△は可,×は不可を表わす。(評価項目は全て△以上である必要がある)
【0063】
<実施例2>
調製例1で得た着色樹脂粒子水分散液(1)26.0部を、グリセリン20.5部、アセチレン結合を有する界面活性剤(化合物A−4)0.1部、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(化合物B−1)0.1部、プロピレングリコールプロピルエーテル(化合物C−1)4部、プロピレングリコールプロピルエーテル(化合物C−2)1部及びイオン交換水48.3部からなる水溶液に加えた後、混合して、インクジェット記録用水性インクとした。
【0064】
得られた水性インク中の着色樹脂粒子(マイクロカプセル)は、平均粒子径が98.5nmであり、凝集物もなく、長期にわたって安定な分散性を示し、粘度3.58mPa・s、表面張力31.1mN/mの物性を有するインクであった。
【0065】
インクジェットプリンターを用いた印字は、非常に安定しており、ノズル目詰まりも生じなかった。また、得られたインクを用いて普通紙(PPC用紙)にベタ印刷を行ったところ、均一でムラのない印刷画像が得られた。
【0066】
<比較例2>
実施例2において、化合物A−4、化合物B−1、化合物C−1及び化合物C−2を用いなかったこと、かつ、イオン交換水の使用量を53.5部としたこと以外は、実施例2と同様にして、インクジェット記録用水性インクとした。
【0067】
得られた水性インク中の着色樹脂粒子は平均粒子径が98.8nmで、凝集物もなく、長期にわたって安定な分散を示し、粘度3.00mPa・sとなったが、表面張力がやや高く53.0mN/mであった。
【0068】
インクジェットプリンターを用いた印字は、不安定であり、ノズル目詰まりは生じなかったものの、得られた印刷物は、不均一でムラのある印刷画像となった。
【0069】
【表5】
Figure 0004895063
【0070】
◎は優,○は良,△は可,×は不可を表わす。(評価項目は全て△以上である必要がある)
【0071】
<実施例3>
調製例2で得た着色樹脂粒子水分散液(2)47.0部を、グリセリン15.0部、アセチレン結合を有する界面活性剤(化合物A−5)0.5部、プロピレングリコールプロピルエーテル(化合物C−1)5部及びイオン交換水32.5部からなる水溶液に加えた後、混合して、インクジェット記録用水性インクとした。
【0072】
得られた水性インク中の着色樹脂粒子(マイクロカプセル)は、平均粒子径が151.1nmであり、凝集物もなく、長期にわたって安定な分散性を示し、粘度3.48mPa・s、表面張力35.4mN/mの物性を有するインクであった。
【0073】
インクジェットプリンターを用いた印字は、安定しており、ノズル目詰まりもほとんど生じなかった。また、得られたインクを用いて普通紙(PPC用紙)にベタ印刷を行ったところ、均一でムラの少ない印刷画像が得られた。
【0074】
<比較例3>
実施例3において、化合物A−5を用いなかったこと、かつ、イオン交換水の使用量を33.0部としたこと以外は、実施例3と同様にして、インクジェット記録用水性インクとした。
【0075】
得られた水性インク中の着色樹脂粒子は平均粒子径が150.5nmで、凝集物もなく、長期にわたって安定な分散を示し、粘度3.40mPa・sとなったが、表面張力がやや高く39.5mN/mであった。
【0076】
インクジェットプリンターを用いた印字は、ほぼ安定しており、ノズル目詰まりも生じなかったものの、得られた印刷物は、不均一でムラのある印刷画像となった。
【0077】
【表6】
Figure 0004895063
【0078】
◎は優,○は良,△は可,×は不可を表わす。(評価項目は全て△以上である必要がある)
【0079】
<実施例4>
調製例2で得た着色樹脂粒子水分散液(2)47.0部を、グリセリン15.0部、アセチレン結合を有する界面活性剤(化合物A−2)0.5部、プロピレングリコールプロピルエーテル(化合物C−1)5部及びイオン交換水32.5部からなる水溶液に加えた後、混合して、インクジェット記録用水性インクとした。
【0080】
得られた水性インク中の着色樹脂粒子(マイクロカプセル)は、平均粒子径が151.4nmであり、凝集物もなく、長期にわたって安定な分散性を示し、粘度3.46mPa・s、表面張力33.4mN/mの物性を有するインクであった。
【0081】
インクジェットプリンターを用いた印字は、安定しており、ノズル目詰まりも生じなかった。また、得られたインクを用いて普通紙(PPC用紙)にベタ印刷を行ったところ、均一でムラの少ない印刷画像が得られた。
【0082】
<比較例4>
実施例4において、化合物A−2及び化合物C−1を用いなかったこと、かつ、イオン交換水の使用量を38.0部としたこと以外は、実施例4と同様にして、インクジェット記録用水性インクとした。
【0083】
得られた水性インク中の着色樹脂粒子は平均粒子径が150.0nmで、凝集物もなく、長期にわたって安定な分散を示し、粘度3.01mPa・sとなったが、表面張力がやや高く52.5mN/mであった。
【0084】
インクジェットプリンターを用いた印字は、不安定で、ノズル目詰まりは生じなかったものの、得られた印刷物は、不均一でムラのある印刷画像となった。
【0085】
【表7】
Figure 0004895063
【0086】
◎は優,○は良,△は可,×は不可を表わす。(評価項目は全て△以上である必要がある)
【0087】
表4〜表6に示した結果から、本発明による水性インク組成物は高品質な記録画像が得られ、吐出安定性にも優れていることがわかる。
【0088】
【発明の効果】
本発明のインク組成物は、インクジェットプリンター用に用いた場合に、吐出安定性に優れ、高品質な記録画像を提供することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性樹脂によって、顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子の水性分散体からなるインクにおいて、アセチレン結合を有する界面活性剤を含有し、該アセチレン結合を有する界面活性剤は,一般式(1)
    Figure 0004895063
    (1)
    (式中、R及びRはメチル基、R及びRはイソブチル基を表わし、n及びmは、両者の和が1.3〜3.5の範囲にある。)で表わされる化合物であることを特徴とするインク組成物。
  2. さらにポリオキシプロピレングリセリルエーテルを含有する請求項1に記載のインク組成物。
  3. さらに低級アルコールのプロピレンオキシド付加体を含有する請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. インクの表面張力が28.0〜35.0mN/mの範囲にある請求項1〜3のいずれか1項記載のインク組成物。
  5. 前記着色樹脂粒子は
    酸価を有する樹脂に、少なくとも顔料を分散または溶解して固形着色コンパウンドを得る樹脂着色工程、
    少なくとも、水、樹脂を溶解する有機溶媒、塩基、前記樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し、分散によって少なくとも樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る懸濁工程、
    及び前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の顔料表面に、溶解している樹脂を沈着させる再沈殿工程を経て得られたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
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